特許第6802175号(P6802175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャスケイド デザインズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000002
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000003
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000004
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000005
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000006
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000007
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000008
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000009
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000010
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000011
  • 特許6802175-可搬型液体ろ過デバイス 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802175
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】可搬型液体ろ過デバイス
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20201207BHJP
   B01D 65/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   C02F1/44 B
   B01D65/00
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-545879(P2017-545879)
(86)(22)【出願日】2015年11月24日
(65)【公表番号】特表2017-535429(P2017-535429A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】US2015062515
(87)【国際公開番号】WO2016086048
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2018年11月19日
(31)【優先権主張番号】62/083,877
(32)【優先日】2014年11月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501055031
【氏名又は名称】キャスケイド デザインズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】オリアード、ティモシー・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポウル・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】シュバンセン、スティーブン・ロバート
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−065290(JP,A)
【文献】 米国特許第05531887(US,A)
【文献】 国際公開第2004/028672(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
B01D 61/00− 71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型液体ろ過デバイスであって、
入口ポートと、
ろ過媒体を備え、前記入口ポートに流体結合されたろ過部分と、
前記ろ過部分に流体結合されたろ過液体出力ポートと、
前記ろ過部分に流体結合されたフラッシュポートと、
前記入口ポート、ろ過部分、出力ポート、およびフラッシュポートに流体結合された手動式の複動式ポンプ組立体と、前記ポンプ組立体は、作動されると、前記入口ポートに負の流体圧力、前記出力ポートおよび前記フラッシュポートに正の流体圧力を発生させるように構成されている、を備え、
ここにおいて、前記ポンプ組立体は、ピストン、ピストンロッドおよびピストンカップシールを備え、前記ピストンロッドがポンプ本体内を往復動し、前記ポンプ組立体の作動の結果として、前記ろ過部分は前記入口ポートから未ろ過液体を受け取り、前記出力ポートは、前記ろ過部分から、第1の方向にろ過媒体を横切る液体のみを受け取り、前記フラッシュポートは、前記ろ過部分から、前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記ろ過媒体を横切る液体を受け取り、
前記ろ過部分およびフラッシュポートに結合された流量調整弁をさらに備え、前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体のそれぞれの量を管理し、
前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体の前記それぞれの量を管理する付勢要素を含む、デバイス。
【請求項2】
吸引ホース組立体をさらに備え、前記ホース組立体は、近位端部で前記入口ポートに結合された第1のルーメンと、近位端部で前記フラッシュポートに結合された第2のルーメンと、前記両ルーメンの遠位端部で前記第1および第2のルーメンに結合されたスクリーンとを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の方向と第2の方向は互いに対して実質的に直交する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ろ過部分は近位端部と遠位端部とを有し、
前記入口ポートおよびフラッシュポートは前記近位端部に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記出力ポートは前記遠位端部に配置される、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記フラッシュポートおよび出力ポートをそれぞれ前記ろ過部分に流体結合する第1および第2のダクトをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記出力ポートを囲むねじ付きエンドキャップをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
可搬型液体ろ過デバイスであって、
入口ポートと、
前記入口ポートに流体結合されたろ過部分と、前記ろ過部分は、ある長さを有する少なくとも1つの透過性膜を備える、
前記ろ過部分に流体結合されたろ過液体出力ポートと、
前記ろ過部分に流体結合されたフラッシュポートと、
