(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の反射部材と前記第2の反射部材とが相対的に遠ざかった第2の状態において前記第1の対向部と前記第2の対向部とが接近して対向し、前記光伝播経路が封鎖されるようになっている
請求項6記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態およびその変形例
隣り合う反射部材同士の境界部分に光吸収膜が設けられた発光装置の例。
2.第2の実施の形態およびその変形例
隣り合う反射部材同士の境界部分に光伝播経路が設けられた発光装置の例。
3.第3の実施の形態およびその変形例
隣り合う反射部材同士の境界部分に光伝播経路が設けられた他の発光装置の例。
4.第4の実施の形態(表示装置;液晶表示装置)
5.表示装置の適用例
6.照明装置の適用例
7.実験例
8.その他の変形例
【0011】
<1.第1の実施の形態>
[発光装置10の構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態としての発光装置10の全体構成を表したものである。
図2は、
図1に示した発光装置10のII-II線に沿った矢視方向の断面を表したものである。発光装置10は、例えば、透過型の液晶パネルを背後から照明するバックライトとして、あるいは室内等において照明装置として用いられるものであり、光源ユニット1、反射部材2、光学シート3および側方反射部材4を有している。
【0012】
(光源ユニット1)
本明細書では、光源ユニット1と反射部材2と光学シート3とが積層された厚さ方向をZ方向(前後方向)とする。また、光源ユニット1、反射部材2および光学シート3が広がる主面(最も広い面)における、左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。
【0013】
発光装置10において、光源ユニット1は複数設けられ、例えばXY平面おいて広がるようにマトリクス状に配列されて1つの光源装置を構成している。各光源ユニット1は、1つの基板12の表面12S上に例えばマトリクス状に配列された 複数の光源11を有している。光源11は点光源であり、具体的には白色光を発振するLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)により構成されている。複数の光源11は、反射部材2に設けられた複数の開口2K(
図2)に1つずつ配置されている。
【0014】
(反射部材2)
反射部材2もまた光源ユニット1と同様に複数設けられ、複数の光源ユニット1と対応してXY平面おいてマトリクス状に配列され、1つの反射板を構成している。
【0015】
反射部材2は、入射光に対して反射、拡散、散乱などの光学的作用を及ぼす機能を有する。反射部材2は、光源11が挿入される開口2Kを複数有している。開口2Kは、それぞれ光源11を取り囲むと共に基板12に対して傾斜した内面2Sを有する。反射部材2は、開口2Kの内面2Sの上端縁同士を繋ぐ天面2Tをさらに有している。ここで、反射部材2の厚さT2は、光源11の厚さT1よりも十分に大きく、例えば3.4mm厚である(
図2)。開口2Kは、例えば直径W1を有する円形の下端縁と直径W2(>W1)を有する円形の上端縁とを含む、基板12から光学シート3へ向けて平面積が徐々に拡大する逆円錐台形状の空間を形成している。直径W1は例えば7mmであり、直径W2は例えば8.5mmである。また、開口2Kの配列ピッチ(光源11の配列ピッチ)PTは例えば11.3mmである。ただし、開口2Kの平面形状は円形に限定されるものではなく、楕円形や多角形など、他の形状をも取りうるものである。なお、XY面内において、開口2Kの中心点は、光源11の光軸と一致しているとよい。
【0016】
反射部材2は、例えば板状の部材から削り出しにより、あるいは射出成型や熱プレス成型などにより作製されるものである。反射部材2の構成材料としては、例えばポリカーボネート樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)などのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、MS(メチルメタクリレートとスチレンの共重合体)などの非晶性共重合ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。反射部材2についての詳細は後に説明する。
【0017】
(側方反射部材4)
側方反射部材4は、複数の光源11を四方から取り囲むように例えば基板12の最外縁に沿って立設する壁部材である。側方反射部材4は、発光装置10の外縁から内側へ向けて傾斜する傾斜面4Sを含んでいる。この傾斜面4Sは反射機能を有している。
【0018】
(光学シート3)
光学シート3は、例えば
図2に示したように、側方反射部材4の天面4Tに載置されている。光学シート3は、複数の光源ユニット1および複数の反射部材2を共通に覆うように、光源11、基板12の表面12S、および反射部材2の天面2Tと対向するように設けられている。基板12の表面12Sと光学シート3の裏面3S2との間隔は側方反射部材4の厚さT4と実質的に同一であり、例えば8mmである。光学シート3は、例えば、拡散板,拡散シート,レンズフィルム,偏光分離シートなどのシート状部材が複数積層されたものである。各図では、これら複数のシート状部材をまとめて1つの積層構造体として記載している。このような光学シート3を設けることにより、光源11から斜め方向に出射した光や反射部材2から斜め方向に出射した光を正面方向(Z方向)に立ち上げることが可能となり、正面輝度をさらに高めることが可能となる。
【0019】
[反射部材2の詳細な構成]
次に、
図3A〜3Cおよび
図4A〜4Cを参照して、反射部材2の詳細な構成について説明する。
図3Aは、複数の反射部材2のうちの1つの反射部材2A(
図1参照)の外縁近傍を拡大して表した斜視図である。
図3Bは、反射部材2Aと隣り合う反射部材2B(
図1参照)の外縁近傍を拡大して表した斜視図である。
図3Cは、反射部材2Aと反射部材2Bとの境界近傍を拡大して表した斜視図である。但し、
図3A〜3Cには、複数の光源ユニット1のうちの、反射部材2Aに対応する光源ユニット1Aおよび反射部材2Bに対応する光源ユニット1Bについても併せて示す。また、
図4A〜4Cは、いずれも、
