(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベース部と、前記ベース部の外縁部に設けられた脚部と、前記ベース部に対して振動可能に設けられ使用者が搭乗可能な振動台と、前記振動台に搭乗した使用者が把持可能な把持部材を接続可能なアーム部材と、を備えた振動運動器具であって、
前記脚部には、前記アーム部材が出没自在に設けられており、
前記アーム部材には、前記把持部材の端部が係止される係止孔が設けられていることを特徴とする振動運動器具。
前記アーム部材は、当該アーム部材の少なくとも一部が、前記振動台の上方から視て前記振動台の外縁部よりも外側に突出する位置に出没可能であることを特徴とする請求項1に記載の振動運動器具。
前記把持部材は、前記係止孔に係止される係止部と、前記係止部に一端が取り付けられた伸縮自在なロープと、前記ロープの他端に設けられた把持部と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の振動運動器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の振動運動器具では、把持部材を利用したエクササイズ時に、よりダイナミックな姿勢を取るために、ベース部からより離れた位置で把持部材を接続したいという要望があった。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決し、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる振動運動器具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の振動運動器具は、ベース部と、前記ベース部の外縁部に設けられた脚部と、を備えている。また、振動運動器具は、前記ベース部に対して振動可能に設けられ使用者が搭乗可能な振動台と、前記振動台に搭乗した使用者が把持可能な把持部材を接続可能なアーム部材と、を備えている。前記脚部には、前記アーム部材が出没自在に設けられている。前記アーム部材には、前記把持部材の端部が係止される係止孔が設けられている。
【0008】
本発明の振動運動器具では、把持部材を利用してエクササイズを行う場合に、ベース部の脚部の前方等にアーム部材を突出させることができるので、ベース部からより離れた位置にアーム部材を位置させて把持部材を利用できる。これにより、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。また、本発明の振動運動器具は、使用者の体表に近い表層筋や骨に近い深層筋(インナーマッスル)を効果的に刺激できる。また、使用者は、振動運動器具の振動によって身体の血行を促進できる。
また、アーム部材は、好みの突出位置に位置させた上で把持部材を利用することも可能である。したがって、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
また、把持部材を使用しないときに、アーム部材を脚部に収容できる。このため、振動運動器具の外観に優れるとともに、アーム部材に物が引っ掛かったり、つまずいたりし難く、振動運動器具の使い勝手を向上できる。
【0009】
また、前記アーム部材は、当該アーム部材の少なくとも一部が、前記振動台の上方から視て前記振動台の外縁部より外側に突出する位置に出没可能であることが好ましい。この構成では、把持部材の振動台への干渉を防止できる。したがって、使用者は、振動運動器具を使用して、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【0010】
また、前記アーム部材は、先端部に屈曲部を有し、当該屈曲部には、前記係止孔が形成されていることが好ましい。この構成では、屈曲部の折れ曲がり部分に亘って長孔状に係止孔を形成できるので、把持部材の端部を係止し易い。また、把持部材の端部にカラビナ等の金属リングを用いた場合には、係止作業がより行い易い。
【0011】
また、前記脚部は、円弧状の外周部を備えており、前記アーム部材は、前記外周部に沿う円弧状を呈することが好ましい。この構成では、脚部の外周部に沿ってアーム部材を収容することができるので、アーム部材の内側スペースとなる、脚部の中央部のスペースを有効に利用して脚部に防振部材等を配置できる。これにより、振動運動器具をコンパクトにできる。
【0012】
また、前記脚部には、前記アーム部材を位置決めするための位置決め手段が設けられていることが好ましい。この構成では、突出位置及び収容位置に容易にアーム部材を位置決めできるので、アーム部材の突出作業及び収容作業が行い易い。
【0013】
