(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1A乃至
図1Cは、一実施例による電子機器70を概略的に示す斜視図であり、
図1Aは、電子機器70の展開状態を示し、
図1Cは、電子機器70の装着状態(ユーザの手首に装着されたときに形成される状態)を示し、
図1Bは、
図1A及び
図1Cの間の電子機器70の中間状態を示す。尚、
図1Cでは、電子機器70の本体部72等の詳細な構造の図示は省略されている。また、
図1Cでは、概略図として、電子機器70は真円状に図示されているが、実際には、一般的な人の手首に対応した楕円状でありうる(
図5C参照)。
図2は、電子機器70の側面図であり、
図3は、
図2の側面図の一部の拡大図である。
【0011】
図1Aには、直交する3軸であるX,Y,Z軸が定義されている。以下では、
図1Aに示す状態で、Z方向の表示装置74側を「上側」とする。
【0012】
電子機器70は、ユーザの手首に装着可能な本体部72と、表示装置74とを含む。電子機器70は、本体部72がユーザの手首に装着されることで、ユーザの手首に装着が可能である。電子機器70は、いわゆるウエアラブル型の情報端末である。
【0013】
本体部72は、ヒンジ1を介して開閉可能に連結される複数の第1部材10及び第2部材20(複数の部材の一例)を含む。ヒンジ1、第1部材10及び第2部材20は、複数設けられる。第1部材10及び第2部材20の上側の表面は、表示装置74の載置面となる。ヒンジ1、第1部材10及び第2部材20については、
図6乃至
図8を参照して後述する。尚、
図2及び
図3等においては、ヒンジ1、第1部材10及び第2部材20の一部についてのみ、参照符号を付している。
【0014】
表示装置74は、例えば有機ELディスプレイや電子ペーパーのような、可撓性のある薄型のディスプレイである。表示装置74には、後述の制御部701(
図9参照)による制御下で、広告情報(第1情報の一例)に基づく表示(第1表示の一例)が出力される。以下では、このような広告情報に基づく表示を、「広告表示」とも称する。
図1Aに示す例では、“タイムセール実施中!”といった広告表示が出力されている。尚、以下では、表示装置74上に広告表示が出力される場合について説明するが、表示装置74上には、広告表示以外の表示が出力されてもよい。
【0015】
表示装置74は、本体部72の上側の表面に固定される。表示装置74は、第1部材10及び第2部材20のそれぞれの上側の表面の一部領域に、例えば接着により、固定される。この場合、一部領域とは、電子機器70の展開状態(
図1A及び
図5A参照)において、平面状にした表示装置74の下側表面に接触する本体部72の上側の表面の領域(例えば
図6の点Ptの領域)に対応する。また、表示装置74は、上記の一部領域に加えて、本体部72の両端部721,722で固定されてもよい。或いは、表示装置74は、本体部72の両端部721,722のみで固定されてもよい。
【0016】
図4は、本体部72の斜視図である。
図5A乃至
図5Cは、本体部72の側面図である。
図5Aは、電子機器70の展開状態(
図1A参照)のときの本体部72の状態を示し、
図5Cは、電子機器70の装着状態(
図1C参照)のときの本体部72の状態を示し、
図5Bは、電子機器70の中間状態(
図1B参照)のときの本体部72の状態を示す。
【0017】
本体部72は、
図4に示すように、第1部材10及び第2部材20がY方向にオフセットしつつX方向で交互に並ぶ態様で、複数組の第1部材10及び第2部材20を含む。同一のX方向の位置の複数の第1部材10は、Y方向に延在する連結部111により互いに連結される。同様に、同一のX方向の位置の複数の第2部材20は、Y方向に延在する連結部121により互いに連結される。尚、
図4に示す例では、第1部材10及び第2部材20は、それぞれ、X方向に並ぶ列で見たとき、3列でX方向に複数個設定されているが、列数は任意である。また、各列における第1部材10及び第2部材20のX方向の個数は、ヒンジ1による開度の可変範囲に依存し、例えば、
図1Cに示す装着状態を実現できるように決定される。
【0018】
本体部72は、ヒンジ1を介して第1部材10に対する第2部材20の開度が変化することで、
図5A乃至
図5Cのそれぞれに示す状態を形成できる。例えば、
図5Cではユーザの手首は図示されていないが、本体部72は、
図5Cに示すように、ユーザの手首に装着可能である。本体部72は、ユーザの手首に装着された状態の保持機能を高めるために、X方向の両端部721,722に保持機構を備えてもよい。例えば、本体部72の両端部721,722は、一方が磁石に吸引される部位を備え、他方が磁石を備えてもよい。
【0019】
尚、
図4に示す例では、本体部72は、X方向で両端部721,722間の全体にわたり第1部材10及び第2部材20が設けられる。これにより、後述のヒンジ1の機能に起因して、本体部72は、X方向で両端部721,722間の全体にわたり表示装置74を、開閉可能に支持できる。しかしながら、変形例では、本体部72におけるX方向の両端部721,722の少なくともいずれか一方は、X方向に比較的長い区間、ヒンジ1を備えずに延在してもよい。換言すると、変形例では、例えば端部721のX方向の長さW1(
図4参照)が比較的長く設定される。この場合、端部721は、内部空間を有する筐体を形成し、該内部空間に、後出の
図9を参照して説明する制御系の構成要素を収容してもよい。
【0020】
ヒンジ1は、X方向の第1部材10の両端のそれぞれに別々に設けられる。即ち、ヒンジ1は、任意の1つの第1部材10のX方向の一端と、該一端にY方向で対向する端部であって第2部材20のX方向の一端との間に設けられる。例えば
図4の1つの第1部材10−1に着目すると、第1部材10−1に対しては、X方向で第1部材10−1の両端のそれぞれにY方向で対向する端部を有する第2部材20は、4つある(第2部材20−1〜20−4参照)。従って、ヒンジ1は、X方向で第1部材10−1の一端と第2部材20−1の一端との間に1つ、X方向で第1部材10−1の一端と第2部材20−2の一端との間に1つ、設けられる。更に、ヒンジ1は、X方向で第1部材10−1の他端と第2部材20−3の一端との間に1つ、X方向で第1部材10−1の他端と第2部材20−4の一端との間に1つ、設けられる。このようにして、ヒンジ1は、第1部材10−1に対しては、計4つ設けられる。尚、
図4から分かるように、ヒンジ1は、Y方向で
図4の手前側の第1部材10に対しては、計2つ設けられる。
【0021】
尚、
図4に示す例では、本体部72の両端部721,722のそれぞれは、
図4に示すように、第2部材20の一部を備えている。本体部72の両端部721,722に設けられる第2部材20は、他の第2部材20のX方向の半分に対応する構造を有する。以下の説明において、第2部材20とは、本体部72の両端部721,722に設けられる第2部材20以外を指す。
【0022】
次に、
図6を参照して、ヒンジ1の構造について説明する。
図6では、ある1個所のヒンジ1に関して説明するが、他の個所のヒンジ1についても同様である。
【0023】
図6は、ヒンジ1の説明図であり、第1部材10及び第2部材20の分解図である。
【0024】
ヒンジ1は、上述のように、連結対象の第1部材10及び第2部材20間に設けられる。尚、
図6(後出の
図7A乃至
図7Cも同様)では、第1部材10及び第2部材20に関して、説明する1つのヒンジ1に関連する構造(第1突起12、第1溝14、第2突起22、及び第2溝24)のみ図示する。第1部材10及び第2部材20は、それぞれ、X方向で対称に形成されてよい。
【0025】
