特許第6801998号(P6801998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6801998
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】車輪構造
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/02 20060101AFI20201207BHJP
   F16D 55/22 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   F16D65/02 A
   F16D55/22 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-153711(P2016-153711)
(22)【出願日】2016年8月4日
(65)【公開番号】特開2018-21617(P2018-21617A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】石田 斗志
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 創
(72)【発明者】
【氏名】仲武 聖仁
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−211222(JP,A)
【文献】 特開2007−309431(JP,A)
【文献】 特開平10−196688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールの内側に配置されて前記ホイールとともに回転する円盤状のブレーキロータと、該ブレーキロータに制動力を付与するキャリパとを備えた車輪構造において、
前記ブレーキロータは、該ブレーキロータの中央部に位置し、前記ホイールに固定される円筒状の固定部と、該固定部から該固定部の径方向外側に広がり、車両前方から所定値以上の衝突荷重が作用した際に前記固定部と分離するディスク部とを備え、
前記キャリパは、前記ディスク部を挟持可能な一対のパッドを支持するキャリパボディを備え、
該キャリパボディは、前記ディスク部の外周面と対向する位置に、前記ディスク部を介して前記衝突荷重が作用した際に分断する分断部を備えたことを特徴とする車輪構造。
【請求項2】
前記ディスク部と前記固定部とは別部品で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車輪構造。
【請求項3】
前記キャリパに設けられ、設置状態において前記分断部と前記ディスク部との間に位置して前記分断部に向かって先細となる楔状の破壊部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪構造。
【請求項4】
前記分断部は、前記一対のパッドの対向方向に分断するように形成されており、
前記破壊部材は、前記一対のパッドの対向方向において互いに対向する前記キャリパボディの間に圧入固定されることを特徴とする請求項3に記載の車輪構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪構造に関し、特にスモールオーバーラップ衝突を考慮した車輪構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が障害物に対して部分的に衝突するオフセット衝突に対する安全性の向上が図られている。特に近年では、オフセット衝突のうち、車両の車幅方向外側端部に障害物が衝突する、所謂スモールオーバーラップ衝突に対する安全性の向上が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1にはスモールオーバーラップ衝突を考慮した車両構造が記載されている。この車両構造では、車両の前後方向においてフロントバンパと前輪との間に、長尺状の挙動制御部材を配設している。挙動制御部材は、基端部が車体のフレームに支持され、先端が基端部から車幅方向外側前方へ向かって延びている。スモールオーバーラップ衝突時に、フロントバンパを介して挙動制御部材に衝突荷重が作用すると、挙動制御部材の先端部が、基端部を支点として後方へ回動し、前輪のホイールの前端に車幅方向外側から当接する。その結果、前輪のホイールは、前端が車幅方向内側、後端が車幅方向外側を向くように移動し、これにより、ホイールの後端がキャビン(車室内)へ侵入するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−223892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の車両構造では、衝突時にホイールの向きを変えるのみの構造であり、車輪のホイールやホイール内に配設されるブレーキ装置等の高剛性部品に対して、衝突荷重を吸収するクラッシュゾーンが確保されていない。
【0006】
