(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サーバ装置は、前記中断信号を受信した場合に、前記所定の時間が経過するまで、前記端末装置に要求されたプログラム処理の全てのメモリ情報を保持することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記サーバ装置は、前記中断信号を受信した場合に、前記所定の時間が経過した場合、前記端末装置に要求されたプログラム処理の全てのメモリ情報を移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のインタラクティブシステム。
前記サーバ装置は、前記中断信号を受信した場合に、前記端末装置に要求されたプログラム処理の処理結果の送信を一時中断することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記サーバ装置は、前記端末装置に要求されたプログラム処理の実行に使用される情報を記憶する実行メモリと、前記実行メモリとは別の保存メモリとを有し、前記所定の時間が経過するまで、前記実行メモリに記憶された情報を前記実行メモリに保持することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記サーバ装置は、前記端末装置に要求されたプログラム処理の実行に使用される情報を記憶する実行メモリと、前記実行メモリとは別の保存メモリとを有し、前記所定の時間が経過した場合、前記実行メモリに記憶された情報を前記保存メモリに移動することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記サーバ装置は、所定時間、通信が途絶している場合に、所定の時間が経過するまで、前記端末装置に要求されたプログラム処理を継続し、所定の時間が経過した場合、前記端末装置に要求されたプログラム処理を一時中断する請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記端末装置は、前記表示プログラムの処理がマルチタスク処理のうち一つのタスクであり、前記表示プログラムの処理がバックグラウンド処理に移行した場合に、前記サーバ装置に前記中断信号を送信することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記端末装置は、前記表示プログラムの処理に使用される情報を記憶する実行メモリと、前記実行メモリとは別の保存メモリとを有し、前記表示プログラムの処理がマルチタスク処理のうち一つのタスクであり、前記表示プログラムに基づき前記実行メモリに記憶された情報を前記保存メモリに移動した場合に、前記サーバ装置に前記中断信号を送信することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
前記端末装置に要求されたプログラム処理が、前記端末装置からユーザの保存要求に従い、所定の条件でセーブデータを生成することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブシステム。
ネットワークを介して端末装置に接続され、前記端末装置からの要求に従いプログラム処理を行い、処理結果を前記端末装置に送信し、前記端末装置から、サーバ装置の処理結果を表示する表示処理の実行が中断される所定の条件に基づく中断信号を受信し、所定の時間が経過するまで、前記端末装置に要求されたプログラム処理を継続し、所定の時間が経過した場合、前記端末装置に要求されたプログラム処理を一時中断するサーバ装置。
前記所定の時間が経過するまでに、前記端末装置から、前記プログラムの処理の実行を再開する要求があった場合、前記実行メモリに保持された情報に基づき前記プログラム処理を再開する請求項16に記載のサーバ装置。
前記所定の時間が経過するまでに、前記端末装置から、前記サーバ装置への再接続があった場合、前記実行メモリに保持された情報に基づき前記プログラム処理を再開する請求項18に記載のサーバ装置。
前記端末装置は、複数あり、前記所定の時間が経過するまでに、一の端末装置から中断信号を受信し、他の端末装置から前記プログラム処理を実行する要求があった場合、実行メモリに保持された情報に基づき前記プログラム処理を再開し、前記他の端末装置に処理結果を送信する請求項11に記載のサーバ装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施の形態と称する。)について、図面を参照しながら以下の順序にて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
1.インタラクティブシステムの構成
2.端末装置の構成
3.サーバ装置の構成
4.ゲーム画像表示処理
5.ゲーム中断信号の生成送信処理(1)
6.ゲーム画像生成送信処理(1)
7.ゲームプログラム一時中断処理(1)
8.ゲームプログラム一時中断処理(2)
9.ゲームプログラム再開処理(1)
10.ゲームプログラム再開処理(2)
11.ゲーム中断信号の生成送信処理(2)
12.ゲーム中断信号の生成送信処理(3)
13.ゲーム画像生成送信処理(2)
14.ゲーム画像生成送信処理(3)
15.ゲームプログラム一時中断処理(3)
16.ゲームプログラム一時中断処理(4)
17.ゲームプログラム再開処理(2)
18.ゲームプログラム再開処理(3)
19.ゲームプログラム一時中断処理(5)
20.ゲームプログラム一時中断処理(6)
21.ゲームプログラム一時中断処理(7)
【0016】
<1.インタラクティブシステムの構成>
図1は、本実施の形態に係るインタラクティブシステムの構成を示す図である。
【0017】
本実施の形態に係るインタラクティブシステムは、端末装置100と、サーバ装置200とからなり、端末装置100とサーバ装置200とがネットワーク300を介して接続されている。
【0018】
ここで、本実施の形態におけるインタラクティブシステムとは、ユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置からゲームプログラムの処理結果が提供される、双方向型のシステムである。なお、提供されるプログラムの種別はゲームプログラムに限らず、プログラムの進行状況を保存することが求められる各種のアプリケーションプログラムや動画配信プログラムにも適用することができる。また、サーバ装置から受け取る処理結果はゲームプログラム処理の全部であっても一部であってもよい。具体的に処理結果は、例えば、ゲーム画像やゲーム音声が該当し、以下においてゲーム画像に適用して説明するが、これらに限定されるものではない。
【0019】
まず、本実施の形態において端末装置100は、サーバ装置200において実行されるゲームプログラムに係るゲーム画像を符号化動画データとして受信し、受信した符号化動画データをゲーム画像として表示する。また、端末装置100は、ユーザの操作入力情報をサーバ装置200に送信するとともに、ゲーム画像の表示処理の実行が中断される所定の条件を判断し、中断信号をサーバ装置に送信する。
【0020】
これにより端末装置100は、ユーザに対してサーバ装置200において実行されているゲームプログラムのゲーム画像を提供することができる。また、端末装置100は、中断信号を送信することで、サーバ装置200側で適切な中断処理をするように要求することができる。
【0021】
なお、端末装置100は、サーバ装置200においてゲームプログラムの処理結果を表示することができる構成とされている。
【0022】
また、端末装置100は、例えばゲーム専用機、ポータブルゲーム機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット等の、サーバ装置200から受信した処理結果を表示するものであればよい。
【0023】
次に、本実施の形態においてサーバ装置200は、端末装置100においてなされたユーザによる入力操作信号を受信し、この入力操作信号に応じてゲームプログラムのゲーム画像を1フレームごとに生成する。そしてサーバ装置200は、生成したゲーム画像を圧縮、セキュリティ等を目的とした符号化を施し、得られた符号化動画データを端末装置100に送信する。また、サーバ装置200は、端末装置100から中断信号を受信し、この中断信号に基づきゲームプログラムの一時中断処理を実行する。
【0024】
なお、サーバ装置200は、端末装置100の操作信号を受信し、ゲームプログラムの処理結果を端末装置100に送信する構成とされている。また、1フレームに係るゲーム画像の描画は、必ずしもサーバ装置200において実行される必要はなく、例えばサーバ装置200に接続された図示しない画像処理専用サーバにより実行されてもよい。また、端末装置100においてゲーム画像の一部を描画し、サーバ装置200で描画された画像と合成するようにしてもよい。
【0025】
<2.端末装置の構成>
図2は、本実施の形態に係る端末装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0026】
端末装置100は、プログラムの実行処理を行う端末CPU(Central Processing Unit)101と、端末CPU101により実行されるプログラムを格納する端末ROM(Read Only Memory)102と、プログラムやデータを展開する端末RAM(Random Access Memory)103と、符号化されたデータを復号する端末復号部104と、サーバ装置200と通信する端末通信部105と、端末CPU101により実行されたプログラムの結果等を表示する端末表示部106と、ユーザにより各種の入力操作を受ける操作入力部107と、音声出力を行う音声出力部108と、プログラムやデータを固定的に保存する端末ストレージ109とを有する。
【0027】
端末CPU101は、端末装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的に、端末CPU101は、例えば端末ROM102に記録されているゲーム画像表示処理の動作プログラムを読み出し、端末RAM103に展開して実行することにより、各ブロックの動作を制御する。ここで、前述の動作プログラムは、サーバ装置200から受信した画像を表示する表示プレイヤとして機能する。ただし、端末装置100で部分的な画像描画をすることを妨げるものではない。
【0028】
端末ROM102は、例えば読み込みのみ可能な不揮発性メモリである。端末ROM102は、ゲーム画像表示処理等の動作プログラムに加え、端末装置100が有する各ブロックの動作に必要な定数等の情報を記憶する。
【0029】
端末RAM103は、揮発性メモリである。端末RAM103は、動作プログラムの展開領域としてだけでなく、端末装置100が有する各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0030】
端末復号部104は、後述する端末通信部105が受信した符号化動画データについて復号処理を行い、1以上フレームに係るゲーム画像を生成する。
【0031】
端末通信部105は、端末装置100が有する通信インタフェースである。端末通信部105は、ネットワーク300を介して接続した、サーバ装置200等の他の機器との間におけるデータ送受信を行う。データ送信時には端末通信部105は、ネットワーク300あるいは送信先の機器との間で定められたデータ伝送形式にデータを変換し、送信先の機器へのデータ送信を行う。またデータ受信時には端末通信部105は、ネットワーク300を介して受信したデータを、端末装置100において読み取り可能な任意のデータ形式に変換し、例えば端末CPU101の制御により端末RAM103に記憶する。
【0032】
なお、本実施の形態では端末装置100とサーバ装置200とは、ネットワーク300を介して接続されるものとして説明するが、例えば端末装置100とサーバ装置200とが直接ケーブルにより接続される形態であってもよい。
【0033】
端末表示部106は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の端末装置100が有する表示装置である。端末表示部106は、入力されたゲーム画像を表示領域に表示する表示制御を行う。なお、端末表示部106は、端末装置100の外部にケーブル等により接続された大画面モニタ等であってもよい。
【0034】
操作入力部107は、例えばタッチパネル、ゲームパッド等の端末装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、ユーザによりユーザインタフェースに対する入力操作がなされたことを検出すると、この入力操作に対応する入力操作信号を端末CPU101に対して出力する。
【0035】
音声出力部108は、例えばスピーカ等の端末装置100が有する音響装置である。音声出力部108は、ゲーム画像とともに音声情報が提供される場合に、提供された音声情報を音声として出力する。なお、本実施の形態では、音声を出力する例を記載しないが、必要に応じて適用することが可能である。
【0036】
端末ストレージ109は、端末RAM103に展開された動作プログラムや、端末装置100が有する各ブロックの動作において出力された中間データ等を固定的に記憶する格納領域として用いられる。なお、端末ストレージ109としてはHDD(Hard disk drive)等の各種の記憶手段を用いることができるが、ポータブルな端末装置においては不揮発性メモリを用いることが小型化、低電力化、耐衝撃性の上で好ましい。
【0037】
<サーバ装置200の構成>
図3は、本実施の形態に係るサーバ装置200の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
サーバ装置200は、プログラムの実行処理を行うサーバCPU(Central Processing Unit)201と、サーバCPU201により実行されるプログラムを格納するサーバROM(Read Only Memory)202と、プログラムやデータを展開するサーバRAM(Random Access Memory)203と、画像処理演算を行うサーバGPU(Graphics Processing Unit)204と、サーバGPUと接続されたサーバVRAM(Video Random Access Memory)205と、データの符号化を行うサーバ符号化部206と、プログラムやデータを固定的に保存するサーバストレージ207と、端末装置100と通信するサーバ通信部208とを有する。
【0039】
サーバCPU201は、サーバ装置200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバCPU201は、例えばサーバROM202に記憶されている後述するゲーム画像生成送信処理等の動作プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより、各ブロックの動作を制御する。
【0040】
サーバROM202は、例えば読み込みのみ可能な不揮発性メモリである。サーバROM202は、ゲーム画像生成送信処理等の動作プログラムに加え、サーバ装置200が有する各ブロックの動作において必要となる定数等の情報を記憶する。
【0041】
