特許第6801342号(P6801342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6801342再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6801342
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20201207BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20201207BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20201207BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20201207BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20201207BHJP
   B65D 33/20 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B32B27/00 A
   B32B27/00 H
   B32B27/20 Z
   B32B27/30 B
   B32B27/32 E
   B65D65/40 D
   B65D33/20
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-190642(P2016-190642)
(22)【出願日】2016年9月29日
(65)【公開番号】特開2018-51927(P2018-51927A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】高杉 祐也
(72)【発明者】
【氏名】大和 洋平
【審査官】 清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−213053(JP,A)
【文献】 特開2004−122374(JP,A)
【文献】 特表2009−532559(JP,A)
【文献】 特開2012−051644(JP,A)
【文献】 特開2009−214524(JP,A)
【文献】 特開2006−123330(JP,A)
【文献】 特開2007−331807(JP,A)
【文献】 特開2004−075181(JP,A)
【文献】 特開平08−072210(JP,A)
【文献】 特開2012−210962(JP,A)
【文献】 特表2004−528408(JP,A)
【文献】 特表2013−514403(JP,A)
【文献】 特開2016−005903(JP,A)
【文献】 特開2018−058330(JP,A)
【文献】 特開2016−132698(JP,A)
【文献】 特開2018−053104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B65D 30/00−33/38
65/00−65/46
67/00−79/02
81/18−81/30
81/38
85/88
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともデッドホールド層と、粘着樹脂層と、ヒートシール層とを、この順に積層して有するシーラントフィルムであって、
前記デッドホールド層が、環状ポリオレフィンを含有する樹脂層であり、
前記粘着樹脂層が、スチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤を含有する樹脂層であることを特徴とする再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム。
【請求項2】
前記粘着樹脂層が、10〜35質量%のスチレンモノマー、30〜60質量%のスチレンブロック共重合体および5〜60質量%の粘着付与剤を含有する樹脂層である請求項1記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム。
【請求項3】
前記スチレンブロック共重合体が、スチレンと、他のコモノマーとのブロック共重合体であり、該他のコモノマーが、イソプレン、ブタジエンおよびブチレンから選ばれる一種である請求項1または2記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム。
【請求項4】
前記粘着付与剤が、ロジン、水素化ロジン、ロジン誘導体、水素化ロジン誘導体、ロジンエステル、ポリテルペン、フェノールテルペンおよびフェノールテルペン誘導体から選ばれる一種または二種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム。
【請求項5】
前記粘着樹脂層が、さらに無機フィラーを含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム。
【請求項6】
前記デッドホールド層がオレフィン系樹脂であり、該オレフィン系樹脂に前記環状ポリオレフィンを10〜50質量パーセント含み、
前記ヒートシール層がオレフィン系樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルムの前記デッドホールド層の側に、接着剤層を介して基材層を重ね合わせたことを特徴とする積層体。
【請求項8】
請求項7記載の積層体からなることを特徴とする蓋材。
【請求項9】
請求項8記載の蓋材と、該蓋材とヒートシールされる底材とを備え、該底材の表層が前記蓋材のヒートシール層と同種のヒートシール層を有することを特徴とする容器。
【請求項10】
請求項7記載の積層体からなることを特徴とする包装材。
【請求項11】
請求項10記載の包装材からなることを特徴とする包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム、積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋に関する。より詳しくは、蓋材と底材とを備える容器や、包装材を用いた包装袋を一度開封した後に、ヒートシールされた部分を押圧することにより再封することができ、かつ、開封したままの形状を維持できるシーラントフィルム、積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
ハムやポテトチップス等の食品や、各種の医薬品に用いられる容器や包装袋に関し、一度開封した後で再度封止する(以下、「再封」ともいう。)ことができるものがある。例えば粘着樹脂層を有する積層フィルムを容器の蓋材または包装袋の包装材に用い、当該粘着樹脂層の粘着性により蓋材と底材とが再封可能な容器や、包装材同士が再封可能な包装袋がある。
このような粘着樹脂層を有する再封機能付きの包装体に関し、表面樹脂層と、粘着樹脂層と、剥離樹脂層と、ヒートシール樹脂層とがこの順に積層され、粘着付与樹脂がスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与剤とを含む蓋材およびそれを用いた包装体がある(特許文献1)。
【0003】
また、容器や包装袋に関し、これを折り返して開封した際、開封したままの形状を保持でき、静置したままでは元の状態に戻らないという特性(以下、「デッドホールド性」ともいう。)を有するものがある。
このようなデッドホールド性を有する積層体に関し、紙層と、紙層の裏面にシーラント層とを設けた積層構成の周縁にタブを有する蓋材がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5106795号公報
