【実施例】
【0191】
例証
以下の実施例に図示されている通り、ある例示的な実施形態では、化合物は、以下の一般手順に従って調製する。一般方法は、本発明のある化合物の合成を図示しているが、以下の一般的な方法および当業者に公知の他の方法は、本明細書に記載されているすべての化合物、ならびにこれらの化合物のそれぞれの部分クラスおよび種に適用することができることが認識される。
【0192】
実験項目に使用されている略語の一覧表示。
4A MS:4Åモレキュラーシーブ
AcOH:酢酸
ACN:アセトニトリル
Anhyd:無水
Aq:水性、水溶液
Bn:ベンジル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
CbzCl:クロロギ酸ベンジル
Cbz−OSU:N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
Cu(OAc)
2:酢酸銅(II)
d:日数、日間
DAST:三フッ化ジエチルアミノ硫黄
DBU:1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCE:1,2−ジクロロエタン
DCM:ジクロロメタン
DEA:ジエチルアミン
DIBAL−H:水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO−ジメチルスルホキシド
DPPA:ジフェニルホスホリルアジド
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
ee:鏡像異性体過剰率
ESI:エレクトロスプレーイオン化
Et
3N:トリエチルアミン
Et
2O:ジエチルエーテル
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
Fmoc:フルオレニルメチルオキシカルボニル
Fmoc−OSu:N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
h:時間
HATU:1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート
HCOONH
4:ギ酸アンモニウム
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
IBX:2−ヨードオキシ安息香酸
IPA:イソプロピルアルコール
KOAc:酢酸カリウム
M:モル濃度
Me:メチル
MeOH:メタノール
mins:分
mL:ミリリットル
mM:ミリモル濃度
mmol:ミリモル
MTBE:メチルtert−ブチルエーテル
NaBH
3CN:シアノ水素化ホウ素ナトリウム
Na
2CO
3:炭酸ナトリウム
NaHCO
3:炭酸水素ナトリウム
NMP:N−メチルピロリジン
NMR:核磁気共鳴
oC:摂氏度
PBS:リン酸緩衝食塩水
Pd/C:パラジウム炭素
Pd(OH)
2/C:パールマン触媒
PE:石油エーテル
PhNH
2:アニリン
PPh
3:トリフェニルホスフィン
Rel:相対
rt:室温
sat:飽和
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
SOCl
2:塩化チオニル
TBAB:臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム
tBuOK:カリウムtert−ブトキシド
TEA:トリエチルアミン
Tf:トリフルオロメタンスルホネート
TfAA:トリフルオロメタンスルホン酸無水物
TFA:トリフルオロ酢酸(trifluoracetic acid)
TIPS:トリイソプロピルシリル
THF:テトラヒドロフラン
TMSCN:シアン化トリメチルシリル
pTSA:パラ−トルエンスルホン酸
TsOH:p−トルエンスルホン酸
【0193】
提供される化合物の代表的な非限定例の調製が、以下に記載されている。
【0194】
(実施例1)(S)−2−(ジメチルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−1]。
【化11】
合成スキーム:
【化12】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−2−(ジメチルアミノ)−4−メチルペンタン酸:
【0195】
(S)−2−アミノ−4−メチルペンタン酸(2.0g、15.24mmol)の溶液にホルムアルデヒド(38%、24.0g)およびPd/C(10%、500mg)を加え、得られた溶液をろ過した(60mL)。この混合物を室温で2日間、水素化し、ろ過して、触媒を除去した。このろ液を濃縮乾固して、この残留物にEtOH(30mL)を加えた。この混合物を1時間、撹拌してろ過した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−(ジメチルアミノ)−4−メチルペンタン酸(1.3g、8.16mmol、53%)が白色粉末として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):160.2[M+H]
+。
1H-NMR (400 MHz, MeOD-d
4): δ 3.47 (dd, J = 4.4 Hz, 10.0 Hz, 1H), 2.85 (S, 6H), 1.89-1.74 (m, 2H), 1.62-1.55 (m, 1H), 1.00 (dd, J = 2.8 Hz, 6.8 Hz, 6H).
【0196】
(実施例2および3)(S)−2−アミノ−7,7,7−トリフルオロヘプタン酸塩酸塩[I−2]および(R)−2−アミノ−7,7,7−トリフルオロヘプタン酸塩酸塩[I−3]。
【化13】
合成スキーム:
【化14】
手順および特性決定:
ステップ1:1,1,1−トリフルオロ−5−ヨードペンタン:
【0197】
5,5,5−トリフルオロペンタン−1−オール(2.0g、14.0mmol)、イミダゾール(1.48g、21.7mmol)およびPPh
3(5.5g、21.0mmol)のDCM(40mL)中溶液に、氷浴を用いてI
2(4.45g、17.5mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。上の混合物にEt
2O(50mL)を加え、次に、10分間、撹拌した。この混合物をろ過し、大気圧下で、ろ液を65℃で蒸発させて溶媒を除去し、残留物をEt
2O(30mL)により希釈し、この混合物をろ過してろ液を次のステップに使用した。
ステップ2:(S)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエートおよび(R)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート:
【0198】
トルエン(35mL)およびDCM(15mL)中のtert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(2.0g、6.78mmol)およびTBAB(109mg、0.339mmol)の溶液に、−10℃でKOH(50%、20mL)を加え、5分後に、上の1,1,1−トリフルオロ−5−ヨードペンタンのEt
2O(30mL)中溶液を5分間かけて滴下して加え、得られた混合物を−10℃〜0℃で1時間、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、EA(100mL)により抽出した。有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/10)、次に、キラル分取HPLC[カラム、R,R−whelk−ol 4.6
*250mm 5um;溶媒、MeOH(0.2%のメタノールアンモニア)]により精製すると、(S)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート(200mg、0.48mmol、7.1%)および(R)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート(200mg、0.48mmol、7.1%)が得られた。
【0199】
(S)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート(200mg、0.48mmol、7.1%)。ESI−MS(EI+,m/z):243.1[M+H]+.
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): δ 8.64 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.43-7.46 (m, 3H), 7.38-7.39 (m, 1H), 7.31-7.34 (m, 2H), 7.15-7.17 (m, 2H), 3.91 (dd, J = 5.5 Hz, 7.5 Hz, 1H), 2.00-2.05 (m, 2H), 1.88-1.92 (m, 2H), 1.31-1.52 (m, 13H).
【0200】
(R)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート(200mg、0.48mmol、7.1%)。ESI−MS(EI+,m/z):243.1[M+H]+。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): δ 8.64 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.43-7.46 (m, 3H), 7.38-7.39 (m, 1H), 7.31-7.34 (m, 2H), 7.15-7.17 (m, 2H), 3.92 (dd, J = 5.5 Hz, 7.5 Hz, 1H), 2.00-2.05 (m, 2H), 1.88-1.92 (m, 2H), 1.31-1.52 (m, 13H).
【0201】
ステップ3:(S)−2−アミノ−7,7,7−トリフルオロヘプタン酸塩酸塩[I−2]:
【0202】
6M HCl(10mL)およびジオキサン(5mL)中の(S)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート(200mg、0.48mmol)の溶液を17時間、100℃に加熱した。溶液をEt
2O(10mL×2)により抽出し、水相を濃縮乾固すると、(S)−2−アミノ−7,7,7−トリフルオロヘプタン酸塩酸塩(I−2)が白色固体(82.7mg、0.35mmol、74%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):200.1[M+H]+。1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 3.93 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.10-2.15 (m, 2H), 1.83-1.90 (m, 2H), 1.40-1.56 (m, 4H).
【0203】
ステップ4:(R)−2−アミノ−7,7,7−トリフルオロヘプタン酸塩酸塩[I−3]:
【0204】
6M HCl(10mL)およびジオキサン(5mL)中の(R)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−7,7,7−トリフルオロヘプタノエート(200mg、0.48mmol)の溶液を17時間、100℃に加熱した。溶液をEt
2O(10mL×2)により抽出し、水相を濃縮乾固すると、(R)−2−アミノ−7,7,7−トリフルオロヘプタン酸塩酸塩(I−3)が白色固体(91.6mg、0.39mmol、82%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):200.1[M+H]+。1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 3.92 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.09 - 2.14 (m, 2H), 1.82 - 1.89 (m, 2H), 1.39 - 1.55 (m, 4H).
【0205】
(実施例4および5)(S)−2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸[I−4]および(R)−2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸[I−5]。
【化15】
合成スキーム:
【化16】
手順および特性決定:
【0206】
ステップ1:(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸
【0207】
2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸(1.0g、6.36mmol)およびNaHCO
3(589mg、7.01mmol)のアセトン(60mL)中溶液に、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(1.75g、7.01mmol)をゆっくりと加え、得られた溶液(60mL)を0℃でろ過した。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物をCH
2Cl
2(2×100mL)により抽出し、水層をHCl(3M)により酸性にして約pH4にし、次に、EtOAc(3×150mL)により抽出した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた粗生成物をキラル分取HPLC(カラム、AY−H 4.6
*250mm 5um;溶媒、EtOH)により精製すると、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸(700mg、2.40mmol、37.8%)および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸(700mg、2.40mmol、37.8%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):314.0[M+Na]+。
【0208】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 13.20 (s, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.40-7.30 (m, 5H), 5.06 (s, 2H), 4.31-4.27 (m, 1H), 2.85-2.58 (m, 2H).
【0209】
(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 13.21 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.38-7.30 (m, 5H), 5.06 (s, 2H), 4.31-4.27 (m, 1H), 2.83-2.59 (m, 2H).
【0210】
ステップ2:(S)−2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸[I−4]。
【0211】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸(700mg、2.40mmol)およびPd/C(10%)(200mg)のMeOH(50mL)中混合物を水素雰囲気下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸(I−4)(250mg、1.59mmol、66.3%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):158.1[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6 + 1滴のTFA + 1滴のD2O): δ 4.32 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.03-2.82 (m, 2H).
【0212】
ステップ3:(R)−2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸[I−5]。
【0213】
(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸(700mg、2.40mmol)およびPd/C(10%)(200mg)のMeOH(50mL)中混合物を水素雰囲気下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(R)−2−アミノ−4,4,4−トリフルオロブタン酸(I−5)(250mg、1.59mmol、66.3%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):158.1[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6 + 1滴のTFA + 1滴のD
2O): δ 4.31 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.03-2.83 (m, 2H).
【0214】
(実施例6および7)(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸[I−6]および(R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸[I−7]。
【化17】
合成スキーム:
【化18】
手順および特性決定:
【0215】
ステップ1:4,4,4−トリフルオロブタナール:
【0216】
4,4,4−トリフルオロブタン−1−オール(4.0g、31.3mmol)のDMSO(80mL)中溶液に、氷浴下、IBX(13.0g、46.9mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、Et2O(100mL×2)により抽出し、有機相を水(100mL×3)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na2SO4)し、この溶液を次のステップに使用した。
【0217】
ステップ2:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタンニトリル:
【0218】
上の4,4,4−トリフルオロブタナールのEt2O(200mL)中溶液に、氷浴を用いてベンジルアミン(4mL)、AcOH(3.0mL)、次にTMSCN(3.5mL)を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈してEtOAc(100mL)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na2SO4)し、ろ過して真空で濃縮すると2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタンニトリル(6.7g、粗製)が褐色固体として得られ、これを次のステップに使用した。ESI−MS(EI+、m/z):243.1[M+H]+。
【0219】
ステップ3:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸:
【0220】
濃HCl(80mL)およびAcOH(30mL)中の2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタンニトリル(6.7g、粗製)の溶液を17時間、95℃に加熱した。この溶液を濃縮乾固し、ACN(50mL)により希釈し、得られた溶液をろ過し(100mL)、pHを飽和NaHCO
3溶液により3〜4に調整して、この混合物をろ過して乾燥すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(3.5g、13.4mmol、3ステップで43%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):262.1[M+H]
+。
【0221】
ステップ4:2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸:
【0222】
2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(3.3g、12.6mmol)およびPd(OH)2/C(20%、400mg)のAcOH(60mL)中混合物を、30℃で17時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮乾固すると2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(3.0g、粗製)が褐色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):172.2[M+H]+。\
【0223】
ステップ5:(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸:
【0224】
飽和NaHCO3(100mL)溶液およびアセトン(100mL)中の2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(3.0g、粗製)の溶液に、氷浴を用いてCbz−OSu(3.45g、13.9mmol)を加え、2時間後、この混合物を6M HClによりpH3に調整してEtOAc(50mL×2)により抽出し、有機相を水(50mL)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、真空で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/2)、次に、キラル分取HPLC[カラム、AY−H 4.6
*250mm 5um;溶媒、MeOH(0.5% NH
4OH)]によって精製すると、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(1.50g、4.92mmol、28%、2ステップ)および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(1.50g、4.92mmol、2ステップ通算で28%\)が白色固体として得られた。
【0225】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(1.50g、4.92mmol、2ステップで28%)。ESI−MS(EI+、m/z):328.0[M+Na]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.86 (s, 1H), 7.71 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.31-7.39 (m, 5H), 5.05 (s, 2H), 4.05-4.10 (m, 1H), 2.34-2.41 (m, 1H), 2.21-2.29 (m, 1H), 1.84-1.97 (m, 2H).
【0226】
(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(1.50g、4.92mmol、28%、2ステップ)ESI−MS(EI+、m/z):328.0[M+Na]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.85 (s, 1H), 7.71 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.30-7.39 (m, 5H), 5.05 (s, 2H), 4.05-4.10 (m, 1H), 2.34-2.41 (m, 1H), 2.21-2.29 (m, 1H), 1.84-1.97 (m, 2H).
【0227】
ステップ6:(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸[I−6]:
【0228】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(500mg、1.64mmol)およびPd/C(10%)(50mg)のMeOH(20mL)中混合物を水素下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(I−6)(200mg、1.17mmol、71%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):172.1[M+H]
+。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.38 (s, 3H), 4.05 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 2.34-2.55 (m, 2H), 1.95-20.9 (m, 2H).
【0229】
ステップ7:(R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸[I−7]:
【0230】
(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(500mg、1.64mmol)およびPd/C(10%)(50mg)のMeOH(20mL)中混合物を水素下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロペンタン酸(I−7)(160mg、0.94mmol、57%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):172.1[M+H]+。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.38 (s, 3H), 4.05 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 2.34-2.55 (m, 2H), 1.95-20.9 (m, 2H).
【0231】
(実施例8および9)(S)−2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸[I−8]および(R)−2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸[I−9]。
【化19】
合成スキーム:
【化20】
手順および特性決定:
【0232】
ステップ1:(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸
【0233】
2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(556mg、2.5mmol)および1M NaOH(25mL、25mmol)のTHF(25mL)中溶液に、0℃でクロロギ酸ベンジル(554mg、3.25mmol)をゆっくりと加え、この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物をDCM(2×100mL)により抽出し、水層をHCl(3M)により酸性にして約pH4にし、次に、EtOAc(3×50mL)により抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた粗生成物をキラル分取HPLC(カラム:AY−H(250
*4.6mm 5um);移動相:n−ヘキサン(0.1%DEA):EtOH(0.1%DEA)=90:10)により精製すると、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(232mg、0.73mmol、29%)および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(250mg、0.78mmol、31.3%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):342.0[M+Na]+。
【0234】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸、1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.68 (s, 1H), 7.66 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.38-7.32 (m, 5H), 5.04 (s, 2H), 4.00-3.96 (m, 1H), 2.28-2.19 (m, 2H), 1.80-1.51 (m, 4H).
【0235】
(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸、1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.68 (s, 1H), 7.67 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.38-7.30 (m, 5H), 5.04 (s, 2H), 4.00-3.96 (m, 1H), 2.33-2.15 (m, 2H), 1.82-1.51 (m, 4H).
【0236】
ステップ2:(S)−2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸[I−8]。
【0237】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(200mg、0.63mmol)およびPd/C(10%)(50mg)のMeOH(20mL)中混合物を水素雰囲気下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(I−8)(56.2mg、0.30mmol、48.2%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.1[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6 + 1滴のTFA + 1滴のD
2O): δ 3.99 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 2.32-2.30 (m, 2H), 1.91-1.83 (m, 2H), 1.70-1.57 (m, 2H).
【0238】
ステップ3:(R)−2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸[I−9]。
【0239】
(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(250mg、0.78mmol)およびPd/C(10%)(50mg)のMeOH(20mL)中混合物を水素雰囲気下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(R)−2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン酸(I−9)(48.8mg、0.26mmol、33.8%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.1[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6 + 1滴のTFA + 1滴のD
2O): δ 3.98 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.33-2.28 (m, 2H), 1.93-1.81 (m, 2H), 1.71-1.54 (m, 2H).
【0240】
(実施例11)(S)−2−(ベンジルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−11]。
【化21】
合成スキーム:
【化22】
手順および特性決定:
【0241】
ステップ1:(S)−ベンジル2−(ベンジルアミノ)−4−メチルペンタノエート:
【0242】
撹拌したp−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(800mg、2.0mmol)のMeOH(30mL)中溶液に、ベンズアルデヒド(0.26g、2.4mmol)および酢酸カリウム(0.4g、4.1mmol)を加え、この混合物を室温で30分間、撹拌し、次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.2g、3.0mmol)を加え、この混合物を室温でさらに5時間、撹拌した。この混合物を飽和NaHCO3溶液(50mL)によりクエンチし、EtOAc(50mL×2)により抽出し、ブライン(50mL)により洗浄して、得られた溶液をろ過した(50mL)。有機相を濃縮して、分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−(ベンジルアミノ)−4−メチルペンタノエート(200mg、0.64mmol、32%)が無色油状物として得られた。MS(EI+、m/z):312.3[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, , MeOD): δ 7.41~7.49 (m, 10H), 5.34 (dd, J = 12.0 Hz, 45.0 Hz, 2H), 4.23 (q, J = 12.0 Hz, 2H), 4.07~4.09 (m, 3H), 1.68~1.85 (m, 3H), 0.94 (dd, J = 8.5 Hz, 20.5 Hz, 6H).
【0243】
ステップ2:(S)−2−(ベンジルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−11]:
【0244】
撹拌した(S)−ベンジル2−(ベンジルアミノ)−4−メチルペンタノエート(50mg、0.16mmol)のMeOH(5mL)中溶液に1M NaOH(0.5mL)を加えた。この反応物を室温で4時間、撹拌した。得られた溶液を濃縮して、残留物を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−2−(ベンジルアミノ)−4−メチルペンタン酸(I−11)(21mg、0.095mmol、58%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):222.2[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) : δ 9.32 (s, 1H), 7.43~7.50 (m, 5H), 4.17 (dd, J = 13.0 Hz, 44.0 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 1.68~1.76 (m, 3H), 0.85~0.90 (m, 6H).
【0245】
(実施例12)(S)−4−メチル−2−(2−フェニルアセトアミド)ペンタン酸[I−12]:
【化23】
合成スキーム:
【化24】
手順および特性決定:
【0246】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−2−(2−フェニルアセトアミド)ペンタノエート:
【0247】
p−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(500mg、1.27mmol)、2−フェニル酢酸(260mg、1.91mmol)およびHATU(726mg、1.91mmol)のDMF(10mL)中溶液に、DIPEA(410mg、3.18mmol)を加え、この溶液を室温で2時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル4−メチル−2−(2−フェニルアセトアミド)ペンタノエート(300mg、0.88mmol、70%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):340.2[M+H]+。
【0248】
ステップ2:(S)−4−メチル−2−(2−フェニルアセトアミド)ペンタン酸[I−12]:
【0249】
撹拌した(S)−ベンジル4−メチル−2−(2−フェニルアセトアミド)ペンタノエート(250mg、0.74mmol)のEtOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、20mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して濃縮すると、(S)−4−メチル−2−(2−フェニルアセトアミド)ペンタン酸(I−12)(100mg、0.40mmol、54%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):250.2[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 7.24-7.32 (m, 5H), 4.44 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.58 (s, 2H), 1.64-1.68 (m, 3H), 0.96 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
【0250】
(実施例13)(S)−2−(イソプロピルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−13]:
【化25】
合成スキーム:
【化26】
手順および特性決定:
【0251】
ステップ1:(S)−ベンジル2−(イソプロピルアミノ)−4−メチルペンタノエート:
【0252】
撹拌したp−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(1.0g、2.53mmol)のMeOH(30mL)中溶液に、アセトン(177mg、3.05mmol)および酢酸カリウム(0.5g、5.08mmol)を加え、この混合物を室温で30分間、撹拌し、次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.24g、3.81mmol)を加えて、この混合物を室温でさらに3時間、撹拌した。この混合物を飽和NaHCO3溶液(50mL)によりクエンチし、EtOAc(50mL×2)により抽出し、ブライン(50mL)により洗浄して、得られた溶液をろ過した(50mL)。有機相を濃縮して、分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−(イソプロピルアミノ)−4−メチルペンタノエート(200mg、0.76mmol、30%)が無色油状物として得られた。MS(EI+、m/z):264.3[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, , MeOD): δ 7.22~7.29 (m, 5H), 5.07 (dd, J = 11.5 Hz, 17.0 Hz, 2H), 3.33(dd, J = 6.5 Hz, 8.5 Hz, 1H), 2.54~2.59 (m, 1H), 1.30~1.48 (m, 3H), 0.72~0.94 (m, 12H).