図1に示した発光装置10のIV-IV線に沿った矢視方向の断面を表したものである。但し、
図4Aは、反射部材2Aおよび反射部材2Bがそれぞれ基準位置にある中間状態に対応している。これに対し
図4Bは、反射部材2Aと反射部材2Bとが中間状態と比較して互いに近づいた接近状態に対応している。また
図4Cは、反射部材2Aと反射部材2Bとが中間状態と比較して互いに遠ざかった離間状態に対応している。
【0020】
反射部材2Aの直下に設けられた光源ユニット1Aは、基板12Aの上に光源11Aが複数設けられたものである。反射部材2Aは、複数の光源11Aの各々と対応する位置に設けられた複数の開口2KAと、自らの外縁に沿って設けられた重畳部分R1とを含んでいる。重畳部分R1は、後述の重畳部分R2と重なり合う部分であり、反射部材2Aのうちの他の部分(以下、便宜上、通常部分という。)よりも厚さが薄く、その厚さは例えば通常部分の厚さの半分以下である。したがって、反射部材2Aの通常部分と重畳部分R1との境界には段差部23Aが形成されている。この段差部23Aは、後述する係止部22Bと当接することとなる部分でもある。また、重畳部分R1には、基板12A上の一部の光源11Aに対応した位置に境界部開口(以下、単に「開口」という。)21Aが設けられている(
図3A,
図4A参照)。開口21Aの外縁の一部には係止部22Aが立設している。
【0021】
反射部材2Bの直下に設けられた光源ユニット1Bは、基板12Bの上に光源11Bが複数設けられたものである。反射部材2Bは、複数の光源11Bの各々と対応する位置に設けられた複数の開口2KBと、自らの外縁に沿って設けられた重畳部分R2とを含んでいる。重畳部分R2は、先述の重畳部分R1と重なり合う部分であり、反射部材2Bのうちの他の部分(便宜上、通常部分という。)よりも厚さが薄く、その厚さは例えば通常部分の厚さの半分以下である。したがって、反射部材2Bの通常部分と重畳部分R2との境界には段差部23Bが形成されている。この段差部23Bは、重畳部分R1における係止部22Aと当接することとなる部分でもある。重畳部分R2は重畳部分R1と厚さ方向において重なり合うことにより重畳部分Rとなる(
図3C,4A〜4C参照)。また、重畳部分R2には、開口21Aに対応した位置に開口21Bが設けられている(
図3B,
図4A参照)。開口21Bは開口21Aと厚さ方向において重なり合うことにより、基板12A上の一部の光源11Aに対応した一の開口21(
図3C参照)を形成している。開口21Bの外縁の一部には、先述の段差部23Aと当接することとなる係止部22Bが設けられている。
【0022】
発光装置10では、複数の反射部材2は、互いの重畳部分が重なり合う範囲において互いのXY面内方向の相対位置が変化するように構成されている。すなわち、例えば
図4A〜
図4Cに示したように、反射部材2Aと反射部材2Bとの間には、重畳部分R1と重畳部分R2とが重なり合う範囲においてXY面内方向の相対位置を調整するための遊びが確保されている。例えば、
図4Aは通常の温度環境下(例えば20℃)での使用時の配置状態を表し、
図4Bは高温環境下(比較的長時間に亘って光源11を発光させた場合など)での使用時の配置状態を示し、
図4Cは低温環境下(冬期の屋外使用時など)での配置状態を示している。高温環境下では、熱膨張により反射部材2Aおよび反射部材2BがそれぞれXY面内に広がることとなる。したがって、
図4Bでは、反射部材2Aと反射部材2Bとが互い接近し、段差部23Aと係止部22Bとが当接すると共に段差部23Bと係止部22Aとが当接した状態となっている。一方、低温環境下では反射部材2Aおよび反射部材2BがそれぞれXY面内において収縮することとなる。したがって、
図4Cでは、反射部材2Aと反射部材2Bとが互い遠ざかり、段差部23Aと係止部22Bとが大きく離間すると共に段差部23Bと係止部22Aとが大きく離間した状態となっている。
【0023】
反射部材2Aの重畳部分R1は、反射部材2Bの重畳部分R2と対向する対向面24Aを含んでいる。一方、重畳部分R2は、重畳部分R1と対向する対向面24Bを含んでいる。ここで対向面24Aの反射率は、開口2KA,2KB,21の内面2Sの反射率よりも低いことが望ましい。例えば対向面24Aには光吸収膜2SSが形成されているとよい。この光吸収膜2SSは、例えば
図4Aの基準状態や
図4Cの離間状態においては係止部22Bと対向して隠れているが、例えば
図4Bの接近状態においては開口21に露出することとなる。よって、
図4Bの接近状態では、光源11Aからの光が光吸収膜2SSによって一部吸収され、その反射が抑制される。光吸収膜2SSとしては、例えば黒色の顔料を含む樹脂塗料もしくは光吸収性のフィルムを、反射部材の表面に付着させた2次加工品を適用することができる。あるいは、黒色の樹脂等の光吸収性素材をインサート成形にて反射部材表面に一体に形成したものを光吸収膜2SSとして用いてもよい。
【0024】
発光装置10は、1つのシャーシ(後部筐体)5をさらに有している。シャーシ5は、複数の光源ユニット1および複数の反射部材2に対して共通に設けられており、それら複数の光源ユニット1および複数の反射部材2を収容している。各反射部材2は、連結部材6を介してシャーシ5にそれぞれ保持されている。また、各光源ユニット1における基板12もまた、連結部材6を介してシャーシ5にそれぞれ保持されている。具体的には、
図4A〜
図4Cに示したように、例えば反射部材2Aとシャーシ5とは、連結部材6Aによって繋がれており、反射部材2Bとシャーシ5とは、連結部材6Bによって繋がれている。さらに、基板12Aは連結部材6Aに保持されており、基板12Bは連結部材6Bに保持されている。したがって、発光装置10において温湿度変化などに伴う膨張収縮が生じた場合であっても、対応する反射部材2と基板12とがXY面内において一体に動くこととなる。すなわち、隣り合う複数の反射部材2同士が直接付勢し合うことがない。このため、それら対応する反射部材2と基板12との相対位置ずれを低減することができる。
【0025】
[発光装置10の作用および効果]
発光装置10では、光源11から発せられた光は、光源11の発光点から360°全方位に広がり、直接的に光学シート3に入射し、または反射部材2や基板12の表面12Sなどにおいて反射するなどして間接的に光学シート3の裏面3S2に入射する。光学シート3に入射した光は光学シート3を透過して表面3S1から出射し、光学シート3の外側(光源11と反対側)において面発光光として観察される。
