特許第6800895号(P6800895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6800895膨張された粒状体を生産するための方法及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800895
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】膨張された粒状体を生産するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/08 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   C04B38/08 Z
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-563239(P2017-563239)
(86)(22)【出願日】2016年6月2日
(65)【公表番号】特表2018-520080(P2018-520080A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】AT2016050175
(87)【国際公開番号】WO2016191788
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年3月7日
(31)【優先権主張番号】GM50108/2015
(32)【優先日】2015年6月3日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】517419847
【氏名又は名称】ビンダー + コンパニー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルンマイアー、エルンスト エルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ザルキンガー、ゲルハルト
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−534942(JP,A)
【文献】 米国特許第05002696(US,A)
【文献】 米国特許第02431884(US,A)
【文献】 米国特許第03097832(US,A)
【文献】 特開平08−261657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 1/00 − 7/42
F27B 11/00 − 15/20
F27D 3/00 − 15/02
C04B 38/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進剤を使用して、砂粒形状材料(1)でできた膨張された粒状体(29)、例えば、真珠岩又は黒曜石砂の膨張された粒状体を生産するための方法であって、前記砂粒形状材料(1)が、実質的に直立した炉(2)に給送され、前記砂粒形状材料(1)が、前記炉(2)の炉シャフト(3)内の複数の垂直に分離された加熱ゾーン(5)を通って搬送経路(4)に沿って搬送され、各加熱ゾーン(5)は、少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子(6)によって加熱することができ、前記砂粒形状材料(1)は、臨界温度まで加熱され、その臨界温度において、前記砂粒形状材料(1)の粒子の表面が可塑性になり、前記砂粒形状材料(1)の前記粒子が、前記推進剤を通して膨張され、前記膨張された粒状体(29)が、前記炉(2)から排出される方法において、前記砂粒形状材料(1)が、ある量の空気と共に下から給送され、前記砂粒形状材料(1)が、前記炉シャフト(3)内で底部から頂部へと流れ、かつ、空気流(14)を形成する、前記ある量の空気によって、前記搬送経路(4)に沿って底部から頂部へと搬送され、前記砂粒形状材料(1)の前記粒子の前記膨張が、前記搬送経路(4)の上半分において、好適には最上部3分の1において発生することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記搬送経路(4)に沿う2つの連続する位置(9)間の前記砂粒形状材料(1)の温度の第1の低下の検出後、前記加熱素子(6)が、前記臨界温度以上への残りの搬送経路(4)に沿う前記砂粒形状材料(1)の温度の上昇を防ぐ又は具体的に可能にするために、前記臨界温度に応じて前記残りの搬送経路(4)に沿って制御されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記搬送経路(4)に沿う前記砂粒形状材料(1)の温度変化が、前記加熱素子(6)の電力消費を決定することによって、間接的に測定されることを特徴とする、請求項1〜2のうちの一項に記載の方法。
【請求項4】
好適には前記砂粒形状材料(1)が前記炉シャフト(3)に入る前に、前記砂粒形状材料(1)が、前記ある量の空気内に分散されることを特徴とする、請求項1〜3のうちの一項に記載の方法。
【請求項5】
前記分散が、固体/空気ノズル(10)内の圧縮空気(30)によって、好適には下流拡散器(11)を用いて実行され、その下流拡散器が、前記炉シャフト(3)に接続することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記膨張された粒状体(29)の前記排出が、ガス材料流動(12)において前記炉シャフト(3)内で加熱された空気と共に行われることを特徴とする、請求項1〜5のうちの一項に記載の方法。