そのため、衝突荷重が高い場合には、ホイールやブレーキ装置等の高剛性部品が破壊されずに車室内へ侵入してしまい、前席の乗員が受ける障害値が上がってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、スモールオーバーラップ衝突の際に乗員が受ける障害値を低減することができる車輪構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車輪構造は、ホイールの内側に配置されて前記ホイールとともに回転する円盤状のブレーキロータと、該ブレーキロータに制動力を付与するキャリパとを備えた車輪構造において、前記ブレーキロータは、該ブレーキロータの中央部に位置し、前記ホイールに固定される円筒状の固定部と、該固定部から該固定部の径方向外側に広がり、車両前方から所定値以上の衝突荷重が作用した際に前記固定部と分離するディスク部とを備え、前記キャリパは、前記ディスク部を挟持可能な一対のパッドを支持するキャリパボディを備え、該キャリパボディは、前記ディスク部の外周面と対向する位置に、前記ディスク部を介して前記衝突荷重が作用した際に分断する分断部を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、スモールオーバーラップ衝突によって車両前方から所定値以上の衝突荷重が作用した際に、ブレーキロータの固定部とディスク部とを分離させて衝突荷重を吸収することができる。また、分離されたディスク部を介して衝突荷重をキャリパの分断部に作用させ、この分断部を分断させることにより、衝突荷重をさらに吸収することができる。
【0010】
また、キャリパが分断されると、キャリパの一部が脱落してホイール内に空間が形成されるので、ホイールのクラッシュゾーンを確保することができる。さらに、キャリパが分断した後、ディスク部がホイールの後端部に衝突することでホイールを変形させることができるので、これによっても衝突荷重の吸収が可能となる。このように、スモールオーバーラップ衝突時にホイールやブレーキ装置等の高剛性部品を破壊させることで、複数段階で衝突荷重の吸収が図られ、乗員が受ける障害値を的確に低減させることができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車輪構造において、前記ディスク部と前記固定部とは別部品で構成されたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、車両前方から所定値以上の衝突荷重が作用した際に、ディスク部と固定部との分離をより的確且つ確実に行うことができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車輪構造において、前記キャリパに設けられ、設置状態において前記分断部と前記ディスク部との間に位置して前記分断部に向かって先細となる楔状の破壊部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、衝突荷重が作用して、ブレーキロータのディスク部が固定部から分離した際に、ディスク部が破壊部材を介してキャリパの分断部に当たる。このとき、破壊部材の楔状の先端部がキャリパの分断部に当たるので、キャリパの分断がより的確且つ確実になされる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車輪構造において、前記分断部は、前記一対のパッドの対向方向に分断するように形成されており、前記破壊部材は、前記一対のパッドの対向方向において互いに対向する前記キャリパボディの間に圧入固定されることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、衝突荷重が作用してキャリパが分断された際に、破壊部材がキャリパから分離され、ディスク部とともに破壊部材をホイールへ当てることができる。楔状の破壊部材がホイールに当たることにより、ホイールの破断量を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る車輪構造によれば、複雑な構造物の負荷を抑制しつつ衝突荷重の有効な吸収が図られ、スモールオーバーラップ衝突の際に乗員が受ける障害値を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態である車輪構造の概要を説明する車両前方の平面断面図。
図2】左前輪の要部横断面図。
図3】ブレーキロータとキャリパを示す斜視図。
図4】衝突中の左前輪の状態を示す要部拡大断面図。
図5】衝突中の左前輪の状態を示す要部拡大断面図。
図6】衝突後の左前輪の状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1図6に基づいて本発明の一実施形態である車輪構造10について説明する。本発明の車輪構造10は、車両の左右の前輪11,12に適用される。なお、以下の例では左前輪11のみを説明しているが、右前輪12はこれと対称に構成される。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である車輪構造10の概要を説明する車両前方の平面断面図であり、図2は、左前輪11の要部横断面図である。左右の前輪11,12は、車体前方に位置する左右一対のサイドメンバ13a,13bの車幅方向外側であって、サイドメンバ13a,13bの車両後方において車両前後方向に延在する左右一対のサイドシル14a,14bの前方に配置される。サイドシル14a,14bの前端部には、車室となるキャビン16の前面部を構成するトーボード15が配設される。車輪構造10は、ホイール20と、円盤状のブレーキロータ30と、キャリパ40と、キャリパ40に設けられた破壊部材50とを備える。
