(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一ポリエーテル(A1)および前記第二ポリエーテル(A2)が、互いに独立してポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマーおよびそれらのモノエーテルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記ポリエーテル組成物(A)の総重量に対する第二ポリエーテル(A2)の割合が10重量%以上〜65重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
前記ポリエーテル組成物(A)の総重量に対する第二ポリエーテル(A2)の割合が15重量%以上〜60重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
成分(B)が、メタノール数が30である少なくとも1つの疎水性シリカを含んでなり、該メタノール数がシリカの完全な湿潤化を達成するために水相に加えられなければならないメタノールのパーセンテージ割合であり、該完全な湿潤化とはシリカがすべて水−メタノール試験液中で沈降することを意味していることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
前記成形品(8)の前記sm(6a)が、機械的に取り出されるか、または溶媒中に溶解させることによって取り出されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
先行技術
多数の材料およびこれらの組み合わせ(例えば、金属、プラスチック、セラミック、ガラス)には生成製造方法が利用可能である。
【0003】
液体構造成形材(liquid structure-forming material:(sfm))を場所特定的に送出す工程を介する成形品の製造には、種々の製造方法が利用可能である。
sfmが高い粘度を有している場合またはペースト状である場合には、それはノズルにより、場所特定的にビーズ状に送出し配置させることができる。
ノズルを通した送出しは、一例として、圧力の使用または押出機の使用により達成することができる。この加工法の典型例は3Dフィラメント印刷である。
別の既知の方法では、衝撃計量に基づいて少量の滴状sfmを、加圧ヘッドを用いて場所特定的に分配する。
ずり流動化を全くかほとんど一切示さない低粘性インクが使用された場合、その方法はインクジェット印刷と称され、ずり流動化を示すより高い粘度の材料が使用された場合、一般にジェッティングという用語が使用される。
【0004】
すべての生成製造方法の前提条件は、成形品のバーチャル・モデルと見なすことができるデジタル3Dデータセットの形態での所望する成形品の形状の表現であり、同様に場合により他の特性(色、材料の組成)である(A. Gebhardt, Generative Fertigungsverfahren, [Generative Manufacturing Methods] Carl Hanser Verlag, Munich 2013)。
このモデル製作は、好ましくは種々の3D−CAD法(コンピューター支援設計)によって達成される。また、3D CADモデルを生成するための入力データには、一例として、CT(コンピューター・トモグラフィー)測定またはMRT(磁気共鳴トモグラフィー)法から生じる3D測定データを挙げることができる。
その後、データセットは、材料特定的、方法特定的およびプラント特定的なデータによる補完を行わなければならないが、これは加算式製造ソフトウェアへインターフェースで接続することで好適なフォーマット(例えば、STL、CLI/SLC、PLY、VRML、AMFなどのフォーマット)でデータセットをエクスポートすることによって達成される。このソフトウェアは、組立チャンバ内の部品の理想的な配向性、支持構造などを考慮しながら、実際上の個々の層(スライス)を生成するために最後に幾何学的情報を使用する。その後、完全なデータセットは、生成製造方法に使用される機械(3Dプリンター)を直接制御するために使用することができる。
【0005】
ソフトウェアの順序は以下のとおりである。
1.CADフォーマットでの部品の設計
2.STLデータフォーマットへのエクスポート
3.3Dモデルの印刷面と平行な層への分割およびG−コードの生成
4.印刷制御システムへのG−コードのエクスポート
【0006】
sfmの場所特定的な送出しを伴うすべての生成製造方法に共通する特徴は、sfmを場所特定的に送出しには、常にsfmが硬化する前に支持的表面が必要となるために、空洞、アンダーカットおよびオーバーハングの領域に支持構造が必要となることである。支持構造を生成するための好適な支持材料(supportive material :sm)は公知である。
【0007】
米国特許出願公開第2015/0028523A1号では、フィラメント印刷用のsmとしてのポリグリコール酸に基づく熱可塑性ポリマーの使用が記載されている。ここでは、熱可塑性smを200℃以上の高温に加熱しなければならず、かつsmの取り出しには、一例としてアルカリ性水溶液を使用する必要があることが欠点である。
【0008】
米国特許出願公開第2013/0337277A1号では、一時的smとして放射線架橋ブロックコポリマー、例えばアクリル化ポリエチレングリコール−ポリカプロラクトンブロックコポリマーに基づくもの、の使用が記載されている。水の存在下での放射線架橋を行うと、酵素分解によって取り出すことができるヒドロゲルが生産される。架橋による化学ゲルの形成は遅く、酵素分解には時間がかかること、および後者の前提条件が使用するリパーゼの適切な貯蓄であることが見出された。さらに、ヒドロゲルには、意図する構造を組み立てている間意に水が蒸発し得、このため支持構造の収縮が発生し得るという固有の欠点がある。
【0009】
この問題は、フィロケイ酸塩およびシリカなどの微粒子ゲル形成物質に基づくヒドロゲルでも生じ、ベントナイトの水性分散体を用いた実験では、好適な支持構造を当初に提供する安定なゲルが十分に生産されることが示された。しかしながら、印刷プロセス(数時間かかる場合もあり得る)の間に水が蒸発した結果として形状が失われることがある。
【0010】
米国特許第7368484B2号では、支持構造を形成するための逆熱ゲル化法の使用が記載されている。これは、増加する温度に曝したコポリマーからのゲルの可逆的形成を利用する。しかしながら、これらのゲルの強度が十分ではないため、部分的な放射線架橋が必要であり、後続の支持構造の取り出しをより困難にする。
【0011】
国際公開第2014/092205A1号では、支持構造を形成するためのポリエチレングリコール、特にPEG2000の利用が言及されている。ここでは熱可塑性sbMと比べてPEG2000の融点が低いことが利用されている。ここで使用された生成製造方法は、sbMの層(即ち、ラミネート)全体が配置されるいわゆる「ラミネート物製造」である。しかしながら、エラストマーの場所特定的な送出しでPEG(例えば、PEG2000)を排他的に利用すること、および支持材料を例えば個々の滴状とすることは不利であることが判明した。したがって、支持化合物は、冷却後に明白な収縮を示し、これは実際の部品の形状の忠実性に悪影響を及ぼす。さらに、PEG溶融物の寸法安定性は低く、このため場所測定的に送出した後に液滴を流して細かい構造を印刷することが不可能である。
【0012】
総じて、sfmを場所特定的に送出す生成製造方法のための支持構造の単純な生産に好適な方法であって、当該支持構造が3D印刷で高い安定性を有し、低い収縮性を有し、かつ難なく取り出すことができる方法は先行技術で開示されていないと言える。
【0013】
したがって、構造成形材(sfm)の場所特定的な送出しを可能にするだけでなく、支持材料(sm)で作製された支持構造の単純で安価な場所特定的な組立ておよびその取り出しを可能にする、三次元成形品を生産するための生成(=加算式)方法を提供することが本発明の目的であった。ここでのsmは、その指示特性を迅速に生み出すこと、方法の間に支持特性を保持すること、および成型品を損傷することなく、またはその特性に悪影響を及ぼすことなく容易に取り出されることを意図している。さらに、smは、冷却した後に低度の収縮を示すこと、60℃未満の温度で特に安定していること、加えて低度の表面粗さを有することを意図している。
【0014】
この目的は本発明の方法によって達成される。
【発明の概要】
【0015】
本発明の方法
本発明の方法は、構造成形材(sfm)=(6b)を場所特定的に送出すことによる成形品(8)の加算式製造方法であって、
少なくとも1つの支持材料(sm)=(6a)が、sfm(6b)が存在しない領域へ、同時的にまたは間隔をずらして送り出され、
ここでこのsm(6a)の送出しが、少なくとも1つのsm(6a)用送出装置(1a)を備えた装置によって達成され、
この装置は、x方向、y方向およびz方向に少なくとも±100μmの精度で配置することができるものであって、このようにしてsm(6a)をx、yの操作面だけでなく、z方向にも連続して場所特定的に送出すことで、成形品(8)のためのsm(6a)で作製された支持構造が組み立てられることを特徴とし、
ならびに、一旦成形品(8)の製造が終了した後に、sm(6a)が成形品(8)から取り出されることを特徴とする方法であり、
但し、sm(6a)は、
−70℃で擬塑性、粘弾性を有し、かつ以下を含んでなる組成物であること:
(A)以下を含んでなるポリエーテル組成物:
(A1)融点が35℃未満である少なくとも1つの第一ポリエーテル、および
(A2)融点が35℃以上である少なくとも1つの第二ポリエーテル(ここで、ポリエーテル組成物の総重量に対する第二ポリエーテルの割合が5重量%以上70重量%未満である)、および
