【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、
(a)3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンおよび
(b)化粧品として許容可能な担体
を含むまたはこれらからなるフレグランス組成物である。
【0006】
任意に、これらの組成物は、成分(c)として、成分(a)とは異なる少なくとも1つの追加のフレグランス化合物をさらに含んでいてもよい。好ましくは、組成物はクマリンを含まない。
【0007】
驚くべきことに、3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンは、トンカニュアンスを有する強いクマリン様のココナツアーモンドフレーバを提供するので、クマリンの完璧な代替物であるが、皮膚科学的に安全であると考えられることを認めた。この生成物は、(全組成物に対して計算された)0.05から1、5、10、12およびさらには15重量%までの高濃度でも安定であり、分解もせず、その感覚プロファイルも変化しない。そのテナンシーは、例えばクマラクトンのような市場からの比較製品よりも優れている。最後に、3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンは、高濃度で使用してもフレグランスを変色させない。
【0008】
3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オン
3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オン
【化2】
その調製および化粧品および栄養のためのフレグランスおよびアロマ分子としての使用は、欧州特許第0707575 B1号明細書(FIRMENICH)および欧州特許第0953294 B1号明細書(HAARMANN&REIMER)に従属している。さらに、日本特許出願特開2004 238309 A号公報(KANEBO)は、3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンを皮膚美白のためのメラミン阻害剤として示唆している。
【0009】
〔担体〕
適切な担体は、水、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロールおよびその混合物からなる群から選択される。好ましい組成物は、5、7、9、10、12または15重量%の3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンおよび合計で10重量%のエタノールを含む。
【0010】
〔追加のフレングランス〕
群(c)を形成する好適なフレグランスは、単一成分として、または多かれ少なかれ複雑な混合物の形態で使用することができる。種は、天然源から得てもよいし、有機合成によって調製してもよい。
【0011】
天然香料には、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、カルマス)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シダー、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、わい性マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポパナクス)の抽出物が含まれる。動物性原料、例えば、シベットおよびビーバーも使用されてもよい。
【0012】
典型的には、合成フレングランスは、アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、炭化水素、それらの混合物を表す。以下では、これらのタイプのフレグランスが例示されているが、これらの例に限定されない。
【0013】
(アルデヒド)
アルデヒド構造を示す好適なフレグランスの例には、メロンナール、トリプラール、リグストラール(ligustral)、アドキサール、アニスアルデヒド、シマル(cymal)、エチルバニリン、フロルヒドラル(florhydral)、フロラロゾン(floralozon)、ヘリオナール、ヘリオトロピン、ヒドロキシシトロネラール、コアボン(koavon)、ラウリンアルデヒド、カントキサール、リラール(lyral)、リリアール、アドキサール、アニスアルデヒド、クマール(cumal)、メチル−ノニル−アセトアルデヒド、シトロネラール、シトロネリルオキシ−アセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ブルゲオナール、p−tert−ブシナール、フェニルアセトアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、バニリン;2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール、3−ドデセン−I−アール、α−n−アミルシンナムアルデヒド(Amylzimtaldehyde)、4−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3−(4−tert−ブチルフェニル)−プロパナール、2−メチル−3−(パラ−メトキシ−フェニルプロパナール)、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2(1)−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール、3−フェニル−2−プロペナール、シス/トランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−l−アール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−アール、[(3,7−ジメチル−6−オクテニル)−キシ(xy)]−セトアルデヒド(cetaldehyde)、4−イソプロピルベンジルアルデヒド、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、2−メチル−3−(イソプロピル−フェニル)プロパナール、デシルアルデヒド、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール;4−(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]−デシリデン−8)−ブタナール;オクタヒドロ−4,7−メタノ−IH−インデンカルボキシアルデヒド;3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、パラ−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド(hydrozimtaldehyde)、α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)−ヒドロシンナムアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、α−n−ヘキシルシンナムアルデヒド、m−シメン−7−カルボキシアルデヒド、α−メチルフェニルアセトアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、4−(3)(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(carboxaldehyde)、1−ドデカナール、2,4−ジメチル−シクロヘキセン−3−カルボキシアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタン−1−アール、2−メチルウンデカナール、2−メチルデカナール、1−ノナナール、1−オクタナール、2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナール、2−メチル−3−(4−tertブチル)プロパナール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナール、メチルノニルアセトアルデヒド、2−フェニルプロパン−1−アール、3−フェニルプロパ−2−エン−1−アール、3−フェニル−2−ペンチルプロパ−2−エン−1−アール、3−フェニル−2−ヘキシルプロパ−2−エナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−アール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン−1−アール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチル−プロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシ−フェニル)−2−メチルプロパン−1−アール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(3−イソプロピルフェニル)−ブタン−1−アール、2,6−ジメチルヘプタ−5−エン−1−アール、ジヒドロシンナムアルデヒド(Dihydrozimtaldehyde)、1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、5−または6−メトキシヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1または2−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチルオクタン−1−アール、1−ウンデカナール、10−ウンデセン−1−アール、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、1−メチル−3−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−オクタナール;トランス−4−デセナール、2,6−ノナジエナール、p−トリルアセトアルデヒド;4−メチルフェニルアセトアルデヒド、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテナール、o−メトキシシンナムアルデヒド(zimtaldehyde)、3,5,6−トリメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド;5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール、ペオニーアルデヒド(peony aldehyde)(6,10−ジメチル−3−オキサ−5,9−ウンデカジエン−1−アール)、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1−カルボキシアルデヒド、オクタナール、2−メチルオクタナール、α−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼン−アセトアルデヒド、6,6−ジメチル−2−ノルピネン−2−プロピオンアルデヒド、p−メチルフェノキシアセトアルデヒド、2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−アール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド、3−プロピル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−5−エン−2−カルボアルデヒド、9−デセナール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタナール、メチルノニルアセトアルデヒド、1−p−メンテン−q−カルボキシアルデヒド、シトラールまたはその混合物、リリアールシトラール、1−デカナール、n−ウンデカナール、n−ドデカナール、フロリドラル(hlorhydral)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド4−メトキシベンズアルデヒド、3−メトキシ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒドおよびそれらの混合物が包含される。
【0014】
上記で説明したように、このケトンまたはこのアルデヒドは、脂肪族、脂環式、芳香族、エチレン性不飽和構造、またはこれらの元素の混合物を示し得る。これらの成分はまた、ヘテロ原子を含んでもよく、または多環式構造を示してもよい。これらの構造のすべてに適した置換基は、ヒドロキシル基および/またはアミノ基である。さらなるフレグランスは、参考として本明細書に組み込まれる以下の文献:Steffen Arctander 「Published 1960 and 1969 respectively, Reprinted2000 ISBN: Aroma Chemicals Vol. 1: 0−931710−37−5, Aroma Chemicals Vol. 2: 0−931710−38−3」にまとめられている。
【0015】
(ケトン)
ケトン構造を示す好適なフレグランスの例には、ブッコキシム、イソジャスモン、メチルβナフチルケトン、モスカスインダノン、トリアリド/モスカスプラス、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソ−ダマスコン、ダマスセノン、ダマロース、メチルジヒドロジャスモネート、メントン、カルボン、カンファー、フェンコン、アロファロネン、β−イオノン(iononw)、ジヒドロ−β−イオノン、γ−メチルイオノン、フルラモン(fleuramone)、ジヒドロジャスモン、シスジャスモン、イソ−E−スーパー、メチルセドレニルケトンまたはメチルセドリロン(cedrylon)、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、メチル−β−ナフチルケトン、ベンジルアセトン、ベンゾフェノン、p−ヒドロキシフェニルブタノン、セロリケトンまたはリブスコン(livescon)、6−イソプロピルデカヒドロ−2ナフトン(6−osopropyl−deca−hydro−2−naphtone)、ジメチルオクテノン、フレスコメンテ(freskomenth)、4−(1−エトキシビニル)−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノン、メチルヘプテノン、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)−シクロペンタノン、1−(p−メンテン−6(2)−イル)−1−プロパノン、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−ブタノン、2−アセチル−3,3−ジ−メチル−ノルボルナン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、4−ダマスコール、ダルシニル(dulcinyl)またはカシオン(cassione)、ゲルソン(gelsone)、ヘキサロン(hexalone)、イソシクレモン(isocyclemone)E、メチルシクロシトロン、メチルラベンダケトン、オリボン(orivone)、p−tert−ブチルシクロヘキサノン、ベルドン(verdone)、デルフォン(delphone)、ムスコン、ネオブテノン、プリカトン(plicatone)、ベロウトン(veloutone)、2,4,4,7−テトラメチル−オクタ−6−エン−3−オン、テトラメラン(tetrameran)、ヘジオンおよびそれらの混合物が包含される。好ましいケトンは、α−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソ−ダマスコン、カルボン、γ−メチルイオノン、イソ−E−スーパー、2,4,4,7−テトラメチル−オクタ−6−エン−3−オン、ベンジルアセトン、β−ダマスコン、ダマセノン、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチルセドリロン、ヘジオンおよびそれらの混合物を含む群から選択される。
【0016】
(アルコール)
好適なフレグランスアルコールには、例えば、10−ウンデセン−1−オール、2,6−ジメチルヘプタン−2−オール、2−メチルブタノール、2−メチルペンタノール、2−フェノキシエタノール、2−フェニルプロパノール、2−tert−ブチルシクロヘキサノール、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−5−フェニルペンタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、3−フェニルプロパノール、4−ヘプテノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−tert−ブチル(buty)シクロヘキサノール、6,8−ジメチル−2−ノナノール、6−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、α−メチルベンジルアルコール、α−テルピネオール、アミルサリチレート(amylsalicylat)、ベンジルアルコール、ベンジルサリチレート、α−テルピネオール、ブチルサリチレート、シトロネロール、シクロヘキシルサリチレート、デカノール、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルヘプタノール、ジメチルオクタノール、エチルサリチレート、エチルバニリン、アネトール、オイゲノール、ゲラニオール、ヘプタノール、ヘキシルサリチレート(hexyl salicylat)、イソボルネオール、イソオイゲノール、イソプレゴール、リナロール、メントール、ミルテノール、n−ヘキサノール、ネロール、ノナノール、オクタノール、パラメンタン−7−オール、フェニルエチルアルコール、フェノール、フェニルサリチレート(phenyl salicylat)、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、チモール、トランス−2−シス−6−ノナジエノール、トランス−2−ノネン−1−オール、トランス−2−オクテノール、ウンデカノール、バニリン、シンナムアルコール(cinnamalcohol)およびそれらの混合物が包含される。
【0017】
(エステル)
ケトン構造を示す好適なフレグランスの例には、ベンジルアセテート、フェノキシイソブチレート、p−tert.−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート(DMBCA)、フェニルエチルアセテート、ベンジルアセテート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチアリルプロピオネート、ベンジルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、フロラマット(floramat)、メラサット(melusat)、ジャスマサイクラタット(jasmacyclatat)およびそれらの混合物が包含される。
【0018】
(エーテル)
ケトン構造を示す適切なフレグランスの例には、ベンジルエチルエーテルまたはアンブロキサンが包含される。
【0019】
(炭化水素)
炭化水素を表す適切なフレグランスの例には、テルペン、例えば、リモネンおよびピネンが包含される。
【0020】
〔組成物〕
好ましい実施形態では、本発明に従う組成物は、
担体、好ましくはエタノールとの合計が100重量%になる条件で、
(i)約1〜約12重量%、好ましくは約2〜10重量%、より好ましくは約5〜約8重量%の3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オン、および、
(ii)約1〜約15重量%、好ましくは約2〜約10重量%、より好ましくは約5〜約8重量%の少なくとも1つの追加のフレグランス化合物を包含する。
【0021】
〔化粧品およびパーソナルケア組成物〕
本発明の別の目的は、通常、約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約4重量%の量、特に約1重量%〜約2重量の量で、このフレグランス組成物を含む化粧品および/またはパーソナルケア組成物に関する。
【0022】
〔化粧品またはパーソナルケア組成物〕
本発明の別の目的は、この芳香族ニトリルおよびこの香料グレード溶媒を含む化粧品またはパーソナルケア組成物を包含する。化粧品またはパーソナルケア組成物は、例えば化粧品クリーム、ローション、スプレー、エマルション、軟膏、ゲルまたはムース(mouse)などのスキンケア、ヘアケアおよび/またはサンケア製品を表し得る。典型的な例は、スキンクリームおよびヘアシャンプー、制汗剤および石鹸である。
【0023】
本発明による調製物は、追加の補助剤または添加剤として、研磨材、抗ニキビ剤、皮膚用アンチエイジング剤、抗蜂巣炎剤、抗フケ剤、抗炎症剤、刺激防止剤(irritation−preventing agent)、刺激抑制剤(irritation−inhibiting agent)、抗酸化剤、収斂剤、発汗抑制剤、防腐剤、静電防止剤、結合剤、緩衝剤、担体材料、キレート剤、細胞刺激剤、クレンジング剤、ケア剤、脱毛剤、界面活性物質、脱臭剤、制汗剤、軟化剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、被膜形成剤、固定剤、発泡剤、発泡安定剤、発泡防止物質、発泡増強剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアセット剤、ヘア矯正剤、湿気付与剤、保湿剤、水分保持物質、漂白剤、補強剤、汚れ除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、防汚剤、減摩剤、潤滑剤、保湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、艶出剤、光沢剤、ポリマー、粉剤、プロテイン剤、再油化剤、研削剤、シリコーン剤、皮膚鎮痛剤、スキンクレンジング剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚ライトニング剤、皮膚保護剤、皮膚柔軟化剤、発毛促進剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、UVフィルタ、洗剤、繊維コンディショニング剤、沈澱防止剤、皮膚日焼け剤、増粘剤、ビタミン剤、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸もしくはポリ不飽和脂肪酸、α−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防錆剤、アロマ、香味物質、臭気物質、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒、またはシリコーン誘導体を含有してもよい。
【0024】
〔界面活性剤〕
好ましい助剤および添加剤は、アニオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキル−ベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ−およびジ−アルキルスルホスクシネート、モノ−およびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびそれらの塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタータレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦系の植物生成物)およびアルキル−(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、それらは、好ましくは狭い範囲のホモログ分布を有するが、従来のホモログ分布を有していてもよい。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。上記界面活性剤はすべて既知の化合物である。それらの構造および製造に関する情報は、関連する総論の中で見つけることができる、例えばJ. Falbe (ed.), 「Surfactants in Consumer Products」, Springer Verlag, Berlin, 1987,54〜124頁またはJ. Falbe (ed.), 「Katalysatoren, Tenside und Mineraloeladditive (Catalysts, Surfactants and Mineral Oil Additives)」, Thieme Verlag, Stuttgart, 1978、123〜217頁を参照のこと。調製物中の界面活性剤の含有率は、調製物に基づいて0.1〜10重量%であってもよく、好ましくは0.5〜5重量%であってもよい。
【0025】
〔油体〕
O/Wエマルションの構成成分を形成する好適な油体は、例えば6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C
6−C
22脂肪酸と直鎖または分枝状C
6−C
22脂肪族アルコールとのエステルまたは分枝状C
6−C
13カルボン酸と直鎖または分枝状C
6−C
22脂肪族アルコールとのエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルカート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルカート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルカート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルカート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルカート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート、およびエルシルエルカートである。直鎖C
6−C
22脂肪酸と分枝状アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、C
18−C
38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝状C
6−C
22脂肪肪アルコール、特にジオクチルマレートとのエステル、直鎖および/または分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリメトリオール)および/またはゲルベアルコール)とのエステル、C
6−C
10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C
6−C
18脂肪酸に基づく液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C
6−C
22脂肪族アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C
2−C
12−ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子または2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物油、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝状のC
6−C
22−脂肪族アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分枝状のC
6−C