サーバRAM203は、揮発性メモリである。サーバRAM203は、動作プログラムの展開領域としてだけでなく、サーバ装置200が有する各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0042】
サーバGPU204は、端末装置100の端末表示部106に表示するゲーム画像の生成を行う。サーバGPU204は、サーバCPU201より描画命令を受信すると、この描画命令に基づきゲーム画像を描画し、描画したゲーム画像をサーバVRAM205に格納する。
【0043】
サーバ符号化部206は、サーバVRAM205等に格納されたゲーム画像に対する符号化処理を行う。サーバ符号化部206は、例えば、符号化対象のゲーム画像をブロックに分割し、各ブロックをイントラ符号化(フレーム内符号化)あるいはインター符号化(フレーム間符号化)する。本実施の形態ではサーバ符号化部206は、例えば、各ブロックをYCbCrの色チャネルごとに離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)した後、ランレングス符号化により圧縮する。
【0044】
サーバストレージ207は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の、サーバ装置200に着脱可能に接続される記録装置である。本実施の形態ではサーバストレージ207には、後述する中断信号を受信した際に、サーバRAM203やサーバVRAM205における実行メモリの内容を固定的に記憶する。
【0045】
サーバ通信部208は、サーバ装置200が有する通信インタフェースである。本実施の形態ではサーバ通信部208は、ネットワーク300を介して接続した端末装置100等の、他の機器との間におけるデータ送受信を行う。なお、サーバ通信部208は端末通信部105と同様に、通信仕様に従ったデータ形式の変換を行う。
【0046】
<4.ゲーム画像表示処理>
本実施の形態の端末装置100において実行されるゲーム画像表示処理について、
図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、端末CPU101が、例えば端末ROM102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、端末RAM103に展開して実行することにより実現することができる。
【0047】
ステップS101で、端末CPU101は、ユーザの入力操作部107からの入力操作に従い、サーバ連携プログラムを起動し、処理をステップS102へ進める。
【0048】
ステップS102で、端末CPU101は、端末通信部105によりサーバ装置200との間で通信を行い相互接続を確認し、処理をステップS103へ進める。
【0049】
ステップS103で、端末CPU101は、ユーザが操作入力部207を操作することで入力したか、端末ROM202または端末RAM203に予め記録しておいた、ログイン情報をサーバ装置200に送信し、処理をステップS104に進める。ここでログイン情報とは、少なくとも、ユーザを識別するためのユーザIDとパスワードとする。
【0050】
ステップS104で、端末CPU101は、送信したログイン情報に基づきサーバ装置200から処理を提供可能なゲームプログラムのリストをサーバ装置200から取得し、表示部106に表示し、ユーザが操作入力部207を操作することでユーザが選択したゲームプログラムを特定し、サーバ装置200にこのゲームプログラムに係る処理とその処理結果の送信を要求する。そして、端末CPU101は、処理をステップS105に進める。なお、ゲームプログラムに係る処理の一例としては、ゲーム画像の生成処理や、ゲーム音声の生成処理等、各種の処理であってもよいが、以下ではゲーム画像の生成処理として説明をするが、これらに限定するものではない。例えば、ユーザによるゲームプレイ中の入力操作もサーバ装置に対するプログラム処理の要求に含まれる。
【0051】
ステップS105で、端末CPU101は、サーバ装置200からゲーム開始条件に関する情報を取得し、受信した情報に基づきゲーム開始条件を表示部106に列挙して表示し、ユーザが操作入力部207を操作することで選択したゲーム開始条件を特定し、サーバ装置200にこのゲームプログラムの開始を要求する。そして、端末CPU101は、処理をステップS106に進める。
【0052】
ここで、詳細はサーバ装置200の動作説明で行うが、ゲーム開始条件に関する情報としては、例えば、ゲームを最初から開始する、セーブポイントにおいてセーブしたデータがある場合にセーブポイントから開始する、中断データがある場合に中断データから開始する等の条件がある。複数のセーブデータや中断データがある場合にはこれらのうち何れかを選択することができるようにしてもよい。
【0053】
ステップS106で、端末CPU101は、端末通信部105がサーバ装置200から符号化動画データの受信を開始し端末RAM103等にバッファリングを開始する。そして、端末CPU101は、ステップS107へ処理を進める。
【0054】
ステップS107で、端末CPU101は、受信して端末RAM103等にバッファリングされた符号化動画データを端末復号部104に伝送し、端末復号部104にて復号処理を実行する。そして、端末CPU101は、ステップS108へ処理を進める。
【0055】
ステップS108で、端末CPU101は、復号したゲーム画像を端末表示部106に表示する。以後、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムを用いてステップS106からステップ108に係る処理をループし、符号化動画データの受信が続く限り復号化したゲーム画像を端末表示部106に伝送する。
【0056】
<5.ゲーム中断信号の生成送信処理(1)>
次に、本実施の形態の端末装置100において実行されるゲーム中断信号の生成送信処理について、
図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、端末CPU101が、例えば端末ROM102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、端末RAM103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム中断信号の生成送信処理は、ゲーム画像表示プログラムのステップS106からステップS108と並列して処理される。
【0057】
ステップS201で、端末CPU101は、ユーザの入力操作部107からの入力操作に従い、ゲーム画像表示プログラム処理の中断が要求された場合又は、端末CPU101の判断により強制的にゲーム画像表示プログラム処理の中断を必要とした場合、処理をステップS202に進め、中断要求が無い場合及び中断を必要としない場合、処理をステップS203に進める。
【0058】
ステップS202で、端末CPU101は、端末通信部105によりサーバ装置200との間で通信を行い、サーバ装置200で実行しているゲームプログラムがセーブ可能な所定の条件下であるか否か、いわゆるセーブポイントであるか否かを判断し、セーブ可能であると判断した場合には、ステップS204で、ユーザの入力操作信号をサーバ装置200に送信する。ここで、詳細は後述するがサーバ装置200では、サーバCPU201は、セーブポイントにおけるセーブデータを生成し、このセーブデータをサーバストレージ207等に保存する。
【0059】
ステップS203で、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムが実行継続可能であるかを判断する。具体的には、
図4において説明したゲーム画像表示プログラムがエラー等により動作していない場合等を判断して処理をステップS207に進める。また、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムが実行継続不可能若しくは実行していないと判断した場合も同様に、ステップS207に処理を進める。
【0060】
一方、ステップS203で、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムが実行継続中であると判断した場合に、処理をステップS205に進める。
【0061】
ステップS205で、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムがバックグラウンド処理されているか否かを判断する。端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムがバックグラウンド処理されていると判断した場合、ステップS207に処理を進める。
【0062】
一方、ステップS205で、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムがバックグラウンド処理されていないと判断した場合、すなわちフォアグラウンド処理されていると判断した場合、処理をステップS206に進める。
【0063】
ここで、バックグラウンド処理について説明する。バックグランド処理とは、マルチタスク環境において、ユーザに対して端末表示部106等に表示されているフォアグランド処理に隠れて、端末表示部106等に表示されずに裏側で行われる処理のことである。バックグラウンド処理は、端末CPU101のリソースを消費しつつ継続する処理である。
図6に示すように、端末装置100では、ゲーム画像表示プログラムは、オペレーティングシステム601上、若しくは図示しないミドルウェア上にて、マルチタスク処理されている。例えば、
図6では、フォアグランド処理602が、ゲーム画像表示プログラムであり、バックグラウンド処理603が、プログラムA、プログラムB、プログラムC及びプログラムDである。バックグラウンド処理中のプログラムAがフォアグラウンド処理602に移行した場合、ゲーム画像表示プログラムがバックグラウンド処理へ移行することとなる。
【0064】
ステップS206で、端末CPU101は、実行のために展開されているゲーム画像表示プログラムに関する情報が実行メモリから保存メモリへ移動されたか否かを判断する。端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムに関する情報が保存メモリへ移動されたと判断した場合、ステップS207に処理を進める。一方、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムに関する情報が保存メモリへ移動されていないと判断した場合、処理を終了する。具体的に、端末CPU101は、端末RAM103に展開されたゲーム画像表示プログラムが、端末ストレージ109に移動されたと判断されたか否かを判断する。
【0065】
ここで、本実施の形態において、「移動」とは、実行メモリから保存メモリへ、メモリ内容をそのままコピーし、実行メモリのメモリ内容を開放する、すなわち、端末装置100において、端末RAM103内のゲーム画像表示プログラムに関する情報が、そのまま端末ストレージ109にコピーされ、端末RAM103のゲーム画像表示プログラムに関する情報を開放することをいう。
【0066】
ここで、本実施の形態における実行メモリとは、プログラムが実行される際にプログラムが読み出されるメモリであり、保存メモリと実行メモリとは異なりプログラムに関する情報を保存するために用いられるメモリである。なお、実行メモリと保存メモリは物理的に一つのものであることは妨げられないが、その性質上、読み書き速度が高速なものを実行メモリとして用い、読み書きの速度が低速なものを保存メモリとして物理的に異ならせることが好ましい。
【0067】
例えば、実行メモリには、端末RAM101が用いられ、その容量が有限である。このため、端末RAM101にプログラムを多数展開すると容量を超えてしまう。ゲーム画像表示プログラム以外に、プログラムB、プログラムC、プログラムDが実行されている場合、
図7の上段に示すように、実行メモリに空きがある。しかし、
図7の下段に示すように、プログラムE、プログラムFを更に実行すると、空き容量が少なくなり、優先度の低いプログラムに関する情報は、保存メモリである端末ストレージ109に移動されることとなる。なお、本実施の形態において、移動とはメモリに記憶された情報を他のメモリに複写し、かつ元のメモリからこの情報を削除するものとする。
【0068】
なお、保存メモリとしては、端末ストレージ109に限定されず、端末RAM103内部に設けるようにしてもよいし、図示しない、他のメモリであってもよい。実行メモリと保存メモリとは物理的に同じメモリを用いてもよいし、用途に応じて適宜使い分けるようにしてもよい。
【0069】
ここで、ステップS205において、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムに関する情報が実行メモリから排除された場合に、ゲーム画像表示プログラムの処理が終了するため、ステップS206以下の処理を実行するようにしてもよい。この場合、端末CPU101は、ステップS206において、実行のために展開されているゲーム画像表示プログラムに関する情報が実行メモリから排除されたか否かを判断し、排除されていると判断した場合処理をステップS207に進める。
【0070】
ステップS207で、端末CPU101は、ゲーム画像表示プログラムの中断を判断し、中断信号をサーバ装置200に送信する。なお、本実施の形態において、中断信号は、端末CPU101におけるゲーム画像表示プログラムに係る処理が中断したという情報を含む信号か、端末装置100とサーバ装置200との間であらかじめ定めたID等を含む信号であればよい。
【0071】
なお、端末装置100が、スマートフォン等である場合、通話のための着呼応答プログラムが最優先処理される。そのため、スマートフォン等では、着信があった場合に、着呼応答プログラムがフォアグラウンド処理となり、他のプログラムがバックグラウンド処理となり、ユーザがゲームをプレイしている場合であっても、ゲーム画面の表示が中断されてしまう。そのため、ステップS205における判断処理は、中断時のゲームの進行状況を適切に保存するために有用である。
【0072】
なお、ゲーム画像表示プログラムでは、ユーザの操作による一時停止(ポーズ)機能を設けるようにしてもよい。この場合には、ユーザの操作による一時停止要求に基づきステップS207における中断信号をサーバ装置200に送信するようにしてもよい。
【0073】
なお、ステップS201における、端末CPU101の判断により強制的にゲーム画像表示プログラム処理の中断を必要とする場合としては、例えば、端末装置100がスリープモードに移行した場合や、電話着呼応当による割り込み処理が発生した場合等を例示することができる。また、本実施の形態において、ステップS201、ステップS202、ステップS204は、ゲーム画像表示プログラムを構成する処理として必ずしも備える必要はない。
【0074】
<6.ゲーム画像生成送信処理(1)>
サーバ装置200において実行されるゲーム画像生成送信処理について、
図8のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えばサーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム画像生成送信処理は、サーバ装置200上でゲームプログラムを実行するランチャープログラムに内蔵してもよく、ランチャープログラムと並列処理するプログラムであってもよい。