【特許文献2】特開2001−10657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の蓋材および包装体は、再封後の開封強度が低く、特に開封と再封を繰り返した後の開封強度が低かった。また、特許文献1に記載された蓋材および包装体は剥離樹脂層が必須であり、この剥離樹脂層により蓋材または包装袋の製造時の加工性が十分ではない場合があった。また、特許文献2に記載の蓋材は、デッドホールド性に寄与する紙層がシーラント層と異質な材料であり、紙層とシーラント層とを共押出によって製造することができなかった。また、紙であると内容物が視認できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、再封後の開封強度が高く、開封と再封を繰り返しても開封強度が高く、実用上加工性に問題がなく、デッドホールド性を有するシーラントフィルム積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、粘着樹脂層を有するシーラントフィルム、積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋について鋭意研究を重ねた結果、少なくともデッドホールド層、粘着樹脂層、ヒートシール層とを、積層してシーラントフィルムを構成し、当該デッドホールド層が環状ポリオレフィンを含有する樹脂層であり、当該粘着樹脂層がスチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤を含有する粘着樹脂層であることにより、当該シーラントフィルムを用いた容器または包装袋が、デッドホールド性を有し、かつ、再封後の開封強度が高く、開封と再封を繰り返しても開封強度が高いことを見出した。
【0008】
本発明は、上記の知見に基づくものである。
本発明の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルムは、少なくともデ
ッドホールド層と、粘着樹脂層と、ヒートシール層とを、この順に積層して有するシーラントフィルムであって、
前記デッドホールド層が、環状ポリオレフィンを含有する樹脂層であり、
前記粘着樹脂層が、スチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤を含有する樹脂層であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の積層体は、上記記載の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルムの上記デッドホールド層の側に、接着剤層を介して基材層を重ね合わせたことを特徴とする。
また、本発明の蓋材体は、上記記載の積層体からなることを特徴とする。
また、本発明の容器は、上記記載の蓋材と、該蓋材とヒートシールされる底材とを備え、該底材の表層が上記蓋材のヒートシール層と同種のヒートシール層を有することを特徴とする。
また、本発明の包装材は、上記記載の積層体からなることを特徴とする。
また、本発明の包装袋は、上記記載の包装材からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、再封後の開封強度が高く、開封と再封を繰り返しても開封強度が高く、デッドホールド性を有するシーラントフィルム、積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルムの一実施形態の模式的な断面図である。
図2】本発明の積層体の一実施形態の模式的な断面図である。
図3】本発明の容器の一実施形態の模式的な断面図である。
図4】本発明の容器の一実施形態の開封時の模式的な断面図である。
図5】本発明の包装袋の一実施形態の模式的な断面図である。
図6】本発明の包装袋の一実施形態の開封時の模式的な断面図である。
図7】本発明の包装袋の別の実施形態の模式的な断面図である。
図8】本発明の包装袋の別の実施形態の開封時の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム(以下、単に「シーラントフィルム」とも称する。)、積層体、蓋材、容器および包装袋の実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。
【0013】
[シーラントフィルム]
図1に、本発明のシーラントフィルムの一実施形態の模式的な断面図を示す。図1において、シーラントフィルム1は、多層フィルムよりなり、デッドホールド層2と、粘着樹脂層3と、ヒートシール層4とを、この順に積層して有している。
シーラントフィルム1の粘着樹脂層3は、スチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤を含有する樹脂層である。
【0014】
シーラントフィルム1は、剥離樹脂層を有していないことから、この剥離樹脂層による積層体の製造時や容器、包装袋の製造時における加工性の低下を招くことがなく、実用上十分な加工性を有している。また、シーラントフィルム1は、粘着樹脂層3が、スチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤を含有する樹脂からなることにより、再封後の開封強度が高く、開封と再封を繰り返しても開封強度が高い、再封性シーラントフィルムが得られる。
【0015】
また、シーラントフィルム1は、デッドホールド層2を有することから、このデッドホールド層2により、良好なデッドホールド性を有している。そして、シーラントフィルム1は、デッドホールド性と上述した再封性とが相まって、容器や包装袋を開封したときは開封された形状を維持することができるので、容器や包装袋の内容物を容易に取り出すことができ、また、その後に容器の包装袋の開封部分を再度封止することができるので、内容物の保存性に優れている。したがって、シーラント1により食品や医薬品等の用途に好適な蓋材や包装材を得ることができる。
さらに、シーラントフィルム1は、紙層を含まないので、シーラントフィルム1を用いた容器や包装袋は、デッドホールド性を有しつつ、内容物を視認することができる。
【0016】
また、シーラントフィルム1のデッドホールド層2は、積層体の製造中においては粘着樹脂層を覆うことにより当該粘着樹脂層を保護することができる。また、シーラントフィルム1は、デッドホールド層2を有することから、シーラントフィルム1を用いた積層体の厚さを相対的に厚くすることができる。したがって、シーラントフィルム1は、容器に用いられる蓋材の一部として好適である。
【0017】
シーラントフィルム1の厚さは、積層体の一部として当該シーラントフィルムが用いられる蓋材や包装材に求められる厚さに適宜調整することができ、20〜200μm程度とすることができる。
【0018】
(粘着樹脂層)
粘着樹脂層3は、上記スチレンモノマーが10〜35質量%、上記スチレンブロック共重合体が30〜60質量%、上記粘着付与剤が5〜60質量%で含むことが好ましい。スチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤が、上記数値範囲で含まれることにより、特に高い開封強度が得られる。より好ましくは、スチレンモノマーが15〜30質量%、上記スチレンブロック共重合体が35〜60質量%、上記粘着付与剤が5〜25質量%である。