【請求項7】
前記膨張された粒状体(29)を冷却するために、冷却用空気が、前記ガス材料流動(12)に加えられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記膨張された粒状体(29)が、フィルタ(13)によって、前記ガス材料流動(12)から分離されることを特徴とする、請求項6〜7のうちの一項に記載の方法。
【請求項9】
前記膨張された粒状体(29)が処理温度まで冷却された後に、前記分離が、前記フィルタ(13)によって行われ、前記処理温度が、好適には100°C以下であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ある量の空気は、前記炉シャフト(3)内に供給された前記砂粒形状材料(1)が、前記空気流(14)に対して下向きに落ちないように大きさを定められて供給されることを特徴とする、請求項1〜9のうちの一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ある量の空気は、前記炉シャフト(3)の上端(18)において前記空気流(14)の平均速度(v)が、境界層流(15)の最高速度(vb,max)の50%〜95%の範囲にあるように大きさを定められて供給され、前記境界層流(15)が、前記炉シャフト(3)を放射状に境界付ける内壁(16)の領域内に前記空気流(14)によって形成され、かつ前記境界層流(15)を形成しない空気流(14)と比べて前記砂粒形状材料(1)及び前記膨張された粒状体(29)の濃度が高く、前記空気流(14)の前記平均速度(v)が、前記炉シャフト(3)の放射状中心(17)から放射状に前記内壁(16)へと前記空気流(14)の速度(v)を平均化することによって決定されることを特徴とする、請求項1〜10のうちの一項に記載の方法。
【請求項12】
前記膨張された粒状体(29)が、150μm以下である、好適には100μm以下である、特に好適には75μm以下である平均直径を有するように、前記膨張された粒状体(29)のサイズ及び/又は密度が、決定されることと、プロセスパラメータが、前記膨張された粒状体(29)の前記サイズ及び/又は密度に応じて適合されることと、を特徴とする、請求項1〜11のうちの一項に記載の方法。
【請求項13】
排出後、前記膨張された粒状体(29)のサイズ及び/又は密度が決定されることを特徴とする、請求項1〜12のうちの一項に記載の方法。
【請求項14】
砂粒形状材料(1)でできた膨張された粒状体(29)を生産するためのデバイスであって、上端(18)及び下端(19)を有する炉シャフト(3)を用いる実質的に直立した炉(2)を備え、搬送経路(4)が前記2つの端(18、19)の間に延在し、かつ複数の垂直に分離された加熱ゾーン(5)を通過し、前記加熱ゾーン(5)が、前記砂粒形状材料(1)を臨界温度まで加熱するために及び前記砂粒形状材料(1)の粒子を膨張するために少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子(6)をそれぞれ有する、デバイスにおいて、前記砂粒形状材料(1)が、前記搬送経路(4)の上半分において、好適には最上部3分の1において、膨張されるために、前記搬送経路(4)に沿って底部から頂部へと搬送されることによって、ある量の空気が、上向きに流れる空気流(14)を形成するように、少なくとも1つの給送手段(10)が、前記炉シャフト(3)の前記上端(18)の方向に前記炉シャフト(3)の前記下端(19)において、ある量の空気と共に未膨張の前記砂粒形状材料(1)を前記炉シャフト(3)の中に注入するために、提供されることを特徴とする、デバイス。
【請求項15】
前記砂粒形状材料(1)の温度及び/若しくは温度変化の直接的並びに/又は間接的な測定のための材料温度測定手段のみならず、前記搬送経路(4)に沿う2つの連続する位置(9)間の、好適には少なくとも20°Cの、前記砂粒形状材料(1)の前記温度の第1の低下を検出するために、前記材料温度測定手段及び前記加熱ゾーン(5)の前記加熱素子(6)に接続される調節並びに制御ユニットが提供されることと、前記加熱素子(6)が、前記臨界温度以上への残りの搬送経路(4)に沿う前記材料温度の上昇を防ぐ又は具体的に可能にするために、前記臨界温度に応じて前記調節及び制御ユニットによって制御され得ることと、を特徴とする、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの給送手段が、固体/空気ノズル(10)を備え、その固体/空気ノズルに対して、圧縮空気(30)及び前記未膨張の前記砂粒形状材料(1)が、前記ある量の空気内に前記砂粒形状材料(1)を分散するために、給送され得ることを特徴とする、請求項14〜15のうちの一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスが、拡散器(11)を更に備え、その拡散器が、前記固体/空気ノズル(10)の下流に提供され、かつ、前記炉シャフト(3)の前記下端(19)に接続されることを特徴とする、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記拡散器(11)が、放射状の明確な端断面(22)を有する前記炉シャフト(3)の前記下端に接続され、その端断面が、前記炉シャフトの前記下端(19)において前記炉シャフト(3)の放射状の明確な入口断面(23)に等しいことを特徴とする、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
