(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
昇降路を昇降するくし型ケージと、前記昇降路に沿って設けられた複数の格納棚と、前記昇降路と各格納棚との間で車を載せて水平移動可能な複数のくし型トレイと、を有する格納装置と、
前記昇降路の外側に設けられ前記車が入出庫する入出庫位置を有するバースと、
前記くし型ケージと同一平面の同一位置において互いに干渉しない形状を有する入出庫トレイと、
バース内の前記入出庫位置と前記昇降路内の載替位置との間で前記車を載せた前記入出庫トレイを水平移動可能なトレイ移動装置と、
前記バース内に設けられ、前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイの格納装置側に隣接し、前記車が入出庫する入出庫高さと、前記入出庫トレイより下方に位置する退避高さとの間で昇降可能な昇降床と、
前記バース内に設けられ、前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイの反格納装置側に隣接して固定された固定床と、
前記バースの長手方向両端部に設けられ、前記昇降床及び前記固定床とバース建屋との隙間を塞さぎ、その上面が前記入出庫高さと実質的に同一高さに位置する補助固定床と、を備え、
前記バースの長手方向と前記車の入出庫方向が同一であり、
前記昇降床と前記固定床は、前記入出庫トレイの幅方向端部に形成された複数の歯部のそれぞれと前記入出庫方向に隣接し同一平面で位置が異なる歯部からなる複数の歯部と、前記入出庫トレイの幅方向端部において前記複数の歯部が形成されていない前記入出庫方向における範囲において前記入出庫トレイとの隙間を塞ぐ閉鎖板とを有する、バース付きフォークパーキング。
前記トレイ移動装置は、前記入出庫トレイの長手方向両端部を前記入出庫位置と前記載替位置の間で幅方向に水平移動可能に支持する複数の横行ローラと、前記横行ローラを回転駆動するローラ駆動装置と、を有する、請求項1に記載のバース付きフォークパーキング。
前記入出庫位置の下方に設けられ、前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイを昇降かつ水平旋回可能な昇降旋回装置を備える、請求項1に記載のバース付きフォークパーキング。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフォークパーキングは、特許文献1に開示されているように、同一位置で互いに干渉しないように互いに位置の異なる歯部を有するくし型ケージとくし型トレイを用いる。
また、くし型ケージは、その歯部に車の車輪を載せて昇降路を昇降し、くし型トレイは、その歯部に車の車輪を載せて格納棚と昇降路の間を横行する。
【0005】
上述した従来のフォークパーキングでは、運転手が車を運転して、入庫時にケージ昇降部(例えば昇降路の最下端)に位置するくし型ケージの上に車を搬入し、かつ出庫時に同じ位置のくし型ケージの上から車を搬出する。
しかし、くし型ケージは、四隅がワイヤ(又はチェーン)で吊り下げられている。また、くし型ケージは、昇降路を昇降するため、幅及び長さが可能な範囲で小さくなっている。そのため、従来のフォークパーキングでは、入出庫する駐車場内が棚柱やワイヤ(又はチェーン)等で囲まれて狭く、入出庫時に圧迫感があり、入出庫が困難であった。
【0006】
この問題点を解決するため、特許文献2では、ケージ昇降部に達する前後2列のベルトコンベヤを備えた入出庫バースと、ベルトコンベヤとくし型ケージの間で車両を移載させる車両移載装置とを備える。
しかし、車両移載装置は、くし型ケージと干渉することなく、ベルトコンベヤ上の車両をくし型ケージの上まで搬送する必要があり、構造と方法が複雑となる。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、圧迫感が少なく、運転手が車を運転して容易に入出庫ができるバース付きフォークパーキングとその入出庫方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、昇降路を昇降するくし型ケージと、前記昇降路に沿って設けられた複数の格納棚と、前記昇降路と各格納棚との間で車を載せて水平移動可能な複数のくし型トレイと、を有する格納装置と、