第1部材10は、例えば等断面でY方向に延在する形態であり、例えば樹脂により形成される。第1部材10は、Y方向に法線を持つ平面部11を備える。尚、第1部材10は、平面部11に加えて、曲面部を含んでもよい。尚、
図1に示す例では、Y方向に視たときの第1部材10の形状は、上辺が上に凸の円弧状である。
【0026】
第1部材10は、Y方向に突出する第1突起12と、円弧状の第1溝14とを備える。尚、円弧状とは、単一の曲率半径の円弧に対応した形状のみならず、複数の曲率半径の組み合わせからなる円弧に対応した形状をも含む概念である。
【0027】
第1突起12は、第1部材10と一体に形成されてもよいし、第1部材10に取り付けられてもよい。例えば、第1突起12は、第1部材10を貫通するピンにより形成されてもよい。尚、
図4では、第1突起12は、Y方向で3つの第1部材を同時に貫通するピンである。
【0028】
第1溝14は、Y方向に凹となる溝である。第1溝14は、底を有する形態であってもよいし、底を有さない形態(即ち穴の形態)であってもよい。
【0029】
第2部材20は、例えば等断面でY方向に延在する形態であり、例えば樹脂により形成される。第2部材20は、Y方向に法線を持つ平面部21を備える。第2部材20は、組み付け状態では、Y方向で第1部材10に対向する(
図3及び
図4参照)。具体的には、第1部材10の平面部11は、第2部材20の平面部21とY方向で対向する。本実施例では、一例として、平面部11と平面部21は面接触し、摺動する関係を有するものとする。尚、第2部材20は、平面部21に加えて、曲面部を含んでもよい。尚、
図1に示す例では、Y方向に視たときの第2部材20の形状は、第1部材10と同様、上辺が上に凸の円弧状である。この場合、後出の
図7Cに示すように、本体部72は、ユーザの手首に装着された状態において、第1部材10及び第2部材20間の上側の表面(表示装置74の載置面)の平滑性(凸凹の少なさ)が高くなる。
【0030】
第2部材20は、Y方向に突出する第2突起22と、円弧状の第2溝24とを備える。
【0031】
第2突起22は、第2部材20と一体に形成されてもよいし、第2部材20に取り付けられてもよい。例えば、第2突起22は、第2部材20を貫通するピンにより形成されてもよい。尚、
図4では、第2突起22は、Y方向で3つの第2部材20を同時に貫通するピンである。
【0032】
第2溝24は、Y方向に凹となる溝である。第2溝24は、底を有する形態であってもよいし、底を有さない形態(即ち穴の形態)であってもよい。
【0033】
第1部材10及び第2部材20は、第1部材10の第1突起12が第2部材20の第2溝24に嵌り且つ第2部材20の第2突起22が第1部材10の第1溝14に嵌る態様で、互いに対して組み付けられる(
図3及び
図4参照)。
【0034】
尚、本実施例では、一例として、第1部材10の第1溝14は、第2部材20の第2溝24と同一の円弧状の形状であり、第1突起12と第1溝14との位置関係は、第2突起22と第2溝24との位置関係と同じである。従って、第1部材10及び第2部材20は、突起及び溝の関係が同一である。即ち、第1部材10及び第2部材20は、同一の構成である。
【0035】
ここで、
図7A乃至
図7Cを参照して、ヒンジ1の開閉動作と共に、第1突起12、第1溝14、第2突起22、及び第2溝24の機能について説明する。
【0036】
図7A乃至
図7Cは、ヒンジ1の開閉動作を概略的に示す図である。
図8は、仮想円と目盛りとの関係を示す拡大図である。
図7A乃至
図8についても、
図6と同様、ある1個所のヒンジ1に関して説明するが、他の個所のヒンジ1についても同様である。
【0037】
図7A乃至
図7Cには、説明用に、仮想円Cが示され、仮想円Cには30度を10等分した線分が示されている。各線分の仮想円との交点が
図8においてP1〜P11で示されている。また、
図7A乃至
図7Cには、説明用に、第2部材20の上辺の円弧状の最も上側の点Pt(例えば表示装置74に固定される点)からX方向に目盛りMが示されている。目盛りMの延在方向は、Y方向に視て、第2部材20の上辺の円弧状に対する点Ptでの接線の方向に対応する。目盛りMは、5等分した各点Q1〜Q6(
図8参照)で示されている。
図7A乃至
図7Cには、説明用に、第2部材20が透視で示されている。また、
図8では、説明用に、仮想円Cと目盛りMは、Z方向で離して図示されているが、実際には、
図7A乃至
図7Cに示すように仮想円Cと目盛りMとは接する関係である。尚、隣接する各点P1〜P11間の円周に沿った距離L1は、隣接する各点Q1〜Q11間の距離L2と等しい。
【0038】
図7Aは、ヒンジ1の開度が0度の状態を示し、
図7Bは、ヒンジ1の開度が−12度の状態を示し、
図7Cは、ヒンジ1の開度が−30度の状態を示す。尚、本実施例では、一例として、ヒンジ1の開度は、Y方向に視たときの第1部材10と第2部材20とのなす角度に等しく、ヒンジ1の開度の可変範囲は30度である。Y方向に視たときの第1部材10と第2部材20とのなす角度とは、
図5Aに示す状態を0度とし、
図7A乃至
図7Cに示す角度θから、180度を差し引いた角度を指す。以下では、開方向とは、開度が小さくなる方向(マイナス方向に増加する方向)を指し、閉方向とは、開度が大きくなる方向(0度に近づく方向)を指す。
【0039】
仮想円Cは、
図7A乃至
図7Cに示すように、目盛りMに下側から接し、開度が0度のときの接点をP6とする(
図8参照)。また、開度が0度のときの目盛りMの接点をQ1とする(
図8参照)。
図7A乃至
図8に示す例では、仮想円Cの半径は一定であり、仮想円Cの中心は定点(即ちヒンジ1の開閉動作中に移動しない点)である。
【0040】
第2部材20は、
図7A乃至
図7Cに示すように、第1溝14に嵌る第2突起22が第1溝14に沿って移動し、且つ、第2溝24に嵌る第1突起12が第2溝24に沿って移動する態様で、第1部材10に対して相対的に変位する。このとき、
図7A乃至
図7Cに示すように、第1部材10及び第2部材20の間の相対変位は、第1溝14に嵌る第2突起22の動き及び第2溝24に嵌る第1突起12の動きの組み合わせにより規定される。即ち、第1部材10及び第2部材20の間の相対変位は、第1溝14及び第2突起22の関係のみによっても規定されないし、第2溝24及び第1突起12の関係のみによっても規定されない。第1部材10及び第2部材20は、互いに対する相対変位が一定の態様になるように、第1溝14及び第2突起22の関係、及び、第2溝24及び第1突起12の関係の双方によって拘束される。
【0041】
第2部材20は、好ましくは、Y方向に視て任意の定点(例えば上辺の端点P
ref)がインボリュート曲線を描く態様で、第1部材10に対して相対的に変位する。換言すると、第1突起12の位置、第1溝14の円弧形状、第2突起22の位置、及び第2溝24の円弧形状は、第2部材20が第1部材10に対して相対変位する際に任意の定点がY方向に視てインボリュート曲線を描くように、設計される。具体的には、第2部材20は、
図7A乃至
図7Cに示すように、仮想円Cの円周上の各点P6〜P11に、目盛りMの各点Q1〜Q6がそれぞれ接する態様で、第1部材10に対して変位する。例えば、開度が−12度のときは、目盛りMは、仮想円Cの円周上の点P8に上辺の点Q3が接する(
図7B参照)。同様に、例えば、開度が−30度のときは、目盛りMは、仮想円Cの円周上の点P11に上辺の点Q6が接する(
図7C参照)。尚、第2部材20の目盛りMに関して説明したが、第1部材10についてもX方向で対称であり同様である。ここで、開度が−30度のとき、