【0026】
この発光装置10では反射部材2が設けられていることにより、光源11から射出した光が例えば以下のような挙動を示すこととなる。すなわち、例えば
図2に示したように、光源11から射出した光Lは、開口2Kの内面2Sにおいて反射したのち光学シート3へ向かう。あるいは、光源11から射出した光Lは光学シート3の裏面3S2へ到達し、さらに反射部材2の内面2Sもしくは天面2T、基板12の表面12Sまたは側方反射部材4の傾斜面4S底面部33において反射、拡散または散乱して光学シート3へ再度向かうこととなる。このような作用により、反射部材2を搭載した発光装置10では、光源11からの光を効率的に利用して正面輝度を高めつつ、点灯したい領域に光を集光できるので、エリアコントラスト性能の向上が期待できる。また、隣り合う他の光源11からの光との境界が明確に現れないようにXY面内での輝度分布の平坦化が実現される。
【0027】
また、発光装置10では、複数の光源ユニット1をマトリクス状に配置して1つの光源装置を構成すると共に、複数の光源ユニット1に対応するように複数の反射部材2をマトリクス状に配置して1つの反射板を構成するようにした。さらに、それら複数の光源ユニット1同士の境界および複数の反射部材2同士の境界に遊びを設けるようにした。これにより、所定の範囲内において複数の光源ユニット1同士が互いを付勢することなく相対的に変位でき、かつ、所定の範囲内において複数の反射部材2同士が互いを付勢することなく相対的に変位できるようにした。このため、複数の反射部材2の各々において温湿度条件等の変化により膨張または収縮を生じた場合であっても、そのような寸法変動はXY面内方向における複数の反射部材2の相対位置の変位により吸収される。
【0028】
例えば反射部材2Aおよび反射部材2Bが膨張した場合には反射部材2Aおよび反射部材2Bが互いに接近することとなるものの、互いに付勢し合うことはない。したがって、光源11A,11Bの各位置と反射部材2A,2Bの開口2KA,2KBの各位置との相対位置ずれが生じにくい。その結果、反射部材2Aと反射部材2Bとが接近した際であっても、それらの境界近傍に輝線が生じるのを抑制できる。特に、反射部材2Aの重畳部分R1における対向面24Aに光吸収膜2SSを設け、対向面24Aの反射率を低減するようにしたので、そのような境界近傍での輝線の発生を効果的に抑制できる。
【0029】
一方、反射部材2Aおよび反射部材2Bが収縮した場合には反射部材2Aおよび反射部材2Bが互いに遠ざかることとなる。しかし、重畳部分R1の一部と重畳部分R2の一部とが重なり合っているので、面内方向において反射部材2Aと反射部材2Bとの境界近傍に生じる隙間を低減できる。よって、その境界近傍における輝度の低下は生じにくく、暗線の発生を抑制できる。
【0030】
以上の理由から、発光装置10によれば、全体として発光面内(XY面内)における輝度むらの少ない光(平坦な輝度分布を有する光)を発することができる。また、このような発光装置10を表示装置に用いた場合には、その表示装置における優れた映像表現を発揮することが期待できる。
【0031】
[第1の実施の形態の変形例]
図5Aおよび
図5Bは、上記第1の実施の形態における発光装置10の変形例としての発光装置10Aの要部を表す断面図である。上記第1の実施の形態の発光装置10では、重畳部分R2の下層となる重畳部分R1における上向きの対向面24Aに光吸収膜2SSを設け、反射部材2同士の接近時における光の反射を低下させるようにした。これに対し、本変形例の発光装置10Aは、重畳部分R1の上層となる重畳部分R2における下向きの対向面24Bに光吸収膜2SSを設けるようにしたものである。したがって、対向面24Bの反射率は、開口2KA,2KB,21の内面2Sの反射率よりも低くなっている。なお、
図5Aは反射部材2Aおよび反射部材2Bがそれぞれ基準位置にある中間状態に対応している。また
図5Bは、反射部材2Aと反射部材2Bとが中間状態と比較して互いに近づいた接近状態に対応している。
【0032】
本変形例においても、
図5Bに示した接近状態において、対向面24Bに設けられた光吸収膜2SSが開口21に露出することとなる。よって、
図5Bの接近状態においても、光源11Aからの光が光吸収膜2SSによって一部吸収され、その反射が抑制される。したがって、反射部材2同士の境界近傍での輝線の発生を効果的に抑制できる。
【0033】
<2.第2の実施の形態>
[発光装置20の構成]
主に
図6〜
図9Cを参照して、本開示の第2の実施の形態としての発光装置20について説明する。この発光装置20は、反射部材2の構造が異なることを除き、他は上記第1の実施の形態の発光装置10と同じ構造を有する。
【0034】
図6は、発光装置20における要部構成(
図1に示した反射部材2A〜2Dの境界近傍)を拡大して表した斜視図である。反射部材2A〜2Dは、例えば
図1および
図6に示したようにマトリクス状に配置されている。例えばX軸方向に並ぶ反射部材2Aと反射部材2Bとの間、およびX軸方向に並ぶ反射部材2Cと反射部材2Dとの間にはY軸方向に伸びる重畳部分RYが形成されている。また、Y軸方向に並ぶ反射部材2Aと反射部材2Cとの間、およびY軸方向に並ぶ反射部材2Bと反射部材2Dとの間にはX軸方向に伸びる重畳部分RXが形成されている。
【0035】
図7A〜
図7Dは、
図6に示した複数の反射部材2A〜2Dを分解して個別に記載した斜視図である。
【0036】
また、
図8A〜
図8Cは、いずれも、発光装置20において隣り合う反射部材2Aと反射部材2Bとの境界近傍を拡大して表した断面図であり、
図7Aおよび
図7Bに示したVIII-VIII線に沿った矢視方向の断面に相当するものである。さらに、
図9A〜
図9Cは、それぞれ
図8A〜
図8Cの一部をさらに拡大した断面図である。但し、
図8A,
図9Aは、反射部材2Aおよび反射部材2Bがそれぞれ基準位置にある中間状態に対応している。
図8B,
図9Bは、反射部材2Aと反射部材2Bとが中間状態と比較して互いに近づいた接近状態に対応している。また
図8C,
図9Cは、反射部材2Aと反射部材2Bとが中間状態と比較して互いに遠ざかった離間状態に対応している。
【0037】
