(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る接続端子につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1から
図8を参照して、実施形態について説明する。実施形態は、接続端子に関する。
図1は、実施形態に係る接続端子を示す分解斜視図である。
図2は、実施形態に係る接続端子を示す斜視図である。
図3は、実施形態の雌型端子を示す斜視図である。
図4は、実施形態の雌型端子を示す平面図である。
図5は、実施形態の雄型端子を示す平面図である。
図6は、実施形態における雄型接続体の収容空間への挿入過程を示す断面図である。
図7は、実施形態における雄型接続体の収容空間への挿入過程を示す断面図である。
図8は、実施形態における雄型接続体の収容空間への挿入過程を示す断面図である。
図9は、実施形態の雄型端子の別の例を示す斜視図である。なお、
図6〜
図8は、
図4に示すVI‐VI断面に対応する断面を示している。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の接続端子1は、雄型端子10、雌型端子20、および弾性部材30を含んで構成されている。
【0013】
雄型端子10は、導電性の金属材料によって形成されている。雄型端子10は、雄型接続体11、端子接続体12、および固定部15を有している。
【0014】
雄型端子10において、雄型接続体11は、雌型端子20の後述する収容空間HSに挿入されて、雌型端子20と電気的に接続される部分である。雄型接続体11は、例えば、柱状に形成される。実施形態において、雄型接続体11は、円柱状に形成されている。実施形態において、雄型接続体11の軸方向が雌型端子20に対する挿抜方向となる。なお、明細書中において、挿抜方向に沿った方向であって、雄型接続体11が雌型端子20の収容空間HSに挿入される方向を挿入方向と称し、雄型接続体11が雌型端子20から抜去される方向を抜去方向と称する。
【0015】
端子接続体12は、平板状に形成されている。端子接続体12は、例えば、端子ネジなどが挿入される挿通孔12aを有している。挿通孔12aは、平板状の端子接続体12の中心付近に形成されている。
【0016】
実施形態において、雄型接続体11は、軸方向に延在する絶縁部10aの周りを導電性の筒状部材10bで覆うことで形成されている(
図6参照)。雄型接続体11は、前端側(挿入方向の前側)に先端部分14を有する。実施形態の先端部分14は、絶縁部10aにおける筒状部材10bの前端側の端部から露出した部分で構成されている。先端部分14は、テーパ形状に形成されており、前端側から後端側(挿入方向の後ろ側)に向かうほど径が大きくなるように形成されている。雄型接続体11の外壁面11dにおいて、筒状部材10bは、雌型接続体21と電気的に接続される外壁面を構成している。雄型接続体11の外壁面11dにおいて、先端部分14の後端側の外壁面は、筒状部材10bの外壁面と面一になるように形成されている。端子接続体12は、筒状部材の一方の端部から、軸方向に突出している。
【0017】
固定部15は、雄型接続体11と端子接続体12との間に配置されている。固定部15は、絶縁性を有しており、端子接続体12の基端部付近において、筒状部材10bを覆うように設けられている。ここで、筒状部材10bの固定部15で覆われた部分には、孔部10cが形成されており、固定部15は、孔部10cを介して、雄型接続体11における絶縁部10aと一体となっている(
図6参照)。この構成により、固定部15は、絶縁部10aに対する筒状部材10bの相対位置のズレを規制する。
【0018】
雌型端子20は、
図1に示すように、雌型接続体21、電線接続体22、および連結体23を有する。雌型接続体21は、筒状に形成される。実施形態において、雌型接続体21は、円筒状に形成されている。雌型接続体21は、雌型接続体21の内壁面21cで囲まれた収容空間HSを有している。収容空間HSは、雌型接続体21の軸方向に沿って延在している。収容空間HSは、雄型接続体11の外形に対応した形状(例えば、筒状)に形成される。実施形態において、収容空間HSは、円柱形状に形成されている。雌型接続体21の軸方向における両端は、開口しており、収容空間HSと外部空間とを連通している。
図1および
図2に示すように、一端の開口(以下第一開口21aと称する)は、雄型接続体11が挿入される入口として利用される。また、実施形態においては、
