【文献】
Curr. Issues Mol. Biol. ,2005年,7(2),p.179-196
【文献】
International Journal of Animal and Veterinary Advances ,2014年 4月20日,6(2),p.58-60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記細菌が、シュードモナス(Pseudomonas)、エシェリキア(Escherichia)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコ ッカス(Streptococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus )、マイコバクテリア(Mycobacteria)、ヘモフィルス(Haemophilus)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の抗細菌組成物。
細菌成長を阻害するのに有効な時間および条件の下で、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の組成物と前記細菌を接触させることを含む、細菌の成長を阻害するための方法(ただし、ヒトの体内または体表面で前記組成物と前記細菌とを接触させることを含む方法を除く)。
前記細菌が、シュードモナス、エシェリキア、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、エンテロコッカス、マイコバクテリア、ヘモフィルス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
前記細菌が、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus a galactiae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アクチノマイセス・ピオゲネス(Actinomyces pyogene
s)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、 ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、高スペクトル抗微生物活性を有する抗微生物剤、および微生物成長を阻害する方法を提供する。特に、本開示は、抗微生物活性を有するペプチド、および該ペプチドを使用して微生物を阻害する方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、動作可能に連結された、少なくとも2つの14アミノ酸ペプチド配列を有する、合成抗微生物剤を提供する。アミノ酸ペプチド配列は、概して、式1(Gly−X
1−X
2−X
3−X
1−X
1−X
1−Arg−X
4−X
1−X
5−X
6−X
6−Gly)の配列であり、式中、X
1はLeuまたはIleの群から選択され、X
2はAla、Val、Leu、Ile、またはProの群から選択され、X
3はArgまたはTrpの群から選択され、X
4はTrp、Ile、またはLeuの群から選択され、X
5はPheまたはTrpの群から選択され、かつX
6はPhe、Trp、またはArgの群から選択される。一部の態様において、アミノ酸ペプチド配列は、配列番号3〜33に提供される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する。一部の態様において、アミノ酸ペプチド配列は、配列番号3〜33に提供される少なくとも1つの配列に対して、少なくとも75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する。好ましくは、アミノ酸ペプチド配列は、配列番号8に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。
【0009】
一部の態様において、開示される本抗微生物剤は、動作可能に連結された、第1の合成アミノ酸配列および第2の合成アミノ酸配列を含む。このような第2の合成アミノ酸配列は、第1の合成アミノ酸配列と同じく、少なくとも14個のアミノ酸のペプチド配列である。一般に、第2の合成アミノ酸配列もまた、上記式1の配列を有する。一部の態様において、第2の合成アミノ酸配列は、第1の合成アミノ酸配列と同じであり、ホモ二量体を形成する。他の態様においては、第2の合成アミノ酸配列は、第1の合成アミノ酸配列と異なり、ヘテロ二量体を形成する。一部の態様において、本抗微生物剤は、配列番号40〜4101に提供される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含む。一部の態様において、本抗微生物剤は、配列番号40〜4101に提供される少なくとも1つの配列に対して、少なくとも75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。好ましくは、本抗微生物剤は、配列番号40に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む。
【0010】
一部の態様において、本開示の抗微生物剤は、第1の合成アミノ酸配列を第2の合成アミノ酸配列に対して動作可能に接続する、リンカー配列を含む。好適なリンカー配列は、本抗微生物剤の抗微生物活性の動態をさらに増進する。一部の態様において、リンカー配列は、極性環境における溶解性を増進するために適合される。一部の態様において、リンカー配列は、親油性環境における溶解性を増進するために適合される。一部の態様において、リンカー配列は、様々な化学的環境における化学安定性を増進するために適合される。好適なリンカー配列は、長さが、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはそれ以上のアミノ酸であり得る。好ましくは、リンカー配列は、長さが約5、6、7、8、9、10個のアミノ酸である。より好ましくは、リンカー配列は、長さが約5〜8個のアミノ酸である。好適なリンカー配列は、本抗微生物剤の抗微生物活性が妨害されない限り、各位置に任意のアミノ酸を含み得る。そのようなリンカー配列には、第1の合成アミノ酸配列および第2の合成アミノ酸配列によって形成される2つの別個のらせん体が反平行に配向することを許容するものが含まれる。そのようなリンカー配列にはまた、第1の合成アミノ酸配列および第2の合成アミノ酸配列の抗微生物活性を増進するものも含まれる。例として、限定されるものではないが、限定されるものではないが、リンカー配列の第1のアミノ酸位置は、アスパルテートまたはグルタメートなどのアニオン性残基で生産的に占められてもよく、これにより、活性立体配座が安定化されることで、抗微生物活性が増進され得る。また、例として、限定されるものではないが、リンカー配列は、5〜8個のアスパラギン残基を含んで、分子の残りの部分において現在の活性立体配座を妨害することなく、極性環境における溶解性を増進することができる。あるいは、リンカー配列は、5〜8個のグリシン残基を含んで、分子の残りの部分において現在の活性立体配座を妨害することなく、極性環境における溶解性を増進することができる。他の態様においては、リンカー配列は、アスパラギン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、およびそれらの組み合わせなどのアミノ酸から選択される約5〜約8個の残基で構成される、不均質な形態であってもよい。好適な不均質な配合物は、分子の残りの部分において義務的な活性立体配座を妨害することなく、極性環境における溶解性を増進するように選択することができる。
【0011】
一部の態様において、リンカー配列は概して、式2:(A1−P2−P3−…Pn)の配列であり、ここで「A」はアニオン性残基を指し、「P」は極性残基を指し、「n」は約3〜約25の整数を指す。好適なアニオン性残基としては、当該技術分野においてそうと知られているものが挙げられ、限定されるものではないが、アスパルテートおよびグルタメートが含まれる。好適な極性残基としては、当該技術分野においてそうと知られているものが挙げられ、限定されるものではないが、アスパラギン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、セリン、およびトレオニンが含まれる。一部の態様において、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25などを含む整数である。好ましくは、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15などの整数である。一部の態様において、リンカー配列は、式2の配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する。一部の態様において、このアミノ酸配列は、式2の配列に対して、少なくとも75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する。好ましくは、リンカー配列は、式2の配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。
【0012】
一部の態様において、リンカー配列は、配列番号34〜39に提供される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する。一部の態様において、このアミノ酸配列は、配列番号34〜39に提供される少なくとも1つの配列に対して、少なくとも75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する。好ましくは、リンカー配列は、配列番号34〜39に提供される少なくとも1つの配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。
【0013】
本開示の抗微生物剤はまた、本明細書に記載される配列をコードする核酸分子、ならびに抗微生物剤、変異型、またはそれらの断片をコードする発現ベクターも含む。また、本開示は、そのような核酸、発現ベクター、または本明細書に記載されるペプチドを含有する単離細胞を提供する。本開示は、核酸分子または本開示のペプチドを含有する組成物、ならびにそれらの変異型または断片を提供する。さらに、本開示は、核酸分子または本開示のペプチド、ならびにそれらの変異型または断片を含有する製品を提供する。
【0014】
本開示は、細菌、酵母菌、原生生物、真菌、カビ、ウイルス、およびそれらの組み合わせを含む、微生物に対する広域抗微生物活性を有する抗微生物剤を提供する。一部の態様において、本抗微生物剤は、グラム陽性およびグラム陰性細菌に対する抗微生物活性を有する。本開示の抗微生物剤は、微生物の成長を阻害または予防するために使用することができる。そのような微生物としては、限定されるものではないが、シュードモナス(Pseudomonas)、エシェリキア(Escherichia)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、マイコバクテリア(Mycobacteria)、ヘモフィルス(Haemophilus)、およびそれらの組み合わせの菌種を挙げることができる。
【0015】
一部の態様において、本抗微生物組成物は、薬学的担体を含み得る。一部の態様において、本抗微生物組成物は、食品添加物を含み得る。
【0016】
本開示は、微生物の生存を低減または阻害する方法を提供する。一部の方法は、微生物を本抗微生物剤と接触させることを含む。
【0017】
一部の態様において、本開示は、対象中の微生物の成長または生存を、低減または阻害する方法を提供する。本方法は、抗微生物剤を含有する組成物を対象と接触させること、またはそれを対象に投与することを含む。治療有効量の組成物が、対象に送達される。
【0018】
一部の態様において、本開示は、対象における微生物感染を治療する方法を提供する。本方法は、本明細書に開示される抗微生物剤を含有する組成物を対象と接触させること、またはそれを対象に投与することを含む。治療有効量の組成物が、対象に送達される。
【0019】
一部の態様において、本開示は、対象における乳腺炎を治療する方法を提供する。本方法は、乳腺炎を有する対照を特定することと、抗微生物剤を含有する組成物をその対象と接触させること、またはそれを対象に投与することとを含む。一部の態様において、治療有効量の組成物が、対象の乳腺組織に直接投与される。
【0020】
本開示はさらに、容器および抗微生物剤を含む製品またはキットを提供する。本製品は、抗微生物剤を格納する包装材料、および抗微生物剤が乳腺炎を治療するために使用できることを示すラベルを含んでもよい。本製品は、抗微生物剤を格納する包装材料、および抗微生物剤が対象における微生物感染を治療するために使用できることを示すラベルを含んでもよい。本製品は、抗微生物剤を格納する包装材料、および抗微生物剤が微生物の成長または生存を阻害するために使用できることを示すラベルを含んでもよい。本製品は、抗微生物剤を格納する包装材料、および抗微生物剤が対象における微生物の成長または生存を阻害するために使用できることを示すラベルを含んでもよい。
他の記載との重複もあるが、本発明を以下に示す。
[発明1]
抗生物質ペプチドを含む抗生物質組成物であって、前記ペプチドが、式1の配列を有する合成アミノ酸配列を含み、