また、前記アーム部材は、緩衝部材を介して前記脚部に出没可能に支持されていることが好ましい。この構成では、ベース部から脚部を通じてアーム部材に伝わる振動を好適に抑制できる。
【0014】
また、前記脚部が、当該脚部の下面よりも下方へ突出する防振部材を備えている場合には、前記アーム部材は、前記振動台の上方から視て前記下面に隠れるように収容されていることが好ましい。この構成では、脚部の下面と床面との間に形成されるスペースを利用してアーム部材を収容できる。したがって、アーム部材の収容構造を簡単な構成で実現できる。
【0015】
また、前記アーム部材は、前記脚部に一端が出没可能に支持される第1アーム部材と、当該第1アーム部材の他端に出没可能に支持される第2アーム部材とを備えて構成するのが好ましい。この場合には、前記第2アーム部材の先端部に前記係止孔が設けられていることが好ましい。この構成では、ベース部の脚部から側方に第1アーム部材及びこれに連続する第2アーム部材を突出させることができるので、ベース部からより離れた位置にアーム部材を突出させることができる。これにより、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【0016】
また、前記把持部材は、前記係止孔に係止される係止部と、前記係止部に一端が取り付けられた伸縮自在なロープと、前記ロープの他端に設けられた把持部と、を備えていることが好ましい。この構成では、ロープの伸縮を利用して、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の振動運動器具では、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。各実施形態において、同様の部分には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
以下の説明において、前後左右上下の方向は、実施形態の振動運動器具を説明するために便宜的に設定したものであり、本発明の振動運動器具の構成を限定するものではない。なお、以下の各実施形態では、前側の左右の脚部に対してアーム部材を設けたものを例にして説明する。
【0020】
(第1実施形態)
振動運動器具1は、
図1に示すように、床面G上に置いて使用するものであり、ベース部10と、ベース部10の下部に設けられた脚部20と、ベース部10の上部に設けられ使用者Hが搭乗可能な振動台30(
図10参照)と、使用者Hが把持可能な把持部材40とを備えている。振動運動器具1は、振動台30の上に搭乗する使用者Hの多彩なポージングやエクササイズを実現することが可能である(
図10参照)。
【0021】
ベース部10は、
図2に示すように、下面視で略矩形状を呈している。ベース部10は、内部に枠状の図示しないフレームを備えており、このフレームの周りを覆うようにカバー部材10aが装着されている。ベース部10の内部には、振動台30を振動させるための図示しない駆動手段が備わる。駆動手段は、駆動モータや、駆動モータによって駆動される振動発生装置等からなる。振動発生装置で発生した振動は、図示しない伝達部材等を介して振動台30に伝達される。
【0022】
ベース部10の外縁部には、脚部20が設けられている。本実施形態では、カバー部材10aの4つの角部に、下面視で円形状の脚部20が取り付けられている。4つの脚部20のうち、前側の左右の脚部20,20には、
図2,
図3に示すように、回動により出没可能なアーム部材50,50が設けられている。脚部20及びアーム部材50の詳細は後記する。
【0023】
カバー部材10aの左側下面には、
図2に示すように、振動運動器具1を移動させる際に使用する移動用ローラ13が設けられている。
なお、カバー部材10aの側部には、図示しない電源コードの差込口や主電源スイッチ、接続ポート等が設けられている。
【0024】
振動台30は、図示しない駆動手段によってベース部10に対して上下方向に振動する。振動台30は、図示しないフレームによって中央下部がベース部10に支持され、左右両側部分が上下方向に移動可能に支持されている。振動台30は、前記した駆動手段(振動発生装置)により左右両側部分が上下方向に交互に振動するように構成されている。
振動台30は、下面視で略楕円形状を呈している。振動台30は、
図2に示すように、外周縁部の全体がベース部10の外縁部よりも側方に突出している。つまり、振動台30は、ベース部10よりも大きく形成されており、上面視でベース部10の全体を覆っている。これにより、振動台30上には、十分な足載せ領域が確保されている。
なお、振動台30の上面には、図示しない滑り止めを有する。滑り止めは、例えば、摩擦係数が高いゴム等の材料で、滑り難いように形成された複数のリブで構成されている。