(B)少なくとも1つの微粒子状レオロジー添加剤、
(C)場合により他の追加物質
−剪断粘度が最大で10Pasであること(剪断速度100s
−1で70℃にて測定)
−貯蔵弾性率G’が少なくとも100Paであること、および
−固化温度が20℃から最大60℃未満であることを条件とする。
【0016】
図1は、支持構造(6a)を有するシリコーンエラストマー部品(8)を生産するための本発明の方法を実施するために使用した本発明の可能な生成製造システムの構造を示す例の略図である。
擬塑性、粘弾性のsm(6a)の位置は、圧力が印加されて、計量ノズル(5a)への計量ラインで接続している、個々の計量システム(1a)のレザーバー(4a)の中である。
レザーバー(4a)の上流または下流に、溶存ガスを除去するための排気を可能にする機器が存在していてもよい。
sfm(6b)は別の独立に操作された個々の計量システム(1b)によって送出される。(1b)は同様に計量ノズル(5b)への計量ラインで接続しているレザーバー(4b)を備えている。それは、測定するノズル(5b)への測定するライン経由で接続をしている。また、レザーバー(4b)の上流または下流に、溶存ガスを除去するための排気を可能にする機器が存在していてもよい。
個々の計量ノズル(5a)および(5b)は、互いに独立して、x方向、y方向およびz方向に正確に配置させることができ、こうすることで、それぞれsm(6a)およびsfm(6b)の、好ましくは加熱可能であって同様にx方向、y方向およびz方向に配置させることができるベースプレート3上へ正確に目標とする堆積が可能となり、ならびに続く成形品の形成が進行している間は前に堆積したsm(6a)上または前に堆積した、場合により前に架橋したsfm(6b)上へ正確に目標とする堆積が可能となる。
【0017】
さらに、sfm(6b)を架橋させるためには、好ましくは同様に正確に、x方向、y方向およびz方向に配置させることができる1個以上の放射線源(2)が存在していてもよく、放射(7)によってsfm(6b)と初期に架橋または完全に架橋させることができる。
計量ノズル(5a)および(5b)を配置するためには、反復精度が高いプロセス装置を使用することが好ましい。計量ノズル(5a)および(5b)を3空間方向のすべてに配置するために使用するプロセス装置の精度は少なくとも±100μm、好ましくは少なくとも±25μmである。
使用するプロセス装置の最大速度は、成形品(8)の生産時間を決定する決定的な要因であるため、少なくとも0.1m/s、好ましくは少なくとも0.3m/s、特に好ましくは少なくとも0.4m/sとすべきである。
中粘度〜高粘度の液体のジェッティングを可能にする計量ノズル(5a)および(5b)が好ましい。使用することができるものは、特に(熱性)バブルジェットヘッドおよびピエゾプリントヘッドであり、ここで特に好ましいのはピエゾプリントヘッドである。後者は、液滴の体積を数ピコリットル(2pLはドット直径約2μmに相当)とすることができる低粘度の材料のジェッティングを可能にするだけでなく、sm(6a)などの中粘度〜高粘度の材料のジェッティングを可能にし、好ましくはノズルの直径が50〜500μmであるピエゾプリントヘッドでナノリットル範囲(1〜100nL)の液滴体積を生産することができる。レオロジー特性(ずり流動化挙動)によっては、低粘度組成物(<100mPas)を用いることでこれらプリントヘッドは非常に高い計量振動数(約1〜30kHz)で液滴を堆積させることができ、一方より高い粘度組成物(>100mPas)を用いることで最大約500Hzの計量振動数を達成することができる。
【0018】
支持構造(6a)および目標とする構造物(6b)の組み立ての時系列的順序は成形品(8)の所望の形状に大きく依存し、支持構造(6a)の少なくとも部分を組み立てることから始めて、その後実際の目標とする構造(6b)を生成するほうが有用であり、または確かに本質的であるかもしれない。
しかしながら、並行して、即ち、2つの独立した計量機器からの並行計量によって両方の構造を生成することも可能となり得る。時としてより有用であるアプローチは、第一に目標とする構造(6b)が少なくとも部分的に組み立てられ、続けて、支持構造(6a)が少なくとも部分的に組み立てられることを含んでなる。複雑な形状の部品の場合には、可能な変形をすべて使用することが必要な場合がある。
【0019】
例えば、アクリル樹脂およびシリコーンゴム組成物などの液状の架橋していないsfm(6b)を送り出した場合、安定した目標とする構造(8)を形成するためにはこれらを架橋させる必要がある。一滴ずつ堆積したsfm(6b)が、同様にx方向、y方向およびz方向に置換させることができる1つ以上の電磁放射線源(2)(例えば、IRレーザー、IR放射源、UV/VISレーザー、UVランプ、LED)によって架橋されることが好ましい。放射源(2)は、偏向ミラー、焦点装置ユニット、ビーム拡大システム、スキャナー、絞り等を有することがある。沈積と架橋は互いに均衡させなければならない。本発明の方法は関係する想定し得る可能性をすべて含んでなる。一例として、x、yの操作面の領域をsfm(6b)の液滴で覆うことから開始し、その後のこの領域の照射および架橋を行う前に、水平化(合体)が生じるまで待機する必要があるかもしれない。同じく、施用領域の周辺範囲のみを固化することから開始して、その後、内部域の初期架橋のために好適な遮光パターンを使用することが成形用途には有用であり得る。望ましくない流れを防止するために、個々の液滴を堆積させた直後に架橋または初期架橋させる必要があり得る。完全な架橋を達成するために、成形品の形成中に運転域の全体を連続的に照射するか、または抑制された不完全な架橋(グリーン強度)を引き起こすためにそれをほんの短時間の照射に晒すことが有用であり得、これには個々の層が互いにより良く接着するということを伴うことがある。したがって、概して、堆積および架橋を決定するパラメーターが、架橋システム、レオロジー挙動およびsfm(6b)の接着特性、同様に場合により使用する他の材料の接着特性に依存する形で均衡していることが必要だろう。
【0020】
使用するsfm(6b)が、液体アクリレート、アクリレート−シリコーンコポリマーまたはこれらの物理的混合物、アクリル官能性シリコーンまたは純シリコーンゴム組成物を含んでなることが好ましい。アクリレート−シリコーンコポリマーまたはこれらの物理的混合物、アクリル官能性シリコーンまたは純シリコーンゴム組成物、特にアクリル官能性シリコーンまたは純シリコーンゴム組成物が好ましく、一つの特定の実施態様ではシリコーンゴム組成物、特に放射線架橋シリコーンゴム組成物が好ましい。
【0021】
計量ノズルの汚染を回避するためまたは排除するために、
図1に示されるシステムに自動計量ノズル洗浄装置を補完することができる。
個々の計量システムは材料のレオロジー挙動を調節するため、および/または上昇した温度に起因する粘度をジェッティング手順で利用するために温度調整装置を持つことができる。
【0022】
本発明(6a)により使用されるsmの場合には少なくとも、個々の計量システム(1b)、レザーバー(4b)および場合により計量ラインに温度調整装置が提供されていることが好ましい。
【0023】
個々の計量システム(1a)は、場合により、分注法によって薄いビーズ状でsm(6a)を送出すことができる。この方法には、特に、例えば、印刷速度の点で構造が比較的大きく水平であるという利点がある。
【0024】
支持構造(6a)を生産するための本発明の方法は、構造成形材(sfm)=(6b)が液状で場所特定的に送出される加算式製造において公知の任意の方法と組み合わせることができる。
これらの中には、フィラメント印刷、分注、インクジェットプロセスおよびジェッティングがある。好ましいのは中〜高粘度のずり流動化液体sfm(6b)の分注およびジェッティングであり、特に好ましいのは付加架橋シリコーンエラストマーの分注およびジェッティングであり、一つの特定の実施態様ではUV活性化または放射線架橋したシリコーンエラストマーのジェッティングである。
【0025】
また、一例として
図1の略図で示したプラント全体は、例えば、酸素によるUV−C放射ロスを除くためまたは成形品中に空気が入ることを回避するために真空チャンバまたは不活性ガスチャンバ内に収容することができる。
【0026】
プラント、つまりプラント全体の印刷チャンバは、大気水分を除去するためにチャンバに収容することができる;このチャンバには外部からの乾燥空気を流してもよく、またはチャンバの空気を乾燥装置(例えば、分子櫛を使用した乾燥カートリッジ)または凝縮装置を通じてポンプでの循環によって乾燥させることができる。
【0027】
本発明の方法で使用する擬塑性、粘弾性のsm(6a)は、以下の成分からなることが好ましい:
(A)以下を含んでなるポリエーテル組成物:
(A1)融点が35℃未満である少なくとも1つの第一ポリエーテル、および
(A2)融点が35℃以上である少なくとも1つの第二ポリエーテル(ここで、ポリエーテル組成物(A)の総重量に対する第二ポリエーテル(A2)の割合が5重量%以上70重量%未満である)、
(B)微粒子状レオロジー添加剤、および
(C)場合により他の追加物質。
【0028】
成分(A)
成分Aは次のものを含んでなる:
(A1)融点が、35℃未満、好ましくは30℃以下、特に好ましくは25℃以下、特に10℃以下である少なくとも1つの第一ポリエーテルおよび
(A2)融点が、35℃以上、好ましくは40℃以上、特に好ましくは45℃以上、非常に特に50℃以上である少なくとも1つの第二ポリエーテル。
【0029】
