特許第6801358号(P6801358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6801358
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】配列型表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20201207BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20201207BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20201207BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   G02B5/02 B
   G09F9/33
   G09F9/40 301
   G09F9/00 313
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-205654(P2016-205654)
(22)【出願日】2016年10月20日
(65)【公開番号】特開2018-66871(P2018-66871A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2019年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】関口 博
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正浩
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−145682(JP,A)
【文献】 特開2000−056105(JP,A)
【文献】 特開2000−029406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00−5/136
G09F 9/00
G09F 9/33
G09F 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する複数の発光素子が設けられた表示部と、前記表示部の出射面の側に配置される光学シートとを備える表示装置を、複数備える配列型表示装置であって、
前記光学シートは、
前記発光素子から発せられた光が入射する第1面及び光が出射する第2面を有し、複数の前記発光素子の各々と対応する画素領域が複数設けられたシート本体と、
前記シート本体に設けられ、前記第1面から入射した光を拡散させる複数の拡散部と、
前記シート本体において、隣接する前記画素領域の間に配置された遮光部と、
前記シート本体の前記第2面側に設けられ、光透過性及び前記シート本体と同等の屈折率を有し、前記シート本体と前記表示部の前記出射面とを接合する接合層と、
を備え
前記表示装置の側面同士が隙間を介して対向するように設置され、
前記表示装置は、前記光学シートの側面に達した光を、前記側面から前記隙間を介して観察側に出射させる導光部を備えること、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配列型表示装置であって、
前記光学シートの厚さをH、隣接する前記画素領域の中心間の距離をPとした場合に、
50°<90°−arc・tan(H/(P/2))<70°
を満たすこと、
を特徴とする配列型表示装置
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の配列型表示装置であって、
複数の前記拡散部は、前記シート本体に離散的に配置されていること、
を特徴とする配列型表示装置
【請求項4】
請求項3に記載の配列型表示装置であって、
複数の前記拡散部は、前記シート本体の前記第2面の側に配置されていること、
を特徴とする配列型表示装置
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の配列型表示装置であって、
前記遮光部は、前記シート本体の厚さ方向に沿って延在し、側面に光反射層又は光吸収層を備えること、
を特徴とする配列型表示装置
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の配列型表示装置であって、
前記導光部は、第1傾斜面及び前記第1傾斜面と対向する第2傾斜面から構成される単位光学形状部を複数備えること、
を特徴とする配列型表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の配列型表示装置であって、
