特許第6800947号(P6800947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスエムエス メア ゲーエムベーハーの特許一覧

特許6800947成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法
<>
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000002
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000003
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000004
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000005
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000006
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000007
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000008
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000009
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000010
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000011
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000012
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000013
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000014
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000015
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000016
  • 特許6800947-成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6800947
(24)【登録日】2020年11月27日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッド、同じくこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/02 20060101AFI20201207BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20201207BHJP
   B21J 13/02 20060101ALI20201207BHJP
   B21J 1/06 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B05B1/02
   B05B7/08
   B21J13/02 Z
   B21J1/06 B
【請求項の数】23
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-502175(P2018-502175)
(86)(22)【出願日】2016年7月14日
(65)【公表番号】特表2018-527169(P2018-527169A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】DE2016100316
(87)【国際公開番号】WO2017012609
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2019年6月7日
(31)【優先権主張番号】102015111685.5
(32)【優先日】2015年7月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320690
【氏名又は名称】エスエムエス グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ロースバッハ,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】シャプリアン,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ゴベル,ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】コッホ,トマス
(72)【発明者】
【氏名】プロトニコフ,オルガ
(72)【発明者】
【氏名】ハインツェル,クリストフ
【審査官】 清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−225354(JP,A)
【文献】 特開平07−185768(JP,A)
【文献】 特開2015−033723(JP,A)
【文献】 特開昭59−205970(JP,A)
【文献】 特開2002−321033(JP,A)
【文献】 特開2004−261657(JP,A)
【文献】 特表2015−505715(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/025368(WO,A1)
【文献】 特表2007−504977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00−3/18
7/00−9/08
B21J 1/00−13/14
17/00−19/04
B21K 1/00−31/00
B29C 33/00−33/76
39/26−39/36
41/38−41/44
