(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。以下の全図において、同一の構成には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る営業支援装置の一実施形態について図面を用いて説明する。第1の実施形態では、複数の業者が携わる地下鉄工事などの大型工事を例にする。複数業者が携わる大型工事では一業者の工程遅れはその業者で挽回できるものでなく、工程全体に及ぼす影響が大きいため、事前メンテナンス等は非常に重要である。
【0013】
図1は、本実施形態に係る営業支援装置を含む営業支援システムのハードウェア構成図で示す。営業支援システム1は、ネットワーク2を介して建設機械のメーカ又は保守管理業者が用いる営業支援装置100と、建設機械の顧客が用いる少なくとも一つの顧客端末200と、建設機械の営業担当者が使用する営業端末300と、営業支援装置100が営業支援処理を行う際に参照するデータベース400の其々と接続される。ネットワーク2は、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、又はインターネット等の一般公衆回線を一部又は全部に用いた通信網である。
【0014】
データベース400は、例えばERP(Enterprise Resource Planning)等のシステム、又はそれに準じるデータを蓄積したデータベース、又は記憶装置であり、稼働実績情報と、受注実績情報と、メンテナンス情報と、工事情報と、在庫情報とを、少なくとも保持している。
【0015】
営業支援装置100、顧客端末200及び300は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。営業支援装置100は、演算装置101、主記憶装置102、外部記憶装置103、及びI/F(Interface)104を含み、これらがバス105を介して互いに接続されて構成される。I/F104には、通信装置106、入力装置107、及び出力装置108が接続される。営業支援装置100は、通信装置106を介してネットワーク2に接続される。顧客端末200及び営業端末300のハードウェア構成も営業支援装置100と同様である。
【0016】
演算装置101は、CPU(Central Processing Unit)であって、主記憶装置102又は外部記憶装置103に記録されたプログラムに従って処理を実行する。
【0017】
主記憶装置102は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。
【0018】
外部記憶装置103は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディアである。
【0019】
通信装置106は、営業支援装置100をネットワーク2に接続するための装置であって、例えばNIC(Network Interface Card)等の通信デバイスである。
【0020】
入力装置107は、顧客からの入力操作を受け付ける装置であり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等である。
【0021】
出力装置108は、営業支援装置100に格納されたデータの出力処理を行う装置であって、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置、又はプリンタ等である。
【0022】
顧客及び営業担当者は、顧客端末200又は営業端末300から顧客名(顧客を固有に識別する顧客識別情報に相当する。IDでもよい。)、工事開始予定日情報、工事終了予定日情報、メンテナンス実施希望情報、及び希望メンテナンス実施日情報を入力する。顧客端末200又は営業端末300はネットワーク2を介してこれらの入力情報を営業支援装置100へ送信する。また、顧客端末200又は営業端末300は、営業支援装置100から営業支援装置100が出力する情報を受信し、顧客又は営業者に例えばモニタに表示することで通知する。
【0023】
図2は、営業支援装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
営業支援装置100は、稼働時間推定部111、部品特定部112、在庫予測部113、入力制御部114、出力制御部115、及び記憶部120を含む。
【0025】
記憶部120は、稼働実績情報記憶部121、受注実績情報記憶部122、メンテナンス情報記憶部123、工事情報記憶部124、及び在庫情報記憶部125を含む。
【0026】
ここで工事情報記憶部124の一例を示す。
図3に稼働実績情報記憶部121の一例を、
図4に受注実績情報記憶部122の一例を、
図5にメンテナンス情報記憶部123の一例を、
図6に工事情報記憶部124の一例を、
図7に在庫情報記憶部125の一例を
図7に示す。
【0027】
