特許第6802121号(P6802121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802121
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】自転車用コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   B62M 3/00 20060101AFI20201207BHJP
   B62M 6/55 20100101ALI20201207BHJP
   B62K 19/34 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B62M3/00 Z
   B62M6/55
   B62K19/34
【請求項の数】24
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-151596(P2017-151596)
(22)【出願日】2017年8月4日
(65)【公開番号】特開2019-31117(P2019-31117A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2019年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】藤原 孝彰
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3007728(JP,U)
【文献】 中国実用新案第202574542(CN,U)
【文献】 特開2002−331983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 3/00
B62K 19/34
B62M 6/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のクランク軸を支持する支持部を有するハウジングと、
前記支持部から独立して前記ハウジングに設けられ、前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第1取付部と、を含み、
前記第1取付部は、前記クランク軸が貫通する貫通孔を含み、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングの側面を押圧する端面と、前記フレームのうちの前記ハウジングの前記側面に対向する部分に接触する部分と、を有し、前記端面と前記部分とによって、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングと前記フレームとが相互に離反する方向の力を、前記ハウジングと前記フレームとに付与するように構成される、自転車用コンポーネント。
【請求項2】
自転車のクランク軸を支持する支持部を有するハウジングと、
前記支持部から独立して前記ハウジングに設けられ、前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第1取付部と、を含み、
前記第1取付部は、前記クランク軸が貫通する貫通孔を含み、前記クランク軸の軸方向に突出し、前記クランク軸の周方向に間隔を開けて設けられる凸部を有する、自転車用コンポーネント。
【請求項3】
前記第1取付部は、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングと前記フレームとが相互に離反する方向の力を、前記ハウジングと前記フレームとに付与するように構成される、請求項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項4】
前記第1取付部は、
雄ねじが形成され、前記ハウジングを押圧するように構成される第1部材と、
前記第1部材の前記雄ねじに結合される雌ねじが形成され、前記フレームを押圧するように構成される第2部材と、を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項5】
前記第1部材は、前記クランク軸の軸方向の第1端面が前記ハウジングを押圧するように構成される、請求項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項6】
前記第1部材は、前記クランク軸の軸方向に交差する方向において、前記ハウジングを支持するように構成される、請求項またはに記載の自転車用コンポーネント。
【請求項7】
前記第1部材は、前記貫通孔を有し、
前記ハウジングは、前記第1部材の前記貫通孔に挿入される挿入部分を含む、請求項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項8】
前記第2部材の少なくとも一部は、前記ハウジングと前記フレームとの間に設けられる、請求項4〜7のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項9】
前記第2部材の少なくとも一部は、前記第1部材と前記フレームとの間に設けられる、請求項4〜8のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項10】
前記第2部材は、前記クランク軸の軸方向に交差する方向において前記フレームの一部に接触するように構成される、請求項4〜9のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項11】
前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方は、工具を係合可能な工具係合部をさらに含む、請求項4〜10のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項12】
前記工具係合部は、第1部材の内周部または外周部の少なくとも一方に形成される、請求項11に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項13】
自転車のクランク軸を支持する支持部を有するハウジングと、
前記支持部から独立して前記ハウジングに設けられ、前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第1取付部と、を含み、
前記第1取付部は、前記クランク軸が貫通する貫通孔を含み、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングとの間に前記フレームを挟むように構成される、自転車用コンポーネント。
