特許第6802303号(P6802303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6802303少なくとも1つの三次元付加製造装置を備えるプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802303
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの三次元付加製造装置を備えるプラント
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/25 20170101AFI20201207BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20201207BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20201207BHJP
   B29C 64/236 20170101ALI20201207BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20201207BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20201207BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20201207BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20201207BHJP
   B33Y 40/10 20200101ALI20201207BHJP
   B33Y 40/20 20200101ALI20201207BHJP
【FI】
   B29C64/25
   B29C64/153
   B29C64/321
   B29C64/236
   B22F3/16
   B22F3/105
   B28B1/30
   B33Y30/00
   B33Y40/10
   B33Y40/20
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-26232(P2019-26232)
(22)【出願日】2019年2月18日
(65)【公開番号】特開2019-171847(P2019-171847A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2019年2月18日
(31)【優先権主張番号】18164762.9
(32)【優先日】2018年3月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】フィクトール・クレーメル
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102009036153(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0056393(US,A1)
【文献】 国際公開第2017/109395(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/128705(WO,A1)
【文献】 特開2004−010250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 − 64/40
B22F 3/105
B22F 3/16
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を連続的に層ごとに選択照射して硬化させる少なくとも1つの三次元物体の付加製造装置(1)を備えるプラント(2)であって、前記付加製造装置(1)に別々に接続されるか接続可能な複数のモジュール(6,12,13,14)を備えるプラント(2)において、前記複数のモジュール(6,12,13,14)のそれぞれ、隣接して並列に配置された複数のレーン(3,4,5)に沿って、前記付加製造装置(1)に向かうロード方向(9)、および、前記付加製造装置(1)から出るアンロード方向(10)に移動可能であり、前記モジュール(6,12,13,14)が、前記ロード方向(9)に沿って加工位置(11)に移動され、且つ、前記アンロード方向(10)に沿って前記加工位置(11)から移動され、前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)は、同じ方向に延びる少なくとも1つの方向成分(22)を含むことを特徴とするプラント。
【請求項2】
前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)が、湾曲経路および/または整列角度(15)を示ことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)が、少なくとも1つの塗布ユニットが少なくとも1つの前記付加製造装置(1)の造形面上に造形材料を供給するために動かされる塗布方向とともに塗布角度を示ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラント。
【請求項4】
前記少なくとも1つの付加製造装置(1)が、前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)に延び、異なるモジュール(6,12,13,14)がロードされる少なくとも3つのレーン(3,4,5)を備え、前記モジュール(6,12,13,14)は、ドーズレーン(3)上のドーズモジュール(12)、造形レーン(4)上の造形モジュール(13)、および、オーバーフローレーン(5)上のオーバーフローモジュール(14)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項5】
