特許第6801419号(P6801419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6801419
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】印刷装置、及び、ヘッドユニット
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   B41J2/01 129
   B41J2/01 303
【請求項の数】15
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-239653(P2016-239653)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2018-94758(P2018-94758A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 欣也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 誠一
(72)【発明者】
【氏名】臼田 秀範
(72)【発明者】
【氏名】中島 靖雅
【審査官】 長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−083208(JP,A)
【文献】 特開2006−264264(JP,A)
【文献】 特開2016−175402(JP,A)
【文献】 特開2015−193219(JP,A)
【文献】 特開2015−093467(JP,A)
【文献】 特開2010−000735(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0136982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピエゾ素子によりUVインクを吐出するインク吐出用ノズル列と、
前記UVインクを硬化するためにUV光を照射するUV光源と、
前記UV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、
前記プラズマアクチュエーターを駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部、及び、前記インク吐出用ノズル列と前記UV光源との少なくともいずれかを有するヘッドユニットと、を備え、
前記ヘッドユニットには、前記ピエゾ素子によりの駆動用の電源供給線が配設されたフレキシブルケーブルが配設され、
前記駆動電圧生成部は、前記ピエゾ素子の駆動用の電源を入力電圧として昇圧することで前記駆動電圧を生成する、
印刷装置。
【請求項2】
前記プラズマアクチュエーターは、前記インク吐出用ノズル列と前記UV光源との間に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに搭載され、前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備える
請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジの移動方向に、前記インク吐出用ノズル列と並んで配置される
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記インク吐出用ノズル列を挟んで配置される複数の前記プラズマアクチュエーターを備える
請求項3又は4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記プラズマアクチュエーターは、前記インク吐出用ノズル列が前記UVインクを吐出する吐出方向に気流を発生させる
請求項3から5のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷媒体の搬送方向に対し交差する方向に延在する前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備える
請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の搬送方向に、前記インク吐出用ノズル列と並んで配置される
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記プラズマアクチュエーターは、前記インク吐出用ノズル列が前記UVインクを吐出する吐出方向の気流を発生させる
請求項7又は8のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷媒体を搬送する回転式のドラムを備え、
前記プラズマアクチュエーターは、前記ドラムが回転する回転方向と逆方向の気流を発生させる
請求項7から9のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記インク吐出用ノズル列は、背景画像を印刷するための背景画像印刷用UVインクを吐出する第1のインク吐出用ノズル列と、主画像を印刷するための主画像印刷用UVインクを吐出する第2のインク吐出用ノズル列とを含み、
前記UV光源は、前記背景画像印刷用UVインクを硬化させるための第1のUV光源と、前記主画像印刷用UVインクを硬化させるための第2のUV光源とを含み、
前記プラズマアクチュエーターは、前記第1のインク吐出用ノズル列と前記第1のUV光源との間、及び、前記第2のインク吐出用ノズル列と前記第2のUV光源との間に配置される
請求項1から10のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第1のインク吐出用ノズル列と前記第1のUV光源との間に配置される前記プラズマアクチュエーターは、前記第2のインク吐出用ノズル列と前記第2のUV光源との間に配置される前記プラズマアクチュエーターが発生する気流より、風量の多い気流を発生させる
請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記UV光源の照射面の長さより長い
請求項1から12のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記インク吐出用ノズル列の長さより長い
請求項1から13のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項15】
ピエゾ素子によりUVインクを吐出するインク吐出用ノズル列と、
前記UVインクを硬化するためにUV光を照射するUV光源と、
前記UV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、
前記プラズマアクチュエーターを駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部と、を備え、
前記ピエゾ素子の駆動用の電源供給線が配設されたフレキシブルケーブルが配設され、
前記フレキシブルケーブルには、前記駆動電圧より低い低電圧の電源供給線が配設され、
前記駆動電圧生成部は、前記ピエゾ素子の駆動用の電源を入力電圧として昇圧することで前記駆動電圧を生成する、
ヘッドユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、ヘッドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷媒体にUVインクを吐出し、吐出したUVインクに対しUV光源からUV光を照射することでUVインクを硬化させ、印刷媒体にUVインクを定着させる印刷方法が知られている。この印刷方法は、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着し、照射面でUVインクのミストが硬化することで、UV光源が照射するUV光の光量が低下し、UV光源の照射不良が発生してしまうという問題があった。
そのため、従来から、ワイピングによりUV光源の照射面に付着したUVインクのミストをふき取る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−178947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術のようにワイピングを行うには、UV光源の照射面と印刷媒体との間に大掛かりな装置が必要になり、印刷装置自体の大きさが大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、UVインクを吐出するインク吐出用ノズル列と、前記UVインクを硬化するためにUV光を照射するUV光源と、前記UV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、を備える。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターによりUV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーターを備えることにより、ワイピング等の大掛かりな装置を設ける必要がなく、設備コストを低減できる。
【0006】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターは、前記インク吐出用ノズル列と前記UV光源との間に配置される。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターが、インク吐出用ノズル列とUV光源との間に配置されるため、プラズマアクチュエーターによりインク吐出用ノズル列とUV光源との間に気流を発生でき、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0007】
また、本発明は、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに搭載され、前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備える。
本発明によれば、印刷媒体を搬送する方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに搭載されたインクジェットヘッドにおいて、プラズマアクチュエーターによりUV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0008】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジの移動方向に、前記インク吐出用ノズル列と並んで配置される。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターが、キャリッジの移動方向に、インク吐出用ノズル列と並んで配置されるため、キャリッジの移動方向に配置されるインク吐出用ノズル列から吐出されるUVインクのミストが、UV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0009】
また、本発明は、前記インク吐出用ノズル列を挟んで配置される複数の前記プラズマアクチュエーターを備える。
本発明によれば、インク吐出用ノズル列を挟んで配置される複数のプラズマアクチュエーターを備えるため、キャリッジの移動方向に係らずUVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0010】
また、本発明によれば、前記プラズマアクチュエーターは、前記インク吐出用ノズル列が前記UVインクを吐出する吐出方向の気流を発生させる。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターが、インク吐出用ノズル列がUVインクを吐出する吐出方向に気流を発生させるため、インク吐出用ノズル列とUV光源との間にエアーカーテンを形成でき、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0011】
また、本発明は、印刷媒体の搬送方向に対し交差する方向に延在する前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備える。
本発明によれば、印刷媒体の搬送方向に対し交差する方向に延在するインク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドにおいて、プラズマアクチュエーターによりUV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0012】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の搬送方向に、前記インク吐出用ノズル列と並んで配置される。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターが、印刷媒体の搬送方向に、インク吐出用ノズル列と並んで配置されるため、印刷媒体の搬送方向に配置されるインク吐出用ノズル列が吐出するUVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0013】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターは、前記インク吐出用ノズル列が前記UVインクを吐出する吐出方向に気流を発生させる。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターが、インク吐出用ノズル列がUVインクを吐出する吐出方向に気流を発生させるため、インク吐出用ノズル列とUV光源との間にエアーカーテンが形成され、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0014】
