特許第6801831号(P6801831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6801831透明性樹脂フィルム、透明性樹脂フィルムの製造方法、及び、化粧材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6801831
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】透明性樹脂フィルム、透明性樹脂フィルムの製造方法、及び、化粧材
(51)【国際特許分類】
   B29C 59/04 20060101AFI20201207BHJP
   B29C 48/15 20190101ALI20201207BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20201207BHJP
   B29C 48/90 20190101ALI20201207BHJP
   B29C 48/08 20190101ALI20201207BHJP
【FI】
   B29C59/04
   B29C48/15
   B29C48/305
   B29C48/90
   B29C48/08
【請求項の数】2
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-547231(P2020-547231)
(86)(22)【出願日】2020年3月19日
(86)【国際出願番号】JP2020012388
【審査請求日】2020年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2019-79081(P2019-79081)
(32)【優先日】2019年4月18日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】古田 哲
(72)【発明者】
【氏名】根津 義昭
(72)【発明者】
【氏名】中島 智美
(72)【発明者】
【氏名】住田 陽亮
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−256752(JP,A)
【文献】 特開2007−106056(JP,A)
【文献】 特開2007−297568(JP,A)
【文献】 特開2006−77173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 59/00− B29C 59/10
B29C 48/00− B29C 48/96
B32B 1/00− B32B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵柄層を有する基材に積層される透明性樹脂フィルムの製造方法であって、
複層の透明性樹脂層を熱ラミネートにより積層するのと同時に、前記基材に積層される側と反対側にエンボス加工を行い、前記基材に積層される側と反対側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)が、20μm以上、200μm以下の凹凸形状を形成する工程を有し、
前記透明性樹脂フィルムは、前記基材に積層される側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(2)が、15μm以下である
ことを特徴とする透明性樹脂フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記エンボス加工を行う際のプレスロールのJIS K 6253−3(2012)に規定されるタイプDデュロメータの硬度が、25以上、50以下である請求項に記載の透明性樹脂フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性樹脂フィルム、透明性樹脂フィルムの製造方法、及び、化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
建材、家具、家電製品等において、使用する部材を加飾したい場合には、化粧材が一般的に用いられている。
【0003】
通常、化粧材では、絵柄層を有する基材のみの構成では耐傷性、耐汚染性、耐候性等の表面性能が不十分となるため、基材上に熱可塑性樹脂フィルムを積層することにより、表面性能を付与している。
また、化粧材に視覚や視覚による意匠性を付与するために、基材上に積層される熱可塑性樹脂フィルムにエンボス加工等を施して、凹凸形状を形成することがある。
【0004】
例えば、特許文献1には、印刷が施された下地シート上に保護シートが積層され、意匠性を付与するために、表面にエンボス加工を施し、凹凸模様が形成された化粧シートが開示されている。
【0005】
従来、熱可塑性樹脂フィルムにエンボス加工を施すと、エンボス加工を施した面側の凹凸形状に追従して、エンボス加工を施した面と反対側の面にも多少の凹凸形状が賦形されてしまう場合があった。
そのため、接着剤等により、熱可塑性樹脂フィルムと基材とを貼り合わせる際に、熱可塑性樹脂フィルムと接着剤との間に気泡が入り込みやすく、意匠性の低下や、接着強度の低下を招く場合があり、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−15768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、基材と積層される側の面が極めて平滑であるので、基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、基材と積層される側と反対側の凹凸形状により意匠性を向上することができる透明性樹脂フィルム、該透明性樹脂フィルムの製造方法、及び、化粧材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述した課題を解決するため鋭意検討し、透明性樹脂フィルムの特性に着目した。
基材と積層される側と反対側に所定の凹凸形状を有しつつ、上記基材と積層される側を極めて平滑な構造とすることにより、気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、意匠性をも付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、絵柄層を有する基材に積層される透明性樹脂フィルムであって、上記基材に積層される側と反対側に、JIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)が、20μm以上、200μm以下である凹凸形状を有しており、上記基材に積層される側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(2)が、15μm以下であることを特徴とする。
【0010】
本発明の透明性樹脂フィルムは、少なくとも複層の透明性樹脂層を有することが好ましい。
また、上記基材に積層される側と反対側に、表面保護層を有することが好ましい
また、上記透明性樹脂フィルムは難燃剤を含有することが好ましい。
また、上記透明性樹脂フィルムのうち難燃剤を含有する層は、充填剤を含有することが好ましい。
また、上記表面保護層に難燃剤を含有することが好ましい。
また、難燃剤はホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明は、絵柄層を有する基材に積層される透明性樹脂フィルムの製造方法であって、複層の透明性樹脂層を熱ラミネートにより積層するのと同時に、上記基材に積層される側と反対側にエンボス加工を行い、上記基材に積層される側と反対側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)が、20μm以上、200μm以下の凹凸形状を形成する工程を有し、上記透明性樹脂フィルムは、上記基材に積層される側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(2)が、15μm以下であることを特徴とする透明性樹脂フィルムの製造方法でもある。
本発明の透明性樹脂フィルムの製造方法では、エンボス加工を行う際のプレスロールのJIS K 6253−3(2012)に規定されるタイプDデュロメータの硬度が25以上、50以下であることが好ましい。
また、本発明は、絵柄層を有する基材上に、本発明の透明性樹脂フィルムが積層されていることを特徴とする化粧材でもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、基材と積層される側の面が極めて平滑であるので、基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、基材と積層される側と反対側の凹凸形状により意匠性を向上することができる透明性樹脂フィルム、該透明性樹脂フィルムの製造方法、及び、化粧材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の透明性樹脂フィルムの一態様を示す断面図である。
図2】本発明の透明性樹脂フィルムの別の一態様を示す断面図である。
図3】本発明の化粧材の一態様を示す断面図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、難燃性の評価方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<透明性樹脂フィルム>
まずは、本発明の透明性樹脂フィルムについて説明する。
なお、以下の記載において、「〜」で表される数値範囲の下限上限は「以上以下」を意味する(例えば、α〜βならば、α以上β以下である)。
