(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の熱交換器において、伝熱板は、接着剤によって樹脂枠に接着される。しかし、接着不良や接着剤の経年劣化に起因して、伝熱板が樹脂枠から剥がれることがある。伝熱板が樹脂枠から剥がれると、伝熱板によって仕切られた空気流路の一方から他方へ空気が侵入したり、剥がれた伝熱板によって空気の流通が妨げられるおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、熱交換器の信頼性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1
,第3の
各態様は、平坦なシート状の複数の仕切り部材(15)と、上記仕切り部材(15)と交互に積層されて隣り合う上記仕切り部材
(15)の間隔を保持する間隔保持部材(25,55)とを備え、上記仕切り部材(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成された熱交換器を対象とする。そして、上記間隔保持部材(25,55)は、上記仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有し、上記枠部(30,60)は、上記仕切り部材(15)の積層方向の一方の面に形成されて上記枠部(30,60)の伸長方向に延びる凸条部(34,64)と、他方の面に形成されて上記枠部(30,60)の伸長方向に延びる凹条部(35,65)とを有し、隣り合う上記間隔保持部材(25,55)の一方の上記凸条部(34,64)が他方の上記凹条部(35,65)に嵌まり込み、上記仕切り部材(15)は、該仕切り部材(15)と隣り合う二つの上記間隔保持部材(25,55)の一方の上記凸条部(34,64)と他方の上記凹条部(35,65)に挟まれることを特徴とする。
【0007】
第1
,第3の
各態様の熱交換器(10)では、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)が交互に積層され、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる流体と第2流路(51)を流れる流体が、仕切り部材(15)を介して少なくとも顕熱を交換する。
【0008】
第1
,第3の
各態様の熱交換器(10)では、隣り合う二つの間隔保持部材(25,55)の一方の凸条部(34,64)が他方の凹条部(35,65)に嵌まり込む。仕切り部材(15)は、互いに嵌まり合った凹条部(35,65)と凸条部(34,64)とに挟まれる。その結果、仕切り部材(15)は、その両隣に位置する二つの間隔保持部材(25,55)によって保持される。また、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間がシールされる。
【0009】
第1
,第3の
各態様によれば、接着不良や接着剤の劣化等が生じた場合であっても、仕切り部材(15)を、その両隣の間隔保持部材(25,55)によって保持することができ、更には、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間をシールできる。また、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)を接着しなくても、仕切り部材(15)を、その両隣の間隔保持部材(25,55)によって保持すると共に、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間をシールできる可能性がある。
【0010】
従って、第1
,第3の
各態様によれば、間隔保持部材(25,55)に保持されなくなった仕切り部材(15)が空気の流通を阻害するのを、未然に防止できる。また、こ
れらの態様によれば、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間を通って第1流路(21)と第2流路(51)の一方から他方へ空気が侵入するのを防止できる。その結果、熱交換器(10)の信頼性を向上させることができる。
【0011】
また、本開示の
第1,第3の
各態様は、
上記の構成に加えて、上記枠部(30,60)は、該枠部(30,60)によって囲まれた上記第1流路(21)又は上記第2流路(51)を該枠部(30,60)の外部に連通させる連通用開口(22,52)と、上記連通用開口(22,52)に沿って延び、隣り合う他の上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)と対向する補助リブ(32,62)とを有し、上記仕切り部材(15)は、該仕切り部材(15)と隣り合う二つの上記間隔保持部材(25,55)の一方の上記補助リブ(32,62)と他方の上記枠部(30,60)に挟まれることを特徴とする。
【0012】
第1,第3の
各の熱交換器(10)では、隣り合う二つの間隔保持部材(25,55)の一方の補助リブ(32,62)と他方の枠部(30,60)によって、仕切り部材(15)が挟まれる。その結果、仕切り部材(15)は、間隔保持部材(25,55)のうち連通用開口(22,52)が形成された部分においても、その両隣に位置する二つの間隔保持部材(25,55)によって保持される。また、間隔保持部材(25,55)のうち連通用開口(22,52)が形成された部分においても、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間がシールされる。
【0013】
本開示の
第2,第4の
各態様は、平坦なシート状の複数の仕切り部材(15)と、上記仕切り部材(15)と交互に積層されて隣り合う上記仕切り部材(15)の間隔を保持する間隔保持部材(25,55)とを備え、上記仕切り部材(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成された熱交換器を対象とする。そして、上記間隔保持部材(25,55)は、上記仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有し、上記枠部(30,60)は、該枠部(30,60)によって囲まれた上記第1流路(21)又は上記第2流路(51)を該枠部(30,60)の外部に連通させる連通用開口(22,52)と、上記連通用開口(22,52)に沿って延び、隣り合う他の上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)と対向する補助リブ(32,62)とを有し、上記仕切り部材(15)は、該仕切り部材(15)と隣り合う二つの上記間隔保持部材(25,55)の一方の上記補助リブ(32,62)と他方の上記枠部(30,60)に挟まれることを特徴とする。
【0014】
第2,第4の
各態様の熱交換器(10)では、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)が交互に積層され、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる流体と第2流路(51)を流れる流体が、仕切り部材(15)を介して少なくとも顕熱を交換する。
【0015】
第2,第4の
各態様の熱交換器(10)では、隣り合う二つの間隔保持部材(25,55)の一方の補助リブ(32,62)と他方の枠部(30,60)によって、仕切り部材(15)が挟まれる。その結果、仕切り部材(15)は、その両隣に位置する二つの間隔保持部材(25,55)によって保持される。また、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間がシールされる。
【0016】
第2,第4の
各態様によれば、接着不良や接着剤の劣化等が生じた場合であっても、仕切り部材(15)を、その両隣の間隔保持部材(25,55)によって保持することができ、更には、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間をシールできる。また、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)を接着しなくても、仕切り部材(15)を、その両隣の間隔保持部材(25,55)によって保持すると共に、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間をシールできる可能性がある。
【0017】
従って、
第2,第4の
各態様によれば、間隔保持部材(25,55)に保持されなくなった仕切り部材(15)が空気の流通を阻害するのを、未然に防止できる。また、こ
れらの態様によれば、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間を通って第1流路(21)と第2流路(51)の一方から他方へ空気が侵入するのを防止できる。その結果、熱交換器(10)の信頼性を向上させることができる。
【0018】
本開示の
第1,第2の
各態様は、
上記の構成に加えて、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)は、隣り合う他の上記間隔保持部材(25,55)の上記補助リブ(32,62)と向かい合う面から突出して該補助リブ(32,62)の外側に沿って延びる外側リブ(33,63)を有し、上記間隔保持部材(25,55)の上記外側リブ(33,63)の突端面は、上記外側リブ(33,63)の突出方向における隣の上記間隔保持部材(25,55)が有する上記補助リブ(32,62)の上記仕切り部材(15)とは逆側の面と、同一平面上に位置することを特徴とする。
【0019】
第1,第2の
各態様では、間隔保持部材(25,55)の枠部(30,60)において、補助リブ(32,62)の外側に沿って外側リブ(33,63)が設けられる。間隔保持部材(25,55)の外側リブ(33,63)の突端面は、外側リブ(33,63)の突出方向における隣の間隔保持部材(25,55)によって形成された第1流路(21)又は第2流路(51)に面する。また、間隔保持部材(25,55)において、補助リブ(32,62)の仕切り部材(15)とは逆側の面は、その間隔保持部材(25,55)によって形成された第1流路(21)又は第2流路(51)に面する。
