(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
{実施形態}
以下、実施形態に係る端部加工装置について説明する。
図1は、実施形態に係る端部加工装置1を示す概略平面図である。
図2は、実施形態に係る端部加工装置1によって加工されたツイスト電線2を示す概略平面図である。
【0027】
端部加工装置1は、ツイスト電線2の端部を加工する装置である。
【0028】
<ツイスト電線2>
まず端部加工装置1で加工されるツイスト電線2について先に説明する。
【0029】
加工前のツイスト電線2は、撚り合わされた複数の電線3と、複数の電線3を覆うジャケット6とを備える。以下では、ツイスト電線2が2つの電線3を備える例で説明する。
【0030】
各電線3は、芯線4と芯線4の周囲を覆う絶縁被覆5とを含む。芯線4は、銅またはアルミニウム等の導電材料によって形成される。芯線4は、1本の素線で構成されていてもよいし、複数本の素線で構成されていてもよい。芯線4が複数本の素線で構成されている場合、複数本の素線は、撚り合わされていてもよいし、撚り合わされていなくてもよい。絶縁被覆5は、樹脂などの絶縁材料(例えば、ポリエチレン又はポリ塩化ビニル等)が、芯線4の周囲に例えば押出成形されることなどによって形成される。
【0031】
特にここでは、2つの電線3の絶縁被覆5は色が異なっている。これにより、2つの電線3は、色により判別可能とされる。もっとも、2つの電線3の絶縁被覆5の色は同じであってもよい。
【0032】
ジャケット6は、シースなどとも呼ばれ、樹脂などの絶縁材料(例えば、ポリエチレン又はポリ塩化ビニル等)が撚り合わされた2つの電線3の周囲に押出成形されるなどして形成される。
【0033】
端部加工装置1によって加工される前のツイスト電線2は、長尺な状態で存在する。そして端部加工装置1の上流側において長尺な状態のツイスト電線2から必要な長さ寸法に切断されて、下流側に搬送される。このため、加工初期のツイスト電線2においてはジャケット6がツイスト電線2の一端縁部から他端縁部まで覆っている。
【0034】
端部加工装置1によって加工された後のツイスト電線2は、各電線3端部に圧着された端子7をさらに備える。より詳細には、必要な長さ寸法に切断されたツイスト電線2は、次に端部のジャケット6が皮剥ぎされる。これにより、電線3端部が露出する。その後、露出した電線3端部において、撚りがほどかれたうえで、絶縁被覆5が皮剥ぎされる。これにより、芯線4端部が露出する。端子7は露出した当該芯線4端部に接続される。
【0035】
具体的には端子7は、圧着部8と相手側接続部9とを備える。圧着部8は、芯線圧着部8aと被覆圧着部8bとを備える。相手側接続部9は、例えば、雄端子形状に形成されていてもよいし、雌端子形状に形成されていてもよい。ここでは、相手側接続部9は、箱状に形成された箱部を有している。箱部の内部には、当該箱部の内部に挿入された相手側のタブ端子と接続可能な接点部が形成されている。
【0036】
こうして加工されたツイスト電線2は、車両に搭載されるワイヤーハーネスに組み込まれ、例えば、イーサネット(登録商標)規格に準拠する高速通信用のケーブルとして用いられる。
【0037】
<端部加工装置1>
次に、端部加工装置1の全体構成について説明する。
図1に示されるように、端部加工装置1においては、ツイスト電線2を調尺切断する調尺切断工程と、ツイスト電線2の端部のジャケット6を皮剥ぎするジャケット皮剥工程と、撚り合わされた2本の電線3の撚りをほどく撚りほどき工程と、2本の電線3の端部を位置決めしつつセットする端部セット工程と、電線3端部の先端をカットし絶縁被覆5を皮剥ぎする先端カット皮剥工程と、電線3端部に端子7を圧着する端子圧着工程と、を連続的に行うことが可能である。各工程は、それぞれ別に設けられた装置で行われる。従って、端部加工装置1は、上記各工程を行う各装置にツイスト電線2を搬送する搬送部100と、上記各工程を行う各装置、つまり、ツイスト電線2を調尺切断する調尺切断装置200と、ツイスト電線2の端部のジャケット6を皮剥ぎするジャケット皮剥装置300と、撚り合わされた2本の電線3の撚りをほどく撚りほどき撚りほどき装置400と、2本の電線3の端部を位置決めしつつセットする端部セット装置500と、電線3端部の先端をカットし絶縁被覆5を皮剥ぎする先端カット皮剥装置600と、電線3端部に端子7を圧着する端子圧着装置700とを備える。調尺切断装置200と、ジャケット皮剥装置300と、撚りほどき装置400と、端部セット装置500と、先端カット皮剥装置600と、端子圧着装置700とは、搬送部100における搬送方向に沿ってこの順に並んでいる。
【0038】
本実施形態では、長尺のツイスト電線2が、最初の調尺切断装置200で必要長さ寸法に調尺切断された後、下流側の各装置に順次搬送され、各工程を経由することで、ツイスト電線2の各電線3端部に端子7が圧着される。
【0039】
特に、本実施形態では、最初の調尺切断装置200において調尺切断されたツイスト電線2の両端部が搬送部100においてそれぞれ別にチャックされ、当該ツイスト電線2の両端部が一括して各装置に順次搬送される場合が示されている。
【0040】
端部加工装置1における各構成要素の駆動は、制御部800によって制御されている。
【0041】
ここでは、ツイスト電線2は、搬送部100の後述する搬送チャック150に中間部が支持された状態で搬送部100によって延在方向と直交する方向に搬送される。以下では、搬送部100の搬送方向をx軸方向、搬送されるツイスト電線2の延在方向をy軸方向、x軸方向及びy軸方向に直交する方向をz軸方向として説明する。本実施形態では、z軸方向が鉛直方向に沿う方向である。x軸方向において、上流側から下流側に向かって搬送する向きを正の向きとする。y軸方向において、ツイスト電線2のうち搬送部100の搬送チャック150に支持される部分から先端に向かう方向を正の向きとする。z軸方向において鉛直方向上向きを正の向きとする。
【0042】
以下、端部加工装置1の各装置について詳述する。
【0043】
<搬送部100>
図3は、搬送部100を示す側面図である。搬送部100は、x方向移動部110と、少なくとも1つの搬送ユニット120とを備える。
図1に示す例では、搬送部100は、複数の搬送ユニット120を備えている。
【0044】
x方向移動部110は、搬送ユニット120をx方向に沿って移動させる。当該x方向移動部110に沿って各工程を行う各装置が配される。これにより、搬送ユニット120に支持されたツイスト電線2が各装置に順に搬送される。
図1に示す例では、1つのx方向移動部110によって複数の搬送ユニット120が各工程を行う各装置に順次搬送される。この場合、x方向移動部110は、無端環状に敷設されたチェーンと、チェーンを回転駆動する駆動部とを備える構成が考えられる。なお、1つのx方向移動部110によって1つの搬送ユニット120が各工程を行う各装置に順次搬送される場合、x方向移動部110は、レールとレールに沿って走行可能な走行部と走行部を駆動する駆動部とを備え、走行部がレールに沿って往復移動する構成も考えられる。
【0045】
各搬送ユニット120は、2つのチャックユニット122を備える。1つの搬送ユニット120における2つのチャックユニット122の一方は、1つのツイスト電線2の一端をチャックし、1つの搬送ユニット120における2つのチャックユニット122の他方は、同じツイスト電線2の他端をチャックする。これにより、x方向移動部110は、1つのツイスト電線2の両端をそれぞれ別のチャックユニット122がチャックした状態の搬送ユニット120をx方向に順次搬送し、もって、1つのツイスト電線2が一体的にx方向に順次搬送される。
【0046】
具体的には、各チャックユニット122は、y方向移動部130と、z方向第1移動部140と、搬送チャック150と、z方向第2移動部160と、先端チャック170とを備える。ここでは、x方向移動部110によってy方向移動部130がx方向に沿って移動可能に設けられている。y方向移動部130によって、第1ベース部124を介して、z方向第1移動部140がy方向に移動可能に設けられている。z方向第1移動部140によって、第2ベース部126がz方向に移動可能に設けられている。第2ベース部126には、搬送チャック150と、z方向第2移動部160とが固定されている。z方向第2移動部160によって、第3ベース部128を介して、先端チャック170がz方向に移動可能に設けられている。
【0047】
y方向移動部130は、ここではボールねじ機構が採用されている。ボールねじ機構は、例えば、モータ132と、モータ132によって回転可能なねじ軸134と、第1ベース部124を支持し、ねじ軸134の回転により移動可能なボール付ナット(図示省略)とを含む。もっとも、y方向移動部130は、シリンダ等によって構成されていてもよい。y方向移動部130は、後述する股さき治具522と2つの電線3とを第1方向(ここではy方向)に沿って相対移動可能な第1方向相対移動部の一例である。
【0048】
z方向第1移動部140は、レール142と、レール142に沿って走行可能な走行部144と、走行部144を駆動するモータ又はシリンダ等の駆動源(図示省略)とを含む。もっとも、z方向第1移動部140としては、ボールねじ機構等の他の構成が採用されていてもよい。
【0049】
図4は、搬送チャック150を示す正面図である。
図5は、搬送チャック150を示す平面図である。搬送チャック150は、爪部152と、爪部152を開閉駆動する駆動部154とを含む。ここでは、爪部152は、駆動部154によって一の直線方向に沿って平行に開閉する。つまりここでは、搬送チャック150は、いわゆる平行開閉チャックであるものとして説明する。もっとも、搬送チャック150は、爪部152が支点を中心に回転して開閉する、いわゆる支点開閉チャックであってもよい。
【0050】