前記昇降路の外側に設けられ前記車が入出庫する入出庫位置を有するバースと、
前記くし型ケージと同一平面の
同一位置において互いに干渉しない形状を有する入出庫トレイと、
バース内の前記入出庫位置と前記昇降路内の載替位置との間で前記車を載せた前記入出庫トレイを水平移動可能なトレイ移動装置と、
前記バース内に設けられ、前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイの格納装置側に隣接し、前記車が入出庫する入出庫高さと、前記入出庫トレイより下方に位置する退避高さとの間で昇降可能な昇降床と、
前記バース内に設けられ、前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイの反格納装置側に隣接して固定された固定床と、
前記バースの長手方向両端部に設けられ、前記昇降床及び前記固定床とバース建屋との隙間を塞さぎ、その上面が前記入出庫高さと実質的に同一高さに位置する補助固定床と、を備え、
前記バースの長手方向と前記車の入出庫方向が同一であり、
前記昇降床と前記固定床は、前記入出庫トレイの
幅方向端部に形成された複数の歯部のそれぞれと前記入出庫方向に隣接し同一平面で位置が異なる歯部
からなる複数の歯部と、前記入出庫トレイの幅方向端部
において前記複数の歯部が形成されていない前記入出庫方向における範囲において前記入出庫トレイとの
隙間を塞ぐ閉鎖板とを有する、バース付きフォークパーキングが提供される。
【0009】
前記トレイ移動装置は、前記入出庫トレイの長手方向両端部を前記入出庫位置と前記載替位置の間で幅方向に水平移動可能に支持する複数の横行ローラと、前記横行ローラを回転駆動するローラ駆動装置と、を有する。
【0011】
前記入出庫位置の下方に設けられ、前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイを昇降かつ水平旋回可能な昇降旋回装置を備える。
【0012】
前記トレイ移動装置は、前記格納装置の下部、中間、又は上部に設けられる。
【0013】
また本発明によれば、上述したバース付きフォークパーキングの入出庫方法であって、
(A)前記バース内の前記入出庫位置に位置する前記入出庫トレイの上に、前記車を入庫させ、
(B)前記トレイ移動装置により、前記入出庫位置から前記載替位置まで前記車を載せた前記入出庫トレイを水平移動させ、
(C)前記格納装置の前記くし型ケージを前記車の下方から上昇させて、前記車を前記入出庫トレイから前記くし型ケージに載せ替える、バース付きフォークパーキングの入出庫方法が提供される。
【0014】
また本発明によれば、上述したバース付きフォークパーキングの入出庫方法であって、
(A)出庫する前記車を載せた前記格納装置の前記くし型ケージを下降させて、前記車を前記くし型ケージから前記載替位置に位置する前記入出庫トレイに載せ替え、
(B)前記トレイ移動装置により、前記載替位置から前記バース内の前記入出庫位置まで前記車を載せた前記入出庫トレイを水平移動させ、
(C)前記入出庫位置から、前記車を出庫させる、バース付きフォークパーキングの入出庫方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明の装置と方法によれば、格納装置の昇降路の外側にバースを備えており、トレイ移動装置によりバース内の入出庫位置と昇降路内の載替位置との間で車を載せた入出庫トレイを水平移動する。
従って、バース内の入出庫位置のまわりに棚柱等を設ける必要がないので、圧迫感が少ない入出庫位置において、運転手が車を運転して容易に入出庫ができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明によるバース付きフォークパーキング100の第1実施形態図である。
この図において、本発明のバース付きフォークパーキング100は、格納装置10、バース20、入出庫トレイ30、及びトレイ移動装置40を備える。
