(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテンツデータと、前記コンテンツデータの誤りを訂正するための、第1の誤り訂正情報と前記第1の誤り訂正情報とは異なる種類の第2の誤り訂正情報とを有する符号化データとを含む無線信号を無線送信機から受信する無線通信部と、
前記無線信号の信号品質に基づいて、前記第1の誤り訂正情報の情報量、および、前記第2の誤り訂正情報の情報量を前記無線送信機により調整するための情報を取得するように制御を行う制御部と、を備える、無線受信機。
前記制御部は、前記符号誤り率が所定のしきい値以上である場合に、前記第1の誤り訂正情報、または、前記第2の誤り訂正情報のうちの少なくともいずれか一方の情報量を前記無線送信機により増加させるための情報を取得する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の無線受信機。
前記制御部は、前記第1の誤り訂正情報の情報量を増加させた場合の前記符号誤り率と、前記第2の誤り訂正情報の情報量を増加させた場合の前記符号誤り率とを比較することによって、前記符号誤り率が小さくなる方の誤り訂正情報の情報量を前記無線送信機により増加させるとともに、前記第1の誤り訂正情報と前記第2の誤り訂正情報との構成割合を前記無線送信機により変化させるための情報を取得する制御を行うように構成されている、請求項4に記載の無線受信機。
前記制御部は、前記符号化データの情報量を変化させないように、前記第1の誤り訂正情報の情報量を増加させるとともに前記第2の誤り訂正情報の情報量を減少させた場合の前記符号誤り率と、前記第1の誤り訂正情報の情報量を減少させるとともに前記第2の誤り訂正情報の情報量を増加させた場合の前記符号誤り率とを比較することによって、前記第1の誤り訂正情報と前記第2の誤り訂正情報との構成割合を前記無線送信機により変化させるための情報を取得する制御を行うように構成されている、請求項5に記載の無線受信機。
前記制御部は、前記符号化データの情報量を変化させないように、前記第1の誤り訂正情報の情報量を略ゼロにするとともに前記第2の誤り訂正情報の情報量を増加させた場合の前記符号誤り率と、前記第2の誤り訂正情報の情報量を略ゼロにするとともに前記第1の誤り訂正情報の情報量を増加させた場合の前記符号誤り率とを比較することによって、前記第1の誤り訂正情報と前記第2の誤り訂正情報との構成割合を前記無線送信機により変化させるための情報を取得する制御を行うように構成されている、請求項6に記載の無線受信機。
コンテンツデータと、前記コンテンツデータの誤りを訂正するための、第1の誤り訂正情報と前記第1の誤り訂正情報とは異なる種類の第2の誤り訂正情報とを有する符号化データとを含む無線信号を無線受信機に送信する無線通信部と、
前記無線信号の信号品質に基づき前記無線受信機により取得された、前記第1の誤り訂正情報の情報量および前記第2の誤り訂正情報の情報量を調整するための情報に基づいて、前記第1の誤り訂正情報の情報量、および、前記第2の誤り訂正情報の情報量を調整するように制御を行う制御部と、を備える、無線送信機。
前記制御部は、前記無線受信機に直接的に前記無線信号を送信する際に、前記無線信号の送信と併せて、前記第1の誤り訂正情報の情報量および前記第2の誤り訂正情報の情報量に関する情報を送信するように構成されている、請求項10または11に記載の無線送信機。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
まず、
図1〜
図4を参照して、本発明の第1実施形態による無線受信機100および無線送信機200の構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、無線受信機100は、受信機側無線通信部1を備える。また、無線受信機100には、復調回路2と、デコーダ3と、出力I/F(インターフェース)4と、受信機側制御部5と、メモリ6とが設けられている。なお、受信機側無線通信部1、および、受信機側制御部5は、それぞれ、特許請求の範囲の「無線受信機の無線通信部」および「無線受信機の制御部」の一例である。
【0026】
受信機側無線通信部1は、受信機側アンテナ7に接続されており、受信機側アンテナ7を介して無線送信機200からの無線信号を受信するように構成されている。そして、受信機側無線通信部1は、受信した無線信号を復調回路2に出力するように構成されている。復調回路2から出力された信号は、デコーダ3および出力I/F4を介して、外部の表示部101に送信される。
【0027】
また、無線送信機200は、送信機側無線通信部10を備える。また、無線送信機200には、エンコーダ11と、変調回路12と、送信機側制御部13と、メモリ14とが設けられている。映像・音声データなどのコンテンツデータは、エンコーダ11、変調回路12を介して、送信機側制御部13に伝達される。なお、送信機側無線通信部10、および、送信機側制御部13は、それぞれ、特許請求の範囲の「無線送信機の無線通信部」および「無線送信機の制御部」の一例である。
【0028】
送信機側無線通信部10は、送信機側アンテナ15に接続されており、送信機側アンテナ15を介して無線受信機100へ無線信号を送信するように構成されている。
【0029】
ここで、第1実施形態では、無線信号は、デジタル放送信号を含む。この場合、無線受信機100は、テレビ、または、BD(Blu−Ray(登録商標) Disc)レコーダーなどを含む。また、受信機側無線通信部1は、チューナなどを含む。
【0030】
図2に示すように、受信機側無線通信部1(
図1参照)から復調回路2(
図1参照)に出力される放送信号は、畳み込み符号(Convolutional Code)化されており、コンテンツデータと、符号化データと、ガードインターバルとを含む。なお、符号化データとは、畳み込み符号化された無線信号が復調される際に誤りが発生するのを抑制するために無線信号に付加される冗長部分のことである。また、ガードインターバルとは、無線信号が連続的に複数伝送される場合に、無線信号同士が干渉するのを抑制するために無線信号に付加される冗長部分のことである。また、
図2のL1、L2、および、L3は、それぞれ、コンテンツデータ、符号化データ、および、ガードインターバルのデータ量である。
【0031】
図1に示すように、復調回路2は、受信機側無線通信部1から出力された無線信号を復調してデコーダ3に出力するように構成されている。また、デコーダ3は、復調回路2により復調された無線信号をデコード(復号)して出力I/F4に出力するように構成されている。なお、出力I/F4は、デコーダ3から受信した無線信号のうちのコンテンツデータを表示部101に出力するように構成されている。また、無線送信機200は、符号化率、または、ガードインターバルのデータ量などの設定に変更があった場合には、設定の変更を無線受信機100に通知してから、コンテンツデータを無線受信機100に出力するように構成されている。なお、表示部101は、テレビなどの表示装置を含む。
【0032】
また、受信機側制御部5は、無線受信機100の各部の制御を行うために設けられている。また、メモリ6は、受信機側制御部5により実行される種々のプログラムや、種々のデータを記憶するために設けられている。
【0033】
無線送信機200のエンコーダ11は、入力されるコンテンツデータを符号化するように構成されている。また、変調回路12は、エンコーダ11から出力された信号に基づいて、搬送波の振幅または周波数、位相を変化させるように構成されている。
【0034】
