(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802327
(24)【登録日】2020年11月30日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】挿管可能なエアウェイ装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/04 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
A61M16/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-114088(P2019-114088)
(22)【出願日】2019年6月19日
(62)【分割の表示】特願2016-541075(P2016-541075)の分割
【原出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2019-188183(P2019-188183A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2019年7月3日
(31)【優先権主張番号】1322328.4
(32)【優先日】2013年12月17日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511278718
【氏名又は名称】インターサージカル アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Intersurgical AG
(73)【特許権者】
【識別番号】505052456
【氏名又は名称】ナジール,ムハマド,アスラム
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】ナジール,ムハマド,アスラム
(72)【発明者】
【氏名】ケンプ ジェーン エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ミラー アンドリュー ニール
【審査官】
段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−263086(JP,A)
【文献】
特表2013−524914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間若しくは動物に使用するためのエアウェイ装置であって,
当該エアウェイ装置は,第一端と第二端とを持つエアウェイチューブを具備し,
前記エアウェイチューブの前記第一端は,インサイチュで患者の喉頭注入口に適合するように構成された喉頭カフで囲まれており,
前記エアウェイチューブの前記第一端には,前記エアウェイチューブを通して挿入された気管内チューブをインサイチュで前記患者の喉頭注入口に方向づけるように構成された挿管ランプが設けられており,
前記挿管ランプは,前記挿管ランプの第一端から第二端まで前記挿管ランプの全長にわたって前記挿管ランプの長軸方向に伸びる複数の溝を含む,
エアウェイ装置。
【請求項2】
前記挿管ランプは前記エアウェイチューブの背側の内壁に設けられている,請求項1に記載のエアウェイ装置。
【請求項3】
前記喉頭カフの先端部の背側に突起が設けられている,請求項1又は2のいずれかに記載のエアウェイ装置。
【請求項4】
前記エアウェイチューブの前記第二端の側壁には補足のガス注入口が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のエアウェイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,医療装置に関し,喉頭エアウェイ装置及びその製造方法に適用可能である。本発明は特に,自発呼吸している人間又は動物の患者への酸素及び/又は麻酔ガスの投与,外科的処置中又は蘇生中の間欠的陽圧換気法(IPPV),及びそのような処置中の患者への挿管に用いられる装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
