【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の主題の第一態様によれば、前方から後方への方向を画定しその周りを回転切削工具が回転方向に回転可能な工具長手軸を有する、回転切削工具が提供され、該回転切削工具は、
工具長手軸に沿って円周形に延び、工具ホルダのホルダ前端でホルダ前面との境界を形成するホルダ周面、および
工具ホルダに可動に取り付けられ、付勢部分を包含する付勢部材を含む調整機作、
を含む、該工具ホルダと、
ホルダ前端で工具ホルダに着脱可能に取り付けられた工具本体であって、該工具本体は、
相反対側の本体前面および背面、ならびにその間に延びる本体周面、および
各々が本体周面に配置されたインサートポケットを含む、角度を取って相隔てられた複数の切削部分であって、該複数の切削部分は調整可能切削部分を含む、該切削部分、
を含み、
この調整可能切削部分は、非屈曲位置と屈曲位置との間で調整可能であり、
屈曲位置において、調整可能切削部分は、付勢部分との付勢係合によって前方方向に弾性変形される、
該工具本体と、
を含む。
【0007】
本出願の主題の第二態様によれば、前方から後方への方向を画定しその周りを回転切削工具が回転方向に回転可能な工具長手軸を有する、回転切削工具が提供され、該回転切削工具は、
ホルダ長手軸を有する工具ホルダと、
本体中央軸を有する工具本体であって、該工具本体は、本体中央軸およびホルダ長手軸と工具長手軸とを合致させて工具ホルダの前方端に脱着可能に取り付けられる、該工具本体と、
工具本体に搭載された少なくとも1つの切削インサートと、
工具ホルダに枢支搭載され、工具本体上に搭載された少なくとも1つの切削インサートの軸方向位置を調整するように構成されたレバーと、
を含む。
【0008】
当然のことながら前述は要約であり、以降に説明する特徴が、任意の組み合せで本出願の主題に適用でき、例えば、以下の特徴の何れもこの回転切削工具に適用が可能である。
【0009】
非屈曲位置において、調整可能切削部分の位置にある本体背面は、工具長手軸に垂直な本体面を画定し、
屈曲位置において、付勢部分は、本体面よりもさらに軸方向前方に延びることができる。
【0010】
調整可能切削部分は、少なくとも本体の前面と背面とに開口する弾性陥凹部を含むことが可能である。
【0011】
この弾性陥凹部は本体周面に開口することができる。
【0012】
該弾性陥凹部は、本体周面の調整可能切削部分のインサートポケットの回転方向前方部分に開口が可能である。
【0013】
回転切削工具の前面図では、弾性陥凹部は半径方向に延びることができる。
【0014】
ホルダ前面は、ホルダの当接面を含むことが可能であり、
ホルダ前面は、その中に陥凹された少なくとも1つのホルダネジ孔を含むことが可能であり、
工具本体は、本体前面と背面とに開口する少なくとも1つの本体貫通孔を含むことが可能であり、
保持ネジが、各本体貫通孔中に配置され、それぞれのホルダネジ孔中にネジ受けされることが可能であり、
ホルダの当接面は、本体背面の一部に当接することが可能である。
【0015】
複数の切削部分は、非屈曲位置と屈曲位置との間で調整可能でない調整不能切削部分をさらに含んでよく、
各本体貫通孔は、それぞれの調整不能切削部分に配置することができる。
【0016】
付勢部材は、工具ホルダに枢動可能に取り付けられたレバーとすることが可能である。
【0017】
レバーは、レバー作動部分、および付勢部分とレバー作動部分との間に位置するレバー中間部分を含むことができ、
このレバー中間部分は、工具ホルダ上の少なくとも1つの支点面に枢支搭載された少なくとも1つのレバーの旋回面を含むことができ、
該レバーは、レバー作動部分に作動力を加えることによってレバーが旋回軸周りに枢動されると、付勢部分が調整可能切削部分と付勢係合するように構成することができる。
【0018】
該少なくとも1つのレバーの旋回面は、円筒軸を有する想像上の円筒表面の部分に横たわることが可能であり、
旋回軸とこの円筒軸とを合致させることが可能である。
【0019】
調整機作は、工具ホルダ中に陥凹されたレバーチャネルをさらに含むことが可能で、このレバーチャネルは、2つの相反対側のレバーチャネル側面およびその間に延びるレバーチャネル中央面を含み、
少なくとも1つの支点面はレバーチャネル中に配置することが可能である。
【0020】
この調整機作は、作動されるとレバーを枢動するように構成が可能な作動部材をさらに含むことができる。
【0021】
この作動部材は作動ネジとすればよい。
【0022】
該レバーは、レバーの上面と底面との間に抜けるレバー貫通孔を含むことが可能である。
【0023】
レバーチャネル中央面は、その中に陥凹された軸方向に向いたチャネルネジ孔を含むことができ、
屈曲位置において、作動ネジはレバー貫通孔中に配置され、チャネルネジ孔中にネジ係合され、これによりレバーの枢動を誘発することが可能である。
【0024】
