【課題を解決するための手段】
【0009】
それに応じて陸上車両用、特にオフロードのトラック用のシャーシアセンブリが提案される。シャーシアセンブリは、シャーシフレーム、シャーシフレームと結合された、シャーシアセンブリの長手方向に延びる少なくとも1つのプロフィール支持体を備えた中間フレーム及び陸上車両の上部構造を支持する支持装置を有しており、その場合に支持装置が中間フレームに移動可能に支承されており、かつシャーシアセンブリの横方向に延びる、支持アーム切り欠きを備えた支持アームを有し、その場合に少なくとも1つのプロフィール支持体が支持アーム切り欠きを通して、少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面が少なくとも部分的に支持アーム切り欠きの内部に配置されるように、挿通されている。
【0010】
ここで「陸上車両」というのは、たとえばトラック、装甲車両、トラクター、ピックアップ、トレーラー又は同種のものである。陸上車両は動力駆動されてもよく、あるいは、陸上車両がトレーラーである場合には、駆動装置を有していない。
【0011】
支持アームは、トラバース(Traverse、横材、cross member)と称することもできる。中間フレームは、補助フレームと称することもできる。好ましくは支持装置は、多数のこの種の支持アームを有している。シャーシアセンブリは、いわゆる中央パイプフレーム又はいわゆるはしごフレームとすることができる。支持装置は、長手方向に延びる中央パイプを有することができ、その中央パイプが軸受装置によってたとえば3点軸承の形式で移動可能に中間フレームに軸承されている。
【0012】
その場合に少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面は、長手方向に対して垂直の少なくとも1つのプロフィール支持体の切断面として定義される。この横断面は、横切断面と称することもできる。少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面が少なくとも部分的に支持アーム切り欠きの内部に配置されている。というのは、特に横断面の第1の部分が支持アーム切り欠きの内部に配置され、横断面の第2の部分が支持アーム切り欠きの外部に配置されている、ということである。横断面は、完全に支持アーム切り欠きの内部に配置することもできる。横断面は、好ましくはC字形状である。
【0013】
好ましくは中間フレームは、互いに対して平行かつ互いに離隔して配置されて、長手方向に延びる2つのプロフィール支持体を有している。これらのプロフィール支持体は、長手方向に屈曲部、すなわち接曲部を有することができる。したがって支持アームは2つの支持アーム切り欠きも有しており、その場合に各支持アーム切り欠きにプロフィール支持体が対応づけられている。プロフィール支持体は、好ましくはスチール支持体、特に安価な押し出し成形プロフィールである。屈曲された長手支持体が形成のためにプレス成形される。シャーシフレームは、好ましくは同様に互いに対して平行かつ互いに離隔して、長手方向に延びる2つのプロフィール支持体を有しており、それらがシャーシアセンブリの高さ方向において中間フレームのプロフィール支持体の下方に配置されている。シャーシフレームのプロフィール支持体は、好ましくは同様に横断面においてC字形状のスチール支持体であり、特に同様に安価な押し出し成形プロフィールである。
【0014】
少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面が少なくとも部分的に支持アーム切り欠きの内部に配置されていることによって、既知の配置と比較して、高い安定性においてシャーシアセンブリの特に低組立て高さを得ることができる。中間フレームと中央パイプとを有する既知のねじりに硬い上部構造においては、大きい垂直衝突を有する困難なオフロード使用のためのたとえば15トン又はそれを上回る高い荷重要請は、材厚の大きさが必要なことに基づいて多くの材料使用によってのみ、可能である。それによって大きい重量がもたらされ、それが最終的に提供可能な利用荷重を制限することがあり得る。さらに中間フレームのプロフィール支持体の上方に配置された支持アームを有するこの既知の構造においては、結果としてこの構造が大きい組立て高さを有する。それによって車両の全体高さの制限があらかじめ定められている場合に、上部構造の利用可能な高さが減少する。さらに中間フレームのプロフィール支持体の高さが制限されている、すなわちトーション及び曲げに硬いことは、本発明に係るシャーシアセンブリに比較して低く抑えられている。
【0015】
実施形態によれば、少なくとも1つのプロフィール支持体が接触なしで支持アーム切り欠きを通して挿通されている。
【0016】
接触なしというのは、少なくとも1つのプロフィール支持体が陸上車両の駆動中に支持アーム切り欠きの内側輪郭と接触しないことである。しかし特に中間フレームのトーションが激しい場合、たとえばオフロード走行において、少なくとも1つのプロフィール支持体が支持アーム切り欠きの内側輪郭に接触することがあり、それによってシャーシアセンブリのトーションの定められた制限に達することがある。