前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)が、レーン(3,4,5)のうち少なくとも2つのレーン(3,4,5)に対して異なる方向または同じ方向であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項6】
ドーズレーン(3)上のドーズモジュール(12)の移動方向が、造形レーン(4)上の造形モジュール(13)の移動方向、および/または、オーバーフローレーン(5)上のオーバーフローモジュール(14)の移動方向と逆方向であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項7】
前記複数のレーン(3,4,5)のうち少なくと1つのレーン(3,4,5)が、前記ロード方向(9)および/またはアンロード方向(10)のバッファレーン(16,17)に接続され、前記バッファレーン(16,17)が前記レーン(3,4,5)の前または後に少なくとも1つの前記モジュール(6,12,13,14)を蓄えるように構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項8】
前記プラント(2)が複数の前記付加製造装置(1)を備え、少なくとも2つの付加製造装置(1)が直列に配置され、1つのレーンが2つの前記付加製造装置(1)における2つの対応する前記加工位置(11)を接続することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項9】
前記プラント(2)が複数の前記付加製造装置(1)を備え、少なくとも2つの付加製造装置(1)が並列に配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項10】
少なくとも1つの前記付加製造装置(1)が前記複数のレーン(3,4,5)を介して少なくとも1つの前処理装置および/または後処理装置(18)に接続され、前記複数のモジュール(6,12,13,14)が、前記複数のレーン(3,4,5)に沿って前記前処理装置および/または後処理装置(18)から前記付加製造装置(1)の前記加工位置(11)に、および/または、前記付加製造装置(1)の前記加工位置(11)から前記前処理装置および/または後処理装置(18)に移動可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項11】
少なくとも1つの前処理装置および/または後処理装置(18)が直列に配置された2つの前記付加製造装置(1)の間に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項12】
少なくとも1つの前処理装置および/または後処理装置(18)が、新たなモジュール(6,12,13,14)を供給し、使用済みモジュール(6,12,13,14)を放出するための1つの行路(19)を備え、または、少なくとも1つの前処理装置および/または後処理装置(18)が、新たなモジュール(6,12,13,14)を供給するための1つの供給行路(19)と、使用済みモジュール(6,12,13,14)を放出するための1つの放出行路(19)とを備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項13】
少なくとも1つの前記付加製造装置(1)の少なくとも1つの実用ユニット(21)が前記複数のレーンに隣接して配置されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項14】
エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を、連続的に層ごとに選択照射して硬化させる求項1〜13のいずれか1項に記載のプラント(2)のための付加製造装置(1)であり、複数のモジュール(6,12,13,14)が、前記付加製造装置(1)に別々に接続されているか接続可能である付加製造装置(1)において、前記複数のモジュール(6,12,13,14)のそれぞれ、隣接して並列に配置された複数のレーン(3,4,5)に沿って、前記付加製造装置(1)に向けてロード方向(9)に、および、前記付加製造装置(1)から出てアンロード方向(10)に移動可能であり、前記モジュール(6,12,13,14)は、前記ロード方向(9)に沿って加工位置(11)に移動され、且つ、前記アンロード方向(10)に沿って前記加工位置(11)から出て移動され、前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)は、同じ方向に延びる方向成分(22)を含むことを特徴とする付加製造装置(1)。
【請求項15】
少なくとも1つのプラント(2)を稼働するための方法であって、前記プラント(2)は、エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を、連続的に層ごとに選択照射して硬化させる、少なくとも1つの三次元物体の付加製造装置(1)を備え、前記プラント(2)は、前記付加製造装置(1)に別々に接続されるか接続可能な複数のモジュール(6,12,13,14)を備える方法において、前記複数のモジュール(6,12,13,14)のそれぞれ、隣接して並列に配置された複数のレーン(3,4,5)に沿って、前記付加製造装置(1)内へ向かうロード方向(9)、および、前記付加製造装置(1)から出るアンロード方向(10)に移動可能か移動され、前記モジュール(6,12,13,14)は、前記ロード方向(9)に沿って加工位置(11)に移動され、且つ、前記アンロード方向(10)に沿って前記加工位置(11)から移動され、前記ロード方向(9)およびアンロード方向(10)は、同じ方向に延びる方向成分(22)を含むことを特徴とする少なくとも1つのプラント(2)を稼働するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を連続的に層ごとに選択照射して硬化させることにより三次元物体を付加製造する少なくとも1つの装置を備えるプラント(設備)に関し、当該プラントは、装置に別々に接続されるか、接続可能な少なくとも1つのモジュールを備える。