図7Aに示したように、反射部材2Aは、自らの外縁に沿ってY軸方向に伸びる重畳部分R1Yと、自らの外縁に沿ってX軸方向に伸びるR1Xとを含んでいる。重畳部分R1Yには、基板12Aの最外縁に並ぶ複数の光源11Aに対応して複数の開口21AYがY軸方向に並ぶように設けられている。開口21AYは、反射部材2Bの切り欠き21BY(後出)と厚さ方向において重なり合うことにより、反射部材2Aと反射部材2Bとの境界部分に位置する境界部開口(以下、単に「開口」という)21AB(
図6)を構成するようになっている。重畳部分R1Yの最外縁には係止部26AYが設けられている。この係止部26AYは、反射部材2Bの段差部25BY(後出)と対向して重なり合うようになっている。また、反射部材2Aの重畳部分R1Xには、半円状の平面形状を有する切り欠き21AXがX軸方向に複数並んでいる。切り欠き21AXは、反射部材2Cの開口21CX(後出)と厚さ方向において重なり合うことにより、反射部材2Aと反射部材2Cとの境界部分に位置する開口21AC(
図6)を構成するようになっている。切り欠き21AXには、段差部25AXが形成されており、この段差部25AXが、反射部材2AとY軸方向において隣り合う反射部材2Cの係止部26CY(後出)と当接可能に構成されている。
【0038】
図7Bに示したように、反射部材2Bは、自らの外縁に沿ってY軸方向に伸びる重畳部分R2Yと、自らの外縁に沿ってX軸方向に伸びるR2Xとを含んでいる。反射部材2Aおよび反射部材2Bは、重畳部分R1Yと重畳部分R2Yとが互いに重なり合うように配置され、重畳部分RYの一部を構成している。重畳部分R2Yには、開口21AYと重なり合って開口21ABを構成する切り欠き21BYが設けられている。切り欠き21BYには、段差部25BYが形成されており、この段差部25BYが、反射部材2Aの係止部26AYと当接可能に構成されている。段差部25BYのうち係止部26AYと対向する部分には、凹部25Uが形成されている(
図8A〜8C参照)。また、重畳部分R2Xには、反射部材2Dと対向する基板12D(
図6)の最外縁に並ぶ複数の光源11Dに対応して、半円状の平面形状を有する切り欠き21BXがY軸方向に複数並ぶように設けられている(
図7B)。切り欠き21BXは、反射部材2Bの開口21DX(後出)と厚さ方向において重なり合うことにより、反射部材2Bと反射部材2Dとの境界部分に位置する開口21BD(
図6)を構成するようになっている。切り欠き21BXには、段差部25BXが形成されており、この段差部25BXが、反射部材2BとY軸方向において隣り合う反射部材2Dの係止部26DX(後出)と当接可能に構成されている。段差部25BXのうち係止部26DXと対向する部分には、やはり凹部25Uが形成されている。
【0039】
図7Cに示したように、反射部材2Cは、自らの外縁に沿ってY軸方向に伸びる重畳部分R3Yと、自らの外縁に沿ってX軸方向に伸びるR3Xとを含んでいる。反射部材2Aおよび反射部材2Cは、重畳部分R1Xと重畳部分R3Xとが互いに重なり合うように配置され、重畳部分RXの一部を構成している。重畳部分R3Yには、基板12C(
図6)の最外縁に並ぶ複数の光源11Cに対応して複数の開口21CYがY軸方向に並ぶように設けられている。開口21CYは、反射部材2Dの切り欠き21DY(後出)と厚さ方向において重なり合うことにより、反射部材2Cと反射部材2Dとの境界部分に位置する開口21CD(
図6)を構成するようになっている。重畳部分R3Yの最外縁には係止部26CYが設けられている。この係止部26CYは、反射部材2Dの段差部25DY(後出)と対向して重なり合うようになっている。また、反射部材2Cの重畳部分R3Xには、開口21CXがX軸方向に複数並んでいる。開口21CXには、係止部26CXが形成されており、この係止部26CXが反射部材2Aの段差部25AXと当接可能に構成されている。
【0040】
図7Dに示したように、反射部材2Dは、自らの外縁に沿ってY軸方向に伸びる重畳部分R4Yと、自らの外縁に沿ってX軸方向に伸びるR4Xとを含んでいる。反射部材2Bおよび反射部材2Dは、重畳部分R2Xと重畳部分R4Xとが互いに重なり合うように配置され、重畳部分RXの一部を構成している。また、反射部材2Cおよび反射部材2Dは、重畳部分R3Yと重畳部分R4Yとが互いに重なり合うように配置され、重畳部分RYの一部を構成している。反射部材2Dの重畳部分R4Yには、半円状の平面形状を有する切り欠き21DYがY軸方向に複数並んでいる。切り欠きDYには、段差部25DYが形成されており、この段差部25DYが反射部材2Cの係止部26CYと当接可能に構成されている。段差部25DYのうち係止部26CYと対向する部分には、やはり凹部25Uが形成されている。また、重畳部分R4Xには、基板12D(
図6)の最外縁に並ぶ複数の光源11Dに対応して複数の開口21DXがX軸方向に並ぶように設けられている。開口21DXは、反射部材2Bの切り欠き21BXと厚さ方向において重なり合うことにより、反射部材2Bと反射部材2Dとの境界部分に位置する開口21BD(
図6)を構成するようになっている。重畳部分R4Xの最外縁には係止部26DXが設けられている。この係止部26DXは、反射部材2Bの段差部25BXと対向して重なり合うようになっている。
【0041】
発光装置20においても、発光装置10と同様、複数の反射部材2は、互いの重畳部分が重なり合う範囲において互いのXY面内方向の相対位置が変化するように構成されている。すなわち、例えば
図8A〜8Cに示したように、反射部材2Aと反射部材2Bとの間には、重畳部分R1Yと重畳部分R2Yとが重なり合う範囲においてXY面内方向の相対位置を調整するための遊びが確保されている。例えば、
図8A,
図9Aは通常の温度環境下(例えば20℃)での使用時の配置状態を表し、
図8B,
図9Bは高温環境下での使用時の配置状態を示し、
図8C,
図9Cは低温環境下での配置状態を示している。ここで、段差部25BYの先端25Tと係止部26AYとは、例えばX軸方向の相対位置が変化することにより光の透過量を制御する開閉弁のような機能を発揮する。
【0042】
図8A,
図9Aの通常の温度環境下では、段差部25BYの先端25Tが係止部26AYの上端と当接し、あるいは僅かに隙間が生じる程度に接近している(
図9Aの囲み部分IX参照)。したがって、光源11Aからの出射光が段差部25BYと係止部26AYとの隙間に入射することはほとんどない。一方、高温環境下では、熱膨張により反射部材2Aおよび反射部材2BがそれぞれXY面内に広がることとなる。したがって、
図8B,