【0020】
第1,第2の
各態様の熱交換器(10)において、間隔保持部材(25,55)の外側リブ(33,63)の突端面は、外側リブ(33,63)の突出方向における隣の間隔保持部材(25,55)が有する補助リブ(32,62)の仕切り部材(15)とは逆側の面と、同一平面上に位置する。そのため、隣の間隔保持部材(25,55)によって形成された第1流路(21)又は第2流路(51)では、そこに連通する連通用開口(22,52)の付近において、流体がスムーズに流れる。
【0021】
本開示の
第3,第4の
各態様は、
上記の構成に加えて、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)は、
該枠部(30,60)のうち上記連通用開口(22,52)が形成された部分と上記連通用開口(22,52)が形成されていない部分との両方において該間隔保持部材(25,55)の外周に沿って延びる外側リブ(33,63)を有することを特徴とする。
【0022】
第3,第4の
各態様では、間隔保持部材(25,55)の枠部(30,60)に、外側リブ(33,63)が設けられる。外側リブ(33,63)は、
該枠部(30,60)のうち上記連通用開口(22,52)が形成された部分と上記連通用開口(22,52)が形成されていない部分との両方において、間隔保持部材(25,55)の外周に沿っ
て形成される。このため、枠部(30,60)が途中で分断されている場合に比べて、間隔保持部材(25,55)の強度と剛性を確保することができる。
【0023】
本開示の
第5の態様は、上記第1
〜第4のいずれか一つの態様において、上記凸条部(34,64)と上記凹条部(35,65)のそれぞれは、上記枠部(30,60)の最外周部に形成されることを特徴とする。
【0024】
第5の態様の間隔保持部材(25,55)では、仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)の最外周部に、凸条部(34,64)と凹条部(35,65)とが形成される。
【0025】
本開示の
第6の態様は、上記
第1〜
第5のいずれか一つの態様において、上記間隔保持部材(25,55)の上記補助リブ(32,62)は、該補助リブ(32,62)に沿って延び且つ該補助リブ(32,62)が対面する他の上記間隔保持部材(25,55)に向かって突出する線状凸部(36,66)を有し、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)には、隣り合う他の上記間隔保持部材(25,55)の上記線状凸部(36,66)が嵌まる線状凹部(37,67)が形成されることを特徴とする。
【0026】
第6の態様では、隣り合う二つの間隔保持部材(25,55)の一方の線状凸部(36,66)が他方の線状凹部(37,67)に嵌まり込む。その結果、隣り合う二つの間隔保持部材(25,55)の隙間は、互いに嵌まり合った線状凸部(36,66)と線状凹部(37,67)によってシールされる。また、補助リブ(32,62)に線状凸部(36,66)を形成することによって、補助リブ(32,62)の剛性が向上する。
【0027】
本開示の
第7の態様は、上記
第6の態様において、上記仕切り部材(15)は、該仕切り部材(15)と隣り合う二つの上記間隔保持部材(25,55)の一方の上記線状凸部(36,66)と他方の上記線状凹部(37,67)に挟まれることを特徴とする。
【0028】
第7の態様では、隣り合う二つの間隔保持部材(25,55)の間に位置する仕切り部材(15)が、互いに嵌まり合った線状凸部(36,66)と線状凹部(37,67)によって挟まれる。その結果、仕切り部材(15)は、その両隣に位置する二つの間隔保持部材(25,55)によって保持される。また、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)の隙間がシールされる。
【0029】
本開示の
第8の態様は、上記第1〜
第7のいずれか一つの態様において、積層された複数の上記間隔保持部材(25,55)の外周面によって形成される側面が平面であることを特徴とする。
【0030】
第8の態様では、熱交換器(10)の側面が平面となる。そのため、熱交換器(10)を換気装置などの機器に組み込む際に、機器の構造体と熱交換器(10)の側面とのシールを容易に行う事が可能となる。その結果、熱交換器(10)の使い勝手が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の熱交換器(10)は、いわゆる全熱交換器である。この熱交換器(10)は、換気装置に設けられ、室内へ供給される室外空気(給気)と、室外へ排出される室内空気(排気)との間で、顕熱と潜熱(水分)を交換させる。
【0033】
−熱交換器の全体構成−
図1に示すように、熱交換器(10)は、端面が多角形の柱状に形成される。本実施形態の熱交換器(10)の端面は、横長の八角形状である。
図2にも示すように、熱交換器(10)には、一つの主熱交換部(11)と、二つの副熱交換部(12a,12b)とが形成される。
【0034】
主熱交換部(11)は、熱交換器(10)のうち
図2の左右方向の中央に位置する。
図2に示す熱交換器(10)の平面図において、主熱交換部(11)は、横長の長方形状の部分である。副熱交換部(12a,12b)は、熱交換器(10)のうち
図2の左右方向における主熱交換部(11)の側方に位置する。熱交換器(10)では、
図2の左右方向における主熱交換部(11)の両側に、副熱交換部(12a,12b)が一つずつ配置される。
図2に示す熱交換器(10)の平面図において、各副熱交換部(12a,12b)は、台形状の部分である。
【0035】
熱交換器(10)は、第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)を複数ずつ備える。熱交換器(10)において、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)は、交互に重なり合っている。第1エレメント(20)は、第1流路(21)を形成する。第1流路(21)は、給気が流れる流路である。第2エレメント(50)は、第2流路(51)を形成する。第2流路(51)は、排気が流れる流路である。熱交換器(10)では、第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の積層方向に、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。
【0036】
熱交換器(10)の側面(第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の積層方向に沿った面)には、第1流入口(22a)と、第1流出口(22b)と、第2流入口(52a)と、第2流出口(52b)とが形成される。第1流入口(22a)及び第1流出口(22b)は、第1エレメント(20)に形成されて第1流路(21)に連通する。第2流入口(52a)及び第2流出口(52b)は、第2エレメント(50)に形成されて第2流路(51)に連通する。
【0037】
図2及び
図3にも示すように、第1流入口(22a)と、第1流出口(22b)と、第2流入口(52a)と、第2流出口(52b)とは、それぞれが熱交換器(10)の異なる側面に形成される。熱交換器(10)の一方の副熱交換部(12a)では、一つの側面に第1流入口(22a)が開口し、他の側面に第2流出口(52b)が開口する。熱交換器(10)の他方の副熱交換部(12b)では、一つの側面に第1流出口(22b)が開口し、他の側面に第2流入口(52a)が開口する。
【0038】
熱交換器(10)の側面は、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外周面によって構成される。熱交換器(10)の側面は、実質的な平面である。
【0039】
−空気の流れと熱交換作用−
図2に示すように、熱交換器(10)では、第1流入口(22a)へ室外空気OAが流入し、第2流入口(52a)に室内空気RAが流入する。第1流入口(22a)へ流入した室外空気OAは、給気として第1流路(21)を流れ、一方の副熱交換部(12a)と、主熱交換部(11)と、他方の副熱交換部(12b)とを順に通過し、その後に第1流出口(22b)から流出して室内へ供給される。第2流入口(52a)へ流入した
室内空気RAは、排気として第2流路(51)を流れ、他方の副熱交換部(12b)と、主熱交換部(11)と、一方の副熱交換部(12a)とを順に通過し、その後に第2流出口(52b)から流出して室外へ排出される。
【0040】
熱交換器(10)の各副熱交換部(12a,12b)において、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気とは、互いに交差する方向に流れる。熱交換器(10)の主熱交換部(11)において、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気とは、互いに逆向きに流れる。
【0041】
熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気との間で、顕熱と潜熱(水分)の交換が行われる。熱交換器(10)では、給気と排気のうち温度が高い方から温度が低い方へ熱が移動する。また、熱交換器(10)では、給気と排気のうち湿度が高い方から湿度が低い方へ水分が移動する。
【0042】
−第1エレメント、第2エレメント−
図4,
図12,
図14,
図16に示すように、第1エレメント(20)は第1フレーム(25)と仕切りシート(15)とを備え、第2エレメント(50)は第2フレーム(55)と仕切りシート(15)とを備える。
【0043】