【背景技術】
【0002】
三次元物体付加製造装置を備えるプラントは、先行技術により通常知られている。典型的には、(粉末状の)造形材料が、エネルギー源を用いて、例えばエネルギービームによる照射および硬化により、硬化される。よって、造形材料は、付加製造工程で作られる物体の物体データに対応して、選択的および層ごとに硬化される。
【0003】
さらに、例えば、少なくとも1つの装置に造形材料を供給したり、過剰な造形材料を受け取ったり、または三次元物体が付加造形される造形チャンバーを提供するために、モジュールを使用することが先行技術により周知である。各モジュールは、割り当てられたタスクを実行するために、装置に別々に接続されるか、接続可能とすることができる。付加製造工程が終了した後、または、例えば各モジュールのドーズ(投与)チャンバーが空になったり、オーバーフローチャンバーが満タンになったりして、モジュールを変更しなければならない場合、それぞれのモジュールを装置から外して、例えば別の「新たな」未使用のモジュールを接続することができる。
【0004】
使用中のモジュールは、装置から分離して後処理ステーションに移動しなければならず、装置の稼働停止時間を最小限にするために余裕を持って「新たな」モジュールを装置まで運ばなければならないので、比較的高度な物流の取り組みが要求される。「新たな」モジュールを装置で使用する準備ができていないと、装置の稼働停止時間が全体の造形時間を増加させる結果となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プロセス障害を改善し、特に全体の造形時間を短縮することができる、すなわち稼働停止時間を短縮または防止することができる、少なくとも1つの三次元物体付加製造装置を備えるプラントを提供することである。
【0006】
本目的は、請求項1に係る本発明のプラントにより達成される。本発明の有益な実施形態は従属請求項の対象となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で述べるプラントは、エネルギービーム、特にレーザービームまたは電子ビームにより硬化させることができる粉末造形材料(「造形材料」)の層を、連続して層ごとに硬化することにより、技術的な構成要素等の三次元物体を付加製造する少なくとも1つの付加製造装置を備える。前記各造形材料は、金属粉末、セラミック粉末またはポリマー粉末からなる。前記各エネルギービームは、レーザービームまたは電子ビームからなる。前記各装置は、造形材料の塗布と造形材料の硬化とを別々に行う装置とすることができ、例えば、選択式レーザー焼結装置や選択的レーザー溶融装置、選択的電子ビーム溶融装置等が挙げられる。別な形態として、造形材料の連続した層ごとの選択的硬化は、少なくとも1つの結合材を用いて行うことができる。前記結合材は、対応塗布ユニットで塗布してもよく、例えば、紫外線源等の適切なエネルギー源で照射してもよい。
【0008】
前記装置は、その稼働時に使用される複数の機能ユニットを備えてもよい。前記機能ユニットは、処理チャンバー、照射装置およびストリーム生成装置である。前記照射装置は、処理チャンバー内に配置された造形材料層に、少なくとも1つのエネルギービームを選択的に照射するように構成される。前記ストリーム生成装置は、少なくとも一部が、例えば所定の流動プロファイルや流動速度等の所定の流動特性で、処理チャンバー中を流れるガス状流体ストリームを生成するように構成される。前記ガス状流体ストリームは、処理チャンバーを流れる間、硬化していない微粒子状の造形材料、特に前記装置の稼働中に生成された煙または煙残渣で充満される場合がある。前記ガス状流体ストリームは、通常不活性であり、すなわち典型的には、例えばアルゴンや窒素、二酸化炭素等の不活性ガスのストリームである。
【0009】
前述のように、前記プラントは、少なくとも1つのモジュール、特に複数のモジュールを備え、前記モジュールは、少なくとも1つの前記装置に別々に接続されることができる。本発明は、前記少なくとも1つのモジュールが、前記装置内へ入るロード方向、および、前記装置から出るアンロード方向に移動可能であるという技術思想に基づいており、前記モジュールは、前記ロード方向に沿って加工位置に移動され、前記アンロード方向に沿って前記加工位置から移動され、前記ロード方向およびアンロード方向は、同じ方向に延びる少なくとも1つの方向成分を含む。同じ方向に延びる少なくとも1つの方向成分とは、同じ方向に延びる少なくとも1つの成分からなるベクトル方向、すなわちロード方向とアンロード方向であると理解することができる。例えば、前記ロード方向およびアンロード方向は、同じ平面内で延びてよく、同じ方向または少なくとも一部が異なる方向に延びてもよく、前記アンロード方向およびロード方向の少なくとも1つの成分(ベクトルとして解釈される)が、同じ方向に配列される。
【0010】