前記単位光学形状部は、前記光学シートの前記第1面側から前記第2面側に向かうにつれて、高さが段階的に低くなること、
を特徴とする配列型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLED(発光ダイオード)を基板上に配列したLED表示装置は、高輝度、大画面の表示装置として使用されている。このLED表示装置では、1つのLEDからなる画素が数mm程度の狭い間隔で配列されているが、LEDは指向性の強い明るい光を発するため、画素間の黒色空間が目立ち、解像度の低い画像に見えてしまうことがある。そこで、LEDから発せられた光を平行光に偏向した後、光学シートで拡散させることにより、画素間の黒色空間量を減らすようにした表示装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−503034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記表示装置では、画素間の黒色空間量は減少しているものの、依然として画素間の黒色空間は目立ちやすい。従って、LED表示装置においては、画素間の黒色空間をより目立たなくして、画質をより向上させることが求められている。
【0005】
本発明の課題は、画質をより向上させた配列型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、光を発する複数の発光素子が設けられた表示部の出射面の側に配置される光学シートであって、前記発光素子から発せられた光が入射する第1面(21a)及び光が出射する第2面(21b)を有し、複数の前記発光素子の各々と対応する画素領域(25)が複数設けられたシート本体(21)と、前記シート本体に設けられ、前記第1面から入射した光を拡散させる複数の拡散部(23)と、前記シート本体において、隣接する前記画素領域の間に配置された遮光部(24)と、前記シート本体の前記第2面側に設けられ、光透過性及び前記シート本体と同等の屈折率を有し、前記シート本体と前記表示部の前記出射面とを接合する接合層(22)と、を備える光学シート(20)である。
第2の発明は、第1の発明の光学シートであって、光学シートの厚さをH、隣接する画素(25)の中心間の距離をPとした場合に、50°<90°−arc・tan(H/(P/2))<70°を満たすこと、を特徴とする光学シート(20)である。
第3の発明は、第1又は第2の発明の光学シートであって、複数の前記拡散部(23)は、前記シート本体(21)に離散的に配置されていること、を特徴とする光学シート(20)である。
第4の発明は、第3の発明の光学シートであって、複数の前記拡散部(23)は、前記シート本体(21)の前記第2面(21b)の側に配置されていること、を特徴とする光学シート(20)である。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の光学シートであって、前記遮光部(24)は、前記シート本体(21)の厚さ方向に沿って延在し、側面に光反射層又は光吸収層を備えること、を特徴とする光学シート(20)である。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の光学シート(20)と、光を発する複数の発光素子(11)が設けられた表示部(10)と、を備える表示装置(1)である。
第7の発明は、第6の発明の表示装置(1)を複数備え、前記表示装置の側面同士が隙間を介して対向するように設置された配列型表示装置であって、前記表示装置は、前記光学シート(20)の側面に達した光を、前記側面から前記隙間を介して観察側に出射させる導光部(200)を備えることを特徴とする配列型表示装置(100)である。
第8の発明は、第7の発明の配列型表示装置であって、前記導光部(200)は、第1傾斜面(211)及び前記第1傾斜面と対向する第2傾斜面(212)から構成される単位光学形状部(210)を複数備えること、を特徴とする配列型表示装置(100)である。
第9の発明は、第8の発明の配列型表示装置であって、前記単位光学形状部(210)は、前記光学シート(20)の前記第1面(21a)側から前記第2面(21b)側に向かうにつれて、高さが段階的に低くなること、を特徴とする配列型表示装置(100)である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画質をより向上させた列型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の表示装置1の分解斜視図である。
図2】表示装置1の部分断面図である。
図3】表示部10の平面図である。