Gly−X1−X2−X3−X1−X1−X1−Arg−X4−X1−X5−X6−X6−Gly
式中、
X1が、LeuまたはIleの群から選択され、
X2が、Ala、Val、Leu、またはIleの群から選択され、
X3が、ArgまたはTrpの群から選択され、
X4が、Trp、Ile、またはLeuの群から選択され、
X5が、PheまたはTrpの群から選択され、かつ
X6が、Phe、Trp、またはArgの群から選択される、抗生物質組成物。
[発明2]
抗生物質ペプチドを含む抗生物質組成物であって、前記ペプチドが、式1の配列を有する合成アミノ酸配列を含み、
Gly−X1−X2−X3−X1−X1−X1−Arg−X4−X1−X5−Arg−X6−Gly
式中、
X1が、LeuまたはIleの群から選択され、
X2が、Ala、Val、Leu、Ile、またはProの群から選択され、
X3が、ArgまたはTrpの群から選択され、
X4が、Trp、Ile、またはLeuの群から選択され、
X5が、PheまたはTrpの群から選択され、かつ
X6が、Phe、Trp、またはArgの群から選択される、抗生物質組成物。
[発明3]
抗生物質ペプチドを含む抗生物質組成物であって、前記ペプチドが、
a.式1の配列を有する第1の合成アミノ酸配列であり、
Gly−X1−X2−X3−X1−X1−X1−Arg−X4−X1−X5−X6−X6−Gly
式中、
X1が、LeuまたはIleの群から選択され、
X2が、Ala、Val、Leu、またはIleの群から選択され、
X3が、ArgまたはTrpの群から選択され、
X4が、Trp、Ile、またはLeuの群から選択され、
X5が、PheまたはTrpの群から選択され、かつ
X6が、Phe、Trp、Argの群から選択される、第1の合成アミノ酸配列と、
b.式1の配列を有する第2の合成アミノ酸配列であり、
Gly−X1−X2−X3−X1−X1−X1−Arg−X4−X1−X5−X6−X6−Gly
式中、
X1が、LeuまたはIleの群から選択され、
X2が、Ala、Val、Leu、またはIle、またはProの群から選択され、
X3が、ArgまたはTrpの群から選択され、
X4が、Trp、Ile、またはLeuの群から選択され、
X5が、PheまたはTrpの群から選択され、かつ
X6が、Phe、Trp、またはArgから選択される、第2の合成アミノ酸配列と、
c.前記第1のアミノ酸配列および前記第2のアミノ酸配列を動作可能に接続する、リンカー配列と、を含む、抗生物質組成物。
[発明4]
抗生物質ペプチドを含む抗微生物組成物であって、前記ペプチドが、
a.式1の配列を有する第1の合成アミノ酸配列であり、
Gly−X1−X2−X3−X1−X1−X1−Arg−X4−X1−X5−Arg−X6−Gly
式中、
X1が、LeuまたはIleの群から選択され、
X2が、Ala、Val、Leu、Ile、またはProの群から選択され、
X3が、ArgまたはTrpの群から選択され、
X4が、Trp、Ile、またはLeuの群から選択され、
X5が、PheまたはTrpの群から選択され、かつ
X6が、PheまたはTrpの群から選択される、第1の合成アミノ酸配列と、
b.式1の配列を有する第2の合成アミノ酸配列であり、
Gly−X1−X2−X3−X1−X1−X1−Arg−X4−X1−X5−Arg−X6−Gly
式中、
X1が、LeuまたはIleの群から選択され、
X2が、Ala、Val、Leu、Ile、またはProの群から選択され、
X3が、ArgまたはTrpの群から選択され、
X4が、Trp、Ile、またはLeuの群から選択され、
X5が、PheまたはTrpの群から選択され、かつ
X6が、PheまたはTrpの群から選択される、第2の合成アミノ酸配列と、
c.前記第1のアミノ酸配列および前記第2のアミノ酸配列を動作可能に接続する、リンカー配列と、を含む、抗微生物組成物。
[発明5]
前記組成物が、微生物の成長を阻害する、発明1〜4のいずれかに記載の抗微生物組成物。
[発明6]
前記微生物が、細菌、真菌、酵母菌、カビ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、発明5に記載の抗微生物組成物。
[発明7]
前記細菌が、シュードモナス(Pseudomonas)、エシェリキア(Escherichia)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、マイコバクテリア(Mycobacteria)、ヘモフィルス(Haemophilus)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、発明6に記載の抗微生物組成物。
[発明8]
薬学的担体をさらに含む、発明1〜4のいずれか一項に記載の抗微生物組成物。
[発明9]
前記合成アミノ酸配列が、配列番号8に対して少なくとも85%の配列同一性を有する、発明1〜4のいずれか一項に記載の抗微生物組成物。
[発明10]
微生物の成長を阻害するための方法であって、微生物成長を阻害するのに有効な時間および条件の下で、発明1〜4のいずれか一項に記載の組成物と前記微生物を接触させることを含む、方法。
[発明11]
前記微生物が、細菌、真菌、酵母菌、カビ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、発明10に記載の方法。
[発明12]
前記細菌が、シュードモナス、エシェリキア、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、エンテロコッカス、マイコバクテリア、ヘモフィルス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、発明11に記載の方法。
[発明13]
前記微生物が、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アクチノマイセス・ピオゲネス(Actinomyces pyogenes)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、発明11に記載の方法。
[発明14]
微生物の前記成長が、少なくとも10%阻害される、発明10に記載の方法。
[発明15]
微生物感染を治療する方法であって、
a.微生物感染を有する対象を特定することと、
b.発明1〜4のいずれか一項に記載の抗生物質組成物を治療有効量投与することと、を含む、方法。
[発明16]
前記抗生物質組成物が、薬学的担体をさらに含む、発明15に記載の方法。
[発明17]
乳腺炎感染を引き起こす微生物の成長を少なくとも10%阻害することをさらに含む、発明15に記載の方法。
[発明18]
乳腺炎を治療する方法であって、
a.乳腺炎を有する対象を特定することと、
b.発明1〜4のいずれか一項に記載の抗生物質組成物を治療有効量投与することと、を含む、方法。
[発明19]
前記抗生物質組成物が、前記対象の乳腺組織に投与される、発明18に記載の方法。
[発明20]
乳腺炎感染を引き起こす微生物の成長を少なくとも10%阻害することをさらに含む、発明18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示に従って、微生物の成長または生存を阻害するために抗微生物剤を使用する、組成物および方法が発見された。具体的には、抗微生物活性をもつペプチドを有する抗微生物剤が、微生物の成長または生存を阻害するために使用される。それ故に、本明細書に記載される組成物および方法は、抗微生物治療および治療剤にとって有用である。さらに、本明細書に記載される組成物および方法は、抗微生物治療および治療剤の利用可能性を、抗微生物薬耐性が低減している場面において使用することができる。
I.組成物
【0025】
本開示の組成物は、少なくとも1つの微生物に対する抗微生物活性を有する抗微生物剤を含む。一部の態様において、本開示の組成物は、本開示の組成物は、2つ以上の微生物に対する抗微生物活性を有する抗微生物剤を含む。
a.抗微生物剤をコードする核酸
【0026】
本開示は、抗微生物活性を有する合成ペプチドを含む抗微生物剤を提供する。一部の態様において、抗微生物剤は、ペプチド、それらの断片、またはそれらの変異型、ならびに本開示の合成ペプチドをコードする核酸分子を含む。そのような核酸分子には、発現ベクターが含まれ得る。
【0027】
スイギュウ宿主防御タンパク質に由来する抗微生物ペプチドをコードする核酸が開示される。本開示の抗微生物ペプチドをコードする核酸配列は、配列番号1、および配列番号3の抗微生物ペプチド配列を有する、コードされた配列番号2のアミノ酸配列から誘導された。本開示の好適なヌクレオチド配列としては、配列番号3〜33、40〜4101、および本明細書に記載されるものによって提供されるペプチドなどの、抗菌活性を有するペプチドをコードするものが挙げられる。
【0028】
変異体が、本明細書に記載される機能性抗微生物ペプチドをコードする核酸配列を含む限り、抗微生物ペプチドの変異ヌクレオチドが使用されてもよい。対象核酸は、発現特性、折り畳み特性、溶解性特性、および抗菌活性などの、コードされるペプチドの特性を改変するために変異されてもよい。当業者であれば、同族体または変異体をコードする核酸によってコードされるタンパク質が、配列番号3〜33および40〜4101のペプチドと同じ抗菌特性を有してもよく、改変された抗菌特性を有してもよいことを認識するであろう。DNA配列またはそのような変異のタンパク質生成物は、通常、本明細書に提供される配列と実質的に類似しており、1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸で異なっている。配列の変更は、置換、挿入、欠損、またはそれらの組み合わせであり得る。クローニングした遺伝子の突然変異誘発のための技法は、当該技術分野において公知である。部位特異的突然変異のための方法は、Gustin et al.,Biotechniques 14:22,1993、Barany,Gene 37:111−23,1985、Colicelli et al.,Mol.Gen.Genet.199:537−9,1985、およびSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,CSH Press 1989,pp.15.3−15.108において見出すことができ、これらすべてが、参照により本明細書に組み込まれる。そのように変異された核酸誘導体は、特定の抗微生物ペプチドの構造−機能関係性を研究するため、またはその機能または調節に影響を及ぼすペプチドの特性を改変するために使用することができる。要するに、本開示は、配列番号3〜33、40〜4101のアミノ酸配列をコードするものなどの抗微生物ペプチドコード配列、ならびにそれらの変異型または変異体に関する。また、本開示は、記載される核酸配列によってコードされ、本開示の抗微生物ペプチドへと翻訳される中間体RNAを包括する。
b.抗微生物ペプチド組成物
【0029】
本明細書に開示される合成ペプチドは、該ペプチドを発現する細胞からの単離、化学合成を含む、当該技術分野において公知の方法を用いて得てもよく、あるいはペプチドは、組換え核酸分子から発現されてもよい。対象ペプチドを合成する方法は、Current Protocols in Protein Science,Units 5,pub.John Wiley & Sons,Inc.,2002およびCurrent Protocols in Protein Science,Units 6,pub.John Wiley & Sons,Inc.,2002に記載されており、これら両方が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
本開示は、対象核酸によってコードされるペプチドを含む、抗微生物ペプチドおよびそれらの変異体を企図する。本明細書に開示される合成抗微生物ペプチドまたは合成抗微生物剤は、配列番号3〜33および40〜4101の配列によって例証される。さらに、本開示は、本明細書に記載される抗微生物ペプチドのホモ二量体およびヘテロ二量体の両方を含む。
【0031】
アミノ酸配列、配列番号3〜33および40〜4101とは配列において異なる同族体またはペプチドもまた、本開示に含まれる。同族体は、Higgins,D.G.and Sharp,P.M.,Fast and Sensitive Multiple Sequence Alignments on a Microcomputer,CABIOS,5:151−153,1989に記載される、MegAlign,DNAstar(1998)クラスタルアルゴリズムを用いて判定した場合、配列番号3〜33または40〜4101によってコードされるタンパク質に対して、少なくとも約10%、通常、少なくとも約25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質を意味する。これらの両方が参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
