特許第6801570号(P6801570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6801570
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】基板用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20201207BHJP
【FI】
   H01R12/71
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-89471(P2017-89471)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-190500(P2018-190500A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2019年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 直倫
(72)【発明者】
【氏名】小森 洋和
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−295549(JP,A)
【文献】 特開平11−67374(JP,A)
【文献】 特開平11−111407(JP,A)
【文献】 特開2012−199106(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/035767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71 − 12/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の上面に載置され、端子保持部と、前記端子保持部の外周縁から前方へ延出したフード部とを有するハウジングと、
前記端子保持部に貫通状態で取り付けられ、前記端子保持部の後方において前記回路基板に対し載置した状態で接続可能な端子金具と、
前記ハウジングに形成され、前記回路基板に係止することで前記ハウジングの前傾変位を規制する係止部と、
前記端子保持部の側縁部から後方へ延出した側壁部とを備え、
前記側壁部の上端部には、左右方向へ突出した弾性変形可能な弾性支持部が形成され、
前記弾性支持部の突出端から脚部が下方へ延出し、
前記脚部の下端面から前記係止部が突出している基板用コネクタ。
【請求項2】
前記端子金具が、前記回路基板に載置された状態で半田付けにより固定される基板接続部を有しており、
前記係止部が、前後方向において前記基板接続部と概ね同じ位置に配されている請求項1に記載の基板用コネクタ。
【請求項3】
前記係止部が前記ハウジングの後端部に配されている請求項1又は請求項2に記載の基板用コネクタ。
【請求項4】
前記側壁部には、前記回路基板に半田付けにより固定可能な固定金具が取り付けられ、
前記係止部は、前記固定金具よりも後方に配されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板用コネクタ。
【請求項5】
左右一対の前記側壁部が、前記端子金具を挟むように配され、
前記側壁部には、前記回路基板に対し半田付けにより固定可能な固定金具が取り付けられ、
前記係止部が前記側壁部に連なるように設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回路基板の上面に載置した状態で取り付けられる基板用コネクタが開示されている。基板用コネクタは、合成樹脂製のハウジングと、ハウジングに取り付けられた複数の端子金具とを備えている。ハウジングは、端子金具を貫通状態で保持する端子保持部と、端子保持部の外周縁から前方へ角筒状に延出したフード部とを有している。端子金具の先端部はフード部内に収容され、端子金具の後端部は、端子保持部の後方に露出している。基板用コネクタを回路基板に取り付ける際には、ハウジングを回路基板の所定位置に載置した状態でリフロー炉に通して、高温環境下で回路基板の半田を溶融して回路基板に端子金具を固着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−59501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の基板用コネクタを防水仕様に変更した場合、相手側コネクタにはシールリングを保護するための筒状嵌合部が形成され、この筒状嵌合部をフード部の外周に嵌合することになる。フード部に外嵌した筒状嵌合部が回路基板と干渉するのを回避するためには、平面視において、フード部を回路基板の外部へ突出させる必要がある。そのため、基板用コネクタを回路基板に載置したときに、基板用コネクタが前傾して回路基板から脱落することが懸念される。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回路基板に対し安定して載置可能な基板用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