また、本発明は、前記印刷媒体を搬送する回転式のドラムを備え、前記プラズマアクチュエーターは、前記ドラムが回転する回転方向と逆方向の気流を発生させる。
本発明によれば、印刷媒体を搬送する回転式のドラムを備える構成において、プラズマアクチュエーターが、ドラムが回転する回転方向と逆方向の気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0015】
また、本発明は、前記インク吐出用ノズル列は、背景画像を印刷するための背景画像印刷用UVインクを吐出する第1のインク吐出用ノズル列と、主画像を印刷するための主画像印刷用UVインクを吐出する第2のインク吐出用ノズル列とを含み、前記UV光源は、前記背景画像印刷用UVインクを硬化させるための第1のUV光源と、前記主画像印刷用UVインクを硬化させるための第2のUV光源とを含み、前記プラズマアクチュエーターは、前記第1のインク吐出用ノズル列と前記第1のUV光源との間、及び、前記第2のインク吐出用ノズル列と前記第2のUV光源との間に配置される。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターが、第1のインク吐出用ノズル列と第1のUV光源との間、及び、第2のインク吐出用ノズル列と第2のUV光源との間に配置されるため、背景画像印刷インクのミストが、背景画像印刷用インクを硬化させるUV光源の照射面に付着しにくくなり、また、主画像印刷インクのミストが、主画像印刷用インクを硬化させるUV光源の照射面に付着しにくくなり、各UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0016】
また、本発明は、前記第1のインク吐出用ノズル列と前記第1のUV光源との間に配置される前記プラズマアクチュエーターは、前記第2のインク吐出用ノズル列と前記第2のUV光源との間に配置される前記プラズマアクチュエーターが発生する気流より、風量の多い気流を発生させる。
本発明によれば、第1のインク吐出用ノズル列と第1のUV光源との間に配置されるプラズマアクチュエーターは、第2のインク吐出用ノズル列と第2のUV光源との間に配置されるプラズマアクチュエーターが発生する気流より、風量の多い気流を発生させるため、背景画像印刷用UVインクのミストが、背景画像印刷用UVインクを硬化するUV光源、及び、主画像印刷用UVインクを硬化するUV光源に付着しにくくなり、背景画像印刷用UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0017】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターを駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部と、前記インク吐出用ノズル列とを有するヘッドユニットを備える。
本発明によれば、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーターへの駆動電圧を駆動電圧生成部で生成することができる。そのため、フレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0018】
また、本発明によれば、前記プラズマアクチュエーターを駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部と、前記UV光源とを有するUV光源ユニットを備える。
本発明によれば、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーターへの駆動電圧を駆動電圧生成部で生成することができる。そのため、フレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0019】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記UV光源の照射面の長さより長いことを特徴とする。
本発明によれば、インク吐出用ノズル列から発生したミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0020】
また、本発明は、前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記インク吐出用ノズル列の長さより長いことを特徴とする。
本発明によれば、インク吐出用ノズル列から発生したミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明のヘッドユニットは、UVインクを吐出するインク吐出用ノズル列と、前記UVインクを硬化するためにUV光を照射するUV光源と、前記UV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、を備える。
本発明によれば、プラズマアクチュエーターによりUV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーターを備えることにより、ワイピング等の大掛かりな装置を設ける必要がなく、設備コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態における印刷装置の概略を示す図。
図2】印刷装置のヘッドユニットの概略図。
図3図2のインク吐出面側からみた概略図。
図4】プラズマアクチュエーターの基本構造を示す断面図。
図5】プラズマアクチュエーターの配置の変形例を示す図。
図6】プラズマアクチュエーターの配置の変形例を示す図。
図7】プラズマアクチュエーターが発生する気流の変形例を示す図。
図8】印刷装置の機能的構成を示すブロック図。
図9】第2実施形態における印刷装置の概略を示す図。
図10図9のインク吐出面側からみた概略図。
図11】印刷装置の概略を示す図。
図12図11のインク吐出面側からみた概略図。
図13】第3実施形態における印刷装置の概略を示す図。
図14】印刷装置の概略を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る印刷装置1の概略図である。
【0024】
図1に示すように、印刷装置1は、平板状のプラテン2を備える。プラテン2の上面には、所定の印刷媒体3が図示しない紙送り機構により搬送方向HY1に搬送される。プラテン2には、縁なし印刷時のインク打ち捨て領域が設けられていてもよい。
【0025】
印刷媒体3としては、ロール状に巻かれたロール紙や、所定長さに切断されたカットシート、複数枚のシートが連接された連続シートなどが挙げられる。これらの印刷媒体は、普通紙や、複写紙、厚紙などの紙類、合成樹脂製などのシートであり、これらのシートにコーティングや浸潤などの加工を施したものを用いることもできる。また、カットシートの形態としては、例えば、PPC用紙や葉書などの定形サイズのカット紙に加え、通帳などの複数のシートを綴じた冊子形態のものや、封筒などの袋状に成形されたものが挙げられる。また、連続シートの形態としては、例えば、幅方向両端にスプロケットホールが穿設され、所定長さ毎に折り畳まれた連続紙が挙げられる。
【0026】
プラテン2の上方には、印刷媒体3の搬送方向HY1に対して直交する方向TY1(交差する方向)に延在するガイドシャフト5が設けられる。ガイドシャフト5には、キャリッジ10が、図示しない駆動機構を介してガイドシャフト5に沿って往復移動自在に設けられる。すなわち、キャリッジ10は、ガイドシャフト5に沿って搬送方向HY1に対し直交する方向TY1に往復移動する。
【0027】
図2は、第1実施形態における印刷装置1のヘッドユニット16を示す概略図である。また、図3は、図2のインク吐出面11a側からみた概略図である。
【0028】
図2に示すように、キャリッジ10には、シリアル型のインクジェットヘッド11が搭載される。
【0029】
インクジェットヘッド11のプラテン2に対向する面は、インク吐出面11aである。インク吐出面11aには、インク吐出面11aに開口し、UVインクを印刷媒体3に吐出する複数のノズル孔からなるインク吐出用ノズル列14a〜インク吐出用ノズル列14dが形成される。本実施形態において、インク吐出用ノズル列14a〜dのそれぞれは、2列平行に形成される。
【0030】
UVインクは、紫外線(以下、UV光と表現する)の照射を受けて硬化する紫外線硬化インクである。本実施形態では、硬化とは、少なくとも、仮硬化、及び、本硬化のいずれかの硬化を示す。仮硬化、及び、本硬化については、後述する。
【0031】
また、本実施形態では、インク吐出用ノズル列14aは、シアン(C)のUVインクを印刷媒体3に吐出する。また、インク吐出用ノズル列14bは、マゼンタ(M)のUVインクを印刷媒体3に吐出する。また、インク吐出用ノズル列14cは、イエロー(Y)のUVインクを印刷媒体3に吐出する。また、インク吐出用ノズル列14dは、ブラック(K)のUVインクを印刷媒体3に吐出する。
【0032】
なお、以下の説明において、インク吐出用ノズル列14a〜インク吐出用ノズル列14dのそれぞれを区別することなく、いずれかの1のインク吐出用ノズル列として説明する場合、インク吐出用ノズル列14と表記する。
【0033】
キャリッジ10には、キャリッジの移動方向TY11側に、後述するプラズマアクチュエーター20を挟んで、UV光源12が搭載される。また、キャリッジ10には、キャリッジの移動方向TY12側に、後述するプラズマアクチュエーター20を挟んで、UV光源13が搭載される。
【0034】
UV光源12、及び、UV光源13は、例えば、LEDにより構成され、印刷媒体3に吐出されたUVインクにUV光を照射して、UVインクを硬化させる。
【0035】
UV光源12は、照射面12aがプラテン2に対向するように配置される。照射面12aは、UV光源がUV光を照射する面である。また、UV光源13は、照射面13aがプラテン2に対向するように配置される。照射面13aは、UV光源がUV光を照射する面である。
【0036】
ここで、インク吐出面11aとプラテン2との間隙(空間)、もしくは、インク吐出面11aと印刷媒体3との間隙(空間)を総称してプラテンギャップという。
【0037】
インクジェットヘッド11は、インク吐出用ノズル列14a〜14dからUVインクを吐出するためのピエゾ素子等の駆動素子36(図8)を備える。また、キャリッジ10には、インクジェットヘッド11にインクを供給するインクカートリッジ15a〜15dが搭載される。インクカートリッジ15aは、インク吐出用ノズル列14aにシアンのUVインクを供給する。また、インクカートリッジ15bは、インク吐出用ノズル列14bにマゼンタのUVインクを供給する。インクカートリッジ15cは、インク吐出用ノズル列14cにイエローのUVインクを供給する。また、インクカートリッジ15dは、インク吐出用ノズル列14dにブラックのUVインクを供給する。
【0038】
このように、ヘッドユニット16は、キャリッジ10、インクジェットヘッド11、UV光源12、UV光源13、インクカートリッジ15a〜15dにより構成される。なお、本実施形態では、インクジェットヘッド11と、UV光源12と、UV光源13とが別体として構成される場合を例示するが、インクジェットヘッド11とUV光源12とUV光源13とは、一体として構成されてもよい。また、インクカートリッジ15a〜15dのそれぞれは、ヘッドユニット16以外の場所に設置されてもよい。
【0039】
インク吐出面11aと照射面12aとの間、及び、インク吐出面11aと照射面13aとの間には、プラズマアクチュエーター20が配置される。すなわち、2つのプラズマアクチュエーター20は、インク吐出面11aを挟んで配置される。つまり、2つのプラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14を挟んで配置される。各プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14、UV光源12の照射面12a、及び、UV光源13の照射面13aについて、印刷媒体3の搬送方向HY1における長さより長く形成される。こうすることにより、インク吐出用ノズル列14から発生したミストがUV光源12の照射面12a、及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源の照射不良の発生を低減できる。各プラズマアクチュエーター20の支持は、任意であり、インクジェットヘッド11にはめ込まれて支持される構成でもよく、キャリッジ10に支持される構成でもよい。
【0040】
図4はプラズマアクチュエーター20の基本構造を示す断面図である。図4に示すように、プラズマアクチュエーター20は、2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22とから構成される。2枚の電極21a、21bの間に、数kV、周波数が数kHzの交流電圧を印加することで、上側の電極21aと誘電体22とに挟まれた部分でプラズマ放電23が生じ、これによって上側の電極21aから下側の電極21b方向に流れる気流が発生する。プラズマアクチュエーター20は、交流電圧の印加を制御することにより、気流の発生、停止、または、気流速度を簡単に制御できる。これはファンなどの気流発生装置では実現が困難な特徴である。なお、薄膜の電極21bを2個用意し、電極21aを挟むように配置してもよい。こうすることにより、2個の電極21bの片側を選択すれば気流の発生方向を正逆両方向に制御することができる。