【請求項14】
前記第1取付部は、
前記ハウジングに結合するように構成される第1部分と、
前記第1部分よりも前記クランク軸の径方向の外方に延びて、前記フレームを押圧するように構成される第2部分と、を含む、請求項1、2、13のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項15】
前記ハウジングには、雌ねじが形成され、
前記第1部分は、前記貫通孔を形成する内周面と、前記雌ねじに結合される雄ねじが形成される外周面とを含む、請求項14に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項16】
前記ハウジングには、雄ねじが形成され、
前記第1部分は、前記雄ねじに結合される雌ねじが形成される内周面と、を含む、請求項14に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項17】
前記第1取付部は、工具を係合可能な工具係合部をさらに含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項18】
前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第2取付部をさらに含み、
前記第1取付部は、前記クランク軸の軸方向における前記ハウジングの第1側面部に設けられ、
前記第2取付部は、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングの第1側面部とは反対側の第2側面部に設けられる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項19】
前記第2取付部は、
前記ハウジングに形成されるねじ孔と、
前記フレームを貫通して前記ねじ孔に連結される第1連結部材と、を含む、請求項18に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項20】
前記第2取付部は、複数の前記ねじ孔と複数の前記第1連結部材とを含み、
前記複数のねじ孔と前記複数の第1連結部材とは、前記クランク軸の周囲に間隔を開けて設けられる、請求項19に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項21】
前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第3取付部をさらに含み、
前記第3取付部は、クランク軸の軸方向に交差する方向において、前記ハウジングに設けられる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項22】
前記第3取付部は、
前記ハウジングに形成されるねじ孔と、
前記フレームを貫通して前記ねじ孔に連結される第2連結部材と、を含む、請求項21に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項23】
前記ハウジングに設けられ、前記自転車の推進をアシストするモータをさらに含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【請求項24】
前記ハウジングは、少なくとも一部が前記フレームに収容可能に構成される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の自転車用コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用コンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用コンポーネントの一例として、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットが知られている。その一例である特許文献1のモータユニットは、ハウジングの外周部の凸部の孔とフレームの孔とにボルトをねじ込むことによって、自転車用コンポーネントをフレームに取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4416620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記モータユニットでは、ハウジングの外周部の凸部によって、モータユニットの自転車の幅方向と直交する方向のサイズを小型化しにくい。
【0005】
本発明の目的は、クランク軸に直交する方向における自転車用コンポーネントのサイズの小型化に貢献できる自転車用コンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面に従う自転車用コンポーネントの一形態は、自転車のクランク軸を支持する支持部を有するハウジングと、前記支持部から独立して前記ハウジングに設けられ、前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第1取付部と、を含み、前記第1取付部は、前記クランク軸が貫通する貫通孔を含む。
上記第1側面に従えば、クランク軸に直交する方向における自転車用コンポーネントのサイズの小型化に貢献できる。
【0007】
前記第1側面に従う第2側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1取付部は、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングと前記フレームとが相互に離反する方向の力を、前記ハウジングと前記フレームとに付与するように構成される。
上記第2側面に従えば、自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0008】
前記第1または第2側面に従う第3側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1取付部は、雄ねじが形成され、前記ハウジングを押圧するように構成される第1部材と、前記第1部材の前記雄ねじに結合される雌ねじが形成され、前記フレームを押圧するように構成される第2部材と、を含む。
上記第3側面に従えば、第1部材と第2部材とによって、ハウジングとフレームとが相互に離反する方向の力を好適に付与できる。
【0009】
前記第3側面に従う第4側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1部材は、前記クランク軸の軸方向の第1端面が前記ハウジングを押圧するように構成される。