【0025】
振動台30の前部上面には、
図1に示すように、ディスプレイ31を備えた操作パネル32が備わる。操作パネル32には、電源ボタンの他、モードボタン、スピード調節ボタン、音楽再生停止ボタン等が備わる。ディスプレイ31は、操作パネル32の各種ボタンの操作に基づく設定状態や作動状態等を表示する複数のディスプレイを含む。なお、振動運動器具1は、操作パネル32の操作に代えて、手指で把持するリモコンや、手首等に装着可能なリモコン等を用いることによっても、各種の設定を行うことができる。また、リモコンは、振動運動器具1と通信可能な携帯電話やスマートフォン等の携帯端末を用いてもよい。
【0026】
振動台30の下面の右側部及び左側部には、
図2に示すように、凹状の手掛け部33が形成されている。振動台30の右側部の手掛け部33は、ベース部10の移動用ローラ13の反対側に位置している。言い換えると、移動用ローラ13は、振動台30の左側部の手掛け部33と上下方向に離間する位置に配置してある。使用者Hは、振動運動器具1を移動させる際に、手掛け部33に手指を掛けて床面G上から振動運動器具1を引き起こしつつ、床面G上を移動用ローラ13で転がして移動方向に引っ張る。これにより、使用者Hは、振動運動器具1を容易に移動できる。なお、移動用ローラ13は、振動台30の左側部でなく、振動台30の右側部の手掛け部33と上下方向に離間する位置に配置してもよい。
【0027】
次に脚部20について説明する。脚部20は、ベース部10(カバー部材10a)の4つの角部にそれぞれ取り付けられており、
図2に示すように、角部から側方に一部が突出するように配置されている。脚部20は、脚部本体21と、脚部本体21の下面中央に取り付けられた防振部材22と、を備えている。そして、本実施形態の振動運動器具1は、
図2〜
図4に示すように、4つの脚部20のうち、前側の左右の脚部20,20に、アーム部材50,50が取り付けられている。以下では、このアーム部材50の取り付けられた前側の左側の脚部20を例にとって詳細に説明する。
【0028】
脚部本体21は、
図5,
図6に示すように、略有底円筒状を呈している。脚部本体21は、合成樹脂材によって一体に形成されている。脚部本体21は、円筒状の外周壁(円弧状の外周部)21aと、外周壁21aに連続する第1底壁21b及び第2底壁21cと、第1底壁21bと第2底壁21cとを繋ぐ中間側壁21dと、を備えている。
【0029】
第1底壁21bは、
図5に示すように、脚部本体21の中心側から周縁側へ向かうにつれて広がる、平面視で概ね扇状の形状を呈している。第1底壁21bには、防振部材22(
図2参照、以下同じ)を取り付けるための取付孔211が形成されている。取付孔211の周りには、放射状のリブ212が形成されている。一方、
図6に示すように、第1底壁21bの下面には、取付孔211を囲む環状のリブ211aが突設されている。環状のリブ211aは、防振部材22の上端部を位置決めする。防振部材22は、この取付孔211を通じてベース部10のフレームに固定される図示しない取付ボルトによって第1底壁21bの下面側に固定される。
また、第1底壁21bには、
図5に示すように、有底の円形穴213が形成されている。円形穴213には、ベース部10(
図2参照)の角部の下面に設けられた図示しない位置決め突起が装着される。
【0030】
このような第1底壁21b上には、第1底壁21bとこれに連続して立ち上がる中間側壁21dとによって囲まれる、平面視で概ね扇状の装着領域21Aが形成される。この装着領域21Aは、カバー部材10a(
図2参照)の角部に対応する形状を有している。第1底壁21bと中間側壁21dは、カバー部材10aの角部に当接する。
【0031】
第2底壁21cは、中間側壁21dに連続して形成されており、第1底壁21bよりも一段高くなっている。第2底壁21cは、平面視で略L字形状を呈している。第2底壁21cの両端部分には、2つの取付ボス部214が上方へ向けて突設されている。第2底壁21cの下面には、
図6に示すように、各取付ボス部214に対応して、各取付ボス部214よりも大径とされたボス部214aが突設されている。各取付ボス部214には、図示しない固定ねじが螺合される。脚部本体21は、前記した防振部材22用の固定ボルト及び各取付ボス部214に螺合する固定ねじによって、カバー部材10aに固定される。
【0032】
また、第2底壁21cには、
図5に示すように、ねじ孔216が形成されている。第2底壁21cの下面には、
図6に示すように、各ねじ孔216に対応するボス部216aが突設されている。各ボス部216aには、図示しない固定ねじが螺合される。これらの固定ねじの螺合により、脚部カバー215(
