特許第6802248号(P6802248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6802248パッケージ及びこれを用いたパッケージ製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802248
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】パッケージ及びこれを用いたパッケージ製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/36 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
   B65D81/36 S
   B65D81/36 Z
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-248661(P2018-248661)
(22)【出願日】2018年12月28日
(65)【公開番号】特開2020-109007(P2020-109007A)
(43)【公開日】2020年7月16日
【審査請求日】2019年10月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508049167
【氏名又は名称】中 澤 將
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】中澤 將
【審査官】 杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−203878(JP,U)
【文献】 特開平06−293378(JP,A)
【文献】 実開昭60−123372(JP,U)
【文献】 実公昭29−005991(JP,Y1)
【文献】 特許第4096072(JP,B2)
【文献】 特開平07−040967(JP,A)
【文献】 特開2016−132121(JP,A)
【文献】 特開2013−159349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
B65D 81/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵送対象物が収容されるパッケージであって、
前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、
前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、
前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、
前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、
前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、
前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部が前記郵送対象物の一部を兼用することを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
郵送対象物が収容されるパッケージであって、
前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、
前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、
前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、
前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、
前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、
前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部のうち表裏一対の被覆材の全部若しくは一部は、前記パッケージ残部の内面側を外面側に露出させて前記郵送対象物の付属品として利用されることを特徴とするパッケージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパッケージにおいて、
前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺の一辺に共通の張り出し帯片を形成すると共に、他の辺の全部若しくは一部には個別の張り出し帯片を形成し、前記張り出し帯片と前記被覆材との連接部を折曲可能にすると共に、前記個別の張り出し帯片のうち相対向する部位に相互に存在するものについては相互に貼り合わせ、いずれか一方に存在するものについては対向する被覆材に貼り合わせて封止し、前記切取り被覆帯部については前記被覆材との境界部に沿って切取り可能なミシン目を形成することを特徴とするパッケージ。
【請求項4】
請求項に記載のパッケージにおいて、
前記パッケージのうち少なくとも前記ミシン目を含む領域はポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂又はこれらを主成分として含む合成シートを基材とし、前記切取り被覆帯部のミシン目は0.3mm以下のカット長、0.2mm以下のノンカット長のマイクロミシン加工にて加工されていることを特徴とするパッケージ。
【請求項5】
郵送対象物と、当該郵送対象物が収容されるパッケージとを備えたパッケージ製品であって、
前記パッケージは、前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、
前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、
前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、
前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、
前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、
前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部が前記郵送対象物の一部を兼用することを特徴とするパッケージ製品。
【請求項6】
郵送対象物と、当該郵送対象物が収容されるパッケージとを備えたパッケージ製品であって、
前記パッケージは、前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、
前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、
前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、
前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、
前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、
前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部のうち表裏一対の被覆材の全部若しくは一部は、前記パッケージ残部の内面側を外面側に露出させて前記郵送対象物の付属品として利用されることを特徴とするパッケージ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵送対象物を開封可能に収容するパッケージに係り、特に、開封後に郵送対象物の付属品として利用可能なパッケージ及びこれを用いたパッケージ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種のパッケージとしては、例えば特許文献1〜3に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、封筒の本体には、互いに交差する2側辺から所定間隔内側に複数の切り取りミシン目が設けられており、封筒の受取人は、その外形ミシン目に沿いつつ本体を切り取ることにより、本体の上側及び右側の端部を本体から容易に切り離すことができ、これにより、封筒は、互いに交差する2側辺が開口するフォルダ状に形成され、使用済みの封筒をフォルダとして再利用することが開示されている。