回路基板に載置され、端子保持部と、前記端子保持部の外周縁から前方へ延出したフード部とを有するハウジングと、
前記端子保持部に貫通状態で取り付けられ、前記端子保持部の後方において前記回路基板に対し載置した状態で接続可能な端子金具と、
前記ハウジングに形成され、前記回路基板に係止することで前記ハウジングの前傾変位を規制する係止部とを備えているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
係止部が回路基板に係止することによりハウジングの前傾変位が規制されるので、基板用コネクタを回路基板に安定して載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の基板用コネクタを回路基板に取り付けた状態の斜視図
図2】基板用コネクタを回路基板に取り付けた状態の側面図
図3】基板用コネクタを回路基板に取り付けた状態の背面図
図4】基板用コネクタを回路基板に取り付けた状態の底面図
図5図3のX−X線断面図
図6】基板用コネクタの側断面図
図7】基板用コネクタの背面図
図8】基板用コネクタの底面図
図9】第1端子金具の斜視図
図10】第2端子金具の斜視図
図11】固定金具の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、前記端子金具が、前記回路基板に載置された状態で半田付けにより固定される基板接続部を有しており、前記係止部が、前後方向において前記基板接続部と概ね同じ位置に配されていてもよい。ハウジングが前傾変位するときは、回路基板の前端縁が前傾変位の支点となるのであるが、係止部を前後方向において端子金具の基板接続部と概ね同じ位置に配したので、係止部と回路基板との間で上下方向のガタ付きがあったとしても、基板接続部の上下方向の変位量は、係止部と回路基板との間のガタ付き量以下に抑えられる。これにより、端子金具を確実に回路基板に接続することができる。
【0010】
本発明は、前記係止部が前記ハウジングの後端部に配されていてもよい。ハウジングが前傾変位するときは、回路基板の前端縁が前傾変位の支点となるのであるが、係止部をハウジングの後端部に配したので、係止部と回路基板との間で上下方向のガタ付きがあったとしても、ハウジングの上下方向の変位量は、係止部と回路基板との間のガタ付き量以下に抑えられる。これにより、端子金具を確実に回路基板に接続することができる。
【0011】
本発明は、前記端子保持部の側縁部から後方へ延出した側壁部を備えており、前記側壁部には、前記回路基板に半田付けにより固定可能な固定金具が取り付けられ、前記係止部は、前記固定金具よりも後方に配されていてもよい。ハウジングが前傾変位するときは、回路基板の前端縁が前傾変位の支点となるのであるが、係止部を固定金具より後方に配したので、係止部と回路基板との間で上下方向のガタ付きがあったとしても、固定金具の上下方向の変位量は、係止部と回路基板との間のガタ付き量以下に抑えられる。これにより、固定金具を確実に回路基板に半田付けすることができる。
【0012】
本発明は、前記端子保持部の側縁部から後方へ延出した側壁部を備えており、前記側壁部には、弾性支持部を介して連なる脚部が形成され、前記脚部の下端部に前記係止部が形成されていてもよい。回路基板やハウジングの寸法誤差を、弾性支持部が弾性変形することによって吸収することができる。
【0013】
本発明は、前記端子保持部の側縁部から後方へ延出して前記端子金具を挟むように配された左右一対の側壁部と、前記側壁部に取り付けられ、前記回路基板に対し半田付けにより固定可能な固定金具とを備え、前記係止部が前記側壁部に連なるように設けられていてもよい。この構成によれば、側壁部が、固定金具を支持する機能と、端子金具を左右両側から保護する機能と、係止部を支持する機能とを兼ね備えているので、ハウジングの形状を簡素化することができる。
【0014】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図11を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図2,4,5,6,8における右方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜3,6,7にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
【0015】
本実施例の基板用コネクタAは、回路基板Pの上面おける前端部に載置して固定されるものである。回路基板Pには、左右一対の係止孔Hが形成されている。係止孔Hは、回路基板Pの前端縁Fよりも少し後方の位置に配され、左右方向に所定の間隔を空けている。
【0016】
基板用コネクタAは、合成樹脂製のハウジング10と、複数の端子金具25,26と、左右一対の固定金具31とを備えて構成されている。ハウジング10は、端子保持部11と、フード部13と、左右対称な一対の側壁部14と、左右対称な一対の係止部19と、上壁部22と、下壁部24とを備えた単一部品である。端子保持部11は、回路基板Pの上面に対し略直角な壁状をなし、壁厚方向を前後方向に向けている。端子保持部11には、端子保持部11を前後方向に貫通する複数の圧入孔12が形成されている。フード部13は、端子保持部11の外周縁から前方へ概ね角筒状に突出した形態である。
