(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車両の前記現在の負荷が、前記現在の道路の勾配、前記車両の全質量、前記現在の道路の高度、向かい風もしくは追い風の速度、または前記車両外部の現在の周囲温度のうちの少なくとも1つに基づいている、請求項2に記載のシステム。
前記ECUがさらに、前記車両の現在の効率を決定し、前記車両が前記定常速度範囲内にあるときに前記車両の前記現在の効率および前記車両の前記現在の速度で前記ルックアップテーブルを更新する、ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記現在の道路の現在の勾配および前記現在の道路の次に到来する勾配に対応する勾配データを受信するように構成されたネットワークアクセスデバイスをさらに含み、前記ECUはさらに、前記現在の道路の前記次に到来する勾配が前記現在の道路の前記現在の勾配から既定の勾配閾値を超えて変動するときに、前記少なくとも1つの効率的運転速度を出力するように前記出力デバイスを制御することを停止するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
本開示は、所与の制限速度についての効率的車両速度を決定するためのシステムおよび方法を説明する。システムは、ドライバにエネルギ効率的車両速度を勧告ないし推奨すること、エネルギ効率的車両速度が道路の制限速度または現在の車両速度よりもエネルギ効率がよりよいこと、などの複数のメリットおよび利点を提供する。システムは、各エネルギ効率的速度のエネルギ効率の潜在的増加を標示する、エネルギ効率的車両速度の各々についての効率差を出力することなど、の追加のメリットを提供する。このような情報は、ドライバが勧告された速度のうちの1つで運転するための動機付けを提供し得る。
【0016】
システムはさらに、有利にも、現在の車両速度をエネルギ効率的速度まで加速させるために使用すべきエネルギ効率的加速パターンを決定することができる。システムは、次いで、エネルギ効率的加速パターンを自律的に実装して、車両がエネルギ効率的なやり方でエネルギ効率的速度まで加速するようにし、エネルギ効率のより大幅な増大という利点を提供することができる。システムはさらに、車両をクルーズコントロールモードで動作させて、車両がエネルギ効率的速度であり続けるようにし、有益にも車両が最大エネルギ効率を得ることができるようにし得る。
【0017】
1つの例示的システムは、車両の負荷に対応するデータ(例えば車両の質量、道路の勾配、など)を検出することのできる複数のセンサ、および車両の現在の速度を検出できる速度センサを含む。システムは同様に、現在のまたは次に到来する制限速度を検出する能力を有するセンサ、または、車両の現在の場所に基づいて現在のまたは次に到来する制限速度を提供する能力を有するネットワークアクセスデバイスもしくはメモリ、の少なくとも1つも含んでいる。システムはさらに、エネルギ効率的車両速度に対して制限速度および車両負荷をマッピングするルックアップテーブルを記憶するメモリを含む。システムはさらに、電子制御ユニット(ECU)を含む。ECUは、検出されたデータに基づいて車両の負荷を決定することができ、現在のまたは次に到来する制限速度を決定することができる。ECUは、次に、車両の負荷および現在のまたは次に到来する制限速度をルックアップテーブルと比較し、負荷および制限速度に対応する1つ以上の(1又はそれよりも多い)効率的車両速度を検索することができる。システムは同様に、ECUによって決定された効率的車両速度を出力する出力デバイスも含んでいる。
【0018】
図1を見ると、車両100は、車両100の効率を改善するためのシステム101の構成要素を含む。詳細には、車両100およびシステム101は、ECU102、メモリ104、全地球位置測定システム(GPS)センサ106、慣性計測装置(IMU)センサ108、およびネットワークアクセスデバイス110を含む。車両100およびシステム101はさらに、エンジン112、または、バッテリ114とモータジェネレータ116との組合せのうちの1つ以上を含み得る動力源111を含む。車両100およびシステム101はさらに、エンジン112またはモータジェネレータ116からの力学的動力をホイールに印加して車両100を推進するためのトランスミッション118を含むことができる。
【0019】
車両100およびシステム101はさらに、カメラ120、負荷センサ122、勾配センサ124、質量または重量センサ126、温度計または他の温度センサ128、高度計130、速度センサ132および無線検出および測距(レーダ)センサ134を含めた1つ以上のセンサを含む。車両100およびシステム101は同様に、入力デバイス136および出力デバイス138も含んでいる。
【0020】
ECU102は、車両100の構成要素の各々に結合されてよく、自動車システム向けに特定的に設計され得る1つ以上のプロセッサまたはコントローラを含むことができる。ECU102の機能は、単一のECUまたは多数のECUの形で実装され得る。ECU102は、車両100の構成要素からデータを受信でき、受信したデータに基づいて決定を行なうことができ、決定に基づいて構成要素の動作を制御することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、車両100は、完全に自律的または半自律的であってよい。この点において、ECU102は、車両100を開始場所から目的地まで操作するために、車両100の様々な側面(例えば操舵、制動、加速など)を制御することができる。
【0022】
メモリ104は、当該技術分野において公知の任意の非一時的メモリを含み得る。この点において、メモリ104は、ECU102が使用できる機械可読命令を記憶することができ、ECU102により要求される通りの他のデータを記憶することができる。
【0023】
GPSセンサ106は、車両100の場所に対応する場所データを検出する能力を有し得る。IMUセンサ108は、車両100の速度または配向を検出することができる。GPSセンサ106またはIMUセンサ108の一方または両方を、場所センサと呼ぶことができ、車両100の現在の場所、進行方向、および/または配向を決定するために使用することができる。いくつかの実施形態において、GPSセンサ106またはIMUセンサ108の一方または両方が、車両100の速度を検出する能力を有していてよく、したがってこれを速度センサと呼ぶことができる。
【0024】
速度センサ128は、車両100の速度を決定するために使用可能なデータを検出する能力を有する任意の速度センサであってよい。例えば、速度センサ128は、上述のように、GPSセンサまたはIMUセンサを含むことができる。速度センサ128は同様に、または上述のものの代りに、車両100のホイールまたはエンジンの角速度を検出するように構成された角速度センサ、速度計などを含んでいてもよい。
【0025】
ネットワークアクセスデバイス110は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、セルラープロトコル、車車間通信などの、有線または無線インタフェースを介して通信する能力を有する任意のポートまたはデバイスを含むことができる。例えば、ECU102は、クラウド、外部車両または他の任意の物体もしくはデバイスと通信するために、ネットワークアクセスデバイス110を制御することができる。詳細には、ネットワークアクセスデバイス110は、他車両と直接的または間接的に通信することができる。この点において、ネットワークアクセスデバイス110は、車車間(V2V)プロトコルを介して通信でき、したがってこれをV2Vネットワークアクセスデバイスと呼ぶことができる。いくつかの実施形態において、ネットワークアクセスデバイス110は、車両100の現在の車両速度または現在の加速もしくは減速を近隣の車両に対して伝送することができる。
【0026】
エンジン112は、燃料を力学的動力に変換することができる。この点において、エンジン112はガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、燃料電池ジェネレータなどであってよい。
【0027】