図9Bでは、反射部材2Aと反射部材2Bとが互い接近し、係止部26AYと段差部25BYとが接近した状態となっている。但しこの場合、例えば基板12Aの端面と基板12Bの端面とが当接するので、係止部26AYと段差部25BYとは僅かに離間した状態が維持される。その一方、段差部25BYの先端25Tは係止部26AYから離間した状態となる(
図9Bの囲み部分IX参照)。このため、開口21ABの内部から係止部26AYと段差部25BYとの隙間を経由してシャーシ5に至る光の伝播経路27が形成される。
【0043】
また、低温環境下では反射部材2Aおよび反射部材2BがそれぞれXY面内において収縮することとなる。したがって、
図8C,
図9Cの状態では、
図8A,9Cの状態と比較して反射部材2Aと反射部材2Bとが互い遠ざかるようになる。しかしながら、その変位量は段差部25BYの先端25Tが係止部26AYと重なり合う範囲内に収まるようになっている。このため、段差部25BYの先端25Tと係止部26AYとは互いに当接して対向し、あるいは段差部25BYの先端25Tと係止部26AYとの隙間はほとんど無い状態となり、光の伝播経路27は封鎖されるようになっている(
図9Cの囲み部分IX参照)。
【0044】
このように、発光装置20によれば、発光装置10と同様の効果が期待できる。すなわち、複数の反射部材2の各々において温湿度条件等の変化により膨張または収縮を生じた場合であっても、そのような寸法変動はXY面内方向における複数の反射部材2の相対位置の変位により吸収される。そのため、光源11の各位置と反射部材2の開口2Kの各位置との相対位置ずれが生じにくいので、反射部材2同士の境界近傍に輝線が生じるのを抑制できる。特に、反射部材2同士の境界近傍に光の開閉弁を設け、反射部材2同士が接近した際に余分な光を逃がす光の伝播経路27を形成するようにしたので、そのような境界近傍での輝線の発生を効果的に抑制できる。
【0045】
一方、反射部材2が収縮した場合であっても、重畳部分RX,RYを設けることで隣り合う反射部材2同士の境界近傍に生じる隙間の発生を抑制するようにしたので、その境界近傍における暗線の発生をも抑制できる。
【0046】
以上の理由から、発光装置20によれば、全体として発光面内(XY面内)における輝度むらの少ない光を発することができる。また、このような発光装置20を表示装置に用いた場合には、その表示装置における優れた映像表現を発揮することが期待できる。
【0047】
[第2の実施の形態の変形例]
図10は、上記第2の実施の形態における発光装置20の変形例としての発光装置20Aの要部を表す断面図である。本変形例としての発光装置20Aは、段差部25BYの凹部25Uに光吸収膜25SSを設けるようにしたことを除き、他は上記発光装置20と実質的に同一の構成を有する。係止部26AYと対向する段差部25BYの凹部25Uに光吸収膜25SSを設けることで、段差部25BYの反射率を開口21ABの内面の反射率よりも低くすることができる。すなわち本変形例では、反射部材2同士の接近時において伝播経路27に進入した光が光吸収膜25SSに吸収される。このため、反射部材2同士の境界近傍での輝線の発生をより効果的に抑制できる。なお、
図10では凹部25Uに光吸収膜25SSを設けるようにしたが、例えば係止部26AYの、凹部25Uと対向する面に光吸収膜を設けるようにしてもよい。あるいは、段差部25BYおよび係止部26AYの双方に光吸収膜を設けるようにしてもよい。また、段差部25BYと係止部26AYとが対向する面のいずれかの部分に光吸収膜を設ければよい。
【0048】
<3.第3の実施の形態>
[発光装置30の構成]
主に
図11A〜
図11Cを参照して、本開示の第3の実施の形態としての発光装置30について説明する。この発光装置30は、反射部材2の構造が異なることを除き、他は上記第1の実施の形態の発光装置10と同じ構造を有する。具体的には、上記発光装置10では、例えば反射部材2Aにおける段差部23Aの対向面24Aに光吸収膜2SSを設けるようにした。これに対し本実施の形態の発光装置30では、段差部23Aに、対向面24Aから基板12Aに至る貫通孔28を設けるようにした。
【0049】
図11A〜11Cは、いずれも、発光装置30の断面を表したものであり、それぞれ第1の実施の形態における
図4A〜4Cに対応するものである。すなわち、
図11Aは、反射部材2Aおよび反射部材2Bがそれぞれ基準位置にある中間状態を表し、
図4Aに対応している。
図11Bは、反射部材2Aと反射部材2Bとが互いに近づいた接近状態を表し、
図4Bに対応している。
図11Cは、反射部材2Aと反射部材2Bとが互いに遠ざかった離間状態を表し、
図4Cに対応している。
【0050】
発光装置30においても、発光装置10と同様、複数の反射部材2は、互いの重畳部分が重なり合う範囲において互いのXY面内方向の相対位置が変化するように構成されている。すなわち、例えば
図11A〜11Cに示したように、反射部材2Aと反射部材2Bとの間には、重畳部分RにおいてXY面内方向の相対位置を調整するための遊びが確保されている。したがって、発光装置30によれば、発光装置10と同様、全体として発光面内(XY面内)における輝度むらを低減できる。
【0051】
発光装置30では、さらに、反射部材2Aの段差部23Aと反射部材2Bの係止部22Bとが、例えばX軸方向の相対位置が変化することにより光の透過量を制御する開閉弁のような機能を発揮する。具体的には、
図11Aの中間状態および
図11Cの離間状態では、反射部材2Bの係止部22Bが、反射部材2Aの貫通孔28を塞ぐ位置にある。一方、
図11Bの接近状態では、係止部22Bが貫通孔28を通り過ぎ、貫通孔28が開口21に露出することとなる。よって、開口21の内部から貫通孔28を経由してシャーシ5に至る光の伝播経路29が形成される。このように、反射部材2同士の境界近傍に光の開閉弁を設け、反射部材2同士が接近した際に余分な光を逃がす光の伝播経路29を形成するようにしたので、そのような境界近傍での輝線の発生を効果的に抑制できる。
【0052】
[第3の実施の形態の変形例]
図12は、上記第3の実施の形態における発光装置30の変形例としての発光装置30Aの要部を表す断面図である。本変形例としての発光装置30Aは、段差部23Aの貫通孔28の内面に光吸収膜28SSを設けるようにしたことを除き、他は上記発光装置30と実質的に同一の構成を有する。貫通孔28の内面に光吸収膜28SSを設けることで、貫通孔28の内面の反射率を開口21の内面の反射率よりも低くすることができる。すなわち本変形例では、反射部材2同士の接近時において伝播経路29に進入した光が光吸収膜28SSに吸収される。このため、反射部材2同士の境界近傍での輝線の発生をより効果的に抑制できる。