詳しくは後述するが、第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれは、射出成形によって形成された樹脂製の扁平な部材である。以下の説明では、
図4,
図12,
図14,
図16における第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)の上面を「表(おもて)面」とし、
図4,
図12,
図14,
図16における第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)の下面を「裏面」とする。
【0044】
仕切りシート(15)は、透湿性が高くて通気性が低いシート状の部材である。この仕切りシート(15)は、第1流路(21)と第2流路(51)を仕切る仕切り部材である。仕切りシート(15)の材質は、親水基と疎水基を含む高分子材料(例えば、ポリウレタン)である。仕切りシート(15)の厚さは、例えば1〜30μm程度である。
【0045】
なお、仕切りシート(15)は、紙や不織布などによって構成されていてもよい。仕切りシート(15)を構成する紙または不織布の材質としては、繊維状の樹脂、繊維状の金属、ガラス繊維、パルプが例示される。
【0046】
第1エレメント(20)において、仕切りシート(15)は、接着剤によって第1フレーム(25)の裏面に接着される。仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の裏面のほぼ全体を覆う。第2エレメント(50)において、仕切りシート(15)は、接着剤によって第2フレーム(55)の裏面に接着される。仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の裏面のほぼ全体を覆う。
【0047】
−第1フレーム−
図5に示すように、第1フレーム(25)は、平面視で横長の八角形状に形成される。平面視における第1フレーム(25)の外形は、熱交換器(10)の端面の形状と実質的に同じである。第1フレーム(25)は、隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保つ第1間隔保持部材である。
【0048】
第1フレーム(25)には、一つの中央エリア(26)と、二つの端部エリア(27a,27b)とが形成される。中央エリア(26)は、横長の長方形状のエリアであって、
図5の左右方向の中央に位置する。第1フレーム(25)において、端部エリア(27a,27b)は、中央エリア(26)の両側に一つずつ形成される。端部エリア(27a,27b)は、
図5の左右方向における中央エリア(26)の側方に位置する台形状のエリアである。
【0049】
〈枠部〉
第1フレーム(25)は、枠部(30)を備える。枠部(30)は、第1フレーム(25)の外周に沿って延びる部分であって、第1フレーム(25)の全周に亘って形成される。言い換えると、枠部(30)は、横長の八角形の枠状に形成される。枠部(30)は、第1フレーム(25)によって形成される第1流路(21)の周囲を囲う。また、枠部(30)は、仕切りシート(15)の周縁に沿っている。
【0050】
第1フレーム(25)の枠部(30)には、二つの第1連通用開口(22)が形成される。各第1連通用開口(22)は、枠部(30)に囲まれた第1流路(21)を、枠部(30)の外側と連通させる。
図5に示す枠部(30)において、一方の第1連通用開口(22)は、左側の端部エリア(27a)に位置する下向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第1流入口(22a)を構成する。また、
図5に示す枠部(30)において、他方の第1連通用開口(22)は、右側の端部エリア(27b)に位置する上向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第1流出口(22b)を構成する。
【0051】
図5〜
図7に示すように、第1フレーム(25)の枠部(30)は、閉塞部(31)と、外側リブ(33)と、補助リブ(32)とを備える。外側リブ(33)は、その一部が凸条部(34)を構成する。閉塞部(31)には、凹条部(35)が形成される。
【0052】
閉塞部(31)は、枠部(30)のうち第1連通用開口(22)が形成されていない六つの辺に沿って延びる。
図13〜
図16に示すように、閉塞部(31)の断面の形状は、矩形の一つの角部を切り欠いた形状である。閉塞部(31)は、枠部(30)に囲まれた第1流路(21)を枠部(30)の外部から仕切る。閉塞部(31)の厚さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。
【0053】
図5に示すように、外側リブ(33)は、枠部(30)の外周に沿って延びる部分であって、枠部(30)の全周に亘って形成される。外側リブ(33)は、枠部(30)の八つの辺の全てに沿って形成される。外側リブ(33)は、閉塞部(31)の表(おもて)面側に配置され、閉塞部(31)と一体に形成される。
【0054】
図13〜
図16に示すように、外側リブ(33)は、閉塞部(31)に隣接する部分が凸条部(34)を構成する。凸条部(34)は、閉塞部(31)の最外周縁に沿って延び、閉塞部(31)の表面から突出する。凸条部(34)の外周面は、閉塞部(31)の外周面と共に一つの平面を形成する。
【0055】
図13〜
図16に示すように、凹条部(35)は、閉塞部(31)の裏面に開口する凹溝である。凹条部(35)は、閉塞部(31)の全長に亘って、閉塞部(31)の最外周縁に沿って形成される。凹条部(35)は、閉塞部(31)の外周面にも開口する。凹条部(35)の断面の形状は、後述する第2フレーム(55)の凸条部(64)の断面に対応した形状である。第1フレーム(25)の凹条部(35)には、第2フレーム(55)の外側リブ(63)が嵌り込む。従って、第1フレーム(25)の凹条部(35)には、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)が嵌り込む。
【0056】
図5〜
図7に示すように、補助リブ(32)は、第1連通用開口(22)に沿って延びる部分である。補助リブ(32)は、枠部(30)の裏面側に配置される。
図11,
図12に示すように、補助リブ(32)の断面の形状は、扁平な長方形状である。補助リブ(32)の表(おもて)面は、隣り合う第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面(
図11における上面)と、同一平面上に位置する。補助リブ(32)の裏面は、閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
【0057】
〈第1内側リブ、第1保持リブ〉
図5〜
図7に示すように、第1フレーム(25)は、第1内側リブ(40)と、第1保持リブ(41a,41b)とを備える。第1内側リブ(40)及び第1保持リブ(41a,41b)は、第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)に設けられる。
【0058】
第1内側リブ(40)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1連通用開口(22)と交わる方向に延びる。本実施形態において、第1内側リブ(40)は、枠部(30)の第1連通用開口(22)が形成された辺から、その辺と実質的に直交する方向に延びる。第1内側リブ(40)の高さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい(
図11を参照)。
【0059】
本実施形態の第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)には、四本の第1内側リブ(40)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。各端部エリア(27a,27b)において、四本の第1内側リブ(40)は、補助リブ(32)によって互いに連結される。各第1内側リブ(40)は、補助リブ(32)と一体に形成される。各第1内側リブ(40)の裏面は、補助リブ(32)の裏面と同一平面上に位置する。
【0060】
第1保持リブ(41a,41b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1内側リブ(40)と実質的に直交する方向に延びる。第1保持リブ(41a,41b)は、隣り合う第1内側リブ(40)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第1保持リブ(41a,41b)は、第1流路(21)のうち隣り合う第1内側リブ(40)の間の部分を横断する。
【0061】
図6,
図7に示すように、隣り合う第1内側リブ(40)の間において、第1保持リブ(41a,41b)は、第1フレーム(25)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)は、その表(おもて)面が、第1内側リブ(40)及び閉塞部(31)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第1フレーム(25)の裏面側の第1保持リブ(41b)は、その裏面が、第1内側リブ(40)及び閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
【0062】
図11に示すように、第1保持リブ(41a,41b)は、後述する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に沿って設けられる。平面視において、各第1保持リブ(41a,41b)は、その全長に亘って、隣り合う第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と重なり合う。また、第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)と、その裏面側の第1保持リブ(41b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