バッテリ114は、電気エネルギを貯蔵することができる。いくつかの実施形態において、バッテリ114は、バッテリ、フライホイール、超コンデンサ、蓄熱デバイスなどを含めた任意の1つ以上のエネルギ貯蔵デバイスを含むことができる。モータジェネレータ116は、バッテリ内に貯蔵された(または燃料電池ジェネレータにより生成された)電気エネルギを、トランスミッション118が使用できる力学的動力へと変換することができる。モータジェネレータ116はさらに、トランスミッション118から受け取った力学的動力を電力に変換でき、この電力は、エネルギとしてバッテリ114内に貯蔵されかつ/または車両100の他の構成要素により使用されてよい。いくつかの実施形態において、モータジェネレータ116は、同様にまたは代りに、タービンまたはスラストを生成する能力を有する他のデバイスを含むことができる。
【0028】
トランスミッション118は、エンジン112およびモータジェネレータ116に結合されてよい。トランスミッション118は、パワースプリッタを含むことができ、エンジン112およびモータジェネレータ116の一方または両方から受け取った力学的動力を車両100のホイールへと伝達することができる。トランスミッション118は、エンジン112およびモータジェネレータ116の各々から伝達される力学的動力の大きさを制御することができる。例えば、ECU102は、エンジン112およびモータジェネレータ116の各々からの所望の動力伝達を達成するためにトランスミッション118を制御することができる。トランスミッション118はさらに、車両100のエンジン112またはホイールの一方または両方から受け取った機械的エネルギをさらに、電力への変換のためモータジェネレータ116に伝達することができる。
【0029】
本論述は、ハイブリッド動力源111を有する車両100に関するものであるが、当業者であれば、車両が本開示から逸脱することなく、エンジン、燃料電池エンジン、モータジェネレータおよびバッテリのうちのいずれか1つまたは組合せを含み得るということを認識するものである。
【0030】
カメラ120は、車両100の環境に対応する画像データを検出できるような形で配向された1つ以上のカメラを含むことができる。例えば、カメラ120は、車両100の前方に位置付けされてよく、近隣の車両または道路標識に対応する画像データを検出する能力を有することができる。
【0031】
負荷センサ122は、車両100に加えられた負荷に対応する負荷データを検出する能力を有する任意のセンサを含むことができる。負荷を、負荷が加わっていない場合との関係において恒常な速度に車両100を留まらせるためにより多くのまたはより少ない動力を動力源111に生成させる、車両100に加えられるかまたは車両100が受ける抵抗または他の力または現象として定義づけすることができる。例えば、負荷は、(貨物または乗員の重量を含めた)車両の重量または質量、道路の勾配、および道路の高度、向かい風または追い風の速度、車両100の外側の周囲温度などを含み得る。負荷センサ122により検出される負荷データを用いて、車両100に加えられる負荷を決定することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、負荷データは同様に、ネットワークアクセスデバイス110から受信されるかまたはメモリ104内に記憶されてよい。例えば、現在の気温などの気象情報は、クラウドを介してネットワークアクセスデバイス110により受信され得る。同様にして、ナビゲーション情報は、ネットワークアクセスデバイス110から受信されるかまたはメモリ104内に記憶されてよい。ECU102は、現在の場所または次に到来する場所に対応する道路の現在の勾配を見出すために、車両100の現在の場所を伝送しまたはナビゲーション情報と比較することができる。
【0033】
勾配センサ124は、現在の道路の勾配を検出する能力を有するあらゆるセンサを含み得る。例えば、勾配センサ124は、道路の勾配に対応するデータを決定する能力を有するIMUセンサ108または別のデバイスを含むことができる。
【0034】
重量または質量センサ126は、車両の質量に対応するデータを検出する能力を有する任意のセンサを含むことができる。例えば、質量センサ126は、車両100の現在の質量を検出することができる、車両100のホイールまたはサスペンションに結合された1つ以上のセンサを含み得る。別の例として、質量センサ126は、貨物室内または座席内に位置設定された物体または人の質量を検出することのできる、車両100の貨物室または座席の下に位置付けされた1つ以上のセンサを含んでいてよい。
【0035】
温度計128は、現在の温度に対応するデータを検出する能力を有することができる。例えば、温度計128は、車両100の外側に位置設定され車両の外部の周囲温度を検出すること、車両100のエンジン室内に位置設定されエンジン室内の温度を検出すること、などが可能である。
【0036】
高度計130は、車両100の現在の高度を検出する能力を有する任意のセンサまたは構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、高度計130は直接高度を検出することができるかまたは、場所および対応する高度のデータベースと車両の現在の場所を比較することにより高度を計算することができる。
【0037】
レーダセンサ134は、車両100の環境に対応するレーダデータを検出することができるような形で配向された1つ以上のレーダデバイスを含むことができる。例えば、レーダセンサ134は、レーダビームを伝送し、レーダビームの反射を受け取り、レーダビームの反射を解析して、近隣の車両などの車両100の環境内の物体の存在および特性を決定することができる。いくつかの実施形態において、車両100は、レーダセンサ134の代りにまたはそれに加えて、光撮像、検出および測距(LIDAR)センサを含むことができる。LIDARセンサは、レーダセンサ134と類似の形で機能することができるが、レーダビームの代りに光を伝送および受光することができる。LIDARセンサまたはレーダセンサ134は、周囲の車両の速度を含めた現在の道路上の交通条件に対応するデータを検出することができる。
【0038】
入力デバイス136は、ユーザからの入力を受信する能力を有する任意の入力デバイスを含むことができる。例えば、入力デバイスはタッチスクリーン、タッチパッド、キーボード、ボタンなどを含むことができる。出力デバイス138は、ユーザに対してデータを出力する能力を有する任意の出力デバイスを含むことができる。例えば、出力デバイスは、タッチスクリーン、ディスプレイ、スピーカなどを含むことができる。
【0039】
システム101は、比較的エネルギ効率のよい形で動作するように車両100を制御するために使用され得る。この点において、ECU102は車両100のセンサからデータを受信し、検出されたデータに基づいてエネルギ効率の改善を提供する車両の効率的車両速度または車両のエネルギ効率的加速パターンを決定することができる。ECU102は、同様に、エネルギ効率の改善をどのように達成するかに関する命令をドライバに提供すること、または、エネルギ効率を改善するため動力源111を直接制御することもできる。
【0040】
ここで
図2Aおよび2Bを参照すると、
図1の車両100などの車両の効率的運転速度を決定するための方法が示されている。ブロック202において、車両の様々な構成要素がデータを検出または受信してよい。例えば、データは、速度センサにより検出された現在の速度、カメラにより検出された画像データ、GPSまたはIMUセンサにより検出された場所データ、1つ以上の負荷センサにより検出された負荷データ、およびカメラにより検出され、メモリ内に記憶され、またはネットワークアクセスデバイスを介して受信された、道路の現在の制限速度を含むことができる。
【0041】
ブロック204において、車両のECUは、車両が定常速度範囲内にあるか否かを決定することができる。定常速度範囲は、車両が比較的恒常な速度で移動していることを表わす。車両は、車両の現在の速度が既定の期間にわたり既定の速度閾値未満で変動する場合に、定常速度範囲内にあるとみなすことができる。既定の速度閾値は、時速2マイル(2mph)、時速3マイル、時速5マイルなどの、クルージングまたは定速動作中の通常の速度変動に対応し得る。既定の期間は、車両速度が恒常なものに留まるとECUが推測できるほど充分長い時間量に対応する。例えば、既定の期間は、3秒、5秒、10秒などであってよい。
【0042】
一例として、既定の速度閾値は3mphであり得、既定の期間は5秒であり得る。車両は、連続5秒間、一時間に71〜73マイル走行することができる。連続5秒の満了後、ECUは、車両速度が比較的長い期間にわたり比較的わずかしか変動しなかったことを理由として車両が定常速度範囲内にあることを決定することができる。これは、車両が定常速度で道路に沿ってクルージングしている可能性が高いことを表わしている。
【0043】