上記第4側面に従えば、第1部材の第1端面がハウジングを押圧することによって、第1部材がハウジングに第1部材側からハウジング側への方向の力を付与できる。
【0010】
前記第3または第4側面に従う第5側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1部材は、前記クランク軸の軸方向に交差する方向において、前記ハウジングを支持するように構成される。
上記第5側面に従えば、第1部材によってハウジングが好適に支持される。
【0011】
前記第5側面に従う第6側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1部材は、前記貫通孔を有し、前記ハウジングは、前記第1部材の前記貫通孔に挿入される挿入部分を含む。
上記第6側面に従えば、ハウジングの挿入部分が第1部材の貫通孔に挿入されることによって第1部材がハウジングを支持できる。
【0012】
前記第3〜第6側面のいずれか1つに従う第7側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第2部材の少なくとも一部は、前記ハウジングと前記フレームとの間に設けられる。
上記第7側面に従えば、第2部材によってハウジングとフレームとを安定して連結することができる。
【0013】
前記第3〜第7側面のいずれか1つに従う第8側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第2部材の少なくとも一部は、前記第1部材と前記フレームとの間に設けられる。
上記第8側面に従えば、第2部部材によって第1部材とフレームとを安定して連結することができる。
【0014】
前記第3〜第8側面のいずれか1つに従う第9側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第2部材は、前記クランク軸の軸方向に交差する方向において前記フレームの一部に接触するように構成される。
上記第9側面に従えば、第2部材からフレームにクランク軸の軸方向に交差する方向の力を好適に付与できる。
【0015】
前記第3〜第9側面のいずれか1つに従う第10側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方は、工具を係合可能な工具係合部をさらに含む。
上記第10側面に従えば、工具によって簡単に自転車用コンポーネントをフレームに取り付けることができる。
【0016】
前記第10側面に従う第11側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記工具係合部は、第1部材の内周部または外周部の少なくとも一方に形成される。
上記第11側面に従えば、工具を工具係合部に係合させやすい。
【0017】
前記第1側面に従う第12側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1取付部は、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングとの間に前記フレームを挟むように構成される。
上記第12側面に従えば、第1取付部によって自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0018】
前記第1または第12側面に従う第13側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1取付部は、前記ハウジングに結合するように構成される第1部分と、前記第1部分よりも前記クランク軸の径方向の外方に延びて、前記フレームを押圧するように構成される第2部分と、を含む。
上記第13側面に従えば、第2部分によってフレームを好適に押圧することができる。
【0019】
前記第13側面に従う第14側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記ハウジングには、雌ねじが形成され、前記第1部分は、前記貫通孔を形成する内周面と、前記雌ねじに結合される雄ねじが形成される外周面とを含む。
上記第14側面に従えば、雌ねじと雄ねじとを結合することによって、自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0020】
前記第13側面に従う第15側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記ハウジングには、雄ねじが形成され、前記第1部分は、前記雄ねじに結合される雌ねじが形成される内周面と、を含む。
上記第15側面に従えば、第1部分の雌ねじとハウジングの雄ねじとを結合することによって、自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0021】
前記第11〜第15側面のいずれか1つに従う第16側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第1取付部は、工具を係合可能な工具係合部をさらに含む。
上記第16側面に従えば、工具によって簡単に自転車用コンポーネントをフレームに取り付けることができる。
【0022】
前記第1〜第16側面のいずれか1つに従う第17側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第2取付部をさらに含み、前記第1取付部は、前記クランク軸の軸方向における前記ハウジングの第1側面部に設けられ、前記第2取付部は、前記クランク軸の軸方向において、前記ハウジングの第1側面部とは反対側の第2側面部に設けられる。
上記第17側面に従えば、自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0023】
前記第17側面に従う第18側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第2取付部は、前記ハウジングに形成されるねじ孔と、前記フレームを貫通して前記ねじ孔に連結される第1連結部材と、を含む。
上記第18側面に従えば、第2取付部によって自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0024】