前記入口ポート、ろ過部分、出力ポート、およびフラッシュポートに流体結合された手動式の複動式ポンプ組立体と、前記ポンプ組立体は、作動されると、前記入口ポートに負の流体圧力、前記出力ポートおよび前記フラッシュポートに正の流体圧力を発生させるように構成されている、を備え、
ここにおいて、前記ポンプ組立体は、ピストン、ピストンロッドおよびピストンカップシールを備え、前記ピストンロッドがポンプ本体内を往復動し、前記ポンプ組立体の作動の結果として、前記ろ過部分は前記入口ポートから未ろ過液体を受け取り、前記出力ポートは、前記ろ過部分から、前記膜を透過した液体のみを受け取り、前記フラッシュポートは、前記ろ過部分から、前記膜の長さを横切る液体を受け取り、
前記ろ過部分およびフラッシュポートに結合された流量調整弁をさらに備え、前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体のそれぞれの量を管理し、
前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体の前記それぞれの量を管理する付勢要素を含むデバイス。
【請求項9】
吸引ホース組立体をさらに備え、前記ホース組立体は、近位端部で前記入口ポートに結合された第1のルーメンと、近位端部で前記フラッシュポートに結合された第2のルーメンと、前記両ルーメンの遠位端部で前記第1および第2のルーメンに結合されたスクリーンとを備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ろ過部分は近位端部と遠位端部とを有し、
前記入口ポートおよびフラッシュポートは前記近位端部に配置される、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記出力ポートは前記遠位端部に配置される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記フラッシュポートおよび出力ポートをそれぞれ前記ろ過部分に流体結合する第1および第2のダクトをさらに備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記出力ポートを囲むねじ付きエンドキャップをさらに備える、請求項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本願は、そのすべての内容が本明細書に完全に記載されたものとして参照により本願に組み込まれる、2014年11月24日に出願された米国仮特許出願第62/083,877号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]激しい活動中の脱水に対抗するために、流体の供給を容易に利用可能にする必要性があることは周知である。脱水が生じると、体内の水分レベルは、正常な身体機能に必要なレベルを下回る。慢性的な脱水は、腎臓の障害を含めて、短期および長期の健康問題につながり得る。脱水を防止するためには、排出、発汗および呼吸によって失われた水分に代わるのに十分な頻度の間隔で水分が定期的に摂取されることが肝要である。
【0003】
[0003]ハイキング、キャンプ、クライミング、バックパッキングなど、遠隔地で活動を行う際に水分を効果的に維持するための課題の1つは、適切に水分を維持するための飲用水の量を確保することの難しさである。これらの活動を行うとき、適切に水分を維持するために必要とされる水の総重量は、個人が運搬するには非常に扱いにくいものとなる。同様に、軍関係者は、通常の供給ラインから事実上、切り離された前方展開する兵士によって摂取される飲用水を補充することに難しさを抱えている。
【0004】
[0004]したがって、脱水を回避するために、河川、入り江、小川、湖、および池など、遠隔地で遭遇する自然の淡水源から水を摂取することが大いに望ましい。しかしながら、そのような水の大部分は微生物学的に人間の摂取には不適当であるため、淡水源は本質的に飲用に適するとはみなされない。これは、そのような水源が無数の有害な微生物病原体を潜在的に含むからである。ウイルス、バクテリア、および原生動物など、これらの微生物病原体の摂取は、下痢性の疾病の著しい一因となることが知られている。したがって、これらの遠隔地で効果的に水分を維持するには、これらの微生物病原体を除去するように水を処理するための個人用ろ過デバイスを利用することが不可欠である。
【0005】
[0005]個人用ろ過デバイスを使用して遠隔地の水を処理することは、自然の淡水源から流体を補給すること以外の選択肢を持たない人々にとって、水系感染性疾病のリスクを低減する上で非常に有効となり得る。これらの個人用ろ過デバイスは、微生物病原体を除去するための物理的障壁(すなわち、サイズ排除)アプローチを利用し、活性炭ブロック膜、セラミック膜、ガラス繊維膜、および高分子平板および中空糸膜を含む様々な浄水媒体を含んでいる。物理的障壁を備える個人用ろ過デバイスは、未知の水質の淡水源を処理するためのハロゲン系殺菌剤よりも優れている。化学殺菌剤は、水が安全に飲めるようになるのを待つ間に脱水症状になるリスクにユーザをさらす可能性のある長い滞留時間(4時間以上)なしにハロゲン耐性の原生動物(たとえばクリプトスポリジウム)を除去することが不可能である。さらに、これらの化学殺菌剤の有効性は、天然有機物質から生じる有機炭素の濃度および表面水の温度に大いに依存する。加えて、ハロゲン系の殺菌剤は処理水の嗜好性を低下させ(味と臭気の両方に影響を及ぼす)、このことがユーザによる水分摂取を減少させることが示されている。最後に、化学的殺菌剤とは異なり、物理的障壁の使用は、処理されている淡水源から浮遊固形物およびコロイド粒子を除去することになる。
【0006】
[0006]個人用のろ過デバイスの典型的な構成は、サイズ排除膜を収容するフィルタカートリッジが容積変位型の手動ポンプと直列をなすものである。汚染された水源からフィルタカートリッジに流体を送達するために、任意の数の種々のポンピング機構が採用され得る。たとえば、手持ちポンピング機構を提供するために、移動可能なピストンまたはプランジャポンプが個人用ろ過デバイスのハウジングに組み込まれ得る。手動ポンプを用いて遠隔地で水を浄化するための例示的な個人用ろ過デバイスが、米国特許第5,330,640号、同第6,010,626号、同第8,147,685号、同第8,281,937号、同第8,557,115号および米国特許出願第2010/0170834号に開示されている。
【0007】
[0007]この技術は、セラミック膜、ガラス繊維膜、および高分子平板および中空糸膜を含めて、様々な実績のある水ろ過媒体と結合された手押しポンプデバイスの使用法を教示するものである。現在の技術はまた、この構成の個人用ろ過デバイスが全量ろ過モードで操作されるべきであることを示している。全量ろ過技術を使用する場合、流体のすべてが膜を通過し、膜の孔径よりも大きなすべての粒子がその表面で停止される。このことは、捕捉された細片が膜の表面に、ろ過プロセスの効率を低下させる「フィルタケーキ」を増大させ始めることを意味する。これらの装置が高濃度の浮遊固形物および/または天然有機物を有する淡水源を処理するために長期間使用される場合、個人用ろ過デバイスの効率の低下が観察される。フィルタハウジングの内側に捕捉された細片を除去するために、膜を通る流れを逆にすることによってフィルタを逆洗することは、フィルタケーキを除去することによってフィルタの詰まりを除くのに役立ち得る。
【0008】