【0053】
<4.第4の実施の形態>
図13は、本技術の第4の実施の形態に係る表示装置101の外観を表したものである。この表示装置101は、発光装置10を備え、例えば薄型テレビジョン装置として用いられるものであり、画像表示のための平板状の本体部102をスタンド103により支持した構成を有している。なお、表示装置101は、スタンド103を本体部102に取付けた状態で、床,棚または台などの水平面に載置して据置型として用いられるが、スタンド103を本体部102から取り外した状態で壁掛型として用いることも可能である。
【0054】
図14Aは、
図13に示した本体部102を分解して表したものである。本体部102は、例えば、前面側(視聴者側)から、前部外装部材(ベゼル)111,パネルモジュール112および後部外装部材(リアカバー)113をこの順に有している。前部外装部材111は、パネルモジュール112の前面周縁部を覆う額縁状の部材であり、下方には一対のスピーカー114が配置されている。パネルモジュール112は前部外装部材111に固定され、その背面には電源基板115および信号基板116が実装されると共に取付金具117が固定されている。取付金具117は、壁掛けブラケットの取付、基板等の取付およびスタンド103の取付のためのものである。後部外装部材113は、パネルモジュール112の背面および側面を被覆している。
【0055】
図14Bは、
図14Aに示したパネルモジュール112を分解して表したものである。パネルモジュール112は、例えば、前面側(視聴者側)から、前部筐体(トップシャーシ)121,液晶パネル122,枠状部材(ミドルシャーシ)80,光学シート3,反射部材2,光源ユニット1および側方反射部材4,後部筐体(バックシャーシ)124およびタイミングコントローラ基板127をこの順に有している。
【0056】
前部筐体121は、液晶パネル122の前面周縁部を覆う枠状の金属部品である。液晶パネル122は、例えば、液晶セル122Aと、ソース基板122Bと、これらを接続するCOF(Chip On Film)などの可撓性基板122Cとを有している。枠状部材123は、液晶パネル122および光学シート3を保持する枠状の樹脂部品である。後部筐体124は、液晶パネル122,枠状部材80および発光装置10を収容する、鉄(Fe)等よりなる金属部品である。タイミングコントローラ基板127もまた、後部筐体124の背面に実装されている。
【0057】
この表示装置101では、発光装置10からの光が液晶パネル122により選択的に透過されることにより、画像表示が行われる。ここでは、第1の実施の形態で説明したように、面内の輝度分布の均質性が向上した発光装置10を備えているので、表示装置101の表示品質が向上する。
【0058】
<5.表示装置の適用例>
以下、上記のような表示装置101の電子機器への適用例について説明する。電子機器としては、例えばテレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラ等が挙げられる。言い換えると、上記表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0059】
図15Aは、上記実施の形態の表示装置101が適用されるタブレット型端末装置の外観を表したものである。
図15Bは、上記実施の形態の表示装置101が適用される他のタブレット型端末装置の外観を表したものである。これらのタブレット型端末装置は、いずれも、例えば表示部210および非表示部220を有しており、この表示部210が上記実施の形態の表示装置101により構成されている。
【0060】
<6.照明装置の適用例>
図16および
図17は、上記実施の形態の発光装置10などが適用される卓上用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、基台841に設けられた支柱842に、照明部843を取り付けたものであり、この照明部843は、発光装置10などにより構成されている。照明部843は、基板12,反射部材2および光学シート3などを湾曲形状とすることにより、
図16に示した筒状、または
図17に示した曲面状など、任意の形状とすることが可能である。
【0061】
図18は、上記実施の形態の発光装置10などが適用される室内用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、発光装置10などにより構成された照明部844を有している。照明部844は、建造物の天井850Aに適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部844は、用途に応じて、天井850Aに限らず、壁850Bまたは床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
【0062】
これらの照明装置では、発光装置10などからの光により、照明が行われる。ここでは面内の輝度分布の均質性が向上した発光装置10などを備えているので、照明品質が向上する。
【0063】
<7.実験例>
(実験例1−1〜1−3)
上記第2の実施の形態に係る発光装置20のサンプルを作製し、その発光輝度分布の変化を測定した。具体的には、発光装置20のうち反射部材2A〜2Dに対応した領域の光源11を点灯させ、反射部材2A〜2Dの相対位置を変化させて輝度分布を測定した。実験例1−1〜1−3における反射部材2A〜2Dの位置関係を、
図19A〜
図19Cにそれぞれ模式的に表す。
【0064】
実験例1−1では、
図19Aに示したように、反射部材2A〜2Dを、
図8Aの基準位置とした。
図19Aでは、反射部材2A〜2Dの各々の中心位置をP1〜P4とし、各々の座標(X,Y)を(0,0)と記載した。
【0065】
実験例1−2では、
図19Bに示したように、反射部材2A〜2DをX軸方向に変位させた。具体的には、反射部材2A,2Dを−X方向に0.3mm変位させ、反射部材2B,2Cを+X方向に0.3mm変位させた。すなわち、中心位置P1,P4の座標(X,Y)を(−0.3,0)とし、中心位置P2,P3の座標(X,Y)を(+0.3,0)とした。なお、図中、白抜きの丸「○」は変位する前の中心位置P1〜P4の基準位置を表し、黒塗りの丸「●」は変位後の中心位置P1〜P4を表している。