22−アルコール(例えばFinsolv(登録商標)TN)、アルキル基あたり6〜22個の炭素原子を有する直鎖、分枝状、対称または非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)とのエステル、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーン油(シクロメチコン、シリコーンメチコングレードなど)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素、例えばスクワラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンも好適である。
【0026】
〔乳化剤〕
その他の界面活性剤もまた、乳化剤として調製物に添加することができ、例えば以下が挙げられる:
・2〜30モルのエチレンオキシドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキシドの、直鎖C
8−22脂肪族アルコールへの、C
12−22脂肪酸へのおよびアルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールへの付加生成物;
・1〜30モルのエチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC
12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
・6〜22個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノ−およびジエステルおよびソルビタンモノ−およびジエステルならびにそれらのエチレンオキシド付加物;
・ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への15〜60モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレート、ポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートまたはポリグリセロールダイマレートイソステアレート。これらのクラスのいくつかからの化合物の混合物も適切である。
・ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油に2〜15モルのエチレンオキシドを付加生成物。
・直鎖、分枝状、不飽和または飽和C
6/22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸ならびにグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えば、セルロース)に基づく部分エステル;
・モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェートおよびモノ−、ジ−および/またはトリ−PEG−アルキルホスフェートおよびその塩;
・ウールワックスアルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪族アルコールの混合エステルおよび/またはC
6−22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル、
・ポリアルキレングリコールおよび
・グリセロールカーボネート。
【0027】
脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ−およびジエステルおよびソルビタンモノ−およびジエステル、またはヒマシ油へのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、市販されている既知の製品である。それらは、平均アルコキシル化度が、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの量と付加反応が行われる基質との間の比に対応するホモログ混合物である。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC
12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品配合物のための脂質層エンハンサーとして知られている。好ましい乳化剤は、以下により詳細に記載される:
【0028】
(部分グリセリド)
好適な部分グリセリドの典型的な例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリドおよび製造プロセスから少量のトリグリセリドを依然として含有し得るそれらの工業的混合物である。上述の部分グリセリドへの1〜30、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドの付加生成物もまた適している。
【0029】
(ソルビタンエステル)
好適なソルビタンエステルは、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルカート、ソルビタンセスキエルカート、ソルビタンジエルカート、ソルビタントリエルカート、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリリノレート、ソルビタントリリシノレート、ソルビタンモノヒドロキシオキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタータレート、ソルビタンセスキタータレート、ソルビタンジタータレート、ソルビタントリタータレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートおよびこれらの工業的混合物である。上述のソルビタンエステルへの1〜30、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドの付加生成物も好適である。
【0030】
(ポリグリセロールエステル)
適切なポリグリセロールエステルの典型例は、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセリン−3−ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4イソステアレート(Isolan(登録商標)GI 34)、ポリグリセリル−3オレエート、ジイソステアロイルポリグリル−3ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート(TegoCare(登録商標)450)、ポリグリセリル−3蜜蝋(CeraBellina(登録商標))、ポリグリセリル−4カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS32)およびポリグリセリルポリリシノレエート(Admul(登録商標)WOL1403)、ポリグリセリルダイマレートイソステアレートおよびそれらの混合物である。他の好適なポリオールエステルの例は、ラウリン酸、ココ脂肪酸、タロウ脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのトリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールのモノ−、ジ−およびトリエステルであり、1〜30モルのエチレンオキシドと任意に反応される。
【0031】
(アニオン性乳化剤)
典型的なアニオン性乳化剤は、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸のような脂肪族C
12−22脂肪酸、および例えばアゼライン酸またはセバシン酸のようなC
12−22ジカルボン酸である。
【0032】
(両性乳化剤)
他の好適な乳化剤は、両性または双性イオン性界面活性剤である。双性イオン界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレートおよび1つのスルホネート基を含有する界面活性化合物である。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、およびアルキルまたはアシル基に8〜18個の炭素原子を含む2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンおよびココアシル−アミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。両性界面活性剤も適切な乳化剤である。両性界面活性剤は、C
8/18アルキルまたはアシル基に加えて、分子中に少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの−COOH−または−SO3H−基を含有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ−酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキル−アミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキル−アミノプロピオン酸、およびアルキル基に約8〜18個の炭素原子を含むアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココ−アルキルアミノ−プロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC
12/18アシルサルコシンである。
【0033】
〔過脂肪剤およびコンシステンシー因子〕
過脂肪剤は、例えば、ラノリンおよびレシチンならびにポリエトキシル化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドのような物質から選択されてもよく、脂肪酸アルカノールアミドはまた発泡安定剤としても機能する。
【0034】
主として使用されるコンシステンシー因子は、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を含有する脂肪族アルコールまたはヒドロキシ脂肪酸アルコール、ならびに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、同じ鎖長のアルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組み合わせが好ましくは使用される。
【0035】
〔増粘剤およびレオロジー添加剤〕
好適な増粘剤は、ポリマー性増粘剤、例えばAerosil(登録商標)タイプ(親水性シリカ)、多糖類、より特にキサンタンガム、グアー−グアー、寒天、アルギネートおよびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに脂肪酸の相対的に高分子量のポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(Carbopols(登録商標)[Goodrich]またはSynthalens(登録商標)[Sigma])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸エステルのポリオール、例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパンとのエステル、狭い範囲の脂肪族アルコールエトキシレートおよび電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。
【0036】
〔ポリマー〕
適切なカチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース誘導体、例えば、Polymer JR 400(登録商標)の名称でAmercholから得ることができる四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lame−quat(登録商標)L、Gruenau)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン、アジピン酸とジメチル−アミノ−ヒドロキシプロピルジエチレン−トリアミンとのコポリマー(Cartare−tine(登録商標)、Sandoz )、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550、Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびそれらの架橋した水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば四級化キトサン、任意に微結晶分布、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンと、ビス−ジアルキルアミン、例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンとの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えばJag−uar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16(Celanese)、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1(Miranol)およびRheocare(登録商標)CCまたはUltragel(登録商標)300の商品名で市場で見出すことができる種々のポリクオタニウムタイプ(例えば、6、7、32または37)である。
【0037】
適切なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミド−プロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリル−アミド/メチルメタクリレート/tert−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、および任意に誘導体化されたセルロースエーテルおよびシリコーンである。
【0038】
〔真珠光沢ワックス〕
適切な真珠光沢ワックスは、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価の、任意にヒドロキシ置換されたカルボン酸の6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪性物質、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテルおよび脂肪族カーボネート(合計で少なくとも24個以上の炭素原子を有する)、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子を有し、2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールとの開環生成物;ならびにそれらの混合物である。
【0039】
〔シリコーン〕
好適なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンおよびアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル変性シリコーン化合物(これは室温で液体および樹脂状の両方であってもよい)である。他の好適なシリコーン化合物は、ジメチルシロキサン単位200〜300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。適切な揮発性シリコーンの詳細な概要は、odd et al. in Cosm. Toil. 91, 27 (1976)に見出され得る。
【0040】
〔ワックスおよび安定剤〕
使用される天然油の他、ワックスも、調製物に存在してもよく、より特に天然ワックスは、例えばキャンデリアワックス、カルナバワックス、木蝋、エスパトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、米油ワックス、サトウキビワックス、オーキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛ワックス)、尾脂(uropygial fat)、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックスおよびマイクロワックス;化学的に変性されたワックス(ハードワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サソールワックス、水素化ホホバワックスおよび合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
【0041】
脂肪酸の金属塩、例えばマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛ステアレートまたは亜鉛リシノレートを安定剤として使用してもよい。
【0042】
〔第1の日焼け防止因子〕
本発明の文脈における第1の日焼け防止因子は、例えば、室温で液体または結晶性であり、紫外線を吸収でき、吸収されたエネルギーを長波の放射線、例えば熱の形態で放出することができる有機物質(光フィルタ)である。
【0043】
本発明による配合物は、有利には、少なくとも1つのUV−Aフィルタおよび/または少なくとも1つのUV−Bフィルタおよび/または広帯域フィルタおよび/または少なくとも1つの無機顔料を含有する。本発明による配合物は、好ましくは、少なくとも1つのUV−Bフィルタまたは広帯域フィルタ、より特に好ましくは少なくとも1つのUV−Aフィルタおよび少なくとも1つのUV−Bフィルタを含有する。
【0044】
好ましい化粧品組成物、好ましくは本発明による局所用配合物は、4−アミノ安息香酸およびその誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3−イミダゾール−4−イルアクリル酸およびそのエステル、ベンゾフラン誘導体、ベンジリデンマロネート誘導体、1つ以上のオルガノシリコンラジカルを含有するポリマー性UV吸収剤、ケイ皮酸誘導体、カンファー誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩、アントラニル酸メンチルエステル、ベンゾトリアゾール誘導体、インドール誘導体からなる群から選択される1、2、3以上の日焼け防止因子を含む。
【0045】
さらに、式(I)の化合物を、皮膚に浸透し、日光誘発損傷から皮膚細胞を内側から保護し、皮膚マトリックスメタロプロテアーゼのレベルを低下させる活性成分と組み合わせることが有利である。好ましい個々の成分、いわゆるアリール炭化水素受容体アンタゴニストは、参考として本明細書に組み込まれる国際公開第2007/128723号に記載されている。2−ベンジリデン−5,6−ジメトキシ−3,3−ジメチルインダン−1−オンが好ましい。
【0046】
本発明の文脈内で使用することができる下記で記載されるUVフィルタが好ましいが、当然これに限定されない。
【0047】
好ましく使用されるUVフィルタは、以下からなる群から選択される:
・p−アミノ安息香酸
・p−アミノ安息香酸エチルエステル(25モル)エトキシル化(INCI名:PEG−25PABA)
・p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル
・p−アミノ安息香酸エチルエステル(2モル)N−プロポキシル化
・p−アミノ安息香酸グリセロールエステル
・サリチル酸ホモメンチルエステル(ホモサレート)(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
・トリエタノールアミンサリチレート
・4−イソプロピルベンジルサリチレート
・アントラニル酸メンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
・ジイソプロピルケイ皮酸エチルエステル
・p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・ジイソプロピルケイ皮酸メチルエステル
・p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標) E 1000)
・p−メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン塩
・p−メトキシケイ皮酸イソプロピルエステル
・2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸および塩(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
・3−(4'−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート
・ベータ−イミダゾール−4(5)−アクリル酸(ウロカニン酸)
・3−(4'−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンおよび塩
・3−(4'−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
・3−ベンジリデン−D,L−カンファー
・N−[(2および4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・4,4'−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]−ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート
・ジプロピレングリコールサリチレート
・トリス(2−エチルヘキシル)−4,4',4"−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリベンゾエート(=2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン)(Uvinul(登録商標)T150)。
【0048】
本発明による調製物中の式(I)の1つ以上の化合物と好ましく組み合わせられる広帯域フィルタは、以下からなる群から選択される:
・2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸
・ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
・2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
・テトラヒドロキシベンゾフェノン
・2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン
・2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
・2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン
・ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート
・二ナトリウム−2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ−5,5'−ジスルホベンゾフェノン
・フェノール,2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・2,2'−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
・2,4−ビス−[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・2,4−ビス−[{(4−(3−スルホナト)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩
・2,4−ビス−[{(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−メトキシエチル カルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−エチルカルボキシ)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−トリス−(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(2"−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス−[{4−(1',1',1',3',5',5',5'−ヘプタメチルシロキシ−2"−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0049】
組成物は、さらに典型的な洗剤およびクレンジング組成物成分、例えばUV−Aフィルタを含むことができ、これらは好ましくは、本発明による調製物中の式(I)の1つ以上の化合物と組み合わせられ、以下からなる群から選択される:
・4−イソプロピルジベンゾイルメタン
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸およびその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)/(Neo Heliopan(登録商標)357)
・フェニレンビス−ベンズイミダジルテトラスルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
・2,2'−(1,4−フェニレン)−ビス−(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)、一ナトリウム塩
・2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)
・独国特許出願公開第100 55 940 A1号明細書(=国際公開第2002 038537 A1号)に従うインダニリデン化合物。
【0050】
組成物は、さらに典型的な洗剤およびクレンジング組成物成分、例えばUVフィルタを含むことができ、これらはより好ましくは、本発明による調製物中の式(I)の1つ以上の化合物と組み合わせられ、以下からなる群から選択される:
・p−アミノ安息香酸
・3−(4'−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート
・サリチル酸ホモメンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標) HMS)
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)
・2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸およびその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(Neo Heliopan(登録商標)357)
・3−(4'−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンおよび塩
・2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・N−[(2および4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・p−アミノ安息香酸エチルエステル(25モル)エトキシル化(INCI名:PEG−25PABA)
・p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標) E1000)
・2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)−ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4'−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]−ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb HEB)
・3−(4'−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
・3−ベンジリデンカンファー
・サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