[0008]先行技術の手押しポンプ型の個人用ろ過デバイスの1つの重大な欠点は、淡水源を処理するために使用された後にそれらの膜表面が容易には洗浄できないことであり、これは膜表面を急速に詰まらせることになる。この技術は、フィルタケーキを除去する洗浄ステップを開始するために、個人用ろ過デバイスが手動で再構成されなければならないことを教示している。当該技術分野で言及されているこの例は、ユーザが目詰まりした膜表面を露出させるために現場でフィルタカートリッジを分解すること、または逆洗手順を開始するために流量チェックバルブの方向を変更/逆転することを含む。加えて、膜表面を洗浄するために、特別な用具が持ち運ばれることがしばしば必要とされる。たとえば、セラミックフィルタを洗浄することは多くの場合、セラミック膜の表面を手動で研磨するために研磨パッドを使用することによって達成される。さらに、ユーザは、フィルタカートリッジの洗浄側(下流)を微生物病原体で汚染することを回避するために、既知の飲用水のみを使用してこの洗浄ステップを行うように注意しなければならない。
【0009】
[0009]この技術は、半透性中空糸膜がフィルタカートリッジの単位体積当たりに非常に大きな膜表面をもたらすので、半透性中空糸膜が微生物学的病原体を除去するための有効な物理的障壁となることを示している。その結果、中空糸膜の使用は、個人用ろ過デバイスが、個人用ろ過デバイスの構造に使用される他のタイプの物理的障壁材料からフィルタカートリッジが製作される場合よりも、同じ水生成に対してより軽量でより小型の(サイズ効率のよい)設計を有することを可能にする。
【0010】
[0010]セラミック膜と比較すると、中空糸膜を使用する重要な性能限界の1つは、膜表面からフィルタケーキを完全に除去することが困難となることである。セラミック膜は、膜表面からフィルタケーキを完全に除去する機械的研磨アプローチを用いて洗浄されるように設計されたものであるが、この洗浄手順は、より脆い中空糸膜に対しては再現され得ない。このことは、中空糸カートリッジを備えた個人用ろ過デバイスがフィルタカートリッジを通る流路を変更することによってしか洗浄され得ないことを意味する。さらに、フィルタケーキが膜の表面に堆積している程度を決定するために中空糸膜の状態を目視検査することは、必ずしも可能ではない。したがって、洗浄ステップは場合によっては、逆洗プロセスがフィルタケーキの深刻な増大が原因でフィルタカートリッジの水生成能力を回復するのに部分的にのみ有効となり得る点で、開始され得る。この問題は、より大きな膜表面積にわたってフィルタケーキを展開させるように中空糸フィルタカートリッジのサイズを増大させることによって対処され得るが、このことは、フィルタをサイズにおいて小さくコンパクトにすることを犠牲にして成立する。
【発明の概要】
【0011】
[0011]本明細書に組み込まれ本明細書の一部となる添付の図面の図は、本発明の実施形態を例示するものであり、また、説明とともに、本発明の実施形態の原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012]本発明の一実施形態による個人用ろ過デバイスのポンプ組立体の実施形態の斜視図。
図2】[0013]図1の実施形態のポンプ組立体の側面図。
図3】[0014]図1に示す実施形態のポンプ組立体の頂面図。
図4】[0015]図1に示す実施形態の横断面における側面図。
図5】[0016]図1に示すデバイスの実施形態のポンプヘッド組立体の横断面図。
図6】[0017]図1に示す実施形態のフィルタカートリッジおよび流動分離エンドキャップの横断面図。
図7】[0018]図1に示す実施形態のフィルタカートリッジおよび流動分離エンドキャップの拡大部分横断面図。
図8】[0019]図1に示す実施形態のフラッシュ弁および流量調整弁の側面図。
図9】[0020]図1に示す実施形態のフラッシュ弁および流量調整弁の横断面図。
図10】[0021]図1に示す実施形態のポンプヘッド組立体内のフラッシュ流体経路の横断面図。
図11】[0022]図1に示す実施形態のポンプヘッド組立体に結合可能なプレフィルタおよびデュアルルーメンホース組立体を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0023]従来技術で述べられている方法およびフィルタ組立体の上記の欠点および限界を踏まえると、本デバイスの水生成に悪影響を及ぼすフィルタケーキ形成を低減することに伴う労力の程度が低い中空糸フィルタカートリッジを人間工学的なハンドポンプ機構と結び付けた、コンパクトな個人用ろ過デバイスを提供することが非常に望ましい。また、この個人用ろ過デバイスは、フィルタカートリッジを手動で再構成または分解する必要なくフィルタカートリッジを現場で洗浄することを可能にし、一方、洗浄プロセスの間にフィルタカートリッジの洗浄側が潜在的に微生物学的に汚染されることをも防止するための機構を提供することが望ましい。
【0014】
[0024]本発明の実施形態は、既存の技術の欠点および限界のうちの1つまたは複数に実質的に対処する、飲用水を生成するために汚染物質を選択的に除去するための中空糸フィルタカートリッジをハンドポンプ機構に結び付けた個人用ろ過デバイスを提供する。具体的には、開示する個人用ろ過システムは、膜の表面上に堆積したフィルタケーキを除去するための逆洗または他の洗浄ステップを開始するためにデバイスを手動で変更または分解する必要性を排除する方法で、微生物学的に汚染された飲料水を処理することが可能である。一実施形態は、中空糸膜の表面上で増大する捕捉された細片を連続的に除去する自己洗浄能力を備えたフィルタカートリッジを含む。言い換えると、デバイスはろ過水を生成すると同時に目詰まり/汚れ物質を除去するので、ユーザは、中空糸膜を定期的に逆洗するために、ろ過プロセスを中断する必要がない。
【0015】
[0025]本発明の装置の実施形態は、連続クロスフローろ過技術の使用を通して本質的に自己洗浄性となるように特別に設計された中空糸フィルタカートリッジを有する個人用ろ過デバイスを含む。クロスフローろ過では、流体供給流は中空糸膜に対して接線方向に流れ、それによって膜を挟んで圧力差を確立する。したがって、ろ過カートリッジが入口および出口ポートのみを有する従来技術とは対照的に、本発明で説明する個人用ろ過デバイスは、中空糸フィルタカートリッジによって処理される流入流体流れを、フィルタハウジングから連続的に抜け出す2つの別々の流れに分割することによって、飲用水を生成する。換言すれば、フィルタカートリッジは、中空糸膜を受容するためのチャンバと、ろ過されていない流体を受容するための入口ポート、ろ過された流体を分配するための出口ポート、および中空糸膜を透過しなかった粒子状物質を含んだフラッシュ流体を放出するフラッシュポートの3つの流体導管とを含む。
【0016】
[0026]中空糸膜束は、フィルタハウジング内の指定されたチャンバの内側で硬化樹脂によって支持およびシールされる。中空糸膜のポッティングされた端部の両方が開放しており、そのため、流体がフィルタカートリッジの支持開放端部の一方において中空糸の内腔(ルーメン)に進入し、次いで中空糸のもう一方の支持開放端部を通じてフィルタカートリッジを抜け出す前に、中空糸膜の全長を横切り得るようになっている。このフロー構成では、入口ポートを通じてフィルタカートリッジに進入する、ポンプヘッドからの汚染された流体は次いで、中空糸束の上流側を構成する多数の開口端部の中へと均等に分散される。汚染された流体は次いで、もう一方の開放端部に向かって中空糸膜の長さに沿って流れ、また膜壁を通して中空糸膜のシェル側(外側)に流れるときにのみろ過され得る。中空糸膜のシェル側に収集された処理水は、個人用ろ過デバイスの基部に位置する出口ポートを通してフィルタカートリッジから抜け出す。