【0066】
実験例1−3では、
図19Cに示したように、反射部材2A〜2DをY軸方向に変位させた。具体的には、反射部材2A,2Dを−Y方向に0.3mm変位させ、反射部材2B,2Cを+Y方向に0.3mm変位させた。すなわち、中心位置P1,P4の座標(X,Y)を(0,−0.3)とし、中心位置P2,P3の座標(X,Y)を(0,+0.3)とした。なお、図中、白抜きの丸「○」は変位する前の中心位置P1〜P4の基準位置を表し、黒塗りの丸「●」は変位後の中心位置P1〜P4を表している。
【0067】
実験例1−1〜1−3における発光装置20の輝度分布をそれぞれ
図20A〜20Cに示す。
図20A〜
図20Cでは、横軸が発光装置20のX軸方向の位置を表し、縦軸が発光装置20のY軸方向の位置を表している。
【0068】
図20A〜
図20Cでは輝度分布の相違が認識しづらいので、実験例1−1の輝度に対する実験例1−2の輝度の変化分を算出し、そのXY面内での分布を
図21A〜
図21Cに表した。同様に、実験例1−1の輝度に対する実験例1−3の輝度の変化分を算出し、そのXY面内での分布を
図22A〜
図22Cに表した。
図21Aおよび
図22Aは、1%刻みで色別に輝度の変化分を表示したものである。
図21Bおよび
図22Aは、2%刻みで等高線により輝度の変化分を表示したものである。さらに、
図21Cは、
図21Bに示したX1−X1線およびX2−X2線に沿った断面における輝度の変化分を表示したものである。同様に、
図22Cは、
図22Bに示したY1−Y1線およびY2−Y2線に沿った断面における輝度の変化分を表示したものである。
【0069】
(参考例1−1〜1−3)
上記実験例1−1〜1−3に対応した参考例として、重畳部分を有さない反射部材502A〜502Dを備えた発光装置を作製し、実験例1−1〜1−3と同様の実験を行った。その結果を
図23A〜
図23Cおよび
図24A〜
図24Cにそれぞれ示す。具体的には、参考例1−1の輝度に対する参考例1−2の輝度の変化分を算出し、そのXY面内での分布を
図23A〜
図23Cに表した。同様に、参考例1−1の輝度に対する参考例1−3の輝度の変化分を算出し、そのXY面内での分布を
図24A〜
図24Cに表した。
図23Aおよび
図24Aは、1%刻みで色別に輝度の変化分を表示したものである。
図23Bおよび
図24Aは、2%刻みで等高線により輝度の変化分を表示したものである。さらに、
図23Cは、
図23Bに示したXX1−XX1線およびXX2−XX2線に沿った断面における輝度の変化分を表示したものである。同様に、
図24Cは、
図24Bに示したYY1−YY1線およびYY2−YY2線に沿った断面における輝度の変化分を表示したものである。
【0070】
図21A〜
図21Cに示したように、反射部材2A〜2Dを基準位置からX軸方向に変位させた場合には、破線で囲んだ領域51において周囲よりも高い輝度となった。これは、反射部材2Cと反射部材2Dとが接近することにより、それらに対応する光源11Cからの光と光源11Dからの光との重なり部分が反射部材2Cと反射部材2Dとの境界近傍で増加したためと考えられる。その一方で、破線で囲んだ領域52においては周囲よりも低い輝度となった。これは、反射部材2Aと反射部材2Bとが基準位置から離間することにより、それらに対応する光源11Aからの光と光源11Bからの光との重なり部分が反射部材2Aと反射部材2Bとの境界近傍で減少したためと考えられる。
【0071】
同様に、
図22A〜
図22Cに示したように、反射部材2A〜2Dを基準位置からY軸方向に変位させた場合には、破線で囲んだ領域53において周囲よりも高い輝度となった。これは、反射部材2Aと反射部材2Cとが接近することにより、それらに対応する光源11Aからの光と光源11Cからの光との重なり部分が反射部材2Aと反射部材2CDとの境界近傍で増加したためと考えられる。その一方で、破線で囲んだ領域54においては周囲よりも低い輝度となった。これは、反射部材2Bと反射部材2Dとが基準位置から離間することにより、それらに対応する光源11Bからの光と光源11Dからの光との重なり部分が反射部材2Bと反射部材2Dとの境界近傍で減少したためと考えられる。
【0072】
このように、実験例1−1〜1−3によれば、反射部材2の位置ずれにより、僅かに輝度分布にも変化が生じる。しかしながら、
図23A〜
図23Cおよび
図24A〜
図24Cに示した参考例1−1〜1−3の結果と比較すれば、大幅に本実験例では輝度分布の偏りが大幅に緩和されていることが確認できた。例えば、
図23Aに示した領域151における輝度の増加よりも本実験例の領域51における輝度の増加は少なく、
図23Bに示した領域152における輝度の減少よりも本実験例の領域52における輝度の減少は少ない。同様に、
図24Aに示した領域153における輝度の増加よりも本実験例の領域53における輝度の増加は少なく、
図24Bに示した領域154における輝度の減少よりも本実験例の領域54における輝度の減少は少ない。
【0073】
したがって、本発明の発光装置によれば、発光面内(XY面内)に広がるように配列された複数の反射部材の境界近傍での輝線や暗線の発生を効果的に抑制でき、全体として発光面内における輝度むらの少ない光を発することができることが確認できた。
【0074】
<8.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等において説明した反射部材の分割数や形状、重畳部分の構造は一例であって、それらに限定されるものではない。
【0075】
また、上記実施の形態等では、第1の光源が第1の光源基板に設けられ、第2の光源が第2の光源基板に設けられた場合を例示して説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。分割された複数の光源基板の代わりに、それら複数の光源基板を一体化した一の光源基板を用意し、その一の光源基板の上に全ての複数の光源を設けるようにしてもよい。また、光源基板の分割数と反射部材の分割数とを一致させなくてもよい。
【0076】
さらに、例えば、上記実施の形態等に記載した発光装置や表示装置は、説明した全ての構成要素を備えた場合に限定されるものではなく、いくつかの構成要素を欠いてもよいし、他の構成要素をさらに備えていてもよい。