また、送信機側制御部13は、無線送信機200の各部の制御を行うために設けられている。また、メモリ14は、送信機側制御部13により実行される種々のプログラムや、種々のデータを記憶するために設けられている。
【0035】
また、送信機側制御部13は、受信機側無線通信部1により受信された無線信号の信号品質に応じて、無線信号の符号化率およびガード比を調整する制御を行うように構成されている。また、
図2に示すように、符号化率とは、畳み込み符号化されたコンテンツデータおよび符号化データに対するコンテンツデータの割合であり、L1/(L1+L2)で表される数値である。また、ガード比とは、無線信号のうちの有効な情報を含む部分(コンテンツデータおよび符号化データを含む部分)の情報量(L1+L2)に対するガードインターバルの情報量(L3)の割合であり、L3/(L1+L2)で表される数値である。
【0036】
ここで、第1実施形態では、
図3に示すように、符号化データは、コンテンツデータの誤りを訂正するための、第1の誤り訂正情報であるビタビ符号と、第2の誤り訂正情報であるリードソロモン符号とにより構成されている。具体的には、符号化データは、ビタビ符号とリードソロモン符号とが連結した構成となっている。また、受信機側無線通信部1(
図1参照)には、
図3(a)に示すように、符号化データ全体の情報量L2に対して、ビタビ符号の情報量がL2aであり、リードソロモン符号の情報量がL2bの無線信号が入力される。また、L2=L2a+L2bである。なお、ビタビ符号、および、リードソロモン符号は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の誤り訂正情報」および「第2の誤り訂正情報」の一例である。
【0037】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5は、無線信号の信号品質に基づいて、ビタビ符号の情報量、および、リードソロモン符号の情報量の各々を調整するための情報を取得するように制御を行う。具体的には、受信機側制御部5は、無線信号の信号品質に基づいて、ビタビ符号の情報量を増加させるとともに、リードソロモン符号の情報量を減少させる制御、または、ビタビ符号の情報量を減少させるとともに、リードソロモン符号の情報量を増加させるための情報を取得するように制御を行う。
【0038】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5は、無線信号の符号誤り率に基づいて、ビタビ符号、および、リードソロモン符号の各々の情報量を変化させるための情報を取得する制御を行う。具体的には、受信機側制御部5は、符号誤り率が所定のしきい値以上である場合に、ビタビ符号の情報量を増加させるとともに、リードソロモン符号の情報量を減少させるか、または、ビタビ符号の情報量を減少させるとともに、リードソロモン符号の情報量を増加させるための情報を取得する制御を行う。なお、符号誤り率は、特許請求の範囲の「信号品質」の一例である。
【0039】
詳細には、第1実施形態では、受信機側制御部5は、ビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率と、リードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率との比較を行うことにより、符号誤り率が小さくなる方の誤り訂正情報の情報量を増加させるとともに、ビタビ符号とリードソロモン符号との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行う。
【0040】
また、受信機側制御部5は、取得した、ビタビ符号の情報量およびリードソロモン符号を調整するための情報を、無線送信機200側に通知するように構成されている。具体的には、受信機側制御部5は、ビタビ符号の情報量を増加させた場合とリードソロモン符号の情報量を増加させた場合とのうちのいずれが符号誤り率が小さいかを無線送信機200側に通知する。
【0041】
また、第1実施形態では、送信機側制御部13は、無線受信機100が取得した無線信号の信号品質に関する情報に基づき無線受信機100により取得された、ビタビ符号の情報量およびリードソロモン符号の情報量を調整するための情報に基づいて、ビタビ符号の情報量およびリードソロモン符号の情報量を調整するように制御を行う。具体的には、送信機側制御部13は、無線受信機100による、ビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とリードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率との比較結果に基づいて、符号誤り率が小さくなる方の誤り訂正情報の情報量を増加させる制御を行うように構成されている。
【0042】
(無線受信機および無線送信機の制御フロー)
図1、
図3、および、
図4を参照して、無線受信機100および無線送信機200の制御フロー(ビタビ符号とリードソロモン符号との構成割合の制御方法)について詳細に説明する。
【0043】
まず、ステップS1において、受信機側制御部5は、受信機側アンテナ7を介して受信機側無線通信部1(
図1参照)によって受信された無線信号の符号誤り率が、所定のしきい値以上か否かを判定する。受信機側制御部5は、符号誤り率が所定のしきい値以上である場合は、無線送信機200側に符号誤り率が所定のしきい値以上であることを通知し、ステップS2に進む。
【0044】
次に、ステップS2において、送信機側制御部13は、ビタビ符号の情報量を増加させる。具体的には、無線信号が、
図3(a)の状態から
図3(b)の状態になるように制御する。すなわち、ビタビ符号の情報量が、L2aから、L2aよりも大きいL2cになるように制御する。また、この時、リードソロモン符号の情報量は、L2bから、L2bよりも小さいL2dになる。その後、送信機側制御部13は、設定の変更を無線受信機100側に通知し、ステップS3に進む。
【0045】
次に、ステップS3では、受信機側制御部5は、ステップS2においてビタビ符号の情報量が増加された状態で、符号誤り率を算出する。この時算出された符号誤り率を、メモリ6(
図1参照)に保存する。その後、受信機側制御部5は、符号誤り率の算出が完了したことを、無線送信機200側に通知し、ステップS4に進む。
【0046】
次に、ステップS4において、送信機側制御部13は、リードソロモン符号の情報量を増加させる。具体的には、無線信号が、
図3(b)の状態から
図3(c)の状態になるように制御する。すなわち、リードソロモン符号の情報量が、L2dから、L2bよりも大きいL2fになるように制御する。また、この時、ビタビ符号の情報量は、L2cから、L2aよりも小さいL2eになる。その後、送信機側制御部13は、設定の変更を無線受信機100側に通知し、ステップS5に進む。
【0047】
次に、ステップS5では、受信機側制御部5は、ステップS4においてリードソロモン符号の情報量が増加された状態で、符号誤り率を算出する。この時算出された符号誤り率を、メモリ6(
図1参照)に保存する。
【0048】
次に、ステップS6において、受信機側制御部5は、ステップS3およびS5の各々において算出された符号誤り率をメモリ6(
図1参照)から読み出すとともに比較し、ステップS3において算出した符号誤り率の方が小さいか否かを判定する。ステップS3において算出した符号誤り率の方が小さい場合は、ステップS7に進む。また、ステップS3において算出した符号誤り率が、ステップS5において算出した符号誤り率以上の場合は、ステップS8に進む。
【0049】
ステップS7では、受信機側制御部5は、ビタビ符号を優先させるように制御を行う。その後、受信機側制御部5は、ビタビ符号を優先させることを無線送信機200側に通知し、ステップS9に進む。
