(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのヒーターが、エアロゾル発生物品が前記くぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生物品内へ挿入されるように配置された細長いヒーターを含み、前記第一の電極が、前記細長いヒーターの部分を形成し、前記第二の電極が、前記くぼみの内部表面に提供され、その結果、エアロゾル発生物品が前記くぼみ内に受けられた時に、前記第二の電極が前記くぼみの内部表面とエアロゾル発生物品の外側表面との間に位置する、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
前記第二の電極が、実質的な環状形状を有し、その結果、エアロゾル発生物品が前記くぼみ内に受けられた時に、前記第二の電極がエアロゾル発生物品の少なくとも一部分を囲む、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
前記第一および第二の電極が、前記くぼみの内部表面に提供され、前記第一および第二の電極が、エアロゾル発生物品が前記くぼみ内に受けられた時に前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が前記第一の電極と前記第二の電極との間に位置するように相互に対向して位置する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
前記少なくとも1つのヒーターが、前記くぼみの前記内部表面に提供され、その結果、使用時に前記少なくとも1つのヒーターが前記くぼみ内に受けられたエアロゾル発生物品の外側表面を加熱する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
前記エアロゾル発生基体が、誘電体材料であり、前記コントローラによって測定された前記電気的な負荷が、容量負荷である、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
前記エアロゾル発生物品がさらに、前記エアロゾル発生基体に巻かれたラッパーを含み、前記ラッパーの少なくとも一部分が、前記電気的な負荷の一部を形成する、請求項8〜10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様によると、電源、少なくとも1つのヒーター、およびエアロゾル発生物品を受けるためのくぼみを備えるエアロゾル発生装置が提供される。装置はさらに、第一の電極と、第一の電極から間隔をおいて配置された第二の電極とを備え、その結果、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が、第一の電極と第二の電極との間に受けられる。装置はまた、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に、電源からエアロゾル発生物品を加熱するための少なくとも1つのヒーターへの動力供給を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に第一の電極と第二の電極との間の電気的な負荷を測定し、測定された電気的な負荷が所定のしきい値を超えた時に電源から少なくとも1つのヒーターへの動力供給を終えるように構成される。
【0006】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱された際にエアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出するエアロゾル発生基体を含む物品を意味する。
【0007】
本発明によるエアロゾル発生装置は有利には、エアロゾル発生物品が第一の電極と第二の電極との間に受けられた時にエアロゾル発生物品の少なくとも一部分に渡る電気的な負荷を測定する。一般的には、エアロゾル発生物品が使用時にエアロゾル発生装置を用いて加熱された時、エアロゾル発生物品における揮発性化合物は蒸発する。エアロゾル発生物品からの揮発性化合物の蒸発は、第一の電極と第二の電極との間の電気的な負荷の変化をもたらす。したがって、第一の電極と第二の電極との間の測定された電気的な負荷の変化は有利には、エアロゾル発生物品に残留する1つ以上の揮発性化合物の量の表示を与えるために用いることができる。
【0008】
測定された電気的な負荷を用いてエアロゾル発生物品に残留する1つ以上の揮発性化合物の量を監視することは有利には、エアロゾル発生物品に対する適切な長さの加熱サイクルの使用を容易にする。したがって、エアロゾル発生装置は、電気的な負荷または電気的な負荷の変化がエアロゾル発生物品からの1つ以上の揮発性化合物の実質的な涸渇を示す所定のしきい値に到達した時にエアロゾル発生物品の加熱を終えるように構成される。1つ以上の揮発性化合物がエアロゾル発生物品から涸渇した時にエアロゾル発生物品の加熱を防ぐことはさらに、消費者のための喫煙の体験の減少の発生を防ぎうる。1つ以上の揮発性化合物がエアロゾル発生物品から涸渇した時にエアロゾル発生物品の加熱を防ぐことはさらに、エアロゾル発生物品が乾燥するのにつれて過熱されることによるエアロゾル発生物品の偶発的な燃焼のリスクを減少しうる。
【0009】
電気的な負荷は、抵抗負荷および容量負荷のうち少なくとも1つを含みうる。有利には、抵抗および容量負荷は、複雑な電子装置を要求することなく測定されうる。有利には、エアロゾル発生物品の抵抗または容量負荷は一般的には、予測可能な手法で変化し、これは、電気的な負荷の測定された変化とエアロゾル発生物品からの1つ以上の揮発性化合物の涸渇の量との間の正確な相関関係を容易にしうる。
【0010】