図3の稼働実績情報記憶部121は、複数のレコードで構成されている。各レコードは、顧客名又は顧客識別番号が格納されている顧客名フィールド1211と、顧客が保有している機械の個体識別情報が格納されている機種号機フィールド1212と、該個体の過去の累積稼働時間情報が格納されている累積稼働時間フィールド1213と、該累積稼働時間が計上された日付が格納されている日付フィールド1214とを含んで構成されている。
【0028】
図4の受注実績情報記憶部122は、複数のレコードで構成されている。各レコードは、顧客名又は顧客識別番号が格納されている顧客名フィールド1221と、顧客が保有している機械の個体識別情報が格納されている機種号機フィールド1222と、該個体に対して、メンテナンス作業を受注あるいは実施した日付情報が格納されている日付フィールド1223と、該日付にいて実施あるいは受注したメンテナンス作業名が格納されているメンテナンスフィールド1224と、該日付における稼働時間情報が格納されている稼働時間フィールド1225と、該メンテナンスを実施したときに使用した部品の情報が格納されている使用部品フィールド1226と、を含んで構成されている。
【0029】
図5のメンテナンス情報記憶部123は、複数のレコードで構成されている。各レコードは、メンテナンス作業名が格納されているメンテナンス名フィールド1231と、該メンテナンスに必要な部品名あるいは部品番号が格納されている部品フィールド1232と、該メンテナンスに必要な部品の数量が格納されている必要数量フィールド1233と、部品の価格が格納されている価格フィールド1234と、該メンテナンスを実施する場合に、必要部品が実際に必要となる確率、あるいは実際に購入される確率である必要確率が格納されている必要確率フィールド1235と、該メンテナンスを実施するべき周期時間情報が格納されている寿命フィールド1236と、を含んで構成される。なお、上記必要確率は、受注実績情報記憶部122に記載されているメンテナンスフィールド1224のメンテナンス作業名毎に、該メンテナンス作業を実施した全ての機械の中で、使用部品フィールド1226に記載されている部品を使用した機械の台数を計算することで、算出することができる。また、作業日数フィールド1237を更に備えてもよい。この詳細は後述する。
【0030】
図6の工事情報記憶部124は、複数のレコードで構成される。各レコードは、顧客名又は顧客識別番号が格納されている顧客名フィールド1241、顧客が工事を開始した日付あるいは開始する予定の日付情報が格納されている工事開始日フィールド1242と、顧客が大型工事を終了した日付あるいは終了する予定の日付情報が格納されている工事終了日フィールド1243を含む。即ち工事情報には、顧客が過去に工事を行った工事実施期間及びこれから実施する工事実施予定期間の両方が記憶される。
【0031】
図7の在庫情報記憶部125は、複数のレコードで構成されている。各レコードは、部品名又は部品番号が格納されている部品フィールド1251と、部品の在庫数量が格納されている在庫数量フィールド1252と、を含んで構成される。
【0032】
図2に戻り、稼働時間推定部111は、稼働実績情報記憶部121と、工事情報記憶部124とを参照し顧客が保有している機械毎の将来の大型工事中の到達稼働時間を推定する。
【0033】
部品特定部112は、稼働時間推定部111が推定した到達稼働時間と、受注実績情報記憶部122と、工事情報記憶部124と、メンテナンス情報記憶部123とを参照し、将来の大型工事期間中に必要なメンテナンス作業及び、その作業に必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日を算出する機能を備える。
【0034】
在庫予測部113は、在庫情報記憶部125と、部品特定部112が算出したメンテナンスに必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日と、を入力とした在庫シミュレーション処理により、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求め、該予想在庫数量に基づいて、欠品確率を算出する機能を備える。
【0035】
入力制御部114は、ネットワーク2を介して接続されたデータベース400から稼働実績情報と、受注実績情報と、メンテナンス情報と、工事情報と、在庫情報とを受け取り、記憶部120へ格納する機能を有する。また、顧客端末200及び営業端末300から送信された顧客名と、機種号機情報と、工事開始予定日情報と、工事終了予定日情報と、メンテナンス実施希望情報と、希望メンテナンス実施日情報と、を受けとる機能及び、顧客名と、工事開始予定日情報と、工事終了予定日情報と、を記憶部120が記憶している工事情報記憶部124へ追加する機能を有する。
【0036】