図1は、本発明の透明性樹脂フィルムの一態様を示す断面図である。
図1に記載のように、本発明の透明性樹脂フィルム10は、基材に積層される側と反対側に凹凸形状を有する。
上記凹凸形状は、JIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)が20μm以上、200μm以下である。
透明性樹脂フィルム10は、上記凹凸形状を有することにより、意匠性を向上することができる。
一方、上記最大高さRz(1)が20μm未満であると、意匠性を十分に付与できないことがあり、200μmを超えると、上記凹凸形状に追従して基材と積層される側にも凹凸形状が賦形されてしまい、気泡が入り込んでしまう。
上記最大高さRz(1)は、40μm以上、180μm以下であることが好ましく、60μm以上、160μm以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、JIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)及び(2)は、表面粗さ測定器(「SURFCOM−FLEX−50A」、東京精密社製)を用い、下記の条件で測定することにより得ることができる。
(測定条件)
測定回数:n=5(任意の5点)
算出規格:JIS’01
測定種別:粗さ測定
評価長さ:12.5mm
カットオフ値:2.5mm
測定速度:0.60mm/s
フィルタ種別:ガウシアン
形状所去:直線
λs値:8.0μm
凹凸形状に方向性がある木目導管やヘアライン調の場合には、流れ方向とその垂直方向に測定し、両者で数値の大きなものを最大高さ(Rz)とする。
その際、測定箇所は凹凸形状があるところを選定し測定する。
【0014】
透明性樹脂フィルム10は、基材に積層される側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(2)が、15μm以下である。
このように、透明性樹脂フィルム10は、上記基材と積層される側が極めて平滑であるため、上記基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができる。
気泡の入り込みを防止する観点から、上記最大高さRz(2)は、13μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
【0015】
透明性樹脂フィルム10の厚さは、500μm以下であることが好ましい。
透明性樹脂フィルム10の厚さは、500μmを超えると、透明性樹脂フィルムの表裏で温度差が生じ、エンボスで加熱された側の溶融樹脂の縮む力が強いためにフィルム全体が湾曲することより、透明性樹脂フィルムの側端部が折れ曲がってしまうことがある。
透明性樹脂フィルム10の厚さは、上記の観点から、460μm以下であることがより好ましく、420μm以下であることが更に好ましい。
なお、凹部が貫通することによる意匠性の低下を防止する観点から、透明性樹脂フィルム10の厚さは、上記Rz(1)の値を超えていることが必要である。
【0016】
また、透明性樹脂フィルム10は難燃剤を含有することが好ましい。
上記透明性樹脂フィルム10のうち少なくとも1層が難燃剤を含有することで、燃焼時のチャー形成や燃焼ガス中のラジカルの捕捉等により、燃焼性が低減する。
【0017】
上記難燃剤としては、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤等が挙げられる。中でも、環境の観点もしくは添加量を抑えられ難燃剤を含有する層の透明性を維持できる点で、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、燃焼時に有機物から発生するラジカルをトラップし燃焼を継続し難くする性質を有し、水平燃焼性試験においては燃え広がりを抑制する効果の点でホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ISO5660−1の発熱性試験において発熱量を低下させる効果がある点で、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤が好ましい。
【0018】
上記難燃剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0019】
上記難燃剤は上記透明性樹脂フィルム10を構成する層のうち、少なくとも1層に含まれていればよく、この場合、より上層(基材に積層される側と反対側の層)に難燃剤を含有することが難燃性向上に効果的である。
【0020】
また、上記透明性樹脂フィルム10は、充填剤を含有しても良く、特に後述するフュームドシリカを含有することが好ましい。
【0021】
(透明性樹脂層)
透明性樹脂フィルム10は、少なくとも複層の透明性樹脂層を有することが好ましい。
図2は、本発明の透明性樹脂フィルムの別の一態様を示す断面図である。
図2に示すように、本発明の透明性樹脂フィルム10は、少なくとも、複層の透明性樹脂層(ベース層1とトップ層2)を有することが好ましく、基材に積層される側と反対側に、表面保護層3を有することが好ましい。
【0022】
上記透明性樹脂層としては、基材に備えられた絵柄層を可視できれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含み、材質は限定されないが、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
【0023】
上記熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、又は、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等の熱可塑性エステル系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系熱可塑性樹脂、又は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アイオノマー、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、絵柄層の印刷適性及びエンボス加工適性に優れ、安価である点で、オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。
【0024】
上記透明性樹脂層の厚みは、特に限定されないが、90μm以上300μm以下であることが好ましく、150μm以上300μm以下がより好ましく、200μm以上250μm以下が更に好ましい。
【0025】
上記透明性樹脂層は、着色されていてもよい。この場合は、上記熱可塑性樹脂に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、後述する絵柄層で用いる顔料又は染料が使用できる。
【0026】
上記透明性樹脂層は、難燃剤を含有することが好ましい。
上記透明性樹脂層が難燃剤を含有することで、燃焼時のチャー形成や燃焼ガス中のラジカルの捕捉等により、燃焼性が低減する。
【0027】
上記難燃剤としては、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤等が挙げられる。
なかでも、環境の観点もしくは添加量を抑えられ難燃剤を含有する層の透明性を維持できる点で、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、燃焼時に有機物から発生するラジカルをトラップし燃焼を継続し難くする性質を有し、水平燃焼性試験においては燃え広がりを抑制する効果の点でホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ISO5660−1の発熱性試験において発熱量を低下させる効果がある点で、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤が好ましい。
【0028】
上記ホスフィン酸金属塩系難燃剤としては、例えば、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンが挙げられる。
上記ホスフィン酸金属塩系難燃剤の市販品としては、クラリアントジャパン社製 商品名「EXOLITE OP−930」、「EXOLITE OP−935」、「EXOLITE OP−1230」、「EXOLITE OP−1240」、「EXOLITE OP−1312」等が挙げられる。
【0029】
上記ホスファゼン系難燃剤としては、例えば、フェノキシホスファゼン、(ポリ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o−トリルオキシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p−トリルオキシホスファゼン、o,m−トリルオキシホスファゼン、o,p−トリルオキシホスファゼン、m,p−トリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)キシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C1−6アルキルC6−20アリールオキシホスファゼンや、(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン(例えば、フェノキシo−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)フェノキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C6−20アリールC1−10アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン等が例示でき、好ましくは環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状C1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン、C6−20アリールオキシC1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又は鎖状トリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼン等)が挙げられる。