【0041】
ここで、本実施形態における印刷装置1の印刷動作について説明する。
印刷装置1は、印刷媒体3に対し、インク吐出用ノズル列14a〜14dによりUVインクを吐出し、画像を印刷媒体3に印刷する際、吐出されたUVインクに、UV光源12、及び、UV光源13からUV光を照射して、仮硬化、及び、本硬化を行う。仮硬化とは、印刷媒体3に吐出されたUVインクが、印刷媒体3から流れたり滲んだりとしない程度にUVインクの表面を硬化することを言う。そのため、UVインクの吐出後すぐにUV光を照射する必要がある。本硬化とは、仮硬化したUVインクに対し、仮硬化より光量の多いUV光を照射することにより、当該UVインクの内部まで完全に硬化することを言う。
【0042】
例えば、印刷装置1は、キャリッジ10を方向TY11に移動させながら、印刷媒体3に対してインク吐出用ノズル列14からUVインクを吐出すると同時にUV光源13の照射面13aからUV光を照射し、キャリッジ10の方向TY11への移動中に印刷媒体3に吐出されたUVインクに対し仮硬化を実行する。印刷装置1は、仮硬化を実行すると、キャリッジ10を方向TY12に移動させ、仮硬化されたUVインクに対し、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aの両方からUV光を照射し本硬化を実行する。この際、UVインクは吐出されない。なお、UVインクを吐出する際のキャリッジ10の移動方向はTY12方向でもかまわない。この場合、仮硬化のためのUV光照射は、UV光源12が担当することになる。
【0043】
このようなUV光源12及びUV光源13によりUVインクを硬化する印刷方法は、インクの吸収性の低い、例えば、プラスチックフィルム等を印刷媒体13として用いることが可能にするものである。
【0044】
しかしながら、プラズマアクチュエーター20を備えない場合、この印刷方法は、インク吐出用ノズル列14から吐出されるUVインクのミストが、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着し、このミストが照射面12a及び照射面13aにおいて硬化する場合がある。UVインクのミストが、照射面12a及び照射面13aにおいて硬化すると、UV光源12及びUV光源13が照射するUV光の光量が低下し、印刷媒体3に吐出されたUVインクが適切に硬化されない可能性がある。すなわち、UV光源12及びUV光源13の照射不良が発生する可能性がある。特に、インクジェットヘッド11が移動する際、インクジェットヘッド11の移動に起因して、プラテンギャップには、移動方向と逆の方向に気流が発生する可能性がある。この場合、例えば、インクジェットヘッド11が方向TY11に移動する際、インク吐出用ノズル列14から吐出されたUVインクのミストは、方向TY11と逆方向(方向TY12)に流れ、UV光源13の照射面13aに付着する蓋然性が高い。
【0045】
そこで、プラズマアクチュエーター20は、図2及び図3に示すように配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14とUV光源12の照射面12aとの間、及び、インク吐出用ノズル列14とUV光源13の照射面13aとの間に配置される。プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、図2におけるインクジェットヘッド11とプラズマアクチュエーター20との間隙、または、UV光源12もしくはUV光源13とプラズマアクチュエーター20との間隙に配置される。両方の間隙に配置されてもよい。このようにプラズマアクチュエーター20を配置することで、インク吐出用ノズル列14とUV光源12の照射面12aとの間、及び、インク吐出用ノズル列14とUV光源13の照射面13aとの間に、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることができる。そのため、インク吐出用ノズル列14が吐出するUVインクのミストがUV光源12の照射面12aに付着することを抑制でき、また、インク吐出用ノズル列14が吐出するUVインクのミストがUV光源13の照射面13aに付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
なお、本実施形態では、インク吐出用ノズル列14とUV光源12の照射面12aとの間は、インク吐出用ノズル列14とUV光源12との間に相当する。また、インク吐出用ノズル列14とUV光源13の照射面13aとの間は、インク吐出用ノズル列14とUV光源13との間に相当する。
【0046】
また、プラズマアクチュエーター20は、図2及び図3に示すように、キャリッジ10の移動方向に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置される。ここで、キャリッジ10の移動方向は、搬送方向HY1に直交する方向TY1に相当する。このようにプラズマアクチュエーター20を配置し、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、方向TY1に配置されるインク吐出用ノズル列14が吐出するUVインクのミストが、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0047】
また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出面11aを挟んで2つ配置される。このように2つのプラズマアクチュエーター20をインク吐出面11aを挟んで配置し、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、インクジェットヘッド11の移動方向に係らず、インク吐出用ノズル列14が吐出するUVインクのミストが、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着することを抑制できる。
【0048】
また、図3に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14がUVインクを吐出する吐出方向IY1(図3の場合、ノズル面11aから手前側に向かう方向)に、気流を発生させる。このようにプラズマアクチュエーター20が吐出方向IY1に気流を発生させるため、インク吐出用ノズル列14とUV光源12との間、及び、インク吐出用ノズル列14とUV光源13との間にエアーカーテンが形成される。したがって、UVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーター20がUVインクの吐出方向IY1に気流を発生させるため、UVインクの着弾位置が乱れることを抑制できる。また、UVインクのミストも、印刷媒体3に着弾させることが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、吐出方向IY1に気流を発生させることは、UV光源の照射面から離れる方向の気流を発生させることに相当する。
【0050】
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例について説明する。
【0051】
図5及び図6は、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例を示す図である。図5は、印刷装置1のヘッドユニット16の概略図である。また、図6は、図5のインク吐出面11aからヘッドユニット16をみた概略図である。
【0052】
図2及び図3と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】
図2及び図3と比較して明らかな通り、変形例においては、インクジェットヘッド11とプラズマアクチュエーター20との間、及び、UV光源12もしくはUV光源13とプラズマアクチュエーター20との間に間隙がない。したがって図2及び図3のような電極配置ができない。そこで、本変形例では、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14とUV光源12の照射面12aとの間、及び、インク吐出用ノズル列14とUV光源13の照射面13aとの間に2つずつ、互いに向かい合う方向に気流が発生するよう配置される。
【0054】
このように各プラズマアクチュエーター20を配置することにより、お互いに向かいあう気流が2つのプラズマアクチュエーター20の間でぶつかるので、図5に示すように、UVインクを吐出する吐出方向IY1に、気流を発生させることができる。そのため、プラズマアクチュエーター20が図5及び図6に示すように配置された場合でも、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0055】
なお、本実施形態では、プラズマアクチュエーター20が、UVインクの吐出方向IY1に気流を発生させる場合を例示したが、UVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着することを抑制可能であれば、気流の発生させる方向は、UVインクの吐出方向IY1に限定されない。例えば、図7に示す方向に、プラズマアクチュエーター20は、気流を発生させてもよい。
【0056】
図7は、プラズマアクチュエーター20が発生する気流の変形例を示す図である。なお、図3と同一の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0057】
すなわち、図7に示すように、インク吐出用ノズル列14とUV光源12の照射面12aとの間のプラズマアクチュエーター20は、方向TY12に気流を発生させ、インク吐出用ノズル列14とUV光源13の照射面13aとの間のプラズマアクチュエーター20は、方向TY11に気流を発生させる構成としてもよい。
これらの気流の方向も、プラズマアクチュエーター20から離れる方向に相当する。
【0058】
図7に示すように、プラズマアクチュエーター20が気流を発生させることにより、インク吐出用ノズル列14が吐出するUVインクのミストが、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着することを抑制できる。そのため、印刷装置1は、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0059】
次に、本実施形態の機能的構成について説明する。
図8は、本実施形態における印刷装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【0060】
図8に示すように、印刷装置1は、各部を制御する制御部30と、制御部30の制御に従って各種モーターなどを駆動したり、検出回路の検出状態を制御部30に出力したりする各種ドライバー回路とを備える。各種ドライバー回路には、ヘッドドライバー32と、キャリッジドライバー33と、プラズマアクチュエータードライバー34と、紙送りドライバー35と、が含まれる。
【0061】
制御部30は、印刷装置1の各部を中枢的に制御するものである。制御部30は、CPUや、実行可能な基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータなどを不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムや所定データなどを一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路などを備える。
【0062】
ヘッドドライバー32は、インクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36にそれぞれ接続される。駆動素子36は、制御部30の制御に従って駆動され、ノズル孔から必要量のインクを吐出させる。
【0063】
キャリッジドライバー33は、キャリッジモーター37に接続され、キャリッジモーター37に駆動信号を出力して、キャリッジモーター37を制御部30により指示された範囲で動作させる。
【0064】
プラズマアクチュエータードライバー34は、プラズマアクチュエーター20に接続され、プラズマアクチュエーター20に駆動信号を出力して、プラズマアクチュエーター20を制御部30により駆動させる。
【0065】
紙送りドライバー35は、紙送りモーター38に接続され、紙送りモーター38に駆動信号を出力して、紙送りモーター38を制御部30により指示された量だけ動作させる。紙送りモーター38の動作に応じて、印刷媒体3が搬送方向HY1に所定量だけ搬送される。
【0066】
プラズマアクチュエーター20を駆動するためには、高電圧が必要である。印刷装置1は、プラズマアクチュエーター20を駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部39を備える。駆動電圧生成部39は、プラズマアクチュエーター20およびプラズマアクチュエータードライバー34に接続される。駆動電圧生成部39は、例えば、キャリッジ10に支持され、ヘッドユニット16に搭載される。
なお、駆動電圧生成部39は、少なくともUV光源12及びUV光源13と共に、UV光源ユニットが構成され、このUV光源ユニットに搭載されてもよい。この場合、UV光源ユニットは、キャッリッジ10に搭載され、ヘッドユニットを構成する。
【0067】