【0017】
端子保持部11には、複数の第1端子金具25と複数の第2端子金具26が、後方から圧入孔12に圧入することにより取り付けられている。これらの端子金具25,26は、図9,10に示すように、細長い棒材を屈曲成形したものであり、前後方向に延びて端子保持部11を貫通するハーネス側接続部27と、ハーネス側接続部27の後端から略直角に下方へ延出した基板接続部28とを有する。ハーネス側接続部27の前端部は、フード部13内に収容され、ハーネス側コネクタ(図示省略)の相手側端子(図示省略)と接続可能なタブ29として機能する。基板接続部28は、端子保持部11の後方に配されており、基板接続部28の下端部は、後方へ水平に突出した導通部30となっている。
【0018】
左右一対の側壁部14は、端子保持部11の左右両側縁部から後方へ片持ち状に延出した形態であり、壁厚方向を左右方向に向けている。側壁部14のうち端子保持部11に直接的に連なる前端側領域は、支持壁部15として機能する。支持壁部15の外面には、固定金具31が取り付けられている。支持壁部15(側壁部14)は固定金具31を支持する機能を有する。固定金具31は、支持壁部15の外面を覆うように配された板状取付部32と、板状取付部32の下端縁から左右方向外向きに突出して支持壁部15の下端とほぼ面一状の高さに配された固着部33とを有する単一部品である。
【0019】
側壁部14のうち後端側領域は、保護壁部16として機能する。図6に示すように、保護壁部16の後端(ハウジング10の後端)は、前後方向において端子金具25,26の導通部30(基板接続部28)の後端と概ね同じ位置に配されている。詳細には、保護壁部16の後端は導通部30の後端より少し後方に位置する。したがって、左右一対の側壁部14は、複数の端子金具25,26のうち端子保持部11より後方に露出する領域を、左右両側から挟むように位置していて、これらの端子金具25,26を異物の干渉から保護する機能を有する。
【0020】
左右両保護壁部16の上端部には、左右方向外方へリブ状に突出した弾性支持部17が形成されている。弾性支持部17は弾性変形が可能である。弾性支持部17の突出端部には、下方へ延出した形態の脚部18が形成されている。脚部18には、その下端面から下方へ突出した形態の係止部19が形成されている。係止部19の下端部外周には、回路基板Pの係止孔Hの開口縁における下端部に係止される係止突起が形成されている。係止部19は、前後方向において端子金具25,26の基板接続部28の導通部30と概ね同じ位置に配されている。また、係止部19は固定金具31より後方に配されている。
【0021】
ハウジング10には、左右一対の側壁部14が左右へ傾くことを規制又は抑制するための手段として補強部20が一体に形成されている。補強部20は、上端側繋ぎ部21と下端側繋ぎ部23とを備えて構成されている。上端側繋ぎ部21は、支持壁部15の上端部と端子保持部11の後面上端部とを繋げた形態であり、上壁部22を構成している。下端側繋ぎ部23は、支持壁部15の下端部と端子保持部11の後面下端部とを繋げた形態であり、下壁部24を構成している。
【0022】
上壁部22は、端子保持部11の後面に対して略直角をなし、且つ支持壁部15に対しても略直角をなしていて、平面視形状が略長方形をなす板状の部位である。上壁部22の前端縁は、その全長(全幅)に亘って端子保持部11の上端縁に連なっている。上壁部22の左右両側縁は、その全長に亘って支持壁部15の上端縁に連なっている。上壁部22の前後寸法は、支持壁部15の前後寸法と概ね同じ寸法である。したがって、保護壁部16は、上壁部22の後端から後方へ突出している。
【0023】
下壁部24は、端子保持部11の後面に対して略直角をなし、且つ支持壁部15に対しても略直角をなしていて、平面視形状が略長方形をなす板状の部位である。下壁部24の前端縁は、その全長(全幅)に亘って端子保持部11の下端縁に連なっている。下壁部24の左右両側縁は、その全長に亘って支持壁部15の下端縁に連なっている。下壁部24の前後寸法は、支持壁部15の前後寸法と概ね同じ寸法である。したがって、保護壁部16は、下壁部24の後端から後方へ突出している。
【0024】
ハウジング10のうち端子保持部11より後方の領域は、端子保持部11と左右両支持壁部15と上壁部22と下壁部24とによって区画された箱部34となっている。この箱部34の内部空間は、後面が外部に開放された端子収容空間35となっている。端子収容空間35内には、端子金具25,26のハーネス側接続部27のうち端子保持部11から後方へ突出した領域と、基板接続部28のうち後端部を除いた領域とが収容されている。基板接続部28のうち導通部30を含む後端部は、端子収容空間35から後方へ突出しているのであるが、左右一対の保護壁部16によって左右両側から挟まれているので、左右方向から異物の干渉を受ける虞はない。
【0025】
