(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1入出力端子、第2入出力端子、接地端子を備え、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子の間にシリーズに接続されるシリーズ側インダクタと、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子の間と接地端子との間にシャントに接続されるシャント側インダクタと、前記シャント側インダクタに直列接続されるキャパシタと、を備え、
複数の絶縁体層と、当該絶縁体層に沿って形成された複数の導体パターンと、前記絶縁体層内に形成された複数の層間接続導体と、を含んで積層体が構成され、
前記キャパシタは、前記複数の導体パターンのうち、互いに異なる層に形成された導体パターン間に生じる容量で構成され、
前記シリーズ側インダクタは、前記複数の導体パターンのうち1層以上の前記導体パターンで構成されて、前記絶縁体層の積層方向に沿った軸の回りに巻回され、前記積層方向から視て、前記シリーズ側インダクタを構成する前記導体パターンによって囲まれる、第1開口を有し、
前記シャント側インダクタは、前記複数の導体パターンのうち1層以上の前記導体パターンで構成されて、前記積層方向に沿った軸の回りに巻回され、前記積層方向から視て、前記シャント側インダクタを構成する前記導体パターンによって囲まれる、第2開口を有し、
前記シャント側インダクタは互いに並列接続された、シャント側第1インダクタ及びシャント側第2インダクタで構成され、
前記キャパシタを構成する少なくとも1つの前記導体パターンは、前記積層方向から視て、前記第1開口及び前記第2開口と重なり、
前記キャパシタは、前記積層方向で、前記シャント側第1インダクタと前記シャント側第2インダクタとで挟まれ、
前記シリーズ側インダクタと前記シャント側第1インダクタとは磁界結合し、
前記シャント側第1インダクタは、前記積層方向に、前記キャパシタと前記シリーズ側インダクタとで挟まれた、
フィルタ素子。
前記複数の導体パターンは、前記キャパシタの一部を構成するとともに接地される導体パターンと、前記キャパシタの一部を構成するとともに接地されない導体パターンとを含み、
前記シャント側第1インダクタを構成する導体パターンのうち、前記キャパシタに最近接する導体パターンが、前記キャパシタを構成する導体パターンのうち接地されない導体パターンに電気的に接続され、
前記シャント側第2インダクタを構成する導体パターンのうち、前記キャパシタに最近接する導体パターンが、前記キャパシタを構成する導体パターンのうち接地されない導体パターンに電気的に接続された、
請求項1に記載のフィルタ素子。
第1入出力端子、第2入出力端子、接地端子を備え、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子の間にシリーズに接続されるシリーズ側インダクタと、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子の間と接地端子との間にシャントに接続されるシャント側インダクタと、前記シャント側インダクタに直列接続されるキャパシタと、を備え、
複数の絶縁体層と、当該絶縁体層に沿って形成された導体パターンと、前記絶縁体層内に形成された複数の層間接続導体と、を含んで積層体が構成され、
前記キャパシタは、前記複数の導体パターンのうち、互いに異なる層に形成された導体パターン間に生じる容量で構成され、
前記シリーズ側インダクタは、前記複数の導体パターンのうち1層以上の前記導体パターンで構成されて、前記絶縁体層の積層方向に巻回され、前記積層方向から視て、前記シリーズ側インダクタを構成する複数の導体パターンによって囲まれる、第1開口を有し、
前記シャント側インダクタは、前記複数の導体パターンのうち1層以上の前記導体パターンで構成されて、前記積層方向に巻回され、前記積層方向から視て、前記シャント側インダクタを構成する複数の導体パターンによって囲まれる、第2開口を有し、
前記シリーズ側インダクタは互いに並列接続された、シリーズ側第1インダクタ及びシリーズ側第2インダクタで構成され、
前記キャパシタを構成する少なくとも1つの前記導体パターンは、前記積層方向から視て、前記第1開口及び前記第2開口と重なり、
前記キャパシタは、前記絶縁体層及び前記導体パターンの前記積層方向で、前記シリーズ側第1インダクタと前記シリーズ側第2インダクタとで挟まれ、
前記シャント側インダクタと前記シリーズ側第1インダクタとは磁界結合し、
前記シリーズ側第1インダクタは、前記積層方向に、前記キャパシタと前記シャント側インダクタとで挟まれた、
フィルタ素子。
前記複数の導体パターンは、前記キャパシタの一部を構成するとともに接地される導体パターンと、前記キャパシタの一部を構成するとともに接地されない導体パターンとを含み、
前記シリーズ側第1インダクタを構成する導体パターンのうち、前記キャパシタに最近接する導体パターンが、前記キャパシタを構成する導体パターンのうち接地されない導体パターンに電気的に接続され、
