(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪第1実施形態≫
<圧力検出装置の構成>
図1Aは、第1実施形態に係る圧力検出装置100の側面図である。
なお、
図1Aに示すように、x・y・z軸を定める。また、z軸の正側を便宜的に「上側」といい、負側を「下側」という。
【0010】
圧力検出装置100は、圧力媒体の圧力を検出する装置であり、例えば、車両のブレーキアクチュエータにおけるブレーキ液圧の検出に用いられる。なお、前記した「圧力媒体」は液体に限定されず、気体も含まれる。
【0011】
図1Aに示すように、圧力検出装置100は、センサ部30等(
図2参照)を収容するハウジング10と、外部の基板(図示せず)に対して電気的に接続されるターミナル20a,20b,20cと、を備えている。前記した基板は、例えば、車両のECU(Electronic Control Unit)に設置されている。
【0012】
ハウジング10は、圧力媒体を導入する圧力ポート11と、円筒状のカバー12と、ターミナル20a,20b,20cが挿通されるガイド13と、を備えている。なお、ハウジング10が備える各部材の構成については後記する。
ターミナル20a,20b,20cは、センサ部30(
図3参照)と基板(図示せず)とを電気的に接続する端子であり、その一部がハウジング10から露出している。
【0013】
図1Bは、圧力検出装置100の平面図である。
図1Bに示すように、ガイド13には挿通孔haが形成されており、この挿通孔haにターミナル20aが挿通されている(他の挿通孔hb,hcについても同様)。なお、3つのターミナル20a,20b,20cは、電源用・接地用・電気信号伝達用として用いられる。
【0014】
図2は、
図1BのII−II線矢視断面図である。
圧力検出装置100は、前記したハウジング10及びターミナル20a,20b,20cの他に、センサ部30と、端子台40と、ワイヤ50a,50b,50c(ボンディングワイヤ:
図3参照)と、を備えている。
【0015】
ハウジング10が備える圧力ポート11は、圧力媒体が導入される導入穴Hが設けられた金属製の部材であり、ダイヤフラム11fを備えている。ダイヤフラム11fは、受圧面11pに圧力媒体の圧力を受けることによって歪む(つまり、変形する)肉薄の部分である。
図2に示すように、受圧面11pは、導入穴Hの壁面に設けられている。この受圧面11pに作用する圧力が大きいほど、ダイヤフラム11fの歪量も大きくなる。
【0016】
なお、圧力ポート11は、圧力媒体の流路(図示せず)が設けられたモジュール(図示せず)に加締め等によって固定される。そして、前記したモジュールに圧力ポート11が固定された状態において、このモジュールに設けられた圧力媒体の流路と、圧力ポート11の導入穴Hと、が連通し、導入穴Hに圧力媒体が導かれるようになっている。
【0017】
センサ部30は、ダイヤフラム11fの歪量を検出し、その歪量を電気信号として出力する機能を有している。センサ部30は、例えば、半導体歪みセンサであり、薄板状を呈している。
図2に示すように、センサ部30は、ダイヤフラム11fにおいて受圧面11pとは反対側の面に、接合剤Gを用いて接合されている。このような接合剤Gとして、例えば、低融点ガラスを用いることができる。
【0018】
図3は、
図1BのIII−III線矢視断面図である。
なお、
図3では、カバー12の下側については断面ではなく、側面を図示している。
また、
図3では、ターミナル20aの接続部21aをドット表示している(他の接続部21b,21cについても同様)。詳細については後記するが、ターミナル20aは、ハウジング10の外側(z方向上側)に向かって順に、接続部21a、スプリング機構22a、及び端子部23aを備え、これらが一体として形成されている。なお、他のターミナル20b,20cについても同様である。
【0019】
図3に示すように、センサ部30は、歪検出素子31と、処理回路32と、を備えている。
歪検出素子31は、圧力を受けることで歪む受圧面11p(
図2参照)の歪量を検出する素子である。歪検出素子31は、図示はしないが、複数の歪みゲージがブリッジ接続されてなるブリッジ回路を備えている。そして、ダイヤフラム11f(
図2参照)の歪みに伴って、前記したブリッジ回路の抵抗値が変化するようになっている。
【0020】
処理回路32は、歪検出素子31からの信号を処理する回路であり、図示はしないが、前記した信号を増幅する回路や、サージ保護回路等を備えている。そして、歪検出素子31及び処理回路32が、1チップとしてシリコン基板に実装されている。このように、歪検出素子31及び処理回路32を1チップとして構成することで、電気的な接続点数を少なくすることができる。
【0021】
再び、