また、4,4’−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4’−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4’−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等も挙げられる。
【0030】
上記NOR型ヒンダードアミン系難燃剤としては、例えば、1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン;ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン;ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート;4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端キャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー性化合物;4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端キャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合性生成物であるオリゴマー性化合物;2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)−6−クロロ−s−トリアジン;過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジンと、シクロヘキサンと、N,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物(N,N’,N’’’−トリス{2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)n−ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン);ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート;1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン;ビス(1−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート等が挙げられる。上記NOR型ヒンダードアミン系難燃剤の市販品としては、BASF社製FlamestabNOR116FF、TINUVIN NOR371、TINUVIN XT850FF、TINUVIN XT855FF、TINUVIN PA123、株式会社ADEKA製LA−81等が挙げられる。
【0031】
上記難燃剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
上記難燃剤は透明性樹脂層のうち、少なくとも1層に含まれていればよく、この場合、より上層であるトップ層2が難燃剤を含有することが難燃性能向上に効果的である。
上記透明性樹脂層のうち少なくとも1層が難燃剤を含有する場合、上記難燃剤の含有量は、上記透明性樹脂層の質量の合計を100質量%として、3質量%以上が好ましく、4.4質量%以上がより好ましい。
また、上記難燃剤の含有量は、上記透明性樹脂層の質量の合計を100質量%として、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
上記難燃剤の含有量の下限が上記範囲であることにより、透明性樹脂フィルム10の難燃性がより一層向上する。また、上記難燃剤の含有量の上限が上記範囲であることにより、透明性樹脂フィルム10の透明性がより一層維持される。
【0033】
上記透明性樹脂層は充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤は、上記透明性樹脂層の透明性を損なわなければ特に限定されず、透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材の鮮鋭性(後述する絵柄層の視認性を意味する)がより一層向上する点で、可視光の波長以下の平均粒子径を示す充填剤が好ましい。充填剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機フィラーが挙げられる。
【0034】
上記充填剤は、上記透明性樹脂層のうち少なくとも1層に含有されていることが好ましく、難燃剤を含有する層と同一の層に含有されていることが好ましい。すなわち、透明性樹脂層のうち少なくとも1層は、難燃剤及び充填剤を含有することが好ましい。
【0035】
上記透明性樹脂層のうち少なくとも1層が難燃剤を含有する場合、当該透明性樹脂層は、更に、表面に極性基を有する無機フィラーを含有することが好ましい。難燃剤を含有する透明性樹脂層が、表面に極性基を有する無機フィラーを含有することにより、透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材の鮮鋭性及び難燃性がより一層向上する。これは、難燃剤の極性部が極性基を有する無機フィラーの表面の極性基に引き付けられ、表面に難燃剤が存在することにより、分散性が向上するためであると考えられる。表面に極性基を有する無機フィラーとしては、親水性無機フィラーを用いることができ、例えば、表面にシラノール基等の水酸基を有する無機フィラーが挙げられ、より具体的には、親水性シリカを用いることができる。
【0036】
上記充填剤として用いられるシリカは、天然品、合成品のいずれであってもよく、結晶性、非晶質性のいずれであってもよい。また、合成非晶質シリカは、湿式法、乾式法のいずれの方法により調製されたものであってもよい。湿式法により調製される合成湿式法シリカを調製する方法としては特に限定されず、沈降法、ゲル法等が挙げられる。乾式法により調製される合成乾式法シリカを調製する方法としては特に限定されず、燃焼法、アーク法等が挙げられる。シリカは、透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材の鮮鋭性がより一層向上する点から平均粒子径の小さいシリカが好ましく、燃焼法により得られるフュームドシリカ、親水性フュームドシリカがより好ましい。
【0037】
上記親水性フュームドシリカ等の充填剤のBET比表面積は、50m/g以上が好ましく、130m/g以上がより好ましく、200m/g以上が更に好ましい。充填剤のBET比表面積の下限が上記範囲であることにより、平均粒子径が小さく、親水性フュームドシリカの場合はシラノール量が増加するため、充填剤を添加することによる透明性樹脂層の透明性の低下がより一層抑制され、且つ、難燃剤の分散性がより一層向上し、透明性樹脂フィルム10の難燃性及び透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材の鮮鋭性がより一層向上する。また、充填剤のBET比表面積の下限が上記範囲であることにより、透明性樹脂フィルム10の難燃性が向上し、難燃剤の含有量を減少させることが可能となる。
【0038】
本明細書において、BET比表面積は、DIN66131に準拠した測定方法により、窒素吸着法により測定されるBET比表面積である。
【0039】
上記充填剤として用いられる親水性フュームドシリカは、市販品を使用することができる。このような市販品としては、例えば、日本アエロジル社製 AEROSIL 50、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 300、AEROSIL 380等が挙げられる。
【0040】
上記透明性樹脂層が難燃剤及び充填剤を含有する場合、透明性樹脂層中の充填剤の含有量は、透明性樹脂層中の難燃剤の含有量を100質量部として、50質量部以上が好ましく、100質量部以上がより好ましく、200質量部以上が更に好ましい。透明性樹脂層中の充填剤の含有量の下限が上記範囲であることにより、透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材の鮮鋭性がより一層向上する。また、透明性樹脂層中の充填剤の含有量は、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。
【0041】
上記透明性樹脂層には、艶消し剤、発泡剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めてもよい。