本明細書に開示される抗微生物ペプチドは、タンパク質の生物学的特性を増進または変更するために、変異または改変されてもよい。そのような生物学的特性としては、限定されるものではないが、インビボまたはインビトロの安定性(例えば、半減期)、溶解性、両親媒性、および抗微生物活性の様々な態様が挙げられる。そのような抗微生物活性の態様としては、限定されるものではないが、組織特異性、微生物標的選択性、広域スペクトル抗微生物力、および抗微生物薬耐性機構の関数としての不変性が挙げられる。好適な変異としては、単一のアミノ酸の変更、1つ以上のアミノ酸の欠損、N末端のトランケーション、C末端のトランケーション、挿入などが挙げられる。変異体は、Current Protocols in Molecular Biology,Unit 8,pub,John Wiley & Sons,Inc.,2000に記載されるランダム突然変異誘発および標的突然変異誘発を含む、分子生物学の標準的技法を用いて生み出すことができる。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
現在考慮されているペプチド配合物のマニホールド(manifold)は、実質的価値を有する。これは、このマニホールドが全体として、スタフィロキサンチンの膜発現によって付与される、微生物の重要な抗酸化抵抗機構の影響を受けにくい作用機構を有するためである。さらに、アニオン性脂質の共有結合修飾に対応する適応性の膜電荷分布、または膜におけるより多いスタフィロキサンチン発現によって果たされる微生物の防御に対抗するように、マニホールド内の戦略的配列多様性が適用され得る。
【0034】
本明細書に開示される抗微生物ペプチドは、抗微生物活性を有することを特徴とする。具体的には、開示されるペプチドは、微生物の細胞膜を破壊し、微生物の駆除をもたらすことができる。
【0035】
本抗微生物ペプチドは、概して、式1(Gly−X
1−X
2−X
3−X
1−X
1−X
1−Arg−X
4−X
1−X
5−X
6−X
6−Gly)の第1の合成アミノ酸配列を有し、式中、X
1はLeuまたはIleの群から選択され、X
2はAla、Val、Leu、Ile、またはProの群から選択され、X
3はArgまたはTrpの群から選択され、X
4はTrp、Ile、またはLeuの群から選択され、X
5はPheまたはTrpの群から選択され、かつX
6はPhe、Trp、またはArgの群から選択される。
【0036】
本抗微生物ペプチドはまた、式1(Gly−X
1−X
2−X
3−X
1−X
1−X
1−Arg−X
4−X
1−X
5−X
6−X
6−Gly)の第2の抗微生物合成アミノ酸配列を有し、式中、X
1はLeuまたはIleの群から選択され、X
2はAla、Val、Leu、Ile、またはProの群から選択され、X
3はArgまたはTrpの群から選択され、X
4はTrp、Ile、またはLeuの群から選択され、X
5はPheまたはTrpの群から選択され、かつX
6はPhe、Trp、またはArgの群から選択される。本抗微生物剤としては、第1の抗微生物合成配列が、第2の抗微生物合成配列と同じ配列を有する、抗微生物ペプチドのホモ二量体を挙げることができる。本抗微生物剤としては、第1の抗微生物合成配列が、第2の抗微生物合成配列と異なる配列を有する、抗微生物ペプチドのヘテロ二量体を挙げることができる。この差異は、1つ以上のアミノ酸配列であり得る。
【0037】
抗微生物ペプチドの長さは、典型的には、約14個のアミノ酸残基〜約30個のアミノ酸残基の範囲である。一部の態様において、抗微生物ペプチドの長さは、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45個、またはそれ以上のアミノ酸残基である。好ましくは、抗微生物ペプチドの長さは、14個のアミノ酸残基である。一部の態様において、抗微生物ペプチドのホモ二量体を含む抗微生物剤は、長さが、約28個のアミノ酸残基である。一部の態様において、抗微生物ペプチドのホモ二量体を含む抗微生物剤は、長さが、約35個のアミノ酸残基である。一部の態様において、抗微生物ペプチドのヘテロ二量体を含む抗微生物剤は、長さが、約28個のアミノ酸残基である。一部の態様において、抗微生物ペプチドのヘテロ二量体を含む抗微生物剤は、長さが、約35個のアミノ酸残基である。当業者であれば、抗微生物ペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体の長さは、ホモ二量体またはヘテロ二量体それぞれにおいて使用される抗微生物ペプチドの長さに左右されることを認識するであろう。
【0038】
本抗微生物剤は、第1の抗微生物合成配列を第2の抗微生物合成配列に接続するためのリンカー配列を含み得る。一部の態様において、第1および第2の抗微生物ペプチドに接続されるリンカー配列は、共有結合された二量体配合物を生成する。抗微生物動態を改善するために、好適なリンカー配列を使用することができる。一態様において、リンカー配列は、二量体化構造が抗微生物活性に寄与する立体構造のままであるように促進することで、動態を増進する。一態様において、リンカー配列は、二量体の送達を増進するように使用することができる。そのようなリンカー配列は、極性媒体または親油性媒体における溶解性を支持する特定のアミノ酸配合物を含み得る。別の態様において、リンカー配列は、異なる環境内における化学安定性を増進するように使用することができる。
【0039】
好適なリンカー配列は、特定の増進作用を提供するように適合され得る。リンカー配列は、抗微生物ペプチドの抗微生物活性を妨害しない、任意のサイズの長さであり得る。一部の態様において、リンカー配列は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれ以上のアミノ酸残基の長さであり得る。好ましくは、リンカー配列は、約2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸残基の長さである。一部の態様において、リンカー配列は、約7個のアミノ酸残基の長さである。リンカー配列のアミノ酸残基は、特定の増進作用を提供するように適合され得る。一部の態様において、リンカー配列は、大部分が、極性のアミノ酸を含む。一部の態様において、リンカー配列は、配列番号34〜39の配列のうちの少なくとも1つの配列を含む。一部の態様において、リンカー配列は、配列番号34の配列を含む。
c.薬学的組成物
【0040】
本開示は、少なくとも1つの本明細書に開示される抗微生物剤を含む薬学的組成物を提供する。そのような薬学的組成物を調製するために、抗微生物剤、抗微生物ペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、またはそれらの組み合わせが、合成されるかまたは別様に得られ、必要に応じてまたは所望される場合精製され、次いで凍結乾燥および安定化される。その後、本抗微生物剤は、適切な濃度に調整され、他の薬剤または薬学的に許容される担体と組み合わされてもよい。好適な薬学的に許容される担体としては、限定されるものではないが、本配合物の他の成分と適合性であり、本配合物の受容者にとって有害ではない、担体、希釈剤、賦形剤、塩、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
本明細書に開示される抗微生物剤を含有する薬学的配合物は、周知であり、容易に入手可能な成分を用いて、当該技術分野において公知の手順で調製することができる。例えば、本抗微生物剤は、一般的な賦形剤、希釈剤、または担体と共に配合されてもよく、錠剤、カプセル剤、溶液、懸濁液、粉末、エアロゾルなどへと形成されてもよい。そのような配合物にとって好適な賦形剤、希釈剤、および担体の例としては、緩衝剤、ならびにデンプン、セルロース、糖、マンニトール、およびケイ酸誘導体などの充填剤および増量剤が挙げられる。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のセルロース誘導体、アルギネート、ゼラチン、ならびにポリビニルピロリドンなどの結合剤もまた、含まれてもよい。
II.方法
【0042】
少なくとも1つの抗微生物剤を含む本開示の組成物は、微生物の成長または生存を低減する方法において有用である。当業者であれば、本明細書に開示される抗微生物剤を使用する多数の方法を理解するであろう。したがって、本明細書に含まれる方法は例であり、本抗微生物剤を使用することができる範囲を限定するものではない。本開示の方法は、微生物の成長または生存を低減すること、微生物感染を有する対象を治療すること、および乳腺炎を有する対象を治療すること、ならびに本明細書に開示される抗微生物剤を使用する他の方法を含む。
【0043】
本明細書に開示される抗微生物剤が活性である微生物としては、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、酵母菌、真菌、カビ、ウイルス、単細胞寄生生物、および当該技術分野において公知の他の微生物が挙げられる。非限定的例としては、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、大腸菌(Escherichia coli)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、ナイセリア・ゴノレー(Neisseria gonorrhoeae)、ウレアプラズマ・カニゲニタリウム(Ureaplasma canigenitalium)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、スタフィロコッカス・ヒカス(Staphylococcus hyicus)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(Coagulase negative staphylococci)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ヒカス(Streptococcus hyicus)、ストレプトコッカス・エピデルミディス(Streptococcus epidermidis)、ストレプトコッカス・キシローサス(Streptococcus xylosus)、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)。ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、マイコプラズマ菌種(Mycoplasma spp.)(マイコプラズマ・ボビス(Mycoplasma bovis)、マイコプラズマ・ボビゲニタリウム(Mycoplasma bovigenitalium)、マイコプラズマ・カナデンセ(Mycoplasma canadense)、マイコプラズマ・カリフォルニカム(Mycoplasma californicum)、マイコプラズマ・アルカレッセンス(Mycoplasma alkalescens))、大腸菌、クレブシエラ菌種(Klebsiella spp.)(クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca))、エンテロバクター菌種(Enterobacter spp.)(E.エロゲネス(E.aerogenes)、E.アムニゲナス(E.amnigenus)、E.アグロメランス(E.agglomerans)、E.アラキジス(E.arachidis)、E.アスブリエ(E.asburiae)、E.カンセロゲヌス(E.cancerogenous)、E.クロアカ(E.cloacae)、E.コワニイ(E.cowanii)、E.ディソルベンス(E.dissolvens)、E.ジェルゴビエ(E.gergoviae)、E.ヘルベティカス(E.helveticus)、E.ホルメシェイ(E.hormaechei)、E.インターメディア(E.intermedius)、E.コベイ(E.kobei)、E.ルドウィギイ(E.ludwigii)、E.モリ(E.mori)、E.ニミプレスラリス(E.nimipressuralis)、E.オリゼ(E.oryzae)、E.パルベリス(E.pulveris)、E.ピリヌス(E.pyrinus)、E.ラディシンシタンス(E.radicincitans)、E.テイロラエ(E.taylorae)、E.ツリセンシス(E.turicensis)、E.サカザキ(E.sakazakii)、エンテロバクター・ソリ(Enterobacter soli))、シトロバクタ―菌種(Citrobacter spp)(C.アマロナティカス(C.amalonaticus)、C.ブラアキー(C.braakii)、C.ダイバーサス(C.diversus)、C.ファルメリ(C.farmeri)、C.フロインデイ(C.freundii)、C.ギレニ(C.gillenii)、C.コセリ(C.koseri)、C.ムルリニアエ(C.murliniae)、C.ローデンチウム(C.rodentium)、C.セドアキ(C.sedlakii)、C.ウェルクマニ(C.werkmanii)、C.ヨウンガエ(C.youngae))、