【0017】
[0027]このインサイドアウトのフロー構成の結果、各中空糸膜のルーメンは形成中のフィルタケーキによって最終的に詰まることになる。しかしながら、中空糸の両端を開放することにより、通常はフィルタケーキの形成につながる細片は、それに代わって、フィルタカートリッジの下流端部で中空糸膜の空洞から抜け出すことが可能である。したがって、一実施形態のフィルタカートリッジ設計は、中空糸膜の表面上に存在する細片を除去し、これらの細片を膜表面からフラッシュポートへと運搬するために、中空糸膜の全長を横切るようにポンプヘッドから中空糸フィルタカートリッジに送達される流入流体流のごく一部を使用することに基づいている。フィルタカートリッジのこの連続的な自己洗浄性は、中空糸のルーメンの内側に形成されるフィルタケーキを追い出す/除去するために、膜を定期的に逆洗する必要性を排除する。
【0018】
[0028]フラッシュポートを通じてフィルタカートリッジから抜け出す流入流体流れの量は、フラッシュポートに取り付けられた流量制限オリフィスによって制御される。フラッシュポートは、デバイスのろ過流体側の汚染を回避するために、中空糸膜カートリッジから抜け出すろ過流体から十分に離れて位置することが好ましい。一実施形態では、フラッシュポートは、ポンプヘッドに進入する未ろ過流体用の入口ポートに隣接して配置されてもよい。フィルタカートリッジからのフラッシュ流体は、ユーザがフラッシュ流体を跳ねかけられること、または個人用ろ過デバイスが作動されているときに自身の足もしくは所持品が濡れることを防止するために、個人用ろ過デバイスから十分に離れた可撓性管を介して排出される。そのようなアプローチの1つは、個人用ろ過デバイスによってろ過されている淡水源にフラッシュ流体を戻すことを含む。
【0019】
[0029]フラッシュポートを通って抜け出す流体はまた、フィルタカートリッジの内側に閉じ込められた空気を除去するための好都合な経路として働く。フィルタカートリッジが水切りされているときに未処理の水に存在する気泡の形態で、または、後に時間を経て他の気泡と合体して、フィルタハウジングから除去するのが困難となるより大きな気泡を形成し得る溶解ガスとして、空気がフィルタカートリッジに進入し得る。浄水用の中空糸膜は、膜を通して水を効率的に輸送することが可能となるように親水性となっている。膜の親水性の性質は、空気が湿潤しているときに空気が膜の壁を横断し得ないかまたは最小限にしか横断し得ないことを意味する。その結果、閉じ込められた空気のポケットが膜表面上に形成され、膜を通る水の流れを妨げることがある。この問題は、全量ろ過用に設計されたフィルタハウジング内に多数の疎水性中空糸膜を配置することによって克服され得るが、フィルタカートリッジのこのような特徴は、フラッシュポートを通るそのような空気を排出するための簡単で費用効果的なアプローチを提供する。
【0020】
[0030]本発明の一実施形態では、ループ状の繊維を含んだフィルタカートリッジが利用され得る。繊維はループ状であり、カートリッジの一方の端部においてのみポッティングされ得る。汚染した流体流れは、ループ状の繊維の外部でカートリッジに進入し得る。処理された水は、ポッティングされた端部においてループ状の繊維の穴に収集され得る。この実施形態は、繊維束の外側で汚染した流体に対して開かれた第2のポートをフィルタカートリッジ内に必要とし得る。上記の実施形態で説明したように、流入流体流れの一部がフィルタカートリッジの外へと方向転換されて、蓄積した細片を運び去ることになる。このフラッシュ機構は、効果的ではないが、ある程度のカートリッジ洗浄性をもたらす。
【0021】
[0031]本発明の一実施形態では、個人用ろ過デバイスは内部圧力逃がし機能を含む。そのような実施形態では、個人用ろ過デバイスは、フィルタカートリッジのフラッシュポートに埋め込まれた圧力逃がし弁を備える。この特徴は、能動的なろ過構成要素のうちのいずれかが、機械的完全性を損ない得る所定値を超えて加圧流体に曝されることを防止するように設計されたものである。フラッシュ流体の流速は、個人用ろ過デバイスの通常の動作の間、一定のままである。しかしながら、流体圧力が中空糸膜の目詰まりが原因でフィルタ内で所定のレベルを超えると、圧力逃がし弁は、フラッシュポートを通じて排出されている加圧流体の体積を直ちに増大させる。動作圧力がこの所定レベル未満に低下した場合のみ、中空糸膜カートリッジ内の通常流れ分布が回復する。この特性を持つ圧力逃がし弁の使用はまた、別の流体バイパス回路の必要性を排除するので、デバイスの構造を簡単にする。
【0022】
[0032]本発明の一実施形態では、ポンプ行程当たりの一定のろ過水出力を維持するために、流量調整弁が使用される。フィルタカートリッジの寿命にわたって、中空糸は、フィルタケーキの大部分をフラッシュポートから外に輸送する流体フラッシュ機構があるにもかかわらず、粒子を蓄積し始める。中空糸が粒子を蓄積するとき、繊維の内部圧力は増大することになる。調整されない場合、フラッシュ流体の流れは、繊維内における圧力の増大とともに増加することになる。このことは次に、ろ過水の流れを低減することになる。内部圧力が増大するにつれて、ユーザが各ポンプ行程で生成するろ過水はますます少なくなり得、最終的にはろ過水が集まらなくなる。
【0023】
[0033]ポンプ行程に対するろ過水の流量を一定に保つために、流量調整弁がフラッシュ流れ内に配置される。弁は中空糸内の圧力に基づいて動作する。繊維中の内部圧力が増大すると、流量調整弁のオリフィスは直径が縮小する。弁は、フラッシュ流れの体積が、たとえば、入口流れの5%〜10%の好ましい量となるように調節される。ユーザは、内部圧力が高まるにつれて、より大きな力でポンピングすることが必要となり得るが、行程当たりのろ過水の出力は一定のままである。
【0024】
[0034]本発明の一実施形態では、個人用ろ過デバイスは、処理されている汚染された淡水源とポンプヘッドとの間に導管を設けるために、柔軟なデュアルルーメン管を利用する。この特徴は好都合にも、デュアルルーメン管の一方の端部を、ろ過されている水源に直接、設置することを可能にし、また、フラッシュ流体を輸送するためのさらなる柔軟管をユーザが持ち運ぶ必要性を排除する。デュアルルーメン管の一方の側は、ポンプヘッド上に位置する入口ポートに装着され、もう一方の側は、中空糸膜を自己洗浄するために使用された流体を、浄化されている淡水源に排出するように、フラッシュポートに装着される。
【0025】
[0035]本発明の一実施形態では、中空糸フィルタカートリッジは、微生物学的に汚染された水の中のウイルス、バクテリアおよび原生動物の濃度を、米国環境保護庁(EPA)、米国衛生基金(NSF)、国際および世界保健機関(WHO)の飲用水についての関連するガイドラインで規定されている水質要件を満たすレベルに低減することが示されている限外ろ過膜から製作される。言い換えれば、この特徴は、個人用ろ過デバイスが微生物学的な清浄器として分類されることを可能にする。しかしながら、完全なウイルス除去が、浄化されている淡水源に対する必要条件でない場合、中空糸フィルタカートリッジは代替として、バクテリアおよび原生動物を除去するための規制条件を満たす精密ろ過膜を用いて製作され得る。
【0026】