なお、粘着樹脂層3はスチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤以外の添加剤等を含むことができる。例えば無機フィラーを含むことができる。無機フィラーを含むことにより、ブロッキングを抑制することができる。無機フィラーは、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素繊維、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。粘着樹脂に対する無機フィラーの配合量は、0.1〜2.5質量%とすることができる。
【0019】
粘着樹脂層3のスチレンブロック共重合体は、スチレンと、他のコモノマーとのブロック共重合体であり、他のコモノマーは、イソプレン、ブタジエンおよびブチレンから選ばれる一種であることが好ましい。イソプレンである場合、スチレンブロック共重合体は、鎖状のイソプレンの両端にスチレンが重合したスチレン−イソプレン−スチレン型のブロック共重合体である。同様に、ブタジエンの場合、スチレン−ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体であり、ブチレンの場合、スチレン−ブチレン−スチレン型のブロック共重合体である。
【0020】
粘着樹脂層3の粘着付与剤は、例えば、ロジン、水素化ロジン、ロジン誘導体、水素化ロジン誘導体、ロジンエステル、ポリテルペン、フェノールテルペンおよびフェノールテルペン誘導体のから選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
【0021】
粘着樹脂層3の粘着付与剤は、軟化点が5〜150℃であることが好ましい。軟化点が5〜150℃であることにより、粘着樹脂層3の粘着性を適切に調整することができる。
【0022】
上述したスチレンモノマー、スチレンブロック共重合体および粘着付与剤を含有する粘着樹脂は、メルトフローレートMFR(230℃、2.16kg)が、2〜100g/10minであることが好ましい。より好ましくは、2〜40g/10minである。
【0023】
粘着樹脂層に好適に用いられる粘着樹脂は、上記成分組成を有する例えばBostik SAの商品名MWW65が挙げられる。
粘着樹脂層3の厚さは10〜40μm程度であることが好ましい。厚さが10〜40μm程度であることにより、粘着機能を十分に発揮させることができる。
【0024】
(ヒートシール層)
ヒートシール層4は、シーラントフィルムを含む積層体(後で詳述する)を蓋材または包装材に用いた容器または包装袋において、容器の底材と封止し、または包装袋の包装材同士で封止するための層である。熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂層であるヒートシール層4に用いられる樹脂としては、オレフィン系樹脂が好ましく、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他等の不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、その他等の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
【0025】
本発明のシーラントフィルム1は、後述する積層体11として、容器の蓋材や包装袋の包装材として用いられる。したがって、ヒートシール層4は、容器の底材の表層(シール層)と同一の樹脂であること等、用途に応じて適切な樹脂とすることが好ましい。かかる観点から、ヒートシール層4は、上掲したオレフィン系樹脂のうち、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。具体的にポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。より好ましくは低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0026】
また、ポリプロピレンとしては、ホモポリマーよりなるホモポリプロピレン、ランダムコポリマーからなるランダムポリプロピレン、ブロックコポリマーからなるブロックポリプロピレンのいずれも用いることができる。
【0027】
ヒートシール層4の厚さは、特に限定はないが1〜100μm程度とすることが好ましい。好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。
【0028】
(デッドホールド層)
デッドホールド層2は、本実施形態のシーラントフィルム1を含む積層体において、接着剤層を介して基材層と重ね合わされる層であって、環状ポリオレフィンを含有する樹脂層である。デッドホールド層に含有される環状ポリオレフィンは硬質の樹脂であって形状保持性に優れるため、シーラントフィルム1はデッドホールド性を有する。
【0029】
デッドホールド層2は、シーラントフィルムの製膜時または製膜後の積層体として加工性(曲げやすさ等)を十分に有し、また、粘着樹脂層との層間強度が十分に得られる樹脂と、環状ポリオレフィンとの混合樹脂(ブレンド)が好ましく、具体的にはオレフィン系樹脂と、環状ポリオレフィンとの混合樹脂が好ましい。
デッドホールド層2を構成する樹脂において、環状ポリオレフィンは、10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。環状ポリオレフィンが10質量%以上で、充分なデッドホールド性が得られる。環状ポリオレフィンが50質量%以下で、良好な製膜性が得られ、また、製膜した樹脂層の良好な耐久性が得られる。
【0030】
デッドホールド層2を構成する樹脂に含まれるオレフィン系樹脂は、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他等の不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等の1種ないしそれ以上からなる樹脂を挙げることができる。
【0031】
デッドホールド層2のオレフィン系樹脂は、なかでも、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。また、ポリプロピレンとしては、ホモポリマーよりなるホモポリプロピレン、ランダムコポリマーからなるランダムポリプロピレン、ブロックコポリマーからなるブロックポリプロピレンのいずれも用いることができる。製膜性の観点から、デッドホールド層2のオレフィン系樹脂は、より好ましくは低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0032】
デッドホールド層を構成する樹脂に含まれる環状ポリオレフィンは、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体(COP)、及び、環状オレフィンとα−オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、すなわち環状オレフィンコポリマー(COC)を包含する。
【0033】
環状オレフィンとしては、エチレン系不飽和結合及びビシクロ環を有する任意の環状炭化水素を使用することができるが、特にビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)骨格を有するものが好ましい。
具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン及びその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン及びその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン及びその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン及びその誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。環状オレフィンは、置換基として、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸無水物基等の極性基を有していてもよい。
