(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定値取得部は、前記複数の電子機器のうち何れか一の電子機器に投入されたジョブを実行するために使用される各電子機器の機能に関連する設定項目の設定値を各電子機器から取得し、
前記比較部は、当該機能に関連する各電子機器の設定項目の設定値を、当該設定項目ごとに比較し、前記電子機器の間で差異のある設定値を検出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器設定装置。
複数の電子機器のWebパネルを表示する表示部と、前記表示部に表示されるWebパネルに対する操作を受け付ける操作部と、を有する情報処理装置に実行され、該情報処理装置を、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の電子機器設定装置として機能させるプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、一のMFPの複数のドライバ印刷条件を全て横並びで表示することにより比較し、設定の差異をユーザに認識させる技術であり、複数の電子機器の設定値を確認するものではない。
【0007】
また、設定値を変更するためにユーティリティを使用した場合、通常、ユーティリティのUI(ユーザインタフェース)と実際の電子機器のUIが異なっているので、そのユーティリティに不慣れなユーザにとっては、ユーティリティの設定項目と実際のMFPの設定項目との関連性が理解できない可能性があった。これにより、ユーザの所望する設定値とは異なる設定値を入力するおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、ユーザにとって使用しやすいユーザインタフェースを使って、複数の電子機器間の設定値の差異の確認およびその設定値の変更をするための電子機器設定装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]複数の電子機器のWebパネルを表示する表示部と、
前記複数の電子機器の設定値を各電子機器から取得する設定値取得部と、
前記設定値取得部によって取得された電子機器の設定値を設定項目ごとに比較し、前記電子機器の間で差異のある設定値の設定項目を検出する比較部と、
前記比較部によって検出された差異のある設定値の設定項目のうち一の設定項目の選択を受け付ける操作部と、
前記操作部によって選択を受け付けた前記一の設定項目に対応する
前記複数の電子機器の各Webパネルを
同時に、前記一の設定項目の設定値とともに前記表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記操作部は、
前記表示部に同時に表示された前記複数の電子機器の各Webパネルのいずれからも前記一の設定項目の設定値の変更を受け付ける
ことを特徴とする電子機器設定装置。
【0011】
上記発明では、複数の電子機器の間で差異のある設定値の設定項目が検出され、その検出された設定項目のうち選択された一の設定項目に対応するWebパネルが、当該設定項目の設定値とともに表示される。そして、電子機器設定装置は、ユーザから、そのWebパネルを介して、選択された設定項目の設定値の変更の指示を受ける。
【0012】
[2]前記表示制御部は、
前記差異のある設定値の設定項目のリストを前記表示部に表示させ、
前記操作部が前記リストの中から前記一の設定項目の選択を受け付けたとき、前記一の設定項目に対応する
前記複数の電子機器の各Webパネルを
同時に、前記一の設定項目の設定値とともに前記表示部に表示させる
ことを特徴とする[1]に記載の電子機器設定装置。
【0013】
上記発明では、検出された差異のある設定値の設定項目がリストとして表示される。そして、そのリストから特定の設定項目が選択されると、その特定の設定項目に対応する
複数の電子機器の各Webパネルが
同時に、当該設定項目の設定値とともに表示される。
【0014】
[3]前記操作部は、前記比較部によって比較されるべき設定値の設定項目を特定する設定項目特定情報を受け付け、
前記比較部は、前記設定項目特定情報によって特定される設定項目の設定値を当該設定項目ごとに比較し、前記電子機器の間で差異のある設定値を検出する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の電子機器設定装置。
【0015】
上記発明では、設定項目特定情報によって特定された設定項目の設定値のみが比較される。
【0016】
[4]前記設定項目特定情報は、キーワードである
ことを特徴とする[3]に記載の電子機器設定装置。
【0017】
[5]前記設定値取得部は、前記複数の電子機器のうち何れか一の電子機器に投入されたジョブを実行するために使用される各電子機器の機能に関連する設定項目の設定値を各電子機器から取得し、
前記比較部は、当該機能に関連する各電子機器の設定項目の設定値を、当該設定項目ごとに比較し、前記電子機器の間で差異のある設定値を検出する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の電子機器設定装置。