【0019】
格納装置10は、くし型ケージ12、複数の格納棚14、及び複数のくし型トレイ16を有する。
くし型ケージ12は、例えば四隅がワイヤ(又はチェーン)で吊り下げられて、昇降路2を昇降する。
複数の格納棚14は、昇降路2に沿って好ましくは両側に設けられる。
複数のくし型トレイ16は、昇降路2と各格納棚14との間で車1を載せて水平移動可能に構成されている。
【0020】
図2は、
図1のA−A矢視図である。
この図において、3は建屋、4はガイドレール、5は建屋3の柱、6は水平梁、7はガイドレール4を支持するレールサポートである。
【0021】
図2において、左右の格納棚14の長手方向両端部には、棚部支持部材13aが水平に設けられている。また、棚部支持部材13aには、複数の横行ローラ15が同一高さで幅方向に間隔を隔て、かつ軸心を中心に回転可能に取り付けられている。
【0022】
さらに、この図において昇降路2の長手方向両端部には、中央支持部材13bが棚部支持部材13aと同一高さに水平に設けられている。また、中央支持部材13bには、複数の横行ローラ15が同一高さで幅方向に間隔を隔て、かつ軸心を中心に回転可能に取り付けられている。
【0023】
さらに、棚部支持部材13a及び中央支持部材13bは、それぞれに取り付けられた横行ローラ15を回転駆動するローラ駆動装置(図示せず)をそれぞれ有する。
【0024】
図2において、くし型ケージ12とくし型トレイ16は、同一位置で互いに干渉しないように、それぞれ互いに位置の異なる歯部12a,16aを有している。
また、くし型ケージ12は、その歯部12aに車1の車輪1aを載せて昇降路2を昇降し、くし型トレイ16は、その歯部16aに車1の車輪1aを載せて格納棚14と昇降路2の間を横行するようになっている。
【0025】
上述した構成により、横行ローラ15を回転駆動することで、歯部16aに車1を載せたくし型トレイ16を格納棚14と昇降路2の間で横行させることができる。
【0026】
また、任意の段において、くし型トレイ16を昇降路2の中央に横行させた状態において、くし型ケージ12とくし型トレイ16の歯部12a,16aが互いに干渉せずに、くし型ケージ12が昇降路2を昇降することができる。
従って、車1を載せたくし型ケージ12が、上から下に下降することにより、昇降路2の中央に位置するくし型トレイ16に車1を載せ替えることができる。また、逆に、くし型ケージ12が、下から上に上昇することにより、車1を載せたくし型トレイ16からくし型ケージ12に車1を載せ替えることができる。
【0027】
図1において、バース20は、昇降路2の外側に設けられ車1が入出庫する幅方向の位置(以下、「入出庫位置X」)を有する。入出庫位置Xにおいて車1が入出庫する高さ(車輪1aの支持高さ)を以下、「入出庫高さH」と呼ぶ。
また、入出庫高さHと昇降路2の中心線との交点位置を以下、「載替位置Y」と呼ぶ。
【0028】
なお、この例では
図1に示すように、格納装置10は、載替位置Yの隣(図で左側)にも、格納棚14を有し、車1を格納することができる。従って、バース20のない通常のフォークパーキングよりも駐車台数を1台増やすことができる。
【0029】
バース20は、この例では、格納装置10の図で右側に隣接して設けられている。
なお、昇降路2の外側に位置する限りで、バース20の一部が格納装置10の内部に位置してもよい。
バース20の幅、奥行き、高さは、運転手が圧迫感を感じず、車1を運転して容易に外部との間で入出庫ができるように十分大きく設定することが好ましい。
【0030】
入出庫トレイ30は、格納装置10のくし型ケージ12と同一平面において互いに干渉しない形状を有する。すなわち、入出庫トレイ30は、同一位置でくし型ケージ12と互いに干渉しないように、くし型ケージ12の歯部12aと位置が異なる歯部31a(
図3参照)を有している。
入出庫トレイ30は、格納装置10のくし型トレイ16と同一であるのが好ましいが、くし型ケージ12と同一平面において互いに干渉しない限りで異なってもよい。