【0034】
環状オレフィンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンを使用することができ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、好ましくはエチレンである。
【0035】
本発明において、開環メタセシス重合体の製造は、公知の開環メタセシス重合反応であれば特に限定されず、上記の環状オレフィンを、重合触媒を用いて開環重合させることによって製造することができる。
また、環状オレフィンコポリマーの製造は、25〜45モル%のα−オレフィンと、55〜75モル%の環状オレフィンとを、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒やマルチサイト系触媒を用いてランダム重合させることによりなされる。
【0036】
本発明において好適に使用される開環メタセシス重合体及び環状オレフィンコポリマーは、いくつか市販されており、例えば日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR(登録商標)」やポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS(登録商標)」等が挙げられる。
デッドホールド層2を構成する樹脂における環状ポリオレフィンの配合比率は、10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。環状ポリオレフィンの配合比率が10質量%以上で、充分なデッドホールド性が得られる。一環状ポリオレフィンの配合比率が50質量%以下で良好な製膜性が得られ、)また、製膜した樹脂層の良好な耐久性やヒートシール性が得られる。
【0037】
デッドホールド層2の厚さは、特に限定はないが1〜100μm程度とすることが好ましい。好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。
【0038】
(中間層)
シーラントフィルム1は、上述したデッドホールド層2、粘着樹脂層3およびヒートシール層4以外の層を有することができる。例えば、デッドホールド層2と粘着樹脂層3との間に中間層を有することができる。また、粘着樹脂層3とヒートシール層4との間に中間層を有することができる。さらに、デッドホールド層2と粘着樹脂層3との間に第1の中間層を、粘着樹脂層3とヒートシール層4との間に第2の中間層を、それぞれ有することができる。この場合、第1の中間層と第2の中間層とは、同種の材料であってもよいし、別の材料であってもよい。中間層、第1の中間層、第2の中間層は、例えば上述したオレフィン系樹脂とすることができる。
【0039】
中間層の具体例としては、ヒートシール層4が直鎖状低密度ポリエチレンである場合に、粘着樹脂層3とヒートシール層4との間の中間層が低密度ポリエチレンである構成とすることができる。
【0040】
(シーラントフィルムの製造方法)
シーラントフィルム1は、例えば、デッドホールド層2と粘着樹脂層3とヒートシール層4とを共押出製膜で製造することができる。共押出製膜は、インフレーション法、キャスト法のいずれも用いることができる。上述した中間層を有するシーラントフィルムの場合も共押出製膜で製造することができる。
【0041】
共押出製膜後、デッドホールド層2の表面は、接着性の向上のために、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を向上させる表面処理を施してもよい。
【0042】
シーラントフィルムの製造に際し、粘着樹脂層3の粘着樹脂は、表面が無機フィラーでコーティングされていることが好ましい。粘着樹脂の表面が無機フィラーでコーティングされていることにより、ブロッキングを抑制することができる。無機フィラーは、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素繊維、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。粘着樹脂に対する無機フィラーの配合量は、0.5〜2.5質量%とすることができる。
【0043】
[積層体]
本発明の積層体の一実施形態を、図2を用いて説明する。図2は、本発明の積層体の一実施形態の模式的な断面図である。図示した積層体11は、上述したデッドホールド層2、粘着樹脂層3およびヒートシール層4を有するシーラントフィルム1の当該デッドホールド層2の側に、基材層5が接着剤層6を介して重ね合わされている。かかる積層体11は、容器の蓋材や包装袋の包装材として用いることができる。
【0044】
(基材層)
基材層5として、蓋材、包装材の基材に用いられる樹脂を適宜使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリブテン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、MXD6等、セロファン、防湿セロファン等からなるフィルムを使用することができる。
【0045】
上掲した樹脂フィルムのなかでも、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも言う。)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂;ポリカプロンアミド(ナイロン6)、ポリへキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等は好ましい。特に、PETフィルムは、透明性が高く、寸法安定性、耐熱性に優れていること等から、基材層5に、より好ましい。上掲ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂は,それらの混合物であってもよい。
【0046】
基材層5は、樹脂フィルムを2層以上積層した多層フィルムであってもよい。多層フィルムである場合、各層は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
【0047】
これらの樹脂フィルムは無延伸フィルムでもよいが、透明性等の観点から好ましくは一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムが用いられる。フィルムの厚さは特に限定されないが、5〜500μm程度、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜100μmである。
【0048】
基材層5は、さらに上記の樹脂フィルム層に、バリア層を積層させた積層構造でもよい。バリア層を積層させることで、内容物の重量減少や内容物の劣化を、効果的に抑制できる。
【0049】
バリア層は、例えば、アルミニウム箔等からなる金属箔、無機物または無機酸化物の蒸着膜、樹脂フィルム上に該蒸着膜を有する蒸着フィルム、または、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、MXD6等のガスバリア性樹脂からなる層、あるいはこれらの組み合わせであってよい
【0050】