・4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル(Padimate O)
・ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびNa塩
・2,2'−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
・フェニレンビス−ベンズイミダジルテトラスルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
・2,4−ビス−[{(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・メンチルアントラニレート(Neo Heliopan(登録商標)MA)
・2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)
独国特許第10055940号明細書(=国際公開第02/38537号)に記載のインダニリデン化合物。
【0051】
有利な第1および第2の日焼け防止因子は、国際公開第2005 123101 A1号に記述されている。有利には、これらの調製物は、少なくとも1つのUVAフィルタおよび/または少なくとも1つのUVBフィルタおよび/または少なくとも1つの無機顔料を含有する。調製物は、日焼け止め調製物のために従来から使用されているような様々な形態でここでは存在し得る。従って、これらは、溶液、油中水型(W/O)または水中油型(O/W)のエマルション、または多層エマルション、例えば水中油中水型(W/O/W)、ゲル、ヒドロ分散液(hydrodispersion)、固体スティック、またはエアロゾルの形態であってもよい。
【0052】
さらに好ましい実施形態では、本発明による配合物は、全量の日焼け止め剤、すなわち特にUVフィルタおよび/または無機顔料(UVフィルタリング顔料)を含有し、その結果、本発明による配合物は、2以上(好ましくは5以上)の日焼け防止因子を有する。本発明によるこうした配合物は、皮膚および毛髪を保護するのに特に適している。
【0053】
〔第2の日焼け防止因子〕
上述の第1の日焼け防止因子群の他に、抗酸化剤タイプの第2の日焼け防止因子も使用することができる。抗酸化型の第2の日焼け止め因子は、紫外線が皮膚に浸透すると開始される光化学反応連鎖を遮断する。代表的な例としては、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えば、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、α−リノレイル、コレステリルおよびこれらのグリセリルエステル)ならびにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に少ない適合用量のスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタチオニンスルホキシイミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ならびにベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、二酸化チタン(例えばエタノール中の分散液)、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO
4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)ならびにこれらの活性成分の本発明の目的に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
【0054】
有利な第2の無機日焼け防止顔料は、国際公開第2005123101A1号にも記述されている、微細に分散した金属酸化物および金属塩である。本発明による完成した化粧用調製物中の無機顔料、特に疎水性無機ミクロ顔料の総量は、有利なことには、調製物の総重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10.0重量%である。
【0055】
任意に疎水化でき、使用できる粒子状UVフィルタまたは無機顔料、例えばチタン(TiO
2)、亜鉛(ZnO)、鉄(Fe
2O
3)、ジルコニウム(ZrO
2)、ケイ素(SiO
2)、マンガン(例えばMnO)、アルミニウム(Al
2O
3)、セリウム(例えばCe
2O
3)の酸化物および/またはそれらの混合物も好ましい。
【0056】
〔皮膚および/または毛髪の色素沈着を調節する活性物質〕
皮膚および/または毛髪ライトニングのための好ましい活性成分は、以下からなる群から選択される:コウジ酸(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−ピラノン)、コウジ酸誘導体、好ましくはコウジ酸ジパルミテート、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、好ましくはアスコルビルリン酸マグネシウム、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、レゾルシノール誘導体、好ましくは4−アルキルレゾルシノールおよび4−(1−フェニルエチル)1,3−ジヒドロキシベンゼン(フェニルエチルレゾルシノール)、シクロヘキシルカーバメート(好ましくは、国際公開第2010/122178号および国際公開第2010/097480号で開示されている1つ以上のシクロヘキシルカーバメート)、硫黄含有分子、好ましくはグルタチオンまたはシステイン、α−ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、その塩およびエステル、N−アセチルチロシンおよび誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、クロモン誘導体、好ましくはアロエシン、フラボノイド、1−アミノエチルホスフィン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド(ナイアシンアミド)、亜鉛塩、好ましくは塩化亜鉛またはグルコン酸亜鉛、ツヤプリシンおよび誘導体、トリテルペン、好ましくはマスリン酸、ステロール、好ましくはエルゴステロール、ベンゾフラノン、好ましくはセンキュノリド、ビニルギアコール(guiacol)、エチルギアコール、ジオン酸(dionic acid)、好ましくはオクトデセンジオン酸および/またはアゼライン酸、窒素酸化物合成の阻害剤、好ましくはL−ニトロアルギニンおよびその誘導体、2,7−ジニトロインダゾールまたはチオシトルリン、金属キレータ(好ましくはα−ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、EDTA、EGTAおよびその誘導体)、レチノイド、豆乳および抽出物、セリンプロテアーゼ阻害剤またはリポ酸あるいは皮膚および毛髪ライトニングのための他の合成もしくは天然活性成分であって、後者は好ましくは植物からの抽出物、好ましくはベアベリー抽出物、コメ抽出物、パパイヤ抽出物、ウコン抽出物、クワ抽出物、ベンコアン(bengkoang)抽出物、カヤツリグサ(nutgrass)抽出物、甘草抽出物またはそれから濃縮もしくは単離された構成要素、好ましくはグラブリジンまたはリコカルコンA、パンノキ抽出物、スイバおよびラムルス種の抽出物、マツ種(マツ属)の抽出物、ブドウ種の抽出物またはそれから単離もしくは濃縮されたスチルベン誘導体、ユキノシタ抽出物、タツナミソウ抽出物、ブドウ抽出物および/または微細藻類抽出物、特にTetraselmis suecica抽出物の形態で用いられる。
【0057】
成分(b)として好ましい皮膚美白剤は、チロシナーゼ阻害剤としてのコウジ酸およびフェニルエチルレゾルシノール、β−およびα−アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、二酸、MgアスコルビルホスフェートならびにビタミンCおよびその誘導体、クワ抽出物、ベンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ウコン抽出物、カヤツリグサ抽出物、カンゾウ抽出物(グリチルリチンを含有)、α−ヒドロキシ酸、4−アルキルレゾルシノール、4−ヒドロキシアニソールである。これらのスキンライトナー(skin lightener)は、その非常に良好な活性のために、特に本発明のスクラレオリドと組み合わせて好ましい。加えて、この好ましいスキンライトナーは容易に入手可能である。
【0058】
この点で有利な皮膚および毛髪黒化活性成分は、チロシナーゼの基質または基質アナログ、例えばL−チロシン、N−アセチルチロシン、L−DOPAまたはL−ジヒドロキシフェニルアラニン、キサンチンアルカロイド、例えばカフェイン、テオブロミンならびにテオフィリンおよびその誘導体、プロオピオメラノコルチンペプチド、例えばACTH、α−MSH、そのペプチドアナログおよびメラノコルチン受容体と結合する他の物質、ペプチド、例えばVal−Gly−Val−Ala−Pro−Gly、Lys−lle− Gly−Arg−LysまたはLeu−lle−Gly−Lys、プリン、ピリミジン、葉酸、銅塩、例えばグルコン酸銅、塩化銅またはピロリドン酸銅(pyrrolidonate)、1,3,4−オキサジアゾール−2−チオール、例えば5−ピラジン−2−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−チオール、クルクミン、ジグリシン酸亜鉛(Zn(GIy)2)、例えば欧州特許第0584178号明細書で記載されているような重炭酸マンガン(II)錯体(「シュードカタラーゼ(pseudocatalases)」)、例えば国際公開第2005/032501号で記載されているような四置換シクロヘキセン誘導体、国際公開第2005/102252号および国際公開第2006/010661号で記載されているようなイソプレノイド、Melasyn−100およびMelanZeなどのメラニン誘導体、ジアシルグリセロール、脂肪族または環状ジオール、プソラレン、プロスタグランジンおよびそれらの類縁体、アデニレートシクラーゼの活性化剤およびメラノソームのケラチノサイトへの移動を活性化する化合物、例えばセリンプロテアーゼまたはPAR−2受容体のアゴニスト、キク種、ワレモコウ種の植物および植物部分の抽出物、クルミ抽出物、ウルクム(urucum)抽出物、ダイオウ抽出物、微細藻類抽出物、特にイソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana)、トレハロース、エリスルロース(erythru-lose)およびジヒドロキシアセトンである。皮膚および毛髪の着色または褐色化をもたらすフラボノイド(例えば、ケルセチン、ラムネチン、ケンフェロール、フィセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、クリシンおよびアピゲニン、エピカテキン、ジオスミンおよびジオスメチン、モリン、クエルシトリン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、フロリジンおよびフロレチン)も使用することができる。
【0059】
本発明による製品中の皮膚および毛髪の色素沈着の調節のための追加の活性成分の前述の例(1つ以上の化合物)の量は、この場合、調製物の総重量に基づいて、好ましくは0.00001〜30重量%、好ましくは0.0001〜20重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%である。
【0060】
〔アンチエイジング活性物質〕
本発明の文脈において、アンチエイジング剤または生物起源剤は、例えば抗酸化剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMPI)、皮膚保湿剤、グリコサミノグリカン刺激剤、抗炎症剤、TRPV1アンタゴニストおよび植物抽出物である。
【0061】
(抗酸化剤)
好適な抗酸化剤は、アミノ酸(好ましくはグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(好ましくはウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、好ましくはD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体(好ましくはアンセリン)、カルニチン、クレアチン、マトリカインペプチド(好ましくはリシル−トレオニル−トレオニル−リシル−セリン)およびパルミトイル化ペンタペプチド、カロテノイド、カロテン(好ましくはα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(好ましくはジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(好ましくはチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル、グリセリルおよびそのオリゴグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(好ましくは、エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびごくわずかの耐量(例えば、pmolからμmol/kg)のスルホキシイミン化合物(好ましくはブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオニンスルホキシイミン、ヘキサチオニンスルホキシイミン、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、また(金属)キレータ(好ましくはα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α−ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、タンニン、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体)、不飽和脂肪酸およびその誘導体(好ましくはγ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびその誘導体、ユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(好ましくはアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート、アスコルビルグルコシド)、トコフェロールおよび誘導体(好ましくはビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)および安息香酸樹脂(benzoic resin)コニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、フラボノイドおよびそのグリコシル化前駆体、特にケルセチンおよびその誘導体、好ましくはα−グルコシルルチン、ロスマリン酸、カルノソール、カルノソル酸、レスベラトル、コーヒー酸およびその誘導体、シナピン酸およびその誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、クルクミノイド、クロロゲン酸およびその誘導体、レチノイド、好ましくはレチニルパルミテート、レチノールまたはトレチノイン、ウルソル酸、レブリン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(好ましくはZnO、ZnSO
4)、セレンおよびその誘導体(好ましくはセレンメチオニン)、スーパーオキシドジスムターゼ,スチルベンおよびその誘導体(好ましくはスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)ならびに本発明に従って好適であるこれらの記載した活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)または抗酸化効果を有する植物の抽出物もしくはフラクション、好ましくは緑茶、ルイボス、ハニーブッシュ、ブドウ、ローズマリー、セージ、メリッサ、タイム、ラベンダー、オリーブ、オート麦、ココア、イチョウ、チョウセンニンジン、甘草、ハニーサックル、エンジュ、クララ(sophora)、プエラリア(pueraria)、マツ属、シトラス、ユカン(Phyllanthus emblica)またはセントジョーンズワート、ブドウ種子、小麦胚芽、ユカン(Phyllanthus emblica)、コエンザイム、好ましくはコエンザイムQ10、プラストキノンおよびメナキノンを包含する。好ましい抗酸化剤は、ビタミンAおよび誘導体、ビタミンCおよび誘導体、トコフェロールおよび誘導体、好ましくはトコフェリルアセテートおよびユビキノンからなる群から選択される。
【0062】
ビタミンEおよび/またはその誘導体が抗酸化剤として使用される場合、それらの濃度を、配合物の総重量に基づいて約0.001〜約10重量%の範囲から選択することが有利である。ビタミンAまたはビタミンA誘導体またはカロテンまたはその誘導体が酸化防止剤として使用される場合、それらの濃度を、配合物の総重量に基づいて約0.001〜約10重量%の範囲から選択することが有利である。
【0063】
(マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMPI))
好ましい組成物は、マトリックス−メタロプロテイナーゼ阻害剤、特に、以下からなる群から選択されるコラーゲンを酵素により切断するマトリックス−メタロプロテイナーゼを阻害するものを含む:ウルソル酸、レチニルパルミテート、プロピルガレート、プレコセン、6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−1(2H)−ベンゾピラン、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−1(2H)−ベンゾピラン、ベンズアミジン塩酸塩、システインプロテイナーゼ阻害剤N−エチルマレミドおよびセリンプロテアーゼ阻害剤のε−アミノ−n−カプロン酸:フェニルメチルスルホニルフルオリド、コルヒビン(collhibin)(Pentapharm社;INCI:加水分解コメタンパク質)、オエノセロール(oenotherol)(Soliance社;INCI:プロピレングリコール、aqua、メマツヨイグサ(Oenothera biennis)根抽出物、例えばザクロからのエラグ酸およびエラジタンニン)、ホスホルアミドンヒノキチオール、EDTA、ガラルジン(galardin)、EquiStat (Collaborative Group社;リンゴ果実抽出物、ダイズ種子抽出物、ウルソル酸、ダイズイソフラボンおよびダイズタンパク質)、セージ抽出物、MDI(Atrium社;INCI:グリコサミノグリカン)、フェルミスキン(fermiskin)(Silab/Mawi社;INCI:水およびシイタケ(lentinus edodes)抽出物)、アクチム(actimp)1.9.3(Expanscience/Rahn社;INCI:加水分解ハウチワマメタンパク質)、リポベル(lipobelle)ダイズアグリコン(Mibelle社;INCI:アルコール、ポリソルベート80、レシチンおよびダイズイソフラボン)、国際公開第02/069992(A1)号(参考として本明細書に組み込まれるこの文献中の表1〜12を参照)で列挙されている緑茶および紅茶からの抽出物ならびにさらなる植物抽出物、ダイズからのタンパク質または糖タンパク質、コメ、マメまたはハウチワマメからの加水分解タンパク質、MMPを阻害する植物抽出物、好ましくはシイタケ(shitake mushroom)からの抽出物、バラ科、バラ亜科の葉からの抽出物、特に、ブラックベリー葉の抽出物(好ましくは参考として本明細書に組み込まれる国際公開第2005/123101(A1)号で記載されているとおり)、例えばSymMatrix(Symrise社、INCI:マルトデキストリン、セイヨウヤブイチゴ( Rubus Fruticosus)(ブラックベリー)葉抽出物)。好ましい活性物質は、レチニルパルミテート、ウルソル酸、バラ科の葉からの抽出物、バラ亜科、ゲニステインおよびダイゼインからなる群から選択される。
【0064】
(皮膚保湿剤)
好ましい皮膚保湿剤は、3〜12個の炭素原子を含むアルカンジオールまたはアルカントリオール、好ましくはC
3−C
10−アルカンジオールおよびC
3−C
10−アルカントリオールからなる群から選択される。より好ましくは、皮膚保湿剤は:グリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールおよび1,2−デカンジオールからなる群から選択される。
【0065】
(グリコサミノグリカン刺激剤)
好ましい組成物は、ヒアルロン酸および誘導体または塩、Subliskin(Sederma、INCI:シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium Meliloti)発酵濾液( Ferment Filtrate)、セチルヒドロキシエチルセルロース、レシチン)、Hyalufix(BASF、INCI:水、ブチレングリコール、ナンキョウ(Alpinia galanga)葉抽出物、キサンタンガム、カプリル/カプリン酸トリグリセリド)、Stimulhyal(Soliance、INCI:ケトグルコン酸カルシウム)、Syn-Glycan(DSM、INCI:テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸尿素トリフルオロアセテート、グリセリン、塩化マグネシウム)、Kalpariane(Biotech Marine)、DC Upregulex(Distinctive Cosmetic Ingredients、INCI:水、ブチレングリコール、リン脂質、加水分解セリシン)、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、レチノイド、好ましくはレチノールおよびビタミンA、ゴボウ(Arctium lappa)果実抽出物、ビワ(Eriobotrya japonica)抽出物、ゲンクワニン、N−メチル−1−セリン、(−)−α−ビサボロールまたは合成α−ビサボロール、例えば Symrise製のDragosantolおよびDragosantol 100、オート麦グルカン、エキナセア抽出物およびダイズタンパク質加水分解物からなる群から選択されるグリコサミノグリカンの合成を刺激する物質を含む。好ましい活性物質は、ヒアルロン酸および誘導体または塩、レチノールおよび誘導体、(−)−α−ビサボロールまたは合成α−ビサボロール、例えばSymrise製のDragosantolおよびDragosantol 100、オート麦グルカン、エキナセア抽出物、シノリゾビウム・メリロティ発酵濾液、ケトグルコン酸カルシウム、ナンキョウ葉抽出物およびテトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸尿素トリフルオロアセテートからなる群から選択される。
【0066】
(抗炎症剤)
組成物は、抗炎症および/または発赤および/またはかゆみ改善成分も含んでもよく、特にヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾンからなる群から選択される、コルチコステロイドタイプのステロイド物質が発赤およびかゆみを和らげるための抗炎症活性成分または活性成分として有利に使用され、そのリストは、他のステロイド系抗炎症薬を加えて拡大することができる。非ステロイド系抗炎症薬も使用することができる。本明細書中で挙げることができる例は、オキシカム、例えばピロキシカムまたはテノキシカム;サリチレート、例えばアスピリン、ジサルシド(disalcid)、ソルプリン(solprin)またはフェンドサル;酢酸誘導体、例えばジクロフェナック、フェンクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、トルメチンまたはクリンダナック(clindanac);フェナメート、例えばメフェナミック、メクロフェナミック、フルフェナミックまたはニフルミック;プロピオン酸誘導体、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン(benoxaprofen)またはピラゾール、例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾン(febrazone)またはアザプロパゾンである。アントラニル酸誘導体、特に国際公開第2004/047833(A1)号で記載されているアベナンスラマイドが本発明による組成物中の好ましいかゆみ止め成分である。
【0067】
天然または天然に存在する抗炎症物質混合物または発赤および/もしくはかゆみを和らげる物質の混合物、特に、カモミール、アロエベラ、コンミフォーラ(Commiphora)種、アカネ(Rubia)種、ヤナギ、ヤナギソウ、オート麦、キンセンカ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ(Passiflora incarnata)、マンサク、ショウガまたはエキナセア;好ましくはカモミール、アロエベラ、オート麦、キンセンカ、アルニカ、ハニーサックル、ローズマリー、マンサク、ショウガまたはエキナセア、および/または純粋な物質、好ましくはα−ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン−7−グルコシド、ジンジェロール、ショウガオール、ジンジャージオール、デヒドロジンジャージオン(dehydrogingerdione)、パラドル、天然または天然に存在するアベナンスラマイド、好ましくはトラニラスト、アベナンスラマイドA、アベナンスラマイドB、アベナンスラマイドC、非天然もしくは天然に存在しないアベナンスラマイド、好ましくはジヒドロアベナンスラマイドD、ジヒドロアベナンスラマイドE、アベナンスラマイドD、アベナンスラマイドE、アベナンスラマイドF、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンAからなる群から選択される抽出物またはフラクション;好ましくはα−ビサボロール、天然アベナンスラマイド、非天然アベナンスラマイド、好ましくはジヒドロアベナンスラマイドD(国際公開第2004/047833(A1)号で記載されているとおり)、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、およびリコカルコンA、および/またはアラントイン、パンテノール、ラノリン、(シュード)セラミド[好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N−(1−ヘキサデカノイル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン(1−ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド]、スフィンゴ糖脂質、フィトステロール、キトサン、マンノース、ラクトースおよびβ−グルカン、特にオート麦由来の1,3−1,4−β−グルカンからなる群から選択される抽出物またはフラクションも有用である。
【0068】
ビサボロールが本発明の文脈で使用される場合、それは天然または合成起源であり得ることができ、好ましくは「α−ビサボロール」である。好ましくは、使用されるビサボロールは、合成的に調製されるまたは天然の(−)−α−ビサボロールおよび/または合成混合異性体α−ビサボロールである。天然の(−)−α−ビサボロールが使用される場合、これは精油または植物抽出物またはそのフラクションの構成成分として、例えば油の成分(フラクション)またはカモミールの抽出物またはバニロスモプシス(Vanillosmopsis)(特にバニロスモプシス・エリスロパッパ(Vanillosmopsis erythropappa)またはバニロスモプシス・アルボレア(Vanillosmopsis arborea))として使用することもできる。合成α−ビサボロールは、例えばSymriseから 「Dragosantol」の名称で入手可能である。