前記シリーズ側第2インダクタを構成する導体パターンのうち、前記キャパシタに最近接する導体パターンが、前記キャパシタを構成する導体パターンのうち接地されない導体パターンに電気的に接続された、
請求項3に記載のフィルタ素子。
前記キャパシタは、前記複数の導体パターンのうち、前記積層方向に互いに対向する2つ以上の面上の導体パターンで構成される、請求項1から5のいずれかに記載のフィルタ素子。
前記キャパシタは、前記複数の導体パターンのうち、前記シリーズ側インダクタ及び前記シャント側インダクタの導体パターンと、前記シリーズ側インダクタ及び前記シャント側インダクタの導体パターンとの間で容量を形成する導体パターンとで構成される、請求項1から5のいずれかに記載のフィルタ素子。
前記キャパシタを構成する少なくとも1つの前記導体パターンは、前記積層方向から視て、前記第1開口及び前記第2開口の全体を覆う、請求項6又は7に記載のフィルタ素子。
前記キャパシタを構成する少なくとも1つの前記導体パターンは、前記積層方向から視て、前記シリーズ側インダクタを構成する前記導体パターン及び前記シャント側インダクタを構成する前記導体パターンの全体を覆う、請求項6又は7に記載のフィルタ素子。
前記複数の層間接続導体のうち、前記シャント側インダクタを構成する導体パターンと前記キャパシタを構成する導体パターンとを接続する層間接続導体は、前記第1開口及び前記第2開口の外側に位置する、請求項1から10のいずれかに記載のフィルタ素子。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明又は理解の容易性を考慮して、実施形態を便宜上分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0018】
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るフィルタ素子101の回路図である。
図2はこのフィルタ素子101の挿入損失の周波数特性を示す図である。
【0019】
フィルタ素子101は入出力端子P1,P2と接地端子GNDとを備える。入出力端子P1,P2は信号経路にシリーズに挿入され、接地端子GNDは接地される。
【0020】
フィルタ素子101は、並列接続されたインダクタL11,L12が信号経路にシリーズに接続されている。また、並列接続されたインダクタL21,L22による並列回路とキャパシタC1との直列回路が、信号経路とグランドとの間にシャントに接続されている。
【0021】
インダクタL11,L12は本発明に係る「シリーズ側インダクタ」に相当し、インダクタL21,L22は本発明に係る「シャント側インダクタ」に相当する。また、インダクタL11は本発明に係る「シリーズ側第1インダクタ」に相当し、インダクタL12は本発明に係る「シリーズ側第2インダクタ」に相当する。同様に、インダクタL21は本発明に係る「シャント側第1インダクタ」に相当し、インダクタL22は本発明に係る「シャント側第2インダクタ」に相当する。
【0022】
後に示す構造により、シリーズ側第1インダクタL11はシャント側第1インダクタL21と磁界結合し、シリーズ側第2インダクタL12はシャント側第2インダクタL22と磁界結合する。
【0023】
図2において、周波数frは、信号経路とグランドとの間にシャントに接続された、インダクタL21,L22及びキャパシタC1による共振回路の共振周波数である。このように、共振周波数に近づくにつれて、利得は下がり、フィルタとして機能する。
【0024】
図3はフィルタ素子101の外観斜視図である。このフィルタ素子101は、主要部が直方体形状の積層体50に構成されていて、その外面に第1入出力端子P1、第2入出力端子P2、接地端子GND及び空き端子(回路に非接続の端子)NCを備える。また、積層体50の側面に、積層体50の上下面の入出力端子P1同士を接続する導体、入出力端子P2同士を接続する導体、接地端子GND同士を接続する導体、及び空き端子NC同士を接続する導体がそれぞれ形成されている。
【0025】
図4はフィルタ素子101の平面図であり、
図5は、
図4に示すフィルタ素子101の一点鎖線X−Xでの縦断面である。また、
図6はフィルタ素子101の複数の絶縁体層の平面図であり、
図7はキャパシタ用導体パターンとインダクタ用導体パターンとの層間接続部の位置を示す図である。
【0026】
図5、
図6において、絶縁体層S1〜S12の上面にはインダクタ用導体パターン及びキャパシタ用導体パターンが形成されている。
図6において絶縁体層S1BSは、絶縁体層S1の下面の導体パターンについて表している。絶縁体層S1の下面、絶縁体層S13の上面には入出力端子P1,P2、接地端子GND及び空き端子NCが形成されている。絶縁体層S1,S2の上面にはシリーズ側第1インダクタL11が形成されていて、絶縁体層S3〜S5の上面にはシャント側第1インダクタL21が形成されている。また、絶縁体層S8〜S10の上面にはシャント側第2インダクタL22が形成されていて、絶縁体層S11,S12の上面にはシリーズ側第2インダクタL12が形成されている。絶縁体層S6の上面にはキャパシタ用導体パターン32が形成されていて、絶縁体層S7の上面にはキャパシタ用導体パターン31が形成されている。
図6中の破線の丸は層間接続導体(ビア)である。