【0075】
なお、本実施の形態ではサーバ装置200は、ゲーム画像を符号化動画データの形態で端末装置100に提供するものとして説明する。
【0076】
ステップS301で、サーバCPU201は、サーバ通信部208により端末装置100との間で通信を行い相互接続を確認し、処理をステップS302に処理を進める。
【0077】
ステップS302で、サーバCPU201は、端末装置100から受信したログイン情報に基づきユーザ認証を行う。具体的に、サーバCPU201は、サーバストレージ207等に保存されているユーザIDとパスワードと、端末装置100から受信したログイン情報を比較し、合致した場合にはサービス提供を受けているユーザによるログインであるとして認証を行う。
【0078】
ステップS303で、サーバCPU201は、認証したユーザが登録若しくは購入等した履歴情報をサーバストレージ207等から取得し、提供可能なゲームプログラムの提示リストを作成し、端末装置100に送信し、処理をステップS304に進める。
【0079】
ステップS304で、サーバCPU201は、端末装置100から選択されたゲームプログラムの情報を取得し、このゲームプログラムについて、ゲーム開始条件を判断し、開始条件に関する情報を端末装置100に送信し、処理をステップS305に進める。
【0080】
ステップS304における具体的なゲーム開始条件とは、詳細を後述するが、例えば、ゲームを最初から開始する、セーブポイントにおいてセーブしたデータがある場合、セーブポイントから開始する、中断データがある場合には、中断データから開始する等の条件がある。なお、複数のセーブデータや中断データがある場合にはこれらのうち何れかを選択することができるようにしてもよい。ここで、上述したセーブデータや、中断データはサーバストレージ207等に格納されているものとする。
【0081】
ステップS305で、サーバCPU201は、端末装置100から選択されたゲームプログラムの実行を開始する。具体的には、サーバCPU201は、ゲームプログラムを起動し、必要に応じてサーバGPU204に画像生成命令を行う。これにより、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理結果としてゲーム画像を生成する。
【0082】
ステップS306で、サーバCPU201は、描画されたゲーム画像に対してサーバ符号化部206を用いて符号化処理命令を実行し、符号化動画データを生成する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS307に進める。
【0083】
ステップS307で、サーバCPU201は、ステップS307において生成した符号化動画データをサーバ通信部208に伝送し、端末装置100に対して送信する。以後、サーバCPU201は、ゲーム画像生成送信処理としてステップS305からステップ307に係る処理をループし、ゲーム画像の生成が続く限り符号化動画データをサーバ通信部208に伝送する。なお、ステップS305からステップS307に係る処理は、数フレームごとに符号化動画データを生成し、符号化を行う処理である。
【0084】
<7.ゲームプログラム一時中断処理(1)>
サーバ装置200において実行されるゲームプログラム一時中断処理について、
図9のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、端末装置100から中断信号を受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。なお、端末装置100では、
図4で説明したゲーム画像表示プログラム、
図5で説明した中断信号の送信を行うプログラム及び後述で説明する他の中断信号の送信を行うプログラムが動作しているものとして以下の説明を行う。
【0085】
ステップS401で、サーバCPU201は、タイマー値T1をリセットし0としたうえで、処理をステップS402に進める。
【0086】
ステップS402で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100から中断信号を受信したか否かを判断する。サーバCPU201は、中断信号を受信していないと判断した場合には、再度ステップS402を繰り返す。一方、サーバCPU201は、中断信号を受信したと判断した場合、処理をステップS403に進める。
【0087】
ステップS403で、サーバCPU201は、タイマー値T1に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS404へ進める。
【0088】
ステップS404で、サーバCPU201は、タイマー値T1が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS403の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T1が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が経過したと判断し、処理をステップS405に進める。
【0089】
ステップS405で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに係る実行メモリの情報を保持する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容を保持する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS406に進める。なお、ステップS405において、サーバCPU201は、保持したゲームプログラムに係る情報に保持する時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。
【0090】
ここで、本実施の形態において、「保持」とは、実行メモリから保存メモリへメモリ内容を移動させず、実行メモリ内の内容をそのまま継続して実行メモリ内に残す、すなわち、サーバ装置200において、サーバRAM203やサーバVRAM205内のゲームプログラムに関する情報を、サーバストレージ207へ移動せず、そのままサーバRAM203やサーバVRAM205内に継続して残すことをいう。なお、本実施の形態において、サーバVRAM205内のゲームプログラムに関する情報は、再度生成可能であるために予備的に保持するようにしてもよい。
【0091】
ここで、本実施の形態における実行メモリとは、プログラムが実行される際にプログラムが読み出されるメモリであり、保存メモリと実行メモリとは異なりプログラムに関する情報を保存するために用いられるメモリである。なお、実行メモリと保存メモリは物理的に一つのものであることは妨げられないが、その性質上、読み書き速度が高速なものを実行メモリとして用い、読み書きの速度が低速なものを保存メモリとして物理的に異ならせることが好ましい。
【0092】
例えば、実行メモリには、サーバRAM201やサーバVRAM205が用いられ、その容量が有限である。このため、サーバRAM201にプログラムを多数展開すると容量を超えてしまうため、保存メモリであるサーバストレージ207に適宜プログラムに関する情報やデータを移動するようにしている。
【0093】
なお、保存メモリとしては、サーバストレージ207に限定されず、サーバRAM203やサーバVRAM205内部に設けるようにしてもよいし、図示しない、他のメモリであってもよい。実行メモリと保存メモリとは物理的に同じメモリを用いてもよいし、用途に応じて適宜使い分けるようにしてもよい。
【0094】
ここで、実行メモリの保持について具体的に説明する。実行メモリの保持としては、ステップS404にて所定時間が経過したと判断したときの、サーバRAM203やサーバVRAM205の内容を、そのままサーバRAM203やサーバVRAM205内に保持する場合がある。サーバRAM203には、ゲームプログラムの本体及びゲームプログラムの進行状況やバッファリング中の符号化動画データが記録されており、サーバVRAM205には描画中のゲーム画像データに関する情報が記録されている。
【0095】
すなわち、サーバCPU201は、サーバ装置200において実行中のゲームプログラムの全てのメモリ情報をゲームの進行状況を含め保持するようにしている。より詳細に説明すると、選択されたゲームプログラムのためにランチャーが確保したメモリ空間すべてを保持する処理を行う。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であり、再開直後のゲーム画像の処理を早めるために予備的に保持するものとする。
【0096】
ステップS406で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理を停止するとともに、ステップS407で、端末装置100への符号化動画データの送信を停止する。
【0097】
なお、ステップS404における所定時間は、例えば、0分としてもよい。この場合、ただちにゲームプログラムの進行状況を保持することができる。
【0098】
また、ステップS404における所定時間は、例えば、30分程度に設定されている。これは、端末装置100において、一時的にゲーム画像表示プログラムが中断された場合であってもすぐにゲーム画像表示プログラムが再開される場合があるからである。例えば、端末装置100から中断信号を受信してすぐに、メモリ情報を実行メモリから保存メモリに移動する処理を開始してしまうと、後述する再起動の際にメモリを展開する時間がかかるため、ゲーム画像の送信処理が遅くなってしまうおそれがある。
【0099】
また、ステップS405における処理は、保存メモリが実行メモリよりも処理速度が遅いメモリを使うことが多いため、一時中断処理は頻繁に発生させないように、上述したステップS404における所定時間を適宜設定することが好ましい。
【0100】
なお、上述の処理フローにおいて、サーバCPU201は、端末装置100との間で通信環境等が悪化し、端末装置100とサーバ装置200との間で通信が不可能と判断した場合に、上述のステップS405乃至ステップS407の処理を行うようにしてもよい。この場合も、上述したように通信不可能と判断した時から所定時間を経過するまではメモリ情報を実行メモリの保持を待つようにしてもよい。
【0101】
<8.ゲームプログラム一時中断処理(2)>
サーバ装置200において実行されるゲームプログラム一時中断処理について、
図10のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、端末装置100から中断信号を受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。なお、端末装置100では、
図4で説明したゲーム画像表示プログラム、
図5で説明した中断信号の送信を行うプログラム及び後述で説明する他の中断信号の送信を行うプログラムが動作しているものとして以下の説明を行う。
【0102】
ステップS411で、サーバCPU201は、タイマー値T2をリセットし0としたうえで、処理をステップS412に進める。
【0103】
ステップS412で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100から中断信号を受信したか否かを判断する。サーバCPU201は、中断信号を受信していないと判断した場合には、再度ステップS412を繰り返す。一方、サーバCPU201は、中断信号を受信したと判断した場合、処理をステップS413に進める。
【0104】
ステップS413で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに関する実行メモリの情報を保持する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容を保持する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS414に進める。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であり、再開直後のゲーム画像の処理を早めるために予備的に保持するようにしてもよい。
【0105】
ここで、本実施の形態において、「保持」とは、実行メモリから保存メモリへメモリ内容を移動させず、実行メモリ内の内容をそのまま継続して実行メモリ内に残す、すなわち、サーバ装置200において、サーバRAM203やサーバVRAM205内のゲームプログラムに関する情報を、サーバストレージ207へ移動せず、そのままアドレス情報を含めサーバRAM203やサーバVRAM205内に継続して残すことをいう。
【0106】
ステップS414で、サーバCPU201は、タイマー値T2に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS415へ進める。
【0107】
ステップS415で、サーバCPU201は、タイマー値T2が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS414の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T2が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が経過したと判断し、処理をステップS416に進める。
【0108】
ステップS416で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに係る実行メモリの情報を移動する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容をサーバストレージ207に移動する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS417に進める。なお、ステップS416において、サーバCPU201は、移動したゲームプログラムに係る情報の移動を行う時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。
【0109】
ここで、本実施の形態において、「移動」とは、実行メモリから保存メモリへメモリ内容をそのままコピーし、実行メモリのメモリ内容を開放する、すなわち、サーバ装置200において、サーバRAM203やサーバVRAM205内のゲームプログラムに関する情報が、そのままサーバストレージ207にコピーされ、サーバRAM203やサーバVRAM205内のゲームプログラムに関する情報を開放することをいう。
【0110】
ここで、本実施の形態における実行メモリとは、プログラムが実行される際にプログラムが読み出されるメモリであり、保存メモリと実行メモリとは異なりプログラムに関する情報を保存するために用いられるメモリである。なお、実行メモリと保存メモリは物理的に一つのものであることは妨げられないが、その性質上、読み書き速度が高速なものを実行メモリとして用い、読み書きの速度が低速なものを保存メモリとして物理的に異ならせることが好ましい。
【0111】