食品の視認性を確保する観点からは、バリア層は透明であることが好ましく、無機酸化物の蒸着膜、または、プラスチックフィルム上に該蒸着膜を設けてなる無機酸化物蒸着フィルムが特に好適に使用される。蒸着膜を形成する無機酸化物としては、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する無機酸化物であればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物であるが、特に、ガスバリア性、生産効率等の点から、酸化アルミニウムおよび酸化珪素が好適に用いられる。
【0051】
基材層5の表面は、接着性の向上のために、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を向上させる表面処理を施してもよい。かかる表面処理は、基材層5の表面のうち、接着剤層6が形成される面に施される。
【0052】
(接着剤層)
接着剤層6は基材層5とシーラントフィルム1とを接着させるための層である。接着剤層6は、ドライラミネートに用いられる接着剤に限られず、押出ラミネートに用いられるアンカーコート剤を含む。押出ラミネートに用いられるアンカーコート剤の塗布量は、ドライラミネートに用いられる接着剤の塗布量よりも少ない利点がある。接着剤層6は、例えばウレタン系の接着剤やウレタン系のアンカーコート剤を用いることができる。
【0053】
押出ラミネートにおいては、アンカーコート剤が塗布された基材フィルムと、シーラントフィルム1との間に、デッドホールド層と接着可能な樹脂を溶融押出しすることができる。例えばデッドホールド層2がポリエチレンである場合、基材フィルムと、シーラントフィルムとの間に、ポリエチレンを溶融押出しすることができる。このように、積層体11は、シーラントフィルム1のデッドホールド層2と、接着剤層6との間に樹脂層を含むことができる。
(積層体の製造方法)
積層体11を製造するにあたり、上述したシーラントフィルム1と、基材フィルムとを、接着剤を用いたドライラミネートで貼り合わせることができる。また、上述したシーラントフィルム1と、アンカーコート剤層を形成した基材フィルムとを、溶融押出した樹脂を介してラミネートすることができる。溶融押出した樹脂は、積層体におけるアンカーコート剤とデッドホールド層との間の樹脂層となる。溶融押出した樹脂は、例えば上述したオレフィン系樹脂を用いることができる。
【0054】
[蓋材]
本発明の蓋材の一実施形態を、図3を用いて説明する。図3は、蓋材および底材を有する容器21の模式的な断面図である。上述した積層体11は、蓋材22と底材23により構成される容器21の当該蓋材22として用いることができる。蓋材22は、底材23の表層のヒートシール層24とヒートシールされて容器が封止される。蓋材22に用いられた積層体11のヒートシール層4と底材23の表層のヒートシール層24とは、同種の樹脂からなることが開封強度を高めることができるので好ましい。例えば積層体11のヒートシール層4がポリエチレンである蓋材22は、底材23の表層のヒートシール層24がポリエチレンである容器に用いられる。また、積層体11のヒートシール層4がポリプロピレンである蓋材22は、底材23の表層のヒートシール層24がポリプロピレンである容器に用いられる。
【0055】
[容器]
本発明の容器の一実施形態を、上述した図3を用いて説明する。本発明の容器21は、上述した本発明の蓋材22と、当該蓋材22とヒートシールされる底材23とを備えている。底材23の表層は、上述した蓋材22のヒートシール層4と同種のヒートシール層24を有することが好ましい。
【0056】
上述した蓋材22と底材23とをヒートシールした容器21について、蓋材22を開封したとき、図4に示すように、蓋材22は、粘着樹脂層3とヒートシール層4との間で分離する。したがって、開封後の蓋材22は粘着樹脂層3が表層として露出している。開封後の蓋材22を手で圧着することにより、粘着樹脂層3は底材23と粘着する。したがって、蓋材22および容器21は再封性を有している。
【0057】
容器21は、容器21を最初に開封した後に、蓋材22を手で圧着し、その後に蓋材22を再度開封したとき(以下、「一回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、一回目の再開封の開封強度は2.0〜7.0N/15mmである。
【0058】
また、容器21は、一回目の再開封後に、蓋材22を手で圧着し、その後に蓋材22を再度開封したとき(以下、「二回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、二回目の再開封の開封強度は0.9〜6.0N/15mmである。
【0059】
また、本発明の容器21は、二回目の再開封後に、蓋材22を手で圧着し、その後に蓋材22を再度開封したとき(以下、「三回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、三回目の再開封の開封強度は0.7〜4.5N/15mmである。
容器21は、三回目の再開封の開封強度が高く、開封−再封を繰り返しても高い開封強度を有している。
【0060】
[包装材]
本発明の包装材の一実施形態を、図2を用いて説明する。上述した積層体11は、そのまま包装材31に用いることができる。包装材31を用いて、ヒートシール層が内面になるような袋状にし、重ね合わされたヒートシール層同士をヒートシールすることにより、ピロー袋のような包装袋を得ることができる。また、包装材31と、他の包装材とを用いて、包装材31のヒートシール層と他の包装材のヒートシール層とを貼り合わせることにより、四方袋のような包装袋を得ることができる。
【0061】
[包装袋]
本発明の包装袋の一実施形態を、図5を用いて説明する。図5は、包装袋41の模式的な断面図である。包装袋41は、上述した積層体11を用いた包装材31のヒートシール層4同士がヒートシールされたものである。ヒートシール層4同士がヒートシールされて包装袋が封止されることは、同種の樹脂のヒートシールによりが開封強度を高めることができるので好ましい。
【0062】
ヒートシール層4同士をヒートシールした包装袋41を開封したとき、図6に示すように、包装材31の粘着樹脂層3とヒートシール層4との間で分離する。したがって、開封後は粘着樹脂層3が表層として露出している。開封後に包装材31を手で圧着することにより、粘着樹脂層3は分離した包装材31と粘着する。したがって、本発明の包装材31および包装袋41は再封性を有している。
【0063】
包装袋41は、包装袋41を最初に開封したときの開封強度に優れ、このときの開封強度は2.0〜30.0N/15mmである。また、包装袋41は、包装袋41を最初に開封した後に、手で圧着し、その後に包装袋41を再度開封したとき(以下、「一回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、一回目の再開封の開封強度は1.0〜8.0N/15mmである。
【0064】
また、包装袋41は、一回目の再開封後に、包装袋41を手で圧着し、その後に、包装袋41を再度開封したとき(以下、「二回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、二回目の再開封の開封強度は1.0〜7.5N/15mmである。
【0065】
また、包装袋は、二回目の再開封後に、包装袋41を手で圧着し、その後に包装袋41を再度開封したとき(以下、「三回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、三回目の再開封の開封強度は1.0〜6.0N/15mmである。
【0066】
また、包装袋は、三回目の再開封後に、包装袋41を手で圧着し、その後に包装袋41を再度開封したとき(以下、「四回目の再開封」という。)の開封強度に優れ、四回目の再開封の開封強度は1.0〜4.5N/15mmである。