トレイ移動装置40は、バース内の入出庫位置Xと昇降路内の載替位置Yとの間で車1を載せた入出庫トレイ30を水平移動可能に構成されている。
【0031】
図3は、
図1のB−B矢視図である。
この図において、8はバース建屋、9はバース建屋8のバース柱である。
また
図1と
図3において、トレイ移動装置40は、複数の横行ローラ42とローラ駆動装置44とを有する。
【0032】
格納装置10とバース20の長手方向両端部(
図3で上下端部)には、ローラ支持部材46が水平に設けられている。ローラ支持部材46は、
図1では、入出庫位置Xの支持部材46a、載替位置Yの支持部材46b、及びその間の支持部材46c,46dに分割され、それぞれの間には、入出庫トレイ30が通過可能な隙間が設けられている。
なお、本発明はこの構成に限定されず、支持部材46a,46b,46c,46dの一部又は全部を一体に形成してもよい。
【0033】
図1と
図3において、ローラ支持部材46(支持部材46a,46b,46c,46d)には、複数の横行ローラ42が同一高さで幅方向に間隔を隔て、かつ軸心を中心に回転可能に取り付けられている。複数の横行ローラ42は、入出庫トレイ30の長手方向両端部を入出庫位置Xと載替位置Yとの間で幅方向に水平移動可能に支持する。
【0034】
横行ローラ42及びローラ支持部材46は、格納装置10の横行ローラ15及び棚部支持部材13aと同一であるのが好ましいが、異なってもよい。
【0035】
ローラ駆動装置44は、複数の横行ローラ42を回転駆動する。
ローラ駆動装置44は、支持部材46a,46b,46c,46dに取り付けられた複数の横行ローラ42を、支持部材毎に独立に回転駆動できることが好ましい。しかし、本発明はこの構成に限定されず、複数の横行ローラ42の全てを同期して駆動してもよい。
【0036】
図1と
図3において、本発明のバース付きフォークパーキング100は、さらに昇降扉50、昇降床52、及び固定床54を備える。
【0037】
格納装置10とバース20の間には、車1を載せた入出庫トレイ30が通過可能な開口18が設けられている。
昇降扉50は、開口18を全閉可能な大きさを有し、上昇時に開口18を全開し、下降時に開口18を全閉するようになっている。この構成により、運転手が車1を運転してバース20に入庫する際、及びバース20から外部へ出庫する際に、開口18を全閉し、格納装置10の内部へのアクセスを確実に防止することができる。
なお、昇降扉50は、この例では1枚であるが、2枚以上で構成してもよい。
【0038】
図3において、昇降床52は、バース内に設けられ、入出庫位置Xに位置する入出庫トレイ30の左側に隣接し、図で上下に位置する支持部材46cの間に位置する。
また、この例で、昇降床52は、入出庫トレイ30の歯部31aと位置が異なる歯部52aと、その他の入出庫トレイ30の隙間を塞ぐ閉鎖板52bとを有する。
歯部52aと閉鎖板52bは、昇降床52の図で右側に固定されており、昇降床52と共に昇降するようになっている。
【0039】
昇降床52は、車1が入出庫する入出庫高さHと、入出庫トレイ30より下方に位置する退避高さLとの間で昇降可能に構成されている。
昇降床52の上面は、入出庫高さHにおいて入出庫高さHと実質的に同一高さに位置する。また、昇降床52の上面は、退避高さLにおいて水平移動する入出庫トレイ30の下面より下方に位置する。
【0040】
図3において、固定床54は、入出庫位置Xに位置する入出庫トレイ30の右側に隣接する。また、この例で、固定床54は、入出庫トレイ30の歯部31aと位置が異なる歯部54aと、その他の入出庫トレイ30の隙間を塞ぐ閉鎖板54bとを有する。
歯部54aと閉鎖板54bは、固定床54の図で左側に固定されており、固定床54の上面は入出庫トレイ30の上面(入出庫高さH)と実質的に同一高さに位置する。固定床54の歯部54aは、入出庫トレイ30の横行時の抵抗を低減するため、入出庫高さHより人の歩行に支障がない程度低い(好ましくは2〜5mm)ことが好ましい。
なお、必要により、固定床54を昇降床52と同様に昇降するように構成してもよい。
【0041】
