特許第6802461号(P6802461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社ユウアイの特許一覧

<>
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000002
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000003
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000004
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000005
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000006
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000007
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000008
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000009
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000010
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000011
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000012
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000013
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000014
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000015
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000016
  • 特許6802461-包装装置および包装システム 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802461
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】包装装置および包装システム
(51)【国際特許分類】
   B67C 7/00 20060101AFI20201207BHJP
   B65B 55/24 20060101ALI20201207BHJP
   B65B 55/04 20060101ALI20201207BHJP
   B65B 55/10 20060101ALI20201207BHJP
   B65B 3/04 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B67C7/00
   B65B55/24
   B65B55/04 N
   B65B55/10 Z
   B65B3/04
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-35754(P2017-35754)
(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公開番号】特開2018-140798(P2018-140798A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】517070291
【氏名又は名称】有限会社ユウアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100167944
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 悦子
(72)【発明者】
【氏名】米堂 一征
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−104324(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/009568(WO,A1)
【文献】 特開平05−305979(JP,A)
【文献】 特開2011−189961(JP,A)
【文献】 特開平06−171697(JP,A)
【文献】 特開平02−004621(JP,A)
【文献】 特公昭48−026356(JP,B1)
【文献】 特表2011−522743(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0110952(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第19920494(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 7/00
B65B 3/04
B65B 55/04
B65B 55/10
B65B 55/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、該容器本体に固定される蓋体とを備える容器内に、物品を包装するのに使用する包装装置であって、
前記容器本体内に洗浄液を供給して洗浄する洗浄部を備える洗浄機構と、
前記容器本体内に前記物品を供給する供給部を備える供給機構と、
前記物品が供給された前記容器本体に前記蓋体を装着して固定する装着部を備える装着機構と、
前記容器本体を保持した状態で、前記洗浄部に対応する第1の位置、前記供給部に対応する第2の位置および前記装着部に対応する第3の位置へ移動させる操作を行う保持機構と、を有することを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記保持機構は、前記第1の位置において、前記容器本体内に前記洗浄液を供給している状態の前記洗浄部から、前記容器本体を離間させるように構成されている請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記保持機構は、前記第2の位置において、前記容器本体内に前記物品を供給している状態の前記供給部から、前記容器本体を離間させるように構成されている請求項1または2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記物品は、液状またはゲル状をなす請求項3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記装着部は、前記蓋体を回転させることにより前記容器本体に固定する固定ヘッドを備える請求項1ないし4のいずれかに記載の包装装置。
【請求項6】
前記保持機構は、前記第3の位置において、前記蓋体を回転させている状態の前記固定ヘッドに前記容器本体を接近させるように構成されている請求項5に記載の包装装置。
【請求項7】
1つの前記洗浄部、1つの前記供給部および1つの前記装着部に対して、複数の前記保持機構を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の包装装置。
【請求項8】
当該包装装置は、さらに、少なくとも前記洗浄部、前記供給部、前記装着部および前記保持機構を覆うカバー部を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の包装装置。
【請求項9】
当該包装装置は、さらに、前記カバー部内の空間を陽圧にする加圧機構を有する請求項8に記載の包装装置。
【請求項10】
前記カバー部は、内側カバー部材と、該内側カバー部材を覆いかつ離間して設けられた外側カバー部材とを備え、
当該包装装置は、さらに、前記内側カバー部材と前記外側カバー部材との間の空間を陰圧にする減圧機構を有する請求項8または9に記載の包装装置。
【請求項11】
当該包装装置は、さらに、前記カバー部内の空間に滅菌ガスを供給するガス供給機構を有する請求項8ないし10のいずれかに記載の包装装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の包装装置と、
前記容器本体を前記包装装置に供給する供給機構と、
前記物品を包装した前記容器を前記包装装置から回収する回収機構と、を有することを特徴とする包装システム。
【請求項13】
前記供給機構は、前記容器本体を収容するボックスと、該ボックスを上方に付勢する付勢構造とを備える請求項12に記載の包装システム。
【請求項14】
前記回収機構は、前記物品を包装した前記容器を収容するボックスと、該ボックスを上方に付勢する付勢構造とを備える請求項12または13に記載の包装システム。
【請求項15】