特許文献2には、紙製の底面ユニットの底面板長手方向前面縁部と後面縁部とに沿って、底面板に屈曲自在に接続する正面板に接続して鉤型に屈曲する上面蓋板及び両側面板とを有する正面ユニットと、底面板に屈曲自在に接続する背面板に接続して鉤型に屈曲する把手板及び両側面板とを有する背面ユニットとを、両ユニットの鉤型に屈曲する両側面板相互を当接する状態にて対向起立せしめ、上面蓋板と把手板の鉤型屈曲部相互を差込片を介して係合連結するとともに、両ユニットの両側面板の鉤型屈曲部下面に形成した切欠溝を底面板両側縁部より鉤型に屈曲起立する両側面板の上面中央部に挿入係合せしめて組立形成することが開示されている。
特許文献3には、折り畳んだ資料を厚紙製のカバー体の内部に収容し、要所を接着してカバー体を閉じることによって、封筒等に入れることなく、そのまま郵送可能なパッケージが完成し、使用時には、マチ面を切り取ることにより、厚紙でできた2枚の表紙面の間に大判の資料が展開自在に折り畳まれて挟まれた使い勝手のよい資料帖が形成されるパッケージ製品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−191962号公報(発明の実施の形態,図1
【特許文献2】特開2002−347745号公報(発明の実施の形態,図1
【特許文献3】特許第4096072号公報(実施例,図2図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、郵送対象物を容易に収容し、かつ、開封後に郵送対象物の付属品として利用可能なパッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の技術的特徴は、郵送対象物が収容されるパッケージであって、前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部が前記郵送対象物の一部を兼用することを特徴とするパッケージである。
本発明の第2の技術的特徴は、郵送対象物が収容されるパッケージであって、前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部のうち表裏一対の被覆材の全部若しくは一部は、前記パッケージ残部の内面側を外面側に露出させて前記郵送対象物の付属品として利用されることを特徴とするパッケージである。
【0007】
本発明の第の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えたパッケージにおいて、前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺の一辺に共通の張り出し帯片を形成すると共に、他の辺の全部若しくは一部には個別の張り出し帯片を形成し、前記張り出し帯片と前記被覆材との連接部を折曲可能にすると共に、前記個別の張り出し帯片のうち相対向する部位に相互に存在するものについては相互に貼り合わせ、いずれか一方に存在するものについては対向する被覆材に貼り合わせて封止し、前記切取り被覆帯部については前記被覆材との境界部に沿って切取り可能なミシン目を形成することを特徴とするパッケージである。
本発明の第の技術的特徴は、第の技術的特徴を備えたパッケージにおいて、前記パッケージのうち少なくとも前記ミシン目を含む領域はポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂又はこれらを主成分として含む合成シートを基材とし、前記切取り被覆帯部のミシン目は0.3mm以下のカット長、0.2mm以下のノンカット長のマイクロミシン加工にて加工されていることを特徴とするパッケージである。
【0009】
本発明の第の技術的特徴は、郵送対象物と、当該郵送対象物が収容されるパッケージとを備えたパッケージ製品であって、前記パッケージは、前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部が前記郵送対象物の一部を兼用することを特徴とするパッケージ製品である。
【0010】
本発明の第の技術的特徴は、郵送対象物と、当該郵送対象物が収容されるパッケージとを備えたパッケージ製品であって、前記パッケージは、前記郵送対象物の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材と、前記一対の被覆材間に前記郵送対象物が収容可能な空間部を確保するように前記一対の被覆材の周辺全域を覆う周辺被覆帯と、を備え、前記一対の被覆材及び前記周辺被覆帯は一枚のパッケージシートを裁断して前記一対の被覆材と前記周辺被覆帯とが連接するように作製され、前記一対の被覆材間を前記周辺被覆帯にて被覆するように立体的に組立可能であり、前記周辺被覆帯は、前記一対の被覆材の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部と、当該切取り被覆帯部以外の少なくとも一辺に沿う領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部とを有し、前記一対の被覆材は、少なくとも一辺全域が前記残存被覆帯部を介して連接され、前記切取り被覆帯部で被覆される領域に沿う一辺の両隅又は片隅には前記切取り被覆帯部と連接しない曲面状の面取り部を有し、前記切取り被覆帯部を切り取ることで開封し、前記切取り被覆帯部を切り取った後のパッケージ残部のうち表裏一対の被覆材の全部若しくは一部は、前記パッケージ残部の内面側を外面側に露出させて前記郵送対象物の付属品として利用されることを特徴とするパッケージ製品である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の技術的特徴によれば、郵送対象物を容易に収容し、かつ、開封後に郵送対象物の付属品として郵送対象物を覆う機能部品として利用可能なエコ仕様のパッケージを提供することができるほか、一枚のパッケージシートから組立可能なパッケージを簡単に構築することができる。更に、パッケージ開封後には、パッケージ残部を郵送対象物の一部として利用することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、郵送対象物を容易に収容し、かつ、開封後に郵送対象物の付属品として郵送対象物を覆う機能部品として利用可能なエコ仕様のパッケージを提供することができるほか、一枚のパッケージシートから組立可能なパッケージを簡単に構築することができる。更に、開封後のパッケージ残部を郵送対象物の付属品として利用するに当たり、郵送時の表裏一対の被覆材の外面をそのまま郵送対象物の付属品として利用する態様に比べて、郵送対象物の付属品としての装飾性を良好に保つことが容易である。
本発明の第の技術的特徴によれば、一枚のパッケージシートから組立可能なパッケージを構築するに当たり、周辺被覆帯を簡単に形成することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、郵送用パッケージとして十分な強度を保ち、郵送中のパッケージの破損を防止することができることに加えて、パッケージの開封操作を簡単に行うことができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、郵送対象物を容易に収容し、かつ、開封後に郵送対象物の付属品として郵送対象物を覆う機能部品として利用可能なエコ仕様のパッケージが含まれるパッケージ製品を提供することができるほか、一枚のパッケージシートから組立可能なパッケージを簡単に構築することが可能なパッケージ製品を提供することができる。更に、パッケージ開封後には、パッケージ残部を郵送対象物の一部として利用することができる。
