(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シリコンウエハが長方形シートであり、前記光電池セルの各々の前記2つの電極がそれぞれ前記シリコンウエハの2つの長い側に対して配置されるとともに、前記シリコンウエハの長さ方向に沿って延在し、前記側部導電性部材が、前記シリコンウエハの一方の長い側の側面に配置される、
請求項3に記載の光電池セル組立体。
前記裏分割層が、前記表第1タイプ拡散層と同じタイプの裏第1タイプ拡散層であり、前記裏第1タイプ拡散層が前記第1領域のみに配置されるとともに前記第1領域を完全に覆い、前記第1裏ゲート線層および前記第1電極が両方とも前記裏第1タイプ拡散層上に配置される、
請求項1に記載の光電池セル組立体。
前記第1領域および前記第2領域が指交差状に分布しており、前記第1領域が第1連通領域と複数の第1分散領域とを含み、前記複数の第1分散領域が前記第1連通領域の長さ方向に離間しているとともに各々が前記第1連通領域と連通しており、前記第2領域が第2連通領域と複数の第2分散領域とを含み、前記複数の第2分散領域が前記第2連通領域の長さ方向において離間しているとともに各々が前記第2連通領域と連通しており、前記第1連通領域および前記第2連通領域が平行に配置されており、前記複数の第1分散領域および前記複数の第2分散領域が、前記第1連通領域と前記第2連通領域との間に1つずつ交互にある、
請求項11に記載の光電池セル組立体。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付図面の参照符号:
光電池セル直列接続構成要素1000、光電池セル並列接続構成要素2000、光電池セル配列10000、
導電性バンド1001、母線1002、光電池セル組立体100A、
光電池セル100、光電池セルA、光電池セルB、電極A1、電極A2、電極B1、電極B2、
シリコンウエハ1、シリコン基板11、反射防止層101、不動態化層102、
表第1タイプ拡散層12、側部分割層13、裏分割層14、裏第2タイプ拡散層15、
表ゲート線層2、表二次ゲート線層21、
側部導電性部材3、第1電極4、第2電極5、
第2裏ゲート線層6、第2裏二次ゲート線61、裏電気層60、
第1裏ゲート線層7、第1裏二次ゲート線層71。
【0033】
以下は本開示の実施形態を詳細に説明する。実施形態の例は添付図面において示されている。同じまたは同様の要素ならびに同じまたは同様の機能を有する要素は、説明全体にわたって同様の参照符号により表される。添付図面を参照して以下に説明される実施形態は例示的なものであり、本開示を説明することをねらいとしているが、本開示への限定とは理解され得ない。
【0034】
以下は、本開示の異なる構造を達成するために多くの異なる実施形態または例を提供する。本開示を単純化するために、特定の例の構成要素および設定が以下に記載される。当然、それらは単に例であり、本開示を限定することを意図されたものではない。加えて、本開示は、異なる例において参照符号の数字および/または参照符号の文字を繰り返すことができるが、そのような繰り返しは単純化および明確さのためであり、このことは、検討された実施形態および/または設定の間の関係を示すものではない。加えて、本開示は様々な特定のプロセスおよび材料の例を提供するが、当業者は、他のプロセスの適用可能性および/または他の材料の使用を認識し得る。
【0035】
本開示の第1態様の一実施形態による光電池セル組立体100Aが、
図1〜
図45を参照して以下に記載される。
【0036】
本開示の第1態様の実施形態による光電池セル組立体100Aは、少なくとも2つの光電池セル100と少なくとも1つの導電性バンド1001とを含む。光電池セル100はバックコンタクトタイプの太陽光電池セルである。
【0037】
実施形態において、各光電池セル100は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1の表面に配置された表導電性部材(例えば、以下で説明される表ゲート線層2)と、シリコンウエハ1の裏面に配置された2つの電極(例えば、以下で説明される第1電極4および第2電極5)と、シリコンウエハ1の側面に配置されるとともに表導電性部材と2つの電極の一方との間に電気的に接続された側部導電性部材3とを含み、2つの電極は、正電極および負電極であって、その極性が反対であるとともに互いに接触していない正電極および負電極である。このようにして、シリコンウエハ1の表面が光により照射されると、表導電性部材は、シリコンウエハ1の表面からあるタイプの電荷を取集することができるとともに、側部導電性部材3を使用することにより、電荷を側部導電性部材に電気的に接続された2つの電極の一方に移動させることができ、他方の電極はシリコンウエハ1の裏面の側で別のタイプの電荷を得る。したがって、2つの電極は電気エネルギーを出力し得る。
【0038】
実施形態において、複数の光電池セル100の表面は全て同じ側に向けられており、例えば、全て太陽の方を向いており、複数の光電池セル100の裏面は全て同じ側に向けられており、例えば、全て、裏を太陽に向けて、長手方向に沿って順次配置される。各光電池セル100の2つの電極は、横断方向に沿って延在するとともに、短絡することを回避するために2つの電極が互いに接触していないことを確実にするために長手方向において間隔をあけて分布する。本明細書において説明された「電極の伸長方向」は電極の長さ方向であり、以下で説明される「導電性バンド1001の伸長方向」は導電性バンド1001の長さ方向であることに留意されるべきである。本明細書において、本明細書において説明された「横断方向」は横断ラインの伸長方向、例えば、
図1および
図2に示された水平方向であり、「長手方向」は長手方向ラインの伸長方向、例えば、
図1および
図2に示された垂直方向であり、横断ラインおよび長手方向ラインは互いに垂直な直線であることに留意されるべきである。加えて、「横断方向に沿って延在する」は幅広く理解され、すなわち、「横断ラインに平行な方向に沿って延在する」および「横断ラインに対して45°未満の角度を有する方向に沿って延在する」を含むべきである。ここで、複数の光電池セル100の裏面は複数の光電池セル100のバックライト面を指し、複数の光電池セル100の表面は複数の光電池セル100の受光面を指す。
【0039】
実施形態において、導電性バンド1001は、電極に完全に電気的に接続されるように、電極の伸長方向と同じ伸長方向を有し、それにより導電効率を向上させ、導電性バンド1001は、2つの電極であって互いに近くにあるとともにそれぞれ2つの隣接する光電池セル100に位置する2つの電極に電気的に接続されて、2つの隣接する光電池セルに位置する2つの電極を導電接続し、その結果2つの隣接する光電池セル100は直列に接続されるか並列に接続される。本明細書において、明確な表現のために、説明は例を使用することによりなされる。
図1および
図2を参照すると、2つの隣接する光電池セル100がそれぞれ光電池セルAおよび光電池セルBであると仮定すると、光電池セルAは長手方向に沿って離間した電極A1と電極A2とを有し、光電池セルBは、長手方向に沿って離間した電極B1と電極B2とを有する。光電池セルAおよび光電池セルBが長手方向に沿って順次配置されると、電極A1、電極A2、電極B1、および電極B2は、長手方向に沿って順次配置される。この場合、電極A2および電極B1は互いに近くにあり、電極A1および電極B2は互いに離れている。この場合、導電性バンド1001は、電極A2および電極B1に電気的に接続されて電極A2および電極B1を導電接続する。この場合、電極A2および電極B1が同じ極性を有する(すなわち、両方ともが正電極または負電極である)とき、光電池セルAおよび光電池セルBは並列に接続されることができ、電極A2および電極B1が異なる極性を有する(すなわち、一方が正電極であり、他方が負電極である)とき、光電池セルAおよび光電池セルBは直列に接続され得る。
【0040】
以下、説明は、
図1および
図2の紙面の垂直方向が、紙面に記載された「長手方向」であるとともに、
図1および
図2の紙面の水平方向が、紙面に記載された「横断方向」である例のみを使用することによりなされる。当然、以下の技術的解決策を読んだ後で、当業者は、別の方向が「長手方向」である技術的解決策を明らかに理解することができる。加えて、この出願の添付図面に示された方向的または位置的関係は、本開示を説明し説明を簡単にする利便性のためのみのものであるが、言及された装置または要素が特定の方向を有し特定の方向において構築および作動させられる必要があることを示すものでも暗示するものでもなく、したがって、本開示に対する限定として理解され得ないことに留意されるべきである。
【0041】
図1および
図2に示されるとおり、複数の光電池セル100は長手方向に順次配置され、各光電池セル100の2つの電極は横断方向に延在するとともに長手方向においてある間隔で分布し、その結果各光電池セル100の頂部および底部の各々が電極を有する。したがって、最上部光電池セル100(例えば光電池セルA)以外の、残りの光電池セル100(例えば光電池セルB)の上部電極(例えば電極B1)および残りの光電池セル100より上にある光電池セル100(例えば光電池セルA)の下部電極(例えば電極A2)は、互いに近くにあるとともに、導電性バンド1001を使用することにより導電接続され得る。すなわち、最も下の光電池セル100(例えば光電池セルB)以外の、残りの光電池セル100(例えば光電池セルA)の下部電極(例えば電極A2)および残りの光電池セル100より下にある光電池セル100(例えば光電池セルB)の上部電極(例えば電極B1)は、互いに近くにあるとともに、導電性バンド1001を使用することにより導電接続され得る。
【0042】
したがって、この本開示の実施形態による光電池セル組立体100Aにおいて、導電性バンド1001の総面積は効果的に減少することができ、導電性バンド1001により引き起こされる熱効果は減少することができ、導電性バンド1001の使用量は減少することができ、光電池セル組立体100Aの総出力は向上され得る。導電性バンド1001ははんだストリップであり得る。
【0043】
本開示の第2態様の一実施形態による光電池セル配列10000が、
図3および