例えば、実行メモリには、サーバRAM201やサーバVRAM205が用いられ、その容量が有限である。このため、サーバRAM201にプログラムを多数展開すると容量を超えてしまうため、保存メモリであるサーバストレージ207に適宜プログラムに関する情報やデータを移動するようにしている。
【0112】
なお、保存メモリとしては、サーバストレージ207に限定されず、サーバRAM203やサーバVRAM205内部に設けるようにしてもよいし、図示しない、他のメモリであってもよい。実行メモリと保存メモリとは物理的に同じメモリを用いてもよいし、用途に応じて適宜使い分けるようにしてもよい。
【0113】
ここで、実行メモリから保存メモリへの移動について具体的に説明する。実行メモリから保存メモリへの移動としては、ステップS415にて所定時間が経過したと判断したときの、サーバRAM203やサーバVRAM205の内容を、サーバストレージ207内に移動する場合がある。サーバRAM203には、ゲームプログラムの本体及びゲームプログラムの進行状況やバッファリング中の符号化動画データが記録されており、サーバVRAM205には描画中のゲーム画像データに関する情報が記録されている。
【0114】
すなわち、サーバCPU201は、サーバ装置200において実行中のゲームプログラムの全てのメモリ情報をゲームの進行状況を含めサーバストレージ207に移動するようにしている。より詳細に説明すると、選択されたゲームプログラムのためにランチャープログラムが確保したメモリ空間すべてをサーバストレージ207に移動する処理を行う。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であり、再開直後のゲーム画像の処理を早めるために予備的にサーバストレージ207に移動するものとする。
【0115】
ステップS417で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理を停止するとともに、ステップS418で、端末装置100への符号化動画データの送信を停止する。
【0116】
なお、ステップS415における所定時間は、例えば、0分としてもよい。この場合、ただちにゲームプログラムに関する情報を直ちに移動することができる。
【0117】
また、ステップS415における所定時間は、例えば、30分程度に設定されている。これは、端末装置100において、一時的にゲーム画像表示プログラムが中断された場合であってもすぐにゲーム画像表示プログラムが再開される場合があるからである。例えば、端末装置100から中断信号を受信してすぐに、メモリ情報を実行メモリから保存メモリに移動する処理を開始してしまうと、後述する再起動の際にメモリを展開する時間がかかるため、ゲーム画像の送信処理が遅くなってしまうおそれがある。
【0118】
また、ステップS416における処理は、保存メモリが実行メモリよりも処理速度が遅いメモリを使うことが多いため、一時中断処理を頻繁に発生させないように、上述したステップS415における所定時間を適宜設定することが好ましい。
【0119】
なお、上述の処理フローにおいて、サーバCPU201は、端末装置100との間で通信環境等が悪化し、端末装置100とサーバ装置200との間で通信が不可能と判断した場合に、上述のステップS413やステップS416乃至ステップS418の処理を行うようにしてもよい。この場合も、上述したように通信不可能と判断した時から所定時間を経過するまではメモリ情報を実行メモリから保存メモリに移動することを待つようにしてもよい。
【0120】
<9.ゲームプログラム再開処理(1)>
サーバ装置200において実行されるゲームプログラム再開処理について、
図11のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、端末装置100では、
図4で説明したゲーム画像表示プログラムが動作しているものとして以下の説明を行う。
【0121】
ステップS501で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に応じて起動しようとするゲームプログラムについて、サーバストレージ207に中断データがあるか否か判断し、中断データがないと判断された場合に処理を終了する。一方、サーバCPU201は、中断データがあると判断した場合、処理をステップS502に進める。
【0122】
ステップS502で、サーバCPU201は、中断データの情報として中断時刻等を端末装置100に送信する。ここで、中断データが複数ある場合にその全てについて中断データの情報を送るようにしてもよいし、最新の中断データの情報のみを送るようにしてもよいが、以下では、複数の中断データがある場合について説明を行う。サーバCPU201は、中断データの情報を端末装置100に送信後、処理をステップS503に進める。
【0123】
ステップS503で、サーバCPU201は、端末装置100から中断データを選択した情報を得た場合、処理をステップS504に進め、中断データが選択されなかった場合は処理を終了する。
【0124】
ステップS504で、サーバCPU201は、選択された中断データをサーバストレージ207から読み出し、サーバRAM203及びサーバVRAM205に展開することで、中断データに対応するゲームプログラムの進行状況を一時中断時のまま再現する。なお、サーバVRAM205に展開するデータが無い場合で、サーバGPU204による画像描写が必要な場合、CPU201は、サーバGPU204へ再度、ゲーム画像の描写命令を行い、サーバGPU204に一時中断時のサーバVRAM205内のゲーム画像を再生成させる。
【0125】
ステップS505で、サーバCPU201は、サーバRAM203及びサーバVRAM205に展開したゲームプログラムの処理を再開する。
【0126】
以上のように、サーバ装置200では、中断データを用いて復帰処理を行うことができるので、中断信号を受信したときのゲームプログラムの進行状況を、ゲームプログラム固有のセーブポイントによるセーブ機能を使わずに保存することができ、既存のゲームプログラムを修正する必要はない。
【0127】
以上で説明したように、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、端末装置からの要求に従いサーバ装置が実行するゲームプログラムの進行状況を適切に保存することができる。
【0128】
また、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、ゲームプログラム中において許可された条件下(いわゆるセーブポイント)でない場合であっても、ゲームプログラムの進行状況を保存することができる。
【0129】
更に、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、ネットワークに非対応のローカルな環境で用いられるゲームプログラムの場合、ゲームプログラムを書き換えずに進行状況の保存が任意にできるようになり、特に好適なサービスを提供することができる。
【0130】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、ユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置が実行するプログラムの処理結果を端末装置に提供し、更にユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置がプログラムを実行することを反復継続して処理する、インタラクティブなシステムに適用することができる。例えば、エミュレータによる既存アプリケーションプログラムの処理の提供や、VM(Virtual Machine)等のサービス提供にも適用することができる。
【0131】
<10.ゲームプログラム再開処理(2)>
サーバ装置200において実行されるゲームプログラム再開処理について、
図12のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、端末装置100では、
図4で説明したゲーム画像表示プログラムが動作しているものとして以下の説明を行う。
【0132】
ステップS511で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に応じて起動しようとするゲームプログラムについて、実行メモリであるサーバRAM203及びサーバVRAM205にゲームプログラムの中断データが保持されているか否か判断し、保持されていないと判断された場合に処理を終了する。一方、サーバCPU201は、サーバRAM203及びサーバVRAM205にゲームプログラムの中断データが保持されていると判断した場合、処理をステップS512に進める。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持されている必要はない。
【0133】
ステップS512で、サーバCPU201は、実行メモリに保持されている情報として中断時刻等を端末装置100に送信し処理をステップS513に進める。これにより端末装置100を操作するユーザは、中断時刻等を知ることが可能となり、実行メモリに保持されている中断データからゲームプログラムを再開するか否かを判断する指標を得ることができる。
【0134】
ステップS513で、サーバCPU201は、端末装置100から実行メモリに保持された中断データから再開する要求を得た場合は処理をステップS514に進め、実行メモリに保持された中断データから再開を要求されなかった場合は処理を終了する。
【0135】
ステップS514で、サーバCPU201は、サーバRAM203及びサーバVRAM205に保持されているゲームプログラムの進行状況を再現する。これによりサーバCPU201は、サーバRAM203及びサーバVRAM205に保持されているゲームプログラムの処理を再開する。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持されている必要はない。具体的には、サーバVRAM205に展開するデータが無い場合で、サーバGPU204による画像描写が必要な場合、サーバCPU201は、サーバGPU204へ再度、ゲーム画像の描写命令を行い、サーバGPU204に中断時のサーバVRAM205内のゲーム画像を再生成する処理を行う。
【0136】
以上のように、サーバ装置200では、実行メモリに保持された状態からゲームプログラムが再開されるため、進行状況の保存をゲームプログラム固有のセーブポイントによるセーブ機能を使わずに実現することができ、既存のゲームプログラムを修正する必要はない。
【0137】
以上で説明したように、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、端末装置からの要求に従いサーバ装置が実行するゲームプログラムの進行状況を適切に保存することができる。
【0138】
また、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、ゲームプログラム中において許可された条件下(いわゆるセーブポイント)でない場合であっても、ゲームプログラムの進行状況を保存することができる。
【0139】
更に、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、ネットワークに非対応のローカルな環境で用いられるゲームプログラムの場合、ゲームプログラムを書き換えずに進行状況の保存が任意にできるようになり、特に好適なサービスを提供することができる。
【0140】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、ユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置が実行するプログラムの処理結果を端末装置に提供し、更にユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置がプログラムを実行することを反復継続して処理する、インタラクティブなシステムに適用することができる。例えば、エミュレータによる既存アプリケーションプログラムの処理の提供や、VM(Virtual Machine)等のサービス提供にも適用することができる。
【0141】
<11.ゲーム中断信号の生成送信処理(2)>
なお、本実施の形態の端末装置100において実行されるゲーム中断信号の生成送信処理の他の例について、
図13のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、端末CPU101が、例えば端末ROM102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、端末RAM103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム中断信号の生成送信処理は、
図4に示すゲーム画像表示プログラムのステップS106からステップS108と並列して処理される。
【0142】
ステップS601で、端末CPU101は、ユーザの入力操作部107から入力操作がなされたかどうかを判断する。端末CPU101は、ユーザの入力操作部107から入力操作がなされていないと判断した場合には、処理をステップS602に進める。一方、端末CPU101は、ユーザの入力操作部107から入力操作があったと判断した場合には、処理を終了する。
【0143】
ステップS602で、端末CPU101は、タイマー値T3に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS603へ進める。
【0144】
ステップS603で、端末CPU101は、タイマー値T3が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS601の処理を行う。一方、端末CPU101は、タイマー値が所定値T3を超えていると判断した場合には、ユーザの入力操作が所定時間されていないと判断し、処理をステップS604に進める。
【0145】
ステップS604で、端末CPU101は、ユーザがゲームをプレイしていないと判断できるため、例えば端末CPU101によって動作するOS(Operating System)側からアプリケーションプログラムであるゲーム画像表示プログラム側にスリープモードに入るように指示をすることでアプリケーションプログラムをスリープモードに移行させ、処理をステップS605に進める。なお、端末CPU101は、スリープモードに入ったアプリケーションプログラム以外のプログラム、例えばウォッチドッグプログラム等によってスリープモードが解除されるまで、ゲーム画像表示プログラムのスリープモードを継続する。
【0146】
ステップS605で、端末CPU101は、中断信号をサーバ装置200に送信する。なお、本実施の形態において、中断信号は、端末CPU101におけるゲーム画像表示プログラムに係る処理が中断したという情報を含む信号か、端末装置100とサーバ装置200との間であらかじめ定めたID等を含む信号であればよい。
【0147】
なお、ステップS604とステップS605の処理は入れかえても差し支えなく、同時に実行するようにしても構わない。
【0148】