【0253】
ステップ2:(S)−2−(イソプロピルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−13]:
【0254】
撹拌した(S)−ベンジル2−(イソプロピルアミノ)−4−メチルペンタノエート(200mg、0.76mmol)のMeOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、50mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、室温で24時間、撹拌した。得られた(result)溶液をろ過して、ろ過物(filtration)を濃縮すると、(S)−2−(イソプロピルアミノ)−4−メチルペンタン酸(I−13)(100mg、0.57mmol、76%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):174.3[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.56 (dd, J = 6.0 Hz, 8.5 Hz, 1H), 3.33~3.40 (m, 1H), 1.75~1.86 (m, 2H), 1.53~1.58 (m, 1H), 1.31~1.36 (m, 6H), 0.96~1.02 (m, 6H). 3.85 (dd, J = 5.5 Hz, 8.5 Hz, 1H), 2.87 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 7.5 Hz, 12.0 Hz, 1H), 1.92~1.99 (m, 1H), 1.65~1.78 (m, 3H), 0.88~0.96 (m, 12H).
【0255】
(実施例14)(S)−2−(イソブチルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−14]:
【化27】
合成スキーム:
【化28】
手順および特性決定:
【0256】
ステップ1:(S)−ベンジル2−(イソブチルアミノ)−4−メチルペンタノエート:
【0257】
撹拌したp−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(1.0g、2.53mmol)のMeOH(30mL)中溶液に、イソブチルアルデヒド(0.22g、3.05mmol)および酢酸カリウム(0.5g、5.08mmol)を加え、この混合物を室温で30分間、撹拌し、次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.24g、3.81mmol)を加えた。この混合物を室温でさらに5時間、撹拌した。この混合物を飽和NaHCO3溶液(50mL)によりクエンチし、EtOAc(50mL×2)により抽出し、ブライン(50mL)により洗浄して、得られた溶液をろ過した(50mL)。有機相を濃縮して、分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−(イソブチルアミノ)−4−メチルペンタノエート(300mg、1.08mmol、50%)が無色油状物として得られた。MS(EI+、m/z):278.2[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) : δ 9.16 (s, 1H), 9.14 (d, J = 17.5 Hz, 2H), 7.42-7.43 (m, 5H), 5.28 (q, J = 12.0 Hz, 2H), 4.08-4.09 (m, 1H), 2.87-2.89 (m, 1H), 2.65-2.66 (m, 1H), 1.91-1.95 (m, 1H), 1.62~1.71 (m, 3H), 0.88~0.94 (m, 12H).
【0258】
ステップ2:(S)−2−(イソブチルアミノ)−4−メチルペンタン酸[I−14]:
【0259】
撹拌した(S)−ベンジル2−(イソブチルアミノ)−4−メチルペンタノエート(300mg、1.08mmol)のMeOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、50mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、室温で24時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して、ろ過物を濃縮すると、(S)−2−(イソブチルアミノ)−4−メチルペンタン酸(I−14)(150mg、0.8mmol、74%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):188.3[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.82 (s, 2H), 3.85 (dd, J = 5.5 Hz, 8.5 Hz, 1H), 2.87 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 7.5 Hz, 12.0 Hz, 1H), 1.92~1.99 (m, 1H), 1.65~1.78 (m, 3H), 0.88~0.96 (m, 12H).
【0260】
(実施例15)(S)−2−ベンズアミド−4−メチルペンタン酸[I−15]:
【化29】
合成スキーム:
【化30】
手順および特性決定:
【0261】
ステップ1:(S)−ベンジル2−ベンズアミド−4−メチルペンタノエート:
【0262】
p−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(500mg、1.27mmol)、安息香酸(223mg、1.91mmol)およびHATU(726mg、1.91mmol)のDMF(10mL)中溶液に、DIPEA(410mg、3.18mmol)を加え、この溶液を室温で2時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−ベンズアミド−4−メチルペンタノエート(300mg、0.92mmol、73%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):326.2[M+H]+。
【0263】
ステップ2:(S)−2−ベンズアミド−4−メチルペンタン酸[I−15]:
【0264】
撹拌した(S)−ベンジル2−ベンズアミド−4−メチルペンタノエート(100mg、0.46mmol)のEtOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、20mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して濃縮すると、(S)−2−ベンズアミド−4−メチルペンタン酸(I−15)(100mg、0.42mmol、65%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):236.2[M+H]+。1H-NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.87 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 7.47-7.57 (m, 3H), 4.69 (dd, J = 4.0 Hz, 11.0 Hz, 1H), 1.75-1.84 (m, 3H), 1.01 (dd, J = 6.5 Hz, 10.5 Hz, 6H).
【0265】
(実施例16)(S)−2−イソブチルアミド−4−メチルペンタン酸[I−16]:
【化31】
合成スキーム:
【化32】
手順および特性決定:
【0266】
ステップ1:(S)−ベンジル2−イソブチルアミド−4−メチルペンタノエート:
【0267】
p−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(500mg、1.27mmol)、イソ酪酸(168mg、1.91mmol)およびHATU(726mg、1.91mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(410mg、3.18mmol)を加え、この溶液を室温で2時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−イソブチルアミド−4−メチルペンタノエート(300mg、1.03mmol、81%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):292.2[M+H]+。
【0268】
ステップ2:(S)−2−イソブチルアミド−4−メチルペンタン酸[I−16]:
【0269】
撹拌した(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンカルボキサミド)−4−メチルペンタノエート(200mg、0.69mmol)のEtOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、20mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して濃縮すると、(S)−2−イソブチルアミド−4−メチルペンタン酸(100mg、0.50mmol、73%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):202.2[M+H]+。1H-NMR (400 MHz, MeOD): δ 4.43 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 2.49-2.56 (m, 1H), 1.60-1.74 (m, 3H), 1.12 (dd, J = 2.4 Hz, 6.8 Hz, 6H), 0.96 (dd, J = 6.4 Hz, 16.0 Hz, 6H).
【0270】
(実施例17)(S)−2−(シクロヘキサンスルホンアミド)−4−メチルペンタン酸[I−17]:
【化33】
合成スキーム:
【化34】
手順および特性決定:
【0271】
ステップ1:(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンスルホンアミド)−4−メチルペンタノエート:
【0272】
氷浴で冷却した、(S)−ベンジル2−アミノ−4−メチルペンタノエート4−メチルベンゼンスルホネート(500mg、1.27mmol)およびEt3N(642.89mg、6.35mmol)のDMF(3mL)中溶液に、塩化シクロヘキサンスルホニル(278.53mg、1.52mmol)を加えた。この混合物を25℃で2時間、撹拌した。この溶液を酢酸エチル(10mL)により希釈してブライン(10mL)により洗浄し、得られた溶液をろ過し(10mL×3)、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンスルホンアミド)−4−メチルペンタノエート(200mg、0.544mmol、98%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):368.3[M+H]+。1H -NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 7.37 - 7.32 (m, 1H), 5.14 (q, J = 12.5 Hz, 2H), 3.91 (td, J = 5.0 Hz, 9.5 Hz, 1H), 2.69-2.74 (m, 1H), 2.05 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 1.97 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 1.74 - 1.67 (m, 2H), 1.57 - 1.51 (m, 2H), 1.50 - 1.44 (m, 1H), 1.36 - 0.99 (m, 5H), 0.87 (dt, J = 10.5 Hz, J = 20.5 Hz, 6H).
【0273】
ステップ2:(S)−2−(シクロヘキサンスルホンアミド)−4−メチルペンタン酸[I−17]:
【0274】
(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンスルホンアミド)−4−メチルペンタノエート(192mg、0.552mmol)のEtOH(3mL)中溶液に、Pd/C(20mg、10%)を加えた。この反応混合物を水素下、50℃で4時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(10mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−(シクロヘキサンスルホンアミド)−4−メチルペンタン酸(I−17)(23.3mg、0.084mmol、100%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):300.2[M+Na]
+。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 12.75 (s, 1H), 7.47 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.76 (td, J = 5.0 Hz, 9.5 Hz, 1H), 2.82 - 2.69 (m, 1H), 2.18 - 1.97 (m, 2H), 1.82 - 1.69 (m, 3H), 1.61 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 1.54 - 1.40 (m, 2H), 1.39 - 1.07 (m, 5H), 0.95 - 0.80 (m, 6H).
【0275】
(実施例18)(S)−4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタン酸[I−18]:
【化35】
合成スキーム:
【化36】
手順および特性決定:
【0276】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタノエート:
【0277】
氷浴で冷却した、(S)−ベンジル2−アミノ−4−メチルペンタノエート4−メチルベンゼンスルホネート(500mg、1.27mmol)およびEt
3N(642.89mg、6.35mmol)のDMF(3mL)中溶液に、塩化フェニルメタンスルホニル(290.71mg、1.52mmol)を加えた。この混合物を25℃で2時間、撹拌した。この溶液を酢酸エチル(10mL)により希釈してブライン(10mL)により洗浄し、得られた溶液をろ過し(10mL×3)、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタノエート(149mg、0.396mmol、90%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):398.0[M+Na]+。1H -NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.52 - 7.18 (m, 9H), 5.15 (s, 2H), 4.28 (dd, J = 13.5 Hz, 44.5 Hz, 2H), 3.87 (dd, J = 8.0 Hz, 15.0 Hz, 1H), 1.57 - 1.15 (m, 4H), 0.82 (dd, J = 4.5 Hz, 6.0 Hz, 6H).
【0278】
ステップ2:(S)−4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタン酸[I−18]:
【0279】
(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタノエート(121mg、0.322mmol)のEtOH(3mL)中溶液に、Pd/C(20mg、10%)を加えた。この反応混合物を水素下、50℃で4時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(10mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタン酸(I−18)(41.2mg、0.144mmol、100%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):308.0[M+Na]+。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.77 (s, 1H), 7.59 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.47 - 7.25 (m, 5H), 4.30 (dd, J = 13.5 Hz, 37.0 Hz, 2H), 3.75 (dd, J = 7.5 Hz, 15.5 Hz, 1H), 1.65 (dt, J = 6.5 Hz, 13.5 Hz, 1H), 1.45 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 0.85 (dd, J = 1.5 Hz, 6.5 Hz, 6H).
【0280】
(実施例19)(S)−4−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタン酸[I−19]:
【化37】
合成スキーム:
【化38】
手順および特性決定:
【0281】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタノエート:
【0282】
氷浴で冷却した、(S)−ベンジル2−アミノ−4−メチルペンタノエート4−メチルベンゼンスルホネート(500mg、1.27mmol)およびEt
3N(642.89mg、6.35mmol)のDMF(3mL)中溶液に、塩化メタンスルホニル(290.71mg、1.52mmol)を加え、この混合物を25℃で2時間、撹拌した。この溶液を酢酸エチル(10mL)により希釈してブライン(10mL)により洗浄し、得られた溶液をろ過し(10mL×3)、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル4−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタノエート(192mg、0.641mmol、98%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):323.0[M+Na]
+。
1H -NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.42 - 7.36 (m, 4H), 7.37 - 7.32 (m, 1H), 5.16 (s, 2H), 3.97 (td, J = 6.0 Hz, 9.0 Hz, 1H), 2.85 (s, 3H), 1.68 (dq, J = 6.5 Hz, 13.0 Hz, 1H), 1.54 - 1.46 (m, 2H), 0.91 - 0.82 (m, 6H).
【0283】
ステップ2:(S)−4−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタン酸[I−19]:
【0284】
(S)−ベンジル4−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタノエート(149mg、0.497mmol)のEtOH(3mL)中溶液に、Pd/C(20mg、10%)を加えた。この反応混合物を水素雰囲気下、50℃で4時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(10mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−4−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタン酸(I−19)(31.4mg、0.150mmol、100%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):232.1[M+Na]
+。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 12.82 (s, 1H), 7.56 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.82 (dd, J = 8.0 Hz, 15.5 Hz, 1H), 2.88 (s, 3H), 1.72 (dt, J = 6.5 Hz, 13.0 Hz, 1H), 1.48 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 0.89 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
【0285】
(実施例20)(S)−2−アミノ−4−メチル−N−フェニルペンタンアミド[I−20]:
【化39】
合成スキーム:
【化40】
手順および特性決定:
【0286】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−1−オキソ−1−(フェニルアミノ)ペンタン−2−イルカルバメート:
【0287】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(1.0g、3.77mmol)のDMF(20mL)中溶液に、室温でアニリン(702mg、7.55mmol)、HATU(1.72g、4.52mmol)およびEt3N(1.14g、11.31mmol)を加えた。2時間後、この溶液をEtOAc(80mL)により希釈し、ブライン(80mL)により洗浄して、得られた溶液をろ過(80mL×3)して乾燥(Na2SO4)し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/3)により精製すると、(S)−ベンジル4−メチル−1−オキソ−1−(フェニルアミノ)ペンタン−2−イルカルバメート(350mg、1.03mmol、27%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):341.1[M+H]+。
【0288】
ステップ2:(S)−2−アミノ−4−メチル−N−フェニルペンタンアミド[I−20]:
【0289】
(S)−ベンジル4−メチル−1−オキソ−1−(フェニルアミノ)ペンタン−2−イルカルバメート(350mg、1.03mmol)およびPd/C(10%、50mg)のMeOH(10mL)中混合物を水素下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(10mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−アミノ−4−メチル−N−フェニルペンタンアミド(I−20)(100mg、0.49mmol、47%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):207.2[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 9.86 (s, 1H), 7.63 (dd, J = 1.0 Hz, 8.5 Hz, 2H), 7.31-7.27 (m, 2H), 7.03 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.31 (dd, J = 5.0 Hz, 8.5 Hz, 1H), 1.80-1.71 (m, 1H), 1.50-1.44 (m, 1H), 1.35-1.29 (m, 1H), 0.90 (dd, J = 6.5 Hz, 14.0 Hz, 6H).
【0290】
(実施例21)(S)−2−アミノ−N,4−ジメチルペンタンアミド[I−21]:
【化41】
合成スキーム:
【化42】
手順および特性決定:
【0291】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−1−(メチルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート:
【0292】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(1.0g、3.77mmol)のDMF(20mL)中溶液に、25℃でMeNH2・HCl(509mg、7.54mmol)、HATU(1.72g、4.52mmol)およびEt3N(1.14g、11.31mmol)を加えた。2時間後、この溶液をEtOAc(80mL)により希釈し、ブライン(80mL)により洗浄して、得られた溶液をろ過し(80mL×3)して乾燥(Na2SO4)し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/3)により精製すると、(S)−ベンジル4−メチル−1−(メチルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(550mg、1.98mmol、52%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):279.2[M+H]+。
【0293】
ステップ2:(S)−2−アミノ−N,4−ジメチルペンタンアミド[I−21]:
【0294】
(S)−ベンジル4−メチル−1−(メチルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(300mg、1.08mmol)およびPd/C(10%)(50mg)のMeOH(10mL)中混合物を水素下、室温で2時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(10mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−2−アミノ−N,4−ジメチルペンタンアミド(I−21)(152mg、1.05mmol、98%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):145.3[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 7.80 (s, 1H), 3.10 (dd, J = 5.0 Hz, 9.0 Hz, 1H), 2.57 (dd, J = 3.0 Hz, 5.0 Hz, 3H), 1.81 (s, 2H), 1.66-1.69 (m, 1H), 1.34-1.39 (m, 1H), 1.16-1.22 (m, 1H), 0.81-0.87 (m, 6H).
【0295】
(実施例22)(S)−4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタン酸[I−22]:
【化43】
合成スキーム:
【化44】
手順および特性決定:
【0296】
ステップ1:(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンカルボキサミド)−4−メチルペンタノエート:
【0297】
p−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(500mg、1.27mmol)、シクロヘキサンカルボン酸(244mg、1.91mmol)およびHATU(726mg、1.91mmol)のDMF(10mL)中溶液に、DIPEA(410mg、3.18mmol)を加え、この溶液を室温で2時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンカルボキサミド)−4−メチルペンタノエート(300mg、0.91mmol、71%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):332.3[M+H]+。
【0298】
ステップ2:(S)−2−(シクロヘキサンカルボキサミド)−4−メチルペンタン酸[I−22]:
【0299】
撹拌した(S)−ベンジル2−(シクロヘキサンカルボキサミド)−4−メチルペンタノエート(200mg、0.60mmol)のEtOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、20mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して濃縮すると、(S)−2−(シクロヘキサンカルボキサミド)−4−メチルペンタン酸(I−22)(100mg、0.41mmol、69%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):242.3[M+H]
+。1H-NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 4.43 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 2.29 (td, J = 8.0 Hz, 11.0 Hz, 1H), 1.74-1.85 (m, 4H), 1.63-1.72 (m, 4H), 1.43-1.49 (m, 2H), 1.26-1.36 (m, 3H), 0.96 (dd, J = 6.0 Hz, 20.5 Hz, 6H).
【0300】
(実施例25)(S)−4−メチル−2−(フェニルスルホンアミド)ペンタン酸[I−25]:
【化45】
合成スキーム:
【化46】
手順および特性決定:
【0301】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルスルホンアミド)ペンタノエート:
【0302】
氷浴で冷却した、(S)−ベンジル2−アミノ−4−メチルペンタノエート4−メチルベンゼンスルホネート(300mg、0.762mmol)およびEt3N(385.73mg、3.81mmol)のDMF(3mL)中溶液に、塩化ベンゼンスルホニル(148.12mg、0.838mmol)を加えた。この混合物を25℃で2時間、撹拌した。この溶液を酢酸エチル(10mL)により希釈してブライン(10mL)により洗浄し、得られた溶液をろ過し(10mL×3)、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物(280mg、純度:85%、収率:74%)を次のステップに直接、使用した。ESI−MS(EI+、m/z):384.1[M+Na]+。
【0303】
ステップ2:(S)−4−メチル−2−(フェニルスルホンアミド)ペンタン酸[I−25]:
【0304】
(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルスルホンアミド)ペンタノエート(200mg、0.553mmol)のEtOH(3mL)中溶液に、Pd/C(20mg、10%)を加えた。この反応混合物を水素雰囲気下、50℃で4時間、撹拌した。この混合物をろ過し、フィルターケーキをMeOH(10mL)により洗浄した。このろ液を濃縮すると、(S)−4−メチル−2−(フェニルスルホンアミド)ペンタン酸(I−25)(63.7mg、0.234mmol、100%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):294.0[M+Na]
+。
1H- NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 12.61 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.79 - 7.73 (m, 2H), 7.62 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.63 (dd, J = 8.5 Hz, 14.5 Hz, 1H), 1.53 (td, J = 6.5 Hz, 13.5Hz, 1H), 1.41 - 1.31 (m, 2H), 0.79 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.66 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
【0305】
(実施例26)(S)−4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタン酸[I−26]:
【化47】
合成スキーム:
【化48】
手順および特性決定:
【0306】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタノエート:
【0307】
p−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(200mg、0.51mmol)、フェニルボロン酸(186mg、1.52mmol)およびCu(OAc)2(462mg、2.54mmol)のDCM(10mL)中混合物に、4A MS(1.0g)およびEt3N(155mg、1.52mmol)を加え、この混合物を室温で18時間、撹拌した。この混合物をクエンチし、得られた溶液をろ過し(50mL)、EtOAc(50mL×2)により抽出してブライン(50mL)により洗浄して、得られた溶液をろ過した(50mL)。有機相を濃縮して、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/20)により精製すると、(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタノエート(100mg、0.34mmol、66%)が無色油状物として得られた。MS(EI+、m/z):298.2[M+H]+。
【0308】
ステップ2:(S)−4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタン酸[I−26]:
【0309】
撹拌した(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタノエート(100mg、0.34mmol)のEtOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、20mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、50℃で2時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して濃縮すると、(S)−4−メチル−2−(フェニルアミノ)ペンタン酸(I−26)(30mg、0.15mmol、43%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):208.1[M+H]+。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.23 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 6.83 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 3.99 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.87 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 1.72~1.86 (m, 2H), 1.62~1.68 (m, 1H), 0.85~1.03 (m, 6H).