図4を参照して以下で説明される。
【0044】
実施形態において、光電池セル組立体100Aにおける複数の光電池セル100が導電性バンド1001を使用することにより順次直列に接続される場合、光電池セル組立体100Aは光電池セル直列接続構成要素1000である。光電池セル配列10000は、直列に接続された複数の光電池セル並列接続構成要素2000により形成され、各光電池セル並列接続構成要素2000は、並列に接続された複数の光電池セル直列接続構成要素1000により形成される。すなわち、複数の光電池セル直列接続構成要素1000は第1に、並列に接続されて複数の光電池セル並列接続構成要素2000を形成し、複数の光電池セル並列接続構成要素2000は、次いで直列に接続されて光電池セル配列10000を形成する。したがって、光電池セル配列10000の出力は効果的に増加し、バイパス保護を実施するためにダイオードが追加される必要が無く、それによりセルの費用を低下させる。加えて、正および負の接続箱が、光電池セル配列10000の2つの側に分布していてもよく、それにより隣接する構成要素間の接続ケーブルの使用量が減少し、発電所の費用が低下する。
【0045】
例えば、本開示の実施形態において、光電池セル並列接続構成要素2000の量は2つであり、各光電池セル並列接続構成要素2000は、3つの光電池セル直列接続構成要素1000を並列に接続することにより形成される。すなわち、6つの光電池セル直列接続構成要素1000が、「3片が第1に並列に接続され、次いで2片が直列に接続される」やり方で光電池セル配列10000を形成する。すなわち、6つの光電池セル直列接続構成要素1000は第1に、3つずつ並列に接続されて2つの光電池セル並列接続構成要素2000を形成し、次いで、2つの光電池セル並列接続構成要素2000が直列に接続されて光電池セル配列10000を形成する。
【0046】
本明細書において、関連技術における光電池セル配列は通常は、順次直列に接続された60個の光電池セルを含み、各10個の光電池セルが第1に直列に接続されて光電池セルストリングを形成し、6つの光電池セルストリングが次いで順次直列に接続され、その結果、60個の光電池セルが全て順次直列に接続され得ることに留意されるべきである。各光電池セルの電圧が0.5Vであるとき、直列に接続された60個の光電池セルの電圧は30Vである。この場合、ある光電池セルストリングが故障した場合、光電池セル配列全体が通常は作動することができず、したがって3つのダイオードが並列に接続される必要がある。このようにして、ある光電池セルストリングが故障した場合であっても、回路は、並列に接続されたダイオードを使用することにより、依然としてループを形成し、光電池セル配列は依然として通常通り作動することができ、廃棄されるとまでなり得ないが出力が小さい。しかしながら、一方で、ダイオードの製造費用は比較的高く、他方で、ダイオードは接続箱において配置される必要があるため、接続箱は、幅方向に近いセルプレートの中間においてエッジに配置され、正および負電極は接続箱を使用することにより導出され、構成要素において使用された一体化された接続箱もまた製造費用を増加させる。加えて、接続箱は構成要素の中心に位置するため、構成要素が直列に接続されると、接続ケーブルの使用量は大きく、材料の浪費が引き起こされ、発電所の費用もまた増加する。
【0047】
相対的に、本明細書における光電池セル100の幅は、標準的な光電池セルの幅の1/4であり得る。この場合、10個の光電池セル100を直列に接続することにより形成された光電池セル直列接続構成要素1000の総電圧は20V(すなわち、40×0.5V=20V)であり、したがって、そのような直列に接続された2つの光電池セル直列接続構成要素1000の電圧は40Vに達することができ、それにより、使用電圧に効果的に到達する。加えて、上述の「3片が第1に並列に接続され、次いで2片が直列に接続される」やり方で光電池セル配列10000が形成される場合、並列接続構造が並列接続バイパスを保護し得るため、追加的なダイオードがバイパス保護を実施するために追加される必要がなく、それにより製造費用が低下する。加えて、正および負の接続箱は、光電池セル配列10000の2つの側に分布し得るため、構成要素間の接続ケーブルの使用量は減少し、発電所の費用はさらに低下する。
【0048】
本開示の第3態様の一実施形態による太陽電池セル組立体が以下で説明される。
【0049】
実施形態において、太陽電池セル組立体は、表側から裏側へ順次配置された、第1パネルと、第1接合層と、セルと、第2接合層と、第2パネルとを含む。セルは、第1態様の前述の実施形態による光電池セル組立体100Aであってもよく、または、第2態様の前述の実施形態による光電池セル配列10000であってもよい。したがって、太陽電池セル組立体はより高い出力、より高いエネルギー効率、およびより低い費用を有し、より簡単かつ便利に製造される。ここで、表側は受光側を指し、裏側はバックライト側を指す。
【0050】
本開示の第4態様の一実施形態による太陽電池セル組立体を作製するための方法が以下で説明される。
【0052】
実施形態において、セルが光電池セル組立体100Aである場合、2つの隣接する光電池セル100は第1に、光電池セル組立体100Aを得るために、導電性バンド1001を使用することにより直列に接続されるか並列に接続されてもよく、次いで、光電池セル組立体100Aの正電極および負電極がそれぞれ、母線1002を使用することにより導出される。
【0053】
実施形態において、セルが光電池セル配列10000である場合、2つの隣接する光電池セル100は第1に、複数の光電池セル直列接続構成要素1000を得るために、導電性バンド1001を使用することにより直列に接続されてもよく、次いで、複数の光電池セル直列接続構成要素1000は、複数の光電池セル並列接続構成要素2000を得るために、母線1002を使用することにより並列に接続され、次いで、複数の光電池セル並列接続構成要素2000は、光電池セル配列10000を得るために、母線1002を使用することにより直列に接続され、最後に、光電池セル配列10000の正電極および負電極はそれぞれ、母線1002を使用することにより導出される。
【0054】
次いで、第1パネル、第1接合層、セル、第2接合層、および第2パネルが積層構造を得るために垂直方向に順次置かれ、次いで、積層構造がラミネート加工および封入される。例えば、第1パネル(例えばガラス)、第1接合層(例えばEVA)、セル、第2接合層(例えばEVA)、および第2パネル(例えばセル裏板またはガラス)は第1に、積層構造を得るように底部からある順序で順次置かれてもよく、次いで、先行するステップにおける積層構造が積層機械に置かれるとともにラミネート加工され、接続箱およびフレームが取り付けられ、それにより、太陽電池セル組立体を封入および製造する。
【0055】
本開示の複数の実施形態による光電池セル100が、
図1および
図2を参照して、ならびに
図5〜
図45を参照して以下に記載される。
【0056】
本開示の実施形態において、導電性バンド1001の伸長方向において、導電性バンド1001の伸長長さは、導電性バンド1001により導電接続された各電極の伸長長さ以上であり、導電性バンド1001の2つの端部の各々は、導電性バンド1001により導電接続された各電極の対応する端部を越えるかこれと同一平面にある。しかしながら、導電性バンド1001の2つの端部の各々が導電性バンド1001により導電接続された各電極の対応する端部を越える場合、導電性バンド1001は、同じシリコンウエハ1上の2つの電極が短絡するのを防ぐために、導電性媒体であって、各シリコンウエハ1上にあるとともにその電荷が導電性バンド1001により導電接続された電極が帯びている電荷と反対である導電性媒体から安全な距離を保つ必要があることに留意されるべきである。
【0057】
例えば、
図1および
図2に示された例において、電極A2および電極B1の両方は横断方向に沿って延在し、導電性バンド1001もまた横断方向に沿って延在し、横断方向における導電性バンド1001の長さは、横断方向における電極A2の長さ以上であり、同様に、横断方向における電極B1の長さ以上であり、横断方向における導電性バンド1001の2つの端部はそれぞれ、左端部および右端部である。導電性バンド1001の左端部は、左へ向かって、電極A2の左端部を越えるかそれと同一平面であり、導電性バンド1001の左端部はまた、左に向かって、電極B1の左端部を越えるかそれと同一平面である。導電性バンド1001の右端部は、右に向かって、電極A2の右端部を越えるかそれと同一平面であり、導電性バンド1001の右端部はまた、右に向かって、電極B1の右端部を越えるかそれと同一平面である。さらに、導電性バンド1001の左および右端部の各々はまた、電極A1および電極A2が短絡するのを防ぎ、また、電極B1および電極B2が短絡するのを防ぐために、電極A1、電極A1に電気的に接続された導電性媒体、電極B2、および電極B2に電気的に接続された導電性媒体の各々から安全な距離を保つ必要がある。したがって、導電性バンド1001の総面積を減少させ、導電性バンド1001により引き起こされる熱効果を減少させ、導電性バンド1001の使用量を減少させ、光電池セル組立体100Aの総出力を増加させるために、導電性バンド1001が電極に完全に接続されることが確実にされ得る。
【0058】
本開示の実施形態において、導電性バンド1001の伸長方向に垂直な方向において、導電性バンド1001のスパンは、導電性バンド1001により導電接続された2つの電極のスパンの合計以上であり、導電性バンド1001の2つの側部エッジはそれぞれ、導電性バンド1001により導電接続された2つの電極の、互いに離れた、2つの側部エッジを越えるかこれと同一平面にある。しかしながら、導電性バンド1001の2つの側部エッジが、導電性バンド1001により導電接続された2つの電極の互いに離れた2つの側部エッジをそれぞれ越える場合、導電性バンド1001は、同じシリコンウエハ1上の2つの電極が短絡するのを防ぐために、導電性媒体であって、各シリコンウエハ1上にあるとともにその電荷が導電性バンド1001により導電接続された電極が帯びている電荷と反対である導電性媒体から安全な距離を保つ必要があることに留意されるべきである。
【0059】
例えば、
図1および