ブロック206では、ルックアップテーブルがメモリ内に記憶され得る。ルックアップテーブルは、道路制限速度および車両負荷に対して効率的車両速度をマッピングすることができる。この点において、ECUは、現在の道路の制限速度および車両の現在の負荷を決定することができる。ECUは、制限速度および現在の負荷をルックアップテーブルと比較して、制限速度および現在の負荷に対応する1つ以上の効率的車両速度を決定することができる。1つ以上の効率的車両速度は、所与の制限速度について許容可能でかつ結果として動力源が比較的エネルギ効率的となる(すなわち動力源は他の速度に比べて、効率的速度で車両を移動させるために少ないエネルギしか使用しない)車両速度に対応し得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、ルックアップテーブルは、車両メーカによって作成され、車両の流通前にメモリ内に記憶されてよい。いくつかの実施形態において、ルックアップテーブルは、車両が運転されるときにECUにより作成されてよい。例えば、ECUは、様々な車両速度および車両負荷での動力源の効率を決定し、結果を記憶することができる。ECUは、ルックアップテーブルに速度、効率および車両負荷を追加することができる。いくつかの実施形態において、ルックアップテーブルは、車両メーカにより作成され、車両が運転されるのに伴ってECUにより更新され得る。
【0045】
ブロック208において、ECUは、検出または受信されたデータに基づいて車両の現在の負荷を決定することができる。例えば、車両の現在の負荷は、現在の道路の勾配、車両の全重量または質量、および現在の道路の高度、向かい風または追い風の速度、車両の外部の現在の周囲温度などの1つ以上を含めた負荷データに基づくものであり得る。
【0046】
負荷データは、勾配センサまたは質量センサなどの車両の様々なセンサによって検出されてよく、ネットワークアクセスデバイスを介して周囲の車両またはクラウドから受信されてよく、または検出および受信されたデータの組合せに基づくものであってよい。
【0047】
ブロック210では、ECUは、車両の現在の効率を決定し得る。例えば、ECUは、車両を一定の距離だけ移動させるために利用される動力またはエネルギの量を解析することができる。動力またはエネルギの量は、エンジンが燃焼させる燃料の量、モータジェネレータが利用する電気エネルギの量などに対応し得る。例えば、車両の現在の効率は、ガロンあたりのマイル数、キロワット時あたりのマイル数で測定され得る。
【0048】
ブロック212では、ECUは、車両の現在の速度および負荷と共に車両の現在の効率でルックアップテーブルを更新することができる。この点において、ルックアップテーブルの精度は、新たに検出され決定されたデータでルックアップテーブルを更新することによって絶えず改善され得る。このことは、効率、速度および車両負荷の間の関連性が様々な理由で経時的に変化する可能性があることを理由として有益であり得る。例えば、車両の効率的速度は、車両上に新しいタイヤが設置された場合、エンジンが新たに調整された場合などに、所与の負荷について変化する可能性がある。
【0049】
ブロック214において、ECUは、道路の現在の制限速度について許容可能である高速側閾速度と低速側閾速度を決定することができる。高速側閾速度および低速側閾速度は、制限速度に比較的近くかつ安全で合法とみなされる速度に対応し得る。いくつかの実施形態において、高速側閾速度および低速側閾速度は、各々、3mphまたは5mphなどの既定速度だけ現在の制限速度より上または下であり得る。例えば現在の制限速度は、70mphであってよく、既定速度は3mphであってよい。この例では高速側閾速度は73mphであり、低速側閾速度は67mphであり得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、高速側閾速度および閾速度は、現在の制限速度の上下に既定の百分率だけ振れたものであり得る。例えば既定の百分率は10パーセント(10%)であり得、現在の制限速度は50mphであり得る。この例において、高速側閾速度は55mph、低速側閾速度は45mphであり得る。いくつかの実施形態において、高速側閾速度は、制限速度よりも第1の速度または百分率だけ高いものであり得、低速側閾速度は制限速度よりも第2の速度または百分率だけ低いものであり得る。例えば、高速側閾速度は、制限速度よりも時速3マイルだけ高く、低速側閾速度は、制限速度よりも時速8マイルだけ低いものであり得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、高速側閾速度および低速側閾速度は、現在の道路上での最低および最高の制限速度に基づいて決定され得る。例えば、所与の高速道路上で、最低許容速度は55mphであり得、制限速度は70mphであり得る。この例において、高速側閾速度は70mphであり得、低速側閾速度は55mphであり得る。
【0052】
ブロック216において、ECUは、現在の制限速度、車両負荷ならびに高速側閾および低速側閾速度に基づいて、1つ以上の効率的車両速度を決定することができる。上述のように、効率的車両速度は、車両の動力源のエネルギ効率が非効率的車両速度のときよりも高い速度に対応し得る。ECUによって決定される効率的車両速度の各々は、閾速度を包含しつつまたは閾速度を包含することなく、高速側閾速度と低速側閾速度の間にあり得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、高速側閾速度は、制限速度を公称量だけ上回ってよい。これらの実施形態において、ECUは、一部の状況下では制限速度を超えるいずれの効率的車両速度も勧告され得ないことを標示するように出力デバイスを制御することができる。いかなる状況下でも、ECUは、所与の制限速度よりも大きな危険性を呈するいかなる効率的車両速度も出力しない。
【0054】
いくつかの実施形態において、ECUは、メモリ内に記憶されたルックアップテーブルと現在の制限速度および車両負荷を比較することにより1つ以上の効率的車両速度を決定することができる。例えばECUは、現在の制限速度および車両負荷をルックアップテーブルと比較し、高速側閾速度と低速側閾速度の間にある全ての効率的速度を決定することができる。いくつかの実施形態において、ECUは同様にまたは代りに、ルックアップテーブルにアクセスするのではなくむしろ、現在の制限速度および車両負荷に基づいて1つ以上の効率的車両速度を計算することができる。
【0055】
ブロック218では、ECUは、現在の車両速度とブロック216で決定された効率的車両速度の各々との間のエネルギ差を計算することができる。エネルギ差は、動力源の現在の効率と1つ以上の効率的車両速度の各々での動力源の潜在的効率との間の差異に対応し得る。
【0056】
例えば、動力源は、燃料を力学的エネルギに変換するエンジンを含むことができる。ECUは、車両負荷および効率的車両速度に基づいて、効率的車両速度の各々におけるエンジンの潜在的効率を計算または予測することができる。いくつかの実施形態において、ルックアップテーブルは、このような潜在的効率を含んでいてよく、またはECUが潜在的効率を計算してもよい。効率的車両速度における潜在的効率を決定した後、ECUは、現在の効率と潜在的効率の間の差異を決定することができる。
【0057】
ブロック220では、ECUは、多数の効率的車両速度の各々に到達するために車両が拡張するエネルギ量を決定することができる。ECUはさらに、(例えば制限速度の低下または車両が出口に進んだことに起因して)減速が求められる前に制限速度またはそれに近い速度で車両が走行できる距離を決定することができる。例えば、この距離は、車両の公知のまたは予測されたルートに基づいて決定され得る。
【0058】
多数の効率的速度に到達するために必要とされるエネルギ量を決定するために、ECUはまず現在の速度と効率的車両速度の各々との間の速度差を決定することができる。ECUは次に、車両が速度を効率的車両速度の各々に変更するのに必要とされるエネルギ量を決定することができる。
【0059】
効率的車両速度が現在の速度よりも低く、車両が減速中にエネルギを回収する能力を有する場合には、効率的車両速度に到達するために必要とされるエネルギ量はマイナスであり得る。マイナスのエネルギ量は、車両の全エネルギのゲインに対応し得る。一方で、効率的車両速度が現在の速度よりも大きい場合には、効率的車両速度に到達するために必要とされるエネルギ量はプラスであり得る。プラスのエネルギ量は、車両が効率的車両速度に到達するためにエネルギを使用することを表わす。
【0060】
