(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802257
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】ツイストロック型アクセサリを有するコンベヤベルトおよびモジュール
(51)【国際特許分類】
B65G 17/30 20060101AFI20201207BHJP
B65G 17/08 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
B65G17/30 Z
B65G17/08
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-506096(P2018-506096)
(86)(22)【出願日】2016年8月8日
(65)【公表番号】特表2018-526299(P2018-526299A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】US2016045954
(87)【国際公開番号】WO2017039958
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年6月25日
(31)【優先権主張番号】14/841,907
(32)【優先日】2015年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ボーグル,デイビッド ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】リジェル,テラル,エー.
(72)【発明者】
【氏名】カンシエンヌ,ジュニア,ウォーレン,イー.
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05899322(US,A)
【文献】
特開2015−011962(JP,A)
【文献】
特開2003−054723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00
F16D 1/00
F16D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトモジュールにおいて、前記コンベヤベルトモジュールが、
モジュール本体であって、
第1の面および反対側の第2の面と、
前記第1の面にソケットの開口部を画定する壁と、
前記第1の面側の前記ソケットの開口部における前記ソケットの周りのリムであって、レッジを形成するリムとを具えるモジュール本体と、
アクセサリであって、
前記モジュール本体の第1の面から前記ソケットと嵌合するように寸法決めされたプラグであって、軸の周りに第1の端部と第2の端部との間に外面を有するプラグと、
前記プラグの前記第1の端部から外向きに延在する付属器とを具えるアクセサリと、
前記プラグおよび前記壁の上に第1の協働構造によって形成されたガイド機構であって、前記プラグがツイスト角だけ回転されるときに、前記プラグを前記ソケット内に完全に挿入されてロックされた位置へとガイドするガイド機構と、
前記プラグおよび前記レッジの上に第2の協働構造によって形成されたロック機構であって、前記プラグを前記ソケット内に完全に挿入されてロックされた位置で固定するロック機構と、を具え、
前記プラグ上の第2の協働構造が、前記プラグ上の第1の協働構造とは異なるものであることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ガイド機構の前記第1の協働構造が、
(a1)前記プラグの外面に形成されており、前記プラグの前記第2の端部の入口から前記第1の端部に向かって外面の周りに延在する凹状軌道と、
(b1)前記モジュール本体の壁から前記ソケット内へと半径方向内側に延在する突起と、を具えるか、または、
(a2)前記モジュール本体の壁に形成されており、前記モジュール本体の前記第1の面の入口から前記第2の面に向かって前記壁の周りに延在する凹状軌道と、
(b2)前記プラグの外面から半径方向外側に延在する突起と、
を具えることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項3】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ガイド機構の前記第1の協働構造が、
(a1)前記モジュール本体の壁から前記ソケット内へと半径方向内側に延在する突出部と、
(b1)前記プラグの外面に形成されたくの字形スロットであって、前記くの字形スロットが、前記プラグの前記第2の端部の入口から終端部分へと前記第1の端部に向かって延在する頭部分を有し、前記終端部分が、前記入口に対して円周方向にオフセットした盲端まで延在する、くの字形のスロットと、を具えるか、または、
(a2)前記プラグの外面から半径方向外側に延在する突出部と、
(b2)前記モジュール本体の壁に形成されたくの字形スロットであって、前記くの字形スロットが、前記モジュール本体の前記第1の面の入口から終端部分へと前記第2の面に向かって延在する頭部分を有し、前記終端部分が、前記入口に対して円周方向にオフセットした盲端まで延在する、くの字形のスロットと、を具えており、