図2に示された例において、電極A2および電極B1の両方は横断方向に延在し、導電性バンド1001もまた横断方向に沿って延在し、長手方向における導電性バンド1001の幅は、長手方向における電極A2の幅と長手方向における電極B1の幅との合計以上であり、長手方向における導電性バンド1001の2つの側部エッジはそれぞれ、上側部エッジおよび下側部エッジである。導電性バンド1001の上側部エッジは、上向きに電極A2の上側部エッジ越えるかそれと同一平面であり、導電性バンド1001の下側部エッジは、下向きに電極B1の下側部エッジを越えるかそれと同一平面である。さらに、導電性バンド1001の上側部エッジおよび下側部エッジの各々はまた、電極A1および電極A2が短絡するのを防ぎ、また、電極B1および電極B2が短絡するのを防ぐために、電極A1、電極A1に電気的に接続された導電性媒体、電極B2、および電極B2に電気的に接続された導電性媒体の各々から安全な距離を保つ必要がある。したがって、導電性バンド1001の総面積を減少させ、導電性バンド1001により引き起こされる熱効果を減少させ、導電性バンド1001の使用量を減少させ、光電池セル組立体100Aの総出力を増加させるために、導電性バンド1001が電極に完全に接続されることが確実にされ得る。
【0060】
本開示の任意の実施形態において、導電性バンド1001は、2つの半部であって、その構造が同じであるとともに導電性バンド1001の伸長方向に垂直に順次配置される2つの半部を含み、2つの半部は、厳密にそれぞれ、導電性バンドに1001より導電接続された2つの電極を覆う。例えば、
図1および
図2に示された例において、導電性バンド1001は横断方向に沿って延在するとともに、長手方向に順次配置された上半部と下半部とを含み、上半部は電極A2を厳密に覆い、すなわち、上半部のプロファイル線は電極A2のプロファイル線と一致し、下半部は電極B1を厳密に覆い、すなわち、下半部のプロファイル線は電極B1のプロファイル線と一致する。したがって、導電性バンド1001の総面積を減少させ、導電性バンド1001により引き起こされる熱効果を減少させ、導電性バンド1001の使用量を減少させ、光電池セル組立体100Aの総出力を増加させるために、導電性バンド1001が電極に完全に接続されることが確実にされ得る。
【0061】
任意に、導電性バンド1001の伸長方向に垂直な方向において、2つの隣接する光電池セル100間の間隙は0.1mm以下である。すなわち、2つの隣接する光電池セル100間の間隙は0mm〜0.1mmである。例えば、
図1および
図2に示された例において、導電性バンド1001は横断方向に沿って延在し、光電池セルAおよび光電池セルBは長手方向に順次配置される。この場合、光電池セルAの下エッジと光電池セルBの上エッジとの間の距離が、光電池セルAと光電池セルBとの間の間隙である。したがって、2つの隣接する光電池セル100間の導電性バンド1001の伸長方向に垂直な間隙が0.1mm以下に限定される場合、導電性バンド1001の総面積はさらに減少することができ、導電性バンド1001により引き起こされる熱効果は減少することができ、導電性バンド1001の使用量は減少することができ、光電池セル組立体100Aの総出力は増加し得る。加えて、2つの光電池セル100間に比較的小さい間隙がある場合、光電池セル100の不規則な形状または作動誤差が理由となって引き起こされる隣接する光電池セル100間の重畳の問題が回避され得る。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態において、側部導電性部材3が位置する側面に垂直な方向におけるシリコンウエハ1のスパンは20mm〜60mmである。すなわち、シリコンウエハ1は、互いに反対側に配置された(2つの)側面のグループを含み、側部導電性部材3は一方の側面に配置され、この側面のグループ間の距離は20mm〜60mmである。例えば、
図1および
図2に示された例において、シリコンウエハ1は長方形シートであり、側部導電性部材3がシリコンウエハ1の長い側の側面に配置されるとき、シリコンウエハ1の幅は20mm〜60mmである。例えば、本開示の別の例(例は図示せず)において、シリコンウエハ1が長方形シートであり、側部導電性部材3がシリコンウエハ1の幅広い側の側面に配置されると、シリコンウエハ1の長さは20mm〜60mmである。
【0063】
したがって、シリコンウエハ1の表面から裏面に伝送される電荷の経路は短縮されることができ、それにより電荷移動速度を増加させ、次いで光電池セル100の出力を増加させる。本明細書において、「長方形シート」は幅広く理解され、すなわち、厳密に長方形のシートに限定されないことに留意されるべきである。例えば、おおよそ長方形のシート、例えば、4つの頂角が丸い形のコーナまたは面取りを有する長方形シートもまた本開示の保護範囲に該当する。したがって、光電池セル100を製造するのが便利であり、光電池セル100を接続するのが便利である。ここで、表面は受光面を指し、裏面はバックライト面を指す。
【0064】
任意に、シリコンウエハ1は長方形シートであり、長さ不変のルールにより、四角形の標準的なシリコンウエハ本体を分割すること(これは、「分離すること」のみを意味し、「切断プロセスを行うこと」は特に意味しない)により形成される。すなわち、四角形シリコンウエハ本体は、長さ不変のやり方で、複数の長方形シート形シリコンウエハ1に分割され得る。この場合、各シリコンウエハ1の長さは四角形シリコンウエハ本体の長さに等しく、複数のシリコンウエハ1の幅の合計は四角形シリコンウエハ本体の幅に等しい。
【0065】
シリコンウエハ1は長方形シートであり、2つの電極はそれぞれシリコンウエハ1の2つの長い側に対して配置され、シリコンウエハ1の幅方向に離間され、シリコンウエハ1の長さ方向に沿って延在し、側部導電性部材3は、シリコンウエハ1の一方の長い側の側面に配置され、すなわち、シリコンウエハ1の幅方向におけるある側の側面に配置される。したがって、電荷伝送経路はより短く、光電池セル100の出力はより高く、光電池セル100はより単純かつ便利に製造され、光電池セル100を接続することがより便利である。
【0066】
任意に、2つの電極の各々は長方形シートであってもよく、シリコンウエハ1の長さに等しい長さを有してもよく、その結果、各電極の2つの幅広い側および一方の長い側はそれぞれ、シリコンウエハ1の2つの幅広い側および一方の長い側と整列していてもよい。したがって、空間は完全に使用されることができ、光電池セル100の出力は増加し、その後光電池セル100を接続するのが便利である。加えて、側部導電性部材3はまた、シート形でありシリコンウエハ1の幅方向におけるある側の側面を完全に占めるように構築されてもよく、それにより光電池セル100の出力を増加させる。当然、側部導電性部材3および電極の特定の構造はこれに限定されない。例えば、側部導電性部材3および電極は、間隔をあけて分布する複数のサブ電極により、さらにそれぞれ、分離した電極になるように形成され得る。
【0067】
以下の実施形態1〜実施形態7を参照すると、各光電池セル100の2つの電極はそれぞれ、側部導電性部材3に電気的に接続された第1電極4および側部導電性部材3に電気的に接続されていない第2電極5であり、シリコンウエハ1は、シリコン基板11と、表第1タイプ拡散層12と、裏分割層14とを含み、シリコン基板11の裏面は第1領域と第2領域とを含み、表第1タイプ拡散層12はシリコン基板11の表面に配置され、表導電性部材は表第1タイプ拡散層12上に配置され、裏分割層14は第1領域のみに配置されるとともに第1領域を完全に覆い、第1電極4は裏分割層14上に配置され、第2電極5は第2領域に配置されているとともに第1電極4と接触しておらず、裏分割層14の少なくとも一部は、絶縁層または表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層である。したがって、光電池セル100は単純な構造を有し、便利に製造および実装される。
【0068】
以下の実施形態1〜実施形態7を参照すると、シリコンウエハ1はさらに側部分割層13を含み、側部分割層13はシリコン基板11の側面に配置されており、側部導電性部材3は側部分割層13上に配置されており、側部分割層13の少なくとも一部は、絶縁層または表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層である。以下の実施形態1を参照すると、各光電池セル100はさらに裏電気層60を含み、裏電気層60は第2領域に配置され、第2電極5は裏電気層60上に配置され、裏電気層60に電気的に接続される。
【0069】
以下の実施形態2〜実施形態7を参照すると、各光電池セル100はさらに第2裏ゲート線層6を含み、第2裏ゲート線層6および第2電極5は両方とも第2領域に配置され、第2電極5および第2裏ゲート線層6は電気的に接続されるとともに互いに重ね合わされない。さらに、以下の実施形態2〜実施形態6を参照すると、シリコンウエハ1はさらに、表第1タイプ拡散層12とは異なるタイプの裏第2タイプ拡散層15を含み、裏第2タイプ拡散層15は第2領域のみに配置されるとともに第2領域を完全に覆い、第2裏ゲート線層6および第2電極5は両方とも裏第2タイプ拡散層15上に配置される。
【0070】
以下の実施形態5〜実施形態7を参照すると、各光電池セル100はさらに第1裏ゲート線層7を含み、第1裏ゲート線層7および第1電極4は両方とも裏分割層14上に配置され、第1電極4および第1裏ゲート線層7は電気的に接続されるとともに互いに重ね合わされない。さらに、以下の実施形態5〜実施形態7を参照すると、裏分割層14は、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの裏第1タイプ拡散層であり、裏第1タイプ拡散層は第1領域のみに配置されるとともに第1領域を完全に覆い、第1裏ゲート線層7および第1電極4は両方とも裏第1タイプ拡散層上に配置される。
【0071】