フィルタ(13)が、前記炉シャフト(3)の前記上端(18)から出現するガス材料流動(12)から前記膨張された粒状体(29)を分離するために、提供されることを特徴とする、請求項14〜18のうちの一項に記載のデバイス。
【請求項20】
少なくとも1つの冷却用空気給送手段(25)が、前記膨張された粒状体(29)を冷却するための冷却用空気を、前記炉シャフト(3)前記上端(18)から出現するガス材料流動(12)に供給するために、提供されることを特徴とする、請求項14〜19のうちの一項に記載のデバイス。
【請求項21】
記少なくとも1つの冷却用空気給送手段(25)が、前記フィルタ(13)の上流に接続されることを特徴とする、請求項19を引用する請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記膨張された粒状体(29)のサイズ及び/又は密度を決定するための手段(20、21)が提供されることを特徴とする、請求項14〜21のうちの一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進剤を使用して砂粒形状鉱物材料でできた膨張された粒状体、例えば、真珠岩又は黒曜石砂の膨張された粒状体を生産するための方法であって、材料が、実質的に直立した炉に給送され、材料が、炉の炉シャフト内の複数の垂直に分離された加熱ゾーンを通る搬送経路に沿って搬送され、各加熱ゾーンは、少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子によって加熱することができ、材料は、臨界温度まで加熱され、その臨界温度において、砂粒の表面が可塑性になり、砂粒が、推進剤を通して膨張され、膨張された材料が、炉から排出される、方法に関する。
【0002】
本発明は、更に、砂粒形状材料の膨張された粒状体を生産するためのデバイスであって、上端及び下端を有する炉シャフトを用いる実質的に直立した炉を備え、複数の垂直に分離された加熱ゾーンを通過する搬送経路が、2つの端の間に延在し、加熱ゾーンが、材料を臨界温度まで加熱するために及び砂粒を膨張するために少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子をそれぞれ有する、デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
特に、真珠岩又は黒曜石などのような火山岩の砂の、鉱物材料をクローズドセル(closed−cell)式に膨張するための方法が、AT12878U1から既知である。この場合において、膨張は、材料の水結合に基づいて発生し、それは、砂粒形状材料が、シャフト炉内で臨界温度まで加熱されるときに推進剤として機能し、その臨界温度において、砂粒の表面が可塑性になる。材料は、重力の結果として、上方から炉の中に給送され、降下区分を通って炉シャフトの中へと落ちる。
【0004】
この場合において、影響を及ぼす浮力は、とりわけ、膨張プロセスの前後の材料の密度によって、及び炉シャフトの煙突効果によって、発生する。それらは、一般に、炉シャフト内の材料の滞留時間の増加を引き起こし、それはまた、炉シャフト内の滞留時間を選択的に延ばすために、部分的に利用され得る。典型的には、100μm〜700μmの粒サイズの生の砂が、このようにして膨張され得る。
【0005】
しかしながら、著しく小さな粒サイズの膨張されるべき材料は、既知の方法を用いて実現することができない。なぜなら、(ガスを充填された)炉シャフト内の砂の沈降率が、粒サイズの低減と共に減るからである。したがって、ある一定の最小粒サイズから、更に小さな粒子サイズは、既知の膨張プロセスのために使用することができない。なぜなら、浮力が、これらの更に小さな粒サイズには大き過ぎるからである。これは、これらの砂粒が、炉シャフトを通り抜けることができず、それは、特に、炉シャフト上の熱い材料の粘結をもたらすことを意味する。これは、ひいては、例えば、火山砂の準備において必然的に発生する100μmより小さい粒サイズを有する細かい材料は、膨張された砂粒又は微小球の形態にある有益な最終製品に加工することができず、ただ単に、無益な廃棄物に相当することを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を回避し、特に細かい材料の膨張を可能にする改善された膨張方法のみならず、その改善された方法を実行するためのデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の中核は、材料が、ある量の空気と共に炉シャフトの中に給送されるという点で、空気流によって、炉シャフトを通して砂粒形状材料の搬送を実行することにある。結果として生じる浮力が、滞留時間を制御不可能に長くさせることを防ぐために、搬送が、底部から頂部への、すなわち、重力に逆らう、空気又は空気流によって行われる。このようにして、膨張が、炉シャフト又は炉シャフトを通る搬送経路の上半分のみにおいて、好適には上部3分の1のみにおいて、行われることが確保され得る。これは、ひいては、炉シャフトの内壁上の熱い砂粒の粘結を回避することを可能にさせる。それゆえ、既に膨張された砂粒の滞留時間は、それに応じて短く保たれ得るので、炉シャフトの内壁上の粘結のみならず、膨張された砂粒の接着もまた、この接着が回避されるべきである場合、標的化方式で減らす又は防ぐことができる。したがって、要約すれば、プロセスにおける廃棄物として単に前に表された、100μmよりも小さな直径を有する細かい材料は、膨張された微小球の形態において有益な最終製品へと加工することができる。