【0077】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であってその記載に限定されるものではなく、他の効果があってもよい。また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
複数の光源が設けられた光源基板と、
前記複数の光源のうちの複数の第1の光源と各々対応する位置に設けられた複数の第1の開口と、自らの外縁に沿って設けられた第1の重畳部分とを含み、前記光源基板の一部と重なり合うように位置する第1の反射部材と、
前記複数の光源のうちの複数の第2の光源と各々対応する位置に設けられた複数の第2の開口と、自らの外縁に沿って設けられて前記第1の重畳部分と重なり合う第2の重畳部分とを含み、前記光源基板の他の一部と重なり合うように位置する第2の反射部材と
を有し、
前記第1の反射部材および前記第2の反射部材は、互いに面内方向に隣り合う位置に設けられ、前記第1の重畳部分と前記第2の重畳部分とが重なり合う範囲において面内方向の相対位置が変位可能に配置されている
発光装置。
(2)
前記第1の重畳部分は、前記複数の第1の開口のうちの一部である境界部開口を含むと共に、前記第2の重畳部分と対向する第1の対向面を含み、
前記第1の反射部材と前記第2の反射部材とが相対的に近づいた接近状態において、前
記第1の対向面が前記境界部開口に露出し、
前記第1の対向面の反射率は、前記境界部開口の内面の反射率よりも低い
上記(1)記載の発光装置。
(3)
前記第1の対向面に光吸収膜が設けられている
上記(2)記載の発光装置。
(4)
前記第1の重畳部分は、前記複数の第1の開口のうちの一部である境界部開口を含み、
前記第2の重畳部分は、前記第1の重畳部分と対向する第2の対向面を含み、
前記第1の反射部材と前記第2の反射部材とが相対的に近づいた接近状態において、前記第2の対向面が前記境界部開口に露出し、
前記第2の対向面の反射率は、前記境界部開口の内面の反射率よりも低い
上記(1)記載の発光装置。
(5)
前記第2の対向面に光吸収膜が設けられている
上記(4)記載の発光装置。
(6)
前記第1の重畳部分は、前記複数の第1の開口のうちの一部である境界部開口を含むと共に、前記第2の重畳部分と対向する第1の対向部を含み、
前記第2の重畳部分は、前記第1の対向部と対向する第2の対向部を含み、
前記第1の反射部材と前記第2の反射部材とが相対的に近づいた接近状態において前記第1の対向部と前記第2の対向部とが離間し、前記境界部開口の内面から前記第1の光源基板へ向かう光伝播経路が形成されるようになっている
上記(1)記載の発光装置。
(7)
前記第1の反射部材と前記第2の反射部材とが相対的に遠ざかった第2の状態において前記第1の対向部と前記第2の対向部とが接近して対向し、前記光伝播経路が封鎖されるようになっている
上記(6)記載の発光装置。
(8)
前記第1の対向部および前記第2の対向部のうちの少なくとも一方の反射率は、前記境界部開口の内面の反射率よりも低い
上記(6)または(7)記載の発光装置。
(9)
前記第1の対向部および前記第2の対向部のうちの少なくとも一方に、光吸収膜が設けられている
上記(8)記載の発光装置。
(10)
一の本体をさらに有し、
前記第1の反射部材および前記第2の反射部材は、前記本体にそれぞれ保持されている
上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の発光装置。
(11)
前記光源基板は、前記複数の第1の光源が設けられた第1の光源基板と、前記複数の第2の光源が設けられた第2の光源基板とを含み、
前記第1の光源基板および前記第2の光源基板もまた、前記本体にそれぞれ保持されている
上記(10)記載の発光装置。
(12)
一の本体と、
前記第1の反射部材と前記本体とを繋ぐ第1の連結部材と、前記第2の反射部材と前記
本体とを繋ぐ第2の連結部材と
をさらに有している
上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の発光装置。
(13)
前記光源基板は、前記複数の第1の光源が設けられた第1の光源基板と、前記複数の第2の光源が設けられた第2の光源基板とを含み、
前記第1の光源基板は前記第1の連結部材に保持されており、前記第2の光源基板は前記第2の連結部材に保持されている
上記(12)記載の発光装置。
(14)
表示パネルと、前記表示パネルを照明する発光装置とを備え、
前記発光装置は、
複数の光源が設けられた光源基板と、
前記複数の光源のうちの複数の第1の光源と各々対応する位置に設けられた複数の第1の開口と、自らの外縁に沿って設けられた第1の重畳部分とを含み、前記光源基板の一部と重なり合うように位置する第1の反射部材と、
前記複数の光源のうちの複数の第2の光源と各々対応する位置に設けられた複数の第2の開口と、自らの外縁に沿って設けられて前記第1の重畳部分と重なり合う第2の重畳部分とを含み、前記光源基板の他の一部と重なり合うように位置する第2の反射部材と
を有し、
前記第1の反射部材および前記第2の反射部材は、互いに面内方向に隣り合う位置に設けられ、前記第1の重畳部分と前記第2の重畳部分とが重なり合う範囲において面内方向の相対位置が変位可能に配置されている
表示装置。
(15)
発光装置を備え、
前記発光装置は、
複数の光源が設けられた光源基板と、
前記複数の光源のうちの複数の第1の光源と各々対応する位置に設けられた複数の第1の開口と、自らの外縁に沿って設けられた第1の重畳部分とを含み、前記光源基板の一部と重なり合うように位置する第1の反射部材と、
前記複数の光源のうちの複数の第2の光源と各々対応する位置に設けられた複数の第2の開口と、自らの外縁に沿って設けられて前記第1の重畳部分と重なり合う第2の重畳部分とを含み、前記光源基板の他の一部と重なり合うように位置する第2の反射部材と
を有し、
前記第1の反射部材および前記第2の反射部材は、互いに面内方向に隣り合う位置に設けられ、前記第1の重畳部分と前記第2の重畳部分とが重なり合う範囲において面内方向の相対位置が変位可能に配置されている
照明装置。
【0078】
本出願は、日本国特許庁において2016年3月1日に出願された日本特許出願番号2016−39129号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0079】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。