(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る積層部材の製造方法及び積層部材について詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る積層部材の製造方法について詳細に説明する。本実施形態の積層部材の製造方法は、非溶融の状態であり、かつ、析出硬化型銅合金の第1粉末と、非溶融の状態であり、かつ、アスペクト比の中央値が1.2以上である不規則形状を有し、かつ、第1粉末よりも硬質である第2粉末とを含む混合粉末を、基材上に吹き付けて、基材上に被膜層を形成する工程を含む。
【0011】
ここで、本発明において、「析出硬化型銅合金」とは、析出硬化した後の銅合金のみを意味するのではなく、析出硬化する前の銅合金を含むことを意味する。そして、析出硬化型銅合金の粉末においては、全てが析出硬化する前の銅合金であることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、析出硬化型銅合金の粉末においては、一部が析出硬化した後の銅合金であり、残部が析出硬化する前の銅合金であってもよい。なお、析出硬化型銅合金は、粒子分散強化型銅合金と呼ばれることもある。
【0012】
また、本発明において、「アスペクト比」とは、観察したときの第1粉末や第2粉末において、(最大長径/最大長径に直交する幅)で定義される。さらに、「最大長径」とは、粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)などによって観察したときの粉末の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち最大の距離を意味する。また、アスペクト比の中央値を算出するに際しては、例えば、数〜数十視野中に観察される3〜30個程度、少なくとも3〜5個程度の粉末について測定すればよい。このようなアスペクト比は、例えば、画像解析式粒子径分布測定装置を用いて測定・算出した、アスペクト比を用いることができる。なお、アスペクト比は、各粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)像を拡大し、スケールを用いて測定・算出することももちろん可能である。
【0013】
さらに、本発明において、第1粉末や第2粉末の硬さは、例えば、日本工業規格で規定されているビッカース硬さ試験(JIS Z 2244)に準拠して測定・算出されるビッカース硬さを指標とすればよい。また、このビッカース硬さとしては、例えば、粉末に関しては3〜30個程度、少なくとも3〜5個程度について測定して得られる算術平均値を適用する。
【0014】
上述のように、非溶融の状態として添加元素を析出させないようにした析出硬化型銅合金の第1粉末と、非溶融の状態として、アスペクト比の中央値が1.2以上である不規則形状を保ち、第1粉末よりも硬質であることを保った第2粉末とを含む混合粉末を、基材上に吹き付けることにより、球状形状を有し、かつ、単一材料のオーステナイト系ステンレス粉末を、基材に吹き付ける場合と比較して、第1粉末と第2粉末とが、基材上に付着し易い。また、特に限定されるものではないが、第2粉末の形状を規定するアスペクト比の中央値は、1.3以上であることが好ましく、1.4以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。耐摩耗性の観点からは、第2粉末の形状を規定するアスペクト比の中央値は、1.3以上であることが好ましい。さらに、特に限定されるものではないが、第2粉末の形状を規定するアスペクト比の中央値は2.0以下であることが好ましく、1.9以下であることがより好ましい。なお、第2粉末の形状を規定するアスペクト比の中央値が1.2未満の場合には、球状形状を有する粉末との差異が殆どなく、所望の効果は得られない。
【0015】
その結果、析出硬化型銅合金の第1粒子と、第1粒子よりも硬質である第2粒子とを含み、粒子同士が界面を介して結着した構造を有する被膜層を優れた形成効率で基材上に形成することができる。つまり、被膜層の形成効率に優れた積層部材の製造方法を提供することができる。
【0016】
現時点においては、以下のような理由の少なくとも1つにより、その効果が得られていると考えている。
【0017】
例えば、析出硬化型銅合金の第1粉末と共に吹き付けられ、第1粉末よりも硬質である第2粉末は、所定の不規則形状を有している。そのため、比表面積が大きく、吹き付けられる際の作動ガスの圧力により、粉末速度が得られ易い。その結果、第1粉末と比較して相対的に付着し難い第2粉末が付着し易くなったためと考えられる。
【0018】
また、例えば、析出硬化型銅合金の第1粉末と共に吹き付けられ、第1粉末よりも硬質である第2粉末は、所定の不規則形状を有している。そのため、第2粉末が基材や基材に付着した第1粉末などにめり込むことによるアンカー効果や、第1粉末や他の第2粉末との結着効果が得られ易い。その結果として、第2粉末や混合粉末全体が付着し易くなったためとも考えられる。