【0027】
このように、シリーズ側第1インダクタL11は2層に分かれて形成されていて、その間は層間接続導体で接続されている。また、シャント側第1インダクタL21は3層に分かれて形成されていて、その間は層間接続導体で接続されている。同様に、シリーズ側第2インダクタL12は2層に分かれて形成されていて、その間は層間接続導体で接続されている。また、シャント側第2インダクタL22は3層に分かれて形成されていて、その間は層間接続導体で接続されている。
【0028】
シリーズ側第1インダクタL11、シャント側第1インダクタL21、シャント側第2インダクタL22、シリーズ側第2インダクタL12のいずれも、絶縁体層の積層方向に沿った軸の回りに巻回された矩形コイル状の導体パターンで構成されている。この例では、シリーズ側第1インダクタL11及びシリーズ側第2インダクタL12を構成する導体パターンによって囲まれる第1開口CO1と、シャント側第1インダクタL21及びシャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンによって囲まれる第2開口CO2の大きさは同じであり、かつ絶縁体層の積層方向から視て重なる。また、シリーズ側第1インダクタL11、シャント側第1インダクタL21、シャント側第2インダクタL22、シリーズ側第2インダクタL12のいずれも巻回軸が同軸関係にある。
【0029】
キャパシタ用導体パターン31,32は、絶縁体層の積層方向から視て、シリーズ側インダクタL11,L12を構成する導体パターンによって囲まれる開口CO1、及びシャント側インダクタL21,L22を構成する導体パターンによって囲まれる開口CO2と重なる。
【0030】
図5、
図6に表れているように、シャント側第1インダクタL21を構成する導体パターンで囲まれる開口と、シャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンで囲まれる開口との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するため、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との磁界結合は抑制される。つまり、
図1に示す相互インダクタンスM2122は非常に小さい。同様に、シリーズ側第1インダクタL11を構成する導体パターンで囲まれる開口と、シリーズ側第2インダクタL12を構成する導体パターンで囲まれる開口との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するため、シリーズ側第1インダクタL11とシリーズ側第2インダクタL12との磁界結合は抑制される。つまり、
図1に示す相互インダクタンスM1112は非常に小さい。
【0031】
一方、キャパシタ用導体パターン31,32は、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21との結合、及びシリーズ側第2インダクタL12とシャント側第2インダクタL22との結合を阻害しない。
【0032】
以上に示した構造により、
図1に示したように、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21との結合により、相互インダクタンスM1121が生じ、シリーズ側第2インダクタL12とシャント側第2インダクタL22との結合により、相互インダクタンスM1222が生じる。上記相互インダクタンスM1121,M1222によって、シリーズ側インダクタL11,L12の合成インダクタンス及びシャント側インダクタL21,L22の合成インダクタンスの一部を担うことができる。相互インダクタンスは理想的なリアクタンスであるため、それぞれの合成インダクタンスのQ値を高めることができる。また、相互インダクタンスによって置き換えられる分だけ、インダクタL11,L12,L21,L22形成用の導体パターンの経路長をそれぞれ短くできる。そのことによって、インダクタL11,L12,L21,L22それぞれのレジスタンス成分を小さくすることができ、それによる電力損失が抑えられる。
【0033】
図5に表れているように、キャパシタ用導体パターン32は接地端子GNDに接続される。つまり、キャパシタ用導体パターン32は接地される。シャント側第1インダクタL21を構成する導体パターンのうち、キャパシタC1に最接近する導体パターンは、キャパシタ用導体パターンのうち接地されない導体パターン31に電気的に接続され、シャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンのうち、キャパシタC1に最近接する導体パターンは、キャパシタ用導体パターンのうち接地されない導体パターン31に電気的に接続される。キャパシタ用導体パターン31,32は互いに絶縁体層の積層方向に対向することにより容量を形成している。
【0034】
これら導体パターンが形成された絶縁体層S1〜S13が積層されて、
図3に示した積層体50が構成される。
図5に表れているように積層された状態で、下層からシリーズ側第1インダクタL11、シャント側第1インダクタL21、キャパシタC1、シャント側第2インダクタL22及びシリーズ側第2インダクタL12が順に積層された構造となる。