したがって、本発明により、ロードされるモジュールおよびアンロードされるモジュールを、同じ方向に移動させることができ、すなわち、少なくとも、同じ方向に延びる少なくとも1つの方向成分を含む方向に移動させることができる。このようにして、前記モジュールを前記装置から分離し、「新たな」モジュールが加工位置に挿入される経路をたどって、前記モジュールを加工位置から移動させることが必要である。その代り、現在前記加工位置にあるモジュールがアンロードされる方向は、少なくとも、(少なくとも同じ方向に延びる1つの方向成分を有する)同じ方向の定義された部分に延びることができる。これにより、共通方向の「物流」または共通物流方向(一方向の物流)を有することができる。これはアンロードされるモジュールが、もう1つのモジュールが加工位置に移動されながら、別の経路で前記加工位置から取り除かれるので、前記モジュールの流れが共通する1つの方向に向けられることを意味する。したがって、前記物流または前記モジュールの流れは、「一方向」であるとみなすことができる。
【0011】
したがって、現在加工位置にあるモジュールは、前記アンロード方向に沿って延びるアンロード経路に沿ってアンロードされるので、「ロード方向」は、必ずしも現在加工位置にあるモジュールをアンロードするために確保される必要はなく、加工位置にロードしなければならない「新たな」モジュールは、前記ロード方向に延びるロード経路に沿って移動される。前記ロード経路およびアンロード経路が異なることで、他のモジュールがまだ前記加工位置にありながら、すでに移動している前記「新たな」モジュールを前記ロード経路に沿って移動させることができる。前記付加製造工程が終了するか、前記加工位置内に配置されたモジュールが交換または変更されるとすぐに、前記アンロード方向に沿って延びる前記アンロード経路に沿って各モジュールを移動させることができる。
【0012】
前記「新たな」モジュールはその後、「使用済み」モジュールの移動経路と干渉することなく配置されることができる。よって、前記新たなモジュールのロードが前記「使用済み」モジュールが前記加工位置から取り除かれるとすぐに実行され、前記使用済みモジュールのためにロード経路を確保しておく必要がないので、装置の稼働停止時間を短縮することができ、その代り、前記「新たな」モジュールは前記ロード経路に沿って移動することができる。したがって、全体の造形時間を短縮することができる。
【0013】
本発明の前記プラントの好ましい実施形態によれば、前記ロード方向およびアンロード方向は、湾曲経路および/または整列した角度であって、好ましくは90°〜180°の間である鈍角で特に好ましくは180°を示すことができる。したがって、前記ロード方向およびアンロード方向に延びる前記ロード経路およびアンロード経路はそれぞれ、前記モジュールを前記加工位置に導き加工位置から案内する経路セグメントを包含し、または前記経路セグメントとして作られてもよい。前記ロード経路およびアンロード経路は、湾曲経路を定義する前記ロード方向およびアンロード方向という点で、一部が湾曲されていてもよい。前記ロード方向およびアンロード方向は真っ直ぐな経路に沿って延びることもでき、前記ロード経路およびアンロード経路は少なくとも一部が真っ直ぐである。当然ながら、前記ロード経路および/またはアンロード経路は少なくとも一部が湾曲または真っ直ぐであってもよく、前記ロード経路は前記加工位置に向かって延び、前記アンロード経路は前記加工位置から離れて延びることができる。
【0014】
したがって、前記経路セグメントを任意に組み合わせて前記ロード経路およびアンロード経路を形成することができ、前記ロード経路およびアンロード経路は、前記加工位置に接続されているとみなしてもよい。よって、前記ロード経路およびアンロード経路、または、前記ロード方向およびアンロード方向の少なくとも1つのセグメントは、好ましくは鈍角に角度を定義することができる。好ましくは、前記アンロード経路は前記加工位置で前記ロード経路に接続されるのがよく、前記ロード経路およびアンロード経路は真っ直ぐであり、前記ロード方向およびアンロード方向は、前記ロード経路およびアンロード経路が前記加工位置を通って真っ直ぐな経路を形成する点で、180°の角度を示す。
【0015】
さらに、前記ロード方向および/またはアンロード方向は、少なくとも1つの塗布ユニットが少なくとも1つの付加製造装置の造形面上に造形材料を供給するために動かされる塗布方向とともに塗布角度を定義してもよく、特に前記塗布角度は60°〜140°の間であり、好ましくは90°である。前記塗布方向は、前記三次元物体の付加製造装置の機械軸に沿って延びてもよい。前記機械軸は特に、X-Y平面、好ましくは前記造形面内に広がることができる。前記塗布方向は、前記付加製造装置の塗布ユニットが移動する方向に沿って延びることができ、塗布ユニットは例えばドーズ平面から前記造形面上に造形材料を分配するリコーターブレードである。
【0016】
本発明の前記プラントはさらに、少なくとも1つの前記付加製造装置が、前記ロード方向およびアンロード方向に延び、異なるモジュール、特に粉末モジュールをロードすることができる少なくとも3つのレーンを備える点で改善され、好ましくはドーズレーン上でドーズモジュールが、造形レーンで造形モジュールが、オーバーフローレーンでオーバーフローモジュールがロードされる。このようにして、各レーンはそれぞれ、ロード方向またはアンロード方向に沿って延びるロード経路およびアンロード経路からなる。少なくとも3つのレーンは並んで隣り合って作られるのが好ましく、前記レーンの前記ロード経路およびアンロード経路は原則的に平行であることが好ましい。当然ながら、前記各レーンに対して任意のロード方向および/またはアンロード方向を定義することもできる。
【0017】
