(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802199
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/04 20060101AFI20201207BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20201207BHJP
F21V 29/505 20150101ALI20201207BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20201207BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20201207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20201207BHJP
【FI】
F21V23/04 110
F21V29/503
F21V29/505
F21V29/70
F21S8/04 110
F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-11107(P2018-11107)
(22)【出願日】2018年1月26日
(65)【公開番号】特開2019-129101(P2019-129101A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2019年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 諒
(72)【発明者】
【氏名】住吉 宏介
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−167856(JP,A)
【文献】
特開2017−208160(JP,A)
【文献】
実開昭61−100847(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/04 − 99/00
F21S 8/04 − 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED素子が搭載された光源基板と、前記光源基板の熱を放熱する反射板と、点灯状態の切り替えを行うためのプルスイッチと、前記プルスイッチを格納する機能及び前記プルスイッチに接続される引き紐を作用させるためのスイッチアーム機能を有したプルスイッチカバーとを有し、前記プルスイッチカバーによって防虫構造を有することを特徴とすることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
複数のLED素子が搭載された光源基板と、前記光源基板の熱を放熱する反射板と、点灯状態の切り替えを行うためのプルスイッチと、前記プルスイッチを格納する機能及び前記プルスイッチに接続される引き紐を作用させるためのスイッチアーム機能を有したプルスイッチカバーとを有し、前記プルスイッチカバーにおいて、組立時に引き紐の通過確認を行うことができる四角穴を有することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
複数のLED素子が搭載された光源基板と、前記光源基板の熱を放熱する反射板と、点灯状態の切り替えを行うためのプルスイッチと、前記プルスイッチを格納する機能及び前記プルスイッチに接続される引き紐を作用させるためのスイッチアーム機能を有したプルスイッチカバーとを有し、前記プルスイッチカバーにおいて、強度を保つための保持部を有することを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)素子を光源として備えるLED照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具においてプルスイッチを用いて点灯状態を切り替える機能を有した照明器具が知られている。
例えば特許文献1では、プルスイッチから延長される引き紐を、引き紐アームを介して引っ張ることで、点灯状態を切り替えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-8434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具では、点灯状態の切り替えを実現するために、プルスイッチと、引き紐と、引き紐アームと、引き紐アーム取付部と、プルスイッチから延長される引き紐を本体内から本体外へ出すための開口部とを有している。このような照明器具で、プルスイッチによる点灯状態の切り替えを行うためには、プルスイッチから延長される引き紐を作用させるためのスイッチアーム機能を有する引き紐アームと、前記引き紐アームの固定及び、引き紐が通るための開口部を閉塞し、プルスイッチユニットを格納するための引き紐アーム取付部が必要となる。そのため、プルスイッチを用いた点灯状態の切り替えを実現するための部品が多くなり、コストの増加や組立作業性の悪化の要因となる恐れがある。