各爪部152は、金属または樹脂等を材料として板状に形成されている。爪部152の側面には、開閉方向に傾斜状に凹む凹部152aが形成されている。当該凹部152aは、一対の爪部152に左右対称に形成されている。当該凹部152aに電線3が嵌ってチャックされることにより、異なる径の電線3をx方向及びz方向にセンタリングしつつチャックすることができる。ここでは爪部152は、
図5に示すようにy方向に離れて二対設けられている。そして二対の爪部152は、1つの駆動部154によって一体的に駆動する。もっとも爪部152は一対であってもよいし、三対以上であってもよい。また、駆動部154は、一対の爪部152の一方を駆動するものであってもよい。また、二対以上の爪部152が設けられる場合、各対に異なる駆動部154が設けられていてもよい。
【0051】
z方向第2移動部160は、レール162と、レール162に沿って走行可能な走行部164と、走行部164を駆動するモータ又はシリンダ等の駆動源(図示省略)とを含む。もっとも、z方向第2移動部160としては、ボールねじ機構等の他の構成が採用されていてもよい。z方向第2移動部160は、先端チャック170と、2つの電線3とを第2方向(ここではz方向)に沿って相対移動させる第2方向相対移動部の一例である。
【0052】
図6は、先端チャック170を示す正面図である。
図7は、先端チャック170を示す平面図である。先端チャック170は、2つの電線3を仕切りつつチャックする。つまり先端チャック170は、2つの電線3を位置決めしつつ保持可能である。具体的には、先端チャック170は、挿入片172と、2つの挟持片174と、駆動部176とを含む。ここでは、挿入片172及び駆動部176が第3ベース部128に固定されている。そして、2つの挟持片174が駆動部176に駆動可能に支持されている。ここでは、2つの挟持片174は、駆動部176によってx方向に沿って平行に開閉する。つまりここでは、先端チャック170は、いわゆる平行開閉チャックであるものとして説明する。もっとも、先端チャック170は、いわゆる支点開閉チャックであってもよい。
【0053】
挿入片172は、2つの電線3の間に挿入される部分である。挿入片172は、樹脂又は金属等を材料として板状に形成されると共に、挿入方向先端部173aが基端部173bに対して先端に行くにつれて細くなる先細り形状に形成されている。ここでは、挿入片172はz方向第2移動部160によってz方向に沿って移動しつつ、2つの電線3の間に挿入される。このため、挿入片172はz方向に沿って先細りの形状とされている。先端部173aにおける側面の中間部分173cはyz平面に平行に形成されている。当該中間部分173cは、挟持片174とで電線3を挟持する部分である。先端部173aにおける中間部分173cよりも先端部分及び基端部分は、それぞれ先細り形状とされている。かかる挿入片172は、基端部173bからy方向に延びる連結片173dを介して第3ベースに固定されている。
【0054】
挟持片174は、樹脂又は金属等を材料として板状に形成されている。挟持片174は、駆動部176によって直接駆動される爪部178の1つの角部に対してx方向に沿って挿入片172側に突出する態様で設けられている。挟持片174は、挿入片172における上記中間部分173cに対向する位置に設けられている。挟持片174において、挿入片172の上記中間部分173cに対向する側面もまたyz平面に平行とされている。2つの挟持片174は、挿入片172を挟んで相互に反対側に設けられている。爪部178に対する挟持片174のx方向に沿った突出寸法は、挿入片172における上記中間部分173cに対する基端部173bの側面の突出寸法と同程度に(ここでは僅かに小さく)設定されている。
【0055】
なお、当該搬送部100において、1つのx方向移動部110によってツイスト電線2がすべての装置に順次搬送されるものとして説明したが、このことは必須の構成ではない。例えば、いくつかの装置毎にステーション化し、隣接するステーション間でツイスト電線2を移し替えるものであってもよい。この場合、例えば、搬送部100は、ステーションごとに設けられる複数のx方向移動部110を備える。この場合、各ステーションにおいて搬送ユニット120は1つ設けられ、x方向移動部110は当該1つの搬送ユニット120をx方向に沿って往復移動させることも考えられる。このようなx方向移動部110としては、レールとレールに沿って走行可能な走行部と走行部を駆動する駆動部とを備える構成が考えられる。また、この場合、搬送部100は、隣接するステーション間に配されて、ツイスト電線2を隣接するステーションの搬送ユニット120間で移し替える移替部をさらに備えることが考えられる。
【0056】
いくつかの装置毎にステーション化する場合、各ステーションにおけるチャックユニット122の構成は、適宜カスタマイズされるとよい。例えば、調尺切断装置200を含むステーションが撚りほどき装置400よりも下流側の装置を含まない場合、調尺切断装置200を含むステーションにおけるチャックユニット122は先端チャック170が省略されることが考えられる。また、いくつかの装置毎にステーション化する場合、各ステーションで行われる工程に係る時間の合計がなるべく揃うように装置が配分されることが好ましい。これにより、各ステーションで遊びの時間が減り、1つの製造ラインにおける時間当たりの生産量を増やすことができる。
【0057】
<調尺切断装置200>
調尺切断装置200は、長尺なツイスト電線2を必要な長さに調尺して切断する装置である。調尺切断装置200は、例えば、図示省略の電線供給部、調尺部、および切断部を備える構成が考えられる。電線供給部は、長尺なツイスト電線2が巻回されたリールと、リールからツイスト電線2をその長手方向に沿って送出す電線送出部とを備える。調尺部は、電線供給部より送出されるツイスト電線2の長さを計測すること、すなわち、調尺を可能に構成されている。例えば、送出されるツイスト電線2を一対のローラ等で挟込み、ツイスト電線2の送出しに伴って従動回転するローラの回転数、回転角度等を検出することによって、ツイスト電線2の長さを計測する。切断部は、調尺部を経て送出されるツイスト電線2を切断可能に構成されている。例えば、切断部は、調尺部を経て送出されるツイスト電線2を挟込んで切断可能な一対の切断刃を含む。そして、調尺部からの出力信号に基づいて、ツイスト電線2が必要長さ分送出されると、一対の切断刃がツイスト電線2を切断する。これにより、目標長さのツイスト電線2を連続的に製造することができる。
【0058】
調尺切断装置200によって所定長に切断されたツイスト電線2は、搬送部100によって両端部をチャックされU字状に曲った状態で搬送される。
【0059】
<ジャケット皮剥装置300>
ジャケット皮剥装置300は、調尺切断装置200の下流側に設けられ、ツイスト電線2の両端部のジャケット6を剥離可能に構成されている。ジャケット皮剥装置300は、例えば、刃先が平行な一対の皮剥刃620を備えており、一対の皮剥刃620をツイスト電線2のジャケット6に切込ませた状態で、一対の皮剥刃620をツイスト電線2に対して回転させたうえでツイスト電線2の延在方向に沿ってその端部側に移動させることによって、ツイスト電線2の端部のジャケット6の皮剥を行う。このジャケット皮剥装置300によって、ツイスト電線2の両端部に所定長の電線3が露出するようになる。
【0060】
<撚りほどき装置400>
次に、
図8乃至
図13を参照しつつ実施形態に係る撚りほどき装置400について説明する。
図8は、実施形態に係る撚りほどき装置400を示す概略側面図である。
図9は、センタリングチャック432を示す正面図である。
図10は、捩り部440を示す正面図である。
図11は、センタリングチャック432と捩り部440との位置関係を示す説明図である。
図12は、センタリングチャック432と捩り部440との位置関係を示す説明図である。
図13は、姿勢認識部410及び姿勢矯正部430を示すブロック図である。
【0061】
撚りほどき装置400は、2つの電線3の端部の撚り合わせをほどく装置であり、特にここではツイスト電線2の端部においてジャケット6から露出した2つの電線3の撚り合わせをほどく。以下では、撚り合わされた2つの電線3のうちツイスト電線2の端部においてジャケット6から露出した部分を撚りほどき領域とする。具体的には、撚りほどき装置400は、姿勢認識部410と、撚りほどき用チャック420と、姿勢矯正部430とを備える。また、ここでは、搬送部100の一部の構成要素が撚りほどき装置400の構成要素を兼ねている。例えば、搬送部100におけるy方向移動部130が撚りほどき装置における撚りほどき用チャック420とツイスト電線2との相対移動部として機能する。
【0062】
姿勢認識部410は、ツイスト電線2が支持された状態で撚りほどき領域における2つの電線3の軸心周り(ここではy軸周り)のツイスト電線2の姿勢を認識可能に設けられている。姿勢認識部410は、撮像部412と、撮像データ取得部413と、電線抽出部414と、線幅取得部416と、姿勢取得部418とを含む。
【0063】
撮像部412は、撚りほどき領域を撮像可能とされる。特にここでは、撮像部412は、撚りほどき領域のうち撚りほどきチャックによるチャック対象領域を撮像可能とされる。以下では、撚りほどき領域のうちジャケット6と、2つの電線3との境界に近い位置がチャック対象領域であるものとして説明する。具体的には撮像部412は、カメラ及び図示省略の照明部等によって構成される。カメラは、縦フレーム402から延びる横フレーム404に固定されており、z方向から撚りほどき領域を撮像可能とされる。
【0064】
ここで、カメラはカラー画像を出力可能なカラーカメラであるとよい。すなわち、上記ツイスト電線2において2本の電線3の絶縁被覆5の色が異なっている。このため、この色の違いを利用して2本の電線3を判別可能されている。そして、姿勢矯正部430では、2本の電線3の相対姿勢だけでなく、2つの電線3の位置まで考慮することもあるため、カラー画像を得られることが好ましい。もっとも、撮像データにおいて画像の濃淡(輝度)の差によって2つの電線3を判別可能である場合等には、白黒画像を出力するカメラを採用してもよい。