【0017】
他の実施形態によれば、支持アームは支持アームプロフィール及び支持アームプロフィールと結合された少なくとも1つのカバーパネルを有している。
【0018】
たとえば2つあるいはそれより多いカバーパネルを設けることができる。代替的に、正確に1つのカバーパネルを設けることもできる。支持アームプロフィールは、横断面においてU字形状であり、シャーシアセンブリの高さ方向に関して下方へ向かって開放している。カバーパネルは、支持アームプロフィールのこの開口部を閉鎖する。支持アームプロフィールは、たとえばスチールプロフィールである。カバーパネルは、好ましくはスチールシートである。カバーパネルは、屈曲した幾何学配置を有することができる。支持アームプロフィールは、その端縁から始まって中央パイプに向かって増大する横断面高さを有することができる。それによって支持アームプロフィールは、長手方向に見て三角形状又は矢の形状を有することができる。
【0019】
他の実施形態によれば、少なくとも1つのカバーパネルがシャーシアセンブリの高さ方向に支持アーム切り欠きを、支持アーム切り欠きの周面が支持アームの材料によって完全に包囲されるように、閉鎖する。
【0020】
支持アーム切り欠きは、特に、支持アームプロフィール内に設けられた切り抜きによって定義され、その切り抜きがカバーパネルによって閉鎖されて周面が閉鎖された切り欠きとなる。
【0021】
他の実施形態によれば、支持アームプロフィールは第1のベルト、第2のベルト及び第1のベルトを第2のベルトと結合するウェブを有する、断面がU字形状に形成されており、その場合に少なくとも1つのカバーパネルが第1のベルトを第2のベルトと結合し、かつその場合に支持アーム切り欠きが第1のベルトも第2のベルトも貫通している。
【0022】
第1のベルトは第2のベルトに対して平行に配置されている。ウェブが第1のベルトを第2のベルトと材料一体で結合する。カバーパネルは、第1のベルト及び第2のベルトと堅固に結合することができる。
【0023】
他の実施形態によれば、第1のベルトと第2のベルトにそれぞれ接曲部が設けられており、それらの接曲部はそれぞれウェブから離れる方向を向いており、その場合に少なくとも1つのカバーパネルがそれらの接曲部と結合され、特に螺合されている。
【0024】
接曲部は、好ましくはそれぞれウェブに対して平行に配置されている。接曲部は、ウェブに関して外側を向いている。接曲部は、内側を向くこともできる。代替的に一方の接曲部が外側を向くことができ、他方の接曲部が内側を向くこともできる。接曲部は、支持アーム切り欠きの領域内で好ましくは中断されている。最初はU字状に下方に向かって開放している支持アームプロフィールを閉鎖することによって、その剛性は、開放したプロフィールに比較してずっと高くなることができる。特に支持アーム切り欠きの領域内で支持アームプロフィールが膨らむことが、効果的に阻止される。それによって支持アームプロフィールとカバーパネルの材厚が小さい場合でも、支持アームの充分な剛性を得ることができる。支持アームプロフィールの膨らみに対する安全性をさらに向上させることは、条溝の形成によって行うことができる。支持アームプロフィールをカバーパネルと結合することは、好ましくはねじ結合を介して行われる。これは、溶接結合に比較して効果的である。というのは、振動負荷を受けた場合に溶接継目はアンダーカットに基づいて構造的に弱い箇所を形成するからである。
【0025】
他の実施形態によれば、少なくとも1つのプロフィール支持体がプロフィール支持体切り欠きを有しており、その場合に支持アームがプロフィール支持体切り欠きを通して、支持アームの横断面が少なくとも部分的にプロフィール支持体切り欠きの内部に配置されるように、挿通されている。
【0026】
それによって支持アームと少なくとも1つのプロフィール支持体が互いに、かつ/又は入れ子に接続することができる。プロフィール支持体切り欠きは、特に長穴であって、その長穴が長手方向に延びている。支持アームの横断面は、好ましくは部分的にプロフィール支持体切り欠きの内部に、そして部分的にプロフィール支持体切り欠きの外部に配置されている。その場合に支持アームの横断面は、横方向に対して垂直に支持アームプロフィールとカバーパネルの切断面として定義されている。横断面は、支持アームの横切断面と称することもできる。
【0027】
他の実施形態によれば、少なくとも1つのカバーパネルがプロフィール支持体切り欠きを通して挿通されている。
【0028】
すなわち支持アームの横断面の、プロフィール支持体切り欠きの内部に配置されている部分は、カバーパネルによって提供されている。
【0029】
他の実施形態によれば、支持アームは接触なしでプロフィール支持体切り欠きを通して挿通されている。
【0030】