【0019】
但し、上記の理由以外の理由により上述のような効果が得られていたとしても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0020】
また、このようにして得られた積層部材は、耐摩耗性に優れているという副次的な利点もある。さらに、このようにして得られた積層部材は、被膜層において高い熱伝導性を確保することができるという副次的な利点もある。換言すれば、キネティックスプレー、コールドスプレー、ウォームスプレーなどと呼ばれる方法において、耐摩耗性や熱伝導性を向上し得る被膜層を優れた形成効率で形成することができる。
【0021】
ここで、より具体的な製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0022】
まず、上記基材としては、特に限定されるものではない。詳しくは後述する被膜層の形成方法に適用し得る金属であることが好ましい。また、基材は、積層部材が摺動部材として用いられた場合において、摺動部材が適用される高温環境下で使用可能であるものであることが好ましいことは言うまでもない。
【0023】
そして、金属としては、例えば、従来公知のアルミニウムや鉄、チタン、銅などの合金を適用することが好ましい。また、アルミニウム合金としては、例えば、日本工業規格で規定されているAC2A、AC8A、ADC12などを適用することが好ましい。さらに、鉄合金としては、例えば、日本工業規格で規定されているSUS304、鉄系焼結合金などを適用することが好ましい。また、銅合金としては、例えば、ベリリウム銅や銅合金系焼結合金などを適用することが好ましい。
【0024】
また、上記原料として用いる混合粉末を吹き付ける速度は、特に限定されるものではない。例えば、粉末速度を300〜1200m/sとすることが好ましく、500〜1000m/sとすることがより好ましく、600〜800m/sとすることがさらに好ましい。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。
【0025】
さらに、混合粉末を吹き付けるために供給する作動ガスの圧力も、特に限定されるものではない。例えば、作動ガスの圧力を2〜5MPaとすることが好ましく、3.5〜5MPaとすることがより好ましい。作動ガスの圧力を2MPa未満とすると、粉末速度が得られ難く、気孔率が大きくなることがある。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。
【0026】
また、作動ガスの温度も、特に限定されるものではない。例えば、作動ガスの温度は、400〜800℃とすることが好ましく、600〜800℃とすることがより好ましい。作動ガスの温度を400℃未満とすると、気孔率が大きくなり、耐摩耗性が低くなることがある。また、作動ガスの温度を800℃超とすると、ノズル詰まりを起こすことがある。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。
【0027】
さらに、作動ガスの種類も、特に限定されるものではない。例えば、作動ガスの種類としては、窒素、ヘリウムなどを挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、燃料ガスと窒素とを混合して用いてもよい。
【0028】
また、被膜層を形成した後、例えば、250〜500℃で0.5〜4時間時効処理ないし焼き戻しをしてもよい。これにより、耐摩耗性や熱伝導性などを向上させることができる。また、この時効処理ないし焼き戻しは、例えば、エンジン組立後の検査における試運転の際の燃焼室からの受熱を利用することも可能である。
【0029】
そして、上記原料として用いる第1粉末としては、非溶融の状態であり、かつ、析出硬化型銅合金の粉末であれば、特に限定されるものではない。なお、特に限定されるものではないが、第2粉末だけでなく、第1粉末も不規則形状を有するものであることが好ましい。
【0030】
第1粉末を構成する析出硬化型銅合金としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニッケル及びケイ素を含む析出硬化型銅合金、換言すれば、いわゆるコルソン合金と呼ばれるものを適用することが好ましい。これにより、優れた耐摩耗性を有するものとなる。
【0031】
しかしながら、これに限定されるものでなく、例えば、クロムを含む析出硬化型銅合金、換言すれば、いわゆるクロム銅と呼ばれるものや、ジルコニウムを含む析出硬化型銅合金、換言すれば、いわゆるジルコニウム銅と呼ばれるものを適用することもできる。さらに、例えば、ニッケル及びケイ素を含み、さらに、クロム、ジルコニウム若しくはバナジウムを単独で又はこれらを任意に組み合わせて添加した析出硬化型銅合金を適用することもできる。このように、積層部材に要求される仕様に応じた種々の材料を適用することが可能である。
【0032】