上述の任意の実施形態では、少なくとも1つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品内へ挿入されるように構成された細長いヒーターを含んでいてもよい。細長いヒーターは、任意の適切な形状を有して、エアロゾル発生物品への挿入を容易にすることができる。例えば、細長いヒーターはヒーターブレードであってもよい。
【0011】
追加的に、または別の方法として、少なくとも1つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品の外側表面に隣接して位置するヒーターを含んでもよい。少なくとも1つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品の少なくとも一部分を囲むように構成された実質的に環状のヒーターを含んでもよい。追加的に、または別の方法として、少なくとも1つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品の端部に隣接して位置する実質的に平面のヒーターを含んでもよい。
【0012】
本明細書で使用される、「内部」および「外部」という用語は、エアロゾル発生装置の構成要素の相対的な位置またはエアロゾル発生装置の構成要素の部分について言及するために使用される。例えば、構成要素の内側表面は、装置の内部に向かって面し、構成要素の外側表面は、装置の外部に向かって面する。
【0013】
上述の任意の実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのヒーターの部分を形成しうる。第一の電極は、少なくとも1つのヒーターの部分を形成し、第二の電極は、第一の電極および少なくとも1つのヒーターから分離し、かつそれらから間隔をおいて配置されることが好ましい。
【0014】
そのような構成は、少なくとも1つのヒーターがエアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品内へ挿入されるように配置された細長いヒーターを含む実施形態に特に適しうる。それらの実施形態では、第一の電極は、細長いヒーターの部分を形成し、第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に第二の電極がくぼみの内部表面とエアロゾル発生物品の外側表面との間に位置するようにくぼみの内部表面に提供されることが好ましい。
【0015】
少なくとも1つのヒーターの部分として第一の電極を形成することは、エアロゾル発生装置を製造するのに要求される多くの構成要素を減少しうる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのヒーターは、抵抗発熱体を含む抵抗ヒーターを含む。そのような実施形態では、第一の電極は、共通の電気的に絶縁された基体に別個に提供されうる。別の方法として、抵抗発熱体はまた、第一の電極を形成することができ、さらにエアロゾル発生装置の構造を簡単にすることができる。
【0016】
エアロゾル発生物品がくぼみ内に挿入された時に第一の電極が少なくとも1つのヒーターの部分を形成し、少なくとも1つのヒーターがエアロゾル発生物品内へ挿入されるように配置された細長いヒーターを含むそれらの実施形態では、第二の電極は、実質的な環状形状を有し、その結果、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に、第二の電極がエアロゾル発生物品の少なくとも一部分を囲むことが好ましい。
【0017】
少なくとも1つのヒーターの部分として第一および第二の電極のうち一方または両方を形成するための代替例として、第一および第二の電極は、くぼみの内部表面に提供され、第一および第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に位置するように相互に対向して位置しうる。そのような構成は、少なくとも1つのヒーターがエアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品内へ挿入されるように構成されない実施形態に特に適しうる。例えば、くぼみの内部表面上に相互に対向する第一および第二の電極を提供することは特に、少なくとも1つのヒーターがエアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にエアロゾル発生物品の外側表面に隣接して位置する実施形態に適しうる。したがって、少なくとも1つのヒーターは、くぼみの内部表面に提供され、その結果、使用時に少なくとも1つのヒーターがくぼみ内に受けられたエアロゾル発生物品の外側表面を加熱しうる。
【0018】
上述した任意の実施形態において、少なくとも1つのヒーターは、電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロミウム−、アルミニウム−チタン−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄−マンガン−アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。適切な化合物ヒーター要素の例は、第US−A−5,498,855号、第WO−A−03/095688号および第US−A−5,514,630号に開示されている。
【0019】
本発明はまた、エアロゾル発生物品を有するエアロゾル発生装置の組み合わせにも及ぶ。したがって、本発明の第二の態様によれば、上述の任意の実施形態に従って、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置と、を含むエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体を含み、エアロゾル発生基体は、20℃の温度で非液状である。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生基体の少なくとも一部分が電気的な負荷の少なくとも一部を形成し、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に第一の電極と第二の電極との間に受けられるように配置される。