【0310】
(実施例36)(S)−2−アセトアミド−4−メチルペンタン酸[I−36]:
【化49】
合成スキーム:
【化50】
手順および特性決定:
【0311】
ステップ1:(S)−ベンジル2−アセトアミド−4−メチルペンタノエート:
【0312】
p−トルエンスルホン酸L−ロイシンベンジルエステル(500mg、1.27mmol)、酢酸(114mg、1.91mmol)およびHATU(726mg、1.91mmol)のDMF(10mL)中溶液に、DIPEA(410mg、3.18mmol)を加え、この溶液を室温で2時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−ベンジル2−アセトアミド−4−メチルペンタノエート(300mg、1.14mmol、89%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):264.2[M+H]+。
【0313】
ステップ2:(S)−2−アセトアミド−4−メチルペンタン酸[I−36]:
【0314】
撹拌した(S)−ベンジル2−アセトアミド−4−メチルペンタノエート(250mg、0.74mmol)のEtOH(10mL)中溶液に、触媒量のPd/C(10%、20mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。得られた溶液をろ過して濃縮すると、(S)−2−アセトアミド−4−メチルペンタン酸(I−36)(100mg、0.57mmol、81%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):174.2[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 4.43 (dd, J = 6.0 Hz, 9.5 Hz, 1H), 2.00 (s, 3H), 1.61-1.73 (m, 3H), 0.97 (dd, J = 6.0 Hz, 17.5 Hz, 6H).
【0315】
(実施例45)(S,E)−2−(4−メトキシ−4−オキソブタ−2−エナミド)−4−メチルペンタン酸[I−45]:
【化51】
合成スキーム:
【化52】
手順および特性決定:
【0316】
ステップ1:(S,E)−2−(4−メトキシ−4−オキソブタ−2−エナミド)−4−メチルペンタン酸[I−45]:
【0317】
(E)−4−メトキシ−4−オキソブタ−2−エン酸(1.0g、7.69mmol)のDCM(30mL)中溶液に、SOCl2(1.83g、15.38mmol)、次にDMF(0.1mL)を加えた。この溶液を4時間、40℃に加熱した。この溶液を濃縮乾固すると、油状物が得られた。この油状物をDCM(10mL)により希釈した。氷浴により冷却した、(S)−2−アミノ−4−メチルペンタン酸(1.0g、7.62mmol)のアセトン(20mL)および飽和Na
2CO
3(20mL)中溶液を滴下して加えた。1時間後、この溶液を6M HCl溶液によりpH2に調整し、EtOAc(40×2)により抽出して、ブライン(80mL)により洗浄し、得られた溶液をろ過(80mL×3)して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/DCM=1/20)により精製すると、(S,E)−2−(4−メトキシ−4−オキソブタ−2−エナミド)−4−メチルペンタン酸(I−45)(1.0g、4.11mmol、53%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):244.2[M+H]
+。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.32 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 6.85-6.89 (m, 2H), 7.30-7.46 (m, 1H), 3.82 (s, 1H), 1.63-1.78 (m, 3H), 0.97 (d, J = 4.8 Hz, 6H).
【0318】
(実施例46および47):(R)−2−アミノ−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸[I−46]および(S)−2−アミノ−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸[I−47]:
【化53】
合成スキーム:
【化54】
手順および特性決定:
【0319】
ステップ1:エチル2,2−ジフルオロ−3−メチルブタノエート:
【0320】
エチル3−メチル−2−オキソブタノエート(10g、0.069mol)およびDAST(16.8g、0.10mol)の混合物を室温で12時間、撹拌した。TLCによって確認した後、この反応混合物を冷飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にゆっくりと滴下して加えた。この混合物をEt2O(300mL×2)により抽出し、有機層をブラインにより洗浄して乾燥し、濃縮すると粗製エチル2,2−ジフルオロ−3−メチルブタノエート(8.3g)が得られ、これを次のステップに直接、使用した。
【0321】
ステップ2:2,2−ジフルオロ−3−メチルブタナール:
【0322】
粗製エチル2,2−ジフルオロ−3−メチルブタノエート(8.3g)のCH2Cl2(200mL)中溶液に、アルゴン下、−78℃でDIBAL−Hのヘキサン溶液(1.0M、69mL、69.0mmol)を滴下して加え、この混合物を−78℃で30分間、撹拌した。TLCによって確認した後に、この反応物を飽和クエン酸によりクエンチし、Et
2Oにより抽出した。抽出物を飽和クエン酸、ブラインにより洗浄してNa
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮すると、油状のアルデヒドである2,2−ジフルオロ−3−メチルブタナール(4.2g)が得られ、これを精製することなく、次のステップに直ちに使用した。
【0323】
ステップ3:2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタンニトリル:
【0324】
粗製2,2−ジフルオロ−3−メチルブタナール(4.2g)のMeOH(50mL)中溶液を0℃に冷却した。約0℃の温度に維持しながら、酢酸(氷酢酸、2.1mL)を加え、次いで、シアン化トリメチルシリル(4.2mL)を15分間かけて、滴下して加えた。この反応混合物を25℃まで温め、一晩、撹拌した。得られた冷溶液をろ過し(200mL)、反応混合物に投入し、この反応混合物をジクロロメタン(2
*200mL)により抽出した。ジクロロメタン層を次いでブライン(2*50mL)により洗浄し、得られた溶液をろ過した(2*100mL)。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、粗製2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタンニトリル(2.8g)が得られ、これを精製することなく、次のステップに直ちに使用した。ESI−MS(EI+、m/z):238.2[M+H]+。
【0325】
ステップ4:2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸:
【0326】
濃塩酸(50mL)およびHOAc(10mL)中の粗製2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタンニトリル(2.8g)の溶液を90℃で24時間、撹拌し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製すると、2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(513mg)が白色固体として得られた。純粋な生成物をキラルHPLCにより精製すると、(R)−2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(80mg)および(S)−2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(63mg)が得られ、これらはどちらも白色固体であった。ESI−MS(EI+、m/z):258.2[M+H]+。
【0327】
ステップ5−A:(R)−2−アミノ−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸[I−46]:
【0328】
(R)−2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(80mg、0.31mmol)のMeOH(20mL)中溶液に、室温でHCOONH4(98mg、1.56mmol)およびPd/C(100mg)を加えた。この混合物を60℃で2時間、撹拌した。反応混合物をろ過して濃縮すると、粗生成物が得られ、これを逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、(R)−2−アミノ−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(I−46)(23mg、44%)が白色固体として得られた。1H-NMR (500 MHz, D2O): δ 4.27 (dd, J = 24.0, 3.5 Hz, 1 H), 2.55-2.42 (m, 1 H), 1.04 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.993 (d, J = 6.5 Hz, 3 H).
【0329】
ステップ5−B:(S)−2−アミノ−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸[I−47]:
【0330】
(S)−2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(63mg、0.24mmol)のMeOH(15mL)中溶液に、室温でHCOONH4(77mg、1.22mmol)およびPd/C(100mg)を加えた。この混合物を60℃で2時間、撹拌した。反応混合物をろ過して濃縮すると、粗生成物が得られ、これを逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、(S)−2−アミノ−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(I−47)(14mg、34%)が白色固体として得られた。1H-NMR (500 MHz, D2O): δ 4.27 (dd, J = 24.0, 3.5 Hz, 1 H), 2.55-2.42 (m, 1 H), 1.04 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.993 (d, J = 6.5 Hz, 3 H).
【0331】
(実施例147)(S)−2−アミノ−4−メチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−147]。
【化55】
合成スキーム:
【化56】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−tert−ブチル4−メチル−1−(メチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート:
【0332】
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(1.0g、4.32mmol)、メタンスルホンアミド(452mg、4.75mmol)およびHATU(1.8g、4.75mmol)のDMF(30mL)中溶液に、TEA(1.3g、12.9mmol)を加え、この溶液を室温で17時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−tert−ブチル4−メチル−1−(メチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(130mg、0.42mmol、8.9%)が白色固体として得られた。MS(EI−、m/z):307.0[M−H]
−。
ステップ2:(S)−2−アミノ−4−メチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−147]:
【0333】
(S)−tert−ブチル4−メチル−1−(メチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(130mg、0.42mmol)のEt
2O(15mL)中溶液に、4M HCl/ジオキサン(5mL)を加え、室温で3時間、撹拌した。この固体をろ過すると、(S)−2−アミノ−4−メチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−147]が白色固体として得られた(32mg、0.13mmol、31%)。ESI−MS(EI+、m/z):209.1[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 3.96 (t, J = 3.0 Hz, 1H), 3.32 (s, 3H), 1.74-1.79 (m, 3H), 1.02-1.05 (m, 6H).
【0334】
(実施例193)(S)−2−アミノ−N,4,4−トリメチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−193]。
【化57】
合成スキーム:
【化58】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−tert−ブチル4,4−ジメチル−1−(N−メチルメチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート:
【0335】
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,4−ジメチルペンタン酸(500mg、1.97mmol)のDCM(60mL)中溶液に、HATU(900mg、2.36mmol)を加え、室温で2時間、撹拌した。次に、この混合物にCs
2CO
3(1.92g、5.91mmol)、N−メチルメタンスルホンアミド(322mg、2.95mmol)を加え、室温で一晩、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、DCM(100mL)により抽出した。有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/5)によって精製すると、(S)−tert−ブチル4,4−ジメチル−1−(N−メチルメチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(420mg、1.25mmol、63%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):359.1[M+Na]
+。
ステップ2:(S)−2−アミノ−N,4,4−トリメチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−193]:
【0336】
(S)−tert−ブチル4,4−ジメチル−1−(N−メチルメチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(420mg、1.25mmol)のEt
2O(20mL)中溶液に、4M HCl/ジオキサン(10mL)を加え、室温で17時間、撹拌した。この固体をろ過すると、(S)−2−アミノ−N,4,4−トリメチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−193]が白色固体として得られた(250mg、0.13mmol、71%)。ESI−MS(EI+、m/z):237.1[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 8.55 (s, 3H), 4.59 (s, 1H), 3.50 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 1.81-1.85 (m, 1H), 1.63-1.67 (m, 1H), 0.95 (s, 9H).
【0337】
(実施例192)2−アミノ−4−フルオロ−4−メチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−192]。
【化59】
合成スキーム:
【化60】
手順および特性決定:
ステップ1:tert−ブチル4−フルオロ−4−メチル−1−(メチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート:
【0338】
tert−ブチル4−フルオロ−4−メチル−1−(メチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(270mg、1.08mmol)のDCM(50mL)中溶液に、HATU(451mg、1.19mmol)を加え、室温で2時間、撹拌した。次に、この混合物にCs
2CO
3(1.06g、3.24mmol)、メタンスルホンアミド(206mg、2.17mmol)を加え、室温で一晩、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、DCM(100mL)により抽出した。有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/5)によって精製すると、(S)−tert−ブチル4,4−ジメチル−1−(N−メチルメチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(200mg、0.6mmol、55%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):344.1[M+NH4]
+。
ステップ2:2−アミノ−4−フルオロ−4−メチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−192]。
【0339】
(S)−tert−ブチル4,4−ジメチル−1−(N−メチルメチルスルホンアミド)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(200mg、0.6mmol)のEt
2O(20mL)中溶液に、4M HCl/ジオキサン(10mL)を加え、室温で17時間、撹拌した。この固体をろ過すると、2−アミノ−4−フルオロ−4−メチル−N−(メチルスルホニル)ペンタンアミド塩酸塩[I−192]が白色固体として得られた(89.8mg、0.34mmol、57%)。ESI−MS(EI+、m/z):227.1[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 8.44 (s, 3H), 4.02 (s, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.16-2.25 (m, 1H), 2.03-2.10 (m, 1H), 1.43 (s, 3H), 1.38 (s, 3H).
【0340】
(実施例190)(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート塩酸塩[I−190]。
【化61】
合成スキーム:
【化62】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−メチル2−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート:
【0341】
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,4−ジメチルペンタン酸(500mg、2.0mmol)のDCM(80mL)中溶液に、HATU(900mg、2.3mmol)を加え、室温で2時間、撹拌した。次に、この混合物にCs
2CO
3(1.95g、6.0mmol)、(S)−メチル2−アミノ−4−メチルペンタノエート塩酸塩(555mg、3.0mmol)を加え、室温で一晩、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、DCM(100mL)により抽出した。有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/5)によって精製すると、(S)−メチル2−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(500mg、1.34mmol、67%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):317.2[M−56]
+。
ステップ2:(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート塩酸塩[I−190]。
【0342】
(S)−メチル2−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(500mg、1.34mmol)のEt
2O(20mL)中溶液に、4M HCl/ジオキサン(10mL)を加え、室温で17時間、撹拌した。固体をろ過すると、(S)−メチル2−(S)−2−アミノ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート塩酸塩[I−190]が白色固体(300mg、0.97mmol、73%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):273.2[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.07-9.09 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.42 (s, 3H), 4.29-4.34 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 1.72-1.83 (m, 2H), 1.50-1.62 (m, 3H), 0.86-0.91 (m, 15H).
【0343】
(実施例122)(S)−メチル2−アミノ−4,4−ジメチルペンタノエート
塩酸塩[I−122]。
【化63】
合成スキーム:
【化64】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−メチル2−アミノ−4,4−ジメチルペンタノエート塩酸塩[I−122]:
【0344】
(S)−2−アミノ−4,4−ジメチルペンタン酸(100mg、0.69mmol)のMeOH(10mL)中溶液に4M HCl/ジオキサン(10mL)を加え、80℃で24時間、撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物をEt
2Oにより激しくかき混ぜると、(S)−メチル2−アミノ−4,4−ジメチルペンタノエート塩酸塩[I−122]が白色固体(23.6mg、0.12mmol、20%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):160.1[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, CD3OD): δ 4.02-4.04 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 1.97-2.02 (m, 1H), 1.64-1.68 (m, 1H), 1.03-1.05 (d, 9H),.
【0345】
(実施例123)(R)−メチル2−アミノ−4,4−ジメチルペンタノエート塩酸塩[I−123]。
【化65】
合成スキーム:
【化66】
手順および特性決定:
ステップ1:(R)−メチル2−アミノ−4,4−ジメチルペンタノエート塩酸塩[I−123]:
【0346】
(R)−2−アミノ−4,4−ジメチルペンタン酸(50mg、0.34mmol)の乾燥MeOH(10mL)中混合物にSOCl
2(0.5mL)を加え、室温で17時間、撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物をEt
2Oにより激しくかき混ぜると、(R)−メチル2−アミノ−4,4−ジメチルペンタノエート塩酸塩[I−123]が白色固体(34.2mg、0.17mmol、50%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):160.1[M+H]+。1H-NMR (500 MHz, CD3OD): δ 4.02-4.04 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 1.97-2.02 (m, 1H), 1.64-1.68 (m, 1H), 1.03 (s, 9H).
【0347】
(実施例205)2−アミノ−N−シアノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩[I−205]。
【化67】
合成スキーム:
【化68】
手順および特性決定:
ステップ1:2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸:
【0348】
2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(250mg、1.35mmol)、Boc
2O(353mg、1.62mmol)、NaOH(80mg、2.0mmol)の混合物をジオキサン(10mL)およびH
2O(2mL)に溶解した。この混合物を室温で3時間、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、DCM(50mL)により抽出した。有機相を水(20mL×2)およびブライン(10mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して濃縮すると、粗製2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(385mg)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):307.9[M+Na]
+。
ステップ2:2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタノエート:
【0349】
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(385mg、1.35mmol)、1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン(197mg、1.71mmol)、DCC(353mg、1.71mmol)の混合物をDCM(15mL)に溶解した。この混合物を室温で17時間、撹拌した。ろ過して、ろ液をブライン(20mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して濃縮すると、粗製2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタノエート(400mg)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):282.9[M−100]
+。
ステップ3:tert−ブチル1−シアナミド−5,5,5−トリフルオロ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート:
【0350】
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタノエート(300mg、0.78mmol)、シアナミド(66mg、1.57mmol)、NaOH(156mg、3.9mmol)の混合物をTHF(16mL)に溶解した。この混合物を0℃で0.5時間、および室温で17時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、tert−ブチル1−シアナミド−5,5,5−トリフルオロ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(45mg、0.14mmol)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):310.3[M+H]
+。
ステップ4:2−アミノ−N−シアノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩[I−205]:
【0351】
tert−ブチル1−シアナミド−5,5,5−トリフルオロ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(45mg、0.14mmol)のEt
2O(20mL)中溶液に、4M HCl/ジオキサン(10mL)を加え、室温で24時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、2−アミノ−N−シアノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩[I−205]が白色固体として得られた(12.3mg、0.05mmol、27%)。MS(EI+、m/z):210.1[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 4.06-4.09 (m, 1H), 2.43-2.65 (m, 1H), 1.67-1.85 (m, 2H), 1.18-1.22 (m, 3H).
【0352】
(実施例206)2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸[I−206]。
【化69】
合成スキーム:
【化70】
手順および特性決定:
ステップ1:N−メトキシ−N,1−ジメチルシクロブタンカルボキサミド:
【0353】
1−メチルシクロブタンカルボン酸(11.6g、0.1mol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(19.5g、0.2mol)およびHATU(42g、0.11mol)のDMF(300mL)中溶液に、TEA(30.3g、0.3mol)を加え、この溶液を室温で17時間、撹拌した。この溶液を水(600mL)により希釈し、EtOAc(400mL×2)により抽出した。有機相を1N HCl、飽和NaHCO
3およびブライン(100mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、N−メトキシ−N,1−ジメチルシクロブタンカルボキサミド(12.2g、0.07mol、75%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):158.2[M+H]
+。
ステップ2:1−メチルシクロブタンカルバルデヒド:
【0354】
N−メトキシ−N,1−ジメチルシクロブタンカルボキサミド(2.0g、12.7mmol)の乾燥THF(20mL)中溶液に、N
2下、0℃で1M LiAlH
4(19mL、19mmol)を滴下して加えた。この混合物を室温まで温め、2時間、撹拌した。この溶液を飽和セニエット塩によりゆっくりとクエンチし、Et
2O(100mL)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して次のステップに使用した。
ステップ3:(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)アクリレート:
【0355】
ウィッティヒ試薬(2.15g、5.86mmol)の乾燥THF(80mL)溶液に、0℃でt−BuONa(844mg、8.79mmol)を加え、1時間、撹拌した。次に、1−メチルシクロブタンカルバルデヒドの溶液を加え、室温で17時間、撹拌した。この溶液をEtOAc(100mL×2)により抽出した。有機相をブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/30)により精製すると、(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)アクリレート(700mg、2.2mmol)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):200.2[M−56
*2]
+。
ステップ4:tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパノエート:
【0356】
(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)アクリレート(700mg、2.2mmol)およびPd/C(10%、100mg)のMeOH(100mL)中混合物を、30℃で17時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮乾固すると、tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパノエート(600mg、粗製)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):158.2[M−156]
+。
ステップ5:2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸[I−206]:
【0357】
tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパノエート(600mg、粗製)のEt
2O(20mL)中溶液に、4M HCl/ジオキサン(10mL)を加え、室温で17時間、撹拌した。この溶液を濃縮すると、2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸が得られた。MS(EI
+、m/z):158.0[M+H]
+。
1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 3.91 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 2.06-2.02 (m, 1H), 1.88-1.64 (m, 7H), 1.15 (s, 3H).
【0358】
(実施例93)S−2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸[I−93]。
【化71】
合成スキーム:
【化72】
手順および特性決定:
2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸の手順は、実施例8と同じとした。
ステップ6:2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸:
【0359】
2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸(300mg、粗製)、CbzOSu(714mg、2.8mmol)のアセトン(10mL)および飽和NaHCO
3(3mL)中混合物を室温で5時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸(160mg、0.54mmol)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):292.0[M+H]
+。
ステップ7:(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸:
【0360】
2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸(160mg、0.54mmol)をキラルHPLCにより精製すると、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸(50mg、0.17mmol)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):292.0[M+H]
+。
ステップ8:(S)−2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸[I−93]:
【0361】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸(50mg、0.17mmol)およびPd/C(10%、10mg)のMeOH(10mL)中混合物を室温で1時間、撹拌した。この溶液を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、(S)−2−アミノ−3−(1−メチルシクロブチル)プロパン酸[I−93](2mg、0.01mmol)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):292.0[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 3.76-3.79 (t, 1H), 1.96-2.00 (m, 1H), 1.61-1.86 (m, 7H), 1.11 (s, 3H).
【0362】
(実施例204)2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−204]
【化73】
合成スキーム:
【化74】
手順および特性決定:
ステップ1:tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(トリメチルシリル)プロパノエート:
【0363】
tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(2.5g、8.47mmol)のTHF(20mL)中溶液を−78℃に冷却し、次に、N
2下、LiHMDS(8.47mL、8.47mmol)を滴下して加えた。この溶液を−78℃で1時間、撹拌した。(ヨードメチル)トリメチルシラン(1.8g、8.47mmol)を滴下して加えた。この溶液を−78℃〜室温で、一晩、撹拌した。この溶液をブライン(25mL
*2)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮してクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/30)により精製すると、tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(トリメチルシリル)プロパノエート(2.3g、6.04mmol、71%)が黄色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):382.3[M+H]
+。
ステップ2:2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−204]:
【0364】
tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(トリメチルシリル)プロパノエート(500mg、1.31mmol)の4M HCl/ジオキサン(6mL)中溶液を室温で17時間、撹拌した。DCM(80mL)を加えた。この固体をろ過すると、2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−204]が白色固体として得られた(113mg、0.57mmol、44%)。ESI−MS(EI+、m/z):162.2[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 13.78 (br, 1H), 8.33 (br, 1H), 3.75 (m, 1H), 1.00-1.14 (m, 2H), 0.06 (s, 9H).