43/36−43/42
43/50
45/26−45/44
45/64−45/68
45/73
49/48−49/56
49/70
51/30−51/40
51/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備し、前記2物質ノズル(30)が、一体に構成されるノズル本体(32)を有し、かつ可動モジュールを除いて一体に構成されること、前記2物質ノズル(30)の前記ノズル本体(32)および前記供給路(40)の流路壁(41)が互いに一体に構成されること、および/または前記供給路(40)の前記流路壁(41)および前記噴霧ヘッド足(50)が、互いに一体に構成されることを特徴とする噴霧ヘッド(10)。
【請求項2】
前記ノズル本体(32)と、前記供給路(40)の前記流路壁(41)だけでなく、前記噴霧ヘッド足(50)もまた、互いに一体に構成されることを特徴とする請求項1に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項3】
ハウジング(70)が、前記ノズル本体(32)、前記供給路(40)の前記流路壁(41)および/または前記噴霧ヘッド足(50)と一体に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項4】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備し、特にさらに請求項1−3のうち一項に記載の、前記2物質ノズル(30)が、ドラバル形ノズル(31)を備えることを特徴とする噴霧ヘッド(10)。
【請求項5】
前記2物質ノズル(30)がドラバル形ノズル(31)として構成される噴霧空気出口(33)を有することを特徴とする請求項4に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項6】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備し、特にさらに請求項1−5のうち一項に記載の、前記供給路(40)の流路壁(41)が、パイプ(42)として構成されることを特徴とする噴霧ヘッド(10)。
【請求項7】
前記パイプ(42)が、本質的に硬く構成されてかつそれ自体および前記2物質ノズル(30)を担持することができることを特徴とする請求項6に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項8】
前記2物質ノズル(30)が、複数の供給路(40)と接続されることを特徴とする請求項1−7のうち一項に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項9】
前記噴霧ヘッド(10)が、少なくとも1本の供給路(40)と接続される少なくとも2本の2物質ノズル(30)を具備することを特徴とする請求項1−8のうち一項に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項10】
前記2物質ノズル(30)と前記供給路(40)との間に自由空間があることを特徴とする請求項9に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項11】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備し、特にさらに請求項1−10のうち一項に記載の、
前記噴霧ヘッド(10)が、頂側部(12)および下部(14)を有すること、および液滴点(60)が前記2物質ノズル(30)の隣の少なくとも1つの領域(16)で前記下部(14)に設けられることを特徴とする噴霧ヘッド(10)。
【請求項12】
液滴流通口(65)が、前記頂側部(12)から前記下部(14)まで前記噴霧ヘッド(10)を通して到達することを特徴とする請求項11に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項13】
前記液滴流通口(65)が、前記液滴点(60)で終端することを特徴とする請求項11または12に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項14】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備し、特にさらに請求項1−13のうち一項に記載の、前記噴霧ヘッド(10)が、多孔性ハウジング(70)を有することを特徴とする噴霧ヘッド(10)。
【請求項15】
前記噴霧ヘッド(10)が、頂側部(12)および下部(14)を有し、および前記ハウジング(70)の前記孔(75)が前記頂側部(12)でおよび/または前記下部(14)で開いていることを特徴とする請求項14に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項16】
前記孔(75)が、規則的な方法で配置されることを特徴とする請求項14または15に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項17】
前記孔(75)が、ハニカム(76)を備えることを特徴とする請求項14−16に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項18】
前記孔(75)の少なくとも1つ、前記頂側部(12)から前記下部(14)まで前記ハウジング(30)を貫通することを特徴とする請求項14−17のうち一項に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項19】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備し、特にさらに請求項1−18のうち一項に記載の、前記噴霧ヘッド(10)が、前記2物質ノズル(30)に補足的な少なくとも1本のミストノズル(80)を具備することを特徴とする噴霧ヘッド(10)。
【請求項20】