図2に示すように、第一開口21aから挿入された雄型接続体11は、他端の開口(以下第二開口21bと称する)から突出する。
【0019】
電線接続体22は、電線の導電部(図示せず)が電気的に接続される部分である。電線接続体22は、加締め等の圧着加工などによって、電線の導電部と電気的に接続される。実施形態において、電線接続体22は、互いに対向する一対のバレル片部22a,22bを有している。それぞれのバレル片部22a,22bが、電線の導電部(芯線)に巻き付けられて、圧着されることで、電線接続体22と電線の導電部とが、電気的に接続される。なお、電線接続体22は、例えば、溶接や半田付けなどによって電線の導電部と電気的に接続される部分であってもよい。連結体23は、雌型接続体21と電線接続体22との間に配置される。連結体23は、雌型接続体21と電線接続体22とを接続している。雌型端子20は、導電性の金属材料によって形成されている。
【0020】
図3に示すように、雌型端子20は、奥側突起部24および入口側突起部25を有する。奥側突起部24および入口側突起部25は、収容空間HSにおける雌型接続体21の内壁面21cから突出している。奥側突起部24および入口側突起部25は、収容空間HSへ嵌合完了位置まで挿入された雄型接続体11を後述する弾性部材30と共に保持する部材である。
図4に示すように、実施形態の奥側突起部24と入口側突起部25とは、雌型接続体21を挿抜方向に沿って2つの領域R1,R2に区画したときの一方の領域R1に配置される。ここで、領域R1,R2は、雌型接続体21の中心軸に対して実質的に対称になるように区画されている。つまり、領域R1,R2は、雌型接続体を挿抜方向に沿って二等分するように区画した領域である。
【0021】
奥側突起部24は、雌型接続体21の第二開口21b側の端部付近に、内壁面21cの周方向に間隔を空けて2つ配置されている。また、入口側突起部25は、雌型接続体21の第一開口21a側(入口側)の端部付近に、内壁面21cの周方向に間隔を空けて2つ配置されている。奥側突起部24および入口側突起部25は、上述の区画された領域R1を更に挿抜方向に沿って2つの領域に区画した2領域R11,R12に1つずつ配置されている。領域R11,R12は、領域R1を挿抜方向に沿って二等分するように区画した領域である。第一開口21a側から雌型接続体21を見たときに、奥側突起部24と入口側突起部25とは、挿抜方向において、それぞれ重なって配置されている。
【0022】
図1に示すように、実施形態の弾性部材30は、第一開口21aから収容空間HSに挿入される。弾性部材30は、導電性および弾性を有する。弾性部材30は、雌型接続体21を挿抜方向に沿って2つの領域R1,R2に区画したときの他方の領域R2に配置される(
図4参照)。弾性部材30は、雄側接触体33、および2つの雌側接触体34を有している。雌側接触体34は、雌型接続体21の内壁面21cに沿うように弧状に形成される。
図1に示すように、2つの雌側接触体34は、挿抜方向において、対向配置されている。雄側接触体33は、挿抜方向において延在する板バネ状の部材である。雄側接触体33は、2つの雌側接触体34の間に配置され、雄側接触体33の端部は、それぞれ雌側接触体34と接続されている。実施形態において、雄側接触体33は、
図3に示すように、2つの雌側接触体34の間に複数設けられている。複数の雄側接触体33は、弾性部材30が収容空間HSに配置された際に、内壁面21cにおける周方向に並べて配置されている。弾性部材30は、導電性の金属によって弾性を有するように形成されている。
【0023】
収容空間HS内において、弾性部材30は、内壁面21cに支持されている。雄側接触体33は、雄型接続体11の外壁面11dに接触する第一接点部30aを有する。また、雌側接触体34は、内壁面21cと接触する複数の第二接点部30bを有する(
図1参照)。第二接点部30bは、雌側接触体34における内壁面21cと対向する表面に突起状に設けられている。雄側接触体33は、収容空間HSの中心軸にむけて第一接点部30aが突出するように湾曲している。
【0024】
雌型接続体21および弾性部材30は、第一係止構造LS1および第二係止構造LS2を有している。第一係止構造LS1は、雌型接続体21に対する弾性部材30の挿入方向への相対的な位置ずれを規制する。第二係止構造LS2は、雌型接続体21に対する弾性部材30の抜去方向への相対的な位置ずれを規制する。
【0025】