ECUは、多数の方法で車両が制限速度またはそれに近い速度で走行できる距離を決定または予測することができる。例えば、ECUは車両の現在の場所を、現在の制限速度が不変の状態に留まる距離を決定するためにネットワークアクセスデバイスを介して検索されたまたはメモリ内に記憶されたマップデータと比較することができる。ECUは、同様に、車両のルートをマップデータと比較して、車両が異なる制限速度を有する別の道へと方向転換するか否かまたはいつそれを行なうかを決定することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、車両のルートを知るかまたは予測することができ、公知のまたは予測されたルートをマップデータと比較することができる。
【0061】
ブロック222では、ECUは、多数の効率的車両速度の各々の合計ないし総合効率を計算することができる。ECUは、多数の効率的車両速度の各々に到達するのに必要とされるエネルギ量およびブロック220で決定された制限速度またはそれに近い速度で車両が走行できる距離と共に、ブロック218で決定された効率差に基づいて、この合計効率を計算することができる。
【0062】
例えば、効率的車両速度に到達するために比較的大きいエネルギ量が必要とされ、かつ車両が比較的短時間しか効率的車両速度で走行し得ない場合には、効率的車両速度で走行するための合計効率は、比較的低いものであり得る。反対に、効率的車両速度に到達するのに必要なエネルギ量が比較的少なく、車両が比較的長い期間、効率的車両速度で走行できる場合には、効率的車両速度で走行するための合計効率は、比較的高いものであり得る。
【0063】
別の例として、効率的車両速度に到達するのに必要とされるエネルギ量が比較的大きく、効率的車両速度についてのエネルギ差が比較的低い場合には、効率的車両速度で走行するための合計効率は比較的低いものであり得る。反対に、効率的車両速度に到達するために必要とされるエネルギ量が比較的少なく、効率的車両速度についてのエネルギ差が比較的高い場合には、効率的車両速度で走行するための合計効率は比較的高いものであり得る。
【0064】
ブロック224において、ECUは、効率的車両速度の各々の合計効率を比較することができる。ECUは、比較的低い合計効率を有する効率的車両速度のうちの1つ以上を除外することができる。例えば、制限速度は70mphであり得、対応する効率的車両速度は65mph、69mphおよび72mphであってよい。ECUは、車両が、65mphで走行する場合2分の1ガロンのガソリンを節約し、69mphで走行する場合3/5ガロンのガソリンを節約し、72mphで走行する場合にはガソリンを全く節約しないということを決定し得る。この例において、72mphはガソリンを全く節減しないことから、ECUは効率的車両速度として72mphを除外することができる。
【0065】
ブロック226では、ECUは、1つ以上の効率的車両速度をランク付けすることができる。例えば、ECUは、ブロック218で決定されたエネルギ差に基づいて、またはブロック222で決定された合計効率に基づいて、またはエネルギ差および合計効率の組合せに基づいて、1つ以上の効率的車両速度をランク付けすることができる。ECUは、効率順に基づいて効率的車両速度をランク付けすることができる。例えば、より大きいエネルギ差またはより大きい合計効率を有する効率的車両速度は、より小さいエネルギ差または合計効率を有する効率的車両速度よりも高くランク付けされ得る。
【0066】
ブロック228では、ECUは、車両が定常速度範囲内(すなわちクルージング状態)にある場合に、効率的車両速度および対応するエネルギ差または合計効率を出力するように出力デバイスを制御することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、車両がまだ効率的車両速度で走行していない場合に、効率的車両速度のみを出力することができる。いくつかの実施形態において、車両がすでに効率的車両速度で走行している場合には、ECUは、車両が効率的車両速度で走行していることを標示するデータを出力するように出力デバイスを制御することができる。
【0067】
ドライバは、効率的車両速度および対応するエネルギ差または合計効率を視認することができ、効率的車両速度のうちの1つで車両を運転する決断を下すことができる。いくつかの実施形態において、ECUは、ドライバが効率的車両速度のうちの1つで運転している場合に、車両が効率的車両速度のうちの1つで運転されていることを確認するデータを出力するように出力デバイスを制御することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、効率的車両速度を出力してから車両が効率的車両速度のうちの1つで走行することなく一定の期間が経過した後、対応するエネルギ差または合計効率を出力するように出力デバイスを制御することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、車両は、自律車両であり得る。この点において、ECUは、ユーザまたはドライバからの確認なく、最も効率的な車両速度などの効率的車両速度のうちの1つで車両を移動させるように動力源を制御することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、ECUは、ブロック230で近接車両に対して効率的車両速度または現在の速度を出力するようにネットワークアクセスデバイスを制御することができる。効率的車両速度または現在の速度を出力することにより、ECUは、車両の現在のまたは将来の速度を他の車両に対して知らせることができる。この点において、近隣車両は、現在の車両が走行している速度を認識することができる。ECUは、この情報を伝送して、現在の車両速度の背後にある認識度または論理的思考を促進することができる。いくつかの実施形態において、類似の効率プロファイルを有する別の車両は、当該車両と車列を組んで走行して、伝送された速度に基づいて交通の流れおよび燃料効率を改善することができる。
【0070】
ブロック232において、ECUは、現在の道路の次に到来する勾配が現在の勾配から既定の勾配閾値を超えて変動する場合に、効率的車両速度の出力を停止するように出力デバイスを制御することができる。既定の勾配閾値は、効率的車両速度の計算が変わり得るほどに充分なだけ車両負荷を変化させるために充分な大きさの勾配の変化に対応し得る。例えば、0%の勾配についての効率的速度は70mphであり得る。勾配が5%である丘に車両が接近している場合がある。5%の勾配変化は、70mphがもはや車両にとっての効率的速度でなくなるのに充分大きいものであり得る。この点において、ECUは、車両が丘に接近するのに伴って効率的車両速度の出力を停止するように出力デバイスを制御することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、ECUは、5%の勾配によって加えられる新たな負荷に基づいて、次に到来する丘についての1つ以上の新たな効率的車両速度を計算または決定することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、車両が丘の開始点に到達した時点で新たな効率的車両速度のうちの1つに変更するように車両を制御することができる。
【0072】
ブロック234では、車両のドライバは、時には、車両をクルーズコントロールモードで動作させることを要求することができる。クルーズコントロールモードは、定常速度で動作するようにECUが車両を制御するモードに対応する。ブロック236では、ドライバがクルーズコントロールモードを要求した場合、ECUは、効率的車両速度のうちの1つで動作するように車両を制御することができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、ECUは、車両の現在の速度から目標車両速度、例えば効率的車両速度のうちの1つ、までのエネルギ効率的加速パターンを計算する能力を有することができる。この点において、ECUは、効率的加速度パターンを用いて目標速度まで車両を加速するように動力源を制御することができる。例えばECUは、1つ以上の効率的車両速度を決定し、出力デバイスを介して1つ以上の効率的車両速度を出力することができる。
【0074】
ユーザは、入力デバイスを用いて1つ以上の効率的車両速度のうちの1つを選択することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、効率的車両速度のユーザによる選択に応答して、エネルギ効率的加速パターンを用いて、選択された効率的車両速度まで加速するように車両を制御することができる。いくつかの実施形態において、ユーザは、入力デバイスを介して、ECUに効率的車両速度まで加速するよう要求する入力を提供することができ、ECUはこのユーザ入力に応答して、選択された効率的車両速度まで加速するように車両を制御することができる。