図4】光学シート20の平面図である。
図5】表示部10と光学シート20とを重ね合わせた表示装置1の平面図である。
図6】配列型表示装置100の外観図である。
図7図6のX−X線断面図である。
図8】導光部200の他の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態ついて説明する。なお、本明細書に添付した図面においては、理解しやすさ等を考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更又は誇張している。また、図面においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
本明細書等において、形状、幾何学的条件、これらの程度を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「方向」等については、その用語の厳密な意味に加えて、同様の光学的機能を奏し、ほぼ平行、ほぼ直交等とみなせる程度の範囲、概ねその方向とみなせる範囲を含む。
【0010】
図1は、本実施形態の表示装置1の分解斜視図である。図2は、表示装置1の部分断面図である。図2は、図1に示す表示装置1のZ−Y平面と平行な断面の一部を示している。図3は、表示部10の平面図である。図4は、光学シート20の平面図である。図5は、表示部10と光学シート20とを重ね合わせた表示装置1の平面図である。
なお、各図においては、表示装置1の画面に平行であって、互いに直交する2方向をX(X1−X2)方向、Y(Y1−Y2)方向とし、画面と直交する方向をZ方向とする。Z(Z1−Z2)方向において、Z1側が背面側となり、Z2側が観察側となる。
【0011】
図1に示すように、表示装置1は、表示部10と、光学シート20と、を備える。本実施形態の表示装置1は、表示部10から出射した光により形成される種々の情報(例えば、文字、図形、模様、パターン等)を光学シート20で拡散させ、観察側に映像として表示する装置である。
【0012】
表示部10は、図2に示すように、観察側(Z2側)の出射面10aに光を発する複数のLED11が埋め込まれたマクロLEDアレイである。LED11は、赤、緑及び青のうちのいずれか1色を発する発光素子であり、各色が規則的に配置されている。LED11は、図3に示すように、出射面10a上において、互いに直交するX方向及びY方向に等間隔で配置されている。図3において、二点鎖線で示す範囲は、表示部10の出射面10a上に接合層22(後述)を介して光学シート20と重ね合わせたときに、LED11と対応する画素領域25の範囲を示している(以下、表示装置1において画素領域25に相当する領域を「画素」ともいう)。なお、図示していないが、表示部10の出射面10aには、光の反射を抑制した黒色の光吸収層が全面に形成されている。
【0013】
光学シート20は、表示部10の出射面10a側に配置される光学部材である。光学シート20は、表示部10から発せられた光を導光方向(後述)に導きながら、出射面となる第2面21b(後述)から観察側(Z2側)へ出射させる機能を有する。
【0014】
図2に示すように、光学シート20は、シート本体21と、接合層22と、拡散部23と、遮光部24と、を備える。
シート本体21は、第1面21a及び第1面21aと反対側の第2面21bを有するシート状の透明部材である。第1面21aは、LED11(表示部10)から発せられた光が入射する面である。第2面21bは、シート本体21に入射した光が出射する面である。
【0015】
図2に示すように、シート本体21の第2面21bには、拡散部23(後述)と、拡散部23のない領域と、が混在している。シート本体21の第1面21aから入射した光のうち、第2面21bに対する入射角が臨界角未満となる光は、拡散部23では拡散され、第2面21bから観察側(Z側)に出射する。また、前記光は、拡散部23のない領域では第2面21bで屈折して観察側に出射する。
【0016】
一方、シート本体21に入射した光のうち、第1面21aに対する入射角が臨界角以上となる光は、第1面21aにおいて、第2面21bに向けて全反射する。第1面21a及び第2面21bは、シート本体21の厚さ方向(Z方向)において平行であるため、これらの面に対する入射角が臨界角以上となる光は、第1面21aと第2面21bとの間で全反射を繰り返しながら、導光方向である面方向(X−Y平面)に導かれる。導光方向に導かれた光の一部は、拡散部23で拡散され、第2面21bから観察側に出射する。
シート本体21は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等により形成される。シート本体21の厚さは、例えば、0.3〜5mmの範囲とすることが好ましい。