【0008】
したがって、推進剤を用いて砂粒形状鉱物材料、例えば、真珠岩又は黒曜石砂の膨張された粒状体から膨張された粒状体を生産するための方法であって、材料が、実質的に直立した炉に給送され、材料が、炉の炉シャフト内の複数の垂直に分離された加熱ゾーンを通る搬送経路に沿って搬送され、各加熱ゾーンは、少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子によって加熱することができ、材料は、臨界温度まで加熱され、その臨界温度において、砂粒の表面が可塑性になり、砂粒が、推進剤を通して膨張され、膨張された材料が、炉から排出される、方法において、材料の給送が、ある量の空気と共に下から行われ、材料が、炉シャフト内を底部から頂部へと流れるある量の空気であって、空気流を形成するある量の空気によって搬送経路に沿って底部から頂部へと搬送され、砂粒の膨張が、搬送経路の上半分において、好適には最上部3分の1において、発生することが、発明に従って規定される。これは、特に、材料が、第1の加熱素子の前に、炉シャフトにおいて見られるように、搬送方向において又は空気流の方向において、空気流に加えられることを意味する。排出は、好適には、炉シャフトの上端において行われる。
【0009】
同様に、砂粒形状材料の膨張された粒状体を生産するためのデバイスであって、上端及び下端を有する炉シャフトを用いる実質的に直立した炉を備え、搬送経路が複数の垂直に分離された加熱ゾーンを通過する2つの端の間に延在し、加熱ゾーンが、材料を臨界温度まで加熱するために及び砂粒を膨張するために少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子をそれぞれ有する、デバイスにおいて、材料が、搬送経路の上半分において、好適には最上部3分の1において、膨張されるために、搬送経路に沿って底部から頂部へと搬送されることによって、ある量の空気が、上向きに流れる空気流を形成するように、少なくとも1つの給送手段が、炉シャフトの上端の方向に炉シャフトの底部において、未膨張材料をある量の空気と共に炉シャフトの中に注入するために提供されることが、発明に従って規定される。例えば、ノズルによって、ある量の空気を炉シャフトの中に注入することと、例えば、好適には最高空気速度の場所において、ノズルから出現する空気流のパイプ連結によって、材料を別個に給送することと、が考えられる。この場合において、材料が、計量方式で給送され得、材料の容積測定及び重力給送の両方が、計量のために考えられ得る。
【0010】
膨張プロセスが、温度降下に伴う等エンタルピープロセスであることの発見に起因して、後者は、標的化方式で検出することができる。これは、ひいては、膨張された砂粒の表面特性に影響を及ぼすために、実際の膨張プロセス後に膨張された砂粒の温度処理を確立するために使用することができる。例えば、臨界温度を超える再加熱は、表面の破裂を防ぐために防止され得る。又は、砂粒の表面の破裂が意識的に容認される又はそれどころか意図されるべきである場合、かかる新たな温度増加を故意に開始してもよい。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、搬送経路に沿う2つの連続する位置間の材料温度の第1の低下の検出後、残りの搬送経路に沿う加熱素子が、臨界温度以上への残りの搬送経路に沿う材料温度の上昇を標的化方式で防ぐ又は可能にするために、臨界温度に応じて制御されることが規定される。
【0011】
類似的に、発明に従うデバイスの好適な実施形態において、材料の温度及び/若しくは温度変化の直接的並びに/又は間接的な測定のための材料温度測定手段が提供され、材料温度測定手段に、かつ加熱ゾーンの加熱素子に接続された調節及び制御ユニットが、搬送経路に沿う2つの連続する位置間の材料温度の第1の低下、好適には、少なくとも20°Cを検出するためのものであることと、加熱素子が、臨界温度以上への残りの搬送経路に沿う材料温度の上昇を標的化方式で防ぐ又は可能にするために、臨界温度に応じて調節及び制御ユニットによって制御可能であることと、が規定される。
【0012】
温度センサが、材料温度測定手段として考えられ得、例えば、それは、搬送経路に沿って配列され、材料と接触することができるか、又は材料と直接接触せずに、それぞれの加熱ゾーンにおける炉シャフト内の温度の決定のためにのみ提供される。
【0013】
その上、材料温度、特に、材料温度変化が、加熱素子の電力消費を決定するための測定デバイスを材料温度測定手段として提供することによって、詳細に容易に間接的に決定され得る。電気的に動作される加熱素子において、これらの測定デバイスは、電力消費を測定するためのものに本質的に限定され得、それにおいて、既知の供給電圧が存在することが想定される。