以下の実施形態1〜実施形態7を参照すると、第1領域および第2領域の各々は分離していない領域である。すなわち、第1領域がランダムに複数の部分領域に分割されると、複数の部分領域は全て、連続的な第1領域を形成するように互いに連通し得る。任意の層が第1領域のみに配置されるとともに第1領域を完全に覆う場合、当該任意の層もまた分離していない層、すなわち連続的な層である。第2領域がランダムに複数の部分領域に分割されると、複数の部分領域は全て、連続的な第2領域を形成するように互いに連通し得る。任意の層が第2領域のみに配置されるとともに第2領域を完全に覆うとき、当該任意の層もまた分離していない層、すなわち連続的な層である。
【0072】
以下の実施形態1〜実施形態4を参照すると、第1領域および第2領域の各々は、便利に製造される長方形領域である。以下の実施形態5〜実施形態7を参照すると、第1領域および第2領域は指交差状に分布している。この場合、第1領域は第1連通領域と複数の第1分散領域とを含み、複数の第1分散領域は第1連通領域の長さ方向に離間しているとともに各々は第1連通領域と連通しており、第2領域は、第2連通領域と複数の第2分散領域とを含み、複数の第2分散領域は第2連通領域の長さ方向において離間しているとともに各々は第2連通領域と連通しており、第1連通領域および第2連通領域は並列に配置されており、複数の第1分散領域および複数の第2分散領域は、第1連通領域と第2連通領域との間に1つずつ交互にある。
【0073】
実施形態1
図5〜
図9を参照すると、光電池セル100は、シリコンウエハ1、表導電性部材、側部導電性部材3、第1電極4、裏電気層60、および第2電極5を含み、表導電性部材は表ゲート線層2であり、シリコンウエハ1は、シリコン基板11、表第1タイプ拡散層12、側部分割層13、および裏分割層14を含み得る。
【0074】
シリコン基板11はシート形であり、厚さ方向のシリコン基板11の2つの表面はそれぞれ、表面および裏面であり、表面は側面を使用することにより裏面に接続される。表第1タイプ拡散層12はシリコン基板11の表面に配置される。例えば、本開示の任意の実施形態において、表第1タイプ拡散層12はシリコン基板11の表面を完全に覆い、それにより表第1タイプ拡散層12の製造の困難さを減少させ、製造効率を増加させ、製造費用を低下させる。
【0075】
側部分割層13はシリコン基板11の側面に配置される。例えば、側部分割層13はシリコン基板11の1つのみの側面に配置されてもよく、または複数の側面に配置されてもよい。任意に、側部分割層13はシリコン基板11の1つのみの側面に配置されるとともに側面を完全に覆う。したがって、側部分割層13を製造するおよび組み立てるのが便利である。
【0076】
側部導電性部材3は側部分割層13上に配置される。すなわち、側部導電性部材3は側部分割層13上に直接的または間接的に配置され得る。この場合、側部導電性部材3はシリコンウエハ1の側面に配置されるとともに側部分割層13に対応する。すなわち、側部導電性部材3は、側部分割層13が位置する側面に垂直な方向に沿って突出しているとき、側部分割層13のプロファイル線を越えない。
【0077】
側部導電性部材3はシリコンウエハ1の側面に配置され、シリコンウエハ1に埋め込まれない。したがって、光電池セル100の製造の困難さ全体は減少することができ、製造プロセスは単純化されることができ、製造効率は増加することができ、製造費用は低下し得る。
【0078】
シリコン基板11の裏面は第1領域と第2領域とを含み、第1領域および第2領域は共通部分セットを有しない。第1領域および第2領域は互いに接触してもよく、または互いに接触していなくてもよい。すなわち、第1領域のプロファイル線および第2領域のプロファイル線は互いに接触してもよく、または互いに接触していなくてもよい。例えば、裏分割層14の、裏電気層60と接触している部分が絶縁層である場合、第1領域および第2領域は互いに接触することができ、裏分割層14の、裏電気層60と接触している部分が表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層である場合、第1領域および第2領域は互いに接触していなくてもよい。第1領域および第2領域の各々は分離していない領域である。
【0079】
裏分割層14は第1領域にのみ配置される。すなわち、第1領域以外のシリコン基板11の裏面の残りの表面は裏分割層14を有さず、さらに、裏分割層14は第1領域を完全に覆う。このようにして、第1領域が分離していない連続的な領域である場合、裏分割層14は分離していなくてもよい、すなわち、シリコン基板11に連続的に配置され得る。したがって、裏分割層14はシリコン基板11上に連続的に、すなわち分離せずに配置され、シリコン基板11上にばらばらに、すなわち、不連続的に、例えば散らばった点の形またはシマウマ形など分離した形態で散らばらない。したがって、裏分割層14の製造の困難さは大幅に減少し、製造効率は増加し、製造費用は低下し、光電池セル100の出力は効果的に増加し得る。
【0080】
表ゲート線層2は表第1タイプ拡散層12上に配置される。すなわち、表ゲート線層2は、表第1タイプ拡散層12上に直接的または間接的に配置され得る。この場合、表ゲート線層2はシリコンウエハ1の表面に配置されるとともに表第1タイプ拡散層12に対応する。換言すると、表ゲート線層2は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、表第1タイプ拡散層12のプロファイル線を越えない。
【0081】
シリコンウエハ1はさらに反射防止層101を含んでもよく、反射防止層101は表第1タイプ拡散層12上に配置されてもよい。このようにして、シリコンウエハ1が反射防止層101を含む場合、表ゲート線層2は反射防止層101上に直接的に配置され得る。しかしながら、シリコンウエハ1が反射防止層101を含まない場合、表ゲート線層2は表第1タイプ拡散層12上に直接的に配置され得る。
【0082】
第1電極4は裏分割層14上に配置される。すなわち、第1電極4は裏分割層14上に直接的または間接的に配置され得る。この場合、第1電極4はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第1領域に対応する。換言すると、第1電極4は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1領域を越えない。例えば、第1電極4はさらに、不動態化層を使用することにより、裏分割層14上に間接的に配置され得る。
【0083】
裏電気層60および第2電極5は共に第2領域に配置される。すなわち、裏電気層60および第2電極5は、シリコン基板11の裏面の第2領域に直接的または間接的に配置され得る。この場合、裏電気層60および第2電極5はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第2領域に対応する。すなわち、裏電気層60および第2電極5は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第2領域を越えない。例えば、裏電気層60および第2電極5はさらに、不動態化層を使用することにより、シリコン基板11の裏面に間接的に配置され得る。第1電極4は裏電気層60と接触しておらず、第2電極5とも接触していない。
【0084】
加えて、本開示のいくつかの実施形態において、裏電気層60および第2電極5は互いに重ね合わされなくてもよく、互いに接触接続していることに留意されるべきである。この場合、裏電気層60および第2電極5はそれぞれ、シリコンウエハ1の裏面に完全に配置されており、互いに直接接触しているとともに互いに電気的に接続されている。したがって、空間は完全に使用されることができ、光電池セル100の出力は増加する。本開示のいくつかの他の実施形態において、裏電気層60および第2電極5はさらに、互いに重ね合わされ得る。この場合、裏電気層60および第2電極5が重ね合わされた後に得られる合体セット表面はシリコンウエハ1の裏面に配置される。
【0085】
本明細書において、導電性媒体が、表第1タイプ拡散層12上に(直接的または反射防止層または不動態化層を使用することにより間接的に)配置されるか、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層(例えば、以下で説明される側部第1タイプ拡散層および裏第1タイプ拡散層)上に(直接的または反射防止層または不動態化層を使用することにより間接的に)配置される場合、あるタイプの電荷が取集されてもよく、導電性媒体が、表第1タイプ拡散層12を有しないシリコン基板11の表面に(直接的または不動態化層を使用することにより間接的に)配置されるか、表第1タイプ拡散層12とは反対のタイプの拡散層(例えば、以下で説明される裏第2タイプ拡散層)上に(直接的または不動態化層を使用することにより間接的に)配置される場合、別のタイプの電荷が取集され得ることに留意されるべきである。本明細書において、導電性媒体がシリコンウエハから電荷を取集する原理は当業者によく知られているはずであることに留意されるべきである。詳細は本明細書においては再度説明されない。
【0086】
加えて、本明細書における実施形態1〜実施形態7におけるシリコンウエハ1の表面全体の各々の最外面および1つの側面は反射防止層を有してもよく、本明細書における実施形態2〜実施形態7におけるシリコンウエハ1の裏面全体の最外面はさらに不動態化層を有してもよく、それにより製造および組立てを円滑にすることに留意されるべきである。加えて、本明細書において説明された反射防止層および不動態化層の概念は当業者によく知られているはずであり、反射防止層および不動態化層は主に、反射を減少させるとともに電荷取集を強化する役割を担うことに留意されるべきである。例えば、反射防止層および不動態化層の材料は、限定するものではないが、TiO2、Al2O3、SiNxOy、およびSiNxCyを含み得る。
【0087】
例えば、シリコン基板11がP型シリコンでできている場合、表第1タイプ拡散層12はリン拡散層であってもよい。この場合、リン拡散層上に配置された導電性媒体は負の電荷を取集することができ、非リン拡散層上に配置された導電性媒体は正の電荷を取集することができる。このようにして、表ゲート線層2は、表第1タイプ拡散層12上に配置される(例えば、直接的に配置されるか反射防止層101を使用することにより間接的に配置される)ため、表ゲート線層2は第1タイプの電荷(例えば負の電荷)を取集し得る。裏電気層60はシリコン基板11の裏面に配置され(例えば、直接的に配置されるか不動態化層を使用することにより間接的に配置される)、その結果、裏電気層60は第2タイプの電荷(例えば正の電荷)を取集し得る。