また、例えば、ニッケル及びケイ素を含む析出硬化型銅合金においては、より優れた熱伝導性を有するものとなり得るという観点から、ニッケルの含有量が1〜21質量%であることが好ましく、ケイ素の含有量が0.2〜8質量%であることが好ましい。また、例えば、クロムを含む析出硬化型銅合金においては、より優れた熱伝導性を有するものとなり得るという観点から、クロムの含有量が0.02〜1質量%であることが好ましい。さらに、例えば、ニッケル及びケイ素を含む析出硬化型銅合金においては、ケイ化ニッケル(Ni
2Si)を析出させるという観点から、ニッケルとケイ素の含有量の比(Ni:Si)が質量比で3.5〜4.5:1の範囲内にあることが好ましい。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。また、上記の析出硬化型銅合金に、他の元素を添加してもよいことは言うまでもない。
【0033】
さらに、第1粉末としては、特に限定されるものではないが、粉末、換言すれば、粉末を構成する粒子の圧縮強度が50〜110N/mm
2であることが好ましい。このような第1粉末を用いて積層部材を形成すると、基材に第1粉末が付着し易く、被膜層の形成効率がより優れたものとなる。また、このようにして得られた積層部材は、耐摩耗性に優れているという副次的な利点もある。さらに、このようにして得られた積層部材は、被膜層において高い熱伝導性を確保することができるという副次的な利点もある。
【0034】
ここで、「粉末の圧縮強度」とは、粉末を構成する粒子にフラットな圧子などにより荷重を付加して、荷重負荷方向における粒子径が10%変化したときの圧縮強度で定義される。測定方法は、JIS R 1639−5「ファインセラミックス−か(顆)粒特性の測定方法−第5部:単一か粒圧壊強さ」に準拠し、試験荷重は、500mNである。
【0035】
そして、上記原料として用いる第2粉末としては、非溶融の状態であり、かつ、第1粉末よりも硬質であり、かつ、アスペクト比の中央値が1.2以上である不規則形状を有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0036】
上記第2粉末を構成する材料としては、例えば、コバルト基合金、クロム基合金、ニッケル基合金、モリブデン基合金を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を任意の割合で混合して適用することが好ましい。
【0037】
また、コバルト基合金としては、例えば、TRIBALOY(登録商標)T−400、T−800などを挙げることができる。さらに、クロム基合金としては、例えば、フェロクロムなどを挙げることができる。また、ニッケル基合金としては、例えば、TRIBALOY(登録商標)T−700などを挙げることができる。さらに、モリブデン基合金としては、例えば、フェロモリブデンなどを挙げることができる。その中で、耐摩耗性に優れたコバルト基合金を適用することが好ましく、具体的には、TRIBALOY(登録商標)T−400、T−800などを適用することが好ましい。
【0038】
また、第1粉末及び第2粉末の平均粒子径(d50)は、特に限定されるものではないが、50μm以下であることが好ましい。このような第1粉末や第2粉末を用いて積層部材を形成すると、基材に第1粉末や第2粉末が付着し易く、被膜層の形成効率がより優れたものとなる。また、このようにして得られた積層部材は、耐摩耗性に優れているという副次的な利点もある。さらに、このようにして得られた積層部材は、被膜層において高い熱伝導性を確保することができるという副次的な利点もある。
【0039】
ここで、「平均粒子径(d50)」としては、例えば、画像解析式粒子径分布測定装置を用いて測定・算出した、個数基準の平均粒子径(d50)を用いることができる。なお、このような平均粒子径を測定・算出する際の「粒子径」としては、例えば、観察される粉末(観察面)の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大の距離を採用することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、観察される粉末(観察面)の円相当径を採用することもできる。さらに、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定・算出した、個数基準の平均粒子径(d50)を用いてもよい。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。
【0040】