前記第18側面に従う第19側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第2取付部は、複数の前記ねじ孔と複数の前記第1連結部材とを含み、前記複数のねじ孔と前記複数の第1連結部材とは、前記クランク軸の周囲に間隔を開けて設けられる。
上記第19側面に従えば、第2取付部によってより安定して自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0025】
前記第1〜第19側面に従う第20側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記ハウジングを前記自転車のフレームに取り付けるための第3取付部をさらに含み、前記第3取付部は、クランク軸の軸方向に交差する方向において、前記ハウジングに設けられる。
上記第20側面に従えば、第3取付部によって自転車用コンポーネントがクランク軸まわりに回転することを好適に規制できる。
【0026】
前記第20側面に従う第21側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記第3取付部は、前記ハウジングに形成されるねじ孔と、前記フレームを貫通して前記ねじ孔に連結される第2連結部材と、を含む。
上記第21側面に従えば、第3取付部によってより安定して自転車用コンポーネントをフレームに安定して取り付けることができる。
【0027】
前記第1〜第21側面のいずれか1つに従う第22側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記ハウジングに設けられ、前記自転車の推進をアシストするモータをさらに含む。
上記第22側面に従えば、モータを含む自転車用コンポーネントについて、クランク軸に直交する方向におけるサイズの小型化に貢献できる。
【0028】
前記第1〜第22側面のいずれか1つに従う第23側面の自転車用コンポーネントにおいて、前記ハウジングは、少なくとも一部が前記フレームに収容可能に構成される。
上記第23側面に従えば、自転車の意匠性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の自転車用コンポーネントは、クランク軸に直交する方向における自転車用コンポーネントのサイズの小型化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態の自転車用コンポーネントを含む自転車の側面図。
図2図1の自転車のクランク軸近傍の斜視図。
図3】第1実施形態の自転車用コンポーネントの斜視図。
図4図2の自転車のクランク軸近傍の左側面図。
図5図2の自転車のクランク軸近傍の右側面図。
図6図2の自転車のクランク軸近傍の斜視図。
図7図5のD7−D7線に沿う断面図。
図8図7の第2部材の斜視図。
図9図7の一部を拡大して示す断面図。
図10】第2実施形態の自転車用コンポーネントを含む自転車のクランク軸近傍の斜視図。
図11】第1変形例の自転車用コンポーネントを含む自転車のクランク軸近傍の右側面図。
図12】第2変形例の自転車のクランク軸近傍の左側面図。
図13図13の自転車のクランク軸近傍の右側面図。
図14】第3変形例の自転車のクランク軸近傍の右側面図。
図15】第4変形例の第1取付部の部分断面図。
図16】第5変形例の第1取付部の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
図1図9を参照して、第1実施形態の自転車用コンポーネント40を含む自転車10について説明する。自転車10は、ロードバイクであるが、本発明はロードバイク以外の自転車、例えばマウンテンバイクおよびシティバイク等にも適用可能である。自転車10の上下方向とは、自転車10を走行可能な状態で水平面に直立させた状態における上下方向である。自転車10の左右方向は、自転車10を走行可能な状態で水平面に直立させ、自転車10の進行方向を見た状態における左右方向である。
【0032】
図1および図2に示されるとおり、自転車10は、自転車本体12、車輪14、駆動機構16、バッテリ18、および、自転車用コンポーネント40を含む。
自転車本体12は、フレーム22、フレーム22に接続されるフロントフォーク24、および、フロントフォーク24にステム26Aを介して着脱可能に接続されるハンドルバー26Bを備えている。フロントフォーク24は、フレーム22に支持される。
【0033】
フレーム22は、ヘッドチューブ22A、トップチューブ22B、ダウンチューブ22C、コンポーネント取付部22D、シートチューブ22E、シートステイ22F、および、チェーンステイ22Gを含む。コンポーネント取付部22Dは、ダウンチューブ22C、シートチューブ22E、および、シートステイ22Fにそれぞれ接続される。
【0034】
車輪14は、前輪28および後輪30を含む。前輪28の車軸28Aは、フロントフォーク24の端部に接続される。後輪30の車軸30Aは、フレーム22のリアエンドに接続される。
【0035】
駆動機構16は、クランク32およびペダル34を含む。クランク32は、クランク軸32Aおよびクランクアーム32Bを含む。駆動機構16は、ペダル34に加えられた人力駆動力を後輪30に伝達する。駆動機構16は、自転車用コンポーネント40の出力部51に結合されるフロント回転体36を含む。フロント回転体36は、スプロケット、プーリーまたはベベルギアを含む。駆動機構16は、例えば、チェーン、ベルト、またはシャフトを介して、クランク32の回転を後輪30に結合されるリア回転体38に伝達するように構成される。リア回転体38は、スプロケット、プーリーまたはベベルギアを含む。リア回転体38と後輪30との間には、ワンウェイクラッチ(図示略)が設けられている。ワンウェイクラッチは、リア回転体38が前転した場合に、後輪30を前転させ、後輪30が後転した場合に、リア回転体38を後転させないように構成される。フロント回転体36は、複数のフロントスプロケットを含んでもよい。リア回転体38は、複数のリアスプロケットを含んでいてもよい。クランク軸32Aは、自転車用コンポーネント40に含まれていてもよい。
【0036】