図1参照)が脚部本体21に固定されている。
さらに、第2底壁21cには、
図5に示すように、断面六角形のボルト挿通孔217が形成されている。第2底壁21cの下面には、
図6に示すように、ボルト挿通孔217に対応するボス部217aが突設されている。
【0033】
また、第2底壁21cの下面には、アーム部材50を支持する補強部材として複数の板状の補強リブ220〜225が突設されている。このうち、補強リブ220は、脚部本体21の外周壁21aの内面からボス部217aに交差して中間側壁21dの内面に至るリブである。また、補強リブ221,222は、補強リブ220と間隔を空けて平行に形成されており、外周壁21aの内面から中間側壁21dの内面に至るリブである。
【0034】
補強リブ222には、
図6に示すように、下方へ向けて突出する第1当接部230が形成されている。第1当接部230には、アーム部材50を脚部本体21の下側に収容した際に、アーム部材50の後記する段差部51aが当接する。つまり、第1当接部230は、収容時におけるアーム部材50の位置決め手段として機能する。また、第1当接部230は、アーム部材50の回動角度を規制する規制手段として機能する。
【0035】
また、補強リブ223は、補強リブ220〜222に交差するとともに、外周壁21aの内面からボス部216a,ボス部217a及びボス部216aに交差して反対側の外周壁21aの内面に至るリブである。さらに、補強リブ224は、外周壁21aの内面からボス部216aに交差して中間側壁21dの内面に至るリブである。
【0036】
一方、補強リブ221と補強リブ223とが交差する部分には、下方へ向けて突出する第2当接部(当接壁)231が形成されている。第2当接部231には、アーム部材50を脚部本体21の前側に突出させた際に、アーム部材50の後記する段差部51aが当接する。つまり、第2当接部231は、突出時(使用時)におけるアーム部材50の位置決め手段として機能する。また、第2当接部231は、アーム部材50の回動角度を規制する規制手段として機能する。
【0037】
また、補強リブ225は、補強リブ223の一面からボス部214aに交差して中間側壁21dの内面に至るリブである。
【0038】
本実施形態では、ボルト挿通孔217に対応するボス部217aの周りに補強リブ220〜223が集中している。ボルト挿通孔217には、
図7,
図8に示すように、支持ボルト218が挿入されている。支持ボルト218の頭部218aは、ボルト挿通孔217の底部217bに当接して回動不能に位置決めされる。支持ボルト218の先端部は、ボス部217aの端部よりも下方に突出しており、アーム部材50の一端部52を支持する。支持ボルト218の先端部には、ワッシャ218bを介してナット218cが螺合されている。これにより、アーム部材50は、支持ボルト218に対して回動可能かつ脱落不能に支持されている。
【0039】
また、
図7に示すように、支持ボルト218には、リング状の緩衝部材219が介設されている。緩衝部材219は、例えば、ゴムやシリコン等の弾性を有する材料から形成されている。緩衝部材219は、支持ボルト218が挿通されるリング状の形状であり、例えば、ボス部217aの先端下面とアーム部材50の一端部52の上面との間に配置されている。緩衝部材219は、ボス部217aの先端下面とアーム部材50の一端部52の上面との衝突を緩和し、衝突による振動や衝撃音を抑制する。また、緩衝部材219は、ワッシャ218bとともに配置してもよく、また、ワッシャ218bに代えて配置してもよい。
【0040】
次に、アーム部材50について詳細に説明する。アーム部材50は、
図2に示すように、脚部本体21の下側に略全体が隠れるように収容される位置と、
図3,
図4に示すように、振動運動器具1から突出する位置(例えば、前側)との間で位置を回動可能に設けられた部材である。言い換えると、アーム部材50は、脚部本体21の下側に略全体が隠れる収容位置と、振動運動器具1から突出する突出位置とに出没可能である。アーム部材50は、一端部52に挿通される支持ボルト218(
図7,
図8参照)を中心として回動可能である。アーム部材50は、把持部材40(
図10参照)を支持する支持部材として機能する。
【0041】
アーム部材50は、例えば、金属製の板状の部材からなる。アーム部材50は、
図9(a)に示すように、下面視で脚部本体21の外周壁21aに沿う円弧状を呈している。アーム部材50は、円弧状に延在する胴部51と、胴部51の一端に設けられた一端部52と、胴部51の他端に設けられた他端部53と、を備えている。胴部51は、
図9(a)に示すように、脚部本体21の外周壁21aの外径よりも小径とされた外縁部51bを有している。