各レーンは異なる種類のモジュールに割り当てられるのが好ましく、例えばドーズモジュールは、前記付加製造工程で造形材料を供給するために設けられる。さらに、造形モジュールは、前記三次元物体が付加製造される造形チャンバーを供給するために使用される。また、オーバーフローモジュールは、過剰な造形材料を展開できるように使用される。例えば、それらの種類のモジュールに対して少なくとも1つのレーンが設けられてよく、前記ドーズモジュールはドーズレーン上を移動し、前記造形モジュールは造形レーン上を移動し、前記オーバーフローモジュールはオーバーフローレーン上を移動するようにすることができる。
【0018】
本発明のプラントの別の実施形態によれば、前記ロード方向およびアンロード方向は、少なくとも2つのレーンに対し、異なっていても同じであってもよい。例えば、前記ドーズモジュールは、ロード方向とアンロード方向とに沿って延びるロード経路とアンロード経路とに沿って移動させてよく、これらの方向は、前記造形モジュールおよび/または前記オーバーフローモジュールに対して定義されるロード方向およびアンロード方向と異なっていてもよい。言い換えると、少なくとも1つの前記モジュールは、対応するレーンに沿って、対応する他のレーン上を移動する少なくとも1つの別のモジュールと比べて異なる方向に移動することができる。
【0019】
前記ドーズレーン上の前記ドーズモジュールの移動方向は、前記造形レーン上の前記造形モジュールの移動方向、および/または、前記オーバーフローレーン上の前記オーバーフローモジュールの移動方向と正反対であってもよい。このようにして、前記造形モジュールおよび/または前記オーバーフローモジュールは、それらの対応レーン、すなわち前記造形レーンおよびオーバーフローレーン上で第1方向に移動することができ、前記ドーズモジュールは、前記ドーズレーン上を、相反するまたは反対の方向に移動する。これにより、前記ドーズモジュールは通常、前記ドーズモジュールの前記ドーズチャンバーが新たな造形材料で補充される補充ステーションに移動されるのに対し、硬化していない前記造形材料を取り除き、前記オーバーフローモジュールを空にし、および/または、前記造形モジュールで作られた物体を出すために、通常は前記造形モジュールおよび/または前記オーバーフローモジュールが処理ステーションに移動されるので、前記付加製造装置の異なる側面に異なる種類の後処理ステーションを配置することができる。これらの異なる種類のモジュールを異なる方向に移動させることで、処理ステーションおよび/または補充ステーション等の対応する後処理ステーションを異なる方向に配置することができ、各モジュールまたは一種のモジュールを移動させることができる。
【0020】
少なくとも1つの前記レーンは、ロード方向および/またはアンロード方向で、バッファレーンに接続されてもよく、前記バッファレーンは、少なくとも1つの前記モジュールを、前記レーンの前後で蓄えるように構成される。言い換えると、前記バッファレーンは前記レーンに接続されてよく、すなわち前記レーンは、1つのバッファレーンまたは2つ以上のバッファレーンを備えてもよい。前記バッファレーンは、前記レーンの前記ロード経路および/またはアンロード経路に接続され、例えば、1つ以上の前記モジュールを前記加工位置にロードする前に蓄えたり、前記アンロード経路の後に続いて蓄えたりするため、前記付加製造装置または付加製造工程から移された1つ以上の前記モジュールを蓄えるために、前記バッファレーンは前記ロード経路に先立って配置されてもよい。
【0021】
このようにして、前記バッファレーン上に少なくとも1つの前記モジュールを蓄えることができ、例えば、前記モジュールは、空のオーバーフローモジュールや満杯のドーズモジュールとして、前記加工位置にロードするために用意される。したがって、すでに用意された前記モジュールが、前記バッファレーンに配置され、または、前記加工位置に先立ってバッファされることができ、前記付加製造装置から接続を立ち取り除かれたモジュールも蓄えることができるので、前記付加製造工程における稼働停止時間をさらに短縮することができる。各バッファは、前記加工位置に先立って少なくとも1つのモジュールを蓄えるバッファのための(前記ロード経路に沿った)ロードバッファとしてみなしてもよく、または、前記加工位置の後に続く少なくとも1つのモジュールを蓄えるバッファのための(前記アンロード経路に沿った)アンロードバッファとしてみなしてもよい。当然ながら、前記ロード経路およびアンロード経路は、バッファレーンとしても使用することができる。
【0022】
前記プラントはさらに、複数の装置を備えてもよく、少なくとも2つの装置が直列に配置され、1つのレーンが2つの装置における2つの対応する加工位置を接続する。このようにして、第1装置の対応するレーンが、第2装置のレーンに接続され、種々のレーンまたは異なる前記モジュールが移動するレーンが、他の装置の各レーンに対応することができる。よって、各モジュールを前記レーンに沿って移動させることができ、前記第1装置での前記付加製造工程が終わった後に、例えば第2工程ステップが実行される別の装置に少なくとも1つの前記モジュールを移動させることができる。前記モジュールが少なくとも1つの他の装置において前記加工位置に到達する前に前記少なくとも1つの他の装置で実行される付加製造工程のために、各モジュールを用意することもできる。
【0023】
前記プラントは、複数の装置を備えてもよく、少なくとも2つの装置を平行に配置することもできる。したがって、少なくとも2つの、特に複数の装置を平行に、および/または、直列に配置することができる。各装置は、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも3つのレーンを備え、対応する前記モジュールが前記レーンを移動することができる。複数の装置を並列に配置することで、複数の前記付加製造工程を、例えば大規模製造で同時に実行することができる。