出力制御部115は、入力制御部114が受け取った顧客名と、機種号機情報と、工事開始予定日情報と、工事終了予定日情報と、稼働時間推定部111が推定した到達稼働時間と、部品特定部112が算出した将来の大型工事期間中に必要なメンテナンス作業及び、その作業に必要な部品一覧とその必要数とその価格及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日と、在庫予測部113が算出した予想在庫数量と、欠品確率と、をネットワーク2を介して接続された顧客端末200及び300へ送信する機能を有する。また、出力制御部115は、必要な部品の在庫予約指示を、ネットワーク2を介して接続された顧客端末200、営業端末300、あるいは記憶部120へ出力する機能を備える。
【0037】
稼働時間推定部111、部品特定部112、在庫予測部113、入力制御部114、及び出力制御部115は、外部記憶装置103に記憶された各部の機能を実現するソフトウェアを演算装置101が読み出して、主記憶装置102に展開して実行することにより、ソフトウェアとハードウェアとが協働して構成される。また営業支援装置100の各部の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、営業支援装置100の各部は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。また記憶部120は、外部記憶装置103又はデータベース400の一部記憶領域に形成されてもよい。
【0038】
次に、本実施形態における営業支援装置100及び、営業支援システム1が実行する処理の流れについて、
図8のフローチャートを用いて説明する。
図9は、該入力画面1200の一例である。
【0039】
まず、ステップS101において、顧客端末200あるいは営業端末300は、
図9に示す入力画面1200を表示する。
【0040】
次に、ステップS102において、顧客端末200あるいは営業端末300を使用する顧客あるいは営業担当者は、顧客名入力フィールド1201に顧客名情報を入力し、機種号機入力フィールド1202に顧客が保有する機械の識別する機種号機情報を入力し、工事開始予定日フィールド1203に工事開始予定日情報を入力し、工事終了予定日フィールド1204に工事終了予定日情報を入力し、確定ボタン1205を押下することで、顧客名と、機種号機情報と、工事開始予定日情報と、工事終了予定日情報と、がネットワーク2を介して営業支援装置100へ送信される。
【0041】
営業支援装置100の入力制御部114は、顧客名と、工事開始予定日情報と、工事終了予定日情報と、を工事情報記憶部124へ追加する。
【0042】
次に、ステップS103において、稼働時間推定部111は、顧客が保有している機械毎の、大型工事時期の稼働時間を推定する。稼働時間推定部111の具体的な動作について具体的に図を用いて説明する。
【0043】
まず、稼働時間推定部111は、
図3に示す稼働実績情報記憶部121を参照し、現時点までの1日辺りの平均稼働時間を算出する。稼働実績情報記憶部121では、001号機の累積稼働時間は7214時間であり、稼働日数は2010/2/10から2017/3/31までの2606日間であるため、おおよそ2.8時間/日であると計算できる。
【0044】
また、稼働時間推定部111は、
図6に示した工事情報記憶部124を参照し、現在の日付が2017/3/31であった場合、該顧客A社では、現在の日付から大型工事開始日2018/2/15までは321日であるため、該大型工事開始日2018/2/15には、該001号機の稼働時間は、7214時間+321日×2.8時間/日=8103時間であることが計算できる。同様に、該大型工事終了予定日2018/3/20の到達稼働時間は、8194時間であることが計算できる(
図10参照)。
【0045】
次に、ステップS104において、部品特定部112は、ステップS104で稼働時間推定部111が推定した到達稼働時間と、受注実績情報記憶部122と、工事情報記憶部124と、メンテナンス情報記憶部123とを参照し、将来の大型工事期間中に必要なメンテナンス作業及び、その作業に必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日を算出する。
【0046】
部品特定部112の具体的な動作について、図を用いて説明する。
図4に示した受注実績情報記憶部122より、顧客A社の001号機に対して、2016/12/20に、稼働時間6151時間の時点で部品111点検及び部品777点検の2つのメンテナンス作業を実施したことがわかる。
【0047】
また、メンテナンス情報記憶部123より、次の部品777点検は6151時間の1500時間後である7651時間に実施されると推定できる。同様に、メンテナンス情報記憶部123より、次の部品111点検は6151時間の2000時間後である8151時間に実施されると推定できる(