【0042】
一端部52は、
図7に示すように、段差部51aを介して胴部51よりも一段上側に位置しており、支持ボルト218の先端部が挿通される挿通孔52eを備えている。一端部52は、ボス部217aの下面に対向する平らな面を備えており、その上面は、胴部51の上面と平行である。
段差部51aは、
図9(a)に示すように、アーム部材50が脚部本体21の下側に略全体が隠れるように収容される位置で、補強リブ222の第1当接部230に当接する。言い換えると、アーム部材50は、第1当接部230に当接して回動角度を規制されて収容状態になる。
【0043】
他端部53は、
図8,
図9(a)に示すように、胴部51に対して脚部本体21の径方向外側に向けて略直角に延在している。他端部53の先端部は、
図8に示すように、上方へ向けて略直角に折れ曲がる屈曲部53aとなっている。屈曲部53aの少なくとも上方へ折れ曲がる部分は、脚部本体21の下側にアーム部材50を収容した状態で、脚部本体21の外周壁21aに沿うように位置し、アーム部材50を手指で回動する際の摘み部として機能する。屈曲部53aには、把持部材40の係止孔として機能する長孔54が形成されている。長孔54は、屈曲部53aの折れ曲がり部分に亘るように形成されており、単なる円孔に比べて下方から側方に大きく開口している。つまり、アーム部材50の他端部53(屈曲部53a)は、アーム部材50を回動する際のハンドルとして機能し、また、把持部材40を接続する接続部として機能する。
【0044】
以上のようなアーム部材50は、
図2,
図9(a)に示すように、使用しない際には、脚部本体21の下側に回動させて略全体が隠れるように収容できる。この場合、
図2に示すように、アーム部材50の他端部53は、ベース部10及び振動台30の下方に位置するので、脚部20の上方から視て脚部20の前記下面に隠れるように収容される。言い換えると、振動運動器具1は、アーム部材50を収容した状態で、アーム部材50が上方から見え難くい状態になる。つまり、アーム部材50は、他の物に当たったり引っ掛かったりし難い状態になる。
また、使用者Hは、振動運動器具1に把持部材40を取り付けて使用する際に、脚部本体21の前側にアーム部材50を回動させて突出させる。このようにすると、
図3,
図4,
図9(b)に示すように、アーム部材50の他端部53が、振動台30の上方から見て前方に突出するので把持部材40を装着し易い。また、使用者Hは、
図10に示すように、振動運動器具1を使用中に様々なポージングを行う場合にも把持部材40の後記するロープ42が振動台30に接触し難い。このため、使用者Hは、振動運動器具1を使用して多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【0045】
把持部材40は、
図10に示すように、係止部41と、係止部41に一端が取り付けられた伸縮自在なロープ42と、ロープ42の他端に取り付けられた把持部43と、を備えている。
【0046】
係止部41は、
図11(a)に示すように、係止作業の自由度が高く、しかも外れ難いロック式のカラビナからなる。なお、係止部41としては、リング状の部材等、種々の接続部材を採用することができる。また、係止部41は必ずしも必要ではなく、ロープ42を直接係止するようにしてもよい。
【0047】
ロープ42は、例えば、合成ゴム製である。このため、ロープ42は延在方向に伸縮自在である。ロープ42の一端は、U字状に折り返されてカラビナ41に取り付けられている。なお、ロープ42はポージング等に適切な伸縮性を有するものであれば、他の材料からなるものを採用できる。
把持部43は、使用者Hが手指で掴む部分であり、本実施形態では、ロープ42の他端を環状に折り返して把持部43を構成している。なお、把持部43は、別部材のハンドル等をロープ42と接続しても構成できる。
【0048】
把持部材40を使用する際には、まず、脚部20に収容されているアーム部材50の他端部53を手指で摘み、これを前側に回動させることで、アーム部材50を脚部20の前側に突出させる。このとき、アーム部材50は、
図9(b)に示すように、補強リブ221の第2当接部231に当接する。言い換えると、アーム部材50は、第2当接部231に当接して回動角度を規制されて突出状態になる。
【0049】
その後、
図11(a)に示すように、把持部材40の係止部41をアーム部材50の他端部53に近づける。そして、
図11(b)に示すように、係止部41のゲート41aを開いて、他端部53(屈曲部53a)の長孔54にノーズ41bを差し込む。長孔54は、先端下面から先端側面に亘って開口しているので、ノーズ41bを差し込み易い。
【0050】