【0365】
(実施例201)(S)−2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−201]。
【化75】
合成スキーム:
【化76】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−201]:
【0366】
(S)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(トリメチルシリル)プロパノエート(300mg、0.79mmol)の4M HCl/ジオキサン(3mL)中溶液を室温で17時間、撹拌した。DCM(40mL)を加えた。この固体をろ過すると、(S)−2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−201]が白色固体として得られた(92mg、0.47mmol、62%)。ESI−MS(EI+、m/z):162.2[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 13.76 (br, 1H), 8.38 (br, 1H), 3.76 (m, 1H), 1.02-1.16 (m, 2H), 0.06 (s, 9H).
【0367】
(実施例200)(R)−2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−200]。
【化77】
合成スキーム:
【化78】
手順および特性決定:
ステップ1:(R)−2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−200]:
【0368】
(R)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(トリメチルシリル)プロパノエート(300mg、0.79mmol)の4M HCl/ジオキサン(3mL)中溶液を室温で17時間、撹拌した。DCM(40mL)を加えた。この固体をろ過すると、(R)−2−アミノ−3−(トリメチルシリル)プロパン酸塩酸塩[I−200]が白色固体として得られた(80mg、0.41mmol、52%)。ESI−MS(EI+、m/z):162.2[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 13.77 (br, 1H), 8.33 (br, 1H), 3.76 (m, 1H), 1.02-1.14 (m, 2H), 0.06 (s, 9H).
【0369】
(実施例194)(S)−2−アミノ−4−フルオロ−4−メチルペンタン酸[I−194]。
【化79】
合成スキーム:
【化80】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−2−アミノ−4−フルオロ−4−メチルペンタン酸[I−194]:
【0370】
(S)−エチル2−アミノ−4−フルオロ−4−メチルペンタノエート塩酸塩(65mg、0.31mmol)、LiOH.H
2O(29mg、0.69mmol)のH
2O(2mL)中混合物を室温で2.5時間、撹拌した。次に、1N HClを加えて、pH=3に調整した。この混合物を逆HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により直接、精製すると、(S)−2−アミノ−4−フルオロ−4−メチルペンタン酸[I−194](40mg、0.27mmol、87%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):150.3[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.10 (br, 2H), 3.79 (m, 1H), 2.19-2.26 (m, 1H), 1.97-2.05 (m, 1H), 1.42 (d, Jz=3.5 Hz, 3H), 1.37 (d, Jz=4.0 Hz, 3H).
【0371】
(実施例94)(S)−3,3−ジメチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン[I−94]。
【化81】
合成スキーム:
【化82】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−tert−ブチル1−シアノ−3,3−ジメチルブチルカルバメート:
【0372】
(S)−tert−ブチル1−アミノ−4,4−ジメチル−1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(500mg、2.1mmol)のDMF(10mL)中溶液に、塩化シアヌル(450mg、2.5mmol)を加え、室温で2時間、撹拌した。次に、この混合物をブライン(100mL)により希釈して酢酸エチル(50mL)により抽出し、乾燥(Na
2SO
4)して濃縮すると、粗製(S)−tert−ブチル1−シアノ−3,3−ジメチルブチルカルバメート(500mg)が黄色ドープ(yellow dope)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):249.2[M+Na]
+。
ステップ2:(S)−tert−ブチル3,3−ジメチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブチルカルバメート:
【0373】
(S)−tert−ブチル1−シアノ−3,3−ジメチルブチルカルバメート(粗製500mg)、ZnBr
2(900mg、4.0mmol)、NaN
3(260mg、4.0mmol)のDMF(20mL)中混合物を100℃で17時間、撹拌した。次に、この混合物をブライン(200mL)により希釈して酢酸エチル(60mL)により抽出し、乾燥(Na
2SO
4)して濃縮すると、粗製(S)−tert−ブチル3,3−ジメチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブチルカルバメート(400mg)が黄色ドープとして得られた。ESI−MS(EI+、m/z):214.3[M+H−56]
+。
ステップ3:((S)−3,3−ジメチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン[I−94]:
【0374】
(S)−tert−ブチル3,3−ジメチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブチルカルバメート(粗製300mg)の4M HCl/ジオキサン(3.5mL)中溶液を室温で17時間、撹拌した。次に、この溶液を濃縮し、逆相HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により直接、精製すると、(S)−3,3−ジメチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン2,2,2−トリフルオロ酢酸塩[I−94]が白色固体として得られた(30mg、0.11mmol、9%、3ステップ)。MS(EI+、m/z):170.2[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.18 (br, 3H), 4.48 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 1.73 (dd, Jz=3.5, 16.5 Hz 1H), 0.72 (s, 9H).
【0375】
(実施例175)2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタン酸[I−175]の合成:
【化83】
合成スキーム:
【化84】
手順および特性決定:
【0376】
ステップ1:(S)−ベンジル4−メチル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ペンタノエート:
【0377】
3−(ベンジルオキシ)プロパン−1−オール(10.0g、60.24mmol)のDMSO(100mL)中溶液に、氷浴下、IBX(20.2g、72.29mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、この温度で17時間、撹拌した。この反応混合物を水(300mL)に注ぎ入れ、EA(200mL×2)により抽出し、有機相を水(200mL×3)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、この溶液を濃縮して、粗製物をSGCにより精製すると、明黄色液体(8.0g、81%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.77 (s, 1H), 7.36-7.26 (m, 5H), 4.53 (s, 2 H), 3.8-3.83 (m, 2H), 2.71-2.68 (m, 2H).
【0378】
ステップ2:(4−(ベンジルオキシ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−イルオキシ)トリメチルシラン:
【0379】
3−(ベンジルオキシ)プロパナール(4.0g、24.4mmol)のTHF(50mL)中溶液に、室温でトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(10.4g、73.2mmol)を加え、次いでCsF(0.37g、2.44mmol)を加えた。得られた溶液を室温で2時間、撹拌した。次に、水(100ml)によりクエンチして、EA(100ml×2)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して濃縮した。この粗製物をISCOバイオタージ(biotage)により精製すると、(4−(ベンジルオキシ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−イルオキシ)トリメチルシランが無色液体として得られた(4.5g、60%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.29 (m, 5H), 4.51 (t, J= 12 Hz, 2 H), 4.23-4.19 (m, 1H), 3.59-3.57 (m, 2H), 2.04-2.01 (m, 1H), 1.78-1.73 (m, 1H), 0.13 (s, 9H).
【0380】
ステップ3:4−(ベンジルオキシ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−オール:
【0381】
4−(ベンジルオキシ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−オール(4.5g、14.7mmol)のHCl溶液(MeOH中の3M、50ml)中溶液を室温で2時間、撹拌した。次に、濃縮して、ISCOバイオタージにより精製すると、4−(ベンジルオキシ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−オール(2.75g、80%)が無色液体として得られた。
【0382】
ステップ4:((4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブトキシ)メチル)ベンゼン:
【0383】
4−(ベンジルオキシ)−1,1,1−トリフルオロブタン−2−オール(2.75g、11.75mmol)のTHF(100ml)中溶液に、0℃でt−BuOK(1.58g、14.1mmol)を加え、この温度で30分間、撹拌した。次に、MeI(2.17g、15.28mmol)を加え、室温でさらに1時間、撹拌した。この反応物を水(100ml)によりクエンチして、EA(100ml×2)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して濃縮した。粗製物をISCO バイオタージにより精製すると、((4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブトキシ)メチル)ベンゼン(2.04g、70%)が無色液体として得られた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.29 (m, 5H), 4.53 (t, J= 12 Hz, 2 H), 3.78-3.74 (m, 1H), 3.66-3.57 (m, 2H), 3.5 (s, 3H), 2.03-1.96 (m, 1H), 1.78-1.57 (m, 1H).
【0384】
ステップ5:4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブタン−1−オール:
【0385】
((4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブトキシ)メチル)ベンゼン(2.04g、8.23mmol)およびPd/C(0.5g)のMeOH(30mL)中溶液を室温で2時間、撹拌し、次に、ろ過して濃縮すると、4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブタン−1−オールが無色液体として得られた。この粗製物を次のステップに直接、使用した。
【0386】
ステップ6:4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブタナール:
【0387】
4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブタン−1−オール(1.3g、最後のステップからの粗製物)のDMSO(20mL)中溶液に、氷浴下、IBX(2.76g、9.88mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、この温度で17時間、撹拌した。この反応混合物を水(80mL)に注ぎ入れ、Et
2O(80mL×2)により抽出し、有機相を水(80mL×3)およびブライン(80mL)により洗浄し、この溶液を次のステップに直接、使用した。
【0388】
ステップ7:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタンニトリル:
【0389】
上の4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブタナールのEt
2O(160mL)中溶液に、氷浴を用いてベンジルアミン(2mL)、AcOH(2.0mL)、次に、TMSCN(3mL)を加えた。この混合物を室温まで温め、この温度で17時間、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、EA(100mL)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタンニトリル(2.0g、粗製)が褐色の濃厚な油状物として得られ、これを次のステップに使用した。ESI−MS(EI
+、m/z):
【0390】
ステップ8:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタン酸:
【0391】
濃HCl(30mL)およびAcOH(10mL)中の2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタンニトリル(2.0g、粗製)の溶液を17時間、100℃に加熱した。この溶液を濃縮乾固し、H
2O(100mL)およびACN(50mL)により希釈し、pHを飽和NaHCO
3溶液により3〜4に調整して、この混合物をろ過して乾燥すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタン酸(0.8g、4ステップで35%)が褐色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):[M+H]
+。
【0392】
ステップ9:2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタン酸[I−175]:
【0393】
2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタン酸(300mg、1.03mmol)およびHCOONH
4(650mg、10.3mmol)のMeOH(10ml)中溶液を60℃で2時間、撹拌し、次に、ろ過して濃縮した。この粗製物を逆相バイオタージにより精製すると、2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メトキシペンタン酸[I−175]が白色固体として得られた。
1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ 4.23-4.19 (m, 1H), 3.96-3.88 (m, 1H), 3.64-3.6 (m, 3H), 2.29-2.22 (m, 1H), 2.04-1.97 (m, 1H).
【0394】
(実施例176)2−アミノ−4,4,5−トリメチルヘキサン酸[I−176]:
【化85】
合成スキーム:
【化86】
手順および特性決定:
【0395】
ステップ1:ジエチル2−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)マロネート:
【0396】
ジエチル2−(プロパン−2−イリデン)マロネート(2g、10.0mmol)のTHF(60mL)中溶液を0℃に冷却し、次いで、ヨウ化銅(I)(2.9g、15.0mmol)を加えた。この混合物を0℃で0.5時間、撹拌した。次に、臭化イソプロピルマグネシウム(1mol/L、30.0mL、30.0mmol)を上の混合物に0℃で滴下して加えた。この混合物を0℃で2時間、撹拌した。この混合物をHCl(1mol/L)によりクエンチし、EtOAc(60mL
*2)により抽出した。有機相を分離して、水(100mL×2)およびブライン(130mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、ジエチル2−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)マロネート(2.4g、10.0mmol、98%)が黄色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):245.3[M+H]
+。
【0397】
ステップ2:2−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)マロン酸:
【0398】
ジエチル2−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)マロネートアセトアミド(2.4g、10.0mmol)および水酸化リチウム水和物(2.1g、50.0mmol)のDMSO(50mL)および水(10mL)中混合物を98℃まで加熱し、20時間、保持した。この混合物を冷却し、HCl(1mol/L)により酸性にして、EtOAc(30mL)と水(30mL)との間に分配した。有機相を分離して、水(50mL×2)およびブライン(50mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、2−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)マロン酸(1.8g、10.0mmol、95%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):212.2[M+H]
+。
【0399】
ステップ3:3,3,4−トリメチルペンタン酸:
【0400】
2−(2,3−ジメチルブタン−2−イル)マロン酸(1.8g、10.0mmol)のDMSO(30mL)中溶液を120℃に加熱し、12時間、保持した。この混合物を冷却して、EtOAc(50mL)と水(60mL)との間に分配した。有機相を分離して、水(60mL×2)およびブライン(60mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、3,3,4−トリメチルペンタン酸(1.4g、10.0mmol、95%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI−、m/z):143.2[M−H]
+。
【0401】
ステップ4:N−メトキシ−N,3,3,4−テトラメチルペンタンアミド:
【0402】
3,3,4−トリメチルペンタン酸(1.4g、10.0mmol)のDMF(30mL)中溶液に、20℃でN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.2g、12.0mmol)、次いでDIEA(3.8g、30.0mmol)を加えた。次に、HATU(5.8g、15.0mmol)を加えた。この混合物を撹拌しながら25℃まで加熱し、18時間、保持した。この反応混合物を水、次いでメチルtert−ブチルエーテル(50mL
*2)によりクエンチした。相分離して、有機層をブライン(80mL
*3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過して真空で濃縮すると、N−メトキシ−N,3,3,4−テトラメチルペンタンアミド(1.5g、90%)が褐色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):188.2[M+H]
+。
【0403】
ステップ4:3,3,4−トリメチルペンタナール:
【0404】
N−メトキシ−N,3,3,4−テトラメチルペンタンアミド(1.9g、0.01mol)のTHF(30mL)中溶液に、0℃でLiAlH4(1g、0.03mol)を加えた。この混合物を0℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を水、次いでメチルtert−ブチルエーテル(50mL
*2)によりクエンチした。層分離して、有機層をブライン(80mL
*3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥してろ過した。ろ液には3,3,4−トリメチルペンタナール(1.3g、95%)が無色溶液として含有され、これを次のステップに、直接、使用した。
【0405】
ステップ5:2−(ベンジルアミノ)−4,4,5−トリメチルヘキサンニトリル:
【0406】
上の3,3,4−トリメチルペンタナールのメチルtert−ブチルエーテル(120mL)溶液に、氷浴を用いてベンジルアミン(1.6mL)、AcOH(1.0mL)、次に、TMSCN(1.8mL)を加えた。この混合物を25℃まで温め、一晩、撹拌した。この溶液を水(60mL)により希釈してEtOAc(30mL)により抽出し、有機相を水(50mL×2)およびブライン(50mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、2−(ベンジルアミノ)−4,4,5−トリメチルヘキサンニトリル(2g、粗製)が褐色油状物として得られ、これを次のステップに使用した。ESI−MS(EI+、m/z):245.4[M+H]
+。
【0407】
ステップ6:2−(ベンジルアミノ)−4,4,5−トリメチルヘキサン酸:
【0408】
2−(ベンジルアミノ)−4,4,5−トリメチルヘキサンニトリル(2g、粗製)の濃HCl(60mL)およびAcOH(10mL)中溶液を18時間、95℃に加熱した。この溶液を15℃に冷却し、pHを飽和NaHCO
3溶液により3〜4に調整して、この混合物をろ過して乾燥すると、2−(ベンジルアミノ)−4,4,5−トリメチルヘキサン酸(0.6g、2.3mmol、3ステップで30%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):264.4[M+H]
+。
【0409】
2−アミノ−4,4,5−トリメチルヘキサン酸[I−176]:
【0410】
2−(ベンジルアミノ)−4,4,5−トリメチルヘキサン酸(78mg、0.3mmol)のMeOH(8mL)中溶液に、室温でHCOONH4(0.13g、2.0mmol)およびPd/C(30mg)を加えた。この混合物を60℃で2時間、撹拌した。反応混合物をろ過して濃縮すると、粗生成物が得られ、これを逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、2−アミノ−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸[I−176](40mg、90%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):174.3[M+H]
+;1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 3.56 (dd, J = 7.2, 4.9 Hz, 1H), 2.12 (dd, J = 14.7, 4.9 Hz, 1H), 1.66 - 1.51 (m, 2H), 0.97 (d, J = 14.9 Hz, 6H), 0.92 (dd, J = 6.8, 3.6 Hz, 6H).
【0411】
(実施例178)2−アミノ−4,4−ジメチルヘプタン酸[I−178]
【化87】
合成スキーム:
【化88】
手順および特性決定:
【0412】
この手順は、実施例176において使用したものと同じとした。
【0413】
2−アミノ−4,4−ジメチルヘプタン酸[I−178]:
1H NMR (500 MHz, MeOD-d
4) δ 3.77 (t, J = 6 Hz, 1H), 2.09-2.05 (m, 1H), 1.6-1.56 (m, 1H), 1.37-1.26 (m, 4H), 1.01-0.92 (m, 9 H).
【0414】
(実施例195)2−アミノ−4,4−ジメチルヘキサン酸[I−195]、(S)−2−アミノ−4,4−ジメチルヘキサン酸[I−120]、(R)−2−アミノ−4,4−ジメチルヘキサン酸[I−191]。
【化89】
合成スキーム:
【化90】
手順および特性決定:
【0415】
この手順は、実施例176において使用したものと同じとした。
【0416】
2−アミノ−4,4−ジメチルヘプタン酸[I−195]:
1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 3.87 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.93 (dd, J = 15.0 Hz, J = 5.5 Hz, 1H), 1.57 (dd, J = 15.0 Hz, J = 6.5 Hz, 1H), 1.22-1.26 (m, 2H), 0.86 (d, (dd, J = 2.0 Hz, 6H), 0.76 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0417】
(S)−2−アミノ−4,4−ジメチルヘキサン酸[I−120]:
1H NMR (500 MHz, MeOD-d
4) δ 3.43 (dd, J = 7.0 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 1.95 (dd, J = 15.0 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 1.42 (dd, J = 15.0 Hz, J = 7.0 Hz, 1H), 1.23-1.28 (m, 2H), 0.87 (d, (dd, J = 4.5 Hz, 6H), 0.80 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0418】
(R)−2−アミノ−4,4−ジメチルヘキサン酸[I−191]:
1H NMR (500 MHz, MeOD-d
4) δ 3.43 (dd, J = 7.0 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 1.95 (dd, J = 15.0 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 1.42 (dd, J = 15.0 Hz, J = 7.0 Hz, 1H), 1.23-1.28 (m, 2H), 0.87 (d, (dd, J = 4.5 Hz, 6H), 0.80 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0419】
(実施例177)2−アミノ−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸[I−177]:
【化91】
合成スキーム:
【化92】
手順および特性決定:
【0420】
ステップ1:N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)アセトアミド:
【0421】
(2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(13.7g、0.1mol)およびトリフェニルホスファン(26.2g、0.1mol)のアセトニトリル(200mL)中混合物を80℃まで加熱し、20時間、保持した。この混合物を冷却し、40℃未満で濃縮して溶媒を除去した。残留物をジクロロメタン(200mL)、次いで2N KOH(100mL)に溶解した。得られた混合物を20℃で1時間、撹拌した。層分離して、有機層をブライン(200mL
*3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥してろ過した。ろ液を真空で濃縮すると、N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)アセトアミド(36g、0.1mol、98%)が黄色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):364.4[M+H]
+。
【0422】
ステップ2:(E)−5,5,5−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルペンタ−2−エナミド:
【0423】
N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)アセトアミド(36.3g、0.1mol)および4,4,4−トリフルオロブタン−2−オン(25.2g、0.2mol)のテトラヒドロフラン(500mL)中混合物を70℃に加熱し、7日間、保持した。この混合物を冷却し、40℃未満で真空で濃縮して溶媒を除去した。石油エーテル中、0〜35%の酢酸エチルにより溶出するシリカゲルカラム(200g、200〜300メッシュ、UV254nm)により、残留物を精製すると、(E)−5,5,5−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルペンタ−2−エナミド(6g、0.03mol、28%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):212.2[M+H]
+。
【0424】
ステップ3:5,5,5−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルペンタンアミド:
【0425】
(E)−5,5,5−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルペンタ−2−エナミド(6g、0.03mol)およびPd/C(10%、400mg)のTHF(100mL)中混合物を、30℃で18時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮乾固すると、5,5,5−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルペンタンアミド(6g、0.03mol、98%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):214.2[M+H]
+。
【0426】
ステップ4:5,5,5−トリフルオロ−3−メチルペンタナール:
【0427】
5,5,5−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルペンタンアミド(6g、0.03mol)のTHF(100mL)中溶液に、0℃でLiAlH4(1g、0.03mol)を加えた。この混合物を0℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を水、次いでメチルtert−ブチルエーテル(60mL
*2)によりクエンチした。層分離して、有機層をブライン(80mL
*3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥してろ過した。ろ液を含有すると、5,5,5−トリフルオロ−3−メチルペンタナール(4.5g、95%)が無色溶液として得られ、これを次のステップに、直接、使用した。
【0428】
ステップ5:2−(ベンジルアミノ)−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサンニトリル:
【0429】
上の5,5,5−トリフルオロ−3−メチルペンタナールのメチルtert−ブチルエーテル(200mL)中溶液に、氷浴を用いてベンジルアミン(5mL)、AcOH(4.0mL)、次に、TMSCN(5mL)を加えた。この混合物を20℃まで温め、一晩、撹拌した。この溶液を水(100mL)により希釈してEtOAc(100mL)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、2−(ベンジルアミノ)−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサンニトリル(6g、粗製)が褐色油状物として得られ、これを次のステップに使用した。ESI−MS(EI+、m/z):271.3[M+H]
+。
【0430】
ステップ6:2−(ベンジルアミノ)−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸:
【0431】
2−(ベンジルアミノ)−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサンニトリル(3g、粗製)の濃HCl(100mL)およびAcOH(20mL)中溶液を17時間、100℃に加熱した。この溶液を15℃に冷却し、pHを飽和NaHCO
3溶液により3〜4に調整して、この混合物をろ過して乾燥すると、2−(ベンジルアミノ)−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸(1g、13.4mmol、3ステップで33%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):290.3[M+H]
+。
【0432】
2−アミノ−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸[I−177]:
【0433】
2−(ベンジルアミノ)−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸(88mg、0.31mmol)のMeOH(8mL)中溶液に、室温でHCOONH
4(0.13g、2.0mmol)およびPd/C(30mg)を加えた。この混合物を60℃で2時間、撹拌した。反応混合物をろ過して濃縮すると、粗生成物が得られ、これを逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、2−アミノ−6,6,6−トリフルオロ−4−メチルヘキサン酸[I−177](45mg、84%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):200.2[M+H]
+;1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 3.15 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 2.39 - 2.24 (m, 1H), 2.19 - 1.96 (m, 2H), 1.82 - 1.66 (m, 1H), 1.63 - 1.35 (m, 1H), 0.98 (dd, J = 16.5, 6.2 Hz, 3H).