【0069】
ショウガ抽出物を本発明に関連して使用する場合において、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチルアセテート、二酸化炭素(CO
2)、ヘキサン、メチレンクロリド、クロロホルムまたは匹敵する極性の他の溶媒もしくは溶媒混合物での抽出によって調製される新鮮または乾燥ショウガの根の抽出物を使用するのが好ましい。抽出物は、構成要素、例えばジンジェロール、ショウガオール、ジンジャージオール、デヒドロジンジャージオンおよび/またはパラドルなどの構成要素の活性な皮膚炎軽減量の存在によって特徴づけられる。
【0070】
(TRPV1アンタゴニスト)
TRPV1アンタゴニストとしてのそれらの作用に基づいて皮膚神経の過敏性を低下させる好適な化合物は、例えば、国際出願公開第2009/087242(A1)号に記載されているトランス−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを含むか、またはμ−受容体、例えばアセチルテトラペプチド−15の活性化によるTRPV1の間接的モジュレータが好ましい。
【0071】
落屑剤組成物はまた、調製物の総重量に基づいて、約0.1〜約30重量%、好ましくは約0.5〜約15重量%、特に好ましくは約1〜約10重量%の量の落屑剤(成分b5)を含有してもよい。表現「落屑剤」は、以下のように作用できる任意の化合物を意味すると理解される:
・剥離を促進することによって落屑に直接作用でき、例えばβ−ヒドロキシ酸、特にサリチル酸およびその誘導体(5−n−オクタノイルサリチル酸を含む);α−ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸またはマンデル酸;尿素;ゲンチシン酸;オリゴフコース;ケイ皮酸;ソフォラ・ジャポニカ(Sophora japonica)の抽出物;レスベラトロールおよびジャスモン酸のいくつかの誘導体;
・または(SCCE)または他のプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン様)の落屑または分解に関与する酵素、コルネオデスモソーム、グリコシダーゼ、または他のプロテアーゼ(トルプシン、キモトリプシンなど)。無機塩とキレート形成する薬剤:EDTA;N−アシル−N,N´,N´−エチレンジアミントリ酢酸;アミノスルホン酸化合物および特に(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタン)スルホン酸(HEPES);2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸(プロシステイン)の誘導体;グリシンタイプのα−アミノ酸の誘導体(欧州特許第0852949号明細書で記載されているとおり、およびBASFから商標名TRILON Mで販売されているメチルグリシンジ酢酸ナトリウム);ハチミツ;糖誘導体、例えばO−オクタノイル−6−D−マルトースおよびN−アセチルグルコサミン;Recoverine(登録商標)の名称でSILAB社によって販売されているクリ抽出物、SILAB社から名称Exfolactive(登録商標)で販売されているものなどのウチワサボテン抽出物、またはDegussa社によって販売されているPhytosphingosine SLC(登録商標)(サリチル酸でグラフトされたフィトスフィンゴシン)を挙げることができる。
【0072】
本発明に好適な落屑剤は、特に、スルホン酸、カルシウムキレータ、α−ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸またはマンデル酸;アスコルビン酸およびその誘導体、例えばアスコルビルグルコシドおよびアスコルビルリン酸マグネシウム;ニコチンアミド;尿素;(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタン)スルホン酸(HEPES)、β−ヒドロキシ酸、例えばサリチル酸およびその誘導体、レチノイド、例えばレチノールおよびそのエステル、レチナール、レチノイン酸およびその誘導体、文献仏国特許出願公開第2570377(A1)号明細書、欧州特許出願公開第0199636(A1)号明細書、欧州特許出願公開第0325540(A1)号明細書、欧州特許出願公開第0402072(A1)号明細書で記載されているもの、クリまたはウチワサボテン抽出物、特にSILABによって市販されているもの;還元化合物、例えばシステインまたはシステイン前駆体を含む群から選択されてもよい。
【0073】
使用することができる落屑剤はまた、ニコチン酸およびそのエステルならびにニコチンアミド(ビタミンB3またはビタミンPPとも呼ばれる)、およびアスコルビン酸およびその前駆体であり、特に欧州特許第1529522A1号明細書に記載されている。
【0074】
(抗セルライト剤)
抗セルライト剤および脂肪分解剤は、好ましくは、国際公開第2007/077541号に記載されているもの、およびシネフリンおよびその誘導体などのβ−アドレナリン作動性受容体アゴニストおよび国際公開第2010/097479号に記載されているシクロヘキシルカルバメートからなる群から選択される。抗セルライト剤、特にC神経線維を刺激および/または脱分極させる薬剤の活性を増強または向上する薬剤は、カプサイシンおよびその誘導体、バニリル−ノニルアミドおよびその誘導体、L−カルニチン、補酵素A、イソフラボノイド、ダイズ抽出物、アナナス抽出物および共役リノール酸からなる群から選択されるのが好ましい。
【0075】
(脂肪増強剤)
本発明による配合物および製品は、1つ以上の脂肪増強剤および/または脂肪生成剤ならびに脂肪増強剤の活性を増強または向上する薬剤も含んでいてもよい。脂肪増強剤は、例えばヒドロキシメトキシフェニルプロピルメチルメトキシベンゾフラン(商標名:Sym3D(登録商標))である。
【0076】
〔育毛活性化剤または阻害剤〕
本発明による配合物および製品はまた、1つ以上の育毛活性化剤、すなわち、育毛を刺激する薬剤も含んでいてもよい。育毛活性化剤は、好ましくは、ピリミジン誘導体、例えば2,4−ジアミノピリミジン−3−オキシド(Aminexil)、2,4−ジアミノ−6−ピペリジノピリミジン−3−オキシド(Minoxidil)およびその誘導体、6−アミノ−1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−イミノ−4−ピペリジノピリミジンおよびその誘導体、キサンチンアルカロイド、例えばカフェイン、テオブロミンおよびテオフィリンおよびその誘導体、ケルセチンおよび誘導体、ジヒドロケルセチン(taxifolin)および誘導体、カリウムチャンネル開口薬、抗アンドロゲン剤、合成または天然の5−還元酵素阻害剤、ニコチン酸エステル、例えばトコフェリルニコチネート、ベンジルニコチネートおよびC1−C6アルキルニコチネート、タンパク質、例えば、トリペプチドLys−Pro−Val、ジフェンシプレン(diphencypren)、ホルモン、フィナステライド、デュタステライド、フルタミド、ビカルタミド、プレグナン誘導体、プロゲステロンおよびその誘導体、シプロテロンアセテート、スピロノラクトンおよび他の利尿剤、カルシニューリン阻害剤、例えばFK506(Tacrolimus,Fujimycin)およびその誘導体、シクロスポリンAおよびその誘導体、亜鉛および亜鉛塩、ポリフェノール、プロシアニジン、プロアントシアニジン、フィトステロール、例えば、β−シトステロール、ビオチン、オイゲノール、(±)−β−シトロネロール、パンテノール、イガイ由来のグリコーゲン、微生物、藻類、タンポポ(レオントドン(Leontodon)またはタラクサカム(Taraxacum))、オルトシフォン(Orthosiphon)、バイテックス(Vitex)、コーヒーノキ属、パウリニア(Paullinia)、テオブロマ(Theobroma)、サイシン(Asiasarum)、カボチャ属またはエンジュ属、ノコギリパルメット(ソーパルメット(saw palmetto))、クララ、アフリカプラム(Pygeum africanum)、キビ(Panicum miliaceum)、ブラックコホシュ(Cimicifuga racemosa)、ダイズ(Glycine max)、クローブ(Eugenia caryophyllata)、ハグマノキ(Cotinus coggygria)、ブッソウゲ(Hibiscus rosa−sinensis)、チャノキ(Camellia sinensis)、イェルバマテ(Ilex paraguariensis)、イソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana)、カンゾウ、ブドウ、リンゴ、オオムギもしくはホップ属の植物および植物部分からの抽出物または/およびコメもしくはコムギからの加水分解物である。
【0077】
あるいは、本発明による配合物および製品は、1つ以上の育毛阻害剤(上記で記載のように)、すなわち育毛を低減または防止する薬剤を含み得る。育毛阻害剤は、好ましくは、アクチビン、アクチビン誘導体またはアクチビンアゴニスト、オルニチンデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばα−ジフルオロメチルオルニチンまたは、例えばウルソル酸、ベツリン、ベツリン酸、オレアノール酸およびその誘導体のようなペンタ環状トリテルペン、5α−還元酵素阻害剤、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ阻害剤、トランスグルタミナーゼ阻害剤、ダイズ由来のセリンプロテアーゼ阻害剤、微生物、藻類、異なる微細藻類、または例えばマメ(Leguminosae)、ナス(Solanaceae)、イネ(Graminae)、ガガイモ(Asclepiadaceae)またはウリ(Cucurbitaceae)科、ツノマタ(Chondrus)、フノリ(Gloiopeltis)、イギス(Ceramium)、デュルビレア(Durvillea)、ダイズ(Glycine max)、ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)、キンセンカ(Calendula officinalis)、アメリカマンサク(Hamamelis virginiana)、アルニカモンダナ(Arnica montana)、セイヨウシロヤナギ(Salix alba)、セイヨウオトギリ(Hypericum perforatum)またはホウライアオカズラ(Gymnema sylvestre)の属の植物および植物部分からの抽出物からなる群から選択される。
【0078】
〔生理的冷却剤〕
組成物はまた、好ましくは以下のリストから選択される、生理的冷却効果を有する1つ以上の物質(冷却剤)を含有してもよい:メントールおよびメントール誘導体(例えばL−メントール、D−メントール、ラセミメントール、イソメントール、ネオイソメントール、ネオメントール)メンチルエーテル(例えば(l−メントキシ)−1,2−プロパンジオール、(l−メントキシ)−2−メチル−1,2−プロパンジオール、l−メンチル−メチルエーテル)、メンチルエステル(例えばメンチルホルミエート、メンチルアセテート、メンチルイソブチレート、メンチルラクテート、L−メンチル−L−ラクテート、L−メンチル−D−ラクテート、メンチル−(2−メトキシ)アセテート、メンチル−(2−メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えばメンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネートまたはそれらの混合物)、メントールのジカルボン酸またはその誘導体との半エステル(例えばモノ−メンチルスクシネート、モノ−メンチルグルタレート、モノ−メンチルマロネート、O−メンチルコハク酸エステル−N,N−(ジメチル)アミド、O−メンチルコハク酸エステルアミド)、メンタンカルボン酸アミド(この場合、好ましくは、米国特許第4,150,052号明細書で記載されているようなメンタンカルボン酸−N−エチルアミド[WS3]またはNα−(メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]、国際公開第2005/049553(A1)号で記載されているようなメンタンカルボン酸−N−(4−シアノフェニル)アミドまたはメンタンカルボン酸−N−(4−シアノメチルフェニル)アミド、メンタンカルボン酸−N−(アルコキシアルキル)アミド)、メントンおよびメントン誘導体(例えばL−メントングリセロールケタール)、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体(例えば2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸−N−メチルアミド[WS23])、イソプレゴールまたはそのエステル(l−(−)−イソプレゴール、l−(−)−イソプレゴールアセテート)、メンタン誘導体(例えばp−メンタン−3,8−ジオール)、クベボールまたはクベボールを含む合成もしくは天然の混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば、3−メチル−2(1−ピロリジニル)−2−シクロペンタン−1−オン)またはテトラヒドロピリミジン−2−オン(例えば国際公開第2004/026840号に記載されているようなイシリン(iciline)または関連化合物)、さらなるカルボキサミド(例えばN−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−3−p−メタンカルボキサミドまたは関連化合物)、(1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(1−イソプロピル)シクロヘキサン−カルボキサミド[WS12]、オキサメート(好ましくは欧州特許出願公開第2033688(A2)号明細書に記載されているもの)。
【0079】
〔抗炎症剤〕
適切な抗炎症剤は、以下によって形成される群から選択され得る:
(i)コルチコステロイド型のステロイド性抗炎症物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17−ブチレート、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(ii)非ステロイド系抗炎症物質、特にオキシカム、例えばピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えばアスピリン、ジスラシッド、ソルプリンまたはフェンドサル、酢酸誘導体、例えばジクロフェナク、フェンクロフェナック、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナック、フェナメート、例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルミン酸、プロピオン酸誘導体、例えばイブプロフェン、ナプロキセンまたはベノキサプロフェン、ピラゾール、例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iii)天然または天然に存在する抗炎症性物質または発赤および/またはかゆみを和らげる物質、特にカモミール、アロエベラ、コンミフォラ(Commiphora)種、ルビア(Rubia)種、ヤナギ、ヤナギソウ、オートムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョンズワーム、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ(Passiflora incarnata)、ウィッチヘーゼル、ショウガまたはエキナセア、またはその単一の活性化合物、
(iv)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤(例えば、ダイズ抽出物のセリンプロテアーゼ阻害剤)、TRPV1アンタゴニスト(例えば、4−t−ブチルシクロヘキサノール)、NK1アンタゴニスト(例えば、アプレピタント、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸)、カンナビノイド受容体アゴニスト(例えば、パルミトイルエタノールアミン)およびTRPV3アンタゴニスト。
【0080】
〔生理的冷却剤〕
適切な生理学的冷却剤は、メントール、メントングリセロールアセタール、メントングリセリルケタール、乳酸メンチル、好ましくはl−メンチルラクテート、特に1−メンチルl−ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル−3−カルボキシレート(例えばメンチル−3−カルボン酸N−エチルアミド、Na−(L−メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2−イソプロピル−N−2,3−トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3−メントキシプロパン−1,2−ジカルボン酸アミド、ジオール、2−ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2−ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N−アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、3−ヒドロキシ酪酸メンチル)、コハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、2−メルカプトシクロデカノン、メンチル2−ピロリジン−5−オンカルボキシレート、2,3−ジヒドロキシ−p−メタン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3−メンチル3,6−ジ−およびトリオキサアルカノエート、3−メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されてもよい。
【0081】
〔抗菌剤〕
好適な抗菌剤は、原則として、グラム陽性菌に対して有効なすべての物質、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸ならびにその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N´−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4´−トリクロロ−2´−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチル−フェノール、2,2´−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロ−フェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、クロルヘキシジン、3,4,4´−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌性香料、チモール、タイム油、オイゲノール、クローブ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸N−アルキルアミド、例えば、n−オクチルサリチルアミドまたはn−デシルサリチルアミドである。
【0082】
〔酵素阻害剤〕
適切な酵素阻害剤は、例えば、エステラーゼ阻害剤である。これらは、好ましくは、トリアルキルシトレート、例えばトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、および特にトリエチルシトレート(Hydagen CAT)である。この物質は酵素活性を阻害し、それにより臭気の形成を減少させる。その他の好適なエステラーゼ阻害剤である物質は、ステロールスルフェートまたはホスフェート、例えばラノステロール−、コレステロール−、カンペステロール−、スチグマステロール−およびシトステロール−スルフェートまたはホスフェート、ジカルボン酸およびそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸、アジピン酸モノエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸およびマロン酸ジエチル、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチル、およびグリシン酸亜鉛である。
【0083】
〔臭気吸収剤および制汗剤活性剤〕
好適な臭気吸収剤は、臭気形成化合物を吸収し、大部分を保持することができる物質である。それらは、個々の成分の分圧を低下させることにより、拡散速度も低下させる。この過程で香料が損なわれないようにしなければならないことは重要である。臭気吸収剤は細菌に対して有効ではない。それらは、例えば、主成分として、リシノール酸の複合亜鉛塩、または当業者には「固定剤」として知られている特定の大部分臭気中性のフレグランス、例えばラブダナムの抽出物またはエゴノキ(styrax)または特定のアビエチン酸誘導体を含む。臭気マスキング剤は、臭気マスキング剤としての機能に加えて、デオドラントにそれぞれのフレグランスノートを与えるフレグランスまたは香油である。記述され得る香油は、例えば、天然フレグランスと合成フレグランスとの混合物である。天然フレグランスは、花、茎および葉、果実、果皮、根、林、ハーブおよび草、針および枝、および樹脂およびバルサムからの抽出物である。動物製品、例えば、シベおよびカストリアムも適している。典型的な合成フレグランス化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素タイプの生成物である。エステル型のフレグランス化合物は、例えば、ベンジルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8〜18個炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、ブルゲオナールが挙げられ、ケトンとしては、例えばイオノンおよびメチルセドリルケトンが挙げられ、アルコールとしては、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールが挙げられ、炭化水素としては、主にテルペンおよびバルサムが挙げられる。しかしながら、一緒に心地よいフレグランスノートを生成する異なるフレグランスの混合物を使用することが好ましい。アロマ成分として主に使用される、比較的低い揮発性の精油も香油として適しており、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、リンデンフラワー油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油およびラバンジン油である。単独または混合物として、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボアサンブレンフォルテ(Boisambrene Forte)、アンブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル、ラベンジン油、サルビアセージ油(clary sage oil)、β−ダマスコン、ゼラニウムオイルバーボン、シクロヘキシルサリチレート、Vertofix Coeur、イソ−E−スーパー、Fixolide NP、エベルニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラート(romillat)、イロチルおよびフローラマット(floramat)を使用するのが好ましい。
【0084】
適切な収斂制汗活性成分は、主にアルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩である。こうした好適な抗ヒドロ(antihydrotic)活性成分は、例えば、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、および、これらと例えば1,2−プロピレングリコールとの複合化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタータレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレートとの複合化合物、およびこれらと例えばアミノ酸、例えばグリシン)である。
【0085】
〔被膜形成剤およびふけ防止剤〕
標準的な被膜形成剤は、例えばキトサン、微晶質キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸シリーズのポリマー、四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびそれらの塩および類似化合物である。
【0086】
適切なふけ防止剤は、ピロクトン オラミン(Pirocton Olamin)(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(Climbazole)、Ketoconazol(登録商標)(4−アセチル−1−{4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)r−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキシラン−c−4−イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、セレンジスルフィド、コロイド状硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タールジスチレート、サリチル酸(または、ヘキサクロロフェンと組み合わせて)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミド スルホスクシネートNa塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオンおよびマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウムスルフェートである。
【0087】
〔担体およびヒドロトロープ〕
化粧品およびパーソナルケア調製物のための好ましい化粧品担体材料は、例えば、グリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、水および2つ以上のこの液体担体材料と水との混合物のような25℃および1013mbarで固体または液体(高粘稠物質を含む)である。任意に、本発明によるこれらの調製物は、防腐剤または可溶化剤を用いて製造されてもよい。本発明による調製物の成分であってもよい他の好ましい液体担体物質は、植物油、中性油および鉱油などの油からなる群から選択される。
【0088】
本発明による調製物の成分であり得る好ましい固体担体材料は、ヒドロコロイド、例えばデンプン、デンプン分解物、化学的または物理的に修飾されたデンプン、デキストリン、(粉末)マルトデキストリン(好ましくは5〜25、好ましくは10〜20のデキストロース当量を有する)、ラクトース、二酸化ケイ素、グルコース、修飾セルロース、アラビアゴム、ガティガム、トラガント、カラヤ、カラギーナン、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ゲランガム、グアーフラワー(guar flour)、カロブビーン粉、アルギネート、寒天、ペクチンおよびイヌリンならびにこれらの固体の2つ以上の混合物、特にマルトデキストリン(好ましくは15〜20のデキストロース当量値を有する)、ラクトース、二酸化ケイ素および/またはグルコースである。
【0089】
さらに、流動挙動を改善するために、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールが使用されてもよい。好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、他の官能基、より特定的にはアミノ基を含有していてもよく、または窒素で変性されていてもよい。典型的な例は以下である