図3において、本発明のバース付きフォークパーキング100は、さらに補助固定床55を備える。
補助固定床55は、バース20の長手方向両端部(図で上下端部)に設けられ、昇降床52及び固定床54とバース建屋8との隙間を塞いでいる。補助固定床55の上面は入出庫高さHと実質的に同一高さに位置する。
【0042】
上述した構成により、運転手が車1を運転して外部からバース20に入庫する際、及びバース20から外部へ出庫する際に、入出庫位置Xに位置する入出庫トレイ30のまわり(前後左右)に入出庫トレイ30の上面と実質的に同一高さの床面を形成することができる。これにより、車1の入出庫を容易にし、かつバース20内での人の乗降りを容易にすることができる。
【0043】
また、昇降床52を下降させることで、バース内の入出庫位置Xと載替位置Yとの間で水平移動する入出庫トレイ30と昇降床52との干渉を確実に防止することができる。
【0044】
図4は、
図3のC−C矢視図である。
この図に示すように、入出庫トレイ30の長手方向両端部の端部水平部材32をL形部材で構成し、両端部から突起した板状のレール(又はレ鋼の片フランジ上面)のみが横行ローラ42の上に載る構成であるのがよい。
なお、端部水平部材32は、L形部材に限定されず、その他の水平部材、例えばコの字形部材を用いてもよい。
また、この図に示すように、端部水平部材32の上面を入出庫高さHより低い位置に設定することが好ましい。この構成により、端部水平部材32と補助固定床55との干渉を回避し、かつ補助固定床55と昇降床52の上面を入出庫高さHに設定したままで、その間の表面隙間を小さくできる。
【0045】
図1において、本発明のバース付きフォークパーキング100は、さらに制御装置70を備える。
制御装置70は、操作盤を有するコンピュータ(PC)又はプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であり、操作盤からの指令信号に基づき、上述した各構成機器を制御する。
【0046】
上述した本発明の装置によれば、格納装置10の昇降路2の外側にバース20を備えており、トレイ移動装置40によりバース内の入出庫位置Xと昇降路内の載替位置Yとの間で車1を載せた入出庫トレイ30を水平移動する。
従って、バース内の入出庫位置Xのまわりに棚柱等を設ける必要がないので、圧迫感が少なく、運転手が車1を運転して容易に入出庫ができる。
【0047】
図5は、本発明によるバース付きフォークパーキング100の第2実施形態図である。
この図において、本発明のバース付きフォークパーキング100は、さらに、昇降旋回装置60を備える。
【0048】
図6は、昇降旋回装置60の説明図である。この図において、(A)は、
図5の部分拡大図、(B)は
図6(A)の側面図、(C)は昇降旋回時の模式図である。
この例において、昇降旋回装置60は、水平旋回装置64と昇降装置66とを有する。
【0049】
図6(A)において水平旋回装置64は、例えば回転台62(ターンテーブル)と旋回駆動装置63からなる。旋回駆動装置63は、例えば回転台62に固定されたリングギヤと、これと噛みあうピニオンギヤを回転駆動するモータとからなる。
【0050】
図6(A)において昇降装置66は、例えば昇降フレーム67、昇降用ボールネジ68、ボールナット69、同期スプロケット(図示せず)、及びスラスト軸受(図示せず)からなる。
昇降フレーム67は、その上部に水平旋回装置64が固定され、入出庫位置Xの下方のピット底面に対し上下動可能に取り付けられている。この例で昇降フレーム67の4隅にボールナット69が固定されている。また、ボールナット69と螺号する4本の昇降用ボールネジ68が鉛直に伸び、それぞれの下端はスラスト軸受を介してピット底面に固定されている。
各昇降用ボールネジ68には、同期スプロケット(図示せず)が取り付けられており、これと噛み合うチェーン(図示せず)により、4本の昇降用ボールネジ68が同期して回転するようになっている。さらに、このチェーン又は同期スプロケットを駆動する駆動モータ(図示せず)が設けられている。
【0051】