【0021】
ホイール20は、ホイールセンタ部21と、タイヤTが装着されるリム部22と、ホイールセンタ部21とリム部22とを接続するスポーク部23とを有する。ブレーキロータ30及びキャリパ40は、リム部22の内側に配置され、ブレーキ装置を構成する。ホイールセンタ部21は、ドライブシャフト60の端部に連結されたハブ62に複数のボルト及びナットを用いて固定される。
【0022】
ドライブシャフト60及びハブ62は、ベアリング61を介して車体側のハブハウジング(ナックル)64に軸心周りに回転可能に支持される。ベアリング61には、さらに、複数のボルト及びナットを用いて後述するブレーキロータ30の固定部32が固定される。ドライブシャフト60には、トランスミッションを介してエンジンの動力が伝達され、ドライブシャフト60が回転すると、ハブ62を介して駆動力が伝達され、ホイール20とともにブレーキロータ30が回転する
【0023】
図2及び図3に示すように、ブレーキロータ30は、ホイール20に対する固定部32と、固定部32から径方向に広がるディスク部34とを備える。固定部32とディスク部34とは別部品で構成されており、取付部材36によって連結、固定される。
【0024】
固定部32は円板状のセンタ部32aと、センタ部32aの周縁部から立設された円筒状の筒状部32bと、筒状部32bの先端から径方向外側へ広がる環状のフランジ部32cとを有する。ディスク部34は、固定部32のフランジ部32cから径方向外側へ広がるように環状に形成される。ディスク部34の両側面は、後述する一対のパッド42a,42bが当接する摩擦摺動面34a,34bを構成する。ディスク部34の内周縁部34cは、これより径方向外側へ広がる部分よりも薄厚に形成される。ディスク部34は、この内周縁部34cにおいて取付部材36を用いて固定部32のフランジ部32cと連結、固定される。
【0025】
取付部材36は、車両にブレーキロータ30が設置された状態において、車両前方から所定値以上の衝突荷重が作用した際に、固定部32とディスク部34とが分離されるように材料や固定力が設定される。本実施形態では、取付部材36としてボルトとナットを用いているが、取付部材36はこれに限られず、固定部32とディスク部34を固定でき、且つ、所定値以上の衝突荷重が作用した際に、これらを分離可能なものであればよく、例えば、リベット等を用いてもよい。
【0026】
キャリパ40は、設置状態において、ホイール20の回転軸に対して車両後方側に配置される。キャリパ40は、ディスク部34を挟持可能な一対のパッド42a,42bと、一対のパッド42a,42bを支持するキャリパボディ43とを備える。キャリパボディ43は、例えば鋳鉄等の金属製であり、ディスク部34aの摩擦摺動面34a,34bに跨って設置されるように構成される。キャリパボディ43は、設置状態においてブレーキロータ30の車幅方向内側に位置する内側部45と、ブレーキロータ30の車幅方向外側に位置する外側部46と、ブレーキロータ30を跨いで内側部45と外側部46とを連結するブリッジ部(分断部)47とを有し、内側部45は、ハブハウジング64に固定されている。
【0027】
内側部45は、内部にピストン44aが配置されるシリンダ部44を有する。ピストン44aは、シリンダ部44内をブレーキロータ30の軸方向に摺動可能に構成される。ピストン44aとブレーキロータ30の一方の摺動摩擦面34aとの間には、一方のパッド42aが配置されており、外側部46とブレーキロータ30の他方の摺動摩擦面34bとの間には、他方のパッド42bが配置される。
【0028】
シリンダ部44は、底部に形成されたポート44bを介して図示していないマスタシリンダ等の液圧供給源と接続される。シリンダ部4に作動油が供給されると、ピストン44aがパッド42aをディスク部34に押し付け、キャリパボディ43は、ピストン44aの押圧力の反力によりピストン44aの押圧方向とは逆の方向へ移動して、パッド42bをディスク部34に押し付ける。これにより、ブレーキロータ30がパッド42a,42bに挟持された状態となり、ブレーキロータ30に制動力が付与される。
【0029】
ブリッジ部47は、設置状態においてディスク部34の外周面34dと対向する位置に配置される。ブリッジ部47は、ディスク部34が車両前方からの所定値以上の衝突荷重により固定部32から分離して、ディスク部34の車両後方にあるブリッジ部47に当たった場合に、ブリッジ部47が一対のパッド42a,42bの対向方向(つまり、内側部45側と外側部46側)に分断されるように、形状や剛性が設定されている。本実施形態では、ブリッジ部47を隣接する内側部45及び外側部46よりも厚さの薄い薄板状に形成しており、衝突荷重により破壊部材50を介してディスク部34がブリッジ部47に当たった場合に、ブリッジ部47が分断されるように設定している。
【0030】
破壊部材50は、楔状の部材であり、設置状態においてディスク部34の外周面34dとブリッジ部47との間に位置する。破壊部材50は、キャリパ40に固定される基部51と、基部51から突出する楔部52とを有する。
【0031】