図11参照)。このとき、次の部品111点検は、大型工事期間中であることがわかり、更に、稼働時間推定部111が推定した1日辺りの平均稼働時間2.8時間/日を用いる事で、その日付は2018/3/16であることが推定できる。これにより、大型工事期間中に必要なメンテナンス作業は部品111点検であり、メンテナンス情報記憶部123より、該メンテナンスに必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日が算出できる。
【0048】
次に、ステップS105において、在庫予測部113は、在庫情報記憶部125と、ステップS105において部品特定部112が算出した情報と、を入力とした在庫シミュレーションにより、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求め、該予想在庫数量に基づいて、欠品確率を算出する。在庫予測部113の動作について、
図12及び
図13を用いて説明する。
図12は、在庫予測部113の動作のフローチャートである。
図13は、部品特定部112が顧客毎に算出したメンテナンスに必要な部品一覧の内の、ある1品目に着目した予想在庫数量推移をグラフで示した事例である。
【0049】
ステップS1201において、在庫予測部113は、
図6に示した在庫情報記憶部125より、該品目の現時点の在庫数量を、現時点在庫数として取得する。これは、
図13のグラフでは、現時点の軸上における予想在庫数量として示されている。
【0050】
次に、ステップS1202において、在庫予測部113は、部品特定部112が算出した、顧客毎の必要数と、必要確率の掛け算により、顧客毎に該品目の必要期待値を算出する。これは、
図13のグラフでは、顧客A必要期待値として示されている。
【0051】
次に、ステップS1203において、在庫予測部113は、発生予想日2018/3/16に、必要期待値の数量だけ在庫を減算することにより、該部品の将来の予想在庫数量の推移を算出する。これにより、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求めることができる。また、予想在庫数量が所定の値、例えば0を下回る場合には、欠品確率が高い、と判定することができる。
【0052】
また、在庫予測部113は、入力制御部114から、後述する実施希望メンテナンス情報と、後述する希望メンテナンス実施日情報を受け取り、シミュレーションの結果に基づいて、希望メンテナンス実施日における予想在庫数量を算出する機能を有する。
【0053】
図8に戻り、ステップS106において、出力制御部115は、顧客名と、機種号機情報と、工事開始予定日情報と、工事終了予定日情報と、稼働時間推定部111が推定した到達稼働時間と、部品特定部112が算出した将来の大型工事期間中に必要なメンテナンス作業及び、その作業に必要な部品一覧とその必要数とその価格及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日と、在庫予測部113が算出した予想在庫数量と、欠品確率と、をネットワーク2を介して接続された顧客端末200及び営業端末300へ送信する。
【0054】
また、顧客端末200あるいは営業端末300の出力制御部(不図示)は、営業支援装置100の出力制御部115から送信された情報に基づいて、メンテナンス作業一覧を含む入出力画面1300a、1300bを生成し、表示する。
図14Aは、該入出力画面1300aの一例である。出力制御部115が入出力画面1300aを出力するタイミングの一例として、例えばどのメンテナンス作業が必要であっても、余裕をもってメンテナンス作業を終えられる作業期間を予め決めておき、工事開始日を基準として予め決めた作業期間前に入出力画面1300aを顧客端末200や営業端末300に送信するように構成してもよい。
【0055】
次に、ステップS107において、顧客端末200あるいは営業端末300を使用する顧客あるいは営業担当者は、実施希望フィールド1301にチェックを入力することで、実施を希望するメンテナンスを選択し、希望メンテナンス実施日フィールド1302に、実施を希望するメンテナンスの実施希望日(
図14Aでは2018/3/25)を入力し、確定ボタン1303を押下することで、実施を希望するメンテナンス内容及び希望メンテナンス実施日の情報が、ネットワーク2を介して営業支援装置100へ送信される。また、入力制御部114は、実施を希望するメンテナンス内容及び希望メンテナンス実施日を在庫予測部113へ受け渡す。
【0056】
図14Bは、入出力画面1300aの他例を示す図である。
図14Bの入出力画面1300bでは、顧客が希望メンテナンス実施日を決定する際に参考となるための情報欄1304を含んでもよい。本例では、「メンテナンスに要する期間は7日が目安です」と表示する。これにより顧客に対し、万一工事期間中に故障が発生した場合、7日の工期遅延が発生する恐れがあるとの注意喚起ができるので、工事開始前にメンテナンスを行おうとする意思決定を促すことができる。なお、