【0020】
エアロゾル発生基体はたばこを含むことが好ましい。
【0021】
エアロゾル発生基体は誘電体材料であってもよい。そのような実施形態では、コントローラによって測定された電気的な負荷は、容量負荷であることが好ましい。
【0022】
エアロゾル発生基体は導電性であってもよい。そのような実施形態では、コントローラによって測定された電気的な負荷は、抵抗負荷であることが好ましい。
【0023】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体に巻かれたラッパーを含み、ラッパーの少なくとも一部分は、電気的な負荷の一部を形成する。そのような実施形態では、ラッパーは、多孔性基体材料および多孔性基体材料に吸収された液体を含みうる。多孔性基体材料に吸収された液体を含むラッパーを提供することは、エアロゾル発生物品の加熱の間に変化する第一の電極と第二の電極との間の少なくとも部分的な電気的な負荷を提供しうる。すなわち、多孔性基体に吸収された少なくともある量の液体は、エアロゾル発生物品の加熱の間蒸発しうる。
【0024】
ラッパーは、紙シートおよび紙シートに吸収された少なくとも1つの液体を含むことが好ましい。紙シートの固体の構成要素は、多孔性基体材料を形成する。多孔性基体材料に吸収された液体は、紙が湿式塗布プロセスなどの従来の製紙プロセスを用いて形成された後に紙の残留含水量を含んでいてもよい。追加的に、または別の方法として、液体は、紙が形成された後に紙に添加されてもよい。液体は水を含んでもよい。
【0025】
上述の任意の実施形態では、エアロゾル発生基体は固体のエアロゾル発生基体であることが好ましい。エアロゾル発生基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含むことが好ましい。エアロゾル発生基体は非たばこ材料を含みうる。エアロゾル発生基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を備えうる。
【0026】
固体のエアロゾル発生基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち1つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。
【0027】
随意に、固体のエアロゾル発生基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含んでもよく、それは固体のエアロゾル発生基体の加熱に応じて放出される。また、固体のエアロゾル発生基体は、例えば、さらなるたばこ揮発性風味化合物または非たばこ揮発性風味化合物を含む1つ以上のカプセルを含んでもよく、このようなカプセルは、固体のエアロゾル発生基体の加熱の間に溶解してもよい。
【0028】
随意に、固体のエアロゾル発生基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートの形態をとってもよい。固体のエアロゾル発生基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体のエアロゾル発生基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用中、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0029】
用語「均質化したたばこ材料」は本明細書で使用される時、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を意味する。
【0030】
本明細書に使用される「シート」という用語は、実質的にその厚さより大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0031】
本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長手方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。
【0032】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含む。
【0033】
本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。エアロゾル発生基体は、複数の間隔をおいたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0034】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0035】
均質化したたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化したたばこ材料シートの集結を都合よく容易にしてエアロゾル発生基体を形成してもよい。
【0036】
本明細書に使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有するシートを意味する。実質的に平行した隆起または波型形状は、エアロゾル発生物品の長手方向軸に沿って、またはそれに平行に延びることが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を都合良く容易にしてエアロゾル発生物品を形成する。しかし、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生物品の長手方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有してもよいことが認識される。