【0035】
図1において、キャパシタC11は、シリーズ側第1インダクタL11及びシリーズ側第2インダクタL12と、キャパシタ用導体パターン31,32との間に生じる寄生キャパシタンスを表している。
図5に表れているように、シリーズ側第1インダクタL11及びシリーズ側第2インダクタL12が、キャパシタ用導体パターン31,32から離れていることにより、上記寄生キャパシタンスC11は充分に抑制される。したがって、寄生キャパシタンスによるローパスフィルタ特性の不要な変化が回避される。また、シャント側第1インダクタL21及びシャント側第2インダクタL22が、キャパシタ用導体パターン31,32に近接していることにより、シャント側第1インダクタL21及びシャント側第2インダクタL22とキャパシタ用導体パターン31,32とを接続するための経路が短縮化され、その経路による等価直列インダクタンスESLが抑制される。また、シャント側第1インダクタL21を構成する導体パターンとシャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンとの間の電位差は小さいため、このような導体パターン同士が近接することにより、意図しない寄生容量が抑制される。
【0036】
また、本実施形態では、
図5に表れているように、キャパシタ用導体パターン31,32のうち、接地される導体パターン32がフィルタ素子101の実装面寄りの位置にあるので、フィルタ素子101の実装状態にかかわらず、キャパシタC1のキャパシタンスが安定化する。ここで実装面とは、例えばプリント配線基板などの外部回路要素に実装される面である。
【0037】
また、本実施形態では、
図5に表れているように、シャント側第1インダクタL21とキャパシタ用導体パターン31,32との間隔と、シャント側第2インダクタL22とキャパシタ用導体パターン31,32との間隔がほぼ同じである。そのため、シャント側第1インダクタL21とキャパシタ用導体パターン31,32との間に生じる寄生容量と、シャント側第2インダクタL22とキャパシタ用導体パターン31,32との間に生じる寄生容量とがほぼ等しくなり、並列接続される二つのインダクタL21,L22の特性を揃えることができる。
【0038】
本実施形態では、
図7に表れているように、キャパシタ用導体パターン31とシャント側第2インダクタL22とは層間接続導体(ビア)Vで接続されるが、その位置はコイル開口部の外側にある。そのため、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21との間の結合に寄与する磁束の経路を上記層間接続導体が遮らないので、この層間接続導体が、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21との間の結合係数を低下させることはない。同様に、上記層間接続導体が、シリーズ側第2インダクタL12とシャント側第2インダクタL22との間の結合係数を低下させることはない。
【0039】
なお、
図3では、単一のフィルタ素子として切り出して、各端子を形成した状態を示したが、これを製造する際には多数個取りする。すなわち、マザー状態の複数の基材の、縦横に配列された多数の区画にフィルタ素子形成用の導体パターンを形成し、それら基材の積層体を形成した後、素子毎に切り出して個片化する。
【0040】
図5、
図6に示したフィルタ素子101の構造により、キャパシタ用導体パターン31,32は絶縁体層S7を介して互いに対向する。このことによって、キャパシタ用導体パターン31,32でキャパシタC1(
図1参照)が構成される。また、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21とが磁界結合し、シリーズ側第2インダクタL12とシャント側第2インダクタL22とが磁界結合する。シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するので、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との磁界結合は抑制される。
【0041】
図23(A)、
図23(B)は、本実施形態に対する比較例のフィルタ素子の断面図である。
図23(A)に示す比較例のフィルタ素子と、
図5に示したフィルタ素子101とは、キャパシタC1を形成するキャパシタ用導体パターン31,32の位置が異なる。
図23(A)に示す比較例のフィルタ素子では、キャパシタC1をインダクタL12,L22,L21,L11の積層部分より外側に設けている。また、
図23(B)に示す比較例のフィルタ素子は、シャント側第1インダクタとシャント側第2インダクタとが並列接続されたものではなく、シャント側インダクタは単一のシャント側インダクタL2で構成されている。
【0042】
図8は本実施形態のフィルタ素子101と上記比較例のフィルタ素子の特性を示す図である。ここで、L1はシリーズ側インダクタの合成自己インダクタンスであり、L2はシャント側インダクタの合成自己インダクタンスである。また、係数kは、シリーズ側インダクタンスL1とシャント側インダクタL2との結合係数である。比較例Aは