好ましくは陸上車両のオフロード駆動において、シャーシアセンブリがねじれて、カバーパネルがプロフィール支持体切り欠きの内側輪郭に接触することがあり得る。特にカバーパネルは最大可能なトーションを、トーションが大きすぎる場合にカバーパネルが少なくとも1つのプロフィール支持体のプロフィール支持体切り欠きの上方のエッジ又は下方のエッジに当接するようにして、制限する。この場合において、シャーシアセンブリはもはやオフロード作用によって要求されるトーションに従って撓むことができず、軸の可能なばね変位距離を使い尽くした後に結果として、陸上車両の少なくとも1つの車輪が地面から浮き上がる。これが、中間フレームをあまりに大きいトーションから保護する。それによってシャーシアセンブリの損傷もしくは構成部品の衝突が排除されている。
【0031】
他の実施形態によれば、少なくとも1つのプロフィール支持体が支持アーム切り欠きを通して、少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面が完全に支持アーム切り欠きの内部に配置されるように、挿通されている。
【0032】
すなわち支持アーム切り欠きの内側輪郭が、少なくとも1つのプロフィール支持体を完全に取り巻いている。
【0033】
他の実施形態によれば、少なくとも1つのプロフィール支持体が横断面狭窄部を有しており、それが支持アーム切り欠きを通して挿通されている。
【0034】
横断面狭窄部は、少なくとも1つのプロフィール支持体の下方のベルトがその上方のベルトへ向かって案内されることによって、形成することができる。
【0035】
他の実施形態によれば、中間フレームの少なくとも1つのプロフィール支持体に加えてシャーシフレームの少なくとも1つのプロフィール支持体が支持アーム切り欠きを通して案内されており、その場合にシャーシフレームの少なくとも1つのプロフィール支持体は支持アーム切り欠きを通して、シャーシフレームの少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面が少なくとも部分的に支持アーム切り欠きの内部に配置されるように、挿通されている。
【0036】
特にシャーシフレームの少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面の一部が支持アーム切り欠きの内部に、そして横断面の一部が支持アーム切り欠きの外部に配置されている。それによってシャーシアセンブリの組立て高さを、さらに削減することができる。その場合にシャーシフレームの少なくとも1つのプロフィール支持体の横断面は、長手方向に対して垂直に少なくとも1つのプロフィール支持体の切断面として定義されている。横断面は、少なくとも1つのプロフィール支持体の横切断面と称することもできる。
【0037】
他の実施形態によれば、シャーシフレームの少なくとも1つのプロフィール支持体がプロフィール支持体切り欠きを有しており、その場合に支持アームがプロフィール支持体切り欠きを通して、支持アームの横断面が少なくとも部分的にプロフィール支持体切り欠きの内部に配置されるように、案内されている。
【0038】
特に支持アームのカバーパネルがプロフィール支持体切り欠きを通して案内されている。特にカバーパネルは、接触なしでプロフィール支持体切り欠きを通して案内されている。
【0039】
他の実施形態によれば、支持装置が長手方向に延びる中央パイプを有しており、その中央パイプが支持アームと堅固に結合されており、その場合に中央パイプ7は中間フレームに移動可能に支承されている。
【0040】
すなわちシャーシアセンブリは中央パイプフレームとすることができる。代替的にシャーシアセンブリは、すでに述べたように、はしごフレームとすることもできる。中央パイプは、軸受装置によって中間フレームに移動可能に支承されている。たとえば、3点軸承を形成するために、この種の軸受装置を3つ設けることができる。
【0041】
さらにこの種のシャーシアセンブリを有する陸上車両、特にオフロードのトラックが提案される。
【0042】
好ましくは陸上車両は、シャーシアセンブリの他に、支持装置が支持する上部構造を有している。上部構造は、たとえば荷台、コンテナ、トランク、タンクあるいは同種のものを有することができる。様々な上部構造を設けることができる。
【0043】
シャーシアセンブリについて記述した特徴は、陸上車両についても当てはまり、かつ逆も言える。
【0044】
シャーシアセンブリ及び/又は陸上車両の他の可能な実現は、上述した、あるいは以下で実施例に関して説明する特徴又は実施形態のはっきりとは挙げていない組合せも有している。その場合に当業者は、シャーシアセンブリ及び/又は陸上車両のそれぞれの基本形状に対する改良又は補足としての個別視点も付け加えることができる。
【0045】
シャーシアセンブリ及び/又は陸上車両の他の好ましい形態及び視点が、下位請求項及び以下で説明するシャーシアセンブリ及び/又は陸上車両の実施例の対象である。さらに、シャーシアセンブリ及び/又は陸上車両を、添付の図面を参照しながら好ましい実施形態を用いて詳細に説明する。