【0014】
材料の温度変化は、加熱素子から材料への熱流の変化を決定することによって可能になり、その熱流の変化は、加熱素子と材料の温度差に依存する。材料の加熱の間、加熱素子と材料の温度差は、連続的に減少する。したがって、熱流が減少する。すなわち、ある加熱ゾーンから次の加熱ゾーンへの熱流の検出される変化は、最初に、減少する。したがって、搬送経路に沿う加熱素子の電力消費が、最初に減少する。膨張プロセス及び付随する温度降下の直後、材料と加熱素子の温度差は、膨張プロセス直前よりも著しく大きい。したがって、熱流が増加する。すなわち、ある加熱ゾーンから次の加熱ゾーンへの熱流又は加熱素子の電力消費の観測される変化が、次に、増加する。したがって、熱流又は加熱素子の電力消費のこの検出される増加は、炉シャフト内の温度降下及びその領域の決定に適する。
【0015】
したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、搬送経路に沿う材料の温度変化が、加熱素子の電力消費を決定することによって、間接的に測定されることが規定される。
【0016】
更に好適な実施形態では、温度測定の結果が、加熱素子の電力消費の決定の結果と比較されるか又はその結果の考慮に入れられ、それゆえ、膨張の場所が、この検出の精度を上げるために検出される。この場合において、温度測定は、温度センサによって実行することができ、材料のいかなる直接的な温度測定も実行する必要はない。
【0017】
膨張されるべき非常に細かいダスト状又は砂粒形状材料は、好適には、それが膨張プロセスに給送される前に、加工される。なぜなら、凝集が、通常、材料の搬送において不可避であるからである。かかる凝集は、材料の水分によって促進される。かかる凝集物が膨張された場合、膨張された砂粒の凝集物が得られることになり、それは、一般に、望ましくない。その代わりに、最終製品は、普通、単一微小球に関係するべきである。したがって、通常、乾燥プロセスが、材料の準備において提供される。
【0018】
しかし、乾燥状態でさえ、ダスト状材料の搬送は、凝集を伴わずに事実上できない。例えば、望ましくない凝集物がまた、槽を振動させることによって、乾燥したダスト状材料を搬送するときに形成される。したがって、凝集物の膨張を回避するために、膨張プロセスの前に材料を分散させることが、発明に従って提供される。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、材料が、ある量の空気内に、好適には、材料が、炉シャフトに入る前に、分散されることが規定される。
【0019】
分散は、異なる手法で実行することができる。例えば、ある量の空気内における材料を超音波下に置いて、材料を分散させることが考えられる。
【0020】
特に単純かつ洗練された方法は、分散のために、ある量の空気自体を使用することである。良好な分散結果のために、単に、ある量の空気が、十分に高い速度において流れることが確保される必要があり、そのような理由で、圧縮空気の使用が好適には提供され、それは同時に、ある量の空気を形成する。特に小型の設計は、圧縮空気及び材料が固体/空気ノズルを通過されるときに実現され得る。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、分散が、炉シャフトに接続される、好適には下流拡散器を用いて、固体/空気ノズルにおける圧縮空気によって、行われることが規定される。
【0021】
類似的に、発明に従うデバイスの好適な実施形態において、少なくとも1つの給送手段が、固体/空気ノズルを備え、そのノズルに対して、圧縮空気及び未膨張材料が、供給され得、材料をある量の空気内に分散させることが規定される。これは、ある量の空気が、ノズルによって、最終的には利用可能にされ、炉シャフトの中に注入されることを意味する。なお更に、発明に従うデバイスの特に好適な実施形態において、デバイスが、固体/空気ノズルの下流に接続される拡散器であって、炉シャフトの下端に接続する拡散器を更に備えることが規定される。特に良好な分散結果を達成するために及び炉シャフトの中への分散された材料の最適な遷移を可能にするために、発明に従うデバイスの特に好適な実施形態において、拡散器が、下端における炉シャフトの放射状の明確な入口断面に等しい放射状の明確な端断面でもって、炉シャフトの下端に接続することが規定される。
【0022】
空気流は、膨張された材料が炉シャフト内にとどまらないことを確保することができる。この目的のために、通常、空気流に分散されるまだ膨張していない砂が、空気流に対して不安定な挙動で逆戻りしないことが確保されるように、炉シャフト断面を考慮に入れることによって、ある量の空気を必要な大きさにすることが十分である。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、ある量の空気は、炉シャフト内に供給される材料が、空気流に対して下向きに落ちないように、必要な大きさに定められて給送されることが規定される。
【0023】