[0036]本発明の一実施形態では、個人用ろ過デバイスは、中空糸フィルタカートリッジによって生成される飲用水の生成速度を最大限にするために、二重作動(複動式)ポンプ機構から構成される。ポンプヘッドは、ピストン/プランジャの一方の側が流体を排出するために流体をフィルタに押し通し、もう一方の側がポンプヘッドにさらに多量の流体を導入するように構成される。したがって、フィルタを通じたポンプヘッドからの流体の排出は、内向きの行程と外向きの行程の両方で生じる(すなわち、両方向で排出する)。したがって、アイドル行程がないため、いずれの行程もフィルタを通じて流体を排出するのに有効である。このポンプ構成は、中空糸フィルタカートリッジを通じた流体の流量における変動をわずかにして、連続的な流体供給を提供する。二重作動ポンプ構成を利用する主な利点は、微生物学的に安全な飲料水の生成速度を低下させることなく、フィルタ要素およびポンプヘッドのサイズを低減し、浄水器をより小型にすることが可能となることである。この特徴は、中空糸カートリッジをより小さくすることを可能にし、また、手動のポンピング動作によって発生されなければならないより低い供給圧力に起因する、より快適なポンピングの体感をもたらす。
【0027】
[0037]本発明の一実施形態では、個人用ろ過デバイスの付加的な特徴は、ろ過水が中に排出され得る流体容器にフィルタを直接、接続することを可能にするアダプタ基部を含むことである。この個人用ろ過デバイスは、標準的な広口のボトルインターフェースなど、流体貯蔵容器の注入ポートに直接、しかも確実に結合されることが可能である。個人用ろ過デバイスに流体容器を機械的に結合することは、注入プロセスの間にこれらの構成要素が意図せず分離することを防止することになる。個人用ろ過デバイスの排出端部を有するねじ付きタイプのインターフェースは、確実な係合手段の一例であると考えられる。代替として、個人用ろ過デバイスの出口ポートに装着された1本の柔軟管が流体貯蔵容器の口部に挿入され得る。容器が満杯になると、管は取り外され、容器はシールされる。
【0028】
[0038]本発明の一実施形態では、個人用ろ過デバイスは、汚染された水源から浮遊固形物を除去する上で中空糸フィルタカートリッジを支援するために、プレフィルタを含み得る。プレフィルタは、ポンプヘッド内のピストン/プランジャに対する損傷を防止するために、可搬型浄水装置の現在の技術において一般的である。プレフィルタはまた、中空糸膜のルーメンを場合によっては詰まらせ得る粒子がフィルタカートリッジに進入することを防止する。水源に置かれる入口ホースの端部に装着されるプレフィルタは、メッシュ、フォームもしくは織物フィルタ、または異なる材料の組合せから製作され得る。
【0029】
[0039]これから本発明の好ましい実施形態を詳細に参照することにするが、それらの例は添付の図面の図に示されている。図面の図を参照すると、同一の参照符号は、いくつかの図の各々における同じまたは同様の特徴に対応している。図面は、そこに示される要素の尺度または相対的比率を示すことを意図したものではない。別段述べられない限り、すべての部材がプラスチックまたは同様の軽量でありながら強い材料から製作されることが好ましい。
【0030】
[0040]実施形態の一態様によれば、一実施形態による個人用ろ過デバイス1が図1〜4に示されている。図1〜3は、個人用ろ過デバイス1の外観を示しており、図4は、フィルタカートリッジ10の内側の流体の動きを示すために、デバイスの横断面を示している。個人用ろ過デバイス1は、微生物病原体を潜在的に含む水または他の流体の浄化に使用され得る。具体的には、個人用ろ過デバイス1は、へき地を通じてまたは国家間で移動する、ハイカー、キャンパー、バックパッカー、登山者、および前方展開する兵士などの人によって使用され得るように、小型で軽量となっている。
【0031】
[0041]図1〜6に示すように、個人用ろ過デバイス1は、ヘッド組立体73がレバーアクションハンドル3を移動させることによってろ過されるべき流体をポンプ本体2に送達するための手段を提供するように構成および設計されている。ろ過されるべき流体(流入する流れ)は、入口組立体8の上に取り付けられる入口ポート4を通してポンプヘッド組立体73に進入する。入口ポート4は、任意のタイプの好適な流体接続ポートであり得る。フィルタカートリッジ10は、ポンプ本体2のチャンバ内に収容される。加圧された流体は、経路65を通じてポンプヘッド組立体73を抜け出し、流入流体キャビティ(すなわち、ダクト)11を通じてフィルタカートリッジ10へと横断する。フィルタカートリッジ10を通り抜けなかった水系汚染物質を除去するために使用されるフラッシュ流体は、流体が最初にフラッシュ流体キャビティ41、フラッシュ弁または流量調整弁30、およびフラッシュ排出キャビティ42を通過した後に、フラッシュポート5を通じて排出される。フラッシュ弁または流量調整弁30は、フィルタカートリッジ10を通過するフラッシュ流体の流速を制御し、また所定のレベルを超えるろ過圧力を逃がす。フラッシュポート5は、任意のタイプの好適な流体接続ポートであり得る。入口ポート4はフラッシュポート5の近くに配置され、どちらのポートもポンプヘッドカバー9によって機械的に保護される。フィルタカートリッジ10によって生成されたろ過流体(流出する流れ)は、流動分離エンドキャップ16を通過した後に、出口ポート18を通って排出される(図6)。必要に応じて、ろ過流体を収集するために、容器が流動分離エンドキャップ16にねじ込まれ得る。デバイスが使用されていないときに出口ポート18の汚染を防止するために、流動分離エンドキャップ16は、着脱式キャップ6によってカプセル化され得る。
【0032】
[0042]ここで図11を参照すると、図11は、プレフィルタおよびデュアルルーメンホース組立体を示している。柔軟デュアルルーメン流体ホース70は、ろ過される流体と個人用ろ過デバイス1との間の流体導管を設けるものである。デュアルルーメンホースの流入側71は、入口ポート4に接続され、流体源(たとえば、小川、入り江など)から抽出される未ろ過流体のための導管として働き得る。デュアルルーメン管の排出側72は、フラッシュポート5に接続され、ろ過プロセスの間にフィルタカートリッジ10の内側に形成された目詰まり物質を除去するために使用されるフラッシュ流体を、浄化されている液体の流体源へと移送するための導管として働く。流体ホースの柔軟性は、個人用デバイス1が利用されていないときにポンプ本体2の周りにホースを巻き付けるのを支援するためのものである。デュアルルーメンホースを製作するための例示的な市販の材料には、ゴム、シリコーン、ポリエチレン、または当該技術分野で知られている他のそのような柔軟材料が含まれる。ルーメン流体ホース70の流入側71は、葉、小枝、沈殿物の大きな塊など大きなサイズの小片が流入側に進入するのを防止するためのスクリーンまたはメッシュから構成されるプレフィルタ組立体80に装着される。スクリーンまたはメッシュは、システムへの空気の混入を最小限にするために、親水的性質を持ち得る。
【0033】
[0043]ここで図5を参照すると、ポンプヘッド組立体73の側方横断面図が示されている。図示の実施形態では、ポンプヘッド組立体73は二重作動(複動式)ポンプである。流体は入口ポート4を通じて引き込まれ、ピストン51が両方向に移動されるときにフィルタカートリッジ10に流体結合される加圧流体出口キャビティ65を通じて排出される。二重作動ポンプは、未ろ過流体のほぼ連続的な流れをフィルタカートリッジ10に送達するので有利である。対照的に、遠隔地で水を浄化するために開発されたほとんどの手押しポンプ動作型のフィルタは、単動式のポンプ設計を利用している。単動式の手押しポンプフィルタは、流体はピストン/プランジャがチャンバから移動されるときに外向きの行程(上昇行程)でのみポンプヘッドに進入し、次いで内向きの行程(下降行程)でフィルタを通じてピストン/プランジャによって押されるという原理で動作するものである。