【0067】
包装袋41は、四回目の再開封の開封強度が高く、開封−再封を繰り返しても高い開封強度を有している。
【0068】
図7に、本発明の包装袋の別の実施形態を示す。図7の包装袋42は、上述した積層体11を用いた包装材31と、上述した積層体11における粘着樹脂層3を有しない包装材32とを用意して、包装材31のヒートシール層4と、包装材32のヒートシール層4同士がヒートシールされたものである。包装袋42は、図8に示すように開封時にヒートシール層4と、隣接する粘着樹脂層3との間で分離するので、包装材31とヒートシールする包装材32は、粘着樹脂層3を有していなくても構わない。
【実施例】
【0069】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0070】
[実施例1]
デッドホールド層としての20質量%の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス株式会社製TOPAS8007F−600)と、80質量%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;宇部丸善ポリエチレン株式会社製125FN)との混合樹脂と、粘着樹脂層としてのスチレンブロックポリマー(Bostik SA製MWW65、スチレンモノマー12%質量、スチレンブロック共重合体60質量%及び粘着付与剤22.5質量%、残部は無機フィラー1.2質量%を含む)と、ヒートシール層としての低密度ポリエチレン(LDPE;宇部丸善ポリエチレン株式会社製F522)とを、多層インフレーション製膜法で共押出することにより、(環状ポリオレフィン+LLDPE)層/スチレンブロックポリマー層/LDPE層の順に積層されたシーラントフィルムを得た。デッドホールド層の(環状ポリオレフィン+LLDPE)樹脂層およびヒートシール層のLDPE層の厚さは10μm、スチレンブロックポリマー層の厚さは15μm、ヒートシール層のLDPE層の厚さは10μmだった。得られたシーラントフィルムのデッドホールド層の表面に、コロナ処理を施した。
【0071】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/デッドホールド層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層およびヒートシール層の厚さは10μm、粘着樹脂層の厚さは15μmだった。
【0072】
[実施例2]
実施例2は、基材の表面にアンカーコート剤層を有し、このアンカーコート剤層に対し、溶融押出による樹脂層を有する積層体の例である。
実施例1と同様にして、デッドホールド層(厚さ10μm)/スチレンブロックポリマー層(厚さ15μm)/LDPE層(厚さ10μm)の順に積層され、デッドホールド層の表面がコロナ処理されたシーラントフィルムを得た。このシーラントフィルムの層構成、厚さは実施例1のシーラントフィルムと同じである。
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を押出ラミネート機の1次給紙にセットした。このコロナ処理面に、2液型ウレタン系アンカーコート剤(三井化学株式会社製タケラックA3210/タケネートA3075)を厚さ0.3g/m(乾燥状態)となるようにコーティングし、100℃で2秒間加熱処理して、アンカーコート剤層を形成した。
【0073】
上記シーラントフィルムを当該押出ラミネート機の2次給紙にセットし上記積層フィルムのアンカーコート剤層と、上記シーラントフィルムのデッドホールド層との間に、Tダイから、厚さ15μmの低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株) LC600A)を設定温度330℃で溶融押出してラミネートし、PET層/接着剤層(アンカーコート剤層/樹脂層(LDPE層/)デッドホールド層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、樹脂層(LDPE層)の厚さは15μm、デッドホールド層およびヒートシール層の厚さは10μm、粘着樹脂層の厚さは15μmだった。
【0074】
[実施例3]
実施例3は、ヒートシール層に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた例である。
デッドホールド層としての20質量%の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス株式会社製TOPAS8007F−600)と、80質量%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;株式会社プライムポリマー製エボリューSP0540)との混合樹脂と、粘着樹脂層としてのスチレンブロックポリマー(Bostik SA製MWW65)と、ヒートシール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;株式会社プライムポリマー製エボリューSP0540)とを、多層インフレーション製膜により共押出し、(環状ポリオレフィン+LLDPE)樹脂層(厚さ15μm)/スチレンブロックポリマー層(厚さ15μm)/LLDPE層(厚さ15μm)の順に積層されたシーラントフィルムを得た。得られたシーラントフィルムのデッドホールド層の表面に、コロナ処理を施した。
【0075】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/デッドホールド層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層、粘着樹脂層およびヒートシール層の厚さは15μmだった。
【0076】
[実施例4]
実施例4は、デッドホールド層のオレフィン系樹脂が低密度ポリエチレンであり、シーラントフィルムが中間層を有する例である。
デッドホールド層としての20質量%の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス株式会社製TOPAS8007F−600)と、80質量%の低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製F522)との混合樹脂と、第1の中間層としての低密度ポリエチレン(LDPE;宇部丸善ポリエチレン株式会社製F522)と、粘着樹脂層としてのスチレンブロックポリマー(Bostik SA製MWW65)と、第2の中間層としての低密度ポリエチレン(LDPE;宇部丸善ポリエチレン株式会社製F522)と、ヒートシール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;株式会社プライムポリマー製エボリューSP0540)とを、多層インフレーション製膜により共押出し、(環状ポリオレフィン+LDPE)樹脂層(厚さ15μm)/LDPE層(厚さ15μm)/スチレンブロックポリマー層(厚さ15μm)/LDPE層(厚さ15μm)/LLDPE層(厚さ15μm)の構成を有するシーラントフィルムを得た。得られたシーラントフィルムのデッドホールド層の表面に、コロナ処理を施した。
【0077】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/デッドホールド層/中間層/粘着樹脂層/中間層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層、粘着樹脂層およびヒートシール層の厚さは15μmだった。
【0078】
[実施例5]