使用するポリエーテルは、典型的な市販品であって、例えばClariantが販売する商品名Polyglykolである。ポリエーテルが特定の温度範囲で固化(凝固範囲)する場合、ポリエーテルの融点は凝固範囲の下限を意味すると理解すべきである。これとは関係なく、ポリエーテルの融点/凝固範囲は、例えば、DIN EN ISO 11357−3によるDSCによって決定してもよい。ここでは、融点/凝固範囲は示差走査熱量測定法(DSC)によって決定する:Mettler-Toledoからの機器DSC1、モジュール型式:DSC1/500(モジュール名:DSC1_1448):サンプル重量:8.5mg、温度範囲−70℃〜150℃、加熱/冷却速度10K/分;運転を2回測定(1回の運転は次の加熱および冷却サイクルからなる:−70℃(10K/分)から150℃、および150℃(10K/分)から−70℃まで);2回目の運転は評価に使用した。
【0030】
ポリエーテル組成物(A)の総重量に対する第二ポリエーテル(A2)の割合は、5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜65重量%、非常に好ましくは15重量%〜60重量%である。
【0031】
第二ポリエーテル(A2)の割合が低すぎる場合、冷却状態でのsmの安定性は低い。第二ポリエーテル(A2)の割合が高すぎる場合、smを冷却するとより深刻な収縮が観察される。
【0032】
ポリエーテル組成物(A)の総重量に対する第一ポリエーテル(A1)の割合は、好ましくは30重量%〜95重量%、好ましくは35重量%〜90重量%、非常に得に好ましくは40重量%〜85重量%である。
【0033】
ポリエーテル組成物(A)では、第一ポリエーテル(A1)および第二ポリエーテル(A2)に互いに独立して、次の一般式(I)のポリアルキレングリコールが使用される場合が好ましい:R’’’−[(O−CH
2−CHR)
n(Z)
k(O−CH
2−CHR’)
m]−OR’’ (I)
[式中、
Rは、水素原子またはC
1〜C
4炭化水素部分、好ましくは水素原子またはメチル部分であり、かつ
R’は、Rと同様に定義され、ここで部分RおよびR’は同一でも異なっていてもよく、
R’’は、水素原子、場合により置換されたか、またはモノ−もしくはポリ不飽和C
1〜C
20炭化水素部分、アリール部分、アシル部分−(O)C−R
x、例えば、ホルミル部分、アセチル部分、ベンゾイル部分、アクリル部分、メタクリル部分、ビニル部分、グリシドキシ部分、1〜50の繰り返し単位を有するポリエチレングリコール部分またはポリプロピレングリコール部分などのポリアルキレングリコール部分、好ましくは水素原子またはメチル部分、特に好ましくは水素であり、かつ
R’’’は、R’’と同様に定義され、ここでR’’およびR’’’の部分は同一でも異なっていてもよく、かつ
R
xは、水素原子、場合により置換されたか、またはモノ−もしくはポリ不飽和C
1〜C
20炭化水素部分またはアリール部分であり、かつ
Zは、分子1つあたりにヒドロキシ基を2つ以上(即ち、分岐点)有するモノマー、例えば、プロパントリオールなどの三価アルコールまたは2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールなどの四価アルコールであり、ここでポリアルキレングリコール中のヒドロキシ基がアルキレングリコールモノマーでエーテル化され、好ましくは3または4本の側鎖を有する、分岐状ポリアルキレングリコールが得られ、かつ
kは0または1であり、かつ
nおよびmは、0以上の整数であるが、n+mは1以上であることが条件である]。
【0034】
ポリアルキレングリコールは直鎖状または分岐状であり、分子1つあたりに3または4本の側鎖を有することが好ましい。
【0035】
さらなる実施態様では、ポリエーテル組成物(A)は、第一ポリエーテル(A1)および第二ポリエーテル(A2)として、互いに独立に、上で定義したポリアルキレングリコールのモノエーテル、好ましくはポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテルまたはエチレングリコール−プロピレングリコールコポリマーモノエーテルを、好ましくはエーテルラジカル、特に好ましくはメチルエーテル、エチルエーテル、n−プロピルエーテル、n−ブチルエーテルまたは類似物などのC
1〜C
10アルキルエーテルラジカルとともに使用してもよい。
【0036】
第一ポリエーテル(A1)および第二ポリエーテル(A2)は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマーおよびそれらのモノエーテルからなる群から選択されることが好ましい。
【0037】
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマーは好ましくはランダムコポリマーまたはブロックコポリマーである。
【0038】
第一ポリエーテル(A1)が以下からなる群から選択される場合、特に好ましい:
−数平均モル質量Mnが1000g/mol未満、好ましくは800g/mol以下、特に好ましくは600g/mol以下、非常に特に好ましくは400g/mol以下〜200g/mol以上であるポリエチレングリコールまたはそのモノエーテル、
−数平均モル質量Mnが2000g/mol未満、好ましくは1000g/mol以下、特に好ましくは750g/mol以下、非常に特に好ましくは600g/mol以下〜400g/mol以上であるポリプロピレングリコールまたはそのモノエーテル、および
−数平均モル質量Mnが2000g/mol未満、好ましくは1000g/mol以下、特に好ましくは600g/mol以下〜300g/mol以上であるポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマーまたはそのモノエーテル。
【0039】
特に好ましい実施態様では、第一ポリエーテル(A1)は、数平均モル質量Mnが1000g/mol未満、好ましくは800g/mol以下、特に好ましくは600g/mol以下、非常に特に好ましくは400g/mol以下〜200g/mol以上であるポリエチレングリコールである。
【0040】
成分(A1)の例は、Mnが約200g/mol(PEG200)、約400g/mol(PEG400)または約600g/mol(PEG600)であるポリエチレングリコールあるいはMnが約425g/molまたは約725g/molであるポリプロピレングリコールである。
【0041】
第二ポリエーテル(A2)は好ましくは以下からなる群から選択される:
−数平均モル質量Mnが1000g/mol以上、好ましくは2000g/mol以上、特に好ましくは4000g/mol以上、非常に特に好ましくは8000g/mol以上〜10×10
6g/mol以下であるポリエチレングリコールまたはそのモノエーテル、および
−数平均モル質量Mnが2000g/mol以上、好ましくは4000g/mol以上、特に好ましくは8000g/mol以上〜10×10
6g/mol以下である、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマーまたはそのモノエーテル。
【0042】
特に好ましい実施態様では、第二ポリエーテル(A2)は、数平均モル質量Mnが1000g/mol以上、好ましくは2000g/mol以上、特に好ましくは4000g/mol以上、非常に特に好ましくは8000g/mol以上〜10×10
6g/mol以下であるポリエチレングリコールである。
【0043】
成分(A2)の例は、Mnが約1000g/mol(PEG1000)、約4000g/mol(PEG4000)または約8000g/mol(PEG8000)、約20000g/mol(PEG20000)であるポリエチレングリコールである。
【0044】
数平均モル質量Mnは、
1H NMR分光法による末端基分析またはヒドロキシル価の決定による湿式化学によって決定してもよい。ヒドロキシル価の決定は、DIN 53240−2に従い、OH基をアセチル化し、その後KOHでアセチル化溶液を逆滴定することによって達成してもよい。アセチル化は少なくとも15分間行われるべきである。ポリエーテルのmg KOH/gでの測定値から、その後ポリエーテルの数平均モル質量を計算してもよい。
【0045】
末端基の密度が非常に低い高分子量ポリエーテルでは、数平均モル質量Mn/重量平均モル質量Mvは、代替的にSEC(size exclusion chromatography:サイズ排除クロマトグラフィー)によって決定してもよい。
【0046】
特に、重量平均分子量Mvおよび数平均分子量Mnは、次のようにサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定してもよい:10%アセトニトリルと100mmol/lの硝酸ナトリウム中、ポリエチレンオキシドスタンダード22000に対して、40℃にて、流速1.0ml/分にて、米国Waters Corp.からのUltrahydrogel 1000、500、250カラムセットで、注入量100μlでトリプル検出(Malvern-Viscotekからの低角度光散乱検出器、屈折率検出器および粘度測定検出器)。
【0047】
成分(B)
使用する微粒子状レオロジー添加剤は好ましくは固形状の微細な無機粒子を含んでなる。
微粒子状レオロジー添加剤の平均粒径は、好適な希釈水溶液に対する光子相関分光法によって測定して<1000nmであり、特に平均一次粒径は透過型電子顕微鏡写真の光学的画像評価により決定して5〜100nmであることが好ましい。これら一次粒子は分離して存在しない代わりに、より大きな凝集体および集塊体の構成物質である可能性がある。微粒子状レオロジー添加剤が無機溶剤、特に、金属酸化物であることが好ましく、ここではシリカであることが特に好ましい。金属酸化物の比表面積は、好ましくは0.1〜1000m