さらに、第2粉末の平均粒子径(d50)は、特に限定されるものではないが、14〜50μmであることが好ましく、25〜50μmであることがより好ましい。平均粒子径(d50)を14μm以上とすると、混合粉末における適度な流動性を確保することができ、粉末供給不良を抑制することができる。また、平均粒子径(d50)を50μm以下とすると、被膜層形成時に適度な粉末速度を確保することができ、被膜層の形成不良を抑制することができる。なお、第1粉末の平均粒子径(d50)は、特に限定されるものではないが、20〜40μmであることが好ましい。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る積層部材について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の第2の実施形態に係る積層部材は、上述した本発明の積層部材の製造方法により得られたものである。また、以下で引用する図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0042】
図1は、本発明の第2の実施形態に係る積層部材を模式的に示す断面図である。また、
図2は、
図1に示した積層部材のII線で囲んだ部分の拡大図である。さらに、
図3は、
図1に示した積層部材のIII線で囲んだ部分の拡大図である。
図1〜
図3に示すように、本実施形態の積層部材1は、基材10と、基材10上に形成された被膜層20とを備えたものである。そして、この被膜層20は、析出硬化型銅合金の第1粒子21と、第1粒子21よりも硬質である第2粒子23とを含む。また、この被膜層20においては、例えば、第1粒子21,21同士、第1粒子21と第2粒子23、第2粒子23,23同士が界面を介して結着した構造を有している。
【0043】
そして、図示例においては、被膜層20における第1粒子21の少なくとも1つが、第1粒子21の内部及び第1粒子21,21同士の界面21aに少なくとも1つの析出相25を含んでいる。第1粒子21が、例えば、ニッケル及びケイ素を含む析出硬化型銅合金である場合には、析出相25はケイ化ニッケル(Ni
2Si)からなるものである。
【0044】
また、図示例においては、第1粒子21より第2粒子23が硬質であるため、第2粒子23に隣接する第1粒子21の界面21a近傍において析出相25が析出している。ここで、「第1粒子の界面近傍」とは、例えば、図中矢印Xで示すように界面21aから第1粒子21内部に向かって1μm程度までの領域である。
【0045】
さらに、図示例においては、基材10が扁平な凹部からなる塑性変形部10bを有し、被膜層20が扁平形状の第1粒子21が堆積された構造を有する塑性変形部20bを有する。
【0046】
また、図示例においては、基材10と被膜層20との間の全体に亘って拡散層若しくは金属間化合物層又は拡散層及び金属間化合物層を含む中間層30を備えている。なお、中間層が拡散層を含むものである場合には、中間層が拡散層である場合を含む。また、中間層が金属間化合物層を含むものである場合には、中間層が金属間化合物層である場合を含む。
【0047】
ここで、上記中間層30についてさらに詳細に説明する。中間層は、拡散層若しくは金属間化合物層又は拡散層及び金属間化合物層を含むものである。拡散層としては、組成について傾斜構造を有するものを好適例として挙げることができる。しかしながら、拡散層は、組成について傾斜構造を有するものに限定されるものではない。また、特に限定されるものではないが、金属間化合物層を含む中間層としては、金属間化合物層が組成に関して傾斜構造を有する拡散層で挟まれた構造を有するものを好適例として挙げることができる。中間層は、例えば、基材に含まれる成分元素と第1粒子に含まれる成分元素とで構成されている。具体的には、基材としてアルミニウム合金を適用した場合には、アルミニウムと銅を含む合金からなる中間層が形成される。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、基材として、ステンレス鋼(SUS)を適用した場合には、ステンレス鋼(SUS)の成分元素と銅を含む合金からなる中間層が形成される。
【0048】
なお、詳しくは後述するが、第1粒子同士や第1粒子と第2粒子とは、第2粒子同士と比較して結着し易い。また、図示しないが、被膜層は、気孔を有していてもよい。
【0049】
上述した本発明の積層部材の製造方法により得られた積層部材は、基材と、基材上に形成された被膜層とを備え、被膜層が析出硬化型銅合金の第1粒子と、第1粒子よりも硬質である第2粒子とを含み、かつ、粒子同士が界面を介して結着した構造を有するため、優れた耐摩耗性を有するものとなるという副次的な利点がある。また、高い熱伝導性を確保することができる被膜層を有するものとなるという副次的な利点もある。
【0050】
現時点においては、以下のような理由の少なくとも1つにより、その効果が得られていると考えている。
【0051】
第1粉末と第2粉末とを含む混合粉末を基材上に吹き付けると、不規則形状を有し、硬質である第2粉末が基材に衝突したときに、例えば、基材がその表面に基材と被膜層との密着性を阻害する酸化被膜を有する場合に、その酸化被膜が除去され、被膜層との密着性に優れた新生界面が基材に露出形成されるためと考えられる。
【0052】