【0065】
撮像データ取得部413は、撚りほどき領域を撮像した撮像部412から送られてくる信号を処理して、撮像データを取得する。なお、撮像部412で撮影して得たデータが、他のコンピュータ等で処理されることによって、撮像データが取得されてもよい。この場合、撮像データが、上述の読取部または通信部を介して、外部から制御部800に取り込まれるようにしてもよい。
【0066】
撮像データ取得部413に与えられた撮像データは、まず電線抽出部414によって電線3の電線形が抽出される。次に、得られた電線形に基づいて、線幅取得部416によってチャック対象領域における2つの電線3の幅寸法が取得される。その後、得られた2つの電線3の幅寸法に基づいて、姿勢取得部418によって、2本の電線3の姿勢が取得される。
【0067】
電線抽出部414は、撮像データ取得部413によって取得された撮像データを処理して、電線3の外形線を抽出して電線データを取得する。本実施形態では、撮像部412としてカラーカメラを用いているため、例えば、撮像データにおける色の変化を用いて電線データを取得できる。具体的には撮像データから電線3を抽出するには、例えば、撮像データに含まれる色データにおける電線3色および背景色を読み取ることなどが考えられる。
【0068】
線幅取得部416は、チャック対象領域における各電線3の線幅を取得する。具体的には、電線データにおいて、チャック対象領域にx方向に沿った基準線を設定する。例えば、ジャケット6端縁部に相当する線から所定距離、離れた位置に基準線を設定することが考えられる。そして、基準線において電線幅、つまり基準線と電線3の外形線との交点間の距離を測定する。
【0069】
姿勢取得部418は、線幅データに基づいてチャック対象領域における2つの電線3の姿勢を取得する。これについて詳しくは後述する。
【0070】
撚りほどき用チャック420は、撚りほどき領域における2つの電線3をチャック可能である。具体的には撚りほどき用チャック420は、爪部422と、爪部422を開閉駆動する駆動部424とを含む。ここでは、撚りほどき用チャック420は、いわゆる平行開閉チャックであるものとして説明する。より詳細には、駆動部424は、縦フレーム402に固定されている。そして、一対の爪部422がz方向に分かれて駆動部424に支持され、z方向に開閉可能とされる。各爪部422は、駆動部424に対してy方向に突出する基端部422aと、基端部の先端からz方向に突出する先端部422bとを含む。これにより、一対の爪部422は、2つの電線3の撚りほどき領域のうちチャック対象領域よりも先端側をチャックせずにその懐に収めつつ、撚りほどき領域のうちジャケット6側に位置するチャック対象領域をチャック可能とされる。
【0071】
ここで、一対の爪部422の開閉方向は、姿勢矯正部430によって矯正される姿勢に応じて決定されるものであり、z方向に限られるものではなく、例えばx方向であってもよい。より詳細には、姿勢矯正部430によって、2つの電線3は、各中心軸(芯線4の中心軸)がチャック対象領域においてx方向に並ぶ姿勢に矯正される。そして、一対の爪部422の開閉方向は、チャック対象領域において各中心軸が並ぶ方向(ここではx方向)および各中心軸の延在方向(ここではy方向)に直交する方向(ここではz方向)に設定されている。
【0072】
姿勢矯正部430は、y軸周りにおいて、姿勢認識部410によって認識された2つの電線3の姿勢に基づいて、撚りほどき用チャック420に対する2つの電線3の姿勢が目的姿勢となるように2つの電線3の姿勢と撚りほどき用チャック420の姿勢との相対姿勢を矯正する。ここでは姿勢矯正部430は、撚りほどき領域における2つの電線3の姿勢を目的姿勢に矯正する。特にここでは、姿勢矯正部430は、チャック対象領域における2つの電線3の姿勢を目的姿勢に矯正する。以下では、目的姿勢が、2つの電線3の各中心軸(芯線4の中心軸)がチャック対象領域においてx方向に並ぶ姿勢であるものとして説明する。ツイスト電線2を回転させることを前提として、このような姿勢を目的姿勢とすることによって、ツイスト電線2の姿勢が目的姿勢である状態で、撚りほどき装置400以降の各装置に搬送される。これにより、各装置でのツイスト電線2に対する処理が施しやすくなる。具体的には、姿勢矯正部430は、センタリングチャック432と、捩り部440と、電線押え部470と、回転量取得部438と、を含む。
【0073】
センタリングチャック432は、回転前のツイスト電線2をチャックしてセンタリングする部分である。また、センタリングチャック432がチャックしたままツイスト電線2が捩り部440によって回転される。従って、センタリングチャック432は、回転中のツイスト電線2の軸心方向がぶれることを抑制する部分でもある。センタリングチャック432は、横フレーム404に固定されている支持ベース部406に支持されている。具体的にはセンタリングチャック432は、爪部434と、爪部434を開閉駆動する駆動部436とを含む。ここでは、センタリングチャック432は、いわゆる平行開閉チャックであるものとして説明する。爪部434は、搬送チャック150の爪部152と同様に、二対設けられ、各爪部434の側面には傾斜状の凹部434aが形成されている。この凹部434aに電線3が嵌りつつチャックされることで電線3をx方向及びz方向にセンタリングすることができる。
【0074】
捩り部440は、撚りほどき領域よりも後端側におけるツイスト電線2をチャックしつつ回転させて目的姿勢にする部分である。捩り部440は、上記支持ベース部406に支持されている。具体的には捩り部440は、センターギヤ442と、第1ユニット450及び第2ユニット460とを含む。
【0075】
センターギヤ442は、図示省略のモータによって回転駆動可能に設けられている。センターギヤ442を駆動するモータが例えば支持ベース部406に固定されている。センターギヤ442は、外周面に後述する第1ラック部452及び第2ラック部462と噛み合う歯が形成されている。なお、
図10に示す例では、センターギヤ442は、歯が省略されて描かれている。
【0076】
第1ユニット450及び第2ユニット460は、センターギヤ442の回転によって相互に逆向きに直線移動可能に設けられている。第1ユニット450は、第1ラック部452と、第1ベース部454と、第1ガイド部456と、第1駆動部(図示省略)と、第1爪片459とを含む。同様に、第2ユニット460は、第2ラック部462と、第2ベース部464と、第2ガイド部466と、第2駆動部(図示省略)と、第2爪片469とを含む。第1ユニット450及び第2ユニット460は、yz平面に対して面対称に設けられている。
【0077】
第1ラック部452及び第2ラック部462は、x方向に沿ってセンターギヤ442に対して相互に反対側から噛合うように設けられている。第1ラック部452及び第2ラック部462は、z方向に歯が並ぶように形成されている。このため、第1ユニット450及び第2ユニット460は、センターギヤ442の回転によってz方向に相互に逆向きに直線移動する。センターギヤ442と、第1ラック部452及び第2ラック部462とによって第1爪片459及び第2爪片469がz方向に相対移動する。従って、センターギヤ442と、第1ラック部452及び第2ラック部462とは、爪片移動部の一例である。
【0078】
第1ベース部454及び第2ベース部464は、それぞれ第1ラック部452及び第2ラック部462を支持する部分である。第1ベース部454及び第2ベース部464は、z方向に延びて形成されている。第1ベース部454及び第2ベース部464の下端にそれぞれ第1ガイド部456及び第2ガイド部466が固定されている。
【0079】
第1ガイド部456は、第1ベース部454の下端に設けられて、x方向に延びる第1レール部457と、第1レール部457に沿って走行する第1走行部458とを備える。同様に、第2ガイド部466は、第2ベース部464の下端に設けられて、x方向に延びる第2レール部467と、第2レール部467に沿って走行する第2走行部468とを備える。第1走行部458及び第2走行部468は、図示省略の第1駆動部及び第2駆動部によってそれぞれ独立して駆動される。また、第1走行部458及び第2走行部468には、それぞれ第1爪片459及び第2爪片469が固定される。
【0080】
第1爪片459及び第2爪片469は金属または樹脂等を材料として板状に形成されており、x方向に相互に対向する面がyz平面に平行な面とされる。第1爪片459及び第2爪片469は第1走行部458及び第2走行部468の走行駆動によって、x方向に接近離間移動可能とされる。従ってここでは第1爪片459及び第2爪片469の挟持方向はx方向である。第1爪片459及び第2爪片469は接近状態で、上記対向面の間にツイスト電線2を挟持可能とされている。第1爪片459及び第2爪片469は、センタリングチャック432におけるy方向に離れた二対の爪部434の間に配される。そして、第1爪片459及び第2爪片469がツイスト電線2を挟持すると共に、センタリングチャック432の二対の爪部434がy方向に沿って第1爪片459及び第2爪片469を挟む位置でツイスト電線2を挟持した状態でセンターギヤ442を回転駆動させることによって、ツイスト電線2が回転する。
【0081】
より詳細には、センターギヤ442を回転駆動させることによって第1爪片459及び第2爪片469がz方向に沿って相互に逆向きに移動する(
図27、