2/g(DIN66131および66132に従ったBET法による)、特に10〜500m
2/gである。
【0048】
金属酸化物は直径が100〜1000nmの範囲の凝集体(定義はDIN 53206に従う)を有することがあり、ここで金属酸化物は外部の剪断負荷(測定条件に起因するもの)に従い、凝集体からなり、かつサイズが1〜1000μmである集塊体(定義はDIN 53206に従う)を有する。
産業的取扱いに関係する理由で、金属酸化物は金属酸化物結合の一部が共有結合である酸化物であることが好ましく、好ましくは主族元素および遷移元素が物理的状態として固体である酸化物であり、例えば、第三族元素(例えば、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化インジウム)あるいは第四族元素(例えば、二酸化シリコン、二酸化ゲルマニウムまたは酸化スズもしくは二酸化スズ、酸化鉛もしくは二酸化鉛)または第四遷移元素の酸化物(例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウム)である。他の例は、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロムまたはバナジウムの安定した酸化物である。
【0049】
特に好ましいのは酸化アルミニウム(III)、酸化チタン(IV)および酸化シリコン(IV)、例えば、溶液化学法により生産された(例えば、沈降)シリカまたはシリカゲル、または高温での方法で生産された酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素、例えば、ヒュームド酸化アルミニウム、ヒュームド二酸化チタンまたはヒュームド二酸化ケイ素あるいはヒュームドシリカである。
【0050】
他の微粒子状レオロジー添加剤は、ケイ酸塩、アルミン酸塩もしくはチタン酸塩、またはフィロケイ酸アルミニウム塩、例えば、モンモリロナイトなどのベントナイト、またはスメクタイトもしくはヘクトライトである。
【0051】
特に好ましいのはヒュームドシリカであり、
これは好ましくは、シリコン−ハロゲン化合物またはオルガノシリコン化合物から(例えば、同じく炭化水素と混合させてもよい、四塩化ケイ素もしくはメチルジクロロシランまたはヒドロゲントリクロロシランもしくはヒドロゲンメチルジクロロシラン、または他のメチルククロロシランまたはアルキルクロロシラン、あるいは、例えば、水素−酸素炎もしくは一酸化炭素−酸素炎中での既述のオルガノシリコン化合物と炭化水素の任意の所望する揮発性または噴霧可能な混合物)火炎反応で生産されるものである。
ここでのシリカは、例えば精製工程で、場合により水を添加してもしなくても生産することができ、水は添加しないことが好ましい。
【0052】
金属酸化物、特にシリカのフラクタル次元は2.3以下、特に2.1以下、具体的には1.95〜2.05であることが好ましく、フラクタル次元D
sの定義は以下の通りである:
粒子表面AはパワーDに上昇した粒子半径Rに比例する。
表面のフラクタル次元は小角X線散乱(SAXS)の使用によって決定した。
【0053】
好ましくは、金属酸化物、特にシリカの質量フラクタル次元D
Mは、2.8以下、好ましくは2.7以下、特に好ましくは2.4〜2.6である。ここでの質量フラクタル次元DMの定義は以下の通りである:
粒子質量MはパワーD
Mに上昇した粒子半径Rに比例する。表面のフラクタル次元は小角X線散乱(SAXS)の使用によって決定した。
【0054】
微粒子状レオロジー添加剤(B)は無極性、即ち、表面変性済みであることが好ましく、特に、疎水化された、好ましくはシリル化微細無機微子である。
本文脈では疎水性シリカ、特に疎水性ヒュームドシリカが好ましい。
本文脈では疎水性シリカという表現は、表面変性された、好ましくはシリル化された無極性シリカを意味し、例えば、公開された明細書である、欧州特許第686676 B1号、欧州特許出願該1433749A1号および独国特許出願第102013226494A1号に記載のものである。
本発明により使用するシリカのこの意味としては、シリカの表面が疎水化、即ちシリル化されているということである。
【0055】
本発明により使用する疎水性シリカはオルガノシリコン化合物、例えば、(i)式(II):
R
1dSiY
4−d (II)
[式中、
R
1は、同一でも異なっていてもよく、かつ一価であり、場合により置換された、場合により単不飽和またはポリ不飽和の、場合により酸素原子により中断された1〜24個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分であり、
dは1、2または3であり、かつ
Yは、同一でも異なっていてもよく、かつハロゲン原子、さらなるシリル部分が結合し得る一価Si−N結合窒素部分、−OR
2、または−OC(O)OR
2であり、ここでR
2は水素原子または一価の、場合により置換された、場合により酸素原子により中断された単不飽和またはポリ不飽和の炭化水素部分である。]
のオルガノシランまたはオルガノシラザンおよび/またはこれらの部分的加水分解物で変性(即ちシリル化)されていることが好ましく、あるいは、
(ii)式(III)の単位:
R
3e(OR
4)
fSiO
(4−e−f)/2 (III)
[式中、
R
3は、同一でも異なっていてもよく、かつ上のR
1で示された定義のうちの一つを満たし、
R
4は、同一でも異なっていてもよく、かつ上のR
3で示された定義のうちの一つを満たし、
eは0、1、2または3であり、
fは0、1、2、3であるが、e+fの和が≦3であることを条件とし、かつ1つの部分あたりのこれらユニット数は、少なくとも2である。]
からなる直鎖状、分岐状または環式オルガノシロキサンで変性(即ちシリル化)されていることが好ましく、あるいは(i)と(ii)の混合物が使用される。
【0056】
シリカのシリル化に使用することができるオルガノシリコン化合物は、一例として、式(II)のシランまたはシラザンの混合物であってもよく、ここで好ましいのは、一方ではメチルクロロシランから作製されたもの、他方ではアルコキシシランおよび場合によりジシラザンから作製されたものである。
【0057】
式(II)のR
1の例は、好ましくはメチル、オクチル、フェニル、およびビニル部分であり、特に好ましいのはメチル部分およびフェニル部分である。
【0058】
R
2の例は、メチル、エチル、プロピル、およびオクチル部分であり、ここで好ましいのはメチルおよびエチル部分である。
【0059】
式(II)のオルガノシランの好ましい例は、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシランおよびオクタデシルトリクロロシランなどのアルキルクロロシラン類、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランおよびトリメチルメトキシシランなどのメチルメトキシシラン類、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランおよびトリメチルエトキシシランなどのメチルエトキシシラン類、メチルアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランおよびトリメチルアセトキシシランなどのメチルアセトキシシラン類、フェニルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランおよびフェニルジメチルエトキシシランなどのフェニルシラン類、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランおよびビニルジメチルエトキシシランなどのビニルシラン類、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザンおよびビス(3,3−トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザンなどのジシラザン類、オクタメチルシクロテトラシラザンなどのシクロシラザン類、およびトリメチルシラノールなどのシラノール類である。
【0060】
特に好ましいのはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシランおよびトリメチルクロロシランまたはヘキサメチルジシラザンである。
【0061】
式(III)のオルガノシロキサンの好ましい例は、ジアルキルシロキシ単位の平均数が3を超える直鎖状または環式のジアルキルシロキサンである。ジアルキルシロキサンは好ましくはジメチルシロキサンである。特に好ましいのは、次の末端基を有する直鎖状ポリジメチルシロキサンである:トリメチルシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基、ジメチルクロロシロキシ基、メチルジクロロシロキシ基、ジメチルメトキシシロキシ基、メチルジメトキシシロキシ基、ジメチルエトキシシロキシ基、メチルジエトキシシロキシ基、ジメチルアセトキシシロキシ基、メチルジアセトキシシロキシ基およびジメチルヒドロキシシロキシ基、特にトリメチルシロキシ基またはジメチルヒドロキシシロキシ基。
【0062】
言及したポリジメチルシロキサンの粘度は好ましくは25℃で2〜100mPa.sである。
【0063】
本発明により使用する疎水性シリカのシラノール基密度としては、好ましくはシラノール基nm
2が1.8未満、好ましくは1nm
2あたりのシラノール基が最大で1.0、特に好ましくは1nm
2あたりのシラノール基が最大で0.9である。
【0064】
本発明により使用する疎水性シリカの炭素含量は、好ましくは炭素0.4重量%以上、好ましくは炭素の0.5重量%〜15重量%、特に好ましくは炭素の0.75重量%〜10重量%であり、この重量は疎水性シリカに対するものである。