移動するキャリッジ10には、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルが配設されている。このフレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を追加敷設するのは、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じるため好ましくない。
【0068】
そのため、本実施形態においては、フレキシブルケーブルには低電圧の電源供給線を配設し、駆動電圧生成部39をヘッドユニット16に搭載している。駆動電圧生成部39は、この低電圧の電源を入力電圧とし、ヘッドユニット16内にて高電圧に昇圧する。
【0069】
なお、駆動素子36として、ピエゾ素子を使用する場合には、ピエゾ素子駆動用の電源供給線がフレキシブルケーブルに敷設されているので、そのピエゾ素子駆動用の電源を駆動電圧生成部39の入力電圧として利用してもよい。また、駆動素子36として、サーマルタイプの駆動素子を使用する場合でも同様に、サーマルヘッド駆動用電源を駆動電圧生成部39の入力電圧として利用することができる。もちろん、独立した低電圧の電源線をフレキシブルケーブルに敷設してもよい。また、UV光源用の電源供給線がフレキシブルケーブルに敷設されている場合は、そのUV光源用の電源を駆動電圧生成部39の入力電圧として利用してもよい。
【0070】
なお、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じなければ、フレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を敷設してもかまわないし、高電圧配線用に、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルとは別のケーブルを敷設してもかまわない。
【0071】
このように、駆動電圧生成部39がヘッドユニット16に搭載されるため、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、キャリッジ10に設けられるフレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0072】
以上、説明したように、印刷装置1は、UVインクを吐出するインク吐出用ノズル列14と、UVインクを硬化するためにUV光を照射するUV光源12及びUV光源13と、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aから離れる方向に気流を発生させるプラズマアクチュエーター20と、を備える。
【0073】
これにより、プラズマアクチュエーター20によりUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aから離れる方向の気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーター20を備えることにより、照射面12a及び照射面13aに付着したUVインクのミストをふき取る大掛かりな装置を設ける必要がなく、設備コストを低減できる。
【0074】
また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14とUV光源12の照射面12aとの間に配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14とUV光源13の照射面13aとの間に配置される。
【0075】
これにより、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出用ノズル列14とUV光源12との間、及び、インク吐出用ノズル列14とUV光源13との間に配置されるため、各間に気流を発生でき、UVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなる。したがって、印刷装置1は、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0076】
また、印刷装置1は、印刷媒体3の搬送方向HY1と交差する方向に往復移動するキャリッジ10に搭載され、インク吐出用ノズル列14bを具備するインクジェットヘッド11を備える。
【0077】
これにより、キャリッジ10に搭載されたシリアル型のインクジェットヘッド11において、UVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1は、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0078】
また、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10の移動方向に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置される。
【0079】
これにより、プラズマアクチュエーター20が、キャリッジ10の移動方向に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置されるため、インク吐出用ノズル列14が吐出したUVインクのミストが、UV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1は、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0080】
また、印刷装置1は、インク吐出用ノズル列14を挟んで配置される複数(本実施形態では2つ)のプラズマアクチュエーター20を備える。
【0081】
これにより、インク吐出用ノズル列14を挟んで配置される複数のプラズマアクチュエーター20を備えるため、キャリッジ10の移動方向に係らずUVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1は、UVインクのミストによる、UV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0082】
また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14がUVインクを吐出する吐出方向IY1の気流を発生させる。
【0083】
これにより、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出用ノズル列14がUVインクを吐出する吐出方向IY1の気流を発生させるため、インク吐出用ノズル列14とUV光源12との間、及び、インク吐出用ノズル列14とUV光源13との間に気流によるエアーカーテンが形成される。そのため、印刷装置1は、UVインクのミストがUV光源12の照射面12a及びUV光源13の照射面13aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源12及びUV光源13の照射不良の発生を低減できる。
【0084】
また、印刷装置1は、ヘッドユニット16に駆動電圧生成部39が搭載される。
【0085】
これにより、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、キャリッジ10に接続されるフレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0086】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
【0087】
図9は、第2実施形態における印刷装置1aの概略を示す図である。また、図10は、図9のインク吐出面89側からみた概略図である。
【0088】
図9に示すように、第2実施形態における印刷装置1aは、印刷媒体の搬送方向HY2の上流側から順に、シアンのUVインクを吐出するインクジェットヘッド50を有するヘッドユニット40と、マゼンタのUVインクを吐出するインクジェットヘッド51を有するヘッドユニット41と、イエローのUVインクを吐出するインクジェットヘッド52を有するヘッドユニット42と、ブラックのUVインクを吐出するインクジェットヘッド53を有するヘッドユニット43と、UV光源ユニット44とが配置される。
【0089】
印刷媒体3は、ローラー61、及び、ローラー62の間に掛け渡された搬送ベルト71に保持され、搬送方向HY2に搬送される。以下の説明において、搬送ベルト71のうち、搬送方向HY2に移動する搬送ベルトを搬送ベルト71aと表記する。
【0090】
図9及び図10に示すように、インクジェットヘッド50は、ライン型のヘッドであり、支持部材100により支持される。インクジェットヘッド50の搬送ベルト71aに対向する面は、インク吐出面80である。インク吐出面80には、インク吐出面80に開口し、印刷媒体3に対し、シアンのインクを吐出する複数のノズル孔からなるインク吐出用ノズル列14eが形成される。インク吐出用ノズル列14eは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在するよう形成される。インクジェットヘッド50は、インク吐出用ノズル列14eからUVインクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36を備える。また、支持部材101には、インクジェットヘッド50にシアンのインクを供給するインクカートリッジ90が搭載される。
【0091】
ヘッドユニット40は、支持部材101、インクジェットヘッド50、インクカートリッジ90により構成される。
【0092】
ヘッドユニット40の搬送方向HY2の下流側には、支持部材110に支持されたUV光源120が配置される。UV光源120は、UV光を照射する照射面120aを搬送ベルト71aと対向するよう配置される。照射面120aは、刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在する。
【0093】
インクジェットヘッド51は、ライン型のヘッドであり、支持部材101により支持される。インクジェットヘッド51の搬送ベルト71aに対向する面は、インク吐出面81である。インク吐出面81には、インク吐出面81に開口し、印刷媒体3に対しマゼンタのインクを吐出する複数のノズル孔からなるインク吐出用ノズル列14fが形成される。インク吐出用ノズル列14fは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在するよう形成される。インクジェットヘッド51は、インク吐出用ノズル列14fからUVインクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36を備える。また、支持部材101には、インクジェットヘッド51にマゼンタのインクを供給するインクカートリッジ91が搭載される。
【0094】
ヘッドユニット41は、支持部材101、インクジェットヘッド51、インクカートリッジ91により構成される。
【0095】
ヘッドユニット41の搬送方向HY2の下流側には、支持部材111に支持されたUV光源121が配置される。UV光源121は、UV光を照射する照射面121aを搬送ベルト71aと対向するよう配置される。照射面121aは、刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在する。
【0096】
インクジェットヘッド52は、ライン型のヘッドであり、支持部材102により支持される。インクジェットヘッド52の搬送ベルト71aに対向する面は、インク吐出面82である。インク吐出面82には、インク吐出面82に開口し、印刷媒体3に対し、イエローのインクを吐出する複数のノズル孔からなるインク吐出用ノズル列14gが形成される。インク吐出用ノズル列14gは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在するよう形成される。インクジェットヘッド52は、インク吐出用ノズル列14gからUVインクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36を備える。また、支持部材102には、インクジェットヘッド52にイエローのインクを供給するインクカートリッジ92が搭載される。
【0097】
ヘッドユニット42は、支持部材102、インクジェットヘッド52、インクカートリッジ92により構成される。
【0098】
ヘッドユニット42の搬送方向HY2の下流側には、支持部材112に支持されたUV光源122が配置される。UV光源122は、UV光を照射する照射面122aを搬送ベルト71aと対向するよう配置される。照射面122aは、刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在する。
【0099】
インクジェットヘッド53は、ライン型のヘッドであり、支持部材103により支持される。インクジェットヘッド53の搬送ベルト71aに対向する面は、インク吐出面83である。インク吐出面83には、インク吐出面83に開口し、印刷媒体3に対し、ブラックのインクを吐出する複数のノズル孔からなるインク吐出用ノズル列14hが形成される。インク吐出用ノズル列14hは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在するよう形成される。インクジェットヘッド53は、インク吐出用ノズル列14hからUVインクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36を備える。また、支持部材103には、インクジェットヘッド53にブラックのインクを供給するインクカートリッジ93が搭載される。