【0050】
ステップS8では、受信機側制御部5は、リードソロモン符号を優先させるように制御を行う。その後、受信機側制御部5は、リードソロモン符号を優先させることを無線送信機200側に通知し、ステップS9に進む。
【0051】
ステップS9では、送信機側制御部13は、ビタビ符号が優先されているか否かを判定する。ビタビ符号が優先されている場合は、ステップS10に進む。ビタビ符号が優先されていない場合は、ステップS11に進む。
【0052】
ステップS10では、送信機側制御部13は、ビタビ符号の情報量を増加させる。すなわち、無線信号が、
図3(b)の状態になるように制御する。その後、送信機側制御部13は、設定の変更を無線受信機100側に通知し、ステップS12に進む。
【0053】
ステップS11では、送信機側制御部13は、リードソロモン符号の情報量を増加させる。すなわち、無線信号が、
図3(c)の状態になるように制御する。その後、送信機側制御部13は、設定の変更を無線受信機100側に通知し、ステップS12に進む。
【0054】
ステップS12では、受信機側制御部5は、無線送信機200から送信される無線信号に合わせて設定を変更する。
【0055】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5は、符号化データの情報量を変化させないように、ビタビ符号の情報量を増加させるとともにリードソロモン符号の情報量を減少させた場合の符号誤り率と、ビタビ符号の情報量を減少させるとともにリードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較することによって、ビタビ符号の情報量とリードソロモン符号の情報量との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行うように構成されている。具体的には、
図3(b)および(c)に示すように、送信機側制御部13によって、ビタビ符号の情報量とリードソロモン符号の情報量の合計は、常にL2になるように制御されている。詳細には、
図3(a)の状態から
図3(b)の状態になった場合に、ビタビ符号の情報量の増加量(L2c−L2a)は、リードソロモン符号の情報量の減少量(L2b−L2d)と等しい。また、
図3(b)の状態から
図3(c)の状態になった場合に、ビタビ符号の情報量の減少量(L2c−L2e)は、リードソロモン符号の情報量の増加量(L2f−L2d)と等しい。なお、ビタビ符号の情報量、および、リードソロモン符号の情報量を変化させた場合において、無線信号の情報量はL1+L2+L3のまま変化しない。
【0056】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0057】
第1実施形態では、上記のように、コンテンツデータと、コンテンツデータの誤りを訂正するための、ビタビ符号とビタビ符号とは異なる種類のリードソロモン符号とを有する符号化データとを含む無線信号を無線送信機200から受信する受信機側無線通信部1と、無線信号の信号品質に基づいて、ビタビ符号の情報量、および、リードソロモン符号の情報量を調整する制御を行う受信機側制御部5と、を備えるように、無線受信機100を構成する。これにより、符号化データが、ビタビ符号と、リードソロモン符号とを有していることによって、発生しているエラーの種類に応じて、ビタビ符号の情報量、および、リードソロモン符号の情報量を調整して、発生しているエラーに対して効果的に誤り訂正を行うための情報を取得することにより、複数の種類のエラーに対しても誤りを適切に訂正することができるので、誤り訂正を適切に行うことができる。
【0058】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5が、無線信号の信号品質に基づいて、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちの少なくともいずれか一方の情報量を増加させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機100を構成する。これにより、エラーの種類に応じて、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちの少なくともいずれか一方の情報量を増加させるための情報を取得することにより、複数の種類のエラーに対して、誤り訂正能力を容易に向上させることができるので、誤り訂正を効果的に行って無線信号の信号品質を有効に改善させることができる。
【0059】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5が、無線信号の符号誤り率に基づいて、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちの少なくともいずれか一方の情報量を変化させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機100を構成する。ここで、無線信号にノイズ等が混入した場合、符号誤り率に顕著に影響が出る。したがって、無線信号の符号誤り率に基づいて誤り訂正の制御を行うための情報を取得することによって、容易に適切な誤り訂正を行うことができる。
【0060】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5が、符号誤り率が所定のしきい値以上である場合に、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機100を構成する。これにより、無線信号の符号誤り率を容易に改善することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5が、ビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率と、リードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較することによって、符号誤り率が小さくなる方の誤り訂正情報の情報量を増加させるとともに、ビタビ符号とリードソロモン符号との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機100を構成する。これにより、発生しているエラー(誤り)に対して、ビタビ符号の情報量を増加させた場合、または、リードソロモン符号の情報量を増加させた場合のうちのいずれが効果的であるかが判別できるので、誤り訂正能力をさらに容易に向上させることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5が、符号化データの情報量を変化させないように、ビタビ符号の情報量を増加させるとともにリードソロモン符号の情報量を減少させた場合の符号誤り率と、ビタビ符号の情報量を減少させるとともにリードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較することによって、ビタビ符号とリードソロモン符号との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機100を構成する。これにより、符号化データの情報量が変化しないので、適切な誤り訂正を行いながら、無線信号の受信速度の低下を抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、無線信号が、デジタル放送信号を含むように、無線受信機100を構成する。これにより、デジタル放送による無線通信において、誤り訂正を適切に行うことができる。