【0065】
本発明により使用する疎水性シリカのメタノール数は、好ましくは少なくとも30、好ましくは少なくとも40、特に好ましくは少なくとも50である。
【0066】
本発明により使用する疎水性シリカのDBP数(フタル酸ジブチル数)は、好ましくは250g/100g未満、好ましくは150g/100g〜250g/100gである。
【0067】
本発明により使用する疎水性シリカの抑制された密度は、DIN EN ISO 787−11に従い測定して、好ましくは20g/l〜500g/l、好ましくは30〜200g/lである。
一例として、G.W. Sears, Anal. Chem. 1956, 28, 1981で示されるように、シラノール基の密度は酸塩基滴定によって決定される。
炭素含量は元素分析によって決定することができる。
メタノール数は、シリカの完全な湿潤化を達成するために水相に加えられなければならないメタノールのパーセンテージ割合である。ここで完全な湿潤化という表現はシリカがすべて水−メタノール試験液中で沈降することを意味している。
【0068】
成分(B)を特徴づけるために使用する分析法は、以下の実施例の項目でさらにより詳細に記載されている。
【0069】
使用する微粒子状レオロジー添加剤(B)は、微細無機粒子の任意の所望の混合物を含んでなっていてもよく、特に、種々のシリカの混合物(例えば、BET表面積が異なるシリカの混合物、シリル化が異なるシリカの混合物または未変性シリカとシリル化シリカの混合物)を使用することが可能である。
好ましいのは、シリル化、例えば疎水性の無極性シリカおよび未変性、即ち親水性の極性シリカの混合物の場合であり、シリカの合計量に対する疎水性シリカの割合は重量の少なくとも50パーセント(重量%)、好ましくは少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%である。
【0070】
未変性、即ち親水性、極性シリカの比表面積は、好ましくは0.1〜1000m
2/g、特に好ましくは10〜500m
2/g(DIN 66131および66132に従いBET法によって測定)である。
【0071】
未変性、即ち親水性、極性シリカのシラノール基密度としては、好ましくは1nm
2あたりのシラノール基が1.8〜2.5であり、好ましくは1nm
2あたりのシラノール基が1.8〜2.0である。
【0072】
未変性、即ち親水性、極性シリカのメタノール数は、30未満、好ましくは20未満、特に好ましくは10未満であり、1つの特定の実施態様では、未変性、即ち親水性、極性シリカはメタノールを追加することなく完全に水で湿潤化される。
【0073】
未変性、即ち親水性、極性シリカの、DIN EN ISO 787−11に従い測定した抑制された密度は、20g/l〜500g/l、好ましくは30〜200g/lおよび特に好ましくは30〜150g/lである。
【0074】
本発明の未変性、即ち親水性、極性シリカのDBP数(フタル酸ジブチル数)は、、好ましくは300g/100g未満、好ましくは150g/100g〜280g/100gである。
【0075】
他の追加物質(C)
本発明のsm(6a)は例えば以下の他の追加的機能性物質を含んでなり得る:
−着色剤、例えば、有機または無機の着色顔料または分子可溶性染料など;
−従来的に産業で使用される溶媒、例えば、水、アセトン、アルコール、芳香族または脂肪族炭化水素;
−安定剤、例えば、熱安定剤または紫外線安定剤など;
−UVトレーサー、例えば、蛍光染料(例えば、ローダミン、フルオレセイン)または成分上に残留する微量のsmを検出するための他のトレーサーなど;
−ポリマー、例えば、ポリマーレオロジー添加剤またはレべリング助剤など;
−フィラー、例えば、非強化フィラー、例えば、BET表面積が最大50m
2/gのフィラー、例えば、石英、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石コウ、シリコン窒化物、炭化ケイ素、雲母などのフィロケイ酸塩、モンモリロナイト、窒化ホウ素、ガラスおよびプラスチックパウダーなど;
−水捕集剤または乾燥剤、例えば、レーザー回折によって測定された平均粒径が500μm未満、好ましくは100μm未満、特に好ましくは50μm未満である、無水Na
2SO
4などの分子篩または水和性塩。
【0076】
本発明の支持材料(6a)
本発明のsm(6a)は、
(A)65重量%〜99重量%、
(B)1重量%〜10重量1%および
(C)0重量%〜25%からなることが好ましく、
本発明のsm(6a)は、
(A)92重量%〜98重量%、
(B)2重量%〜8重量1%および
(C)0重量%〜10%からなることが特に好ましく、
本発明のsm(6a)は、
(A)84重量%〜96重量%、
(B)4重量%〜6重量1%および
(C)0重量%〜10%からなることがとりわけ好ましい。
【0077】
成分(A)中に融点が35℃以上の第二ポリエーテル(A2)を使用することで、比較的滑らかな表面を示すsmがもたらされる。さらに、第二ポリエーテル(A2)を使用することで、結果、smが冷却状態(60℃未満)で凝固し、その結果、先行技術で知られているゲルと比較して、増加した安定性が示される。より高温(60℃超)では、微粒子状レオロジー添加剤によって、smの十分な粘弾性および安定性の達成が促進される。
【0078】
本発明のsm(6a)は、特に70℃にて擬塑性で粘弾性を有することを特徴とする。
【0079】
擬塑性とは、sm(6a)の粘度η(γ)が剪断速度γに依存し、剪断速度が増加するにつれて以下することを意味し、この効果は可逆的であり、粘度は剪断速度が減少する場合に増加する。
【0080】
70℃では、本発明により使用するsm(6a)が低い剪断速度で高粘度であることが好ましい。70℃にて剪断速度1s
−1で測定した粘度の値は10Pas以上、好ましくは15Pas〜1000Pas、特に好ましくは20Pas〜500Pasであり、特別な実施態様では好ましくは25Pas〜250Pasである。
【0081】
70℃では、本発明により使用するsm(6a)が高い剪断速度で低粘度であることが好ましい。70℃にて剪断速度1s
−1で測定した粘度の値は10Pas以下、好ましくは0.1Pas〜10Pas、特に好ましくは1Pas〜10Pasであり、特別な実施態様では好ましくは1Pas〜7Pasである。
【0082】
粘度(=剪断粘度)を測定する方法は、以下の後の段階の実施例の文脈で詳細に記載されている。
【0083】
70℃では、本発明により使用するsm(6a)のチキソトロピー挙動を有する、即ち一例として、剪断速度が500s
−1から1s
−1に減少した後の剪断粘度の増加は時間に依存する。
【0084】
この粘性増加曲線の形は凹形、即ち横座標に向かったカーブであることが望ましい。
【0085】
剪断速度が500s
−1から1s
−1に減少した後の粘度の再構築は10秒以前に完成することが好ましい。これは、剪断速度が500s
−1から1s
−1に瞬時に減少した後にサンプルの粘度が10秒以前に安定水平値に達したことを意味する。
【0086】
本発明により使用するsm(6a)は、さらに70℃で粘弾性挙動を示すことを特徴とし、特に好ましくは線形粘弾性(linear-viscoelastic :LVE)範囲内で粘弾性を示す。これは、T. Mezger, G., The Rheology Handbook, 2nd Edn., Vincentz Network GmbH & Co. KG; Germany, 2006, 147ff.により定義されたLVE範囲内であれば、損失係数の値tanδ=G’’/G’が1未満、好ましくは0.75未満、特に好ましくは0.5未満であることを意味する。
本発明により使用するsm(6a)は、さらに70℃では好ましくは安定した物理的ゲルであることを特徴とする。これは、70℃でのLVE範囲内の貯蔵弾性率G’の水平値が100Pa超であり、好ましくは100〜5000Paの範囲内にあり、特に好ましくは100〜250Paの範囲内であることを意味する。
ゲルの臨界変型抵抗τ
臨界、即ち、G’=G’’である際の抵抗τは好ましくは1Pa超、好ましくは5Pa超、特に好ましくは25Pa超である。貯蔵弾性率G’は、レオメーターを使用したレオロジー測定によって決定してもよい。
【0087】
本発明により使用するsm(6a)は、20℃〜60℃の温度範囲で相転移を示す。即ち、20℃〜60℃の温度範囲に冷却した後に、本発明により使用されるsm(6a)は粘弾性挙動を有して液体から固体への遷移を示す。この相転移に割り当てられた固化温度T
Sは、一定の変形および周波数を有するサンプルの動的応力下での温度掃引実験で、温度を70℃〜20℃の範囲で冷却して得られた。この目的を達成するためには、複素粘度|η*|(T)の大きさの測定値を、ボルツマン(Boltzmann)S字形関数を用いて分析した。sm(6a)の固化温度T
Sは、20℃〜60℃の範囲、好ましくは25℃〜50℃の範囲である。より狭い温度範囲で固化が行われる場合が好ましい、即ち、固化曲線|η*|(T)は急である。これは、ボルツマンのS字形関数の勾配パラメーターdTの値が0.1〜1、好ましくは0.25〜0.75であることを意味する。
【0088】
本発明により使用するsm(6a)は、シリコーンをsm(6a)の表面上に展着させることができるという特徴を有する。これは、低分子量シリコーン油(例えば、Wacker Chemie AGからのAK 100)の接触角が90°未満、好ましくは60°未満であることを意味し、かつ特に好ましくは、smの自発的な湿潤化が測定可能な接触角が一切形成されることなく生じることを意味する。
【0089】