また、例えば、第1粉末が基材や基材に付着した第1粒子に衝突したときに、その運動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、基材と第1粉末との間や第1粉末と第1粒子との間における溶着や原子拡散が進行するためとも考えられる。
【0053】
さらに、例えば、第1粉末が基材に衝突したときに、第1粉末が基材にめり込むことによるアンカー効果により、基材と被膜層との密着性が向上するためとも考えられる。また、換言すれば、基材に扁平な凹部からなる塑性変形部が形成されることにより、基材と被膜層との密着性が向上するためとも考えられる。
【0054】
また、例えば、第1粉末が基材や基材に付着した第1粒子に衝突したときに、第1粉末や第1粒子が扁平形状となることによって、被膜層における第1粒子同士の密着性が向上するためとも考えられる。また、換言すれば、被膜層に扁平形状の第1粒子が堆積された構造を有する塑性変形部が形成されることにより、第1粒子と第1粒子との間における隙間が少なくなって、被膜層における第1粒子同士の密着性が向上するためとも考えられる。
【0055】
さらに、例えば、第1粉末が基材や基材に付着した第1粒子に衝突したときに、基材に扁平な凹部が形成される過程や、第1粉末や第1粒子が扁平形状となる過程において、換言すれば、基材や被膜層に塑性変形部が形成される過程において、塑性変形による発熱により、基材と第1粉末との間や第1粉末と第1粒子との間における溶着や原子拡散が進行するためとも考えられる。
【0056】
また、例えば、第2粉末が基材や基材に付着した第1粒子に衝突したときに、第2粉末が基材や第1粒子にめり込むことによるアンカー効果により、基材と被膜層との密着性が向上するためとも考えられる。また、換言すれば、基材に扁平な凹部からなる塑性変形部が形成されることにより、基材と被膜層との密着性が向上するためとも考えられる。
【0057】
さらに、例えば、第2粒子が不規則形状を有するため、第1粒子が第2粒子にめり込むことによるアンカー効果により、被膜層における第1粒子と第2粒子との密着性が向上するためとも考えられる。
【0058】
また、例えば、第1粒子の少なくとも一部の内部及び第1粒子同士の界面に少なくとも1つの析出相を含むことにより、第1粒子が析出硬化したためとも考えられる。
【0059】
さらに、例えば、第1粉末が基材に衝突したときに、その運動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、基材と第1粉末及び第1粒子の少なくとも一方との間でそれぞれに含まれる成分元素の拡散が生じて、基材と被膜層との間に拡散層及び金属間化合物層の少なくとも一方を含む中間層が形成されるためとも考えられる。
【0060】
但し、上記の理由以外の理由により上述のような効果が得られていたとしても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0061】
また、上記被膜層20としては、その気孔率に関して、特に限定されるものではないが、例えば、被膜層の気孔率が大きいと強度が不足し、耐摩耗性を低下させる可能性があるという観点から、被膜層の気孔率は可能な限り小さいことが好ましい。そして、高い熱伝導性を有する積層部材とすることができるという観点から、被膜層の断面における気孔率は3面積%以下であることが好ましく、1面積%以下であることがより好ましく、特に0面積%であることが好ましい。なお、現時点においては、気孔率を0.1面積%まで低減することが可能となっているため、優れた耐摩耗性、さらには生産性の向上などをバランス良く実現し得るという観点から、0.1〜3面積%とすることが好ましい。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。また、被膜層の断面における気孔率は、例えば、被膜層における断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像などの観察、及び断面走査型電子顕微鏡(SEM)像の2値化などの画像処理によって、算出することができる。
【0062】
さらに、上記被膜層20としては、その厚みに関して、特に限定されるものではない。つまり、被膜層の厚みは適用される部位の温度や環境(例えば、摺動環境)により適宜調整すればよいが、例えば、0.05〜5.0mmとすることが好ましく、0.1〜2.0mmとすることがより好ましい。0.05mm未満であると、被膜層自体の剛性が不足するため、特に基材強度が低い場合に塑性変形を起こすことがある。また、10mm超であると、被膜層形成時に発生する残留応力と界面密着力の関係により被膜層の剥離が生じる可能性がある。
【0063】