炉シャフト内の空気及び砂粒の加熱並びに微小球への砂粒の膨張は、後者が、炉シャフト内にとどまらないこと、だたし、空気と共に炉シャフトから排出されることを確保する。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、膨張された材料の排出が、ガス材料流動において炉シャフト内で加熱された空気と共に行われることが規定される。ガス材料流動の存在は、空気が材料と同じだけ速く流れる必要があることを意味しない。概して、空気流が速いほど、ガス及び材料の相対速度が存在するので、この相対速度は、通常、搬送経路に沿って減少し、すなわち、炉シャフト内を更に下ると、相対速度は、通常、上方よりも大きい。
【0024】
発明に従う方法を更に改善するために、境界層流が、ある量の空気の説明された寸法決めにおいて更に考慮され得、その境界層流は、必然的に、ある一定の放射状の広がりを有して、炉シャフトの内壁の近くの領域内にそれ自体によって形成する。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、炉シャフトの上端において、空気流の平均速度が、境界層流の最高速度の50%〜95%の範囲にあり、境界層流が、炉シャフトの境界を放射状に定める内壁の領域内の空気流によって形成され、残りの空気流に対して増加される材料の濃度を有し、かつ空気流の平均速度が、空気流の速度を炉シャフトの放射状中心から内壁へと放射状に平均化することによって得られるような方式で、ある量の空気が、大きさを定められて供給されることが規定される。ある量の空気又は空気流のこの構成の結果として、内壁上の砂粒の粘結は、事実上完全に排除され得る。ある量の空気又は空気流のこの構成の別の利点は、炉シャフト内の材料の結果として生じる最適な滞留時間であり、それは、早すぎる膨張及び過膨張のリスクを回避する。任意選択的に、膨張は、過膨張のリスクを更に最小限にするために、ある量の空気をわずかに増加させることによって、炉シャフト端の方向に、すなわち、上向きにずらすことができる。
【0025】
炉シャフトは、必ずしも回転対称的な様式に形作られる必要はないこと、なお更には、横方向に、好適には搬送方向に垂直に、炉シャフトの明確な断面の中心である放射状中心を有してもよいことに留意されたい。放射状に境界を定める内壁は、この明確な断面を取り囲んでいる。
【0026】
更なる処理を容易にするために又は膨張された材料の取り扱いを容易にするために、発明に従う方法の好適な実施形態において、冷却用空気が、膨張された材料を冷却するために、ガス材料流動に加えられることが規定される。例えば、これは、フィルタ内での膨張された材料の簡単な分離及び/又は貯蔵器内への膨張された材料の安全な貯蔵を簡素化する。
【0027】
類似的に、発明に従うデバイスの好適な実施形態において、少なくとも1つの冷却用空気供給手段が、膨張された材料を冷却する目的のために提供され、炉シャフトの上端において出現するガス材料流動に冷却用空気を供給することが規定される。少なくとも1つの冷却用空気供給手段は、典型的には、冷却用空気のための供給ライン及びノズルを備え、そのノズルの中に、供給ラインは開放し、かつそのノズルを用いて、冷却用空気が、ガス材料流動に注入される。
【0028】
膨張された材料又は微小球を更に加工するために、特にそれらを詰め込む及び/又は貯蔵するために、発明に従う方法の好適な実施形態において、膨張された材料が、フィルタによって、ガス材料流動から分離されることが規定される。
【0029】
類似的に、発明に従うデバイスの好適な実施形態において、フィルタが、炉シャフトの上端から出現するガス材料流動から膨張された材料を分離するために提供されることが規定される。
【0030】
発明に従う方法の特に好適な実施形態において、分離は、膨張された材料が処理温度まで冷却された後に、フィルタによって行われ、処理温度は、好適には100°C以下であることが規定される。これは、フィルタの費用効果的な設計を可能にする。なぜなら、フィルタの材料のための要求は、熱抵抗の観点において低くされ得るからである。
【0031】
類似的に、発明に従うデバイスの特に好適な実施形態において、少なくとも1つの冷却用空気供給手段が、フィルタの上流に接続されることが規定される。
【0032】
発明に従う方法の好適な実施形態において、排出後、膨張された砂粒のサイズ及び/又は密度が決定されることが規定される。これは、プロセスパラメータ、例えば、加熱されるべき温度又は材料及び空気の供給量又は炉シャフト内の空気流の平均速度を、膨張された材料のサイズ及び密度の測定の結果に応じて、決定する及び/又は適合させることを可能にさせる。このようにして、自動制御が、特に、生産される微小球の所望の品質を確保するために、実行することができる。
【0033】
類似的に、発明に従うデバイスの特に好適な実施形態において、膨張された砂粒のサイズ及び/又は密度を決定するための手段が提供されることが規定される。例えば、サイズ及び密度の光学的決定のための、対応するセンサが、主として市場で利用可能である。
【0034】
特に、生産される微小球の所望のサイズは、このようにして、確保することができ、150μm以下の直径を有する膨張された砂粒が、典型的には、微小球であると理解される。したがって、発明に従う方法の好適な実施形態において、膨張された砂粒が、150μm以下、好適には100μm以下、より好適には75μm以下の平均直径を有することが規定される。
【0035】
プロセスパラメータを調節又は設定するために、なお更なる制御測定が、追加的又は代替的に行われ得ることに留意されたい。例えば、光学センサが、生産される微小球の表面品質の自動化された光学検査を行って、それらが開いている又は閉じているかどうかを決定するために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