図32参照)。この際、センタリングチャック432の二対の爪部434がy方向に沿って第1爪片459及び第2爪片469を挟む位置でツイスト電線2を挟持しているため、ツイスト電線2のうち第1爪片459及び第2爪片469によって挟持される部分はz方向に移動しない。これにより、ツイスト電線2は第1爪片459及び第2爪片469の対向面からそれぞれ同じ向きのトルクが与えられ、当該トルクにより、ツイスト電線2が回転する。従って、第1爪片459及び第2爪片469の対向面は摩擦係数が高く形成されていることが好ましい。例えば、対向面を構成する材料として摩擦係数の比較的高い材料を用いる、表面粗さを粗くする(表面に微細な凹凸を設ける)などして摩擦係数を高くすることが考えられる。
【0082】
回転量取得部438は、線幅取得部416によって取得された線幅を処理してツイスト電線2の目的回転量を取得する。こうして得られた目的回転量に応じてセンターギヤ442の回転量が決定される。これについて詳しくは後述する。
【0083】
電線押え部470は、搬送チャック150のチャックが解除された状態で捩り部440によってツイスト電線2が回転された後、再び搬送チャック150がツイスト電線2をチャックする際に、チャックミスが生じることを抑制する部分である。電線押え部470は、横フレーム404の先端に支持されている。電線押え部470は、y方向に沿って捩り部440に対して搬送チャック150を挟んで反対側の位置に設けられている。また、電線押え部470は、z方向に沿って搬送チャック150に対してツイスト電線2を挟んで反対側の位置に設けられている。これにより、搬送チャック150のチャックが解除された状態で捩り部440によってツイスト電線2が回転された際に、ツイスト電線2のうち捩り部440よりも後端側部分が+z方向に浮き上がろうとした場合に、電線押え部470がこれを抑えることができる。この結果、捩り部440によってツイスト電線2が回転された後、搬送チャック150がツイスト電線2をチャックする際に、チャックミスが生じにくくなる。
【0084】
撚りほどき装置400に対して搬送部100によってツイスト電線2が搬送されてきた際の初期状態は、
図8に示す状態である。この状態でz方向第1移動部140によって第2ベース部126が+z方向に移動することによって、ツイスト電線2が捩り部440の動作領域に達する(
図21参照)。この状態で、ツイスト電線2が回転されて2つの電線3の姿勢が目的姿勢に矯正された後、y方向移動部130によってz方向第1移動部140が+y方向に移動しつつ、z方向第1移動部140によって第2ベース部126が−z方向に移動することによって、ツイスト電線2のチャック対象領域が、撚りほどき用チャック420の動作領域に達する(
図33参照)。この状態で撚りほどき用チャック420がツイスト電線2のチャック対象領域をチャックした後、撚りほどき用チャック420とツイスト電線2とを相対運動させることによって撚りほどき領域における2つの電線3の撚りをほどく撚りほどき動作が実行される。
【0085】
撚りほどき動作としては、例えば、しごき動作と捩り動作とが考えられる。ここでは、撚りほどき動作がしごき動作であるものとして説明し、撚りほどき動作が捩り動作である事例については後述する。
【0086】
より詳細には、撚りほどき用チャック420がツイスト電線2のチャック対象領域をチャックした状態で、撚りほどき用チャック420とツイスト電線2とをy方向に相対移動させる。この際、撚りほどき用チャック420がツイスト電線2に対して先端側に移動するように、両者が相対移動する。ここでは、y方向移動部130によってz方向第1移動部140が−y方向に移動することによって、撚りほどき用チャック420に対してツイスト電線2が−y方向に移動する(
図35参照)。これにより、撚りほどき用チャック420が2本の電線3をチャックした状態で、チャックする部分が電線3の先端側にずれていき、このとき生じる摩擦力によって、2本の電線3の撚りが解消される。撚りほどき領域における撚りがほどかれたツイスト電線2は、端部セット装置500に送られる。
【0087】
<端部セット装置500>
次に、
図14乃至
図17を参照しつつ端部セット装置500について説明する。
図14は、端部セット装置500を示す概略側面図である。
図15は、
図14の一部を拡大した図である。
図16は、センタリングチャック510を示す正面図である。
図17は、股さき部520を示す正面図である。
【0088】
端部セット装置500は、複数の電線3における端部同士を位置決め状態にセットするための装置である。ここでは端部セット装置500は、2本の電線3の端部を位置決めしつつ保持する。具体的には、端部セット装置500は、センタリングチャック510と、股さき部520と、電線押え部550とを備える。また、ここでは、搬送部100の一部の構成要素が端部セット装置500の構成要素を兼ねている。例えば、搬送部100における先端チャック170が端部セット装置500における先端チャック170として機能する。
【0089】
センタリングチャック510は、ツイスト電線2をセンタリング可能に設けられている。ここでは、センタリングチャック510は、2本の電線3が股さき部520の動作領域に達した状態でツイスト電線2におけるジャケット6が残る部分をチャックする。具体的には、センタリングチャック510は、爪部512と、駆動部514とを含む。ここでは、センタリングチャック510は、いわゆる支点開閉チャックであるものとして説明する。爪部512は、y軸周りに回転駆動可能に支持されている。この際、センタリングチャック510は、ツイスト電線2をx方向にセンタリング可能であればよく、ツイスト電線2をz方向にセンタリングすることは必須の構成ではない。このため、爪部512には、閉姿勢でz方向に一様に延びる溝部512aが形成されている。駆動部514は、例えば、シリンダ又はモータ等によって構成され、縦フレーム502から延びる横フレーム504に固定されている。
【0090】
股さき部520は、股さき治具522と、股さき治具移動部526と、ステージ540とを含む。また、股さき部520は、股さき治具522が複数の電線3の端部同士の間に挿入された状態で股さき治具522と複数の電線3とをy方向に沿って相対移動可能なy方向相対移動部を含む。ここでは、搬送部100におけるy方向移動部130がy方向相対移動部を兼ねている。
【0091】
股さき治具522は、y方向に沿って延びる複数の電線3の端部同士の間に挿入可能に形成されている。股さき治具522は、樹脂又は金属等を材料として板状に形成されている。股さき治具522は、z方向に沿って先細りの形状に形成されている。従って股さき治具522の先端にはz方向に対して傾斜する傾斜面524が形成されている。ここでは股さき治具522には2つの傾斜面524が形成されている。2つの傾斜面524は、yz平面に対称な形状に形成されている。2つの傾斜面524の交差する角度は、0度より大きく180度より小さいものであれば特に限定されるものではない。ここでは、2つの電線3はステージ540に載せられ、股さき治具522は2つの電線3に対してステージ540と反対側から接近していく。このため、股さき治具522の先端が電線3の間に進入した後、ステージ540に対して当接するまでの間、徐々に電線3の股を裂く量を大きくすることができる。換言すると、股さき治具522がステージ540と当接すると、それ以上移動できなくなり、それ以上電線3の股をさくことができなくなる。このため、電線3径と2つの傾斜面524の交差する角度とによって、股さき治具522が電線3の股を裂ける最大の量(x方向への2つの電線3の移動距離の総和)が決まる。従って、この最大の量が目標となる股さき量よりも大きくなるように、傾斜面524の角度が設定されるとよい。
【0092】
2つの傾斜面524の交差する角度について別の観点から考えると、2つの傾斜面524の交差する角度が小さすぎると、2つの電線3を目的距離以上離すためには股さき治具522を2つの電線3の間に大きく進入させる必要が有る。そして、股さき治具522の進行方向前方にステージ540があると、ステージ540に当接後はそれ以上股さきを行うことができなくなる。また、2つの傾斜面524の交差する角度が大きすぎると、股さき治具522の先端が2つの電線3の間に進入できない恐れが生じる。特に、股さき治具522の進行方向前方にステージ540があると、股さき治具522がステージ540との間に2つの電線3を挟持してしまう恐れが生じる。これらを鑑みると、2つの傾斜面524の交差する角度は、例えば、90度以上150度以下であることが好ましい。ここでは、2つの傾斜面524の交差する角度は、120度に設定されている。
【0093】
股さき治具移動部526は、股さき治具522を移動させて2つの電線3の間に進入させる部分である。ここではy方向に延びる2つの電線3がx方向に並ぶ部分に股さき治具522を進入させるため、股さき治具移動部526は、股さき治具522をz方向に移動させる。具体的には股さき治具移動部526は、駆動部527とガイド部531と付勢部536とを備える。
【0094】
駆動部527は、シリンダチューブ528とシリンダロッド530とを含むシリンダで構成されている。シリンダチューブ528は、横フレーム504に固定されている。シリンダロッド530はz方向に延び、その先端は、股さき治具522をz方向に押圧可能とされている。
【0095】
ガイド部531は、縦フレーム502に固定されてz方向に延びるガイドレール532と、ガイドレール532に沿ってz方向に走行可能な走行部534とを含む。走行部534には股さき治具522が固定されている。股さき治具が走行部534に固定されることによって、股さき治具522のz方向への移動がガイドされる。
【0096】
付勢部536は、股さき治具522をz方向に付勢する。付勢部536の一端は、股さき治具522に固定され、他端は、横フレーム504に固定されている。付勢部536は、例えば、コイルバネ等のバネ部材を用いることができる。
【0097】