前記ミストノズル(80)が、前記噴霧ヘッド(10)のモジュールに前記2物質ノズル(30)のノズル本体(32)に、前記供給路(40)の流路壁(41)に、前記噴霧ヘッド足(50)におよび/または前記ハウジング(70)に、または上方へ向けられることを特徴とする請求項19に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項21】
前記ミストノズルが、水を霧状にすることを特徴とする請求項19または20に記載の噴霧ヘッド(10)。
【請求項22】
成形機(25)の少なくとも1個の金型(20)の冷却潤滑のための噴霧ヘッド(10)であって、前記成形機が下金型(21)および上金型(22)を有し前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で前記上金型と前記下金型(21、22)との間の作用チャンバ(23)に導入され、かつ冷却潤滑のために前記金型(20)上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズル(30)であって、かつ、供給路(40)を経由して制御流体、前記混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、前記2物質ノズル(30)に供給されることができ、かつ前記供給路(40)と接続される供給コネクタ(55)を具備する噴霧ヘッド足(50)までずっと到達する、少なくとも1本の前記供給路(40)と接続される、前記2物質ノズル(30)を具備する、噴霧ヘッド(10)の製造のための方法であって、特にさらに請求項1−21のうち一項に記載の、前記噴霧ヘッド(10)のモジュール前記2物質ノズル(30)のノズル本体(32)、前記供給路(40)の流路壁(41)または前記噴霧ヘッド足(50)またはハウジング(70)が、3D印刷によって製作されることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記3D印刷が、金属的に印刷することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドに関し、前記成形機が特に型鍛造プレスの、下金型および上金型を有し、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で上金型と下金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備する。同様に、本発明はこの種の噴霧ヘッドの製作のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の噴霧ヘッドは、例えば(特許文献1)から、またはさらに(特許文献2)から公知である。この点に関しては、噴霧ヘッドは基本的に多層板配置から成り、それを用いて噴霧媒体および噴霧空気の供給路を分離し、同じくさらに対応するバルブ、特に膜バルブおよび制御流体を用いて膜バルブが制御されることができる制御流体のための供給路が利用可能にされる。プレート形噴霧ヘッドは、相対的にせまい構成を有し、そのためそれらがさらに金型の間のより小さな自由空間に入ることができる。しかしながら、これらの噴霧ヘッドの使用の可変性は限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公告第102006004107号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19511272号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より可変の使用を可能にする、上述のタイプの噴霧ヘッドを利用可能にすることが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、独立請求項の特性を有する噴霧ヘッドによっておよび噴霧ヘッドの製作のための方法によって達成される。該当する場合さらにこれらに無関係に、更なる有利な実施態様が従属請求項内におよび以下の記述内に見いだされる。
【0006】
したがって、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、2物質ノズルが、一体に構成されるノズル本体を有し、かつ可能なバルブカバーまたはバルブ膜といった可動モジュールを除いて一体に構成されることを特徴とする。
【0007】
一体に構成されるノズル本体または一体に構成される2物質ノズルは、特に、可能な封止の除去および2物質ノズルの非常に小型の構造を可能にし、2物質ノズルが相対的に小さな構成を有し、かつそれにもかかわらず個々に制御可能であるように構成されることができるので、2物質ノズルはそれによってさらに使用中に融通性を向上する。
【0008】
さらに、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、2物質ノズルのノズル本体および供給路の流路壁が、互いに一体に構成されることを特徴とすることができる。
【0009】
この種の構成は、さらに2物質ノズルと供給路の流路壁との間の接続部における可能な封止の除去を可能にし、それでここで、この配置が対応してスペースをとらない構成を有し、したがって噴霧ヘッドの個別的な構成が可能であり、それが次に噴霧ヘッドが、用途が広い方法で使用されることを可能にする。
【0010】
同様に、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、供給路の流路壁と噴霧ヘッド足の流路壁が、互いに一体に構成されることを特徴とすることができる。
【0011】
これはさらに噴霧ヘッドの小型の構成を可能にし、およびこれはしたがって使用中にその融通性を向上する。
【0012】
したがって、上述のモジュールの単一部材性質は、それぞれの例において、小型の構成をもたらし、それがとりわけ封止を除去してかつその小型の性質を用いて融通性を向上する。具体的には、例えば、噴霧ヘッドに非常に多くの個別的なノズルを設けることが可能であり、前記ノズルがこの構成においてさらに個々に制御されることができ、それでそれぞれの金型が非常に個別的な方法で冷却潤滑を備えることができ、−必要に応じて−対応して適応された冷却潤滑が、金型の変更の場合に個別的な噴霧ヘッドノズルの異なる制御を用いて行われることができる。