【0018】
上記発明では、電子機器に投入されたジョブを実行するために使用される各電子機器の機能に関連する設定項目の設定値のみが比較される。
【0019】
[6]前記ジョブは、各電子機器のジョブリストから選択される
ことを特徴とする[5]に記載の電子機器設定装置。
【0020】
上記発明では、各電子機器に記録されているジョブリストから一のジョブが選択され、その選択されたジョブを実行するために使用される各電子機器の機能に関連する設定項目の設定値が比較される。
【0021】
[7]
前記操作部は、画質ボタンが操作された場合に、前記電子機器の印刷機能の画質に関連する画質設定項目の
中から一の画質設定項目の選択を受け付け、
前記設定値取得部は、前記操作部によって選択を受け付けた一の画質設定項目の設定値を前記複数の電子機器から取得し、
前記表示制御部は、前記操作部によって選択を受け付けた前記一の画質設定項目に対応する前記複数の電子機器の各Webパネルを
同時に、当該画質設定項目の設定値とともに前記表示部に表示させ、さらに、前記一の画質設定項目の設定値を設定するための設定ガイドを前記表示部に表示させ、
前記操作部は、
前記表示部に同時に表示された前記複数の電子機器の各Webパネルのいずれからも前記一の画質設定項目の設定値の変更を受け付け
得る
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の電子機器設定装置。
【0022】
上記発明では、印刷機能の画質に関連する画質設定項目に対応するWebパネルが、当該画質設定項目の設定値とともに表示され、さらに、その設定値を設定するための設定ガイドが表示される。そして、表示された設定ガイドを参考に設定値の変更指示がなされる。
【0023】
[8]複数の電子機器のWebパネルを表示する表示部と、前記表示部に表示されるWebパネルに対する操作を受け付ける操作部と、を有する情報処理装置に実行され、該情報処理装置を、[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の電子機器設定装置として機能させるプログラム。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る電子機器設定装置およびプログラムによれば、ユーザにとって使用しやすいユーザインタフェースを使って、複数の電子機器間の設定値の差異の確認およびその設定値の変更をすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器設定システム5の概略図を示す。電子機器設定システム5は、LAN(Local Area Network)3などの無線または有線のネットワークを通じて、電子機器設定装置としてのPC(Personal Computer)10と、電子機器としての複数の複合機40とを通信可能に接続して構成される。
【0028】
PC10は、複合機40を管理する端末等のコンピュータ装置である。特に、PC10は、複合機40との通信を行うことで表示されるWebパネルに対する操作に基づいて、各複合機40の設定を行う。
【0029】
複合機40は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部装置へ送信したりするスキャンジョブ、PCから送出されたデータに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリントジョブ、ファクシミリ手順に従って画像データを送信するファクシミリ送信ジョブなどのジョブを実行する機能を備える。また、各複合機40は、PC10にWebパネルを表示させるためのデータをPC10に送信する機能(Webパネル機能)を有する。
【0030】
本実施の形態では、各複合機40は、それぞれ異なるユーザインタフェースを有するWebパネルをPC10に表示させるためのデータを送信する。Webパネルのユーザインタフェースが異なるとは、例えば、Webパネルで表示されるボタンやタブの配置や形状、Webパネルを介して設定されるべき設定項目の名称、Webパネルで表示されるべき設定項目の階層構造などが複合機40ごとに異なることである。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に係る電子機器設定装置としてのPC10の概略構成を示すブロック図である。PC10は、当該PC10の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)11を有している。CPU11にはバスを通じてROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、不揮発メモリ14、ハードディスク装置15、ネットワーク通信部16、操作パネル20、認証部23などが接続されている。
【0032】
CPU11は、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。
【0033】