図7Cに示すように、電子機器70の装着状態において、Y方向に視て、第2部材20の上辺の円弧(第1部材10についても同様)は、仮想円Cに一致する。これにより、電子機器70の装着状態において、Y方向に視て表示装置74の載置面が滑らかな円弧状となり、仮想円Cに巻き付く態様で表示装置74が変形できる。
【0042】
本実施例による電子機器70では、表示装置74は、上述のように可撓性があるため、
図1A乃至
図1Cに示すように、本体部72が湾曲しても、本体部72の上側の表面の湾曲形状に追従できる。
【0043】
更に、本実施例による電子機器70では、表示装置74は、ヒンジ1を介して開閉可能に連結される複数の第1部材10及び第2部材20にわたり設けられるにも拘らず、ヒンジ1の開閉に伴って表示装置74に生じうる弛み又は引っ張りによる力を低減できる。
【0044】
具体的には、
図8に模式的に示すように、第2部材20が第1部材10に対して相対変位するとき、第2部材20上の表示装置74は、第2部材20から離れて仮想円Cに巻き付く態様で曲げ変形する。ここで、上述のように、開度が0よりも小さい状態において、仮想円Cにおける表示装置74が巻き付く範囲の円周の長さは、第2部材20の上辺における表示装置74が離れた範囲の直線の長さ(目盛りM参照)に等しい。従って、本実施例によれば、表示装置74は、ヒンジ1の開度の如何に拘らず、実質的に弛み又は引っ張りが生じない。このようにして、本実施例によれば、ヒンジ1の開閉に伴って表示装置74に生じうる弛み又は引っ張りによる力を低減できる。
【0045】
次に、
図9を参照して、電子機器70の制御系の構成について説明する。
【0046】
図9は、電子機器70の制御系の構成要素の一例を示す図である。
【0047】
電子機器70は、表示装置74と、制御部701(処理部の一例)と、記憶装置702と、表示回路703とを含む。また、電子機器70は、ジャイロセンサ710(センサの一例)と、ボタン712と、バイブレータ714と、通信回路716(通信部の一例)と、バッテリ720とを含む。制御部701、記憶装置702、表示回路703、ジャイロセンサ710、バイブレータ714、通信回路716、及びバッテリ720の一部又は全部は、電子機器70の本体部72に形成される内部空間(図示せず)に収容される。即ち、本体部72は、筐体としても機能する。ボタン712は、
図1A等において図示を省略しているが、電子機器70の本体部72の外表面に設けられる。
【0048】
表示装置74は、上述のように、本体部72に設けられる。表示装置74は、
図9に示すように、表示回路703を介して制御部701に電気的に接続される。
【0049】
制御部701は、記憶装置702に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、通信回路716や記憶装置702からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置702や表示回路703などに出力する。制御部701は、記憶装置702と共に基板に実装されてよく、該基板は、本体部72内に収容されてよい。
【0050】
記憶装置702は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶部や、フラッシュメモリなどの補助記憶部を含んでよい。
【0051】
表示回路703は、表示装置74に出力される広告表示の描画データを生成し、描画データを表示装置74に出力する。尚、表示回路703は、制御部701等を実装する基板上に実装されてよい。
【0052】
ジャイロセンサ710は、電子機器70の姿勢に応じた電気信号を制御部701に入力する。制御部701は、ジャイロセンサ710からの電気信号に基づいて、電子機器70の姿勢を検出できる。尚、ジャイロセンサ710は、制御部701等を実装する基板上に実装されてよい。
【0053】
ボタン712は、電子機器70のユーザに操作される操作ボタンである。ボタン712に対する操作に応じて発生する操作信号は、制御部701に入力される。制御部701は、操作信号に基づいて、所定の処理を行う。ここでは、一例として、ボタン712は、配信要求ボタン(操作部の一例)である。この場合、操作信号は、配信要求として機能し、配信要求が入力されると、制御部701は、配信要求信号(後述)を通信回路716を介してサーバー90(後述)に送信する。ボタン712は、複数設けられてもよい。
【0054】
バイブレータ714は、制御部701による制御下で、電子機器70の本体部72に伝わる振動を発生する。例えば、制御部701は、新たな広告情報を表示装置74に出力する際に、バイブレータ714を介して振動を発生する。
【0055】
通信回路716は、制御部701による制御下で、外部(例えば後述のサーバー90)と通信する。例えば通信回路716は、無線通信網を介してサーバー90と通信する。
【0056】
バッテリ720は、電子機器70の電源として機能する。バッテリ720は、充電可能なバッテリであってよい。
【0057】
このような電子機器70によれば、制御部701及び通信回路716を備えるので、外部(例えば後述のサーバー90)から受信した広告情報に基づいて、表示装置74上に広告表示を出力できる。従って、電子機器70によれば、ユーザの手首に装着可能な電子機器70を用いてユーザに広告情報を提供できる。
【0058】
また、電子機器70によれば、ジャイロセンサ710を備えるので、制御部701は、電子機器70の姿勢に基づいて、表示装置74に対する広告表示の向き(画面の上下方向の向き)を変化させることもできる。例えば、電子機器70が、X方向が略水平方向となる姿勢であるとき、制御部701は、
図1Aに示すように、Y方向が画面の上下方向になる向きで広告表示を出力する。他方、電子機器70が、Y方向が略水平方向となる姿勢であるとき、制御部701は、図示しないが、X方向が画面の上下方向になる向きで広告表示を出力する。但し、変形例では、電子機器70は、ジャイロセンサ710を備えない。かかる変形例では、表示装置74に対する広告表示の向きは一定であってよい。
【0059】
また、電子機器70によれば、バイブレータ714を備えるので、制御部701は、表示装置74上に広告表示を出力する際に、バイブレータ714を介して振動を発生させることができる。これにより、表示装置74上に出力した広告表示を、出力後直ぐにユーザに気付いてもらえる可能性を高めることができる。尚、かかる告知機能を高めるために、振動の発生は、音声の出力を伴ってもよい。但し、変形例では、電子機器70は、バイブレータ714を備えない。かかる変形例では、告知機能はなくてもよいし、或いは、例えば音声等を介して、表示装置74上に新たな広告表示を出力したことをユーザに告知してもよい。
【0060】
次に、
図10を参照して、上述した電子機器70を含むシステム5について説明する。
【0061】
図10は、電子機器70を含むシステム5の一例を示す構成図である。
【0062】
システム5は、サーバー90と、電子機器70とを含む。以下では、一例として、
図10では、システム5は、例えばショッピングモールやテーマパーク等のような商業施設に対して設けられるものとする。
【0063】
サーバー90は、電子機器70と双方向に通信可能である。通信時、サーバー90は、ネットワーク8を介して電子機器70に接続される。ネットワーク8は、無線通信網を含み、その他、インターネット、World Wide Web、VPN(virtual private network)、WAN(Wide Area Network)、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。尚、以下の説明において、特に言及しない限り、サーバー90と電子機器70との間の通信は、ネットワーク8を介して実現されているものとする。