第一係止構造LS1は、弾性部材30に設けられた第一被係止部31と、雌型接続体21に設けられた第一係止部21dを含んで構成されている。
図2に示すように、第一被係止部31は、弾性部材30が収容空間HSに収容された状態において、弾性部材30から雌型接続体21の内壁面21c側に向けて突出するように形成される。第一係止部21dは、雌型接続体21の第一開口21a側の端部に切欠き状に形成された部分である。第一係止部21dには、弾性部材30が収容空間HSに収容された際に、第一被係止部31が挿入される。
図3に示すように、第一係止部21dは、雄型接続体11の挿入方向と直交する壁面21eと、雌型接続体21の周方向と直交する壁面21fとを有している。第一係止部21dは、壁面21eによって、雌型接続体21に対する弾性部材30の挿入方向への相対的な位置ずれを規制し、壁面21fによって、雌型接続体21に対する弾性部材30の周方向への相対的な位置ずれを規制する。
【0026】
図1に示すように、第二係止構造LS2は、弾性部材30に設けられた第二被係止部32と、雌型接続体21に設けられた第二係止部21gを含んで構成されている。第二被係止部32は、第二開口21b側に配置される弾性部材30の端部に形成されている。第二被係止部32は、挿入方向に沿って延在する軸部32aおよび一対の片部32b,32cを有する。一対の片部32b,32cは、軸部32aの延在方向側の端部に雌型接続体21の周方向に沿うように弧状に設けられている。第二係止部21gは、雌型接続体21の第二開口21b側の端部から片部32b,32cのそれぞれに対向するように突出した部分である。第二係止部21gは、片部32b,32cのそれぞれに当接することで、雌型接続体21に対する弾性部材30の抜去方向への相対的な位置ずれを規制する。
【0027】
図5に示すように、雄型接続体11の外壁面11dは、第一凹部13を有している。第一凹部13は、雄型接続体11が雌型接続体21に挿入される際、雄型接続体11に対する入口側突起部25の機械的な干渉を抑制する部分である。第一凹部13は、雄型接続体11が雌型接続体21に挿入される際に、入口側突起部25と対向する部分に形成されている。雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に、入口側突起部25は、第一凹部13を通過する。
【0028】
実施形態の第一凹部13は、雄型接続体11における前端部11aと後端部11bとの間の中間部11cに配置されている。前端部11aは、嵌合完了位置まで挿入された雄型接続体11における奥側突起部24と接触する部分である(
図8参照)。前端部11aは、一部に先端部分14を含んでおり、嵌合完了位置まで挿入された雄型接続体11において、前端部11aは、先端部分14よりも挿入方向の後ろ側の部分で奥側突起部24と接触する。後端部11bは、嵌合完了位置まで挿入された雄型接続体11における入口側突起部25と接触する部分である(
図8参照)。
【0029】
実施形態の第一凹部13は、挿入方向に沿って溝状に形成されている。第一凹部13は、入口側突起部25に対応して形成されており、実施形態において、第一凹部13は、雄型接続体11の中間部11cに2つ形成されている。2つの第一凹部13は、雄型接続体11の周方向に並べて配置されている。第一凹部13の幅は、入口側突起部25が第一凹部13内に入り込める程度の幅で形成されている。
【0030】
第一凹部13は、第一傾斜面13a、第二傾斜面13b、および底面13cを有する。底面13cは、雄型接続体11の外壁面11dにおける第一凹部13の周囲の面に対して窪んだ面である。第一凹部13の周囲の面に対する底面13cの窪み量は、入口側突起部25の内壁面21cからの突出高さに対応する。実施形態における底面13cの窪み量は、入口側突起部25の内壁面21cからの突出高さと同程度である。底面13cは、第一傾斜面13aと第二傾斜面13bとの間に配置されている。第一傾斜面13aは、底面13cに対して前端部11a側に配置されている。第二傾斜面13bは、底面13cに対して後端部11b側に形成されている。第一傾斜面13aは、挿抜方向に沿って延在しており、底面13cにおける前端部11a側の端部から前端部11aの外壁面11dにかけて傾斜している。第二傾斜面13bは、挿抜方向に沿って延在しており、底面13cにおける後端部11b側の端部から後端部11bの外壁面11dにかけて傾斜している。
【0031】
図6から