上述したように昇降旋回装置60は、入出庫位置Xの下方に設けられ、入出庫位置Xに位置する入出庫トレイ30を昇降かつ水平旋回可能に構成されている。この例において、昇降旋回装置60は、入出庫トレイ30の平面視形状より内側に位置する回転台62を有する。
昇降旋回装置60は、
図6(B)(C)に示すように、回転台62の上面高さを入出庫高さHより上の旋回高さH1と入出庫トレイ30の下方との間で昇降させ、かつ水平旋回できるように構成されている。
【0052】
この構成により、
図6(C)に示すように、回転台62を上昇させることにより、回転台62の上に入出庫トレイ30を載せて入出庫トレイ30を旋回高さH1に上昇させ、その上昇位置で水平旋回させることができる。これにより、他の構成機器(トレイ移動装置40、昇降扉50、昇降床52、及び固定床54)との干渉なしに車1を載せた入出庫トレイ30を水平旋回させることができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0053】
図7は、昇降旋回装置60を用いた入出庫方法の説明図である。
この図において、(A)は180°回転と通り抜け、(B)は90°回転を示している。
【0054】
図7(A)において、車1が入出庫トレイ30の上に前進入庫した後、入庫直後又は出庫直前に、回転台62を入出庫高さHより上の旋回高さH1まで上昇させ、車1を載せた入出庫トレイ30を180°回転させる。次いで、前進出庫により入出庫トレイ30から車1を出庫させることができる。
【0055】
また、バース20の前後に入出庫口を設けることにより、
図7(A)において、前進入庫により車1が入出庫トレイ30の上に入庫した後、前進出庫により入出庫トレイ30から車1を出庫させることができる。この場合、昇降旋回装置60は使用しない。
【0056】
図7(B)において、バース20の横方向に入出庫口を設け、入庫時及び出庫時に、車1を載せた入出庫トレイ30を昇降旋回装置60により90°回転させることで、横方向の入出庫口から車1を入庫させ、かつ出庫させることができる。
【0057】
図8は、車1が入出庫する乗込位置の説明図である。
この図において、(A)は下部乗込、(B)は中間乗込、(C)は上部乗込を示している。この例において、トレイ移動装置40は、格納装置10の下部、中間、又は上部に設けられる。
上述した第1実施形態と第2実施形態は、
図8(A)の下部乗込に相当する。
【0058】
図8(A)の下部乗込では、格納装置10の下端に載替位置Y及びトレイ移動装置40が設けられる。
図8(B)の中間乗込では、格納装置10の中間高さに載替位置Y及びトレイ移動装置40が設けられる。
図8(C)の上部乗込では、格納装置10の上端に載替位置Y及びトレイ移動装置40が設けられる。
すなわち、本発明のバース付きフォークパーキング100は、下部乗込に限定されず、中間乗込又は上部乗込であってもよい。
【0059】
図9は、本発明によるバース付きフォークパーキング100の第3,4実施形態図である。
この図において、(A)は第3実施形態図、(B)は第4実施形態図である。
【0060】
図9(A)において、格納装置10の下端に載替位置Y及びトレイ移動装置40が設けられ、2つのバース20が格納装置10の左右両側に設けられている。
この構成により、2つの入出庫位置Xから、それぞれ車1を入出庫させ、入出庫に要する待ち時間を短縮することができる。
なお、車1が入出庫する乗込位置は、下部乗込に限定されず、中間乗込又は上部乗込であってもよい。
【0061】
図9(B)において、格納装置10の下端と中間高さに載替位置Y及びトレイ移動装置40がそれぞれ設けられ、2つのバース20が格納装置10の下端と中間高さに設けられている。
この構成により、2つの入出庫位置Xから、それぞれ車1を入出庫させ、入出庫に要する待ち時間を短縮することができる。
なお、車1が入出庫する乗込位置は、下部乗込と中間乗込に限定されず、その他の位置であってもよい。また、
図8(A)のように2つのバース20を格納装置10の左右両側に設けてもよい。
【0062】
図10と
図11は、本発明によるバース付きフォークパーキング100の入出庫方法の説明図である。