図23(A)に示した比較例のフィルタ素子、比較例Bは
図23(B)に示した比較例のフィルタ素子である。比較例Aのシャント側インダクタは二つのインダクタL21,L22が並列接続されているため、この自己インダクタンスは比較例Bのシャント側インダクタL2の自己インダクタンスに比べて小さい。しかし、シャント側インダクタL2のインダクタンスは、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との相互インダクタンス分だけ加算された値となっている。これに対し、本実施形態のフィルタ素子では、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との間にキャパシタ用導体パターン31,32が存在するため、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22間での磁界結合が遮断され、結合係数kは0.38に低下している。これに伴い、上記並列接続されたインダクタ間の相互インダクタンスの影響が小さくなり、シャント側インダクタL2のインダクタンスは、比較例Aに比べて1.4nHだけ低下し、比率では、3.47 / 4.86 = 0.714 にまで低下している。
【0043】
なお、シリーズ側第1インダクタL11とシリーズ側第2インダクタL12とについても、その間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するので、この二つのインダクタンスの並列接続によるインダクタンスの低減効果は高い。一方で、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21やシリーズ側第2インダクタL12とシャント側第2インダクタL22の磁界結合は妨げられにくいため、それぞれにおける相互インダクタンスを維持できる。よって、本実施形態においては、L値が小さくかつQ値の大きなフィルタ素子を実現することができる。
【0044】
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、キャパシタ用導体パターンが第1の実施形態で示したものとは異なるフィルタ素子の例を示す。
【0045】
図9は第2の実施形態のフィルタ素子102の縦断面である。また、
図10はこのフィルタ素子102の複数の絶縁体層の平面図である。
【0046】
図10において、絶縁体層S1〜S10の上面にはインダクタ用導体パターン及びキャパシタ用導体パターンが形成されている。
図10において絶縁体層S1BSは、絶縁体層S1の下面の導体パターンについて表している。絶縁体層S1の下面、絶縁体層S10の上面には入出力端子P1,P2、接地端子GND及び空き端子NCが形成されている。絶縁体層S1,S2の上面にはシリーズ側第1インダクタL11が形成されていて、絶縁体層S3,S4の上面にはシャント側第1インダクタL21が形成されている。また、絶縁体層S6,S7の上面にはシャント側第2インダクタL22が形成されていて、絶縁体層S8,S9の上面にはシリーズ側第2インダクタL12が形成されている。そして、絶縁体層S5の上面にはキャパシタ用導体パターン30が形成されている。
図10中の破線の丸は層間接続導体(ビア)である。
【0047】
このように、シリーズ側第1インダクタL11、シャント側第1インダクタL21、シリーズ側第2インダクタL12及びシャント側第2インダクタL22はいずれも2層に分かれて形成されていて、その間は層間接続導体でそれぞれ接続されている。
【0048】
シリーズ側第1インダクタL11、シャント側第1インダクタL21、シャント側第2インダクタL22、シリーズ側第2インダクタL12のいずれも矩形コイル状であり、コイル開口部を有する。そして、キャパシタ用導体パターン30は、絶縁体層の積層方向から視て、シリーズ側インダクタL11,L12及びシャント側インダクタL21,L22のコイル開口部と重なる。
【0049】
図9に表れているように、キャパシタ用導体パターン30は接地端子GNDに接続される。つまり、キャパシタ用導体パターン30は接地される。シャント側第1インダクタL21を構成する導体パターンのうち、キャパシタ用導体パターン30に最接近する導体パターンとキャパシタ用導体パターン30との間に容量が形成され、シャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンのうち、キャパシタ用導体パターン30に最接近する導体パターンとキャパシタ用導体パターン30との間に容量が形成される。
【0050】
本実施形態で示すように、キャパシタC1は、キャパシタ用導体パターン30とシャント側インダクタの導体パターンとの間に生じる容量であってもよい。
【0051】
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、ローパスフィルタとして作用するフィルタ素子の後段に他のフィルタ回路が接続された回路について示す。
【0052】
図11(A)はフィルタ素子101の後段に帯域阻止フィルタ201を接続した回路の回路図である。