【0063】
各第1保持リブ(41a,41b)の厚さは、第1内側リブ(40)の厚さの半分未満である。第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)と、その裏面側の第1保持リブ(41b)は、第1内側リブ(40)の厚さ方向において離れている。
【0064】
〈第1流路内リブ、第1支持リブ〉
図5〜
図7に示すように、第1フレーム(25)は、第1流路内リブ(45)と、第1支持リブ(46a,46b)とを備える。第1流路内リブ(45)及び第1支持リブ(46a,46b)は、第1フレーム(25)の中央エリア(26)に設けられる。
【0065】
第1流路内リブ(45)は、真っ直ぐな棒状に形成され、中央エリア(26)の長辺と平行な方向に延びる。言い換えると、第1流路内リブ(45)は、一方の端部エリア(27a)から他方の端部エリア(27b)に向かって延びる。第1流路内リブ(45)の高さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい(
図15を参照)。本実施形態の第1フレーム(25)の中央エリア(26)には、九本の第1流路内リブ(45)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。
【0066】
図5,
図15に示すように、第1支持リブ(46a,46b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1流路内リブ(45)と実質的に直交する方向に延びる。第1支持リブ(46a,46b)は、隣り合う第1流路内リブ(45)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第1支持リブ(46a,46b)は、第1流路(21)のうち隣り合う第1流路内リブ(45)の間の部分を横断する。
【0067】
図15に示すように、隣り合う第1流路内リブ(45)の間において、第1支持リブ(46a,46b)は、第1フレーム(25)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)は、その表(おもて)面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(31)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第1フレーム(25)の裏面側の第1支持リブ(46b)は、その裏面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
【0068】
各第1支持リブ(46a,46b)の厚さは、第1流路内リブ(45)の厚さの半分未満である。第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)と、その裏面側の第1支持リブ(46b)は、第1流路内リブ(45)の厚さ方向において離れている。また、第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)と、その裏面側の第1支持リブ(46b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
【0069】
−第2フレーム−
図8に示すように、第2フレーム(55)は、平面視で横長の八角形状に形成される。平面視における第2フレーム(55)の外形は、熱交換器(10)の端面の形状と実質的に同じである。第2フレーム(55)は、隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保つ第2間隔保持部材である。
【0070】
第2フレーム(55)には、一つの中央エリア(56)と、二つの端部エリア(57a,57b)とが形成される。中央エリア(56)は、横長の長方形状のエリアであって、
図8の左右方向の中央に位置する。第2フレーム(55)において、端部エリア(57a,57b)は、中央エリア(56)の両側に一つずつ形成される。端部エリア(57a,57b)は、
図8の左右方向における中央エリア(56)の側方に位置する台形状のエリアである。
【0071】
〈枠部〉
第2フレーム(55)は、枠部(60)を備える。枠部(60)は、第2フレーム(55)の外周に沿って延びる部分であって、第2フレーム(55)の全周に亘って形成される。言い換えると、枠部(60)は、横長の八角形の枠状に形成される。枠部(60)は、第2フレーム(55)によって形成される第2流路(51)の周囲を囲う。また、枠部(60)は、仕切りシート(15)の周縁に沿っている。
【0072】
第2フレーム(55)の枠部(60)には、二つの第2連通用開口(52)が形成される。各第2連通用開口(52)は、枠部(60)に囲まれた第2流路(51)を、枠部(60)の外側と連通させる。
図8に示す枠部(60)において、一方の第2連通用開口(52)は、左側の端部エリア(57a)に位置する上向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第2流出口(52b)を構成する。また、
図8に示す枠部(60)において、他方の第2連通用開口(52)は、右側の端部エリア(57b)に位置する下向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第2流入口(52a)を構成する。
【0073】
図8〜
図10に示すように、第2フレーム(55)の枠部(60)は、閉塞部(61)と、外側リブ(63)と、補助リブ(62)とを備える。外側リブ(63)は、その一部が凸条部(64)を構成する。閉塞部(61)には、凹条部(65)が形成される。
【0074】
閉塞部(61)は、枠部(60)のうち第2連通用開口(52)が形成されていない六つの辺に沿って延びる。
図11,
図12,
図15,
図16に示すように、閉塞部(61)の断面の形状は、矩形の一つの角部を切り欠いた形状である。閉塞部(61)は、枠部(60)に囲まれた第2流路(51)を枠部(60)の外部から仕切る。閉塞部(61)の厚さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。
【0075】
図8に示すように、外側リブ(63)は、枠部(60)の外周に沿って延びる部分であって、枠部(60)の全周に亘って形成される。外側リブ(63)は、枠部(60)の八つの辺の全てに沿って形成される。外側リブ(63)は、閉塞部(61)の表(おもて)面側に配置され、閉塞部(61)と一体に形成される。
【0076】
図11,
図12,
図15,
図16に示すように、外側リブ(63)は、閉塞部(61)に隣接する部分が凸条部(64)を構成する。凸条部(64)は、閉塞部(61)の最外周縁に沿って延び、閉塞部(61)の表面から突出する。凸条部(64)の外周面は、閉塞部(61)の外周面と共に一つの平面を形成する。
【0077】
図11,
図12,
図15,
図16に示すように、凹条部(65)は、閉塞部(61)の裏面に開口する凹溝である。凹条部(65)は、閉塞部(61)の全長に亘って、閉塞部(61)の最外周縁に沿って形成される。凹条部(65)は、閉塞部(61)の外周面にも開口する。凹条部(65)の断面の形状は、第1フレーム(25)の凸条部(34)の断面に対応した形状である。第2フレーム(55)の凹条部(65)には、第1フレーム(25)の外側リブ(33)が嵌り込む。従って、第2フレーム(55)の凹条部(65)には、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)が嵌り込む。
【0078】
図8〜
図10に示すように、補助リブ(62)は、第2連通用開口(52)に沿って延びる部分である。補助リブ(62)は、枠部(60)の裏面側に配置される。
図13,
図14に示すように、補助リブ(62)の断面の形状は、扁平な長方形状である。補助リブ(62)の表(おもて)面は、隣り合う第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面(
図13における上面)と、同一平面上に位置する。補助リブ(62)の裏面は、閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
【0079】
〈第2内側リブ、第2保持リブ〉
図8〜
図10に示すように、第2フレーム(55)は、第2内側リブ(70)と、第2保持リブ(71a,71b)とを備える。第2内側リブ(70)及び第2保持リブ(71a,71b)は、第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)に設けられる。
【0080】
第2内側リブ(70)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2連通用開口(52)と交わる方向に延びる。本実施形態において、第2内側リブ(70)は、枠部(60)の第2連通用開口(52)が形成された辺から、その辺と実質的に直交する方向に延びる。第2内側リブ(70)の高さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい(
図13を参照)。
【0081】
本実施形態の第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)には、四本の第2内側リブ(70)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。各端部エリア(57a,57b)において、四本の第2内側リブ(70)は、補助リブ(62)によって互いに連結される。各第2内側リブ(70)は、補助リブ(62)と一体に形成される。各第2内側リブ(70)の裏面は、補助リブ(62)の裏面と同一平面上に位置する。
【0082】