実施例5は、デッドホールド層のオレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、ヒートシール層が、ポリプロピレンである例である。
デッドホールド層としての20質量%の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス株式会社製TOPAS8007F−600)と、80質量%のメタロセン系ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製ウィンテックWFX4TA)との混合樹脂と、粘着樹脂層としてのスチレンブロックポリマー(Bostik SA製MWW65)と、ヒートシール層としてのメタロセン系ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製ウィンテックWFX4TA)とを、多層インフレーション製膜により共押出し、(環状ポリオレフィン+PP)層(厚さ15μm)/スチレンブロックポリマー層(厚さ15μm)/PP層(厚さ15μm)の構成を有するシーラントフィルムを得た。得られたシーラントフィルムのデッドホールド層の表面に、コロナ処理を施した。
【0079】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/デッドホールド層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層、粘着樹脂層およびヒートシール層の厚さは15μmだった。
【0080】
[比較例1]
比較例1は、シーラントフィルムが粘着樹脂層およびデッドホールド層を有していない例である。
デッドホールド層の代わりの樹脂層としての低密度ポリエチレン(LDPE;宇部丸善ポリエチレン株式会社製F522)と、ヒートシール層としての低密度ポリエチレン(LDPE;宇部丸善ポリエチレン株式会社製F522)とを、多層インフレーション製膜により共押出し、LDPE層(厚さ25μm)/LDPE層(厚さ25μm)の構成を有するシーラントフィルムを得た。得られたシーラントフィルムの樹脂層の表面に、コロナ処理を施した。
【0081】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、樹脂層およびヒートシール層の厚さは25μmだった。
【0082】
[比較例2]
比較例2は、シーラントフィルムがデッドホールド層および粘着樹脂層を有していない例であり、デッドホールド層の代わりの樹脂層がポリプロピレンであり、ヒートシール層がポリプロピレンである例である。
デッドホールド層の代わりの樹脂層としてのメタロセン系ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製ウィンテックWFX4TA)と、ヒートシール層としてのメタロセン系ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製ウィンテックWFX4TA)とを、多層インフレーション製膜により共押出し、PP層(厚さ25μm)/PP層(厚さ25μm)の構成を有するシーラントフィルムを得た。得られたシーラントフィルムの樹脂層の表面に、コロナ処理を施した。
【0083】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層およびヒートシール層の厚さは25μmだった。
【0084】
[比較例3]
比較例3は、従来の組成の粘着樹脂層を用いた例であり、デッドホールド層を有しない例である。
樹脂層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(株式会社クラレ製エバール105)と、6−66ナイロン樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ノバミッド2030)と、オレフィン系接着性樹脂(三井化学株式会社製アドマーNF558)とを、この順に3層で構成したものを用い、また、粘着樹脂層として、70質量%のスチレン系熱可塑性エラストマー(株式会社クラレ製セプトン2063)と、30質量%の粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製アルコンP−100)とを、2軸押出機で均一に混合した樹脂組成物を用い、さらに、剥離樹脂層として、非晶性ポリエステル樹脂(イーストマンケミカル株式会社製EASTAR PETG COPOLYESTER6763)を用い、さらにまた、ヒートシール層として、オレフィン系接着性樹脂(三井化学株式会社製アドマーSF715)に、滑剤としてエルカ酸アミドを1000ppm、アンチブロッキング剤として天然シリカを2000ppm添加混合した樹脂を用いて、それぞれの樹脂をこの順になるように、設定温度235℃で溶融共押出し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層(厚さ10μm)/6−66ナイロン樹脂層(厚さ20μm)/オレフィン系接着性樹脂層(厚さ10μm)/粘着樹脂層(厚さ20μm)/剥離樹脂層(厚さ5μm)/ヒートシール層(厚さ5μm)の6層構成を有するシーラントフィルムを得た。
【0085】
次に、基材層として、片面をコロナ処理した厚さ12mの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を用意した。このコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T/H−7)を、厚さ3.0g/m(乾燥状態)となるようにコーティングして接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層に、上記で得られたシーラントフィルムをドライラミネートして、PET層/接着剤層/エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物層/6−66ナイロン樹脂層/オレフィン系接着性樹脂層/粘着樹脂層/剥離樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。
【0086】
<リクローズ性試験>
実施例1〜5および比較例1〜3の各積層体からなる蓋材と、別途用意した底材とをヒートシールした後、底材から蓋材を開封し、その後に蓋材と底材とを圧着させてから、再度開封して再開封強度を測定する試験を次の要領で行った。
【0087】
実施例1〜5および比較例1〜3の各積層体のヒートシール層と、厚さ250μmであり表層がポリエチレンまたはポリプロピレンからなる底材の該表層とを重ね合わせ、セミオートマチックトレーシーラーM(中村産業株式会社製)を用いて、加熱温度140℃、圧力3kgf/cm、シール時間0.5秒の条件でトレーシールし、容器を得た。
得られた各容器のヒートシール部を、幅15mmの短冊状に切り出し、JIS K 6854に従って、25℃雰囲気下、引張速度300mm/分として、1回目の開封強度を測定した。容器は、蓋材の粘着樹脂層とヒートシール層との間で分離したため、開封強度は、粘着樹脂層とヒートシール層との層間接着強度のことであった。
【0088】
1回目の開封強度を測定後、剥がされた蓋材と底材とのヒートシール部を手で圧着させた。圧着後、再度開封し(一回目の再開封)、そのときの再開封強度を25℃雰囲気下、引張速度300mm/分として蓋材の粘着樹脂層とヒートシール層との粘着強度を測定した。この作業を二回目の再開封、三回目の再開封、四回目の再開封と繰り返し、各回の再開封強度とした。
得られた結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