図2に戻って説明を続ける。
端子台40は、圧力ポート11と接続部21a等(つまり、
図3の接続部21a,21b,21c)との相対位置を固定する樹脂製の部材である。
図2に示すように、端子台40は、圧力ポート11と接続部21a等との間に介在している。なお、端子台40は、ターミナル20a,20b,20cが位置決めされた状態で、これらのターミナル20a,20b,20cとともにインサート成形される。
【0022】
図2に示すように、端子台40は、基部41と、第1固定部42と、第2固定部43を備えている。
基部41は、圧力ポート11が嵌め込まれる凹部Jを有している。圧力検出装置100の組付構成において、凹部Jに圧力ポート11が嵌め込まれた状態でダイヤフラム11fが露出し、このダイヤフラム11f(受圧面11pとは反対側の面)に接合剤Gを介してセンサ部30が設置される。
【0023】
図2に示す第1固定部42は、接続部21a等の上側(スプリング機構22a側)を固定する部分である。
図3に示すように、第1固定部42は、側面視で逆U字状を呈しており、y方向に延びている部分と、この部分の両端から下側に延びている部分と、が一体として構成されている。そして、第1固定部42のy方向に延びている部分によって、接続部21a,21b,21cの上側(スプリング機構22a,22b,22c側)が押さえ付けられている。
【0024】
ちなみに、
図2に示す基部41において、カバー12の内壁面に近い側の壁(z方向に長く延びている壁)は、図示はしないが、平断面視で半円形の円弧状を呈しており、インサート成形によって第1固定部42と一体になっている。
【0025】
図3に示す第2固定部43は、接続部21a等の下側(センサ部30側)を固定する部分であり、y方向に延びている。この第2固定部43によって、接続部21a,21b,21cの下側(センサ部30側)が押さえ付けられている。なお、第2固定部43は、インサート成形によって基部41及び第1固定部42と一体になっている。
【0026】
このように、接続部21a,21b,21cの上側が第1固定部42によって固定され、また、接続部21a,21b,21cの下側が第2固定部43によって固定されている。したがって、例えば、
図2に示すスプリング機構22aが弾性変形しても、接続部21aにおいてターミナル20aが強固に固定されているため、電気的な接続不良が生じるおそれはない。
【0027】
図2に示すカバー12は、圧力ポート11及びガイド13とともにセンサ部30等を収容する金属製の部材であり、その中心軸がz方向と平行な円筒状を呈している。カバー12は、その下端が圧力ポート11に溶着又は接合され、上端付近がガイド13とともにインサート成形されている。
【0028】
ガイド13は、端子部23a,23b,23cが挿通される部材であり、肉厚の円盤状を呈している。ガイド13には、ターミナル20aの端子部23aが挿通される挿通孔haと、ターミナル20bの端子部23bが挿通される挿通孔hb(
図1B参照)と、ターミナル20cの端子部23cが挿通される挿通孔hcと、が形成されている。
【0029】
図4は、
図2の一点鎖線枠K内の部分拡大図である。
図4に示すように、挿通孔haの径は、ターミナル20aの端子部23aの径よりも若干大きくなっている。すなわち、スプリング機構22a(
図2参照)の弾性変形に伴う端子部23aのz方向の移動を阻害しないように(挿通孔haに対して端子部23aが圧入又は軽圧入にならないように)、挿通孔haが形成されている。なお、他の挿通孔hb,hcについても同様である。
【0030】
また、挿通孔haはテーパ状を呈し、ハウジング10の内部に向かうにつれて、その径が大きくなるように形成されている。これによって、挿通孔haの下側から端子部23aを挿通する作業が行いやすくなる(他の挿通孔hb,hcについても同様)。
【0031】
次に、ターミナル20a,20b,20cの構成について説明するが、主にターミナル20aの構成について説明し、同様の構成を有する他のターミナル20b,20cについては説明を省略する。
【0032】
図2に示すターミナル20aは、センサ部30と外部の基板(図示せず)とを電気的に接続する端子であり、ワイヤ50aを介してセンサ部30に接続されている。また、ターミナル20aは、その一部がハウジング10からz方向に進退自在に露出している。
【0033】
図2に示すように、ターミナル20aは、接続部21aと、スプリング機構22aと、端子部23aと、を備え、これらが一体として構成されている。
接続部21aは、センサ部30にワイヤ50aを介して接続される部分であり、板状を呈している。
図2に示す例では、接続部21aの面方向(yz平面)が、センサ部30の面方向に対して平行になっている。また、接続部21aは、センサ部30の真上に設置されている。これによって、接続部21aとセンサ部30とのワイヤ50aを介した接続が行いやすくなり、また、圧力検出装置100の小型化を図ることができる。