図11(B)はフィルタ素子101内で生じる相互インダクタンスを回路素子として明示した回路図である。
【0053】
図12(A)はフィルタ素子101の後段に帯域阻止フィルタ202を接続した回路の回路図である。
図12(B)はフィルタ素子101内で生じる相互インダクタンスを回路素子として明示した回路図である。
【0054】
上記帯域阻止フィルタ201はインダクタL3とキャパシタC2との並列回路が信号経路にシリーズに接続された回路である。また、帯域阻止フィルタ202は、インダクタL3とキャパシタC2との並列回路が信号経路にシリーズに接続され、かつインダクタL4とキャパシタC3との直列接続回路が、信号経路とグランドとの間にシャントに接続された回路である。
【0055】
図11(A)、
図12(A)に示すように、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側第1インダクタL21との結合により、相互インダクタンスM1121が生じ、シリーズ側第2インダクタL12とシャント側第2インダクタL22との結合により、相互インダクタンスM1222が生じる。
【0056】
図11(B)、
図12(B)において、相互インダクタンスMは上記相互インダクタンスM1121,M1222を合成したものである。シリーズ側インダクタL11,L12の合成インダクタンスをL1とシャント側インダクタL21,L22の合成インダクタンスをL2、両者の結合係数をkで表すと、相互インダクタンスMは、M=k√(L1*L2)の関係で表される。
【0057】
図11(B)、
図12(B)に表れているように負のインダクタンス(−M)は帯域阻止フィルタ201,202に直列接続される。
【0058】
ここで、帯域阻止フィルタ201,202の直列インダクタンス成分をL(BSF) で表すと、上記負のインダクタンス(−M)の絶対値|M|はL(BSF) より小さくなければならない。
【0059】
ところが、例えば携帯電話通信での2.3GHz以上のハイバンドを阻止する帯域阻止フィルタの直列インダクタンス成分は数nH程度といった小さな値である。一方、上述の負のインダクタンス(−M)の絶対値を小さくするためには、シリーズ側インダクタL11,L12とシャント側インダクタL21,L22のインダクタンスも自ずと小さな値であることが必要となる。既に示したとおり、本実施形態によれば、シリーズ側インダクタL1とシャント側インダクタL2のインダクタンスを効果的に小さくできるので、上述の阻止周波数帯域の高い帯域阻止フィルタが後段に接続される場合にも、帯域阻止フィルタの特性を阻害することがない。
【0060】
また、本実施形態によれば、上記負のインダクタンスが帯域阻止フィルタに付与されることにより、帯域阻止フィルタの誘導性リアクタンスが低減される。ここで、この作用について
図13を基に説明する。
図13は帯域阻止フィルタを構成する並列共振回路のリアクタンスの周波数特性を示す図である。この
図13に表れているように、並列共振回路のリアクタンスは、共振周波数より十分低い周波数から、周波数が高くなるにつれ増加し、共振周波数付近で急峻に立ち上がる。また共振周波数より十分高い周波数から、周波数が低くなるにつれ減少し、共振周波数付近で急峻に立ち下がる。
【0061】
したがって、上記のリアクタンス低減効果によって、帯域阻止フィルタの共振周波数をほとんど変えることなく、共振周波数より低い周波数領域の誘導性リアクタンスを低減し、共振周波数より高い周波数領域の誘導性リアクタンスの絶対値を高めることができる。これによって、帯域阻止フィルタの阻止帯域を広帯域化できる。
【0062】
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、シリーズ側インダクタの構成がこれまでに示したフィルタ素子とは異なるフィルタ素子の例を示す。
【0063】
図14は第4の実施形態に係るフィルタ素子104の回路図である。このフィルタ素子104は、シリーズ側インダクタL1が信号経路にシリーズに接続されている。また、並列接続されたインダクタL21,L22による並列回路とキャパシタC1との直列回路が、信号経路とグランドとの間にシャントに接続されている。
【0064】
図15はフィルタ素子104の縦断面図である。このフィルタ素子104は、下層からシリーズ側インダクタL1、シャント側第1インダクタL21、キャパシタC1、及びシャント側第2インダクタL22が順に積層された構造である。
【0065】
図15に表れているように、シャント側第1インダクタL21を構成する導体パターンで囲まれる開口と、シャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンで囲まれる開口との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するため、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との磁界結合は抑制される。つまり、
図14に示す相互インダクタンスM2122は非常に小さい。
【0066】