図8を参照して、実施形態における雄型接続体11の収容空間HSへの挿入過程について説明する。
【0032】
図6に示すように、雄型接続体11は、雌型接続体21の第一開口21a(入口側)から収容空間HSに対して雌型接続体21の軸方向に沿って挿入される。
図7に示すように、雄型接続体11の前端部11aは、入口側突起部25を乗り越えて収容空間HSに入り込む。実施形態の第一凹部13は、第一接点部30aが収容空間HSに挿入される雄型接続体11の外壁面11dに接触し始めるときに入口側突起部25と対向する位置を含む範囲に形成されている。入口側突起部25は、前端部11aに乗り越えられた後、第一凹部13の第一傾斜面13aに沿って第一凹部13内に導かれる。入口側突起部25が第一凹部13内に位置しているときに雄型接続体11の外壁面11dは、第一接点部30aと接触し始める。
【0033】
収容空間HSを雄型接続体11が挿入方向に沿って進むにしたがって、入口側突起部25は、第一凹部13内を第一傾斜面13a、底面13c、第二傾斜面13bに沿って雄型接続体11に対して相対移動する。この相対移動により、入口側突起部25は、第一凹部13を通過する。第一凹部13は、雄型接続体11の外壁面11dにおいて、嵌合完了位置において入口側突起部25と対向する位置よりも挿入方向の前側(前端部11a側)であって奥側突起部24と対向する位置よりも挿入方向の後側(端子接続体12側)の範囲に挿入方向に沿って形成されている。実施形態においては、雄型接続体11が奥側突起部24に乗り上げた後、更に、雄型接続体11が収容空間HSを挿入方向に沿って進むことで、入口側突起部25が第一凹部13を通過する。
【0034】
雄型接続体11は、挿入方向に沿って収容空間HSを更に進み、後端部11bが、入口側突起部25に乗り上げる。
図8に示すように、雄型接続体11は、収容空間HSに嵌合完了位置まで挿入される。嵌合完了位置において、雄型接続体11の前端部11aは、奥側突起部24と接触し、雄型接続体11の後端部11bは、入口側突起部25と接触する。雄型接続体11は、弾性部材30の第一接点部30aによって、奥側突起部24および入口側突起部25に向けて押圧される。奥側突起部24および入口側突起部25は、雄型接続体11の外壁面11dを弾性部材30の押圧力に抗して支持する。この構成により、雄型接続体11は、嵌合完了位置において収容空間HS内で保持される。
【0035】
なお、実施形態においては、第一凹部13が中間部11cに形成されている例を用いて説明したがこれに限られない、例えば、第一凹部13は、雄型接続体11の外壁面11dにおいて、嵌合完了位置において入口側突起部25と対向する位置よりも挿入方向の前側に、挿入方向に沿って形成されていればよい。したがって、第一凹部13は、中間部11cから前端部11aの前端まで挿入方向に沿って形成されていてもよい。
【0036】
この場合、例えば、奥側突起部24が入口側突起部25および弾性部材30と共に、雄型接続体11を嵌合完了位置で保持可能なように、奥側突起部24の突出高さを入口側突起部25の突出高さよりも高く設定してもよい。例えば、奥側突起部24は、前端部11aにおける第一凹部13が形成された部分に接触し、入口側突起部25および弾性部材30と共に、雄型接続体11を嵌合完了位置で保持する。
【0037】
また、第一凹部13が、中間部11cから前端部11aの前端まで挿入方向に沿って形成される場合、雌型接続体21を第一開口21a側から見たときに、挿抜方向において、入口側突起部25と奥側突起部24とが重ならないように配置してもよい。この配置により、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際において、奥側突起部24が第一凹部13内に落ちることなく、入口側突起部25および弾性部材30と共に、雄型接続体11を嵌合完了位置で保持できる。例えば、雌型接続体21を第一開口21a側から見たときに、内壁面21cの周方向において互いに離間して並ぶ2つの奥側突起部24の間に、内壁面21cの周方向において互いに離間して並ぶ2つの入口側突起部25が位置するように配置してもよい。
【0038】
なお、実施形態において、雌型接続体21の収容空間HSを円柱状の空間として、説明したがこれに限られない。例えば、収容空間HSは、三角柱状や四角柱状の空間であってもよい。また、上述の雄型接続体11において、雄型接続体11を円柱状の部材として、説明したがこれに限られない。雄型接続体11は、収容空間HSに挿入可能で、雌型接続体21と嵌合可能な形状であればよく、例えば、雄型接続体11は、三角柱状や四角柱状の部材であってもよい。