本発明により使用するsm(6a)は、さらに、電磁放射線(例えば、sfm(6b)の放射線架橋の文脈ではUV光)で短期間照射した際に変化しない、即ち分解反応、ポリマー反応または安定性の損失を示さないことを特徴とする。
【0090】
本発明により使用するsm(6a)は、好ましくは、sfm(6b)を硬化した後に、成形品(8)から機械的にまたは溶媒中で溶解させることによって容易に取り出すことができるという特徴を有する。これは、例えば、圧縮空気、スピニング(例えば、遠心分離による)、ブラシ、スクレーパー等により、機械的に達成することができる。さらに、好適な溶媒中の溶液によって取り出しを達成することができる。ここでは環境または最終使用者を危険に晒さない溶媒が好ましく、好ましいのは水である。
本発明により使用するsm(6a)、および特に使用するポリエーテルが良好な水への溶解性を示す場合が好ましい。これは、20℃では、少なくとも5gのsmが100gの水中に溶解し、好ましくは少なくとも50gのsmが100gの水中に溶解し、特に好ましくは少なくとも100gのsmが100gの水中に溶解することを意味する。
さらにこれは、使用したポリエーテルが、それぞれの場合に20℃で、100gの水中に少なくとも5g程度まで溶解し、好ましくは100gの水中に少なくとも50g程度まで溶解し、特に好ましくは100gの水中に少なくとも100g程度まで溶解することを意味する。
この目的のために溶媒は加熱することが好ましく、および/または、特に、例えば、陰イオン、陽イオンまたは中性の界面活性剤など、好適な界面活性剤が水に添加される。場合により洗浄を機械、例えば、好適な皿洗い機で達成することができる。
【0091】
本発明により使用するsm(6a)は成形品(8)から取り出した後に再利用されることが好ましい。この目的のために、本発明により使用するsm(6a)は、sfm(6b)の揮発性成分の吸収能が低いことが有利であることが証明された(例えば、シリコンエラストマー(6b)の場合には低分子量のシロキサン)。
【0092】
微粒子状レオロジー添加剤(B)を含んでなるsm分散物を生産する場合、微粒子状レオロジー添加剤(B)はポリエーテル組成物(A)中に混合する。
【0093】
成分(A2)の固定点および好ましくは70℃を超える温度のsm分散物を生産するためには、微粒子状レオロジー添加剤(B)を液体ポリエーテル組成物(A)に添加して、例えば、湿潤化により、または回転式混合機もしくは高速混合機の使用による振盪により分散あるいは撹拌により混合することができる。粒子濃度が10%未満と低い場合には、液体(A)中へ粒子(B)を取り込みむためには単純な撹拌で一般的に十分である。液体ポリエーテル組成物(A)中への粒子(B)の取り込みおよび分散には剪断勾配が非常に高いことが好ましい。この目的のために好ましいのは、高速撹拌機、高速溶解機、例えば周速度が1〜50m/sであり、高速ローター・ステーター・システム、ソノレーター(Sonolatores)、ニップ、ノズル、ボールミル等を有するものである。
【0094】
これにはバッチ式法および連続法を用いることができ、好ましいのは連続法である。
好適なシステムは特に、湿潤化を達成するため、および、例えば密封容器または密封槽中でポリエーテル組成物(A)中への微粒子状レオロジー添加剤(B)の取り込みを達成するための効果的な攪拌装置を最初に使用し、第二の工程で、微粒子状レオロジー添加剤を分散させるために非常に高い剪断勾配を使用するものである。これは、第一容器中の分散システムによってか、または容器から、好ましくは容器への閉回路帰路を有する分散装置を備えてなる、外部配管中へのポンプによる循環によって達成することができる。この手順は、部分的岐路および部分的な連続的取り出しを用いることで連続的な手順に設計することができる。
特に、超音波を5Hz〜500kHzの範囲、好ましくは10kHz〜100kHz、非常に特に好ましくは15kHz〜50kHzで使用することがsm分散物中の微粒子状レオロジー添加剤(B)の分散を行うには好適な方法であり、超音波の分散手順は、連続的にまたはバッチ的に行なうことができる。これは、超音波チップなどの個々の超音波送受信機によって、または1つ以上の超音波送受信機を備えてなる、場合により配管または管壁によって分離されたシステムである流通システムで達成することができる。
超音波分散は、連続的またはバッチ式で行うことができる。
分散は乳化剤または分散物の生産に好適であり、十分に大きな剪断エネルギーを供給する従来の混合機、例えば、高速ステーター−ローター撹拌機器(例えば、Prof. P. Willemsが設計した、公知の登録商標「Ultra-Turrax」)または登録商標Kady、Unimix、Koruma、Cavitron、Sonotron、NetzschまたはYstral等で知られている他のステーター−ローターシステムで達成することができる。他の方法は、例えば、超音波プローブ/トランスミッターおよび超音波流通セルおよび超音波システムまたはSonorex /Bandelinが供給するものと類似のものを使用した超音波法およびボールミル、例えばWAB、CHからのDyno-Millである。他の方法では、ブレード撹拌機またはパドル撹拌機などの高速撹拌機、ディスク溶解機などの溶解機(例えば、Getzmannからのもの)ならびに遊星溶解機、パドル溶解機、溶解システムと撹拌システムから派生した他の組み合わせアセンブリが使用される。他の好適なシステムは押出機および混練機である。
【0095】
微粒子状レオロジー添加剤(B)の取り込みおよび分散は真空内で行われるか、または排気工程が含まれることが好ましい。
【0096】
微粒子状レオロジー添加剤(B)の取り込みおよび分散は、30℃〜200℃の温度範囲、好ましくは50℃〜150℃、特に好ましくは70℃〜100℃の上昇した温度で行われることが好ましい。
温度上昇は、好ましくは外部の加熱/冷却によって管理することができる。
【0097】
当然、別の方法によりsm分散物を生産することも可能である。
【0098】
本発明により使用するsm(6a)は好適な計量容器(4a)(例えば、カートリッジ、チューブ状バッグ等)に充填することが好ましい。その後、計量容器(4a)は大気の湿気の進入を防ぐために別の材料(例えば、金属箔)に溶接することが好ましい。
【0099】
本発明により使用するsm(6a)は、例えば好適な真空を適用することによってか、または超音波を用いることによって容器に充填する前および/または容器に充填している間に脱気することが好ましい。
【0100】
本発明により使用するsm(6a)は、例えば高温で好適な真空を適用することによって容器に充填する前に乾燥させることが好ましい。使用するsm(6a)中の遊離水(即ち、水捕集剤または乾燥剤に結合していない水)の含量は、smの総重量に対して10重量%未満、好ましくは5重量%未満、特に好ましくは1重量%未満である。遊離水の含量は、一例としてカール・フィッシャー(Karl Fischer)滴定またはNMR分光法を用いて定量的に決定することができる。
【0101】
本発明により使用するsm(6a)の充填は、30℃〜200℃の温度範囲、好ましくは50℃〜150℃、特に好ましくは70℃〜100℃の上昇した温度で行われる場合が好ましい。
【0102】
本発明により使用するsm(6a)は機械的な圧力によって、および/または気圧もしくは真空を用いて計量容器から送られることが好ましい。
【0103】
本発明により使用するsm(6a)の計量容器からの送出しは、30℃〜200℃の温度範囲、好ましくは40℃〜100℃、特に好ましくは50℃〜100℃の上昇した温度で実行される場合が好ましい。
【実施例】
【0104】
以下の実施例は本発明を制限することなく実例としての役割を果たす。
【0105】
すべてのパーセンテージデータは重量に基づく。反対の記載がない限り、操作はすべて室温(25℃)および大気圧(1013bar)で実施する。装置は、多数の機器製造会社が市販する種類の市販の実験装置である。
【0106】
シリカ(成分B)の特徴化を行うための分析法
メタノール数
水−メタノール混合物での濡れ性試験(水中MeOHの容積%):等容積のシリカおよび水−メタノール混合物を一緒に振盪した。
−0%メタノールから開始
−非濡れ性の場合、少なくともいくらかのシリカが浮遊する:MeOHの割合を5容積%増加させた混合物を使用した。
−濡れ性の場合、全量のシリカが沈降する:水中のMeOHの割合(容積%)からメタノール数を得た。
【0107】
炭素含量(Cの%)
炭素の元素分析は、Eltra GmbH(D-41469 Neuss)からのCS-530元素分析機を使用してDIN ISO 10694に従い実施した。
【0108】
残留シラノール含量
残留シラノール含量は、水とメタノール1:1の混合物中に懸濁したシリカの酸塩基滴定により、G.W. SearsらのAnalytical Chemistry 1956, 28, 1981ffに従い決定した。滴定は、等電点を超える範囲およびシリカが溶解するpH範囲を下回る範囲で実施した。このようにして%での残留シラノール含量は、下記式から計算することができた:
SiOH=SiOH(シリル)/SiOH(phil)100%
ここで、
SiOH(phil):未処理シリカの滴定からの滴定容積
SiOH(シリル):シリル化したシリカの滴定からの滴定容積
【0109】
DBP数
フタル酸ジブチル吸収はHaake, Karlsruhe からのRHEOCORD 90で測定した。このために、12g±0.001gの二酸化ケイ素粉末を混練チャンバに充填し、これをカバーで密閉し、フタル酸ジブチルを規定の計量速度0.0667ml/sでカバーの穴を介してチャンバへ計量流入させた。混練機は1分あたり125回転のモーター回転速度で運転した。一旦トルク最大が達成されると、混練機およびDBP計量のスイッチが自動的に切られた。消費されたDBPの量および粒子の入力量は、以下のようにDBP吸収を計算するために使用した:DBP数(g/100g)=(gでのDBPの消費量/gでの粉末の入力量)×100。