【0013】
この利点を考慮して、特にノズル本体、供給路の流路壁だけでなく、さらに噴霧ヘッド足もまた互いに一体に構成されることができ、かつそれによって対応する利点がそれ自体をさらにより大いに示すことは明白である。
【0014】
この点に関しては、理解されることは、可能なバルブカバーまたはバルブ膜、または2物質ノズルの他のモジュールが同じものと必ずしも一体に構成される必要があるというわけではないが、―例えば―対応して薄く構成されるノズル本体の材料の位置を用いてすでに利用可能にされることができる膜の場合、これは確かに考え得ることである。
【0015】
好ましくは、特別に設けられるハウジングが、さらにノズル本体、供給路の流路壁および/または噴霧ヘッド足と一体に構成され、およびハウジングがその時、噴霧ヘッドの個別的なモジュールに関して補足的な安定化をもたらすように働くことができるので、これがさらに噴霧ヘッドの個別的なモジュールをより小型に構成する可能性を与え、すでに言及された利点に帰着する。
【0016】
さらに、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、2物質ノズルが、ドラバル形ノズルを備えることを特徴とすることができる。
【0017】
とりわけ、噴霧媒体および噴霧空気の混合物の集中的微粒化がドラバル形ノズルとしての構成を用いて保証され、およびこれは相対的に小さな2物質ノズルの場合さえ、有効である。これはすでに説明されたように、非常に小型の方法で噴霧ヘッドを構成し、かつそれによってこれと接続される金型上へ噴霧する個別的な可能性を有する多くの2物質ノズルをもたらす、とりわけ好ましい可能性の結果を得る。
【0018】
この点に関しては、2物質ノズルがドラバル形ノズルとして構成される噴霧空気出口を有する場合、とりわけ有利である。これは、フロー技術に関して比較的良好な方法で管理されることができ、かつさらに、とりわけ噴霧空気出口が噴霧媒体出口を取り囲む場合、構造の点で容易に実現されることができる。ドラバル形ノズルによって極めて大きな速度に加速された噴霧空気は、次いでさらにドラバル形ノズルによって引き起こされる強い渦巻きに起因してとりわけよく噴霧媒体を飛沫同伴し、かつ噴霧することができる。したがって、とりわけ小さな2物質ノズルによって優れた噴霧形状を生成することが可能であり、それはしたがって冷却潤滑を備えることを必要とされるそれぞれの金型の機能としての噴霧形状の個別化を可能にする。
【0019】
さらに、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、供給路の流路壁が、パイプとして構成されることを特徴とすることができる。
【0020】
流体が、それが混合物、噴霧媒体、噴霧空気または制御流体であるかどうかにかかわらず、2物質ノズルに供給されることを必要とされる場合、パイプは優れた流体力学的な特性を可能にし、それで対応する流路が最大程度の有効性で、最小断面で利用可能にされることができる。具体的には、パイプはさらに近くにかつ直接置かれることができ、それで起こりうる鋭い屈曲などが最小限に低下されることができる。小さな構成空間がその小さな断面に起因してパイプに要求されるので、これは、全体的に相当に小型の方法で噴霧ヘッドを構造化することを可能にする。これは次に、噴霧ヘッドの個別的な順応に対する自由、または噴霧ヘッドの2物質ノズルの最も大きな可能な数の適応に対する自由を向上する。
【0021】
好ましくは、パイプは本質的に硬く構成され、かつそれ自体、同じく2物質ノズルを支持することができる。このように、更なる支持モジュールを除去することが基本的に可能であり、−必要に応じて−補足的なハウジングが設けられることができ、該当する場合、それは補足的な支持効果を有することができる。それにもかかわらず、パイプがそれ自体、同じく2物質ノズルを基本的に支持することができる場合、それは有利であり、およびハウジングは単に支持効果だけをここで有する。これはハウジングが相対的に軽く構成されることができる結果をもたらし、かつこれはしたがって、構成空間でそれに利益を再びもたらす。
【0022】
理解されることは、2物質ノズルは、複数の供給路と接続されることができ、それが上記した要求に従って構成されることができることである。このように、例えば別個の供給路を通して2物質ノズルに、制御流体、噴霧媒体および噴霧空気のような、異なる流体を供給することがとりわけ可能である。必要に応じて、例えば、噴霧媒体が起こりうる分離現象を打ち消すために循環されることが必要とされる場合、この点に関しては送出がさらに設けられることができる。この点に関しては、理解されることは、複数の供給路が2物質ノズルと接続される場合、供給路がパイプとして各々構成されてかつ2物質ノズルを共に具備することができる場合、それで十分であることである。ここで、最終的に、固有の剛性のために要求される質量の秤量および個別的な構成可能性に関する自由の評価が、行われなければならない。
【0023】
必要に応じてさらに可能であることは、噴霧ヘッドが、各々少なくとも1本の供給路と接続される少なくとも2本の2物質ノズルを具備することである。具体的には、複数の2物質ノズルがもちろん設けられることができ、それが各々少なくとも1本の供給路と接続され、2物質ノズルが、異なる方向へ、それぞれの例において例えば上方へおよび下方へ面することがさらに考え得る。同様に、2物質ノズルは、もちろんさらに垂直線に対して傾けられた角度を備えることができる。
【0024】
他方、共通の供給路を経由して、流体を、例えば、噴霧媒体または噴霧空気を複数の2物質ノズルに供給することが、さらに考え得る。ノズルの各々が、例えば別個の制御流体供給路によって、別々に制御されることができる場合、これがとりわけ考えられ、それで供給路の数が最小限に制限されることができ、それがそれに応じてまた構成空間を利用可能にする。
【0025】