【0434】
(実施例179)(S)−2−アミノ−5−フルオロ−4−(フルオロメチル)ペンタン酸[I−179]
【化93】
合成スキーム:
【化94】
手順および特性決定:
ステップ1:5−(ベンジルオキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン:
【0435】
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メタノール(0.29g、2.0mmol)のDMF(10mL)中溶液に0℃でNaH(油中60%、0.12g、3.0mmol)を加えた。この混合物を0℃で0.2時間、撹拌した。次に、(ブロモメチル)ベンゼン(0.45g、2.6mmol)を加えた。この混合物を3時間、10℃まで温め、18時間、保持した。この反応混合物を氷水、次いでEtOAc(60mL)によりクエンチした。層分離して、有機層をブライン(60mL
*3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥してろ過した。ろ液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラム(20g、UV254nm、PE中、10%から50%のEtOAcにより溶出)により精製すると、5−(ベンジルオキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン(1)(0.46g、0.2mol、95%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):237.3[M+H]
+。
ステップ2:2−(ベンジルオキシメチル)プロパン−1,3−ジオール:
【0436】
5−(ベンジルオキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン(930mg、3.94mmol)のMeOH(20mL)中溶液に、3NHCl水溶液(2mL)を加えた。この混合物を50℃で2時間、撹拌した。この反応混合物を濃縮して、DCM(20mL)により希釈し、ブライン(15mL)により洗浄して乾燥し、蒸発させると、粗製無色油状物(780mg、100%)が得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):197[M+H]
+。
ステップ3:((3−フルオロ−2−(フルオロメチル)プロポキシ)メチル)ベンゼン:
【0437】
予め冷却した2−(ベンジルオキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(780mg、3.94mmol)のDCM(20mL)中溶液に、−78℃でDAST(1.9g、11.8mmol)を滴下して加えた。この混合物を20℃で24時間、撹拌した。この反応混合物を−78℃で飽和NaHCO
3水溶液(10mL)によりクエンチした。DCM相を分離し、ブラインにより洗浄してMgSO
4により乾燥し、短いシリカゲルパッドによりろ過して、次に、濃縮すると粗製無色油状物(800mg、100%)が得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):223[M+Na]
+。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.37 - 7.28 (m, 5H), 4.65 - 4.57 (m, 2H), 4.55 - 4.48 (m, 4H), 3.57 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 2.50 - 2.34 (m, 1H).
ステップ4:3−フルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン−1−オール:
【0438】
予め冷却した((3−フルオロ−2−(フルオロメチル)プロポキシ)メチル)ベンゼン(800mg、3.94mmol)のDCM(20mL)中溶液に、−78℃でBCl
3/トルエン(1M、6mL、6.0mmol)を滴下して加えた。この混合物を−78〜0℃で2時間、撹拌した。この反応混合物を−78℃でH
2O(0.5mL)によりクエンチした。DCM相をMgSO
4によって乾燥してろ過し、この溶液(約20mL)を次のステップに直接、使用した。
ステップ5:3−フルオロ−2−(フルオロメチル)プロピルトリフルオロメタンスルホネート:
【0439】
3−フルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン−1−オール(ステップ4からの8mLの溶液、1.6mmol)の予め冷却した溶液に、−40℃でピリジン(380mg、4.8mmol)、次に、Tf
2O(1.36g、4.8mmol)を滴下して加えた。この混合物を−30℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を−40℃でブライン(20mL)によりクエンチした。DCM相を分離し、MgSO
4により乾燥してろ過し、次に、濃縮すると、粗製黄褐色油状物(200mg、51%)が得られ、これを次のステップに直接、使用した。
ステップ6:tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−5−フルオロ−4−(フルオロメチル)ペンタノエート:
【0440】
予め冷却した、tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(944mg、3.2mmol)のTHF(20mL)中溶液に、−78℃で25分間で、LDA(THF/トルエン/ヘキサン中の2.5M、1.28mL、3.2mmol)を加えた。この混合物をこの温度で10分間、撹拌した。3−フルオロ−2−(フルオロメチル)プロピルトリフルオロメタンスルホネート(200mg、0.82mmol)のTHF(2mL)中溶液を−78℃で滴下して加えた。この反応混合物を直前の冷却浴に入れ、さらに1時間、撹拌した。この反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(20mL)によりクエンチしてMTBE(30mL
*2)により抽出し、H
2O、ブライン(各50mL)により洗浄し、乾燥して濃縮すると、粗製物が得られ、これをクロマトグラフィー(chorography)(シリカゲル、PEから5%EA/PE)により2回、精製すると、所望の生成物(22mg、6.9%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):388[M+H]
+。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.56 - 7.45 (m, 6H), 7.41 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 4.50 - 4.17 (m, 4H), 3.91 (dd, J = 7.7, 5.5 Hz, 1H), 2.11 - 1.97 (m, 1H), 1.87 (dd, J = 12.7, 5.5 Hz, 2H), 1.38 (s, 9H).
ステップ7:(S)−2−アミノ−5−フルオロ−4−(フルオロメチル)ペンタン酸塩酸塩:
【0441】
tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−5−フルオロ−4−(フルオロメチル)ペンタノエート(55mg、0.14mmol)の3N HCl/MeOH(2mL)中溶液を室温で20時間、撹拌した。この反応混合物を濃縮し、Et
2Oにより洗浄すると、粗製固体が得られ、これをDCM/TFA(1:1、2mL)に溶解して室温で20時間、撹拌した。この反応混合物を蒸発させて、Et
2Oにより洗浄すると、粗製固体が得られ、これを6N HCl(1mL)に溶解して80℃で2時間、撹拌した。この反応混合物を蒸発させて、凍結乾燥すると、粗生成物が得られ、これを3mM HCl/H
2Oを使用してRP−バイオタージによって精製すると、所望の生成物(8.3mg、29%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):168[M+H]
+。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.85 (bs, 3H), 4.48 (dd, J = 48.3, 14.2 Hz, 4H), 3.46 - 3.36 (m, 1H), 2.47 - 2.26 (m, 1H), 1.78 (dt, J = 14.3, 7.3 Hz, 1H), 1.63 - 1.53 (m, 1H).
【0442】
(実施例187)(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−ジヒドロフラン−2(3H)−オン[I−187]:
【化95】
合成スキーム:
【化96】
手順および特性決定:
ステップ1:(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−ジヒドロフラン−2(3H)−オン[I−187]:
【0443】
(S)−2−アミノ−4−メチルペンタ−4−エン酸(100mg)を含む丸底フラスコに、濃HCl(1mL)およびSOCl
2(0.2mL)を加えた。この混合物を室温で4時間、撹拌した。この反応混合物を濃縮してEt
2Oにより洗浄すると、粗製固体が得られ、これを0.025% TFA/H
2O/MeCNを使用して、RP−バイオタージによって精製すると、所望の生成物(20.2mg、11.4%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):130.1[M+H]
+。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 8.80 (bs, 3H), 4.58 (dd, J = 11.2, 9.3 Hz, 1H), 2.53 - 2.48 (m, 1H), 2.13 (t, J = 11.7 Hz, 1H), 1.45 (s, 3H), 1.40 (s, 3H).
【0444】
(実施例90)(S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸[I−90]の合成:
【化97】
合成スキーム:
【化98】
手順および特性決定:
【0445】
ステップ1:ジエチル2−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イリデン)マロネート:
【0446】
氷浴を用いたTHF(1L)に、20分間かけてTiCl
4(65.8mL、600mmol)を滴下して加え、CCl
4(30mL)を加えた。この混合物にマロン酸ジエチル(48.0g、300mmol)および1,1−ジフルオロプロパン−2−オン(56.4g、600mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。氷浴を用いてピリジン(200mL)を20分かけて滴下して加え、この反応混合物を水(2L)に注ぎ入れてろ過し、このろ液をEtOAc(500mL×2)により抽出し、有機相を水(600mL)、1M HCl(600mL×2)、水(600mL)、飽和NaHCO
3(600mL)およびブライン(600mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテルを0%から5%)によって精製すると、ジエチル2−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イリデン)マロネート(60.9g、258mmol、86%)が無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):237.0[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): δ 6.97 (t, J = 55.5 Hz, 1H), 4.25-4.33 (m, 4H), 2.03 (s, 3H), 1.29-1.34 (m, 6H).
【0447】
ステップ2:ジエチル2−(1,1−ジフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)マロネート:
【0448】
ジエチル2−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イリデン)マロネート(10.0g、42.3mmol)およびCuI(12.1g、63.5mmol)のDCM(100mL)およびTHF(25mL)中混合物に、−20℃で1時間かけて、MeMgI(42.3mL、130.5mmol)を加え、この溶液を氷水(200mL)に注ぎ入れて、飽和NH
4Cl溶液(100mL)により処理し、この混合物を30分間、撹拌してろ過し、ろ液をDCM(100mL)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、ジエチル2−(1,1−ジフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)マロネート(10.1g、40.2mmol、95%)が褐色液体として得られ、これを次のステップに使用した。ESI−MS(EI
+、m/z):253.1[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): δ 6.05 (t, J = 57.5 Hz, 1H), 4.17-4.23 (m, 4H), 3.49 (s, 1H), 1.22-1.28 (m, 6H) , 1.20 (s, 6H).
【0449】
ステップ3:4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチルブタン酸:
【0450】
ジエチル2−(1,1−ジフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)マロネート(6.1g、24.2mmol)およびLiOH.H
2O(5.1g、121mmol)のDMSO(50mL)およびH
2O(0.5mL)中混合物を17時間、90℃まで加熱した。この混合物を水(200mL)により希釈してDCM(100mL)により抽出し、水相のpHを6M HCl溶液により3〜4に調整し、DCM(100mL×2)により抽出して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチルブタン酸(3.6g、粗製)が褐色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):151.1[M−H]
−。
【0451】
ステップ4:4,4−ジフルオロ−N−メトキシ−N,3,3−トリメチルブタンアミド:
【0452】
4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチルブタン酸(3.6g、粗製)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.6g、47.4mmol)およびHATU(10.8g、28.4mmol)のDMF(50mL)中溶液に、Et
3N(7.18g、71.1mmol)を加え、その後、室温で17時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を水(200mL)により希釈してEt
2O(100mL×2)により抽出し、水(100mL)、1M HCl(100mL)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、4,4−ジフルオロ−N−メトキシ−N,3,3−トリメチルブタンアミド(3.1g、15.9mmol、66%、2ステップ)が褐色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):196.0[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): δ 5.95 (t, J = 57.5 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.51 (s, 2H) , 1.12 (s, 6H).
【0453】
ステップ5:4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチルブタナール:
【0454】
4,4−ジフルオロ−N−メトキシ−N,3,3−トリメチルブタンアミド(3.1g、15.9mmol)のTHF(80mL)中溶液に、氷浴を用いて、LiAlH
4(24mL、24mmol)を滴下して加えた。1時間後、この混合物をクエン酸溶液(100mL)によりクエンチし、この溶液をEt
2O(100mL×2)により抽出し、有機相をブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、この溶液を次のステップに使用した。
【0455】
ステップ6:2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンニトリル:
【0456】
上の4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチルブタナールのEt
2O(200mL)中溶液に、氷浴を用いて、ベンジルアミン(3mL)、AcOH(3mL)、次に、TMSCN(3mL)を加え、この溶液を0〜室温で17時間、撹拌し、次に、EtOAc(100mL)により希釈した。この溶液をH
2O(100mL×2)により洗浄し、次に、濃縮すると2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンニトリル(3.2g、粗製)が褐色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):253.0[M+H]
+。
【0457】
ステップ7:2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸:
【0458】
2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンニトリル(1.8g、粗製)の濃HCl(50mL)およびAcOH(10mL)中溶液を64時間、100℃に加熱した。この混合物を濃縮して溶媒を除去し、1M NaOH溶液によりpHを12に調整して、PE(100mL)により抽出し、水相を6M HClを用いてpHを5〜6に調整した。白色固体が形成し、ろ過してフィルターケーキを水(50mL)により洗浄し、真空で乾燥すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(1.3g、4.80mmol、54%、3ステップ)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):272.0。
【0459】
ステップ8:2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸:
【0460】
2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(1.3g、4.80mmol)、HCOONH
4(1.51g、24mmol)およびPd/C(10%、200mg)のMeOH(50mL)中混合物を1時間、60℃に加熱した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮すると2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(1.0g、粗製)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):182.0。
【0461】
ステップ9:2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸
【0462】
2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(1.0g、粗製)およびNaHCO
3(1.27g、14.4mmol)のアセトン(30mL)およびH
2O(30mL)中溶液に、氷浴を用いて、CbzOSu(2.39g、9.6mmol)を加えた。17時間、撹拌した後、この混合物のpHを1M HCl溶液により3〜4に調整し、この溶液をEtOAc(50mL×2)により抽出してブライン(50mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、粗生成物を逆相シリカゲルクロマトグラフィー、次に、キラル分取HPLC[カラム、CC4 4.6
*250mm 5um;溶媒、MeOH(0.2%メタノールアンモニア)]によって精製すると、(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(400mg、1.27mmol、26%、2ステップ)および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(380mg、1.21mmol、25%、2ステップ)が2つの無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):316.0。
【0463】
ステップ10:(S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸:
【0464】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(400mg、1.27mmol)およびPd/C(10%、50mg)のMeOH(30mL)中溶液に、水素下、室温で2時間、撹拌し、この混合物をろ過して真空で濃縮し、逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、(S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(115.7mg、0.64mmol、50%)が得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):182.0
1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): δ 5.60 (t, J = 56.5 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.07 (dd, J = 15.5 Hz, J = 5.5 Hz, 1H), 1.77 (dd, J = 15.5 Hz, J = 6.5 Hz, 1H), 0.96 (d, J = 9.5 Hz, 6H).
【0465】
(実施例88)(S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸[I−88]の合成:
【化99】
合成スキーム:
【化100】
手順および特性決定:
【0466】
ステップ1:(S)−2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド:
【0467】
2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンニトリル(1.2g、4.76mmol)のDCM(20mL)中溶液に、氷浴を用いて5分間かけて濃H
2SO
4(10mL)を滴下して加え、この混合物を室温まで温めて、6時間、撹拌した。この混合物を氷水(100mL)に注ぎ入れ、この溶液のPHを10%NaOH溶液を用いて8〜9に調整し、次に、EtOAc(100mL×2)により抽出し、有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、クロマトグラフィー(MeOH/DCMを0%から5%)、次に、キラル分取HPLC[カラム、CC4 4.6
*250mm 5um;溶媒、MeOH(0.2%メタノールアンモニア)]により精製すると、(S)−2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド(400mg、1.48mmol、31%)および(R)−2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド(380mg、1.41mmol、30%)が2つの無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):253.0[M+H]
+。
【0468】
ステップ2:(S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド:
【0469】
(S)−2−(ベンジルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド(200mg、0.74mmol)、HCOONH
4(233mg、3.7mmol)およびPd/C(10%、40mg)のMeOH(15mL)中混合物を1時間、60℃に加熱した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、(S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミドトリフルオロ酢酸(128mg、0.44mmol、59%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):181.0[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): δ 5.66 (t, J = 56.5 Hz, 1H), 3.95 (dd, J = 8.0 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 2.14 (dd, J = 10.0 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 1.83 (dd, J = 14.5 Hz, J = 5.5 Hz, 1H), 1.12 (d, J = 15.0 Hz, 6H).
【0470】
(実施例185)(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート[I−185]の合成:
【化101】
合成スキーム:
【化102】
手順および特性決定:
【0471】
2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸の手順は、実施例90と同じとした。
【0472】
ステップ1:(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート:
【0473】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(150mg、0.476mmol)、HATU(199mg、0.524mmol)、(S)−メチル2−アミノ−4−メチルペンタノエート塩酸塩(104mg、0.571mmol)およびDIPEA(123mg、0.952mmol)の溶液を室温で1時間、撹拌し、次に、氷水(20ml)によりクエンチし、EA(2×30ml)により抽出して乾燥し、ろ過して濃縮した。この粗製物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーのバイオタージにより精製すると、(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(95mg、45%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):443.0。
【0474】
ステップ2:(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート:
【0475】
(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(95mg、0.215mmol)およびPd/C(30mg)のTHF(5ml)中溶液を室温で2時間、撹拌し、次に、ろ過して濃縮した。この粗製物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーのバイオタージにより精製すると、(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(45mg、69%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):309.0。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): 9.11 (d, J = 7 Hz, 1H), 8.41 (s, 3H), 5.81 (t, J = 56.5 Hz, 1H), 4.34-4.31 (m, 1H), 3.89-3.81 (m, 1H), 3.62 (s, 3H), 1.98-1.93 (m, 1H), 1.76-1.73 (m, 1H), 1.65-1.54 (m, 3H), 0.93-0.81 (m, 12H).
【0476】
(実施例184)(S)−メチル2−((R)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート[I−184]の合成:
【化103】
この手順は、実施例90および185と同じとした。
【0477】
(S)−メチル2−((R)−2−アミノ−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート:ESI−MS(EI
+、m/z):309.0。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): 9.18 (d, J = 7 Hz, 1H), 8.38 (s, 3H), 5.79 (t, J = 56.5 Hz, 1H), 4.37-4.32 (m, 1H), 3.85-3.78 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 1.97-1.92 (m, 1H), 1.77-1.72 (m, 1H), 1.61-1.51 (m, 3H), 0.94-0.82 (m, 12H).