一方、キャパシタ用導体パターン31,32は、シリーズ側インダクタL1とシャント側第1インダクタL21との結合を阻害しないので、シリーズ側インダクタL1とシャント側第1インダクタL21とは磁界結合し、
図14に示すように相互インダクタンスM121が生じる。
【0067】
その他の構造は、第1の実施形態で示したフィルタ素子101と同様である。本実施形態のフィルタ素子においても、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するので、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との磁界結合は抑制され、この二つのインダクタを並列接続したことによるインダクタンスの低減効果が高まる。また、シリーズ側インダクタL1とシャント側第1インダクタL21とが磁界結合していることにより、シリーズ側インダクタL1自体のQ値を高めることができる。
【0068】
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、シャント側インダクタの構成がこれまでに示したフィルタ素子とは異なるフィルタ素子の例を示す。
【0069】
図16は第5の実施形態に係るフィルタ素子105の回路図である。このフィルタ素子105は、並列接続されたインダクタL11,L12による並列回路が信号経路にシリーズに接続されている。また、シャント側インダクタL2とキャパシタC1との直列回路が、信号経路とグランドとの間にシャントに接続されている。
【0070】
図17はフィルタ素子105の縦断面図である。このフィルタ素子105は、下層からシャント側インダクタL2、シリーズ側第1インダクタL11、キャパシタC1、及びシリーズ側第2インダクタL12が順に積層された構造である。
【0071】
シャント側インダクタL2とシリーズ側第1インダクタL11とは磁界結合し、
図16に示すように相互インダクタンスM112が生じる。
【0072】
その他の構造は、第1の実施形態で示したフィルタ素子101と同様である。本実施形態のフィルタ素子においては、シリーズ側第1インダクタL11とシリーズ側第2インダクタL12との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するので、シリーズ側第1インダクタL11とシリーズ側第2インダクタL12との磁界結合は抑制され、この二つのインダクタを並列接続したことによるインダクタンスの低減効果が高まる。また、シリーズ側第1インダクタL11とシャント側インダクタL2が磁界結合していることにより、シリーズ側第1インダクタL11自体のQ値を高めることができる。
【0073】
《第6の実施形態》
第6の実施形態では、信号経路とグランドとの間に接続される、シャント側インダクタとキャパシタとの接続関係が、これまでに示した例とは異なるフィルタ素子について示す。
【0074】
図18は第6の実施形態に係るフィルタ素子106の回路図である。このフィルタ素子106は、シリーズ側インダクタL1が信号経路にシリーズに接続されている。また、並列接続されたインダクタL21,L22とキャパシタC1との直列回路が、信号経路とグランドとの間にシャントに接続されている。
【0075】
図19はフィルタ素子106の縦断面図である。このフィルタ素子106は、下層からシリーズ側インダクタL1、シャント側第1インダクタL21、キャパシタC1、及びシャント側第2インダクタL22が順に積層された構造である。
【0076】
シリーズ側インダクタL1とシャント側第1インダクタL21とは磁界結合し、
図18に示すように相互インダクタンスM121が生じる。
【0077】
その他の構造は、第1の実施形態で示したフィルタ素子101と同様である。本実施形態のフィルタ素子においては、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との間にキャパシタ用導体パターン31,32が介在するので、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との磁界結合は抑制され、この二つのインダクタを並列接続したことによるインダクタンスの低減効果が高まる。また、シリーズ側インダクタL1とシャント側第1インダクタL21が磁界結合していることにより、シリーズ側インダクタL1自体のQ値を高めることができる。
【0078】
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、特に、キャパシタ用導体パターンの大きさとコイル開口の大きさとの関係について示す。
図20(A)、
図20(B)、
図20(C)は、各インダクタのコイル開口に対するキャパシタ用導体パターン31,32の大きさの違いについて示す図である。
【0079】
図20(A)は
図5に示したフィルタ素子101と同じ例である。このフィルタ素子では、キャパシタ用導体パターン31,32は、シリーズ側第1インダクタL11、シリーズ側第2インダクタL12、シャント側第1インダクタL21、及びシャント側第2インダクタL22のコイル開口CO1,CO2の一部を覆う。
図20(B)に示すフィルタ素子では、キャパシタ用導体パターン31,32は、上記コイル開口CO1,CO2の全体を覆う。また、