【0110】
レオロジー測定
反対の記載がない限り、測定はすべてAnton Paar からのMCR 302空気軸受レオメーターで70℃にて行った。測定は、間隙が300μmであるプレート−オン−プレート(plate-on-plate)(直径25mm)形で行った。試験のために間隙をつくるために一旦プレートを閉じた後に、過剰なサンプル材料をスパチュラで取り除いた(「トリミング」)。実際のプロファイルを測定する前に、サンプルに事前の規定の剪断応力をかけて、サンプルを適用したことおよび試験用の位置にプレートを閉じたことにより派生したレオロジー履歴を消去した。事前剪断には、剪断速度100s−1での剪断相60s、続く最小剪断相300sが含まれる。
剪断粘度は、サンプルがそれぞれの場合に120sにて一定の剪断速度1s
−1、10 s
−1および100s
−1で剪断される、いわゆる段階的プロファイルから決定した。
ここでの測定点持続時間は、12s(1s
−1)および10s(10s
-1、100s
−1)であり、ブロックの最後のデータ点4つを平均して剪断粘度とした。
サンプルに、変形振幅を増加させつつ、変形を0.01〜100の変形範囲に制御しつつ、一定の角振動数10rad/sで負荷をかけた動的変形試験から損失弾性率tanδ、臨界剪断応力τ
臨界および貯蔵弾性率G’の水平値を得た。測定点持続時間は10進計数あたり4つの測定点で30sであった。ここでの貯蔵弾性率G’の水平値はデータ点2〜7つの平均であるが、これらが線形粘弾性の範囲内である(即ち、変形および剪断応力への依存性を示さない)ことが条件である。
smの固化温度T
Sは動的剪断応力下の温度掃引実験から得た。ここではサンプルを冷却速度1.5K/分にて70℃から20℃に段階的に冷却した。ここではサンプルに10Hzの一定周波数で0.1%の一定変形率の応力をかけた。測定点持続時間は0.067分であった。これにより、それぞれの場合、温度Tの関数として、貯蔵弾性率G’(T)、損失弾性率G’’(T)および複素粘度|η|*(T)が得られた。Tに対して|η|*(T)をプロットするとS字曲線が得られた。ボルツマンS字関数を使用して、以下のように、下記曲線から固化温度T
Sおよび曲線の急勾配を得た:
ここでのボルツマンのS字関数の形態は以下の通りである:
【化1】
|η|*(T)は、温度の関数としての複素粘度の大きさであり、|η|*
最大は、低温での複素粘度の大きさの水平値であり、|η|*
最小は、高温での複素粘度の大きさの水平値であり、Tは℃での温度であり、T
0は屈折点であり、ここでは℃での固化温度T
Sとして定義され、dTは曲線の急勾配を表す勾配パラメーターである。関数はORIGIN 2016Gソフトウェアを使用して測定値に適合させた。使用した反復アルゴリズムはソフトウェア実装Levenberg Marquardtアルゴリズムであった。適合プロセスは、適合が集中した途端に終了させ、カイ二乗値1×10
−9が達成された。水平値|η*|
最大および|η*|
最小は、測定点から、測定値の最初の10個と最後の10個を平均することによって得られ、曲線適合に即して決定した。パラメーターT
0およびdTには反復を行わなかった。
【0111】
3Dプリンター:下記に記載された本発明の方法の実施例では、生成製造システムとして、German RepRap GmbHからのNEO 3Dプリンターを使用し、これは試験のために改修して適切に適応させた。 比較的高粘度のものから自己支持形のペーストまでの範囲の組成物(例えば、本発明により使用するsm)を滴状で堆積させるために、NEO 3Dプリンターに元からインストールされた熱可塑性フィラメント計量装置をOtterfing、Vermes Microdispensing GmbHのジェットノズルと交換した。
【0112】
NEOプリンターはジェットノズルを標準装備していなかったため改修した。Vermesジェットノズルは、Vermesジェットノズルの始動-停止信号(トリガー信号)がプリンターのG−コード制御システムによって作動するようにプリンターの制御システムに組み入れた。この目的のために、G−コード制御システムに特定の信号を格納した。したがって、コンピューターのG−コード制御システムは単にジェットノズルのオン、オフ(計量の始動と停止)を切り替えた。始動−停止信号を送信するために、NEOプリンターに元からインストールされていたフィラメント加熱ノズルの加熱ケーブルを分離してVermesノズルに接続した。
Vermesジェットノズルの他の計量パラメーター(計量周波数、上昇(Rising)、下降(Falling)等)は、MDC 3200+微細分注制御装置(Microdispensing Control Unit)で調節した。
【0113】
3Dプリンターはコンピューターで制御した。3Dプリンター(Repitier-Hostソフトウェア)のソフトウェア制御システムおよび制御信号接続は3空間方向での計量ノズルの動きだけでなく、液滴沈積信号も制御できるように改修した。NEO 3Dプリンターの最大の変位速度は0.3m/sであった。
【0114】
計量システム:sm組成物、即ち放射線架橋シリコン−エラストマー構造材料のために使用した計量システムは、次の部品を有する完全なシステムからなる、Vermes Microdispensing GmbHからのMDV 3200 A微細分注計量システム:a)その上部側に3〜8barで圧縮空気が適用される(アダプター付きフレキシブル・チューブ)ルアー・テーパーカートリッジ用の接続システムを備えたMDV 3200 Aノズル装置、b)左側にVermes MDH-230tfl補助ノズル加熱システム、c)ホットメルトカートリッジを固定するためのMCH圧縮空気抜き付きのMCH30−230カートリッジ加熱器、MHC 3002微細分注加熱制御器およびMCH−230tg加熱ケーブル、d)MDC3200+微細分注制御装置であり、これはPC制御システムに接続していて、かつケーブルをノズルへ移動させることによってジェッティングの計量パラメーター(上昇、下降、オープンタイム、ニードルリフト、遅延、無パルス、ヒーター、ノズル、距離、ボクセル直径、カートリッジでの許容空気圧)の調節が可能であった。直径が50、100、150および200μmであるノズルが利用可能である。したがってsm(6a)をナノリットル範囲内にて非常に微細な液滴で、ベースプレートまたは架橋したsfm(6b)上に任意の所望のxyz位置で正確に配置することを達成することが可能である。個々の実施例に反対の記載がない限り、Vermesバルブには標準ノズル挿入物として200μmノズル(ノズル挿入物N11−200)をインストールした。
sm組成物(6b)に使用した貯蔵容器(4a)は、ねじ山によって液漏れを防ぐ分注ノズルに接続させた、垂直に配置した30mlのルアー・テーパーカートリッジであった;カートリッジには圧縮空気を適用した。
改修したNEO 3DプリンターおよびVermes計量システムは、PCおよびSimplify 3Dオープンソース・ソフトウェアで制御した。
【0115】
放射線源:
Osram UVランプ付きUVチャンバ
成分のsfm(6b)の架橋のためのオフライン紫外線照射のために、反射性内部仕上げおよび以下の外部寸法を有するUV照射チャンバを使用した。
長さ 50cm
高さ 19cm
幅 33cm
蛍光UVランプと基質の間の距離は15cmであった。
放射線源:波長254nmであるOsram Puritec HNS L 36 W 2G11、電力定格が36WのUVランプ、Osram GmbH, Steinerne Furt 62, 86167 Augsburg。
【0116】
sm組成物およびsfm組成物の調整:使用したsfm組成物はすべて、3Dプリンターで使用する前に組成物100gを室温(=25℃)にて10mbarでの真空乾燥機内で3開口PE瓶中に3時間保管することによって脱揮した。その後、空気が排除された条件下で組成物を、バヨネット(bayonet)シール付きの30mlカートリッジに充填し、適切なサイズのエジェクタピストン(プラスチック製)で密閉した。その後、ルアー・テーパーカートリッジは、液体が逃げないように、Vermes計量バルブの垂直カートリッジホルダーへルアー・テーパーねじ山を用いて下方向にねじ込み、カートリッジのピストン上部側に3〜8barの圧縮空気を適用し、カートリッジ内に位置するエジェクターピストンが、圧縮空気による前に排出された組成物内への泡の無い通過を防止した。
sm組成物は、一晩70℃にて窒素でパージした乾燥室内で溶融し、カートリッジに充填し、2000rpmにて5分間遠心分離で熱くして空気を除去した。その後、ルアー・ロックカートリッジを、ルアー・ロックねじが下に向いた状態でVermes計量バルブの垂直カートリッジ加熱器(heating)に液密にねじ込み、カートリッジ頂側の圧力プランジャーを3〜8barの圧縮空気に供し、カートリッジ内に存在する放出プランジャーは泡を除去するために事前に遠心分離した組成物内に圧縮空気が入り込むことを防止した。カートリッジは、印刷操作を開始する前に少なくとも30分間目標温度に温度制御した。
【0117】
例1(E1):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG600、融点:17℃)237.5gと平均モル質量Mnが8000g/molであるポリエチレングリコール(PEG8000、融点:55℃)237.5gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0118】