【0100】
ヘッドユニット43は、支持部材103、インクジェットヘッド53、インクカートリッジ93により構成される。
【0101】
ヘッドユニット43の搬送方向HY2の下流側には、支持部材113に支持されたUV光源123が配置される。UV光源123は、UV光を照射する照射面123aを搬送ベルト71aと対向するよう配置される。照射面123aは、刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在する。
【0102】
UV光源123の搬送方向HY2の下流側には、支持部材114に支持されたUV光源124が配置される。UV光源124は、UV光を照射する照射面124aを搬送ベルト71aと対向するよう配置される。照射面124aは、刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在する。
【0103】
ここで、インク吐出面89と搬送ベルト71aとの間隙(空間)、もしくは、インク吐出面89と印刷媒体3との間隙(空間)もプラテンギャップに相当する。なお、インク吐出面89とは、インク吐出面80〜83を含む面である。
【0104】
以下の説明において、インク吐出用ノズル列14e〜インク吐出用ノズル列14hを区別することなく1のインク吐出用ノズル列として説明する場合、インク吐出用ノズル列141と表記する。
【0105】
インク吐出用ノズル列14eと、UV光源120の照射面120aとの間には、プラズマアクチュエーター20が配置される。プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、インク吐出用ノズル列14eの長さ、または、UV光源120の照射面120aの長さのうち、少なくともどちらかより長く形成される。こうすることにより、インク吐出用ノズル列14eから発生したUVインクのミストが照射面120aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源120の照射不良の発生を低減できる。また、図9に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクの吐出方向IY2に気流が発生するよう配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、図9におけるUV光源120とプラズマアクチュエーター20との間隙に配置される。なお、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、インクジェットヘッド50とプラズマアクチュエーター20との間隔に配置されてもよく、両方の間隙に配置されてもよい。本実施形態では、プラズマアクチュエーター20は、支持部材100に支持される。なお、プラズマアクチュエーター20の支持は、例えば、インクジェットヘッド50にはめ込まれて支持される構成でもよく、インク吐出用ノズル列14eとUV光源120との間に配置されていれば任意である。
【0106】
また、インク吐出用ノズル列14fと、UV光源121の照射面121aとの間には、プラズマアクチュエーター20が配置される。プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、インク吐出用ノズル列14fの長さ、または、UV光源121の照射面121aの長さのうち、少なくともどちらかより長く形成される。こうすることにより、インク吐出用ノズル列14fから発生したUVインクのミストが照射面121aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源120の照射不良の発生を低減できる。また、図9に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクの吐出方向IY2に気流が発生するよう配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、図9におけるUV光源121とプラズマアクチュエーター20との間隙に配置される。なお、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、インクジェットヘッド51とプラズマアクチュエーター20との間隔に配置されてもよく、両方の間隙に配置されてもよい。本実施形態では、プラズマアクチュエーター20は、支持部材101に支持される。なお、プラズマアクチュエーター20の支持は、例えば、インクジェットヘッド51にはめ込まれて支持される構成でもよく、インク吐出用ノズル列14fとUV光源121との間に配置されていれば任意である。
【0107】
また、インク吐出用ノズル列14gと、UV光源122の照射面122aとの間には、プラズマアクチュエーター20が配置される。プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、インク吐出用ノズル列14gの長さ、または、UV光源122の照射面122aの長さのうち、少なくともどちらかより長く形成される。こうすることにより、インク吐出用ノズル列14gから発生したUVインクのミストが照射面122aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源120の照射不良の発生を低減できる。また、図9に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクの吐出方向IY2に気流が発生するよう配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、図9におけるUV光源122とプラズマアクチュエーター20との間隙に配置される。なお、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、インクジェットヘッド52とプラズマアクチュエーター20との間隔に配置されてもよく、両方の間隙に配置されてもよい。本実施形態では、プラズマアクチュエーター20は、支持部材102に支持される。なお、プラズマアクチュエーター20の支持は、例えば、インクジェットヘッド52にはめ込まれて支持される構成でもよく、インク吐出用ノズル列14gとUV光源122との間に配置されていれば任意である。
【0108】
また、インク吐出用ノズル列14hと、UV光源123の照射面123aとの間には、プラズマアクチュエーター20が配置される。プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、インク吐出用ノズル列14hの長さ、または、UV光源123の照射面123aの長さのうち、少なくともどちらかより長く形成される。こうすることにより、インク吐出用ノズル列14hから発生したUVインクのミストが照射面123aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源120の照射不良の発生を低減できる。また、図9に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクの吐出方向IY2に気流が発生するよう配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、図9におけるUV光源123とプラズマアクチュエーター20との間隙に配置される。なお、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、インクジェットヘッド53とプラズマアクチュエーター20との間隔に配置されてもよく、両方の間隙に配置されてもよい。本実施形態では、プラズマアクチュエーター20は、支持部材103に支持される。なお、プラズマアクチュエーター20の支持は、例えば、インクジェットヘッド53にはめ込めれて支持される構成でもよく、インク吐出用ノズル列14hとUV光源121との間に配置されていれば任意である。
【0109】
また、UV光源123とUV光源124との間に、プラズマアクチュエーター20が配置される。プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、UV光源124の照射面124aの長さより長く形成される。また、図9に示すように、このプラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクの吐出方向IY2に気流が発生するよう配置される。本実施形態では、プラズマアクチュエーター20は、UV光源124に支持される。なお、プラズマアクチュエーター20の支持は、例えば、支持部材114に支持される構成でもよく、UV光源123とUV光源124との間に配置されていれば任意である。
【0110】
以下の説明において、UV光源120〜UV光源123を区別することなく1のUV光源として説明する場合、UV光源129と表記する。
【0111】
また、以下の説明において、照射面120a〜照射面123aを区別することなく1の照射面として説明する場合、照射面129aと表記する。
【0112】
ここで、本実施形態の印刷装置1aの印刷動作について説明する。
印刷装置1aは、印刷媒体3を搬送ベルト71aで保持しながら搬送方向HY2に搬送しつつ、インク吐出用ノズル列14e〜14hによりUVインクを吐出し、吐出したUVインクに仮硬化及び本硬化を実行することで、画像を印刷媒体3に印刷する。より詳細には、印刷装置1aは、インク吐出用ノズル列14eによりUVインクを吐出すると、UV光源120により仮硬化を実行し、インク吐出用ノズル列14fによりUVインクを吐出すると、UV光源121により仮硬化を実行し、インク吐出用ノズル列14gによりUVインクを吐出すると、UV光源122により仮硬化を実行し、インク吐出用ノズル列14hによりUVインクを吐出すると、UV光源123により仮硬化を実行し、これら仮硬化を実行した後、UV光源124により本硬化を実行する。
【0113】
この印刷方法は、インク吐出用ノズル列141から吐出されるUVインクのミストが、UV光源129の照射面129aに付着し、付着したミストが照射面129aにおいて硬化する場合がある。
【0114】
前述した通り、UVインクのミストが、照射面129aにおいて硬化すると、UV光源129が照射するUV光の光量が低下し、印刷媒体3に吐出されたUVインクが適切に硬化されない可能性がある。特に、印刷媒体3が搬送方向HY2に搬送される際、印刷媒体3の搬送に起因して、プラテンギャップにおいて、搬送方向HY2に流れる気流が発生する場合があり、UVインクのミストが、搬送方向HY2の下流側に流され、インク吐出用ノズル列141より下流側に配置されるUV光源129の照射面129aに付着する蓋然性が高い。
【0115】
そこで、プラズマアクチュエーター20は、図9及び図10に示すように配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14eとUV光源120の照射面120aとの間に配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14fとUV光源121の照射面121aとの間に配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14gとUV光源122の照射面122aとの間に配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14hとUV光源123の照射面123aとの間に配置される。
なお、インク吐出用ノズル列141とUV光源129の照射面129aとの間は、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に相当する。
【0116】
このようにプラズマアクチュエーター20が配置されるため、印刷装置1aは、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に気流を発生させることができる。そのため、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着することを抑制でき、UVインクによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0117】
また、プラズマアクチュエーター20は、図9及び図10に示すように、印刷媒体3の搬送方向HY2に、インク吐出用ノズル列141と並んで配置される。このようにプラズマアクチュエーター20が配置されるため、印刷媒体3の搬送方向HY2に配置されるインク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクのミストが、UV光源129の照射面129aに付着することを抑制でき、UVインクのミストによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0118】
また、図9に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141がUVインクを吐出する吐出方向IY2に、気流を発生させるよう配置される。このようにプラズマアクチュエーター20が配置されるため、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間にエアーカーテンが形成される。したがって、UVインクのミストが、搬送方向HY2の下流側に流れることを抑制できる。したがって、UVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーター20が、UVインクの吐出方向IY2に気流が発生するため、UVインクの着弾位置が、印刷媒体3の搬送に起因する気流により乱れることを抑制できる。