プロテウス菌種(Proteus spp.)(P.ハウセリ(P.hauseri)、P.ミラビリス(P.mirabilis)、P.ミクソファシエンス(P.myxofaciens)、P.ペンネリ(P.penneri)、P.ブルガリス(P.vulgaris))、腸球菌(Enterococci)、セラチア菌種(Serratia spp.)、シュードモナス菌種(Pseudomonas spp.)(P.エルギノーサ(P.aeruginosa)、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)、P.アンギリセプチカ(P.anguilliseptica)、P.アルゼンチネンシス(P.argentinensis)、P.ボルボリ(P.borbori)、P.シトロネロリス(P.citronellolis)、P.フラベセンス(P.flavescens)、P.メンドシナ(P.mendocina)、P.ニトロレデュッセンス(P.nitroreducens)、P.オレオボランス(P.oleovorans)、P.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)、P.レジノボランス(P.resinovorans)、P.ストラミネア(P.straminea))、P.クロロラフィス群(P.chlororaphis group)(P.アガリシ(P.agarici)、P.アスプレニイ(P.asplenii)、P.オーランティアカ(P.aurantiaca)、P.オーレオファシエンス(P.aureofaciens)、P.クロロラフィス(P.chlororaphis)、P.コルガタ(P.corrugata)、P.フラギ(P.fragi)、P.ルンデンシス(P.lundensis)、P.タエトロレンス(P.taetrolens))、P.フルオレッセンス群(P.fluorescens group)(P.アンタークティカ(P.antarctica)、P.アゾトフォルマンス(P.azotoformans)、P.ブラッシカセアラム(P.brassicacearum)、P.ブレンネリ(P.brenneri)、P.セドリナ(P.cedrina)、P.コルガタ(P.corrugata)、P.フルオレッセンス(P.fluorescens)、P.ゲッサルディイ(P.gessardii)、P.リバネンシス(P.libanensis)、P.マンデリイ(P.mandelii)、P.マルギナリス(P.marginalis)、P.メディテラネア(P.mediterranea)、P.メリディアナ(P.meridiana)、P.ミグラエ(P.migulae)、P.ムシドレンス(P.mucidolens)、P.オリエンタリス(P.orientalis)、P.パナシス(P.panacis)、P.プロテゲンス(P.protegens)、P.プロテオリティカ(P.proteolytica)、P.ローデシアエ(P.rhodesiae)、P.シンキサンタ(P.synxantha)、P.チベルバレンシス(P.thivervalensis)、P.トラシイ(P.tolaasii)、P.ベロニイ)(P.veronii))、P.ペルツシノゲナ群(P.pertucinogena group)(P.デニトリフィカンス(P.denitrificans)、P.ペルツシノゲナ(P.pertucinogena))、P.プチダ群(P.putida group)(P.クレモリコロラタ(P.cremoricolorata)、P.フルバ(P.fulva)、P.モンテイリイ(P.monteilii)、P.モッセリイ(P.mosselii)、P.オリジハビタンス(P.oryzihabitans)、P.パラフルバ(P.parafulva)、P.プレコグロッシシーダ(P.plecoglossicida)、P.プチダ(P.putida))、P.スツッツェリ群(P.stutzeri group)(P.バレアリカ(P.balearica)、P.ルテオラ(P.luteola)、P.スツッツェリ(P.stutzeri))、P.シリンガエ群(P.syringae group)(P.アミグダリ(P.amygdali)、P.アベラナエ(P.avellanae)、P.カリカパパヤエ(P.caricapapayae)、P.チコリー(P.cichorii)、P.コロナファシエンス(P.coronafaciens)、P.フィクセレクタエ(P.ficuserectae)、P.メリアエ(P.meliae)、P.サバスタノイ(P.savastanoi)、P.シリンガエ(P.syringae)、P.ビリディフラバ(P.viridiflava))、所属不明(P.アビエタニフィラ(P.abietaniphila)、P.アシドフィラ(P.acidophila)、P.アガリシ(P.agarici)、P.アルカリフィラ(P.alcaliphila)、P.アルカノリティカ(P.alkanolytica)、P.アミロデラモサ(P.amyloderamosa)、P.アスプレニイ(P.asplenii)、P.アゾティフィゲンス(P.azotifigens)、P.カナビナ(P.cannabina)、P.コエノビオス(P.coenobios)、P.コンゲランス(P.congelans)、P.コスタンチニイ(P.costantinii)、P.クルシビアエ(P.cruciviae)、P.デルヒエンシス(P.delhiensis)、P.エクスシビス(P.excibis)、P.エクストレモリエンタリス(P.extremorientalis)、P.フレデリクスベルゲンシス(P.frederiksbergensis)、P.フスコバギナエ(P.fuscovaginae)、P.ゲリディコラ(P.gelidicola)、P.グリモンティイ(P.grimontii)、P.インディカ(P.indica)、P.ジェッセニイ(P.jessenii)、P.ジンジュエンシス(P.jinjuensis)、P.キロネンシス(P.kilonensis)、P.クナックムッシイ(P.knackmussii)、P.コーリエンシス(P.koreensis)、P.リニ(P.lini)、P.ルテア(P.lutea)、P.モラビエンシス(P.moraviensis)、P.オティティディス(P.otitidis)、P.パチャストレラエ(P.pachastrellae)、P.パレロニアナ(P.palleroniana)、P.パパベリス(P.papaveris)、P.ペリ(P.peli)、P.ペロレンス(P.perolens)、P.ポアエ(P.poae)、P.ポハンエンシス(P.pohangensis)、P.プロテゲンス(P.protegens)、P.サイクロフィラ(P.psychrophila)、P.サイクロトレランス(P.psychrotolerans)、P.ラトニス(P.rathonis)、P.レプティリボラ(P.reptilivora)、P.レシニフィラ(P.resiniphila)、P.リゾスファエラエ(P.rhizosphaerae)、P.ルベッセンス(P.rubescens)、P.サロモニイ(P.salomonii)、P.セギティス(P.segitis)、P.セプティカ(P.septica)、P.シミアエ(P.simiae)、P.スイス(P.suis)、P.サーモトレランス(P.thermotolerans)、P.トレマエ(P.tremae)、P.トリビアリス(P.trivialis)、P.ツルビネラエ(P.turbinellae)、P.ツティコリネンシス(P.tuticorinensis)、P.ウムソンゲンシス(P.umsongensis)、P.バンコウベレンシス(P.vancouverensis)、P.ブラノベンシス(P.vranovensis)、P.キサントマリナ(P.xanthomarina))、プロトテカ属(Prototheca)、ウシコリネバクテリウム(Corynebacterium bovis)、アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)、
バチルス菌種(Bacillus spp.)(B.アルカロフィラス(B.alcalophilus)、B.アルベイ(B.alvei)、B.アミノボランス(B.aminovorans)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.アニューリノリチカス(B.aneurinolyticus)、B.アントラシス(B.anthracis)、B.アクイマリス(B.aquaemaris)、B.アトロファエウス(B.atrophaeus)、B.アゾトフォルマンス(B.azotoformans)、B.バディウス(B.badius)、B.ボロニフィルス(B.boroniphilus)、B.ブレビス(B.brevis)、B.カルドリティカス(B.caldolyticus)、B.セントロスポルス(B.centrosporus)、B.セレウス(B.cereus)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.コアギュランス(B.coagulans)、B.ファスティディオサス(B.fastidious)、B.フィルムス(B.firmus)、B.フラボサーマス(B.flavothermus)、紡錘状菌(B.fusiformis)、B.ガリシエンシス(B.galliciensis)、B.グロビギイ(B.globigii)、B.グロビスポラス(B.globisporus)、B.インフェルナス(B.infernus)、B.インソライタス(B.insolitus)、B.ラルヴェ(B.larvae)、B.ラテロスポルス(B.laterosporus)、B.レンティモルブス(B.lentimorbus)、B.レンタス(B.lentus)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.マセランス(B.macerans)、B.マッカリエンシス(B.macquariensis)、B.マリヌス(B.marinus)、B.メガテリウム(B.megaterium)、ジャガイモ菌(B.mesentericus)、B.ムシラギノサス(B.mucilaginosus)、B.ミコイデス(B.mycoides)、納豆菌(B.natto)、B.パントテンチクス(B.pantothenticus)、B.パストゥリ(B.pasteurii)、B.ポリミキサ(B.polymyxa)、B.ポピリエ(B.popilliae)、B.シュードアンスラシス(B.pseudoanthracis)、B.プミルス(B.pumilus)、B.シュレゲリイ(B.schlegelii)、B.スパリカス(B.sphaericus)、B.スポロサーモデュランス(B.sporothermodurans)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、B.スブチリス(B.subtilis)、B.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)、B.ブルガティス(B.vulgatis)、B.ヴェイヘンステファネンシス(B.weihenstephanensis))、
パスツレラ菌種(Pasteurella spp.)(P.エロゲネス(P.aerogenes)、P.アナチス(P.anatis)、P.アビウム(P.avium)、P.ベッティアエ(P.bettyae)、P.カバリイ(P.caballi)、P.カニス(P.canis)、P.ダグマティス(P.dagmatis)、P.ガリサイダ(P.gallicida)、P.ガリナルム(P.gallinarum)、P.グラヌロマティス(P.granulomatis)、P.ロンガアアエンシス(P.langaaensis)、P.リンファンギティディス(P.lymphangitidis)、P.マイリイ(P.mairii)、P.マルトシダ(P.multocida)、P.オラリス(P.oralis)、P.ニューモトロピカ(P.pneumotropica)、P.スカイエンシス(P.skyensis)、P.ストマティス(P.stomatis)、P.テスツディニス(P.testudinis)、P.トレハロシ(P.trehalosi)、P.ウレエ(P.ureae)、P.ボランティウム(P.volantium))、セラチア菌種(S.エントモフィラ(S.entomophila)、S.フィカリア(S.ficaria)、S.フォンチコラ(S.fonticola)、S.グリメシイ(S.grimesii)、S.リクファシエンス(S.liquefaciens)、S.マルセセンス(S.marcescens)、S.オドリフェラ(S.odorifera)、S.プリムシカ(S.plymuthica)、S.プロテアマキュランス(S.proteamaculans)、S.キニボランス(S.quinivorans)、S.ルビデア(S.rubidaea)、S.シンビオチカ(S.symbiotica))、および当該技術分野において公知の他の微生物が挙げられる。そのような単細胞寄生生物としては、限定されるものではないが、リーシュマニア属(leishmania)、トレポネーマ属(treponema)、ジアルジア属(giardia)、および当該技術分野において公知の他のものが挙げられる。
【0044】