図2に示されるとおり、コンポーネント取付部22Dは、フレーム22のうちのダウンチューブ22Cの下端部、シートチューブ22Eの下端部、およびチェーンステイ22Gの前端部にそれぞれ接続されている。コンポーネント取付部22Dは、自転車用コンポーネント40の少なくとも一部を収容可能に構成されている。コンポーネント取付部22Dは、ダウンチューブ22C、シートチューブ22Eおよびチェーンステイ22Gと一体に形成されることが好ましいが、溶接、接着などによって接続されていてもよい。フレーム22には、自転車用コンポーネント40およびバッテリ18をフレーム22に収容するための第1開口部23Aが設けられる。第1開口部23Aは、コンポーネント取付部22D、シートチューブ22Eのコンポーネント取付部22Dと接続される部分、ダウンチューブ22Cのコンポーネント取付部22Dと接続される部分とに設けられ、自転車10の上方に向かって開口する。コンポーネント取付部22Dは、自転車10の左右方向に配置される第1側壁部23D、第2側壁部23E(図4参照)、および、底壁部23Fを含む。第1側壁部23Dおよび第2側壁部23Eは、ダウンチューブ22C、シートチューブ22Eおよびチェーンステイ22Gに連結される。底壁部23Fは、第1側壁部23Dおよび第2側壁部23Eの下端部に連結され、ダウンチューブ22Cおよびチェーンステイ22Gに連結される。第1開口部23Aの開口は、コンポーネント取付部22Dの側壁部23D,23Eのうちのクランク軸32Aが設けられる位置まで延びて形成されている。第1開口部23Aには、カバー23B(図4参照)が取り付けられることが好ましい。カバー23Bは、第1開口部23Aの開口を閉塞する。コンポーネント取付部22Dの底壁部23Fには、第2開口部23C(図6参照)が設けられる。自転車用コンポーネント40は、第1開口部23Aの開口に上側から挿入されて、フレーム22に取り付けられる。第2開口部23Cの開口は、自転車10の幅方向において、例えば第1側壁部23Dおよび第2側壁部23Eまで延びている。
【0037】
バッテリ18は、1または複数のバッテリセルを含む。バッテリセルは、充電池を含む。バッテリ18は、自転車10に搭載され、自転車用コンポーネント40に電力を供給する。バッテリ18は、フレーム22の内部に収容される。バッテリ18は、ダウンチューブ22Cに収容されることが好ましい。
【0038】
自転車用コンポーネント40は、少なくとも一部がフレーム22の内部に配置される。本実施形態の自転車用コンポーネント40は、コンポーネント取付部22Dの内部空間に配置される。自転車用コンポーネント40の一端部は、コンポーネント取付部22Dのうち、シートステイ22Fおよびチェーンステイ22Gが接続される部分に設けられる。自転車用コンポーネント40の他端部には、バッテリ18が接続される。自転車用コンポーネント40と、バッテリ18とは、ダウンチューブ22Cの長手方向に沿って並んで配置される。
【0039】
図3〜5に示されるとおり、自転車用コンポーネント40は、ハウジング42と、ハウジング42を自転車10に取り付けるための第1取付部44とを含む。自転車用コンポーネント40は、ハウジング42を自転車10のフレーム22に取り付けるための第2取付部46をさらに含む。ハウジング42は、自転車10のクランク軸32Aを支持する。ハウジング42は、クランク軸32Aを支持する支持部54を有する。ハウジング42は、モータ48の少なくとも一部を収容する。クランク軸32Aの軸方向の両端部は、それぞれハウジング42から外部に突出している。
【0040】
モータ48は、ハウジング42に設けられる。ハウジング42は、少なくとも一部がフレーム22に収容可能に構成される。モータ48は、自転車用コンポーネント40に含まれる。モータ48は、自転車10の推進をアシストする。モータ48は、電気モータを含む。モータ48は、いわゆるブラシレスモータである。自転車用コンポーネント40は、減速機50および制御部52を含む。減速機50は、モータ48の回転を減速して出力する。一例では、モータ48の出力軸の軸方向は、クランク軸32Aの軸方向と直交する。この場合、減速機50は、モータ48の出力軸の回転をモータ48の出力軸と直交する方向の回転に変換することが好ましい。モータ48の出力軸の軸線と、クランク軸32Aの軸線とは、直交していてもよいし、オフセットしていてもよい。減速機50は、例えば、かさ歯車を含む。減速機50は、遊星歯車機構を更に含んでいてもよい。減速機50は、クランク軸32Aのまわりに配置される出力部51にモータ48の回転を出力する。モータ48の回転は、減速機50および出力部51を介してフロント回転体36に伝達される。
【0041】
制御部52は、基板および駆動回路を含む。駆動回路は、インバータ回路を含み、バッテリ18からモータ48に供給される電力を制御する。制御部52は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部52は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部52は、さらに記憶部およびタイマを含んでいてもよい。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。
【0042】
ハウジング42は、第1収容部56および第2収容部58を含む。第1収容部56は、筒状に形成される部分を有する。第1収容部56は、モータ48、減速機50の一部、および、制御部52を収容する。第1収容部56の長手方向の一方の端部56Aには、バッテリ18と制御部52とを電気的に接続するための電気端子が設けられることが好ましい。第2収容部58は、クランク軸32Aの軸線方向から見た形状が、円盤状となるように形成されることが好ましい。第2収容部58は、第1ハウジング60の長手方向の他方の端部56Bと接続されている。第1収容部56および第2収容部58は、一体で形成されていてもよく、別体で形成されていてもよい。第1収容部56の少なくとも一部と第2収容部58の少なくとも一部とは、一体で形成されていてもよい。支持部54は、第2収容部58に設けられる。支持部54は、クランク軸32Aを回転可能に支持する。
【0043】
図3および図7に示されるとおり、ハウジング42は、第1ハウジング60および第2ハウジング62を含んで構成される。第1ハウジング60は、クランク軸32Aの軸方向において、ハウジング42の一方の側面部を含む。第2ハウジング62は、クランク軸32Aの軸方向において、ハウジング42の他方の側面部を含む。ハウジング42は、第1ハウジング60と第2ハウジング62とが組み付けられることによって内部に収容空間が形成される。第1ハウジング60と第2ハウジング62とは、例えばボルトによって相互に固定される。
【0044】