【0017】
接合層22は、表示部10の出射面10aとシート本体21の第1面21aとの間を接合する層である。接合層22は、例えば、透明接着シート、透明接着剤等により形成される。接合層22の厚さは、例えば、10〜50μmの範囲とすることが好ましい。なお、接合層22は、例えば、光透過率が80%以上であれば透明でなくてもよく、着色されていてもよい。
接合層22の屈折率は、シート本体21と同等であることが好ましい。接合層22の屈折率をシート本体21と同等とすることにより、接合層22からシート本体21の第1面21aに入射する光の屈折を小さくして、光をより真っ直ぐ進行させることができる。
【0018】
後述するように、本実施形態の表示装置1では、シート本体21の内部において、光を所望の範囲に拡散させるために、光学シート20の厚さHと、表示部10のX−Y方向に隣接するそれぞれのLED11の中心間の距離Pとが適切な数値に設定されている。このように、光を所望の範囲に拡散させるためには、光を設計通りの角度で進行させる必要がある。接合層22の屈折率をシート本体21と同等として、接合層22からシート本体21に入射する光の屈折を小さくすることにより、シート本体21の内部において、光を設計通りの角度で進行させることが可能となる。なお、接合層22の屈折率は、例えば、シート本体21の屈折率に対して、−5〜+5%の範囲とすることが好ましい。
【0019】
シート本体21の第2面21bには、複数の拡散部23が配置されている。拡散部23は、第1面21aから入射した光を拡散させ、第2面21bから出射させる機能を有する。拡散部23は、半透明の樹脂片により形成される。図4に示すように、複数の拡散部23は、シート本体21の第2面21bに離散的に配置されている。ここで、離散的とは、拡散部23が全体として連続的に配置されていないことを意味する。すなわち、拡散部23は、シート本体21の第2面21bにおいて、図4に示すようにランダムに配置されていてもよいし、規則的なパターン(例えば、格子状、千鳥状)で配置されていてもよい。
【0020】
拡散部23は、シート本体21に入射した光を拡散することができれば、どのような材質、形状であってもよい。例えば、拡散部23は、光拡散性を有するシート、フィルム等からなる樹脂片でもよい。また、拡散部23は、白色の樹脂片、白色の印刷層でもよい。このような光透過性を有しない拡散部23の場合、光は反射により拡散する。更に、拡散部23は、シート本体21の第2面21bに形成された凸部(ディンプル)であってもよい。
【0021】
拡散部23の大きさは、例えば、拡散部23を円形とした場合、平均直径は20〜200μm程度とすることが好ましい。また、表示部10の1画素の開口面積に占める拡散部23の面積(総和)の割合は、およそ10〜20%程度とすることが好ましい。
【0022】
本実施形態の光学シート20(シート本体21)は、複数の拡散部23が離散的に配置されているため、図5に示すように、表示部10(不図示)と重ね合わせると、拡散部23は、画素領域25(後述)の上だけでなく、隣接する画素領域25との間にも配置される。これによれば、LED11から発せられた光は、画素領域25の領域で拡散するだけでなく、隣接する画素領域25との間でも拡散する。そのため、表示装置1において、画素間の黒色空間を目立ちにくくすることができる。
【0023】
また、光学シート20は、複数の拡散部23が離散的に配置されているため、拡散部23により外光が散乱する割合を少なくすることができる。従って、拡散部23を離散的に配置していない場合(例えば、拡散部23をほぼ全面に配置した場合)に比べて、コントラストの低下を抑制することができる。
【0024】
遮光部24は、画素領域25で拡散した光の一部を隣接する画素領域25へ進行させ、その他の光が隣接する画素領域25へ進行するのを抑制する部材である。遮光部24は、例えば、カーボンブラック等の黒色微粒子を含んだ紫外線硬化型樹脂等により形成される。
【0025】
遮光部24は、図4に示すように、観察側(Z2側)から見たときに、互いに直交するX方向及びY方向に沿って格子状に形成されている。シート本体21において、遮光部24により区切られる正方形の各領域は、表示部10のLED11に対応する画素領域25の範囲を示している。
【0026】
図4に示すように、遮光部24は、X−Y方向において隣接するそれぞれの画素領域25の間に配置されている。そのため、遮光部24により区切られた1つの画素領域25の一辺の長さEは、X−Y方向において隣接するそれぞれの画素領域25の中心間の距離Pと等しくなる。なお、図4では、光学シート20の背面側に表示部10を重ね合わせたときのLED11の位置(2箇所)を模式的に示している。