ここでは、付勢部536は、股さき治具522を−z方向に付勢している。そして、駆動部527は、いわゆる単動型シリンダが採用され、股さき治具522を+z方向にのみ押圧可能とされる。従って、股さき治具522が2つの電線3に対して+z方向に離れた位置にある状態で、駆動部527の押圧力が弱まることによって付勢部536の付勢力によって、股さき治具522が−z方向、つまり2つの電線3に対して接近する方向に移動する。これにより、股さき治具522が電線3と接触した場合でも、過度な力で電線3を押圧しにくくなる。一方、股さき治具522が2つの電線3に対して接近した位置にある状態で、駆動部527が駆動することによって付勢部536の付勢力に抗して、股さき治具522が+z方向、つまり2つの電線3に対して離間する方向に移動する。もっとも駆動部527は、複動型等であってもよい。つまり駆動部527は、股さき治具522を往復駆動可能であってもよい。また、付勢部536は省略されていてもよい。
【0098】
ステージ540は、2つの電線3が載せられる部分である。ステージ540は、縦フレーム502に固定されている。ステージ540は、z方向に沿って股さき治具522と対向する位置に設けられている。ステージ540のうち股さき治具522と対向する面は、xy平面と平行とされる。なお、y方向に沿ったステージ540の長さ寸法は、撚りほどき領域における電線3のy方向に沿った寸法よりも長いことが好ましい。
【0099】
電線押え部550は、先端チャック170が電線3をチャックする際に、電線3を押さえておく部分である。電線押え部550は、押え部材552と、押え部材移動部554とを含む。
【0100】
押え部材552は、センタリングチャック510と、股さき治具522との間に配される。
【0101】
押え部材移動部554は、押え部材552をz方向に沿って移動させる。押え部材移動部554は、例えば、シリンダ又はリニアモータ等のアクチュエータによって構成される。
図15に示す例では、押え部材移動部554は、シリンダチューブとシリンダロッドとを含むシリンダによって構成されている。シリンダチューブは、横フレーム504に固定されている。シリンダロッドは、z方向に往復移動可能であり、その先端に押え部材552が固定されている。
【0102】
上述したように、搬送部100に設けられた先端チャック170が端部セット装置500における先端チャック170として機能する。先端チャック170における挿入片172は、股さき治具522が複数の電線3の端部同士の股をさいた状態で、股さき治具522よりも後端側で複数の電線3の端部同士の間に挿入される。また、2つの挟持片174が挿入片172とで複数の電線3それぞれをチャック可能である。
【0103】
この際、搬送部100のz方向第2移動部160が、先端チャック170と複数の電線3とをz方向に沿って相対移動させるz方向相対移動部として機能する。そして、電線押え部550は、z方向に沿って、複数の電線3を挟んで先端チャック170と反対側から複数の電線3を押さえる。
【0104】
端部セット装置500によって2つの電線3の端部が位置決めしつつセットされたツイスト電線2は、先端カット皮剥装置600に送られる。
【0105】
<先端カット皮剥装置600>
図18は、先端カット皮剥装置600を示す正面図である。
【0106】
先端カット皮剥装置600は、切断刃610を有する先端カット部と、皮剥刃620を有する被覆皮剥部とを備える。ここでは、切断刃610及び皮剥刃620は、それぞれz方向に分かれて2つ設けられている。また切断刃610及び皮剥刃620は、同じ駆動部630によって駆動されている。駆動部630は、例えばシリンダ等によって構成され、切断刃610及び皮剥刃620における上側の刃と、切断刃610及び皮剥刃620における下側の刃とを接近離間移動可能に設けられている。この際、一対の切断刃610は、駆動部630の駆動によって接近した状態で電線3を切断可能に設けられている。また一対の皮剥刃620は、駆動部630の駆動によって接近した状態で絶縁被覆5に食い込みつつ、芯線4に達しないように設けられている。
【0107】
<端子圧着装置700>
図19は、端子圧着装置700を示す正面図である。
【0108】
端子圧着装置700は、上型710と、下型720と、駆動部730(
図49参照)とを備える。さらにここでは端子圧着装置700は、端子チャック740を備えている。上型710は、下型720と共に端子7を挟んだ状態で端子7の圧着部8をその内面に応じた形状に塑性変形させる部分である。ここでは、上型710は、2つの端子7の同時圧着を可能にするため、1つの端子7を塑性変形可能な変形部712がx方向に2つ並んだ形状に形成されている。この際、2つの端子7がx方向に比較的近い位置に配されるため、2つの変形部712を仕切る仕切壁714が外壁716よりもz方向に短くなっている。ここでは、端子7の圧着部8として芯線圧着部8aと被覆圧着部8bとが設けられているため、上型710も芯線圧着部用上型710aと被覆圧着部用上型710bとの2つの上型710が設けられている(
図49参照)。下型720は、端子7が載置される部分である。下型720は上型710に対向配置される。ここでは、1つの下型720で2つの上型710に対応可能となっている。駆動部730は、例えばシリンダ等によって構成され、上型710及び下型720を接近離間移動可能に設けられている。以下では、駆動部730は、上型710を移動させるものとして説明する。
【0109】
<制御部800>
図20は、制御部800のハードウェア構成を示すブロック図である。制御部800は、CPU802、基本プログラム等が格納されている読み取り専用のROM804、主にCPU802のワーキングエリアとして使用されるRAM806、及び、不揮発性の記録媒体である記憶部808を備えている。このように、制御部800は、一般的なコンピュータとして構成されている。上記端部加工装置1の各装置は、いずれも制御部800によって動作制御される。
【0110】
記憶部808には、プログラムPrが格納されている。該プログラムPrに従って、CPUが演算処理を行うことによって、各種機能が実現される。また、プログラムPrは、通常、予め記憶部等のメモリに格納されていてもよいが、CD−ROM、DVD−ROMまたはフラッシュメモリに記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され、当該記録媒体を読取部810で読み取って、制御部800に取り込まれるようにしてもよい。あるいは、通信部812を介して、ネットワーク上に保存されたプログラムPrが、制御部800に取り込まれてもよい。その他のデータについても、読取部810または通信部812を介して、制御部800に取り込まれるようにしてもよい。
【0111】
また、制御部800は、表示部814及び操作部816にバス配線、ネットワーク回線またはシリアル回線を介して接続されている。表示部814は、液晶ディスプレイなどの画像を表示する装置である。操作部816は、例えば、キーボード、マウスまたはスイッチ類によって構成される入力デバイスであり、オペレータからの各種操作を受け付ける。なお、操作部816は、タッチパネルなどで構成されていてもよい。この場合、当該タッチパネルが、表示部814として機能するようにしてもよい。
【0112】
また、制御部800は、端部加工装置1の各装置にバス配線、ネットワーク回線またはシリアル回線を介して接続されている。
【0113】
また上記
図13は、実施形態に係る制御部800のソフトウェア構成を示すブロック図でもある。
図13に示すように、制御部800のCPU802は、撮像データ取得部413、電線抽出部414、線幅取得部416、姿勢取得部418、及び、回転量取得部438として機能する。なお、これらの機能の一部または全部は、専用の回路等によってハードウェア的に実現されてもよい。
【0114】
<動作>
次に、端部加工装置1の動作について説明する。
【0115】
上述したように、長尺なツイスト電線2が調尺切断装置200によって必要長さに調尺されて切断されたツイスト電線2は、中間部がU字状に曲がった状態で搬送部100の搬送チャック150によって両端がチャックされる。そして、この状態を保ちつつ、搬送部100によって調尺切断装置200より下流側の各装置に搬送される。以下では、1つの搬送ユニット120における2つのチャックユニット122のうち先行するチャックユニット122がチャックする2つの電線3に対する動作について説明する。1つの搬送ユニット120における2つのチャックユニット122のうち後行するチャックユニット122がチャックする2つの電線3に対する動作も基本的には、同じ動作が行われる。なお、先行する2つの電線3に対して一の装置における動作の完了後に、先行する2つの電線3は、後行する2つの電線3に対する同じ一の装置における動作の完了を待ってから次の装置における動作が行われる場合もあり得るし、待たずに次の装置における動作が行われる場合もあり得る。
【0116】
具体的には、調尺切断されたツイスト電線2は、搬送部100によってジャケット皮剥装置300に送られ、ツイスト電線2の端部のジャケット6が皮剥ぎされる。ツイスト電線2の端部のジャケット6が皮剥ぎされたツイスト電線2は、搬送部100によってジャケット皮剥装置300の下流側の撚りほどき装置400に送られる。
【0117】
ツイスト電線2が撚りほどき装置400に送られると、まず、
図21に示すように、z方向第1移動部140が駆動して、ツイスト電線2を+z方向に移動させる。そして、この状態で、
図22に示すように、センタリングチャック432の爪部434がツイスト電線2をチャックすると共に、第1爪片459及び第2爪片469がツイスト電線2を挟持する。また、搬送チャック150がツイスト電線2のチャックを解除する。センタリングチャック432のチャック動作、第1爪片459及び第2爪片469の挟持動作、搬送チャック150のチャック解除動作は、例えば、この順に行われる。
【0118】
センタリングチャック432のチャック動作の完了後、又は第1爪片459及び第2爪片469の挟持動作の完了後に撮像部412が撚りほどき領域を撮像する。ここでは、撚りほどき領域のチャック対象領域を含む領域を撮像する。これにより撮像データ取得部413が、例えば、
図23又は
図28のような撮像データを得る。なお、