自転車用コンポーネント40は、第1軸受64A、第2軸受64B、第1ワンウェイクラッチ66A、および、第2ワンウェイクラッチ66Bをさらに含む。第1軸受64Aは、第1ハウジング60とクランク軸32Aとの間に設けられて、クランク軸32Aを第1ハウジング60に対して回転可能に支持する。第2軸受64Bは、第2ハウジング62と出力部51との間に設けられて、出力部51を第2ハウジング62に対して回転可能に支持する。第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、クランク軸32Aの軸方向に離間して設けられる。第1軸受64Aは、ハウジング42のうちのクランク軸32Aの軸方向の一方の端部寄りに設けられる。第2軸受64Bは、ハウジング42のうちのクランク軸32Aの軸方向の他方の端部寄りに設けられる。
【0045】
出力部51は、クランク軸32Aと同軸に設けられる。出力部51は、筒状に形成されている。出力部51は、クランク軸32Aの外周面の一部を覆う。出力部51は、クランク軸32Aの軸方向の他方側で、ハウジング42の外部に突出している。クランク軸32Aの軸方向の他方の端部は、出力部51よりもクランク軸32Aの軸方向の他方まで延びている。
【0046】
第1ワンウェイクラッチ66Aは、クランク軸32Aと出力部51との間に設けられる。第1ワンウェイクラッチ66Aは、出力部51のうちのクランク軸32Aの軸方向の一方に近い端部に設けられる。第1ワンウェイクラッチ66Aは、一部がクランク軸32Aおよび出力部51の少なくとも一方と一体に形成されていてもよい。例えば第1ワンウェイクラッチ66Aはローラクラッチを含む。この場合、第1ワンウェイクラッチ66Aの内輪は、クランク軸32Aと一体に形成されてもよく、第1ワンウェイクラッチ66Aの外輪は、出力部51と一体に形成されてもよい。
【0047】
出力部51のうち、クランク軸32Aの軸方向の他方に近い端部と、クランク軸32Aとの間には、第3軸受64Cが設けられる。第3軸受64Cは、例えばスリーブまたはニードルベアリングを含む。クランク軸32Aは、第3軸受64Cおよび出力部51を介して、第2軸受64Bに支持される。第2軸受64Bと第3軸受64Cとは、クランク軸32Aに垂直な方向において少なくとも一部が重なる位置に設けられることが好ましい。
【0048】
第1ワンウェイクラッチ66Aは、クランク軸32Aの第1回転方向の回転を出力部51に伝達し、出力部51の第1回転方向の回転をクランク軸32Aに伝達しない。第2ワンウェイクラッチ66Bは、出力部51と減速機50とを接続する歯車51Aとの間に設けられる。第2ワンウェイクラッチ66Bは、モータ48の第1回転方向の回転を出力部51に伝達し、出力部51の第1回転方向の回転をモータ48に伝達しない。クランク軸32Aの第1回転方向は、自転車10を前進させる場合に、クランク軸32Aを回転させる方向である。出力部51の第1回転方向は、自転車10を前進させる場合に、出力部51を回転させる方向である。モータ48の第1回転方向は、モータ48が自転車10の前進を推進する場合に、モータ48が回転する方向である。出力部51およびハウジング42には、出力部51に伝達される回転力を検出するためのトルクセンサ(図示しない)が設けられる。トルクセンサは、たとえばひずみセンサまたは磁歪センサを含む。制御部52は、トルクセンサの出力に応じて、モータ48を制御する。
【0049】
図4に示されるとおり、ハウジング42は、少なくとも一部がフレーム22に収容可能に構成される。具体的には、ハウジング42は、第1収容部56の少なくとも一部がコンポーネント取付部22Dのうちのダウンチューブ22Cに接続されている側の部分に収容され、第2収容部58がコンポーネント取付部22Dのうちのシートチューブ22Eおよびチェーンステイ22Gに接続されている側の部分に収容される。ハウジング42は、モータ48の回転軸線がダウンチューブ22Cの長手方向に沿うように、フレーム22に取り付けられている。コンポーネント取付部22Dのうち第1収容部56が収容されている部分は、ダウンチューブ22Cに含まれていてもよい。
【0050】
図4および図7に示されるとおり、第1取付部44は、第1部材68と、第2部材70と、を含む。第1取付部44は、支持部54から独立してハウジング42に設けられる。第1取付部44と第2取付部46とは、所定方向において相互に離間して設けられる。所定方向は、クランク軸32Aの軸方向Cに平行する。第1取付部44は、クランク軸32Aの軸方向Cにおけるハウジング42の第1側面部42Xに設けられる。第2取付部46は、クランク軸32Aの軸方向Cにおいて、ハウジング42の第1側面部42Xとは反対側の第2側面部42Yに設けられる。第1側面部42Xは、クランク軸32Aの軸方向Cにおける第2収容部58の一方の側面部を含む。第2側面部42Yは、クランク軸32Aの軸方向Cにおける第2収容部58の他方の側面部を含む。
【0051】
第1部材68は、円環状に形成される。第1部材68は、第1方向に延びる第1孔68Aを含む。第1孔68Aは、クランク軸32Aが貫通する貫通孔を含む。第1部材68は、貫通孔を有する。第1方向は、クランク軸32Aの軸方向Cと一致する。第1部材68には、雄ねじ68Bが形成される。雄ねじ68Bは、第1部材68の外周部に形成されている。第1部材68は、第1方向およびクランク軸32Aの軸方向Cに交差する方向において、ハウジング42を支持するように構成される。ハウジング42は、第1部材68の第1孔68Aに挿入される挿入部分42Aを含む。挿入部分42Aは、支持部54に含まれることが好ましい。第1部材68は、内周部68Dが挿入部分42Aを支持する。第1部材68の挿入部分42Aに挿入される部分の内径は、挿入部分42Aの外径よりもわずかに大きいことが好ましい。
【0052】
第2部材70は、円環状に形成される。第2部材70の少なくとも一部は、ハウジング42とフレーム22との間に設けられる。第2部材70の少なくとも一部は、第1部材68とフレーム22との間に設けられる。第2部材70は、第1方向に交差する方向およびクランク軸32Aの軸方向Cにおいてフレーム22の一部に接触するように構成される。第2部材70は、コンポーネント取付部22Dの第2側壁部23Eに接触する。第2部材70は、第1方向に延びる孔70Aを含む。第2部材70には、第1部材68の雄ねじ68Bに結合される雌ねじ70Bが形成される。雌ねじ70Bは、第2部材70の内周部に形成されている。図8に示されるとおり、第2部材70の側面部70Dには、フレーム係合部70Eが形成される。フレーム係合部70Eは、クランク軸32Aの軸方向に突出する凸部70Fを有する。凸部70Fは、クランク軸32Aの周方向に間隔を開けて設けられる。フレーム22には、フレーム係合部70Eの凸部70Fと対応する凹部22Xが設けられる。フレーム係合部70Eの凸部70Fがフレーム22の凹部22Xに嵌まり込むことによって、第2部材70のフレーム22に対する中心軸周りの回転が規制される。第2部材70の内周側において、各凸部70Fの端部は環状に連結されていてもよい。