【0478】
(実施例145)(2S,4R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸、(2R,4S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸、(2R,4R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸および(2S,4S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸の合成:[3d;I−145];[3c;I−146];[3a;I−167];[3b;I−250]
【化104】
合成スキーム:
【化105】
手順および特性決定:
【0479】
ステップ1:(2S,4R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸、(2R,4S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸、(2R,4R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸および(2S,4S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸の合成:
【0480】
2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(600mg、3.2mmol)のアセトン(10mL)および飽和NaHCO
3水溶液(10mL)中溶液に、CbzOSu(970mg、3.9mmol)を加えた。この混合物を室温で3時間、撹拌した。次に、EtOAc(20mL)およびH
2O(20mL)を加え、この水を分離して、EtOAc(2
*20mL)によりさらに抽出し、抽出物を合わせてブライン(20mL)により洗浄し、無水Na
2SO
4により乾燥し、ろ過して濃縮し、残留物を分取HPLCにより精製すると、2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(750mg)が白色固体として得られた。純粋な生成物をキラルHPLCにより精製すると、4つの異性体が得られた:(2S,4R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(150mg、15%)、(2R,4S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(40mg、3.9%)、(2R,4R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(50mg、4.9%)および(2S,4S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(80mg、7.8%)であり、これらはいずれも白色固体であった。ESI−MS(EI+、m/z):342.0[M+Na]+。
【0481】
ステップ2−A:(2S,4R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸の合成:
【0482】
(2S,4R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(150mg、0.47mmol)およびPd/C(75mg)のMeOH(15mL)中溶液を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物をろ過して濃縮すると、(2S,4R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(51.7mg、59%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.2[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.64-3.60 (m, 1H), 2.77-2.71 (br, 1H), 2.24-2.18 (m, 1H),1.76-1.69 (m, 1H),1.25 (d, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0483】
ステップ2−B:(2R,4S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸の合成:
【0484】
(2R,4S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(40mg、0.12mmol)およびPd/C(20mg)のMeOH(4mL)中溶液を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物をろ過して濃縮すると、(2R,4S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(13.3mg、60%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.2[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.51-3.47 (m, 1H), 2.64-2.58 (br, 1H), 2.12-2.06 (m, 1H),1.63-1.57 (m, 1H),1.13 (d, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0485】
ステップ2−C:(2R,4R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸の合成:
【0486】
(2R,4R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(50mg、0.16mmol)およびPd/C(25mg)のMeOH(5mL)中溶液を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物をろ過して濃縮すると、(2R,4R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(18.0mg、61%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.1[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.51-3.47 (m, 1H), 2.46-2.44 (br, 1H), 1.95-1.87 (m, 2H), 1.11 (d, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0487】
ステップ2−D:(2S,4S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸の合成:
【0488】
(2S,4S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(80mg、0.25mmol)およびPd/C(40mg)のMeOH(8mL)中溶液を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物をろ過して濃縮すると、(2S,4S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタン酸(38.1mg、82%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.2[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.51-3.47 (m, 1H), 2.46-2.44 (br, 1H), 1.95-1.87 (m, 2H), 1.11 (d, J = 7.0 Hz, 3 H).
【0489】
(実施例128)(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(I−128):
【化106】
合成スキーム:
【化107】
手順および特性決定:
使用した手順は、実施例187において使用されているものと同じとした。
【0490】
(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸:ESI−MS(EI
+、m/z):200.1
1H-NMR (500 MHz, D
2O): δ 3.94 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 2.23 (dd, J = 15.5 Hz, J = 5.5 Hz, 1H), 1.90 (dd, J = 15.5 Hz, J = 6.0 Hz, 1H), 1.13 (d, J = 8.5 Hz, 6H).
【0491】
(実施例188)(S)−メチル2−((R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート[I−188]:
【化108】
合成スキーム:
【化109】
手順および特性決定:
【0492】
2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸の手順は、実施例90と同じとした。
【0493】
ステップ1:(S)−メチル2−((R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート:
【0494】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸(150mg、0.45mmol)、HATU(188mg、0.495mmol)、(S)−メチル2−アミノ−4−メチルペンタノエート塩酸塩(123mg、0.675mmol)およびDIPEA(175mg、1.35mmol)の溶液を室温で1時間、撹拌し、次に、氷水(20ml)によりクエンチし、EA(2×30ml)により抽出して乾燥し、ろ過して濃縮した。この粗製物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーであるバイオタージにより精製すると、(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(120mg、58%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):461.0。
【0495】
ステップ2:(S)−メチル2−((R)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート:
【0496】
(S)−メチル2−((S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−ジフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(120mg、0.26mmol)およびPd/C(30mg)のTHF(10ml)中溶液を室温で2時間、撹拌し、次に、ろ過して濃縮した。この粗製物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーのバイオタージにより精製すると、(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート(49mg、57%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):326.0。
1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): 4.47 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.99-3.97 (m, 1H), 3.77 (s, 3H), 2.33-2.28 (m, 1H), 1.95-1.91 (m, 1H), 1.69-1.68 (m, 3H), 1.24-1.17 (m, 6H), 1.00-0.94 (m, 6H).
【0497】
(実施例189)(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート[I−189]:
【化110】
合成スキーム:
使用した手順は、実施例188において使用されているものと同じとした。
手順および特性決定:
(実施例189)(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4,4−ジメチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート[I−189]:
1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): 4.52 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 4.02-3.99 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.35-2.30 (m, 1H), 1.95-1.91 (m, 1H), 1.78-1.67 (m, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.01-0.97 (m, 6H).
【0498】
(実施例108)(S)−2−アミノ−6−フルオロヘキサン酸[I−108]。
【化111】
【0499】
(実施例109)(R)−2−アミノ−6−フルオロヘキサン酸[I−109]。
【化112】
合成スキーム:
【化113】
手順および特性決定:
ステップ1:tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−6−フルオロヘキサノエート:
【0500】
1−フルオロ−4−ヨードブタン(2.0g、9.90mmol)、tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(2.43g、8.25mmol)、TBAB(266mg、0.83mmol)およびKOH(水性50%)(10mL)のDCM(10mL)およびトルエン(25mL)中混合物を50℃で16時間、撹拌した。この溶液をSGC(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/5)により精製すると、(tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−6−フルオロヘキサノエート(0.91g、2.47mmol、30%)が無色油状物として得られた。MS(EI+、m/z):370.2[M+H]
+。
ステップ2:(S)−2−アミノ−6−フルオロヘキサン酸[I−108]:
【0501】
ジオキサン(10mL)およびHCl(水性6M)中の(S)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−6−フルオロヘキサノエート(360mg、0.97mmol)の溶液を、室温で16時間、撹拌した。この混合物をエーテルおよび水により抽出した。pHを3〜4に調整した後、水層をEAにより抽出した。有機層を濃縮すると、(S)−2−アミノ−6−フルオロヘキサン酸[I−108]が白色固体(125mg、0.84mmol、86%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):150.3[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, D2O) δ 4.469 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.351 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.950 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.904-1.820 (m, 2H), 1.690-1.588 (m, 2H) , 1.456-1.388 (m, 2H).
ステップ2:(R)−2−アミノ−6−フルオロヘキサン酸[I−109]:
【0502】
(R)−tert−ブチル2−(ジフェニルメチレンアミノ)−6−フルオロヘキサノエート(300mg、0.81mmol)のジオキサン(10mL)およびHCl(水性6M)中溶液を、室温で16時間、撹拌した。この混合物をエーテルおよび水により抽出した。pHを3〜4に調整した後、水層をEAにより抽出した。有機層をHPLCにより精製すると、(R)−2−アミノ−6−フルオロヘキサン酸[I−109]が白色固体(35mg、0.23mmol、29%)として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):150.2[M+H]
+。1H NMR (500 MHz, D2O) δ 4.505 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.410 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.823 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.906-1.827 (m, 2H), 1.722-1.639 (m, 2H) , 1.485-1.399 (m, 2H).
【0503】
(実施例198)メチル2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタノエート(I−198):
【化114】
合成スキーム:
【化115】
手順および特性決定:
【0504】
ステップ1:4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブタ−2−エナミド:
【0505】
ヘキサフルオロアセトン三水和物(30g、136mmol)の撹拌溶液に、1時間かけてゆっくりとH
2SO
4(100mL、濃)を滴下して加え、気体のヘキサフルオロアセトンをN−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニルホスホラニリデン)−アセトアミド(10g、27.5mmol)のTHF(200mL)中溶液に導入した。この混合物を室温において16時間、撹拌した。次に、石油エーテル(200mL)を加え、白色沈殿物をろ別した。このろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1〜3/1)により精製すると、4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブタ−2−エナミド(6.2g、24.7mmol、90%)が少量の油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):252.1[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): δ 7.15 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.26 (s, 3H).
【0506】
ステップ2:4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブタンアミド:
【0507】
4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブタ−2−エナミド(4.5g、17.9mmol)、Pd(OH)
2/C(620mg)のMeOH(100mL)中混合物を、水素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、ろ過して濃縮すると、4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブタンアミド(1.8g、7.1mmol、40%)が少量の油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):254.1[M+H]
+。
【0508】
ステップ3:4,4,4−トリフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタナール:
【0509】
4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブタンアミド(1.8g、7.1mmol)のTHF(50mL)中溶液に、氷浴を用いてLiAlH
4(8.5mL、8.5mmol)を滴下して加え、1時間後、この混合物をクエン酸溶液(100mL)によりクエンチし、この溶液をEt
2O(100mL×2)により抽出し、有機相をブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、この溶液を次のステップに使用した。
【0510】
ステップ4:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンニトリル:
【0511】
上の4,4,4−トリフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブタナールのEt
2O(200mL)中溶液に、氷浴を用いて、ベンジルアミン(2mL)、AcOH(2mL)、次に、TMSCN(2mL)を加え、この溶液を0〜室温で17時間、撹拌し、次に、EtOAc(100mL)により希釈した。この溶液をH
2O(100mL×2)により洗浄し、次に、濃縮すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンニトリル(2.1g、粗製)が褐色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):311.2[M+H]
+。
【0512】
ステップ5:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸:
【0513】
2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンニトリル(2.1g、粗製)の濃HCl(50mL)およびAcOH(10mL)中溶液を40時間、100℃に加熱した。この混合物を濃縮して溶媒を除去し、1M NaOH溶液によりpHを12に調整し、PE(100mL)により抽出し、6M HClを用いて水相のpHを5〜6に調整すると白色固体が形成し、ろ過してフィルターケーキを水(50mL)により洗浄し、真空で乾燥すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(1.0g、3.0mmol、42%、3ステップ)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):272.0。
【0514】
ステップ6:メチル2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタノエート:
【0515】
2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(800mg、2.4mmol)のHCl/MeOH(50mL、2M)中溶液を、17時間、75℃に加熱した。この溶液を濃縮して、分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10|Im移動相:A:0.1% TFA;B:ACN)により精製すると、メチル2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタノエート(120mg、0.35mmol、15%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):344.1[M+H]
+。
【0516】
ステップ7:メチル2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタノエートトリフルオロ酢酸:
【0517】
メチル2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタノエート(100mg、0.30mmol)、HCOONH
4(92mg、1.5mmol)およびPd/C(10%、20mg)のMeOH(10mL)中混合物を1時間、65℃に加熱した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、メチル2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタノエートトリフルオロ酢酸(76mg、0.21mmol、70%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):254.1[M+H]
+。
1H NMR (500 MHz, MeOD-d
4) δ 4.26 (dd, J = 7.5 Hz, J = 6.0 Hz, 1H), 3.91 (m, 4H), 2.49 (dd, J = 8.5 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 2.33-2.37 (m, 1H).
【0518】
(実施例164)(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(I−164):
【化116】
合成スキーム:
【化117】
手順および特性決定:
【0519】
ステップ1:2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸:
【0520】
2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(480mg、1.46mmol)およびPd(OH)
2/C(20%、100mg)のAcOH(15mL)溶液を、水素下、35℃で17時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮すると、2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(460mg、粗製)が白色固体(solild)として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):240.2[M+H]
+。
【0521】
ステップ2:(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸:
【0522】
2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(460mg、粗製)およびNaHCO
3(368mg、4.38mmol)のアセトン(30mL)およびH
2O(30mL)中溶液に、氷浴を用いて、CbzOSu(727mg、2.92mmol)を加えた。17時間後、この反応(raction)混合物のpHを1M HCl溶液により3〜4に調整し、この溶液をEtOAc(50mL×2)により抽出してブライン(50mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)して、ろ過して真空で濃縮し、粗生成物を逆相シリカゲルクロマトグラフィー、次に、キラル分取HPLC[カラム、CC4 4.6
*250mm 5um;溶媒、MeOH(0.2%メタノールアンモニア)]によって精製すると(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(27mg、0.072mmol、5%、2ステップ)および(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(22mg、0.059mmol、4%、2ステップ)が2つの無色油状物として得られた。ESI−MS(E
I+、m/z):396.0[M+Na]
+。
【0523】
ステップ3:(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸:
【0524】
(S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸(27mg、0.072mmol)およびPd/C(10%、5mg)のMeOH(10mL)中混合物を室温で1時間、撹拌した。この溶液をろ過し、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、(S)−2−アミノ−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン酸[I−164](8.5mg、0.036mmol、49%)が白色固体として得られた。MS(EI
+、m/z):240.2[M+H]
+。
1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 3.74-3.80 (m, 2H), 2.88-2.31 (m, 1H), 1.91-2.20 (m, 1H).
【0525】
(実施例203)2−アミノ−4−シクロペンチルブタン酸[I−203]:
【化118】
合成スキーム:
【化119】
【0526】
手順および特性決定:
【0527】
ステップ1:2−シクロペンチルアセトアルデヒド:
【0528】
3−シクロペンチルプロパン−1−オール(2.0g、17.5mmol)のDMSO(40mL)中溶液に、氷浴下、IBX(7.35g、26.3mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、Et
2O(100mL×2)により抽出し、有機相を水(100mL×3)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、この溶液を次のステップに使用した。
【0529】
ステップ2:(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロペンチルブタ−2−エノエート:
【0530】
ウィッティヒ試薬(2.5g、6.8mmol)のTHF(50mL)中溶液に、氷浴を用いて、NaOt−Bu(785mg、8.2mmol)を加えた。1時間後、上の2−シクロペンチルアセトアルデヒドのEt
2O(200mL)中溶液を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、EA(100mL×2)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/20)によって精製すると、(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロペンチルブタ−2−エノエート(1.0g、3.1mmol、45%、2ステップ)が無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):326.2[M+H]
+。
【0531】
ステップ3:tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロペンチルブタノエート:
【0532】
(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロペンチルブタ−2−エノエート(240mg、0.74mmol)、HCOONH
4(233mg、3.7mmol)およびPd/C(10%、30mg)のMeOH(15mL)中混合物を、4時間、加熱して還流した。この混合物をろ過して濃縮し、Et
2O(50mL)により希釈し、水(50mL)およびブライン(50mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロペンチルブタノエート(224mg、0.69mmol、93%)が無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):328.2[M+H]
+。
【0533】
ステップ4:2−アミノ−4−シクロペンチルブタン酸:
【0534】
tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロペンチルブタノエート(224mg、0.69mmol)の6M HCl(20mL)およびジオキサン(10mL)中溶液を2時間、70℃に加熱した。この混合物を真空で濃縮し、水(30mL)により希釈し、Et
2O(20mL×2)により抽出して、ろ液を濃縮乾固すると、2−アミノ−4−シクロペンチルブタン酸(114.9mg、0.52mmol、81%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):172.3[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, D
2O): δ 3.91 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.82-1.89 (m, 2H), 1.66-1.72 (m, 3H), 1.28-1.52 (m, 6H), 1.00-1.01 (m, 2H).
【0535】
(実施例202)2−アミノ−5−シクロペンチルペンタン酸[I−202]:
【化120】
合成スキーム:
【化121】
手順および特性決定:
【0536】
ステップ1:3−シクロペンチルプロパナール:
【0537】
3−シクロペンチルプロパン−1−オール(1.0g、7.8mmol)のDMSO(20mL)中溶液に、氷浴下、IBX(3.28g、11.7mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この反応混合物を水(100mL)に注ぎ入れ、Et
2O(60mL×2)により抽出し、有機相を水(100mL×3)およびブライン(100mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、この溶液を次のステップに使用した。
【0538】
ステップ2:(E)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−シクロペンチルペンタ−2−エノエート:
【0539】
ウィッティヒ試薬(500mg、1.36mmol)のTHF(15mL)中溶液に、氷浴を用いて、NaOt−Bu(157mg、1.63mmol)を加えた。1時間後、上の3−シクロペンチルプロパナールのEt
2O(100mL)中溶液を加えた。この混合物を室温まで温め、一晩、撹拌した。この溶液を水(200mL)により希釈し、EtOAc(100mL)により抽出し、有機相を水(100mL×2)およびブライン(100mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/20)によって精製すると、(E)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−シクロペンチルペンタ−2−エノエート(250mg、0.74mmol、9.5%、2ステップ)が無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):340.2[M+H]
+。
【0540】
ステップ3:tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−シクロペンチルペンタノエート:
【0541】
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−シクロペンチルペンタ−2−エノエート(250mg、0.74mmol)およびPd/C(10%、30mg)のMeOH(15mL)中混合物を、水素下、室温で17時間、撹拌した。この混合物をろ過して濃縮すると、tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−シクロペンチルペンタノエート(250mg、0.73mmol、99%)が無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):342.2[M+H]
+。
【0542】
ステップ4:2−アミノ−5−シクロペンチルペンタン酸:
【0543】
6M HCl(20mL)およびジオキサン(10mL)中の2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−シクロペンチルペンタノエート(250mg、0.73mmol)の溶液を5時間、80℃に加熱した。この混合物を真空で濃縮し、水(30mL)により希釈し、Et
2O(20mL×2)により抽出して、ろ液を濃縮乾固すると、2−アミノ−5−シクロペンチルペンタン酸(115mg、0.52mmol、71%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):186.2[M+H]
+。
1H-NMR (400 MHz, D
2O): δ 3.84 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.79-1.84 (m, 2H), 1.61-1.67 (m, 3H), 1.25-1.49 (m, 8H), 0.95-0.99 (m, 2H.
【0544】
(実施例197)2−アミノ−N−シクロペンチル−3,3−ジフルオロ−N,4−ジメチルペンタンアミド[I−197]の合成:
【化122】
合成スキーム:
【化123】
手順および特性決定:
【0545】
ステップ1:2−(ベンジルアミノ)−N−シクロペンチル−3,3−ジフルオロ−N,4−ジメチルペンタンアミド:
【0546】
2−(ベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−4−メチルペンタン酸(80mg、0.31mmol)、N−メチルシクロペンタンアミン(62mg、0.62mmol)、HATU(141mg、0.37mmol)およびEt
3N(94mg、0.93)のDMF(2mL)中混合物を、室温で3時間、撹拌した。この混合物を分取HPLC(Boston C18 21
*250mm 10|Im 移動相:A:0.1%TFA;B:ACN)により精製すると、2−(ベンジルアミノ)−N−シクロペンチル−3,3−ジフルオロ−N,4−ジメチルペンタンアミド(45mg、0.13mmol、43%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):339.0。
【0547】
ステップ2:2−アミノ−N−シクロペンチル−3,3−ジフルオロ−N,4−ジメチルペンタンアミド:
【0548】
2−(ベンジルアミノ)−N−シクロペンチル−3,3−ジフルオロ−N,4−ジメチルペンタンアミド(45mg、0.13mmol)、HCOONH
4(41mg、0.65mmol)およびPd/C(10%、10mg)のMeOH(5mL)中混合物を1時間、60℃に加熱した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、2−アミノ−N−シクロペンチル−3,3−ジフルオロ−N,4−ジメチルペンタンアミド(16.3mg、0.066mmol、49%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):249.2 1H NMR (500 MHz, MeOD-d
4) δ 5.26 (dd, J = 15.5 Hz, J = 6.0 Hz, 0.5H), 5.08 (dd, J = 16.5 Hz, J = 5.0 Hz, 1H), 4.28-4.31 (m, 0.5H), 2.97 (d, J = 48.5 Hz, 3H), 2.38 (m, 1H), 1.65-1.99 (m, 8H), 11.16 (dt, J = 6.5 Hz, J = 3.0 Hz, 6H).