なお、端末CPU101は、端末装置100の操作入力部107等の操作により電源ボタンが押下され、シャットダウン処理を行う場合に、端末装置100をシャットダウンする前に中断信号をサーバ装置200に送信するようにしてもよい。また、端末CPU101は、上述で説明したユーザ入力の有無以外にもゲーム画像表示プログラムが中断する、着呼応答等の場合等に中断信号を生成し、サーバ装置200に送信するようにしてもよい。
【0149】
<12.ゲーム中断信号の生成送信処理(3)>
なお、本実施の形態の端末装置100において実行されるゲーム中断信号の生成送信処理の他の例について、
図14のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、端末CPU101が、例えば端末ROM102に記録されている対応する処理プログラムを読み出し、端末RAM103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム中断信号の生成送信処理は、
図4に示すゲーム画像表示プログラムのステップS106からステップS108と並列して処理される。また、電源ボタンが押下されるまで繰り返しこの処理を行うものとする。
【0150】
ステップS611で、端末CPU101は、ユーザの入力操作部107から入力操作によって電源ボタンが押下されたかどうかを判断する。端末CPU101は、ユーザの入力操作によって電源ボタンが押下されたと判断した場合には、処理をステップS612に進める。ここで、電源ボタンの押下操作による端末装置100の応答処理にはシャットダウン処理とスリープ処理とが少なくとも含まれるものとする。一方、端末CPU101は、ユーザの入力操作部107から操作がなかったと判断した場合には、処理を終了する。なお、入力操作部107は、電源ボタンとして上述したタッチパネル以外にハードウェアキーを有するようにしてもよいし、特殊な入力操作を行うことにより電源ボタンを押下したとする信号を端末CPU101に出力するようにしてもよい。
【0151】
ステップS612で、端末CPU101は、中断信号をサーバ装置200に送信する。なお、本実施の形態において、中断信号は、端末CPU101におけるゲーム画像表示プログラムに係る処理が中断したという情報を含む信号か、端末装置100とサーバ装置200との間であらかじめ定めたID等を含む信号であればよい。
【0152】
ステップS613で、端末CPU101は、例えば、端末装置100のシャットダウン処理を実行し、処理を終了する。ここで、シャットダウン処理とは、端末CPU101の処理を停止させ、端末装置100全体の電源を切るものとするが、端末装置100内部において一部の構成要素の動作が継続されることを妨げるものではない。なお、
図13で説明したステップS604と同様に、OS側からゲーム画像表示プログラム側にスリープモードに入るように指示をすることでゲーム画像表示プログラムをスリープモードに移行させ、処理を終了するようにしてもよい。この場合、スリープモードから復帰後、
図4で説明したステップS103のようなログイン処理を再度する必要はなく、ゲームプログラムの再開を速やかに行うことができる。
【0153】
なお、ステップS612とステップS613の処理は並行して実行するようにしても構わない。すなわち、ステップS613のシャットダウン処理の一部として、ステップS612の中断信号の送信処理を行うこととしてもよい。
【0154】
<13.ゲーム画像生成送信処理(2)>
サーバ装置200において実行される他のゲーム画像生成送信処理について、
図15のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えばサーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム画像生成送信処理は、例えば、サーバ装置200の提供するゲームプログラムに係る処理とその処理結果の送信の要求を端末装置100から受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始されるものとして説明する。また、本ゲーム画像生成送信処理は、サーバ装置200上でゲームプログラムを実行するランチャープログラムに内蔵してもよく、ランチャープログラムと並列処理するプログラムであってもよい。
【0155】
なお、本実施の形態ではサーバ装置200は、ゲーム画像を符号化動画データの形態で端末装置100に提供するものとして説明する。
【0156】
ステップS702で、サーバCPU201は、サーバ通信部208により端末装置100との間で通信を行い相互接続を確認し、処理をステップS703に処理を進める。
【0157】
ステップS703で、サーバCPU201は、端末装置100から受信したログイン情報に基づきユーザ認証を行う。具体的に、サーバCPU201は、サーバストレージ207等に保存されているユーザIDとパスワードと、端末装置100から受信したログイン情報を比較し、合致した場合にはサービス提供を受けているユーザによるログインであるとして認証を行う。
【0158】
ステップS704で、サーバCPU201は、実行メモリ上にゲームプログラムに関する情報が保持されているか否かを判断し、保持されていると判断した場合には、処理をステップS705へ進める。サーバCPU201は、実行メモリ上にゲームプログラムに関する情報が保持されているか否かを判断し、保持されていないと判断した場合には、処理をステップS706へ進める。なお、ここでいう実行メモリは、サーバRAM202及びサーバVRAM205とする。
【0159】
ステップS705で、サーバCPU201は、前回中断したゲームプログラムに関する情報を実行メモリから取得し、実行メモリ内の情報に基づきゲームプログラムを再開する処理を行い、処理をステップS707へ進める。すなわち、本ステップによって、実行メモリ内にゲームプログラムに関する情報が保持されているため、直ちにゲームプログラムの再開を行うことができる。
【0160】
一方、ステップS706で、サーバCPU201は、前回一時中断したゲームプログラムに関する情報をサーバストレージ207等の保存メモリから取得し、保存メモリ内の情報を端末RAM203等の実行メモリに展開するとともに、展開した実行メモリ内の情報に基づきゲームを再開する処理を行い、処理をステップS707へ進める。
【0161】
ステップS707で、サーバCPU201は、再開処理後はシームレスにゲームプログラムの処理を継続実行する。具体的には、サーバCPU201は、ゲームプログラムによる描画処理を開始し、必要に応じてサーバGPU204に画像生成命令を行う。これにより、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理結果としてゲーム画像を生成する。また、サーバCPU201は、サーバVRAM205に展開するデータが実行メモリに保持又は保存メモリに移動されていた場合は、実行メモリに保持又は保存メモリに移動されていたデータと連続するようにサーバGPU204に画像生成命令を行う。
【0162】
ステップS708で、サーバCPU201は、描画されたゲーム画像に対してサーバ符号化部206を用いて符号化処理命令を実行し、符号化動画データを生成する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS709に進める。
【0163】
ステップS709で、サーバCPU201は、ステップS708において生成した符号化動画データをサーバ通信部208に伝送し、端末装置100に対して送信させる。
【0164】
以後は、サーバCPU201は、ゲームプログラムを継続して通常通りの処理を行う。
【0165】
ここで、端末装置100は、当初サーバ装置200に接続されているものに限定されるものではない。すなわち、当初サーバ装置200に接続されていたものがスマートフォン等の携帯端末装置であったとしても、次にユーザが操作する端末装置100がゲーム専用機や高速なグラフィック処理能力を有するパーソナルコンピュータであってもよい。
【0166】
ユーザが移動中等にゲームをプレイする場合に異なる端末装置100を用いることがあるため、ログイン情報が合致すれば、一定の時間内に、異なる端末装置100からでもゲームを継続することができることは、ユーザの利便性を向上させ、時間や場所に応じて端末装置100を変えながらゲームを継続して楽しむことが容易となる。
【0167】
なお、上述のように端末装置100が異なる装置であった場合のサーバ装置200の処理については、以下のように端末装置100のハードウェアスペックに応じて可変とするようにしてもよい。
【0168】
<14.ゲーム画像生成送信処理(3)>
サーバ装置200において実行される他のゲーム画像生成送信処理について、
図16のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えばサーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム画像生成送信処理は、例えば、サーバ装置200の提供するゲームプログラムに係る処理とその処理結果の送信の要求を端末装置100から受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。また、本ゲーム画像生成送信処理は、サーバ装置200上でゲームプログラムを実行するランチャープログラムに内蔵してもよく、ランチャープログラムと並列処理するプログラムであってもよい。
【0169】
なお、本実施の形態ではサーバ装置200は、ゲーム画像を符号化動画データの形態で端末装置100に提供するものとして説明する。
【0170】
ステップS712で、サーバCPU201は、サーバ通信部208により端末装置100との間で通信を行い相互接続を確認し、処理をステップS713に処理を進める。
【0171】
ステップS713で、サーバCPU201は、端末装置100から受信したログイン情報に基づきユーザ認証を行う。具体的に、サーバCPU201は、サーバストレージ207等に保存されているユーザIDとパスワードと、端末装置100から受信したログイン情報を比較し、合致した場合にはサービス提供を受けているユーザによるログインであるとして認証を行う。
【0172】
ステップS714で、サーバCPU201は、端末装置100から受信した端末固有情報に基づき端末装置のスペックを判別する。ここで、端末固有情報には、機種名、型番、描画能力、CPU処理能力等、ハードウェアスペックを判別するに足る情報を少なくとも一つ含む。サーバCPU201は、端末装置のスペックが所定の能力以下であると判断した場合には、処理をステップS715へ進める。一方、サーバCPU201は、端末装置のスペックが所定の能力以上であると判断した場合には、端末装置100に対して画像描写の分担処理を要求するとともに、処理をステップS719へ進める。
【0173】
ステップS715で、サーバCPU201は、前回一時中断したゲームプログラムの情報を実行メモリ又は保存メモリから取得し、一時中断した情報が保存メモリにある場合には、実行メモリに展開したうえで、実行メモリ内の情報に基づきゲームを再開する処理を行い、処理をステップS716へ進める。
【0174】
ステップS716で、サーバCPU201は、再開処理後と連続するようにゲームプログラムの処理を継続する。すなわち、端末装置100が、ゲーム専用機や高速なグラフィック処理能力を有するパーソナルコンピュータ等でない場合には、画像生成処理を全てサーバ装置200で処理し、生成したゲーム画像を送信するストリーミングモードとする。なお、通常の初期設定では、生成したゲーム画像を送信するストリーミングモードを用いるようにしている。また、ハードウェアスペックが判別できない場合も同様とする。
【0175】
ステップS717で、サーバCPU201は、描画されたゲーム画像に対してサーバ符号化部206を用いて符号化処理命令を実行し、符号化動画データを生成する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS718に進める。
【0176】
ステップS718で、サーバCPU201は、ステップS717において生成した符号化動画データをサーバ通信部208に伝送し、端末装置100に対して送信させる。
【0177】
一方、ステップS719で、サーバCPU201は、前回一時中断したゲームプログラムの情報を実行メモリ又は保存メモリから取得し、一時中断した情報が保存メモリにある場合には、実行メモリに展開したうえで、実行メモリ内の情報に基づきゲームを再開する処理を行い、処理をステップS720へ進める。
【0178】
ステップS720で、サーバCPU201は、再開処理後と連続するようにゲームプログラムの処理を継続する。ここで、サーバCPU201は、ステップS714において判別したハードウェアスペックに応じて、画像生成処理の一部を端末装置100に分担するようにしている。すなわち、端末装置100が、ゲーム専用機や高速なグラフィック処理能力を有するパーソナルコンピュータである場合には、画像生成処理の一部を端末装置100で処理可能である。このため、最終的に生成されるゲーム画像のうち、少なくとも、ユーザインタフェースに関連する箇所などユーザの入力操作に対して高いレスポンスの性能を必要とする箇所の描画を端末装置100に分担させる。例えば、ユーザの入力操作に対して高いレスポンスの性能を必要とする箇所以外をサーバGPU204が描画する。
【0179】
ステップS721で、サーバCPU201は、描画されたゲーム画像に対してサーバ符号化部206を用いて符号化処理命令を実行し、符号化動画データを生成する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS722に進める。
【0180】
ステップS722で、サーバCPU201は、ステップS721において生成した符号化動画データをサーバ通信部208に伝送し、端末装置100に対して送信させる。
【0181】
ここで、端末装置100は、ユーザの入力操作に対して高いレスポンスの性能を必要とする箇所のみを描画し、サーバ装置200より受信したゲーム画像に、端末装置100自身が描画したゲーム画像の一部を重畳し、最終的なゲーム画像を生成する。これにより、端末装置100が描画した箇所について、サーバGPU204が最終的に生成される画像全てを描画する場合と比較して、ユーザの入力操作を早く反映することができる。
【0182】
以後は、サーバCPU201は、端末装置100の変更があるまで、画像描写処理を端末装置100とサーバ装置200とで分担しながらゲームプログラムの処理を継続する。
【0183】
なお、上述したゲーム画像生成送信処理(1),(2),(3)において認証したユーザが登録若しくは購入等したユーザではなく、公開を許可されたユーザ(グループ)である場合に、公開を許可されたグループの情報をサーバストレージ207等から取得し、公開を許可されたユーザに対して、ゲーム画像の送信を行うようにしてもよい。公開を許可されたユーザとは、ゲストユーザであったり、フレンド登録を行ったユーザ等、適宜設定することができる。例えば、プレイ中のゲーム画面をストリーミング配信する用途に用いることができる。
【0184】
<15.ゲームプログラム一時中断処理(3)>
サーバ装置200において実行される他のゲームプログラム一時中断処理について、
図17のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、中断信号を受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。