例2(E2):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG600、融点:17℃)356.2gと平均モル質量Mnが8000g/molであるポリエチレングリコール(PEG8000、融点:55℃)118.8gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0119】
例3(E3):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG 600、融点:17℃)356.2gと平均モル質量Mnが20000g/molであるポリエチレングリコール(PEG20000、融点:57℃)118.8gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0120】
例4(E4):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG600、融点:17℃)234.5gと平均モル質量Mnが20000g/molであるポリエチレングリコール(PEG20000、融点:57℃)234.5gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0121】
例5(E5):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG 600、融点:17℃)234.5gと平均モル質量Mnが4000g/molであるポリエチレングリコール(PEG4000、融点:53℃)234.5gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0122】
例6(E6):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG600、融点:17℃)350.7gと平均モル質量Mnが20000g/molであるポリエチレングリコール(PEG20000、融点:57℃)117.3gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を20.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0123】
例7(E7):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG600、融点:17℃)344.0gと平均モル質量Mnが20000g/molであるポリエチレングリコール(PEG20000、融点:57℃)114.5gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を30.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0124】
例8(E8):
平均モル質量Mnが400g/molであるポリエチレングリコール(PEG400、融点:4℃)348.0gと平均モル質量Mnが20000g/molであるポリエチレングリコール(PEG20000、融点:57℃)116.0gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0125】
例9(E9):
平均モル質量Mnが400g/molであるポリエチレングリコール(PEG400、融点:−41℃)348.0gと平均モル質量Mnが20000g/molであるポリエチレングリコール(PEG20000、融点:57℃)116.0gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0126】
例10(E10;本発明外):
平均モル質量Mnが600g/molであるポリエチレングリコール(PEG600、融点:17℃)118.5gと平均モル質量Mnが8000g/molであるポリエチレングリコール(PEG8000、融点:55℃)356.2gの混合物を初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより透明なゲルが得られ、これは60℃未満の温度で固化して白色組成物を生成し、その分析データは表2に列挙した。
【0127】
例11(E11;本発明外):
平均モル質量Mnが8000g/molであるポリエチレングリコール(PEG8000、融点:55℃)475.0gを初期充填物として使用し、PC Laborsystem GmbHからのパドル溶解機(溶解機ディスク直径60mm)付きの実験室用ミキサーに入れ、HDK(商標)H18疎水性ヒュームドシリカ(Wacker Chemie AGから入手可能;分析データについては表1を参照のこと)を25.0g、70℃にて約1時間にわたって撹拌しながら分割して添加した。その後、混合物を70℃で、1.0時間、真空内で800rpmにて分散させた。これにより60℃未満の温度で白色組成物に固化する透明なゲルが得られ、その分析データは表2に列挙した。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
ジェッティング例1:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E1を、面積が25×75mmのガラスサンプルスライド上に滴状に堆積させて壁厚700μm、端長15mmおよび高さ10mmの長方形らせん状物を得た。sm溶融物のレオロジー特性によって優れた寸法安定性および堆積形状の再現正確性をもたらすことができた。縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた(
図2参照)。
【0131】
ジェッティング例2:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E2を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0132】
ジェッティング例3:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E3を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0133】
ジェッティング例4:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E4を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0134】
ジェッティング例5:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E5を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0135】
ジェッティング例6:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E6を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0136】
ジェッティング例7:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E7を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0137】
ジェッティング例8:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E8を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0138】
ジェッティング例9:表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E9を堆積させた。J1と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れがなく、安定な成形品が得られた。
【0139】
ジェッティング例10(本発明外):表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E10を堆積させた。縮小に起因するガラスプレートの位置連れを伴う安定な成形品が得られた(
図3参照)。
【0140】
ジェッティング例11(本発明外):表3に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、E11を堆積させた。J10と同様に、縮小に起因するガラスプレートの位置連れを伴う安定な成形品が得られた。
【0141】
ジェッティング例12(本発明外):表4に記載のジェッティングノズル・パラメーターを使用して、粘度が約310 000 mPa.s(0.5s
−1にて)であり、ショアA加硫硬度が40である、UV光誘発付加架橋した、半透明のシリコンゴム組成物であるSEMICOSIL(商標)810 UV 1K(WACKER CHEMIE AGより入手可能)を、面積が25×75mmのガラスサンプルスライド上に滴状に堆積させて壁厚2mm、端長15mmおよび高さ3.5mmの長方形らせん状物を得た。らせん状物を上記のオフラインUV室内で、その節で言及した架橋パラメーターに従い架橋した。ノズルヘッドおよびそれぞれの供給ラインを洗浄してカートリッジを取り換えた後に、支持材料E3をスパイラルの空洞に噴出させた(ジェッティングノズルのパラメーターについては表4を参照のこと)。さらにノズルヘッドおよびそれぞれの供給ラインを洗浄してS-MカートリッジをSEMICOSIL(商標)810 UV 1Kカートリッジと取り換えた後に、スパイラル上に厚さ1.5mmのカバーが印刷され、上記の通りに架橋が行われて水を使用して支持材料を除去した。
図4に得られた成形品を示す。
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】