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよび平均分子量100〜1000ダルトンのポリエチレングリコール;
・自己縮合度が1.5〜10の工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、40〜50重量%のジグリセロール含有量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリトリトール。
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含有するもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含有する糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール、
・5〜12個の炭素原子を含有する糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノプロパン−1,3−ジオール。
【0090】
〔防腐剤〕
好適な防腐剤は、例えば、フェノキシ−エタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタン−ジオールまたはソルビン酸、およびKosmetikverordnungの付録6、パートAおよびB(Cosmetics Directive)に列挙されている他のクラスの化合物である。
【0091】
〔香油およびフレグランス〕
好適な香油は、天然香料と合成香料との混合物である。天然香料には、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、カルマス)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シダー、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、わい性マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポパナクス)の抽出物が含まれる。動物性原料、例えば、シベットおよびビーバーも使用されてもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素タイプの生成物である。エステルタイプの香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチルアリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。エーテルは、例えば、ベンジルエチルエーテルを含むが、アルデヒドは、例えば8〜18個の炭素原子を含有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナールを含む。好適なケトンの例は、イオノン、−イソメチルイノンおよびメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は主にテルペンおよびバルサムを含む。しかしながら、一緒に、合理的な香料を生成する異なる香料化合物の混合物を使用することが好ましい。他の好適な香油は、揮発性が比較的低く、主にアロマ成分として使用される精油である。例は、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライムブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラダナム油およびラバンジン(lavendin)油である。以下は、個々にまたは混合物の形態のいずれかで使用するのが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボアサンブレンフォルテ(Boisambrene Forte)、アンブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン、サンデリス、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルギリコレート、シクロベルタル、ラベンジン油、クラリ油(clary oil)、ダマスコン、ゼラニウムオイルバーボン、シクロヘキシルサリチレート、Vertofix Coeur、イソ−E−スーパー、Fixolide NP、エベルニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラート(romillat)、イロチルおよびフローラマット(floramat)。
【0092】
〔染料〕
好適な染料は、例えば、刊行物「Kosmetische Faerbemittel」 of the Farbstoff−kommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft, Verlag Chemie, Weinheim, 1984,81〜106頁に列挙されている美容目的に適して承認された物質のいずれかである。例としては、コチニールレッドA(CI 16255)、パテントブルーV(CI 42051)、インジゴチン(CI 73015)、クロロフィリン(CI 75810)、キノリンイエロー(CI 47005)、二酸化チタン(CI 77891)、インダスレンブルーRS(CI 69800 )およびマダーレーキ(CI 58000)を含む。ルミノールはまた、発光染料として存在してもよい。有利な有色顔料は、例えば、二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えば、Fe2O3 Fe3O4、FeO(OH))および/または酸化スズである。有利な染料は、例えばカルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルーおよび/またはマンガンバイオレットである。
【0093】
〔調製物〕
本発明による好ましい組成物は、皮膚および/または毛髪の治療、保護、ケアおよびクレンジングのための製品またはメイクアップ製品、好ましくはリーブオン製品(リンスオフ製品と比較して、長期間にわたって、1つ以上の式(I)の化合物が皮膚および/または毛髪に留まり、その保湿および/またはアンチエイジングおよび/または創傷治癒促進作用がより顕著になることを意味する)の群から選択される。
【0094】
本発明による配合物は、好ましくは、エマルション、例えばW/O(油中水)、O/W(水中油)、W/O/W(水中油中水)、O/W/O(油中水中油)エマルション、PITエマルション、ピッカリングエマルション、油含量が低いエマルション、ミクロエマルションまたはナノエマルション、製造方法および成分に応じて、溶液、例えば油中溶液(脂肪油または脂肪酸エステル、特にC
6−C
32脂肪酸C
2−C
30エステル)またはシリコーン油、分散液、懸濁液、クリーム、ローションまたはミルク、ゲル(ヒドロゲル、ヒドロ分散液ゲル、オレオゲルを含む)、スプレー(例えば、ポンプスプレーまたはプロペラントを有するスプレー)または化粧用ワイプ用のフォームもしくは含浸液、洗剤、例えば石鹸、合成洗剤、洗浄液、シャワーおよび浴用調製物、入浴剤(カプセル、オイル、タブレット、塩、バスソルト、石鹸など)、発泡性調製物、スキンケア製品、例えば、エマルション(上記で記載のとおり)、軟膏、ペースト、ゲル(上記のとおり)、油、バルサム、セラム、パウダー(例えば、フェイスパウダー、ボディパウダー)、マスク、ペンシル、スティック、ロールオン、ポンプ、エアロゾル(発泡性、非発泡性、後発泡性(post−foaming))、デオドラントおよび/または制汗剤、マウスウォッシュおよびマウスリンス、フットケア製品(角質溶解薬、デオドラントを含む)、虫除け、日焼けどめ剤、アフターサン調製物、シェービング製品、アフターシェーブバーム、プレおよびアフターシェーブローション、脱毛剤、ヘアケア製品、例えばシャンプー(2イン1シャンプー、フケ防止シャンプー、ベビー用シャンプー、乾性頭皮用シャンプー、濃厚シャンプーを含む)、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアウォータ、ヘアリンス、スタイリングクリーム、ポマード、パーマおよびセッティングローション、ヘアスプレー、スタイリングエイド(例えば、ゲルまたはワックス)、毛髪平滑剤(絡んだ髪をほぐす薬剤、縮毛矯正剤)、毛髪染料、例えば一時的直接染色毛髪染料、半永久毛髪染料、永久毛髪染料、ヘアコンディショナー、ヘアムース、アイケア製品、メイクアップ、メイクアップリムーバまたはベビー製品の形態である。
【0095】
本発明による配合物は、特に好ましくは、エマルションの形態、特にW/O、O/W、W/O/W、O/W/Oエマルション、PITエマルション、ピッカリングエマルション、油含量が低いエマルション、ミクロエマルションまたはナノエマルション、ゲル(ヒドロゲル、ヒドロ分散液ゲル、オレオゲルを含む)、溶液、例えば油(脂肪油または脂肪酸エステル、特にC
6−C
32脂肪酸C
2−C
30エステル))またはシリコーン油中溶液、またはスプレー(例えば、ポンプスプレーまたはプロペラントを有するスプレー)の形態である。
【0096】
補助物質および添加剤は、配合物の総重量に基づいて、5〜99重量%、好ましくは10〜80重量%の量で含まれることができる。それぞれの場合に使用される化粧品または皮膚科学的補助剤および添加剤および香料の量は、特定の製品の性質に応じて、簡単な試行錯誤によって当業者によって容易に決定され得る。
【0097】
調製物はまた、調製物の総重量に基づいて、99重量%まで、好ましくは5〜80重量%の量で水を含有することができる。
【0098】
〔洗剤組成物〕
本発明の別の目的は、典型的には約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約4重量%、特に約1〜約2重量%の量でこのフレグランス組成物を含む洗剤組成物に関する。洗剤の好適な例は、重質粉末洗剤、重質液体洗剤、軽質粉末洗剤、軽質液体洗剤、布地柔軟剤、手動食器洗浄剤、汎用クリーナーなどを包含する。
【0099】
本発明による洗剤組成物は、例えば、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性または双性イオン性(共)界面活性剤、有機溶媒、ビルダー、酵素および追加の補助剤、例えば、汚れ防止剤、増粘剤、着色剤およびフレグランスなどを、こうした組成物中に慣例的に見出される成分のいずれかを含んでいてもよい。
【0100】
〔アニオン性共界面活性剤〕
好ましくは、スルホネート型のアルキル(アルケニル)スルホネート、アルコキシル化アルキル(アルケニル)スルフェート、エステルスルホネートおよび/または石鹸の界面活性剤がアニオン性界面活性剤として使用される。スルホネート型の好適な界面活性剤は、有利には、C
9−13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、すなわち例えば末端または内部二重結合を有するC
12−18モノオレフィンのガス状硫黄トリオキシドとのスルホン化、続くスルホン化生成物のアルカリ性または酸性加水分解によって得られるような、アルカン−およびヒドロキシアルカンスルホネートおよびジスルホネートの混合物である。
【0101】
(アルキル(アルケニル)スルフェート)
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、例えばココナツバターアルコール、タロウアルコール、ラウリル、ミリスチル、セチルまたはステアリルアルコールから、あるいはC
8−C
20オキソアルコールからのC
12−C
18脂肪族アルコールの硫酸半エステルのアルカリ、特にナトリウム塩およびこれらの鎖長を有する第二級アルコールのその半エステルのアルカリ、特にナトリウム塩である。石油化学的に製造された合成直鎖アルキル基を含む、引用した鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートも好ましい。C
12−C
16アルキルスルフェートおよびC
12−C
15アルキルスルフェートならびにC
14−C
15アルキルスルフェートおよびC
14−C
16アルキルスルフェートは、洗濯性能の理由で特に好ましい。Shell Oil Companyから商標名DANTMで入手可能な2,3−アルキルスルフェートも好適なアニオン性界面活性剤である。
【0102】
(アルキル(アルケニル)エーテルスルフェート)
1〜6モルのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖または分枝状C
7−C
21アルコールから、例えば平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝状C
9−C
11アルコールまたは1〜4個のEOを有するC
12−C
18脂肪族アルコールから誘導される硫酸モノエステルも適している。
【0103】
(エステルスルホネート)
α−スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば水素化ココ−、パームナッツ−またはタロウ酸のα−スルホン化メチルエステルも同様に好適である。
【0104】
(石鹸)
石鹸は、特に、さらなるアニオン性界面活性剤と考えることができる。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸およびベヘン酸の塩のような飽和脂肪酸石鹸、特にココナツ油脂肪酸、パーム核脂肪酸またはタロウ脂肪酸などの天然脂肪酸由来の石鹸混合物油が特に好適である。これらの石鹸混合物は、50〜100重量%の飽和C
12−C
24脂肪酸石鹸および0〜50重量%のオレイン酸石鹸を含むものが特に好ましい。
【0105】
(エーテルカルボン酸)
さらなる種類のアニオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールエトキシレートを塩基性触媒の存在下でクロロ酢酸ナトリウムで処理することによって得ることができるエーテルカルボン酸のものである。これらは、一般式RO(CH
2CH
2O)
pCH
2COOH(R=C
1−C
18およびp=0.1〜20)を有する。エーテルカルボン酸は水硬度に鈍感であり、優れた界面活性剤特性を有する。
【0106】
〔非イオン性(共)界面活性剤〕
(アルコール(Alkohol)アルコキシレート)
添加される非イオン性界面活性剤は、好ましくはアルコキシル化および/またはプロポキシル化されており、特にアルコール1モルあたり好ましくは8〜18個の炭素原子および平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)および/または1〜10モルのプロピレンオキシド(PO) を有する第一級アルコールである。C
8−C
16−アルコールアルコキシレート、有利にはエトキシル化および/またはプロポキシル化C
10−C
15−アルコールアルコキシレート、特に2〜10、好ましくは3〜8のエトキシル化度および/または1〜6、好ましくは1.5〜5のプロポキシル化度を有するC
12−C
14アルコールアルコキシレートが特に好ましい。引用されたエトキシル化度およびプロポキシル化度は、統計的平均値を構成し、特定の製品について、全体または部分数であることができる。好ましいアルコールエトキシレートおよびプロポキシレートは、狭いホモログ分布(狭い範囲のエトキシレート/プロポキシレート、NRE/NRP)を有する。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12を超えるEOを有する脂肪族アルコールも使用することができる。これらの例は、14 EO、16 EO、20 EO、25 EO、30 EOまたは40 EOを有する(タロウ)脂肪族アルコールである。
【0107】
(アルキルグリコシド(APG(登録商標)))
さらに、付加的な非イオン性界面活性剤として、一般式RO(G)
xを満たすアルキルグリコシドを、例えば化合物として、特にアニオン性界面活性剤と共に添加することができ、ここでRは8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する第一級直鎖またはメチル−分枝状、特に2−メチル分枝状脂肪族基を意味し、Gは5または6個の炭素原子を含有するグリコース単位を表し、好ましくはグルコースを表す。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を規定するオリゴマー化度xは、1〜10の間の任意の数、好ましくは1.1〜1.4の間の任意の数である。
【0108】
(脂肪酸エステルアルコキシレート)
唯一の非イオン性界面活性剤としてまたは他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて、特にアルコキシル化脂肪族アルコールおよび/またはアルキルグリコシドと共に使用される別の種類の好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシ化脂肪酸アルキルエステル(好ましくはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を含有する)、より詳細には、例えば特開昭58−217598号公報に記載されているか、または好ましくは国際特許出願である国際公開第90/13533号に記載されたプロセスによって製造された脂肪酸メチルエステルである。平均3〜15個のEOを含有する、特に平均5〜12個のEOを含むC
12−C
18脂肪酸のメチルエステルが特に好ましい。
【0109】
(アミンオキシド)
アミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤、例えばN−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−タロウアルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシドおよび脂肪酸アルカノールアミドも適している。これらの非イオン性界面活性剤が使用される量は、好ましくはエトキシル化脂肪族アルコールが使用される量以下、特にその量の半分以下である。
【0110】
(ジェミニ(gemini)界面活性剤)
いわゆるジェミニ界面活性剤はさらなる界面活性剤とみなすことができる。一般に、このような化合物は、分子当たり2つの親水性基および2つの疎水性基を有する化合物を意味すると理解される。概して、これらの基は「スペーサ」によって互いに分離されている。スペーサは、通常、親水性基が相互に独立して作用できるのに十分な距離で離れるように十分に長くなるように意図された炭化水素鎖である。これらのタイプの界面活性剤は、一般に、異常に低い臨界ミセル濃度および水の表面張力を強く低下させる能力によって特徴付けられる。しかしながら、例外的な場合には、二量体だけでなく、三量体界面活性剤も、ジェミニ界面活性剤という用語によって意味される。適切なジェミニ界面活性剤は、例えば、独国特許出願である独国特許出願公開第4321022A1号明細書による硫酸化ヒドロキシ混合エーテルまたは国際特許出願である国際公開第96/23768A1号によるダイマーアルコールビス−およびトリマーアルコールトリススルフェートおよびエーテルスルフェートである。独国特許出願公開第19513391A1号明細書によるブロックされた末端基の二量体および三量体混合エーテルは、その二官能性および多官能性によって特に特徴付けられる。ジェミニポリヒドロキシ脂肪酸アミドまたはポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば国際特許出願である国際公開第95/19953 A1号、国際公開第95/19954 A1号および国際公開第95/19955A1号に記載されているものも使用することができる。
【0111】
〔カチオン性共界面活性剤〕
(テトラアルキルアンモニウム塩)
カチオン的に活性な界面活性剤は、水溶液中の解離によってカチオンの表面活性に必要な疎水性の高分子基を含む。カチオン性界面活性剤の重要な代表的な群は、一般式:(R
1R
2R
3R
4N
+)X
−のテトラアルキルアンモニウム塩である。ここで、R
1はC
1−C
8アルキル(アルケニル)を表し、R
2、R
3およびR
4は、互いに独立して、1〜22個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)ラジカルを表す。Xは対イオンであり、好ましくはハロゲン化物、アルキルスルフェートおよびアルキルカーボネートの群から選択される。窒素基が2つの長いアシル基および2つの短いアルキル(アルケニル)基で置換されているカチオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0112】
(エステルクワット)
本発明の共界面活性剤として特に有用なカチオン性界面活性剤のさらなるクラスは、いわゆるエステルクワットによって表される。エステルクワットは、一般に四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解される。これらは、予備(preparative)有機化学の関連する方法によって得ることができる既知の化合物である。これに関連して、国際特許出願である国際公開第91/01295A1号を参照し、これによれば次亜リン酸の存在下でトリエタノールアミンを脂肪酸で部分的にエステル化し、空気を反応混合物に通し、次いで全体をジメチルスルフェートまたはエチレンオキシドで四級化する。さらに、独国特許である独国特許第4308794C1号には、トリエタノールアミンエステルの四級化を好適な分散剤、好ましくは脂肪族アルコールの存在下で行う固体エステルクワットの製造プロセスが記載されている。
【0113】
本発明による使用に適したエステルクワットの典型的な例は、アシル成分がRCOが6〜10個の炭素原子を含むアシル基である式RCOOHに対応するモノカルボン酸から誘導され、アミン成分はトリエタノールアミン(TEA)である生成物である。そのようなモノカルボン酸の例は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびそれらの工業的混合物、例えばいわゆるヘッド分画脂肪酸である。アシル成分が8〜10個の炭素原子を含むモノカルボン酸から誘導されるエステルクワットが好ましく使用される。他のエステルクワットは、アシル成分がジカルボン酸、例えばマロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ソルビン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸および/またはドデカン二酸から誘導されるものであるが、好ましくはアジピン酸である。全体として、アシル成分が6〜22個の炭素原子を含むモノカルボン酸およびアジピン酸の混合物から誘導されるエステルクワッドが好ましくは使用される。最終エステルクワット中のモノおよびジカルボン酸のモル比は、1:99〜99:1の範囲であってもよく、好ましくは50:50〜90:10の範囲、より特には70:30〜 80:20の範囲であってもよい。四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩の他に、他の好適なエステルクワットはモノ−/ジカルボン酸混合物のジエタノールアルキルアミンまたは1,2−ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの四級化エステル塩である。エステルクワットは、脂肪酸および対応するジカルボン酸との混合物中の対応するトリグリセリドの両方から得られてもよい。関連する先行技術を代表することを意図したそのようなプロセスの1つが、欧州特許である欧州特許第0750606B1号に提案されている。四級化エステルを製造するために、モノ−およびジカルボン酸とトリエタノールアミンとの混合物(利用可能なカルボキシル官能基に基づく)を1.1:1〜3:1のモル比で使用されてもよい。エステルクワットの性能特性を念頭に置いて、1.2:1〜2.2:1、好ましくは1.5:1〜1.9:1の比が特に有利であることが判明した。好ましいエステルクワットは、1.5〜1.9の平均エステル化度を有するモノ−、ジ−およびトリエステルの工業的混合物である。
【0114】
〔両性または双性イオン性共界面活性剤〕
(ベタイン)
両性または両性電解質界面活性剤は、水溶液中でイオン化することができる複数の官能基を有し、それにより、媒体の条件に応じて、化合物にアニオン性またはカチオン性を付与する(DIN 53900、1972年7月参照)。等電点付近(pH約4)で両性界面活性剤は内部塩を形成し、水に難溶性または不溶性になる。両性界面活性剤は両性電解質とベタインに細分化され、後者は溶液中に双性イオンとして存在する。両性電解質は、両性電解質、すなわち、酸性および塩基性親水性基の両方を有する化合物であり、従って、条件に応じて酸または塩基として挙動する化合物である。特にベタインは既知の界面活性剤であり、主としてアミン化合物のカルボキシアルキル化、好ましくはカルボキシメチル化によって製造される。出発物質は、好ましくはハロカルボン酸またはその塩、より詳細にはクロロ酢酸ナトリウムと縮合され、ベタイン1モル当たり1モルの塩が形成される。例えばアクリル酸などの不飽和カルボン酸の添加も可能である。適切なベタインの例は、式R
1R
2R
3N−(CH
2)
qCOOX(式中、R
1は6〜22個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、R
2は水素または1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基であり、R
3は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基であり、qは1〜6の数であり、Xはアルカリおよび/またはアルカリ土類金属またはアンモニウムである)に対応する第二級および特に第三級アミンのカルボキシアルキル化生成物である。典型的な例は、ヘキシルメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、C
12/14−ココアルキルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、C
16/18−タロウアルキルジメチルアミンおよびそれらの工業的混合物、特にドデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ドデシルエチルメチルアミンおよびこれらの工業的混合物のカルボキシメチル化生成物である。
【0115】
(アルキルアミドベタイン)
他の適切なベタインは、式R
1CO(R
3)(R
4)−NH−(CH
2)
p−N−(CH
2)
qCOOXに対応するアミドアミンのカルボキシアルキル化生成物であり、ここでR
1COは6〜22個の炭素原子および0または1〜3個の二重結合を有する脂肪族アシルラジカルであり、R
2は、水素または1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、R
3は1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、pは1〜6の数であり、qは1〜3の数であり、Xはアルカリおよび/またはアルカリ土類金属またはアンモニウムである。典型的な例は、6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸(linolic acid)、リノール酸(linoleic acid)、エレオステアリン酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸およびそれらの技術的混合物と、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミンおよびN,N−ジエチルアミノ−プロピルアミンとの反応生成物であり、これらはクロロ酢酸ナトリウムと縮合させる。市販されている製品には、Dehyton(登録商標)KおよびDehyton(登録商標)PK(Cognis Deutschland GmbH&Co.、KG)ならびにTego(登録商標)ベタイン(Goldschmidt)が含まれる。