また、特に限定されるものではないが、被膜層の断面における第2粒子の割合は、耐摩耗性や引張強さ、必要に応じて熱伝導性をより優れたものとするという観点からは、1〜50面積%とすることが好ましく、1〜25面積%とすることがより好ましく、1〜18面積%とすることがさらに好ましく、5〜18面積%とすることが特に好ましい。但し、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。なお、被膜層の断面における第2粒子の割合は、例えば、被膜層における断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像などの観察、及び断面走査型電子顕微鏡(SEM)像の2値化などの画像処理によって、算出することができる。また、断面で観察し、算出した面積%を体積%に読み替えることが可能であり、体積%を各粒子の密度で換算することにより重量%に読み替えることが可能であることは言うまでもない。
【0064】
なお、耐摩耗性及び熱伝導性をより優れたものとするという観点からは、被膜層の断面における第2粒子の割合は、1〜50面積%とすることが好ましいが、高い熱伝導性が必ずしも必要でない一方で、優れた耐摩耗性が必要である場合には、被膜層の断面における第2粒子の割合は、50〜99面積%としても構わない。また、第1粒子及び第2粒子以外の第3粒子を含んでいてもよい。
【0065】
上述した積層部材は、例えば、摺動部材として用いることができる。なお、積層部材の表面側を摺動面とすることは言うまでもない。
【0066】
摺動部材としては、例えば、シリンダヘッド及びエンジンバルブの摺動部位であるシリンダヘッドにおけるエンジンバルブの着座部の摺動面に、上述した被膜層が形成された摺動部材を挙げることができる。このような構成とすることにより、優れた耐摩耗性を有するものとなる。また、摺動部材をシリンダヘッドに適用することにより、圧入型のバルブシートをなくすことが可能となる。その結果、排気ポートや吸気ポートの形状自由化やエンジンバルブの径拡大を図ることが可能となり、燃費や出力、トルクなどを向上させることが可能となる。
【0067】
また、他の摺動部材としては、例えば、バルブステムの摺動面及び相手材であるバルブガイドの摺動面の一方若しくは双方に、並びに/又は、バルブステム軸端の摺動面、バルブフェースの摺動面及び圧入型のバルブシートの摺動面からなる群より選ばれた少なくとも1ヶ所に、上述した被膜層が形成された摺動部材を挙げることもできる。このような構成とすることにより、優れた耐摩耗性を有するものとなる。
【0068】
さらに、さらに他の摺動部材としては、例えば、内燃機関の軸受機構の軸受メタルの摺動面に、上述した被膜層が形成された摺動部材を挙げることもできる。なお、さらに他の摺動部材としては、例えば、ピストンリングの表面やピストンのリング溝内面に、上述した被膜層が形成された摺動部材を挙げることもできる。このような構成とすることにより、優れた耐摩耗性を有するものとなる。
【実施例】
【0069】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0070】
(実施例1)
まず、原料としての第1粉末として、銅−ニッケル−ケイ素合金粉末(組成:Cu−3Ni−0.7Si、水アトマイズ粉末、アスペクト比(中央値):1.59、ビッカース硬さ:64HV(0.01)、平均粒子径(d50):27.7μm、圧縮強度67.1N/mm
2)を用意した。
【0071】
また、原料としての第2粉末として、コバルト基合金粉末(ケナメタルステライト社製、TRIBALOY(登録商標)T−400、水アトマイズ粉末、アスペクト比(中央値):1.74、ビッカース硬さ:957HV(0.01)、平均粒子径(d50):13.5μm)を用意した。
【0072】
ここで、アスペクト比(中央値)は、走査型電子顕微鏡(SEM)像を拡大し、スケールを用いて測定・算出した。そして、ビッカース硬さは、日本工業規格で規定されているビッカース硬さ試験(JIS Z 2244)に準拠して測定・算出した。また、平均粒子径(d50)は、個数基準であり、画像解析式粒子径分布測定装置を用いて測定・算出した。「粒子径」としては、観察される粉末(観察面)の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大の距離を採用した。さらに、圧縮強度は、粉末を構成する粒子について島津製作所株式会社製超微小圧縮試験機(MCT−510)により荷重付加し、荷重負荷方向における粒子径が10%変化したときの圧縮強度を測定した。なお、算術平均値を求めるために測定数を10個とした。
【0073】
一方、シリンダヘッドにおけるエンジンバルブの着座部の加工完了状態で、狙い被膜層厚み0.2mmを想定して、アルミニウム基材(日本工業規格 H 4040 A5056)の前加工を行って、前加工されたアルミニウム基材を用意した。
【0074】
次いで、回転テーブルに用意したアルミニウム基材を装着し、回転テーブルを回転させながら、用意した第1粉末と第2粉末との混合粉末(第1粉末:第2粉末=50:50(質量比))を、用意したアルミニウム基材上に、高圧型コールドスプレー装置(プラズマ技研工業株式会社製、PCS−1000、作動ガス:種類;窒素、温度;600℃、圧力;4MPa)を用いて吹き付けて、被膜層厚み0.4〜0.5mmの被膜層を基材上に形成した。