一部の態様において、本明細書に開示される抗微生物剤が活性である微生物はまた、医学的に関連性のある細菌も含み得る。そのような医学的に関連性のある細菌としては、限定されるものではないが、スタフィロコッカス・アウレウス、S.エピデルミディス(S.epidermidis)、S.ヘモリチクス(S.haemolyticus)、S.インターメディウス(S.intermedius)、S.ルグドゥネンシス(S.lugdunensis)、S.サプロフィチクス(S.saprophiticus)、S.シュライフェリ(S.schleiferi)、S.ワーネリ(S.warneri);ストレプトコッカス・アガラクチア、S.アンギノサス(S.anginosus)、S.ボビス(S.bovis)、S.エクイシミリス(S.equisimilis)、S.ミチス(S.mitis)、S.ミュータンス(S.mutans)、S.ニューモニエ(S.pneumonia)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サングイス(S.sanguis)、S.サリバリウス(S.salivarius)、S.スイス(S.suis);エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、E.フェシウム(E.faecium);ナイセリア・ゴノレー、N.メニンギティディス(N.meningitides);モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、M.ラクナータ(M.lacunata)、M.ノンリクファシエンス(M.nonliquefaciens)、M.ウレトラリス(M.urethralis);キンゲラ・キンゲ(Kingella kingae)、K.デニトリフィカンス(K.denitrificans);エイケネラ・コローデンス(Eikenella corrodens);バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)、B.アントラシス、B.ブレビス、B.セレウス、B.サーキュランス、B.コアギュランス、B.リケニフォルミス、B.マセランス、B.プミルス、B.スパリカス、B.スブチリス、B.チューリンゲンシス;クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、C.ビファーメンタンス(C.bifermentans)、C.ブチリクム(C.butyricum)、C.カルニス(C.carnis)、C.クロストリディイフォルメ(C.clostridioforme)、C.ディフィシル(C.difficile)、C.ファラックス(C.fallax)、C.ヒストリチクム(C.histolyticum)、C.イノクーム(C.innocuum)、C.パーフリンジェンス(C.perfringens)、C.ノビイ(C.novyi)、C.ラモスム(C.ramosum)、C.セプティカム(C.septicum)、C.ソルデリ(C.sordellii)、C.テルチウム(C.tertium)、C.テタニ(C.tetani);リステリア・モノサイトゲネス;エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae);プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ストレプトバシラス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis);カリマトバクテリウム・グラヌロマティス(Calymmatobacterium granulomatis);バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、B.フラジリス(B.fragilis)、B.テタイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)、B.オバータス(B.ovatus)、B.ブルガタス(B.vulgatus);フソバクテリウム・モルティフェラム(Fusobacterium mortiferum)、F.ヌクレアタム(F.nucleatum)、F.ネクロホラム(F.necrophorum);ゲメラ・モルビロルム(Gemella morbillorum);ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)(P.アネロビウス(P.anaerobius)、P.アサッカロリチカス(P.asaccharolyticus)、P.ヒドロジェナリス(P.hydrogenalis)、P.マグヌス(P.magnus)、P.メラニノゲニカ(P.melaninogenica)、P.ミクロス(P.micros)、P.テトラディウス(P.tetradius)、P.プレボッチイ(P.prevotii));ポルフィロモナス属(Porphyromonas)(P.アサッカロリティカ(P.asaccharolytica)、P.ジンジバリス(P.gingivalis));プレボテラ属(Prevotella)(P.メラニノゲニカ(P.melaninogenica)、P.オリス(P.oris)、P.ブッカエ(P.buccae));ベイヨネラ・パルブラ(Veillonella parvula);サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、S.エンテリティディス(S.enteritidis)、S.ガストロエンテリティス(S.gastroenteritis)、S.パラチフィA(S.paratyphi−A)、S.ショットミューレリ(S.schottmuelleri)、S.チフィ(S.typhi)、S.チフィリウム(S.typhimurium);シゲラ・ボイディ(Shigella boydii)、志賀赤痢菌(S.dysenteriae)、S.フレックスネリ(S.flexneri)、S.ソネイ(S.sonnei);アーコバクター・クリアエロフィルス(Arcobacter cryaerophilia)、A.ブツレリ(A.butzleri)、A.スキロイイ(A.skirrowii);カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、C.フィタス(C.fetus)、C.ハイオインテスティナリス(C.hyointestinalis)、C.ジェジュニ(C.jejuni)、C.ラリ(C.lari)、C.スプトルム(C.sputorum)、C.ウプサリエンシス(C.upsaliensis);ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、H.シネディ(H.cinaedi)、H.フェネリエ(H.fennelliae);ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)、V.ダムセラ(V.damsela)、V.フェトゥス(V.fetus)、V.フルビアリス(V.fluvialis)、V.ファーニシイ(V.furnissia)、V.ホリセ(V.hollisae)、V.ミミカス(V.mimicus)、V.パラヘモリチカス(V.parahaemolyticus)、V.バルニフィカス(V.vulnificus);シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、C.ダイバーサス(C.コセリ(C.koseri));
大腸菌;エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、E.クロアカ;クレブシエラ・ニューモニエ、K.リノスクレロマチス(K.rhinoscleromatis)、K.オザナエ(K.ozaenae);プロテウス・ミラビリス;セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens);シュードモノナス・エルジノーサ、P.セパシア(P.cepacia)、P.フルオレッセンス、P.マルトフィリア(P.maltophilia)、P.マレイ(P.mallei)、P.シュードマレイ(P.pseudomallei)、P.プチダ(P.putida)、P.ピュートリファシエンス(P.putrefaciens)、P.スタッツェリ(P.stutzeri);ブルセラ・アボルタス(Brucella abortus)、B.カニス(B.canis)、B.メリテンシス(B.melitensis)、B.スイス(B.suis);パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、P.ムルトシダ(P.multicida);エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、Y.ペスチス(Y.pestis)、Y.シュードツベルクローシス(Y.pseudotuberculosis);フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis);ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenza)、H.パラインフルエンザ(H.parainfluenzae)、H.デュクレイ(H.ducreyi)、H.エジプチウス(H.aegyptius);ボルデテラ・アビウム(Bordetella avium)、B.ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)、B.ヒンジイ(B.hinzii)、B.パラパータシス(B.parapertussis)、B.パータシス(B.pertussis);コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheria)、C.クチェリ(C.kutscheri)、C.シュードツベルクローシス(C.pseudotuberculosis)、C.シュードジフセリチクム(C.pseudodiphtheriticum)、C.レナーレ(C.renale)、C.ゼロシース(C.xerosis)、C.ウルセランス(C.ulcerans);マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)、M.アビウム・イントラセルラーレ(M.avium−intracellulare)、M.ボビス(M.bovis)、M.フォーチュイタム(M.fortuitum)、M.カンサシ(M.kansasii)、M.レプレ(M.leprae)、M.マリヌム(M.marinum)、M.ミクロティ(M.microtii)、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)、M.スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、M.ウルセランス(M.ulcerans);ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroides)、N.ブラジリエンシス(N.brasiliensis)、N.カヴィエ(N.caviae);アクチノマイセス・ベルナルディアエ(Actinomyces bernardiae)、A.ボビス(A.bovis)、A.デンティコレンス(A.denticolens)、A.ゲレンセリアエ(A.gerencseriae)、A.ゲオルギアエ(A.georgiae)、A.ホーデオブルネリス(A.hordeovulneris)、A.ホウエリイ(A.howellii)、A.ハイオバギナリス(A.hyovaginalis)、A.イスラエリー(A.israelii)、A.ミエリ(A.meyeri)、A.ネスルンディ(A.naeslundii)、A.ノウイイ(A.neuii)、A.オドントリティカス(A.odontolyticus)、A.ピオゲネス(A.pyogenes)、A.ラディンガエ(A.radingae)、A.スラッキイ(A.slackii)、A.スイス(A.suis)、A.ツリセンシス(A.turicensis)、A.ビスコーサス(A.viscosus);プロピオニバクテリウム・プロピオニクス(Propionibacterium propionicus);ストレプトミセス・ソマリエンシス(Streptomyces somaliensis);
レプトスピラ・インターロガンス(Leptospira interrogans)、L.バイフレクサ(L.biflexa)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi);B.ヘルムシー(B.hermsii)、B.レカレンチス(B.recurrentis)、B.タリカテ(B.turicatae);スピリルム・ミヌム(Spirillum minum);トレポネーマ・パリダム、T.カラテウム(T.carateum);マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、M.ゲニタリウム(M.genitalium)、M.ホミニス(M.hominis)、M.ペネトランス(M.penetrans)、M.ピラム(M.pirum)、M.ニューモニア(M.pneumonia);ウレアプラズマ・ウレアリチカム;リケッチア・アカリ(Rickettsiae akari)、R.オストラーリス(R.australis)、R.コノリイ(R.conorii)、R.ジャポニカ(R.japonica)、R.プロワツェキイ(R.prowazekii)、R.リケッチイ(R.rickettsii)、R.シビリカ(R.sibirica)、R.チフィ(R.typhi);エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)、E.シャフェンシス(E.chaffeensis)、E.エクイ(E.equi)、E.エウィンギ(E.ewingii)、E.ファゴサイトフィラ(E.phagocytophila)、E.プラティス(E.platys)、E.リスチシ(E.risticii)、E.センネツ(E.sennetsu);オリエンティア・ツツガムシ(Orientia tsutsugamushi);コクシエラ・ブルネッティ(Coxiella burnetii);バルトネラ・バシリホルミス(Bartonella bacilliformis);B.ヘンセラ(B.henselae)、B.クインターナ(B.Quintana);クラミジア・ニューモニア(Chlamydia pneumonia)、C.シタッシ(C.psittaci)、C.トラコマティス(C.trachomatis);レジオネラ・アニサ(Legionella ansia)、L.ドゥモフィ(L.dumollii)、L.フィーレイィ(L.feelei)、L.ミクダデイ(L.micdadei)、L.ニューモフィラ(L.pneumophila)、および当該技術分野において公知または未だ発見されていない他の医学的に関連性のある細菌を挙げることができる。