前記スロットの頭部分への入口を前記突出部と整列させ、前記突出部が前記頭部分に受け入れられた状態で、前記突出部が前記スロットの終端部分に受け入れられるまで、前記プラグを前記ソケット内へと深く押し込み、その後、前記突出部が完全に挿入およびロックされて前記スロットの終端部分の前記盲端に位置するように、前記軸を中心に前記プラグを前記ツイスト角だけ回転させることによって、前記プラグが前記ソケット内に挿入されることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ロック機構の前記第2の協働構造が、前記プラグの前記第1の端部における前記外面から半径方向外側にかつ前記第2の端部に向けて下方に延在するタブと、前記プラグが前記ソケットに完全に挿入されるときに前記タブと係合する前記レッジ上の戻り止めであって、前記タブに対して、完全に挿入されてロックされた位置と、前記アクセサリを前記モジュール本体から取り外すことができるように、突出部がスロットの入口と整列しているロック解除位置との2つの位置を提供する戻り止めと、を具えることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記戻り止めが、隆起によって隔てられた第1の窪みおよび第2の窪みを前記レッジに含み、前記隆起が、前記第1の窪みから延びる傾斜面と、前記傾斜面から前記第2の窪みへと延びる急勾配面とを有することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ロック機構の前記第2の協働構造が、前記レッジから上方に延在するタブと、前記プラグが前記ソケット内に完全に挿入されるときに前記タブと係合する、前記プラグの前記第1の端部にある戻り止めであって、前記タブに対して、完全に挿入されてロックされた位置と、前記アクセサリを前記モジュール本体から取り外すことができるように、突出部がスロットの入口と整列しているロック解除位置との2つの位置を提供する戻り止めと、を具えることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記戻り止めが、隆起によって隔てられた第1の窪みおよび第2の窪みを前記プラグの前記第1の端部に含み、前記隆起が、前記第1の窪みから延びる傾斜面と、前記傾斜面から前記第2の窪みへと延びる急勾配面とを有することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項8】
請求項3に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記アクセサリがさらに、前記終端部分の端部に対して前記突出部を固定するために、前記スロットの終端部分に戻り止めを具えることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項9】
請求項3に記載のコンベヤベルトモジュールがさらに、複数の突出部および複数のくの字形スロットを具えることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項10】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記アクセサリがさらに、前記プラグの前記第1の端部にベースを具えており、前記ソケット内に前記プラグが完全に挿入されてロックされたとき、前記ベースが前記リム上にあることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項11】
請求項2に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記凹状軌道が、螺旋状の雌ねじを具え、突出部が、螺旋状の雄ねじの山を具えることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項12】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ソケットが、前記第2の面上で開口しており、前記プラグが前記ソケット内に完全に挿入されてロックされた位置にあるとき、前記プラグの前記第2の端部が、前記第2の面と同一平面上にあることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項13】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ソケットが、前記モジュール本体の側縁部に配置されることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項14】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記モジュール本体が、ベルトの移動方向における第1端部および第2端部を有し、かつヒンジロッドを収容するために前記第1端部に沿ってヒンジアイを具えており、前記アクセサリが、前記プラグの外面に形成された凹部を具えており、前記プラグが完全に挿入されてロックされたときに、前記凹部が前記ヒンジアイと整列し、前記ヒンジロッドの端部を受け入れることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項15】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記プラグの外面および前記ソケットの境界を定める壁が、円筒を規定することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項16】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記付属器がサイドガードであることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項17】