また、上記透明性樹脂層は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、けん化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線(UV)処理、及び火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
【0042】
上記透明性樹脂層を構成するベース層1及びトップ層2の材料は、上記熱可塑性樹脂から適宜選択すれば良い。
ベース層1は、上記基材に積層される側に有する層であり、上記熱可塑性樹脂の中でも、オレフィン系熱可塑性樹脂やアイオノマーが好ましく、その中でも耐擦傷性等を好適に付与する観点から、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系であることが好ましい。
【0043】
ベース層1の厚みは、特に限定されないが、例えば、30μm以上150μm以下であることが好ましく、40μm以上120μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下が更に好ましい。
【0044】
トップ層2は、上記基材に積層される側と反対側に有する層であり、上記熱可塑性樹脂の中でも、オレフィン系熱可塑性樹脂やアイオノマーが好ましく、その中でも耐擦傷性等を好適に付与する観点から、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系の材料であることが好ましい。
【0045】
トップ層2の厚みは、特に限定されず、ベース層1の厚み等に応じて適宜選択すればよいが、耐傷性等を好適に付与する観点から、30μm以上250μm以下であることが好ましく、40μm以上200μm以下がより好ましく、50μm以上150μm以下が更に好ましい。
【0046】
ベース層1及びトップ層2は、透明性接着剤層を介して積層されていても良いし、熱ラミネート方式により積層されていても良いが、接着剤が不要となり、接着剤の劣化による剥離等の問題が生じないことから、熱ラミネート方式により積層されていることが好ましい。
上記熱ラミネート方式としては、Tダイを用いた溶融共押出し法等の公知の方法を用いることができる。
【0047】
(透明性接着剤層)
上記透明性接着剤層としては、公知の接着剤を用いればよい。例えば、ポリウレタン、アクリル、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン−アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。これら接着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
【0048】
上記透明性接着剤層は、乾燥後の厚みが0.1〜30μm程度が好ましく、1〜5μm程度がより好ましい。
【0049】
(表面保護層)
透明性樹脂フィルム10は、耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与する観点から、上記基材に積層される側と反対側に表面保護層3を有することが好ましい。
表面保護層3を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂の少なくとも1種を含むことが好ましく、高い表面硬度、生産性、耐候性等の観点から、電離放射線硬化型樹脂がより好ましい。
【0050】
上記電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。
例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート(例えば、2官能のエーテル系ウレタンオリゴマー、多官能のウレタンオリゴマー等)、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0051】
上記電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
【0052】
上記紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、例えば、190〜380nm程度である。
【0053】
上記電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。
上記電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
【0054】
上記電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
【0055】
上記光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
【0056】
上記光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、例えば、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
【0057】
上記表面保護層3は、難燃剤を含有することが好ましい。
上記難燃剤としては、透明性樹脂層で記載したものを適宜選択して用いることができ、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。表面保護層3に難燃剤を添加することで、燃焼時に表面から加わる熱に対して、チャー形成や燃焼ガス中のラジカル捕捉能等が発現するために、燃焼性を低減することができる。
上記表面保護層3における難燃剤の含有量は、上記表面保護層3の質量の合計を100%として、上記難燃剤の含有量の下限が、3質量%以上が好ましく、4.4質量%以上がより好ましく、上記難燃剤の含有量の上限が、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
【0058】
上記電離放射線硬化型樹脂で表面保護層3を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布する方法が挙げられる。
【0059】
上記熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
【0060】
上記熱硬化型樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
【0061】
上記熱硬化型樹脂で表面保護層3を形成する方法は、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥及び硬化させる方法が挙げられる。
【0062】
表面保護層3の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
【0063】
表面保護層3に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填剤を配合すればよい。無機充填剤としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、タルク、ガラス繊維等が挙げられる。
【0064】
上記無機充填剤の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜80質量部程度である。
【0065】
表面保護層3は、透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材の鮮鋭性を維持しつつ難燃性を向上する観点から、上記難燃剤と上記無機充填剤とを含有することが好ましい。
上記無機充填剤としては、透明性樹脂層1で記載したものを適宜選択して用いることができ、シリカであることが好ましく、難燃剤の分散性を考慮するとフュームドシリカがより好ましく、該フュームドシリカの中でも親水性フュームドシリカが更に好ましい。
【0066】
なお、表面保護層3は、更に必要に応じて各種添加剤を加えても良い。これらの添加剤としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、ワックス、弗素樹脂等の滑剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、アクリルビーズ、雲母等の艶、触感調整剤、染料、顔料等の着色剤等である。
【0067】
(プライマー層)
透明性樹脂フィルム10は、上記構成に加えて、プライマー層を有してもよい。
上記プライマー層としては、公知のプライマー剤を塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
【0068】
上記プライマー層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
【0069】
(透明性樹脂フィルムの製造方法)
本発明は、絵柄層を有する基材に積層される透明性樹脂フィルムの製造方法であって、上記少なくとも複層の透明性樹脂層を熱ラミネートにより積層するのと同時に、上記基材に積層される側と反対側にエンボス加工を行い、上記基材に積層される側と反対側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)が、20μm以上、200μm以下の凹凸形状を形成する工程を有し、上記透明性樹脂フィルムは、上記基材に積層される側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(2)が、15μm以下であることを特徴とする透明性樹脂フィルムの製造方法でもある。
【0070】