【0064】
また、第1実施形態では、無線信号がデジタル放送信号を含む場合に、第1の誤り訂正情報が、ビタビ符号を含むとともに、第2の誤り訂正情報が、リードソロモン符号を含むように、無線受信機100を構成する。ここで、デジタル放送において、ビタビ符号はランダムエラーに対して有効であるとともに、リードソロモン符号はバーストエラーに対して有効である。したがって、第1の誤り訂正情報がビタビ符号を含むとともに、第2の誤り訂正情報がリードソロモン符号を含むことによって、デジタル放送におけるランダムエラーとバーストエラーとの両方に対する誤り訂正能力を容易に適切化することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、受信機側制御部5が、取得した、ビタビ符号の情報量およびリードソロモン符号の情報量を調整するための情報を、無線送信機200側に通知するように、無線受信機100を構成する。これにより、受信機側制御部5による情報の取得の完了に起因して、無線送信機200側への情報の通知信号を送信することができるので、受信機側制御部5による情報の取得の完了と無線送信機200側への情報の通知との時間差が発生するのを抑制することができる。
【0066】
また、第1実施形態では、無線信号を無線受信機100に送信する送信機側無線通信部10と、無線信号の信号品質に基づき無線受信機100により取得された、ビタビ符号の情報量およびリードソロモン符号の情報量を調整するための情報に基づいて、ビタビ符号の情報量、および、リードソロモン符号の情報量を調整するように制御を行う送信機側制御部13と、を備えるように、無線送信機200を構成する。これにより、無線受信機100が取得した無線信号の信号品質をフィードバックして、ビタビ符号の情報量、および、リードソロモン符号の情報量を調整することによって、適切に誤り訂正を行うことができる。
【0067】
[第2実施形態]
次に、
図1、
図5、および、
図6を参照して、第2実施形態による無線受信機300および無線送信機400の構成について説明する。この第2実施形態における無線受信機300および無線送信機400は、第1実施形態と異なり、第1の誤り訂正情報または第2の誤り訂正情報のうちのいずれか一方の情報量をゼロにするように構成されている。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0068】
第2実施形態では、無線信号は、無線LAN(Local Area Network)による信号を含む。この場合、無線受信機300(
図1参照)、および、無線送信機400(
図1参照)は、スマートフォン、または、PCなどを含む。また、無線受信機300は、図示しないルータを介したWiFi(Wireless Fidelity(登録商標))によって、無線送信機400に接続されている。
【0069】
また、第2実施形態では、
図5に示すように、符号化データは、コンテンツデータの誤りを訂正するための、第1の誤り訂正情報であるビタビ符号と、第2の誤り訂正情報であるLDPC(Low−Density Parity−Check)符号とを含む。具体的には、無線送信機400(
図1参照)は、誤り訂正情報として、ビタビ符号、または、LDPC符号のうちのいずれかを選択することが可能に構成されている。なお、ビタビ符号、および、LDPC符号は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の誤り訂正情報」および「第2の誤り訂正情報」の一例である。
【0070】
また、第2実施形態では、受信機側制御部25は、ビタビ符号の情報量を略ゼロにするとともにLDPC符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率と、LDPC符号の情報量を略ゼロにするとともにビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較する。これにより、ビタビ符号とLDPC符号との構成割合を変化させるための情報を取得する。
【0071】
(無線受信機および無線送信機の制御フロー)
図1、
図5、および、
図6を参照して、無線受信機300および無線送信機400の制御フロー(ビタビ符号とLDPC符号との構成割合の制御方法)について詳細に説明する。
【0072】
図6に示すように、まず、ステップS21において、受信機側制御部25は、受信機側アンテナ7(
図1参照)を介して受信機側無線通信部21(
図1参照)によって受信された無線信号(
図5(a)参照)の符号誤り率が、所定のしきい値以上か否かを判定する。符号誤り率が所定のしきい値以上である場合は無線送信機400側に符号誤り率が所定のしきい値以上であることを通知し、ステップS22に進む。なお、この時算出された符号誤り率をメモリ6(
図1参照)に保存する。なお、受信機側無線通信部21、および、受信機側制御部25は、それぞれ、特許請求の範囲の「無線受信機の無線通信部」および「無線受信機の制御部」の一例である。
【0073】
次に、ステップS22において、送信機側制御部23は、ビタビ符号の情報量をゼロに減少させる。具体的には、送信機側アンテナ15(
図1参照)を介して送信機側無線通信部20(
図1参照)によって送信される無線信号を、
図5(a)の状態から
図5(b)の状態になるように制御する。すなわち、ビタビ符号の情報量を、L2から、ゼロになるように制御するとともに、LDPC符号の情報量を、ゼロから、L2になるように制御する。その後、送信機側制御部23は、設定の変更を無線受信機300側に通知し、ステップS3に進む。なお、送信機側無線通信部20、および、送信機側制御部23は、それぞれ、特許請求の範囲の「無線送信機の無線通信部」および「無線送信機の制御部」の一例である。
【0074】
次に、ステップS23では、受信機側制御部25は、ステップS22においてビタビ符号の情報量がゼロに減少された状態で、符号誤り率を算出する。また、この時算出された符号誤り率を、メモリ6(
図1参照)に保存する。
【0075】
次に、ステップS24では、受信機側制御部25は、ステップS21およびS23の各々において算出された符号誤り率をメモリ6(
図1参照)から読み出すとともに比較し、ステップS21において算出した符号誤り率(LDPC符号の情報量がゼロの場合の符号誤り率)の方が小さいか否かを判定する。ステップS21において算出した符号誤り率の方が小さい場合は、ステップS25に進む。また、ステップS21において算出した符号誤り率が、ステップS23において算出した符号誤り率(ビタビ符号の情報量がゼロの場合の符号誤り率)以上の場合は、ステップS26に進む。
【0076】
ステップS25では、受信機側制御部25は、誤り訂正情報として、ビタビ符号を選択する。その後、ビタビ符号を選択したことを、無線送信機400側に通知し、ステップS27に進む。
【0077】
ステップS26では、受信機側制御部25は、誤り訂正情報として、LDPC符号を選択する。その後、LDPC符号を選択したことを、無線送信機400側に通知し、ステップS27に進む。
【0078】
ステップS27では、送信機側制御部23は、受信機側制御部25がビタビ符号を選択したか否かを判定する。受信機側制御部25がビタビ符号を選択した場合は、ステップS28に進み、受信機側制御部25がLDPC符号を選択した場合は、ステップS29に進む。
【0079】
ステップS28では、送信機側制御部23は、無線受信機300に送信する無線信号を、
図5(a)の状態に設定する。その後、設定変更を行ったことを無線受信機300側に通知し、ステップS30に進む。
【0080】