【0088】
具体的には、第1電極4は、側部導電性部材3を使用することにより表ゲート線層2に電気的に接続され、その結果、表ゲート線層2により取集される第1タイプの電荷(例えば負の電荷)は第1電極4(例えば、負電極)に移動させられてもよく、第2電極5は、裏電気層60に電気的に接続され、その結果、裏電気層60により取集された第2タイプの電荷(例えば正の電荷)は第2電極5(例えば、正電極)に移動させられてもよい。したがって、第1電極4および第2電極5は、電気エネルギーを出力するために光電池セル100の正および負電極として機能し得る。加えて、側部導電性部材3はシリコンウエハ1の側面に配置されることから、表ゲート線層2は、側部導電性部材3を使用することにより、簡単かつ便利に第1電極4に効果的に電気的に接続されることができ、それにより、光電池セル100の作動信頼性を確実にする。
【0089】
当業者は、第1電極4および第2電極5は極性が反対の電極である必要があり、互いに絶縁されている、すなわち、互いに導電接続されていないか、互いに電気的に接続されていない必要があることを理解することができる。この場合、第1電極4、第1電極4に電気的に接続された全ての構成要素、および第2電極5、および第2電極5に電気的に接続された全ての構成要素は直接的に導電接続され得ず、および、外部導電性媒体を使用することによって間接的に導電接続され得ず、例えば、互いに接触していなくてもよく、または、絶縁材料を使用することにより切り離されていてもよく、それにより、第1電極4および第2電極5が短絡するのを防ぐ。
【0090】
裏分割層14は、シリコン基板11を使用することにより、第1電極4および第2電極5が短絡するのを防ぐ、すなわち、第1電極4およびシリコン基板11が互いに直接的に接触して短絡を引き起こすのを防ぐように構築される。例えば、裏分割層14は、表拡散層と同じタイプの拡散層、および/または絶縁層であってもよい。すなわち、裏分割層14は完全に、表拡散層と同じタイプの拡散層であってもよく、もしくは完全に絶縁層であってもよく、または裏分割層14の一部は表拡散層と同じタイプの拡散層であってもよく、残りの部分は絶縁層である。第1電極4が絶縁層を使用することによりシリコン基板11上に配置される場合、第1電極4は、第1電極4がシリコン基板11から、第2電極5により取集される電荷と同じタイプの電荷を取集するのを防ぐために、シリコン基板11から直接的に絶縁されてもよく、それにより、第1電極4が、シリコン基板11を使用することにより第2電極5に導電接続されて短絡を引き起こすのを効果的に防ぐ、すなわち、第1電極4およびシリコン基板11が互いに直接的に接触して短絡を引き起こすのを防ぐ。
【0091】
第1電極4が表拡散層と同じタイプの拡散層を使用することによりシリコン基板11上に配置される場合、第1電極4は、拡散シリコン基板11から、表ゲート線層2により取集される電荷と同じタイプの電荷、すなわち、第2電極5により取集される電荷と反対のタイプの電荷を取集することができ、それによりまた、第1電極4および第2電極5が短絡するのを防ぎ、光電池セル100の出力を増加させる。
【0092】
側部分割層13は、シリコン基板11を使用することにより、側部導電性部材3および第2電極5が短絡するのを防ぐように構築され、それにより、第1電極4および第2電極5が短絡するのを防ぐ、すなわち、側部導電性部材3およびシリコン基板11が互いに直接的に接触して短絡を引き起こすのを防ぐ。例えば、側部分割層13は、表拡散層と同じタイプの拡散層、および/または絶縁層であってもよい。すなわち、側部分割層13は完全に、表拡散層と同じタイプの拡散層であってもよく、もしくは完全に絶縁層であってもよく、または裏分割層14の一部は表拡散層と同じタイプの拡散層であってもよく、残りの部分は絶縁層である。
【0093】
側部導電性部材3が、絶縁層を使用することによりシリコン基板11上に配置される場合、側部導電性部材3は、側部導電性部材3がシリコン基板11から、第2電極5により取集される電荷と同じタイプの電荷を取集するのを防ぐために、シリコン基板11から直接的に絶縁されることができ、それにより、側部導電性部材3が、シリコン基板11を使用することにより第2電極5に導電接続されて短絡を引き起こすことを効果的に防ぐ、すなわち、側部導電性部材3およびシリコン基板11が互いに直接的に接触して短絡を引き起こすのを防ぐ。
【0094】
側部導電性部材3が、表拡散層と同じタイプの拡散層を使用することにより、シリコン基板11上に配置される場合、側部導電性部材3は、拡散シリコン基板11から、表ゲート線層2により取集される電荷と同じタイプの電荷、すなわち、第2電極5により取集される電荷と反対のタイプの電荷を取集してもよく、それによりまた、側部導電性部材3および第2電極5が短絡するのを防ぐ、すなわち、側部導電性部材3およびシリコン基板11が互いに直接的に接触して短絡を引き起こすのを防ぎ、光電池セル100の出力を増加させる。
【0095】
具体的には、本開示の実施形態において、側部分割層13および裏分割層14の少なくとも一方の少なくとも一部は、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層である。すなわち、側部分割層13の少なくとも一部が表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層であるか、裏分割層14の少なくとも一部が表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層であるかのいずれかであり、それにより、第1電極4および第2電極5の絶縁効果を確実にするのみならず、光電池セル100の出力を増加させる。
【0096】
任意に、裏分割層14は完全に、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層である、すなわち、裏分割層14は、第1領域を完全に覆う第1裏拡散層である。したがって、製造は容易にされ、絶縁信頼性は良好となる。任意に、側部分割層13は完全に、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層である、すなわち、側部分割層13はシリコン基板11の側面を完全に覆う側部拡散層である。したがって、製造は容易にされ、絶縁信頼性は良好となる。
【0097】
本明細書において、シリコン基板、拡散層、反射防止層、および不動態化層などの概念、ならびに導電性媒体がシリコンウエハから電荷を取集する原理は全て当業者にはよく知られていることに留意されるべきである。詳細は本明細書においては再度説明されない。
【0098】
加えて、本開示の任意の実施形態において、以下で説明される表ゲート線層2、ならびに第2裏ゲート線層6および第1裏ゲート線層7の各々は、間隔をあけて配置された複数の導電性の細いゲート線により形成された導電性誘電層であってもよく、細いゲート線は銀材料でできていてもよい。したがって、一方で、導電率は増加することができ、他方で、遮光領域は縮小することができ、それにより光電池セル100の出力を偽装した形で増加させる。裏電気層60はアルミニウム層、すなわちアルミニウム裏面電界であってもよい。したがって、一方で、導電率は増加することができ、他方で、費用は減少し得る。
【0099】
まとめると、この本開示の実施形態による光電池セル100において、裏分割層14および側部分割層13の少なくとも一方の少なくとも一部は、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの拡散層であることから、第1電極4と第2電極5との間の絶縁体が確実にされ得るとは言わないが、また、光電池セル100の出力は効果的に増加し得る。
【0100】
さらに、シリコン基板11の側面に側部導電性部材3を配置することにより、既存の光電池セルの表面上の第1電極は、第1電極がシリコンウエハの表側で遮光するのを防ぐために、シリコンウエハの表側から裏側へ移動させられ得る。したがって、既存の光電池セルと比較すると、本開示の光電池セル100の出力はより高い。さらに、本開示の光電池セル100の第1電極4および第2電極5はシリコンウエハ1の同じ側に位置し、それにより、複数の光電池セル100間の電気接続を円滑にし、溶接の困難性を減少させ、はんだの使用量を減少させ、ならびにまた溶接中および後続の積層プロセスにおける光電池セル100の損傷可能性を減少させる。
【0101】
加えて、側部導電性部材3はシリコンウエハ1の側面に配置され、それにより、光電池セル100の製造の困難さを大幅に減少させ(例えば、シリコンウエハ1上に穴を製造することおよび穴に導電性媒体を注入することなどの製造プロセスが不要である)、次いで、製造速度を向上させるとともに、製造不良率および製造費用を低下させる。加えて、側部導電性部材3がシリコン基板11の幅方向における側の側面に配置される場合、電荷移動速度を向上させるために、シリコンウエハ1の表側から裏側へ移動する電荷の経路は効果的に短縮されることができ、それにより光電池セル100の出力を偽装した形で増加させる。
【0102】
任意に、第1領域および第2領域が各々分離していない領域であり、共通部分セットを有しておらず、互いに接触しておらず、シリコンウエハ1が長方形シートである場合、第1領域および第2領域は各々長方形の領域であってもよく、シリコンウエハ1の幅方向にある間隔で配置され得る。面積が比較的大きい第1電極4および裏電気層60が製造され得る。任意に、第1電極4の外エッジは、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1領域のプロファイル線の上に位置し、裏電気層60は第2領域を完全に覆い、第2電極5は裏電気層60上に配置される。したがって、光電池セル100の出力を最大にするために、第1領域および第2領域は最大限に使用され得る。本明細書において、平坦な構成要素(例えば、本明細書において説明された長方形シート形の第1電極4および第2電極5)について、「外エッジ」は平坦な構成要素のプロファイル線であり、線形の構成要素(例えば、本明細書において説明された細いゲート線)について、「外エッジ」は線形の構成要素の2つの端点であることに留意されるべきである。