【0075】
ここで
図3Aおよび3Bを参照すると、効率よく加速するように
図1の車両100などの車両を制御するための方法300が示されている。ブロック200では、車両の様々な構成要素は、以前の加速データを検出し記憶することができる。以前の加速データは、車両の運転に伴って検出され記憶され得る。いくつかの実施形態において、以前の加速データの少なくともいくつかは、車両の試験サイクル中に車両メーカによって検出され記憶され得る。以前の加速データは、複数の最終的車両速度、加速が開始された開始場所および車両が最終車両速度に到達する加速場所を含み得る。最終車両速度の各々は、車両が一回の加速を完了した後の車両の最終的速度に対応する。いくつかの実施形態において、以前の加速データは、各々の加速の車両の負荷および対応する効率などの追加データを含み得る。
【0076】
ブロック304では、車両の様々な構成要素が、車両の現在の速度、車両の道路に対応する画像データ、車両の現在の場所に対応する場所データおよび車両の負荷に対応する負荷データを含めたデータを検出または受信することができる。負荷データは、車両の現在の負荷ならびに車両の潜在的な将来の負荷に対応するデータを含むことができる。例えば車両は、比較的低い勾配(例えば1%または2%)を有する市街地道路に沿って走行している場合があり、ルートは車両が次に到来する高速道路入口ランプを通る予定であることを標示する場合がある。ECUは、高速道路入口ランプが比較的大きい勾配(例えば5%)を有することを決定する場合がある。この点において、負荷データは、現在の道路の勾配および次に到来する高速道路入口ランプの勾配を含むことができる。
【0077】
ブロック306では、ECUは、検出または受信されたデータに基づいて車両の次に到来する加速を予測することができる。例えば、ECUは、道路の現在の制限速度が増大することを標示する速度制限標識に対応する画像データをカメラが検出した場合に加速が間近であることを予測することができる。同様にして、ECUは、車両の現在の場所を、加速が始まった開始場所と比較することができる。車両の現在の場所が、記憶された開始場所のうちの1つに接近している場合には、ECUは、車両が次に到来する記憶された開始場所に到達した時点で加速することを決定することができる。
【0078】
さらに別の例として、ECUは、車両のルートを知っているかまたは予測することができる。ECUはさらに、公知のまたは予測されたルートおよび車両の現在の場所に基づいて、車両が高速道路の入口ランプに進入しようとしているかまたは方向転換をしようとしており、したがって入口ランプで加速するかまたは方向転換後に加速または減速することを決定することができる。現在の道路の制限速度がいつ変化するかを決定するために、類似の方策を使用することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、ECUは、以前に比較的非効率的に行なわれてきた予測された加速を優先させることができる。例えば、ECUは、予測された加速がドライバにより比較的非効率的に行なわれたことを以前に検出されたデータが標示している場合にのみ、方法300の残りのステップを行なうことができる。例えば、ECUが3つの車両加速を認識する場合がある。第1の加速において、ECUが、最高の効率的制御が効率をわずか10%しか増大させることができないことを決定する場合があり、第2の加速において、ECUが、効率が5%だけ増大可能であることを決定する場合があり、第3の加速において、ECUが、効率が50%だけ増大可能であることを決定する場合がある。
【0080】
いくつかの実施形態において、ECUは、第3の加速のためにのみ方法300の残りのステップを行なう。いくつかの実施形態において、ECUは、ドライバに対して充分なエネルギ節約を提供し得る効率に対応する効率閾値によって効率を増大させることができる場合、方法300の残りのステップを行なうことができる。例えば、効率閾値は25%、50%などであり得る。換言すると、ECUは、エネルギ効率的加速パターンの効率が同じ場所について以前に行なわれた加速パターンの以前の効率よりも少なくともエネルギ閾値百分率だけ高い場合に車両を加速するように動力源を制御することができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、ECUは、車両のユーザが入力デバイスを介して加速補助を要求した場合にのみ、方法300の残りのステップを行なうことができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、方法300は、車両の現在の速度よりも高い目標速度までの加速に対してのみ適用され得る。したがって、ブロック308では、ECUは、車両の現在の速度よりも高い目標車両速度を決定することができる。目標車両速度は、次に到来する加速が行なわれた後の車両の最終速度に対応し得る。
【0083】
目標車両速度は、検出されたデータ、受信されたデータ、メモリ内に記憶されたデータなどに基づいて決定されてよい。例えば、カメラは、速度制限標識に対応するデータを検出することができ、ECUは目標車両速度が新しい制限速度であると決定することができる。別の例として、車両の現在の場所が記憶された開始場所のうちの1つに接近している場合には、ECUは、目標車両速度が次に到来する記憶された開始場所に対応する記憶された最終車両速度であると決定することができる。
【0084】
さらに別の例として、ECUは、現在のまたは次に到来する制限速度についての1つ以上の効率的車両速度を決定することができ、さらに1つ以上の効率的車両速度に基づいて目標車両速度を決定することができる。
【0085】
ブロック310では、ECUは、次に到来する加速の予測および決定された目標車両速度を標示するデータを出力するように出力デバイスを制御することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、さらに、次に到来する加速および目標車両速度の確認を要求するデータを出力するように出力デバイスを制御することができる。例えば、出力デバイスは、「4分の1マイル以内に405入口ランプへと加速することが予測されます。この加速を自動的に処理させたいですか?」などという情報を出力し得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、ECUがブロック308で多数の効率的車両速度を決定した場合には、ECUは、多数の効率的車両速度を出力するように出力デバイスを制御し、車両のドライバまたはユーザが多数の効率的車両速度のうちの1つを選択することを要求することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、多数の効率的車両速度の各々について使用されることが予期される合計エネルギ量またはエネルギ差を出力して、ドライバまたはユーザが効率的車両速度のうちの1つを選択する誘因を提供することもできる。
【0087】
ECUが確認要求を出力するように出力デバイスを制御する場合には、ECUは、ブロック312において入力デバイスを介してユーザから確認を受信することができる。いくつかの実施形態において、この確認には同様に、多数の効率的車両速度のうちの1つの選択も含まれ得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、ドライバが確認要求に応答するのに既定の期間よりも長い期間を費やした場合には、システムはタイムアウトしてよい。いくつかの実施形態において、ドライバが予め加速補助を要求していた場合、システムは、代りに、確認なく進めることができる。
【0089】
ブロック314では、ECUは、車両が加速を開始するはずの開始場所を決定することができる。ECUは同様にまたは代替的に、車両が目標車両速度に到達するかまたは目標車両速度で走行しているはずの加速場所を決定することができる。ECUは、検出または受信されたデータに基づいて開始場所を決定することができる。例えば、ECUは、車両の現在の場所を以前に記憶された開始場所と比較することができ、以前に記憶された開始場所が間近の加速のための開始場所であることを決定することができる。別の実施例として、ECUは、検出された画像データを解析して、増大した制限速度を伴う速度制限標識の場所を決定することができ、開始場所が速度制限標識の場所であることを決定することができる。