本発明では、前述の課題を解決し、低コストかつ組立作業性の良いLED照明器具の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数のLED素子が搭載された光源基板と、前記光源基板の熱を放熱する反射板と、点灯状態の切り替えを行うためのプルスイッチと、前記プルスイッチを格納する機能及び前記プルスイッチに接続される引き
紐を作用させるためのスイッチアーム機能を有したプルスイッチカバーとを有し
、前記プルスイッチカバーによって防虫構造を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、プルスイッチを格納するためのカバーとスイッチアームとを一体化し、部品点数を抑えたプルスイッチ付のLED照明器具を提供することができる。
これにより、コスト低減を図るとともに、組立作業性の良いLED照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るLED照明装置を示す図であり、斜め下方向から見たときの状態を示す外観斜視図である。
【
図2】LED照明装置を斜め上方向から見たときの状態を示す外観斜視図である。
【
図3】LED照明装置を斜め下方向から見たときの状態を示す分解斜視図である。
【
図4】プルスイッチカバーの取り付け部を示した図である。
【
図5】プルスイッチカバーの組立て状態の詳細図を示した図である。
【
図6】天井側方向から見たときのプルスイッチカバーの拡大図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態に係るLED照明装置(LEDシーリングライト)について説明する。なお、本実施形態では、LED照明装置1の一例をして、平面視して円形のものを例に挙げて説明するが、形状はこれに限定されず、例えば、四角形、六角形、八角形等の多角形のものにも提供することもできる。また、本実施形態では、以下、主照明用光源としてLEDを用いたLED照明装置1として説明するが、主照明光源はLEDに限定されるものではない。
【0009】
図3に示すように、LED照明装置1は、バックボーン2、絶縁板3、電源基板4、反射板5、LED光源基板6、LEDカバー7、透光カバー8、プルスイッチ9、プルスイッチカバー10、引き紐11を備えて構成されている。プルスイッチ9を格納するためのカバーとスイッチアームとを一体化することで、コスト低減を図るとともに、組立作業性の良いLED照明器具を提供することができる。
【0010】
バックボーン2は、略円形状の鋼板部品であり、中央部には取付けアダプタ(図示省略)を係止させるための取付け孔2aを有している。また、各部品及びプルスイッチを固定するためのねじ穴と、プルスイッチ9から延長される引き紐を本体外へ出すことができると同時に、プルスイッチカバー10を挿し込み固定するための、開口部2bを有する。また、プルスイッチカバー10を固定するためのねじ穴を有する(図示なし)。
【0011】
絶縁板3は、難燃性及び電気絶縁性を有する構成樹脂で形成され、バックボーン2にねじで固定される。また、絶縁板3はLED照明装置1を天井面や所定位置に固定し、取付けアダプタに接続するための筒状の突起3aを有する。
【0012】
電源基板4は、制御部を含む点灯回路を有し、絶縁板3を介してバックボーン2にねじ止めされている。絶縁板3を介することで、電気絶縁性を維持した状態で配置される。また、電源基板4から電線(図示省略)を介して取付けアダプタと電気的に接続される。さらに、プルスイッチ9と電源基板4は電線により接続され、プルスイッチ9を介することでLED光源基板6の点灯状態を切り替えることができる。
【0013】
反射板5は、略円形状の鋼板部品であり、中央部には、バックボーン2と絶縁板3の取付け孔2a及び筒状の突起3aと対応する貫通孔5aを有している。
貫通孔5aを中心とした左右上下対称の位置にねじ用の穴を有しており、この穴を介してLED光源基板6とLEDカバー7が共締め固定される。
また、反射板5は中央部に向かって台形状に凸部を有しており、この凸部にLED光源基板6を取り付けることでLED光源基板6の熱を放熱して冷却する役割を果たす。
【0014】
LED光源基板6は、円周上の複数列にLED素子を複数個有している。LED素子は昼光色LEDを有する。昼光色LEDはピーク波長430〜460nmの昼光色光を発光することを特徴とする。なお、LED素子はこれに限られるものではない。