図14Bでは、希望メンテナンス実施日を決定する際に参考となるための情報欄1304に記載する作業工数は、最もメンテナンスに時間がかかる作業を想定して例えば2週間と表示したが、
図5のメンテナンス情報記憶部123に、各メンテナンス作業に要する作業日数を記憶する作業日数フィールド1237を更に備え、
図14Bの情報欄1304に、実施希望フィールド1301にチェックがついたメンテナンス毎の作業時間を表示してもよい。これにより、例えば大型工事の開始前に他の工事にも当該機を使用しており非稼働日数が10日しかない場合には、部品111点検は無理でも、部品777点検が8日で済む場合には、部品777点検だけでもメンテナンスの希望を出してみるといった、顧客がメンテナンス希望日の決定をより細やかに判断する材料を提供できる。
【0057】
次に、ステップS108において、在庫予測部113は、入力制御部114から、実施希望メンテナンス情報と、希望メンテナンス実施日情報を受け取り、シミュレーションの結果に基づいて、希望メンテナンス実施日における予想在庫数量を算出し、該予想在庫数量を出力制御部115へ受け渡す。
【0058】
次に、ステップS109において、出力制御部115は、希望メンテナンス実施日における予想在庫数量をネットワーク2を介して接続された顧客端末200及び営業端末300へ送信する。また、顧客端末200あるいは営業端末300は、出力制御部115から送信された情報に基づいて、出力画面1400(
図15参照)を表示する。
【0059】
図15は、出力画面1400の一例である。出力画面1400には、顧客名と、顧客が保有する機種号機情報と、将来の大型工事期間情報と、推定稼働時間情報と、希望メンテナンス実施日情報と、実施希望メンテナンス情報と、が表示される。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、顧客にとって重要な大型工事を開始する前に、該大型工事の期間中に実施する可能性のあるメンテナンス内容と、そのために必要な部品の情報を顧客へ提供することができる。そのため、顧客にとっては、顧客が工事計画を立案する上で、事前に部品交換時期を設定することが可能となり、顧客のメンテナンス効率及び作業効率が向上し、大型工事における工程遅れを抑制することができる。
【0061】
更に、本実施形態に係る営業支援装置及び営業支援システムは、大型工事期間及び顧客が設定した部品交換時期における予想在庫数量を顧客へ提供することができるため、顧客にとっては、該部品が欠品する危険性を把握できる、メンテナンス時期やそれに必要な作業や部品の入手判断を適切に行えるようになる。
【0062】
なお、本発明では地下鉄工事など複数の業者が携わる大型工事を例としたが、それに拘ることなく、少数業者が携わる工事でもよい。こちらも一業者の工程遅れが全体工程に及ぼす影響はあるが、大型工事に比べ一業者で挽回できるなど小さいものである。しかし事前のメンテナンス等が必要である事に変わりは無く、更に工程通りに行く事で顧客の利益確保にも大きく繋がる。
【0063】
<第2実施形態>
第2実施形態は、A社の工事中負荷が、非工事中負荷と異なるため、工事中負荷を考慮することにより、部品需要の時期予測精度を向上させる実施形態である。第1実施形態との違いは、ステップS103の稼働時間推定部111と、ステップS104の部品特定部112と、ステップS105の在庫予測部113の動作である。以下本実施形態におけるステップS103〜S105の処理について説明する。
【0064】
第2実施形態では、ステップS103において、稼働時間推定部111は、顧客が保有している機械毎の、大型工事時期の稼働時間を推定する。稼働時間推定部111の具体的な動作について具体的に図を用いて説明する。
図16Aは現在までの稼働時間の推移を示す図であり、
図16Bは現在以降の稼働時間の推移を示す図である。
【0065】
まず、稼働時間推定部111は、
図6に示した工事情報記憶部124と、
図3に示す稼働実績情報記憶部121から、顧客A社の工事期間中の1日辺りの平均稼働時間と、工事期間以外の期間における1日辺りの平均稼働時間と、を算出する。具体的には、工事情報記憶部124に記載されている、現在日付までの各工事開始日及び工事終了日に該当する日付の累積稼働時間情報を、稼働実績情報記憶部121から取得する。
【0066】
図16Aの例では、現在の日付が2017/3/31であった場合、工事期間の工事日数は、2011/1/10から2011/3/16の65日間と、2011/10/1から2011/11/1の31日間の合計96日間であり、該工事期間中の稼働時間は、896時間から1155時間の259時間と、1700時間から1824時間の124時間の合計383時間である。このことから、該顧客A社の工事期間中の1日辺りの平均稼働時間は、383時間÷96日間で、およそ4時間/日であると計算できる。また、工事期間以外の非工事期間の工事日数は、該機械の稼働開始日である2010/2/10から現在日付である2017/3/31までの2606日から、工事期間の日数である96日を引いて、2510日と計算できる。また、工事期間以外の期間の稼働時間は、現在日付2017/3/31の累積稼働時間である7214時間から、工事期間中の稼働時間である383時間を引いて、6831時間であると計算できる。これにより、工事期間以外の期間における1日辺りの平均稼働時間は、6831時間÷2510日で、およそ2.7時間/日であると計算できる。