本発明の第の技術的特徴によれば、郵送対象物を容易に収容し、かつ、開封後に郵送対象物の付属品として郵送対象物を覆う機能部品として利用可能なエコ仕様のパッケージが含まれるパッケージ製品を提供することができるほか、一枚のパッケージシートから組立可能なパッケージを簡単に構築することが可能なパッケージ製品を提供することができる。更に、開封後のパッケージ残部を郵送対象物の付属品として利用するに当たり、郵送時の表裏一対の被覆材の外面をそのまま郵送対象物の付属品として利用する態様に比べて、郵送対象物の付属品としての装飾性を良好に保つことが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は本発明が適用されたパッケージの実施の形態の概要の郵送前の状態を示す説明図、(b)は同パッケージの開封時の状態を示す説明図である。
図2】(a)は実施の形態1に係るパッケージの組立前の平面説明図、(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図である。
図3】(a)は実施の形態1に係るパッケージに郵送対象物を収容する使用方法を示す説明図、(b)はパッケージに郵送対象物を収容したパッケージ製品を示す説明図である。
図4】(a)(b)はパッケージから郵送対象物を取り出す際の方法を示す説明図である。
図5】(a)は実施の形態2に係るパッケージの組立前の平面説明図、(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図である。
図6】(a)はパッケージから郵送対象物を取り出す際の方法を示す説明図、(b)は開封後のパッケージを郵送対象物の付属品として利用する際の使用態様を示す説明図である。
図7】実施の形態3に係るパッケージ製品としての情報収集帳のパッケージ開封後の使用態様を示す説明図である。
図8】(a)は実施の形態3に係るパッケージ製品としての情報収集帳の折畳シートを展開した状態を示す説明図、(b)は同情報収集帳の折畳シートの折畳状態を示す説明図である。
図9】(a)は実施の形態3に係るパッケージ製品としての情報収集帳のうち第1のカバーの構成例を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図、(c)は同情報収集帳のうち第2のカバーの構成例を示す説明図である。
図10】(a)は実施の形態3に係るパッケージの組立前の平面説明図、(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図、(c)は同パッケージの組立後の斜視説明図である。
図11】(a)は実施の形態3に係るパッケージ製品としての情報収集帳のうち折畳シートを折り畳んだ状態を示す説明図、(b)は(a)に示す情報収集帳において第1のカバーによる折畳シートの被覆状態を示す説明図である。
図12】(a)は実施の形態3に係るパッケージ製品としての情報収集帳の被収集物収集時における使用態様を示す説明図、(b)は(a)中B部分の拡大説明図である。
図13】(a)は実施の形態4に係るパッケージの組立前の平面説明図、(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図である。
図14】(a)は実施の形態4に係るパッケージから郵送対象物としての折畳シートを取り出す際の方法を示す説明図、(b)は開封後のパッケージ残部を折畳シートと一体化可能な付属品として利用したパッケージ製品としての情報収集帳の使用態様を示す説明図である。
図15】(a)は実施の形態4に係るパッケージ製品としての情報収集帳の折り畳み状態を示す説明図、(b)は同情報収集帳の展開状態を示す説明図である。
図16】実施の形態5に係るパッケージの組立前の展開状態を示す説明図である。
図17】(a)は実施例1に係るパッケージ製品としての情報収集帳(本例では御朱印帳)の外観を示す説明図、(b)は実施例2に係るパッケージ製品としての情報収集帳(本例では御朱印帳)の外観を示す説明図である。
図18】実施例1に係るパッケージ製品としての情報収集帳(本例では御朱印帳)の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用されたパッケージ製品の実施の形態の概要を示す。
同図において、パッケージ製品は、郵送対象物1と、当該郵送対象物1を収容するパッケージ2とを備えている。
ここで、パッケージ2の代表的態様は、図1(a)(b)に示すように、郵送対象物1の平面形状の大きさと同程度の略矩形状の表裏一対の被覆材3,4と、一対の被覆材3,4間に郵送対象物1が収容可能な空間部を確保するように一対の被覆材3,4の周辺全域を覆う周辺被覆帯5と、を備え、周辺被覆帯5は、一対の被覆材3,4の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部5aを有し、前記切取り被覆帯部5aを切り取ることで開封し、開封後のパッケージ残部を郵送対象物1とは別体又は開封後に一体化可能な付属品として利用するものである。
また、パッケージ2の別の代表的態様は、図1(a)(b)に示すように、郵送対象物1の平面形状の大きさと同程度以上の略矩形状の表裏一対の被覆材3,4と、一対の被覆材3,4間に郵送対象物1が収容可能な空間部を確保するように一対の被覆材3,4の周辺全域を覆う周辺被覆帯5と、を備え、周辺被覆帯5は、一対の被覆材3,4の周辺のうち少なくとも一辺に沿う領域と切取り可能に連接する切取り被覆帯部5aと、当該切取り被覆帯部5a以外の領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部5bとを有し、切取り被覆帯部5aを切り取ることで開封し、開封後のパッケージ残部を郵送対象物1とは別体又は一体化可能な付属品として利用するものである。
【0014】
このような技術的手段において、郵送対象物1としては、冊子、文庫、折畳式資料、綴じ資料など厚さの薄い扁平状のものを主に想定しているが、これに限られず、非扁平状のものも含む。
また、前者及び後者のパッケージ2の基本的構成については、パッケージ2材料は通常パッケージ2全体で共通したものが使用されるが、パッケージ2の特定の部分に異なる材料を使用してもよいことは勿論である。
また、パッケージ2を郵送する際には、パッケージ2のいずれかの面に郵送先などをラベル表示、印刷を利用して表記するようにすればよい。
更に、一対の被覆材3,4は、郵送対象物1を収容するためには郵送対象物1の平面形状の大きさと同程度以上であることを要する。
更にまた、周辺被覆帯5は一対の被覆材3,4の周辺全域を覆うものであればよいが、その幅方向寸法としては郵送対象物1が収容可能な空間部を確保するように選定すればよい。
そして、周辺被覆帯5としては、切取り被覆帯部5aは一対の被覆材3,4の少なくとも一辺に沿う領域に設けるようにすればよい。これは、切取り被覆帯部5aを切り取ることでパッケージ2を開封したときに、郵送対象物1を使用可能にするには、少なくとも一対の被覆材3,4の一辺に面した開口を要することによる。
また、切取り被覆帯部5aを切取り可能とする構造としては、ミシン目が代表的であるが、これ以外(例えばホチキス針等の止め具を外す手段)も含む趣旨である。
【0015】
ここで、前者のパッケージ2では、周辺被覆帯5が一対の被覆材3,4の周辺全域に亘って切取り被覆帯部5aである態様も含む。従って、開封後のパッケージ残部としては、周辺被覆帯5が全て切取り被覆帯部5aの場合には、一対の被覆材3,4が分離された状態で残存する。