【0549】
(実施例196)2−アミノ−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸[I−196]。
【化124】
合成スキーム:
【化125】
手順および特性決定:
ステップ1:3−ヒドロキシ−N−メトキシ−N,2,2−トリメチルプロパンアミド:
【0550】
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(10g、84.7mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(16.4g、101.7mmol)、EDCI(24.4g、127.1mmol)、HOBT(17.2g、127.1mmol)およびDIPEA(28mL、169.5mmol)のDMF(200mL)中混合物を、室温で16時間、撹拌した。この反応混合物をEtOAc(200mL×3)および水(100mL)により抽出し、有機層を合わせて1N HCl(30mL
*2)、1N NaHCO
3(30mL×2)およびブライン(50mL)により洗浄し、乾燥して濃縮すると残留物が得られ、これをクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/2)により精製すると、3−ヒドロキシ−N−メトキシ−N,2,2−トリメチルプロパンアミド(6.9g、50%)が無色(corlorless)油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):162.2[M+H]
+。
ステップ2:3−フルオロ−N−メトキシ−N,2,2−トリメチルプロパンアミド:
【0551】
−78℃に冷却した3−ヒドロキシ−N−メトキシ−N,2,2−トリメチルプロパンアミド(4.5g、27.9mmol)のDCM(40mL)中混合物に、DAST(7.4mL、55.9mmol)を滴下して加えた。次に、室温で1〜2時間、撹拌し、再度−78℃まで冷却して、DAST(4mL、27.9mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を室温でさらに1時間、撹拌した。この反応混合物を−78℃に冷却し、飽和NH
4Cl(15mL)をゆっくりと加え、DCM(50mL)を加え、有機層を分離し、飽和NH
4Cl(30mL)、ブライン(30mL×2)により洗浄して乾燥し、濃縮すると残留物が得られ、これをクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/4)により精製すると、3−フルオロ−N−メトキシ−N,2,2−トリメチルプロパンアミド(1.9g、28%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):164.2[M+H]
+。
ステップ3:3−フルオロ−2,2−ジメチルプロパナール:
【0552】
0℃に冷却した3−フルオロ−N−メトキシ−N,2,2−トリメチルプロパンアミド(1.0g、61.3mmol)のTHF(10mL)中混合物に、LiAlH
4(6.1mL、61.3mmol、THF中の1M)を滴下して加えた。次に、この温度で0.5〜1時間、撹拌した。NH
4Cl(10mL)をゆっくりと加え、Et
2O(20mL×3)により抽出し、水(15mL×2)およびブライン(15mL)により洗浄して乾燥し、次のステップに直接、使用した。ESI−MS(EI
+、m/z):MSはなし。
ステップ4:(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタ−2−エノエート:
【0553】
3−フルオロ−2,2−ジメチルプロパナール(約630mg、6.1mmol、上のステップからのEt
2O溶液)、tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ジエトキシホスホリル−アセテート(2.25g、6.1mmol)およびt−BuONa(1.2g、12.3mmol)のTHF(15mL)中混合物を、室温で16時間、撹拌した。飽和NH
4Cl(15mL)を加え、EA(30mL×3)により抽出し、有機相を合わせて、水(15mL)およびブライン(15mL)により洗浄し、乾燥して濃縮すると、残留物が得られ、これをクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテルからDCM)によって精製すると、(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタ−2−エノエート(190mg、0.60mmol、8%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI+、m/z):206[M−111]
+。
ステップ5:tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタノエート:
(Z)−tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタ−2−エノエート(190mg、0.60mmol)およびPd/C(10%、30mg)のIPA(15mL)中混合物を、水素下、室温で17時間、撹拌した。この混合物をろ過して濃縮すると、tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタノエート(200mg、粗製)が無色液体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):342.2[M+Na]
+。
ステップ6:2−アミノ−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタン酸トリフルオロ酢酸:
tert−ブチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−フルオロ−4,4−ジメチルペンタノエート(200mg、粗製)の6M HCl(20mL)およびジオキサン(10mL)中溶液を17時間、50℃に加熱した。この混合物を真空で濃縮し、水(30mL)により希釈し、Et
2O(20mL×2)により抽出して、ろ液を真空で濃縮し、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、2−アミノ−5−シクロペンチルペンタン酸トリフルオロ酢酸塩(31.7mg、0.11mmol、19%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):164.2[M+H]
+。
1H-NMR (500 MHz, D
2O): δ 4.16 (d, J = 47.5 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 2.03 (dd, J = 15.5 Hz, J = 5.5 Hz, 1H), 1.71 (dd, J = 15.5 Hz, J = 6.0 Hz, 1H), 0.91 (dd, J = 15.0 Hz, J = 2.0 Hz, 6H).
【0554】
(実施例186)2,4−ジアミノ−4−メチルペンタン酸[I−186]の合成:
【化126】
合成スキーム:
【化127】
【0555】
手順および特性決定:
【0556】
ステップ1:tert−ブチル4−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメート:
【0557】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(1g、4.61mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(536mg、5.53mmol)、HATU(2.26g、5.99mmol)のDMF(15mL)中溶液に、DIPEA(1.49g、11.53mmol)を加えた。この溶液を室温で2時間、撹拌し、次に、この混合物をブライン(100mL)により希釈し、EtOAc(50mL×2)により抽出した。合わせた有機層を濃縮して、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/3)により精製すると、tert−ブチル4−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメート(1.0g、3.8mmol、82%)が無色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):261.2[M+H]
+。
【0558】
ステップ2:tert−ブチル2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメート:
【0559】
tert−ブチル4−(メトキシ(メチル)アミノ)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメート(3.8g、14.6mmol)のTHF(50mL)中溶液に、室温でLiAlH
4(16mL、THF中の1M)を加えた。この溶液を室温で2時間、撹拌し、Na
2SO
4.10H
2Oによりクエンチしてろ過し、THFにより洗浄すると、tert−ブチル2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメートが黄色溶液(THF(110mL)中、約14mmol)として得られた。MS(EI
+、m/z):146.3[M+H−56]
+。
【0560】
ステップ3:tert−ブチル4−(ベンジルアミノ)−4−シアノ−2−メチルブタン−2−イルカルバメート:
【0561】
tert−ブチル2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバメート(粗製、THF(110mL中、約14mmol)溶液に、BnNH
2(2.2mL)およびAcOH(2.2mL)を加えた。この溶液を室温で10分間、撹拌した。TMSCN(2.2mL)を加えた。この混合物を室温で17時間、撹拌した。次に、この反応混合物を濃縮して、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル=1/4)により精製すると、tert−ブチル4−(ベンジルアミノ)−4−シアノ−2−メチルブタン−2−イルカルバメート(670mg、2.11mmol、15%)が黄色ドープとして得られた。MS(EI
+、m/z):318.3[M+H]
+。
【0562】
ステップ4:tert−ブチル5−アミノ−4−(ベンジルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタン−2−イルカルバメート:
【0563】
tert−ブチル4−(ベンジルアミノ)−4−シアノ−2−メチルブタン−2−イルカルバメート(640mg、2.00mmol)、K
2CO
3(550mg、3.98mmol)のDMSO(16mL)中混合物に、30%H
2O
2(0.64mL、5.67mmol)を加え、室温で17時間、撹拌した。次に、この反応混合物をH
2O(200mL)により希釈し、EtOAc(100mL×2)により抽出した。合わせた有機層を濃縮すると、2−(ベンジルアミノ)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(粗製890mg)が黄色ドープとして得られた。MS(EI+、m/z):336.0[M+H]
+。
【0564】
ステップ5:2−(ベンジルアミノ)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸:
【0565】
tert−ブチル5−アミノ−4−(ベンジルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタン−2−イルカルバメート(粗製890mg、約2.0mmol)、KOH(406mg、7.25mmol)のエタン−1,2−ジオール(9mL)およびH
2O(9mL)中混合物を、100℃で5時間、撹拌した。次に、この反応混合物をブライン(200mL)により希釈して、THF/EA=2:1(90mL×5)により抽出し、有機層を合わせ、濃縮して逆HPLC(Boston C18 21
*250mm 10μm、移動相:A:0.1%トリフルオロ酢酸;B:アセトニトリル)により精製すると、2−(ベンジルアミノ)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(120mg、0.36mmol、18%)が白色固体として得られた。MS(EI+、m/z):337.3[M+H]
+。
【0566】
ステップ6:2−アミノ−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸:
【0567】
2−(ベンジルアミノ)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(140mg、0.42mmol)、HCOONH
4(132mg、2.1mmol)およびPd/C(10%、20mg)のMeOH(15mL)中混合物を1時間、60℃に加熱した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、2−アミノ−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(60mg、0.24mmol、58%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):247.2。
【0568】
ステップ7:2,4−ジアミノ−4−メチルペンタン酸:
【0569】
6M HCl(10mL)およびジオキサン(0mL)中の2−アミノ−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチルペンタン酸(60mg、0.24mmol)の溶液を室温で17時間、撹拌した。この溶液を真空で濃縮すると、2,4−ジアミノ−4−メチルペンタン酸(51.8mg、0.236mmol、97%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):147.1 1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 4.04 (dd, J = 9.5 Hz, J = 3.5 Hz, 1H), 2.32 (dd, J = 15.0 Hz, J = 9.5 Hz, 1H),1.94 (dd, J = 15.0 Hz, J = 3.0 Hz, 1H), 1.38 (dd, J = 9.5 Hz, J = 5.0 Hz, 6H).
【0570】
(実施例199)4,4,4−トリフルオロ−3−メチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン[I−199]の合成:
【化128】
合成スキーム:
【化129】
手順および特性決定:
【0571】
ステップ1:N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)アセトアミド:
【0572】
アセトニトリル(200mL)中の2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(13.7g、0.1mol)およびトリフェニルホスファン(26.2g、0.1mol)の混合物を80℃まで加熱し、20時間、保持した。この混合物を冷却し、40℃未満で濃縮して溶媒を除去した。残留物をジクロロメタン(200mL)、次いで2N KOH(100mL)に溶解した。得られた混合物を20℃で1時間、撹拌した。有機層をブライン(200mL×3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥してろ過した。ろ液を真空で濃縮すると、N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)アセトアミド(36g、0.1mol、98%)が黄色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):364.4[M+H]
+。
【0573】
ステップ2:(E)−4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルブタ−2−エナミド:
【0574】
テトラヒドロフラン(500mL)中のN−メトキシ−N−メチル−2−(トリフェニル−l5−ホスファニリデン)アセトアミド(36.3g、0.1mol)および1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オン(22.4g、0.2mol)の混合物を20℃に加熱し、20時間、保持した。この混合物を冷却し、40℃未満で真空で濃縮して溶媒を除去した。石油エーテル中、0から25%の酢酸エチルにより溶出するシリカゲルカラム(200g、200〜300メッシュ、UV254nm)により、残留物を精製すると、(E)−4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルブタ−2−エナミド(19.5g、0.1mol、98%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):198.2[M+H]
+。
【0575】
ステップ3:4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルブタンアミド:
【0576】
(E)−4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルブタ−2−エナミド(2g、0.01mol)およびPd/C(10%、200mg)のTHF(50mL)中混合物を、26℃で18時間、撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮乾固すると、4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルブタンアミド(2g、0.01mol、98%)が黄色油状物として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):200.2[M+H]
+。
【0577】
ステップ4:4,4,4−トリフルオロ−3−メチルブタナール:
【0578】
4,4,4−トリフルオロ−N−メトキシ−N,3−ジメチルブタンアミド(2g、0.01mol)のTHF(40mL)中溶液に、0℃でLiAlH
4(0.4g、0.01mol)を加えた。この混合物を0℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を水、次いでメチルtert−ブチルエーテル(30mL×2)によりクエンチした。有機層をブライン(50mL×3)により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥してろ過した。ろ液を含有すると、4,4,4−トリフルオロ−3−メチルブタナール(1.4g、粗製)が無色溶液として得られ、これを次のステップに直接使用した。
【0579】
ステップ5:2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタンニトリル:
【0580】
上の4,4,4−トリフルオロ−3−メチルブタナールのメチルtert−ブチルエーテル(100mL)中溶液に、氷浴を用いてベンジルアミン(1.5mL)、AcOH(1.0mL)、次に、TMSCN(1.5mL)を加えた。この混合物を20℃まで温め、一晩、撹拌した。この溶液を水(30mL)により希釈し、EtOAc(30mL)により抽出した。有機相を水(30mL×2)およびブライン(50mL)により洗浄して乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタンニトリル(2.6g、粗製)が褐色油状物として得られ、これを次のステップに使用した。ESI−MS(EI
+、m/z):257.3[M+H]
+。
【0581】
ステップ6:N−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−3−メチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン:
【0582】
2−(ベンジルアミノ)−5,5,5−トリフルオロ−4−メチルペンタンニトリル(0.3g、粗製)のDMF(10mL)中溶液に、NH
4Cl(0.15g、0.003mol)およびNaN
3(0.21g、0.003mol)を加え、18時間、95℃に加熱した。この溶液を15℃に冷却して、EtOAc(20mL)により抽出し、有機相を水(20mL×2)およびブライン(20mL)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過して真空で濃縮すると、N−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−3−メチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン(0.1g、0.5mmol、3ステップで33%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):300.3[M+H]
+。
【0583】
4,4,4−トリフルオロ−3−メチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミントリフルオロ酢酸:
【0584】
N−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−3−メチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミン(160mg、0.54mmol)のMeOH(15mL)中溶液に、室温でHCOONH
4(0.17g、2.7mmol)およびPd/C(30mg)を加えた。この混合物を60℃で2時間、撹拌した。この反応混合物をろ過して濃縮すると、粗生成物が得られ、これを逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、4,4,4−トリフルオロ−3−メチル−1−(2H−テトラゾール−5−イル)ブタン−1−アミントリフルオロ酢酸(72.8mg、0.23mmol、42%)が白色固体として得られた。ESI−MS(EI
+、m/z):210.2[M+H]
+;1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 4.67-4.93 (m, 1H), 2.31 - 2.41 (m, 1H), 2.00-2.12 (m, 2H), 0.99 (dd, J = 16.8, J = 6.4 Hz, 6H).
【0585】
(実施例210)ウエスタンブロットアッセイ
【0586】
このスクリーニングアッセイは、HEK293T細胞から安定して発現されたFLAG−WDR24の免疫沈降によって精製したGATOR2/セストリン2複合体に対して、試験化合物の活性をin vitroで測定した。HEK293T細胞(293T)は、レンチウイルスよる形質導入によって、N−末端にタグ付けされたFLAG−WDR24を安定して発現するよう遺伝子工学的に操作した。レンチウイルスは、XTremeGene9トランスフェクト試薬(Roche Diagnostics)を使用して、レンチウイルス導入ベクターpLJM60をΔVPRエンベロープおよびCMV VSV−Gパッケージングプラスミドと共に、HEK−293T細胞に共トランスフェクトすることにより生成した。培地はトランスフェクトの24時間後に、30%の不活性化ウシ血清を補給したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に変更した。ウイルス含有上澄み液をトランスフェクトの48および72時間後に採集し、0.45μmフィルターに通して、細胞を取り除いた。6ウェルの組織培養プレートにおける標的細胞を、8μg/mLのポリブレンを含有する培地中で感染させて、2,200rpmで1時間の遠心分離によって、スピン感染を行った。感染の24時間後、ウイルスを除去し、適切な抗生物質を用いて細胞を選択した。次に、10%のウシ胎児血清および抗生物質を補給したDMEM中で、細胞を成長させた。
【0587】
ロイシン模倣体化合物をスクリーニングするため、2,000,000個のFLAG−WDR24発現293T細胞を、10cmの組織培養プレートでプレート培養した。72時間後、アミノ酸を配合しておらず、かつ5mMグルコース(−AA RPMI、US Biological Life Sciences)を補給した標準RPMI培地中に細胞を1時間置き、次に、続いて、溶解緩衝液(40mM HEPES、1%Triton、10mM β−グリセロリン酸ナトリウム、10mMピロリン酸ナトリウム、2.5mM MgCl2およびプロテアーゼ阻害剤)に溶解した。FLAG−WDR24/内在性セストリン2複合体を単離するため、1mlの分量の粗製溶解物(全タンパク質2〜4mgに等価)に、抗flag樹脂(SIGMA)30μlを用いる免疫沈降を4℃で2時間、施し、冷溶解緩衝液および0.5M NaCl中で2回、洗浄し、1mlの冷細胞質緩衝液(40mM HEPES pH7.4、140mM KCl、10mM NaCl、2.5mM MgCl2、0.1%TritonX−100)に再懸濁させた。次に、試験化合物または対照(得られた溶液をろ過したか、またはロイシン)を、様々な濃度の免疫沈降試料のそれぞれに加え、4℃で60分間、回転しながらインキュベートした。インキュベート期間の後、試料を遠心分離にかけて、抗flag樹脂に結合したFLAG−WDR24/内在性セストリン2複合体をペレットにし、上澄み液を完全に除去して、樹脂をSDS−PAGE試料緩衝液中で再懸濁し、5分間、煮沸した。次に、試料をSDS−PAGEにより処理し、L. Chantranupongら、Cell Reports 9巻:1〜8頁(2014年)に記載されている通り、抗FLAG(SIGMA)および抗セストリン2(Cell Signaling Technology)抗体を用いてウエスタンブロットを行った。
【0588】