ROM12には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が各種処理を実行することでPC10の各機能が実現される。
【0034】
RAM13は、CPU11がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。
【0035】
不揮発メモリ14は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の保存などに使用される。
【0036】
ハードディスク装置15は、大容量不揮発の記憶装置であり、各種のプログラムやデータを記憶する。また、ハードディスク装置15は、後述するWebパネルアプリ30と設定呼び出しツール31(
図3参照)を格納する。
【0037】
ネットワーク通信部16は、ネットワークを通じて各種の装置や携帯端末等と通信する機能を果たす。特に、ネットワーク通信部16は、各複合機40のWebパネルを表示するためのデータを受信するとともに、各複合機40に対してジョブや特定の設定項目の設定指示等を送信する。また、ネットワーク通信部16は、各複合機40と通信を行うことにより、複数の複合機40の設定値を各複合機40から取得する設定値取得部としての機能を果たす。
【0038】
操作パネル20は、操作部21と表示部22を備えている。表示部22は、各種の操作画面、設定画面等を表示する機能を果たす。表示部22は液晶ディスプレイとそのドライバなどで構成される。操作部21はユーザから各種の操作を受ける機能を果たす。操作部21はスタートボタンやテンキーなどの各種ハードスイッチと、表示部22の表示面上に設けられたタッチスクリーンを備えている。タッチスクリーンは、表示部22の表示面がタッチペンや指などで接触操作された座標位置を検出する。
【0039】
特に、表示部22は、各複合機40から受信したWebパネルを表示するためのデータに基づいて、Webパネルを表示する。また、操作部21は、表示部22がWebパネルを表示することによって、表示されたWebパネルに対する操作を受け付ける。
【0040】
認証部23は、PC10を使用するユーザを認証する。ユーザ認証については、例えば、認証部23は、ユーザがPC10に入力したユーザ認証に必要な情報(ID、パスワードなど)に基づいて、ユーザ認証を行う。
【0041】
図3は、PC10に格納されているWebパネルアプリ30と設定呼び出しツール31を説明するための説明図である。
【0042】
Webパネルアプリ30は、各複合機40のWebパネルを操作パネル20に表示させるためのアプリケーションである。PC10は、各複合機40のWebパネルを表示させるためのデータを各複合機40から受信すると、Webパネルアプリ30によって各複合機40のWebパネルを操作パネル20に表示させる。
【0043】
これらWebパネルは、複合機40の操作パネル48(
図4参照)に表示される設定画面と同一のユーザインタフェースを有する。これにより、ユーザは、複合機40の操作パネル48に表示される設定画面と同じように、PC10に表示されるWebパネルを操作することができる。
【0044】
設定呼び出しツール31は、各複合機40に設定される設定値を呼び出し、複数の複合機40の設定値の差異の確認およびその設定値の変更を補助するためのツールである。設定呼び出しツール31は、関連テーブル32と、設定呼び出し機能33と、ジョブリスト表示指示機能34と、設定値差異表示機能35と、画質カテゴリ選択機能36と、画質カテゴリ設定表示指示機能37と、画質ガイド表示機能38とを有する。
【0045】
関連テーブル32は、各複合機40のすべての設定項目から設定比較対象の設定項目を特定するためのテーブルである。この関連テーブル32は、設定比較対象の設定項目を特定するためのキーワードと各複合機40の設定項目とを関連付けて格納されている。そして、所定のキーワードが入力されると、この関連テーブル32を参照して、当該キーワードに関連する設定項目が特定される。
【0046】
設定呼び出し機能33は、ユーザからの操作により、設定値取得部として、各複合機40から所定の設定項目の設定値を呼び出し、さらに、表示制御部として、所定の設定項目に対応するWebパネルを、その呼び出された設定値とともに、操作パネル20に表示させる機能を有する。
【0047】
ジョブリスト表示指示機能34は、各複合機40に投入されたジョブのリスト(ジョブリスト)を複合機40ごとに呼び出すとともに、表示制御部として、そのジョブリストを操作パネル20に表示させる機能を有する。
【0048】
設定値差異表示機能35は、比較部として、設定呼び出し機能33によって呼び出された各複合機40の同一の設定項目の設定値同士を比較し、その設定項目の設定値の差異を検出する機能を有する。また、設定値差異表示機能35は、設定値の差異を検出したとき、表示制御部として、差異が検出された設定値とその設定項目を操作パネル20に表示させる機能を有する。
【0049】
画質カテゴリ選択機能36は、複合機40が印刷ジョブ等を実行するときに形成される画像の画質に関連するカテゴリ(たとえば、濃度、コントラスト、明度など)の選択を、操作部21を介して受け付ける機能を有する。
【0050】