【0027】
表示装置1をZ2側からZ1側に見たときに、X−Y方向において隣接するそれぞれの画素領域25の中心間の距離Pは、X−Y方向において隣接するそれぞれのLED11の中心間の距離と等しい(以下、X−Y方向において隣接するLED11の中心間の距離をPともいう)。
【0028】
遮光部24は、図2に示すように、シート本体21(光学シート20)の厚さ方向に沿って延在している。本実施形態において、遮光部24は、断面が細長い矩形状に形成されている。遮光部24は、背面側(Z1側)の端部がシート本体21の第1面21aと同じ位置にあり、観察側(Z2側)の端部が第2面21bよりも第1面21a側に位置している。LED11からシート本体21に入射した光の多くは、隣接する画素への進行が遮光部24により遮られるため、隣接する画素領域25に入射した光と画素間で混ざり合うことがない。従って、表示装置1は、画素間で画像がぼやけることがない。
【0029】
一方、遮光部24の観察側の端部がシート本体21の第2面21bと同じ位置にあると、入射した光のすべてが隣接する画素へ進行しなくなるため、表示装置1において、画素間の黒色空間が目立ちやすくなる。しかし、本実施形態の遮光部24は、図2に示すように、観察側の端部とシート本体21の第2面21bとの間に、光の進行が可能な領域を有するため、1つの画素領域25に入射した光の一部は、この領域から隣接する画素領域25へ進行する。これによれば、隣接する画素領域25へ進行した光は、同じく隣接する画素領域25から進行してきた光と混ざり合うため、表示装置1において、画素間の黒色空間を目立ちにくくすることができる。このように、本実施形態の遮光部24は、画素間を完全に分離しないため、表示装置1において、画素間で画像がぼやけることがなく、また画素間の黒色空間を目立ちにくくすることができる。
【0030】
また、図2に示すように、遮光部24の側面には、反射層24aが形成されている。遮光部24の側面に反射層24aを形成することにより、隣接する画素に向けて進行した光の一部を反射層24aで反射させて、再び同じ画素内に戻すことができるため、画素内に入射した光をより有効に利用することができる。なお、遮光部24において、反射層24aの代わりに光吸収層を形成してもよい。遮光部24の側面に光吸収層を形成することにより、遮光部24による遮光性をより高めることができる。
【0031】
ここで、光学シート20の厚さと、表示部10のX−Y方向に隣接するそれぞれのLED11の中心間の距離Pとの関係について説明する。
図2に示すように、光学シート20の厚さをH、表示部10のX−Y方向に隣接するそれぞれのLED11の中心間の距離をPとした場合に、
50°<90°−arc・tan(H/(P/2))<70°・・・(1)
を満たすように、光学シート20の厚さH及び表示部10におけるLED11の距離Pが設定されている。
【0032】
例えば、90°−arc・tan(H/(P/2))の値が50°の場合、光学シート20の厚さHは1.68mm、LED11の中心間の距離Pは4mmとなる。また、90°−arc・tan(H/(P/2))の値が70°の場合、光学シート20の厚さHは0.728mm、LED11の中心間の距離Pは4mmとなる。
【0033】
式(1)において、90°−arc・tan(H/(P/2))の値が50°に満たない場合、LED11の中心から延ばした垂線に対して50°以上に広がる光のほとんどは、隣接する画素の方向に十分な距離を移動することなしに、画素間に配置された遮光部24に遮られてしまう。これによれば、拡散部23で拡散する光が少なくなるのに加えて、前述した隣接する画素間での光の混ざり合いが生じにくくなるため、表示装置1において、画素間の黒色空間が目立ちやすくなる。
【0034】
一方、式(1)において、90°−arc・tan(H/(P/2))の値が70°を超える場合、LED11の中心から延ばした垂線に対して70°以上に広がる光のほとんどは、画素間に配置された遮光部24に遮られにくくなり、広い範囲に拡散するため、単位面積当たりの光量が低下してしまう。このように、70°以上に広がる光は、観察側(Z2側)に向かう光として利用されにくいため、観察者に明るい光として視認されにくくなる。
【0035】
従って、式(1)において、90°−arc・tan(H/(P/2))の値が50°以上70°以下を満たすように光学シート20の厚さ及び表示部10におけるLED11の距離Pを設定することにより、表示装置1において、画素間における黒色空間を目立ちにくくすることができる。また、単位面積当たりの光量の低下が抑制されるため、観察者に明るい光として視認されやすくなる。