【0090】
ECUは、同様に、検出または受信されたデータに基づいて加速場所を決定することもできる。例えば、ECUは、検出された画像データを解析して、制限速度が増大した速度制限標識の場所を決定することができ、加速場所が速度制限標識の場所であることを決定することができる。別の例として、ECUは車両の現在の場所をメモリ内に記憶されたデータと比較することができ、車両が接近しつつある以前に記憶された加速場所が間近の加速のための加速場所であることを決定することができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、ECUは、加速場所に基づいて、開始場所を決定することができる。例えば、ECUは、車両が高速道路入口ランプに接近しつつあることを決定することができ、加速場所は車両が高速道路に合流する場所であると決定することができる。ECUは、開始場所が、加速場所よりも既定の距離、例えば100ヤード、200ヤード手前であることを決定することができる。既定の距離は、動力源が目標車両速度まで効率良く加速するのに充分な時間を提供する距離に対応し得る。いくつかの実施形態において、既定の距離は、より高い現在のまたは目標の車両速度に対しより大きいものとなるように、現在の車両速度および目標車両速度に基づいて変動し得る。
【0092】
ブロック312では、ECUは、動力源が目標車両速度まで加速した後の動力源の将来のエネルギ使用を予測することができる。将来のエネルギ使用の予測は、目標車両速度、目標車両速度で車両が走行する距離および走行対象の道路の現在および将来の勾配を含めた負荷情報などの情報に基づくものであり得る。予測される将来のエネルギ使用には、車両が減速するまでに使用される燃料または電気エネルギの量、モータジェネレータがルートの任意の間近の部分の間に発電する能力があるか否かなどが含まれていてよい。
【0093】
ブロック318では、ECUは、車両を目標速度まで加速するためにエネルギ効率的加速パターンを計算することができる。エネルギ効率的加速パターンは、他の加速パターンよりも大きいエネルギ効率を提供する加速パターンに対応し得る。この点において、車両は、異なる加速パターンを用いて加速するのではなくむしろエネルギ効率的加速パターンを用いて加速することによって燃料または電気エネルギを保存することができる。
【0094】
ECUは、車両の現在の速度、車両の目標速度、車両の負荷(道路の現在の勾配および道路の次に到来する部分の間近の勾配)、予測された将来のエネルギ使用、車両が目標車両速度で走行する距離、現在のバッテリ充電状態(SOC)または燃料レベル、現在の交通条件および加速の開始場所と加速場所との間の距離のうちの1つ以上などの様々な情報に基づいてエネルギ効率的加速パターンを計算することができる。
【0095】
ECUは、車両の現在の速度および車両の目標速度を利用して、現在の速度から目標速度に到達するのに必要な加速量を決定することができる。負荷データは、車両の質量、向かい風または追い風の量、道路の高度、道路上または加速場所における交通の量、道路の現在の勾配および道路の将来の勾配などの情報を含むことができる。
【0096】
車両が第1の負荷下にあるとき動力源は所与の動力出力レベルにおいてより効率的であり得、車両が異なる負荷下にあるとき動力源は別の動力出力レベルでより効率的であり得ることから、計算に勾配情報を利用することができる。
【0097】
エネルギ効率的加速パターンはさらに、エンジンに求められる動力の量およびモータジェネレータに求められる動力の量などの情報を含み得る。例えば、いくつかの加速において、モータジェネレータからの動力のみを利用するのが有益な場合があり、エンジンからの動力のみを利用するのが有益な場合があり、あるいは、エンジンおよびモータジェネレータからの動力を混合して使用するのが有益な場合もある。この点において、潜在的な将来のエネルギ使用は、モータジェネレータ、エンジン、または動力混合のいずれからの動力を利用するかの決断に影響を及ぼし得る。
【0098】
例えば、潜在的な将来のエネルギ使用が、モータジェネレータが加速直後に発電する能力を有することを標示している場合には、ECUは、加速のための動力の大部分を生成するようモータジェネレータを制御することができる。同様にして、目標車両速度が、モータジェネレータが全ての動力を提供できるクルージング速度である場合には、エンジンが加速のための動力の大部分を生成するように制御されていると、加速がより効率的であり得る。このような制御は、バッテリおよびモータジェネレータがクルージング速度の持続時間にわたり車両を推進するのに充分なSOCを保持することができる。
【0099】
車両が目標車両速度で走行する距離は、目標速度またはエネルギ効率的加速パターンに影響を及ぼすことができる。例えば、車両が高速道路入口ランプに接近しつつあるものの、2分の1マイルしか高速道路上を走行しない場合には、ECUは、車両が数マイルにわたって高速道路上を走行する場合に比べて低くなるように目標車両速度を設定することができる。これは、車両をより高い速度まで加速するのに使用される追加のエネルギは、車両が目標速度に到達した直後に減速することを理由として浪費される可能性があるからである。
【0100】
ブロック320では、ECUは、車両が加速の開始場所に到達したとき、車両のドライバから動力源の制御を引き取ることができる。いくつかの実施形態において、ECUは、例えばドライバが間近の加速を確認したときなど、より早い時点でドライバから動力源の制御を引き取ることができる。ECUは、ドライバが動力源の自律制御を取消す選択肢をどの時点においても提供することができる。例えば、ユーザは、ブレーキペダルを踏むことなどによって入力デバイスを介して自律制御を取消すことができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、車両は自律的クルーズコントロールで動作していてよい。この点に関して、ECUは、車両の動力源をすでに管理しており、ドライバから制御を引き取る必要がない可能性もある。
【0102】
ブロック322では、ECUは、ブロック318で決定されたエネルギ効率的加速パターンを用いて目標速度まで車両を加速するように動力源を制御することができる。いくつかの実施形態において、開始場所を通過してしまうまでドライバが加速補助要求を確認し損ねた場合、ECUは、現在の場所に基づいて計算を更新して、更新された効率的加速パターンを決定することができる。ECUはこのとき動力源の制御を引き取り、新しい開始場所で確認を受信した時点で更新済みの効率的加速パターンを実装することができる。
【0103】
ブロック324では、ECUは、現在の速度が目標速度に到達したときに動力源の制御を引き渡すことができる。いくつかの実施形態において、ECUは、まず、動力源の制御がまもなく引き渡されることを標示しドライバが動力源の制御の引き取りを望んでいることの確認をドライバに要求するデータを出力することができる。いくつかの実施形態において、ドライバは、ECUが動力源の制御を続行すること、すなわちECUが車両をクルーズコントロールまたは自律モードで制御することに対する選好を標示することができる。この点において、ECUは、車両が目標車両速度に到達した後も動力源を制御し続けることができる。
【0104】
ブロック326では、ECUは、加速の効率を決定することができる。いくつかの実施形態において、ECUは加速中に加速の効率を決定でき、いくつかの実施形態において、ECUは加速が完了した後で加速の効率を決定することができる。ECUは、加速中に使用された(燃料および電気エネルギを含めた)エネルギ量を決定し、使用されたエネルギ量を加速パターンと比較することによって、加速の効率を決定することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、任意の他の利用可能な方法を用いて、加速の効率を決定することができる。
【0105】
ブロック328では、ECUは、ブロック326で決定された効率が予期された効率と異なる場合、エネルギ効率的加速パターンの計算を更新することができる。例えば、計算は、以前に検出された効率データを含めたデータセットに基づくものであってよい。いくつかの実施形態において、ECUは、計算が基づいているデータセットを更新することによって、計算を更新することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、加速途中で加速パターンを改変することによって、計算を更新または調整する(または異なる形で計算を実装する)ことができる。例えば、モータジェネレータが予想以上の電気エネルギを使用している場合、ECUは、より少ない電力を発生するようにモータジェネレータを制御することによって計算を更新することができる。