【0037】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用において、エアロゾルの形成を容易にし、実質的にエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。
【0038】
適切なエアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ−、ジ−またはトリアセテートなど)、およびモノ−、ジ−またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0039】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(例えばプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリン)である。
【0040】
エアロゾル発生基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体は、2つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0041】
エアロゾル発生基体は、乾燥質量ベースにおいて5パーセントを超えるエアロゾル形成体の含有量を有しうる。
【0042】
エアロゾル発生基体は、乾燥質量ベースにおいておよそ5パーセント〜およそ30パーセントの間のエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
【0043】
エアロゾル発生基体は、乾燥質量ベースで20パーセントを超えるエアロゾル形成体の含有量を有しうる。
【0044】
実施形態の代替のセットでは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体が受けられる区画を画定するカプセルを含んでもよい。そのような実施形態では、特にカプセルがプラスチックなどの電気的な断熱材料から形成される実施形態では、好ましくは、コントローラは、第一の電極と第二の電極との間の容量負荷を測定するように構成されてもよい。
【0045】
カプセルは、基部、基部から延びる実質的な円筒形の壁、および基部に対向する開端部を含みうる。エアロゾル発生物品はさらに、カプセルに接続され、かつ開端部にわたって延び区画内のエアロゾル発生基体をシールするシールを含む。そのような実施形態では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時にシールを貫通するように配置された貫通要素を含むことが好ましい。少なくとも1つのヒーターが細長いヒーターを含むそれらの実施形態では、細長いヒーターは、貫通要素を形成しうる。別の方法として、貫通要素は、少なくとも1つのヒーターとは別に提供されてもよい。
【0046】
エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生基体が受けられる区画を画定するカプセルを備えるそれらの実施形態では、エアロゾル発生基体は、たばこを含むことが好ましく、パイプたばこ、カットフィラー、再構成たばこ、均質化したたばこ、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことがより好ましい。
【0047】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル形成体を含みうる。エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料と、エアロゾル形成体と、水とを含むことが好ましい。均質化したたばこ材料を提供することで、エアロゾル発生物品の加熱の間に発生したエアロゾルのエアロゾル発生、ニコチン含有量および風味プロフィールが改善されうる。特に、均質化したたばこを作るプロセスは、たばこ葉を粉砕するプロセスが関与しており、これにより、加熱によってより効果的なニコチンおよび風味の放出が可能になる。
【0048】
均質化したたばこ材料は、折り畳まれた、捲縮された、または細片に切断されたのうちの1つのシートで提供されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、シートは、約0.2ミリメートル〜約2ミリメートル、より好ましくは約0.4ミリメートル〜約1.2ミリメートルの幅を持つ細片に切断される。一つの実施形態では、細片の幅は約0.9ミリメートルである。
【0049】
別の方法として、均質化したたばこ材料は、球形化を使用して球形に形成してもよい。球形の平均直径は、約0.5ミリメートル〜約4ミリメートルであることが好ましく、約0.8ミリメートル〜約3ミリメートルであることがより好ましい。
【0050】
エアロゾル発生基体は、約55〜約75重量パーセントの均質化したたばこ材料と、約15〜約25重量パーセントのエアロゾル形成体と、約10〜約20重量パーセントの水とを含むことが好ましい。
【0051】
エアロゾル発生基体の試料を測定する前に、相対湿度50パーセント、22℃で、48時間にわたり平衡化させた。均質化したたばこ材料の含水量を決定するためにKarl Fischer技法が使用された。
【0052】
エアロゾル発生基体はさらに、約0.1〜約10重量パーセントの風味剤を含みうる。風味剤は、メントールなど、当技術で周知の適切な任意の風味剤としうる。
【0053】
カプセルを含むエアロゾル発生物品における使用のための均質化したたばこ材料のシートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。
【0054】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を補助するために、たばこ内因性結合剤である1つ以上の内因性結合剤、たばこ外来性結合剤である1つ以上の外因性結合剤、それはまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または加えて、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