画質カテゴリ設定表示指示機能37は、表示制御部として、画質カテゴリ選択機能36を使用して選択されたカテゴリに対応する設定項目の設定値を調整するためのWebパネルを表示させる機能を有する。
【0051】
画質ガイド表示機能38は、表示制御部として、画質に関する設定項目の設定値を調整するためのガイダンスを表示させる機能を有する。
【0052】
図4は、複合機40の概略構成を示すブロック図である。複合機40は、当該複合機40の動作を統括的に制御するCPU41を有している。CPU41にはバスを通じてROM42、RAM43、不揮発メモリ44、ハードディスク装置45、画像読取部46、自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)47、操作パネル48、ネットワーク通信部52、画像処理部53、プリンタ部54、ファクシミリ通信部55、認証部56などが接続されている。
【0053】
CPU41は、OSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。また、CPU41は、自装置のWebパネルをPC10の操作パネル20に表示させるためのデータを作成する。
【0054】
ROM42には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU41が各種処理を実行することで複合機40の各機能が実現される。
【0055】
RAM43は、CPU41がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0056】
不揮発メモリ44は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の保存などに使用される。特に、不揮発メモリ44は、自機の様々な設定項目の設定値を記憶する。
【0057】
ハードディスク装置45は、大容量不揮発の記憶装置であり、印刷データ、画像データなどのほか各種のプログラムやデータが記憶される。また、ハードディスク装置45には、自機に投入されたジョブのリストが記憶されている。
【0058】
画像読取部46は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。画像読取部46は、例えば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動ユニットと、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0059】
自動原稿搬送部47は、原稿台にセットされた原稿をその最上のものから1枚ずつ順に繰り出して搬送し、画像読取部46の読み取り位置を通過させて所定の排紙位置へ排紙する機能を果たす。画像読取部46は、プラテンガラス上に載置された原稿を読み取る機能と、自動原稿搬送部47によって搬送される原稿を順次読み取る機能を備えている。
【0060】
操作パネル48は、操作部49と表示部50を備えている。表示部50は各種の操作画面、設定画面等を表示する機能を果たし、その構成はPC10に備えられる操作パネル20の表示部22と同様である。本実施の形態では、表示部50によって表示される操作画面、設定画面等のユーザインタフェースは、PC10の操作パネル20に表示されるべき自装置のWebパネルと同一のユーザインタフェースである。操作部49はユーザから各種の操作を受ける機能を果たし、その構成はPC10に備えられる操作パネル20の操作部21と同様である。
【0061】
ネットワーク通信部52は、ネットワークを通じて各種の装置や携帯端末等と通信する機能を果たす。特に、ネットワーク通信部52は、PC10との通信を行い、PC10に対して自装置のWebパネルを表示させるためのデータを送信し、PC10から自装置に対する設定要求を受信する。また、ネットワーク通信部52は、複合機40がPC10から設定呼び出し要求を受信したときに、当該設定呼び出し要求において指定された設定項目の設定値をPC10に送信する機能を果たす。
【0062】
画像処理部53は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
【0063】
プリンタ部54は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は他の方式でもかまわない。
【0064】
ファクシミリ通信部55は、ファクシミリ機能を備えた装置と電話回線を通じて画像データを送受信する機能を果たす。特に、ファクシミリ通信部55は、自装置に設定されたファクシミリ送信ジョブを実行することにより、ファクシミリ機能を備えた他の装置に画像データを送信する。
【0065】
認証部56は、複合機40を使用するユーザを認証する。また、認証方法は、パスワード、指紋、静脈などを用いた任意の方法でよい。
【0066】
次に、本実施の形態に係る電子機器設定システム5の概略動作の一例について説明する。
【0067】
図5は、各複合機40の設定値を呼び出し、選択された設定項目の設定値を対応するWebパネルに表示させる処理(設定呼び出し処理)を示すフローチャートである。
図6は、