【0034】
[0044]ポンプヘッド組立体73は、ポンプ本体50と、ピストン51と、ピストンロッド66とから構成されている。ピストン51の反対側のポンプ本体50の端部は、ピストンロッド66の自由な移動を可能にするように開放している。ピストンエンドナット58は、ピストンロッドをポンプ本体の内側で同心位置に維持する一方で、ピストンロッド66がポンプ本体50の内側で前後に移動することを可能にしている。ピストンエンドナット58はさらに、Oリング59をピストンロッド66に固定し、Oリング60をポンプ本体50に固定しており、このことは、ポンプヘッド組立体73内に収容された加圧流体の漏洩なしに、ピストンロッド66がポンプ本体の内側で前後に効果的に移動することを可能にしている。ポンプ本体50に対するピストン51の作動は、レバーアクションハンドル3の移動によって引き起こされる。レバーアクションハンドルは、旋回点7においてポンプヘッド50に旋回式で取り付けられている。レバーアクションハンドル3は、旋回点56および旋回点55においてリンク54を通じてピストン51に旋回式で取り付けられている。ポンプヘッド組立体73はまた入口組立体8を含み、入口組立体8はポンプヘッド組立体73内に位置し、入口流体キャビティ61とフラッシュ排出キャビティ42とを含んでいる。
【0035】
[0045]流体がポンプヘッド組立体73の内側で取る流路は、ピストン51の動きに依存する。レバーアクションハンドル7がポンプ本体50から離れて移動され、負の流体圧力が入口ポート4において発生される上昇行程の間、未ろ過流体は、入口組立体8上に位置する入口ポートを通じて個人用ろ過デバイスに進入し、入口流体キャビティ61に進入する。上昇行程の間、ポンプ入口キャビティ63の内側で発生する減圧が流体を変形させ、この通路を通常は被覆するチェック弁として作動する軟質の傘形弁53を越えさせるので、未ろ過流体は、傘形弁の通路62を通じてこのキャビティの中へと流れることが可能である。以前の行程からポンプ出口キャビティ64内に残存する流体は、ピストンカップシール52を付勢し、入口キャビティ63とポンプ出口キャビティ64との間のシールを生み出す上昇行程の間に加圧され、そのため、ポンプ出口キャビティ64内に収容された加圧流体は、減圧にあるポンプ入口キャビティ63に進入し得なくなる。しかしながら、以前の下降行程から依然としてポンプ出口キャビティ64内に収容されている流体は、ポンプヘッド組立体73を抜け出し、フィルタ流入通路65を通じて前進してフィルタカートリッジ10に到達するように強制される。
【0036】
[0046]レバーアクションハンドル7がポンプ本体2に向かって移動される下降行程の間、ポンプ流体キャビティ63の内側の正圧は、ポンプ流体キャビティ内に収容された流体が傘形弁通路62を通じて入口流体キャビティ61に移送されることを防止する閉位置に傘形弁53を復帰させる。下降行程の間、傘形弁53は、閉じたチェック弁として働く。ピストンカップシール52は上昇行程の方向にのみ付勢するので、ポンプ流体キャビティ63内の流体は下降行程で加圧され、このことは、流体がピストンカップシールを迂回し、ポンプ流体キャビティ63からポンプ出口キャビティ64へと移送することを可能にする。同時に、ポンプ流体キャビティ63からポンプ出口キャビティ64に移送される一定体積の流体は、フィルタカートリッジ10に到達するように、フィルタ流入通路65を通じて前進する。
【0037】
[0047]フィルタカートリッジ10に加圧流体を送達する目的の機能を実施し得る多数の代替実施形態のポンプヘッド組立体が存在し、したがって、図示のポンプ組立体73は単に例示的な性質のものであり、本発明の範囲を制限するものではない。加圧流体を送達するこのタスクは、簡単な「単動式」ポンプ組立体を使用して達成され得るが、ここにおいて、ある方向にピストンを移動させることは入口ポート4を通じてポンプの中に物質を引き込むことになり、反対の方向にピストンを移動させることは出口ポート18を通じて物質を排出することになる。
【0038】
[0048]ここで図6〜7を参照すると、図6〜7は、フィルタカートリッジ10および流動分離エンドキャップ16の横断面図を示している。フィルタカートリッジ10は、物理的障壁機構の使用によって、未ろ過流体中に存在する微生物病原体を除去するように設計されており、また、複数の中空糸膜12と、流入端部13と、フラッシュ端部28とからなるフィルタ要素を含んでいる。図示のように、半透性中空糸膜12の束はフィルタカートリッジ10の軸に沿って長手方向に置かれている。糸膜12は、ポリウレタン、エポキシ、または当該技術分野で知られている他の適切な接着材料を用いて、フィルタカートリッジ10の各端部13および28においてポッティングされ得る。流入端部13およびフラッシュ端部28において中空糸膜12を囲むポッティング材料は、中空糸膜のルーメンを露出させるために、接着材料をトリミングまたはカッティングするなどのようにして除去され得る。
【0039】
[0049]流動分離エンドキャップ16は、加圧流体をフィルタカートリッジ10へと径方向に方向付けるための流入キャビティ11の少なくとも1つのL字形状通路を備えるフィルタ入口キャビティと、ろ過流体をフローセパレータに分配するための出口ポート27と、出口ポート18に接続されたろ過流体通路26と、エンドキャップ内に存在し得る未ろ過流体とろ過流体とを物理的に分離するようにシリンダ部分14に対してシールする流動分離Oリング17および23と、ポンプ本体2へのエンドキャップの装着または分離を容易にするためのグリップ15と、ろ過流体通路の中に汚染物が進入するのを防止するための着脱式キャップ6とを含む。
【0040】
[0050]フィルタカートリッジ10は、フラッシュ端部28をポンプヘッド組立体73に向かって方向付けられた状態で、ポンプ本体2内に存在する。フィルタカートリッジ10の流入端部13は、着脱可能となるように据え付けられ得るかまたは永久的に装着され得る流動分離エンドキャップ16を受容するようにサイズを定められている。フラッシュ流体キャビティ41は、フィルタカートリッジ10のフラッシュ端部28とポンプヘッド組立体73との分離によって形成されている。フィルタ流入通路65は、ポンプ本体2とフィルタカートリッジ10との分離によって形成されている。流動分離エンドキャップ16の雄ねじ22は、フィルタカートリッジ10をポンプ本体2に機械的に固定する。ろ過流体がフィルタカートリッジ10を迂回し、汚染なしにフィルタ付きの流体出口ポート18を通じて個人用ろ過デバイスを抜け出し得るように、Oリング17および23は、未ろ過流体がフィルタ流入通路65を通じてフィルタ流入キャビティ11および流入端部13にのみL字形状の通路を介して移動するように制限する。Oリング24は、流動分離エンドキャップ16をポンプ本体2にシールするのに対し、Oリング25は、フラッシュ端部28においてフィルタカートリッジ10から抜け出すフラッシュ流体が、ポンプヘッド組立体73の基部に位置するフラッシュ流体キャビティ41に向かって方向付けられるようにする。Oリング23は、フィルタ流入通路65を通じて移動する未ろ過流体のいずれもが、出口ポート18を通じて分配されているろ過流体を汚染するようにろ過流体アニュラス26の中へと漏出し得ないようにする。