コンベヤベルトにおいて、前記コンベヤベルトが、
前記コンベヤベルトの厚さを画定する第1の面および反対側の第2の面と、
前記コンベヤベルトの第1の面上の壁の開口部によってそれぞれ境界が定められた複数のソケットであって、円筒形の前記壁から前記ソケット内に延在する突出部を有するソケットと、
前記コンベヤベルトの第1の面側の前記ソケットの開口部における前記ソケットの周りのリムであって、レッジを形成するリムと、
複数のアクセサリであって、前記コンベヤベルトの第1の面から前記ソケットと嵌合するように寸法決めされたプラグであって、第1の端部と第2の端部との間に外面を有するプラグと、前記プラグの前記第1の端部から外向きに延在する付属器とをそれぞれが具える複数のアクセサリと、
前記アクセサリと前記ソケットのそれぞれに付随し、前記プラグおよび前記壁の上に第1の協働構造によって形成されたガイド機構であって、前記プラグがツイスト角だけ回転されるときに、前記プラグを前記ソケットに完全に挿入されてロックされた位置へとガイドするガイド機構と、
前記アクセサリおよび前記ソケットのそれぞれに付随し、前記プラグおよび前記レッジの上に第2の協働構造によって形成されたロック機構であって、前記プラグを前記ソケット内に完全に挿入されてロックされた位置で固定するロック機構と、を具え、
前記プラグ上の第2の協働構造が、前記プラグ上の第1の協働構造とは異なるものであることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項18】
請求項17に記載のコンベヤベルトにおいて、前記付属器がサイドガードであることを特徴とするコンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に動力駆動コンベヤに関し、より詳細には着脱可能なアクセサリを具えるコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
汎用性、交換性または製造性を目的として、コンベヤベルトは、ベルトに着脱可能なアクセサリを含むことが多い。サイドガード、押さえタブ、フライト、ローラアッセンブリなどがその例として含まれる。モジュラー式のコンベヤベルトのアクセサリは、ヒンジロッドによって保持されることが多く、ヒンジロッドは、ヒンジジョイントでベルトモジュールを相互に連結するために使用される。その場合、アクセサリの取り付けまたは取り外しには、ベルトの部分的な分解が必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトモジュールは、モジュール本体およびアクセサリを具える。モジュール本体は、第1の面と、対向する第2の面と、第1の面上のソケット開口部につながる壁とを具える。アクセサリは、ソケットと嵌合する大きさのプラグを具える。プラグは、軸を中心に第1の端部と第2の端部との間に外面を有する。付属器が、プラグの第1の端部から外側に延在する。ガイド機構が、プラグおよび壁上に第1の協働構造によって形成されており、プラグがツイスト角を通して回転させられるとき、ソケットに完全に挿入され、ロックされた位置へとプラグをガイドする。ロック機構は、プラグおよび壁上に第2の協働構造によって形成されており、完全に挿入され、ロックされた位置でプラグをソケットに固定する。
【0004】
別の態様において、本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトは、コンベヤベルトの厚さを規定する第1の面および対向する第2の面と、複数のソケットとを具える。各ソケットは、コンベヤベルトの第1の面に開口する壁によって境界が定められている。突出部が円筒形の壁からソケット内に延在している。複数のアクセサリは、それぞれが第1の端部と第2の端部との間に外面を有するプラグを具えており、それらのプラグは、ソケットと嵌合する大きさになっている。付属器が、各アクセサリのプラグの第1の端部から外側に延在している。アクセサリおよびソケットのそれぞれに関連するガイド機構が、プラグおよび壁上に第1の協働構造によって形成されており、プラグがツイスト角を通して回転させられるとき、ソケットに完全に挿入され、ロックされた位置へとプラグをガイドする。アクセサリおよびソケットのそれぞれに関連するロック機構は、プラグおよび壁上に第2の協働構造によって形成されており、完全に挿入され、ロックされた位置でプラグをソケットに固定する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本発明の特徴を具現化したコンベヤベルトモジュールの一部分およびプラグイン式サイドガードの分解図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンベヤベルトモジュールの側縁部の拡大図である。
【
図4】
図4Aおよび
図4Bは、
図1のコンベヤベルトモジュールの側縁部の平面図であり、ロック解除位置とロック位置におけるサイドガードを示している。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、
図1のコンベヤベルトモジュールの不等角投影図であり、モジュールを斜め下および斜め上から見たものである。
【
図6】
図6は、
図1のベルトモジュールから構成されたコンベヤベルトの一部分の平面図である。
【
図7】
図7Aは、サイドガードのようなアクセサリのプラグ部分の別の形態の不等角投影図であり、
図7Bは、コンベヤベルトモジュールの嵌合ソケット部分の不等角投影図である。
【
図8】