【0067】
次に、
図6に示した工事情報記憶部124より、現在の日付が2017/3/31であった場合、
図16Bに示すように、該顧客A社では、現在の日付から大型工事開始日2018/2/15までは321日であるため、該大型工事開始日2018/2/15には、該001号機の稼働時間は、7214時間+321日×工事期間中の1日辺りの平均稼働時間4.0時間/日=8093時間であることが計算できる。同様に、該大型工事終了予定日2018/3/20の到達稼働時間は、8225時間であることが計算できる。
【0068】
次に、ステップS104において、部品特定部112は、ステップS104で稼働時間推定部111が推定した到達稼働時間と、受注実績情報記憶部122と、工事情報記憶部124と、メンテナンス情報記憶部123と、から、将来の大型工事期間中に必要なメンテナンス作業及び、その作業に必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日を算出する。部品特定部112の具体的な動作については、図を用いて説明する。
【0069】
図4に示した受注実績情報記憶部122より、顧客A社の001号機に対して、2016/12/20に、稼働時間6151時間の時点で部品111点検及び部品777点検の2つのメンテナンス作業を実施したことがわかる。また、メンテナンス情報記憶部123より、次の部品777点検は6151時間の1500時間後である7651時間に実施されると推定できる。同様に、メンテナンス情報記憶部123より、次の部品111点検は6151時間の2000時間後である8151時間に実施されると推定できる(
図17参照)。このとき、次の部品111点検は、大型工事期間中であることがわかり、更に、ステップS103において稼働時間推定部111が算出した、工事期間中の1日辺りの平均稼働時間4.0時間/日を用いる事で、その日付は2018/3/1であることが推定できる。これにより、大型工事期間中に必要なメンテナンス作業は部品111点検であり、メンテナンス情報記憶部123より、該メンテナンスに必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日が2018/3/1であると算出できる。
【0070】
次に、ステップS105において、在庫予測部113は、記憶部120が記憶している在庫情報記憶部125と、ステップS105において部品特定部112が算出した情報と、を入力とした在庫シミュレーションにより、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求め、該予想在庫数量に基づいて、欠品確率を算出する。在庫予測部113の動作について、
図18を用いて説明する。
図18は、部品特定部112が顧客毎に算出したメンテナンスに必要な部品一覧の内の、顧客A社の1品目に着目した予想在庫数量推移をグラフで示した事例である。なお、在庫予測部113の動作フローは、
図12と同様であるので
図12を援用する。
【0071】
ステップS1201において、在庫予測部113は、
図6に示した在庫情報記憶部125より、該品目の現時点の在庫数量を、現時点在庫数として取得する。これは、
図17のグラフでは、現時点の軸上における予想在庫数量として示されている。
【0072】
次に、ステップS1202において、在庫予測部113は、部品特定部112が算出した、顧客毎の必要数と、必要確率の掛け算により、顧客毎に該品目の必要期待値を算出する。これは、
図15のグラフでは、顧客A必要期待値として示されている。
【0073】
次に、ステップS1203において、在庫予測部113は、発生予想日である2018/3/1に、必要期待値の数量だけ在庫を減算することにより、該部品の将来の予想在庫数量の推移を算出する。これにより、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求めることができる。また、予想在庫数量が所定の値、例えば0を下回る場合には、欠品確率が高い、と判定することができる。
【0074】
また、在庫予測部113は、入力制御部114から、後述する実施希望メンテナンス情報と、後述する希望メンテナンス実施日情報を受け取り、シミュレーションの結果に基づいて、希望メンテナンス実施日における予想在庫数量を算出する機能を有する。
【0075】