【0116】
(イミダゾリン)
本発明の目的のために使用されるベタインのための他の適切な出発物質はイミダゾリンである。これらの物質もまた既知であり、例えば、1〜2モルのC
6−C
22脂肪酸と多官能性アミン、例えばアミノエチルエタノールアミン(AEEA)またはジエチレントリアミンとの環化縮合によって得られてもよい。対応するカルボキシアルキル化生成物は、異なる開鎖ベタインの混合物である。典型的な例は、上述の脂肪酸とAEEAとの縮合生成物、好ましくはラウリン酸に基づくイミダゾリンであり、これらは続いてクロロ酢酸ナトリウムでベタイン化される。市販されている製品には、Dehyton(登録商標)G(Cognis Deutschland GmbH&Co.,KG)が含まれる。本発明の組成物に含まれる(共)界面活性剤の量は、有利には0.1重量%〜90重量%、特に10重量%〜80重量%、特に好ましくは20重量%〜70重量%である。
【0117】
〔有機溶媒〕
液体軽質または重質洗剤は、有機溶媒、好ましくは水と混和性のものを含んでいてもよい。ポリジオール、エーテル、アルコール、ケトン、アミドおよび/またはエステルは、好ましくは0〜90重量%、好ましくは0.1〜70重量%、特に0.1〜60重量%の量で、このための有機溶媒として使用される。低分子量極性物質、例えばメタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、アセトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、酢酸エチル、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジメチルホルムアミドまたはそれらの混合物が好ましい。
【0118】
〔酵素〕
(セルラーゼ酵素)
本洗剤組成物中に任意に使用されるセルラーゼ酵素は、存在する場合、好ましくは、組成物1グラム当たり重量で約5mgまで、より好ましくは約0.01mg〜約3mgの活性酵素を提供するのに十分なレベルで組み込まれる。他に記載がない限り、本明細書の組成物は、好ましくは、約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の市販の酵素調製物を含む。
【0119】
本発明に適したセルラーゼは、細菌または真菌セルラーゼのいずれかを含む。好ましくは、それらは5〜9.5の最適pHを有する。好適なセルラーゼはフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)およびフミコーラ(Humicola)菌株DSM1800から製造された真菌セルラーゼまたはアエロモナス(Aeromonas)属に属するセルラーゼ212産生菌、海洋軟体動物(Dolabella Auricula Solander)の肝臓膵臓から抽出されたセルラーゼの好適なセルラーゼも英国特許出願公開第 2,075,028 A号明細書に記載されている。さらに、本明細書での使用に特に適したセルラーゼは、国際公開第1992 013057 A1号に開示されている。最も好ましくは、本発明の洗剤組成物に使用されるセルラーゼは、NOVO Industries A/SからCAREZYMEOおよびCELLUZYMEOの商品名で市販されている。
【0120】
(その他の酵素)
例えばタンパク質系、炭水化物系、またはトリグリセリド系の汚れの除去、およびレフジュー染料の移染の防止、および布地の復元のための広範囲の布地の洗濯目的のために追加の酵素を本明細書の洗剤組成物に含めることができる。組み込まれる追加の酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、およびペルオキシダーゼ、ならびにそれらの混合物が含まれる。他のタイプの酵素も含めることができる。それらは、植物、動物、細菌、真菌および酵母起源など、任意の適切な起源のものであることができる。しかし、それらの選択は、pH−活性および/または安定性の最適化、熱安定性、安定性対活性界面活性剤、ビルダーならびに使用中に悪臭を引き起こす可能性などのいくつかの要因によって左右される。この点で、細菌性または真菌性の酵素、例えば細菌のアミラーゼおよびプロテアーゼが好ましい。
【0121】
酵素は、通常、組成物1グラム当たり重量で約5mgまで、より典型的には約0.01mg〜約3mgの活性酵素を提供するのに十分なレベルで組み込まれる。別の言い方をすれば、本明細書の組成物は、典型的には、約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の市販の酵素調製物を含む。プロテアーゼ酵素は通常組成物1グラム当たり0.005〜0.1アンソン単位(AU)の活性を提供するのに十分なレベルでそのような市販の調製物中に存在する。
【0122】
プロテアーゼの適切な例は、B.サブティリス(B.subtilis)およびB.リケニフォルミス(B. licheniforms)の特定の株から得られるサブチリシンである。別の適切なプロテアーゼは、Novo Industries A/Sによって登録された商品名ESPERASE(登録商標)で開発され販売されている8〜12のpH範囲全体にわたって最大活性を有するバチルス株から得られる。この酵素および類似の酵素の調製は、Novoの英国特許第1,243,784号明細書に記載されている。市販されているタンパク質系の汚れを除去するのに適したタンパク質分解酵素には、Novo Industries A/SによってALCALASE(登録商標)およびSAVINASE(登録商標)ならびにInternational Bio−Synthetics、IncによってMAXATASE(登録商標)の商品名で販売されているものが含まれる。他のプロテアーゼには、プロテアーゼA;プロテアーゼB、およびGenencor International、Inc.によって米国特許第5,204,015号明細書および米国特許第5,244,791号明細書に従って製造されたプロテアーゼが含まれる。
【0123】
アミラーゼとしては、例えばRAPIDASE(登録商標)、International Bio−Synthetics,Inc.およびTERMAMYL(登録商標)、Novo Industriesのようなα−アミラーゼが挙げられる。
【0124】
洗剤使用のための適切なリパーゼ酵素には、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri) ATCC 19154のようなシュードモナス(Pseudomonas)群の微生物によって産生されるものが含まれる。このリパーゼは、Amano Pharmaceutical Co. Ltd.から商品名Lipase P 「Amano」として市販されている。他の市販のリパーゼには、Amano−CES、クロモバクター・ビスコサム(Chromobacter viscosum)由来のリパーゼ、例えばクロモバクター・ビスコサム・var.・リポリディカ(Chromobacter viscosum var. lipolyticum)NRRLB 3673(Toyo Jozo Co.から市販)、およびさらにU.S. Biochemical Corp. およびDisoynth Co.からの クロモバクター・ビスコサム(Chromobacter viscosum)リパーゼ、ならびにシュードモナス・グラジオリ(Pseudomonas gladioli)からのリパーゼが含まれる。フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来のLIPOLASE(登録商標)酵素(Novo Industries A/Sから市販されている)は、本明細書での使用に好ましいリパーゼである。
【0125】
ペルオキシダーゼ酵素は、酸素源、例えば過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過酸化水素などと組み合わせて使用される。それらは、「溶液漂白」、すなわち、洗浄操作中に基材から除去された染料または顔料の、洗浄溶液中の他の基材への移動を防止するために使用される。ペルオキシダーゼ酵素は、当該技術分野において既知であり、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、リグニナーゼ、およびクロロペルオキシダーゼおよびブロモペルオキシダーゼなどのハロペルオキシダーゼを含む。ペルオキシダーゼ含有洗剤組成物は、例えば国際公開第1989 099813 A1号に開示されている。
【0126】
(酵素安定剤)
本明細書で使用される酵素は、このようなイオンを酵素に提供する最終洗剤組成物中のカルシウムおよび/またはマグネシウムイオンの水溶性源の存在によって安定化される。(カルシウムイオンは、一般に、マグネシウムイオンより幾分効果的であり、カチオンの1つのタイプのみが使用される場合、本明細書において好ましい)。さらなる安定性は、様々な他の当技術分野で開示された安定剤、特にボレート種の存在によって提供できる(本明細書にその全体が組み込まれる米国特許第4,537,706号明細書を参照)。典型的な洗剤、特に液体は、最終組成物のリットル当たり約1〜約30、好ましくは約2〜約20、より好ましくは約5〜約15、最も好ましくは約8〜約12ミリモルのカルシウムイオンを含む。固体洗剤組成物では、配合物は、洗濯液中にそのような量を提供するのに十分な量の水溶性カルシウムイオン源を含むことができる。代わりに、天然水硬度で十分である。
【0127】
上記レベルのカルシウムおよび/またはマグネシウムイオンは、酵素安定性を提供するのに十分であることが理解されるべきである。グリース除去性能のさらなる尺度を提供するために、より多くのカルシウムおよび/またはマグネシウムイオンを組成物に添加することができる。従って、一般的な命題として、本明細書の組成物は、典型的には、約0.05重量%〜約2重量%のカルシウムまたはマグネシウムイオンまたはその両方の水溶性供給源を含む。その量は、もちろん、組成物中に使用される酵素の量および種類によって変化し得る。
【0128】
本明細書の組成物はまた、任意に、しかし好ましくは、様々な追加の安定剤、特にボレートタイプの安定剤を含むことができる。典型的には、このような安定剤は、組成物において、組成物中にホウ酸を生成することができるホウ酸または他のボレート化合物を約0.25重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.75重量%〜約3重量%のレベルで使用される(ホウ酸を基準として計算)。ホウ酸が好ましいが、酸化ホウ素、ホウ砂および他のアルカリ金属ボレート(例えばオルト−、メタ−およびピロホウ酸ナトリウムおよび五ホウ酸ナトリウム)のような他の化合物が好適である。置換ホウ酸(例えば、フェニルボロン酸、ブタンボロン酸およびp−ブロモフェニルボロン酸)も、ホウ酸の代わりに使用することができる。
【0129】
〔ビルダー〕
(ゼオライト)
ビルダーとして、結合水を含有する微細結晶性合成ゼオライト、例えば、好ましくはゼオライトAおよび/またはPを使用することができる。ゼオライトMAP.RTM(Crosfield社の市販品)がゼオライトPとして特に好ましい。しかし、ゼオライトXおよびA、X、Yおよび/またはPの混合物もまた適している。ゼオライトAおよびゼオライトXからの共結晶化されたナトリウム/カリウムアルミニウムシリケートであり、これはVegobond(登録商標)RX(Condea Augusta S.p.A.の市販品)として入手可能であり、また特に興味深い。好ましくは、ゼオライトは、噴霧乾燥粉末として使用することができる。ゼオライトが懸濁液として添加される場合、これは安定剤として少量の非イオン性界面活性剤を、例えばゼオライトに基づいて1〜3重量%の、2〜5個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化C12−C18脂肪族アルコール、4〜5個のエチレンオキシド基を有するC
12−C
14脂肪族アルコールまたはエトキシル化イソトリデカノールを含む含むことができる。適切なゼオライトは、10μm未満の平均粒径(試験法:体積分布Coulter conter)を有し、好ましくは18〜22重量%、特に20〜22重量%の結合水を含む。これとは別に、ホスフェートもビルダーとして使用することができる。
【0130】
(層状シリケート)
ホスフェートおよびゼオライトの好適な代替物または部分的な代替物は、結晶性の層状ケイ酸ナトリウムである。これらのタイプの結晶性層状シリケートは、例えば欧州特許出願である欧州特許出願公開第0164514 A1号に記載されている。好ましい結晶性層状シリケートは、例えば国際特許出願である国際公開第91/08171A1号に記載されたプロセスから得られるものである。
【0131】
(非晶質シリケート)
好ましいビルダーはまた、1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、より好ましくは1:2〜1:2.6のモジュラス(Na
2O:SiO
2比)を有する非晶質ケイ酸ナトリウムを含み、これは遅延して溶解し、複数の洗浄サイクル特性を示す。従来の非晶質ケイ酸ナトリウムと比較して溶解の遅延は、例えば表面処理、コンパウンディング、圧縮/コンパクト化、または過乾燥により種々の方法で得られることができる。本発明の文脈において、「非晶質」という用語はまた、「X線非晶質」も意味する。言い換えれば、シリケートは、X線回折実験において結晶性物質に典型的なシャープなX線反射を生成しないが、回折角に数度の幅を有する散乱X線の1つ以上の最大値を生じる。しかしながら、特に良好なビルダー特性は、シリケート粒子が電子回折実験において不明瞭な回折最大値またはシャープな回折最大値を生成する場合でさえ達成され得る。これは、生成物が10〜数100nmのサイズの微結晶領域を有し、50nm以下、特に20nm以下の値が好ましいことを意味すると解釈されるべきである。慣用の水ガラスと比較して同様に遅延溶解を有するこの種のX線非晶質シリケートは、例えば独国特許出願である独国特許出願公開第4400024A1号に記載されている。圧縮/緻密化非晶質シリケート、コンパウンド非晶質シリケートおよび過乾燥X線非晶質シリケートが特に好ましい。
【0132】
(ホスフェート)
また、一般的に知られているホスフェートは、それらの使用が生態学的根拠で回避されるべきでない限り、ビルダーとして添加することもできる。オルトホスフェート、ピロホスフェート、特にトリポリホスフェートのナトリウム塩が特に適している。それらの含有量は一般に25重量%以下、好ましくは20重量%以下であり、それぞれ完成した組成物に基づく。いくつかの場合において、トリポリホスフェートは、完成した組成物に基づいて、少量で既に最大で10重量%で、他のビルダーとの組み合わせることで、二次洗浄力の相乗的改善をもたらすことが示されている。ホスフェートの好ましい量は、10重量%未満、特に0重量%である。
【0133】
〔コビルダー〕
(ポリカルボン酸)
有用な有機コビルダーは、例えば、ポリカルボン酸のナトリウム塩の形態で使用可能なポリカルボン酸であり、ポリカルボン酸は1超過の酸官能基を有するカルボン酸であると理解される。例えばクエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)およびその誘導体およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい塩は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸およびこれらの混合物などのポリカルボン酸の塩である。
【0134】
(有機酸)
酸自体も使用することができる。それらのビルディング効果に加えて、酸はまた、典型的には、酸性化成分の特性を有し、従って、洗剤またはクレンジング組成物中に比較的低いおよび穏やかなpHを確立するためにも役立つ。この点に関して、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸およびこれらの混合物が特に挙げられる。さらに適切な酸性化剤は、炭酸水素ナトリウムおよび硫酸水素ナトリウムのような既知のpH調整剤である。
【0135】
(ポリマー)
特に好適なポリマーコビルダーは、好ましくは2,000〜20,000g/molの分子量を有するポリアクリレートである。それらの優れた溶解性のために、この群の好ましい代表例は、同様に2000〜10,000g/mol、より好ましくは3,000〜5,000g/molの分子量を有する短鎖ポリアクリレートである。適切なポリマーはまた、部分的または完全にビニルアルコール単位またはその誘導体からなる物質を含むことができる。
【0136】
さらに好適な共重合ポリカルボキシレートは、特に、アクリル酸とメタクリル酸とのもの、およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのものである。アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーは、50〜90重量%のアクリル酸および50〜10重量%のマレイン酸を含み、特に適切であることが判明している。遊離酸を基準としたその相対分子量は、一般に2,000〜70,000g/mol、好ましくは20,000〜50,000g/mol、特に30,000〜40,000g/molの範囲である。(コ)ポリマー性ポリカルボキシレートは、水溶液として、または好ましくは粉末として添加することができる。水溶性を改良するために、ポリマーはまた、欧州特許第0727448B1号明細書のように、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸などのモノマーとしてアリルスルホン酸を含むこともできる。
【0137】
2超過の異なるモノマー単位を含む生分解性ポリマーが特に好ましく、例は、例えば独国特許出願公開第4300772A1号明細書のようにアクリル酸塩およびマレイン酸塩、さらにビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体をモノマーとして含むもの、またはアクリル酸塩および2−アルキルアリルスルホン酸の塩、ならびに糖誘導体をモノマーとして含むものである。さらに好ましいコポリマーは、独国特許出願公開第4303320A1号明細書および独国特許出願公開第4417734A1号明細書に記載されているものであり、好ましくはアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩またはアクロレインおよび酢酸ビニルをモノマーとして含むものである。
【0138】
同様に、他の好ましいビルダーはポリマー性アミノジカルボン酸、その塩または前駆体である。コビルダー特性に加えて漂白安定化作用を有するものとして独国特許出願である独国特許出願公開第19540086A1号明細書に開示されているポリアスパラギン酸またはその塩および誘導体が特に好ましい。
【0139】
さらに好適なビルダーは、欧州特許出願である欧州特許出願公開第0280223A1号明細書に記載されているように、5〜7個の炭素原子および少なくとも3つのヒドロキシル基を有するポリオールカルボン酸でジアルデヒドを処理することによって得ることができるポリアセタールである。好ましいポリアセタールは、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドのようなジアルデヒドならびにそれらの混合物から、およびグルコン酸および/またはグルコヘプトン酸のようなポリカルボン酸から得られる。
【0140】
(炭水化物)
さらに好適な有機コビルダーは、デキストリン、例えば、デンプンの部分的加水分解によって得ることができる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。加水分解は、典型的なプロセス、例えば、酸性または酵素的触媒プロセスを用いて行うことができる。加水分解生成物は、好ましくは400〜500,000g/molの範囲の平均分子量を有する。デキストロース当量(DE)が0.5〜40、より詳細には2〜30の多糖類が好ましく、DEは、100のDEを有するデキストロースと比較して多糖の還元効果の許容される尺度である。3〜20のDEを有するマルトデキストリンおよび20〜37のDEを有する乾燥グルコースシロップ、ならびに2,000〜30,000g/molの比較的高分子量を有するいわゆる黄色デキストリンおよび白色デキストリンの両方を使用してもよい。好ましいデキストリンは、英国特許出願である英国特許出願公開第9419091号明細書に記載されている。
【0141】
このようなデキストリンの酸化誘導体は、サッカライド環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基に酸化することができる酸化組成物との反応生成物に関する。このような酸化デキストリンおよびその製造プロセスは、例えば欧州特許出願である欧州特許出願公開第0232202A1号明細書から既知である。サッカライド環のC6で酸化された生成物が特に有利であり得る。
【0142】
オキシジスクシネートおよびジスクシネートの他の誘導体、好ましくはエチレンジアミンジスクシネートもまた、さらに好適なコビルダーである。ここで、エチレンジアミン−N,N'−ジスクシネート(EDDS)(その合成は、例えば米国特許第3,158,615号明細書に記載されている)は、好ましくはそのナトリウムまたはマグネシウム塩の形態で使用される。これに関連して、グリセリンジスクシネートおよびグリセリントリスクシネートも、米国特許第4,524,009号明細書に記載されているようなものが特に好ましい。ゼオライト含有および/またはシリケート含有配合物中の適切な添加量は、3〜15重量%の範囲である。
【0143】
(ラクトン)
他の有用な有機コビルダーは、例えば、任意にラクトン形態で存在してもよく、少なくとも4個の炭素原子、少なくとも1つのヒドロキシル基および多くとも2つの酸基を含むアセチル化ヒドロキシカルボン酸およびその塩である。そのようなコビルダーは、例えば、国際特許出願である国際公開第1995 020029 A1号に記載されている。
【0144】
〔漂白化合物、漂白剤および漂白活性化剤〕
本明細書の洗剤組成物は、任意に、漂白剤ならびに漂白剤および1つ以上の漂白活性化剤を含む漂白組成物を含有することができる。存在する場合、漂白剤は、通常、洗剤組成物(特に布地の洗濯用)の約1%〜約30%、より典型的には約5%〜約20%のレベルである。存在する場合、漂白活性化剤の量は、典型的には漂白剤+漂白活性化剤を含む漂白組成物の約0.1%〜約60%、より典型的には約0.5%〜約40%である。
【0145】
本明細書で使用される漂白剤は、繊維製品クリーニング、硬質表面クリーニング、または現在知られているかまたは知られるようになる他のクリーニング目的での洗剤組成物に有用ないずれかの漂白剤であることができる。これらには、酸素漂白剤および他の漂白剤が含まれる。過ホウ酸塩漂白剤、例えば過ホウ酸ナトリウム(例えば、一水和物または四水和物)を本明細書で使用することができる。
【0146】
制限なく使用できる漂白剤の別のカテゴリーには、過カルボン酸漂白剤およびその塩が包含される。この種類の薬剤の適切な例には、モノペルオキシフタル酸マグネシウム六水和物、メタクロロ過安息香酸のマグネシウム塩、4−ノニルアミノ−4−オキソペルオキシ酪酸およびジペルオキシドデカン二酸が含まれる。
【0147】
過酸素漂白剤も使用することができる。適切な過酸素漂白化合物としては、炭酸ナトリウム過酸化水素化物および同等の「過炭酸塩」漂白剤、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、および過酸化ナトリウムが挙げられる。過硫酸塩漂白剤(例えば、DuPontによって市販されているOXONEO(登録商標))も使用することができる。
【0148】
好ましい過炭酸塩漂白剤は、約500マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの範囲の平均粒径を有する乾燥粒子を含み、この粒子の約10重量%以下が約200マイクロメートルより小さく、この粒子の約10重量%以下が約1,250マイクロメートルよりも大きい。任意に、過炭酸塩はケイ酸塩、ホウ酸塩または水溶性界面活性剤でコーティングされることができる。過炭酸塩は、種々の商業的供給源から入手可能である。
【0149】
漂白剤の混合物も使用することができる。
【0150】
過酸素漂白剤、過ホウ酸塩、過炭酸塩などは、好ましくは漂白活性化剤と組み合わせられ、漂白活性化剤に対応するペルオキシ酸の水溶液中でのその場生産(すなわち、洗浄プロセス中)をもたらす。ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)活性化剤が典型的であり、それらの混合物もまた使用することができる。
【0151】
好ましいアミド由来漂白剤活性化剤には、(6−オクタンアミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6−ノナンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6−デカンアミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホネートおよびこれらの混合物が含まれる。
【0152】
別のクラスの漂白活性化剤は、参考として本明細書に組み込まれる米国特許第4,966,723号明細書に開示されたベンゾオキサジンタイプの活性化剤を含む。
【0153】
極めて好ましいラクタム活性化剤としては、ベンゾイルカプロラクタム、オクタノイルカプロラクタム、3,5,5−トリメチルヘキサノイルカプロラクタム、ノナノイルカプロラクタム、デカノイルカプロラクタム、ウンデセノイルカプロラクタム、ベンゾイルバレロラクタム、オクタノイルバレロラクタム、デカノイルバレロラクタム、ウンデセノイルバレロラクタム、ノナノイルバレロラクタム、3,5,5−トリメチルヘキサノイルバレロラクタムおよびこれらの混合物が挙げられ、任意に固体担体に吸着され、例えば過ホウ酸ナトリウムに吸着されたアシルカプロラクタム、好ましくはベンゾイルカプロラクタムが挙げられる。
【0154】
酸素漂白剤以外の漂白剤も当該技術分野において知られており、ここで利用することができる。特に重要な非酸素漂白剤の1つのタイプは、スルホン化亜鉛および/またはアルミニウムフタロシアニンのような光活性化漂白剤を含む。使用される場合、洗剤組成物は、典型的には、約0.025重量%〜約1.25重量%のこのような漂白剤、特にスルホネート亜鉛フタロシアニンを含有する。
【0155】
所望であれば、漂白化合物は、マンガン化合物によって触媒され得る。このようなマンガン系触媒は、当該技術分野において周知であり、Mn
IV2(u−O)
3(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)
2(PF
6)
2、Mn
III2(u−O)
1(u−OAc)
2(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)
2(ClO
4)
2、Mn
IV4(u−O)
6(1,4,7−トリアザシクロノナン)
4(ClO
4)
4、Mn
IIIMn
IV4(u−O)
1(u−OAc)
2(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)
2(ClO
4)
3、Mn
IV(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)−(OCH
3)
3(PF
6)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0156】
実際の問題としては、限定するものではないが、本明細書の組成物およびプロセスは、水性洗浄液中の少なくとも1000万分の1部のオーダーの活性漂白触媒種を提供するように調整することができ、好ましくは洗濯液中約0.1ppm〜約700ppm、より好ましくは約1ppm〜約500ppmの触媒種を提供する。
【0157】
〔ポリマー性汚れ放出剤〕