本発明によるバース付きフォークパーキング100は、制御装置70により、操作盤からの指令信号に基づき、以下の入出庫方法を実行する。
【0063】
図10は、車1の入庫方法の説明図である。
図10(A)において、バース内の入出庫位置Xに位置する入出庫トレイ30の上に、車1を入庫させる。
次いで、
図10(B)において、トレイ移動装置40により、入出庫位置Xから載替位置Yまで車1を載せた入出庫トレイ30を水平移動させる。この時点で、くし型ケージ12は載替位置Yの下方に位置している。
次いで、
図10(C)において、格納装置10のくし型ケージ12を車1の下方から上昇させて、車1を入出庫トレイ30からくし型ケージ12に載せ替える。
【0064】
車1を載せたくし型ケージ12は、格納する格納棚14より上まで上昇した後、その格納棚14のくし型トレイ16を昇降路2の中央に横行させる。その後、車1を載せたくし型ケージ12が、上から下に下降することにより、昇降路2の中央に位置するくし型トレイ16に車1を載せ替える。
次いで、車1を載せたくし型トレイ16を格納棚14へ横行させて、車1の格納棚14への格納が完了する。
【0065】
図10(C)において、車1をくし型ケージ12に載せ替えた後、
図10(D)において、トレイ移動装置40により、載替位置Yから入出庫位置Xまで空の入出庫トレイ30を水平移動させ、次の車1の入庫に備える、ことが好ましい。
なお、車1の入庫後に、出庫する場合には、空の入出庫トレイ30をそのまま載替位置Yに待機させてもよい。
【0066】
図11は、車1の出庫方法の説明図である。
図11(A)において、車1を載せたくし型トレイ16を昇降路2の中央まで横行させた後、くし型ケージ12を車1の下方から上昇させて、車1をくし型トレイ16からくし型ケージ12に載せ替える。この載せ替え後に、空のくし型トレイ16を格納棚14へ戻す。
次いで、
図11(B)において、出庫する車1を載せたくし型ケージ12を下降させて、車1をくし型ケージ12から載替位置Yに位置する入出庫トレイ30に載せ替える。
次いで、
図11(C)において、トレイ移動装置40により、載替位置Yからバース内の入出庫位置Xまで車1を載せた入出庫トレイ30を水平移動させる。
次いで、
図11(D)において、入出庫位置Xから、車1を出庫させる。
【0067】
なお上述の説明では、
図1の第1実施形態のバース付きフォークパーキング100について説明したが、その他の実施形態でも同様である。
【0068】
上述した本発明の方法によれば、格納装置10の昇降路2の外側にバース20を備えており、トレイ移動装置40によりバース内の入出庫位置Xと昇降路内の載替位置Yとの間で車1を載せた入出庫トレイ30を水平移動する。
従って、バース内の入出庫位置Xのまわりに棚柱等を設ける必要がないので、圧迫感が少ない入出庫位置Xにおいて、運転手が車1を運転して容易に入出庫ができる。
【0069】
なお本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0070】
H 入出庫高さ、H1 旋回高さ、L 退避高さ、X 入出庫位置、Y 載替位置、
1 車、1a 車輪、2 昇降路、3 建屋、4 ガイドレール、5 柱、
6 水平梁、7 レールサポート、8 バース建屋、9 バース柱、10 格納装置、
12 くし型ケージ、12a 歯部、13a 棚部支持部材、13b 中央支持部材、
14 格納棚、15 横行ローラ、16 くし型トレイ、16a 歯部、18 開口、
20 バース、30 入出庫トレイ、31a 歯部、32 端部水平部材、
40 トレイ移動装置、42 横行ローラ、44 ローラ駆動装置、
46 ローラ支持部材、46a,46b,46c,46d 支持部材、
50 昇降扉、52 昇降床、52a 歯部、52b 閉鎖板、54 固定床、
54a 歯部、54b 閉鎖板、55 補助固定床、60 昇降旋回装置、
62 回転台(ターンテーブル)、63 旋回駆動装置、64 水平旋回装置、
66 昇降装置、67 昇降フレーム、68 昇降用ボールネジ、69 ボールナット、
70 制御装置、100 バース付きフォークパーキング