その後、ゲート41aがアーム部材50の他端部53を乗り越えると、
図11(c)に示すように、ゲート41aがノーズ41bに当接して係止部41を閉じる。これにより、使用者Hは、把持部材40の係止部41とアーム部材50の他端部53とを容易に係止できる。
【0051】
以上説明した本実施形態の振動運動器具1では、把持部材40を利用してエクササイズを行う場合に、ベース部10の脚部20の前側にアーム部材50を回動させて突出させることができる。したがって、本実施形態の振動運動器具1は、ベース部10や振動台30からより離れた位置にアーム部材50を位置させて把持部材40を利用できる。これにより、本実施形態の振動運動器具1では、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。また、本実施形態の振動運動器具1は、使用者Hの体表に近い表層筋や骨に近い深層筋(インナーマッスル)を効果的に刺激できる。また、使用者Hは、振動運動器具1の振動によって身体の血行を促進できる。
【0052】
また、アーム部材50は、回動によって突出するので、好みの回動位置にアーム部材50を位置させて把持部材40を利用することも可能である。したがって、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。なお、アーム部材50が回動する途中の複数の位置でアーム部材50がロックされるように構成してもよい。この場合、アーム部材50の回動角度をロックする位置決め手段(ロック機構)としては、例えば、アーム部材50の回動する軌道上にアーム部材50と当接する突起等を設けることが挙げられる。このようなロック機構により、アーム部材50の回動角度をロックできる。このように構成することで、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【0053】
また、本実施形態の振動運動器具1のアーム部材50は、把持部材40を使用しないときに、アーム部材50を脚部20に収容できる。このため、本実施形態の振動運動器具1は、外観の意匠性に優れるとともに、振動運動器具1の移動や運搬のときにアーム部材50に物が引っ掛かったり、つまずいたりし難く、振動運動器具1の使い勝手を向上できる。
【0054】
また、アーム部材50は、振動台30の上方から視て振動台30の外縁部よりも外側に突出する位置に回動可能であるので、把持部材40(主としてロープ42)の振動台30への干渉を防止できる。したがって、使用者Hは、振動運動器具1を使用して、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。なお、アーム部材50は、少なくとも一部(他端部53)が振動台30の外縁部よりも外側に突出するものであってもよい。
【0055】
また、アーム部材50は、先端部に屈曲部53aを有し、屈曲部53aには、折れ曲がり部分に亘って長孔54が形成されている。このため、使用者Hは、把持部材40の係止部41とアーム部材50の他端部53とを係止し易い。
【0056】
また、アーム部材50は、脚部20の外周壁21aに沿って収容できるので、脚部20の下面中央部のスペースを有効に利用して防振部材22を配置でき、振動運動器具1をコンパクトにできる。
【0057】
また、アーム部材50は、脚部本体21の第1当接部230、第2当接部231によって突出位置及び収容位置に容易にアーム部材50を位置決めできる。したがって、アーム部材50の回動作業が行い易い。
【0058】
また、アーム部材50は、緩衝部材219を介して脚部本体21に回動可能に支持されているので、ベース部10から脚部20を通じてアーム部材50に伝わる振動を好適に抑制できる。
【0059】
また、アーム部材50は、振動台30の上方から視て脚部20の下面に隠れるように収容されるので、防振部材22により形成された脚部本体21の下面と床面Gとの間に形成されるスペースを利用して収容できる。したがって、アーム部材50の収容構造を簡単な構成で実現できる。
【0060】
また、把持部材40は、長孔54に係止される係止部41と、伸縮自在なロープ42と、把持部43と、を備えている。このため、使用者Hは、振動運動器具1を使用する際にロープ42の伸縮を利用して、より多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【0061】
(第2実施形態)
図12,
図13を参照して第2実施形態に係る振動運動器具について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるところは、アーム部材150を第1アーム部材150A及び第2アーム部材150Bの2つの部材から構成した点にある。