【0064】
サーバー90は、電子機器70に広告情報を送信する。例えば、サーバー90は、商業施設内の各店舗に係る広告情報を送信する。これにより、電子機器70に商業施設内の各店舗に係る広告情報を提供できる。尚、各店舗に係る広告情報は、店舗ごとに異なる情報や、複数の店舗で共通の情報を含んでよい。各店舗に係る広告情報は、データベース化され管理されてよい。
【0065】
他の例では、サーバー90は、商業施設内の特定の店舗に係る広告情報であって、電子機器70のユーザの好みなどに応じて広告情報を送信する。これにより、電子機器70のユーザ毎に、ユーザの好み等に適合した広告情報を提供できる。尚、各ユーザの好みなどは、データベース化され管理されてよい。
【0066】
更なる他の例では、サーバー90は、商業施設内の特定の店舗に係る広告情報であって、電子機器70の近傍に位置する店舗に係る広告情報を送信する。これにより、ユーザの位置に適合した店舗に係る広告情報を提供できる。この場合、サーバー90は、電子機器70から送信される位置情報(第2情報の一例)に基づいて、電子機器70の位置を特定する。例えば、電子機器70は、GPS(Global Positioning System)受信機(図示せず)を備える場合、サーバー90は、電子機器70から送信される位置情報(GPSに基づく位置情報)に基づいて、電子機器70の位置を特定できる。或いは、後出の
図11に示すように、電子機器70は、GPS受信機を備えておらず、サーバー90は、電子機器70から受信するビーコン情報(位置情報の他の例)を用いて、電子機器70の位置を特定する。
【0067】
また、更なる他の例では、サーバー90は、特定のユーザに係る電子機器70から送信される配信要求信号を受信した場合に、他のユーザに係る電子機器70に、該特定のユーザに送信したものと同一の広告情報を送信する。尚、配信要求信号は、特定のユーザが電子機器70に対してボタン操作(例えば
図9に示すようなボタン712の操作)や音声入力、ジェスチャ入力等を行うことで、電子機器70において生成され、サーバー90に送信されてよい。
【0068】
サーバー90は、所定条件が成立したときにプッシュ型で広告情報を電子機器70に送信してもよいし、電子機器70からの要求に応じて広告情報を電子機器70に送信してもよい。所定条件は、電子機器70からの要求の有無とは無関係に成立する条件であり、例えば電子機器70から位置情報を受信した場合に成立する。
【0069】
このようなシステム5によれば、ユーザの手首に装着可能な電子機器70を用いてサーバー90からユーザに広告情報を提供できる。例えば、電子機器70は、ある商業施設を利用するユーザに貸与される。ユーザは、該商業施設を利用している間、電子機器70を介してサーバー90から該商業施設内の店舗に係る広告情報を得ることができる。この結果、商業施設を利用するユーザに有用な広告情報を見てもらうことが可能となり、ユーザにとっても利便性が高まる。
【0070】
特に、ユーザの手首に装着可能な電子機器70の場合は、例えばポケットや鞄内にしまう場合が多い非ウエアラブル型の端末(例えばスマートフォンやタブレットなど)に比べて、ユーザにとって常に広告表示が見やすい場所にある。従って、このようなウエアラブル型の電子機器70に広告情報を送信し、電子機器70の表示装置74上に広告表示を出力させることで、サーバー90から電子機器70に送られる広告情報の広告効果を高めることができる。
【0071】
更に、電子機器70がユーザの手首に装着された状態では、上述のように、表示装置74は、ヒンジ1の機能によって滑らかな円弧状の形態となるので、ユーザにとって広告表示の視認性が良好である。
【0072】
次に、
図11を参照して、サーバー90のハードウェア構成の一例について説明する。
図11は、サーバー90のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0073】
図11に示す例では、サーバー90は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、入力部107を含む。
【0074】
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0075】
主記憶部102は、ROMやRAMなどである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0076】
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0077】
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0078】
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介してサーバー90にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、サーバー90により実行可能となる。
【0079】
ネットワークI/F部106は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたネットワーク8を介して接続された通信機能を有する周辺機器(例えば電子機器70)とサーバー90とのインターフェースである。
【0080】
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。
【0081】
尚、
図11に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムをサーバー90に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105をサーバー90に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。なお、記録媒体105には、搬送波は含まれない。
【0082】
[第1動作例]
次に、
図12乃至
図20を参照して、システム5の動作例(以下、「第1動作例」と称する)について説明する。尚、以下の説明において、電子機器70の制御系の構成は、一例として、
図9に示した通りであるものとする。
【0083】
図12は、一の商業施設に適用されるシステム5の一例の構成図である。以下では、
図12に示すシステム5を前提とした第1動作例を説明する。
【0084】
図12では、商業施設は、店舗A乃至Dを含む。尚、店舗の数は任意であり、例えばショッピングモールのような大型の商業施設では、店舗の数は非常に多数となりうる。また、
図12では、電子機器70は、2つだけ図示されているが、電子機器70の数は、同様に多数となり得る。
【0085】
図12では、サーバー90は、WiFi(Wireless‐Fidelity)アンテナ30及びLAN(Local‐Area Network)32を介して電子機器70と双方向に通信が可能である。WiFiアンテナ30は、複数設けられる。複数のWiFiアンテナ30は、それぞれ、LAN32を介してサーバー90に受信情報を送信し、又は、LAN32を介してサーバー90から供給される送信情報を電子機器70に送信する。複数のWiFiアンテナ30は、それぞれ、商業施設の所定箇所(例えば所定の店舗)に設けられてよい。以下の説明において、特に言及しない限り、サーバー90と電子機器70との間の通信は、LAN32及びWiFiアンテナ30を介して実現されるものとする。
【0086】