基部51は、ブリッジ部47と対向するようにブリッジ部47に沿って円弧状に延在する板状の部位である。基部51は、一対のパッド42a,42bの対向方向において互いに対向するキャリパボディ43の内側部45及び外側部46の間に圧入固定される。
【0032】
楔部52は、基部51からブリッジ部47側へ向かって突出し、ブリッジ部47に向かって先細に形成された楔状の部位である。楔部52は、ブリッジ部47の少なくとも一部と対向配置されていればよく、ディスク部34の周方向に延びるブリッジ部47の全域と対向するように形成されることが好ましい。また、破壊部材50は、ブリッジ部47よりも高剛性の金属材料で形成されることが好ましい。図示例において楔部52の先端は、非接触となるようにブリッジ部47との間に隙間が形成されているが、ブリッジ部47と接触していてもよい。なお、ブリッジ部47は、楔部52の先端との対向面に、楔部52の先端形状に対応した溝を設けた形状とすることができる。
【0033】
次に、上述した車輪構造10におけるスモールオーバーラップ衝突時の作用について説明する。
【0034】
車両前進中に、図1に示す車両の車幅方向外側左端部に障害物Wが衝突するスモールオーバーラップ衝突が起きると、車幅方向外側端部において車両前方から衝突荷重Fが入力され、車体前方が車両の後方側へ潰れる。衝突によってホイール20の前端部(車両前方側の端部)20aが潰され、ブレーキロータ30の前端部に所定値以上の衝突荷重が作用すると、左前輪11は、図2に示す衝突前の状態から、図4に示す状態へ変化し、取付部材36が破断して、ブレーキロータ30のディスク部34が固定部32から分離し、ディスク部34の外周面34dがキャリパ40に設けられた破断部材50に当たる。破断部材50は、衝突荷重によりディスク部34に押圧されながら車両後方へ移動し、楔部52がキャリパ40のブリッジ部47に当たる。すると、ブリッジ部47は、ディスク部34及び破壊部材50を介して作用する衝突荷重により、楔部52が当接した部位を破断の略中心として内側部45側と外側部46側とに分断される。このとき、楔部52は、車両前方からの衝突荷重によって、ブリッジ部47を分断させる鏨の役割を奏し、キャリパ40の分断が的確且つ確実になされる。
【0035】
ブリッジ部47が分断されることにより、図5に示すように、破壊部材50はキャリパ40から分離され、ディスク部34とともに更に車両後方へ移動し、ホイール20の後端部に当たる。また、ブリッジ部47の分断により、キャリパ40の外側部46及びパッド42bが車両から脱落すると、この領域にスペースSが形成される。
【0036】
図6に示すように、ホイール20の後端部は、ディスク部34及び破壊部材50を介して伝達された衝突荷重により破壊される。さらに、ホイール20は、スペースSによってクラッシュゾーンが確保されることにより、後方のリム部22及びスポーク部23が大きく破壊される。
【0037】
このように、ブレーキロータ30、キャリパ40及びホイール20が変形、破壊されることで、衝突によるエネルギーをキャビンよりも前方で大きく吸収することができる。その結果、ホイール20等の高剛性部品が破壊されずにキャビンへ侵入することを確実に防止し、乗員が受ける障害値を低減させることができる。
【0038】
具体的に説明すると、まず、スモールオーバーラップ衝突によって車両前方から所定値以上の衝突荷重が作用した際に、ブレーキロータ30の固定部32とディスク部34とを分離させて衝突荷重を吸収することができる。その後、分離されたディスク部34及び破壊部材50を介して衝突荷重をキャリパ40のブリッジ部47に作用させ、ブリッジ部47を分断させることにより、衝突荷重を吸収することができる。
【0039】
さらに、キャリパ40が分断した後、ディスク部34及び破壊部材50がホイール20の後端部に衝突することでホイール20を変形、破壊させることができ、これによって衝突荷重を吸収することができる。また、破壊部材50の鏨作用により、ホイール20の破壊量を大きくして、キャビン内への侵入を防止することができる。さらに、キャリパ40の分断により、キャリパ40の外側部46がキャビン内へ侵入するのを防ぐことができるとともに、ホイール20のクラッシュゾーンが確保されることで、ホイール20の破壊量をより大きくすることができる。このように、ホイール20やブレーキ装置等の高剛性部品を複数段階で破壊させることで、衝突荷重の大きな吸収が達成され、乗員が受ける障害値を的確に低減させることができる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では固定部32とディスク部34とを別部品としているが、固定部32と摩擦摺動面を有するディスク部34とが一体的に形成されており、車両前方からの所定値以上の衝突荷重により分離される構造であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 車輪構造
20 ホイール
22 リム部
30 ブレーキロータ
32 固定部
34 ディスク部
34d ディスク部の外周面
40 キャリパ
42a,42b パッド
43 キャリパボディ
45 内側部
46 外側部
47 ブリッジ部(分断部)
50 破壊部材
51 基部
52 楔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6