図5に示されたフローチャートの処理による操作パネル20の画面遷移を示した説明図である。
【0068】
まず、PC10は、設定呼び出しツール31の起動指示をユーザから受け付けると、設定呼び出しツールを起動する(
図5のステップS101)。設定呼び出しツール31が起動すると、PC10は、設定呼び出しツール31により、
図6(a)のように、設定比較対象の2台の複合機40のIPアドレスを入力するためのIPアドレス入力画面60を操作パネル20に表示させる。IPアドレス入力画面60には、2つのIPアドレス入力欄61と、接続ボタン62が設けられている。
【0069】
PC10は、ユーザから、設定比較対象である2台の複合機40のIPアドレスの入力と、接続ボタン62の押下を受け付けると(
図5のステップS102)、入力されたIPアドレスが割り当てられている複合機40と通信可能に接続する(ステップS103;Yes)。そして、PC10は、設定呼び出しツール31により、
図6(b)のように、設定項目入力画面70を操作パネル20に表示させる(
図5のステップS104)。設定項目入力画面70には、キーワード入力欄71が設けられている。
【0070】
キーワード入力欄71に入力されるべきキーワードは、各複合機40のすべての設定項目のうち設定比較対象の設定項目を特定する設定項目特定情報である。このキーワードには、たとえば、「印刷」、「スキャン」、「画質」などがある。
【0071】
PC10は、ユーザから、所定のキーワードの入力を受け付け、さらに、OKボタン72の押下を受け付けると(ステップS105;Yes)、関連テーブル32(
図6(c))を参照して、当該キーワードに関連する設定項目を特定する(
図5のステップS106)。たとえば、所定のキーワードとして「画質」が入力されると、「画質」に関連する「濃度」、「コントラスト」、「明度」などの設定項目が特定される。
【0072】
その後、PC10は、ステップS106で特定された設定項目の設定値を、ステップS103で通信可能に接続された各複合機40から呼び出す(ステップS107)。
【0073】
そして、PC10は、設定値差異表示機能35により、ステップS107で呼び出された各複合機40における同一設定項目の設定値同士を比較し、その設定値同士に差異があるか否かを判断する(ステップS108)。ステップS106で特定されたすべての設定項目において設定値に差異がないと判断したときは(ステップS108;No)、特定された設定項目の設定値に差異がない旨を操作パネル20に表示させた上で(ステップS109)、本処理を終了する。
【0074】
PC10は、設定値同士に差異があると判断したとき(ステップS108;Yes)、設定値差異表示機能35により、
図6(d)のように、設定値に差異がある設定項目のリスト表示画面80を操作パネル20に表示させる(
図5のステップS110)。
【0075】
PC10は、表示されたリストから一の設定項目の選択をユーザから受け付けると(ステップS111;Yes)、
図6(e)のように、選択された設定項目に対応する各複合機40のWebパネル90、100を、各複合機40に設定されている設定値とともに表示させる(
図5のステップS112)。
【0076】
図7は、ステップS112で表示される各複合機40のWebパネルの一例を示す説明図である。
図7の場合、設定値に差異がある設定項目のリストが表示されるとともに、ステップS111において設定項目「エッジ強調」が選択され、「エッジ強調」に対応する各複合機40のWebパネルが表示されている。
【0077】
そして、PC10は、一の複合機40の設定値の変更をユーザから受け付けると(ステップS113;Yes)、変更された設定値に基づいて、当該複合機40へ設定値の変更指示を行う(ステップS114)。
【0078】
その後、PC10は、当該複合機40からWebパネルの更新指示を受信すると、設定値が変更された更新Webパネルを操作パネル20に表示させ(ステップS115)、本処理を終了する。
【0079】
これにより、2台の複合機40の設定値の差異の確認およびその設定値の変更を容易にすることができる。
【0080】
次に、本実施の形態に係る電子機器設定システム5の概略動作の他の例について説明する。
【0081】
図8および
図9は、所定のジョブに関連する複合機40の設定値を呼び出し、選択された設定項目の設定値を対応するWebパネルに表示させる処理(設定呼び出し処理)を示すフローチャートである。
図10は、
図8および
図9に示されたフローチャートの処理による操作パネル20の画面遷移を示した説明図である。
【0082】
まず、PC10は、設定呼び出しツール31の起動指示をユーザから受け付けると、設定呼び出しツールを起動する(
図8のステップS201)。設定呼び出しツール31が起動すると、PC10は、設定呼び出しツール31により、
図6(a)のように、設定比較対象の2台の複合機40のIPアドレスを入力するためのIPアドレス入力画面60を操作パネル20に表示させる。
【0083】
PC10は、ユーザから、設定比較対象である2台の複合機40のIPアドレスの入力と、接続ボタン62の押下を受け付けると(