図12では、店舗A乃至Dのそれぞれに、ビーコンA乃至D(外部施設の一例)が設けられる。ビーコンAは、例えば店舗A内又は店舗Aの入口付近に設置され、ビーコンBは、例えば店舗B内又は店舗Bの入口付近に設置され、以下同様である。ビーコンA乃至Dのそれぞれは、商業施設の営業時間中に作動する。ビーコンA乃至Dのそれぞれは、作動中、所定の領域(例えば、対応する店舗内の領域)内に位置する電子機器70が受信可能なビーコン信号(所定信号の一例)をブロードキャストする。ビーコン信号には、送信元のビーコンを特定するためのビーコン番号(ビーコン識別子)が含められる。
【0087】
図12には、サーバー90を表すブロック内に、サーバー90の機能ブロックの一例が示される。
図12では、サーバー90は、初期登録処理部92と、広告情報送信処理部94と、配信要求処理部96と、ユーザ情報データベース98(第2データベースの一例)と、広告データベース99(第1データベースの一例)とを含む。初期登録処理部92、広告情報送信処理部94、及び配信要求処理部96は、それぞれ、制御部101が1つ以上のプログラムを実行することにより実現される。ユーザ情報データベース98及び広告データベース99は、補助記憶部103により実現される。
【0088】
初期登録処理部92は、電子機器70を貸与したユーザに関するユーザ情報を、ユーザ情報データベース98(
図13参照)内に初期登録する初期登録処理を行う。
図12に示すシステム5では、一例として、初期登録処理は、
図15に示す態様で実行される。
図15では、広告情報送信処理部94は、貸出情報を受信すると(ステップS1500の“YES”)、貸出情報に含まれるユーザ情報を、貸し出した電子機器70に特有の端末番号に対応付けてユーザ情報データベース98内に登録する(ステップS1502)。
図13は、このようにして登録されるユーザ情報の一例が示される。貸出情報は、例えば、電子機器70の貸し出し所に設けられるPC(パーソナルコンピューター)に、貸し出しを受けるユーザが、自身のユーザ情報を入力し、送信指示を入力することで、サーバー90に送信される。貸出情報には、貸し出した電子機器70に特有の端末番号と、入力されたユーザ情報とが含められる。初期登録処理部92は、返却情報を受信すると(ステップS1504の“YES”)、返却された電子機器70に係る端末番号に対応付けられたユーザ情報をユーザ情報データベース98内から削除する(ステップS1506)。
【0089】
広告情報送信処理部94は、貸し出しされている電子機器70に広告情報を送信する広告情報送信処理を行う。一例では、広告情報送信処理部94は、任意の一の電子機器70から、ビーコン情報(例えば、端末番号やビーコン番号を含む信号)を受信した場合に、該一の電子機器70の位置を特定する。電子機器70の位置は、ビーコン情報に含められるビーコン番号に基づいて特定できる。即ち、広告情報送信処理部94は、該ビーコン番号に係るビーコン信号を受信できる領域内に電子機器70が位置することを特定できる。広告情報送信処理部94は、電子機器70の位置に対応した店舗に係る広告情報の有無を、広告データベース99内のデータ(
図14参照)を参照して判定する。広告情報送信処理部94は、電子機器70の位置に対応した店舗に係る広告情報が存在すると判定した場合は、該広告情報を、対応する一の電子機器70(ビーコン情報を送信した電子機器70)に送信する。広告情報送信処理の他の一例は、
図19等を参照して後述する。
【0090】
配信要求処理部96は、配信要求信号を受信した場合に、ユーザ情報データベース98内のデータ(
図13参照)に基づいて、所定関係を有する複数のユーザに同一の広告情報を送信する配信要求処理を行う。例えば、配信要求処理部96は、任意の一の電子機器70から配信要求信号を受信した場合に、該一の電子機器70に対して所定関係を有する他の1つ以上の電子機器70に対して、所定の広告情報を送信する。所定の広告情報は、配信要求信号を送信した一の電子機器70に対してサーバー90から直近に送信した広告情報であってよい。所定関係とは、同一のグループに所属する関係であり、ユーザ情報データベース98内のデータ(
図13参照)に基づいて判断できる。配信要求処理の一例は、
図20を参照して後述する。
【0091】
ユーザ情報データベース98には、初期登録処理部92によりユーザ情報が格納される。ユーザ情報は、ユーザの性別のような属性を表す情報の他、ユーザの好みを表す情報を含んでよい。
図13に示す例では、ユーザ情報は、「性別」、「年齢」、「身長」、「趣味」、「好きな色」、及び「グループ(友達)」に関する。「グループ(友達)」は、友人関係や親類関係、家族関係のような、広告情報の共有化が有用となり得るユーザ間をリンクさせる情報である。
図13では、広告情報の共有化が有用となり得る各ユーザには、同一のグループ名(A,Bなど)が付与され、それ以外のユーザには、“−”が付与されている。尚、
図13に示す例では、「趣味」及び「好きな色」に係る情報は、ユーザの好みを表す情報である。
【0092】
広告データベース99には、店舗ごとに、店舗に対応付けられた広告情報が格納される。広告情報は、
図14に示すように、更に、性別ごとや、年齢(年代)ごとに適宜異なる情報であってもよい。尚、
図14において、例えば広告A1は、店舗Aに係る20代及び30代女性用の広告情報であり、広告A2は、店舗Aに係る40代女性用の広告情報であり、その他同様である。
【0093】
図12には、電子機器70の1つに対して付与された吹き出し内に、電子機器70の機能ブロックの一例が示される。
図12では、電子機器70は、位置情報送信処理部751と、表示処理部752と、配信要求送信処理部753とを含む。位置情報送信処理部751、表示処理部752、及び配信要求送信処理部753は、それぞれ、制御部701(
図9参照)が1つ以上のプログラムを実行することにより実現される。以下では、一の電子機器70の機能について説明するが、同商業施設内で貸与される他の電子機器70の機能についても同様である。
【0094】
位置情報送信処理部751は、電子機器70の位置情報を含むビーコン情報をサーバー90に送信する位置情報送信処理を行う。
図12に示すシステム5では、一例として、位置情報送信処理は、
図16に示す態様で実行される。位置情報送信処理部751は、あるビーコンからビーコン信号を受信すると(ステップS1600の“YES”)、該ビーコン信号に含まれるビーコン番号と、端末番号とを含むビーコン情報をサーバー90に送信する(ステップS1602)。
【0095】
表示処理部752は、サーバー90から受信した広告情報に基づいて広告表示を出力する表示処理を行う。
図12に示すシステム5では、一例として、表示処理は、
図17に示す態様で実行される。表示処理部752は、サーバー90から広告情報を受信すると(ステップS1700の“YES”)、ジャイロセンサ710からの情報に基づいて、電子機器70の姿勢を検出する(ステップS1702)。尚、電子機器70の姿勢は、電子機器70がユーザの手首に装着されている状態では、ユーザの腕の向き(姿勢)に応じて変化する。次いで、表示処理部752は、電子機器70の姿勢に応じた向きで広告表示を表示装置74上に出力する(ステップS1704)。尚、このようにして表示装置74上に表示される広告表示は、次に新たな広告情報が受信されるまで(ステップS1700の“YES”)表示され続けてもよいし、一定時間経過した場合などに非表示とされてもよい。
【0096】
配信要求送信処理部753は、配信要求信号をサーバー90に送信する配信要求送信処理を行う。
図12に示すシステム5では、一例として、位置情報送信処理は、
図18に示す態様で実行される。配信要求送信処理部753は、ボタン712の操作信号を受信すると(ステップS1800の“YES”)、配信要求信号をサーバー90に送信する(ステップS1802)。配信要求信号は、要求元を表す情報として端末番号の情報を含む。