【0075】
しかる後、機械加工により、実際のシリンダヘッドにおけるエンジンバルブの着座部の形状に仕上げて、本例の積層部材を得た。なお、被膜層厚みは、0.2mmである(以下、同様である。)。仕様の一部を表1に示す。
【0076】
(実施例2〜実施例12、比較例1及び比較例2)
表1〜表3に示すように、第1粉末や第2粉末の仕様を変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、各例の積層部材を得た。なお、TRIBALOY(登録商標)T−400、T−700は、ケナメタルステライト社製のものである。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
ここで、表1〜表3において、各例の被膜層の断面における第1粒子の割合や第2粒子の割合、気孔率は、被膜層における断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像などの観察、及び断面走査型電子顕微鏡(SEM)像の2値化などの画像処理を複数回行うことによって、算出した。また、各例の被膜層における第1粒子や第2粒子のビッカース硬さは、日本工業規格で規定されているビッカース硬さ試験(JIS Z 2244)に準拠して測定・算出した。なお、算術平均値を求めるために測定数を10箇所とした。また、測定位置を定めるに当たって、被膜層の走査型電子顕微鏡(SEM)像や透過型電子顕微鏡(TEM)像などの観察、エネルギー分散型X線(EDX)分析の結果などを利用した。さらに、各例の第1粒子における析出相は、被膜層における断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像などの観察、及びエネルギー分散型X線(EDX)分析によって特定した。また、各例における積層部材の断面における中間層の有無や塑性変形部の有無は、被膜層における断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像などの観察、及びエネルギー分散型X線(EDX)分析によって特定した。なお、実施例1〜実施例12、比較例1及び比較例2のいずれにおいても、析出相が観察され、基材及び被膜層に塑性変形部が観察された。
【0081】
[性能評価]
上記各例について、下記の各種性能を評価した。
【0082】
(被膜層の形成効率)
上記各例の被膜層と同様の形成条件で、上記各例の粉末を、平板状のアルミニウム基材上に、一定時間吹き付けて、粉末供給量と未付着粉末量とを計測し、付着率を算出して、形成効率を評価した。得られた結果を表1〜表3に併記する。
【0083】
(耐摩耗性)
図4は摩耗試験装置の概略を示す断面図である。
図4に示すように、バルブスプリング42、エンジンバルブ43、ステムシール44、バルブガイド45、シリンダヘッド46、46’、コッタ49等の実際のエンジンの部品を用いて、エンジンの動弁機構に似た摩耗試験装置を構築した。なお、シリンダヘッド46におけるエンジンバルブ43の着座部46Aとしては、上記各例において得られた積層部材1を適用した。また、積層部材1は、基材10上に形成された所定の被膜層20を備えている。さらに、図中のエンジンバルブ43は、開き状態を示しており、エンジンバルブ43は、図示しない偏心カムにより図中矢印Yで示す上下方向に振動して、エンジンバルブ43の開閉を繰り返す。なお、シリンダヘッド46におけるエンジンバルブ43の着座部46Aの摺動面46aは、ガスバーナBの火炎Fにより高温環境下とされている。また、着座部46Aは、温度計Tにより温度が計測されている。さらに、シリンダヘッド46内には冷却水Wが循環している。
【0084】
上述した摩耗試験装置を用い、下記の試験条件下、摩耗量を測定、算出した。具体的には、形状測定装置を用いて試験前と試験後のシリンダヘッドにおけるエンジンバルブの着座部の形状を取得し、4カ所の摩耗量を測定し、平均値を算出して、これを摩耗量とした。得られた結果を表1〜表3に併記する。
【0085】
<試験条件>
・温度:300℃(排気ポート側のシリンダヘッドにおけるエンジンバルブの着座部を想定した。)
・入力回数:540000回
【0086】
表1〜表3より、本発明の範囲に属する実施例1〜実施例12は、所定の第1粉末と第2粉末を用いて被膜層を形成しているため、本発明外の比較例1及び比較例2と比較して、付着率が高く、被膜層の形成効率が優れていることが分かる。
【0087】
特に、平均粒子径(d50)が同程度である第2粉末を用いた実施例8、実施例9と比較例1、比較例2とを比較すると、所定の第1粉末と共に、所定の不規則形状を有する第2粉末を用いて被膜層を形成する積層部材の製造方法における被膜層の形成効率が優れていることが分かる。
【0088】
また、平均粒子径(d50)が同程度である第2粉末を用いた実施例8、実施例9と比較例1、比較例2とを比較すると、所定の第1粉末と共に、所定の不規則形状を有する第2粉末を用いて被膜層を形成する積層部材の製造方法においては、被膜層における第2粒子の割合(面積%)が高くなることが分かる。