GB2393399(ナジール)は,エアウェイ装置であって,前記エアウェイ装置は,第一端と第二端とを有するエアウェイチューブであって,患者の喉頭注入口への解剖学的な適合を形成する非膨張喉頭カフによって第一端が囲まれているエアウェイチューブと,前記喉頭カフと前記エアウェイチューブの第二端の間において前記エアウェイチューブに接して,又はその周囲に位置する口腔安定器であって,使用時の前記エアウェイ装置の回転又は横の動きを防ぐように適合されている口腔安定器とを備える,エアウェイ装置を記載している。
【0003】
そのようなエアウェイ装置は,膨張カフを備えるエアウェイ装置の使用に対して大幅な改善をもたらすが,それでも手術中に患者に挿管することが必要となる場合がある。
【0004】
患者の喉頭注入口の周囲の外側を密閉するだけでなく,気管内チューブの挿入を許容するガイドとしての役割も果たすエアウェイ装置を提供するために,数多くの試みがなされている。しかしながら,そのような装置は常に膨張式であり,必ずしも気管内チューブを喉頭注入口に直接導くものではなく,その代わりに気管内チューブを患者の食道に向かわせることができ,エアウェイ装置のエアウェイチューブに,患者への空気の供給を妨げ、遮断させることができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の側面は,下記のクレームに記載されるようなエアウェイ装置を提供することである。
【0006】
従って,本発明の第一の側面によれば,人間若しくは動物に使用するためのエアウェイ装置であって,当該エアウェイ装置は,第一端と第二端とを持つエアウェイチューブを具備し,前記エアウェイチューブの前記第一端は,そのままの位置(in situ)で患者の喉頭注入口に適合するように構成された喉頭カフで囲まれており,前記エアウェイチューブの前記第一端には,前記エアウェイチューブを通して挿入されたチューブをそのままの位置で前記患者の喉頭注入口に方向づけるように構成された挿管ランプが設けられている,エアウェイ装置が提供される。好ましくは,前記チューブは気管内チューブである。
【0007】
GB2393399(ナジール)に記載されているような,及び
図1に図示されるような従来技術の装置において,気管内チューブがエアウェイチューブに通されるとき,気管内チューブは,その自然な湾曲(気管内チューブの喉頭注入口への正確な挿入を許容する)の代わりに,エアウェイ装置におけるエアウェイチューブの湾曲に従う。このため,気管内チューブはしばしば,喉頭注入口に入るのではなく,喉頭カフの内部に沿って装置の先端部に向かって滑り,その結果気管内チューブが患者の喉頭と接触し,患者の食道に挿入されることすらあるが,いずれも望ましくない。
【0008】
しかしながら,本発明のエアウェイ装置では,気管内チューブがエアウェイチューブに通されるとき,気管内チューブをエアウェイチューブの湾曲ではなく自然な湾曲に確実に従わせ,エアウェイ装置が患者内のそのままの位置にあるときに気管内チューブを患者の喉頭注入口に導く,挿管ランプが設けられている。
【0009】
好ましくは,挿管ランプはエアウェイチューブの背側の内壁に設けられている。別の実施形態において,挿管ランプは喉頭カフの背側の内面に設けられている。好ましくは,ランプは,装置が患者内のそのままの位置にあるときにチューブがエアウェイチューブに通されるときに,チューブが患者の解剖学的構造において装置のより高い位置にあること,そしてチューブが患者の喉頭注入口に導かれることを保証するために,曲げられている。
【0010】
好ましくは,挿管ランプに加えて,エアウェイチューブの第一端は径が大きく,それゆえにエアウェイチューブの残りの部分よりも広い。特に,エアウェイチューブの腹側の内面は,この広がりを与えるため,湾曲しているよりも平坦にされているのが好ましい。これにより,さらに,気管内チューブをエアウェイチューブに通すとき,気管内チューブをエアウェイチューブの湾曲ではなくその自然な湾曲に従わせ,気管内チューブが挿管ランプと相まって機能することを可能にする。本質的に,このように広くすることによって創られるものは,エアウェイチューブがカフの後部に現れるときのエアウェイチューブの第一端のフレア形状である。
【0011】
好ましくは,挿管ランプには溝若しくは細長いくぼみが設けられている。好ましくは,溝若しくは細長いくぼみは,挿管ランプの全長に沿って,第一端から第二端まで長軸方向に延びている。より好ましくは,挿管ランプには,複数の溝若しくは細長いくぼみが設けられている。挿管ランプを設けることにより喉頭カフの内部空洞の深さが減少し,このことは,もし装置が最適に挿入されなければ,患者の気道が部分的に塞がれる危険性があることを意味する。一つ以上の溝若しくは細長いくぼみを設けることにより,ランプの効果を損なうことなく,患者の気道にエアウェイ装置を通じて気流の開存性が保証される。