本実施例の基板用コネクタAは、ハウジング10と複数の端子金具25,26を備えている。ハウジング10は、端子保持部11と、端子保持部11の外周縁から前方へ延出したフード部13とを有するものであり、回路基板Pに載置される。端子金具25,26は、端子保持部11に貫通状態で取り付けられ、端子保持部11の後方において回路基板Pに対し載置した状態で接続されるようになっている。
【0026】
この基板用コネクタAを回路基板Pに取り付ける際には、ハウジング10を回路基板Pの所定位置に載置した状態でリフロー炉に通して、リフロー炉の高温環境下で回路基板Pの半田を溶融することで、固定金具31の固着部33と端子金具25,26の導通部30が回路基板Pに固着される。回路基板Pと基板用コネクタAをリフロー炉に通す際には、ハウジング10を回路基板Pの上面に載置するのであるが、本実施例の基板用コネクタAは防水仕様であるため、平面視においてフード部13が回路基板Pの前端縁Fよりも前方へ突出するようにハウジング10を回路基板Pに載置する必要がある。その理由は、次の通りである。
【0027】
防水仕様にすると、基板用コネクタAの嵌合対象であるハーネス側コネクタ(図示省略)には、フード部13の内周に密着するシールリングと、シールリングを保護するための筒状嵌合部が設けられる。そのため、筒状嵌合部をフード部13の外周に嵌合したときに、筒状嵌合部が回路基板Pと干渉するのを回避する必要があるため、フード部13を回路基板Pの前端縁Fよりも前方に配する必要がある。
【0028】
端子金具25,26を回路基板Pの前方外部へ突出させると、基板用コネクタAを回路基板Pに載置したときに、基板用コネクタAが前傾して回路基板Pから脱落することが懸念される。回路基板Pに対し基板用コネクタAを安定して載置するための手段として、本実施例の基板用コネクタAでは、回路基板Pに係止することでハウジング10の前傾変位を規制する係止部19を、ハウジング10に形成している。この係止部19を回路基板Pの係止孔Hに貫通して係止させることにより、ハウジング10の前傾変位が規制される。したがって、基板用コネクタAを回路基板Pに安定して載置することができる。
【0029】
係止部19の大きさと回路基板Pの厚さに関しては、製造上の寸法公差の範囲内で寸法にバラツキが生じることは避けられないことから、係止部19を係止孔Hに係止したときに、係止部19と回路基板Pとの間で上下方向のガタ付きが生じる虞がある。この対策として、本実施例では、ハウジング10が前傾変位するとき回路基板Pの前端縁Fが前傾変位の支点となることに着目し、係止部19をハウジング10の後端部に配した。このように配置にすれば、係止部19と回路基板Pとの間でガタ付きがあったとしても、ハウジング10の上下方向の変位量は、係止部19と回路基板Pとの間のガタ付き量以下に抑えられる。これにより、端子金具25,26を確実に回路基板Pに接続することができる。
【0030】
また、端子金具25,26は、回路基板Pに載置された状態で半田付けにより固定される基板接続部28を有している。ハウジング10が前傾変位するときは、回路基板Pの前端縁Fが前傾変位の支点となり、基板接続部28も係止部19も、前傾変位の支点よりも後方に配されている。この点に着目し、係止部19を、前後方向において基板接続部28と概ね同じ位置に配した。この構成によれば、係止部19と回路基板Pとの間で上下方向のガタ付きがあったとしても、基板接続部28の上下方向の変位量は、係止部19と回路基板Pとの間のガタ付き量以下に抑えられる。これにより、端子金具25,26を確実に回路基板Pに接続することができる。
【0031】
さらにまた、ハウジング10には、端子保持部11の側縁部から後方へ延出した側壁部14が形成されており、側壁部14には、回路基板Pに半田付けにより固定可能な固定金具31が取り付けられている。ハウジング10が前傾変位するときは、回路基板Pの前端縁Fが前傾変位の支点となり、固定金具31も係止部19も、前傾変位の支点よりも後方に配されている。この点に着目し、係止部19を固定金具31よりも後方に配した。
【0032】
この構成によれば、係止部19と回路基板Pとの間で上下方向のガタ付きがあったとしても、固定金具31の上下方向の変位量は、係止部19と回路基板Pとの間のガタ付き量以下に抑えられる。これにより、固定金具31を確実に回路基板Pに半田付けすることができる。
【0033】
また、ハウジング10には、端子保持部11の側縁部から後方へ延出した側壁部14が形成されており、側壁部14には、弾性支持部17を介して連なる脚部18が形成され、脚部18の下端部に係止部19が形成されている。この構成によれば、回路基板Pの係止孔Hの位置やハウジング10の係止部19の位置に関して、前後方向や左右方向にバラツキがあっても、そのバラツキ(寸法誤差)は、弾性支持部17が弾性変形することによって吸収される。したがって、係止部19に過大な応力が生じる虞はない。
【0034】
また、基板用コネクタAは、端子保持部11の側縁部から後方へ延出して端子金具25,26を挟むように配された左右一対の側壁部14と、側壁部14に取り付けられた回路基板Pに対し半田付けにより固定可能な固定金具31とを備えている。そして、係止部19は側壁部14に連なるように設けられている。この構成によれば、側壁部14が、固定金具31を支持する機能と、端子金具25,26を左右両側から保護する機能と、係止部19を支持する機能とを兼ね備えることになるので、これらの3つの機能を発揮させるための専用の部位を別々に形成する場合に比べると、ハウジング10の形状を簡素化することができる。