自由空間が、2物質ノズルと供給路との間に設けられることができ、それが、一方では総重量を低下させ、それで噴霧ヘッドがよりすばやく作用チャンバにもたらされることができて、更に再びそれから除去されることができる。さらに、自由空間は、可能な液体構成成分が作用チャンバ内に飛びまわり、かつ噴霧ヘッド上に堆積するか、または自由空間を通過してそれに堆積する恐れがあり、かつ自由空間を取り囲む壁上に流れ落ちる可能性があることを許す。このように、液体が噴霧ヘッドの頂側部に集積し、例えば、これらがその時再度捨てられる場合、それがおそらく成形機の無制御の影響に導くかもしれないことが回避されることができる。
【0026】
この点に関しては、自由空間を取り囲む噴霧ヘッドのそれぞれのモジュールの下部が、それらの性質によって液滴点を形成し、そこに存在する任意の液体がしたたり落ちることができる。噴霧ヘッドの適切な構成の場合、複数のこの種の液滴点が存在し、それで金型上の、またはさらに成形機で処理されることを必要とされるワークピース上の噴霧媒体の堆積物に導く可能性がある液体の大きな集積が防がれることができることが保証されることができる。
【0027】
これらの影響は、特に現状技術から既知であるプレート形噴霧ヘッドにおいて観測されることができ、そこにおいて、流体の、特に噴霧媒体または水の無制御の分布および堆積が噴霧ヘッドでの流体の大きな集積に起因して起こる。
【0028】
したがって、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、噴霧ヘッドが、頂側部および下部を有すること、および液滴点が、2物質ノズルの隣の少なくとも1つの領域内の、下部に設けられることを特徴とすることができる。
【0029】
2物質ノズルの近くで、とりわけ例えばドラバル形ノズルが使用される場合、液体の集積の問題は、ノズル効果に起因し頻繁には生じない。2物質ノズルの隣の領域では、しかしながら、これが水平な位置で生じる可能性がある。適切に構成された凸部またはパイプの下部などによって利用可能にされるもののような、液滴点を用いて、それらの性質によって、例えば、複数の小さな液滴が、各場合に、噴霧ヘッドの下部の上に集積し、かつ大きな液滴を形成するように集積せずにしたたり落ちることができる。この種の小さな液滴はそのようなものとして通常の処理手順において許容されることができる。
【0030】
利用可能にされる噴霧ヘッドの下部上の定められた凸部または縁部を用いてこの種の液滴点を設けることが、とりわけ考え得る。特に、これは、例えば、開く孔またはハニカムの縁部であることができる。
【0031】
好ましくは、液滴流通口が噴霧ヘッドを通して頂側部から下部まで到達し、前記開口部を用いて液体が、頂側部から下部に達する。このように、噴霧ヘッドの頂側部に集積する、より大きな量の流体が防がれることができ、およびしたがって、これはそれに利点をもたらす。この点に関しては、理解されることは、述べられたタイプの噴霧ヘッドの場合、この種の液滴流通口は、該当する場合、さらに本発明の他の特性に無関係に有利であることができることである。
【0032】
好ましくは、液滴流通口が、液滴点で終わり、それで頂側部から下部への液体の目標とされた誘導だけでなく、さらに目標とされたしたたりが保証される。
【0033】
さらに、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、噴霧ヘッドが、多孔性ハウジングを有することを特徴とすることができる。
【0034】
多孔性がそのようなものとして、重量節減によって付随され、噴霧ヘッドをより軽くし、したがってより容易にかつよりすばやく移動することを可能にし、それでそれがより用途が広い方法で使用されることができることを除いて、多孔性ハウジングは、もともと、液滴点および―多孔性の具体的実施態様に基づいて―さらに液滴流通口も存在することを可能にする。この点に関しては、噴霧ヘッドが頂側部および下部を有し、ならびにハウジングの孔が頂側部でおよび/または下部で開く場合、それは有利である。
【0035】
規則正しい配置が機械工学の観点から準備してかつ設けるのがより容易であるので、孔は、これらが規則正しく配置される場合、構成に関して単純な方法で、利用可能にされることができる。
【0036】
すでに上で説明されたように、有利であるのは、孔が頂側部から下部まで少なくとも部分的に到達する場合、このように形成される液滴流通口は具体的実装に依存して、直線経路でまたは不規則な経路でハウジングを通して貫通することができることである。最終的に、これは孔の具体的実施態様によって決定される。特に、例えば、ハウジングが、単に対応する穴部または孔を備えた薄壁だけを有し、かつ内側の方へ中空であり、それで液体がハウジングの内部を通して容易に浸透することができることがさらに考え得る。
【0037】
具体的には、ハニカムが材料のとりわけ低使用および重量により極めて安定なことが知られ、かつそれにもかかわらず、それらがハウジングの頂側部から下部まで到達する場合、それらが、液滴流通口として役に立つことができるように開いているので、孔はハニカムを備えることができる。他方、それらがハウジングの下部の上に規則正しく分布する場合、ハニカムの縁部は非常によく液滴点を形成することができる。
【0038】
すでに上で説明されたように、有利であることは、孔の少なくとも1つが頂側部から下部までずっと貫通する場合、それでこのようにして液滴流通口が利用可能にされることである。好ましくは、孔の少なくともいくつかが、頂側部から下部までハウジングを貫通し、孔の対応する数が、それによって流体がハウジングの頂側部から下部まで伝導されることを必要とされる範囲に依存する。この点に関しては、理解されることは―例えば、ハニカムが頂側部から下部まで到達するが、これらのハニカムが例えば、パイプまたはノズル本体のような内部構造体に接する場合―必要に応じて、液体の信頼性が高い貫流を保証するために、小開口部が、ハニカムと内部構造体との間に設けられることができることである。
【0039】
孔またはハニカムがハウジング構成要素として、さらに供給路またはそれらの壁、ノズル本体またはさらに噴霧ヘッド足と一体に容易に構成されることができることが理解される。