【0012】
好ましくは,喉頭カフの先端部は細長い。好ましくは,喉頭カフの先端部の背側には,突起若しくは隆起が設けられている。喉頭カフの先端部の細長い性質と背側の突起若しくは隆起はともに,エアウェイ装置が患者のそのままの位置にあるときに,改善された食道の封印(seal)をもたらすのに役立つ。改善された食道の封印をもたらすことにより,患者の腹部の膨張の危険性や,吐き戻しが患者の気道に入る危険性が軽減される。
【0013】
好ましくは,エアウェイチューブの第二端の側壁には補足のガス注入口が設けられている。補足のガス注入口は,必要に応じて追加の酸素や他の気体が患者に供給されることを許容する。適切な補足のガス注入口については,WO2011131974(ミラー)に説明されている。
【0014】
好ましくは,カフは非膨張式であり,患者の喉頭構造への解剖学的な適合を形成するのに適した形状に予め形作られている。
【0015】
好ましくは,喉頭カフは予め形成されているか,空気で予め膨張しているか,適切な流体で予め満たされている。最も好ましくは,喉頭カフは非膨張式であるが,別の実施形態において,喉頭カフは膨張式であってもよい。
【0016】
ある別の実施形態において,エアウェイ装置は,喉頭カフとチューブの第二端の間においてエアウェイチューブに接して,又はその周囲に位置する口腔安定器をさらに具備する。口腔安定器は,カフと同じ材料,又は異なる材料で形成されてもよく,使用中の装置の位置づけ及び維持を援助する。特に好ましい実施形態において,口腔安定器は,エアウェイチューブと一体の部品として形成されてもよく,さらに好ましくは,口腔安定器と,エアウェイチューブと,喉頭カフとは,全て一体のユニットとして形成される。
【0017】
更なる別の実施形態において,口腔安定器は設けられていない。
【0018】
様々な部品,部分又は構成物のショア硬度は,本発明の重要な特徴である。例えば,喉頭カフは,好ましくはAスケールのショア硬度40以下,更に好ましくは0から20の間,最も好ましくは0から4の間の材料から形成される。
【0019】
好ましくは,喉頭カフ,及び口腔安定器の前側,腹側の部分は,実質的に同じショア硬度の材料から形成される。これは,構造を簡易にし,患者の柔組織と安定して接する装置の全ての部分が,比較的軟らかいことを裏付ける。
【0020】
更に好ましい実施形態において,装置の後側若しくは背側部分と,装置の前側若しくは腹側部分とは,異なるショア硬度の材料で形成される。これは,背側部が腹側部よりも硬い材料で作られることを可能にする。
【0021】
好ましくは,装置の後側若しくは背側部分は,Aスケールのショア硬度60未満,より好ましくは25から45,最も好ましくは30から40の材料から形成される。好ましくは,装置は更に,カフの先端部からエアウェイ装置の第二端まで延びる,胃管通路を組み込んでいる。
【0022】
本発明の第二の側面によれば,人間若しくは動物に使用するためのエアウェイ装置であって,当該エアウェイ装置は,第一端と第二端とを持つエアウェイチューブを具備し,前記エアウェイチューブの前記第一端は,そのままの位置で患者の喉頭注入口に適合するように構成された喉頭カフで囲まれており,前記エアウェイチューブの前記第一端は,径が拡がっている若しくはフレア状である,エアウェイ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は,以下の添付図面を例としてのみ参照して説明される。
【
図1】
図1は,従来技術における喉頭カフを部分断面図において図説している。
【
図2】
図2は,第一実施形態に従う喉頭カフを部分断面図において図説している。
【
図3】
図3は,第一実施形態に従う喉頭カフを正面腹側斜視図において図説している。
【
図4】
図4は,第一実施形態に従う喉頭カフを側面図において図説している。
【
図5】
図5は,第一実施形態に従う喉頭カフを背面図において図説している。
【
図6】
図6は,第一実施形態に従う補足のガス注入口を側面図において図説している。
【
図7】
図7は,第一実施形態に従うエアウェイ装置を側面図において図説している