図23乃至
図27に示す事例と、
図28乃至
図32に示す事例とは、2つの電線3の姿勢がそれぞれ異なる場合の事例である。
【0119】
ここでは、2つの電線3が異なる色の絶縁被覆5を有すると共に、撮像部412がカラーカメラによって構成されているため、こうして得られた撮像データにおいて、2つの電線3は色によって判別可能とされる。これを示すため、
図23及び
図28では2つの電線3の一方に砂のハッチングを施している(
図25及び
図30でも同様)。以下では、砂のハッチングが施された電線3を電線3aと称し、残りの電線3を電線3bと称することがある。
【0120】
次に、
図24及び
図29に示すように、得られた撮像データに基づいて電線抽出部414が電線3の外形線(
図24及び
図29における仮想線)を抽出し、抽出された外形線に基づいて線幅取得部416が撮像画像における目的位置(ここでは、チャック対象領域)における2つの電線3の線幅W1、W2を取得する。ここで、線幅W1は、電線3aの線幅であり、線幅W2は電線3bの線幅である。
【0121】
次に、
図25及び
図30に示すように、姿勢取得部418が得られた2つの電線3の線幅W1、W2からチャック対象領域における2つの電線3の姿勢を取得する。例えば、2つの電線3の線幅W1、W2と、2つの電線3の姿勢とを関係づけるテーブルTが予め記憶部808に記憶されており、姿勢取得部418は、得られた2つの電線3の線幅W1、W2を当該テーブルTに照らして2つの電線3の姿勢を取得することが考えられる。また、例えば、姿勢取得部418は、得られた2つの電線3の線幅W1、W2を用いて以下のようにして2つの電線3の姿勢を取得することもできる。すなわちツイスト電線2の特性上、延在方向に沿ったある部分において2つの電線3が両方とも相手側に隠れることは考えにくい。つまり、得られた2つの電線3の線幅W1、W2のうち一方は電線3の線幅と同じか電線3の曲げの分それより僅かに大きいと考えられる。このとき他方は、一方と同じかそれよりも小さくなると考えられる。そして、一方と他方とが同じ場合は、x方向に横並びの姿勢と考えられる。また、一方よりも他方が小さい場合は、他方の線幅を有する電線3が一方の線幅を有する電線3に対して−z方向に位置すると考えられる。そして、他方が一方よりもどれだけ小さいかによって一方の線幅を有する電線3に対する他方の線幅を有する電線3の位置が決まると考えられる。
【0122】
次に、
図26及び
図31に示すように、回転量取得部438が、得られた2つの電線3の姿勢に基づいてツイスト電線2の目的回転量を取得する。ツイスト電線2の目的回転量は、例えば、以下に示すように取得される。まず、得られた2つの電線3の姿勢において2つの電線3の中心軸を結ぶ線L1を設ける。また、目的姿勢において、2つの電線3の中心軸を結ぶ線L2を設ける。ここでは、チャック対象領域において2つの電線3をx方向に横並びとなる姿勢が目的姿勢である。つまり、目的姿勢において、2つの電線3の中心軸を結ぶ線L2はx方向に平行な線となる。そして、これらの線L1、L2のなす角がツイスト電線2の目的回転量となる。
【0123】
特にここでは、2つの電線3のうち目的姿勢において+x方向に位置する電線3が定められている。ここでは、目的姿勢において電線3aが電線3bに対して+x方向に位置する。この場合、2つの線L1、L2のなす2つの角のうちどちらか一方がツイスト電線2の目的回転量となる。2つの電線3のうち目的姿勢において+x方向に位置する電線3が定められていない場合には、2つの線L1、L2のなす2つの角のうちどちらをツイスト電線2の目的回転量としてもよい。ツイスト電線2を回転させる向きは、2つの線L1、L2のなす2つの角のうちどちらをツイスト電線2の目的回転量とするかによって一義的に定まる。以下では、2つの電線3のうち砂のハッチングが施された電線3が他方の電線3に対して+x方向に位置する姿勢が目的姿勢であるものとして説明する。従って、2つの線のなす2つの角のうち
図26に示す事例では、鈍角である方がツイスト電線2の目的回転量となり、
図31に示す事例では、鋭角である方がツイスト電線2の目的回転量となる。また、回転の向きは、
図26に示す事例では、−y方向から見てy軸周りに反時計回りとなり、
図31に示す事例では、−y方向から見てy軸周りに時計回りとなる。
【0124】
次に、
図27及び
図32に示すように、捩り部440が、得られた目的回転量に基づいてツイスト電線2を回転させて目的姿勢に矯正する。ここでは、得られたツイスト電線2の目的回転量に基づいてセンターギヤ442の目的回転量を取得し、センターギヤ442を当該センターギヤ442の目的回転量分、上記回転の向きにと同じ向きに回転させることによって、ツイスト電線2を目的姿勢に矯正する。
【0125】
より詳細には、まず得られたツイスト電線2の目的回転量に基づいて第1爪片459(又は第2爪片469)の目的移動量を取得する。第1爪片459の目的移動量は、ツイスト電線2の目的回転量及び電線3の直径等によって得られる。次に、第1爪片459の目的移動量に基づいてセンターギヤ442の目的回転量を取得する。センターギヤ442の目的回転量は、第1爪片459の目的移動量、及びセンターギヤ442の直径等によって得られる。
【0126】
こうして得られたセンターギヤ442の目的回転量に応じてモータ132を駆動させてセンターギヤ442を回転させることによって、第1爪片459及び第2爪片469が目的移動量移動し、ツイスト電線2が目的回転量回転する。これにより、チャック対象領域における2つの電線3の姿勢がx方向に横並びで、且つ一方の電線3が必ず+x方向に位置する姿勢となる。
【0127】
チャック対象領域における2つの電線3の姿勢が目的姿勢となったら、搬送チャック150でツイスト電線2をチャックする。また、第1爪片459及び第2爪片469によるツイスト電線2の挟持を解除する。また、センタリングチャック432によるツイスト電線2のチャックを解除する。
【0128】
この後、
図33および
図34に示すように、ツイスト電線2を移動させて、チャック対象領域を撚りほどき用チャック420の操作領域に移動させる。その後、撚りほどき用チャック420によって、チャック対象領域をチャックする。より詳細には、y方向移動部130及びz方向第1移動部140を駆動して、ツイスト電線2を+y方向および−z方向に移動させて、チャック対象領域を撚りほどき用チャック420の操作領域に移動させる。この状態で、撚りほどき用チャック420の駆動部424を駆動して、爪部422によってチャック対象領域をチャックする。このとき、チャック対象領域における2つの電線3の姿勢がx方向に横並びの姿勢で、且つ爪部422がz方向から2つの電線3をチャックするため、爪部422によるチャックミスが生じにくい。
【0129】
撚りほどき用チャック420がチャック対象領域をチャックしたら、撚りほどき動作を実行する。ここでは、撚りほどき用チャック420とツイスト電線2とをy方向に相対移動させることによって、2つの電線3をしごいて撚りをほどく。より詳細には、
図35及び
図36に示すように、撚りほどき用チャック420がチャック対象領域をチャックした状態で、y方向移動部130を駆動して、ツイスト電線2を−y方向に移動させる。これにより、撚りほどき用チャック420が2つの電線3をチャックした状態で、撚りほどき用チャック420によるチャック位置が2つの電線3の先端側に徐々に移動する。この結果、2つの電線3に摩擦力が生じ、当該摩擦力によって、2つの電線3の撚りがほどかれる。つまり、2つの電線3は撚りほどき用チャック420によって延在方向と交差する方向(ここではz方向)からチャックされた状態で、撚りほどき用チャック420に対して延在方向(ここではy方向)に摺動することによって、撚りがほどかれる。なお、
図35及び
図36に示す例では、撚りほどき動作の途中の状態を示している。ここでの撚りほどき動作は、撚りほどき用チャック420から2つの電線3が抜ける位置までツイスト電線2を−y方向に移動させる。
【0130】
こうして撚りがほどかれたツイスト電線2は、次に端部セット装置500に送られる。
【0131】
端部セット装置500に送られたツイスト電線2は、まず、
図37に示すように、2つの電線3がステージ540の上方に位置するように移動する。ここでは、2つの電線3がステージ540に載せられるものとして説明するが、ステージ540から浮いていてもよい。より詳細には、y方向移動部130を駆動して、ツイスト電線2を+y方向に移動させる。ここでは、y方向に沿った2つの電線3の位置は、ジャケット6に近い部分が股さき治具522の真下に位置するような位置である。ツイスト電線2を+y方向に移動させる際、例えば、z方向第1移動部140を駆動して、ツイスト電線2を一旦+z方向に移動させた後、−z方向に移動させることによって、2つの電線3をステージ540に載せやすくなる。
【0132】
なお、2つの電線3は、y方向の位置決めがなされた状態で、x方向移動部110を駆動して+x方向に移動させることによって、ステージ540に載せるものであってもよい。この場合、ステージ540のうち−x方向側側面に2つの電線3をガイドするための傾斜面が形成されるとよい。
【0133】
2つの電線3がステージ540に載せられたら、次に、
図38に示すように、センタリングチャック510によってツイスト電線2をチャックする。具体的には、駆動部514を駆動して爪部512を閉じる。これにより、センタリングチャック510によってツイスト電線2がチャックされ、センタリングされる。ここでは、2つの電線3がステージ540に載せられているため、z方向のセンタリングは不要である。このため、センタリングチャック510はx方向にのみツイスト電線2をセンタリングしている。もっとも、センタリングチャック510は、z方向にもセンタリングするものであってもよい。
【0134】
センタリングチャック510によってツイスト電線2がチャックされたら、次に、
図39及び