【0103】
表ゲート線層2は、側部導電性部材3の長さ方向に垂直に延在する複数の表二次ゲート線層21を含む。すなわち、各表二次ゲート線層21は側部導電性部材3の長さ方向に垂直である。したがって、表二次ゲート線層21の電荷伝送経路は短縮されてもよく、それにより、電荷伝送効率を向上させ、光電池セル100の出力を増加させる。
【0104】
実施形態1による光電池セル100を作製するための方法が以下で簡潔に説明される。
【0105】
ステップa1.レーザーを使用することにより、四角形の標準的なシリコン基板本体(例えば、仕様が156mm*156mmである標準的なシリコン基板)を長さが不変の(例えば、長さの各々が156mmである)3〜15(任意に、5〜10)個の長方形シート形シリコン基板11に平均的に分割および切断し、次いで光電池セル100を製造する後続のプロセスを実施する。当然、本開示はこれに限定されず、長方形シート形シリコン基板11はさらに、別のやり方またはプロセスを使用することにより得られ得る。本明細書において、四角形の標準的なシリコン基板本体は任意に3つの部分または4つ以上の部分へ平均的に分割され、それにより、電荷が表面から裏面へ移動する距離を短縮し、その結果、電荷は効率的かつ容易に取集され、それにより光電池セル100の出力を増加させ、四角形の標準的なシリコン基板本体が15個の部分または15個未満の部分に平均的に分割される場合、切断および製造は容易であり、光電池セル100が続いて直列に接続されるか並列に接続される場合、比較的少量のはんだが消費され、それにより、直列に接続されたか並列に接続された後の光電池セル100の総出力を向上させ、費用を低下させることに留意されるべきである。
【0106】
ステップa2.洗浄およびテクスチャ加工を実施する:洗浄はシリコン基板11の各表面上のゴミを取り除き、テクスチャ加工はシリコン基板11の各表面の反射性を低下させる。
【0107】
ステップa3.拡散および接合準備を実施する:P−N接合を作製するために、両面拡散が拡散炉を使用することによりシリコン基板11で実施され、その結果、シリコン基板11の各表面は同じタイプの拡散層を有する
【0108】
ステップa4.マスク保護を実施する:第1領域の拡散層(すなわち、裏拡散層14として使用されるもの)および第1領域に隣接する側面の拡散層(すなわち、側部拡散層13として使用されるもの)がパラフィンを使用することにより保護される。
【0109】
ステップa5.エッチングを実施する:パラフィンにより保護されておらずシリコン基板11の側面および裏面にある裏接合部が除去される
【0110】
ステップa6.パラフィン保護を除去し、ホスホシリケートガラスを除去し、それにより、パラフィンにより保護された裏拡散層14および側部拡散層13を得る。
【0111】
ステップa7.表拡散層12に反射防止層101を蒸着する、反射防止層101の材料はTiO2、Al2O3、SiNxOy、およびSiNxCyを含むがこれらに限定されない。
【0112】
ステップa8.第2領域の長さ方向に沿って裏電気層60をスクリーン印刷し、裏電気層60の長さ方向に沿って第2電極5をスクリーン印刷し、裏拡散層14の長さ方向に沿って第1電極4をスクリーン印刷し、乾燥を実施し、第1電極4は裏拡散層14と厳密に一致し、短絡を防ぐために、裏電気層60と第1電極4との間には安全な距離が存在する。
【0113】
ステップa9.ゲート線層2における各二次ゲート線21を第2電極5に垂直にすることを可能にするために、表拡散層12の幅方向に沿ってゲート線層2をスクリーン印刷し、乾燥を実施する。
【0114】
ステップa10.側部拡散層13の長さ方向に沿って側部導電性部材3をスクリーン印刷して、乾燥を実施する。
【0115】
実施形態2
図10〜
図14を参照すると、実施形態2の構造は実施形態1の構造とおおよそ同じであり、同じ構成要素は添付図面において同じ参照符号を有し、違いは以下のものだけである:実施形態1において、裏電気層60は第2領域に配置され第2電極5は裏電気層60上に配置されるが、実施形態2においては、裏第2タイプ拡散層15が第2領域に配置され、第2裏ゲート線層6および第2電極5が裏第2タイプ拡散層15上に配置される。
【0116】
光電池セル100は、シリコンウエハ1、表導電性部材、側部導電性部材3、第1電極4、第2裏ゲート線層6、および第2電極5を含み、表導電性部材は表ゲート線層2であり、シリコンウエハ1は、シリコン基板11、表第1タイプ拡散層12、裏第2タイプ拡散層15、側部分割層13、および裏分割層14を含んでもよく、側部分割層13は、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの側部拡散層であってもよく、裏分割層14は、表第1タイプ拡散層12と同じタイプの裏第1タイプ拡散層であってもよい。裏第2タイプ拡散層15は、第2電極5の長さ方向に垂直に延在する複数の第2裏二次ゲート線層61を含む。すなわち、各第2裏二次ゲート線層61は第2電極5の長さ方向に垂直である。したがって、第2裏二次ゲート線層61の電荷伝送経路は短縮されてもよく、それにより、電荷伝送効率を向上させ、光電池セル100の出力を増加させる。
【0117】
具体的には、シリコン基板11の裏面は第1領域と第2領域とを含み、第1領域および第2領域は共通部分セットを有さず、互いに接触していない。すなわち、第1領域のプロファイル線および第2領域のプロファイル線は互いに接触していない。
【0118】
裏第1タイプ拡散層は第1領域にのみ配置される。すなわち、第1領域以外のシリコン基板11の裏面の残りの表面は裏第1タイプ拡散層を有さず、さらに、裏第1タイプ拡散層は第1領域を完全に覆う。このようにして、第1領域が分離していない連続的な領域である場合、裏第1タイプ拡散層は分離していなくてもよい、すなわち、シリコン基板11に連続的に配置され得る。したがって、裏第1タイプ拡散層はシリコン基板11に連続的に、すなわち分離せずに配置され、シリコン基板11上にばらばらに、すなわち、不連続的に、例えば、散らばった点の形またはシマウマ形など分離した形態で、散らばらない。したがって、裏第1タイプ拡散層の製造の困難さは大幅に減少し、製造効率は増加し、製造費用は低下し、光電池セル100の出力は効果的に増加し得る。
【0119】
裏第2タイプ拡散層15は第2領域のみに配置される。すなわち、シリコン基板11の裏面の、第2領域以外の残りの表面は裏第2タイプ拡散層15を有しない。さらに、裏第2タイプ拡散層15は第2領域を完全に覆う。このようにして、第2領域が分離していない連続的な領域であるとき、裏第2タイプ拡散層15は分離していなくてもよい、すなわち、シリコン基板11に連続的に配置され得る。したがって、裏第2タイプ拡散層15はシリコン基板11に連続的に、すなわち分離せずに配置され、シリコン基板11上にばらばらに、すなわち、不連続的に、例えば、散らばった点の形またはシマウマ形など分離した形態で、散らばらない。したがって、裏第2タイプ拡散層15の製造の困難さは大幅に減少し、製造効率は増加し、製造費用は低下し、光電池セル100の出力は効果的に増加し得る。
【0120】
第1電極4は裏第1タイプ拡散層上に配置される。すなわち、第1電極4は、裏第1タイプ拡散層上に直接的または間接的に配置され得る。この場合、第1電極4はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第1領域に対応する。すなわち、第1電極4は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1領域を越えない。シリコンウエハ1は不動態化層102をさらに含んでもよく、不動態化層102は裏第1タイプ拡散層上に配置されてもよい。このようにして、シリコンウエハ1が不動態化層102を含む場合、第1電極4は、不動態化層102上に直接的に配置され得る。本開示のいくつかの実施形態において、シリコンウエハ1が不動態化層102を含まない場合、第1電極4は裏第1タイプ拡散層上に直接的に配置され得る。
【0121】
第2裏ゲート線層6および第2電極5は両方とも裏第2タイプ拡散層15上に配置される。すなわち、第2裏ゲート線層6および第2電極5は裏第2タイプ拡散層15上に直接的または間接的に配置され得る。この場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第2領域に対応する。すなわち、第2裏ゲート線層6および第2電極5は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第2領域を越えない。第1電極4は、第2裏ゲート線層6と接触しておらず、第2電極5とも接触していない。
【0122】
例えば、シリコンウエハ1は不動態化層102をさらに含んでもよく、不動態化層102は、裏第2タイプ拡散層15上に配置されてもよい。このようにして、シリコンウエハ1が不動態化層102を含む場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5は、不動態化層102上に直接的に配置され得る。シリコンウエハ1が不動態化層102を含まない場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5は、裏第2タイプ拡散層15上に直接配置され得る。
【0123】
加えて、本開示のいくつかの実施形態において、第2裏ゲート線層6および第2電極5は互いに重ね合わされなくてもよく、互いに接触接続していることに留意されるべきである。この場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5はそれぞれ、シリコンウエハ1の裏面に完全に配置されており、エッジは互いに直接接触しているとともに互いに電気的に接続されている。したがって、空間は完全に使用されることができ、光電池セル100の出力は増加する。本開示のいくつかの他の実施形態において、第2裏ゲート線層6および第2電極5はさらに、互いに重ね合わされ得る。この場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5が重ね合わされた後に得られる合体セット表面はシリコンウエハ1の裏面に配置される。