【0045】
一部の態様において、本明細書に開示される抗微生物剤が活性である微生物はまた、獣医学的に関連性のある細菌も含み得る。そのような関連性のある細菌としては、限定されるものではないが、アコレプラズマ・レイドロウイ(Acholeplasma laidlawii);アシネトバクター・ルオフィイ(Acinetobacter lwoffii);アクチノバチルス・エクーリ(Actinobacillus equuli)、A.リグニエレシ(A.lignieresii)、A.プルロニューモニア(A.pleuropneumoniae)、A.ロシイ(A.rossii)、A.スイス;アクチノバクラム・スイス(Actinobaculum suis);アクチノマイセス・ボビス(Actinomyces bovis)、A.ビスコーサス;エロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、A.サルモニシダ(A.salmonicida);アリイビブリオ・サルモニシダ(Aliivibrio salmonicida);アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum);アーコバクター・ブツレリ(Arcobacter butzleri);アビバクテリウム・パラガリナラム(Avibacterium paragallinarum);バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、B.セレウス、B.リケニフォルミス、B.スブチリス、B.チューリンゲンシス;バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis);バルトネラ・クラリゲイアエ(Bartonella clarridgeiae)、B.エリザベータ(B.elizabethae)、B.ヘンセラ、B.ビンソニイ(B.vinsonii);ビベルスティニア・トレハロシ(Bibersteinia trehalosi);B.アビウム(B.avium)、B.ブロンキセプチカ、B.パラパータシス、B.パータシス;ボレリア・アフゼリ(Borrelia afzelii)、B.アンセリナ(B.anserine)、B.ブルグドルフェリ(B.burgdorferi)、B.ガリニ(B.garinii);ブラキスピラ・アルボルギ(Brachyspira aalborgi)、B.アルビニプリ(B.alvinipulli)、B.ヒオディセンテリア(B.hyodysenteriae)、B.インターメディア(B.intermedia)、B.ピロシコリ(B.pilosicoli)、B.スアナティナ(B.suanatina);ブロコトリックス・サーモスファクタ(Brochothrix thermosphacta);ブルセラ・アボルタス、B.カニス、B.セティ(B.ceti)、B.メリテンシス、B.オビス(B.ovis)、B.ピンニペディアリス(B.pinnipedialis)、B.スイス;バークホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei)、B.シュードマレイ(B.pseudomallei);カンピロバクター・コリ、C.フィタス、C.ジェジュニ、C.ラリ、C.ウプサリエンシス;クラミジア・トラコマチス;クラミドフィラ・アボルタス(Chlamydophila abortus)、C.フェリス(C.felis)、C.シタッシ;シトロバクター・フロインデイ;クロストリジウム・ボツリヌム第I群、II群、III群、IV群;クロストリジウム・シャボイ(Clostridium chauvoei)、C.ディフィシル、C.ヘモリティクム(C.haemolyticum)、C.ノビイ、C.パーフリンジェンス、C.ピリフォルメ(C.piliforme)、C.セプティカム、C.ソルデリ、C.テタニ;ウシコリネバクテリウム、C.ジフテリア(C.diphtheria)、C.クチェリ、C.シュードツベルクローシス、C.レナーレ、C.ウルセランス;コクシエラ・ブルネッティ;デルマトフィルス・コンゴレンシス(Dermatophilus congolensis);ディケロバクター・ノドーサス(Dichelobacter nodosus);エドワージエラ・イクタルリ(Edwardsiella ictaluri)、E.タルダ(E.tarda);エーリキア・カニス、E.ルミナンチウム(E.ruminantium);エンテロコッカス・フェカリス、E.フェシウム;エリジペロスリックス・ルジオパシエ;大腸菌;フラボバクテリウム・カラムナリ(Flavobacterium columnare)、F.サイクロフィラム(F.psychrophilum);フランシセラ・ノアツネンシス(Francisella noatunensis)、F.ツラレンシス(F.tularensis);フソバクテリウム・カニフェリナム(Fusobacterium canifelinum)、F.エクイヌム(F.equinum)、F.ネクロホラム;ガリアバクテリウム・アナチス(Gallibacterium anatis);ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis);ヘリコバクター・ヘパティカス(Helicobacter hepaticus)、H.ピロリ(H.pylori);ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni);クレブシエラ・オキシトカ、クレブシエラ・ニューモニエ(K.pneumoniae);ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum);ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis);レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila);レプトスピラ・ボルグペテルセニイ(Leptospira borgpetersenii)、L.インテロガンス(L.interrogans)、L.キルシュネリ(L.kirschneri);リステリア・イノキュア(Listeria innocu)、L.イバノビイ(L.ivanovii)、L.モノサイトゲネス(L.monocytogenes);リストネラ・アンギラルム(Listonella anguillarum);マンヘイミア・グラヌロマティス(Mannheimia granulomatis)、M.ヘモリチカ(M.haemolytica)、M.バリゲナ(M.varigen);メリソコッカス・プルトニウス(Melissococcus plutonius);ミクロキスティス・エルギノーサ(Microcystis aeruginosa);モラクセラ・ボビス(Moraxella bovis)、M.オスロエンシス(M.osloensis);モルガネラ・モルガニー(Morganella morganii);マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、M.ボビス、M.レプレ、M.マリヌム、M.ツベルクローシス;マイコプラズマ・ガラクチアエ(Mycoplasma agalactiae)、M.ボビス、M.カプリコルム(M.capricolum)、M.フェリス(M.felis)、M.ガリセプチカム(M.gallisepticu)、M.ヘモフェリス(M.haemofelis)、M.ハイオニューモニエ(M.hyopneumoniae)、M.ヒオリニス(M.hyorhinis)、M.ヒオシノヴィエ(M.hyosynoviae)、M.メレアグリディス(M.meleagridi)、M.ミコイデス(M.mycoides)、M.ニューモニア、M.プルモニス(M.pulmonis)、M.スイス(M.suis)、M.シノビエ(M.synoviae);ナイセリア・ゴノレー;ネオリケッチア・リスチシ(Neorickettsia risticii);ニコレテラ・セモリナ(Nicoletella semolina);ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroids);パエニバチルス・ラルバエ(Paenibacillus larvae);パスツレラ・カバリイ(Pasteurella caballi)、P.ダグマティス、P.マルトシダ、P.ニューモトロピカ;ペプトニフィラス・インドリカス(Peptoniphilus indolicus);プレジオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides);プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica);プロテウス・ミラビリス、P.ブルガリス;シュードモナス・エルジノーサ、P.アンギリセプチカ;レニバクテリウム・サルモニナルム(Renibacterium salmoninarum);ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi);リケッチア・プロワツェキイ(Rickettsia prowazekii)、R.リケッチア(R.rickettsia);リエメレラ・アナティペステイファー(Riemerella anatipestifer);サルモネラ菌種(Salmonella spp.)、S.エンテリカ(S.enterica);セラチア・マルセセンス;シゲラ・ディセンテリアエ(Shigella dysenteriae)、S.フレックスネリ;スタフィロコッカス・アウレウス、S.エピデルミディス、S.フェリス(S.felis)、S.ヒカス(S.hyicus)、S.インターメディウス、S.シュードインターメディウス(S.pseudintermedius)、S.シュライフェリ;ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia);ストレプトバシラス・モニリフォルミス;ストレプトコッカス・アガラクチア;S.カニス(S.canis)、S.デヴリエセイ(S.devriesei)、S.ディスガラクティアエ(S.dysgalactiae)、S.エクイ(S.equi)、S.ニューモニエ、S.ポルシナス(S.porcinus)、S.ピオゲネス、S.スイス、S.ウベリス(S.uberis);テイロレラ・アシニジェニタリス(Taylorella asinigenitalis)、T.エクイジェニタリス(T.equigenitalis);トレポネーマ・パリダム、T.パラルイスクニクリ(T.paraluiscuniculi)、T.ペディス(T.pedis)、T.ファゲデニス(T.phagedenis);トルエペレラ・ピオゲネス(Trueperella pyogenes);ウレアプラズマ・ディベルサム(Ureaplasma diversum);ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、V.コレラ(V.cholera)、V.パラヘモリチカス、V.バルニフィカス;エルシニア・エンテロコリチカ、Y.ペスチス、Y.シュードツベルクローシス、Y.ラッケリ(Y.ruckeri)、および当該技術分野において公知または未だ発見されていない他の獣医学的に関連性のある細菌を挙げることができる。
【0046】
微生物の成長または生存を低減する本方法は、微生物集団を、本開示の抗微生物剤と接触させることを含む。本方法は、まず微生物集団を特定することを含み得る。
【0047】
本明細書に開示される方法は、微生物の生存または成長を阻害する方法を含む。「阻害する」という用語は、任意の検出可能な量、例えば5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上の減少、および当該技術分野において公知の方法で判定できる量の減少を含む。阻害を検出する例示的な方法としては、細菌培養もしくはウイルス滴定量などのカウントによる判定、または微生物による感染症と関連付けられる1つ以上の症状の評価による判定を含む。微生物による感染症と関連付けられる症状は、当該技術分野において公知である。そのような症状は、特定の感染性微生物および結果として生じる病態に特有のものである。
【0048】
微生物の成長または生存を支持し得る組成物は、様々な方法で、有効量の本抗微生物剤と接触させることができる。例えば、この組成物が食品である場合、本抗微生物剤は、その食品に対して直接添加されてもよく、包装材料の母材に組み込まれてもよく、あるいは包装材料上にコーティングされてもよい。どの場合においても、本抗微生物剤は、封入材料の溶解時、湿分との接触時、または所定の温度において、保管中に放出され得る。この組成物が体液である場合、本抗微生物剤は、その体液に対して直接添加され得る。
【0049】
対象は、様々な方法で、本抗微生物剤と接触させることができ、この方法としては、当該技術分野において周知の経路を用いた投与が挙げられるが、これに限定されない。そのような経路としては、経口、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、および腹腔内が含まれる)、直腸、経膣、皮膚、経皮(局所)、経粘膜、胸腔内、肺内、および鼻腔内(呼吸器)経路が挙げられる。投与手段は、ポンプまたは任意の他の適切な機構を用いた注射によるものであり得る。