図8Aは、アクセサリのプラグ部分のさらに別の形態の不等角投影図であり、
図8Bは、コンベヤベルトモジュールの嵌合ソケット部分の不等角投影図である。
【
図9】
図9Aは、ねじ付きの形態のアクセサリのプラグ部分の不等角投影図であり、
図9Bは、コンベヤベルトモジュールのプラグ部分と嵌合するねじ付きのソケット部分の不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトモジュールおよびアクセサリの一部を
図1に示す。モジュール10は、モジュール本体12を具えており、このモジュール本体12は、上面14、当該本体の厚さを挟んで反対側にある下面15とを有する。モジュール本体12のソケット16は、モジュール本体の上面14と下面15に開口している。この実施例においては、サイドガードであるアクセサリ18が、モジュール本体12のソケット16内に差し込んで嵌合するよう寸法決めされたプラグ20を具える。
【0007】
ソケット16は、
図2により詳細に示すように、壁22によって境界が定められており、この例においては、円筒形の壁として示されている。しかしながら、この壁は、例えば多角形のような別の形状にすることができる。突出部24は、壁22から半径方向外向きにソケット16内へと延在する。この実施例では、ソケット16は、モジュール本体12の上面14の下に僅かに凹んだリム26を具える。リム26は、2つの戻り止め28がソケット16を挟んで直径方向に互いに対向するように形成されたレッジを形成する。この実施例では、ソケット16は、モジュール10の側縁部30に配置されている。
【0008】
図3Aおよび
図3Bに示すように、アクセサリ18は、円形のベース34から直立するサイドガード付属器32を具える。プラグ20は、ベース34から下方へと、付属器32から離れる方向に延在している。ベース34は、円筒形プラグ20よりも大きな直径を具える。プラグ20は、平坦な下部36を一端に持つ。タブ38のような突起は、プラグ20からその上端37で半径方向外向きに、かつベース34から下方へと延在している。タブ38は、モジュール本体12における戻り止め28(
図2)と噛み合い、アクセサリ18を定位置に固定する。したがって、プラグ構造(タブ38)およびソケット壁構造(戻り止め28)は、協働して、ソケット16内に完全に挿入されたプラグ20を固定するためのロック機構を形成する。プラグ20は、この例においては円筒形の外面40を有しており、ソケット16の形状と嵌合する。スロット42は、外面40内に凹んでいる。
スロット42は、プラグ20の下部36の入口45から上部37に向かって延在する頭部分44を有する。スロット42の頭部分44は、より広い終端部分46へと開口しており、当該終端部分46は、スロット42への入口45から円周方向にオフセットされた盲端48まで延在する。2つの部分44、46は、くの字形に形成されており、この例においては、90°のくの字を形成する。スロット42の反対側にある、プラグ20の外面40の凹部50は、ベルトモジュールを隣接するベルトモジュールに連結するヒンジロッドの端部を収容する。
【0009】
プラグおよびベルトモジュールに関連する用語「上部」および「下部」は、特定の空間的な方向に限定されることを意味するものではない。これらの用語は、本発明の特徴を説明するのを助けるため、図面の向きに関連して使用されている。プラグ20に関連する場合、用語「上部」は、付属器32が取り付けられているプラグの側のことを意味する。用語「下部」は、用語「上部」の反対側を意味する。ベルトモジュールに関連する場合、用語「上部」は、モジュールの通常の物品搬送側を意味し、用語「下部」はその反対側を意味する。
【0010】
図1に示すように、プラグ20とそれに嵌合するソケット16により、モジュール10の平面に垂直なツイスト軸52を中心に、アクセサリ18をロック位置へと回転させるか、またはひねることができる。先ず、突出部24とスロット42の入口45とを縦方向に整列させる。次に、プラグ20をソケット16に挿入する。突出部24は、入口45およびスロット42の頭部分を通って、当該突出部がスロットのより広い終端部分に受け入れられるまで進む。プラグ20が完全に挿入されると、タブ38(
図3A)が戻り止め28(
図2)における第1の窪み57に受け入れられる。この位置は、プラグ20のロック解除位置である。次に、突出部24がスロット42の終端部分の盲端に達するまで、矢印54が示す向きにアクセサリ18を回転する。プラグ構造(突出部24)およびソケット壁構造(スロット42)は協働して、ソケット16に対してプラグ20を挿入および抜去する際にプラグ20をガイドするガイド機構を形成する。プラグ20が回転すると、タブ38は、戻り止め28の傾斜面56(
図2)に乗り上げて隆起55に向かう。スロットおよび戻り止めは、突出部およびタブをガイドするのを助ける。突出部24がスロット42の端部に達すると、タブ38は、隆起55から第2の窪み58(
図2)へと降りて、モジュール本体12における所定の位置にプラグ20を固定する。スロット42および戻り止め28が
図1および
図2に示すように寸法決めされている場合、
図4Aにおけるロック解除位置から
図4Bにおける完全に挿入されたロック位置へと、モジュール本体12において約30°のツイスト角だけでアクセサリ18をひねる必要がある。
【0011】
図5Aに示すように、アクセサリ18がロック位置にあるとき、ベース34は、凹んだリム26上に位置する。ベース34は、モジュール本体12の上面14と同一平面上にある。
図5Aは、戻り止め28の固定用の窪み58内にあるタブ38の1つをさらに示している。アクセサリが固定されると、スロット、突出部、タブおよび戻り止めの相対的な位置(配置)により、付属器が確実に位置合わせされる。