【0035】
また、本実施例の基板用コネクタAは、ハウジング10と、端子金具25,26と、固定金具31とを備えている。ハウジング10は、回路基板Pと略直角な壁状をなす端子保持部11と、端子保持部11の側縁部から後方へ延出した左右一対の支持壁部15とを有し、回路基板Pに載置されるようになっている。端子金具25,26は、端子保持部11に貫通状態で取り付けられていて、端子保持部11の後方において回路基板Pに接続される。固定金具31は、支持壁部15に取り付けられ、回路基板Pに対し半田付けにより固定される。
【0036】
そして、ハウジング10に取り付けた固定金具31と回路基板Pとの半田付け部分に生じる応力を緩和する手段として、ハウジング10に、支持壁部15と端子保持部11の後面とを繋ぐ補強部20を一体に形成している。補強部20を設けたことにより、支持壁部15は、補強部20を介して端子保持部11に繋がった状態となるので、傾きが抑制される。これにより、支持壁部15が傾くことに起因して固定金具31と回路基板Pとの半田付け部分に生じる応力が、小さく抑えられる。
【0037】
また、補強部20は、支持壁部15の上端部と端子保持部11の上端部とを繋げた形態の上端側繋ぎ部21を備えている。この構成によれば、支持壁部15が傾いたときの変位量が最大となる上端部が、上端側繋ぎ部21を介して端子保持部11に繋がるので、支持壁部15の傾きを効果的に抑制することができる。さらに、上端側繋ぎ部21は、端子保持部11及び支持壁部15に対して略直角な板状の上壁部22を構成する。板状の上壁部22は剛性が高いので、支持壁部15の傾きを効果的に抑制することができる。
【0038】
また補強部20は、支持壁部15の下端部と端子保持部11の下端部とを繋げた形態の下端側繋ぎ部23を備えている。ハウジング10を回路基板Pに取り付ける前の状態では、端子金具25,26のうち端子保持部11から後方へ突出している領域に対して、下方から異物が干渉することが懸念される。しかし、下端側繋ぎ部23を設けたことにより、端子金具25,26に対して下方から異物が干渉することを防止できる。さらに、下端側繋ぎ部23は、端子保持部11及び支持壁部15に対して略直角な板状の下壁部24を構成している。板状の下壁部24は剛性が高いので、下方からの端子金具25,26に対する異物の干渉を確実に防止できる。
【0039】
また、上壁部22は、端子保持部11と支持壁部15とで区画された端子収容空間35の上面のほぼ全領域を覆う形態であるから、端子金具25,26のうち端子収容空間35内に収容されている領域を、異物の干渉などから保護することができる。同様に、下壁部24は、端子保持部11と支持壁部15とで区画された端子収容空間35の下面のほぼ全領域を覆う形態であるから、端子金具25,26のうち端子収容空間35内に収容されている領域を、異物の干渉などから保護することができる。
【0040】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、端子金具の後端部(基板接続部)が、前後方向においてハウジング(側壁部)の後端と概ね同じ位置に配されているが、基板接続部は、ハウジングの後端より前方に配されていてもよく、ハウジングの後端よりも後方に配されていてもよい。
(2)上記実施例では、係止部が、前後方向において端子金具の基板接続部と概ね同じ位置に配されているが、係止部は、基板接続部より前方に配されていてもよく、基板接続部より後方に配されていてもよい。
(3)上記実施例では、係止部を固定金具より後方に配したが、係止部は、前後方向において固定金具と概ね同じ位置に配してもよく、固定金具より前方に配してもよい。
(4)上記実施例では、側壁部が、固定金具を支持する機能と端子金具を保護する機能と係止部を支持する機能を兼ね備えているが、側壁部は、これら3つの機能のうち1つ又は2つの機能のみを備える形態であってもよい。
(5)上記実施例では、ハウジングに固定金具を取り付けたが、ハウジングに固定金具を取り付けない形態としてもよい。
(6)上記実施例では、一対の左右対称な係止部を設けたが、一対の係止部は、左右非対称であってもよい。
(7)上記実施例では、1つのハウジングに一対の係止部を形成したが、係止部の数は、1つだけでもよく、3つ以上でもよい。
(8)上記実施例では、係止部を側壁部に形成したが、係止部は、ハウジングのうち側壁部以外の領域(下壁部や端子保持部)に配してもよい。
【符号の説明】
【0041】
P…回路基板
A…基板用コネクタ
10…ハウジング
11…端子保持部
13…フード部
14…側壁部
17…弾性支持部
18…脚部
19…係止部
25…第1端子金具(端子金具)
26…第2端子金具(端子金具)
28…基板接続部
31…固定金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11