【0034】
スプリング機構22aは、外部の基板(図示せず)に接点接続する際、この基板から端子部23aに作用する下向きの押圧力によって弾性変形する部分であり、ハウジング10内に設けられている。
図2に示す例では、スプリング機構22aとして、縦断面視で蛇行状に湾曲した板ばねを用いている。なお、ターミナル20aにおいて接続部21aとスプリング機構22aとの間は、樹脂等を介して、端子台40の上面に密着している。
【0035】
図2に示す端子部23aは、その一部がハウジング10から露出して、外部の基板(図示せず)に接点接続する部分である。端子部23aは、棒状を呈しており、スプリング機構22aの上側に連なってz方向に延びている。そして、前記した基板からの押圧力によってスプリング機構22aが弾性変形すると、端子部23aの一部がハウジング10内に退き(つまり、ハウジング10から露出している部分の長さが短くなり)、この押圧力が解除されると、元の状態に戻るようになっている。なお、ガイド13の上面と基板との距離は、不図示の部材によって保持される。
【0036】
ワイヤ50aは、センサ部30とターミナル20aとを電気的に接続する配線である。このようなワイヤ50aとして、例えば、アルミニウム(Al)や金(Au)を用いることができる。
【0037】
ワイヤ50aは、例えば、サーモソニック方式のワイヤボンディングによって、その一端がセンサ部30に接続され、他端がターミナル20aの接続部21aに接続される。具体的には、接続装置であるワイヤボンダ(図示せず)によって、ワイヤ50aに所定の荷重を加えた状態で超音波振動を与えて、摩擦圧接することによって、ワイヤ50aの電気的接続が行われる。なお、ターミナル20bとセンサ部30とを接続するワイヤ50bや、ターミナル20cとセンサ部30とを接続するワイヤ50cについても同様である。
【0038】
また、
図2に示す接続部21aの裏側は、端子台40の壁と略一体になっており、この壁の裏側は接着剤によって圧力ポート11に接着されている。つまり、x方向において接続部21a、端子台40の壁、及び圧力ポート11の間には隙間がなく、x方向の厚みが十分に確保されている(他の接続部21b,21cについても同様)。これによって、ワイヤボンディングの処理中、圧力ポート11を固定した状態で、ワイヤ50a等に対して所定の荷重や超音波振動を適切に作用させることができる。
【0039】
なお、前記したサーモソニック方式は、ワイヤボンディングの一例であり、他の周知の方式(サーモコンプレッション方式等)を適用してもよい。
次に、接続部21a,21b,21cのx方向直下において、圧力ポート11と端子台40とを接着するための構成について説明する。
【0040】
図5Aは、圧力ポート11の側面図である。
図5Aに示すように、圧力ポート11の上端付近には、側面視で矩形状を呈する溝11a,11b,11c(凹部)が設けられている。
【0041】
図5Bは、
図5AのV−V線矢視端面図である。
図5Bに示すように、圧力ポート11の上部は、円柱の一部をyz平面で切り欠いた形状になっている。そして、平面状を呈する側面Mの上端付近において、x方向負側に凹んでいる部分が、溝11a,11b,11cとして形成されている。なお、溝11a等に塗布される接着剤の量や粘性等を考慮して、溝11a等の側面視(
図5A参照)における面積や、平断面視(
図5B参照)における深さが決められている。
【0042】
図5Cは、
図5AのVI−VI線矢視断面図である。
図5Cに示すように、圧力ポート11の上端まで溝11c等が形成されている。すなわち、圧力ポート11と端子台40とを接着するための接着剤が塗布される溝11cが、圧力ポート11において、x方向で接続部21cに対応する箇所に設けられている。言い換えると、接続部21c(
図2参照)、端子台40の壁(
図2参照)、及び圧力ポート11の溝11cがx方向で重なっている(他の溝11a,11bについても同様)。そして、これらの溝11a,11b,11cに接着剤が塗布され、圧力ポート11が端子台40に接着された状態で、接着剤が熱硬化される。これによって、接続部21c等のx方向直下に隙間が生じることを防止し、圧力ポート11を固定した状態でワイヤボンディングを適切に行うことができる。
【0043】
なお、仮に、溝11a,11b,11cを設けない構成にすると、圧力ポート11を縦置きにした状態(
図5Cに示す向きで載置した状態)において、側面Mに塗布された接着剤が無駄に濡れ広がったり、重力で流れ落ちたりする可能性がある。その結果、接着剤の量に関して、圧力検出装置100の製品間のばらつきが生じやすくなり、ワイヤボンディングの信頼性の低下につながる。
【0044】