図5Bに示すように、完全に挿入されてロックされたプラグ20の下部36は、モジュール本体12の下面15と同一平面上にある。アクセサリ18は、プラグ20を
図1に示された矢印54と反対の方向にひねるか、または回すことにより取り外すことができる。タブ38は、隆起55の急勾配のブロック面60(
図2)を傾斜面56の頂点まで登り、アクセサリ18のロックを解除する。そのまま回し続けると、タブ38が第1の戻り止め窪み57に移動する。タブ38が第1の窪み57にあるとき、突出部24が、ロック解除位置にあるスロット42への入口45と整列する。その後、プラグ20をソケット16から引き抜くことができる。
【0012】
図6は、
図1と同様のベルトモジュール10で構成されたコンベヤベルト62の断面を示している。ベルトモジュール10は、両端部に沿ってヒンジアイ64、65を具える。ヒンジアイ64の整列した開口部を通って延在するヒンジロッド66は、モジュール10を相互に連結して、コンベヤベルト62を形成する。ロックされたサイドガード付属器32は、2つの横方向にオフセットされたパネル68、69を具えており、隣接するモジュールのサイドガードが、干渉することなく重なり合うことを可能にする。
【0013】
図7Aおよび
図7Bは、僅かに異なる例のプラグ20’およびソケット16’を示している。この例において、プラグ20’は、ソケット16’の円筒形の壁22’から半径方向外向きに突出する4つの突出部72を受け入れる4つのスロット70を具える。また、くの字形のスロット70は、終端スロット部分の端部78で突出部72を固定するために、終端部分76に沿って戻り止め74を有する。この例では、プラグのスロット70および壁の突出部72が、プラグ20’の挿入および抜去のためのガイド機構と、プラグをソケット16’に完全に挿入して固定するロック機構との両方を構成する。
図5Aのような追加のタブおよび戻り止めは任意である。
【0014】
図8Aおよび
図8Bは、さらに別のソケットプラグの構成を示している。このバージョンでは、プラグ20”は、プラグの外面40”から半径方向外側に突出する突出部80を具える。ソケット16”は、突出部80を受け入れる大きさのくの字形のスロット82をその円筒壁22”に有する。プラグ構造(突出部80)およびソケットの壁構造(スロット82)は、協働して、プラグ20”を挿入および抜去するためのガイド機構を形成する。ソケット16”のリム26”は、少なくとも1つのタブ84を有しており、タブ84は、アクセサリ付属器(図示せず)が取り付けられているベース88の下側にあるプラグ20”の上部の少なくとも1つの戻り止め86と係合する。ソケットリム構造(タブ84)およびプラグ構造(戻り止め86)は、協働して、完全に挿入されたプラグ20”をソケット16”内に固定するためのロック機構を形成する。その他の例と同様に、突出部80がスロット82の終端にあるとき、戻り止め86がプラグ20”を定位置に固定するように、突出部80、スロット82、タブ84および戻り止め86が配置される。
【0015】
図9Aおよび
図9Bは、ねじ付きのソケットプラグの構成を示しており、プラグ92の外面90およびソケット95の壁94の両方にねじが形成されている。この実施例において、壁94は、雌ねじ96を具えており、この雌ねじが、壁に螺旋状の凹状軌道を形成する谷底部を有し、プラグ92の外面90は、雄ねじ98を具えており、そのねじ山の頂が、ソケットのねじ96に受け入れられる螺旋状の突起を形成している。2つの係合するねじ96、98はともに、ソケット95への挿入中およびソケットからの抜去中にプラグ92をガイドするガイド機構を形成する。一組の噛み合うねじのみが示されているが、複数組であってもよい。突出部とスロットの例と同様に、ねじ込み式のねじ付きプラグ92は、ソケット95内の適所にねじ込まれる。図示されてはいないが、プラグ92およびソケット95は、完全に挿入されたプラグを定位置に固定するために、戻り止めなどのロック機構を形成する協働構造を具えることができる。代替的にソケットが、雌ねじ付きプラグと係合する雄ねじを具えることができる。この例では、プラグを完全に挿入または抜去するために、プラグ92を約180°回転させる。例示した実施例はすべて、完全に挿入するために、180°またはそれ以下のツイスト角だけ、ツイスト軸を中心にプラグを回転させるか、ひねる必要があった。ツイスト角は、ソケット壁またはプラグ外面における凹状軌道(雌ねじの谷底部またはスロット)の円周範囲によって決定される。しかしながら、ねじのピッチを減少させて、ソケット壁とプラグの周りにより多くのラップ(wraps)を与えることもできる。その場合、ツイスト角は180°を超えるが、取り付けはよりしっかりとしたものとなる。
【0016】
本発明は、いくつかの例を参照しながら詳細に説明してきたが、他の例も可能である。例えば、スロットおよび戻り止めは、プラグとモジュール本体の両方に形成することができる。別の実施例として、サイドガード以外の付属器(いくつか例を挙げると、押さえ、フライト、レーン仕切り、高摩擦インサート、フック、ガイド)をプラグに取り付けることができる。また、プラグがベルトの上側からではなくベルトの下側から挿入されるようにソケットを作ることも可能である。さらにプラグは、ソケット内のスロットおよび突出部と嵌合する突出部およびスロットの両方を具えることができる。したがって、これらのいくつかの例が示唆するように、特許請求の範囲は、詳細に記載された例示的なバージョンに限定されることを意味するものではない。