なお、UVインクを吐出する吐出方向IY2に気流を発生させることは、UV光源の照射面から離れる方向に気流を発生させることに相当する。
【0119】
上記の印刷装置1aの構成では、印刷媒体3に対し、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの各色のUVインクを吐出する場合の構成を例示した。しかしながら、印刷装置1aによっては、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの各色のUVインクにより形成される画像の下地の画像としての背景画像を印刷するため、背景画像を印刷するためのUVインクである背景画像印刷用UVインクを吐出する場合がある。この場合、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの各色のUVインクにより形成される画像は、背景画像に重畳されて印刷される主画像に相当し、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの各色のUVインクは、主画像を印刷するためのUVインクである主画像印刷用UVインクに相当する。
【0120】
図11は、背景画像印刷用UVインクを吐出する印刷装置1aの概略を示す図である。また、図12は、図11をインク吐出面89側からみた概略図である。なお、図9及び図10と同一部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0121】
図9と比較して明らかな通り、背景画像印刷用UVインクを吐出する印刷装置1aは、ヘッドユニット40より印刷媒体3の搬送方向HY2の上流側に、背景画像印刷用UVインクを吐出するインクジェットヘッド55を有するヘッドユニット45とが配置される。
【0122】
本実施形態では、背景画像印刷用インクとしてホワイト(W)のインクを例示する。
【0123】
図11及び図12に示すように、インクジェットヘッド55は、ライン型のヘッドであり、支持部材105により支持される。インクジェットヘッド55の搬送ベルト71aに対向する面は、インク吐出面85である。インク吐出面85には、インク吐出面85に開口し、UVインクを印刷媒体3に対し吐出する複数のノズル孔からなるインク吐出用ノズル列14iが形成される。インク吐出用ノズル列14iは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2(交差する方向)に延在するよう形成される。
【0124】
インクジェットヘッド55は、インク吐出用ノズル列14iからUVインクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子を備える。また、支持部材105には、インクジェットヘッド55にUVインクを供給するインクカートリッジ95が搭載される。
【0125】
ヘッドユニット45は、支持部材105、インクジェットヘッド55、インクカートリッジ95により構成される。
【0126】
ヘッドユニット45の搬送方向HY2の下流側には、支持部材115に支持されたUV光源125が配置される。UV光源125は、UV光を照射する照射面125aが搬送ベルト71aと対向するよう配置される。照射面125aは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2に延在する。
【0127】
なお、本実施形態では、インク吐出用ノズル列14iは、背景画像印刷用UVインクとしてのホワイトのインクを吐出するため、第1のインク吐出用ノズル列に相当する。また、インク吐出用ノズル列141は、主画像印刷用UVインクとして、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックのUVインクを吐出するため、第2のインク吐出用ノズル列に相当する。また、UV光源125は、背景画像印刷用UVインクを硬化するUV光源であるため、第1のUV光源に相当する。また、UV光源129は、主画像印刷用UVを硬化するUV光源であるため、第2のUV光源に相当する。
【0128】
ここで、インク吐出面89と搬送ベルト71aとの間隙(空間)、もしくは、インク吐出面82と印刷媒体3との間隙(空間)もプラテンギャップに相当する。なお、図11において、インク吐出面89とは、インク吐出面80〜85とを含む面である。
【0129】
インク吐出用ノズル列14iとUV光源125の照射面125aとの間には、プラズマアクチュエーター20が配置される。プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、インク吐出用ノズル列14iの長さ、または、照射面125aの長さのうち、少なくともどちらかより長く形成される。こうすることにより、インク吐出用ノズル列14iから発生したUVインクのミストが照射面125aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源120の照射不良の発生を低減できる。また、図11に示すように、このプラズマアクチュエーター20は、UVインクの吐出方向IY2に気流が発生するよう配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、図11におけるUV光源125とプラズマアクチュエーター20との間隙に配置される。なお、プラズマアクチュエーター20の2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22は、インクジェットヘッド55とプラズマアクチュエーター20との間隔に配置されてもよく、両方の間隙に配置されてもよい。本実施形態では、このプラズマアクチュエーター20は、支持部材105に支持される。なお、このプラズマアクチュエーター20の支持は、例えば、インクジェットヘッド55にはめ込まれて支持される構成でもよく、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125の照射面125aとの間に配置されていれば任意である。
【0130】
ここで、図11に示す印刷装置1aの印刷動作について説明する。
印刷装置1aは、インク吐出用ノズル列141からUVインクを吐出して主画像を印刷媒体3に印刷する前に、インク吐出用ノズル列14iからUVインクを吐出して、印刷媒体3に背景画像を印刷する。印刷装置1aは、インク吐出用ノズル列14iからUVインクを吐出すると、UV光源125により仮硬化を実行する。そして、印刷装置1aは、上述したように、インク吐出用ノズル列141からUVインクを吐出しながら仮硬化を実行し、すべての仮硬化を終えると本硬化を実行して、背景画像に重畳して主画像を印刷する。
【0131】
前述した通り、この印刷方法は、UVインクのミストが発生してUV光源125の照射面125a及びUV光源129の照射面129aに付着し、付着したミストが照射面125a及び照射面129aにおいて硬化する場合がある。
【0132】
また、前述した通り、UVインクのミストが、照射面125a及び照射面129aにおいて硬化すると、UV光源125及びUV光源129が照射するUV光の光量が低下し、印刷媒体3に吐出されたUVインクが適切に硬化されない可能性がある。特に、背景画像を印刷する際、印刷媒体3の印刷領域の全域に、背景画像印刷用UVインクを吐出するため、背景画像印刷用UVインクのミストは、主画像印刷用UVインクのミストより多く発生する。そのため、背景画像印刷用UVインクを硬化するUV光源125は、主画像印刷用UVインクを硬化するUV光源129と比較して、UVインクのミストにより照射するUV光の光量が低下する蓋然性が高い。また、背景画像印刷用UVインクのミストは、主画像印刷用UVインクのミストより多く発生するため、インク吐出用ノズル列14iの搬送方向HY2の下流側に配置されるUV光源129の照射面129aにも付着する蓋然性が高い。
【0133】
そこで、プラズマアクチュエーター20は、図11及び図12に示すように配置される。すなわち、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間、及び、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置される。このようにプラズマアクチュエーター20が配置されるため、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間、及び、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に気流を発生させることができる。そのため、インク吐出用ノズル列14iが吐出するUVインクのミストがUV光源125の照射面125aに付着することを抑制でき、また、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着することを抑制できる。そのため、印刷装置1aは、UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0134】
また、図11に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インクの吐出方向IY2に、気流を発生させる。このようにプラズマアクチュエーター20が配置されるため、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間にエアーカーテンが形成され、また、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間にエアーカーテンが形成される。したがって、UVインクのミストが、搬送方向HY2の下流側に流れることを抑制できる。したがって、インク吐出用ノズル列14iが吐出するUVインクのミストがUV光源125の照射面125aに付着しにくくなり、また、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1aは、UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。また、UVインクの吐出方向IY2に気流が発生するようプラズマアクチュエーター20が配置されるため、UVインクの着弾位置が、印刷媒体3の搬送により乱れることを抑制できる。
【0135】
なお、背景画像は、主画像より広範囲に印刷されることが多いので、背景画像印刷用UVインクの吐出量は主画像印刷用UVインクの吐出量より多いことがよくある。そのため、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流は、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流より風量が多くなるよう設定される。
【0136】
これにより、インク吐出用ノズル列14iが吐出するUVインクのミストが、印刷媒体3の搬送方向HY2の下流側に流れることを、より抑制できる。前述した通り、インク吐出用ノズル列14iが吐出するUVインクのミストは、主画像印刷用UVインクのミストより多く発生する。そのため、インク吐出用ノズル列14iの搬送方向HY2の下流側に配置されるUV光源125及びUV光源129の照射面には、インク吐出用ノズル列14iが吐出するUVインクのミストが付着する蓋然性が高い。そこで、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流は、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流より風量が多くなるよう設定される。そのため、インク吐出用ノズル列14iが吐出したUVインクのミストが、UV光源125及びUV光源129の照射面に付着することをより抑制できる。したがって、背景画像印刷UVインクのように、ミストが多く発生する場合でも、UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0137】
ここで、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流の風量に合わせて、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流の風量を多くすることが考えられる。しかしながら、前述した通り、プラズマアクチュエーター20は、駆動するために高電圧が必要であるため、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流の風量と、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流の風量とを同じにすると、消費電力の面において、懸念がある。本実施形態では、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流を、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20の気流より多くすることにより、消費電力を抑制した上で、UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0138】
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例について説明する。