本実施形態によれば、工事中負荷と非工事中負荷と部品需要の時期予測に反映させることで、部品需要の時期予測精度を向上させることができる。
【0076】
<第3実施形態>
第3実施形態は、複数顧客の情報を全て同時に利用して在庫数量予測の精度向上させる実施形態である。第2実施形態との違いは、ステップS103の稼働時間推定部111と、ステップS104の部品特定部112と、ステップS105の在庫予測部113の動作が変更になる。以下本実施形態におけるステップS103〜S105の処理について説明する。下記で参照する
図17は部品交換予想時期を示す図である。
図18は予想在庫数量の推移を示す図である。
図19は予想在庫数量のレポート出力例を示す図である。
【0077】
ステップS103において、稼働時間推定部111は、顧客が保有している機械毎の、大型工事時期の稼働時間を推定する。稼働時間推定部111の具体的な動作について具体的に図を用いて説明する。
【0078】
まず、稼働時間推定部111は、
図6に示した工事情報記憶部124と、
図3に示す稼働実績情報記憶部121から、顧客A社の工事期間中の1日辺りの平均稼働時間と、工事期間以外の期間における1日辺りの平均稼働時間と、を算出する。具体的には工事情報記憶部124に記載されている、現在日付までの各工事開始日及び工事終了日に該当する日付の累積稼働時間情報を、稼働実績情報記憶部121から取得する。
【0079】
図16Aの例では、現在の日付が2017/3/31であった場合、工事期間の日数は、2011/1/10から2011/3/16の65日間と、2011/10/1から2011/11/1の31日間の合計96日間であり、該工事期間中の稼働時間は、896時間から1155時間の259時間と、1700時間から1824時間の124時間の合計383時間である。このことから、該顧客A社の工事期間中の1日辺りの平均稼働時間は、383時間÷96日間で、およそ4時間/日であると計算できる。
【0080】
また、工事期間以外の期間は、該機械の稼働開始日である2010/2/10から現在日付である2017/3/31までの2606日から、工事期間の日数である96日を引いて、2510日と計算できる。
【0081】
また、工事期間以外の期間の稼働時間は、現在日付2017/3/31の累積稼働時間である7214時間から、工事期間中の稼働時間である383時間を引いて、6831時間であると計算できる。これにより、工事期間以外の期間における1日辺りの平均稼働時間は、6831時間÷2510日で、およそ2.7時間/日であると計算できる。
【0082】
次に、工事情報記憶部124より、現在の日付が2017/3/31であった場合、該顧客A社では、現在の日付から大型工事開始日2018/2/15までは321日であるため、該大型工事開始日2018/2/15には、該001号機の稼働時間は、7214時間+321日×工事期間中の1日辺りの平均稼働時間4.0時間/日=8093時間であることが計算できる。
【0083】
同様に、該大型工事終了予定日2018/3/20の到達稼働時間は、
図16Bに示すように8225時間であることが計算できる。同様の処理を全ての顧客の全ての号機に対して、各々実行することで、全ての顧客の全ての号機の将来の大型工事期間における到達稼働時間を推測することができる。
【0084】
次に、ステップS104において、部品特定部112は、ステップS104で稼働時間推定部111が推定した到達稼働時間と、受注実績情報記憶部122と、工事情報記憶部124と、メンテナンス情報記憶部123と、から、将来の大型工事期間中に必要なメンテナンス作業及び、その作業に必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日を算出する。部品特定部112の具体的な動作については、図を用いて説明する。
【0085】
図4に示した受注実績情報記憶部122より、顧客A社の001号機に対して、2016/12/20に、稼働時間6151時間の時点で部品111点検及び部品777点検の2つのメンテナンス作業を実施したことがわかる。また、
図5に示したメンテナンス情報記憶部123より、次の部品777点検は6151時間の1500時間後である7651時間に実施されると推定できる(
図17参照)。同様に、メンテナンス情報記憶部123より、次の部品111点検は6151時間の2000時間後である8151時間に実施されると推定できる(
図17参照)。このとき、次の部品111点検は、大型工事期間中であることがわかり、更に、ステップS103において稼働時間推定部111が算出した、工事期間中の1日辺りの平均稼働時間4.0時間/日を用いる事で、その日付は2018/3/1であることが推定できる。
【0086】
これにより、大型工事期間中に必要なメンテナンス作業は部品111点検であり、メンテナンス情報記憶部123より、該メンテナンスに必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日が2018/3/1であると算出できる。