【0041】
[0051]フィルタ流入通路65を通じて移動する未ろ過流体は、流入端部13に位置する中空糸膜12の露出したルーメンに向かって流体を方向付ける、流動分離エンドキャップ16上に位置するフィルタ流入キャビティ11を通じてフィルタカートリッジ10に進入する。未ろ過流体は、フィルタカートリッジ10のフラッシュ端部28に向かって、中空糸膜12のルーメンを通じて移動する。中空糸膜12の内側表面と外側表面との間の差圧は、フィルタカートリッジ10の内側に位置する流出キャビティ21の中へと半透性膜を通じて未ろ過流体を透過させる。流出キャビティ21で収集されたろ過流体は、開口部27を通じてフィルタカートリッジ10を抜け出して、アニュラス26の中へ、そして流動分離エンドキャップ16の中へと向かい、ここで引き続いて出口ポート18に方向付けられる。
【0042】
[0052]伝統的な手動個人用ろ過デバイスは、フィルタカートリッジに進入する未ろ過流体のすべてが物理的障壁膜を通じて透過し、ろ過流体へと変換される全量ろ過の動作モードを使用する。最終的に膜表面は物理的障壁によって未ろ過流体から除去されている粒子状物質によって形成されるフィルタケーキによって目詰まりすることになるので、このフロー構成は問題をはらんでいる。個人用ろ過デバイスの動作中のいくつかの段階で、膜表面上に形成されたフィルタケーキを物理的に除去するために、手動の洗浄ステップが開始される必要がある。一実施形態は、フィルタカートリッジ10に進入した未ろ過流体の一部が中空糸膜12の全長を横断するようにし、それにより、フラッシュ端部28において中空糸膜の開口ルーメンを通じてフィルタカートリッジを抜け出すようにすることによって、この手動の洗浄ステップを排除するものである。このフラッシュ流体の動きは、フラッシュ流体は中空糸によって除かれた粒子状物質を膜表面から離して輸送するので、ルーメンの内側におけるフィルタケーキの形成を緩和する。フィルタカートリッジ10を抜け出す除かれた粒子状物質を含んだフラッシュ流体は、フラッシュポート5を通じて個人用ろ過デバイスから吐出される前に、フラッシュ流体キャビティ41、流体出口キャビティ42およびフラッシュ弁30を通過する。フラッシュポート5を通じて個人用ろ過デバイスを抜け出す未ろ過流体の割合は、フラッシュ弁30のオリフィス寸法によって制御される。
【0043】
[0053]個人用ろ過デバイスの構造に一般的に使用される、微生物病原体を除去するための中空糸膜12は、孔径に応じて限外ろ過膜かまたは精密ろ過膜のいずれかとして分類され得る。開示する実施形態では、中空糸膜12は、限外ろ過膜かまたは精密ろ過膜のいずれであってもよい。0.05マイクロメートル未満、優先的には0.015〜0.025マイクロメートルの孔径を有する限外中空糸膜は、微生物学的に汚染された水源からウイルス、バクテリアおよび原生動物嚢子を除去することが可能な物理的障壁として働く。0.05マイクロメートル超、優先的には0.1〜0.3マイクロメートルの孔径を有する精密ろ過中空糸膜は、汚染された水源からバクテリアおよび原生動物嚢子を除去することが可能な物理的障壁として働く。中空糸膜の孔径とは無関係に、いずれの膜も、処理水の嗜好性に悪影響を及ぼすことなく飲用水を生成することが可能である。例示的な市販の中空糸膜は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロースまたは浄水に好適な他の材料から構成されている。中空糸膜は、300マイクロメートル〜1000マイクロメートルの外径を持つべきであり、好ましくは350マイクロメートル〜500マイクロメートルの外径を有するべきである。中空糸膜の肉厚は、50マイクロメートル〜200マイクロメートル、好ましくは50マイクロメートル〜100マイクロメートルであるべきである。
【0044】
[0054]中空糸膜を利用する従来の手動個人用ろ過デバイスでは、フィルタカートリッジは、親水性の中空糸膜と疎水性の中空糸膜との異質の組合せから構成される。親水性の中空糸膜は、水などの流体をろ過するのに適切であるが、それらは、フィルタカートリッジの内側の閉じ込められた空気を除去するための好都合な経路を与えるものではない。開示する実施形態では、閉じ込められた空気をフィルタカートリッジから除去するための代替経路が設けられるので、フィルタカートリッジ10は親水性の中空糸膜12のみから構成される。中空糸膜12のルーメンの内側の閉じ込められた空気は、膜を自洗するために使用される上述のフラッシュ流体が中空糸膜の全長を横切るときに、そのフラッシュ流体によって運ばれ得る。閉じ込められた空気は、フラッシュ流体とともに、最終的にフラッシュポート5を通じて個人用デバイスから吐出される前に、フィルタカートリッジ10を抜け出して流体出口キャビティ42の中に向かう。動作上、このことは、適切な動作が確実となるように最初に閉じ込められた空気を「抽気(bleeding)」することによって、フィルタカートリッジ10がプライミングされなくても、個人用ろ過デバイスが現場で使用され得ることを意味する。
【0045】
[0055]一実施形態では、流動分離エンドキャップ16は、ろ過流体が中に排出され得る容器に個人用ろ過デバイス1を回転結合するための機構をもたらす。対応するねじ付き頂部を有する容器は、流動分離エンドキャップ16のねじ付き部分19に簡単にねじ込まれ得る。これにより、容器を保持するための余分な人員を用いる必要性が排除され、また水をろ過するときに直接、容器の上でフィルタを保持する必要性が排除される。代替として、ろ過流体を排出するために、出口ポート18の外部に置かれるバーブ20に、柔軟な流体ホースが挿入され得る。
【0046】
[0056]ここで図8〜10を参照すると、これらは、個人用ろ過デバイス1の通常の動作の間にフィルタカートリッジ10を抜け出すフラッシュ流体の体積を制御し、所定のレベルを超えてフィルタカートリッジの内側で増大する圧力を解放する、一実施形態のフラッシュ弁30の図である。そのような圧力増大は一般に、フィルタカートリッジを通じた水の通常流れを妨げる、フィルタカートリッジ10の内側における目詰まりまたは他の類の障害によって引き起こされ得る。ポンプヘッド組立体73の基部に位置するフラッシュ弁30は、フラッシュ流体キャビティ41および出口キャビティ42に水力学的に接続されている。フラッシュ弁30は、シーリング面38においてフラッシュ弁をポンプ本体2に対してシールする面シール31を含んだハウジング32と、流体キャビティ41からフラッシュ弁に進入する流体の流動を制限する流動制限オリフィス40と、弁ばね34の上に取り付けられた永久装着型のキャップ33と、フラッシュ弁を入口組立体8に固定するための差込み保持コネクタ37を含む外側弁キャップ35とから構成されている。フラッシュ弁と入口組立体8との間の空間をシールするためにOリング39が取付け面36上のフラッシュ弁30の周囲に固定され、チャネル流体は、もっぱら通路43を通じてフラッシュ流体出口キャビティ42の中へと移動する。
【0047】