ステップS29では、送信機側制御部23は、無線受信機300に送信する無線信号を、
図5(b)の状態に設定する。その後、設定変更を行ったことを無線受信機300側に通知し、ステップS30に進む。
【0081】
ステップS30では、受信機側制御部25は、無線送信機400から送信される無線信号に合わせて設定を変更する。
【0082】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0084】
第2実施形態では、上記のように、受信機側制御部25が、符号化データの情報量を変化させないように、ビタビ符号の情報量を略ゼロにするとともにLDPC符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率と、LDPC符号の情報量を略ゼロにするとともにビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較することにより、ビタビ符号とLDPC符号との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機300を構成する。これにより、ビタビ符号、または、LDPC符号のうちのいずれか一方が有効なエラー(誤り)のみが発生している場合において、誤り訂正能力をより効果的に向上させることができる。
【0085】
また、第2実施形態では、無線信号が、無線LANによる信号を含むように、無線受信機300を構成する。これにより、無線LANによる無線通信において、誤り訂正を適切に行うことができる。
【0086】
また、第2実施形態では、無線信号が無線LANによる信号を含む場合に、第1の誤り訂正情報が、ビタビ符号を含むとともに、第2の誤り訂正情報が、LDPC符号を含むように、無線受信機300を構成する。ここで、無線LANにおいて、ビタビ符号はランダムエラーに対して有効であるとともに、LDPC符号はバーストエラーに対して有効である。したがって、第1の誤り訂正情報がビタビ符号を含むとともに、第2の誤り訂正情報がLDPC符号を含むことによって、無線LANにおけるランダムエラーとバーストエラーとの両方に対する誤り訂正能力を容易に適切化することができる。
【0087】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0088】
[第3実施形態]
次に、
図5、
図7、および、
図8を参照して、第3実施形態による無線受信機500および無線送信機600の構成について説明する。この第3実施形態における無線受信機500および無線送信機600は、第1および第2実施形態とは異なり、無線信号を送受信するアンテナを2つずつ備えている。なお、図中において上記第2実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0089】
第3実施形態では、
図7に示すように、無線受信機500は、複数の符号化データを略同時に受信可能な複数の受信機側アンテナ17(例えば無線LANのMIMO:Multiple Input Multipule Outputなど)を備えている。具体的には、無線受信機500は、第1受信機側アンテナ17aと第2受信機側アンテナ17bとを備えている。また、第1受信機側アンテナ17a、および、第2受信機側アンテナ17bは、それぞれが独立して無線信号を受信するように構成されている。また、第1受信機側アンテナ17aによる受信と、第2受信機側アンテナ17bによる受信とは並列的に行われている。なお、受信機側アンテナ17、第1受信機側アンテナ17a、および、第2受信機側アンテナ17bは、特許請求の範囲の「無線受信機のアンテナ」の一例である。
【0090】
受信機側無線通信部31は、受信機側無線通信部31aと受信機側無線通信部31bとを含む。受信機側無線通信部31aは、第1受信機側アンテナ17aに接続されている。また、受信機側無線通信部31bは、第2受信機側アンテナ17bに接続されている。なお、受信機側無線通信部31、受信機側無線通信部31a、および、受信機側無線通信部31bは、特許請求の範囲の「無線受信機の無線通信部」の一例である。
【0091】
復調回路22は、第1復調回路22aと第2復調回路22bとを含む。受信機側無線通信部31aからの無線信号は、第1復調回路22aにより復調され、デコーダ3に送られる。また、受信機側無線通信部31bからの無線信号は、第2復調回路22bにより復調され、デコーダ3に送られる。
【0092】
無線送信機600は、複数の符号化データを略同時に送信可能な複数の送信機側アンテナ35を備えている。具体的には、無線送信機600は、第1送信機側アンテナ35aと第2送信機側アンテナ35bとを備えている。また、第1送信機側アンテナ35a、および、第2送信機側アンテナ35bは、それぞれが独立して無線信号を送信するように構成されている。また、第1送信機側アンテナ35aによる送信と、第2送信機側アンテナ35bによる送信とは並列的に行われている。なお、送信機側アンテナ35、第1送信機側アンテナ35a、および、第2送信機側アンテナ35bは、特許請求の範囲の「無線送信機のアンテナ」の一例である。
【0093】
送信機側無線通信部30は、送信機側無線通信部30aと送信機側無線通信部30bとを含む。送信機側無線通信部30aは、第1送信機側アンテナ35aに接続されている。また、送信機側無線通信部30bは、第2送信機側アンテナ35bに接続されている。なお、送信機側無線通信部30、送信機側無線通信部30a、および、送信機側無線通信部30bは、特許請求の範囲の「無線送信機の無線通信部」の一例である。
【0094】
変調回路32は、第1変調回路32aと第2変調回路32bとを含む。第1変調回路32aにより変調された無線信号は送信機側無線通信部30aに送られる。また、第2変調回路32bにより変調された無線信号は送信機側無線通信部30bに送られる。そして、送信機側無線通信部30aと受信機側無線通信部31aとの間において無線信号が送受信される。また、送信機側無線通信部30bと受信機側無線通信部31bとの間において無線信号が送受信される。
【0095】
ここで、第3実施形態では、受信機側制御部45は、複数の受信機側アンテナ17によって受信された複数の符号化データによる符号誤り率を比較する。これにより、符号誤り率が最も小さくなる符号化データを選択するための情報を取得する制御を行うように構成されている。なお、受信機側制御部45は、特許請求の範囲の「無線受信機の制御部」の一例である。
【0096】
また、第3実施形態では、送信機側制御部33は、無線信号の信号品質に基づき無線受信機500により取得された、ビタビ符号の情報量およびLDPC符号の情報量を調整するための情報に基づいて、複数の符号化データのうち符号誤り率が最も小さくなる符号化データを選択する制御を行うように構成されている。すなわち、送信機側制御部33は、受信機側制御部45による複数の符号化データの符号誤り率の比較結果に基づいて、符号誤り率が最も小さくなる符号化データを選択する。なお、送信機側制御部33は、特許請求の範囲の「無線送信機の制御部」の一例である。
【0097】
(無線受信機および無線送信機の制御フロー)
図5、
図7、および、
図8を参照して、無線受信機500および無線送信機600の制御フロー(符号化データの制御方法)について詳細に説明する。
【0098】
図8に示すように、まず、ステップS31において、受信機側制御部45は、第1受信機側アンテナ17a(
図7参照)を介して受信機側無線通信部31a(
図7参照)に受信された無線信号(
図5(a)参照)の符号誤り率、および、第2受信機側アンテナ17b(
図7参照)を介して受信機側無線通信部31bに受信された無線信号(