【0050】
本明細書に開示される抗微生物剤は、例えば、受容者の生理学的状態、投与の目的が治療であるか予防であるか、および当業者に公知の他の因子に応じて、単回投与、複数回投与、連続的様式、または断続的様式で投与することができる。本抗微生物剤の投与は、前選択された期間にわたって本質的には連続的であってもよく、または一連の間隔の空いた投与であってもよい。局所投与および全身投与の両方が企図される。
【0051】
対象に投与される投与量は、感染症を低減または予防するのに適切な、または感染症と関連付けられる少なくとも1つの症状を治療するのに適切な任意の量であり得る。適切な投与量を決定するいくつかの因子が当業者には周知であり、慣例的な実験で処理することができる。例えば、生理化学的、毒物学的、および薬理学的特性の判定は、標準的化学アッセイおよび生物学的アッセイを用いて、ならびに化学、生理化学、および毒物学分野において公知の数理モデル技法を使用することで行うことができる。治療上の有益性および投与計画は、このような技法の結果から、ならびに適切な薬物動態モデルおよび薬動力学モデルの使用を通じて外挿することができる。他の因子は、年齢、健康状態、大きさ、体重、治療される病態、病態の重症度、および同時に行われている任意の治療を含む、個々の患者のパラメータに左右される。投与量はまた、選択された薬剤、ならびに達成されるべきは予防であるか治療であるか、ならびにその薬剤が化学的に修飾されているかどうかにも依存する。
【0052】
対象に投与されるべき正確な量は、主治医の責任となる。しかしながら、所望の効果を得るためには、本明細書に開示される抗微生物剤は、単回投与または分割投与として投与され得る。例えば、体重1kg当たり、少なくとも約0.01mg〜約500から750mg、少なくとも約0.01mg〜約300から500mg、少なくとも約0.1mg〜約100から300mg、または少なくとも約1mg〜約50から100mgの投与量であるが、他の投与量も有益な結果をもたらし得る。
【0053】
単位服用量に含まれる、本明細書に開示される所与の抗微生物剤の絶対重量は、幅広く異なり得る。例えば、約0.01〜約2g、または約0.1〜約500mgの少なくとも1つの抗微生物剤が投与され得る。あるいは、単位投与量は、約0.01g〜約50g、約0.01g〜約35g、約0.1g〜約25g、約0.5g〜約12g、約0.5g〜約8g、約0.5g〜約4g、または約0.5g〜約2gで異なり得る。
【0054】
本抗微生物剤の一日量も、同様に異なり得る。このような一日量は、例えば、約0.1g/日〜約50g/日、約0.01g/日〜約25g/日、約0.1g/日〜約12g/日、約0.5g/日〜約8g/日、約0.5g/日〜約4g/日、および約0.5g/日〜約2g/日の範囲であり得る。
【0055】
抗微生物剤は、単独で使用されてもよく、または第2の薬物と共に使用されてもよい。第2の薬物は、限定されるものではないが、β−ラクタム、マクロライドまたは他の抗生物質、例えばアジスロマイシン(Azithromycin)、ドキシサイクリン(Doxycycline)、テトラサイクリン(Tetracycline)、およびエリスロマイシン(Erythromycin);クロトリマゾール、ナイスタチン、フルコナゾール、ケトコナゾール、アムホテリシンB、カスポファンギン、またはボリコナゾールなどの抗真菌剤;例えばメトロニダゾール(Metronidazole)またはチニダゾール(timidazole)などの原生動物に対して有効な薬剤などの、公知の抗微生物剤であり得る。第2の薬物はまた、アバカビル(Abacavir)、アシクロビル(Acyclovir)、アマンタジン(Amantadine)、ジダノシン(Didanosine)、エムトリシタビン(Emtricitabine)、エンフビルチド(Enfuvirtide)、エンテカビル(Entecavir)、ガンシクロビル(Ganciclovir)、ガーダシル(Gardasil)、ラミブジン(Lamivudine)、ネビラピン(Nevirapine)、ネルフィナビル(Nelfinavir)、オセルタミビル(Oseltamivir)、リバビリン(Ribavirin)、リマンタジン(Rimantadine)、リトナビル(Ritonavir)、スタブジン(Stavudine)、バラシクロビル(Valaciclovir)、ビダラビン(Vidarabine)、ザルシタビン(Zalcitabine)、およびジドブジン(Zidovudine)などの抗ウイルス剤であってもよい。第2の薬物の有効量は、第2の薬物の製造業者の推奨、主治医の判断に従うことになり、医師用卓上参考書(PHYSICIAN’S DESK REFERENCE、当該技術分野において周知)に示される量および服用量に関するプロトコルおよび管理因子によって指導されることになる。
【0056】
治療方法の有効性は、上に考察される微生物感染の徴候または症状について対象を監視すること、ならびに当該技術分野において公知の方法で対象中に存在する微生物の存在または量を判定することによって算定され得る。
III.キット
【0057】
本開示は、本明細書に記載される病態の治療にとって有用な材料を格納する製品およびキットを提供する。本製品は、本明細書に記載される組成物の格納器をラベルと共に含み得る。好適な格納器としては、例えば、ボトル、バイアル、および試験管が挙げられる。格納器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。格納器は、微生物の成長の阻害または微生物によって引き起こされた病態の治療にとって有効である、本明細書に開示される抗微生物剤を有する組成物を保持する。格納器上のラベルは、この組成物が特定の病態の治療にとって有用であることを示してもよく、また投与についての説明を示し得る。
定義
【0058】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開出願、および他の刊行物は、それらの全体が参照によって組み込まれる。本明細書における用語について複数の定義が存在する場合には、別途明言されない限り、このセクションの定義が優先される。
【0059】
本明細書で使用する場合、「投与」はその最も広い意味で使用され、対象を本明細書に開示される組成物と接触させることを意味する。
【0060】
本明細書で使用する場合、「抗微生物活性」という用語は、1つ以上の微生物に対する殺微生物活性もしくは静微生物活性、またはそれらの組み合わせを意味する。殺微生物活性は、標的微生物を殺すか、または不可逆的損傷をそれに与える能力のことを指す。静微生物活性は、標的微生物の成長または増殖能力を阻害する能力のことを指し、必ずしもそれを殺すかまたは不可逆的に損傷を与える必要はない。
【0061】
本明細書で使用する場合、「同一性」または「配列同一性」という用語は、2つ以上のポリペプチド配列間、ならびに2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係性、すなわち、基準配列と、その基準配列と比較される所与の配列との間の関係性を指す。配列同一性は、所与の配列と基準配列との鎖間での一致によって判定した場合に、最も高い度合いで配列類似性が得られるようにこれらの配列を最適に整列させた後に、これらの配列を比較することで判定される。このように整列をする際、配列同一性は、各位置を基準にして確認される。例えば、ある特定の位置において核酸またはアミノ酸残基が同一である場合、その位置においてこれらの配列は「同一」である。次いで、そのような同一である位置の総数を基準配列中のヌクレオチドまたは残基の総数で割って、配列同一性パーセント(%)を得る。配列同一性は、公知の方法によって容易に計算することができ、これらの方法としては、限定されるものではないが、Computational Molecular Biology,Lesk,A.N.,et.,Oxford University Press,New York(1988)、Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York(1993)、Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey(1994)、Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinge,G.,Academic Press(1987)、Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M.Stockton Press,New York(1991)、およびCarillo et al.,Applied Math.,48:1073(1988)が挙げられ、これらの教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
本明細書で使用する場合、「阻害する」という用語は、限定されるものではないが、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%を含む任意の量の減少を意味する。
【0063】
「核酸」という用語は、本明細書において、デオキシリボ核酸、ならびにリボ核酸のポリマーを指すように使用される。この用語は、直鎖状分子、ならびに共有結合閉環状分子を含む。この用語は、一本鎖分子、ならびに二本鎖分子を含む。
【0064】
本明細書で使用する場合、「対象」は、中枢神経系を有する生物を指す。特に、対象としては、限定されるものではないが、ヒト対象または患者、および伴侶動物が挙げられる。例示的伴侶動物としては、飼い馴らされた哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ)、有意な商品価値を有する哺乳動物(例えば、乳牛、肉牛、スポーツ用の動物)、有意な科学的価値を有する哺乳動物(例えば、絶滅危惧種の捕らえられた見本もしくは捕らわれていない見本)、または別様に価値を有する哺乳動物を挙げることができる。好適な対象としてはまた、ネズミ、ラット、イヌ、ネコ、有蹄動物、例えばウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、およびヤギなど、ウサギ類、例えばアナウサギおよびノウサギなど、他の齧歯類、ならびに霊長類、例えばサルおよび類人猿などが挙げられる。一部の態様において、対象は、微生物感染症と診断されるか、微生物感染症のリスクをもっているか、または微生物感染症を患っている場合がある。対象は、新生、未成熟、成体、熟年、または高齢を含む任意の年齢であり得る。
【0065】
「治療有効量」という語句は、本明細書において、治療していない対照と比較して、ある有益な程度に、好ましくは少なくとも約1〜100パーセント、より好ましくは少なくとも約5〜95パーセント、およびより好ましくは少なくとも8パーセント以上、治癒または感染症の改善をもたらすのに十分な量を意味するように使用される。「有効量」は、薬学的有効量のことであり、これは、対象に投与された場合に、感染部位を治癒するか、微生物の成長を阻害するか、または受容者環境にとって別様に恩恵を与える、薬剤または化合物の量を認定することを意図する。
【0066】
「変異体」という用語は、類似の配列を有し、同様に機能するヌクレオチドまたはアミノ酸配列に関する。
【0067】
アミノ酸の呼称は、本開示が属する技術分野の当業者が一般に理解する、全名称、三文字、または一文字の呼称を含み得る。
【0068】
本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を上記の組成物および方法において為し得るため、上記説明および下記実施例に含まれるすべての事柄は例証的であり、限定する意味をもたないものとして解釈されるものとすることが意図される。
【実施例】
【0069】
実施例1:抗微生物剤の抗微生物活性
開示される抗微生物剤は、14個のアミノ酸を有し、広域スペクトル抗微生物活性を有する配列番号3の誘導体である。本開示の抗微生物剤を合成し、抗微生物活性を評価するために分析した。最初に、配列番号3の抗微生物剤を、一般の乳腺炎病原体の臨床分離株の阻害について評価した(表1)。
【表1】
【0070】
配列番号3のコンピュータで導き出した23個の類似体を含む、追加的な抗微生物剤について、抗微生物活性を評価した。これらの類似体は、2つの機能性シリーズにグループ分けされ、螺旋性の改善のために合成されたもの(表2、A〜P)ならびに活性の増進のために合成されたもの(表2、IND、Q〜T、およびW〜X)が含まれた。表2に提供されるこれらの合成類似体の抗微生物活性は、Sang,et al.2007 Dev.Comp.Immunol.に記載されるものなどの標準的技法を用いて評価した。この文献は参照により本明細書に組み込まれる。収集したデータに基づいて、配列番号3または配列番号19の薬剤と比較して優れた抗微生物活性を有するとして、3つの合成抗微生物剤(表2、影の付いた行)が特定された(表2)。
【表2】
実施例2.抗微生物剤の構造/機能分析
【0071】
本明細書に記載される抗微生物剤についての構造/機能メカニズムを評価した。異なる位置における異なるアミノ酸の影響をより良好に理解するため、ならびに最も生物学的に活性であり、かつ安定な合成ペプチド(複数可)を開発するために、多剤耐性スタフィロコッカス・アウレウス抗微生物配合物の最適化を導くように、定量的構造活性相関(QSAR)モデルを使用した。