【0185】
ステップS801で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100から中断信号を受信したか否かを判断する。サーバCPU201は、中断信号を受信していないと判断した場合には、再度ステップS801を繰り返す。一方、サーバCPU201は、中断信号を受信したと判断した場合、処理をステップS802に進める。
【0186】
ステップS802で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムの実行を一時中断し、処理をステップS803へ進める。
【0187】
ステップS803で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに係る実行メモリの情報を保持する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容をサーバRAM203やサーバVRAM205にそのまま保持する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS804に進める。なお、ステップS803において、サーバCPU201は、ゲームプログラムに係る情報を保持する処理を行った時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持する必要はない。
【0188】
すなわち、サーバCPU201は、サーバ装置200において実行中のゲームプログラムの全てのメモリ情報をゲームの進行状況を含め保持するようにしている。より詳細に説明すると、選択されたゲームプログラムのためにランチャーが確保したメモリ空間すべてをサーバRAM203やサーバVRAM205にそのまま保持する処理を行う。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持する必要はない。
【0189】
ステップS804で、サーバCPU201は、タイマー値T4をリセットし0としたうえで、処理をステップS805に進める。
【0190】
ステップS805で、サーバCPU201は、タイマー値T4に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS806へ進める。
【0191】
ステップS806で、サーバCPU201は、端末装置100からサーバ通信部208を介してサーバ装置200へ再接続要求があった場合、若しくは中断解除が要求された場合、処理をステップS807へ進める。一方、サーバCPU201は、端末装置100からサーバ通信部208を介してサーバ装置200へ再接続要求がなく若しくは中断解除の要求もない場合、処理をステップS808へ進める。
【0192】
ステップS807で、サーバCPU201は、ステップS804において、サーバRAM203やサーバVRAM205にそのまま保持している実行メモリの情報に基づきゲームプログラムを再開し、処理を終了する。なお、ステップS808において、サーバVRAM205に展開するデータが無い場合で、サーバGPU204による画像描写が必要な場合、サーバCPU201は、サーバGPU204へ再度、ゲーム画像の描写命令を行い、サーバGPU204に中断時のサーバVRAM205内のゲーム画像を再生成する処理を行う。
【0193】
ステップS808で、サーバCPU201は、タイマー値T4が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS805の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T4が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が経過したと判断し、処理をステップS809に進める。
【0194】
ステップS809で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに関する実行メモリの情報を保存メモリに移動する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムに関する情報をサーバストレージ207に移動する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS810に進める。なお、ステップS809において、サーバCPU201は、ゲームプログラムに関する情報を移動する処理を行った時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも移動する必要はない。
【0195】
ここで、本実施の形態における実行メモリとは、プログラムが実行される際にプログラムが読み出されるメモリであり、保存メモリと実行メモリとは異なりプログラムに関する情報を保存するために用いられるメモリである。なお、実行メモリと保存メモリは物理的に一つのものであることは妨げられないが、その性質上、読み書き速度が高速なものを実行メモリとして用い、読み書きの速度が低速なものを保存メモリとして物理的に異ならせることが好ましい。
【0196】
例えば、実行メモリには、サーバRAM201やサーバVRAM205が用いられ、その容量が有限である。このため、サーバRAM201にプログラムを多数展開すると容量を超えてしまうため、保存メモリであるサーバストレージ207に適宜プログラムやデータを保存するようにしている。
【0197】
なお、保存メモリとしては、サーバストレージ207に限定されず、サーバRAM203やサーバVRAM205内部に設けるようにしてもよいし、図示しない、他のメモリであってもよい。実行メモリと保存メモリとは物理的に同じメモリを用いてもよいし、用途に応じて適宜使い分けるようにしてもよい。
【0198】
ステップS810で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理を停止するとともに、ステップS811で、端末装置100への符号化動画データの送信を停止する。ここで、ステップS810における、ゲームプログラムの処理を停止するとは、ランチャープログラムが確保した当該ゲームプログラムに関する情報を実行メモリから完全に開放した状態にすることをいう。
【0199】
なお、ステップS811は、ステップS802の後であれば適宜、処理順序を入れかえても差し支えない。
【0200】
また、ステップS809における処理は、保存メモリが実行メモリよりも処理速度が遅いメモリを使うことが多いため、一時中断処理は頻繁に発生させないように、上述したステップ808における所定時間を適宜設定することが好ましい。
【0201】
<16.ゲームプログラム一時中断処理(4)>
サーバ装置200において実行される他のゲームプログラム一時中断処理について、
図18のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、ゲーム画像の生成、送信処理を行っている際に適宜実行される。
【0202】
ステップS821で、サーバCPU201は、タイマー値T5及びタイマー値T6をリセットし0としたうえで、処理をステップS822に進める。
【0203】
ステップS822で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100との間で通信が途絶したかどうかを判断する。サーバCPU201は、通信が途絶していないと判断した場合には、再度ステップS821を繰り返す。一方、サーバCPU201は、通信が途絶したと判断した場合、処理をステップS823に進める。
【0204】
ステップS823で、サーバCPU201は、タイマー値T5に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS824へ進める。
【0205】
ステップS824で、サーバCPU201は、タイマー値T5が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS822の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T5が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が通信が途絶していると判断し、処理をステップS825に進める。
【0206】
ステップS825で、サーバCPU201は、端末装置100と通信が途絶しており画像データの送信ができないためゲームプログラムの実行を一時中断し、処理をステップS826へ進める。
【0207】
ステップS826で、サーバCPU201は、一時中断時のゲームプログラムに関する情報を実行メモリに保持する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容をサーバRAM203やサーバVRAM205にそのまま保持する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS827に進める。なお、ステップS826において、サーバCPU201は、ゲームプログラムに係る情報を保持する処理を行った時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持する必要はない。
【0208】
ここで、実行メモリの保持について具体的に説明する。実行メモリの保持としては、ステップS825にて一時中断時の、サーバRAM203やサーバVRAM205の内容を、そのままサーバRAM203やサーバVRAM205内に保持する。サーバRAM203には、展開されているゲームプログラムに関する情報及びゲームプログラムの進行状況やバッファリング中の符号化動画データが記録されており、サーバVRAM205には描画中のゲーム画像データに関する情報が記録されている。
【0209】
すなわち、サーバCPU201は、サーバ装置200において実行中のゲームプログラムの全てのメモリ情報をゲームの進行状況を含め保持するようにしている。より詳細に説明すると、選択されたゲームプログラムのためにサーバRAM203やサーバVRAM205にランチャーが確保しているメモリ空間すべてを保持する処理を行う。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持する必要はないことは上述で述べたとおりである。
【0210】
ステップS827で、サーバCPU201は、タイマー値T6に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS828へ進める。
【0211】
ステップS828で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100との間で通信が回復したかどうかを判断する。サーバCPU201は、通信が回復していないと判断した場合には、処理をステップS829へ進める。一方、サーバCPU201は、通信が回復したと判断した場合、処理をステップS830に進める。
【0212】
ステップS830で、サーバCPU201は、ステップS826において、保持した実行メモリの情報に基づきゲームプログラムを再開し、処理を終了する。
【0213】
つぎに、ステップS829で、サーバCPU201は、タイマー値T6が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS827の処理を行う。一方、ステップS829で、サーバCPU201は、タイマー値T6が所定値を超えていると判断した場合には、端末装置100との間で通信が途絶し通信の回復の見込みもないと判断し、処理をステップS831に進める。
【0214】
ステップS831で、サーバCPU201は、端末装置100との間で通信が途絶し通信の回復の見込みもないため、ゲームプログラムに関する情報を実行メモリから保存メモリに移動する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容をサーバストレージ207に移動する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS832に進める。なお、ステップS831において、サーバCPU201は、ゲームプログラムに関する情報を移動する処理を行った時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも移動する必要はない。
【0215】
ここで、本実施の形態における実行メモリとは、プログラムが実行される際にプログラムが読み出されるメモリであり、保存メモリと実行メモリとは異なりプログラムに関する情報を保存するために用いられるメモリである。なお、実行メモリと保存メモリは物理的に一つのものであることは妨げられないが、その性質上、読み書き速度が高速なものを実行メモリとして用い、読み書きの速度が低速なものを保存メモリとして物理的に異ならせることが好ましい。
【0216】
例えば、実行メモリには、サーバRAM201やサーバVRAM205が用いられ、その容量が有限である。このため、サーバRAM201にプログラムを多数展開すると容量を超えてしまうため、保存メモリであるサーバストレージ207に適宜プログラムやデータを保存するようにしている。
【0217】
なお、保存メモリとしては、サーバストレージ207に限定されず、サーバRAM203やサーバVRAM205内部に設けるようにしてもよいし、図示しない、他のメモリであってもよい。実行メモリと保存メモリとは物理的に同じメモリを用いてもよいし、用途に応じて適宜使い分けるようにしてもよい。
【0218】
ステップS832で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理を停止するとともに、ステップS833で、端末装置100への符号化動画データの送信を停止する。ここで、ステップS832における、ゲームプログラムの処理を停止するとは、ランチャープログラムが確保した当該ゲームプログラムに関する情報を実行メモリから完全に開放した状態にすることをいう。
【0219】
なお、ステップS821は、タイマーカウンタの加算ループ処理の前であれば、適宜、順序を入れかえても差し支えないし、タイマー値T5とタイマー値T6を別ステップにてリセットするようにしてもよいことは言うまでもない。
【0220】
また、ステップS831における処理は、保存メモリが実行メモリよりも処理速度が遅いメモリを使うことが多いため、一時中断処理は頻繁に発生させないように、上述したステップ829における所定時間を適宜設定することが好ましい。
【0221】
上述したような処理は、端末装置100が、通信環境が良好ではないエリアにいる場合や、複数の無線通信基地局の境界などにおけるハンドオーバー処理の遅延など、一時的な通信途絶がある場合に特に有効である。従って、ユーザが使用する端末装置100に想定される通信途絶時間に基づいて、適宜タイマー値T5及びタイマー値T6を設定することが好ましい。また、端末装置100の通信状況が悪い場合に、サーバCPU201が、タイマー値T5やタイマー値T6を自動的に大きく設定するようにしてもよい。また、サーバCPU201が、端末装置100の通信状況を連続的にモニタリングし、タイマー値T5やタイマー値T6をリアルタイムに可変するようにしてもよい。
【0222】
<17.ゲームプログラム再開処理(2)>