LED光源基板6は電源基板4と電線により接続され、プルスイッチ9及び電源基板4から発光に係る制御により、例えば点灯、消灯、電流値の調整による調光が行われる。プルスイッチ9による点灯状態の切り替えは順々に繰り返される。
【0015】
LEDカバー7は、円形の板面を有し、板面上にはLED素子の配列に対応したレンズ機能を持つ凸部を複数有している。また、円形の板面の側面には反射板5の台形状の凸部に沿う壁面を有しており、LED光源基板6との絶縁の役割を果たす。また、LEDカバー7の板面部の外径と内径の中央に位置する円周上にねじ穴を有しており、LED光源基板6とともに反射板5にねじにより共締め固定される。
【0016】
透光カバー8は、バックボーン2の外周部に合わさり、径方向に回転させることで、透光カバー8の凸部が受け具(図示省略)と嵌合し、着脱可能に取付けられる。透光カバー8は光を拡散させる効果があり、まぶしさの軽減や、空間にムラなく光を広げる効果がある。
【0017】
プルスイッチ9は、バックボーン2にねじで固定され、電源基板4に電線で接続される。プルスイッチ9は引金具9aを有し、引金具9aを引っ張ることでLED光源基板6の点灯状態を切り替えることができる。
【0018】
プルスイッチカバー10は、カバー部10aとアーム部10bと引き紐通過穴10cと四角穴10dとを有する。カバー部10aはプルスイッチカバー10における一端側、引き紐通過穴10cは他端側に位置する。アーム部10bはカバー部10aと引き紐通過穴10cの間に位置する。
図4に示すように、バックボーン2の四角穴2bに差し込まれ、バックボーン2とねじで固定される。プルスイッチカバー10を四角穴2bに差し込むことで、四角穴2bを塞ぐカバーとしての機能を有する。これにより、防虫構造をも有することとなる。また、
図5に示すように、プルスイッチカバー10は、プルスイッチ9を格納するための機能を有するカバー部10aと、プルスイッチ9の引金具9aに接続されバックボーン2の四角穴2b及びプルスイッチカバー10の引き紐通過穴10cを通過する引き紐11を作用させるためのスイッチアームの機能を有するアーム部10bとを有する。
【0019】
本実施形態では、プルスイッチ9を格納するための機能を有するカバー部10aとは、バックボーン2にあいている四角穴2bをカバー部10aで塞ぐことで、プルスイッチ9をバックボーン2と放熱板5との間に格納する部分を有するという意味である。ただし、カバー部10aは、プルスイッチ9の一部又は全部を格納する機能を有していればよく、例えば、カバー部10aのみでプルスイッチ9を格納するような構造でもよい。
【0020】
引き紐11を作用させるためのスイッチアームの機能を有するアーム部10bとは、プルスイッチ9の引金具9aに接続され引き紐通過穴10cを通過する引き紐11が引っ張られる時に、アーム部10bが支点となり、引き紐11を作用させるという意味である。
【0021】
引き紐11を床側に引っ張ると、プルスイッチカバー10の引き紐通過穴10cを通っている引き紐11はアーム部10bが支点となり、外周方向を向いているプルスイッチ9の引金具9aが引っ張られ、点灯状態を切り替えることができる。また、
図6に示すように、プルスイッチカバー10は組立時の引き紐通過確認用の四角穴10dとプルスイッチカバー10に天井側へ力が加わった場合に強度を保つための保持部10eを有する。引き紐組立時に引き紐通過確認用の四角穴10dから引き紐11が見えるように組み立てることで引き紐11の通過確認が可能となり、組立性の向上及び誤組立を低減できる。保持部10eはバックボーン2の外周側の平面に接しているため、プルスイッチカバー10に天井側へ力が加わったとき、保持部10eが支えとなり、強度を向上することができる。
【0022】
引き紐11は、プルスイッチ9の引金具に接続され、バックボーン2の開口部2bを通り、本体外へ出て、プルスイッチカバー10の引き紐通過穴10cを介して、床面側へ垂らされる。プルスイッチ9の引金具9aに延長された、引き紐11を引っ張ることで、プルスイッチ9のスイッチが切り替わり、LED光源基板6の点灯状態を切り替えることができる。
【0023】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にもおよぶことは勿論である。
【符号の説明】
【0024】
1 LED照明装置
2 バックボーン
2a 取付け孔
2b 開口部
3 絶縁板
3a 筒状の突起
4 電源基板
5 反射板
5a 貫通孔
6 光源基板
7 LEDカバー
8 透光カバー
9 プルスイッチ
9a 引金具
10 プルスイッチカバー
10a カバー部
10b アーム部
10c 引き紐通過穴
10d 四角穴
10e 保持部
11 引き紐