本発明の透明性樹脂フィルムの製造方法では、少なくとも複層の透明性樹脂層(ベース層1、トップ層2)を有しており、上記少なくとも複層の透明性樹脂層を熱ラミネートにより積層するのと同時に、上記基材に積層される側と反対側にエンボス加工を行う工程を有する。
【0071】
上記熱ラミネートをする際の温度としては、溶融樹脂にエンボス加工を施すと同時に冷却し賦形を固定化させるという観点から、20℃以上、60℃以下であることが好ましく、30℃以上、50℃以下の条件であることがより好ましい。
なお、溶融樹脂を冷却する方法としては特に限定されないが、例えば、冷却用チルロールにより冷却する方法等が挙げられる。
【0072】
上記熱ラミネートをする方法としては、Tダイを用いた溶融共押出し法等の公知の方法を用いることができる。
【0073】
上記エンボス加工としては、例えば、周知の枚葉、又は、輪転式のエンボス機によるエンボス加工を施す方法が挙げられ、例えば、シート温度120℃〜160℃、10〜40kg/cmの圧力にて凹凸パターンを転写すればよい。
【0074】
上記エンボス加工を行う際のプレスロールのJIS K 6253−3(2012)に規定されるタイプDデュロメータの硬度としては、エンボス加工を施した面と反対側に凹凸形状が賦形されることを好適に抑制する観点から、25以上、50以下であることが好ましく、30以上、45以下であることがより好ましい。プレスロールが軟らかすぎると賦形が裏面まで裏抜けし、硬すぎると機械の振動により溶融樹脂の厚みが著しく変化して厚みの変動が生じやすい。
なお、上記硬度の測定は、プレスロールの曲面部にタイプDのデュロメータの押針を押しつけて変形を与え、ロールの抵抗力とスプリングの力がバランスした状態での押針の押込み深さをもとに、硬度を測定するものとする。
【0075】
透明性樹脂フィルム10にエンボス加工を施す場合は、表面保護層3を形成した後でもよいし、表面保護層3を形成する前でもよい。
例えば、具体的な態様として、1)ベース層1及びトップ層2を順に形成した後、表面保護層3を形成し、最後にエンボス加工を施してもよい。また、別の具体的態様として、2)ベース層1及びトップ層2を順に形成した後、エンボス加工を施し、最後に表面保護層3を形成してもよい。また、さらに別の具体的態様として、3)ベース層1及びトップ層2を順に形成し、次いでエンボス加工を施した後、上記プライマー層を設け、最後に表面保護層3を形成してもよい。この中で好ましいのは、2)の態様であり、更にベース層1及びトップ層2を順に形成するときの冷却用チルロールにエンボス模様を施しておき、そのチルロールにてエンボス加工も同時に施す(所謂、チルロールエンボス)ことが工程上、最も好ましい。
【0076】
<化粧材>
本発明は、絵柄層を有する基材上に、透明性樹脂フィルム10が積層されていることを特徴とする化粧材でもある。
図3は、本発明の化粧材の一態様を示す断面図である。
図3に示すように、本発明の化粧材20は、絵柄層を有する基材11上に透明性樹脂フィルム10が積層された構成を有する。透明性樹脂フィルム10は、絵柄層を有する基材11側から順に、ベース層1、トップ層2、及び、表面保護層3を有することが好ましい。
【0077】
絵柄層を有する基材11(以下、単に基材11ともいう)は、例えば、基材シート及び絵柄層を有する。
また、基材11は、後述する支持体と絵柄層とを有する化粧板であってもよいし、後述する絵柄層を有する被着材であってもよい。
すなわち、本発明の化粧材20は、例えば、厚み方向において順に、少なくとも、基材シート、絵柄層、及び、透明性樹脂フィルム10が積層された構成(1)、少なくとも、支持体と絵柄層とを有する化粧板、及び、透明性樹脂フィルム10が積層された構成(2)、少なくとも、絵柄層を有する被着材、及び、透明性樹脂フィルム10が積層された構成(3)を含むものである。
以下、本発明の化粧材20を構成する基材11について詳細に説明する。
【0078】
(基材シート)
上記基材シートとしては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、又は、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等の熱可塑性エステル系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系熱可塑性樹脂、又は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等、またスチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどの非ジエン系ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニルが挙げられる。
また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、絵柄層の印刷適性に優れ、安価である点で、オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。
【0079】
上記基材シートは、着色されていてもよい。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色剤(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色剤の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
【0080】
上記基材シートは、上記透明性樹脂層や上記表面保護層と同様の理由から上述した難燃剤を含有することが好ましい。
上記難燃剤としては、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤等が挙げられる。なかでも、環境の観点もしくは添加量を抑えられ難燃剤を含有する層の透明性を維持できる点で、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、水平燃焼性試験においては燃え広がりを抑制する効果の点でホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ISO5660−1の発熱性試験において発熱量を低下させる効果がある点で、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤がより好ましい。
上記ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤としては、上述した透明性樹脂層1で記載したものを適宜選択して用いることができる。
【0081】
上記基材シートが難燃剤を含有する場合、上記基材シート中の難燃剤の含有量は、上記基材シート中の、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を100質量部として、5質量部以上が好ましく、7.5質量部以上がより好ましい。また、上記基材シート中の難燃剤の含有量は、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。上記基材シート中の難燃剤の含有量の下限が上記範囲であることにより、透明性樹脂フィルム10の難燃性がより一層向上する。また、基材シート中の難燃剤の含有量の上限が上記範囲であることにより、基材シートがより一層優れた強度を示す。
【0082】
上記基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
【0083】
上記基材シートの厚みは、特に限定されないが、40μm〜20mm程度が好ましい。
上記基材シートは、単層又は多層のいずれで構成されていてもよい。
なお、基材シートが1mm以下と薄い場合には後述する被着材を基材シートの裏面に設けてもよい。
【0084】
(絵柄層)
上記絵柄層は、所望の絵柄(意匠)を付与する層であり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様、風景、キャラクター等が挙げられる。
【0085】
上記絵柄層は、設けられるところは特に限定されず、基材11の透明性樹脂フィルム10が積層される側に有していても良く、基材11が有する層の間(内部)に有していても良く、基材11の透明性樹脂フィルム10が積層される側と反対側に有していても良い。
【0086】
上記絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた既知の印刷法により、基材シートの上等、基材11の任意の場所に形成すればよい。また、基材11の一部や全体を着色したり、複数種の樹脂を混合してもよい。
インキとしては、化粧材のVOCを低減する観点からは水性組成物を用いることもできる。
【0087】
上記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤は、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに用いてもよい。
【0088】
上記結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂等が変性したものないし上記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
上記溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
【0090】
上記絵柄層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
【0091】