【0124】
第1領域および第2領域は共通部分セットを有しておらず、互いに接触していないため、面積が比較的大きい第1電極4が製造され得、面積が比較的大きい第2裏ゲート線層6および第2電極5が製造され得る。任意に、第1電極4の外エッジは、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1領域のプロファイル線の上に位置し、第2裏ゲート線層6および第2電極5の各々の外エッジ全体は第2領域のプロファイル線の上に位置する。したがって、光電池セル100の出力を最大にするために、第1領域および第2領域は最大限に使用され得る。
【0125】
本明細書において、本明細書において説明された「第1タイプ拡散層」および「第2タイプ拡散層」は異なるタイプの2つの拡散層であり、導電性媒体が、第1タイプ拡散層および第2タイプ拡散層上に配置される(例えば、直接的に配置されるか本明細書において説明された反射防止層または不動態化層を使用することにより間接的に配置される)場合、異なるタイプの電荷が取集され得ることに留意されるべきである。加えて、本明細書において説明された反射防止層および不動態化層の概念は当業者によく知られており、反射防止層および不動態化層は主に、反射を減少させるとともに電荷取集を強化する役割を担うことに留意されるべきである。
【0126】
したがって、「第1タイプ拡散層」における本明細書において説明された表第1タイプ拡散層、裏第1タイプ拡散層、および側部第1タイプ拡散層は同じタイプの拡散層であり、導電性媒体が第1タイプ拡散層上に配置される場合、第1タイプの電荷が取集されることができ、「第2タイプ拡散層」における裏第2タイプ拡散層は別のタイプの拡散層であり、導電性媒体が第2タイプ拡散層上に配置される場合、第2タイプの電荷が取集され得る。本明細書において、導電性媒体がシリコンウエハから電荷を取集する原理は当業者によく知られているはずであることに留意されるべきである。詳細は本明細書においては再度説明されない。
【0127】
例えば、シリコン基板11がP型シリコンでできている場合、第1タイプ拡散層はリン拡散層であってもよい。この場合、リン拡散層上に配置された導電性媒体は負の電荷を取集することができる。第2タイプ拡散層はホウ素拡散層であってもよく、ホウ素拡散層上に配置された導電性媒体は正の電荷を取集してもよい。別の例のために、シリコン基板11がN型シリコンでできている場合、「第1タイプ拡散層」はホウ素拡散層であってもよく、「第2タイプ拡散層」はリン拡散層であってもよい。詳細は本明細書においては再度説明されない。
【0128】
このようにして、表ゲート線層2は、第1タイプ拡散層上に配置される(例えば、直接的に配置されるか反射防止層101を使用することにより間接的に配置される)ため、表ゲート線層2は第1タイプの電荷(例えば負の電荷)を取集し得る。第2裏ゲート線層6は第2タイプ拡散層上に配置され(例えば、直接的に配置されるか不動態化層102を使用することにより間接的に配置され)、その結果第2裏ゲート線層6は第2タイプの電荷(例えば正の電荷)を取集し得る。
【0129】
具体的には、第1電極4は、側部導電性部材3を使用することにより表ゲート線層2に電気的に接続され、その結果、表ゲート線層2により取集される第1タイプの電荷(例えば負の電荷)は第1電極4(例えば、負電極)に移動させられてもよく、第2電極5は第2裏ゲート線層6に電気的に接続され、その結果、第2裏ゲート線層6により取集された第2タイプの電荷(例えば正の電荷)は第2電極5(例えば、正電極)移動させられてもよい。したがって、第1電極4および第2電極5は、電気エネルギーを出力するために光電池セル100の正および負電極として機能し得る。
【0130】
このようにして、第1電極4は、シリコンウエハ1の表側に位置する表ゲート線層2を使用することにより第1タイプの電荷を取集することができ、第2電極5は、シリコンウエハ1の裏側に位置する第2裏ゲート線層6を使用することにより第2タイプの電荷を取集することができ、それにより空間利用に向上させ、光電池セル100の出力をさらに増加させる。したがって、光電池セル100は、審美的かつ効率的な両面セルになり得る。
【0131】
具体的には、実施形態2における光電池セル100を作製するための方法は、実施形態1における光電池セル100を作製するための方法とおおよそ同じであり、違いは以下のとおりである:実施形態2におけるシリコンウエハ1が作製されるとき、異なるタイプの両面拡散がシリコン基板11で実施され、すなわち、シリコン基板11の表面および裏面はそれぞれ、異なるタイプの拡散層を得るために拡散され、表面の拡散層は、表第1タイプ拡散層12、側部第1タイプ拡散層13、および裏第1タイプ拡散層14を得るためにシリコン基板11の側面からシリコン基板11の裏面へ延在し、次いで、反射防止層101と同じ材料の不動態化層102が裏第1タイプ拡散層14、裏第2タイプ拡散層15、およびシリコン基板11に蒸着され、次いで、第2裏ゲート線層6が不動態化層102にスクリーン印刷される。
【0132】
実施形態3
図15〜
図19を参照すると、実施形態3の構造は実施形態2のものとおおよそ同じであり、同じ構成要素は添付図面において同じ参照符号を有し、違いは以下のものだけである:実施形態2において、第1領域および第2領域は、共通部分セットを有しておらず互いに接触していないが、実施形態3においては、第1領域および第2領域は共通部分セットを有しておらず、互いに接触している。すなわち、第1領域のプロファイル線および第2領域のプロファイル線は互いに接触する。
【0133】
具体的には、第1領域および第2領域は共通部分セットを有しておらず互いに接触し、第1電極4は第1領域に配置される。すなわち、第1電極4は第1領域に直接的または間接的に配置され得る。この場合、第1電極4はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第1領域に対応する。すなわち、第1電極4は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1領域を越えず、第2領域を越えたところに位置する。第2裏ゲート線層6および第2電極5の各々は第2領域に配置されているとともに第1電極4と接触していない。すなわち、第2裏ゲート線層6および第2電極5は第2領域に直接的または間接的に配置され得る。さらに、第2裏ゲート線層6は第1電極4と接触しておらず、第2電極5も第1電極4と接触していない。この場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第2領域に対応する。すなわち、第2裏ゲート線層6および第2電極5は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第2領域を越えず、第1領域を越えたところに位置する。したがって、第1電極4は第2電極5と接触していることから引き起こされる短絡は、効果的に回避され得る。
【0134】
実施形態4
図20〜
図24を参照すると、実施形態4の構造は実施形態3の構造とおおよそ同じであり、同じ構成要素は添付図面において同じ参照符号を有し、違いは以下のものだけである:実施形態3において、側部分割層13は側部第1タイプ拡散層であり、裏分割層14は裏第1タイプ拡散層であるが、実施形態4においては、側部分割層13および裏分割層14の各々は絶縁層である。
【0135】
具体的には、実施形態4における光電池セル100を作製するための方法は、実施形態2における光電池セル100を作製するための方法とおおよそ同じであり、違いは以下のとおりである:実施形態4におけるシリコンウエハ1が作製される場合、表第1タイプ拡散層12および裏第2タイプ拡散層15を得るために、異なるタイプの両面拡散がシリコン基板11で実施され、すなわち、シリコン基板11の表面および裏面はそれぞれ、異なるタイプの拡散層を得るために拡散され、裏分割層14および側部分割層13を得るために、絶縁層がシリコン基板11の裏面の側部および側部に隣接する側面に製造される。
【0136】
実施形態5
図25〜
図31を参照すると、実施形態5の構造は実施形態3の構造とおおよそ同じであり、同じ構成要素は添付図面において同じ参照符号を有し、違いは以下のものだけである:第1に、実施形態3において、第1電極4のみが裏第1タイプ拡散層(すなわち、裏分割層14)上に配置されるが、実施形態5においては、第1電極4に電気的に接続された第1裏ゲート線層7が、裏第1タイプ拡散層(すなわち、裏分割層14)上にさらに配置される。第2に、実施形態5において、第1領域および第2領域は接触タイプの指交差状に分布する。
【0137】
第1裏ゲート線層7および第1電極4は裏第1タイプ拡散層上に配置される。すなわち、第1裏ゲート線層および第1電極4は、裏第1タイプ拡散層上に直接的または間接的に配置され得る。この場合、第1裏ゲート線層7および第1電極4はシリコンウエハ1の裏面に配置されるとともに第1領域に対応する。すなわち、第1裏ゲート線層7および第1電極4は、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1領域を越えず、第2領域を越えたところに位置する。
【0138】
例えば、シリコンウエハ1は不動態化層102をさらに含んでもよく、不動態化層102は裏第1タイプ拡散層上に配置されてもよい。このようにして、シリコンウエハ1が不動態化層102を含む場合、第1裏ゲート線層7および第1電極4は、不動態化層102上に直接的に配置され得る。シリコンウエハ1が不動態化層102を含まない場合、第1裏ゲート線層7および第1電極4は裏第1タイプ拡散層上に直接的に配置され得る。
【0139】
加えて、本開示のいくつかの実施形態において、第1裏ゲート線層7および第1電極4は互いに重ね合わされなくてもよく、互いに接触接続していることに留意されるべきである。この場合、第1裏ゲート線層7および第1電極4はそれぞれ、シリコンウエハ1の裏面に完全に配置されており、エッジは互いに直接接触しているとともに互いに電気的に接続されている。したがって、空間は完全に使用されることができ、光電池セル100の出力は増加する。本開示のいくつかの他の実施形態において、第1裏ゲート線層7および第1電極4はさらに、互いに重ね合わされ得る。この場合、第1裏ゲート線層7および第1電極4が重ね合わされた後に得られる合体セット表面はシリコンウエハ1の裏面に配置される。