第2保持リブ(71a,71b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2内側リブ(70)と実質的に直交する方向に延びる。第2保持リブ(71a,71b)は、隣り合う第2内側リブ(70)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第2保持リブ(71a,71b)は、第2流路(51)のうち隣り合う第2内側リブ(70)の間の部分を横断する。
【0083】
図9,
図10に示すように、隣り合う第2内側リブ(70)の間において、第2保持リブ(71a,71b)は、第2フレーム(55)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)は、その表(おもて)面が、第2内側リブ(70)及び閉塞部(61)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第2フレーム(55)の裏面側の第2保持リブ(71b)は、その裏面が、第2内側リブ(70)及び閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
【0084】
図13に示すように、第2保持リブ(71a,71b)は、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に沿って設けられる。平面視において、各第2保持リブ(71a,71b)は、その全長に亘って、隣り合う第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と重なり合う。また、第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)と、その裏面側の第2保持リブ(71b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
【0085】
各第2保持リブ(71a,71b)の厚さは、第2内側リブ(70)の厚さの半分未満である。第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)と、その裏面側の第2保持リブ(71b)は、第2内側リブ(70)の厚さ方向において離れている。
【0086】
〈第2流路内リブ、第2支持リブ〉
図8〜
図10に示すように、第2フレーム(55)は、第2流路内リブ(75)と、第2支持リブ(76a,76b)とを備える。第2流路内リブ(75)及第2支持リブ(76a,76b)は、第2フレーム(55)の中央エリア(56)に設けられる。
【0087】
第2流路内リブ(75)は、真っ直ぐな棒状に形成され、中央エリア(56)の長辺と平行な方向に延びる。言い換えると、第2流路内リブ(75)は、一方の端部エリア(57a)から他方の端部エリア(57b)に向かって延びる。第2流路内リブ(75)の高さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい(
図15を参照)。本実施形態の第2フレーム(55)の中央エリア(56)には、九本の第2流路内リブ(75)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。
【0088】
図8,
図15に示すように、第2支持リブ(76a,76b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2流路内リブ(75)と実質的に直交する方向に延びる。第2支持リブ(76a,76b)は、隣り合う第2流路内リブ(75)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第2支持リブ(76a,76b)は、第2流路(51)のうち隣り合う第2流路内リブ(75)の間の部分を横断する。
【0089】
図15に示すように、隣り合う第2流路内リブ(75)の間において、第2支持リブ(76a,76b)は、第2フレーム(55)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)は、その表(おもて)面が、第2流路内リブ(75)及び閉塞部(61)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第2フレーム(55)の裏面側の第2支持リブ(76b)は、その裏面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
【0090】
各第2支持リブ(76a,76b)の厚さは、第2流路内リブ(75)の厚さの半分未満である。第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)と、その裏面側の第2支持リブ(76b)は、第2流路内リブ(75)の厚さ方向において離れている。また、第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)と、その裏面側の第2支持リブ(76b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
【0091】
−仕切りシートの保持構造−
第1エレメント(20)では、第1フレーム(25)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。具体的に、第1フレーム(25)の枠部(30)では、閉塞部(31)の裏面と補助リブ(32)の裏面とに、仕切りシート(15)が接着される(
図12,
図14,
図16を参照)。閉塞部(31)では、凹条部(35)の壁面に仕切りシート(15)が接着される。凹条部(35)の壁面は、仕切りシート(15)に覆われる。第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)では、第1内側リブ(40)と、裏面側の第1保持リブ(41b)とに、仕切りシート(15)が接着される。第1フレーム(25)の中央エリア(26)では、第1流路内リブ(45)と、裏面側の第1支持リブ(46b)とに、仕切りシート(15)が接着される。
【0092】
第2エレメント(50)では、第2フレーム(55)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。具体的に、第2フレーム(55)の枠部(60)では、閉塞部(61)の裏面と補助リブ(62)の裏面とに、仕切りシート(15)が接着される(
図12,
図14,
図16を参照)。閉塞部(61)では、凹条部(65)の壁面に仕切りシート(15)が接着される。凹条部(65)の壁面は、仕切りシート(15)に覆われる。第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)では、第2内側リブ(70)と、裏面側の第2保持リブ(71b)とに、仕切りシート(15)が接着される。第2フレーム(55)の中央エリア(56)では、第2流路内リブ(75)と、裏面側の第2支持リブ(76b)とに、仕切りシート(15)が接着される。
【0093】
熱交換器(10)では、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)が複数ずつ交互に積層される。各エレメント(20,50)の仕切りシート(15)は、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)に挟まれる。
【0094】
〈副熱交換部における保持構造(1)〉
図11に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分では、第1フレーム(25)の外側リブ(33)のうち第1連通用開口(22)に沿った部分が、その第1フレーム(25)の表(おもて)面側に位置する隣の第2フレーム(55)の閉塞部(61)の凹条部(65)に嵌まり込む。第2フレーム(55)の閉塞部(61)では、凹条部(65)の壁面が仕切りシート(15)で覆われる。このため、第2フレーム(55)の閉塞部(61)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の表(おもて)面と、第2フレーム(55)の凹条部(65)の壁面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の閉塞部(61)に接着されると共に、第1フレーム(25)の外側リブ(33)と第2フレーム(55)の閉塞部(61)に挟まれる。
【0095】
熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分では、第1フレーム(25)の補助リブ(32)の裏面が、その第1フレーム(25)の裏面側に位置する隣の第2フレーム(55)の閉塞部(61)の表(おもて)面と向かい合う。第1フレーム(25)では、補助リブ(32)の裏面が仕切りシート(15)で覆われる。このため、第1フレーム(25)の補助リブ(32)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の補助リブ(32)の裏面と、第2フレーム(55)の閉塞部(61)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の補助リブ(32)に接着されると共に、第1フレーム(25)の補助リブ(32)と第2フレーム(55)の閉塞部(61)に挟まれる。
【0096】
熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)では、第1フレーム(25)の表(おもて)面側の第1保持リブ(41a)の表面が、その第1フレーム(25)の表面側に位置する隣の第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)の裏面と向かい合う。第2フレーム(55)では、第2内側リブ(70)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1保持リブ(41a)の表(おもて)面と、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)の裏面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に接着されると共に、第1フレーム(25)の第1保持リブ(41a)と第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に挟まれる。