【0053】
第1部材68は、ハウジング42を押圧するように構成される。具体的には、第1部材68は、第2部材70にねじ込まれる第1方向の第1端面68Cがハウジング42を押圧するように構成される。第2部材70は、フレーム22を押圧するように構成される。具体的には、第2部材70の側面部70Dのうち、凸部70Fの間の部分がフレーム22のうちのハウジング42の第2側面部42Yと対向する部分と接触可能に構成される。
【0054】
第1部材68および第2部材70の少なくとも一方は、工具を係合可能な工具係合部72をさらに含む。工具係合部72は、第1部材68の内周部68Dまたは外周部68Eの少なくとも一方に形成されることが好ましい。本実施形態では、工具係合部72は、第1部材68の内周部68Dに形成される。工具係合部72は、第1部材68の内周部68Dに形成される凹凸形状を含む。
【0055】
図5および図7に示されるとおり、第2取付部46は、ハウジング42に形成されるねじ孔42Bと、第1連結部材74と、を含む。
第1連結部材74は、円環状に形成される。第1連結部材74は、第1方向に延びる孔74Aを含む。第1連結部材74は、フレーム22を貫通してねじ孔42Bに連結される。第1連結部材74は、コンポーネント取付部22Dの第1側壁部23Dを貫通する。ねじ孔42Bには、雌ねじが形成されている。第1連結部材74は、ねじ孔42Bの雌ねじに結合するための雄ねじ74Bを含む。第1連結部材74の外周部は、雄ねじ74Bが形成される部分と、雄ねじ74Bが形成される部分よりも径方向の外側に延びる側面部74Cとを含む。第1連結部材74は、フレーム22を貫通してねじ孔42Bに連結される連結部材に相当する。側面部74Cは、ハウジング42との間にフレーム22を挟むように構成される。側面部74Cの外周部および内周部の少なくとも一方に工具を係合する工具係合部を形成することが好ましい。工具係合部は、例えば第1連結部材74の径方向の突出または凹む凹凸形状を含む。ねじ孔42Bが雌ねじではなく雄ねじを含むようにしてもよい。この場合、第1連結部材74の外周部の雄ねじを省略して、第1連結部材74の内周部に、ねじ孔42Bに結合される雌ねじが形成されてもよい。
【0056】
自転車用コンポーネント40は、ハウジング42をフレーム22に取り付けるための第3取付部76をさらに含むことが好ましい。図6に示されるとおり、第3取付部76は、クランク軸32Aの軸方向に交差する方向において、ハウジング42に設けられる。第3取付部76は、ねじ孔78と、第2連結部材80と、を含む。ねじ孔78は、ハウジング42に形成される。第2連結部材80は、フレーム22を貫通してねじ孔78に連結される。第2連結部材80は、ボルトを含む。第2連結部材80は、複数のねじ孔と、複数のボルトとを含んで構成されてもよい。この場合、複数のねじ孔は、クランク軸32Aの軸方向に間隔を開けて設けられることが好ましい。
【0057】
図9に示されるとおり、第1取付部44は、ハウジング42とフレーム22とが相互に離反する方向の力を、ハウジング42とフレーム22と付与するように構成される。第1取付部44は、クランク軸32Aの軸方向Cにおいて、ハウジング42とフレーム22とが相互に離反する方向の力を、ハウジング42とフレーム22とに付与するように構成される。具体的には、第1部材68は、第1端面68Cがハウジング42を押圧することによってハウジング42に第2取付部46側に向かう方向A1の力を付与する。第2部材70は、第2部材70の軸力によってフレーム22に方向A1とは反対の方向A2に向かう力を付与する。
【0058】
第2取付部46は、ハウジング42とフレーム22とが相互に近付く方向の力を、ハウジング42とフレーム22とに付与するように構成される。第2取付部46は、クランク軸32Aの軸方向Cにおいて、ハウジング42とフレーム22とが相互に近付く方向の力を、ハウジング42とフレーム22とに付与するように構成される。具体的には、第1連結部材74は、第1連結部材74の軸力によってハウジング42に第1取付部44側に向かう方向B1の力を付与する。第1連結部材74は、第1連結部材74の軸力によってフレーム22に方向B1とは反対の方向B2に向かう力を付与する。
【0059】
ハウジング42は、第1ハウジング60が第2ハウジング62側に押される。このため、第1ハウジング60と第2ハウジング62との組み付け部が離間しにくくなる。このため、ハウジング42に変形または隙間が生じにくくなる。
【0060】
(第2実施形態)
図10を参照して、第2実施形態の自転車用コンポーネント40について説明する。第2実施形態の自転車用コンポーネント40は、フレーム22に対する取付姿勢が第1実施形態の自転車用コンポーネント40とは異なる点以外は、第1実施形態の自転車用コンポーネント40と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、ハウジング42の第1収容部56の少なくとも一部が、シートチューブ22Eに収容される。
【0061】
図10に示されるとおり、ハウジング42の第1収容部56の少なくとも一部がシートチューブ22Eに収容され、第2収容部58がコンポーネント取付部22Dに収容される。フレーム22には、自転車用コンポーネント40をフレーム22に収容するための第1開口部90Aが設けられる。第1開口部90Aは、コンポーネント取付部22D、シートチューブ22Eのうちのコンポーネント取付部22Dと接続される部分、および、ダウンチューブ22Cのうちのコンポーネント取付部22Dと接続される部分に設けられる。第1開口部90Aは、自転車10の前方および上方に向かって開口する。第1開口部90Aには、カバー(図示略)が取り付けられることが好ましい。カバーは、第1開口部90Aの開口を閉塞する。
【0062】
自転車用コンポーネント40は、少なくとも一部がフレーム22の内部に配置される。本実施形態の自転車用コンポーネント40の少なくとも一部は、シートチューブ22Eの内部に配置される。具体的には、第1収容部56の一部がシートチューブ22Eに収容され、第2収容部58がコンポーネント取付部22Dに収容される。第2収容部58の外周部には、制御部52(図3参照)と接続される電気端子が設けられることが好ましい。第2収容部58の外周部に設けられる電気端子は、ダウンチューブ22Cの内部に配置されるバッテリ18と接続される。モータ48の回転軸線が、シートチューブ22Eの長手方向に実質的に沿うように、ハウジング42がフレーム22に取り付けられている。