本発明の洗剤組成物およびプロセスにおいて、当業者に既知のいずれかのポリマー性汚れ放出剤を任意に使用することができる。ポリマー性汚れ放出剤は、ポリエステルおよびナイロンのような疎水性繊維の表面を親水化する親水性セグメントと、疎水性繊維上に沈着し、洗浄およびすすぎサイクルの完了後に付着したままであり、従って親水性セグメントのアンカーとして働く疎水性セグメントとの両方を有することを特徴とする。これにより、汚れ剥離剤による処理の後に発生する汚れを、後の洗浄手順でより容易に清浄化することが可能になる。
【0158】
本明細書で有用なポリマー性汚れ放出剤には、特に、(a)少なくとも2の重合度を有するポリオキシエチレンセグメント、または(ii)2〜10の重合度を有するオキシプロピレンまたはポリオキシプロピレンセグメントであって、ここでこの親水性セグメントは、エーテル連結によって各末端において隣接部分に結合しない限りオキシプロピレン単位を包含しないセグメント、または(iii)オキシエチレンおよび1〜約30のオキシプロピレン単位を含むオキシアルキレン単位の混合物であって、ここでこの混合物は、親水性成分が、表面への汚れ放出剤の沈着時に従来のポリエステル合成繊維表面の親水性を増大させるのに十分大きい親水性を有するようにオキシエチレン単位の十分な量を含有する混合物であり、この親水性セグメントは、好ましくは少なくとも約25%のオキシエチレン単位、より好ましくは特にこうした成分に関して約20〜30のオキシプロピレン単位、少なくとも約50%のオキシエチレン単位を含む混合物から本質的になる1つ以上の非イオン性親水性成分、あるいは(b)(i)C
3オキシアルキレンテレフタレートセグメントであって、ここでこの疎水性成分がまたオキシエチレンテレフタレートを含む場合、オキシエチレンテレフタレート:C
3オキシアルキレンテレフタレート単位の比は約2:1以下であるセグメント、(ii)C
4−C
6アルキレンまたはオキシC
4−C
6アルキレンセグメント、またはその混合物、(iii)少なくとも2の重合度を有するポリ(ビニルエステル)セグメント、好ましくはポリビニルアセテート)、または(iv)C
1−C
4アルキルエーテルまたはC
4ヒドロキシアルキルエーテル置換基またはこれらの混合物であって、ここでこの置換基は、C
1−C
4アルキルエーテルおよび/またはC
4ヒドロキシアルキルエーテルセルロース誘導体またはこれらの混合物の形態で存在し、こうしたセルロース誘導体は両性であり、それによって、従来のポリエステル合成繊維表面に付着し、十分なレベルのヒドロキシルを保持し、一旦このような従来の合成繊維表面に吸着したら、繊維表面の親水性を増加させるのに十分なレベルでC
1−C
4アルキルエーテルまたはC
4ヒドロキシアルキルエーテル単位を有するものを含む1つ以上の疎水性成分、あるいは(a)と(b)との組み合わせを有する汚れ放出剤が含まれる。
【0159】
典型的には、(a)(i)のポリオキシエチレンセグメントは、約200の重合度を有するが、より高いレベル、好ましくは3〜約150、より好ましくは6〜約100を使用することができる。好適なオキシC
4−C
6アルキレン疎水性セグメントには、ポリマー性汚れ放出剤のエンドキャップが含まれるが、これに限定されない。
【0160】
本発明に有用なポリマー汚れ放出剤はまた、ヒドロキシエーテルセルロース系ポリマー、エチレンテレフタレートまたはプロピレンテレフタレートとポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドテレフタレートとのコポリマーブロックなどのセルロース誘導体を含む。このような薬剤は市販されており、METHOCEL(登録商標)(Dow)のようなセルロースのヒドロキシエーテルを含む。本明細書で使用するためのセルロース系汚れ放出剤には、C
1−C
4アルキルおよびC
4ヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択されるものも含まれる。
【0161】
ポリ(ビニルエステル)疎水性セグメントによって特徴付けられる汚れ放出剤には、ポリ(ビニルエステル)、例えばC
1−C
6ビニルエステルのグラフトコポリマー、好ましくはポリアルキレンオキシド骨格、例えばポリエチレンオキシド骨格にグラフトされたポリ(ビニルアセテート)が含まれ、その全体が本明細書に組み込まれる欧州特許第0219048号明細書を参照のこと。この種の市販の汚れ放出剤には、SOKALAN(登録商標)タイプの材料、例えばSOKALAN(登録商標)HP−22(BASFから入手可能)が含まれる。
【0162】
好ましい汚れ放出剤の1つのタイプは、エチレンテレフタレートおよびポリエチレンオキシド(PEO)テレフタレートのランダムブロックを有するコポリマーである。このポリマー性汚れ放出剤の分子量は、好ましくは約25,000〜約55,000の範囲である。
【0163】
別の好ましいポリマー性汚れ放出剤は、エチレンテレフタレート単位の繰り返し単位を有するポリエステルであり、平均分子量300〜5,000のポリオキシエチレングリコールから誘導された90〜80重量%のポリオキシエチレンテレフタレート単位と共にエチレンテレフタレート単位を10〜15重量%含有する。このポリマーの例には、市販の材料ZELCON(登録商標)5126(DuPont製)およびMILEASE(登録商標)T(ICI製)が含まれる。
【0164】
別の好ましいポリマー性汚れ放出剤は、テレフタロイルおよびオキシアルキレンオキシ繰り返し単位のオリゴマーエステル骨格および骨格に共有結合した末端部分を含む実質的に直鎖のエステルオリゴマーのスルホン化生成物である。これらの汚れ放出剤は、米国特許第4,968,451号明細書に完全に記載されている。他の好適なポリマー性汚れ放出剤としては、米国特許第4,711,730号明細書のテレフタレートポリエステル、米国特許第4,721,580号明細書のアニオン末端キャップオリゴマーエステル、米国特許第4,702,857号明細書のブロックポリエステルオリゴマー化合物、および米国特許第4,877,896号明細書のアニオン性、特にスルホアロイル末端キャップ化テレフタレートエステルが挙げられ、これらの特許はすべてその全体が本明細書に組み込まれる。
【0165】
さらに別の好ましい汚れ放出剤は、テレフタロイル単位、スルホイソテレフタロイル単位、オキシエチレンオキシ単位およびオキシ−1,2−プロピレン単位の繰り返し単位を有するオリゴマーである。繰り返し単位はオリゴマーの骨格を形成し、好ましくは修飾イセチオネート末端キャップで終結する。このタイプの特に好ましい汚れ放出剤は、約1.7〜約1.8の比で約1個のスルホイソフタロイル単位、5個のテレフタロイル単位、オキシエチレンオキシ単位およびオキシ−1,2−プロピレンオキシ単位、ならびにナトリウム2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エタンスルホネートの2つのエンドキャップ単位を含む。この汚れ放出剤はまた、オリゴマーの約0.5重量%〜約20重量%の結晶性低下安定剤を含み、これは、好ましくは、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、トルエンスルホネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0166】
使用される場合、汚れ放出剤は、一般に、本明細書の洗剤組成物の約0.01重量%〜約10.0重量%、典型的には約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.2重量%〜約3.0重量%で含まれる。
【0167】
〔ポリマー分散剤〕
ポリマー分散剤は、本明細書の洗剤組成物中、特にゼオライトおよび/または層状シリケートビルダーの存在下で、約0.1重量%〜約7重量%のレベルで有利に利用することができる。適切なポリマー分散剤には、ポリマー性ポリカルボキシレートおよびポリエチレングリコールが含まれるが、当該技術分野で既知の他のものもまた使用できる。理論によって制限されることは意図されていないが、ポリマー性分散剤は、他のビルダー(低分子量ポリカルボキシレートを含む)と組み合わせて使用する場合、結晶性成長阻害、粒子状汚れ放出解膠および再付着防止により、全体的な洗剤ビルダー性能を高めると考えられる。
【0168】
ポリマー性ポリカルボキシレート材料は、好ましくはそれらの酸の形態で、適切な不飽和モノマーを重合または共重合させることによって調製することができる。適切なポリマー性ポリカルボキシレートを形成するために重合することができる不飽和モノマー酸は、アクリル酸、マレイン酸(または無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸およびメチレンマロン酸を含む。ビニルメチルエーテル、スチレン、エチレンなどのカルボキシレートラジカルを含まない本明細書のポリマー性ポリカルボキシレートまたはモノマー性セグメントの存在は好適であるが、ただしそのようなセグメントが約40重量%を超えないようにする。
【0169】
特に好適なポリマー性ポリカルボキシレートは、アクリル酸から誘導することができる。本明細書で有用なこのようなアクリル酸系のポリマーは、重合したアクリル酸の水溶性塩である。このようなポリマーの酸形態の平均分子量は、好ましくは約2,000〜10,000、より好ましくは約4,000〜7,000、最も好ましくは約4,000〜5,000の範囲である。そのようなアクリル酸ポリマーの水溶性塩は、例えば、アルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩を含むことができる。このタイプの可溶性ポリマーは、既知の材料である。洗剤組成物におけるこのタイプのポリアクリレートの使用は、例えば米国特許第3,308,067号明細書に開示されている。
【0170】
アクリル/マレイン酸系コポリマーもまた、分散/再付着防止剤の好ましい成分として使用することができる。このような材料には、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーの水溶性塩が含まれる。このようなコポリマーの酸形態の平均分子量は、好ましくは約2,000〜100,000、より好ましくは約5,000〜75,000、最も好ましくは約7,000〜65,000の範囲である。このようなコポリマー中のアクリレート対マレエートセグメントの比は、一般に約30:1〜約1:1、より好ましくは約10:1〜2:1の範囲である。このようなアクリル酸/マレイン酸コポリマーの水溶性塩は、例えば、アルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩を含むことができる。このタイプの可溶性アクリレート/マレエートコポリマーは、欧州特許出願公開第0193360A1号明細書に記載されている既知の材料であり、ヒドロキシプロピルアクリレートを含むこのようなポリマーも記載されている。さらに他の有用な分散剤としては、マレイン酸/アクリル酸/ビニルアルコールターポリマー、例えばアクリル酸/マレイン酸/ビニルアルコールの45/45/10ターポリマーが挙げられる。
【0171】
含まれることができる別のポリマー材料は、ポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは、分散剤の性能を示すだけでなく、粘土の汚れ除去−再付着防止剤として作用することができる。これらの目的のための典型的な分子量範囲は、約500〜約100,000、好ましくは約1,000〜約50,000、より好ましくは約1,500〜約10,000の範囲である。
【0172】
ポリアスパルテートおよびポリグルタメート分散剤も、特にゼオライトビルダーと共に使用することができる。ポリアスパルテートなどの分散剤は、好ましくは約10,000の分子量(平均)を有する。
【0173】
〔発泡抑制剤/起泡抑制剤〕
特に、自動洗浄プロセスで使用される場合、従来の発泡抑制剤を組成物に添加することが有利であり得る。適切な発泡抑制剤としては、例えば、C
18−C
24脂肪酸の含有量が高い、天然起源または合成起源の石鹸が挙げられる。適切な非表面活性型の発泡抑制剤は、例えば、オルガノポリシロキサンおよび任意にシラン化された微細なシリカとのそれらの混合物ならびにパラフィン、ワックス、微結晶性ワックスおよびシラン化シリカまたはビス−ステアリルエチレンジアミンとのそれらの混合物である。種々の発泡抑制剤の混合物、例えばシリコーン、パラフィンまたはワックスの混合物も有利に使用される。好ましくは、発泡抑制剤、特にシリコーン含有および/またはパラフィン含有発泡抑制剤は、粒子状の水溶性または分散性の担体材料に充填される。特にこの場合、パラフィンとビス−ステアリルエチレンジアミドとの混合物が好ましい。
【0174】
泡の形成を低減または抑制するための化合物は、本発明の洗剤組成物に組み込むことができる。起泡抑制は、いわゆる「高濃度クリーニングプロセス」および欧州スタイル洗濯機のフロントローディングにおいて特に重要であり得る。
【0175】
多種多様な材料を起泡抑制剤として使用することができ、起泡抑制剤は当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Third Edition, Volume 7,430−447頁(John Wiley & Sons, Inc., 1979)を参照されたい。特に関心のある発泡抑制剤の1つのカテゴリーには、脂肪族モノカルボン酸およびその可溶性塩が包含される。発泡抑制剤として使用される脂肪族モノカルボン酸およびその塩は、典型的には10〜約24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子のヒドロカルビル鎖を有する。適切な塩には、ナトリウム塩、カリウム塩およびリチウム塩などのアルカリ金属塩、およびアンモニウム塩およびアルカノールアンモニウム塩が含まれる。
【0176】
本明細書の洗剤組成物はまた、非界面活性剤起泡抑制剤を含むことができる。これらには、例えば、パラフィン、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C
18−C
40ケトン(例えば、ステアリン)などのような高分子量炭化水素が含まれる。他の発泡抑制剤には、塩化シアヌルと、1〜24個の炭素原子を含有する第一級または第二級アミンの2または3モル、プロピレンオキシドおよびモノステアリルホスフェート、例えばモノステアリルアルコールホスフェートエステルおよびモノステアリルジアルカリ金属(例えば、K、NaおよびLi)ホスフェートおよびホスフェートエステルとの生成物として形成される、N−アルキル化アミノトリアジン、例えばトリからヘキサアルキルメラミンまたはジからテトラアルキルジアミンクロロトリアジンが含まれる。パラフィンおよびハロパラフィンなどの炭化水素は、液体形態で利用することができる。液体炭化水素は、室温および大気圧で液体であり、約−40℃〜約50℃の範囲の流動点および約110℃(大気圧)以上の最低沸点を有する。好ましくは約100℃未満の融点を有するワックス状炭化水素を使用することも知られている。炭化水素起泡抑制剤は、当該技術分野において既知であり、約12〜約70個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、芳香族、および複素環式の飽和または不飽和炭化水素を含む。この起泡抑制剤の議論で使用される用語「パラフィン」は、真のパラフィンと環状炭化水素の混合物を含むことを意図している。
【0177】
非界面活性剤起泡抑制剤の別の好ましいカテゴリーは、シリコーン起泡抑制剤を含む。このカテゴリには、ポリオルガノシロキサン油、例えばポリジメチルシロキサン、ポリオルガノシロキサン油または樹脂の分散液またはエマルション、およびポリオルガノシロキサンとシリカ粒子との組み合わせが含まれ、ここでポリオルガノシロキサンは、シリカ上に化学吸着されまたは縮合される。シリコーン起泡抑制剤は当該技術分野において周知である。
【0178】
他のシリコーン起泡抑制剤は、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第3,455,839号明細書に開示されており、少量のポリジメチルシロキサン流体をその中に組み込むことによって水溶液を脱泡するための組成物およびプロセスに関する。
【0179】
シリコーンとシラン化されたシリカとの混合物は、例えば独国特許出願公開第(DE−OS)2124526号明細書に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。顆粒洗剤組成物中のシリコーン消泡剤および起泡抑制剤は、米国特許第4,652,392号明細書(その全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0180】
本明細書で使用される好ましいシリコーン起泡抑制剤において、連続相の溶媒は、特定のポリエチレングリコールまたはポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポリマーまたはそれらの混合物(好ましくは)またはポリプロピレングリコールで構成される。一次シリコーン起泡抑制剤は分枝/架橋しており、好ましくは直鎖ではない。
【0181】
本明細書のシリコーン起泡抑制剤は、好ましくは、約1,000未満、好ましくは約100〜800の平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールのコポリマーを含む。本明細書のポリエチレングリコールおよびポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーは、室温で約2重量%を超える、好ましくは約5重量%を超える水に対する溶解度を有する。
【0182】
本明細書で好ましい溶媒は、約1,000未満、より好ましくは約100〜800、最も好ましくは200〜400の平均分子量を有するポリエチレングリコール、およびポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール、好ましくはPPG 200/PEG 300のコポリマーである。ポリエチレン−ポリプロピレングリコールのポリエチレングリコール:コポリマーの約1:1〜1:10、最も好ましくは1:3〜1:6の重量比が好ましい。
【0183】
本明細書で使用される好ましいシリコーン起泡抑制剤は、特に4,000の分子量のポリプロピレングリコールを含まない。それらはまた、PLURONIC(登録商標)L101のようなエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーを含まないことが好ましい。
【0184】
本明細書で有用な他の起泡抑制剤は、第二級アルコール(例えば、2−アルキルアルカノール)およびこのようなアルコールとシリコーン油との混合物を含む。第二級アルコールには、C
1−C
16鎖を有するC
6−C
16アルキルアルコールが含まれる。好ましいアルコールは2−ブチルオクタノールであり、Condeaから商品名ISOFOL(登録商標)12として入手可能である。第二級アルコールの混合物は、EnichemからISALCHEM(登録商標)123の商標で入手可能である。混合起泡抑制剤は、典型的には、アルコール+シリコーンの混合物を1:5〜5:1の重量比で含む。
【0185】
本明細書の組成物は、一般に0%〜約5%の起泡抑制剤を含む。起泡抑制剤として使用する場合、脂肪族モノカルボン酸およびその塩は、典型的には洗剤組成物の約5重量%までの量で存在する。好ましくは、約0.5%〜約3%の脂肪族モノカルボキシレート泡抑制剤が利用される。シリコーン起泡抑制剤は、典型的には洗剤組成物の約2.0重量%までの量で使用されるが、より高い量が使用できる。この上限は、第1にコストを最小限に抑えることの懸念と効果的に起泡を制御するための少量の有効性のために、実際上実用的である。好ましくは、約0.01%〜約1%、より好ましくは約0.25%〜約0.5%のシリコーン起泡抑制剤が使用される。本明細書で使用される場合、これらの重量パーセント値は、ポリオルガノシロキサンと組み合わせて利用することができる任意のシリカ、および利用することができる任意の補助材料を含む。モノステアリルホスフェート起泡抑制剤は、一般に組成物の約0.1重量%〜約2重量%の範囲の量で利用される。炭化水素起泡抑制剤は、典型的には、約0.01%〜約5.0%の範囲の量で利用されるが、より高いレベルが使用できる。アルコール起泡抑制剤は、典型的には完成組成物の0.2〜3重量%で使用される。
【0186】
〔金属イオン封鎖剤およびキレート剤〕
ポリホスホン酸の塩は、特に重金属イオンに対して敏感なペルオキシ化合物および酵素のための金属イオン封鎖剤または安定剤として考えることができる。ここで、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネートまたはエチレンジアミンテトラメチレンホスホネートのナトリウム塩は、0.1〜5重量%の量で使用される。
【0187】
本明細書の洗剤組成物はまた、任意に、1つ以上の鉄および/またはマンガンキレート剤を含有することができる。そのようなキレート剤は、すべて以降で定義されるように、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能性置換芳香族キレート剤およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。理論に拘束されるつもりはないが、これらの材料の利点は、可溶性キレートの形成によって洗浄溶液から鉄およびマンガンイオンを除去する例外的な能力にある程度起因すると考えられる。前述の洗剤ビルダーのいくつかはキレート剤として機能することができ、そのような洗剤ビルダーは十分な量で存在し、両方の機能を提供できることが理解される。
【0188】
任意のキレート剤として有用なアミノカルボキシレートには、エチレンジアミンテトラアセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテートおよびエタノールジグリセリド、アルカリ金属、アンモニウムおよびその置換アンモニウム塩およびこれらの混合物が含まれる。
【0189】
アミノホスホネートは、少なくとも低濃度の全リンが洗剤組成物中に許容される場合には、本発明の組成物中のキレート剤としての使用に適しており、DEQUESTとしてエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が含まれる。これらのアミノホスホネートは、約6個を超える炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を含まないことが好ましい。
【0190】
多官能性置換芳香族キレート剤も、本明細書の組成物において有用である。酸型のこのタイプの好ましい化合物は、ジヒドロキシジスルホベンゼン、例えば1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンである。
【0191】
本明細書で使用するのに好ましい生分解性キレート剤は、エチレンジアミンジジスクシネート(「EDDS」)、特に[S、S]異性体である。
【0192】
利用される場合、これらのキレート剤は、一般に、本明細書の洗剤組成物の約0.1重量%〜約10重量%を構成する。より好ましくは、利用される場合、キレート剤は、そのような組成物の約0.1重量%〜約3.0重量%を構成する。
【0193】
〔粘土汚れ除去/再付着防止剤〕
本発明の洗剤組成物は、粘土汚れ除去および再付着防止特性を有する水溶性エトキシル化アミンを任意に含有することもできる。これらの化合物を含有する粒子状洗剤組成物は、典型的には約0.01重量%〜約10.0重量%の水溶性エトキシレートアミンを含有する;液体洗剤組成物は、典型的には約0.01%〜約5%を含有する。
【0194】
最も好ましい汚れ放出剤および再付着防止剤はエトキシル化テトラエチレンペンタミンである。例示的なエトキシル化アミンは、米国特許第4,597,898号明細書にさらに記載されている。好ましい粘土汚れ除去−再付着防止剤の他の群は、欧州特許出願公開第0111965A1号明細書に開示されるカチオン性化合物、欧州特許出願公開第0111984A1号明細書に開示されるエトキシル化アミンポリマー、欧州特許出願公開第0112592A1号明細書に開示される双性イオン性ポリマー、および米国特許第4,548,744号明細書に開示されるアミンオキシドである。別のタイプの好ましい再付着防止剤には、カルボキシメチルセルロース(CMC)材料が含まれる。これらの材料は当該技術分野において周知である。
【0195】
〔灰色化防止剤〕
灰色化防止剤は、洗浄液中に懸濁した繊維から除去された汚れを維持する機能を有し、それによって汚れが再付着するのを防止する。主に有機特性を有する水溶性コロイド、例えば、(コ)ポリマー性カルボン酸の水溶性塩、糊、ゼラチン、エーテルカルボン酸の塩またはデンプンもしくはセルロースのエーテルカルボン酸、またはデンプンまたはセルロースのエーテルカルボン酸またはエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースもしくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩が、これに適している。水溶性の酸基含有ポリアミドもこの目的に適している。また、可溶性デンプン調製等は、デンプン分解物、アルデヒドデンプン等の上記デンプン製品として使用することができる。ポリビニルピロリドンも使用することができる。しかしながら、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよび混合エーテル、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースおよびそれらの混合物、ならびにポリビニルピロリドンの使用が好ましく、これらは、例えば、組成物に基づいて0.1〜5重量%の量で添加することができる。
【0196】
〔蛍光増白剤およびUV吸着剤〕
当該技術分野で既知の任意の蛍光増白剤または他の増白剤または美白剤は、本明細書の洗剤組成物中に典型的には約0.05重量%〜約1.2重量%のレベルで組み込むことができる。本発明において有用であり得る市販の蛍光増白剤はサブグループに分類でき、それらとしては、スチルベン誘導体、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチレンシアニン、ジベンゾチフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5員環および6員環複素環、および他の雑多な薬剤が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0197】
好ましい増白剤としては、VeronaのPHORWHITE(登録商標)シリーズの増白剤が挙げられる。この参考文献に開示されている他の増白剤には:Tinopal(登録商標)UNPA、Tinopal CBSおよびTinopal 5BM;Ciba−Geigyから利用可能; Artic White(登録商標) CCおよびArtic White CWD(Hilton−Davisから入手可能);2−(4−スチリル(stryl)−フェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾール;4,4'−ビス−(1,2,3−トリアゾール−2−イル)−スチルベン;4,4'−ビス(スチリル(stryl))ビスフェニル;およびアミノクマリンが含まれる。これらの増白剤の特定の例には、4−メチル−7−ジエチル−アミノクマリン;1,2−ビス(−ベンズイミダゾール−2−イル)エチレン;1,3−ジフェニル−フラゾリン;2,5−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン;2−スチリル(stryl)−ナフト−[1,2−d]オキサゾール;および2−(スチルベン−4−イル)−2H−ナフト−[1,2−d]トリアゾールが含まれる。本明細書ではアニオン性増白剤が好ましい。
【0198】
この組成物は、例えば、蛍光増白剤としてジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩を含んでいてもよい。適切な蛍光増白剤は、例えば、4,4'−ビス−(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2'−ジ−スルホン酸またはモルホリノ基の代わりにジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2−メトキシエチルアミノ基を含む類似構造の化合物である。置換ジフェニルスチリルタイプの増白剤、例えば、4,4'−ビス(2−スルホスチリル)ジフェニル、4,4'−ビス(4−クロロ−3−スルホスチリル)ジフェニルまたは4−(4−クロロスチリル)−4'−(2−スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ金属塩が存在してもよい。上述の増白剤の混合物も使用されてもよい。