【0106】
ここで
図1および4を参照すると、車両100は、道路システム400に沿って走行していてよく、
図2Aおよび2Bの方法200および
図3Aおよび3Bの方法300を利用することができる。車両100は、当初、市街地道路402上を方向404に走行していてよい。市街地道路402は、45mphの制限速度を有していてよい。車両100のECU102は、車両が高速道路入口ランプ406をとり高速道路408に入ることを予測することができる。ECU102はさらに、高速道路408の制限速度が60mphであることを決定することができる。ECUは、加速の開始場所が入口ランプ406の入口410であり、加速場所が入口ランプ406の出口412であることを決定することができる。
【0107】
ECU102は、高速道路入口ランプ406への入口410から開始して60mphまで加速するものと予測されていることを標示するデータを出力するように、出力デバイス138を制御することができる。ECU102は、ECU102が加速を制御するべきであるというドライバからの確認を要求するように出力デバイス138をさらに制御することができる。入力デバイスは、ドライバからこのような確認を受信し得る。
【0108】
ECU102は、検出または受信されたデータに基づき、現在の車両速度および車両の負荷(入口ランプ406の勾配を含む)を決定することができる。現在の車両速度、車両の負荷、60mphの目標速度、および入口410と出口412の間の距離に基づいて、ECU102は、エネルギ効率的加速パターンを計算することができる。車両100が入口410に接近したときに、ECU102は、ドライバから動力源の制御を引き取ることができ、エネルギ効率的加速パターンを用いて60mphまで加速するように車両100を制御することができる。
【0109】
車両100が入口ランプ406の出口412に到達した時点で、ECU102は、ドライバに対し動力源111の制御を引き渡すことができる。このとき、ECU102は、60mphの現在の制限速度および現在の車両負荷をルックアップテーブルと比較して、1つ以上の効率的車両速度を検索することができる。ECU102は、第1の効率的車両速度が57mphであり、第2の効率的車両速度が62mphであることを決定することができる。いくつかの実施形態において、ECUは、効率的加速パターンの計算に先立って、効率的車両速度を決定することができ、入口ランプ406に沿った加速のための目標車両速度として、効率的車両速度のうちの1つを選択すること(またはドライバに対し効率的車両速度のうちの1つを選択するよう要求すること)ができる。
【0110】
ECU102は次いで、効率的車両速度の各々についてエネルギ差を計算しこのエネルギ差を出力するように出力デバイス138を制御することができる。ドライバは、効率的車両速度を視認することができ、選択された効率的車両速度で車両を移動させるように動力源110を制御することができる。
【0111】
高速道路408の制限速度は、場所414で70mphまで増大することがある。カメラ120は、車両100が速度制限標識416に接近すると、速度制限標識416を検出し得る。ECU102は、車両が70mphまで加速することをECU102が予測していることを標示し、かつドライバからの加速の確認を要求するデータを出力することができる。確認を受信した時点で、ECU102は、ルックアップテーブルを用いて、速度制限標識416後の高速道路408の部分について1つ以上の効率的車両速度を決定することができる。例えば、ECU102は、67mphおよび72mphが効率的速度であることを決定し得る。ECU102はさらに、車両100が、70mphへの加速から比較的短い距離の後、別の市街地道路420への出口ランプ418を通ることを予測し得る。車両100は、比較的短い期間しか70mphで高速道路408上を走行しないことから、ECU102は、効率的速度リストから72mphを除外することができる。
【0112】
車両100が場所414に接近すると、ECU102は動力源の制御を引き取って、車両を67mphまで加速するように動力源111を制御することができる。ECU102は次いで、動力源111の制御をドライバに引き渡して戻すか、またはドライバの要求に基づいて、自律的またはクルーズコントロールモードで67mphに留まるように車両を制御することができる。
【0113】
本開示および特許請求の範囲全体にわたり使用されている場合、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」は、「A」のみ、「B」のみまたは「AとB」を含む。方法/システムの例示的実施形態が、例示的に開示されてきた。したがって、全体を通して使用されている専門用語は、非限定的に読み取られなければならない。当業者であれば、本開示中の教示に対するわずかな修正を思いつくものであるが、本開示に基づく特許の範囲内に限定されると意図されているのは、本開示が寄与する技術の進歩の範囲内に合理的に入るこのような実施形態全てであり、添付の特許請求の範囲およびその等価物に照らした場合を除いて、この範囲が制限されることはない、ということが理解される。
[構成1]
車両の効率的運転速度を決定するためのシステムにおいて、
前記車両の現在の速度を検出するように構成された速度センサと、
現在の道路に対応する画像データを検出するように構成されたカメラと、
前記車両の現在の場所に対応する場所データを検出するように構成された全地球位置測定システム(GPS)センサと、
複数の道路制限速度に対して効率的車両速度をマッピングするルックアップテーブルを記憶するように構成されたメモリと、
データを出力するように構成された出力デバイスと、
前記速度センサ、前記カメラ、前記GPSセンサ、および前記メモリに結合された電子制御ユニット(ECU)であって、
前記画像データまたは前記場所データのうちの少なくとも1つに基づいて前記現在の道路の現在の制限速度を決定し、
前記車両の前記現在の速度が既定の期間にわたり既定の速度閾値未満で変動するときに、前記車両が定常速度範囲内にあると決定し、
前記現在の制限速度に対応する少なくとも1つの効率的車両速度を決定するために前記ルックアップテーブルに対し前記現在の制限速度を比較し、
前記車両が前記定常速度範囲内にあるときに前記少なくとも1つの効率的車両速度を出力するように前記出力デバイスを制御する、
ように構成されているECUと、
を含む、システム。
[構成2]
前記車両の現在の負荷に対応する負荷データを検出するように構成された負荷センサをさらに含み、
前記ルックアップテーブルがさらに、前記複数の道路制限速度および車両の負荷に対して前記効率的車両速度をマッピングするように構成されており、
前記ECUがさらに、前記負荷データに基づいて前記車両の前記現在の負荷を決定し、前記現在の制限速度および前記車両の前記現在の負荷を前記ルックアップテーブルと比較して前記少なくとも1つの効率的車両速度を決定する、ように構成されている、
構成1に記載のシステム。
[構成3]
前記車両の前記現在の負荷が、前記現在の道路の勾配、前記車両の全質量、前記現在の道路の高度、向かい風もしくは追い風の速度、または前記車両外部の現在の周囲温度のうちの少なくとも1つに基づいている、構成2に記載のシステム。
[構成4]
前記車両を加速するための動力を生成するように構成された動力源をさらに含み、
前記ECUがさらに、
前記車両の前記現在の速度における前記動力源の現在の効率と、前記少なくとも1つの効率的車両速度における前記動力源の潜在的効率との間の差異に対応する前記動力源の効率差を計算し、
前記少なくとも1つの効率的車両速度と前記効率差をさらに出力するように前記出力デバイスを制御する、
ように構成されている、構成1に記載のシステム。
[構成5]
前記少なくとも1つの効率的車両速度が、多数の効率的車両速度を含み、
前記ECUがさらに、前記多数の効率的車両速度の各々の前記効率差に基づき前記多数の効率的車両速度をランク付けし、前記多数の効率的車両速度の各々と前記効率差をさらに出力するように前記出力デバイスを制御する、ように構成されている、
構成4に記載のシステム。
[構成6]
前記ECUがさらに、
前記多数の効率的車両速度の各々に到達するのに必要なエネルギ量を決定し、
速度を変更することなく前記制限速度でまたはその近くで前記車両が走行できる距離を予測し、