次に、発明をある実施形態を参照してより詳細に説明する。図面は、例として提供され、発明の概念を説明することを意図されるが、それを決して制限するものではないし、又はそれどころかそれを決定的にするものではない。
【0037】
図1】発明に従う方法の流れ図において発明に従うデバイスの概略図を示す。
図2図1における横断線A−Aに従う炉シャフト内の空気流の速度分布の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、発明に従うデバイスの概略図を示し、そのデバイスを用いて、膨張された微小球29又はそれぞれ膨張された粒状体29を生産するための発明に従う方法を実行することができる。膨張された微小球29のための開始材料は、推進剤を伴う砂状又はダスト状材料である。図示される例示的な実施形態において、真珠岩砂1は、水が真珠岩に結合された材料であると想定され、それは、膨張プロセスの間の推進剤として機能する。
【0039】
膨張プロセスを実行するために、発明に従うデバイスは、底部から頂部まで下端19から上端18へと垂直に延在する炉シャフト3を有する炉2を備える。搬送経路4がそれらの端19、18の間に延在し、その経路は、図1において破線によって示される。この線は、同時に、炉シャフト3の放射状中心17を表す。炉2内には、一方が他方上に配列された又は搬送方向32に見られるような複数の加熱ゾーン5が提供され、そのゾーンを搬送経路4が通過する。各加熱ゾーン5には、少なくとも1つの独立制御可能な加熱素子6が提供され、それは、例えば、電気式加熱素子6に関係し得る。加熱素子6によって、炉2又は炉シャフト3における真珠岩砂1を臨界温度へと至らせることができ、その臨界温度において、真珠岩砂粒1の表面が可塑性になり、かつ真珠岩砂粒1が、推進剤に起因して膨張され、推進剤は、この場合において水蒸気である。
【0040】
発明によれば、真珠岩砂1は、ある量の空気と共に、下端19において炉2又は炉シャフト3の中に供給され、上端18の方向に、すなわち、底部から頂部へと注入される。この注入のために、固体/空気ノズル10が提供される。そのノズルは、片方で真珠岩砂1を供給し、その真珠岩砂は、計量スクリュー8によって、細かい砂用の貯蔵器7内に貯蔵される。他方で、固体/空気ノズル10は、圧縮空気30を供給する。固体/空気ノズル10は、真珠岩砂1が、搬送方向32において搬送経路4に沿って底部から頂部へと搬送されることによって、下向きに流れる空気流14が形成されることを確保する。底部から頂部への搬送の結果として、結果として生じる浮力は、真珠岩砂1又は膨張された粒状体29の滞留時間が炉シャフト3内で制御不可能に長くなることを引き起こすことが防止される。同時に、膨張が、炉シャフト3又は搬送経路4の上半分のみにおいて、好適には最上部3分の1のみにおいて、行われ、それによって、炉シャフト3の内壁16上の真珠岩砂1又は膨張された粒状体29の粘結のみならず、真珠岩砂1及び膨張された粒状体29の互いへの個々の粒の接着が、回避され得ることが確保され得る。
【0041】
典型的には、真珠岩砂1は、その膨張直前に、約780°Cを有する。真珠岩砂粒1が膨張する膨張プロセスは、等エンタルピープロセスであるので、真珠岩砂1は、典型的には約590°Cまで、膨張の間に冷却され、それまた、温度降下とも呼ばれる。材料に応じて、温度降下は、少なくとも20°C、好適には少なくとも100°Cである。温度降下の検出又は炉シャフト3内で温度降下が発生する位置の検出は、特に、膨張された粒状体29の表面構造又は表面特性に影響を与えるために、標的化方式で残りの搬送経路4に沿って加熱素子6を調節することを可能にさせる。
【0042】
それに対応して、温度測定のための複数の位置9が、温度降下の位置の決定を可能にするために、搬送経路4に沿って提供される。この場合において、絶対温度測定は、例示的な本実施形態において行われないが、加熱素子6の電力消費が決定されるか、又はこの電力消費が搬送経路4に沿ってどのように変化するかが決定される。膨張プロセス及び付随する温度降下の直後、膨張された粒状体29及び加熱素子6の温度差は、膨張プロセス直前の真珠岩砂1及び加熱素子6の温度差よりも著しく大きい。したがって、熱流もまた増加する。これは、1つの加熱ゾーン5から次の加熱ゾーンへの熱流又は加熱素子6の電力消費の観測される変化が、増加するものであるのに対して、膨張プロセス前の真珠岩砂1の連続する加熱に起因して、搬送経路4に沿う電力消費の変化が、減少するものであることを意味する。
【0043】
制御目的のために、特に、温度降下後に残る搬送経路4に沿う制御のために、加熱素子6は、臨界温度以上への残りの搬送経路4に沿う材料温度の上昇が選択的に防止又は許可され得るように、調節及び制御ユニット(図示せず)に接続される。
【0044】
それゆえ生産される微小球29は、150μm以下の直径を有する。最終製品において個々の微小球29及び微小球29の凝集物の形態において大き過ぎない粒子を実際に得るために、炉シャフト内の真珠岩砂1が、ひいては微小球29の対応する凝集物に膨張される凝集物を形成することが防止される必要がある。真珠岩砂1の凝集は、水分によって促進される。したがって、真珠岩砂1は、細かい砂用の貯蔵器7に入る前に処理され、準備は、乾燥プロセスを含む。しかしながら、乾燥状態においてでさえ、細かいダスト状の真珠岩砂1の移送は、凝集物の形成なしではほとんど不可能であるので、真珠岩砂1が、ある量の空気内に分散され、それでもって、それは、炉シャフト3の中に給送される。