【0055】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシートに含める適切な外因性結合剤は、当業界で周知であり、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天および30ペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0056】
均質化したたばこ材料シートを製造するための多数の再構成プロセスが当業界で周知である。これらには、例えばUS−A−3,860,012号に記載されているタイプの製紙プロセス、例えばUS−A−5,724,998号に記載されているタイプのキャスティングまたは「キャストリーフ」プロセス、例えばUS−A−3,894,544号に記載されているタイプの軟塊再構成プロセス、および例えばGB−A−983,928号に記載されているタイプの押出プロセスが含まれるが、これらに限定されない。一般に、押出プロセスおよび軟塊再構成プロセスにより製造された均質化したたばこ材料シートの密度は、キャスティングプロセスにより製造した均質化したたばこ材料シートの密度よりも大きい。
【0057】
カプセルを含むエアロゾル発生物品において使用するための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこおよび1つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングし、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料のシートを形成し、均質化したたばこ材料のシートを支持表面から除去することを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスにより形成されることが好ましい。
【0058】
均質化したたばこシート材料は、異なるタイプのたばこを使用して生成されうる。例えば、たばこシート材料は、数多くの異なる種類のたばこ、またはたばこ植物の異なる部位(葉や茎など)からのたばこを使用して形成されうる。処理後に、シートは一貫した属性と均質化した風味を持つ。単一シートの均質化したたばこ材料は、特定の風味を持つように生成されうる。異なる風味を持つ製品を生成するには、異なるたばこシート材料が生成される必要がある。多数の異なるきざみたばこを従来的な紙巻たばこに混合することによって生成される一部の風味は、単一の均質化したたばこシートで複製するのが困難な場合がある。例えば、バージニア種たばこおよびバーレー種たばこは、個別の風味を最適化するために異なる方法で処理される必要がありうる。特定ブレンドのバージニア種およびバーレー種のたばこを単一シートの均質化したたばこ材料内に複製することは可能でないかもしれない。そのため、エアロゾル発生基体は第一の均質化したたばこ材料および第二の均質化したたばこ材料を備えうる。2つの異なるシートのたばこ材料を単一のエアロゾル発生基体に組み合わせることにより、単一シートの均質化したたばこでは生成できない新しいブレンドを創出しうる。
【0059】
エアロゾル形成体は、少なくとも一つの多価アルコールを含むことが好ましい。好ましい一つの実施形態では、エアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、およびグリセリンのうち少なくとも一つを含む。
【0060】
本発明の第三の態様によれば、上述の任意の実施形態に従って、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置と、を含むエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体を含み、エアロゾル発生基体は、少なくとも1つの液体および少なくとも1つの固体を含む。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生基体の少なくとも一部分が電気的な負荷の少なくとも一部を形成し、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受けられた時に第一の電極と第二の電極との間に受けられるように配置される。エアロゾル発生物品は、本発明の第二の態様を参照して本明細書に説明するいずれかの選択的なまたは好ましい特徴を含みうる。
ここで、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは例証としてのみである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、ハウジング12を含むエアロゾル発生装置10を示し、ハウジング12は、エアロゾル発生物品を受けるためのくぼみ14を画定する。装置10は、基部部分18と、エアロゾル発生物品がくぼみ14内に挿入された時にエアロゾル発生物品を貫通するヒーターブレード20とを備えたヒーター16を含む。ヒーターブレード20は、くぼみ14内に挿入されたエアロゾル発生物品の上流端を抵抗加熱するための抵抗加熱コイル22を含む。コントローラ24は、電池26からヒーターブレード20の抵抗加熱コイル22への電流の供給を含めた、装置10の動作を制御する。
【0063】
抵抗加熱コイル22はまた、第一の電極28を形成し、第二の電極30は、くぼみ14の表面に提供される。
【0064】
図2は、
図1のエアロゾル発生装置10で使用するためのエアロゾル発生物品40を示す。エアロゾル発生物品40は、エアロゾル発生基体42と、中空のアセテートチューブ44と、高分子フィルター46と、マウスピース48と、外側ラッパー50とを備える。エアロゾル発生基体42はたばこのプラグを含み、マウスピース48はセルロースアセテートファイバーのプラグを含む。