工具本体は、作動ネジへのアクセスのため、本体前面と背面とに開口するアクセス貫通孔を含むことが可能である。
【0025】
アクセス貫通孔は、作動ネジを回転できるように配列することができる。
【0026】
レバーはレバーネジ孔を含むことができ、
作動ネジは、一端にネジ接触面を含み、
屈曲位置において、作動ネジはレバーネジ孔中にネジ係合され、ネジ接触面がレバーチャネル中央面を押し付け、これによりレバーの枢動を誘発する。
【0027】
レバーチャネルはホルダ前表面に陥凹することができる。
【0028】
このレバーチャネルはホルダの周面に開口することもできる。
【0029】
このレバーは、2つの相反対側のレバー端面、およびその間に延びるレバー周面を含むことができ、レバー周面は、相反対側のレバー上面および底面と、これらレバー上面および底面をつなぐ2つの相反対側のレバー側面とを含むことが可能であり、
レバー底面は、該2つのレバー側面の間を横断方向に延びることが可能なレバー突出部を含むことができ、
該レバーは、レバー突出部上に配置が可能な、きっかり1つのレバー旋回面を含むことができ、
レバーチャネルは、レバーチャネル中央面中に陥凹され、2つのレバーチャネル側面の間を横断方向に延びることが可能な、チャネル溝を含むことができ、
該レバーチャネルは、チャネル溝中に配置されたきっかり1つの支点面を含むことができる。
【0030】
レバーチャネルは、半径方向に延びることが可能である。
【0031】
レバーチャネルは、ホルダ周面中に陥凹することが可能で、ホルダ前面に開口することができる。
【0032】
該レバーは、2つの相反対側のレバー端面、およびその間に延びるレバー周面を含むことができ、レバー周面は相反対側のレバー上面および底面と、これらレバー上面および底面をつなぐ2つの相反対側のレバー側面を含むことができ、
レバーは、レバー端面の1つに隣接する2つの相反対側のレバー側面からそれぞれ外に延びる2つのレバーアームを含むことができ、
レバーは、1つずつが各レバーアームに配置された、きっかり2つのレバー旋回面を含むことができ、
レバーチャネルは、それぞれが2つの相反対側のレバーチャネル側面から外に延びてホルダ前面に開口する2つのチャネル溝を含むことができ、
レバーチャネルは、1つずつ各チャネル溝に配置されたきっかり2つの支点面を含むことができる。
【0033】
レバーチャネルは、半径方向に延びることが可能である。
【0034】
屈曲位置において、レバーは、ホルダ周面を超えて半径外部方向に延びることはできない。
【0035】
回転切削工具の側面図では、
レバー作動部分はレバー幅を有することができ、
レバーチャネルの中間部分はレバーチャネル幅を有することができ、
このレバーチャネル幅はレバー幅よりも小さくすることできる。
【0036】
本調整機作は、工具ホルダに着脱可能に取り付けられた径方向阻止部材を含むことが可能であり、
レバーは、その一端にカットアウトを含むことが可能であり、
径方向阻止部材は、レバーが半径外側方向に変位されたとき、該径方向阻止部材が、レバーの通り抜けをカットアウトで遮るように構成することが可能である。
【0037】
工具本体はディスク形状にすればよい。
【0038】
本回転切削工具は溝フライスであってよい。
【0039】
複数の切削部分は、非屈曲位置と屈曲位置との間で調整可能でない調整不能切削部分をさらに含んでよい。
【0040】
これら複数の切削部分は、複数の調整可能切削部分と複数の調整不能切削部分とを含むことができ、
本回転切削工具は、複数の調整機作を含むことができ、
複数の調整可能切削部分と複数の調整不能切削部分とは本体周面に沿って交互に配置することができる。
【0041】
各調整可能切削部分のインサートポケットは、本体前面に横向きに開口させることが可能で、各調整不能切削部分のインサートポケットも、本体背面に横向きに開口させることが可能である。
【0042】
工具本体は、表裏逆向きに用いることができる。
【0043】
レバーは、付勢部分、レバー作動部分、およびその間に位置するレバー中間部分を含むことができ、
このレバー中間部分は、工具ホルダ上の少なくとも1つの支点面に枢支搭載された少なくとも1つのレバーの旋回面を含むことができ、
該レバーは、レバー作動部分に作動力を加えることによってレバーが旋回軸周りに枢動されると、付勢部分が工具本体の一部と付勢係合するように構成することができる。
【0044】
工具ホルダは、工具長手軸に沿って円周形に延び、工具ホルダのホルダ前端でホルダ前面との境界を形成するホルダ周面を含むことが可能であり、
本回転切削工具は、ホルダの前面で工具ホルダ中に陥凹されたレバーチャネルをさらに含むことが可能で、該レバーチャネルは、2つの相反対側のレバーチャネル側面とこの間に延びるレバーチャネル中央面とを含み、
該少なくとも1つの支点面はこのレバーチャネル中に配置することが可能である。
【0045】
本出願のより良い理解のため、およびそれがどのように実用面で実行できるかを示すために、以降において添付の図面を参照することとする。