但し、特許文献3のように、郵送対象物1が折り畳まれた資料である場合において、郵送時に一対の被覆材3,4が折り畳まれた資料の最上層、最下層に貼り付けられる態様は公知であるが、本願としては、「開封後のパッケージ残部を郵送対象物とは別体又は開封後に一体化可能な付属品として利用すること」を構成要件としていることから、特許文献3に示す態様とは異なる。本願では、例えばパッケージ残部である一対の被覆材3,4を郵送対象物1の表表紙、裏表紙として利用する場合には、開封された郵送対象物1に対して一対の被覆材3,4を貼り付けるようにすればよい。このとき、一対の被覆材3,4を表表紙、裏表紙とする場合、必要に応じてパッケージ2の内面を外面として配置し、表表紙、裏表紙の外観品質を維持することも可能である。
【0016】
一方、後者のパッケージ2では、周辺被覆帯5は、切取り被覆帯部5aに加えて、当該切取り被覆帯部5a以外の領域と切取り不能に連接する残存被覆帯部5bとを有する態様を前提とする。
本例は、パッケージ2の周辺被覆帯5の一部に残存被覆帯部5bを有するため、例えば一対の被覆材3,4の一辺に沿う切取り被覆帯部5aを切り取る場合には、一辺が開口したパッケージ2を郵送対象物1のケースとして利用することができ、また、一対の被覆材3,4の隣接する3辺に沿う切取り被覆帯部5aを切り取る場合には、一対の被覆材3,4を一辺に残った残存被覆帯部5bを背表紙とする外カバーとして利用することが可能である。尚、本例では、前者のパッケージ2と異なり、開封後のパッケージ残部を開封後に郵送対象物1と一体化可能な付属品として利用する態様に限られず、開封前から予め一体化される付属品として用いるようにしたものも含む。
【0017】
次に、本実施の形態に係るパッケージ2又はパッケージ製品の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、パッケージ2の代表的態様としては、一対の被覆材3,4及び周辺被覆帯5は一枚のパッケージシートを裁断して一対の被覆材3,4と周辺被覆帯5とが連接するように作製され、一対の被覆材3,4間を周辺被覆帯5にて被覆するように立体的に組立可能である態様が挙げられる。本例は、一枚のパッケージシートから一対の被覆材3,4を切り抜くに際し併せて周辺被覆帯5を確保するようにした態様である。
【0018】
更に、周辺被覆帯5の代表的態様としては、一対の被覆材3,4の周辺の一辺に共通の張り出し帯片6(本例では6c)を形成すると共に、他の辺の全部若しくは一部には個別の張り出し帯片6(本例では6a,6b,6d,6e,6f,6g)を形成し、張り出し帯片6と被覆材3,4との連接部を折曲可能にすると共に、個別の張り出し帯片6のうち相対向する部位に相互に存在するものについては相互に貼り合わせ、いずれか一方に存在するものについては対向する被覆材3又は4に貼り合わせて封止し、切取り被覆帯部5aについては被覆材3,4との境界部7に沿って切取り可能なミシン目8を形成する態様が挙げられる。本例は、一枚のパッケージシートから一対の被覆材3,4を切り抜くに際し併せて周辺被覆帯5を確保する上で採用される代表的な態様である。
ここで、共通な張り出し帯片6(6c)とは一対の被覆材3,4の対応する辺を繋ぐように張り出す帯片を指し、個別の張り出し帯片6(6a,6b,6d,6e,6f,6g)とは一対の被覆材3,4の辺から個別に張り出す帯片を指す。個別の張り出し帯片6が相対向する部位に相互に存在する態様では相互に貼り合わせて封止することで周辺被覆帯5を構成することから、それぞれの幅寸法は周辺被覆帯5として必要な幅寸法よりも短くても差し支えない。また、個別の張り出し帯片6がいずれか一方に存在する態様では対向する被覆材3又は4に貼り合わせて封止することで周辺被覆帯5を構成することから、その幅寸法は周辺被覆帯5として必要な幅寸法よりも貼り合わせのための寸法分だけ長くすることが必要である。
【0019】
更にまた、パッケージ材料及び切取り被覆帯部5aの好ましい態様としては、パッケージ2のうち少なくともミシン目8を含む領域はポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂又はこれらを主成分として含む合成シートを基材とし、切取り被覆帯部5aのミシン目8は0.3mm以下のカット長、0.2mm以下のノンカット長のマイクロミシン加工にて加工されている態様が挙げられる。本例は、パッケージ2のうち少なくともミシン目8を含む領域に特定のパッケージ材料を選定し、マイクロミシン加工を施した切取り被覆帯部5aについては、ミシン目8の方向には切り取り易く、ミシン目8に交差する方向の引張強度を高くすることができる。
【0020】
また、パッケージ製品の代表的態様としては、郵送対象物1がパッケージ2のうち切取り被覆帯部5aを切り取ることで得られる開口から分離して取出し可能であり、切取り被覆帯部5aを切り取ることで得られる開口付きのパッケージ2を郵送対象物1の収容器として使用する態様が挙げられる。本例は、パッケージ2から分離可能な郵送対象物1を収容したパッケージ製品である。例えば郵送対象物1として本、冊子などを容器構造のパッケージ2に収容して郵送することが可能である。
更に、パッケージ製品の別の代表的態様としては、パッケージ2から切取り被覆帯部5aを切り取った後のパッケージ残部が郵送対象物1の一部を兼用する態様が挙げられる。本例は、開封後のパッケージ2を郵送対象物1の一部として兼用するパッケージ製品である。例えば郵送対象物1として本、冊子を郵送するに際し、夫々の表表紙、裏表紙、背表紙をパッケージと兼用するようにしておけばよい。この場合、表裏一対の被覆材3,4の周辺のうち隣接する3辺に沿って切取り被覆帯部5aを形成し、この切取り被覆帯部5aのいずれかの面を利用して郵送先を表示するようにしてもよいし、あるいは、表表紙、裏表紙等に剥がし可能なラベルを付し、当該ラベルに郵送先を表示するようにしてもよい。
【0021】
更にまた、パッケージ製品の好ましい態様としては、パッケージ2から切取り被覆帯部5aを切り取った後のパッケージ残部のうち表裏一対の被覆材3,4の全部若しくは一部は、パッケージ2の内面側を外面側に露出させて郵送対象物1の付属品として利用される態様が挙げられる。本例は、開封後のパッケージ残部を郵送対象物1の付属品として利用するに当たって、一対の被覆材3,4の全部若しくは一部がパッケージ2の内面側を外面側に露出させて利用される態様である。本例では、仮に郵送時にパッケージ2の被覆材3,4の外面が損傷したり、当該外面に宛先ラベルを貼付したりしても、郵送後のパッケージ残部を郵送対象物1の付属品として使用するときには、被覆材3,4の外面の損傷などを隠すことができ、被覆材3,4の内面を外から視認可能な装飾面として機能させることが可能になる点で好ましい。
【0022】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係るパッケージの組立前の平面説明図、同図(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図である。尚、実施の形態1に係るパッケージは本発明に関連する参考の形態である。
本例において、郵送対象物Mとしては、例えば矩形状の書籍、手帳、冊子や、折畳み可能な地図、情報収集帳など郵送可能なものであれば広く含まれる。
−パッケージの基本構成−
また、本例におけるパッケージ20は、郵送対象物M(図3(a)参照)を収容するものであって、郵送対象物Mの平面形状に略対応した矩形状に形成された一方の被覆材としての第1のカバー21と、第1のカバー21に対向して配置され、第1のカバー21と同程度の大きさに形成された他方の被覆材としての第2のカバー22と、第1及び第2のカバー21,22間に郵送対象物Mが収容可能な空間部を確保するように両方のカバー21,22の周辺全域を覆うマチ面となる周辺被覆帯23と、を備えている。
【0023】
本例において、パッケージ20の素材としては適宜選定して差し支えないが、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂あるいは合成紙ユポ(登録商標)が使用されている。