【0065】
図3は、エアロゾル発生装置10のくぼみ14内に挿入されたエアロゾル発生物品40を示す。物品40のくぼみ14内への挿入後に、ヒーターブレード20は、エアロゾル発生基体42の一部分が第一の電極28と第二の電極30との間に位置するようにエアロゾル発生基体42を貫通する。
【0066】
使用時に、コントローラ24は、電池26から抵抗加熱コイル22へ電流を供給して、エアロゾル発生基体42を加熱する。加熱サイクルの間、エアロゾル発生基体42内の少なくともいくらかの1つ以上の揮発性化合物は、蒸発し、コントローラ24によって測定された第一の電極28と第二の電極30との間の電気的な負荷の変化をもたらす。測定された電気的な負荷がエアロゾル発生基体42からの揮発性化合物の有意な涸渇を示す所定のレベルに到達した時、コントローラ24は、電池26から抵抗加熱コイル22への電流の供給を終え、エアロゾル発生基体42のさらなる加熱を防ぐ。
【0067】
図4は、エアロゾル発生装置100およびデバイス100内に受けられたエアロゾル発生物品200を含む、本発明による代替のエアロゾル発生システムを示す。
【0068】
エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生物品200を受けるためのくぼみ104を画定するハウジング102を備える。取り外し可能な端部キャップ106は、取り外されてエアロゾル発生物品200のくぼみ104内への挿入を可能にし、取り外し可能な端部キャップ106は、使用時に空気をくぼみ104内に入れるための空気吸込み口108を含む。装置100は、その中にエアロゾル発生物品200が受けられる環状のヒーター110を含む。コントローラ112は、電池114から環状のヒーター110への電流の供給を含めた、装置100の動作を制御する。装置100の下流端にあるマウスピース116は、空気出口118を含み、使用時に消費者が空気をエアロゾル発生物品200および装置100を通じて引き出すことを可能にする。
【0069】
エアロゾル発生装置100はさらに、くぼみ104の上流端に提供された第一の電極120および第二の電極122を含み、第一および第二の電極120、122は、くぼみ104の内部表面の反対側に相互に対向して提供される。外側ラッパー204に巻かれたエアロゾル発生基体202を含むエアロゾル発生物品200は、エアロゾル発生基体202の上流端が第一の電極120と第二の電極122との間に位置されるようにくぼみ104内に挿入される。エアロゾル発生物品200はまた、環状のヒーター110内に受けられる。
【0070】
使用時に、コントローラ112は、電池114から環状のヒーター110へ電流を供給して、エアロゾル発生基体202を加熱する。加熱サイクルの間、少なくともいくらかのエアロゾル発生基体202内の1つ以上の揮発性化合物は、蒸発し、コントローラ112によって測定された第一の電極120と第二の電極122との間の電気的な負荷の変化をもたらす。測定された電気的な負荷がエアロゾル発生基体202からの揮発性化合物の有意な涸渇を示す所定のレベルに到達した時、コントローラ112は、電池114から環状のヒーター110への電流の供給を終え、エアロゾル発生基体202のさらなる加熱を防ぐ。
【0071】
図5は、エアロゾル発生装置300およびデバイス300内に受けられたエアロゾル発生物品400を含む、本発明による代替のエアロゾル発生システムを示す。
【0072】
エアロゾル発生装置300は、エアロゾル発生物品400を受けるためのくぼみ304を画定するハウジング302を備える。取り外し可能なマウスピース306は、取り外されて、エアロゾル発生物品400のくぼみ304内への挿入を可能にし、取り外し可能なマウスピース306は、取り外し可能なマウスピース306がハウジング302に再び取り付けられた時にエアロゾル発生物品400のシール402を破壊するための貫通要素308を含む。取り外し可能なマウスピース306はさらに、空気をくぼみ304内に通すための空気吸込み口310を含み、空気出口312は、貫通要素308を通じて延び、使用時に消費者が空気をくぼみ304の中から外へ引き出すことを可能にする。
【0073】
装置300は、環状のヒーター314を含み、その中にエアロゾル発生物品400が受けられる。コントローラ316は、電池318から環状のヒーター314への電流の供給を含めた、装置300の動作を制御する。
【0074】
エアロゾル発生装置300はさらに、くぼみ304の上流端に提供された第一の電極320および第二の電極322を含み、第一および第二の電極320、322は、くぼみ304の内部表面の反対側に相互に対向して提供される。
【0075】
エアロゾル発生物品400は、シール402によって開端部がシールされたカプセル404を含み、シール402は、取り外し可能なマウスピース306がハウジング302に取り付けられた時に貫通要素308によって貫通される。容器に入っていないたばこを含むエアロゾル発生基体406は、カプセル404内に含まれる。使用時に、エアロゾル発生物品400は、エアロゾル発生基体406の上流端が第一の電極320と第二の電極322との間に位置されるようにくぼみ104内に挿入される。エアロゾル発生物品200はまた、環状のヒーター314内に受けられる。
【0076】
使用時に、コントローラ316は、電池318から環状のヒーター314へ電流を供給して、エアロゾル発生基体406を加熱する。加熱サイクルの間、少なくともいくらかのエアロゾル発生基体406内の1つ以上の揮発性化合物は、蒸発し、コントローラ316によって測定された第一の電極320と第二の電極322との間の電気的な負荷の変化をもたらす。測定された電気的な負荷がエアロゾル発生基体406からの揮発性化合物の有意な涸渇を示す所定のレベルに到達した時、コントローラ316は、電池318から環状のヒーター314への電流の供給を終え、エアロゾル発生基体406のさらなる加熱を防ぐ。