サーバ装置200において実行される他のゲームプログラム再開処理について、
図19のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。
【0223】
ステップS901で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に応じて起動しようとするゲームプログラムについて、実行メモリであるサーバRAM203及びサーバVRAM205に一時中断した情報が保持されているか否か判断し、一時中断した情報が保持されていないと判断された場合に処理を終了する。一方、サーバCPU201は、一時中断した情報が保持されていると判断した場合、処理をステップS902に進める。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持する必要はない。
【0224】
ステップS902で、サーバCPU201は、中断時刻等を端末装置100に送信し、処理をステップS903に進める。これにより端末装置100を操作するユーザは、中断時刻等を知ることが可能となり、実行メモリに保持されている状態からゲームプログラムを再開するか否かを判断する指標を得ることができる。
【0225】
ステップS903で、サーバCPU201は、端末装置100から一時中断したゲームプログラムを再開する要求を含む情報を得た場合、処理をステップS904に進め、端末装置100から一時中断したゲームプログラムを再開する要求がなかった場合には処理を終了する。
【0226】
ステップS904で、サーバCPU201は、実行メモリであるサーバRAM203及びサーバVRAM205に保持された一時中断した情報からゲームプログラムの処理を再開する。なお、ステップS904において、サーバVRAM205に展開するデータが無い場合で、サーバGPU204による画像描写が必要な場合、サーバCPU201は、サーバGPU204へ再度、ゲーム画像の描写命令を行い、サーバGPU204に一時中断時のサーバVRAM205内のゲーム画像を再生成する処理を行う。
【0227】
なお、上述の処理では、サーバ装置200が端末装置100からゲームプログラムを再開する要求を含む情報を得た場合は、実行メモリであるサーバRAM203及びサーバVRAM205に保持された一時中断した情報からゲームプログラムの処理を再開することとしたが、一時中断した情報が実行メモリであるサーバRAM203及びサーバVRAM205に保持されている場合、端末装置100からサーバ装置200へのアクセス時にサーバ装置200が自動的にゲーム画像の生成、送信等の処理を再開するようにしてもよい。
【0228】
以上のように、サーバ装置200では、実行メモリに保持された情報を用いて復帰処理を行うことで、ゲームプログラム固有のセーブポイントによるセーブ機能を使わずに、所定の条件において一時中断したゲームプログラムの再開を実現することができる。特に、既存のゲームプログラムを修正する必要はない。所定の条件とは、上述したように、端末装置100から中断信号を受信したときや、端末装置100との間で通信が途絶したとき等、ゲームプログラムに関する情報が実行メモリに保持又は実行メモリから保存メモリに移動される各条件である。
【0229】
<18.ゲームプログラム再開処理(3)>
サーバ装置200において実行される他のゲームプログラム再開処理について、
図20のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。
【0230】
ステップS911で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に応じて起動しようとするゲームプログラムについて、ポーズボタン押下によるポーズ状態にあるか否かを判断し、ポーズ状態ではないと判断した場合に処理を終了する。一方、サーバCPU201は、ポーズボタン押下によるポーズ状態にあると判断した場合、処理をステップS912に進める。なお、ポーズボタン押下状態とは、ユーザが端末装置100を操作して、ポーズボタンを押下し、ゲームプログラムの進行を一時停止している状態であり、次の実施の形態で説明するサーバ装置200側が通信途絶等の理由によりポーズボタン押下信号を等価的に生成し、割り込ませた場合を含む。
【0231】
ここで、本実施の形態において、「ポーズ」とは、ゲームプログラムが実装する処理の一つであり、例えば、ユーザのポーズボタン押下操作により要求がなされ、ゲームの進行が一時的に停止可能な状態であれば一時停止を行うが、ゲームプログラム自体は動作を継続し、実行メモリ内の情報の保持や移動は行わない処理である。言い換えると、「ポーズ」とは、ゲームの進行状況を一時停止するのであって、実行メモリ内の情報の書き換えが行われ得る処理である。
【0232】
ステップS912で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの進行が一時停止しているポーズ状態であることを端末装置100に送信し、処理をステップS913に進める。
【0233】
ステップS913で、サーバCPU201は、端末装置100からポーズボタン押下操作によりポーズ処理を解除する要求を含む情報を得た場合、処理をステップS914に進め、ポーズ処理を解除する要求が無い場合には処理を終了する。
【0234】
ステップS914で、サーバCPU201は、ポーズ処理を解除し、ポーズ機能により進行状況が一時停止しているゲームプログラムの処理を再開する。
【0235】
なお、ゲームプログラムの進行状況の一時停止方法として、ゲームプログラム上に実装されているポーズ処理を発動するために、ユーザによる一時停止ボタンの押下操作の如何にかかわらず、サーバCPU201がポーズボタン操作信号を等価的に生成してゲームプログラムに割り込ませる方法をとることができる。ポーズボタン操作信号の生成は、ランチャープログラムが行ってもよいし、他のプログラムが行うこととしてもよい。
【0236】
また、ゲームプログラムの進行状況の一時停止方法として、ゲームプログラム上に実装されているメニュー表示機能を発動するために、ユーザによるメニューボタンの押下操作の如何にかかわらず、サーバCPU201がメニューボタン操作信号を等価的に生成してゲームプログラムに割り込ませる方法をとることもできる。メニューボタン操作信号の生成は、ランチャープログラムが行ってもよいし、他のプログラムが行うこととしてもよい。
【0237】
ここで、本実施の形態において、「メニュー表示」とは、ゲームプログラムが実装する処理の一つであり、例えば、ユーザの操作により要求がなされ、ポーズ処理と異なり、ゲームプログラムのメニュー画面を表示する処理である。なお、メニューボタンは、必ずしもゲーム画面に表示されている必要はなく、物理的なボタンが規定されていなくともよい。このため、「メニューボタン押下操作」とは、メニューボタン操作信号を生成するあらゆる操作を含むものとする。
【0238】
メニュー表示は、例えば、ゲームプログラムの進行中に、各種の設定を行ったり、ゲーム内アイテムを変更したりするためのメニュー画面を表示するものであり、メニュー表示が行われることによってゲームプログラムの進行が一時停止する点で、ポーズ処理と同等の機能を有する。
【0239】
しかしながら、ゲームプログラムにおいて、ポーズ処理を受け付けない場合、例えば、カットシーンや動画が再生されるだけの時間帯、いわゆるムービーシーン等の場合、ポーズ処理が行われない。そのため、サーバCPU201は、ゲームプログラムがメニュー表示機能を実装していれば、ポーズ処理を受け付けない場合であっても、メニューボタン操作信号をゲームプログラムに割り込ませることで、ゲームプログラムの進行を一時停止させることができる。
【0240】
なお、他の実施の形態においてポーズ処理を行う場合に、上記のメニュー表示機能を併用若しくは代替して用いることができるものとする。
【0241】
以上のように、サーバ装置200では、ゲームプログラムに実装されたポーズ処理等によってもゲームの進行状況を適宜保存することができる。ポーズ処理が解除されることで、ゲームプログラムの再開を実現することができる。特に、既存のゲームプログラムを修正する必要はない。
【0242】
<19.ゲームプログラム一時中断処理(5)>
サーバ装置200において実行されるゲームプログラム一時中断処理について、
図21のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、端末装置100から中断信号を受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。また、本ゲームプログラム一時中断処理は、
図18で説明したように、例えばサーバ装置200が、端末装置100との間で通信途絶等になったことを、サーバCPU201が検出した際に開始するよう変更することも可能である。なお、端末装置100では、
図4で説明したゲーム画像表示プログラム、
図5等で説明した中断信号の送信を行うプログラムが動作しているものとして以下の説明を行う。
【0243】
ステップS421で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100から中断信号を受信したか否かを判断する。サーバCPU201は、中断信号を受信していないと判断した場合には、再度ステップS422を繰り返す。一方、サーバCPU201は、中断信号を受信したと判断した場合、処理をステップS422に進める。
【0244】
ステップS422で、サーバCPU201は、タイマー値T7をリセットし0としたうえで、処理をステップS423に進める。
【0245】
ステップS423で、サーバCPU201は、タイマー値T7に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS424へ進める。
【0246】
ステップS424で、サーバCPU201は、タイマー値T7が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS423の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T7が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が経過したと判断し、処理をステップS425に進める。
【0247】
なお、ステップS424における所定値は通常0である。中断信号を受信した際には速やかに後述するポーズ処理を行うことで、ゲームプログラムの進行状況を適切に保存することができる。
【0248】
ステップS425で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムのポーズ処理を行う。すなわち、CPU201は、ゲームプログラムに実装されているポーズ処理を発動させるため、ポーズボタン操作信号と等価な信号を生成し、ポーズ処理の要求があったものとし、この生成した信号をゲームプログラムへ疑似的に入力する。なお、サーバCPU201は、ゲームプログラムに実装されているポーズ処理が実行できない場合に、所定の時間経過後、例えば画像描写で数フレーム後に、メニュー画面を表示させるため、メニューボタン操作信号と等価な信号を生成し、メニュー画面の表示の要求があったものとし、この生成した信号をゲームプログラムへ疑似的に入力する。他の実施の形態でも説明したように、メニュー画面の表示はポーズ処理と同等の効果を得ることができるため、ポーズ処理が必ずしもできない場面であっても二重でゲームプログラムの一時中断を行うことが可能となる。
【0249】
ここで、本実施の形態において、「ポーズ」とは、ゲームプログラムが実装する処理の一つであり、例えば、ユーザの操作により要求がなされ、ゲームの進行が一時的に停止可能な状態であれば一時停止を行うが、ゲームプログラム自体は動作を継続し、実行メモリ内の情報の保持や移動は行わない処理である。言い換えると、「ポーズ」とは、ゲームの進行状況を停止するのであって、実行メモリ内の情報の書き換えが行われ得る処理である。
【0250】
以後、サーバCPU201は、ポーズボタンの入力操作によってユーザからポーズ処理の解除を要求する信号が端末装置から送信されるまで、ゲームプログラムのポーズ処理を継続する。
【0251】
具体的には、ステップS426で、サーバCPU201は、ポーズボタンの入力操作によってポーズ処理を解除する要求があるか否かを判断する。サーバCPU201は、ポーズ処理の解除の要求があったと判断した場合に、処理をステップS427へ進め、ポーズ処理を解除して処理を終了する。また、サーバCPU201は、ポーズ処理の解除の要求が無い場合は、処理をステップS426に進め、ポーズ処理を継続する。
【0252】
ここで、ゲームプログラムのポーズ処理中は、他の実施の形態で説明したゲーム画像生成送信処理が継続して行われているものとする。実態としては、ポーズ処理中にゲーム画像が変化することは無いことが一般的であるが、ポーズ処理中にもゲーム画面が変化することもあり、例えばポーズ処理中であることを示すアイコン等が動くこともあり得るため、ゲーム画像生成送信処理を継続する必要があるからである。なお、端末装置100側においてポーズ処理中のゲーム画面をスクリーンショットとして保有し、このスクリーンジョットを端末装置100側で表示することで、サーバ装置200のゲーム画像の送信を停止するようにしてもよい。
【0253】
<19.ゲームプログラム一時中断処理(6)>
サーバ装置200において実行されるゲームプログラム一時中断処理について、
図22のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、端末装置100から中断信号を受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。なお、端末装置100では、
図4で説明したゲーム画像表示プログラム、
図5等で説明した中断信号の送信を行うプログラムが動作しているものとして以下の説明を行う。
【0254】
ステップS431で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100から中断信号を受信したか否かを判断する。サーバCPU201は、中断信号を受信していないと判断した場合には、再度ステップS431を繰り返す。一方、サーバCPU201は、中断信号を受信したと判断した場合、処理をステップS432に進める。
【0255】
ステップS432で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムのポーズ処理を行う。すなわち、CPU201は、ゲームプログラムに実装されているポーズ処理を発動させるため、ポーズボタン操作信号と等価な信号を生成し、ポーズ処理の要求があったものとし、この生成した信号をゲームプログラムへ疑似的に入力する。
【0256】
ここで、本実施の形態において、「ポーズ」とは、ゲームプログラムが実装する処理の一つであり、例えば、ユーザの操作により要求がなされ、ゲームの進行が一時的に停止可能な状態であれば一時停止を行うが、ゲームプログラム自体は動作を継続し、実行メモリ内の情報の保持や移動は行わない処理である。言い換えると、「ポーズ」とは、ゲームの進行状況を停止するのであって、実行メモリ内の情報の書き換えが行われ得る処理である。
【0257】
ステップS433で、サーバCPU201は、タイマー値T8をリセットし0としたうえで、処理をステップS434に進める。
