【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、本発明に係る走行経路生成システムは、
作業車の圃場での走行経路を生成する走行経路生成部と、前記走行経路生成部が前記走行経路を生成するのに必要な各種の生成条件が格納された記憶部とを備え、
前記走行経路生成部は、前記各種の生成条件のうちの少なくとも、前記圃場の外周形状と、前記圃場に対する入出経路の位置と、前記作業車に備えた作業装置の作業幅とを採択して前記走行経路を生成し、
前記記憶部は、前記走行経路生成部が生成した前記走行経路を格納
し、
前記走行経路生成部は、前記走行経路として、前記圃場の対向する2箇所の圃場端にわたって前記作業車を往復走行させる往復走行経路と、前記圃場の外周領域において前記作業車を前記圃場の外周形状に沿って周回させる周回走行経路とを生成し、
前記各種の生成条件には、前記圃場において農道に隣接する農道側圃場端の位置が含まれており、
前記作業車は、前記農道側圃場端で農用資材の補給を受ける農用資材供給車であり、
前記走行経路生成部は、前記農道側圃場端を前記往復走行経路における方向転換用の端部に設定する。
【0008】
この手段によると、例えば、圃場マップから得た圃場ごとの外周形状と圃場に対する入出経路の位置、及び、カタログから得た作業装置の作業幅、などを記憶部に格納しておくことにより、少なくとも圃場の外周形状と入出経路及び作業装置の作業幅を考慮した各圃場ごとの適正な走行経路、例えば、作業車が入出経路から圃場内に進入して圃場内を効率の良い手順で走行して入出経路から退出する経路を、作業車を手動で運
転するティーチング作業を行うことなく容易に生成することができる。
【0009】
そして、生成した走行経路を記憶部に格納されることから、格納した走行経路を読み出すことにより、次回の作業走行時、同じ作業幅の他の作業装置を使用した作業走行時、又、同じ作業幅の他の作業車を使用した作業走行時、などにおいて使用することができる。
【0010】
つまり、作業効率の低下を招くことなく、圃場において作業車を適正に自律走行させることができて、利用率の高い走行経路を生成することができる。
この手段によると、圃場に農用資材を供給する農用資材供給装置を備えることによって往復走行経路と周回走行経路とを要する作業車に適した走行経路を生成することができる。
この手段によると、例えば、作業車が農用資材供給装置を備える農用資材供給車である場合は、農道に止めたトラックに積み込まれている予備の農用資材又は燃料などの作業車への補給が行い易くなる。
例えば、作業車が収穫装置を備えるコンバインなどの収穫作業車である場合は、農道に止めたトラックの荷台への収穫物の移載などが行い易くなる。
【0011】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記各種の生成条件には、前記圃場における障害物の位置及び形状が含まれており、
前記走行経路生成部は、前記障害物の位置及び形状を考慮して前記走行経路を生成する。
【0012】
この手段によると、取水口又は電柱などの障害物が存在する圃場において、障害物を考慮した適正な走行経路を生成することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
また、本発明に係る走行経路生成システムは、
作業車の圃場での走行経路を生成する走行経路生成部と、前記走行経路生成部が前記走行経路を生成するのに必要な各種の生成条件が格納された記憶部とを備え、
前記走行経路生成部は、前記各種の生成条件のうちの少なくとも、前記圃場の外周形状と、前記圃場に対する入出経路の位置と、前記作業車に備えた作業装置の作業幅とを採択して前記走行経路を生成し、
前記記憶部は、前記走行経路生成部が生成した前記走行経路を格納し、
前記走行経路生成部は、前記走行経路として、前記圃場の対向する2箇所の圃場端にわたって前記作業車を往復走行させる往復走行経路と、前記圃場の外周領域において前記作業車を前記圃場の外周形状に沿って周回させる周回走行経路とを生成し、
前記圃場の外周形状には、前記圃場における各圃場端の長さが含まれており、
前記走行経路生成部は、前記圃場の縦方向に延びる一対の圃場端の長さと前記圃場の横方向に延びる一対の圃場端の長さとに差が生じている場合は、長さの短い一対の圃場端を、前記往復走行経路における方向転換用の端部に設定し、
前記往復走行経路には、交互に隣接する複数の往路作業経路と複数の復路作業経路とが含まれており、
前記走行経路生成部は、前記圃場の形状が、前記圃場の縦方向及び横方向のそれぞれにおいて対向する圃場端同士が一定間隔又は略一定間隔をあけて並ぶ形状であり、かつ、前記作業装置が圃場に農用資材を供給する農用資材供給装置である場合は、前記入出経路から最も離れた往路作業経路を前記往復走行経路での前記作業車の走行開始経路に設定し、
前記往復走行経路での走行終了経路に続く経路から前記入出経路に向けて前記周回走行経路を設定する。
【0016】
この手段によると、畦際での車体の旋回回数を少なくすることができ、圃場内での車体の走行性を良くすることができる。
この手段によると、入出経路からの作業車の退出が良好になるように生成される周回走行経路での走行開始地点に対して、往復走行経路での走行終了地点が近くなることから、往復走行経路の走行終了地点から周回走行経路の走行開始地点への作業車の移動を短時間で効率よく行える。
【0017】
また、本発明に係る走行経路生成システムは、
作業車の圃場での走行経路を生成する走行経路生成部と、前記走行経路生成部が前記走行経路を生成するのに必要な各種の生成条件が格納された記憶部とを備え、
前記走行経路生成部は、前記各種の生成条件のうちの少なくとも、前記圃場の外周形状と、前記圃場に対する入出経路の位置と、前記作業車に備えた作業装置の作業幅とを採択して前記走行経路を生成し、
前記記憶部は、前記走行経路生成部が生成した前記走行経路を格納し、
前記走行経路生成部は、前記走行経路として、前記圃場の対向する2箇所の圃場端にわたって前記作業車を往復走行させる往復走行経路と、前記圃場の外周領域において前記作業車を前記圃場の外周形状に沿って周回させる周回走行経路とを生成し、