【0097】
熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)では、第1フレーム(25)の裏面側の第1保持リブ(41b)の裏面が、その第1フレーム(25)の裏面側に位置する隣の第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)の表(おもて)面と向かい合う。第1フレーム(25)では、第1保持リブ(41b)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第1フレーム(25)の第1保持リブ(41b)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1保持リブ(41a)の裏面と、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1保持リブ(41b)に接着されると共に、第1フレーム(25)の第1保持リブ(41a)と第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に挟まれる。
【0098】
〈副熱交換部における保持構造(2)〉
図13に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分では、第2フレーム(55)の外側リブ(63)のうち第2連通用開口(52)に沿った部分が、その第2フレーム(55)の表(おもて)面側に位置する隣の第1フレーム(25)の閉塞部(31)の凹条部(35)に嵌まり込む。第1フレーム(25)の閉塞部(31)では、凹条部(35)の壁面が仕切りシート(15)で覆われる。このため、第1フレーム(25)の閉塞部(31)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の表(おもて)面と、第1フレーム(25)の凹条部(35)の壁面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の閉塞部(31)に接着されると共に、第2フレーム(55)の外側リブ(63)と第1フレーム(25)の閉塞部(31)に挟まれる。
【0099】
熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分では、第2フレーム(55)の補助リブ(62)の裏面が、その第2フレーム(55)の裏面側に位置する隣の第1フレーム(25)の閉塞部(31)の表(おもて)面と向かい合う。第2フレーム(55)では、補助リブ(62)の裏面が仕切りシート(15)で覆われる。このため、第2フレーム(55)の補助リブ(62)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の補助リブ(62)の裏面と、第1フレーム(25)の閉塞部(31)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の補助リブ(62)に接着されると共に、第2フレーム(55)の補助リブ(62)と第1フレーム(25)の閉塞部(31)に挟まれる。
【0100】
熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)では、第2フレーム(55)の表(おもて)面側の第2保持リブ(71a)の表面が、その第2フレーム(55)の表面側に位置する隣の第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)の裏面と向かい合う。第1フレーム(25)では、第1内側リブ(40)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2保持リブ(71a)の表(おもて)面と、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)の裏面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に接着されると共に、第2フレーム(55)の第2保持リブ(71a)と第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に挟まれる。
【0101】
熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)では、第2フレーム(55)の裏面側の第2保持リブ(71b)の裏面が、その第2フレーム(55)の裏面側に位置する隣の第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)の表(おもて)面と向かい合う。第2フレーム(55)では、第2保持リブ(71b)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第2フレーム(55)の第2保持リブ(71b)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2保持リブ(71a)の裏面と、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2保持リブ(71b)に接着されると共に、第2フレーム(55)の第2保持リブ(71a)と第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に挟まれる。
【0102】
〈主熱交換部における保持構造〉
熱交換器(10)の主熱交換部(11)では、第1フレーム(25)の第1流路内リブ(45)の裏面が、その第1フレーム(25)の裏面側に位置する隣の第2フレーム(55)の第2流路内リブ(75)の表(おもて)面と向かい合う。第1フレーム(25)では、第1流路内リブ(45)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第1フレーム(25)の第1流路内リブ(45)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1流路内リブ(45)の裏面と、第2フレーム(55)の第2流路内リブ(75)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に接着されると共に、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と第2フレーム(55)の第2流路内リブ(75)に挟まれる。
【0103】
熱交換器(10)の主熱交換部(11)では、第1フレーム(25)の裏面側の第1支持リブ(46b)の裏面が、その第1フレーム(25)の裏面側に位置する隣の第2フレーム(55)の表(おもて)面側の第2支持リブ(76a)の表面と向かい合う。第1フレーム(25)では、第1支持リブ(46b)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第1フレーム(25)の第1支持リブ(46b)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1支持リブ(46b)の裏面と、第2フレーム(55)の第2支持リブ(76a)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の第1支持リブ(46b)に接着されると共に、第1フレーム(25)の第1支持リブ(46b)と第2フレーム(55)の第2支持リブ(76a)に挟まれる。
【0104】
熱交換器(10)の主熱交換部(11)では、第2フレーム(55)の第2流路内リブ(75)の裏面が、その第2フレーム(55)の裏面側に位置する隣の第1フレーム(25)の第1流路内リブ(45)の表(おもて)面と向かい合う。第2フレーム(55)では、第2流路内リブ(75)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第2フレーム(55)の第2流路内リブ(75)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2流路内リブ(75)の裏面と、第1フレーム(25)の第1流路内リブ(45)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に接着されると共に、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と第1フレーム(25)の第1流路内リブ(45)に挟まれる。
【0105】
熱交換器(10)の主熱交換部(11)では、第2フレーム(55)の裏面側の第2支持リブ(76b)の裏面が、その第2フレーム(55)の裏面側に位置する隣の第1フレーム(25)の表(おもて)面側の第1支持リブ(46a)の表面と向かい合う。第2フレーム(55)では、第2支持リブ(76b)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。このため、第2フレーム(55)の第2支持リブ(76b)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2支持リブ(76b)の裏面と、第1フレーム(25)の第1支持リブ(46a)の表(おもて)面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の第2支持リブ(76b)に接着されると共に、第2フレーム(55)の第2支持リブ(76b)と第1フレーム(25)の第1支持リブ(46a)に挟まれる。
【0106】
−実施形態1の特徴(1)−