そして、第1のカバー21は、その縦方向の一側辺に接続帯片30を介して第2のカバー22に連接されており、第1のカバー21と接続帯片30との境界部及び第2のカバー22と接続帯片30との境界部には折曲可能な折り目37が設けられている。更に、本例では、第1のカバー21の接続帯片30以外の3辺には接続帯片30の幅寸法と略同程度の幅寸法の細長い張り出し帯片31〜33が形成され、また、第2のカバー22の接続帯片30以外の3辺にも接続帯片30の幅寸法と略同程度の幅寸法の細長い張り出し帯片34〜36が形成され、各張り出し帯片31〜36の一部(本例では31,33,34,36)と第1のカバー21又は第2のカバー22との境界部には折曲可能な折り目37が形成される一方、各張り出し帯片31〜36の残部(本例では32,35)と第1のカバー21又は第2のカバー22との境界部には折曲可能な折り目に沿って切取り可能なミシン目38が形成されている。
尚、第1のカバー21のうち各張り出し帯片31〜33間に位置する各隅部及び第2のカバー22のうち各張り出し帯片34〜36間に位置する各隅部には曲面状の面取り部25が形成されている。
【0024】
ここで、ミシン目38については各張り出し帯片32,35の切取り後の第1のカバー21や第2のカバー22の周縁の平滑性を良好に保つ上でマイクロミシン加工にて加工されることが好ましい。
特に、本例では、パッケージ20の素材として、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂あるいは合成紙ユポ(登録商標)を使用することにしたので、マイクロミシン加工により例えば0.3mm以下のカット長、0.2mm以下のノンカット長のミシン目38を形成したとしても、各張り出し帯片32,35はミシン目38の方向に沿って容易に切り取ることは可能であるが、ミシン目38に沿って折り曲げたとしても、ミシン目38に沿う方向に対して交差する方向に作用する各張り出し帯片32,35の引っ張り荷重についてはある程度の強度が確保されることが確認されている。このため、第1のカバー21、第2のカバー22に張り出し帯片32,35を形成し、ミシン目38に沿って折り曲げたとしても、これらをミシン目38に沿って切り取る前であれば張り出し帯片32,35と第1のカバー21又は第2のカバー22との間の接続強度はある程度確保することは可能である。
【0025】
更に、本例では、第2のカバー22側に形成された張り出し帯片34〜36は第1のカバー21側に形成された張り出し帯片31〜33よりも各辺に沿う長さ寸法が長く形成されており、また、第2のカバー22の横方向の両側辺に沿って形成された張り出し帯片34,36の張り出し帯片35側には三角形状の接合片34a,36aがミシン目38を介して形成されている。
【0026】
−パッケージの組立方法−
次に、図2(a)に示す平面状に展開されたパッケージ20を郵送用の扁平な箱状容器に組み立てる場合について説明する。
今、図2(b)及び図3(a)に示すように、第1のカバー21の各張り出し帯片31〜33を折り目37又はミシン目38に沿って略直角に折り曲げ、しかる後に、第2のカバー22を接続帯片30の一方の折り目37に沿って略直角に折り曲げ、更に、第2のカバー22の各張り出し帯片34〜36を折り目37又はミシン目38に沿って略直角に折り曲げると共に、第2のカバー22の張り出し帯片34,36の接合片34a,36aに図示外の接着剤を塗布して張り出し帯片35の両端部に固着し、これにより、第2のカバー22の周辺に接続帯片30及び長手方向端部が相互に固着されて3辺に沿って連なる張り出し帯片34〜36からなる周辺囲い23cを形成するようにすればよい。
この状態において、パッケージ20は、図3(a)に示すように、第2のカバー22及び周辺囲い23c(張り出し帯片34〜36)からなる上方が開口した扁平な箱本体20aと、周辺囲い23cの一部を構成する接続帯片30に連接する第1のカバー21からなる蓋体20bとを有し、蓋体20bが箱本体20aに対して開放された状態に保たれている。
【0027】
−パッケージへの梱包方法−
このため、本実施の形態では、パッケージ20に郵送対象物Mを梱包する場合には、図3(a)に示す状態の開放されたパッケージ20の箱本体20aに郵送対象物Mを収納した後、図3(b)に示すように、蓋体20b(第1のカバー21に相当)の各張り出し帯片31〜33を折り目37又はミシン目38に沿って略直角に折り曲げると共に、箱本体20aの周辺囲い23cのうち張り出し帯片34〜36に対して各張り出し帯片31〜33を図示外の接着手段(例えば両面テープ等)を介して固着し、第1のカバー21と第2のカバー22との間にマチ面となる周辺被覆帯23としてのマチ面被覆帯部40〜43を形成し、これにより、扁平な箱状容器からなる閉じたパッケージ20を構築するようにすればよい。
ここで、マチ面被覆帯部40は接続帯片30からなり、マチ面被覆帯部41は張り出し帯片31,34を接着したものからなり、マチ面被覆帯部42は張り出し帯片32,35を接着したものからなり、マチ面被覆帯部43は張り出し帯片33,36を接着したものからなる。
この状態において、郵送対象物Mはパッケージ20内に梱包され、パッケージ20の外表面、例えば第1のカバー21又は第2のカバー22の外表面に郵送先が記載された宛名ラベル(図示外)を貼付することで、郵送可能なパッケージ製品Pが構築される。
尚、宛名ラベルはパッケージ20の外表面に貼付されたままでも差し支えないが、パッケージ20の後利用を考慮すれば、剥離可能な宛名ラベルを使用することが好ましい。
【0028】
−パッケージの開封方法−
郵送されたパッケージ製品Pを開封する場合には、図4(a)に示すように、第1のカバー21及び第2のカバー22に対してミシン目38を介して連接されているマチ面被覆帯部42(張り出し帯片32,35)をミシン目38に沿って切り取ることで、パッケージ20のうち当該マチ面被覆帯部42に対応した部位に開口部45を形成するようにすればよい。
この状態において、図4(b)に示すように、パッケージ20の開口部45から郵送対象物Mを取り出すようにすればよい。
ここで、パッケージ製品Pとしては郵送対象物Mを郵送する機能が既に消耗されることになるが、郵送対象物Mが取り出された後のパッケージ20は、例えば郵送対象物Mが書籍や冊子などである場合には、郵送対象物Mを保管する付属品として利用することが可能である。このとき、パッケージ20に剥離可能な宛名ラベル(図示せず)を使用していれば、宛名ラベルを剥離することでパッケージ20の外観品質を整備するようにしてもよいし、あるいは、パッケージ20内に付属品として利用する際に使用可能な表示ラベル(図示せず)を同封し、宛名ラベルを剥離した後、あるいは、宛名ラベルの上に貼付するようにしてもよい。
【0029】
◎実施の形態2
図5(a)は実施の形態2に係るパッケージの組立前の平面説明図、同図(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図である。
−パッケージの基本構成−
同図において、パッケージ20の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、第1のカバー21、第2のカバー22及び周辺被覆帯23を備えているが、周辺被覆帯23の構成が実施の形態1と異なっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、第1のカバー21は、実施の形態1と同様に、その縦方向の一側辺に接続帯片30を介して第2のカバー22に折り目37を介して連接されており、第1のカバー21の接続帯片30以外の3辺には張り出し帯片31〜33が、また、第2のカバー22の接続帯片30以外の3辺には張り出し帯片34〜36が夫々形成されている。