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を,単なる例を用いて以下に説明する。これらの例は,出願人が現在知っている,実行に移すのに最も良い方法を表しているが,それらは達成することができる唯一の方法というわけではない。
【0025】
図2〜5を参照すると,これらの図は本発明の第一の実施形態によるエアウェイ装置10を説明している。エアウェイ装置10は,第一端14と第二端16とを持つエアウェイチューブ12を有する。第二端16は,任意に,15mm又はその他の,従来型の麻酔呼吸システムへの接続に適したコネクタ18で終わっている。エアウェイチューブの第一端14の周囲には喉頭カフ20が形成されている。図説される実施形態において,喉頭カフ20は非膨張式であり,その形状及び輪郭は患者の喉頭注入口領域に調和するように合わせられている。
【0026】
エアウェイチューブ12の第一端14にはまた,エアウェイ装置10が患者内のそのままの位置(in situ)にあるときに,エアウェイチューブ12を通して挿入された気管内チューブ(若しくはその他の適用可能なチューブ又は装置)を患者の喉頭注入口に方向づけるように構成された挿管ランプ22が設けられている。挿管ランプ22は,気管内チューブがエアウェイチューブに通されるとき,気管内チューブがエアウェイチューブ12の湾曲ではなく気管内チューブの自然な湾曲に従い,エアウェイ装置10が患者内のそのままの位置にあるときに,患者の喉頭注入口に気管内チューブを導くことを保証する。
【0027】
図説される実施形態において,挿管ランプ22は,エアウェイチューブ12の後部背側の内壁に設けられている。別の実施形態において,挿管ランプ22は,喉頭カフ30の後部背側の内面に設けられ得る。
【0028】
挿管ランプ22が設けられているのに加えて,エアウェイチューブ12の第一端14は径が大きく,それえゆえに,エアウェイチューブ12の残りの部分よりも広い。図説される実施形態において,エアウェイチューブ12の前部腹側24の内面は,この拡張をもたらすため,湾曲しているのではなく平坦になっている。これはさらに,気管内チューブがエアウェイチューブ12を通して挿入されるときに,気管内チューブをエアウェイチューブ12の湾曲ではなく気管内チューブの自然な湾曲に従わせ,気管内チューブが挿管ランプ22と相まって機能することを可能にする。
【0029】
図説される実施形態において,挿管ランプ22には,任意に,挿管ランプ22の全長に沿って,第一端から第二端まで長軸方向に延びている二本の溝26,28が設けられている。挿管ランプ22を設けることにより,喉頭カフ20の内部空洞の深さが減少し,このことは,もしエアウェイ装置10が最適に挿入されなければ,患者の気道が部分的に塞がれる危険性があることを意味する。溝26,28を設けることにより,挿管ランプ22の効果を損なうことなく,エアウェイ装置10を通じて患者の気道に気流の開存性が保証される。
【0030】
図説される実施形態において,喉頭カフ20の先端部30は,
図1に示される従来技術における装置と比較して細長い。さらに,喉頭カフ20の先端部30には,その後部背側に突起若しくは隆起32が設けられている。喉頭カフ20の先端部30の細長い性質と背側の突起若しくは隆起32はともに,エアウェイ装置10が患者のそのままの位置にあるときに,改善された食道の封印をもたらすのに役立つ。改善された食道の封印をもたらすことにより,患者の腹部の膨張の危険性や,吐き戻しが患者の気道に入る危険性が軽減される。
【0031】
さらに,図説される実施形態において,エアウェイチューブ12の第二端16の側壁には,任意の補足的なガス注入口34が設けられている。とりわけ,補足的なガス注入口34は,コネクタ18の一部として形成されるが,別の実施形態において,補足的なガス注入口34はコネクタ18とは別体であってもよい。補足的なガス注入口34は,必要に応じて追加の酸素や他の気体が患者に供給されることを可能にする。
【0032】
ある別の実施形態において,喉頭カフは非膨張式であり,如何なる適切な軟プラスチック材料から形成される。好ましい軟らかさ(硬さ)の範囲として,ショア硬度Aスケールにおいて,喉頭注入口に接触する喉頭カフの表面の硬度は40未満が最適である。好ましい範囲として,同じスケールにおける値が0から20の間が好ましく,0から4の範囲が特に好ましい。喉頭カフの軟らかさは,カフ自体の本体内に空洞や溝を形成することにより,より適応されることができる。
【0033】