【0139】
本変形例においては、インクジェットヘッド51〜53及びインクジェットヘッド55のそれぞれとプラズマアクチュエーター20との間、及び、UV光源120〜123及びUV光源125のそれぞれとプラズマアクチュエーター20との間に間隔がないものとする。すなわち、図9及び図11のような電極配置ができない。
【0140】
そこで、本変形例では、図5及ぶ図6のように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125の照射面125aとの間、インク吐出用ノズル列14eとUV光源120の照射面120aとの間、インク吐出用ノズル列14fとUV光源121の照射面121aとの間、インク吐出用ノズル列14gとUV光源122の照射面122aとの間、及び、インク吐出用ノズル列14hとUV光源123の照射面123aとの間に2つずつ、互いに向かい合う方向に気流が発生するよう配置される。
【0141】
このように各プラズマアクチュエーター20を配置することにより、お互いに向かいあう気流が2つのプラズマアクチュエーター20の間でぶつかるので、UVインクを吐出する吐出方向IY1に、気流を発生させることができる。そのため、プラズマアクチュエーター20が本変形例のように配置された場合でも、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0142】
本実施形態における印刷装置1aの機能的構成は、図8のキャリッジドライバー33とキャリッジモーター37とを除いた構成と同じである。
【0143】
したがって、印刷装置1aは、プラズマアクチュエーター20を駆動する駆動電圧生成部39を備える。本実施形態では、駆動電圧生成部39は、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45のそれぞれに搭載される。駆動電圧生成部39は、ヘッドユニット40〜43、及び、ヘッドユニット45に搭載される場合、例えば、インクジェットヘッドを支持する各支持部材に支持される。また、駆動電圧生成部39は、UV光源ユニット44に搭載される場合、例えば、支持部材114に支持される。
なお、ヘッドユニット40〜ヘッドユニット43、及び、ヘッドユニット45に搭載される駆動電圧生成部39は、対応するUV光源と共にUV光源ユニットが構成され、このUV光源ユニットに搭載されてもよい。
【0144】
ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45は、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルが配設されている。このフレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を追加敷設するのは、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じるため好ましくない。そのため、本実施形態においては、フレキシブルケーブルには低電圧の電源供給線を配設し、駆動電圧生成部39を、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45に搭載している。駆動電圧生成部39は、この定電圧の電源を入力電圧とし、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45にて高電圧に昇圧する。
【0145】
このように、駆動電圧生成部39が、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45に搭載されるため、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45内に、フレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0146】
以上、説明したように、本実施形態の印刷装置1aは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2(交差する方向)に延在するインク吐出用ノズル列141を具備するインクジェットヘッド50〜53を備える。
【0147】
これにより、方向TY2に延在するインク吐出用ノズル列141を具備するインクジェットヘッド50〜53を備える印刷装置1aにおいて、プラズマアクチュエーター20でUV光源129の照射面から離れる方向に気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0148】
また、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2に、インク吐出用ノズル列141と並んで配置される。
【0149】
これにより、プラズマアクチュエーター20が、印刷媒体3の搬送方向HY2に、インク吐出用ノズル列141と並んで配置されるため、搬送方向HY2に配置されるインク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクのミストが、UV光源129の照射面129aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1aは、UVインクのミストによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0150】
また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141がUVインクを吐出する吐出方向IY2に気流を発生させる。
【0151】
これにより、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出用ノズル列141がUVインクを吐出する吐出方向IY2に気流を発生させるため、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間にエアーカーテンが形成され、UVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源125の照射不良の発生を低減できる。
【0152】
また、印刷装置1aは、インク吐出用ノズル列として、背景画像を印刷するための背景画像印刷用UVインクを吐出するインク吐出用ノズル列14i(第1のインク吐出用ノズル列)と、主画像を印刷するための主画像印刷用UVインクを吐出するインク吐出用ノズル列141(第2のインク吐出用ノズル列)とを有する。また、印刷装置1aは、UV光源として、背景画像印刷UVインクを硬化させるためのUV光源125(第1のUV光源)と、主画像印刷用UVインクを硬化させるためのUV光源129(第2のUV光源)とを有する。そして、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間、及び、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置される。
【0153】
このように、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間、及び、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置される。そのため、背景画像印刷UVインクのミストが、UV光源125の照射面125aに付着しにくくなり、また、主画像印刷UVインクのミストが、UV光源129の照射面129aに付着しにくくなり、各UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0154】
また、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20が発生する気流より、風量の多い気流を発生させる。
【0155】
これにより、インク吐出用ノズル列14iが吐出したUVインクのミストが、UV光源125及びUV光源129の照射面に付着することをより抑制できる。したがって、背景画像印刷UVインクのように、ミストが多く発生する場合でも、UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0156】
また、印刷装置1aは、駆動電圧生成部39と、インク吐出用ノズル列141とを有するヘッドユニット40〜43を備える。また、印刷装置1aは、駆動電圧生成部39と、インク吐出用ノズル列14iとを有するヘッドユニット45を備える。
【0157】
これにより、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、ヘッドユニット40〜43、及び、ヘッドユニット45に配設されるフレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0158】
また、印刷装置1aは、駆動電圧生成部39と、UV光源124とを有するUV光源ユニット44を備える。
【0159】
これにより、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、UV光源ユニット44に配設されるフレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0160】
なお、本実施形態では、インクジェットヘッド51〜55は、搬送方向HY2に対し直交方向に延在するとして説明したが、かならずしも直交していないくてもかまわない。印刷媒体3の印刷領域をノズル列がカバーするように配置されていればよい。
【0161】
なお、本実施形態では、プラズマアクチュエーター20が、UVインクの吐出方向IY2に気流を発生させる場合を例示したが、UVインクのミストが、UV光源125の照射面125a及びUV光源129の照射面129aに付着することを抑制可能であれば、気流の発生させる方向は、UVインクの吐出方向IY2に限定されない。
例えば、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるプラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2と逆の方向に気流を発生させる構成でもよい。これにより、インク吐出用ノズル列141が吐出するUVインクのミストが、UV光源129の照射面129aに付着することを抑制できる。
また、例えば、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間に配置されるプラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2の逆の方向に気流を発生させる構成でもよい。これにより、インク吐出用ノズル列14iが吐出するUVインクのミストがUV光源125の照射面125aに付着することを抑制できる。
また、これら構成を組み合わせてもよい。
これら気流の方向も、UV光源の照射面から離れる方向に相当する。
【0162】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
【0163】
図13は、第3実施形態に係る印刷装置1bの概要を示す図である。第2実施形態に係る印刷装置1bと同一部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0164】
第3実施形態に係る印刷装置1bは、第2実施形態に係る印刷装置1aと比較して明らかな通り、回転式のドラムDR1を備え、ドラムDR1の回転により、印刷媒体3をドラムDR1の回転方向KHに搬送する。
【0165】
また、第3実施形態に係る印刷装置1bは、回転方向KHの上流側から順に、ヘッドユニット40、ヘッドユニット41、ヘッドユニット42、ヘッドユニット43、及び、UV光源ユニット44が配置される。
【0166】
ヘッドユニット40は、ドラムDR1の表面に、インク吐出面80が対向するよう配置される。インク吐出面80には、インク吐出用ノズル列14eが形成される。また、ヘッドユニット41は、ドラムDR1の表面に、インク吐出面81が対向するよう配置される。インク吐出面81には、インク吐出用ノズル列14fが形成される。また、ヘッドユニット42は、ドラムDR1の表面に、インク吐出面82が対向するよう配置される。インク吐出面82には、インク吐出用ノズル列14gが形成される。また、ヘッドユニット43は、ドラムDR1の表面に、インク吐出面83が対向するよう配置される。また、UV光源ユニット44は、ドラムDR1の表面に、インク吐出面83が対向するよう配置される。インク吐出面83には、インク吐出用ノズル列14hが形成される。
【0167】
本実施形態では、インク吐出面80と、インク吐出面80と対向するドラムDR1の表面との間隔(空間)、もしくは、インク吐出面80と、印刷媒体3との間隔(空間)もプラテンギャップに相当する。また、インク吐出面81と、インク吐出面82と対向するドラムDR1の表面との間隔(空間)、もしくは、インク吐出面81と、印刷媒体3との間隔(空間)もプラテンギャップに相当する。また、インク吐出面82と、インク吐出面82と対向するドラムDR1の表面との間隔(空間)、もしくは、インク吐出面82と、印刷媒体3との間隔(空間)もプラテンギャップに相当する。また、インク吐出面83と、インク吐出面83と対向するドラムDR1の表面との間隔(空間)、もしくは、インク吐出面83と、印刷媒体3との間隔(空間)もプラテンギャップに相当する。
【0168】