【0072】
細胞のペプチド性抗微生物作用に関する4つの主なメカニズムのうち、2つ(樽板およびトロイダルポア)モデルは、安定な両親媒性螺旋ペプチドを必要とし、第3の(面内拡散)は、ペプチドの両親媒性の保存を保証し得る二次(螺旋またはシート)または三次(ジスルフィド結合または塩架橋)構造要素によって達成され得る、有意な分子内安定化を必要とする。抗微生物活性を保有すること、および螺旋形性を示す構造的態様を有することが知られているペプチドファミリー(すなわち、プロリンをほとんどまたは全く伴わない;約4つのモノマー毎に極性と非極性とが交互になっている)の場合、ペプチドの生物活性配座が螺旋状であり、作用のメカニズムが上に列記した3つのうちの1つであると想定するのは合理的である。この想定から、本明細書において提供される抗微生物剤を、高度に螺旋状の性質(Agadirソフトウェアを用いて予想)を有するように、かつ螺旋形構造において実質的な両親媒性を示すように適合した。そのような属性を、本明細書に記載される最も効能のある抗微生物剤のうちの1つ、配列番号17について
図5に表す。
【0073】
樽板モデルの典型的な特性は、疎水性パッチ、アニオン性パッチ、疎水性パッチ、およびカチオン性パッチの定期的な交替であり、これによってペプチドは、細胞膜中で、周囲の脂質を排除し、膜統合性を損なう安定なポアへと静電気的に自己組織化できる。本明細書に記載される抗微生物剤は厳密にはカチオン性であるため、この樽板モデルは除かれる。これは、所与のペプチドが、概して、他のペプチドよりも脂質媒体とより優先的に会合するためである。しかしながら、本抗微生物剤は、
図7に描写される残り2つの可能なモデルのうちのいずれかを介して、尚も有意に膜に干渉し得る。
【0074】
ペプチド配合物において明らかである高度な螺旋形安定性および両親媒性は、細胞イオン漏出を誘発する、微生物の細胞膜にまたがるトロイダルポアの形成(
図7A)、または別様に、選択的な脂質相互作用が脂質膜の幾何学的規則性および安定性を破壊する、二量体の形成(ここで、これらの相互作用は、ペプチドカチオンの脂質アニオンとの相互作用、および脂質の脂肪族/脂肪族相互作用のペプチドアリール破壊を含む)のいずれかを強く示唆する。
【0075】
本明細書に記載される実施例に基づき、螺旋状の性質および両親媒性プロファイルの改善に主に基づく、抗微生物的に効能のあるペプチド配合物は、上記2つの機構のうちの1つから観察される活性が生じることを示唆している。ペプチドの高度に規則的な性質(4番目または5番目の位置毎のアルギニンを除いて、厳密に疎水性)は、より構造的に規則的なモデルのトロイダルポアを支持している(電位依存性チャネルの役割を機能的に引き受けて、KvAPペプチドにより細胞pHを折衷することができる)。しかしながら、抗微生物剤ペプチドの短い長さ(螺旋形構造において、末端から末端までが約21Å)は、これらのペプチドが膜をまたぐほどには十分に長くない可能性があることを示し、これにより面内拡散モデルが支持されることになる。
【0076】
観察される抗微生物活性の傾向を説明するための、いくつかの非常に基礎的な定性的規則が解明された。
1)Trpが配列の位置4にある場合、
ペプチド活性は、位置3における親油性残基の立体的なコンパクト性(すなわち、Pro>Ala>Val>Leu)に比例し、これは、ペプチドのN末端に向かって空間的コンパクト性が最適であることを示しているということ、
2)位置4が分子量の大きい親油性物質以外のものである場合、プロリンによって誘発される主鎖のねじれは、位置3において許容され得ず、プロリンはいかなる他の位置においても全く許容されないこと、
3)Argが位置4にある場合、ペプチド活性は、Ala−3>Val−3>Leu−3>Pro−3に応じて異なり、すなわち、空間的コンパクト性が望ましいが、この場合、プロリンによって誘発される主鎖のねじれは許容されないこと、ならびに
4)位置12および13において残基を交換することは、活性に対して大きな影響は及ぼさないが、これらの残基のうちの1つのみに対する有意な変更は活性を削ぎ、この領域における親油性/電気陽性のバランスが活性にとって重要であることが示されるということ。
【0077】
先のセクションにおいて記載された作用パラダイムの2つの機構を区別するための1つの戦略は、芳香族残基(すなわちPhe、Trp)を脂肪族(Ile、Leu)と選択的に置換すること、およびその逆であろう。これらの置換は、概して、両方のモデルにおいて必要とされる両親媒性を保存すべきであり、一部の置換は、螺旋形安定性(これもまた両方のモデルにとって好ましい)を増進し得るが、それらの効果は以下のように異なり得る:
a)平面的であるアリール基は、IleおよびLeu側鎖における分岐状アルキル基よりもコンパクトであり、必須アルギニンにおける平面的グアニン基とより良好に積み重なり、これにより、膜と良好に調和する整然としたポアの形成が支持されるが、一方で、
b)アルキル基は本質的に、主としてアルキル脂質媒体に対してより誘因性であるが、それらの分岐状の性質は、面内拡散シナリオによる構造的障害をより生み出す傾向にある。
【0078】
幾つかの重要な構造/機能の傾向を解明した後、WB合成ペプチドの抗微生物活性をさらに最適化するために、保存的置換(すなわち、残基のサイズおよび静電気的特性を僅かに変更するが、大きくは変更しない置換)に対するAgadirによる計算を行った。それによって、以下に列挙されるペプチド(配列番号26〜33)を合成し、それらの螺旋形安定性を利用するために評価した。
【表3】
実施例3.抗微生物剤類似体の抗微生物活性。
【0079】
実施例2において螺旋形安定性について最適化した、追加的な抗微生物剤類似体(表3)を、抗微生物活性について評価した。表3に提供されるこれらの合成類似体の抗微生物活性は、Sang,et al.2007 Dev.Comp.Immunol.に記載されるものなどの標準的技法を用いて評価した。この文献は参照により本明細書に組み込まれる。これらの薬剤の抗微生物活性を、表4に提供する。
【表4】
【0080】
この結果は、配列番号8を有する抗微生物剤が最も有効な抗微生物合成ペプチドであることを示した。さらに、配列番号8の、乳腺炎原因細菌の臨床分離株に対する抗微生物活性について評価した(表5)。
【表5】
実施例4.抗微生物活性のインビボ分析.
【0081】
配列番号8の抗微生物剤を、本薬剤の抗微生物活性について算定するために、細菌感染症のインビボモデルを用いて評価した。以下の方法および材料を使用した。
【0082】
細菌株.スタフィロコッカス・アウレウスを、臨床乳腺炎を有する乳牛の牛乳から単離した(Livestock Disease Diagnostic Center,University of Kentucky.Lexington,KY)。到着時に、細菌は、血液寒天プレート(Remel,Kansas City.MOからのTSA +5%ヒツジ血液)上でストリップ状にして、37℃で24時間培養した寒天プレートから取り出した新鮮な単一の細菌コロニーを10mlのMuller Hinton IIブロス(MHB)に植菌して、625nmの分光光度計フィルタで0.8の吸光度に到達するまで、37℃で4〜6時間培養した。この吸光度において、MHBは50μlの体積で、1×10
5のコロニー形成単位(CFU)を含有することが記録された。
【0083】
スイギュウ宿主防御ペプチドの合成.WB−14Fペプチド(配列番号8;GLARILLRWLFFRG)を化学的に合成した(Peptide2.0;Chantilly,VA)。合成後、WB−14F分子は、RP−HPLCにおいて単一のピークで溶出し、質量分析法で確認した。ペプチドの最終純度は97%超であり、分子量は1718.4であった。ペプチドを凍結乾燥し、使用するまで−80℃で保管した。
【0084】
乳腺炎マウスモデル.実験のために、授乳期間7日目〜10日目の、56匹のメスBalb/cマウス(BW約50g)を使用した。4つのグループ(n=14)のマウスを、下に記載される各実験について使用した。乳腺内植菌は、Chandlerによって説明されているプロトコル(J.Med.Microbiol.V3;273−282:1970)に従い、僅かな修正を加えて行った。簡潔に述べれば、授乳中の母親は、植菌の4時間前に子から引き離された。その後、植菌前に1時間、子に乳を飲ませて乳腺を空にした。子を母親から再度引き離し、その後は二度と再会させなかった。その後、100mg/kgの用量でチレタミン/ゾラゼパム(Zoletil(登録商標)100、Virbac)の組み合わせを筋肉内投与してマウスに麻酔をかけ、乳腺を70%アルコールで殺菌した。実体顕微鏡を用いて、前もって調製した50μLのS.アウレウス懸濁液(1×10
5のCFUを含有)を乳腺内に植菌した。注射は、33G針(Hamilton,Kent,UK)を用いて、左右の腹部の乳首(L4およびR4)に緩徐に行った。植菌後、マウスを麻酔から回復させた。
【0085】
対照および抗生物質処置群を比較したWB−14Fの治療効果.マウス(n=14/群)を、以下の通りに、立体鏡技法を用いて乳腺内処置した:群1:WB−14F(1つの腺当たり、32μgを50μlの無菌PBS中で希釈);群2:対照、リン酸緩衝生理食塩水(1つの線当たり50μl);群3:セフチオフル(Ceptiofur)(1つの腺当たり、400μgを50μlの鉱物油中で希釈);群4:感染させたが、処置しなかった。すべての群(群4を除く)は、感染の24時間後から、24時間毎に3日間連続で治療を受けた(総計で3回の治療)。
【0086】
乳腺におけるコロニー形成単位(CFU)の判定.最後の治療の24時間後に、すべてのマウスを、AVMAの安楽死ガイドラインに従って安楽死させた(CO
2を用いた)。軟組織解剖を用いて感染した乳腺(L4およびR4)を個別に除去し、Polytron組織ホモジナイザー(Kinematica,Switzerland)を用いて、Falconチューブ内の1mlの無菌PBS中において均質化した。ホモジェネートの希釈液(10
−1、10
−2、および10
−3倍)を定量的に蒔いて、腺当たりのCFUの数を判定した。結果を、各動物からの2つの腺(L4およびR4)に由来する結果の平均として報告とした。
【0087】
統計的分析.GraphPad Prism Ver.5.0a for Mac,GraphPad Software,San Diego California USAを用いて、クラスカル・ワリス検定とダンの事後検定を行った。統計的に有意な差異(P<0.001)が群間(
図5)において見出され、事後試験で、WB−14F対3つの対照群(PBS、ATBX、およびN1901.27on−Tx)における差異が、5%の有意性レベルで示された。
実施例5.結合された二量体ペプチド抗微生物剤の構造/機能分析
【0088】
共有結合リンカーペプチド二量体配合物の予備設計およびスクリーニングの重要な構成要素は、分子動態シミュレーションの使用を必然的に伴う。
【0089】
インビボ研究で観察された配列特異的活性依存性を、連結されていない(非共有結合性の)ペプチド二量体の分子動態シミュレーションにおいて観察される二量体内相互作用によって厳密に実証する。後続の分子動態シミュレーションが、非共有結合性の二量体(
図3にグラフィカルに示されている)において明らかな相互作用は、特別に配合された共有結合性の二量体(
図4に示されている)において保存または増幅されているという強力な証拠を生み出した。
【0090】
実験的インビボ活性を最も良好に実証する、非共有結合性および共有結合性二量体系の重要な構造的特色としては、1)単量体螺旋形構造の保存、2)二量体内の親油性結合および静電結合の保持、さらに、以下の分子間相互作用:3)ペプチド/膜無極性結合(これにより、ペプチドアリールアミノ酸が、膜脂質と相互作用して、アリール基を個々の脂質分子の間に挿入する)、および4)ペプチドカチオン性残基とアニオン性脂質頭部とのペプチド/膜静電結合、のうち両方の強力な証拠が挙げられる。これら4つの相互作用の種類の各々について、ペプチドの特定の原子が、分子内または分子間相互作用のパートナーの特定の原子からの、設定された距離の内部に存在する、シミュレーション時間の相対的割合に基づいて、特定の定量的メトリクスを定義した。具体的には、4.0オングストローム以下の無極性原子間距離の一貫的保存が、重要な無極性特色の保存を特定するために使用され、2.5オングストローム以下の極性原子間距離の一貫的保存が、重要な極性特色の保存を特定するために使用された。
【0091】
上記4つの構造的特色は、分子動態シミュレーションを介して、以下の特定の共有結合リンカー配合物:DNNNNNN(配列番号34);DGGGGGG(配列番号38);DNNNNN(配列番号35);およびDGGGGG(配列番号37)によって特に良好に保存または増幅されることが分かった。上記の場合の各々において、リンカー配列のN末端は、第1のペプチドモノマーのC末端に対して通常のペプチド結合を介して共有結合し、リンカー配列のC末端は、第2のペプチドモノマーのN末端に対して通常のペプチド結合を介して共有結合する。
【0092】
本明細書において例証的に開示される本発明は、本明細書において具体的に開示されていないあらゆる要素の不在下で実践することができる。しかしながら、当業者には、本方法に対する多数の変更、変形、修正、他の使用、および適用が可能であり、また本発明の趣旨および範囲を逸脱しない変更、変形、修正、他の使用、および適用は本開示によって網羅されるとみなされ、本開示は、後に続く特許請求の範囲によってのみ限定されることが明らかである。