図5(b)参照)の符号誤り率の各々が、所定のしきい値以上か否かを判定する。各々の符号誤り率が所定のしきい値以上である場合は、ステップS32に進む。なお、この時算出された各符号誤り率をメモリ6(
図7参照)に保存する。
【0099】
次に、ステップS32では、受信機側制御部45は、第1受信機側アンテナ17a(
図7参照)を介して受信機側無線通信部31a(
図7参照)に受信された無線信号の符号誤り率と、第2受信機側アンテナ17b(
図7参照)を介して受信機側無線通信部31bに受信された無線信号の符号誤り率とをメモリ6(
図7参照)から読み出すとともに比較し、第1受信機側アンテナ17aを介して受信された無線信号の符号誤り率の方が小さいか否かを判定する。第1受信機側アンテナ17aを介して受信された無線信号の符号誤り率の方が小さい場合は、ステップS33に進む。また、第1受信機側アンテナ17aを介して受信された無線信号の符号誤り率が、第2受信機側アンテナ17bを介して受信された無線信号の符号誤り率以上の場合は、ステップS34に進む。
【0100】
ステップS33では、受信機側制御部45は、第1受信機側アンテナ17a(
図7参照)を介して受信された無線信号を優先する。その後、第1受信機側アンテナ17aを優先したことを、無線送信機600側に通知し、ステップS35に進む。
【0101】
ステップS34では、受信機側制御部45は、第2受信機側アンテナ17b(
図7参照)を介して受信された無線信号を優先する。その後、第2受信機側アンテナ17bを優先したことを、無線送信機600側に通知し、ステップS35に進む。
【0102】
ステップS35では、送信機側制御部33は、第1受信機側アンテナ17a(
図7参照)を介して受信された無線信号を優先するという通知があったか否かを判定する。第1受信機側アンテナ17aを介して受信された無線信号を優先するという通知があった場合は、ステップS36に進む。第1受信機側アンテナ17aを介して受信された無線信号を優先するという通知がない場合は、ステップS37に進む。
【0103】
ステップS36では、送信機側制御部33は、第2送信機側アンテナ35b(
図7参照)により送信されている無線信号の符号化データの構成を、第1送信機側アンテナ35a(
図7参照)により送信されている無線信号の符号化データの構成に変更するように制御する。すなわち、第2送信機側アンテナ35bにより送信されている無線信号の、LDPC符号の情報量をL2からゼロにするとともに、ビタビ符号の情報量をゼロからL2にする。
【0104】
ステップS37では、送信機側制御部33は、第1送信機側アンテナ35a(
図7参照)を介して受信された無線信号の符号化データの構成を、第2送信機側アンテナ35b(
図7参照)を介して受信された無線信号の符号化データの構成に変更するように制御する。すなわち、第1送信機側アンテナ35aを介して受信された無線信号の、ビタビ符号の情報量をL2からゼロにするとともに、LDPC符号の情報量をゼロからL2にする。
【0105】
ステップS38では、受信機側制御部45は、無線送信機600から送信される無線信号に合わせて設定を変更する。
【0106】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0107】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0108】
第3実施形態では、上記のように、複数の符号化データを略同時に受信可能な複数の受信機側アンテナ17をさらに備え、受信機側制御部45が、複数の受信機側アンテナ17によって受信された複数の符号化データによる符号誤り率を比較することにより、符号誤り率が最も小さくなる符号化データを選択するための情報を取得する制御を行うように、無線受信機500を構成する。これにより、単一のアンテナによって、複数の無線信号(符号化データ)を連続的に受信する場合に比べて、複数の受信機側アンテナ17によって、複数の無線信号(符号化データ)を略同時に受信することができる。その結果、複数の無線信号(符号化データ)の符合誤り率を容易に、かつ、すみやかに比較することができる。
【0109】
また、第3実施形態では、上記のように、複数の符号化データを略同時に送信可能な複数の送信機側アンテナ35をさらに備え、送信機側制御部33は、無線信号の信号品質に基づき無線受信機500により取得された、ビタビ符号の情報量およびLDPC符号の情報量を調整するための情報に基づいて、複数の符号化データのうち符号誤り率が最も小さくなる符号化データを選択する制御を行うように、無線送信機600を構成する。このように構成すれば、単一のアンテナによって、複数の符号化データを連続的に送信する場合に比べて、複数の送信機側アンテナ35によって、複数の符号化データを略同時に送信することができる。その結果、複数の符号化データをすみやかに送信することができる。
【0110】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0111】
[第4実施形態]
次に、
図1、
図9、および、
図10を参照して、第4実施形態による無線受信機700および無線送信機800の構成について説明する。この第4実施形態における無線受信機700および無線送信機800は、第1実施形態とは異なり、符号化データの制御をするとともに、コンテンツデータの一部を制御するように構成されている。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0112】
図9に示すように、コンテンツデータには、映像の輝度を表す輝度データと、映像の色彩を表す色彩データとが含まれる。
【0113】
ここで、第4実施形態では、受信機側制御部55(
図1参照)は、コンテンツデータと符号化データとの合計の情報量が変化しないように、色彩データの一部を間引くことによって色彩データの情報量を減少させた場合において、ビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率と、リードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較する。これにより、受信機側制御部55は、符号誤り率が小さくなる方の誤り訂正情報の情報量を増加させるとともに、ビタビ符号とリードソロモン符号との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行う。具体的には、送信機側制御部43は、受信機側制御部55による比較結果に基づいて、色彩データの情報量を減少させるとともに、ビタビ符号またはリードソロモン符号の情報量を増加させる。たとえば、送信機側制御部43は、無線信号を、
図9(a)の状態から
図9(b)の状態にする際に、色彩データの情報量を減少させるとともに、色彩データの情報量の減少量と同じ量だけビタビ符号の情報量を増加させるように制御する。また、送信機側制御部43は、無線信号を、
図9(a)の状態から
図9(c)の状態にする際に、色彩データの情報量を減少させるとともに、色彩データの情報量の減少量と同じ量だけリードソロモン符号の情報量を増加させるように制御する。
【0114】
また、第4実施形態では、送信機側制御部43は、(
図1参照)は、色彩データの略半分を間引く制御を行う。具体的には、
図9(a)の状態から
図9(b)、または、
図9(c)の状態にする際に、色彩データの情報量を、L1aからL1a/2にする。
【0115】
すなわち、
図9(a)の状態から
図9(b)の状態にする際に、ビタビ符号の情報量は、L2aからL2a+L1a/2になる。この場合、リードソロモン符号の情報量はL2bのままである。また、
図9(a)の状態から