【0063】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う自転車用コンポーネントが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う自転車用コンポーネントは、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
・第1および第2実施形態の第2取付部46を図11に示す第2取付部104に変更することもできる。第2取付部104は、複数のねじ孔106と複数の第1連結部材108とを含む。ねじ孔106は、ハウジング42に形成される。第1連結部材108は、ボルトである。第1連結部材74は、フレーム22を貫通してねじ孔106に連結される。第1連結部材108は、ねじ孔106の雌ねじに結合するための雄ねじを含む。複数のねじ孔106と複数の第1連結部材108とは、クランク軸32Aの周囲に間隔を開けて設けられる。
【0065】
・第1実施形態において第1開口部23Aに代えて、図12および図13に示されるように、フレーム22に、自転車10の下方に向けて開口する第1開口部23Gを設けてもよい。第1開口部23Gは、コンポーネント取付部22Dの下部と、ダウンチューブ22Cのうちのコンポーネント取付部22Dに接続される部分とに設けられる。自転車用コンポーネント40は、第1開口部23Gの開口に下側から挿入されて、フレーム22に取り付けられる。第1開口部23Gの開口は、コンポーネント取付部22Dの側壁部23D,23Eのうちクランク軸32Aが設けられる位置まで延びて形成されている。第1開口部23Gには、カバー(図示なし)が取り付けられることが好ましい。
【0066】
図14に示されるように、図12および図13の変形例において、第1連結部材74を第1連結部材108に変更してもよい。図14に示す変形例において、第1取付部44を、第2取付部46と同様の構成に変更することもできる。
【0067】
・第1および第2実施形態、図12および図13に示す第1実施形態の変形例において、第2取付部46を、第1取付部44と同様の構成に変更することもできる。
・第1および第2実施形態、図12および図13に示す第1実施形態の変形例において、第1取付部44を、第2取付部46と同様の構成に変更することもできる。
・第1および第2実施形態、図12および図13に示す第1実施形態の変形例において、第1取付部44を、図11に示す第2取付部104に変更することもできる。
【0068】
・第1、第2実施形態およびその変形例において、第1連結部材74を不連続の環状に形成することもできる。第1連結部材74は、例えばアルファベットのCのような形状に形成してもよい。
【0069】
・第1、第2実施形態およびその変形例において、第1部材68および第2部材70の少なくとも一方を不連続の環状に形成することもできる。第1部材68および第2部材70は、例えばアルファベットのCのような形状に形成してもよい。
・第1、第2実施形態およびその変形例において、第2部材70から凸部70Fを省略してもよい。この場合、フレーム22から凹部22Xを省略することができる。
【0070】
・自転車用コンポーネント40のハウジング42には、モータ48に代えてまたはモータ48に加えて変速機が設けられてもよい。この場合、ハウジング42は、変速機の少なくとも一部を収容してもよい。変速機は、クランク軸32Aに入力された回転を変速してフロント回転体36に出力する。
【0071】
・各実施形態および変形例において、第1取付部44と、第2取付部46,104との位置を変更してもよい。例えば、第1取付部44は、ハウジング42の第2側面部42Y側に設けられ、第2取付部46,104は、ハウジング42の第1側面部42X側に設けられる。
【0072】
・各実施形態および変形例において、第2側面部42Y側にも第1取付部44と同様の構造を設けてもよい。この場合、第2取付部46,104は、省略してもよい。
【0073】
・各実施形態およびその変形例において、第1取付部44を、第2取付部46と同様の構造に変更してもよい。例えば、図15に示す第1取付部110は、クランク軸32Aの軸方向Cにおいて、ハウジング42との間にフレーム22を挟むように構成される。第1取付部110は、第1部分112と、第2部分114とを含む。ハウジング42には、雌ねじ42Cが形成される。第1部分112は、ハウジング42に結合するように構成される。第1部分112は、貫通孔112Aを形成する内周面と、雌ねじ42Cに結合される雄ねじ112Bが形成される外周面と、を含む。第2部分114は、第1部分112よりもクランク軸32Aの径方向の外方に延びて、フレーム22を押圧するように構成される。第1取付部110は、工具を係合可能な工具係合部116をさらに含む。工具係合部116は、例えば、第1部分112の内周部および第2部分114の外周部の少なくとも一方に形成される。
【0074】
図15に示す変形例を、図16のように変更してもよい。図16では、第1取付部110Aは、第1部分118を含む。第1部分118は、ハウジング42に形成される雄ねじ42Dに結合する雌ねじを含む。第1取付部110Aは、クランク軸32Aの軸方向Cにおいて、ハウジング42との間にフレーム22を挟むように構成される。第1取付部110Aは、第1部分118と、第2部分114とを含む。ハウジング42には、雄ねじ42Dが形成される。第1部分118は、ハウジング42に結合するように構成される。第1部分118は、貫通孔を形成する内周面と、外周面と、を含む。貫通孔を形成する内周面には、雄ねじ42Dに結合される雌ねじ118Bが形成される。
【符号の説明】
【0075】
10…自転車、22…フレーム、32A…クランク軸、40,92…自転車用コンポーネント、42,94…ハウジング、42A…挿入部分、42B,94C,102…ねじ孔、42C…雌ねじ、42D…雄ねじ、42X…第1側面部、42Y…第2側面部、44…第1取付部、48…モータ、46,104…第2取付部、54…支持部、68…第1部材、68A…第1孔、68B…雄ねじ、68C…第1端面、68D…内周部、68F…外周部、70…第2部材、70A…孔、70B…雌ねじ、70D…外周部、70E…フレーム係合部、72,116…工具係合部、74…第1連結部材、94D…第2孔、112,118…第1部分、114…第2部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16