得られたウエスタンブロットを走査し、LI−COR(登録商標)イメージングプラットフォームを使用して、セストリン2およびFLAG−WDR24に対応するバンド強度を定量した。各条件に関して、GATOR2に結合したセストリン2の量を決定するため、セストリン2のバンド強度をFLAG−WDR24のバンド強度に正規化した。試験化合物の各回分に関して、ネガティブ対照(得られた溶液をろ過した)およびポジティブ対照(ロイシン、25μM、SIGMA)も行った。ロイシンによってFLAG−WDR24に結合した内在性セストリン2の欠損が、100%活性を表すように正規化した。化合物は、2連でアッセイし、各化合物の活性は、ロイシン活性の割合として定量し、平均した。アッセイを繰り返して試みると、水と比べて、ロイシンの平均活性は20%の標準偏差となった。したがって、2連で、25μMにおいて、GATOR2に結合したセストリン2の量が少なくとも40%低下したことは、統計的に有意と見なされ、ロイシン模倣体として特徴付けられた。一部の化合物では、FLAG−WDR24に結合したセストリン2の量が増加した。GATOR2に結合したセストリン2の量を40%より多く増加させた化合物(ロイシン活性の−40%未満として表される)は、ロイシンアンタゴニストとして特徴付けられた。
【0589】
(実施例211)セストリン2およびセストリン2/GATOR2相互作用時における、ロイシンの活性を模倣するまたは拮抗する化合物を特定する方法
【0590】
導入
【0591】
セストリン1およびセストリン2は、不十分なロイシンレベル下では、GATOR2構成成分であるWDR24およびSeh1Lにより、GATOR2と相互作用する。ロイシンが十分にある条件下では、ロイシンは、セストリン2に直接、結合し、GATOR2からセストリン2の解離を引き起こす。以下の方法の目的は、セストリン2への結合およびセストリン2/GATOR2の撹乱における、ロイシンの作用を模倣する化合物を特定することである。さらに、この方法は、セストリン2へのロイシンの結合を拮抗する化合物、およびロイシンに応答して、GATOR2からセストリン2が解離するの阻止する化合物を特定する。
【0592】
方法1(in vitro PPIアッセイ)
【0593】
このスクリーニングアッセイは、HEK293T細胞から安定して発現されたFlag−WDR24の免疫沈降によって精製したGATOR2/セストリン2複合体に対して、化合物の活性をin vitroで測定した。HEK293T細胞(293T)は、レンチウイルスよる形質導入によって、N−末端にタグ付けされたFlag−WDR24を安定して発現するよう遺伝子工学的に操作した。レンチウイルスは、XTremeGene9トランスフェクト試薬を使用して、レンチウイルス導入ベクターpLJM60をΔVPRエンベロープおよびCMV VSV−Gパッケージングプラスミドと共に、HEK−293T細胞に共トランスフェクトすることにより生成した。培地はトランスフェクトの24時間後に、30%の不活性化ウシ血清を補給したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に変更した。ウイルス含有上澄み液をトランスフェクトの48および72時間後に採集し、0.45μmフィルターに通して、細胞を取り除いた。6ウェルの組織培養プレートにおける標的細胞を、8μg/mLのポリブレンを含有する培地中で感染させて、2,200rpmで1時間の遠心分離によって、スピン感染を行った。感染の24時間後、ウイルスを除去し、適切な抗生物質を用いて細胞を選択した。次に、10%のウシ胎児血清および抗生物質を補給したDMEM中で、細胞を成長させる。
【0594】
ロイシン模倣体化合物をスクリーニングするため、2,000,000個のFlag−WDR24発現293T細胞を、10cmの組織培養プレートでプレート培養する。72時間後、アミノ酸を配合しておらず、かつ5mMグルコース(−AA RPMI、USBiological Life Sciences)を補給した標準RPMI培地中に細胞を1時間、置き、次に、続いて、溶解緩衝液(40mM HEPES、1%Triton、10mMベータ−グリセロリン酸ナトリウム、10mMピロリン酸ナトリウム、2.5mM MgCl
2およびプロテアーゼ阻害剤)に溶解した。Flag−WDR24/内在性セストリン2複合体は、以下の通り単離した:1mlの分量の粗製溶解物(全タンパク質2〜4mgに等価)に、抗flag樹脂(SIGMA)30μlを用いる免疫沈降(IP)を4℃で2時間、施し、冷溶解緩衝液および0.5M NaCl中で2回、洗浄し、1mlの冷細胞質緩衝液(40mM HEPES pH7.4、140mM KCl、10mM NaCl、2.5mM MgCl2、0.1%TritonX−100)に再懸濁させた。次に、化合物を25μMの所与の濃度で各試料に加え、4℃で30分間、回転しながらインキュベートした。インキュベート期間の後、試料を遠心分離にかけて、抗flag樹脂に結合したFlag−WDR24/内在性セストリン2複合体をペレットにし、上澄み液を完全に除去して、樹脂をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)試料緩衝液中に再懸濁し、5分間、煮沸した。次に、試料をSDS−PAGEにより処理し、L. Chantranupongら、Cell Reports 9巻:1〜8頁(2014年)に記載されている通り、抗Flag(SIGMA)および抗セストリン2(Cell Signaling Technology)抗体を用いてウエスタンブロットを行う。
【0595】
得られたウエスタンブロットを走査し、LI−COR(登録商標)イメージングプラットフォームを使用して、セストリン2およびFlag−WDR24に対応するバンド強度を定量した。各条件に関して、GATOR2に結合したセストリン2の量を決定するため、セストリン2のバンド強度をFlag−WDR24のバンド強度に正規化した。試験化合物の各回分に関して、ネガティブ対照(水)およびポジティブ対照(ロイシン、25μM、SIGMA)も行った。ロイシンによってFlag−WDR24に結合した内在性セストリン2の欠損は、100%活性を表すように正規化する。化合物は、2連でアッセイし、各化合物の活性は、ロイシン活性の割合として定量し、平均する。試験化合物から定量したデータの一覧表示を表3に示す。アッセイを繰り返して試みると、水と比べて、ロイシンの平均活性は20%の標準偏差となった。したがって、25μMにおいて、2連のどちらもGATOR2に結合したセストリン2の量が少なくとも40%低下した化合物は、統計的に有意と見なされ、ロイシン模倣体と称した。一部の化合物では、Flag−WDR24に結合したセストリン2の量が増加した(表3中のロイシンのネガティブ活性率として示す)。−40%未満のロイシン活性を示した化合物もやはり、適合した(hits)と見なされ、ロイシンアンタゴニストと称した。
【0596】
方法2(細胞をベースとするmTORC1活性化)
【0597】
インタクトな細胞における、ロイシン模倣体として特定した化合物の有効性を実証するため、ロイシン飢餓後に化合物処置に応答したmTORC1のシグナル伝達を、ウエスタンブロット法によって測定した。ロイシン飢餓時に、外因性ロイシンを添加すると、Wang, S.、Tsun, Z.ら、Science 347巻(6218号):188〜194頁(2015年)に記載されている通り、ロイシンの添加の10〜90分後にシグナル伝達を測定すると、mTORC1が活性化される。したがって、ロイシン模倣体として特定された化合物が、同様の様式で、mTORC1を活性化するかどうかを試験する同様のアッセイを設計した。簡潔に言うと、10%ウシ胎児血清および抗生物質を補給したDMEM中で、800,000個のHEK293T細胞を6ウェルプレートの各ウェルでプレート培養した。翌日、細胞をロイシンを含まない改変DMEM(Thermo Scientific)または血清を含まない改変DMEMに1時間、置き、次いで、10分間より長いある期間、所与の濃度でロイシン模倣体を添加(n=3)した。次に、細胞を溶解して、SDS−PAGEの処理を行い、Kang,S.A.ら、Science 341巻(6144号):364〜374頁(2013年)に記載されている通り、mTORC1基質であるリン酸化S6キナーゼ(Thr389)、およびリン酸化4EBP1(Thr37/46)(Cell Signaling Technology)、および負荷対照(ベータ−アクチン、Santa Cruz Biotechnology)を対象とする抗体を用いてウエスタンブロット法を行った。次に、LI−COR(登録商標)イメージングプラットフォームを使用して、リン酸化基質に対応するバンドの強度を、アクチンのバンドに対して正規化した。化合物により処置されていないロイシン飢餓細胞に対して、mTORC1シグナル伝達を著しく増加させる(スチューデントt検定、p<0.05)化合物は、細胞において活性があると見なした。ポジティブ対照として、ロイシン飢餓細胞に、ロイシンを60分間、100μMで加えた。
【0598】
方法3(細胞をベースとするmTORC1活性化)
【0599】
ロイシンアンタゴニストとして特定した化合物の有効性を実証するため、または弱いロイシン模倣体がインタクトな細胞においてロイシンの活性を増強するかどうか決定するため、上記と同じ枠組みであるが、以下を変更して繰り返した:細胞を、DMEM培地のないロイシン中で60分間(方法3に記載されている通り)、次いで、化合物中で、60分より長いまたはそれに等しいある期間の間(n=3)、置いた。化合物処置の後、細胞を60分間、30および100μMのロイシンにより刺激した。mTORC1シグナル伝達を、方法2に記載されているウエスタンブロット法によって測定した。30μMまたは100μMのどちらかで、ロイシンに応答したmTORC1の、アクチンで正規化したリン酸化基質のレベルを、統計的に有意な様式で(スチューデントt検定、p<0.05)低下させた化合物は、細胞において活性であると見なした。30μMまたは100μMのどちらかで、ロイシンに応答したmTORC1の、アクチンで正規化したリン酸化基質のレベルを、統計的に有意な様式で(スチューデントt検定、p<0.05)増加させた化合物は、細胞においてロイシン増強剤であると見なした。対照として、ロイシンを添加する前に、ロイシン飢餓細胞を予め水により処置した。あるいは、潜在的なロイシンアンタゴニストは、上記と同じであるが、ロイシン飢餓および刺激のない方法で、HEK293T細胞においてアッセイした。十分量の培養条件下で、化合物を処置した際に、mTORC1のシグナル伝達のベースラインが減衰するかどうかを決定するため、ウエスタンブロットを行った。
【0600】
方法4。
【0601】
細胞において、化合物が、セストリン2とGATOR2との間の相互作用をモジュレートすることができる能力を、方法2および3に記載されているが、10cmの組織培養用皿中でプレート培養した、安定的に発現したFlag−WDR24に遺伝子工学的に操作したHEK293T細胞において、アッセイを繰り返すことにより測定した。内因性セストリン2とFlag−WDR24との間の相互作用は、方法1に記載されている化合物の処置(n=3)後に、細胞から得た溶解物から測定した。簡潔に言うと、細胞処置後に、Flag−WDR24に結合した内在性セストリン2の量を測定するため、抗flag樹脂を用いて免疫沈降を行い、Flag−WDR24に結合した内在性セストリン2の量を測定するため、得られた試料にSDS−PAGEおよびウエスタンブロット法の処理を行った。統計的に有意な様式で(スチューデントt検定、p<0.05)、GATOR2に結合したセストリン2の量をモジュレートする化合物は、適合したと見なした。
【0602】
方法5(ALPHALisa細胞ベースアッセイ)
【0603】
プレートベースのフォーマットで、インタクトな細胞において、ロイシン模倣体として特定した化合物の有効性を実証するため、ロイシン飢餓後に化合物処置に応答したmTORC1のシグナル伝達を、AlphaLISAによって測定した。簡潔に言うと、T−75細胞培養フラスコ中、10%ウシ胎児血清を補給したDMEMで1,000,000個のHEK293T細胞をプレート培養した。細胞が集密度に達した後、それらの細胞を、ロイシン(Thermo Scientific)を含まず、10%の透析済みウシ胎児血清を含む、改変DMEMに、1時間、置いた。次に、細胞にトリプシン処理を施し、ロイシンを含まず、10%の透析済みウシ胎児血清を含むDMEM中、50,000個の細胞/ウェルで、96ウェルの黒色クリアボトムプレートに再度、プレート培養した。細胞を、2時間、プレートに接着させて、次いで、1時間より長いある期間、所与の濃度で化合物を添加(n=4)した。時間点に到達した後、細胞を溶解し、p−p70 S6K(Thr389)SureFire Ultra AlphaLISAキットにより、製造業者の指示書(http://www.perkinelmer.com/CMSResources/Images/44−176283MAN_SureFire_TGR70S_p70_pT389.pdf)に従ってアッセイした。化合物により処置されていないロイシン飢餓細胞に対して、mTORC1のシグナル伝達を著しく増加させる(スチューデントt検定、p<0.05)化合物は、mTORC1アクチベータであると見なした。化合物により処置されていないロイシン飢餓細胞に対して、mTORC1のシグナル伝達を著しく低下させる(スチューデントt検定、p<0.05)化合物は、細胞において阻害剤であると見なした。ポジティブ対照として、ロイシンは、化合物処置と等しい期間、ロイシン飢餓細胞に100uMで添加した。
【0604】
方法6、サーマルシフトプロトコル(Tmシフト):
【0605】
完全長の、コドン最適化ヒトセストリン2を、His−MBPタグと共にN末端で融合し、pMAL6H−C5XT細菌発現ベクターにクローニングした。このベクターは、Escherichia coli LOBSTR(DE3)細胞(Kerafast)に形質転換させた。細胞を37℃で、0.6ODまで成長させて、次に、18℃で12〜14時間、0.2mM IPTGによりタンパク質産生を誘発させた。6,000gで遠心分離することにより細胞を採集し、溶解緩衝液(50mMリン酸カリウム、pH8.0、500mM NaCl、30mMイミダゾール、1mM DTT、10μg/ml ベンゾナーゼおよび1mM PMSF)に再懸濁し、音波照射により溶解した。この溶解物を10,000gで20分間、遠心分離することにより清澄化した。可溶化画分からセストリン2タンパク質を単離し、Hisタグの親和性捕捉、次いで、イオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィーによりほぼ100%の純度にした。サーマルシフトアッセイに関しては、セストリン2タンパク質を希釈緩衝液(10mM Tris HCl pH7.4、150mM NaCl、1mM DTT、0.1mM EDTA)中で、2mg/mlまで希釈した。サーマルシフトアッセイを行う前に、2μlのセストリン2タンパク質を、96ウェルプレートのウェルあたり、8μlのROX色素(Thermo Fisher)、1μLのビヒクルまたは化合物、および14μLの希釈緩衝液と合わせ、化合物を結合させるため、1時間、氷の上でインキュベートした。次に、Agilent MX3005pでサーマルシフトアッセイを行い、各化合物を、10μM、100μMおよび1000μMの3連でアッセイした。ロイシンとのインキュベートにより、セストリン2の溶融温度が、用量依存様式で、2.16から11.61摂氏度にシフトした。ビヒクルと共にインキュベートしたセストリン2の、サーマルシフトの繰り返し測定値のCV%変動に基づいて、2度またはそれより多い正方向へのシフトを、統計的に有意であると見なす。
【0606】
方法7、間接的リガンド結合アッセイ(ILBA)
【0607】
セストリン2のロイシンまたは他のリガンドへの結合は、Cell Signaling Technology(CST、カタログ番号8487)からのウサギモノクローナル抗セストリン2抗体を用いた、免疫検出により、インタクトな細胞においてin vitroで、または精製タンパク質においてのどちらかで検出した。CST抗体の生来の(非変性)セストリン2への結合は、この抗体の親和性がロイシンに結合すると低下するよう、ロイシンの結合によってモジュレートされた。同様に、生来のセストリン2に対するCST抗体の親和性は、ロイシンと同様に、化合物が生来のセストリンに結合すると低下した。反対に、サーマルシフトアッセイによって測定すると、セストリン2を脱安定化する化合物は、非変性セストリン2に対するCST抗体の親和性を増加させた。その結果、ロイシンまたは化合物が結合した後に、CST抗セストリン2抗体の親和性を測定する、間接リガンド結合アッセイ(ILBA)の多重フォーマットを開発した。一つの型では、このアッセイは、アミノ酸飢餓期間の1時間後に、ヒト細胞系から産生した粗製溶解物を用いて行った(細胞は、1% Triton、10mM リン酸ベータ−グリセロール、10mM ピロリン酸ナトリウム、40mM HEPES[pH7.4]、150mM NaClおよび2.5mM MgCl
2に溶解する)。次に、溶解物を、ロイシンまたは他の化合物と、1時間、氷上でまたは室温でインキュベートした。L. Chantranupongら、Cell Reports 9巻:1〜8頁(2014年)に記載されている通り、化合物のインキュベート後に、試料に、1.5時間、CST抗セストリン2抗体を用いた免疫沈降を施し、次いで、プロテインA−セファロースと共に、30分間のインキュベートした。セファロースコンジュゲート抗体−タンパク質複合体を遠心分離により沈殿させて、試料間の全セストリン2タンパク質レベルが等しいことを決定するため、ウサギポリクローナル抗セストリン2抗体(Protein Tech、#10795−1−AP)を用いて、フロースルーに2回の免疫沈降を施した。免疫沈降試料に、SDS−PAGE、次いで、SIGMA(カタログ番号WH0083667M3)からのマウスモノクローナル抗セストリン2抗体を用いるウエスタンブロットを行った。CSTに由来する抗セストリン2抗体により免疫沈降させた試料を用いる免疫ブロットの場合、ロイシン結合により、セストリン2に対応するバンドの強度が50%またはそれより大きな、かなりの低下が誘発されたが、Protein Tech抗体により免疫沈降した試料を用いた免疫ブロットの場合、セストリン2の変化はもたらされなかった。やはり測定されたこの型のアッセイにより、化合物とのインキュベートにより誘発されるセストリン2の不安定性が増加した。このアッセイは、同じ方法で行ったが、セストリン2を脱安定化する(サーマルシフトアッセイによって測定される)化合物は、CST抗体を使用して免疫沈降させたセストリン2に対応する免疫ブロットバンド強度の増加をもたらした。
【0608】
このアッセイはまた、FlagタグにN末端で融合しているセストリン2を過剰発現している培養ヒト細胞でも行った。この型のアッセイでは、手順は、同じままであったが、免疫ブロット法は、マウス抗Flag抗体(#F3165、SIGMA)を用いて行った。ロイシンに結合することができないセストリン2の点変異体形態を用いてILBAを行った場合、ロイシンまたはγ−メチルロイシンに対するCST抗体の親和性の低下は観察されなかった。
【0609】
アッセイの別の型では、培養したヒト細胞に、1時間、アミノ酸飢餓のいくつかの組合せを施し、次いで、ロイシンまたは化合物により刺激した。刺激の1時間後、細胞を溶解し、1時間のリガンド結合ステップを除いて、上記の通り処理した。
【0610】
間接リガンド結合アッセイもまた、ALPHAlisa技法(Perkin Elmer)を使用して、多重ウェルフォーマットで行った。この型のアッセイは、ビオチン化抗セストリン2抗体、過剰発現したFlag−セストリン2の検出用の抗Flag受容体ビーズ(Perkin Elmer)またはマウス抗セストリン2抗体(SIGMA)のどちらかに結合したストレプトアジピンドナービーズ(Perkin Elmer)、および内在性セストリン2の検出用の抗マウス受容体ビーズ(Perkin Elmer)を必要とした。
【0611】
このアッセイは、上記の通りであるが、以下の改変で行った:アッセイのロイシンまたは化合物の結合部分に関しては、アミノ酸飢餓の1時間後に、ヒトFlag−セストリン2を一過的にまたは安定的に過剰発現した細胞から産生した粗製溶解物を、溶解緩衝液中で0.8mg/mlの全タンパク質となるように希釈し、96ウェルプレートなどの多重ウェルプレートに配列した。内在性セストリン2の検出に関しては、粗製溶解物を、溶解緩衝液中で4mg/mlの全タンパク質となるよう希釈した。ロイシンまたは化合物を各ウェルに加え、このプレートを穏やかに撹拌しながら、氷上または室温で1時間、インキュベートした。リガンド結合ステップの間に、ビオチン化抗セストリン2抗体(CST)を、ALPHAlisa免疫アッセイ緩衝液(Perkin Elmer)および5nMのマウス抗セストリン2抗体(内在性セストリン2を検出するアッセイの場合、SIGMA製のものを抗マウス受容体ビーズ(40μg/ml)の4X保存溶液と合わせた)中、5nMまで希釈した。Flag−セストリン2の検出に関すると、免疫アッセイ緩衝液中で抗Flag受容体ビーズの4X保存溶液(40μg/ml)を調製した。リガンド結合ステップの後に、5μLの溶解物を、ビオチン化抗セストリン2抗体10μL、マウスセストリン2抗体/抗マウス受容体ビーズミックスまたは抗Flag受容体ビーズ12.5μL、およびALPHAlisa免疫アッセイ緩衝液10μLと合わせ、室温で1時間、インキュベートした。最後に、Envisionプレートリーダーでプレートを読み取る前に、ストレプトアビジンドナービーズ12.5μL(免疫アッセイ緩衝液中160μg/ml)を、暗室でさらに1時間、加えた。
【0612】
ALPHAlisaアッセイも記載した通り行ったが、免疫アッセイ緩衝液中で希釈した3ng/mlの最終反応濃度の精製セストリン2タンパク質を用いて行った。
【0613】
最後に、溶解前に、アミノ酸の飢餓条件下で、ロイシンまたは化合物により処置した細胞に由来する溶解物を用いて、ALPHAlisaを行った。細胞をベースとする処置は、多重ウェルプレートで行い、ALPHAlisa反応あたり、15μLの溶解物(1mg/mlの全タンパク質)を、ビオチン化抗体10μL、抗体/受容体ビーズミックス12.5μLおよびストレプトアジピンドナービーズミックス12.5μLと組み合わせて使用した。
【0614】
当技術分野において行われるサンドイッチELISAなどの、捕捉をベースとする方法を用いて、間接リガンド結合アッセイも行った。アッセイの一つの型では、ILBAは、Meso−Scale Discovery(MSD)によって開発された、MULTI−ARRAY(登録商標)技法を使用して行った。MSDシステムは、分析物に結合している抗体の電気化学発光の検出に基づくものであった。ILBAは、内在性セストリン2を発現する、またはFlag−セストリン2を過剰発現する粗製溶解物を用いて行い、ロイシン処置は、溶解前に、in vitroでまたは細胞でのどちらか一方で行った。内在性セストリン2によるin vitroでのILBAに関しては、粗製溶解物(0.8mg/mlの全タンパク質)を調製し、ロイシン結合は、ALPHAlisa ILBAに関して記載したものと同じ様式で行った。リガンド結合が完了した後、CSTに由来するビオチン化抗セストリン2抗体を、最終濃度0.25μg/mlになるまで各ウェルに加え、穏やかに撹拌しながら、4℃で1時間、インキュベートした。96ウェルプレートのウェルへの各試料の捕捉は、以下の方法の一つ:ストレプトアビジンをコーティングしたMSDプレート、またはSIGMAからのマウス抗セストリン2抗体によりコーティングされている露出しているMSDプレートで行った。捕捉は、試料をウェルあたり25μL、次いで、350rpmで震とうしながら、1時間のインキュベートを必要とした。試料の捕捉後、0.1% Tween(TBS−T)を含むTris緩衝化食塩水により、ウェルを3回、洗浄した。試料がストレプトアビジンコーティングプレートに捕捉されている場合、次に、350rpmで震とうしながら、1時間、マウスモノクローナル抗セストリン2抗体(SIGMA)を加えて1μg/mlの最終濃度とした。ウェルを再度、TBS−T中で洗浄し、350rpmで震とうしながら、1μg/mlの最終濃度の抗マウス二次SULFO−タグ抗体(MSD)を1時間、加えた。最後に、ウェルをTBS−Tにより3回、洗浄して、2Xの読み取り緩衝液(MSD)を加え、プレートをMSD機器で直ちに読み取った。試料がマウス抗セストリン2抗体によりコーティングされている露出プレートにより捕捉された場合、洗浄後、震とうしながら、1時間、1μg/mlの最終濃度でストレプトアビジン二次SULFO−タグ抗体(MSD)を加え、次いで洗浄し、分析前に読み取り緩衝液と共にインキュベートした。
【0615】
このアッセイの別の型では、Flag−セストリン2を過剰発現する粗製溶解物を分析し、上記と同じMSDをベースとするプロトコルを使用して、マウスモノクローナル抗Flag抗体(SIGMA)を用いて捕捉または検出した。
【0616】
すべてのアッセイについて、セストリン2の免疫反応性に対応するシグナルを有意な様式で低下させた化合物は、ロイシン模倣体と見なした一方、上記のシグナルを有意な様式で増加させた化合物は、潜在的なロイシンアンタゴニストと見なした。
【0617】
表3は、本発明の選択された化合物の活性を示している。化合物番号は、表1および2の化合物番号に相当する。「A」と表示されている活性を有する化合物は、ロイシンに対して、≧40%の%活性を実現しており、「B」と表示されている活性を有する化合物は、ロイシンに対して、≦−40%の%活性を実現しており、「C」と表示されている活性を有する化合物は、ロイシンに対して、−40〜40%の間の%活性を実現した。表示濃度において、「D」と表示されている活性を有する化合物は、DMSO対照に対して、0.5〜2倍のシフトを実現し、「E」と表示されている活性を有する化合物は、DMSOに対して、2.1〜5倍のシフトを実現し、「F」と表示されている活性を有する化合物は、DMSOに対して、5.1〜10倍のシフトを実現し、「G」と表示されている活性を有する化合物は、DMSOに対して、10.1〜14倍のシフトを実現した。
【0618】
ロイシンアッセイに対する%活性に関する活性は、アッセイ方法1を使用して決定した。細胞をベースとするmTORC1活性化アッセイに関する活性は、アッセイ方法2を使用して決定した。
【表3-1】
【表3-2】
【0619】
表4は、ALPHALisa細胞ベースアッセイ(方法5)において活性な、本発明の選択された化合物を示している。化合物番号は、表1および2の化合物番号に相当する。表4に一覧表示されている化合物は、mTORC1アクチベータであり、ポジティブロイシン対照に対して>2倍の活性を有している。
【表4-1】
【表4-2】
【0620】
表5は、サーマルシフトアッセイ(方法6)において活性な、本発明の選択された化合物を示している。化合物番号は、表1および2の化合物番号に相当する。表5に一覧表示されている化合物は、2度またはそれより大きな正方向へのシフトを示した。
【表5-1】
【表5-2】