ここで、周辺被覆帯23は、実施の形態1と同様に、接続帯片30、第1のカバー21側に形成された張り出し帯片31〜33と第2のカバー22側に形成された張り出し帯片34〜36とを図示外の接着手段を介して固着することで、図6(a)に示すマチ面被覆帯部40〜43として形成したものであるが、実施の形態1と異なり、第1のカバー21、第2のカバー22と接続帯片30との境界部にのみ折り目37が形成され、第1のカバー21、第2のカバー22と各張り出し帯片31〜36との境界部にはいずれもミシン目38が形成されている。
【0030】
−パッケージの組立方法及びパッケージへの梱包方法−
本例において、パッケージ20の組立方法及び梱包方法については、基本的に実施の形態1と略同様に行い、図6(a)に示す郵送可能なパッケージ製品Pを構築するようにすればよい。
−パッケージの開封方法−
郵送されたパッケージ製品Pを開封する場合には、図6(a)に示すように、第1のカバー21及び第2のカバー22に対してミシン目38を介して連接されている周辺被覆帯23の3辺に沿うマチ面であるマチ面被覆帯部41〜43(張り出し帯片31〜36)をミシン目38に沿って切り取ることで、図6(b)に示すように、パッケージ20のうちマチ面被覆帯部40(接続帯片30に相当)以外の3辺に沿うマチ面被覆帯部41〜43に対応した部位に略C字状の開口部45を形成するようにすればよい。
この状態において、図6(b)に示すように、パッケージ20の第1のカバー21を接続帯片30を介して第2のカバー22から開放することで、パッケージ20から郵送対象物Mを取り出すようにすればよい。
【0031】
ここで、郵送対象物Mが取り出された後のパッケージ20は、例えば郵送対象物Mが書籍や冊子などである場合には、郵送対象物Mの外表面を覆う書籍カバー(又は冊子カバー)等の付属品として利用することが可能である。このとき、パッケージ20に剥離可能な宛名ラベル(図示せず)を使用していれば、宛名ラベルを剥離することでパッケージ20の外観品質を整備するようにしてもよいし、あるいは、パッケージ20の内表面に予め装飾を施すようにしておけば、パッケージ20を付属品として利用する場合に開封されたパッケージ20を裏返して使用し、宛名ラベル等が残ったままでも、パッケージ20の内表面の装飾を外側に露出させるようにしてもよく、この使用態様では、パッケージ20の宛名ラベルが残ったままでも、郵送対象物Mの付属品として利用するときに外観品質を損なう懸念もない。
【0032】
尚、本例では、周辺被覆帯23はパッケージ20のマチ面のうち3辺に沿うマチ面被覆帯部41〜43をミシン目38を介して切り取り可能に構成しているが、マチ面被覆帯部41〜43の全てを切り取らなくてはならないということではなく、これらの一部を切り取って開口部45を確保し、パッケージ20の開口部45から郵送対象物Mを取り出し、かつ、開封済みのパッケージ20を郵送対象物Mを保管する付属品として利用するようにしてもよい。また、本例では、マチ面被覆帯部40は折り目37を介して第1のカバー21、第2のカバー22に連接した態様になっているが、折り目37に代えてミシン目38を付すようにしても差し支えない。
【0033】
◎実施の形態3
図7は実施の形態3に係るパッケージ製品の郵送後の使用態様を示す説明図である。
本例におけるパッケージ製品Pは郵送後の使用態様が情報収集帳50であるものを示す。
−情報収集帳の全体構成−
本例でいう情報収集帳50は各種情報としての被収集物を複数収集する道具として広く用いられる。
ここで、被収集物としては、神社・仏閣の御朱印を始め、シール、カード、スタンプ、寄せ書き、サイン、色紙、絵手紙、スケッチ、七福神めぐり等が挙げられる。
本例において、情報収集帳50は、縦横複数の折り目62,63(図8(a)参照)を介して連接し、略矩形状の単位シート部61に折り畳まれる展開可能な折畳シート60と、折り畳まれた折畳シート60の最下層に位置する単位シート部61に図示外の接着手段(例えば両面テープや接着剤)を介して固着される第1の外装カバー70と、折り畳まれた折畳シート60の最上層に位置する単位シート部61に図示外の接着手段(例えば両面テープや接着剤)を介して固着される第2の外装カバー90と、を備えている。
【0034】
<折畳シート>
本例において、折畳シート60は、図7及び図8(a)に示すように、例えば3行×6列の略矩形状の単位シート部61を有しており、単位シート部61の大きさは対象となる被収集物に合わせて適宜選定して差し支えない。例えば被収集物が神社・仏閣の御朱印であれば御朱印の大きさを考慮して選定するようにすればよい。尚、単位シート部61の大きさについては必ずしも夫々の被収集物が収まる大きさに選定する必要はなく、複数の単位シート部61に跨がって夫々の被収集物を収集するようにしてもよいことは勿論である。
また、本例では、折畳シート60は、墨汁、朱印又はインクによる表示が滲み・裏移りし難い和紙にて構成されている。この種の和紙としては例えばスターパックB−S120g/mなどの特殊開発の高級和紙が最適であり、これにより、墨汁や朱印の速やかな吸収性に優れた、滲みや写り込みがないきれいな紙面を保つことが可能である。
【0035】
更に、折畳シート60の各単位シート部61は縦方向の折り目62及び横方向の折り目63を少なくとも2以上含んでいる。特に、本例では、折畳シート60の各折り目62,63はミウラ折り(登録商標)に則ったものになっており、展開された折畳シート60の縦方向の折り目62については、図8(a)の左側から奇数番目の折り目62が所謂谷折り(図中一点鎖線で示す)、偶数番目の折り目62が所謂山折り(図中太点線で示す)になっており、また、横方向の折り目63については、図8(a)の上側に位置する折り目63は左側から奇数番目の単位シート部61が所謂谷折り、偶数番目の単位シート部61が所謂山折りになっており、更に、図8(a)の下側に位置する折り目63は左側から奇数番目の単位シート部61が所謂山折り、偶数番目の単位シート部61が所謂谷折りになっている。
このため、本例では、折畳シート60は、図8(a)に示す展開状態(3行×6列の単位シート部61が展開した状態)から図8(b)に示す折畳状態に折り畳むことが可能になっている。
【0036】
<第1の外装カバー>
本例において、第1の外装カバー70は、図7及び図9(a)に示すように、折畳シート60の最下層に位置する単位シート部61(図7中左上隅部に位置する単位シート部61に相当)の裏側に固着されている。
ここで、第1の外装カバー70としては、図9(a)(b)に示すように、折畳シート60よりも曲げ剛性の高い素材からなるカバー基材(例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂あるいは合成紙ユポ(登録商標)など)81が用いられており、本例ではカバー基材81の少なくとも外側面の全部若しくは一部には高級和紙などの装飾材82が貼付されている。尚、カバー基材81の内側面に外側面と同じあるいは異なる装飾材82を貼付するようにしてもよいことは勿論である。また、カバー基材81の表面に装飾材82に代えて装飾画像を印刷するようにしてもよいことは勿論である。
【0037】
そして、第1の外装カバー70は、略矩形状のカバー本体71を有し、このカバー本体71の縦方向の一側辺には折曲部73を介して横方向に連接する略矩形状の延長部72を有している。尚、本例では、装飾材82等による装飾部は少なくとも延長部72のうち表面に露呈する部位に設けられていることが好ましい。
本例において、カバー本体71は、折畳シート60の単位シート部61の縦横の外径寸法よりも大きい外形寸法(x1,y1)を有している。更に、延長部72もカバー本体71と略同様な外形寸法(x1,y1)を有している。そして、折曲部73は、カバー本体71及び延長部72との隣接部位に形成された折曲線74を介して折曲可能になっており、折曲部73の幅寸法z1は折り畳まれた折畳シート60の厚さ及び第2の外装カバー90の厚さの合算値以上に選定されている。尚、カバー本体71及び延長部72のうち折曲部73から離れた側の各隅部には曲面状の面取り部75が形成されている。
【0038】
<第2の外装カバー>
第2の外装カバー90は、図7及び図9(c)に示すように、折畳シート60の最上層に位置する単位シート部61(図7中右下隅部に位置する単位シート部61に相当)の裏側に固着されている。