これに対して第1実施形態によれば、圧力ポート11の上端付近に溝11a,11b,11cを設けることで、こららの溝11a,11b,11cに塗布される接着剤の量が略一定になる。したがって、圧力検出装置100の製品間で接着剤の量にばらつきが生じることはほとんどなく、前記したように、ワイヤボンディングを適切に行ことができる。
【0045】
<効果>
第1実施形態によれば、ターミナル20a等の一部をハウジング10から露出させ、スプリング機構22a等の弾性変形に伴って、ターミナル20a等の先端部分が進退するようになっている。つまり、ターミナル20a等とカバー12とのインサート成形を敢えて行わずに、挿通孔ha等を介してターミナル20a等が進退自在(上下方向に移動可能)になっている。これによって、別部品であるコネクタハーネス(図示せず)を用いることなく、スプリング機構22a等の弾性力によって、ターミナル20a等と基板(図示せず)との電気的接続を適切に行うことができる。
【0046】
また、
図2に示すように、センサ部30、ワイヤ50a等、及びターミナル20a等が電気的に接続された比較的簡素な構成であるため、接続点数や部品点数を従来よりも大幅に削減できる。具体的には、圧力検出装置100において、電気的な接続箇所は、ワイヤ50a,50b,50cの一端・他端のみである。このように電気的な接続点数が少なくて済むため、接続不良等の不具合が起こるおそれはなく、信頼性の高い圧力検出装置100を提供できる。
【0047】
また、電気的な接続に関する部品は、センサ部30、ワイヤ50a,50b,50c、及びターミナル20a,20b,20cであり、その個数が比較的少なくて済む。したがって、前記した特許文献1のように多数の部品を設ける構成に比べて、製造コストを削減できる。
【0048】
また、第1固定部42及び第2固定部43によって接続部21a等が押さえ付けられている。したがって、基板(図示せず)からの押圧力によってスプリング機構22a等が弾性変形しても、接続部21a等における接続不良が生じるおそれはなく、圧力検出装置100の信頼性を高めることができる。
【0049】
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、ガイド13(
図6C参照)から上側に突出する突起部61,62を設けている点が第1実施形態とは異なっているが、その他については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0050】
図6Aは、第2実施形態に係る圧力検出装置100Aの平面図である。
圧力検出装置100Aは、
図6Aに示すハウジング10、ターミナル20a,20b,20c、及び突起部61,62の他に、センサ部30(
図6B参照)、端子台40(
図6B参照)、及びワイヤ50a等(
図6B参照)を備えている。前記したように、突起部61,62を設けている点が、第2実施形態に係る圧力検出装置100Aの特徴である。
【0051】
図6Bは、
図6AのII−II線矢視断面図である。
図6Bに示すように、突起部61は、ハウジング10のガイド13から上側に突出しており、このガイド13と一体成形されている(他の突起部62も同様:
図6C参照)。
【0052】
図6Cは、
図6AのIII−III線矢視断面図である。
図6Cに示す突起部61,62は、スプリング機構22a等の弾性力によって、ターミナル20a等と外部の基板Q(
図7参照)とが電気的に接続された状態において、この基板Qに当接するようになっている。
【0053】
図7は、圧力検出装置100Aが基板Qに電気的に接続された状態を示す説明図である。
図7に示すように、突起部61は、ガイド13から上側に延びる円柱状の第1柱状部611と、この第1柱状部611から上側に延びる円柱状の第2柱状部612と、が一体成形された構成になっている。
【0054】
第1柱状部611は、外部の基板Qに設けられたスルーホールh1(孔)よりも径が大きく、スプリング機構22a等の弾性力によってターミナル20a等と基板Qとが電気的に接続された状態において、この基板Qに当接するようになっている。
【0055】
なお、第1柱状部611が基板Qに当接した状態で、スプリング機構22a等の弾性力によって、ターミナル20a等と基板Qとの間に所定の接触荷重が作用するように、第1柱状部611の軸方向の長さが決められている。したがって、基板Qが設置される機器の種類ごとに、基板Qから第1柱状部611に作用する荷重が異なっていても、ターミナル20a等と基板Qとの接触荷重を一定に保つことができる。
【0056】
第2柱状部612は、その径が、基板Qに設けられたスルーホールh1(孔)よりも小さくなっている。そして、第1柱状部611が基板Qに当接している状態において、第2柱状部612が基板Qのスルーホールh1(孔)に囲まれるようになっている。このように第2柱状部612を設けることで、基板Qに対する圧力検出装置100Aの位置決めが行いやすくなる。なお、他の突起部62(