【0040】
とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備し、かつ、噴霧ヘッドが、2物質ノズルに補足的である少なくとも1本のミストノズルを具備し、噴霧ヘッドの追加冷却がこれらのミストノズル、特に保守段階中にまたは故障の場合、例えば噴霧ヘッドが過熱しないように有利である何かを経由して達成されることができるので、とりわけさらに高い温度で、とりわけ用途が広い方法で使用されることができることを特徴とする。これは、特に、いくぶんより熱的に安定でない噴霧ヘッドの材料を使用することをさらに可能にし、およびしたがって、これは噴霧ヘッドがより用途が広い方法で使用されることを可能にする。具体的には、この種の材料、換言すればいくぶんより熱的に安定でない材料が、より容易にかつよりきめ細かい方法で機能することができ、それで全体で、より柔軟な方法で使用されることができる噴霧ヘッドが、さらに製作されることができる。
【0041】
冷却媒体を補足的に出してかつそれを霧状にするか、噴霧するかまたは蒸発させることに適している任意のタイプのノズルが、噴霧ヘッドそれ自体をこのように冷却するために、ミストノズルとして使用されることができる。
【0042】
好ましくは、ミストノズルは噴霧ヘッドのモジュールにまたは上方へ向けられ、それで噴霧ヘッドの対応する冷却が保証される。後者は例えば、ミストノズルから来てかつ上方へ出される液体が重力の影響のもとで噴霧ヘッド上に戻って落ち、かつそれによってそれを冷却するという点で行われる。
【0043】
特に、しかしながら、ミストノズルが2物質ノズルのノズル本体に、供給路の流路壁に、噴霧ヘッド足に、および/またはハウジングに向けられる場合、このようにして、とりわけ適切な冷却が保証されることができるので有利である。具体的には、もちろん、対応するミストノズルはさらにハウジングの内部で効果的になることができる。何の液体もハウジングの内部にその時集積することができないので、これは液滴流通口および液滴点との相互作用においてとりわけ重要ではない。
【0044】
好ましくは、ミストノズルは水を霧状にし、それはプロセス管理に関して全体としてとりわけ重要ではなくかつ優れた冷却をもたらす。
【0045】
製作プロセスが、2物質ノズルのノズル本体、例えば、供給路の流路壁または噴霧ヘッド足またはハウジングのような噴霧ヘッドのモジュールが、3D印刷を用いて製作されることを特徴とする場合、とりわけ型鍛造プレスの、下金型および上金型を有する成形機の少なくとも1個の金型の冷却潤滑のための噴霧ヘッドであって、前記噴霧ヘッドが、2つの働き行程の間で下金型と上金型との間の作用チャンバに導入され、かつ、冷却潤滑のために金型上へ噴霧媒体および噴霧空気の混合物を噴霧する少なくとも1本の2物質ノズルであって、かつ供給路を経由して制御流体、混合物、噴霧媒体または噴霧空気が、2物質ノズルに供給されることができ、かつ供給路と接続される供給コネクタを具備する、噴霧ヘッド足までずっと到達する少なくとも1本の供給路と接続される、2物質ノズルを具備する、噴霧ヘッドが製作されることができる。
【0046】
この製造方法は、一体成形または一体となったモジュールを構成に関してとりわけ単純な方法で利用できることを可能にし、前記モジュールが、さらに極めてきめ細かく、かつ個々に適応される。特に例えば、ドラバル形ノズルとしてのノズル本体の構成に対して、例えば、またはさらにこれらの供給路を形成する供給路のもしくはパイプの非常に緻密なかつ絡み合う誘導に対して、これは有効である。この点に関しては、フロー技術最適化が、特に、単純なかつ目的を指向する方法で実現されることができ、―この種の噴霧ヘッドが成形機に利用可能にされることを必要とする相対的に少ない数からみて―3D印刷は、さらにその非常に大きな個別化にとりわけ起因して相対的にコスト有利である。
【0047】
好ましくは、熱的に相対的に安定である噴霧ヘッドがこのように製作されることができるように、この3D印刷は金属的に印刷する。上記した対策に起因して、とりわけ冷却に起因して、しかしながら、相対的に熱高感度である金属もまた使用されることができ、および対応して高い温度が製作に利用可能にされる必要はないので、これは製作中に対応する利点または促進をそれにもたらす。
【0048】
プラスチックが十分に熱的に安定な場合、または十分な冷却がある場合、特に故障の場合、または保守作業中に必要に応じて、3D印刷はまた、これらのプラスチックを印刷することもできることが理解される。
【0049】
理解されることは、上記した解決策の特性および請求項における特性は、該当する場合それに応じて積み重なって利点を実現することが可能であるために、さらに組み合わせられることができることである。
【0050】
本発明の更なる利点、目的および特性が、例示的な実施態様の以下の記述を使用して説明され、それが特に添付の図面内に同様に示される。図は、以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】噴霧アーム上に位置する噴霧ヘッドを有する、型鍛造プレスとして構成される成形機の概略側面図。
図2】下からの略図で図1に従う噴霧ヘッド。
図3】側面図で図1および2に従う噴霧ヘッド。
図4】前面からの図で図1−3に従う噴霧ヘッド。
図5】平面図で図1−4に従う噴霧ヘッド。
図6】部分的に透明な斜視図で図1−5に従う噴霧ヘッド。
図7図1−6に従う2物質ノズルを通しての概略断面表現。
図8図2のものと類似の表現の第2の噴霧ヘッド。
図9図3のものと類似の表現の図8に従う噴霧ヘッド。
図10図5のものと類似の表現の図8および9に従う噴霧ヘッド。
図11図2および8のものと類似の表現の第3の噴霧ヘッド。
図12図3および9のものと類似の表現の図11に従う噴霧ヘッド。
図13図5および10のものと類似の表現の図11および12に従う噴霧ヘッド。
図14図2、8および11のものと類似の表現の第4の噴霧ヘッド。
図15図3、9および12のものと類似の表現の図14に従う噴霧ヘッド。および