図8のステップS202)、入力されたIPアドレスが割り当てられている複合機40と通信可能に接続する(ステップS203;Yes)。そして、PC10は、設定呼び出しツール31により、
図10(a)のように、設定項目入力画面110を操作パネル20に表示させる(
図8のステップS204)。設定項目入力画面110には、キーワード入力欄111の他に、ジョブ比較ボタン112が設けられている。
【0084】
PC10は、ジョブ比較ボタン112の押下を受け付けると(ステップS205;Yes)、設定呼び出しツール31のジョブリスト表示指示機能34により、
図10(b)のように、ステップS203において接続された各複合機40に投入されたジョブのリストを示すWebパネル120、121を操作パネル20に表示させる(
図8のステップS206)。このリストには、実行済みのジョブや、実行中のジョブおよび実行待機中のジョブなども含まれる。
【0085】
このとき、ユーザは、Webパネル120(または、Webパネル121)の中から一のジョブを選択し、その選択されたジョブをWebパネル121(または、Webパネル120)へ移動させるドラッグ&ドロップ操作を行う。PC10は、このドラッグ&ドロップ操作を受け付けると(ステップS207;Yes)、設定値特定処理を行う(ステップS208)。
【0086】
図11は、設定値特定処理を示すフローチャートである。
【0087】
まず、PC10は、ステップS207で受け付けたドラッグ&ドロップ操作から選択されたジョブのジョブ情報を特定する(ステップS301)。
【0088】
そして、PC10は、特定されたジョブ情報から、当該ジョブの実行処理内容を把握し、当該ジョブに関連する設定情報を割り出す(ステップS302)。ここで、ジョブに関連する設定情報とは、たとえば、当該ジョブを実行するときに使用される機能の設定項目および各複合機40に現在設定されている当該設定項目の設定値などである。たとえば、ジョブが印刷ジョブである場合、印刷機能の設定項目(たとえば、カラー/モノクロ設定、用紙設定、エッジ強調設定など)および各複合機40に現在設定されている印刷機能の設定項目の設定値(たとえば、カラー印刷、A4印刷、エッジ強調オンなど)がジョブに関連する設定情報に該当する。
【0089】
その後、PC10は、設定呼び出しツール31の設定呼び出し機能33により、ステップS207で受け付けたドラッグ&ドロップ操作時に選択されたジョブが投入された複合機40と、当該ドラッグ&ドロップ操作により移動されたジョブの移動先であるWebパネルに対応する複合機40に対して、当該ジョブに関連する設定情報をPC10に送信するよう指示する(ステップS303)。
【0090】
PC10は、当該ジョブに関連する設定情報を受信すると(
図8のステップS209;Yes)、設定値差異表示機能35により、その設定情報から各複合機40における同一設定項目の設定値同士を比較し、その設定値同士に差異があるか否かを判断する(ステップS210)。当該ジョブに関連するすべての設定項目において設定値に差異がないと判断したときは(ステップS210;No)、当該ジョブに関連する設定項目の設定値に差異がない旨を操作パネル20に表示させた上で(ステップS211)、本処理を終了する。
【0091】
PC10は、設定値同士に差異があると判断したとき(ステップS210;Yes)、設定値差異表示機能35により、
図10(c)のように、設定値に差異がある設定項目のリスト表示画面130を操作パネル20に表示させる(
図9のステップS212)。
【0092】
PC10は、表示されたリストから一の設定項目の選択をユーザから受け付けると(ステップS213;Yes)、
図11(d)のように、選択された設定項目に対応する各複合機40のWebパネル140、150を、各複合機40に設定されている設定値とともに表示させる(
図9のステップS214)。
【0093】
そして、PC10は、一の複合機40の設定値の変更をユーザから受け付けると(ステップS215;Yes)、変更された設定値に基づいて、当該複合機40へ設定値の変更指示を行う(ステップS216)。
【0094】
その後、PC10は、当該複合機40からWebパネルの更新指示を受信すると、設定値が変更された更新Webパネルを操作パネル20に表示させ(ステップS217)、本処理を終了する。
【0095】
これにより、同一のジョブを2台の複合機40で実行する場合、これら複合機40における当該ジョブに関連する設定値の差異の確認およびその設定値の変更を容易にすることができる。
【0096】
次に、各複合機40における画質に関連する設定値の変更のための電子機器設定システム5の概略動作について説明する。
【0097】
2台以上の複合機40に同一の印刷ジョブを実行させる場合、一般的に、当該印刷ジョブの実行に使用される機能の設定値が各複合機40において同一であれば、同一の印刷物が得られる。
【0098】
しかしながら、たとえ印刷ジョブの実行に使用される機能の設定値が同一であっても、複合機40間の個体差によって印刷物の画質にばらつきが発生することがある。
【0099】
そこで、本実施の形態に係る電子機器設定システム5は、上記のような個体差が発生する場合、画質に関連する設定を複合機40ごとに変更するための処理を行う。