【0087】
同様の処理を全ての顧客の全ての号機に対して、各々実行することで、全ての顧客の全ての号機に対して、メンテナンスに必要な部品一覧とその必要数及び、その必要確率及び、該メンテナンスの発生予想日を算出することができる。
【0088】
次に、ステップS105において、在庫予測部113は、
図7に示す在庫情報記憶部125と、ステップS105において部品特定部112が算出した情報と、を入力とした在庫シミュレーションにより、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求め、該予想在庫数量に基づいて、欠品確率を算出する。在庫予測部113の動作について、
図19を用いて説明する。
図19は、部品特定部112が顧客毎に算出したメンテナンスに必要な部品一覧の内の、ある1品目に着目した予想在庫数量推移をグラフで示した事例である。在庫予測部113の動作のフローチャートは
図12と同様であるので、
図12を援用して説明する。
【0089】
ステップS1201において、在庫予測部113は、在庫情報記憶部125より、該品目の現時点の在庫数量を、現時点在庫数として取得する。これは、
図19のレポート出力例に含まれるグラフでは、現時点の軸上における予想在庫数量として示されている。
【0090】
次に、ステップS1202において、在庫予測部113は、部品特定部112が算出した、顧客毎の必要数と、必要確率の掛け算により、顧客毎に該品目の必要期待値を算出する。これは、
図19のグラフでは、顧客A必要期待値及び顧客B必要期待値及び顧客C必要期待値として示されている。
【0091】
次に、ステップS1203において、在庫予測部113は、発生予想日である2018/3/1に、各顧客の必要期待値の数量だけ在庫を減算することにより、該部品の将来の予想在庫数量の推移を算出する。これにより、将来の大型工事期間中の予想在庫数量を求めることができる。また、予想在庫数量が所定の値、例えば0を下回る場合には、欠品確率が高い、と判定することができる。
図19に示す本例では、2018/3/1の時点で予想在庫数量が0を下回っているため、顧客Aの必要期待値に対しては、欠品が発生する可能性が高いことがわかる。その際出力制御部115は、メンテナンス発生日の2018/3/1に欠品になることを知らせる警告表示1901を在庫予測情報に付加してもよい。
【0092】
また、在庫予測部113は、入力制御部114から、後述する実施希望メンテナンス情報と、後述する希望メンテナンス実施日情報を受け取り、シミュレーションの結果に基づいて、希望メンテナンス実施日における予想在庫数量を算出する機能を有する。
【0093】
本実施形態によれば、営業支援装置100は顧客端末200に
図19に示す在庫予測データを随時送ってもよい。これにより、顧客はメンテナンスに必要な部品の在庫数を確認しながら、希望メンテナンス実施日を決定できる。
【0094】
また、顧客のメンテナンス発生日に在庫数が少なくなることがわかれば、顧客に対してより早いタイミングでメンテナンスを依頼して在庫をおさえるという意思決定をしやすくなる。
【0095】
本実施形態によれば、複数顧客の情報を全て同時に利用することで、在庫数量予測の精度向上させることができる。特に、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせると、部品需要の時期予測精度と在庫予測の精度とを向上させることで、欠品が起こる時期の予測精度を向上させることができる。
【0096】
上記各実施形態によれば、メンテナンス時期やそれに必要な作業や部品の入手判断を適切に行えるようになる。その結果、顧客にとっては、顧客が工事計画を立案する上で、事前に部品交換時期を設定することが可能となり、工事における工程遅れを回避しやすくなり、顧客の作業効率が向上する。
【0097】
また上記各実施形態によれば、営業支援装置及び営業支援システムは、工事期間及び顧客が設定した部品交換時期における予想在庫数量を顧客へ提供することができるため、顧客にとっては、該部品が欠品する可能性を把握できる。
【0098】
更に、営業担当者にとっては、部品が欠品する可能性が高い場合には、顧客に対して、事前の在庫確保のための予約注文を提案できるため、顧客個別の都合に応じたキャンペーン提案が可能となる。
【0099】
上記各実施形態は本発明を限定する趣旨ではなく、本実施形態に関する様々な変更態様は本発明に含まれるものである。例えば、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態の任意の組み合わせも本発明に含まれる。
【0100】
また第3実施形態において、予想在庫数量の推移がリアルタイムで変化し、変化の度に
図19に示すレポートが出力されることを防ぐために、一度レポートが出力されると一定期間は同じレポートが出力されないように出力制御部において出力タイミングの調整を行ってもよい。