【0062】
第1アーム部材150A及び第2アーム部材150Bは、
図12(a)(b)に示すように、脚部本体21の下側において上下に重ねて収容されている。第1アーム部材150A及び第2アーム部材150Bは、
図12(b)に示すように、連結ボルト156及び連結ボルト156に螺合されるナット157によって他端部153A,153B同士が回動可能に連結されている。第1アーム部材150Aの他端部153A及び第2アーム部材150Bの他端部153Bには、連結ボルト156が挿通される連結ボルト孔155A,155Bが形成されている。第1アーム部材150Aの一端部152Aは、支持ボルト218及び支持ボルト218に螺合されるナット218cにより、回動可能かつ脱落不能に脚部本体21に支持されている。
【0063】
第2アーム部材150Bの先端部である一端部152Bには、係止部としての長孔154が形成されている。
【0064】
以上のようなアーム部材150は、
図12(a)に示すように、使用しない際には、脚部20の脚部本体21の下側に回動させてアーム部材150の略全体を脚部20の下方に隠れるように収容できる。この場合、第2アーム部材150Bの一端部152Bは、図示しないベース部10及び振動台30の下方に位置するので見え難く、他の物に当たったり引っ掛かったりするようなこともない。
【0065】
また、使用時には、脚部本体21の前側にアーム部材150を回動させて突出させる(
図12(c),
図13参照)。このようにすると、第2アーム部材150Bの一端部152Bが、図示しない振動台30の上方から見て振動台30よりも前方に突出するので図示しない把持部材40(係止部41)を装着し易い。また、使用中に使用者Hが様々なポージングを行った場合にも図示しない把持部材40(主としてロープ42)が振動台30に接触し難い。
【0066】
本実施形態では、脚部20から前方に第1アーム部材150A及びこれに連続する第2アーム部材150Bを突出させることができるので、第1実施形態のアーム部材50と比較して、ベース部10からより離れた位置にアーム部材150を突出させることができる。これにより、使用者Hは、振動運動器具1を使用して、よりダイナミックで多彩なポージングやエクササイズを実現できる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、アーム部材50(150)は、円弧状のものに限られることはなく、脚部20の脚部本体21に隠れるものであれば、種々の形状のものを採用することができる。また、アーム部材50(150)は、脚部20に出没自在であればよい。例えば、アーム部材50(150)は、直線状の形状に形成して脚部20からスライドして出没してもよい。また、アーム部材50(150)を、スライドさせて出没させる場合は、適宜に位置決め手段を設けてスライド状態を更に安定させてもよい。
【0068】
また、アーム部材50(150)は、脚部20の脚部本体21の下側に収容されて隠れるものに限られることはなく、脚部20の脚部本体21の外周壁21aから突出して外周壁21a内に隠れるように構成してもよい。
【0069】
また、長孔54(154)の形成位置は、アーム部材50(150)の屈曲部53a(153a)に限られるものではなく、アーム部材50(150)の胴部51(151A,151B)に設けてもよい。また、長孔54(154)は、任意の複数の箇所に設けてもよい。
【0070】
また、アーム部材50(150)は、脚部20の左右側方に突出するように構成してもよい。
また、後側の左右脚部20に対してアーム部材50(150)をそれぞれ設けてもよい。また、アーム部材50(150)は、前側の脚部20と後側の脚部20との両方に設けてもよい。
【0071】
また、アーム部材50(150)において、屈曲部53a(153a)は、上方へ向けて折れ曲がるものを示したが、これに限られることはなく、下方に折れ曲がるように構成されたものや、脚部本体21の外周壁21aの周方向に折れ曲がるように構成されたものであってもよい。
また、アーム部材50(150)において、屈曲部53a(153a)は、折れ曲がり角度を任意に設定できる。
また、アーム部材50(150)において、段差部51a(151a)は必ずしも設けなくてもよい。
【解決手段】ベース部10と、ベース部10の外縁部に設けられた脚部20と、ベース部10に対して振動可能に設けられ使用者Hが搭乗可能な振動台30と、振動台30に搭乗した使用者Hが把持可能な把持部材40を接続可能なアーム部材50と、を備えている。脚部20には、アーム部材50が出没自在に設けられている。アーム部材50には、把持部材40の端部が係止される係止孔54が設けられている構成とした。