【0039】
なお、第一凹部13は、
図9に示すように、雄型接続体11を幅方向(径方向)に沿って切り欠いた、切欠き状の凹部として形成されてもよい。この場合、雄型接続体11が収容空間HSへ挿入される際、2つの入口側突起部25は、1つの第一凹部13内を通過する。
【0040】
[実施形態の変形例]
図10から
図13を参照して、実施形態の変形例について説明する。実施形態は、接続端子に関する。実施形態の変形例については、上記の実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図10は、実施形態の変形例の雄型端子を示す斜視図である。
図11は、実施形態の変形例における雄型接続体の収容空間への挿入過程を示す断面図である。
図12は、実施形態の変形例における雄型接続体の収容空間への挿入過程を示す断面図である。
図13は、実施形態の変形例における雄型接続体の収容空間への挿入過程を示す断面図である。
図11から
図13は、それぞれ上述の実施形態における
図6から
図8に対応する断面図である。
【0041】
図10に示すように、本変形例において、雄型接続体11の外壁面11dは、第二凹部16を有している。第二凹部16は、雄型接続体11の外壁面11dにおいて、嵌合完了位置において第一接点部30aと対向する位置よりも挿入方向の前側に、挿入方向に沿って形成されている。実施形態において、第二凹部16は、前端部11aに形成されている。第二凹部16は、雄型接続体11の外壁面11dにおける前端まで形成されている。第二凹部16は、底面16aおよび傾斜面16bを有している。
【0042】
底面16aは、第二凹部16の周囲の外壁面11dに対して、窪んだ面である。傾斜面16bは、底面16aの中間部11c側の端部から第二凹部16の周囲の外壁面11dにかけて傾斜した面である。
【0043】
図11に示すように、上述の実施形態と同様に、雄型接続体11は、雌型接続体21の第一開口21a(入口側)から収容空間HSに対して雌型接続体21の軸方向に沿って挿入される。
【0044】
図12に示すように、雄型接続体11の前端部11aは、入口側突起部25を乗り越えて収容空間HSに入り込む。本変形例において、第二凹部16は、入口側突起部25に乗り上げてから入口側突起部25が第一凹部13内に位置するまでの間、第一接点部30aと対向する部分に形成されている。雄型接続体11が挿入方向に沿って進むにしたがって、第一接点部30aは、第二凹部16内を底面16a、および傾斜面16bに沿って中間部11c側に通過する。
【0045】
その後、
図13に示すように、雄型接続体11は、収容空間HSに嵌合完了位置まで挿入される。嵌合完了位置において、雄型接続体11は、弾性部材30および入口側突起部25および奥側突起部24によって、収容空間HS内で保持される。
【0046】
なお、変形例において、第一凹部13は、形成されていなくてもよい。また、第二凹部16の挿入方向の後ろ側の端部は、嵌合完了位置において第一接点部30aと対向する位置の直前の位置まで形成されていてもよい。つまり、第二凹部16は、雄型接続体11の前端部11aから中間部11cにかけて形成されていてもよい。
【0047】
[実施形態および実施形態の変形例のまとめ]
以上説明したように、実施形態および変形例に係る接続端子1は、導電性を有し、軸方向に沿って延在する収容空間を有する筒状の雌型接続体21と、導電性を有し、収容空間HSに対して軸方向に沿って嵌合完了位置まで挿入される雄型接続体11と、雌型接続体21における収容空間HSを囲む内壁面21cによって支持されており、雄型接続体11の外壁面11dに接触する接点部(第一接点部30a)を有し、接点部30aによって雄型接続体11を押圧する弾性部材30と、を含み、雌型接続体21は、内壁面21cにおける接点部30aよりも挿入方向の奥側の位置から突出している奥側突起部24と、内壁面21cにおける接点部30aよりも挿入方向の入口側(第一開口21a側)の位置から突出している入口側突起部25と、を有し、奥側突起部24および入口側突起部25は、嵌合完了位置にある雄型接続体11の外壁面11dを弾性部材30の押圧力に抗して支持し、雄型接続体11の外壁面11dは、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に入口側突起部25と対向する部分に形成された第一凹部13、および雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に接点部30aと対向する部分に形成された第二凹部16の少なくとも一方を有し、第一凹部13は、雄型接続体11の外壁面11dにおいて、嵌合完了位置において入口側突起部25と対向する位置よりも挿入方向の前側に、挿入方向に沿って形成され、第二凹部16は、雄型接続体11の外壁面11dにおいて、嵌合完了位置において接点部30aと対向する位置よりも挿入方向の前側に、挿入方向に沿って形成される。