【0199】
また、UV吸収剤を添加してもよい。これらは、UV安定剤として寄与するだけでなく、布地を透過するUV線に対して保護することによって、繊維製品の繊維および繊維製品の着用者の皮膚の両方の着色剤および顔料の光安定性を改善する、紫外線に対する明確な吸収能力を有する化合物である。一般に、効率的な無放射失活化合物は、主に2位および/または4位のヒドロキシルおよび/またはアルコキシ基で置換されたベンゾフェノンの誘導体である。置換ベンズトリアゾール、さらに3位にフェニル置換されたアクリレート(ケイ皮酸誘導体)、任意に2位にシアノ基を有するアクリレート、サリチレート、有機Ni錯体、ならびにウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸などの天然物質も適している。好ましい実施形態では、UV吸収剤は、UV−AおよびUV−B放射線ならびに可能なUV−C放射線を吸収し、青色波長を有する光を再放出し、それによりさらに蛍光増白効果を有する。好ましいUV吸収剤には、トリアジン誘導体、例えばヒドロキシアリール−1,3,5−トリアジン、スルホン化1,3,5−トリアジン、o−ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールおよび2−アリール−2H−ベンゾトリアゾール、ならびにビス(アニリノトリアジニル−アミノ)スチルベンジスルホン酸およびその誘導体が包含される。紫外線吸収剤として、二酸化チタンのような紫外線吸収顔料も使用することができる。
【0200】
〔移染防止剤〕
本発明の洗剤組成物はまた、クリーニングプロセスの間に1つの布地から別の布地への染料の移動を抑制するのに有効な1つ以上の材料を含むことができる。一般に、そのような移染防止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、およびそれらの混合物が含まれる。使用される場合、これらの薬剤は、典型的に組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%を構成する。
【0201】
より具体的には、本明細書での使用に好ましいポリアミンN−オキシドポリマーは、参考として本明細書に組み込まれる米国特許第6,491,728号明細書に記載されている。
【0202】
形成されたアミンオキシドポリマーが水溶性であり、かつ移染防止特性を有する限り、任意のポリマー骨格を使用することができる。適切なポリマー骨格の例は、ポリビニル、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレートおよびそれらの混合物である。これらのポリマーは、1つのモノマータイプがアミンN−オキシドであり、他のモノマータイプがN−オキシドであるランダムコポリマーまたはブロックコポリマーを含む。アミンN−オキシドポリマーは、典型的にはアミン対アミンN−オキシドの比が10:1〜1:1,000,000である。しかし、ポリアミンオキシドポリマー中に存在するアミンオキシド基の数は、適切な共重合によって、または適切な程度のN−酸化によって変化させることができる。ポリアミンオキシドは、ほぼ任意の重合度で得ることができる。典型的には、平均分子量は500〜1,000,000の範囲内にあり、より好ましくは1,000〜500,000;最も好ましくは5,000〜100,000の範囲である。この好ましいクラスの材料は、「PVNO」と呼ぶことができる。
【0203】
本明細書の洗剤組成物において有用な最も好ましいポリアミンN−オキシドは、約50,000の平均分子量および約1:4のアミン対アミンN−オキシド比のポリ(4−ビニルピリジン−N−オキシド)である。
【0204】
N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルイミダゾールポリマーのコポリマー(「PVPVI」として分類される)も本明細書での使用に好ましい。好ましくは、PVPVIは、5,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜200,000、最も好ましくは10,000〜20,000の範囲の平均分子量を有する。PVPVIコポリマーは、典型的には、N−ビニルイミダゾール対N−ビニルピロリドンのモル比が1:1〜0.2:1、より好ましくは0.8:1〜0.3:1、最も好ましくは0.6:1〜0.4:1である。これらのコポリマーは、直鎖または分枝状であることができる。
【0205】
本発明の組成物はまた、約5,000〜約400,000、好ましくは約5,000〜約200,000、より好ましくは約5,000〜約50,000の平均分子量を有するポリビニルピロリドン(「PVP」)を使用することができる。PVPは、洗剤分野において当業者には知られている。PVPを含有する組成物はまた、約500〜約100,000、好ましくは約1,000〜約10,000の平均分子量を有するポリエチレングリコール(「PEG」)を含有することができる。好ましくは、洗浄溶液中に送達されるppm基準のPEGとPVPとの比は、約2:1〜約50:1、より好ましくは約3:1〜約10:1である。
【0206】
本明細書の洗剤組成物はまた、約0.005重量%〜5重量%の特定のタイプの親水性蛍光増白剤を任意に含有することができ、これも移染防止作用を提供する。使用される場合、本明細書の組成物は、好ましくは、約0.01重量%〜1重量%のそのような蛍光増白剤を含む。
【0207】
1つの好ましい増白剤は、4,4'−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ビス−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]−2,2'−スチルベンジスルホン酸および二ナトリウム塩である。この特定の増白剤種は、Ciba−Geigy Corporationによって商品名Tinopal−UNPA−GX(登録商標)として市販されている。Tinopal−UNPA−GXは、本明細書の洗剤組成物において有用な好ましい親水性蛍光増白剤である。
【0208】
別の好ましい増白剤は、4,4'−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]2,2'−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム塩である。この特定の増白剤種は、Ciba−Geigy Corporationによって商品名Tinopal 5BM−GX(登録商標)で市販されている。
【0209】
他の好ましい蛍光増白剤は、4,4'−ビス[(4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル)アミノ]2,2'−スチルベンジスルホン酸、ナトリウム塩である。この特定の増白剤種は、Ciba Geigy Corporationによって商標名Tinopal AMS−GX(登録商標)として市販されている。
【0210】
本発明における使用のために選択された特定の蛍光増白剤種は、上記の選択されたポリマー性移染防止剤と組み合わせて使用される場合に特に効果的な移染防止性能の利点を提供する。このような選択されたポリマー性材料(例えば、PVNOおよび/またはPVPVI)とそのような選択された蛍光増白剤(例えば、Tinopal UNPA−GX、Tinopal 5BM−GXおよび/またはTinopal AMS−GX)との組み合わせは、これらの2つの洗剤組成物成分のいずれかを単独で使用した場合よりも、水性洗浄溶液中の移染防止が顕著に優れている。理論に束縛されることなく、このような増白剤は、洗浄溶液中の布地に対して高い親和性を有し、従ってこれらの布地に比較的迅速に付着するため、このように作用すると考えられる。増白剤が洗浄溶液中の布地上に付着する程度は、「消耗係数(exhaustion coefficient)」と呼ばれるパラメータによって定義することができる。消耗係数は、一般的には、a)布地に付着した増白材料と、b)洗浄液中の初期増白剤濃度との比である。比較的高い消耗係数を有する増白剤は、本発明の文脈において移染を防止するために最も適している。
【0211】
当然のことながら、実際の移染防止効果ではなく、従来の布地の「明るさ」の利点を提供するために、本組成物に他の従来の蛍光増白剤タイプの化合物を任意に使用することができることが理解される。このような使用は従来のものであり、洗剤配合物によく知られている。
【0212】
〔増粘剤〕
組成物はまた、一般的な増粘剤および付着防止組成物、ならびに粘度調整剤、例えばポリアクリレート、ポリカルボン酸、多糖類およびその誘導体、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ヒマシ油誘導体、ポリアミン誘導体、例えば四級化および/またはエトキシル化ヘキサメチレンジアミンならびにいずれかのこれらの混合物を含むこともできる。好ましい組成物は、20℃の温度および50min
−1の剪断速度でブルックフィールド粘度計で測定して10,000mPa
*s未満の粘度を有する。
【0213】
〔無機塩〕
組成物のさらなる適切な成分は、重炭酸塩、炭酸塩、非晶質ケイ酸塩またはこれらの混合物などの水溶性無機塩であり;アルカリカーボネートおよび非晶質シリケート、主にNa
2O:SiO
2のモル比が1:1〜1:4.5、好ましくは1:2〜1:3.5のケイ酸ナトリウムを特に使用する。好ましい組成物は、アルカリ塩、ビルダーおよび/またはコビルダー、好ましくは炭酸ナトリウム、ゼオライト、結晶性層状ケイ酸ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウムを、無水物質の0.5〜70重量%の量、好ましくは0.5〜50重量%、特に0.5〜30重量%の量で含む。
【0214】
〔香料および着色剤〕
組成物は、典型的な洗剤およびクレンジング組成物の成分、例えば香料および/または着色料を含むことができ、ここで洗浄される布地に着色を残さないか無視できる程度に残すことが好ましい。添加される着色剤の総量の好ましい量は、組成物に基づいて、1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。組成物はまた、例えばTiO
2のような白色顔料を含むことができる。
【0215】
〔方法および使用〕
本発明の別の目的は、ココナツフレーバを基材に提供する方法を対象とし、以下の工程を包含する:
(i)基材を提供する工程および
(ii)この基材を本明細書の請求項1のフレグランス組成物と接触させる工程を包含し
ここで、この基材は、好ましくはヒトの皮膚、硬質表面または繊維製品である。
【0216】
最後に、本発明の別の目的は、クマリンの代わりに3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンをフレグランスとして使用することである。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
〔1〕 (a)3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンおよび
(b)化粧品として許容可能な担体
を含むまたはこれらからなるフレグランス組成物。
〔2〕成分(c)として、成分(a)とは異なる少なくとも1つの追加のフレグランス化合物をさらに含む、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕ココナツフレーバを提供する、〔1〕に記載の組成物。
〔4〕クマリンフレーバを提供する、〔1〕に記載の組成物。
〔5〕クマリンを含まない、〔1〕に記載の組成物。
〔6〕前記3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンを約0.05〜約15重量%の量で含む、〔1〕に記載の組成物。
〔7〕前記担体が、水、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロールおよびその混合物からなる群から選択される、〔1〕に記載の組成物。
〔8〕前記追加のフレグランス化合物が、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、カルマス)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シダー、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、わい性マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポパナクス)の抽出物、メロナール、トリプラール、リグストラール(ligustral)、アドキサール、アニスアルデヒド、シマル(cymal)、エチルバニリン、フロルヒドラル(florhydral)、フロラロゾン(floralozon)、ヘリオナール、ヘリオトロピン、ヒドロキシシトロネラール、コアボン(koavon)、ラウリンアルデヒド、カントキサール、リラール(lyral)、リリアール、アドキサール、アニスアルデヒド、クマール(cumal)、メチル−ノニル−アセトアルデヒド、シトロネラール、シトロネリルオキシ−アセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ブルゲオナール、p−tert−ブシナール、フェニルアセトアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、バニリン;2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール、3−ドデセン−I−アール、α−n−アミルシンナムアルデヒド(Amylzimtaldehyde)、4−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3−(4−tert−ブチルフェニル)−プロパナール、2−メチル−3−(パラ−メトキシ−フェニルプロパナール)、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2(1)−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール、3−フェニル−2−プロペナール、シス/トランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−l−アール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−アール、[(3,7−ジメチル−6−オクテニル)−キシ(xy)]−セトアルデヒド(cetaldehyde)、4−イソプロピルベンジルアルデヒド、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、2−メチル−3−(イソプロピル−フェニル)プロパナール、デシルアルデヒド、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール;4−(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]−デシリデン−8)−ブタナール;オクタヒドロ−4,7−メタノ−IH−インデンカルボキシアルデヒド;3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、パラ−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド(hydrozimtaldehyde)、α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)−ヒドロシンナムアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、α−n−ヘキシルシンナムアルデヒド、m−シメン−7−カルボキシアルデヒド、α−メチルフェニルアセトアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、4−(3)(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、1−ドデカナール、2,4−ジメチル−シクロヘキセン−3−カルボキシアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタン−1−アール、2−メチルウンデカナール、2−メチルデカナール、1−ノナナール、1−オクタナール、2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナール、2−メチル−3−(4−tertブチル)プロパナール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナール、メチルノニルアセトアルデヒド、2−フェニルプロパン−1−アール、3−フェニルプロパ−2−エン−1−アール、3−フェニル−2−ペンチルプロパ−2−エン−1−アール、3−フェニル−2−ヘキシルプロパ−2−エナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−アール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパン−1−アール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチル−プロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシ−フェニル)−2−メチルプロパン−1−アール、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(3−イソプロピルフェニル)−ブタン−1−アール、2,6−ジメチルヘプタ−5−エン−1−アール、ジヒドロシンナムアルデヒド(Dihydrozimtaldehyde)、1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、5−または6−メトキシヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1または2−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチルオクタン−1−アール、1−ウンデカナール、10−ウンデセン−1−アール、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、1−メチル−3−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−オクタナール;トランス−4−デセナール、2,6−ノナジエナール、p−トリルアセトアルデヒド;4−メチルフェニルアセトアルデヒド、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテナール、o−メトキシシンナムアルデヒド(zimtaldehyde)、3,5,6−トリメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド;5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール、ペオニーアルデヒド(peony al
dehyde)(6,10−ジメチル−3−オキサ−5,9−ウンデカジエン−1−アール)、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1−カルボキシアルデヒド、オクタナール、2−メチルオクタナール、α−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼン−アセトアルデヒド、6,6−ジメチル−2−ノルピネン−2−プロピオンアルデヒド、p−メチルフェノキシアセトアルデヒド、2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−アール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド、3−プロピル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−5−エン−2−カルボアルデヒド、9−デセナール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタナール、メチルノニルアセトアルデヒド、1−p−メンテン−q−カルボキシアルデヒド、シトラールまたはその混合物、リリアールシトラール、1−デカナール、n−ウンデカナール、n−ドデカナール、フロリドラル(hlorhydral)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド4−メトキシベンズアルデヒド、3−メトキシ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、ブッコキシム、イソジャスモン、メチルβナフチルケトン、モスカスインダノン、トリアリド/モスカスプラス、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソ−ダマスコン、ダマスセノン、ダマロース、メチルジヒドロジャスモネート、メントン、カルボン、カンファー、フェンコン、アロファロネン、β−イオノン(iononw)、ジヒドロ−β−イオノン、γ−メチルイオノン、フルラモン(fleuramone)、ジヒドロジャスモン、シスジャスモン、イソ−E−スーパー、メチルセドレニルケトンまたはメチルセドリロン(cedrylon)、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、メチル−β−ナフチルケトン、ベンジルアセトン、ベンゾフェノン、p−ヒドロキシフェニルブタノン、セロリケトンまたはリブスコン(livescon)、6−イソプロピルデカヒドロ−2ナフトン(6−osopropyl−deca−hydro−2−naphtone)、ジメチルオクテノン、フレスコメンテ(freskomenth)、4−(1−エトキシビニル)−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノン、メチルヘプテノン、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)−シクロペンタノン、1−(p−メンテン−6(2)−イル)−1−プロパノン、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−ブタノン、2−アセチル−3,3−ジ−メチル−ノルボルナン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、4−ダマスコール、ダルシニル(dulcinyl)またはカシオン(cassione)、ゲルソン(gelsone)、ヘキサロン(hexalone)、イソシクレモン(isocyclemone)E、メチルシクロシトロン、メチルラベンダケトン、オリボン(orivone)、p−tert−ブチルシクロヘキサノン、ベルドン(verdone)、デルフォン(delphone)、ムスコン、ネオブテノン、プリカトン(plicatone)、ベロウトン(veloutone)、2,4,4,7−テトラメチル−オクタ−6−エン−3−オン、テトラメラン(tetrameran)、ヘジオンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、〔2〕に記載の組成物。好ましいケトンは、α−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソ−ダマスコン、カルボン、γ−メチルイオノン、イソ−E−スーパー、2,4,4,7−テトラメチル−オクタ−6−エン−3−オン、ベンジルアセトン、β−ダマスコン、ダマセノン、メチルジヒドロジャスモネート、メチルセドリロン、ヘジオン、10−ウンデセン−1−オール、2,6−ジメチルヘプタン−2−オール、2−メチルブタノール、2−メチルペンタノール、2−フェノキシエタノール、2−フェニルプロパノール、2−tert−ブチルシクロヘキサノール、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−5−フェニルペンタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、3−フェニルプロパノール、4−ヘプテノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−tert−ブチル(buty)シクロヘキサノール、6,8−ジメチル−2−ノナノール、6−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、α−メチルベンジルアルコール、α−テルピネオール、アミルサリチレート(amylsalicylat)、ベンジルアルコール、ベンジルサリチレート、β−テルピネオール、ブチルサリチレート、シトロネロール、シクロヘキシルサリチレート、デカノール、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルヘプタノール、ジメチルオクタノール、エチルサリチレート、エチルバニリン、アネトール、オイゲノール、ゲラニオール、ヘプタノール、ヘキシルサリチレート(hexyl salicylat)、イソボルネオール、イソオイゲノール、イソプレゴール、リナロール、メントール、ミルテノール、n−ヘキサノール、ネロール、ノナノール、オクタノール、パラメンタン−7−オール、フェニルエチルアルコール、フェノール、フェニルサリチレート(phenyl salicylat)、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、チモール、トランス−2−シス−6−ノナジエノール、トランス−2−ノネン−1−オール、トランス−2−オクテノール、ウンデカノール、バニリン、シンナムアルコール(cinnamalcohol)、ベンジルアセテート、フェノキシイソブチレート、p−tert.−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート(DMBCA)、フェニルエチルアセテート、ベンジルアセテート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、ベンジルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、フロラマット(floramat)、メラサット(melusat)、ジャスマサイクラタット(jasmacyclatat)、ベンジルエ
チルエーテル、アンボロキサン、リモネン、ピネンおよびそれらの混合物を含む群から選択される。
〔9〕〔1〕に記載の組成物であって、
前記担体と合計で100重量%までの量であることを条件に、
(i)約1〜約12重量%の3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オン、
(ii)約1〜約15重量%の少なくとも1つの追加のフレグランス化合物、を含む、〔1〕に記載の組成物。
〔10〕〔1〕に記載のフレグランス組成物を含む化粧品組成物。
〔11〕〔1〕に記載のフレグランス組成物を含むパーソナルケア組成物。
〔12〕〔1〕に記載のフレグランス組成物を含む洗剤組成物。
〔13〕基材にココナツフレーバを提供する方法であって、以下の工程を包含する、方法:
(i)基材を提供する工程、および
(ii)前記基材を〔1〕に記載のフレグランス組成物と接触させる工程。
〔14〕前記基材が、ヒトの皮膚、硬質表面または繊維製品である、〔13〕に記載の方法。
〔15〕クマリンを置換するためのフレグランスとしての3,6−ジメチル−3H−1−ベンゾフラン−2−オンの使用。