【0097】
図19は、サーバー90の広告情報送信処理部94により実行される広告情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すシステム5では、一例として、広告情報送信処理は、
図19に示す態様で実行される。
図19に示す処理ルーチンは、例えば所定周期毎に実行される。
【0098】
ステップS1900では、広告情報送信処理部94は、任意の電子機器70からビーコン情報を受信したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、処理ルーチンは、ステップS1902に進み、それ以外の場合は、今回の処理ルーチンは終了となる。
【0099】
ステップS1902では、広告情報送信処理部94は、受信したビーコン情報に含まれる端末番号及びビーコン番号を特定する。
【0100】
ステップS1904では、広告情報送信処理部94は、ステップS1902で特定した端末番号に対応付けられたユーザ情報を、ユーザ情報データベース98内から抽出する。
【0101】
ステップS1906では、広告情報送信処理部94は、ステップS1902で特定したビーコン番号と、ステップS1904で抽出したユーザ情報とに基づいて、広告データベース99内から広告情報を抽出する。この際、広告情報送信処理部94は、ビーコン番号に対応付けられた店舗に係る広告情報であって、ユーザ情報が表すユーザの属性に適合した広告情報を抽出する。例えば、ビーコン番号がビーコンAである場合、広告情報送信処理部94は、店舗Aに係る広告情報を抽出する。そして、
図13に示すデータベース内のデータを想定し、ユーザ情報が例えば端末番号Aに対応付けられている場合、広告情報送信処理部94は、店舗Aに係る広告情報のうちの、20代の男性に係る広告情報“広告A3”を抽出する。
【0102】
ステップS1908では、広告情報送信処理部94は、ステップS1906で抽出した広告情報を、ステップS1902で特定した端末番号に係る電子機器70に向けて送信する。
【0103】
図19に示す処理によれば、サーバー90が電子機器70からビーコン情報を受信した場合に、電子機器70の現在位置、及び電子機器70のユーザの属性に適合した広告情報を、サーバー90から電子機器70に送信できる。このようにして広告情報が電子機器70に送信されると、前出の
図17の処理に従って該広告情報に基づく広告表示が電子機器70の表示装置74上に出力される。従って、電子機器70のユーザは、手首に装着した電子機器70の表示装置74を見ることで、現在の位置の近傍又は中に入った店舗に関する広告情報であって、自身の属性に適合した広告情報を、タイムリーに得ることができる。
【0104】
尚、
図19に示す処理では、ユーザ情報データベース98内のユーザ情報のうちの、ユーザの好みを表す情報(例えば、趣味、好きな色)は、広告情報を抽出するために利用されていない。従って、
図19に示す処理を採用する場合は、ユーザ情報データベース98内のユーザ情報のうちの、ユーザの好みを表す情報は省略されてもよい。但し、変形例では、ユーザの好みに適合した広告情報を抽出するために、ユーザの好みを表す情報を利用することも可能である(例えば、後述の第2動作例参照)。
【0105】
図20は、サーバー90の配信要求処理部96により実行される配信要求処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すシステム5では、一例として、配信要求処理は、
図20に示す態様で実行される。
図20に示す処理ルーチンは、例えば所定周期毎に実行される。
【0106】
ステップS2000では、配信要求処理部96は、任意の電子機器70から配信要求信号を受信したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、処理ルーチンは、ステップS2002に進み、それ以外の場合は、今回の処理ルーチンは終了となる。
【0107】
ステップS2002では、配信要求処理部96は、受信した配信要求信号に含まれる端末番号を特定する。
【0108】
ステップS2004では、配信要求処理部96は、ステップS2002で特定した端末番号に対応付けられたユーザ情報を、ユーザ情報データベース98内から抽出する。
【0109】
ステップS2006では、配信要求処理部96は、ステップS2004で抽出したユーザ情報に基づいて、ステップS2002で特定した端末番号に対応付けられたグループを特定する。例えば、
図13に示す例では、端末番号Aである場合、配信要求処理部96は、端末番号Aに係るグループである「グループB」を特定する。
【0110】
ステップS2008では、配信要求処理部96は、ステップS2006で特定したグループに属する他のユーザがユーザ情報データベース98に登録されているか否かを判定する。例えば、
図13に示す例では、グループBの場合、配信要求処理部96は、端末番号Cに係るユーザがユーザ情報データベース98に登録されているので、判定結果が“YES”となる。判定結果が“YES”の場合は、処理ルーチンは、ステップS2010に進み、それ以外の場合は、今回の処理ルーチンは終了となる。尚、今回の処理ルーチンを終了する場合、配信要求処理部96は、ステップS1902で特定した端末番号に係る電子機器70に向けて、配信要求が受け付けられなかったことを知らせる情報を送信してもよい。
【0111】
ステップS2010では、配信要求処理部96は、ステップS2002で特定した端末番号に係る電子機器70に対して直近に送信した広告情報と同一の広告情報を、同グループ内の他のユーザに対応付けられた端末番号に係る電子機器70に向けて送信する。例えば、
図13に示す例では、ステップS2002で特定した端末番号が端末番号Aである場合、配信要求処理部96は、端末番号Aに係る電子機器70に対して直近に送信した広告情報と同一の広告情報を、端末番号Cに係る電子機器70に向けて送信する。
【0112】
図20に示す処理によれば、サーバー90は、電子機器70から配信要求信号を受信した場合に、電子機器70に対して送信した広告情報と同一の広告情報を、同一グループの他のユーザに係る電子機器70にサーバー90から配信できる。このようにして広告情報が他の電子機器70に送信(配信)されると、前出の
図17の処理に従って該広告情報に基づく広告表示が電子機器70の表示装置74上に出力される。従って、同一グループとして登録した複数のユーザは、手首に装着した電子機器70の表示装置74を見ることで、広告情報を共有化できる。また、同一グループとして登録した複数のユーザは、例えば別々に行動しているときに、手首に装着した電子機器70の表示装置74を見ることで、同一グループ内のだれかが該広告情報に係る店舗内又は店舗付近にいることを推測できる。
【0113】
尚、
図19及び
図20に示す処理では、サーバー90から電子機器70に送信する広告情報は、該広告情報が、ビーコン情報に応じて送信された広告情報であるか、配信要求信号に応じて送信された広告情報であるかを、判別するための情報を含んでいない。しかしながら、サーバー90から電子機器70に送信する広告情報は、かかる判別を可能とする情報を含んでもよい。例えば、配信要求処理部96は、配信要求信号の送信元のユーザを特定できる情報を追加的に含む広告情報を送信することとしてもよい。この場合、表示処理部752は、表示処理を行う際、ビーコン情報に応じた広告情報と、配信要求信号に応じた広告情報とを、ユーザが識別できる態様で表示できる。例えば、表示処理部752は、配信要求信号に応じた広告情報については、配信要求信号の送信元のユーザを特定できる情報と共に表示装置74上に出力する。これにより、同一グループとして登録した複数のユーザは、例えば別々に行動しているときに、手首に装着した電子機器70の表示装置74を見ることで、同一グループ内のどのユーザが該広告情報に係る店舗内又は店舗付近にいることを推測できる。