なお、接合層22が十分に薄い場合(例えば、50μm以下の場合)には、シート本体21の厚さをHとしてもよい。
【0036】
上述した本実施形態の光学シート20及び表示装置1によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の光学シート20において、シート本体21の第1面21aから入射したLED11の光は、シート本体21に配置された複数の拡散部23により拡散される。これによれば、光学シート20は、LED11から発せられた光を、画素の部分だけでなく、画素間にも拡散させることができるため、表示装置1において、画素間の黒色空間を目立ちにくくすることができる。また、光学シート20において、シート本体21の第1面21aから入射した光の多くは、隣接する画素への進行が遮光部24により遮られ、隣接する画素に入射した光と画素間で混ざり合うことがないため、表示装置1において、画素間において画像がぼやけることがない。また、光学シート20の遮光部24は、画素間を完全に分離しないため、表示装置1において、画素間で画像がぼやけることがなく、また画素間の黒色空間を目立ちにくくすることができる。
従って、本実施形態の光学シート20及びこれを備えた表示装置1によれば、表示される映像の画質をより向上させることができる。
【0037】
本実施形態の表示装置1は、光学シート20の厚さをH、表示部10のX−Y方向に隣接するそれぞれのLED11の中心間の距離をPとした場合に、50°<90°−arc・tan(H/(P/2))<70°を満たすように光学シート20の厚さ及び表示部10におけるLED11の距離Pが設定されている。そのため、本実施形態の表示装置1によれば、画素間における黒色空間を目立ちにくくすることができる。また、表示装置1によれば、単位面積当たりの光量の低下が抑制されるため、観察者に明るい光として視認されやすくなる。
【0038】
本実施形態の光学シート20において、複数の拡散部23は、離散的に配置されている。これによれば、拡散部23において、外光が散乱する割合が少なくなるため、コントラストの低下を抑制することができる。
【0039】
本実施形態の光学シート20において、複数の拡散部23は、光学シート20(シート本体21)の第2面21bに配置されている。そのため、光学シート20は、拡散部23がシート本体21の内部に配置されている場合に比べて、入射した光をより広範囲に拡散させることができる。
【0040】
本実施形態の光学シート20において、遮光部24の側面には、反射層24aが形成されている。これによれば、シート本体21の第1面21aから入射した光の一部を反射層24aで反射させて、再び同じ画素内に戻すことができるため、入射した光をより有効に利用することができる。また、遮光部24の側面に光吸収層を形成した場合は、遮光部24による遮光性をより高めることができる。
【0041】
次に、本実施形態の配列型表示装置100について説明する。
図6は、本実施形態の配列型表示装置100の外観図である。図7は、図6のX−X線断面図である。図6及び図7では、先に説明した実施形態と同じ構成部材に同一符号を付して説明する。
【0042】
図6に示すように、配列型表示装置100は、4枚の表示装置1を組み合わせた大画面のディスプレイパネルである。4枚の表示装置1は、それぞれの対向する側面同士が隙間Sを介して接するように格子状に設置されている。各表示装置1は、表示部10の背面側において、連結用の部材(不図示)により固定されている。隙間Sは、隣接する表示装置1の側面同士を均等な間隔で対向させるために設けられている。
なお、配列型表示装置100に用いられる各表示装置1は、隣接する他の表示装置1と対向する側において、最も外側の遮光部24(図2参照)が省略されている。
【0043】
図7に示すように、表示装置1の側面には、導光部200が形成されている。導光部200は、光学シート20の側面に達した光を、その側面から隙間Sを介して観察側(Z2側)に出射させる機能を有する。導光部200は、表示装置1において、隣接する他の表示装置1と対向する2辺(X方向及びY方向)に形成されている。
【0044】
導光部200は、複数の単位光学形状部210により構成される。単位光学形状部210は、X方向(又はY方向)に沿って延在し、厚さ方向(Z方向)に沿って複数形成されている。単位光学形状部210は、隣接する他の表示装置1と対向する側に凸となるように、Z−Y平面と平行な断面が略三角形状に形成されている。単位光学形状部210は、第1傾斜面211と、この第1傾斜面211と対向する第2傾斜面212と、から構成される。
【0045】