図40に示すように、股さき治具522の先端を2つの電線3の間に挿入する。具体的には、股さき治具移動部526によって股さき治具522を−z方向に移動させる。ここでは、駆動部527の駆動力を弱めて付勢部536の付勢力によって股さき治具522を−z方向に移動させる。これにより、股さき治具522が2つの電線3を押圧する際に2つの電線3に過度の力がかかりにくくなる。
【0135】
股さき治具522が−z方向に移動していくと、
図40の仮想線に示すように、その先端における2つの傾斜面524の一方に2つの電線3の一方が当接すると共に、2つの傾斜面524の他方に2つの電線3の他方が当接する。このとき、2つの電線3はステージ540に載せられているため、−z方向に逃げることができない。これにより、このまま股さき治具522を−z方向に移動させと、各電線3が各傾斜面524に押圧されてx方向に相互に逆向きに摺動する。この結果、
図40の実線に示すように、股さき治具522の先端における2つの傾斜面524の交差部分が2つの電線3の間に挿入された状態となる。以上により、2つの電線3のうちジャケット6に近い部分が股さき治具522によって股がさかれた状態となる。
【0136】
股さき治具522の先端が2つの電線3の間に挿入されたら、次に、
図41に示すように、股さき治具522とツイスト電線2とをy方向に相対移動させて2つの電線3の他の領域の股を徐々にさいていく。この際、股さき治具522とツイスト電線2とは股さき治具522がツイスト電線2の先端側に向かうようにy方向に相対移動する。このときセンタリングチャック510を解除したうえで股さき治具522とツイスト電線2とを相対移動させるとよい。より詳細には、駆動部514を駆動して、爪部512を開く。この後、y方向移動部130を駆動して、ツイスト電線2を−y方向に移動させる。これにより、股さき治具522が2つの電線3の先端側に移動していき、2つの電線3の股がさけた領域が広がる。
【0137】
股さき治具522が2つの電線3の先端側に移動していき、2つの電線3の股がさけた領域が広がったら、次に、先端チャック170による2つの電線3のチャックを行う。この際、
図42に示すように、2つの電線3が股さき治具522から抜けない位置でy方向移動部130の駆動を停止させて、股さき治具522の先端が2つの電線3の間に挿入されたまま、次の先端チャック170による2つの電線3のチャックを行うとよい。これにより、先端チャック170による2つの電線3のチャックミスが生じにくくなる。
【0138】
より詳細には、2つの電線3が股さき治具522から抜けない位置にあり、且つy股さき治具522の先端が2つの電線3の間に挿入されたまま状態で、z方向第2移動部160を駆動して、先端チャック170を+z方向に移動させる。先端チャック170が+z方向に移動していくと、
図43及び
図44に示すように先端チャック170の挿入片172が2つの電線3の間に挿入される。この際、股さき治具522によって2つの電線3における挿入片172の挿入対象領域の股が開いており、さらに股さき治具522が2つの電線3の先端部を押えた状態であるので、挿入片172が2つの電線3の間に挿入されないといった事態が生じにくい。
【0139】
またこのとき、電線押え部550によってツイスト電線2を押さえた状態で先端チャック170を+z方向に移動させることによって、挿入片172が2つの電線3の間に挿入されないといった事態がさらに生じにくくなる。具体的には、押え部材移動部554を駆動して押え部材552を−z方向に移動させて2つの電線3に対して挿入片172が挿入される側(ここでは−z方向)とは反対側(ここでは+z方向)からツイスト電線2を押さえる。これにより、押え部材552が股さき治具522よりも挿入片172に近い位置でツイスト電線2を押さえるため、−z方向から接近する挿入片172が電線3に当接して電線3が+z方向に逃げようとしても、押え部材552がこれを抑制することができる。この結果、より確実に挿入片172を2つの電線3の間に挿入することが可能となる。
図43に示す例では、ツイスト電線2におけるジャケット6がある部分(ジャケット6の端縁部付近)を押えているが、2つの電線3部分を抑えるものであってもよい。
【0140】
挿入片172が2つの電線3の間に挿入されたら、
図45及び
図46に示すように先端チャック170によって、2つの電線3をチャックする。より詳細には、駆動部176を駆動して2つの挟持片174をx方向に沿ってそれぞれ挿入片172に接近移動させる。これにより、2つの電線3が挿入片172によって仕切られた状態で、挿入片172と2つの挟持片174とによってそれぞれチャックされた状態となる。
【0141】
先端チャック170が2つの電線3をチャックし、搬送チャック150がツイスト電線2におけるジャケット6部分をチャックすると、
図47に示すような状態となる。この状態で、ツイスト電線2は、端部セット装置500の下流側の各装置に順次搬送される。
【0142】
ツイスト電線2は、端部セット装置500の下流側で、まず先端カット皮剥装置600に搬送される。そして、先端カット皮剥装置600において2つの電線3に同時に先端カット加工を施す。さらに、先端カット加工後、2つの電線3に同時に皮剥加工を施す。これによって、電線3先端が揃った状態で、かつ先端の一部の領域の絶縁被覆5が剥がされた状態となる。より詳細には、2つの電線3が切断刃610の間に位置する状態で、駆動部630を駆動して、
図48に示すように切断刃610を接近移動させて、2つの電線3の先端を同時に切断する。この後、2つの電線3を皮剥刃620の間に移動させた状態で、駆動部630を駆動して皮剥刃620を接近移動させる。このとき皮剥刃620は、2つの電線3それぞれに対して絶縁被覆5に食い込みつつ芯線4に達しない位置に位置する。この状態で、y方向移動部130を駆動してツイスト電線2を−y方向に移動させて2つの電線3の先端の絶縁被覆5を皮剥ぎする。
【0143】
この後、ツイスト電線2は端子圧着装置700に送られて2つの電線3の先端に端子7が同時に圧着される。より詳細には、下型720上に2つの端子7が載置されると共に、2つの端子7と上型710との間に2つの電線3が位置した状態で、駆動部730が駆動して上型710が下型720に向けて接近していき、端子7における圧着部8が電線3端部を巻き込みつつ上型710の変形部712の内面に応じた形状に塑性変形される。これにより、2つの電線3の先端に端子7が圧着された状態となる。なお、上型710の下降時にz方向第1移動部140を駆動してツイスト電線2も−z方向に移動させるとよい。また、圧着時に端子7は圧着部8よりも先端に位置する相手側接続部9(箱部)が端子チャック740にチャックされた状態であるとよい。
【0144】
以上より、2つの電線3の端部にそれぞれ端子7が圧着された
図2に示すツイスト電線2が完成する。
【0145】
上記態様によると、撚りほどき装置400によってツイスト電線2の撚りほどき作業の自動化を図ることができる。この際、撚りほどき領域における2つの電線3のy軸周りの姿勢を認識してから撚りほどき用チャック420が複数の電線3をチャックするため、確実に目的姿勢でチャックできる。そして撚りほどき用チャック420が2つの電線3を目的姿勢でチャックした状態で撚りをほどくため、複数の電線3において撚りほどき状態が安定する。
【0146】
さらに、端部セット装置500によって2つの電線3の端部が所定の間隔に仕切られた状態に自動でチャックされる。この状態で、2つの電線3を端子圧着装置700に送ることによって、自動機によって電線3端部への端子7の圧着を行うことが容易となる。このため、2つの電線3において各電線3の端部への端子圧着に係る作業の自動化を図ることができる。特にここでは、ツイスト電線2における2つの電線3の撚りほどき工程及び端部セット工程が自動化されることによって、ツイスト電線2の調尺切断から端子圧着に係る工程の自動化を図ることができる。
【0147】
このとき撚りほどき装置400においては、撚りほどき用チャック420とツイスト電線2とをy方向相対移動させることによって、2つの電線3をしごくようにして撚りをほどくことができる。
【0148】
また、姿勢矯正する際に電線3側を回転させることができる。これにより、当該撚りほどき装置400の下流側に圧着装置等の他の装置が併設された際に、下流側の装置でも、電線3が回転した状態に維持可能となる。この結果、下流側の装置において電線3を回転し直す手間を省くことができ、全体構成を簡略化できる。
【0149】
また、捩り部440によって電線3の中間部をチャックして回転させることができる。
【0150】
また、z方向から撮像した撮像データにおいて各電線3の線幅を取得し、当該線幅に基づいて電線3の姿勢を認識するため、簡易に撚りほどき領域における2つの電線3の軸心周りの姿勢を認識可能である。
【0151】
また、端部セット装置500においては、電線押え部550が設けられることによって、z方向第2移動部160によって先端チャック170における挿入片172が2つの電線3の間に挿入される際に、2つの電線3が挿入片172に押されてしまうことに起因する挿入ミスを抑制できる。
【0152】
また、y方向に固定された股さき治具522に対してツイスト電線2をy方向に移動させるため、y方向移動部130を搬送部100側に設けることができる。これにより、当該端部セット装置500と圧着装置等の他の装置とが併設された際に、全体構成を簡略化できる。
【0153】
{変形例}
図50は、捩り部440の変形例を示す説明図である。
【0154】
これまで、第1爪片459及び第2爪片469は、1組設けられるものとして説明したが、第1爪片459及び第2爪片469は、相互に軸心方向に離れて2組設けられていてもよい。この際、2組目の第1爪片459及び第2爪片469は、