【0048】
実施形態に係る接続端子1は、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に入口側突起部25と対向する部分に形成された第一凹部13、および雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に第一接点部30aと対向する部分に形成された第二凹部16の少なくとも一方を有する。実施形態に係る接続端子1が第一凹部13を有する場合、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に、入口側突起部25を第一凹部13に沿わせて通過させることで、入口側突起部25の雄型接続体11への機械的な干渉を抑制することができる。また、実施形態に係る接続端子1が第二凹部16を有する場合、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に、第一接点部30aを第二凹部16に沿わせて通過させることで、第一接点部30aの雄型接続体11への機械的な干渉を抑制することができる。雄型接続体11が嵌合完了位置まで挿入されたとき、雄型接続体11は、収容空間HSにおいて、弾性部材30、奥側突起部24、および入口側突起部25によって保持される。したがって、実施形態に係る接続端子1によれば、雄型接続体11を保持する保持力を確保しつつ、雄型接続体を雌型接続体の収容空間へ挿入する際の挿入力を低く抑えることができる。
【0049】
実施形態および変形例に係る接続端子1において、雄型接続体11は、第一凹部13を有し、第一凹部13は、挿入方向に沿って溝状に形成されている。
【0050】
第一凹部13が、挿入方向に沿って溝状に形成されているため、第一凹部13を入口側突起部25をガイドするガイド部としても使用することができる。この場合、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に、雄型接続体11が雌型接続体21に対して内壁面21cの周方向に回転することを第一凹部13によって規制することができる。例えば、雄型接続体11に第二凹部16が形成されている場合には、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際に、第二凹部16と第一接点部30aとが、互いに対向する位置からずれることを抑制することができる。
【0051】
実施形態および変形例に係る接続端子1において、雄型接続体11は、第一凹部13を有し、雄型接続体11の外壁面11dにおいて第一凹部13が形成される範囲は、接点部30aが収容空間HSに挿入される雄型接続体11の外壁面11dに接触し始めるときに入口側突起部25と対向する位置を含む。
【0052】
この構成により、入口側突起部25は、雄型接続体11の外壁面11dが第一接点部30aに接触し始めるときに、第一凹部13内に配置されることになる。したがって、第一接点部30aに押圧された雄型接続体11が入口側突起部25に接触することで生じる挿入力の増加を抑えることができる。したがって、雄型接続体11が収容空間HSに挿入される際の挿入力を低く抑えることができる。
【0053】
変形例に係る接続端子1において、雄型接続体11は、第二凹部16を有し、第二凹部16は、雄型接続体11の外壁面11dにおける挿入方向の前端まで形成されている。雄型接続体11が第一接点部30aから押圧力を受けることで、収容空間HSへ挿入するために必要な挿入力は増加する。変形例に係る接続端子1は、収容空間HSに挿入されている雄型接続体11が、第一接点部30aから押圧力を受けることを遅らせることができる。したがって、雄型接続体11を収容空間HSに挿入するために必要な挿入力が増加する期間を短縮できる。
【0054】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。