第1傾斜面211は、表示部10から発せられ、側面に達した光Lが入射する面である。第1傾斜面211は、光学シート20の側面に対して上向きに進行してくる光Lと対向するように、斜め上方向(Z2方向)に向くように形成されている。
第2傾斜面212は、第1傾斜面211で全反射した光Lが出射する面である。第2傾斜面212は、X方向(又はY方向)と略平行となるように形成されている。
【0046】
単位光学形状部210は、図7に示すように、光学シート20の厚さ方向(Z方向)において、第1面21a側から第2面21b側に向かうにつれて、高さhが段階的に低くなるように形成されている(h1>h2>h3)。単位光学形状部210の高さhを段階的に低くするにより、第1面21a側に近い単位光学形状部210で反射した光Lが、第2面21b側に形成された単位光学形状部210(第1傾斜面211)と干渉するのを抑制できる。
【0047】
光学シート20の側面が平坦面であると、隣接する他の表示装置1との間からは光が出射しにくくなるため、隣接する表示装置1との間の隙間Sが筋のように見えてしまう。
これに対して、本実施形態の配列型表示装置100では、図7に示すように、光学シート20の側面に達した光Lが、単位光学形状部210の第1傾斜面211で全反射し、第2傾斜面212から観察側へ出射する。このように、配列型表示装置100の各表示装置1では、光学シート20の側面において、各単位光学形状部210から光Lが出射するため、隣接する表示装置1との間の隙間Sが筋として視認されにくくなる。
【0048】
なお、単位光学形状部210は、光学シート20の側面において、第1面21a側から第2面21b側の全面に形成されていてもよいし、観察側の半分の領域に形成されていてもよい。また、単位光学形状部210は、隣接する表示装置1において、それぞれの光学シート20の側面に形成されていることが好ましいが、少なくとも一方の光学シート20の側面に形成されていればよい。
【0049】
図8は、導光部200の他の実施形態を説明する図である。図8(A)に示す例では、導光部200Aとして、光学シート20の観察側(Z2側)の角部に形成された曲面が形成されている。図8(A)に示すように、光学シート20の側面に達した光Lは、導光部200Aの曲面で屈折し、隙間Sから観察側へ出射する。
【0050】
また、図8(B)に示す例では、導光部200Bとして、光学シート20の側面に拡散層が形成されている。図8(B)に示すように、光学シート20の側面に達した光Lは、導光部200Bで拡散し、隙間Sから観察側(Z2側)へ出射する。
上述した導光部200A、200Bにおいても、光学シート20の側面に達した光をより多く観察側に向けて出射させることができるため、隣接する表示装置1との間の隙間Sが筋として視認されにくくなる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0052】
(変形形態)
本実施形態では、表示部10の出射面10a上に、LED11が互いに直交するX方向及びY方向に等間隔で配置される例について説明したが、これに限定されない。LED11は、例えば、千鳥状に配置されてもよいし、特定のパターンに基づいて規則的に配置されてもよい。
【0053】
本実施形態では、拡散部23を、シート本体21の第2面21b(出射面)に配置した例について説明したが、これに限定されない。拡散部23は、シート本体21の内部に配置されてもよいし、第2面21bとシート本体21の内部の両方に配置されてもよい。
【0054】
本実施形態では、遮光部24を、断面が細長い矩形状とした例について説明したが、これに限定されない。遮光部24は、断面が縦長の台形、三角形等でもよい。また、遮光部24の側面は、平坦面に限らず、例えば、凹凸形状を有する面としてもよい。
【0055】
本実施形態では、発光素子として、LED(発光ダイオード)を用い例について説明したが、これに限定されない。発光素子は、例えば、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)でもよい。また、本実施形態では、表示部10として、マイクロLEDアレイを用いた例について説明したが、これに限定されない。接合層22において、LEDと接する部分にスペースを形成することにより、通常のLEDアレイを用いることもできる。
【符号の説明】
【0056】
1 表示装置
10 表示部
11 LED
20 光学シート
21 シート本体
21a 第1面
21b 第2面
22 接合層
23 拡散部
24 遮光部
24a 反射層
100 配列型表示装置
200,200A,200B 導光部
210 単位光学形状部
211 第1傾斜面
212 第2傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8