本実施形態の熱交換器(10)は、平坦なシート状の複数の仕切りシート(15)と、仕切りシート(15)と交互に積層されて隣り合う
仕切りシート(15)の間隔を保持するフレーム(25,55)とを備える。熱交換器(10)では、仕切りシート(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成される。フレーム(25,55)は、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有する。
【0107】
枠部(30,60)は、凸条部(34,64)と、凹条部(35,65)とを有する。凸条部(34,64)は、仕切りシート(15)の積層方向の一方の面に形成され、枠部(30,60)の伸長方向に延びる。凹条部(35,65)は、仕切りシート(15)の積層方向の他方の面に形成され、枠部(30,60)の伸長方向に延びる。
【0108】
熱交換器(10)では、隣り合うフレーム(25,55)の一方の凸条部(34,64)が他方の凹条部(35,65)に嵌まり込む。仕切りシート(15)は、その仕切りシート(15)と隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の凸条部(34,64)と他方の凹条部(35,65)に挟まれる。
【0109】
本実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)が交互に積層され、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気が、仕切りシート(15)を介して顕熱と潜熱(水分)を交換する。
【0110】
本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合う二つのフレーム(25,55)の一方の凸条部(34,64)が他方の凹条部(35,65)に嵌まり込む。仕切りシート(15)は、互いに嵌まり合った凹条部(35,65)と凸条部(34,64)とに挟まれる。その結果、仕切りシート(15)は、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)によって保持される。また、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)の隙間がシールされる。
【0111】
本実施形態によれば、接着不良や接着剤の劣化等が生じた場合であっても、仕切りシート(15)を、その両隣の第1フレーム(25)と第2フレーム(55)によって保持することができ、更には、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)の隙間をシールできる。
【0112】
従って、本実施形態によれば、フレーム(25,55)に保持されなくなった仕切りシート(15)が空気の流通を阻害するのを、未然に防止できる。また、本実施形態によれば、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)の隙間を通って第1流路(21)と第2流路(51)の一方から他方へ空気が侵入するのを防止できる。その結果、熱交換器(10)の信頼性を向上させることができる。
【0113】
−実施形態1の特徴(2)−
本実施形態の熱交換器(10)において、凸条部(34,64)と凹条部(35,65)のそれぞれは、枠部(30,60)の最外周部に形成される。
【0114】
第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれでは、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)の最外周部に、凸条部(34,64)と凹条部(35,65)とが形成される。
【0115】
−実施形態1の特徴(3)−
本実施形態の熱交換器(10)において、枠部(30,60)は、連通用開口(22,52)と、補助リブ(32,62)とを有する。連通用開口(22,52)は、枠部(30,60)によって囲まれた第1流路(21)又は第2流路(51)を、枠部(30,60)の外部に連通させる。補助リブ(32,62)は、連通用開口(22,52)に沿って延び、隣り合う他のフレーム(25,55)の枠部(30,60)と対向する。仕切りシート(15)は、その仕切りシート(15)と隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の補助リブ(32,62)と他方の枠部(30,60)に挟まれる。
【0116】
本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の補助リブ(32,62)と他方の枠部(30,60)によって、仕切りシート(15)が挟まれる。その結果、仕切りシート(15)は、フレーム(25,55)のうち連通用開口(22,52)が形成された部分においても、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)によって保持される。また、フレーム(25,55)のうち連通用開口(22,52)が形成された部分においても、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)の隙間がシールされる。
【0117】
−実施形態1の特徴(4)−
本実施形態の熱交換器(10)は、平坦なシート状の複数の仕切りシート(15)と、仕切りシート(15)と交互に積層されて隣り合う
仕切りシート(15)の間隔を保持するフレーム(25,55)とを備える。熱交換器(10)では、仕切りシート(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成される。フレーム(25,55)は、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有する。
【0118】
枠部(30,60)は、連通用開口(22,52)と、補助リブ(32,62)とを有する。連通用開口(22,52)は、枠部(30,60)によって囲まれた第1流路(21)又は第2流路(51)を、枠部(30,60)の外部に連通させる。補助リブ(32,62)は、連通用開口(22,52)に沿って延び、隣り合う他のフレーム(25,55)の枠部(30,60)と対向する。仕切りシート(15)は、その仕切りシート(15)と隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の補助リブ(32,62)と他方の枠部(30,60)に挟まれる。
【0119】
本実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)が交互に積層され、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気が、仕切りシート(15)を介して顕熱と潜熱(水分)を交換する。
【0120】
本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の補助リブ(32,62)と他方の枠部(30,60)によって、仕切りシート(15)が挟まれる。その結果、仕切りシート(15)は、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)によって保持される。また、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)の隙間がシールされる。
【0121】
−実施形態1の特徴(5)−
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)は、外側リブ(33,63)を有する。フレーム(25,55)の外側リブ(33,63)は、隣り合う他のフレーム(25,55)の補助リブ(32,62)と向かい合う面から突出し、その補助リブ(32,62)の外側に沿って延びる。フレーム(25,55)の外側リブ(33,63)の突端面は、外側リブ(33,63)の突出方向における隣のフレーム(25,55)が有する補助リブ(32,62)の仕切りシート(15)とは逆側の面と、同一平面上に位置する
。
【0122】
本実施形態の熱交換器(10)では、フレーム(25,55)の枠部(30,60)において、補助リブ(32,62)の外側に沿って外側リブ(33,63)が設けられる。フレーム(25,55)の外側リブ(33,63)の突端面は、外側リブ(33,63)の突出方向(即ち、表(おもて)面側)における隣のフレーム(25,55)によって形成された第1流路(21)又は第2流路(51)に面する。また、フレーム(25,55)において、補助リブ(32,62)の仕切りシート(15)とは逆側の面(即ち、表(おもて)面)は、そのフレーム(25,55)によって形成された第1流路(21)又は第2流路(51)に面する。
【0123】
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の外側リブ(33,63)の突端面は、外側リブ(33,63)の突出方向における隣のフレーム(25,55)が有する補助リブ(32,62)の仕切りシート(15)とは逆側の面と、同一平面上に位置する。そのため、隣のフレーム(25,55)によって形成された第1流路(21)又は第2流路(51)では、そこに連通する連通用開口(
22,52)の付近において、空気がスムーズに流れる。
【0124】
−実施形態1の特徴(6)−
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)は、外側リブ(33,63)を有する。外側リブ(33,63)は、上記フレーム(25,55)の全周に亘って、そのフレーム(25,55)の外周に沿って延びる。
【0125】
本実施形態の熱交換器(10)では、フレーム(25,55)の枠部(30,60)に、外側リブ(33,63)が設けられる。外側リブ(33,63)は、フレーム(25,55)の外周に沿って、フレーム(25,55)の全周に亘って形成される。このため、枠部(30,60)が途中で分断されている場合に比べて、フレーム(25,55)の強度と剛性を確保することができる。