上記絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、層厚は0.1〜15μm程度である。
【0092】
本発明の化粧材20において、基材11は、必要に応じて、さらに透明性接着剤層、プライマー層、バッカー層等を有していてもよい。その際、被着材は透明性接着剤層、プライマー層、バッカー層等の裏側に設けてもよい。
上記透明性接着剤層及び上記プライマー層は、透明性樹脂フィルム10で記載したものと同様のものを好適に用いることができる。
【0093】
(バッカー層)
上記バッカー層としては、合成樹脂バッカー層及び発泡樹脂バッカー層等の樹脂バッカー層やコルクなど木質系バッカー層、不織布系バッカー層等が挙げられ、上記基材11の最下層(透明性樹脂フィルム10が積層される側と反対側)に有することが好ましい。
基材11が上記バッカー層を有することにより、化粧材の耐傷性、耐衝撃性がより一層向上することができる。
【0094】
上記合成樹脂製バッカー層を構成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート〔例えば、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコール等で置換したポリエチレンテレフタレートである、いわゆる商品名PET−G(イーストマンケミカルカンパニー社製)〕、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、非晶性ポリエステル(A−PET)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどの非ジエン系ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの樹脂は単独又は2種以上で使用できる。
【0095】
上記合成樹脂バッカー層は、中空ビーズを含有してもよい。
上記中空ビーズの種類、粒子径、及び、含有量等は、特開2014−188941号公報に記載のものを適用することができる。
【0096】
上記合成樹脂バッカー層は、上記透明性樹脂層等と同様の理由から難燃剤を含有してもよい。
上記難燃剤としては、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤等が挙げられる。なかでも、環境の観点もしくは添加量を抑えられ難燃剤を含有する層の透明性を維持できる点で、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤及びNOR型ヒンダードアミン系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、水平燃焼性試験においては燃広がりを抑制する効果の点でホスフィン酸金属塩系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ISO5660−1の発熱性試験において発熱量を低下させる効果がある点で、NOR型ヒンダードアミン系難燃剤が好ましい。
【0097】
合成樹脂製バッカー層が難燃剤を含有する場合、合成樹脂製バッカー層中の難燃剤の含有量は、合成樹脂製バッカー層中の樹脂を100質量%として、5質量%以上が好ましく、7.5質量%以上がより好ましい。また、合成樹脂製バッカー層中の難燃剤の含有量は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。合成樹脂製バッカー層中の難燃剤の含有量の下限が上記範囲であることにより、化粧材の難燃性がより一層向上する。また、合成樹脂製バッカー層中の難燃剤の含有量の上限が上記範囲であることにより、合成樹脂製バッカー層がより一層優れた強度を示す。
【0098】
上記合成樹脂製バッカー層の厚みは特に限定されないが、例えば、100〜600μmが好ましく、150〜450μmがより好ましい。
【0099】
上記合成樹脂バッカー層を形成する方法としては、カレンダー成形、溶融樹脂の押出し成形等が挙げられる。なかでも溶融樹脂の押出し成形が好適であり、例えば、Tダイを用いた押出し成形がより好適である。
【0100】
上記発泡樹脂バッカー層は、上記合成樹脂バッカー層よりも更に下層(凹凸形状を有する側と反対側)に有していてもよい。
上記発泡樹脂バッカー層は、特開2014−188941号公報に記載のものを適用することができる。
【0101】
<化粧板>
本発明の化粧材20は、例えば、厚み方向において順に、少なくとも、支持体、絵柄層、及び、透明性樹脂フィルム10が積層された構成を有する化粧板であっても良い。
この場合、基材11は、少なくとも支持体と、絵柄層とを有することが好ましい。
なお、上記絵柄層としては、上述した絵柄層を好適に用いることができる。
【0102】
(支持体)
上記支持体としては特に限定されず、各種の紙類、プラスチックフィルム、木材等の木質系の板、窯業系素材等を用途に応じて適宜選択することができる。これらの材料はそれぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプラスチックフィルムの複合体等、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
【0103】
上記紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が挙げられる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、これら紙基材に、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等である。
これらの他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。
さらには、事務分野や通常の印刷、包装等に用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布や不織布も基材として使用することができる。各種繊維としてはガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、アクリル繊維、若しくはビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
【0104】
なお、上記紙類等支持体が多孔質基材の場合、多孔質基材に熱硬化型樹脂を含浸させる場合には、従来より公知の熱硬化型樹脂を広く使用することができる。熱硬化型樹脂として、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
このように、上記紙類に熱硬化型樹脂を含浸して、更に硬化させて得られた層を熱硬化型樹脂層ともいう。そして、その熱硬化型樹脂層が最終的に表面保護層としての役割も担う場合もある。
【0105】
上記熱硬化型樹脂層を多孔質基材に含浸させる方法としては、上記の熱硬化型樹脂を、多孔質基材のおもて面側、裏側のいずれか若しくは両方から供給することにより行うことができる。この方法は特に限定されず、例えば、熱硬化型樹脂を入れた浴槽に多孔質基材の離型層が形成されている面又はその反対の面から浸漬させる方法;キスコーター、コンマコーター等のコーターにより熱硬化型樹脂を多孔性基材の離型層が形成されている面、その反対の面、又はこれらの両面に塗布する方法;スプレー装置、シャワー装置等により熱硬化型樹脂を多孔性基材の離型層が形成されている面、その反対の面、又はこれらの両面に吹き付ける方法等が挙げられる。
【0106】
上記プラスチックフィルムを構成する樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、三酢酸セルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、耐水性等の各種物性、印刷適性、成形加工適性、価格等の観点からポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、或いはアクリル樹脂が好ましい。
【0107】
上記支持体は、上述の難燃剤を含有してもよい。上記支持体が難燃剤を含有することにより、上記透明性樹脂層と同様の理由で上記化粧板の難燃性がより一層向上する。なお含有することが出来る難燃剤は上記透明性樹脂層等と同様のものであることが好ましい。
【0108】
上記支持体の厚みは特に制限はないが、支持体がプラスチックフィルムの場合、20〜200μmが好ましく、40〜160μmがより好ましく、40〜100μmが更に好ましい。
上記支持体が紙類の場合、坪量は、通常20〜150g/mが好ましく、30〜100g/mがより好ましい。
【0109】
上記支持体の形状は平板状のものに限られず、立体形状等の特殊形状であってもよい。
上記支持体上には、支持体上に設けられる層との密着性を向上させるために、片面又は両面に、物理的処理又は化学的表面処理等の易接着処理を行ってもよい。
【0110】
(フェノール樹脂含浸紙)
上記化粧板は、必要に応じて、フェノール樹脂含浸紙が積層されていてもよい。
上記フェノール樹脂含浸紙は、多孔質基材の、耐摩耗層及び離型層が形成されている側とは反対側の面に積層するとよい。
【0111】
上記フェノール樹脂含浸紙とは、一般に、コア紙として坪量150〜250g/m程度のクラフト紙にフェノール樹脂を含浸率45〜60%程度となるように含浸し、100〜140℃程度で乾燥させることにより製造された紙である。フェノール樹脂含浸紙には、市販品を使用することができる。フェノール樹脂含浸紙を積層する際には、必要に応じて、多孔質基材の裏面にコロナ放電処理を施したり、上述したプライマー層を塗布することにより裏面プライマー層を形成したりしてもよい。