更なる別の実施形態において,喉頭カフには,空気又は有毒ではないその他の気体,若しくは有毒ではない液体等の流動体が,予め充填されていてもよい。この文脈において,流動体という用語は広い意味を持ち,適当な気体,液体,蒸気又はそれらの合成物を含み,材料の専門家とともに解剖学/麻酔の分野における専門家によって決定されデザインされる。喉頭カフは,余分な内腔圧が一定に保たれるように,亜酸化窒素(麻酔ガス)が材料を通ってかなりの量にまで拡散しないような材料から構成される。それゆえに,喉頭カフは,充填された流動体と麻酔ガスに対して実質的に不浸透性でなければならない。
【0034】
或いは,喉頭カフは,軟らかく,発泡された材料から形成されるか,泡が充填されてもよい。どちらの場合においても,これにより,喉頭注入口領域の解剖学的構造に合うように,喉頭カフの表面の周囲に,軟らかく変形可能であるが,形を有する面が提供される。このような泡が充填された装置は,実質的に完全な封印ももたらしつつ,その領域における構造への潜在的な損傷を最小限に抑える。
【0035】
更なる別の実施形態において,喉頭カフは,製造中に流動体が予め充填されており,その場合,使用時にカフ内部の圧力が上昇しないように,カフの内側は亜酸化窒素のような麻酔ガスを吸収しない材料から作られるべきである。
【0036】
他の実施形態において,喉頭カフは,水,粘液,血液,又は同様の液状物質のような液体を吸収するのに,そして,そうすることで患者の喉頭注入口の解剖学的な粘膜軟骨構造に適合するように大きさが増大するのに適切な材料から形成されてもよい。そのような材料は材料の専門家が選択するが,タンパックス(登録商標)のタンポン又はコンプレストジェルフォーム5(compressed Gel Foam 5)に使用されるようなCRM(綿レーヨン混紡)を含む。
【0037】
更なる別の実施形態において,喉頭カフは,従来の膨張可能な喉頭カフの形態を採ることもできる。膨張可能な喉頭カフを形成する技術は周知であり,ここでは説明を省略する。
【0038】
最後に,更に別の実施形態において,喉頭カフは中空であるが,用語の従来の意味における膨張式ではなくてもよい。その代わりに,喉頭カフを「膨張」及び自己加圧させるために,陽圧換気法が使用される。
【0039】
図説される実施形態においても,喉頭カフ20とエアウェイチューブ12の第二端16の間において,エアウェイチューブ12の周囲に口腔安定器36が設けられている。口腔安定器36は,使用中のエアウェイ装置10を位置づけ,その位置に維持するのを援助する。
【0040】
図説される実施形態において,口腔安定器36は,エアウェイチューブ12と一体の部品として形成されており,さらに好ましくは,口腔安定器36,エアウェイチューブ12,及び喉頭カフ20が全て一体のユニットとして形成されている。
【0041】
別の実施形態において,口腔安定器は設けられていない。
【0042】
コネクタ18の近傍の装置の第二端の開口からカフ20の先端部の開口まで延びる,エアウェイチューブ12とは別の胃管通路38が設けられている。胃管通路38は,使用中の万一の受動的な吐き戻しの場合に,胃の吸引物が検出されるのを許容する。また,胃管通路38は,小口径胃管(例えば,フレカチューブ(Freka Tubes))を挿入するための経路を提供する。
【0043】
装置は,材料の専門家が選んだような適切なプラスチック材料から構成されてもよい。ラテックスフリーの医療レベルのシリコーンゴムは一つの好ましい材料である。カフは,周囲の組織への過度の損傷を避けるため,生地が柔軟でなければならない。この種類の装置を構成するのに適切なその他の材料は,ポリ塩化ビニル(PVC),スチレン系ブロック共重合体(例えば,スチレンブタジエンスチレン(SVS),スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS))や熱可塑性オレフィン混合体(TPO)のような熱可塑性エラストマー,熱可塑性ポリウレタン(TPU),共重合ポリエステル(COPE),ポリエステルブロックアミド(PEBAX),及び必要に応じてそれらの発泡体を含むが,それらに限定されない。
【0044】
適切な材料の選択における更なる重要な要素は,透明性である。理想的には,構成の材料若しくは諸材料は,実質的に澄んでいるか透明でなければならない。これにより,麻酔医若しくは操作者が,閉塞やその他の問題をチェックするために,エアウェイの内腔を見ることができる。そのような透明な材料は,材料の専門家に知られている。