表1から、実施例1〜5の容器は、複数回の再開封を経ても再開封の際の開封強度が2.0N/15mm以上であり、充分なリクローズ性を有するという、従来実現が困難であった性能を有していた。これに対し、粘着樹脂を用いていない比較例1,2の容器は、一度開封するとリクローズすることはできなかった。また、比較例3の容器は、粘着樹脂を用いているにもかかわらず、充分な強度でリクローズできるのは一回のみであった。
本発明の積層体や包装材を用いることにより、例えば食品の包装材を一回開封した後であっても十分な強度をもってリクローズすることができるので、食品等を、より長期に保存することが可能となる。
【0091】
<デッドホールド性試験>
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた各積層体について、ヒートシール層が外側に、基材層が内側になるようにして半分に折り曲げ、折り目を手で3回しごいた。折り曲げた積層体を25℃で30秒間放置し、折り曲げた状態を維持しているかを目視評価した。放置後に積層体が折り曲げ状態を維持していた場合を○、放置後に積層体が元の状態に復元しかけていた場合を×と評価し、試験結果を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
表2から実施例1〜5は、デッドホールド性を有することが分かる。
【0094】
[実施例6]
実施例6は、粘着樹脂層の組成を変えた例である。
粘着樹脂層として、スチレンブロックポリマー(密度0.94g/cm、スチレンモノマー20%質量、スチレンブロック共重合体40質量%及び粘着付与剤35質量%、残部は無機フィラー1.2質量%を含む)を用いた以外は実施例1と同様にしてPET層/接着剤層/デッドホールド層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層およびヒートシール層の厚さは10μm、粘着樹脂層の厚さは15μmだった。
得られた積層体とからなる蓋材と、別途用意した底材とをヒートシールした後、底材から蓋材を開封し、その後に蓋材と底材とを圧着させてから、再度開封して再開封強度を測定する試験を、実施例1と同様にして行った。
その結果、開封強度は17N/15mm、一回目の再開封強度は6.8N/15mm、二回目の再開封強度は5.9N/15mm、三回目の再開封強度は4.4N/15mm、四回目の再開封強度は3.8N/15mmであった。
また、実施例1と同様にしてデッドホールド性試験を行ったところ、試験後に積層体が折り曲げ状態を維持していて、デッドホールド性を有することが確認できた。
【0095】
[実施例7]
実施例7は、実施例6とは別に粘着樹脂層の組成を変えた例である。
粘着樹脂層として、スチレンブロックポリマー(スチレンモノマー14%質量、スチレンブロック共重合体30質量%及び粘着付与剤50質量%、残部は無機フィラー1.2質量%を含む)を用いた以外は実施例1と同様にしてPET層/接着剤層/デッドホールド層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、デッドホールド層およびヒートシール層の厚さは10μm、粘着樹脂層の厚さは15μmだった。
得られた積層体とからなる蓋材と、別途用意した底材とをヒートシールした後、底材から蓋材を開封し、その後に蓋材と底材とを圧着させてから、再度開封して再開封強度を測定する試験を、実施例1と同様にして行った。
その結果、開封強度は6.9N/15mm、一回目の再開封強度は5.5N/15mm、二回目の再開封強度は4.6N/15mm、三回目の再開封強度は4.2N/15mm、四回目の再開封強度は3.5N/15mmであった。
また、実施例1と同様にしてデッドホールド性試験を行ったところ、試験後に積層体が折り曲げ状態を維持していて、デッドホールド性を有することが確認できた。
【0096】
[実施例8]
実施例8は、包装袋の例である。
基材層として片面をコロナ処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製E−5100)を押出ラミネート機の1次給紙にセットした。この基材層のコロナ処理面に、2液型ウレタン系アンカーコート剤(三井化学株式会社製タケラックA3210/タケネートA3075)を厚さ0.3g/m(乾燥状態)となるようにコーティングし、100℃で2秒間加熱処理して、アンカーコート剤層を形成した。
【0097】
次に、アンカーコート剤層の面に、Tダイから、デッドホールド層としての20質量%の環状ポリオレフィン(ポリプラスチックス株式会社製TOPAS8007F−600)と、80質量%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;日本ポリエチレン株式会社製KC570S)との混合樹脂と、粘着樹脂層として厚さ15μmのスチレンブロックポリマー(Bostik SA製MWW65、密度0.96g/cm)と、ヒートシール層として厚さ10μmの直鎖状低密度ポリエチレン(融点96℃、密度0.927g/cm)と、を設定温度290℃で共押出ラミネートして、PET層/アンカーコート剤層/支持樹脂層/粘着樹脂層/ヒートシール層の順に積層された積層体を得た。積層体において、PET層の厚さは12μm、粘着樹脂層の厚さは15μm、支持樹脂層およびヒートシール層の厚さは10μmだった。
【0098】
得られた積層体について、ヒートシール層同士が対向するように折り畳み、ヒートシール層同士を重ね合わせ、加熱温度140℃、圧力1kgf/cm、シール時間1秒の条件でヒートシールし、包装袋を得た。
【0099】
得られた包装袋のヒートシール部を、幅15mmの短冊状に切り出し、JIS K 6854に従って、25℃雰囲気下、引張速度300mm/分として、1回目の開封強度を測定した。包装袋は、包装材の粘着樹脂層とヒートシール層との間で分離したため、開封強度は、粘着樹脂層とヒートシール層との層間接着強度のことであった。
【0100】
1回目の開封強度を測定後、包装袋のヒートシール部を手で圧着させた。圧着後、再度開封し(一回目の再開封)、そのときの再開封強度を25℃雰囲気下、引張速度300mm/分として包装材の粘着樹脂層とヒートシール層との粘着強度を測定した。この作業を二回目の再開封、三回目の再開封、四回目の再開封と繰り返し、各回の再開封強度とした。
【0101】
その結果、開封強度は18N/15mm、一回目の再開封強度は7.3N/15mm、二回目の再開封強度は6.7N/15mm、三回目の再開封強度は5.9N/15mm、四回目の再開封強度は4.1N/15mmであった。
また、実施例8で得られた積層体について、ヒートシール層が外側に、基材層が内側になるようにして半分に折り曲げ、折り目を手で3回しごいた。折り曲げた積層体を25℃で30秒間放置し、折り曲げた状態を維持しているかを目視評価した。その結果、放置後に積層体が折り曲げ状態を維持していて、デッドホールド性を有することが確認できた。
【0102】
以上、実施の形態および実施例を用いて本発明のシーラントフィルム、積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋を具体的に説明したが、本発明のシーラントフィルム、積層体、蓋材、容器、包装材および包装袋は、これらの実施形態および実施例の記載に限定されることなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 シーラントフィルム
2 デッドホールド層
3 粘着樹脂層
4 ヒートシール層
11 積層体
21 容器
22 蓋材
23 底材
31 包装材
32 包装材
41 包装袋
42 包装袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8