前記効率差、速度変更なく前記制限速度でまたはその近くで前記車両が走行できる前記距離、および前記多数の効率的車両速度の各々について対応する効率的車両速度に到達するのに必要な前記エネルギ量に基づいて、前記多数の効率的車両速度の各々の合計効率を計算し、
残りの多数の効率的車両速度の各々よりも低い合計効率を有する前記多数の効率的車両速度のうちの少なくとも1つを除外する、
ように構成されている、構成5に記載のシステム。
[構成7]
前記ECUがさらに、前記車両の現在の効率を決定し、前記車両が前記定常速度範囲内にあるときに前記車両の前記現在の効率および前記車両の前記現在の速度で前記ルックアップテーブルを更新する、ように構成されている、構成1に記載のシステム。
[構成8]
前記ECUに結合され、前記車両をクルーズコントロールモードで動作させるための要求を受信するように構成された入力デバイスをさらに含み、
前記ECUがさらに、
前記車両を前記クルーズコントロールモードで動作させるための要求に対応する前記入力デバイスからのクルーズコントロール要求を受信し、
前記クルーズコントロール要求が前記入力デバイスから受信されたときに前記少なくとも1つの効率的車両速度で前記車両を移動させるように動力源を制御する、
ように構成されている、構成1に記載のシステム。
[構成9]
前記ECUがさらに、前記現在の道路の前記現在の制限速度について許容可能な最高効率的車両速度および最低効率的車両速度に対応する高速側閾速度および低速側閾速度を決定するように構成されており、前記少なくとも1つの効率的車両速度の各効率的車両速度が、前記最高効率的車両速度以下でかつ前記最低効率的車両速度以上である、構成1に記載のシステム。
[構成10]
前記現在の道路の現在の勾配および前記現在の道路の次に到来する勾配に対応する勾配データを受信するように構成されたネットワークアクセスデバイスをさらに含み、前記ECUはさらに、前記現在の道路の前記次に到来する勾配が前記現在の道路の前記現在の勾配から既定の勾配閾値を超えて変動するときに、前記少なくとも1つの効率的車両速度を出力するように前記出力デバイスを制御することを停止するように構成されている、構成1に記載のシステム。
[構成11]
車両の効率的運転速度を決定するためのシステムにおいて、
現在の道路に対応する画像データを検出するように構成されたカメラと、
前記現在の道路の現在の勾配を検出するように構成された勾配センサまたは前記現在の道路の前記現在の勾配を受信するように構成されたネットワークアクセスデバイスのうちの少なくとも1つと、
前記車両の現在の場所に対応する場所データを検出するように構成された全地球位置測定システム(GPS)センサと、
複数の道路制限速度および複数の道路勾配に対して効率的車両速度をマッピングするルックアップテーブルを記憶するように構成されたメモリと、
データを出力するように構成された出力デバイスと、
前記カメラ、前記勾配センサまたはネットワークアクセスデバイスのうちの少なくとも1つ、前記GPSセンサ、および前記メモリに結合された電子制御ユニット(ECU)であって、
前記画像データまたは前記場所データのうちの少なくとも1つに基づいて前記現在の道路の現在の制限速度を決定し、
前記現在の制限速度および前記現在の勾配に対応する少なくとも1つの効率的車両速度を決定するために前記ルックアップテーブルに対し前記現在の道路の前記現在の制限速度および前記現在の勾配を比較し、
前記少なくとも1つの効率的車両速度を出力するように前記出力デバイスを制御する、
ように構成されているECUと、
を含む、システム。
[構成12]
前記車両を加速するための動力を生成するように構成された動力源をさらに含み、
前記ECUがさらに、
前記車両の前記現在の速度における前記動力源の現在の効率と、前記少なくとも1つの効率的車両速度における前記動力源の潜在的効率との間の差異に対応する前記動力源の効率差を計算し、
前記少なくとも1つの効率的車両速度と前記効率差をさらに出力するように前記出力デバイスを制御する、
ように構成されている、構成11に記載のシステム。
[構成13]
前記少なくとも1つの効率的車両速度が、多数の効率的車両速度を含み、
前記ECUがさらに、前記多数の効率的車両速度の各々の前記効率差に基づき前記多数の効率的車両速度をランク付けし、前記多数の効率的車両速度の各々と前記効率差をさらに出力するように前記出力デバイスを制御する、ように構成されている、
構成12に記載のシステム。
[構成14]
前記ECUがさらに、
前記多数の効率的車両速度の各々に到達するのに必要なエネルギ量を決定し、
速度を変更することなく前記制限速度でまたはその近くで前記車両が走行できる距離を予測し、
前記効率差、速度変更なく前記制限速度でまたはその近くで前記車両が走行できる前記距離、および前記多数の効率的車両速度の各々について対応する効率的車両速度に到達するのに必要な前記エネルギ量に基づいて、前記多数の効率的車両速度の各々の合計効率を計算し、
残りの多数の効率的車両速度の各々よりも低い合計効率を有する前記多数の効率的車両速度のうちの少なくとも1つを除外する、
ように構成されている、構成13に記載のシステム。
[構成15]
前記ECUに結合され、前記車両をクルーズコントロールモードで動作させるための要求を受信するように構成された入力デバイスをさらに含み、
前記ECUがさらに、
前記車両を前記クルーズコントロールモードで動作させるための要求に対応する前記入力デバイスからのクルーズコントロール要求を受信し、
前記クルーズコントロール要求が前記入力デバイスから受信されたときに前記少なくとも1つの効率的車両速度で前記車両を移動させるように動力源を制御する、
ように構成されている、構成11に記載のシステム。
[構成16]
車両の効率的運転速度を決定するための方法において、
速度センサにより前記車両の現在の速度を検出することと、
現在の道路に対応する画像データをカメラにより検出することと、
全地球位置測定システム(GPS)センサにより前記車両の現在の場所に対応する場所データを検出することと、
複数の道路制限速度に対して効率的車両速度をマッピングするルックアップテーブルをメモリ内に記憶することと、
電子制御ユニット(ECU)により、前記画像データまたは前記場所データのうちの少なくとも1つに基づいて前記現在の道路の現在の制限速度を決定することと、
前記車両の前記現在の速度が既定の期間にわたり既定の速度閾値未満で変動するときに、前記車両が定常速度範囲内にあるとECUによって決定することと、
前記現在の制限速度に対応する少なくとも1つの効率的車両速度を決定するためにECUによって前記ルックアップテーブルに対し前記現在の制限速度を比較することと、
前記車両が前記定常速度範囲内にあるときに前記少なくとも1つの効率的車両速度を出力するようにECUによって前記出力デバイスを制御することと、
を含む、方法。
[構成17]
前記車両の現在の負荷に対応する負荷データを負荷センサによって検出することをさらに含み、
前記ルックアップテーブルを記憶することがさらに、前記複数の道路制限速度および車両の負荷に対して前記効率的車両速度をマッピングするルックアップテーブルを記憶することを含み、
前記現在の制限速度を前記ルックアップテーブルに対し比較することがさらに、前記現在の制限速度および前記車両の前記現在の負荷を前記ルックアップテーブルと比較して前記少なくとも1つの効率的車両速度を決定することを含む、
構成16に記載の方法。
[構成18]
動力源によって前記車両を加速するための動力を生成することと、
前記ECUによって、前記車両の前記現在の速度における前記動力源の現在の効率と、前記少なくとも1つの効率的車両速度における前記動力源の潜在的効率との間の差異に対応する前記動力源の効率差を計算することと、
前記ECUによって、前記少なくとも1つの効率的車両速度と前記効率差をさらに出力するように前記出力デバイスを制御することと、
をさらに含む、構成16に記載の方法。
[構成19]
前記ECUによって、前記車両の現在の効率を決定することと、
前記車両が前記定常速度範囲内にあるときに前記車両の前記現在の効率および前記車両の前記現在の速度で前記ルックアップテーブルを更新することと、
をさらに含む、構成16に記載の方法。
[構成20]
入力デバイスによって、前記車両を前記クルーズコントロールモードで動作させるための要求に対応するクルーズコントロール要求を受信することと、
前記ECUによって、前記入力デバイスからの前記クルーズコントロール要求を受信することと、
前記クルーズコントロール要求が前記入力デバイスから受信されたときに前記少なくとも1つの効率的車両速度で前記車両を移動させるように前記ECUによって動力源を制御することと、
をさらに含む、構成16に記載の方法。