図9(c)の状態にする際に、リードソロモン符号の情報量は、L2bからL2b+L1a/2になる。この場合、ビタビ符号の情報量はL2aのままである。
【0116】
また、第4実施形態では、送信機側制御部43(
図1参照)は、輝度データの情報量を変化させないように制御を行う。具体的には、無線信号を、
図9(a)の状態から
図9(b)の状態、または、
図9(c)の状態にする際に、コンテンツデータの情報量は、色彩データの減少量と同じ量だけ減少する。すなわち、コンテンツデータの情報量は、L1から、L1−L1a/2に減少する。
【0117】
また、第4実施形態では、
図10に示すように、送信機側制御部43(
図1参照)は、送信機側無線通信部40(
図1参照)によって所定の単位毎に連続的に送信される色彩データのうち、間引きを行う場合と、間引きを行わない場合とを交互に繰り返す制御を行う。具体的には、送信機側無線通信部40によって、色彩データが間引かれていない所定の単位の無線信号を送信した後に、色彩データが間引かれている所定の単位の無線信号を送信することが、コンテンツデータの全てのデータを送信するまで繰り返される。この場合、送信機側制御部43は、間引かれた色彩データと同じ量だけビタビ符号、または、リードソロモン符号(
図10ではビタビ符号)の情報量を増加させる。
【0118】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0119】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0120】
第4実施形態では、上記のように、コンテンツデータが、映像の輝度を表す輝度データと、映像の色彩を表す色彩データとを含み、受信機側制御部55が、コンテンツデータと符号化データとの合計の情報量が変化しないように、色彩データの一部を間引くことによって色彩データの情報量を減少させた場合において、ビタビ符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率と、リードソロモン符号の情報量を増加させた場合の符号誤り率とを比較することにより、符号誤り率が小さくなる方の誤り訂正情報の情報量を増加させるとともに、ビタビ符号とリードソロモン符号との構成割合を変化させるための情報を取得する制御を行うように、無線受信機700を構成する。ここで、人間の目は、色彩の変化に対して鈍感である。したがって、コンテンツデータと符号化データとの合計の情報量が変化しないように、色彩データを間引くとともに、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちの少なくともいずれか一方の情報量を増加させることによって、無線信号の受信速度の低下、および、人間が視認可能な映像の変化の各々を抑制しながら、誤り訂正能力を向上させることができる。
【0121】
また、第4実施形態では、上記のように、送信機側制御部43が、コンテンツデータと符号化データとの合計の情報量が変化しないように、色彩データの一部を間引くことによって色彩データの情報量を減少させるとともに、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちの少なくともいずれか一方の情報量を増加させる制御を行うように、無線送信機800を構成する。これにより、コンテンツデータと符号化データとの合計の情報量が変化しないので、無線信号の送信速度の低下を抑制することができる。
【0122】
また、第4実施形態では、上記のように、送信機側制御部43が、色彩データの略半分を間引く制御を行うように、無線送信機800を構成する。ここで、色彩データの半分程度の間引きまでなら、人間の目には映像の変化が視認され難い。したがって、色彩データの略半分を間引くことによって、人間が視認可能な映像の変化を抑制しながら、誤り訂正能力をさらに向上させることができる。
【0123】
また、第4実施形態では、上記のように、送信機側制御部43が、送信機側無線通信部40によって所定の単位毎に連続的に送信される無線信号のうち、色彩データの間引きを行う場合と、色彩データの間引きを行わない場合とを交互に繰り返す制御を行うように、無線送信機800を構成する。これにより、色彩データの間引きが行われている所定の単位の無線信号が連続して送信されることがないので、人間が視認可能な映像の変化を容易に抑制することができる。
【0124】
また、第4実施形態では、上記のように、送信機側制御部43が、輝度データの情報量を変化させないように制御を行うように、無線送信機800を構成する。ここで、人間の目は、輝度の変化に対して敏感である。したがって、輝度データの情報量を変化させないことによって、人間が視認する映像の変化を効果的に抑制することができる。
【0125】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0126】
[第5実施形態]
次に、
図11を参照して、第5実施形態による無線送信機900の構成について説明する。この第5実施形態における無線送信機900は、無線受信機300に対して、符号化率などの設定の変更を通知してからデータを送信する第2実施形態とは異なり、符号化率などの設定の変更の通知とデータ送信とを同時に行うように構成されている。なお、図中において上記第2実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0127】
第5実施形態では、送信機側制御部53(
図1参照)は、無線受信機300(
図1参照)に直接的に無線信号を送信する際に、無線信号の送信と併せて、ビタビ符号の情報量およびLDPC符号の情報量に関する情報を送信するように構成されている。この場合、無線送信機900(
図1参照)は、ルータを介さずに、WiFi−Directによって無線受信機300に接続されている。なお、送信機側制御部53は、特許請求の範囲の「無線送信機の制御部」の一例である。
【0128】
図11に示すように、IEEE802.11フレーム(無線LANフレーム)フォーマットはPLCPプリアンブル、PCLPヘッダ、および、MACフレームにより構成されている。また、MACフレームは、IEEE802.11ヘッダ、データ、および、FCSにより構成されている。
【0129】
また、IEEE802.11ヘッダは、フレームコントロール、Duration ID、アドレス1〜4、および、シーケンスコントロールにより構成されている。ここで、ルータを介して無線受信機300(
図1参照)と接続される場合には、アドレス4にルータのアドレスを入れる必要がある。また、ルータを介さずに、WiFi−Directにより接続する場合は、送信機側制御部53(
図1参照)は、アドレス4にルータのアドレスを入れる必要がないので、アドレス4にビタビ符号の情報量、および、LDPC符号の情報量の設定の変更等に関する情報を入れるように制御を行う。
【0130】
第5実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0131】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0132】