前記圃場の外周形状には、前記圃場における各圃場端の長さが含まれており、
前記走行経路生成部は、前記圃場の縦方向に延びる一対の圃場端と前記圃場の横方向に延びる一対の圃場端とのいずれか一方が前記作業幅の整数倍又は略整数倍の長さを有する場合は、前記作業幅の整数倍又は略整数倍の長さを有
する一対の圃場端を、前記往復走行経路における方向転換用の端部に設定する。
【0018】
この手段によると、圃場に農用資材を複数条に整列供給する農用資材供給装置を備える乗用田植機などにおいて、作業条数を変更する各条クラッチ(図示せず)を使用することなく車体を走行させることができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記各種の生成条件には、前記作業車の走行に伴って車載量が変化する車載物の給排に関する補助作業を行う特定の補助作業地点が含まれており、
前記往復走行経路には、交互に隣接する複数の往路作業経路と複数の復路作業経路とが含まれており、
前記走行経路生成部は、前記補助作業地点から最も離れた往路作業経路を前記往復走行経路での前記作業車の走行開始経路に設定する。
【0024】
この手段によると、往復走行経路での作業走行が進むとともに作業車が補助作業地点に近づくことから、作業走行の中断地点と補助作業地点とにわたる車体の移動を短時間で効率よく行える。
【0025】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記走行経路生成部は、前記入出経路が複数存在する場合は、前記作業車が次に走行する圃場に最も近い入出経路を前記作業車の退出経路に設定する。
【0026】
この手段によると、複数の圃場で作業を行う場合の圃場間での車体の移動を短時間で効率よく行える。
【0027】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記各種の生成条件には、前記圃場において他の作業車が走行した既走行経路が含まれており、
前記走行経路生成部は、前記既走行経路を考慮して前記走行経路を生成する。
【0028】
この手段によると、例えば、今回の走行経路を使用する作業車が農用資材供給車であり、他の作業車が代掻き作業車である場合は、代掻き作業車によって均された代掻き経路を通る良好な資材供給を行える。
例えば、今回の走行経路を使用する作業車が自脱形コンバインであり、他の作業車が乗用田植機である場合は、乗用田植機によって複数条に整列して植え付けられた稲などの収穫を、稲などの条列に沿った適正な収穫が行い易くなる。
【0029】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記各種の生成条件には、前記圃場において前記作業車が以前に走行した既走行経路が含まれており、
前記走行経路生成部は、前記既走行経路を考慮して前記走行経路を生成する。
【0030】
この手段によると、同じ作業車が常に同じ走行経路を走行することにより、圃場の耕盤において溝状の轍が形成されることを回避することができる。
【0031】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記各種の生成条件には、前記圃場の日当たり具合や風通しを含む圃場環境が含まれており、
前記走行経路生成部は、前記圃場環境を考慮して前記走行経路を生成する。
【0032】
この手段によると、作業車が乗用田植機や播種機である場合に、苗などに対する日当たりや風通しを良くすることができ、苗などの生育を良くすることができる。
【0033】
【0034】
【0035】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記走行経路生成部は、前記作業装置が圃場に農用資材を供給する農用資材供給装置である場合は、前記往復走行経路の終端を前記往復走行経路において前記入出経路に最も近い位置に設定する。
【0036】
この手段によると、入出経路からの作業車の退出が良好になるように生成される周回走行経路での走行開始地点に対して、往復走行経路での走行終了地点が最も近くなることから、往復走行経路の走行終了地点から周回走行経路の走行開始地点への作業車の移動をより短時間で効率よく行える。
【0037】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記各種の生成条件に優先順位を設定する人為操作式の順位設定部を備え、
前記走行経路生成部は、前記順位設定部の人為操作によって設定された前記優先順位を考慮して前記走行経路を生成する。
【0038】
この手段によると、それぞれの圃場に適した走行経路の生成が可能になる。
【0039】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記走行経路の選択に関する所定数の選択情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示された所定数の前記選択情報の人為選択を可能にする操作部とを備え、
前記各種の生成条件には、優先順位の高い所定数の優先生成条件が含まれており、
前記走行経路生成部は、所定数の前記優先生成条件に応じた所定数の前記走行経路を生成するとともに、所定数の前記走行経路に応じた所定数の前記選択情報の表示を前記表示部に指令し、かつ、前記操作部の人為操作によって所定数の前記選択情報のうちの一つが選択されると、選択された選択情報に応じた走行経路を前記作業車が実際に走行する実走行経路に決定する。
【0040】
この手段によると、走行経路生成部により、圃場に応じた優先順位の高い所定数の優先生成条件に基づいて所定数の走行経路が生成されるとともに、所定数の走行経路に応じた所定数の選択情報が表示部にて表示されることから、オペレータは、操作部を操作して、表示部に表示された所定数の選択情報の中から要望に応じた一つを選択すると、要望に応じた走行経路を使用することができる。
つまり、オペレータが望む走行経路を簡単な操作で容易に使用することができる。