【0114】
[第2動作例]
次に、
図21乃至
図23を参照して、システム5の他の動作例(以下、「第2動作例」と称する)について説明する。尚、以下の説明において、電子機器70の制御系の構成は、一例として、
図9に示した通りであるものとする。以下では、
図21乃至
図23を参照して上述した第1動作例と異なる点を説明する。
【0115】
図21は、店舗とビーコンとの関係を示す説明図である。
図22は、広告データベース99内の広告情報の一例である。
【0116】
第2動作例では、
図21に示すように、一のビーコンが複数の店舗に割り当てられる。
図21では、4つの店舗X1〜X4に対して、1つのビーコンXが割り当てられる。即ち、上述した第1動作例では、一のビーコンが一の店舗に割り当てられるのに対して、第2動作例では、一のビーコンが複数の店舗に割り当てられる。このような割り当て方法は、商業施設において複数の店舗が密集している場合に好適である。この場合、例えば、ビーコンは、商業施設の広場や、通路の所定距離ごとに配置されてもよい。尚、商業施設によっては、上述した第1動作例で説明した1対1(「ビーコン」対「店舗」)の割り当て方法と、1対多の割り当て方法とが混在してもよい。
【0117】
第2動作例では、
図14に示す広告データベース99内の広告情報に代えて、
図22に示す広告データベース99内の広告情報が用いられる。
図22では、広告情報は、各店舗の属性(スポーツ、ファッション、キッズ、グルメ、インテリアなど)を表す属性情報を追加的に含む。尚、
図22に示す広告データベース99内の広告情報は、ビーコンXに対応付けられた店舗X1〜X4に関する。広告データベース99には、同様の態様で、他のビーコンに対応付けられた店舗に関する広告情報が格納される。
【0118】
第2動作例では、サーバー90の広告情報送信処理部94は、広告情報送信処理を
図23に示す態様で実行する。
図23に示す処理ルーチンは、例えば所定周期毎に実行される。
【0119】
図23に示す広告情報送信処理は、
図19を参照して上述した第1動作例に係る広告情報送信処理に対して、ステップS1906がステップS2306で置換された点が異なる。以下、異なる点について説明する。
【0120】
ステップS2306では、広告情報送信処理部94は、ステップS1902で特定したビーコン番号と、ステップS1904で抽出したユーザ情報とに基づいて、広告データベース99内から広告情報を抽出する。この際、広告情報送信処理部94は、ビーコン番号に対応付けられた店舗に係る広告情報であって、ユーザ情報が表すユーザの属性及び好みに適合した広告情報を抽出する。例えば、
図13及び
図22に示すデータベース内のデータを想定し、且つ、ステップS1904で抽出したユーザ情報が例えば端末番号Aに対応付けられており、ステップS1902で特定されたビーコン番号がビーコンXである場合を想定する。広告情報送信処理部94は、店舗X1〜X4のうち、端末番号Aに対応付けれたユーザ情報に基づくユーザの好みに適合した店舗に係る広告情報を抽出する。具体的には、端末番号Aに対応付けれたユーザ情報よれば、趣味が“テニス”である。この場合、広告情報送信処理部94は、店舗X1〜X4のうち、“スポーツ”の属性を持つ店舗X1に係る広告情報を抽出する。そして、広告情報送信処理部94は、店舗X1に係る広告情報のうちの、20代の男性に係る広告情報“広告X13”を抽出する。
【0121】
図23に示す処理によれば、サーバー90が電子機器70からビーコン情報を受信した場合に、電子機器70の現在位置、電子機器70のユーザの属性、及びユーザの好みに適合した広告情報を、サーバー90から電子機器70に送信できる。このようにして広告情報が電子機器70に送信されると、前出の
図17の処理に従って該広告情報に基づく広告表示が電子機器70の表示装置74上に出力される。従って、電子機器70のユーザは、手首に装着した電子機器70の表示装置74を見ることで、現在の位置の近傍又は中に入った店舗に関する広告情報であって、自身の属性や好みに適合した広告情報を、タイムリーに得ることができる。
【0122】
尚、上述の第2動作例では、店舗ごとに属性情報が付与されているが、これに限られない。例えば、変形例では、同一の店舗に係る複数の広告情報があり、広告情報ごとに、属性情報が付与されてもよい。この場合、広告情報送信処理部94は、当該店舗に係る複数の広告情報のうちから、ユーザの好みに適合した広告情報を抽出してよい。尚、かかる変形例は、上述した第1動作例においても適用可能である。
【0123】
[第3動作例]
次に、
図24を参照して、システム5の他の動作例(以下、「第3動作例」と称する)について説明する。尚、以下の説明において、電子機器70の制御系の構成は、一例として、
図9に示した構成に対して、GPS受信機(図示せず)を備える点が異なるものとする。以下では、
図24を参照して上述した第1動作例と異なる点を説明する。
【0124】
第3動作例では、商業施設には、ビーコンは不要であるが、ビーコンが設けられてもよい。
【0125】
第3動作例では、位置情報送信処理部751は、ビーコン情報に代えて、GPS受信機による測位結果に基づく電子機器70の位置情報をサーバー90に送信する位置情報送信処理を行う。位置情報送信処理部751は、位置情報を端末番号と共にサーバー90に送信する。位置情報送信処理は、例えば所定時間毎に実行されてよい。
【0126】
第3動作例では、サーバー90の広告情報送信処理部94は、広告情報送信処理を
図24に示す態様で実行する。
図24に示す処理ルーチンは、例えば所定周期毎に実行される。
図24に示す処理ルーチンは、端末番号毎に、例えば所定周期毎に実行される。以下では、ある任意の1つの端末番号に対する処理について説明し、処理対象となる端末番号に対応付けられた電子機器70を、対象の電子機器70と称する。
【0127】
ステップS2400では、広告情報送信処理部94は、対象の電子機器70から最新の位置情報を受信したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、処理ルーチンは、ステップS2402に進み、それ以外の場合は、今回の処理ルーチンは終了となる。
【0128】
ステップS2402では、広告情報送信処理部94は、ステップS2400で受信した位置情報と、直近の所定期間中に受信した過去の位置情報とに基づいて、対象の電子機器70の移動方向を検出する。
【0129】
ステップS2404では、広告情報送信処理部94は、各店舗の位置情報と、ステップS2400で受信した位置情報と、ステップS2402で検出した移動方向とに基づいて、対象の電子機器70のユーザが近づきつつある店舗を特定する。以下、対象の電子機器70のユーザが近づきつつある店舗を、単に「ユーザの近接店舗」とも称する。尚、各店舗の位置情報は、既知であり、データベース化されているものとする。例えば、
図25に示すような状況下では、端末番号Aに係る電子機器70が対象の電子機器70であるとき、広告情報送信処理部94は、ユーザの近接店舗として、店舗Aを特定する。
【0130】
ステップS2406では、広告情報送信処理部94は、今回周期のステップS2404で特定したユーザの近接店舗が前回周期のステップS2404で特定したユーザの近接店舗から変化したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、処理ルーチンは、ステップS2408に進み、それ以外の場合は、今回の処理ルーチンは終了となる。