【0112】
(シーラー層)
上記支持体として、紙類等の含浸性のある基材を用いる場合、支持体と絵柄層との間等にシーラー層を有していてもよい。
【0113】
上記シーラー層中には、熱硬化型樹脂組成物又は電離放射線硬化型樹脂組成物等の硬化型樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましく、その中でも熱硬化型樹脂組成物の硬化物を含むことがより好ましい。
上記硬化型樹脂組成物の硬化物の含有量はシーラー層の全固形分の50質量%以上であることが好ましく、65〜95質量%であることがより好ましい。
上記シーラー層の熱硬化型樹脂組成物及び電離放射線硬化型樹脂組成物は、表面保護層で例示したものと同様のものが挙げられる。また、熱硬化型樹脂組成物としては、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型樹脂が好ましく、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの2液硬化型樹脂がより好ましい。
【0114】
上記シーラー層中には、乾燥適性及び粘度調整の観点から粒子を含むことが好ましい。粒子の含有量はシーラー層の全固形分の5〜50質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることがより好ましい。
上記シーラー層の粒子は、表面保護層で例示したものと同様のものが挙げられる。また、該粒子としては無機粒子が好ましく、その中でもシリカが好ましい。
該粒子は、平均粒子径が0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.2〜1.5μmであることがより好ましい。
【0115】
上記シーラー層の厚みは、含浸防止と費用対効果のバランスの観点から、0.5〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。
【0116】
基材11の製造方法としては特に限定されず、上述した各層を上記透明性接着剤層やプライマー層等を介して積層させる方法等が挙げられる。
【0117】
基材11に透明性樹脂フィルム10を積層させ、化粧材20を製造する方法としては特に限定されず、上述した各層を上述した透明性接着剤層やプライマー層を介して積層させる方法、透明性樹脂フィルム10を、絵柄層を有する基材11上に熱ラミネートする方法等が挙げられる。
【0118】
<被着材>
本発明の化粧材20は、凹凸形状を有する面と反対側の面が接するように、被着材に積層されて用いられてもよい。
一方、上記絵柄層を有する被着材を用いる場合、該絵柄層を有する被着材上に、透明性樹脂フィルム10を積層することにより、本発明の化粧材20を得ることができる。
なお、上記絵柄層としては、上述した絵柄層を好適に用いることができる。
【0119】
上記被着材の材質は、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)、HDF(高密度繊維板)等の木質板;石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板;珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板;パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板;陶器、磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミックス板;鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗布鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属板;ポリオレフィン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネート板、ポリ塩化ビニル樹脂板等の熱可塑性樹脂板;フェノール樹脂板、尿素樹脂板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化型樹脂板;フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化したいわゆるFRP板等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、これらの2種以上を積層した複合基板として用いてもよい。
なお、上記被着材の厚みは特に限定されない。
【0120】
更に、上記熱可塑性樹脂板や上記熱硬化型樹脂板は必要に応じて、着色剤(顔料又は染料)、木粉や炭酸カルシウム等の充填剤、シリカ等の艶消し剤、発泡剤、難燃剤、タルク等の滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
【0121】
上記被着材への積層方法としては特に限定されるものではなく、例えば、上述したプライマー層を介して積層したり、接着剤を介して積層したりする手段等が挙げられる。
上記接着剤としては、上記被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ウレタン、アクリル、アクリルウレタン(共重合も含む)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン−アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
【0122】
本発明の透明性樹脂フィルム10は、基材と積層される側の面が極めて平滑であるので、基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、基材と積層される側と反対側の凹凸形状により意匠性を向上することができる。
本発明の透明性樹脂フィルム10を用いた化粧材20は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;窓枠、扉、手すり等の建具;家具;家電製品、OA機器等の筐体;玄関ドア等の外装材として好適に用いることができる。
【実施例】
【0123】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によって限定されるものではない。
【0124】
(実施例1)
ベース層として、ポリプロピレン系樹脂(厚さ60μm)を用意し、ベース層の一方の面に、プライマー剤(厚さ2μm)を塗工した。その後、ベース層のもう一方の面にポリプロピレン系樹脂(厚さ60μm、トップ層)を押出し熱ラミネート方式で積層すると同時に、プレスロール(硬度:25)で賦形しながら冷却し、エンボス賦形を施した。該エンボス賦形を施した表面にコロナ処理を施した後、プライマー剤(厚さ2μm)を塗工した。その表面に電離放射線硬化型樹脂(塗布量15μm)をグラビアコート方式で塗工した後、電子照射装置を用いて加速電圧165keV、5Mradの条件で電子線を照射し表面保護層を形成し、透明性樹脂フィルムを作製した。
このとき、透明性樹脂フィルムの表面保護層を有する側の最大高さRz(1)は、20μmであり、もう一方の面の最大高さRz(2)は、15μmであった。
その後、透明性樹脂フィルムのベース層を有する側のプライマー剤を塗工した面に、エステル系接着剤(塗布量5g/m)を塗工し、絵柄層を有するMDFの絵柄層側に積層した後、20℃、10kg/mの圧力を掛けて3日間要請し、化粧材を作製した。
その後、気泡の有無について確認した。
【0125】
(実施例2)
プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:40)を変更したこと以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は20μm、最大高さRz(2)は10μmであった。
【0126】
(実施例3)
押出し熱ラミネート方式で積層する透明性樹脂フィルムの厚さを240μmにし、プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:40)を変更した以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は200μm、最大高さRz(2)は15μmであった。
【0127】
(実施例4)
押出し熱ラミネート方式で積層する透明性樹脂フィルムの厚さを240μmにし、プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:50)を変更した以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は200μm、最大高さRz(2)は10μmであった。
【0128】
(実施例5)
押出し熱ラミネート方式で積層する透明性樹脂フィルムの厚さを240μmにし、プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:55)を変更した以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は200μm、最大高さRz(2)は5μmであった。
【0129】
(実施例6)
押出し熱ラミネート方式で積層するポリプロピレン系樹脂として、難燃剤(ホスフィン酸金属塩系難燃剤、製品名Pekoflam STC、アークロマ社製、透明性樹脂層の質量の合計を100質量%として、含有量4.4質量%)含有ポリプロピレン系樹脂(厚さ60μm、トップ層)を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