【0024】
本発明の前記プラントの少なくとも1つの前記装置は、少なくとも1つの前記レーンを介して、少なくとも1つの前処理装置、および/または、少なくとも1つの後処理装置に接続されてよく、少なくとも1つの前記モジュールが、少なくとも1つの前記レーンに沿って、前記前処理装置および/または後処理装置から前記装置の加工位置に、および/または、前記装置の前記加工位置から前記前処理装置および/または後処理装置に、移動されることができる。これにより、前記付加創造工程のためのモジュールを用意することができ、例えば、ドーズモジュールは前記前処理装置において「新たな」造形材料で満たされる。前記前処理装置および/または後処理装置はまた、処理ステーションとして作ることができ、当該処理ステーションでは、硬化していない造形材料が、前記造形モジュールおよび/またはオーバーフローモジュールから取り除かれる。前記後処理装置において、前記造形モジュールから付加製造された物体を取り出すこともできる。当然ながら、前記モジュールの種類によって、前記前処理装置および/または後処理装置を適切に選択することができる。対応する前記モジュールが、前記前処理装置および/または後処理装置で処理された後に、前記モジュールを別の付加製造工程のために使用してもよい。
【0025】
本発明の前記プラントの別の実施形態によれば、少なくとも1つの前処理装置および/または後処理装置が、直列に配置された2つの装置の間に配置されてもよい。このようにして、第1装置において加工位置を出るモジュールが、対応するレーンに沿って、前記前処理装置および/または後処理装置に移動される。前記モジュールは、例えば、ドーズレーンに沿って移動された前記ドーズモジュールのドーズチャンバーを補充したり、造形モジュールおよび/またはオーバーフローモジュールの前記チャンバーを空にしたりして、次の付加製造工程のために準備されることができる。
【0026】
対応する前記モジュールが前記前処理装置および/または後処理装置を用いて処理された後、前記モジュールはさらに、前記レーンに沿って、対応するレーンによって接続された次の付加製造装置に移動させることができる。このようにして、複数の付加製造装置が直列に配置され、前記モジュールが、前記レーンの下流に配置され、次の付加製造装置で実行される、次にやってくる付加製造工程のために用意されるので、前記付加製造工程を改善することができ、すなわち、稼働停止時間を短縮することができ、前記モジュールは1つの前記付加製造装置から次の装置に移動され、前記モジュールは、前記前処理装置および/または後処理装置に移動されて処理されることで、対応する前記レーン上で、次の前記付加製造工程のために用意される。
【0027】
本発明の前記プラントのさらなる改善点は、少なくとも1つの前記前処理装置および/または後処理装置が、新たなモジュールを供給し、使用済みのモジュールを放出するための1つの行路を備え、または、少なくとも1つの前記前処理装置および/または後処理装置が、新たなモジュールを提供するための1つの供給行路と、使用済みのモジュールを放出するための1つの放出行路とを備える点である。本実施形態によれば、前記前処理装置および/または後処理装置は、前記前処理装置および/または後処理装置を、後に続く三次元物体の付加製造装置に接続する前記レーンとは異なる行路を備えてもよい。前記行路は、前記前処理装置および/または後処理装置にモジュールを供給し、および/または、前記前処理装置および/または後処理装置からモジュールを放出するために使用される。
【0028】
言い換えると、前記付加製造装置から前記レーンを介して取り出された前記モジュールは、前記前処理装置および/または後処理装置に移動させることができる。前記新たなモジュールは、前記行路を介して供給され、さらに前記レーンに沿って前記次の付加製造装置に向けて移動させることができ、また前記使用済みモジュールを、前記行路を介して放出することができる。前記前処理装置および/または後処理装置は、前記新たなモジュールを供給し、前記次の付加製造装置に向けて移動させるための前記レーンに移動させることができる供給行路を備えることもできる。さらに、前記使用済みモジュールを放出するための1つの独立した放出行路、すなわち、前記使用済みモジュールが前記前処理装置および/または後処理装置から放出される行路を備えてもよい。当然ながら、例えば前記モジュールの種類にしたがって、いくつかのモジュールを前記前処理装置および/または後処理装置で前処理および/または後処理して、その他のモジュールを前記「新たな」モジュールに置き換え、前記前処理装置および/または後処理装置から放出することもできる。
【0029】
本発明の前記プラントの別の実施形態では、少なくとも1つの前記装置の少なくとも1つの実用(万能)ユニットを、少なくとも1つの前記レーンに隣接して配置してもよい。対応する前記実用ユニットは、前記装置の付加製造工程で使用される少なくとも1つのユニットを備え、例えば流れ生成装置および/またはフィルタユニット等が挙げられる。前記実用ユニットは、少なくとも1つの前記レーンに隣接して、例えば少なくとも1つの前記装置に隣接して配置することができる。このようにして、前記実用ユニットは、前記レーンに沿って移動する前記モジュールの進路内にはなく、前記付加製造工程で効率よく使用されるよう、前記装置の近くに配置されるとよい。
【0030】