第5実施形態では、上記のように、送信機側制御部53が、無線受信機300に直接的に無線信号を送信する際に、無線信号の送信と併せて、ビタビ符号の情報量およびLDPC符号の情報量に関する情報を送信するように、無線送信機900を構成する。ここで、無線受信機300にルータ等を介して間接的に無線信号を送信する場合、ビタビ符号の情報量およびLDPC符号の情報量に関する情報を無線受信機300に通知してから、ルータ等のアドレス情報を含んだ無線信号の送信を行う。一方で、無線受信機300にルータ等を介さず直接的に無線信号を送信する場合、ルータ等のアドレス情報を無線受信機300に送信する必要がない。したがって、無線受信機300にルータ等を介さず直接的に無線信号を送信する場合、ルータ等のアドレス情報の代わりにビタビ符号の情報量およびLDPC符号の情報量に関する情報を含んだ無線信号を送信することによって、無線受信機300にルータ等を介して間接的に無線信号を送信する場合に比べて、無線信号の送信をすみやかに行うことができる。
【0133】
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0134】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0135】
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、ガードインターバルの情報量を変化させない例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ガードインターバルの情報量を変化させてもよい。
【0136】
また、上記第3実施形態では、ルータを介して、無線受信機500と無線送信機600とが接続されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。第3実施形態においても、第5実施形態と同様に、無線受信機500と無線送信機600とが、WiFi−Directにより接続されていてもよい。また、第1、および、第4実施形態においても、WiFi−Directによる接続を適用させてもよい。
【0137】
また、上記第1、および、第4実施形態では、第1の誤り訂正情報がビタビ符号であるとともに、第2の誤り訂正情報がリードソロモン符号である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1の誤り訂正情報がTC8PSK(Trellis Coded 8PSK)符号であるとともに、第2の誤り訂正情報がリードソロモン符号であってもよい。
【0138】
また、上記第1、および、第4実施形態では、無線信号がデジタル放送信号である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線信号が無線LAN、無線MAN(Metropolitan Area Network)、無線PAN(Personal Area Network)、衛星通信、または、移動通信による信号であってもよい。
【0139】
また、上記第2、第3、および、第5実施形態では、無線信号が無線LANによる信号である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線信号がデジタル放送、無線MAN、無線PAN、衛星通信、または、移動通信による信号であってもよい。
【0140】
また、上記第1実施形態では、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させるとともに、他方の情報量を減少させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させるとともに、他方の情報量を変化させなくてもよい。また、ビタビ符号、および、リードソロモン符号の各々の情報量を増加させてもよい。また、ビタビ符号、および、リードソロモン符号の各々の情報量を減少させてもよい。
【0141】
また、上記第4実施形態では、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させるとともに、他方の情報量を変化させない例を示したが、本発明ではこれに限られない。たとえば、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させるとともに、他方の情報量を減少させてもよい。この場合、符号化データの情報量が変化しないように制御してもよい。また、ビタビ符号、および、リードソロモン符号の各々の情報量を増加させてもよい。
【0142】
また、上記第1、第2、第4、第5実施形態では、単一の受信機側アンテナ7および単一の送信機側アンテナ15が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3実施形態と同様に、複数ずつの(たとえば、2本ずつ)のアンテナが設けられている構成であってもよい。
【0143】
また、上記第4実施形態では、色彩データの間引きを行う場合と、間引きを行わない場合とが、交互に繰り返される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、色彩データの間引きが行われる場合が2回連続した後に、間引きが行われない場合が2回連続することを、交互に繰り返してもよい。
【0144】
また、上記第4実施形態では、色彩データの半分を間引く例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、色彩データの1/3を間引いてもよい。
【0145】
また、上記第1〜第5実施形態では、無線信号の符号誤り率に基づいて、誤り訂正情報の情報量の制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線信号のCN比に基づいて、誤り訂正情報の情報量の制御を行う構成であってもよい。
【0146】
また、上記第1、および、第4実施形態では、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させるとともに、符号誤り率が小さくなる方を選択する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させた場合でも、符号誤り率が所定のしきい値以上であれば、再度、ビタビ符号、または、リードソロモン符号のうちのいずれか一方の情報量を増加させる制御を行ってもよい。
【0147】
また、上記第3実施形態では、第1受信機側アンテナ17aを介して受信機側無線通信部31aに受信された無線信号の符号誤り率、および、第2受信機側アンテナ17bを介して受信機側無線通信部31bに受信された無線信号の符号誤り率の各々が、所定のしきい値以上である場合に、誤り訂正情報の情報量の制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1受信機側アンテナ17aを介して受信された無線信号の符号誤り率、または、第2受信機側アンテナ17bを介して受信された無線信号の符号誤り率のいずれか一方が所定のしきい値以上である場合に、符号誤り率が所定のしきい値以上である一方の無線信号が、符号誤り率が所定のしきい値よりも小さい他方の無線信号に変更されるように構成されていてもよい。
【0148】
また、上記第2、および、第3実施形態では、符号化データの制御を行う際に、符号化データの情報量を変化させない制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、符号化データの制御を行う際に、符号化データの情報量を変化させてもよい。
【0149】
また、上記第3実施形態では、無線受信機500および無線送信機600の各々が、2本ずつアンテナを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線受信機500および無線送信機600の各々が、3本以上ずつアンテナを有していてもよい。
【0150】
また、上記第1〜第5実施形態では、説明の便宜上、本発明の制御の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。