【0126】
−実施形態1の特徴(7)−
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)は、外側リブ(33,63)を有する。外側リブ(33,63)は、連通用開口(22,52)に沿って延び、その全体が補助リブ(32,62)よりも外側に位置する。
【0127】
本実施形態の熱交換器(10)では、フレーム(25,55)の枠部(30,60)に、外側リブ(33,63)が設けられる。外側リブ(33,63)のうち連通用開口(22,52)に沿って延びる部分は、その全体が補助リブ(32,62)よりも外側に位置する。
【0128】
本実施形態のフレーム(25,55)では、平面視において、外側リブ(33,63)と補助リブ(32,62)は重なり合わない。そのため、フレーム(25,55)を製造する際に用いられる射出成形用の金型として、フレーム(25,55)の表(おもて)面側と裏面側に二分割される単純な金型を用いることができる。従って、本実施形態によれば、フレーム(25,55)の製造コストを増やすことなく、フレーム(25,55)の枠部(30,60)に、外側リブ(33,63)と補助リブ(32,62)とを形成できる。
【0129】
−実施形態1の特徴(8)−
本実施形態の熱交換器(10)は、積層された複数の上記フレーム(25,55)の外周面によって形成される側面が平面である。
【0130】
本実施形態の熱交換器(10)では、熱交換器(10)の側面が平面となる。そのため、熱交換器(10)を換気装置に組み込む際に、換気装置の構造体と熱交換器(10)の側面とのシールを容易に行う事が可能となる。その結果、熱交換器(10)の使い勝手が向上する。
【0131】
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の熱交換器(10)は、実施形態1の熱交換器(10)において、第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)を変更したものである。ここでは、本実施形態の熱交換器(10)について、実施形態1の熱交換器(10)と異なる点を説明する。
【0132】
−第1フレーム、第2フレーム−
図17〜
図20に示すように、第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれでは、補助リブ(32,62)に線状凸部(36,66)が形成され、閉塞部(31,61)に線状凹部(37,67)が形成される。具体的に、第1フレーム(25)では、補助リブ(32)に線状凸部(36)が形成され、閉塞部(31)に線状凹部(37)が形成される。また、第2フレーム(55)では、補助リブ(62)に線状凸部(66)が形成され、閉塞部(61)に線状凹部(67)が形成される。
【0133】
線状凸部(36,66)は、補助リブ(32,62)の外側面に沿って延び、補助リブ(32,62)の裏面から突出する。線状凸部(36,66)は、補助リブ(32,62)の全長に亘って形成される。線状凸部(36,66)の断面形状は、矩形状である。線状凸部(36,66)の外側面は、補助リブ(32,62)の外側面と共に一つの平面を形成する。線状凸部(36,66)の突端面(
図17〜
図20における下面)と内側面には、仕切りシート(15)が接着される。
【0134】
線状凹部(37,67)は、閉塞部(31,61)の表(おもて)面に開口する凹溝である。また、線状凹部(37,67)は、凸条部(34,64)の内側面に沿って延びる直線状の凹溝である。
【0135】
第1フレーム(25)では、閉塞部(31)のうち第2フレーム(55)の補助リブ(62)と向かい合う部分に、線状凹部(37)が形成される。線状凹部(37)の断面の形状は、第2フレーム(55)の線状凸部(66)の断面に対応した形状である。第1フレーム(25)の線状凹部(37)には、第2フレーム(55)の線状凸部(66)が嵌り込む。
【0136】
第2フレーム(55)では、閉塞部(61)のうち第1フレーム(25)の補助リブ(32)と向かい合う部分に、線状凹部(67)が形成される。線状凹部(67)の断面の形状は、第1フレーム(25)の線状凸部(36)の断面に対応した形状である。第2フレーム(55)の線状凹部(67)には、第1フレーム(25)の線状凸部(36)が嵌り込む。
【0137】
−仕切りシートの保持構造−
図17に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分では、第1フレーム(25)の線状凸部(36)が、その第1フレーム(25)の裏面側に位置する隣の第2フレーム(55)の線状凹部(67)に嵌まり込む。第1フレーム(25)の線状凸部(36)は、その突端面と内側面が仕切りシート(15)で覆われる。このため、第1フレーム(25)の線状凸部(36)に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の線状凸部(36)の突端面と、第2フレーム(55)の線状凹部(67)の壁面とに挟まれる。このように、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の線状凸部(36)に接着されると共に、第1フレーム(25)の線状凸部(36)と第2フレーム(55)の線状凹部(67)の壁面に挟まれる。
【0138】
図19に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分では、第2フレーム(55)の線状凸部(66)が、その第2フレーム(55)の裏面側に位置する隣の第1フレーム(25)の線状凹部(37)に嵌まり込む。第2フレーム(55)の線状凸部(66)は、その突端面と内側面が仕切りシート(15)で覆われる。このため、第2フレーム(55)の線状凸部(66)に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の線状凸部(66)の突端面と、第1フレーム(25)の線状凹部(37)の壁面とに挟まれる。このように、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の線状凸部(66)に接着されると共に、第2フレーム(55)の線状凸部(66)と第1フレーム(25)の線状凹部(37)の壁面に挟まれる。
【0139】
−実施形態2の特徴(1)−
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の補助リブ(32,62)は、線状凸部(36,66)を有する。線状凸部(36,66)は、補助リブ(32,62)に沿って延び。補助リブ(32,62)が対面する他のフレーム(25,55)に向かって突出する。また、この熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)には、線状凹部(37,67)が形成される。線状凹部(37,67)には、隣り合う他のフレーム(25,55)の線状凸部(36,66)が嵌まる。
【0140】
本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の線状凸部(36,66)が他方の線状凹部(37,67)に嵌まり込む。その結果、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の隙間は、互いに嵌まり合った線状凸部(36,66)と線状凹部(37,67)によってシールされる。また、補助リブ(32,62)に線状凸部(36,66)を形成することによって、補助リブ(32,62)の剛性が向上する。
【0141】
−実施形態2の特徴(2)−
本実施形態の熱交換器(10)において、仕切りシート(15)は、その仕切りシート(15)と隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の一方の線状凸部(36,66)と他方の線状凹部(37,67)に挟まれる。
【0142】
本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)の間に位置する仕切りシート(15)が、互いに嵌まり合った線状凸部(36,66)と線状凹部(37,67)によって挟まれる。その結果、仕切りシート(15)は、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)によって保持される。また、仕切りシート(15)とフレーム(25,55)の隙間がシールされる。
【0143】
《その他の実施形態》
上記の各実施形態の熱交換器(10)については、次のような変形例を適用してもよい。なお、以下の変形例は、熱交換器(10)の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0144】
上記の各実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)がフレーム(25,55)に接着されていなくてもよい。この場合、仕切りシート(15)は、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)に挟まれて保持される。
【0145】
上記の各実施形態の熱交換器(10)は、給気と排気の間で顕熱だけを交換させる顕熱交換器であってもよい。この場合、熱交換器(10)の仕切りシート(15)は、透湿性が低い、あるいは透湿性が全く無い材料(例えば、樹脂フィルムや薄板状の金属)で構成される。
【0146】
上記の各実施形態の熱交換器(10)の形状は、八角柱状に限定されない。これらの熱交換器(10)の形状は、例えば六角柱状であってもよいし、四角柱状であってもよい。熱交換器(10)が六角柱状である場合、その熱交換器(10)の平面図(
図2に対応する図)において、各副熱交換部(12a,12b)は、三角形状となる。
【0147】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。