さらに、本発明は、エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を、連続的に層ごとに選択照射して硬化させる三次元物体の付加製造装置に関し、特に本発明の前記プラントのための付加製造装置であって、前述のように、少なくとも1つのモジュールが、前記付加製造装置に別々に接続されているか接続可能であり、少なくとも1つの前記モジュールが、前記付加製造装置に向けてロード方向に移動可能であり、且つ、前記付加製造装置から出てアンロード方向に移動可能であり、前記モジュールは、前記ロード方向に沿って加工位置に移動し、且つ、前記アンロード方向に沿って前記加工位置から移動し、前記ロード方向およびアンロード方向は、同じ方向に延びる方向成分を含む。
【0031】
さらに、本発明は、少なくとも1つのプラントを稼働するための方法に関し、前記プラントは、エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を、連続的に層ごとに選択照射して硬化させる、少なくとも1つの三次元物体の付加製造装置を備え、前記プラントは、前記付加製造装置に別々に接続されるか接続可能な少なくとも1つのモジュールを備え、前記少なくとも1つのモジュールは、前記付加製造装置内へ向かうロード方向、および、前記付加製造装置から出るアンロード方向に移動可能か移動され、前記モジュールは、前記ロード方向に沿って加工位置に移動し、且つ、前記アンロード方向に沿って前記加工位置から移動し、前記ロード方向およびアンロード方向は、同じ方向に延びる方向成分を含む。
【0032】
当然ながら、本発明のプラントについて説明するすべての詳細、特徴および利点は、本発明の付加製造装置および本発明の方法に完全に転用可能である。好ましくは、前記本発明の方法は、少なくとも1つの前記本発明の付加製造装置を使用した前記本発明のプラントで実行することができる。当該方法を実行するために、前記プラントは、少なくとも1つのモジュールの移動を調整する制御ユニット、特に複数の前記モジュールの移動を調整する制御ユニットを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の付加製造装置を示す模式図である。
図2】本発明のプラントを示す模式図である。
図3】本発明の付加製造装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の典型的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、エネルギー源により硬化させることができる造形材料の層を、連続的に層ごとに選択照射して硬化させる三次元物体の付加製造装置1を示す。図1に示す実施形態では、図2に対して以下で説明するように、付加製造装置1が、複数の三次元物体付加製造装置1を備えるプラント2に含まれる。
【0036】
付加製造装置1は3つのレーン3,4,5に接続され、モジュール6が、レーン3,4,5に沿って、付加製造装置1に移動し、付加製造装置1から移動する。特に、各レーン3,4,5は、ロード経路7と、アンロード経路8とを備え、ロード経路7はロード方向9に延び、アンロード経路8はアンロード方向10に延びる。典型的な本実施形態では、レーン3,4,5は隣接して並列配置に配置され、ロード経路7およびアンロード経路8に対するロード方向9およびアンロード方向10は、すべてのレーン3,4,5に対して同じである(任意)。
【0037】
図1からさらに導かれるように、モジュール6は、ロード経路7を介して、付加製造装置1の外側から前記付加製造装置1内、特に加工位置11に移動させることができる。加工位置11の対応するモジュール6とともに、付加製造工程を前記付加製造装置1で実施することができる。例えば、レーン3に沿って移動させるモジュール6は、ドーズモジュール12として形成してよい。したがってレーン3は、「ドーズレーン」としてみなすこともできる。レーン4上を移動させるモジュール6は造形モジュール13としてみなすことができ、レーン5に沿って移動させるモジュール6はオーバーフローモジュール14としてみなすことができる。したがって、レーン4は「造形レーン」であり、レーン5は「オーバーフローレーン」である。
【0038】
ロード経路7とアンロード経路8は、典型的な本実施形態では、180°の角度を示す。当然ながら、ロード経路7はロード方向9に沿って延び、アンロード経路8はアンロード方向10に沿って延びるので、前記ロード方向9とアンロード方向もまた、同じ角度を示す。図1はさらに、モジュール6が、付加製造装置1から取り出される方向と同じ方向で付加製造装置1に挿入されるので、モジュール6がレーン3,4,5に沿って流れる流れ方向が、一方向であることを示す。このようにして、「新たな」モジュールはすでに、レーン3,4,5に沿って、特にロード経路7に沿って、付加製造装置1に向けて移動されており、一方で、使用済みモジュール6が、アンロード経路8に沿って、付加製造装置1から取り出される。
【0039】
プラント2は、ロードバッファ16およびアンロードバッファ17をさらに備えてもよく、各バッファ16,17は、付加製造装置1より前に、特に付加製造装置1の加工位置11より前に(ロードバッファ16)、または、付加製造装置1の前記加工位置11の後に続いて(アンロードバッファ17)、少なくとも1つのモジュール6を蓄えるように構成される。このようにして、各モジュール6は、付加製造工程より前に蓄えられることができ、前記付加製造工程が終了したときに、次の付加製造工程または処理ステップを実行するために必要なモジュール6が特にロード経路7上にすでに配置され、加工位置11内に移動される。
【0040】