【0100】
図12は、各複合機40の画質に関連する設定値を呼び出し、対応するWebパネルを用いて設定値を変更するための処理(画質改善処理)を示すフローチャートである。
図13は、
図12に示されたフローチャートの処理による操作パネル20の画面遷移を示した説明図である。
【0101】
まず、PC10は、設定呼び出しツール31の起動指示をユーザから受け付けると、設定呼び出しツールを起動する(
図12のステップS401)。設定呼び出しツール31が起動すると、PC10は、設定呼び出しツール31により、
図6(a)のように、設定比較対象の2台の複合機40のIPアドレスを入力するためのIPアドレス入力画面60を操作パネル20に表示させる。
【0102】
PC10は、ユーザから、設定比較対象である2台の複合機40のIPアドレスの入力と、接続ボタン62の押下を受け付けると(
図12のステップS402)、入力されたIPアドレスが割り当てられている複合機40と通信可能に接続する(ステップS403;Yes)。そして、PC10は、設定呼び出しツール31により、
図13(a)のように、設定項目入力画面160を操作パネル20に表示させる(
図12のステップS404)。設定項目入力画面160には、キーワード入力欄161の他に、画質ボタン162が設けられている。
【0103】
PC10は、画質ボタン162の押下を受け付けると(ステップS405;Yes)、
図13(b)のように、画質カテゴリ選択画面170を操作パネル20に表示させる(
図12のステップS406)。
【0104】
このとき、PC10は、設定呼び出しツール31の画質カテゴリ選択機能36により、ユーザから、画質カテゴリ選択画面170のプルダウンメニュー171のうち一のカテゴリの選択(
図13(b)の場合、「コントラスト」)と、OKボタン172の押下を受け付ける(ステップS407;Yes)。そして、PC10は、設定呼び出し機能33により、選択されたカテゴリに分類される設定値を、ステップS403で通信可能に接続された各複合機40から呼び出す(ステップS408)。
【0105】
その後、PC10は、画質カテゴリ設定表示指示機能37により、
図13(c)のように、選択されたカテゴリに対応する各複合機40のWebパネル180、181を、各複合機40に設定されている設定値とともに表示させる(
図12のステップS409)。
【0106】
また、同時に、PC10は、画質ガイド表示機能38により、
図13(d)のように、設定ガイド画面190を表示させる(ステップS410)。
【0107】
そして、PC10は、一の複合機40の設定値の変更をユーザから受け付けると(ステップS411;Yes)、変更された設定値に基づいて、当該複合機40へ設定値の変更指示を行う(ステップS412)。
【0108】
その後、PC10は、当該複合機40からWebパネルの更新指示を受信すると、設定値が変更された更新Webパネルを操作パネル20に表示させ(ステップS413)、本処理を終了する。
【0109】
これにより、2台以上の複合機40に同一の印刷ジョブを実行させる場合、複合機40間の個体差によって印刷物の画質にばらつきが発生することがあっても、画質に関連する設定値を容易に変更することができる。
【0110】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0111】
本実施の形態では、2台の複合機40と接続することによって、これら複合機40の設定値の比較・変更を行っていたが、設定比較対象の複合機は3台以上でもよい。
【0112】
本実施の形態では、複合機40は、それぞれ異なるユーザインタフェースを有するWebパネルをPC10に表示させていたが、複数の電子機器は、それぞれ同一のユーザインタフェースを電子機器設定装置に表示させてもよい。
【0113】
また、本実施の形態では、設定比較対象の複合機40とPC10との接続を行うとき、設定比較対象の複合機40のIPアドレスを入力していたが、当該複合機40を特定する情報であれば、各複合機40の名称、ID番号、型番等でもよい。また、複合機40を特定する情報を入力するとき、プルダウンメニュー等を使って当該情報を入力してもよい。
【0114】
同様に、本実施の形態では、ステップS105において、設定項目特定情報としてキーワードが入力されたが、数種類の設定項目をリストアップしたプルダウンメニュー等を使って設定項目特定情報を入力してもよい。
【0115】
図10(b)では、選択されたジョブをドラッグ&ドロップ操作で移動させることにより、そのジョブに関連する設定項目の設定値の比較・変更を行っていたが、選択されるジョブと、設定比較対象の2台以上の複合機40を特定することができれば、操作の種類を問わない。
【0116】
また、本実施の形態では、電子機器を複合機40として説明したが、Webパネルを電子機器設定装置に表示させる電子機器であって、設定比較対象の複数の電子機器が共通の設定項目を有しているならは、コピー機、ファクシミリ機など電子機器の種類は問わない。
【0117】
また、本発明は、電子機器設定装置として情報処理装置を機能させるプログラムとされてもよい。