【0258】
ステップS434で、サーバCPU201は、タイマー値T8に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS435へ進める。
【0259】
ステップS435で、サーバCPU201は、タイマー値T8が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS434の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T8が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が経過したと判断し、処理をステップS436に進める。
【0260】
ステップS436で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに関する実行メモリの情報を保持する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容を保持する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS437に進める。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であり、再開直後のゲーム画像の処理を早めるために予備的に保持するようにしてもよい。
【0261】
ここで、本実施の形態において、「保持」とは、実行メモリから保存メモリへメモリ内容を移動させず、実行メモリ内の内容をそのまま継続して実行メモリ内に残す、すなわち、サーバ装置200において、サーバRAM203やサーバVRAM205内のゲームプログラムに関する情報を、サーバストレージ207へ移動せず、そのままアドレス情報を含めサーバRAM203やサーバVRAM205内に継続して残すことをいう。
【0262】
ステップS437で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理を停止するとともに、ステップS438で、端末装置100への符号化動画データの送信を停止する。
【0263】
なお、ステップS435における所定時間は、例えば、0分としてもよい。この場合、ただちにゲームプログラムの一時中断した情報を直ちに保持することができる。
【0264】
また、ステップS435における所定時間は、例えば、15分程度に設定されている。これは、端末装置100において、一時的にゲーム画像表示プログラムが中断された場合であってもすぐにゲーム画像表示プログラムが再開される場合があるからである。例えば、端末装置100から中断信号を受信してすぐに、メモリ情報を保持する処理を開始してしまうと、ポーズ処理の解除と比較してゲームプログラムの進行の再開が遅れるため、ゲーム画像の送信処理が遅くなってしまうおそれがある。
【0265】
なお、上述の処理フローにおいて、サーバCPU201は、端末装置100との間で通信環境等が悪化し、端末装置100とサーバ装置200との間で通信が不可能と判断した場合に、上述のステップS432やステップS436乃至ステップS438の処理を行うようにしてもよい。この場合も、上述したように通信不可能と判断した時から所定時間を経過するまではゲームプログラムをポーズ処理とし、メモリ情報を保持することを待つようにしてもよい。
【0266】
<21.ゲームプログラム一時中断処理(7)>
サーバ装置200において実行される他のゲームプログラム一時中断処理について、
図23及び
図24のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。このフローチャートに対応する処理は、サーバCPU201が、例えば、サーバROM202に記憶された対応する処理プログラムを読み出し、サーバRAM203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲームプログラム一時中断処理は、例えばサーバ装置200が、中断信号を受信したことを、サーバCPU201が検出した際に開始される。
【0267】
ステップS841で、サーバCPU201は、サーバ通信部208を介して端末装置100から中断信号を受信したか否かを判断する。サーバCPU201は、中断信号を受信していないと判断した場合には、再度ステップS841を繰り返す。一方、サーバCPU201は、中断信号を受信したと判断した場合、処理をステップS842に進める。
【0268】
ステップS842で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムの実行を一時中断し、処理をステップS843へ進める。すなわち、CPU201は、ゲームプログラムに実装されているポーズ処理を発動させるため、ポーズボタン操作信号と等価な信号を生成し、ポーズ処理の要求があったものとし、この生成した信号をゲームプログラムへ疑似的に入力する。
【0269】
ここで、本実施の形態において、「ポーズ」とは、ゲームプログラムが実装する処理の一つであり、例えば、ユーザの操作により要求がなされ、ゲームの進行が一時的に停止可能な状態であれば一時停止を行うが、ゲームプログラム自体は動作を継続し、実行メモリ内の情報の保持や移動は行わない処理である。言い換えると、「ポーズ」とは、ゲームの進行状況を停止するのであって、実行メモリ内の情報の書き換えが行われ得る処理である。なお、ポーズボタンは、必ずしもゲーム画面に表示されている必要はなく、物理的なボタンが規定されていなくともよい。このため、「ポーズボタン押下操作」とは、ポーズボタン操作信号を生成するあらゆる操作を含むものとする。
【0270】
なお、ステップS842の処理にかかるポーズボタン操作信号の生成は、ランチャープログラムが行ってもよいし、他のプログラムが行うこととしてもよい。
【0271】
ステップS843で、サーバCPU201は、タイマー値T9をリセットし0としたうえで、処理をステップS844に進める。
【0272】
ステップS844で、サーバCPU201は、タイマー値T9に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS845へ進める。
【0273】
ステップS845で、サーバCPU201は、端末装置100からポーズ処理の解除を要求するポーズボタン操作信号が入力されたか否かを判断し、入力があった場合には、ステップS846において、ポーズボタン操作信号をゲームプログラムに入力し、ゲームプログラムのポーズ処理を解除し、処理を終了する。他方、サーバCPU201は、ポーズボタン操作信号の入力が無いと判断した場合には、処理をステップS847に進める。
【0274】
ステップS847で、サーバCPU201は、タイマー値T9が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS844の処理を行う。一方、サーバCPU201は、タイマー値T9が所定値を超えていると判断した場合には、ユーザがポーズ処理の解除を要求していないと判断し、処理をステップS848に進める。
【0275】
ステップS848で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに係る実行メモリの情報を保持する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムの内容をサーバRAM203やサーバVRAM205にそのまま保持する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS849に進める。なお、ステップS848において、サーバCPU201は、ゲームプログラムに係る情報を保持する処理を行った時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも保持する必要はない。
【0276】
ステップS849で、サーバCPU201は、タイマー値T10をリセットし0としたうえで、処理をステップS850に進める。
【0277】
ステップS850で、サーバCPU201は、タイマー値T10に経過時間に対応する数値を加算し、処理をステップS851へ進める。
【0278】
ステップS851で、サーバCPU201は、端末装置100から中断解除が要求された場合、処理をステップS852へ進める。一方、サーバCPU201は、端末装置100から中断解除の要求もない場合、処理をステップS853へ進める。
【0279】
ステップS852で、サーバCPU201は、ステップS848において、サーバRAM203やサーバVRAM205にそのまま保持している実行メモリの情報に基づきゲームプログラムを再開し、処理を終了する。なお、ステップS852において、サーバVRAM205に展開するデータが無い場合で、サーバGPU204による画像描写が必要な場合、サーバCPU201は、サーバGPU204へ再度、ゲーム画像の描写命令を行い、サーバGPU204に中断時のサーバVRAM205内のゲーム画像を再生成する処理を行う。
【0280】
一方、ステップS853で、サーバCPU201は、タイマー値T2が所定値を超えているかを判断し、超えていないと判断した場合には、再度ステップS850の処理を行う。他方、サーバCPU201は、タイマー値T2が所定値を超えていると判断した場合には、所定時間が経過したと判断し、処理をステップS854に進める。
【0281】
ステップS854で、サーバCPU201は、端末装置100からの要求に従い実行しているゲームプログラムに関する実行メモリの情報を保存メモリに移動する処理を行う。すなわち、CPU201は、サーバRAM203やサーバVRAM205に展開されているゲームプログラムに関する情報をサーバストレージ207に移動する。そして、サーバCPU201は、処理をステップS855に進める。なお、ステップS854において、サーバCPU201は、ゲームプログラムに関する情報を移動する処理を行った時刻を中断時刻として付加し、中断データとする。なお、サーバVRAM205内の描画中のゲーム画像データに関する情報は、再度生成可能であるため、必ずしも移動する必要はない。
【0282】
ここで、本実施の形態における実行メモリとは、プログラムが実行される際にプログラムが読み出されるメモリであり、保存メモリと実行メモリとは異なりプログラムに関する情報を保存するために用いられるメモリである。なお、実行メモリと保存メモリは物理的に一つのものであることは妨げられないが、その性質上、読み書き速度が高速なものを実行メモリとして用い、読み書きの速度が低速なものを保存メモリとして物理的に異ならせることが好ましい。
【0283】
例えば、実行メモリには、サーバRAM201やサーバVRAM205が用いられ、その容量が有限である。このため、サーバRAM201にプログラムを多数展開すると容量を超えてしまうため、保存メモリであるサーバストレージ207に適宜プログラムやデータを保存するようにしている。
【0284】
なお、保存メモリとしては、サーバストレージ207に限定されず、サーバRAM203やサーバVRAM205内部に設けるようにしてもよいし、図示しない、他のメモリであってもよい。実行メモリと保存メモリとは物理的に同じメモリを用いてもよいし、用途に応じて適宜使い分けるようにしてもよい。
【0285】
ステップS855で、サーバCPU201は、ゲームプログラムの処理を停止するとともに、ステップS856で、端末装置100への符号化動画データの送信を停止する。ここで、ステップS855における、ゲームプログラムの処理を停止するとは、ランチャープログラムが確保した当該ゲームプログラムに関する情報を実行メモリから完全に開放した状態にすることをいう。
【0286】
また、ステップS854における処理は、保存メモリが実行メモリよりも処理速度が遅いメモリを使うことが多いため、一時中断処理は頻繁に発生させないように、上述したステップ853における所定時間を適宜設定することが好ましい。
【0287】
なお、ステップS841における中断信号は、
図18において説明したように、所定の条件において、サーバCPU201が疑似的に生成するようにしてもよいものとする。
【0288】
なお、ステップS842における処理は、ステップS841における中断信号の受信ではなく、ユーザによる入力操作によってポーズボタンが押下され、通常のポーズボタン操作信号が端末装置100から入力された場合に実行するようにしてもよいものとする。
【0289】
図23及び
図24のフローチャートで説明したように、サーバ装置200では、ゲームプログラムのポーズ処理、実行メモリの保持、保存メモリへの移動によって、ゲームプログラム固有のセーブ機能によらず、ゲームプログラムの進行状態を保存することができる。また、サーバ装置200では、ゲームプログラムのポーズ処理、実行メモリの保持、保存メモリへの移動を適宜選択的に組み合わせて実行することができるようにしてもよい。
【0290】
上述で説明した各実施の形態において、サーバ装置200における、ゲームプログラムのポーズ処理、実行メモリの保持、保存メモリへの移動は、各単独で実行するようにしてもよいし、任意の組み合わせを用いてもよい。すなわち、ゲームプログラムのポーズ処理(メニュー画面表示を含む)、実行メモリの保持の組み合わせ、ゲームプログラムのポーズ処理、保存メモリへの移動の組み合わせ、実行メモリの保持、保存メモリへの移動の組み合わせであってもよい。
【0291】
上述で説明した各実施の形態において、ゲームプログラムの進行状態を保存するとは、ゲームプログラム固有のセーブポイント等におけるセーブデータを生成する方法以外の、各種の保存態様を含み、特に、ゲームプログラムのポーズ処理(メニュー画面表示を含む)、実行メモリの保持、保存メモリへの移動によって、ゲームプログラムの進行状況を再生可能な状態に留め置くことを表すものとする。
【0292】
以上で説明したように、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、端末装置からの要求に従いサーバ装置が実行するゲームプログラムの進行状況を適切に保存することができる。
【0293】
また、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、ゲームプログラム中において許可された条件下(いわゆるセーブポイント)でない場合であっても、ゲームプログラムの進行状況を保存することができる。
【0294】
更に、本実施の形態のインタラクティブシステムでは、ネットワークに非対応のローカルな環境で用いられるゲームプログラムの場合、ゲームプログラムを書き換えずに進行状況の保存が任意にできるようになり、特に好適なサービスを提供することができる。
【0295】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、ユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置が実行するプログラムの処理結果を端末装置に提供し、更にユーザによる端末装置の入力操作に応じてサーバ装置がプログラムを実行することを反復継続して処理する、インタラクティブなシステムに適用することができる。例えば、エミュレータによる既存アプリケーションプログラムの処理の提供や、VM(Virtual Machine)等のサービス提供にも適用することができる。