【0131】
ステップS2408では、広告情報送信処理部94は、ステップS2404で特定したユーザの近接店舗に係る広告情報を、広告データベース99内から抽出する。この際、広告情報送信処理部94は、ユーザ情報が表すユーザの属性に適合した広告情報を抽出する。例えば、
図13に示すデータベース内のデータを想定し、ユーザの近接店舗が店舗Aである場合、広告情報送信処理部94は、店舗Aに係る広告情報のうちの、20代の男性に係る広告情報“広告A3”を抽出する。
【0132】
ステップS2410では、広告情報送信処理部94は、ステップS2408で抽出した広告情報を、対象の電子機器70に向けて送信する。
【0133】
図24に示す処理によれば、サーバー90は、対象の電子機器70から位置情報を定期的に受信することで、対象の電子機器70のユーザの近接店舗を特定することができる。これにより、サーバー90は、対象の電子機器70のユーザの近接店舗に係る広告情報であってユーザの属性に適合した広告情報を、対象の電子機器70に送信できる。このようにして広告情報が対象の電子機器70に送信されると、前出の
図17の処理に従って該広告情報に基づく広告表示が対象の電子機器70の表示装置74上に出力される。従って、対象の電子機器70のユーザは、手首に装着した対象の電子機器70の表示装置74を見ることで、目の前に近づきつつある店舗に関する広告情報であって、自身の属性に適合した広告情報を、タイムリーに得ることができる。
【0134】
尚、上述の第3動作例においても、上述した第2動作例の場合と同様、ステップS2408において、広告情報送信処理部94は、ユーザの好みに適合した広告情報を抽出することとしてもよい。
【0135】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0136】
例えば、上述した実施例は、広告情報に基づく広告表示の出力に関するが、これに限られない。例えば、遊園地などの施設においては、広告情報に基づく広告表示の出力に代えて、アトラクション情報(第1情報の他の一例)に基づくアトラクション表示(第1表示の他の一例)の出力が実現されてもよい。アトラクション情報は、例えばアトラクションの説明、アトラクションの現在の待ち時間などでありうる。
【0137】
また、上述した実施例では、広告情報は、店舗の広告に関する情報のみを含むが、店舗で使用できるクーポンのような他の関連情報を含んでもよい。
【0138】
また、上述した実施例では、電子機器70の姿勢を検出するためにジャイロセンサ710が用いられているが、これに代えて又は加えて、加速度センサが使用されてもよい。
【0139】
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
[付記1]
ヒンジを介して開閉可能に連結される複数の部材を含み、ユーザの手首に装着可能な本体部と、
前記複数の部材にわたり設けられる可撓性のある表示装置と、
前記本体部に設けられ、無線通信網を介して第1情報を受信する通信部と、
前記本体部に設けられ、前記第1情報に基づいて、前記表示装置に第1表示を出力する処理部とを含む、電子機器。
[付記2]
前記第1情報は、広告に関する、付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記処理部は、更に、前記通信部による前記第1情報の受信に先立って当該電子機器の位置を表す第2情報を前記通信部により送信し、
前記第1情報は、前記第2情報が表す位置に応じて変化する、付記1又は2に記載の電子機器。
[付記4]
前記処理部は、前記通信部が外部から所定信号を受信した場合に、前記第2情報を送信する、付記3に記載の電子機器。
[付記5]
前記本体部に設けられ、当該電子機器の姿勢を検出するセンサを更に含み、
前記処理部は、更に、当該電子機器の姿勢に基づいて、前記表示装置に対する前記第1表示の向きを決定する、付記1〜4のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
[付記6]
前記本体部に設けられ、ユーザからの入力を受ける操作部を更に含み、
前記処理部は、更に、前記入力に応答して、別の電子機器への前記第1情報の配信を要求する配信要求を前記通信部により送信する、付記1〜5のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
[付記7]
前記複数の部材は、第1部材及び第2部材を含み、
前記ヒンジは、
前記第1部材に設けられ、第1方向に突出する第1突起と、
前記第1部材に設けられ、円弧状の第1溝と、
前記第2部材に設けられ、前記第1方向で前記第1部材に対向し、前記第1溝に嵌る第2突起と、
前記第2部材に設けられ、前記第1突起が嵌る円弧状の第2溝とを備える、付記1〜6のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
[付記8]
前記ヒンジは、前記第1方向に視たときに前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方がインボリュート曲線を描く態様で、前記第1部材及び前記第2部材を相対的に変位させる、付記7に記載の電子機器。
[付記9]
前記複数の部材は、前記第1部材及び前記第2部材を複数組備える、付記7又は8に記載の電子機器。
[付記10]
前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ、前記第1方向に視て前記表示装置が設けられる側が凸となる円弧状である、付記7〜9のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
[付記11]
ヒンジを介して開閉可能に連結される複数の部材にわたり設けられる可撓性のある表示装置を含み、ユーザの手首に装着可能な電子機器と、
前記電子機器に、無線通信網を介して第1情報を送信する情報処理装置とを含む、情報システム。
[付記12]
前記情報処理装置は、前記電子機器から前記電子機器の位置を表す第2情報を受信した場合に、前記第1情報を送信する、付記11に記載のシステム。
[付記13]
前記第1情報は、前記第2情報が表す位置に応じた広告に関する、付記12に記載のシステム。
[付記14]
前記情報処理装置は、複数の店舗の広告内容を格納する第1データベースを含み、
前記情報処理装置は、複数の前記店舗のうちの、前記第2情報が表す位置に応じた店舗に係る前記広告内容に基づいて、前記第1情報を生成する、付記13に記載のシステム。
[付記15]
前記電子機器は、複数個あり、
前記情報処理装置は、複数の前記電子機器のうちの、前記第1情報を送信した一の電子機器から配信要求を受信した場合、複数の前記電子機器のうちの、他の1つ以上の電子機器に、前記第1情報を送信する、付記11〜14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
[付記16]
前記情報処理装置は、複数の前記電子機器の各ユーザのユーザ情報を格納する第2データベースを含み、
前記情報処理装置は、前記ユーザ情報に基づいて、前記他の1つ以上の電子機器を決定する、付記15に記載のシステム。
[付記17]
異なる所定位置にそれぞれ設置され、それぞれ固有のビーコン信号を送信するビーコンを更に含み、
前記第2情報は、複数の前記ビーコンのうちの、前記電子機器が受信したビーコン信号の送信元である一のビーコンを特定する情報である、付記12〜14のうちのいずれか1項に記載のシステム。