[0057]通常動作の間、弁ばね34は、面シール31とシーリング面38との間のシールを生み出すように所定の付勢力を与える。通常の動作下では、フラッシュ流体キャビティ41に進入するすべての流体が、流量制限オリフィス40を通過するように加圧される。流量制限オリフィス40の幾何学的形状は、フラッシュ流体キャビティ41からフラッシュポート5を通じて排出される未ろ過流体の割合が入口ポート4を通じて進入する流体の1%〜30%、好ましくは5%〜10%となるように構成され得る。しかしながら、フィルタカートリッジ10の内側の流体圧力が、安全な所定レベルを超えた場合、弁ばね34は、より大きくてより制限の少ない流路を形成するようにシール31がシーリング面38から少なくとも部分的に分離することを可能にする。したがって、フラッシュポート5を通じて排出される未ろ過流体の割合は、中空糸膜12を通じた流体の流動を妨げ得る、フィルタカートリッジ10の内側の障害物を追い出す試みにおいて、一時的に増加される。流体キャビティ41からのフラッシュ流体の移動は、通路43を通じて出口キャビティ42へと流動する、制限オリフィス40を通じて流動するだけでなく、シール31とシーリング面38との間でアクセス可能なより制限の少ない流路100を通じても流動し得る。フィルタカートリッジ10の内側の流体圧力が、所定のレベル未満に戻った場合にのみ、弁ばね34は、シール31をシーリング面38と完全に再係合させ、それにより、流体フラッシュはもっぱら制限オリフィス40を通じて移動することが必要とされるようになる。
【0048】
[0058]フィルタカートリッジ10の寿命にわたって、中空糸膜12は、フィルタケーキの大部分をフラッシュポート5の外に輸送する流体フラッシュ機構があるにもかかわらず、粒子を蓄積し始め得る。その結果、キャビティ41内の圧力は増大するが、依然として、逃がし弁ばね34を作動させるのに必要とされる所定のレベル未満となり得る。キャビティ41内の圧力は、キャビティ44内の圧力と同じとなり得る。この圧力は、流量調整弁45の面に作用する。流量調整弁45は、ゴムまたはポリウレタンなどのエラストマー材料から構成され得る。キャビティ44内の圧力が増大すると、流量調整弁45が変形し、流量オリフィス40の直径が縮小する。流量制限弁45は、通常動作範囲内の圧力が結果として入口流れの5%および10%の好ましい流体フラッシュバイパス体積を生じるように調整され得る。
【0049】
[0059]上記から、本発明の特定の実施形態が本明細書において説明の目的で述べられてきたが、様々な修正が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 可搬型液体ろ過デバイスであって、
入口ポートと、
ろ過媒体を備え、前記入口ポートに流体結合されたろ過部分と、
前記ろ過部分に流体結合されたろ過液体出力ポートと、
前記ろ過部分に流体結合されたフラッシュポートと、
前記入口ポート、ろ過部分、出力ポート、およびフラッシュポートに流体結合された手動式のポンプ組立体と、前記ポンプ組立体は、作動されると、前記入口ポートに負の流体圧力、前記出力ポートおよび前記フラッシュポートに正の流体圧力を発生させるように構成されている、を備え、
ここにおいて、前記ポンプ組立体の作動の結果として、前記ろ過部分は前記入口ポートから未ろ過液体を受け取り、前記出力ポートは、前記ろ過部分から、第1の方向にろ過媒体を横切る液体のみを受け取り、前記フラッシュポートは、前記ろ過部分から、前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記ろ過媒体を横切る液体を受け取るデバイス。
[2] 前記ろ過部分およびフラッシュポートに結合された流量調整弁をさらに備え、前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体のそれぞれの量を管理する、[1]に記載のデバイス。
[3] 前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体の前記それぞれの量を管理する付勢要素を含む、[2]に記載のデバイス。
[4] 前記ポンプ組立体はピストンを備え、ここにおいて、前記ピストンは、前記ピストンの上昇行程と下降行程の両方において、前記ろ過部分を通じて前記フラッシュポートと出力ポートの両方に液体を押しやる、[1]に記載のデバイス。
[5] 吸引ホース組立体をさらに備え、前記ホース組立体は、近位端部で前記入口ポートに結合された第1のルーメンと、近位端部で前記フラッシュポートに結合された第2のルーメンと、前記両ルーメンの遠位端部で前記第1および第2のルーメンに結合されたスクリーンとを備える、[1]に記載のデバイス。
[6] 前記第1の方向と第2の方向は互いに対して実質的に直交する、[1]に記載のデバイス。
[7] 前記ろ過部分は近位端部と遠位端部とを有し、
前記入口ポートおよびフラッシュポートは前記近位端部に配置される、[1]に記載のデバイス。
[8] 前記出力ポートは前記遠位端部に配置される、[7]に記載のデバイス。
[9] 前記フラッシュポートおよび出力ポートをそれぞれ前記ろ過部分に流体結合する第1および第2のダクトをさらに備える、[1]に記載のデバイス。
[10] 前記出力ポートを囲むねじ付きエンドキャップをさらに備える、[1]に記載のデバイス。
[11] 可搬型液体ろ過デバイスであって、
入口ポートと、
前記入口ポートに流体結合されたろ過部分と、前記ろ過部分は、ある長さを有する少なくとも1つの透過性膜を備える、
前記ろ過部分に流体結合されたろ過液体出力ポートと、
前記ろ過部分に流体結合されたフラッシュポートと、
前記入口ポート、ろ過部分、出力ポート、およびフラッシュポートに流体結合された手動式のポンプ組立体と、前記ポンプ組立体は、作動されると、前記入口ポートに負の流体圧力、前記出力ポートおよび前記フラッシュポートに正の流体圧力を発生させるように構成されている、を備え、
ここにおいて、前記ポンプ組立体の作動の結果として、前記ろ過部分は前記入口ポートから未ろ過液体を受け取り、前記出力ポートは、前記ろ過部分から、前記膜を透過した液体のみを受け取り、前記フラッシュポートは、前記ろ過部分から、前記膜の長さを横切る液体を受け取るデバイス。
[12] 前記ろ過部分およびフラッシュポートに結合された流量調整弁をさらに備え、前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体のそれぞれの量を管理する、[11]に記載のデバイス。
[13] 前記弁は、前記フラッシュポートおよび出力ポートによって受け取られる液体の前記それぞれの量を管理する付勢要素を含む、[12]に記載のデバイス。
[14] 前記ポンプ組立体はピストンを備え、ここにおいて、前記ピストンは、前記ピストンの上昇行程と下降行程の両方において、前記ろ過部分を通じて前記フラッシュポートと出力ポートの両方に液体を押しやる、[11]に記載のデバイス。
[15] 吸引ホース組立体をさらに備え、前記ホース組立体は、近位端部で前記入口ポートに結合された第1のルーメンと、近位端部で前記フラッシュポートに結合された第2のルーメンと、前記両ルーメンの遠位端部で前記第1および第2のルーメンに結合されたスクリーンとを備える、[11]に記載のデバイス。
[16] 前記ろ過部分は近位端部と遠位端部とを有し、
前記入口ポートおよびフラッシュポートは前記近位端部に配置される、[11]に記載のデバイス。
[17] 前記出力ポートは前記遠位端部に配置される、[16]に記載のデバイス。
[18] 前記フラッシュポートおよび出力ポートをそれぞれ前記ろ過部分に流体結合する第1および第2のダクトをさらに備える、[11]に記載のデバイス。
[19] 前記出力ポートを囲むねじ付きエンドキャップをさらに備える、[11]に記載のデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11