【0130】
(実施例7)
押し出し熱ラミネート方式により積層するポリプロピレン系樹脂として、難燃剤(ホスフィン酸金属塩系難燃剤、製品名Pekoflam STC、アークロマ社製、透明性樹脂層の質量の合計を100質量%として、含有量4.5質量%)、及び、親水性フュームドシリカ(日本アエロジル社製 AEROSIL 50、透明性樹脂層の質量の合計を100質量%として、含有量4.5質量%)を含有するポリプロピレン系樹脂(厚さ60μm、透明性樹脂層)を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
【0131】
(比較例1)
プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:20)を変更した以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は20μm、最大高さRz(2)は18μmであった。
【0132】
(比較例2)
プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:40)を変更した以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は15μm、最大高さRz(2)は5μmであった。
【0133】
(比較例3)
押出し熱ラミネート方式で積層する透明性樹脂フィルムの厚さを240μmにし、プレスロールの凹凸形状及び硬度(硬度:40)を変更した以外は、実施例1と同様にして透明性樹脂フィルム及び化粧材を作製した。
透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)は210μm、最大高さRz(2)は18μmであった。
【0134】
(比較例4)
ベース層として、ポリプロピレン系樹脂(厚さ60μm)を用意し、ベース層の一方の面に、プライマー剤(厚さ2μm)を塗工した。その後、ベース層のもう一方の面にポリプロピレン系樹脂(厚さ240μm、トップ層)を押出し熱ラミネート方式で積層した。その後、トップ層のベース層が積層された側と反対側にプライマー剤(厚さ2μm)を塗工した。その表面に電離放射線硬化型樹脂(塗布量15μm)をグラビアコート方式で塗工した後、電子照射装置を用いて加速電圧165keV、5Mradの条件で電子線を照射し表面保護層を形成した。
その後、表面保護層を有する面に対して、エンボスロール(硬度:40)を用いてエンボス賦形を施し、透明性樹脂フィルムを作製した。
このとき、最大高さRz(1)は、20μmであり、最大高さRz(2)は、18μmであった。
その後、透明性樹脂フィルムのベース層を有する側のプライマー剤を塗工した面に、エステル系接着剤(塗布量5g/m)を塗工し、絵柄層を有するMDFの絵柄層側に積層した後、20℃、10kg/mの圧力を掛けて3日間要請し、化粧材を作製した。
その後、気泡の有無について確認した。
【0135】
<最大高さRz>
実施例及び比較例で得られた透明性樹脂フィルムの最大高さRz(1)及び(2)は、表面粗さ測定器(「SURFCOM−FLEX−50A」、東京精密社製)を用い、下記の条件で測定した。
(測定条件)
測定回数:n=5(任意の5点)
算出規格:JIS’01
測定種別:粗さ測定
評価長さ:12.5mm
カットオフ値:2.5mm
測定速度:0.60mm/s
フィルタ種別:ガウシアン
形状所去:直線
λs値:8.0μm
凹凸形状に方向性がある場合には、流れ方向とその垂直方向を測定し、両者で数値の大きなものを最大高さ(Rz)とした。
【0136】
<プレスロールの硬度>
実施例及び比較例で用いたプレスロールの硬度は、JIS K 6253−3(2012)に規定されるタイプDデュロメータを用い、プレスロールの曲面部にタイプDのデュロメータの押針を押しつけて変形を与え、ロールの抵抗力とスプリングの力がバランスした状態での押針の押込み深さに基づいて、硬度を測定した。
【0137】
(トップ層の厚みの安定性)
実施例及び比較例で得られた透明性樹脂フィルムについて、任意に選択した領域を積層方向に切断した断面をデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、型番:VHX−5000、倍率:500倍)で観察し、トップ層の最大の厚みと最小の厚みを測定した。その差をX(μm)とした際に、トップ層の厚みの安定性を以下の基準で評価した。
++:X≦5μm
+:5μm<X≦10μm
+−:10μm<X≦15μm
−:15μm<X
【0138】
(意匠性1)
実施例及び比較例で得られた化粧材を目視にて観察し、以下の基準で意匠性を評価した。
++:高い立体感と深みのある意匠が強く表現されている。
+:高い立体感と深みのある意匠がやや表現されている。
−:高い立体感と深みのある意匠が表現されていない、又は、気泡が入り込んでいる。
【0139】
(意匠性2)
実施例1及び実施例7で得られた化粧板について、印刷柄を目視にて評価した。その結果を表3に示した。
++:印刷柄が明瞭に見える
+:印刷柄が僅かに曇って見える
−:印刷柄が明瞭に見えない
【0140】
(気泡の有無)
実施例及び比較例で得られた化粧材を目視にて観察し、以下の基準で気泡の有無を評価した。
有り:任意に選択した1cm四方の領域に対し、気泡を確認できる。
無し:任意に選択した1cm四方の領域に対し、気泡が確認されない。
【0141】
(難燃性評価)
[水平燃焼性試験(難燃性:火の燃え広がり難さ)]
実施例1及び6で得られた化粧材を9cm×30cmの大きさに切り出し、試験片とした。
図4(a)及び(b)のように、市販の家庭用ヒーター101(電圧AC100V、消費電力1200W)の台102の上に金属製の長方形の台103を置き、台の上に設置した金属製の枠104内に試験片105を置いて、ヒーター角45°、ヒーター出力を4/5の出力で火の燃え広がり難さの試験を行った。
詳細には、試験片を上記家庭用ヒーターを用いて2分間予熱した。次いで、図4(a)のように、試験片の長手方向のヒーター側の端部106にライター107で1分間加熱して着火して、図4(b)のように試験片105の長手方向に延焼させた。
次いで、延焼状態を目視で観察し、以下のように延焼距離(L1)を評価した。
[延焼距離(L1)]
試験片に着火してライターの火を除いた、初期着火からの延焼進行距離を測定して延焼距離(L1)とし、下記評価基準に従って評価した。なお、+評価以上であれば、実使用において問題ないと評価される。
+:L1が10cm未満である
−:L1が10cm以上である
【0142】
【表1】
【表2】
【表3】
【0143】
実施例で得られた透明性樹脂フィルムは、基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、基材と積層される側と反対側の凹凸形状により意匠性を向上することができることが確認された。
一方、透明性樹脂フィルムの最大高さRz(2)が15μmを超えていた比較例1及び3は気泡が入り込み意匠性が低下し、最大高さRz(1)が20μm未満であった比較例2は、立体感が乏しく意匠性が不十分であり、ベース層とトップ層とを熱ラミネートした後にエンボス賦形を施した比較例4では、最大高さRz(2)が大きくなり、気泡が入り込んで意匠性が低下した。
また、トップ層に難燃剤を添加した実施例6で得られた透明性樹脂フィルムは、難燃剤を添加していない実施例1に比べ難燃性能が向上したことが確認された。
また、トップ層に難燃剤と共にフュームドシリカを添加した実施例7で得られた透明性樹脂フィルムは、フュームドシリカを添加していない実施例1に比べ透明性が向上したことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明によれば、基材と積層される側の面が極めて平滑であるので、基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、基材と積層される側と反対側の凹凸形状により意匠性を向上することができる透明性樹脂フィルムを得ることができる。
また、本発明の透明性樹脂フィルムを用いた本発明の化粧材は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;窓枠、扉、手すり等の建具;家具;家電製品、OA機器等の筐体;玄関ドア等の外装材として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0145】
1 ベース層
2 トップ層
3 表面保護層
10 透明性樹脂フィルム
11 絵柄層を有する基材
20 化粧材
101 家庭用ヒーター
102 家庭用ヒーターの台
103 長方形の台
104 金属製の枠
105 試験片
106 端部
107 ライター

【要約】
本発明は、基材と積層される側の面が極めて平滑であるので、基材との接着時に気泡が入り込むことを防止することができ、かつ、基材と積層される側と反対側の凹凸形状により意匠性を向上することができる透明性樹脂フィルム、該透明性樹脂フィルムの製造方法、及び、上記透明性樹脂フィルムを用いた化粧材を提供する
本発明は、絵柄層を有する基材に積層される透明性樹脂フィルムであって、上記基材に積層される側と反対側に、JIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(1)が、20μm以上、200μm以下である凹凸形状を有しており、上記基材に積層される側のJIS B 0601(2001)で定義される最大高さRz(2)が、20μm以下であることを特徴とする透明性樹脂フィルムに関する。
図1
図2
図3
図4