【0045】
分散は、図示される実施形態において、固体/空気ノズル10によって、実行される。加えて、拡散器11が提供され、その拡散器は、一方が固体/空気ノズル10に、他方が炉シャフト3の下端19に接続する。拡散器11は、明確な放射状断面を有し、その断面は、搬送方向32において見られるように、放射状端面22へと拡大する。放射状端断面22は、下端19における炉シャフト3の放射状入口断面23と同じサイズであり、それは、炉シャフト3の中に拡散器11から分散される真珠岩砂1の最適な遷移を可能にする。
【0046】
膨張プロセス後、膨張された粒状体29は、炉シャフト3内で加熱された空気と共に、炉シャフト3の端面24を通過後に炉シャフト3の上端18において排出される。これは、微小球29が、ガス材料流動12内に存在することを意味する。
【0047】
給送ライン25を経て、冷却用空気が、炉シャフト3から出現された後にガス材料流動12に加えられる。結果として、膨張された粒状体29は、好適には100°C以下の処理温度まで冷却され、それは、特に、その更なる処理の間の、膨張された粒状体29の更なる取り扱いを容易にする。
【0048】
ガス材料流動12は、微小球29のサイズを決定するために粒子サイズ測定デバイス20へと供給される。
【0049】
その後、ガス材料流動12が、ガス材料流動12から膨張された粒状体29を分離するために、フィルタ13に給送される。フィルタ13を通してフィルタリングされた排気空気28は、フィルタ13の下流のファン27を経て大気へと排出される。
【0050】
対照的に、分離された膨張された粒状体29は、最初に、密度測定デバイス21へとフィルタ13の下流に接続されたロータリーバルブ26を介して給送され、その密度測定デバイスにおいて、膨張された粒状体29の密度が、サイロ31の中に導かれる前に決定される。
【0051】
既知のデバイスを、粒子サイズ測定デバイス20及び密度測定デバイス21の両方として使用することができ、それは、例えば、光学センサに基づいて、動作する。
【0052】
膨張された粒状体29の粒子サイズ及び密度の決定は、測定デバイス20、21の測定結果に応じて、例えば、炉シャフト3内における若しくは搬送経路4に沿う温度又は温度分布、あるいは真珠岩砂1の量又は空気の供給された量などのようなプロセスパラメータの設定を可能にする。特に、それゆえ、自動制御が、微小球29の所望の品質、特に所望のサイズ及び密度を設定するために実行され得る。例えば、調節及び制御ユニット(図示せず)が、測定デバイス20、21の測定結果を処理するために、したがって、プロセスパラメータを調節するために提供され得る。
【0053】
プロセスパラメータはまた、炉シャフト3内の空気流14の速度vを含む。内壁16の近くの領域において、空気流14の境界層流15が形成され、その境界層流15は、一定の放射状の広がりを有することに留意されたい。境界層流15は、残りの空気流14と比較して、それが、増加された濃度の真珠岩砂1及び微小球29を含有することを特徴とする。
【0054】
図2は、図1における横断線A−Aに従って炉シャフト3を通る放射状区分に沿う流れ状態を例解する。境界層流15における速度vが、内壁16から放射状中心17に向かう方向に境界層流15の(鎖線矢印によって図2に示される)最高速度vb,maxまで最初に著しく増加することが認識され得る。更に放射状中心17に向かって、速度vは、増加しないか、又は、図2に図示されるように、わずかにのみ増加する。速度vが放射状中心17から内壁16まで平均化される場合、結果は平均速度vとなり、それは、図2において太矢印によって象徴される。広範囲な実験は、炉シャフト3の上端18における平均速度vがvb,maxの50%〜95%の範囲にあるように、空気流14が設計又は設定される場合、内壁16上の真珠岩砂1又は微小球29の粘結が事実上完全に排除され得ることを示した。例解される実施形態では、vは、vb,maxの約90%である。
【0055】
この場合において、空気流14は、固体/空気ノズル10の適切な選択若しくは設計によって及び/又は圧縮空気30の適切な圧力を選択することによって、調整され得る。後者はまた、主として、調節及び制御ユニット(図示せず)によって自動的に実行され得る。
【符号の説明】
【0056】
1 真珠岩砂
2 炉
3 炉シャフト
4 搬送経路
5 加熱ゾーン
6 加熱素子
7 細かい砂用の貯蔵器
8 計量スクリュー
9 温度測定のための位置
10 固体/空気ノズル
11 拡散器
12 ガス材料流動
13 フィルタ
14 空気流
15 境界層流
16 内壁
17 炉シャフトの放射状中心
18 炉シャフトの上端
19 炉シャフトの下端
20 粒子サイズ測定デバイス
21 密度測定デバイス
22 拡散器の放射状端断面
23 炉シャフトのその下端における放射状入口断面
24 炉シャフトの端断面
25 冷却用空気のための給送ライン
26 ロータリーバルブ
27 ファン
28 清浄排気空気
29 膨張された粒状体/微小球
30 圧縮空気
31 サイロ
32 搬送方向
v 空気流の速度
空気流の平均速度
b,max 境界層流の最高速度
図1
図2