図16図5、10および13のものと類似の表現の図14および15に従う噴霧ヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1内に図式的に示される成形機24は型鍛造プレスとして構造化されてかつ2個の金型20、下金型21および上金型22を備え、それがプレス円柱25を用いて互いの方へかつ互いに離れて移動されることができる。
【0053】
このために、成形機は、テンションロッド28を経由して互いに離れて間隔をあけられる下部ヨーク26および上部ヨーク27を備え、テンションロッド28はプレス円柱25が印加する押圧力を打ち消すことができる。
【0054】
可動ヨーク29がテンションロッド28に導かれ、前記ヨークが加圧のためのプレス円柱によってそれに応じて動かされることができ、かつ上金型22がその上に取り付けられ、それで上金型22がすべての働き行程で、下部ヨーク26上に配置される下金型21上へ降ろされることができる。
【0055】
直接明白であるように、2つの働き行程の間で、作用チャンバ23がその時下部金型21と上部金型22との間に生じる。
【0056】
具体的実施態様に従い、特にワークピースが絶えず反復する方法で製作される場合、適切な機能を保証するために、工具は潤滑剤をさされ、および/または吹き飛ばされなければならない。これは、また、金型20に対して有効である。
【0057】
このために、成形機は噴霧ヘッド10を備え、それが噴霧アーム18を経由して作用チャンバ23に導入されることができる。
【0058】
図2−7内に示されているように、噴霧ヘッドは、複数の2物質ノズル30を有し、それが―この例示的な実施態様では―とりわけ図7内に示されているようにドラバル形ノズル31を備える。理解されるのは、具体的要求に依存して他のタイプのノズルもまた、逸脱実施態様で設けられることができることである。
【0059】
これらの2物質ノズル30の各々が、この例示的な実施態様において3本の供給路40を経由して噴霧ヘッド足50と接続され、この足が供給コネクタ55を有し、それが次に供給路40と接続され、かつ制御流体を、噴霧媒体を、または噴霧空気を、これらに供給することができる。
【0060】
したがって、各供給路40は流路壁41を有し、それがこの例示的な実施態様ではパイプ42として構成され、他のパイプ断面または流路断面が他の実施態様では選ばれることができる。理解されるのは、特に、互いの近くにあるパイプは、また、一体にまたは共通の壁で構造化されることができることである。
【0061】
特に図7内に見られることができるように、2物質ノズル30は、噴霧媒体流路45、噴霧空気流路46およびこの例示的な実施態様では対応する2物質ノズル30をさらに具備する、供給路40としての制御流路47と直接接続される。逸脱例示実施態様では、例えば噴霧媒体送出通路がさらに設けられることができ、それで分離現象を防ぎ、かつそれにもかかわらず噴霧媒体流路45を経由して噴霧媒体を2物質ノズル30に利用可能にするために、噴霧媒体が循環して2物質ノズル30を過ぎて動かされることができる。
【0062】
2物質ノズル30それ自体が、一方では噴霧空気出口33、および他方では噴霧媒体出口34を有する、ノズル本体32を備える。この点に関しては、噴霧空気出口33はドラバル形ノズル31として構成され、それで噴霧空気の極めて高い速度が達成されることができ、かつドラバル形ノズル31によって引き起こされる極端な渦巻きに起因してとりわけ微細な方法で噴霧媒体を噴霧することができる。
【0063】
本例示的実施態様の2物質ノズル30は、各々バルブカバー38を有し、それが、図7で分かるように、制御流体(この例示的な実施態様では、圧縮空気がとりわけこれに適している)が制御流路47を経由して十分な圧力で利用可能にされる時、噴霧媒体出口34を閉じさせる。バルブカバー38に対する応力が軽減される時、噴霧媒体流路45からの噴霧媒体が、制御流路47内に優勢である圧力に対向してバルブカバー38を持ち上げ、それでバルブカバー38が開き、および噴霧媒体が噴霧媒体出口34を通して2物質ノズルを出ることができる。
【0064】
このように、すべての2物質ノズル30が個々に制御されることができ、ならびに特に制御流路47および別個の噴霧空気流路46を経由して、これが実現されることができるので、噴霧媒体のおよび噴霧空気の極めて個別的な調量が行われることができる。
【0065】
この例示的な実施態様では、最終的に、対応する供給路40が個々に存在するかまたは流路ツリーとして存在するかにかかわらずいかなる役割も果たさないので、噴霧媒体流路45は1つにされる。対応する個別的な制御は、バルブカバー38を用いて可能である。
【0066】
図7内に見られることができる設計を使用して直接明白なように、対応する2物質ノズル30は、下方と上方の両方へ向けられることができる。同様に、他の角度の傾きが容易に可能である。したがって、噴霧ヘッド10の噴霧形状は、非常に個別的な方法で選ばれることができ、これは2物質ノズル30の個別的な制御性によってさらに強化される。
【0067】
噴霧ヘッド足50はさらに内孔58を有し、それを用いてそれが噴霧アーム18によって保持されることができるか、または噴霧アーム18に取り付けられることができる。
【0068】
噴霧ヘッド10は、頂側部12および下部14を有し、全ての2物質ノズル30が本例示的実施態様では下方へ向けられる。理解されるのは、この点に関してはすでに説明されたように大きな自由が存在し、および1本以上の、該当する場合、全ての2物質ノズル30さえ、上方へまたは側方にさえ向けられることができることである。
【0069】
噴霧ヘッド10の非常に隙間のある設計に起因して、液滴流通口65が2物質ノズル30の隣の領域16内に形成し、前記開口部を通して任意の液体が、噴霧ヘッド10の頂側部12から下部14まで容易に達する。
【0070】
さらに、液滴点60が流路壁41の下部または供給路40の下部に形成し、そこで任意の液体が目標とされた方法で集まりかつしたたり落ちることができる。これは、大きな利点を有し、特に、平面表面の下部に生じる可能性がある、非常に大きな滴の集積が、最も大きな可能な程度で防止される。