同様に、前記付加製造工程が終了した後に、各モジュール6がアンロードバッファ17に配置され、以下で図2に対して説明するように、各前処理装置および/または後処理装置18に移動される。図2に示す典型的な実施形態に係るプラント2は、複数の付加製造装置1を備え、見本として、3つの付加製造装置1が並列に配置され、2つの付加製造装置1が直列に配置されている。レーン3,4,5は、直列に配置された前記付加製造装置1に接続され、付加製造装置1のレーン3は、レーン3の下流に配置された付加製造装置1の対応するレーン3に接続される。当然ながら、他の付加製造装置1の対応するレーン4,5に接続するレーン4,5についても同じことが適用される。
【0041】
直列に配置された2つの付加製造装置1の間で、モジュールを前処理および/または後処理するように構成される前処理装置および/または後処理装置18が配置される。言い換えると、前記付加製造装置1から取り出される前記モジュール6は、前記前処理装置および/または後処理装置18に向けて、前記レーン3,4,5に沿って移動される。
【0042】
このようにして、前記モジュール6は前記前処理装置および/または後処理装置18に供給される。前処理装置および/または後処理装置18は例えば、ドーズモジュール12のドーズチャンバーを補充するように構成してもよいし、例えば硬化していない造形材料および/またはその前の付加製造工程で付加造形された物体を取り除くことにより、造形モジュール13および/またはオーバーフローモジュール14を後処理するように構成してもよい。モジュール6が前処理および/または後処理された後、当該モジュール6は、次の付加製造工程を実行するために、前記前処理装置および/または後処理装置18から対応するレーン3,4,5に沿って次の付加製造装置1に向けて移動させることができる。
【0043】
前記前処理装置および/または後処理装置18はまた、行路、特に供給行路および/または放出行路を備えてもよい(任意)。当該供給行路および/または放出行路19に沿って、前記モジュール6は、(矢印20で示すように)前処理装置および/または後処理装置18に向けて移動でき、前処理装置および/または後処理装置18から移動させることができる。したがって、新たなモジュール6が供給行路および/または放出行路19に挿入されて前処理されてレーン3,4,5に沿って次の付加製造装置1に移動され、または、モジュール6が供給行路および/または放出行路19を介して前処理装置および/または後処理装置18から取り除かれる。
【0044】
言うまでもなく明らかなように、任意の数の前記付加製造装置1が並列および/または直列に配置されてよい。さらに、前記前処理装置および/または後処理装置18の組み合わせおよび/または使用が実現可能である。前記レーン3,4,5上の前記モジュール6の移動方向も任意である。例えば、レーン3上のモジュール6を反対方向に移動させてもよく、レーン4およびレーン5上のモジュール6も同様であり、または、異なるレーン3,4,5上を動く単独のモジュール6の移動方向のその他の任意の組み合わせとしてもよい。前記レーン3,4,5は、少なくとも1つの湾曲部分を備えることができ、および/または、角度15が180°からそれてもよい。角度15は、各レーン3,4,5で異なることができ、または、他のレーン3,4,5と比較して少なくとも1つ以上のレーン3,4,5で異なってもよい。
【0045】
また、前記付加製造装置1は、流れ生成ユニットやフィルタユニット等の付加製造装置1の機能的要素またはユニットを備える実用ユニット21をさらに備えてもよい。前記プラント2は、各モジュール6の移動、および、各付加製造装置1で実行される操作を制御するように構成される制御ユニット(図示せず)をさらに備える。特に、各付加製造装置1で実行される付加製造工程であらかじめ定められた所定の順で対応するモジュール6をバッファ領域16にロードすることができる。バッファ領域16で計画されたモジュール6を操作することもできる。
【0046】
したがって、付加製造工程を余裕をもって計画することができ、レーン3,4,5のバッファ領域16に各モジュール6を供給することができる。このようにして、付加製造装置1による付加製造工程が終了したら、次のモジュール6、特に次の三つ揃いモジュール12,13,14が、ロード方向19に沿って加工位置11にロードされる。よって、処理時間が節約され、三次元物体の全体の造形時間を短縮することができる。
【0047】
図3は別の典型的な実施形態に係る付加製造装置1を示す。前記ロード方向9およびアンロード方向10は、見本として180°からそれた角度15を含む。したがって、モジュール6は、前述のように、ロード経路7に沿って加工位置11に向けて移動させ、当該加工位置11からアンロード経路8を介して前記付加製造装置1の外に移動させることができる。このようにして、図3は、モジュール6がロード経路7およびアンロード経路8に沿って移動される方向を示すベクトルとして理解することができるロード方向9およびアンロード方向10を示す等価図形として理解することができる。よって、前記ロード方向9およびアンロード方向10は角度15を含み、当然ながら、当該角度15は鈍角または鋭角として定義することができる。図3からさらに導き出せるように、前記ロード方向9およびアンロード方向10は、同じ方向に延びる方向成分22を備える。
【0048】
当然ながら、本発明の方法は、本発明のプラント2で実行することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 付加製造装置
2 プラント
3,4,5 レーン
6 モジュール
7 ロード経路
8 アンロード経路
9 ロード方向
10 アンロード方向
11 加工位置
12 ドーズモジュール
13 造形モジュール
14 オーバーフローモジュール
15 角度
16 ロードバッファ
17 アンロードバッファ
18 処理位置
19 行路
20 矢印
21 実用ユニット
22 方向成分
図1
図2
図3