ここで、第2の外装カバー90としては第1の外装カバー70と同様な素材で構成されており、略矩形状のカバー本体91を有している。このカバー本体91は、折畳シート60の単位シート部61の縦横の外径寸法よりも大きい外形寸法(x2,y2)(本例ではx2=x1,y2=y1)を有している。尚、カバー本体91の各隅部には曲面状の面取り部95が形成されている。
【0039】
−パッケージ構成例−
本実施の形態において、第1の外装カバー70は、情報収集帳50として使用する前、それ自体で扁平な箱状容器構造のパッケージ20の構成要素として用いられ、パッケージ20を開封した後には情報収集帳50の一要素として使用される。
本例において、パッケージ20の基本的構成は、図10(a)〜(c)に示すように、実施の形態2のパッケージ20と略同様な構成要素(第1のカバー21、第2のカバー22及び周辺被覆帯23)を備えており、本例では、第1のカバー21が第1の外装カバー70のカバー本体71に相当し、第2のカバー22が第1の外装カバー70の延長部72に相当し、周辺被覆帯23の接続帯片30が第1の外装カバー70の折曲部73に相当する。そして、パッケージ20の組立前の展開状態では、第1のカバー21の接続帯片30以外の3辺には張り出し帯片31〜33が形成され、第2のカバー22の接続帯片30以外の3辺には張り出し帯片34〜36が形成され、更に、各張り出し帯片31〜36と第1のカバー21、第2のカバー22との境界部には折り曲げ可能で且つ境界線に沿って切り取り可能なマイクロミシン加工のミシン目38が形成されている。
尚、第1の外装カバー70をパッケージ20として使用する際には、第1の外装カバー70と折畳シート60とは非接着な状態に保たれる。
【0040】
−パッケージの組立方法−
本例において、パッケージ20の組立方法については、図10(b)に示すように、基本的に実施の形態2と略同様に行い、パッケージ20の蓋体20bが箱本体20aに対して開放された状態に保たれるようにすればよい。
−パッケージへの梱包方法−
そして、本例では、パッケージ20に郵送対象物Mとしての折畳シート60及び第2の外装カバー90を梱包する場合には、図10(b)に示す状態の開放されたパッケージ20の箱本体20aに郵送対象物Mを収納した後、蓋体20b(第1のカバー21に相当)の各張り出し帯片31〜33をミシン目38に沿って略直角に折り曲げると共に、箱本体20aの周辺囲い23cのうち張り出し帯片34〜36に対して各張り出し帯片31〜33を図示外の接着手段(例えば両面テープ等)を介して固着し、第1のカバー21と第2のカバー22との間にマチ面となる周辺被覆帯23としてのマチ面被覆帯部40〜43を形成し、これにより、扁平な箱状容器からなる閉じたパッケージ20を構築するようにすればよい。
尚、パッケージ20に梱包される折畳シート60及び第2の外装カバー90については予め接着固定されていてもよいし、あるいは、パッケージ20から取り出した後に両者を接着するようにしてもよい。
ここで、第1の外装カバー70はカバー基材81の外表面に装飾材82あるいは装飾画像を施した態様であるが、パッケージ20として使用する場合に装飾面が汚れないように、装飾面が内面になるように裏返して使用することが好ましい。また、第1の外装カバー70をパッケージ20として使用する場合にはカバー基材81のみの構成とし、情報収集帳50の第1の外装カバー70として使用する場合にカバー基材81に装飾材82等の装飾を後付けするようにしてもよい。
【0041】
−パッケージの開封方法−
郵送されたパッケージ製品Pを開封する場合には、実施の形態2と略同様に、第1のカバー21及び第2のカバー22に対してミシン目38を介して連接されている周辺被覆帯23の3辺に沿うマチ面であるマチ面被覆帯部41〜43(張り出し帯片31〜36)をミシン目38に沿って切り取ることで、パッケージ20のうちマチ面被覆帯部40(接続帯片30に相当)以外の3辺に沿うマチ面被覆帯部41〜43に対応した部位に略C字状の開口部45を形成し、パッケージ20の第1のカバー21を接続帯片30を介して第2のカバー22から開放することで、パッケージ20から郵送対象物Mとしての折畳シート60及び第2の外装カバー90を取り出すようにすればよい。
【0042】
−情報収集帳の使用方法−
<情報収集帳の使用準備>
本実施の形態では、パッケージ20開封後、郵送対象物Mとしての折畳シート60及び第2の外装カバー90を取り出した後、開封されたパッケージ20を第1の外装カバー70として使用し、折畳シート60の最下層に位置する単位シート部61に接着固定し、もし、第2の外装カバー90が折畳シート60と非接着であれば接着することで、情報収集帳50を使用可能な状態に準備するようにすればよい。
【0043】
<情報収集帳携帯時>
情報収集帳50を携帯する際には、図11(a)(b)に示すように、第1の外装カバー70及び第2の外装カバー90を把持して折畳シート60を折り畳み、しかる後、第1の外装カバー70の延長部72を折曲部73を介して第2の外装カバー90を覆う位置に折り曲げるようにすればよい。このとき、情報収集帳50では、折畳シート60が折畳状態で第1の外装カバー70、第2の外装カバー90に挟まれた状態で収容され、更に、第1の外装カバー70の延長部72が第2の外装カバー90を覆う位置に配置されている。本例では、第1の外装カバー70の延長部72のうち表面に露呈する部分は装飾材82等で覆われていることから、情報収集帳50の携帯時における外観品質は良好に保たれている。
【0044】
<情報収集帳使用時>
情報収集帳50を使用する際には、例えば図11(a)に示すように、第1の外装カバー70の延長部72を折曲部73を介して開放した後、図12(a)に示すように、第1の外装カバー70及び第2の外装カバー90を把持して折畳シート60を全部展開し、展開された折畳シート60の該当箇所(図12(a)中のC1〜C18のいずれか)に被収集物(例えば神社・仏閣の御朱印)を収集するようにすればよい。
このとき、折畳シート60を全部展開してもよいが、被収集物の収集作業スペースとして折畳シート60の全部を展開する必要がない場合には、折畳シート60の一部(例えば折畳シート60のC1〜C12までの一部の領域)を展開した後、該当箇所である例えばC5の単位シート部61に被収集物を収集するようにしてもよい。
【0045】
<情報収集帳展示時>
情報収集帳50に複数の被収集物を収集し終わった場合、収集した被収集物を壁面に飾ったり、額に入れてインテリアとして利用することで展示することが可能である。
このとき、図12(a)に示すように、折畳シート60を全部展開し、かつ、第1の外装カバー70の延長部72を折曲部73を介して折畳シート60の図中左上隅部に位置する単位シート部61(C16の領域)上に折り返し、当該折畳シート60全体を展開状態で保持することにより収集された被収集物を展示するようにすればよい。
このような使用態様においては、図12(a)に示すように、展開された情報収集帳50を略矩形状に収めることで展開状態の情報収集帳50を容易に保持することが可能であり、しかも、図12(a)(b)に示すように、第1の外装カバー70のうち折り返された延長部72の表面を露呈させることで、情報収集帳50の装飾材82のデザイン82a,82bや情報収集帳50の品名表示82cにて情報収集帳50の種別も合わせて表示することが可能である。
【0046】
本実施の形態では、情報収集帳50は折畳シート60を使用した態様が示されているが、これに限られるものではなく、枚葉状のシートを束ねた冊子を第1の外装カバー70及び第2の外装カバー90で覆うようにしてもよいことは勿論である。
【0047】
◎実施の形態4
図13(a)は実施の形態4に係るパッケージの組立前の平面説明図、同図(b)は同パッケージの組立前の斜視説明図である。尚、実施の形態4に係るパッケージは周辺被覆帯全体を切取り被覆帯部とした参考の形態である。