第3実施形態における印刷装置1bは、回転方向KHに搬送される印刷媒体3に対し、ヘッドユニット40〜43によりUVインクの吐出及び仮硬化を実行し、UV光源ユニット44により本硬化を実行する。
【0169】
このようなドラムDR1により印刷媒体3を搬送する印刷装置1bの場合、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置される。そして、プラズマアクチュエーター20は、ドラムDR1の回転方向と逆方向に気流を発生させる。
【0170】
ドラムDR1が回転することにより、この回転に起因して、プラテンギャップでは、回転方向KHに気流が発生する場合がある。そのため、各ヘッドユニット40〜43から吐出されたUVインクのミストが、ドラムDR1の回転方向KHに流れ、回転方向KHの下流側に位置するUV光源129の照射面129aに、付着する場合がある。しかしながら、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置されるため、UVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着することを抑制でき、UVインクによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0171】
また、プラズマアクチュエーター20は、ドラムDR1の回転方向と逆方向に気流を発生させる。これにより、プラテンギャップにおけるドラムDR1の回転に起因する回転方向KHへの気流を抑制でき、UVインクのミストがUV光源129に流れることを抑制できる。すなわち、印刷装置1bは、UVインクのミストがUV光源129の照射面129aに付着することを抑制でき、UVインクのミストによるUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
この回転方向KHの逆の方向も、UV光源の照射面から離れる方向に相当する。
【0172】
図14は、背景画像印刷用UVインクを吐出する、第3実施形態に係る印刷装置1bの概略を示す図である。図14において、図11及び図13と同一部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0173】
背景画像印刷用UVインクを吐出する場合、印刷装置1bは、ヘッドユニット40の回転方向KHの上流側に、ヘッドユニット45が配置される。
【0174】
ヘッドユニット45は、ドラムDR1の表面に、インク吐出面85が対向するよう配置される。インク吐出面85には、インク吐出用ノズル列14iが形成される。
【0175】
ここで、インク吐出面85と、インク吐出面85と対向するドラムDR1の表面との間隔(空間)、もしくは、インク吐出面85と、印刷媒体3との間隔(空間)もプラテンギャップに相当する。
【0176】
図14に示す印刷装置1bの場合、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14iとUV光源125との間、及び、インク吐出用ノズル列141とUV光源129との間に配置される。そして、各プラズマアクチュエーター20は、ドラムDR1の回転方向KHと逆の方向に気流を発生させる。
【0177】
このように、プラズマアクチュエーター20を配置し、ドラムDR1の回転方向KHと逆の方向に気流を発生させる。これにより、印刷装置1bが回転式のドラムDR1を備え、背景画像印刷用UVインクを吐出する場合でも、第2実施形態で説明した効果と同様の効果を奏する。
【0178】
本実施形態における印刷装置1bの機能的構成は、図8のキャリッジドライバー33とキャリッジモーター37とを除いた構成と同じである。
【0179】
したがって、印刷装置1bは、プラズマアクチュエーター20を駆動する駆動電圧生成部39を備える。本実施形態では、駆動電圧生成部39は、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45のそれぞれに搭載される。駆動電圧生成部39は、ヘッドユニット40〜43、及び、ヘッドユニット45に搭載される場合、例えば、インクジェットヘッドを支持する各支持部材に支持される。また、駆動電圧生成部39は、UV光源ユニット44に搭載される場合、例えば、支持部材114に支持される。
なお、ヘッドユニット40〜ヘッドユニット43、及び、ヘッドユニット45に搭載される駆動電圧生成部39は、対応するUV光源と共にUV光源ユニットが構成され、UV光源ユニットに搭載されてもよい。
【0180】
少なくとも、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45は、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルが配設されている。このフレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を追加敷設するのは、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じるため好ましくない。そのため、本実施形態においては、フレキシブルケーブルには低電圧の電源供給線を配設し、駆動電圧生成部39をヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45に搭載している。駆動電圧生成部39は、この定電圧の電源を入力電圧とし、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45にて高電圧に昇圧する。
【0181】
このように、駆動電圧生成部39が、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45に搭載されるため、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45内に、フレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
【0182】
なお、本実施形態では、プラズマアクチュエーター20が、ドラムDR1の回転方向KHと逆方向に気流を発生させる場合を例示したが、UVインクが、UV光源129及びUV光源125の照射面に付着することを抑制可能であれば、ドラムDR1の回転方向KHと逆方向に気流を発生させる構成に限定されない。例えば、プラズマアクチュエーター20が発生する気流は、ドラムDR1の表面方向でもよい。この方向であっても、ドラムDR1の回転方向KHにUVインクのミストが流れることを抑制できるため、UVインクのミストによるUV光源129及びUV光源125の照射不良の発生を低減できる。
この気流の方向も、UV光源の照射面から離れる方向に相当する。
【0183】
また、本実施形態では、1のドラムDR1の周辺に、回転方向KHの上流側から、ヘッドユニット45、ヘッドユニット40〜43、及び、UV光源ユニット44が配置される構成を例示した。しかしながら、ヘッドユニット45が配置されるドラムと、ヘッドユニット41〜43、及び、UV光源ユニット44が配置されるドラムとが異なってもよい。この場合、印刷装置1bは、印刷媒体3の搬送方向の上流側から順に、ヘッドユニット45が配置されるドラム、ヘッドユニット40〜43、及び、UV光源ユニット44が配置されるドラムが配置される。
【0184】
以上、説明したように、印刷装置1bは、印刷媒体3を搬送する回転式のドラムDR1を備える。プラズマアクチュエーター20は、ドラムDR1が回転する回転方向KHと逆の方向に気流を発生させる。
【0185】
これにより、印刷装置1bがドラムDR1を備える構成において、プラズマアクチュエーター20が、ドラムDR1が回転する回転方向KHと逆の方向に気流を発生させるため、UVインクのミストがUV光源125及びUV光源129の照射面に付着しにくくなり、UVインクのミストによるUV光源125及びUV光源129の照射不良の発生を低減できる。
【0186】
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。
【0187】
例えば、上述した第1実施形態では、印刷装置1が、印刷媒体3にシアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックのUVインクを吐出して、印刷媒体3に画像を印刷する構成を例示した。しかしながら、第1実施形態における印刷装置1も、第2実施形態における印刷装置1a、及び、第3実施形態における印刷装置1bと同様に、印刷媒体3に背景画像を印刷する構成でもよい。この場合、ヘッドユニット16には、背景画像印刷用UVインクを吐出するインクジェットヘッドと、この背景画像印刷用UVインクを硬化するUV光源とが搭載される。そして、この背景画像印刷用インクのミストが、このUV光源の照射面に付着することを抑制可能に、適宜、プラズマアクチュエーター20が配置される。なお、背景画像印刷用UVインクを吐出するインクジェットヘッドと、この背景画像印刷用UVインクを硬化させるUV光源とは、インクジェットヘッド11と一体であってもよい。
【0188】
また、上述した各実施形態では、印刷面側から視認する印刷物を印刷するために、背景画像を印刷した上に主画像を重畳印刷する場合について記述したが、印刷面とは反対側から視認する印刷物を印刷するために、主画像を先に印刷した上に背景画像を重畳印刷する場合もある。その場合は、キャリッジ10の移動方向または印刷媒体3の搬送方向の上流側に主画像印刷用のノズル列が配置され、背景画像印刷用のノズル列は下流側に配置される。すなわち、図11ないし図14における各ヘッドユニットの並び順が異なるだけであり、UV光源の照射面の下流方向にプラズマアクチュエーター20を備えることにかわりはなく、本実施形態で説明したのと同じ作用効果を有することは言うまでもない。
【0189】
また、上述した第2実施形態において、背景画像用UVインクのミストに対応するプラズマアクチュエーター20が発生する気流の風量は、主画像用UVインクのミストに対応するプラズマアクチュエーター20が発生する気流より多いことを記述した。このことは、上述した第1実施形態の印刷装置1、及び、第3実施形態の印刷装置1bにおいても同様の構成をとることができ、同様の作用効果を有することは言うまでもない。
【0190】
また、例えば、上述した第2実施形態における印刷装置1a、及び、第3実施形態における印刷装置1bは、それぞれが別体の、ヘッドユニット40〜43、及び、UV光源ユニット44を備える構成を例示した。しかしながら、ヘッドユニット40〜43、及び、UV光源ユニット44は、一体のユニットとして構成されてもよい。また、上述した第2実施形態における印刷装置1a、及び、第3実施形態における印刷装置1bは、それぞれが別体の、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45を備える構成を例示した。しかしながら、ヘッドユニット40〜43、UV光源ユニット44、及び、ヘッドユニット45は、一体型のユニットとして構成されてもよい。
【0191】
また、例えば、上述した各実施形態では、背景画像印刷用UVインクとしてホワイトのUVインクを例示した。しかしながら、背景画像印刷用UVインクは、ホワイトのUVインクに限定されず、例えば、メタリック系のUVインクでもよく、背景画像の印刷に用いられるUVインクであればよい。また、主画像印刷用UVインクとしてシアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックのUVインクを例示した。しかしながら、主画像印刷用UVインクは、これらUVインクに限定されず、背景画像に重畳して印刷する主画像の印刷に用いられるUVインクであればよい。また、印刷装置1a、1bは、クリア(透明)のUVインクを吐出する構成としてもよい。この場合、印刷装置1a、1bは、クリアのUVインクを吐出するインク吐出用ノズル列を有する。また、印刷装置1a、1bは、このインク吐出用ノズル列を有するインクジェットヘッドがライン型のインクジェットヘッドである場合、クリアのUVインクを硬化するUV光源を有する。
【0192】
また、図8に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した各実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、印刷装置1、1a、1bの他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0193】
1…印刷装置、1a…印刷装置、1b…印刷装置、3…印刷媒体、10…キャリッジ、11…インクジェットヘッド、12…UV光源、12a…照射面、13…UV光源、13a…照射面、14…インク吐出用ノズル列、14a〜14i…インク吐出用ノズル列、16…ヘッドユニット、20…プラズマアクチュエーター、39…駆動電圧生成部、40〜43…ヘッドユニット、44…UV光源ユニット、45…ヘッドユニット、50〜55…インクジェットヘッド、120〜125…UV光源、120a〜125a…照射面、129…UV光源、129a…照射面、141…インク吐出用ノズル列、DR1…ドラム。
89 インク出面
図1
図2
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図4
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図7
図8
図9
図10
図11
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図14