図6C参照)については、前記した突起部61と同様の構成であるから、説明を省略する。
【0057】
<効果>
第2実施形態によれば、第1柱状部611等が基板Qに当接した状態において、端子部23a等がハウジング10内に退く長さを一定に保つことができる。したがって、前記したように、基板Qが設置される機器の種類が異なっていても、ターミナル20a等と基板Qとの接点荷重を一定に保つことができる。また、突起部61,62は、基板Qに対するターミナル20a等の位置決めの機能も有しているため、電気的な接続信頼性を第1実施形態よりもさらに高めることができる。
【0058】
≪変形例≫
以上、本発明に係る圧力検出装置100,100Aについて各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、スプリング機構22a,22b,22cが板ばねである構成について説明したが、他の種類のバネ(例えば、コイルばね)を用いてもよい。
【0059】
また、各実施形態では、センサ部30とターミナル20a,20b,20cとがワイヤボンディングによって電気的に接続される構成について説明したが、これに限らない。例えば、ワイヤボンディングに代えて、フレキシブルプリント基板を用いてもよい。
【0060】
また、各実施形態では、スプリング機構22a,22b,22cの弾性力によって、ターミナル20a,20b,20cと基板とが接点接続される構成について説明したが、これに限らない。すなわち、半田付け等によって、ターミナル20a,20b,20cと基板とを電気的に接続してもよい。
【0061】
また、各実施形態では、圧力ポート11の上端付近に3つの溝11a,11b,11c(
図5B参照)を設け、これらの溝11a,11b,11cに接着剤を塗布する構成について説明したが、これに限らない。例えば、x方向に幅広の溝を1つ設けてもよいし、また、2つ以上の所定個数の溝を設けてもよい。つまり、圧力ポート11において接続部21a等に対応する箇所に、少なくとも一つの溝を設けるようにしてもよい。また、溝が圧力ポート11(
図5C参照)の上端に達している必要はなく、所定の凹部に接着剤を塗布してもよい。
【0062】
また、各実施形態では、端子台40の基部41、第1固定部42、及び第2固定部43が一体形成される場合について説明したが、これに限らない。すなわち、基部41、第1固定部42、及び第2固定部43を別体とし、これらを剛に接続(溶着、ねじ止め等)してもよい。
【0063】
また、第2実施形態では、ハウジング10に2つの突起部61,62(
図6C参照)を設ける構成について説明したが、これに限らない。例えば、以下で説明するように4つの突起部61〜64(
図8A参照)を設けてもよい。
【0064】
図8Aは、変形例に係る圧力検出装置100Bの平面図であり、
図8Bは、この圧力検出装置100Bの上部の側面図である。
図8A、
図8Bに示すように、ガイド13に4つの突起部61〜64を設け、これに対応して、基板(図示せず)にも4つのスルーホール(図示せず)を形成してもよい。
【0065】
図9Aは、別の変形例に係る圧力検出装置100Cの平面図であり、
図8Bは、この圧力検出装置100Cの上部の側面図である。
図9A、
図9Bに示すように、ガイド13に1つの突起部65を設け、これに対応して、基板(図示せず)にも1つのスルーホール(図示せず)を形成してもよい。
また、
図9Aに示すように、平面視において第1柱状部651をガイド13の中心付近に設け、その平断面の面積を比較的大きくすることが望ましい。これによって、第1柱状部651が基板に当接した状態での位置決めが行いやすくなる。
【0066】
なお、ガイド13に設ける突起部の個数は3つであってもよいし、また、5つ以上であってもよい。つまり、突起部を少なくとも一つ備える構成であればよい。
【0067】
また、第2実施形態では、突起部61が備える第1柱状部611及び第2柱状部612が、それぞれ、円柱状である構成について説明したが、これに限らない。すなわち、第1柱状部611及び第2柱状部612が楕円柱状であってもよいし、また、多角形状であってもよい。
【0068】
また、各実施形態では、圧力検出装置100,100Aが、自動車のブレーキ液圧の検出に用いられる場合について説明したが、これに限らない。例えば、圧力検出装置100等を用いて、自動車の燃料ガスの圧力を検出するようにしてもよい。また、圧力検出装置100等は、自動車の他にも、鉄道車両や航空機、家電製品といった様々な機器に適用可能である。
【0069】
また、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。