図20(C)に示すフィルタ素子では、キャパシタ用導体パターン31,32は、シリーズ側第1インダクタL11、シリーズ側第2インダクタL12、シャント側第1インダクタL21、及びシャント側第2インダクタL22の全体を覆う。
【0080】
図20(A)に示したように、キャパシタ用導体パターン31,32が、各インダクタのコイル開口CO1,CO2の一部を覆うだけでも、シャント側第1インダクタL21とシャント側第2インダクタL22との結合を抑制する効果がある。シリーズ側第1インダクタL11とシリーズ側第2インダクタL12との結合を抑制する効果についても同様である。
【0081】
インダクタ間の不要結合を抑制する点では、上記キャパシタ用導体パターン31,32は、
図20(B)に示すように、コイル開口CO1,CO2の全体を覆っていることがより好ましい。また、
図20(C)に示すように、各インダクタの全体を覆っていることが更に好ましい。
【0082】
《第8の実施形態》
第8の実施形態では、特に、3層以上のキャパシタ用導体パターンでキャパシタが構成されたフィルタ素子について示す。
図21(A)、
図21(B)は、キャパシタ用導体パターンの構成を示す図である。
【0083】
図21(A)に示す例では、キャパシタ用導体パターン31A,31Bの間にキャパシタ用導体パターン32が挟まれている。キャパシタ用導体パターン31A,31Bは層間接続導体を介して接続されていて、且つ層間接続導体を介してシャント側第1インダクタL21及びシャント側第2インダクタL22に接続されている。キャパシタ用導体パターン32は接地されている。
【0084】
図21(B)に示す例では、キャパシタ用導体パターン32A,32Bの間にキャパシタ用導体パターン31が挟まれている。キャパシタ用導体パターン31は層間接続導体を介してシャント側第1インダクタL21及びシャント側第2インダクタL22に接続されている。キャパシタ用導体パターン32A,32Bは接地されている。
【0085】
図21(A)、
図21(B)に示した構造と同様にして、3層以上のキャパシタ用導体パターンを交互に配置してキャパシタを構成してもよい。
【0086】
本実施形態で示すように、キャパシタC1は3層以上のキャパシタ用導体パターンで構成されていてもよい。この構造により、限られた小さな平面積で所定のキャパシタンスを構成できる。また、等価直列インダクタンスESLが効果的に低減される。
【0087】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【0088】
例えば、以上に示した各実施形態で示したフィルタ素子の断面図では、複数の絶縁体層の片方に寄せてインダクタ及びキャパシタを形成したが、絶縁体層の外周に沿ってインダクタの導体パターンが形成されていてもよい。
【0089】
また、以上に示した各実施形態では、シリーズ側第1インダクタL11及びシリーズ側第2インダクタL12を構成する導体パターンによって囲まれる第1開口CO1と、シャント側第1インダクタL21及びシャント側第2インダクタL22を構成する導体パターンによって囲まれる第2開口CO2の大きさは同じであり、かつ絶縁体層の積層方向から視て全体が重なっているが、上記開口CO1,CO2の大きさは異なっていてもよいし、第1開口CO1と第2開口CO2とが部分的に重なっていてもよい。
【0090】
また、以上に示した各実施形態では、シリーズ側第1インダクタL11、シャント側第1インダクタL21、シャント側第2インダクタL22、シリーズ側第2インダクタL12のいずれも巻回軸が同軸関係にあったが、これらの巻回軸は互いに異なっていてもよい。
【0091】
更に、本実施形態における素子は、以下に示すフォトリソグラフィ工程によって作られてもよい。まず、スクリーン印刷によって、絶縁ペーストを塗布することで形成された絶縁性基材の上に、感光性導電ペーストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によって、それぞれの絶縁性基材上にコイル用導体パターン又はキャパシタ用導体パターンと端子用導体パターンとを形成する。次に、感光性絶縁ペーストをスクリーン印刷し、開口及びビアホール(ビア導体形成のための開口)を形成する。この感光性絶縁ペーストも絶縁性基材を形成する。その後、感光性導電ペーストをスクリーン印刷し、フォトリソグラフィ工程によって、コイル用導体パターン又はキャパシタ用導体パターンと端子用導体パターンとを形成する。これにより、端子用導体パターンは上記開口内に形成され、ビア導体はビアホールに形成され、コイル用導体パターン又はキャパシタ用導体パターンは絶縁ペースト上に形成される。上記工程を繰り返すことで、素子における各端子は、複数の積層された端子用導体パターンで構成されるため、全ての絶縁性基材が端子用導体パターンを備える。
【0092】
上記導体パターンの形成方法はこれに限らず、例えば、導体パターン形状に開口したスクリーン版によって導体ペーストを印刷することで、導体パターンを形成してもよい。また、外部電極の形成方法もこれに限らず、例えば、積層した素体に対して導体ペーストのディッピングやスパッタリングによって端子電極を形成してもよく、さらにその表面にめっき加工を施してもよい。