【0140】
したがって、この実施形態による光電池セル100において、第1電極4に接続された表ゲート線層2および第1裏ゲート線層7はそれぞれ、シリコンウエハ1の表面および裏面に製造され、第2電極5に接続された第2裏ゲート線層6はシリコンウエハ1の裏面に製造される、その結果、光電池セル100は両面セルであることができ、出力はより高くなる。
【0141】
第1領域および第2領域は接触タイプの指交差状に分布する。すなわち、第1領域のプロファイル線および第2領域のプロファイル線は互いに接触する。例えば、連続的な、完全な、穴の無い分離していない領域を形成するために、第1領域および第2領域は完全に継ぎ目なく相互接続され得る。例えば、任意に、第1領域および第2領域はシリコン基板11の裏面を完全に覆うことができる。したがって、空間は完全に使用されることができ、光電池セル100の出力は増加する。本明細書において、「指交差状(fingers−crossed shape)」は、左および右手の指が互いに交差して重複しないのと同様の形状であることに留意されるべきである。
【0142】
具体的には、第1領域は第1連通領域と複数の第1分散領域とを含み、複数の第1分散領域は第1連通領域の長さ方向に離間しているとともに各々は第1連通領域と連通しており、第2領域は、第2連通領域と複数の第2分散領域とを含み、複数の第2分散領域は第2連通領域の長さ方向において離間しているとともに各々は第2連通領域と連通している。
【0143】
複数の第1分散領域および複数の第2分散領域の量は限定されておらず、第1連通領域、複数の第1分散領域、第2連通領域、および複数の第2分散領域の形状は限定されていない。例えば、複数の第1分散領域および複数の第2分散領域は各々三角形、半円形、長方形などに形成されてもよく、複数の第1分散領域および複数の第2分散領域は長方形、波状ストリップ形などに形成され得る。
【0144】
第1連通領域および第2連通領域は互いに反対側に配置される。例えば、互いに平行にまたはおおよそ互いに平行に(比較的小さい角度を有して)配置された第1連通領域および第2連通領域、ならびに複数の第1分散領域および複数の第2分散領域は、第1連通領域と第2連通領域との間に1つずつ交互にある。すなわち、第1分散領域、第2分散領域、別の第1分散領域、別の第2分散領域などが、第1連通領域の長さ方向に沿って、すなわち、第2連通領域の長さ方向に沿って順次配置され、複数の第1分散領域および複数の第2分散領域は1つずつ互い違いにされ、交互に交差する。
【0145】
第1連通領域のプロファイル線は複数の第2分散領域のプロファイル線と接触し、第2連通領域のプロファイル線は複数の第1分散領域のプロファイル線と接触する。したがって、第1領域および第2領域が接触タイプの指交差状に配置されることが確実にされ得る。
【0146】
さらに、第1電極4は第1連通領域に配置され、第1裏ゲート線層7は複数の第1分散領域に配置される。換言すると、第1電極4は第1連通領域に対応して配置され、第1裏ゲート線層7は複数の第1分散領域に対応して配置される。すなわち、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第1電極4は第1連通領域のプロファイル線を越えず、第1裏ゲート線層7は複数の第1分散領域のプロファイル線を越えず、第2領域のプロファイル線を越えたところに位置する。したがって、第1電極4および第1裏ゲート線層7は適切かつ単純に展開され、便利に裏第1タイプ拡散層上に製造される。
【0147】
任意に、第1裏ゲート線層7は、第1連通領域の長さ方向に垂直に延在するとともに第1連通領域の長さ方向に離間した複数の第1裏二次ゲート線層71を含む。したがって、第1裏ゲート線層7は、取集された電荷をより短い経路で第1電極4へ移動させることができ、それにより電荷移動効率を向上させ、光電池セル100の出力を増加させる。
【0148】
さらに、第2電極5は第2連通領域に配置され、第2裏ゲート線層6は複数の第2分散領域に配置される。換言すると、第2電極5は第2連通領域に対応して配置され、第2裏ゲート線層6は複数の第2分散領域に対応して配置される。すなわち、シリコンウエハ1の厚さ方向に沿って突出しているとき、第2電極5は第2連通領域のプロファイル線を越えず、第2裏ゲート線層6は複数の第2分散領域のプロファイル線を越えず、第1領域のプロファイル線を越えたところに位置する。したがって、第2電極5および第2裏ゲート線層6は適切かつ単純に展開され、便利に裏第2タイプ拡散層15に製造される。
【0149】
任意に、第2裏ゲート線層6は、複数の第2裏二次ゲート線層61であって、第2連通領域の長さ方向に垂直に延在するとともに第2連通領域の長さ方向に離間した複数の第2裏二次ゲート線層61を含む。したがって、第2裏ゲート線層6は取集された電荷を第2電極5へより短い経路で移動させることができ、それにより電荷移動効率を向上させ、光電池セル100の出力を増加させる。
【0150】
各第1裏二次ゲート線層71のプロファイル線は、第2連通領域および複数の第2分散領域の各々と接触しない。すなわち、各第1裏二次ゲート線層71は第2裏二次ゲート線層61および第2電極5の各々と接触しない。各第2裏二次ゲート線層61のプロファイル線は第1連通領域および複数の第1分散領域の各々と接触しない。すなわち、各第2裏二次ゲート線層61は第1裏二次ゲート線層71および第1電極4の各々と接触しない。
【0151】
具体的には、実施形態5における光電池セル100を作製するための方法は、実施形態2における光電池セル100を作製するための方法とおおよそ同じであり、違いは以下のとおりである:シリコンウエハ1が完全に作製された後で、第2裏二次ゲート線層61が裏第2タイプ拡散層15に製造される。
【0152】
実施形態6
図32〜
図38を参照すると、実施形態6の構造は実施形態5の構造とおおよそ同じであり、同じ構成要素は添付図面において同じ参照符号を有し、違いは以下のものだけである:実施形態5において、第1領域および第2領域は接触タイプの指交差状に分布するが、実施形態6においては、第1領域および第2領域は非接触タイプの指交差状に分布する。
【0153】
第1連通領域のプロファイル線は第2連通領域のプロファイル線および複数の第2分散領域のプロファイル線の各々と接触せず、第2連通領域のプロファイル線は第1連通領域のプロファイル線および複数の第1分散領域のプロファイル線の各々と接触しない。したがって、第1領域および第2領域が非接触タイプの指交差状に配置されることが確実にされ得る。各第1裏二次ゲート線層71のプロファイル線は第2連通領域および第2分散領域の各々と接触しない。すなわち、各第1裏二次ゲート線層71は第2裏二次ゲート線層61および第2電極5の各々と接触しない。各第2裏二次ゲート線層61のプロファイル線は第1連通領域および第1分散領域の各々と接触しない。すなわち、各第2裏二次ゲート線層61は第1裏二次ゲート線層71および第1電極4の各々と接触しない。
【0154】
実施形態7
図39〜
図45を参照すると、実施形態7の構造は実施形態5の構造とおおよそ同じであり、同じ構成要素は添付図面において同じ参照符号を有し、違いは以下のものだけである:実施形態5において、第2領域は裏第2タイプ拡散層15により完全に覆われるが、実施形態7においては、第2タイプ拡散層は第2領域に配置されない。
【0155】
第2電極5および第2裏ゲート線層6は第2領域に直接的または間接的に配置され得る。例えば、第2領域は不動態化層102により完全に覆われてもよく、第2裏ゲート線層6および第2電極5は、不動態化層102上に直接的に配置されてもよい。シリコンウエハ1が不動態化層102を含まない場合、第2裏ゲート線層6および第2電極5は第2領域に直接的に配置され得る。
【0156】
本
開示の説明において、例えば「上」、「より下」、「表」、および「裏」という用語により示された向きまたは位置関係は添付図面に示された向きまたは位置関係に基づき、言及された装置または構成要素が特定の向きを有する必要がある、または特定の向きで構築され作動させられる必要があることを示すか暗示するというよりむしろ、例証および説明の容易さおよび簡潔さのためのみに使用されることが理解されるべきである。したがって、そのような用語は本
開示の限定として解釈されるべきではない。
【0157】
本
開示において、別段の特定または限定がない限り、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、および「固定された」という用語は幅広く理解されるべきであり、例えば、これは直接接続であってもよく、中間媒体を通じて互いと間接的に接続されてもよく、または2つの要素内の連通であってもよく、または2つの要素間の相互作用関係であってもよい。当業者は、特定の状況による本
開示における用語の特定の意味を理解し得る。本
開示において、別段の明確な特定または限定がない限り、第2特徴「上」または「より下」にある第1特徴は、第2特徴と直接接触している第1特徴、または、第2特徴と中間媒体を使用することにより間接接触する第1特徴であり得る。
【0158】
この明細書の説明において、「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「特定の例」、または「いくつかの例」などの指示語の説明は、実施形態または例を参照して説明された特定の特性、構造、材料、または特徴が本
開示の少なくとも1つの実施形態または例に含まれることを意味する。この明細書において、前述の用語の例示的な説明は必ずしも同じ実施形態または例を指さなくてもよい。加えて、説明された特定の特性、構造、材料、または特徴は、任意の1つまたは複数の実施形態または例において、適切なやり方で組み合わされ得る。加えて、矛盾無しに、当業者は、この明細書において説明された異なる実施形態または例ならびに異なる実施形態および例の特徴を統合し得るとともに組み合せ得る。
【0159】
本
開示の実施形態が示されるとともに説明されたが、当業者は、上記
開示が本
開示を限定すると解釈され得ず、本
開示の原理および目的から逸脱すること無しに、実施形態において変形、代替、および修正がなされ得ることを理解し得る。