【0071】
さらに、ミストノズル80(図4を参照のこと)が、噴霧ヘッド足50上に配置され、前記ノズルが供給路40および2物質ノズル30に水ミストを噴霧することができ、それがとりわけ故障の場合冷却目的のために役に立ち、必要に応じて、対応する冷却がまた、通常動作中に与えられることができる。
【0072】
直ちに理解されることができるように、その後パイプ42を噴霧ヘッド足50に嵌入してかつまた、それをそこに接続するために、ノズル本体32内の対応開口部とそれぞれのパイプ42を接続することが可能であり、それで噴霧ヘッド10が容易に従来の方法で利用可能にされることができる。
【0073】
この接続の具体的方法に依存して、封止が、接続ポイントに設けられなければならないかもしれないが、これらの接続部が例えば溶接またははんだ付けを用いてまさに始めから密封されるように構成されることができる場合、これが回避されることができる。後者は故障の場合さえ、動作温度が十分に低いように保持されることができる場合にだけ可能であり、および必要に応じて、ミストノズル80がこの目的の役に立つことができる。
【0074】
とりわけ好ましくは、しかしながら、2物質ノズル30、供給路40および噴霧ヘッド足50は、一体に構成されてかつ3D印刷を用いて製作される。この3D印刷は、好ましくは金属を印刷し、それが成形機24内の噴霧ヘッド10に働く大きな応力に、ただ熱的な点だけでなく、その他の材料よりよく全体として耐えることができる。必要に応じて、しかしながら、例えば、とりわけ温度が十分に低く保持されることができる場合、プラスチックもまた使用されることができ、およびこの目的のために、例えばミストノズル80を用いて適切な冷却がまた行われることができる。
【0075】
直接明白であるように、噴霧ヘッド10は、供給路40が2物質ノズル30を具備するように容易に構造化されることができる。ハウジング70が補足的に設けられる場合、全体的な配置の安定性が向上されることができ、それが安定する方法で、かつ一例として図8−10内に示されるように働くことができる。
【0076】
この種の平滑ハウジング70はその時、液体のより大きな集積がおそらく頂側部12に、しかしまた下部14にも形成する可能性がある欠点を有し、それがその時、この種の実施態様では受け入れられる。他方、ハウジング70の内部は、この種の実施態様の性質による障害に対して守られることができる。
【0077】
ハウジング70の下部上の液滴集積を防止するために、ハウジングは、一例として図11−13内に示されるように、多孔性であるように構成されることができる。図11−13内の例示的な図示された態様では、ハウジング70の下部だけが孔75を有するが、これらはハウジング70のハウジング壁を通して貫通しない。
【0078】
孔縁部は、この点に関しては液滴点60を形成し、それで噴霧ヘッド10の下部14上の液体のより大きな集積が効果的に防止されることができる。
【0079】
異なって構成される一実施態様では、孔75は、さらにハウジング70の壁を貫通することができ、それで最終的に、ハウジング壁内の穴部が孔75によって利用可能にされる。
【0080】
存在する任意の液体が、これらの穴部を通してハウジング70の内部を出ることができ、およびミストノズルがまたこの種の噴霧ヘッド10内に設けられ、前記ノズルがハウジング70の内部に向けられる場合、これはとりわけ有利である。
【0081】
同様に、理解されるのは、ハウジング70の頂側部もまた孔を有することができ、それが好ましくはさらにハウジング壁を貫通し、それで上部孔および下部孔75に起因して液滴流通口65が形成され、それを通して液体が、噴霧ヘッド10の頂側部12から噴霧ヘッド10の下部14に、かつそれによって孔縁部によって形成される液滴点60に達することができることである。
【0082】
孔75は、この点に関しては、規則的なまたは不規則な方法で配置されることができ、およびこれはそれぞれの要求またはそれぞれの製作方法に起因することができる。
【0083】
特に、孔75はまた、ハニカム76として構成されることができ、それが好ましくはハウジング全体を通して貫通する。これは、この種のハニカムがそれらの性質によって非常に安定であるので、全体的な配置の大きな安定性をもたらす。さらに、ハニカム76は、また、直接液滴流通口65およびそれらの下縁部で液滴点60を形成し、必要に応じて、小開口部または妨害物が、噴霧ヘッド10の内部構造体との、例えば2物質ノズル30との、または供給路40との、ハニカム76の接触位置に設けられることができ、それで液体がハニカムを通して下方へ流れ落ち続けることができる。
【0084】
図14−16内の例示的な図示された態様では、対応する例として、小さな流路が内部に設けられることができるようにハニカム76が厚く選ばれ、それを通して水が、選ばれたハニカムの頂縁部に見つけられることができ、かつそれを用いて水が全体的な配置の冷却のために霧状にされることができる、ミストノズル80へ導かれることができる。この点に関しては、ミストノズルが、この例示的な実施態様では上方へかつ側方に向けられ、ここで他の配向性もまた容易に考え得る。
【0085】
理解されるのは、図8−16内に示される例示的な実施態様がまた、3D印刷方法を経由して製作されることができることである。
【符号の説明】
【0086】
10 噴霧ヘッド
12 頂側部
14 下部
16 領域
18 噴霧アーム
20 金型
21 下金型
22 上金型
23 作用チャンバ
24 成形機
25 プレス円柱
26 下部ヨーク
27 上部ヨーク
28 テンションロッド
29 可動ヨーク
30 2物質ノズル
31 ドラバル形ノズル
32 ノズル本体
33 噴霧空気出口
34 噴霧媒体出口
38 バルブカバー
40 供給路
41 流路壁
42 パイプ
45 噴霧媒体流路
46 噴霧空気流路
47 制御流路
50 噴霧ヘッド足
55 供給コネクタ
58 内孔
60 液滴点
65 液滴流通口
70 ハウジング
75 孔
76 ハニカム
80 ミストノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16