図50に示すように、y方向に沿って1組目の第1爪片459及び第2爪片469に対して搬送チャック150を挟む位置にあるとよい。例えば、実施形態に係る上記捩り部440における電線押え部470の位置に、電線押え部470に替えて2組目の第1爪片459及び第2爪片469を設けることが考えられる。また、センタリングチャック432についても2組目の第1爪片459及び第2爪片469の位置に追加することも考えられる。
【0155】
このような態様によると、捩り部440Aによってツイスト電線2が回転される際、2組の第1爪片459及び第2爪片469によってツイスト電線2をチャックしつつ回転させることによって、ツイスト電線2の軸心方向がぶれにくくなる。また、ツイスト電線2を後工程が行われる位置に搬送する際にツイスト電線2をチャックする搬送チャック150が2組の第1爪片459及び第2爪片469の間をチャックすることで、ツイスト電線2を後工程が行われる位置に搬送しやすくなる。
【0156】
図51は、撚りほどき動作の変形例を示す説明図である。
【0157】
これまで、2つの電線3と撚りほどき用チャック420とをy方向に相対移動させることによって、撚りほどき動作を実行するものとして説明してきたが、このことは必須の構成ではない。2つの電線3と撚りほどき用チャック420とをy軸回りに相対回転させて撚りほどき動作を実行することも考えられる。この場合、例えば、以下のようにして撚りほどき動作を実行される。
【0158】
すなわち、撚りほどき用チャック420のチャック対象領域は、2つの電線3の先端に設定されるとよい。この場合、2つの電線3の先端に設定されたチャック対象領域において、2つの電線3が姿勢矯正部430によってx方向に横並びの姿勢に矯正される。そして、
図51に示すように、2つの電線3の先端に設定されたチャック対象領域を撚りほどき用チャック420がチャックした状態で、捩り部440がツイスト電線2を撚り合せ方向と逆方向に回転させることによって、2つの電線3の撚りがほどかれる。なお、捩り部440がツイスト電線2を撚り合せ方向と逆方向に回転させるときの回転量は、例えば、撚りほどき領域における電線3の撚り合せ量に基づいて決定される。撚りほどき領域における電線3の撚り合せ量は、ジャケット6の皮剥ぎ長さと、撚り合わせピッチとの既知の値から容易に求めることができる。
【0159】
このような態様によると、撚りほどき用チャック420と2つの電線3とを撚り合せの方向と逆方向に回転させることによって撚りをほどくことができる。
【0160】
{その他の変形例}
実施形態における端部加工装置1において、端子圧着装置700の下流側には、例えば、2つの端子7を保持する誘電体を組み立てる誘電体組立装置が設けられることも考えられる。かかる誘電体は、樹脂等の絶縁材料等で形成されており、2つの端子7を仕切りつつ収容する収容部を備える。当該誘電体が設けられることにより、撚りがほどかれたツイスト電線2の先端における耐ノイズ性の悪化が抑制される。
【0161】
また、実施形態におけるツイスト電線2は、シールド導体を備えていないものとして説明したが、このことは必須の構成ではない。ツイスト電線2が撚り合わされた2本の電線3の周囲を覆うシールド導体を備えている場合も考えられる。係るシールド導体は、編組でも良いし、金属箔でも良い。編組や金属箔を構成する材料としては、一般的な銅、銅合金、アルミニウム、鉄などを用いることができる。例えばシールド導体が編組であるときには、編組編み機で撚り合わされた2本の電線3の外周に編組を編み込むと良い。また、シールド導体が金属箔であるときには、長尺の金属箔を撚り合わされた2本の電線3の外周に螺旋状に巻くと良い。またジャケット6の被覆時にいわゆる縦添えしても良い。
【0162】
ツイスト電線2が撚り合わされた2本の電線3の周囲を覆うシールド導体を備えている場合、端部加工装置1は、シールド導体を加工する装置をさらに備えていることが考えられる。係る装置としては、例えば、シールド導体として編組が用いられる場合には、編組を起こす編組起こし装置、起こした編組の先端部を切断する編組カット装置、起こされて先端がカットされた編組を反転させる編組反転装置等が考えられる。これらの装置は、例えば、ジャケット皮剥装置300と、撚りほどき装置400との間に組み込まれる。また、編組を接地させるための外導体を接続させる外導体接続装置がさらに設けられることも考えられる。外導体接続装置は、例えば、上記誘電体組立装置の下流側に組み込まれる。
【0163】
また、これまでツイスト電線2が2本の電線を含むものとして説明したが、3本以上の電線を含むものであってもよい。
【0164】
また、これまで撚りほどき装置400と端部セット装置500とが分かれているものとして説明してきた。これは、主として1つの装置にかかる時間を短縮するためである。もっとも、このことは必須の構成ではない。撚りほどき装置400と端部セット装置500とが一体に設けられていてもよい。この場合、例えば、撚りほどき装置における撚りほどき用チャック420の位置に端部セット装置500のセンタリングチャック510および股さき部520を位置させつつ、電線押え部550の位置に撚りほどき用チャック420に替わるチャックを設けるなどが考えられる。
【0165】
本明細書及び図面は下記の各態様を開示する。
第1の態様に係る撚りほどき装置は、複数の電線が撚り合わされたツイスト電線において端部に設定された撚りほどき領域における前記複数の電線の撚りをほどく撚りほどき装置であって、前記ツイスト電線が支持された状態で前記撚りほどき領域における前記複数の電線の軸心周りの姿勢を認識可能な姿勢認識部と、前記撚りほどき領域における前記複数の電線をチャック可能な撚りほどき用チャックと、前記軸心周りにおいて、前記姿勢認識部によって認識された前記複数の電線の姿勢に基づいて、前記撚りほどき用チャックに対する前記複数の電線の姿勢が目的姿勢となるように前記複数の電線の姿勢と前記撚りほどき用チャックの姿勢との相対姿勢を矯正する姿勢矯正部と、を備え、前記撚りほどき用チャックに対する前記複数の電線の姿勢が目的姿勢となり前記撚りほどき用チャックが前記複数の電線をチャックした状態で、前記撚りほどき領域における前記複数の電線の撚りをほどく撚りほどき動作を実行する。
第2の態様に係る撚りほどき装置は、第1の態様に係る撚りほどき装置であって、前記複数の電線と前記撚りほどき用チャックとを前記軸心方向に沿って相対移動させて前記撚りほどき動作を実行する。
第3の態様に係る撚りほどき装置は、第1又は第2の態様に係る撚りほどき装置であって、前記複数の電線と前記撚りほどき用チャックとを前記軸心方向の回りに相対回転させて前記撚りほどき動作を実行する。
第4の態様に係る撚りほどき装置は、第1から第3の態様に係る撚りほどき装置であって、前記姿勢矯正部は、前記撚りほどき領域よりも後端側における前記ツイスト電線をチャックしつつ回転させる捩り部を含む。
第5の態様に係る撚りほどき装置は、第4の態様に係る撚りほどき装置であって、前記捩り部は、前記ツイスト電線を前記軸心方向と交差する方向から挟む第1爪片及び第2爪片と、前記第1爪片及び前記第2爪片を前記第1爪片と前記第2爪片とによる挟持方向及び前記軸心方向と交差する方向に沿って相互に逆向きに相対移動させる爪片移動部とを含む。
第6の態様に係る撚りほどき装置は、第5の態様に係る撚りほどき装置であって、前記第1爪片及び前記第2爪片は、それぞれ前記軸心方向に離れて2つ設けられている。
第7の態様に係る撚りほどき装置は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る撚りほどき装置であって、前記姿勢認識部は、前記軸心方向と交差する方向から前記撚りほどき領域における前記複数の電線を撮像する撮像部と、前記撮像部によって得られた撮像画像における目的位置において前記複数の電線それぞれの線幅を取得する線幅取得部とを含み、前記線幅取得部によって得られた線幅に基づいて前記撚りほどき領域における前記複数の電線の軸心周りの姿勢を認識する。
第8の態様に係る端部加工装置は、第1から第7の態様に係る撚りほどき装置と、前記ツイスト電線における前記複数の電線それぞれの端部に端子を同時に圧着可能な端子圧着装置と、前記撚りほどき装置によって撚りがほどかれた前記ツイスト電線を前記端子圧着装置に送る搬送部と、を備える。
第1から第8の態様によると、ツイスト電線の撚りほどき作業の自動化を図ることができる。この際、撚りほどき領域における複数の電線の軸心周りの姿勢を認識してから撚りほどき用チャックが複数の電線をチャックするため、確実に目的姿勢でチャックできる。そして撚りほどき用チャックが複数の電線を所定の相対姿勢でチャックした状態で撚りをほどくため、複数の電線において撚りほどき状態が安定する。
特に、第2の態様によると、複数の電線をしごくようにして撚りをほどくことができる。
特に、第3の態様によると、撚りほどき用チャックを複数の電線に対して撚り合せの方向と逆方向に回転させることによって撚りをほどくことができる。
特に、第4の態様によると、電線側を回転させることができる。これにより、当該撚りほどき装置の下流側に圧着装置等の他の装置が併設された際に、下流側の装置でも、電線が回転した状態に維持可能となる。この結果、下流側の装置において電線を回転し直す手間を省くことができ、全体構成を簡略化できる。
特に、第5の態様によると、電線の中間部をチャックして回転させることができる。
特に、第6の態様によると、捩り部によってツイスト電線が回転される際、軸心方向がぶれにくくなる。また、ツイスト電線を後工程が行われる位置に搬送する際にツイスト電線をチャックする搬送チャックが2つの第1爪片及び第2爪片の間をチャックすることで、ツイスト電線を後工程が行われる位置に搬送しやすくなる。
特に、第7の態様によると、簡易に撚りほどき領域における複数の電線の軸心周りの姿勢を認識可能である。
特に、第8の態様によると、端子圧着作業の自動化を図ることができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0166】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。