同図において、パッケージ20の基本的構成は、実施の形態2と略同様に、第1のカバー21、第2のカバー22及び周辺被覆帯23(マチ面被覆帯部40〜43)を備えているが、実施の形態2と異なり、マチ面被覆帯部40〜43と第1のカバー21、第2のカバー22との境界部にはいずれもミシン目38を形成し、第1のカバー21、第2のカバー22に対してマチ面被覆帯部40〜43をミシン目38を介して切り取り可能に連接した態様になっている。尚、実施の形態2と同様な構成要素については実施の形態2と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0048】
本実施の形態において、パッケージ製品Pは郵送後の使用態様が折畳情報帳であるものを示す。
ここでいう折畳情報帳100は、図15(a)(b)に示すように、縦横複数の折り目112,113を介して連接し、略矩形状の単位シート部111に折り畳まれる展開可能な折畳シート110と、折り畳まれた折畳シート110の最下層に位置する単位シート部111に図示外の接着手段(例えば両面テープや接着剤)を介して固着される裏カバー120(本例では第1のカバー21を使用)と、折り畳まれた折畳シート110の最上層に位置する単位シート部111に図示外の接着手段(例えば両面テープや接着剤)を介して固着される表カバー130(本例では第2のカバー22を使用)と、を備えている。
本例では、折畳シート110には各種目的の下で必要な情報が予め印刷等で記載されており、例えばミウラ折り(登録商標)にて展開可能に折り畳まれており、裏カバー120及び表カバー130は折畳シート110よりも曲げ剛性の高い素材からなるカバー基材(例えば厚紙やポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、合成紙ユポ(登録商標))にて構成されている。
【0049】
−パッケージの組立方法−
本例において、パッケージ20の組立方法については、図13(a)(b)に示すように、基本的に実施の形態2と略同様に行い、パッケージ20の蓋体20bが箱本体20aに対して開放された状態に保たれるようにすればよい。
−パッケージへの梱包方法−
本例では、パッケージ20に郵送対象物Mとしての折畳シート110を梱包する場合には、図13(b)に示す状態の開放されたパッケージ20の箱本体20aに郵送対象物Mを収納した後、箱本体20aを蓋体20b(第1のカバー21に相当)で閉じると共に第1のカバー21と第2のカバー22との間にマチ面となる周辺被覆帯23としてのマチ面被覆帯部40〜43を形成し、これにより、扁平な箱状容器からなる閉じたパッケージ20を構築するようにすればよい。
【0050】
−パッケージの開封方法−
郵送されたパッケージ製品Pを開封する場合には、図14(a)に示すように、第1のカバー21及び第2のカバー22に対してミシン目38を介して連接されている周辺被覆帯23の4辺に沿うマチ面であるマチ面被覆帯部40〜43をミシン目38に沿って切り取ることで、第1のカバー21及び第2のカバー22を分離すると共に、パッケージ20から郵送対象物Mとしての折畳シート110を取り出すようにすればよい。
【0051】
−折畳情報帳の使用方法−
本実施の形態では、パッケージ20開封後、郵送対象物Mとしての折畳シート110を取り出した後、図14(b)に示すように、折畳シート110の最下層及び最上層に位置する単位シート部111に、開封されたパッケージ20の第1のカバー21を裏カバー120として、また、第2のカバー22を表カバー130として接着剤140で接着固定し、折畳情報帳100を使用可能な状態に準備するようにすればよい。
尚、裏カバー120及び表カバー130の外側面については、パッケージ20として使用したときの第1のカバー21、第2のカバー22の内面を使用するようにすれば外観品質を良好に保つ上で好ましい。
ここで、折畳情報帳100を携帯する際には、図15(a)に示すように、裏カバー120及び表カバー130を把持して折畳シート110を折り畳み、コンパクトな状態に保持して携帯するようにすればよい。
一方、折畳情報帳100を使用する際には、例えば図15(b)に示すように、裏カバー120及び表カバー130を把持して折畳シート110を全部展開し、折畳シート110上の情報を読み取るようにすればよい。
【0052】
◎実施の形態5
図16は実施の形態5に係るパッケージの組立前の平面説明図である。尚、実施の形態5に係るパッケージは周辺被覆帯全体を切取り被覆帯部とした参考の形態である。
同図において、パッケージ20の基本的構成は、実施の形態4と略同様に、第1のカバー21、第2のカバー22及び周辺被覆帯23(マチ面被覆帯部40〜43)を備えているが、周辺被覆帯23が実施の形態4と異なる構成になっている。尚、実施の形態4と同様な構成要素については実施の形態4と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、周辺被覆帯23は、第1のカバー21と第2のカバー22とを接続する接続帯片30をミシン目38を介して設け、第1のカバー21の周辺のうち接続帯片30に対向した箇所に張り出し帯片32をミシン目38を介して設ける一方、第2のカバー22の接続帯片30以外の3辺には張り出し帯片34〜36をミシン目38を介して設けると共に、張り出し帯片34,36の外周縁にはミシン目38を介して固定用帯片134,136を設けたものである。
尚、接続帯片30の長手方向両側及び張り出し帯片35の長手方向両側には接合片30a,34aが折り目37を介して設けられている。
【0053】
本実施の形態では、パッケージ20を組み立てる場合には、第1のカバー21の張り出し帯片32をミシン目38に沿って略直角に折り曲げ、しかる後に、第2のカバー22を接続帯片30の一方のミシン目38に沿って略直角に折り曲げ、更に、第2のカバー22の各張り出し帯片34〜36をミシン目38に沿って略直角に折り曲げると共に、第2のカバー22の張り出し帯片35の接合片34a及び接続帯片30の接合片30aをミシン目38を介して折り曲げて図示外の接着剤を塗布して張り出し帯片34,36の両端部に固着し、これにより、第2のカバー22の周辺に接続帯片30及び長手方向端部が相互に固着されて3辺に沿って連なる張り出し帯片34〜36からなる周辺囲い23cを形成するようにすればよい。
この後、開放状態のパッケージ20に図示外の郵送対象物を梱包する場合には、第1のカバー21の張り出し帯片32と第2のカバー22の張り出し帯片35とを接着固定すると共に、固定用帯片134,136を略直角に折り曲げた状態で第1のカバー21の張り出し帯片32のない2辺の縁部に接着固定するようにすればよい。
【実施例】
【0054】
◎実施例1
図17(a)は実施例1に係る情報収集帳としての御朱印帳の携帯時における外観を示す。
実施例1に係る御朱印帳は実施の形態3に係る情報収集帳を具現化したもので、図18に示すように、折畳シートを展開した各単位シート部に神社・仏閣の各御朱印を収集するものである。尚、図18に示すように、この御朱印帳を展示する場合には、第1のカバーの延長部を折畳シートの図中左上隅部に位置する単位シート部上に折り返して配置することで、展示したものが御朱印帳であるという種別や、カバーのデザインを楽しんでもらうようにすることが可能である。
【0055】
◎実施例2
図17(b)は実施例2に係る情報収集帳としての御朱印帳の携帯時の外観を示す。
本例は、第1のカバーの延長部の外観が実施例1と異なるものであるが、装飾材としてユーザの好みに合わせた高級和紙を使用したり、装飾画像を印刷することで御朱印帳のデザインを存分に楽しむことも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…郵送対象物,2…パッケージ,3,4…被覆材,5…周辺被覆帯,5a…切取り被覆帯部,5b…残存被覆帯部,6(6a〜6g)…張り出し帯片,7…境界部,8…ミシン目
図1
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