【0089】
さらに、被膜層における第2粒子の割合(面積%)は、積層部材の耐摩耗性の向上に特に寄与し易い。そのため、所定の第1粉末と共に、所定の不規則形状を有する第2粉末を用いて被膜層を形成する積層部材の製造方法は、耐摩耗性に優れた被膜層の形成効率に優れた積層部材の製造方法であることが分かる。
【0090】
また、表1〜表3より、第1粉末及び第2粉末の平均粒子径(d50)が50μm以下であると、付着率が高く、被膜層の形成効率が優れていることが分かる。
【0091】
さらに、表1〜表3より、第2粉末の平均粒子径(d50)が14〜50μm、さらに25〜50μmであると、付着率が高く、被膜層の形成効率が優れていることが分かる。
【0092】
特に、第1粉末と第2粉末との配合割合が第1粉末:第2粉末=50:50(質量比)の場合、第2粉末の平均粒子径(d50)が14〜50μmの領域においては、第2粉末の平均粒子径(d50)が大きくなるに従って、付着率が高くなる傾向を有することが分かる。
【0093】
また、第1粉末と第2粉末との配合割合が第1粉末:第2粉末=50:50(質量比)の場合、第2粉末の平均粒子径(d50)が14〜50μmの領域においては、第2粉末の平均粒子径(d50)が大きくなるに従って、第2粒子の割合(面積%)が高くなる傾向を有することが分かる。
【0094】
さらに、実施例2の第1粉末と第2粉末とを用いて、第1粉末と第2粉末との配合割合を第1粉末:第2粉末=100:0〜50:50(質量比)の範囲で変化させた場合、付着率は98.9%(第1粉末:第2粉末=100:0(質量比))、91.0%(第1粉末:第2粉末=90:10(質量比))、82.9%(第1粉末:第2粉末=80:20(質量比))、73.9%(第1粉末:第2粉末=70:30(質量比))、66.5%(第1粉末:第2粉末=60:40(質量比))、57、6%(第1粉末:第2粉末=50:50(質量比))となる。特に限定されるものではないが、例えば、上記配合割合と付着率とを考慮すれば、第1粉末と第2粉末との配合割合は第1粉末:第2粉末=70:30〜50:50(質量比)の範囲であることが好ましいと考えられる。
【0095】
また、表1〜表3より、第2粉末がコバルト基合金粉末であるため、付着率が高く、被膜層の形成効率が優れているとも考えられる。また、第2粉末がコバルト基合金粉末であるため、積層部材の耐摩耗性が優れているとも考えられる。
【0096】
さらに、表1〜表3より、第1粉末の圧縮強度が50〜110N/mm
2であるため、付着率が高く、被膜層の形成効率が優れているとも考えられる。また、第1粉末の圧縮強度が50〜110N/mm
2であるため、積層部材の耐摩耗性が優れているとも考えられる。
【0097】
ここで、
図5は、実施例2の積層部材の基材10と被膜層20との境界面付近における断面透過型電子顕微鏡(TEM)像である。また、
図6は、実施例2の積層部材の
図5に示す線分Zにおけるエネルギー分散型X線(EDX)分析(線分析)の結果を示すグラフである。なお、
図5に示す位置Pと
図6に示す位置Pとは同じ位置を示している。また、
図6において、
図5に示す線分Zの基材20側端部の位置を0.0μmの位置とし、線分Zの被膜層20側端部の位置を2.0μmの位置としている。
【0098】
図5及び
図6より、積層部材は、アルミニウム合金の基材10と、基材10上に形成された銅合金の被膜層20とを備えており、基材10と被膜層20との間に中間層が形成されていることが分かる。そして、中間層は、約0.75〜1.31μmの位置に形成されていることが分かる。また、拡散層は、約0.75〜0.96μmの位置と約1.23〜1.31μm位置に形成されていることが分かる。さらに、拡散層は、組成に関して傾斜構造を有していることが分かる。また、約0.96〜1.23μmの位置においては、アルミニウムとマグネシウムと銅との比が、Al:Mg:Cu=2:1:1(原子比)程度であり、金属間化合物層が形成されていることが分かる。
【0099】
このように、実施例2のような優れた耐摩耗性を有する積層部材が得られたのは、基材と被膜層との間の少なくとも一部に形成された拡散層及び金属間化合物層の双方を含む中間層を備えたためとも考えられる。さらに、実施例2のような優れた耐摩耗性を有する積層部材が得られたのは、組成に関して傾斜構造を有する拡散層を含む中間層を備えるためや、金属間化合物層が組成に関して傾斜構造を有する拡散層で挟まれた構造を有する中間層を備えるためとも考えられる。
【0100】
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0101】
例えば、上述した各実施形態や各実施例に記載した構成は、実施形態毎や実施例毎に限定されるものではなく、例えば、第1粉末や第2粉末の仕様や配合比率などの構成や成膜条件を変更したり、各実施形態や各実施例の構成を上述した各実施形態や各実施例以外の組み合わせにしたりすることができる。