前記供給機構および前記回収機構の少なくとも一方は、前記保持機構の数と同数で設けられている請求項12ないし14のいずれかに記載の包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置および包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアやスターホイールのような搬送装置で複数の要素機械を接続し、飲料をボトルに充填する飲料充填装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の各要素機械は、単一の作業をこなすのみであり、飲料充填装置全体は、流れ作業で、飲料のボトルへの充填を行う。また、大量生産を可能とするために、近年、飲料充填装置の大型化が進み、コストの増大および設置スペースの確保が問題となっている。
【0003】
さらに、特許文献1の飲料充填装置では、ボトルを電子線照射により殺菌するが、その他、装置全体をクリーンルームに設置し、内部をオゾン等の強力な滅菌ガスで充満させることも行われている。しかしながら、後者の場合、装置にトラブルが発生した場合に、作業者が即座にクリーンルーム内に入ることが困難である。このため、装置にトラブルが生じないように、より精密に装置を設計せざるを得ず、かかる観点からもコストの増大を招いている。
【0004】
なお、このような装置では、ボトル、キャップや飲料の種類を自由に変更することができず、変更する場合には、多大な時間と労力とを要する。また、このような装置は、レイアウト変更をすることが難く、流れ作業を行う装置でもあるため、一部の要素機械のみが故障してもライン全体を停止せざるを得ないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6015110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、十分な生産効率を確保しつつ、小型化が可能な包装装置および包装システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
(1) 容器本体と、該容器本体に固定される蓋体とを備える容器内に、物品を包装するのに使用する包装装置であって、
前記容器本体内に洗浄液を供給して洗浄する洗浄部を備える洗浄機構と、
前記容器本体内に前記物品を供給する供給部を備える供給機構と、
前記物品が供給された前記容器本体に前記蓋体を装着して固定する装着部を備える装着機構と、
前記容器本体を保持した状態で、前記洗浄部に対応する第1の位置、前記供給部に対応する第2の位置および前記装着部に対応する第3の位置へ移動させる操作を行う保持機構と、を有することを特徴とする包装装置。
【0008】
(2) 前記保持機構は、前記第1の位置において、前記容器本体内に前記洗浄液を供給している状態の前記洗浄部から、前記容器本体を離間させるように構成されている上記(1)に記載の包装装置。
【0009】
(3) 前記保持機構は、前記第2の位置において、前記容器本体内に前記物品を供給している状態の前記供給部から、前記容器本体を離間させるように構成されている上記(1)または(2)に記載の包装装置。
【0010】
(4) 前記物品は、液状またはゲル状をなす上記(3)に記載の包装装置。
【0011】
(5) 前記装着部は、前記蓋体を回転させることにより前記容器本体に固定する固定ヘッドを備える上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の包装装置。
【0012】
(6) 前記保持機構は、前記第3の位置において、前記蓋体を回転させている状態の前記固定ヘッドに前記容器本体を接近させるように構成されている上記(5)に記載の包装装置。
【0013】
(7) 1つの前記洗浄部、1つの前記供給部および1つの前記装着部に対して、複数の前記保持機構を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の包装装置。
【0014】
(8) 当該包装装置は、さらに、少なくとも前記洗浄部、前記供給部、前記装着部および前記保持機構を覆うカバー部を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の包装装置。
【0015】
(9) 当該包装装置は、さらに、前記カバー部内の空間を陽圧にする加圧機構を有する上記(8)に記載の包装装置。
【0016】
(10) 前記カバー部は、内側カバー部材と、該内側カバー部材を覆いかつ離間して設けられた外側カバー部材とを備え、
当該包装装置は、さらに、前記内側カバー部材と前記外側カバー部材との間の空間を陰圧にする減圧機構を有する上記(8)または(9)に記載の包装装置。
【0017】
(11) 当該包装装置は、さらに、前記カバー部内の空間に滅菌ガスを供給するガス供給機構を有する上記(8)ないし(10)のいずれかに記載の包装装置。
【0018】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の包装装置と、
前記容器本体を前記包装装置に供給する供給機構と、
前記物品を包装した前記容器を前記包装装置から回収する回収機構と、を有することを特徴とする包装システム。
【0019】
(13) 前記供給機構は、前記容器本体を収容するボックスと、該ボックスを上方に付勢する付勢構造とを備える上記(12)に記載の包装システム。
【0020】
(14) 前記回収機構は、前記物品を包装した前記容器を収容するボックスと、該ボックスを上方に付勢する付勢構造とを備える上記(12)または(13)に記載の包装システム。
【0021】
(15) 前記供給機構および前記回収機構の少なくとも一方は、前記保持機構の数と同数で設けられている上記(12)ないし(14)のいずれかに記載の包装システム。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、1つの保持機構で容器本体を保持した状態で、洗浄機構、供給機構および装着機構による処理を行うので、包装装置の小型化が可能である。また、包装装置の
小型化が可能なため、1つの工場内で複数台の包装装置を同時に稼働させるとことができる。
【0023】
したがって、複数台の包装装置を同時に稼働させれば、高い生産効率を維持することができるとともに、仮に1台の包装装置にトラブルが生じても、包装システム全体を停止させる必要がない。さらに、包装システムのレイアウトの変更も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の包装システムの第1実施形態に示す平面図である。
図2図1の包装システムを示す側面図である。
図3図1の包装システムが備える洗浄機構を示す側面図である。
図4図1の包装システムが備える充填機構を示す側面図である。
図5図1の包装システムが備えるキャップ供給ヘッドを示す側面図(a)および底面図(b)である。
図6図1の包装システムが備えるキャップ固定ヘッドを示す側面図である。
図7図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
図8図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
図9図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
図10図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
図11図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
図12図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
図13】第2実施形態の包装装置が有する充填機構の構成を示す側面図である。
図14】第3実施形態の包装システムの構成を示す側面図である。
図15】第4実施形態の包装システムの構成を示す平面図である。
図16】第5実施形態の包装システムの構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の包装装置および包装システムについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の包装装置および包装システムの第1実施形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明の包装システムの第1実施形態に示す平面図、図2は、図1の包装システムを示す側面図、図3は、図1の包装システムが備える洗浄機構を示す側面図、図4は、図1の包装システムが備える充填機構を示す側面図である。
【0027】
また、図5は、図1の包装システムが備えるキャップ供給ヘッドを示す側面図(a)および底面図(b)、図6は、図1の包装システムが備えるキャップ固定ヘッドを示す側面図、図7図12は、それぞれ図1の包装システムの使用方法(作用)を示す側面図である。
【0028】
図1に示す包装システム100は、ボトル(容器本体)BとボトルBに装着されるキャップ(蓋体)Cとを備えるキャップ付ボトル(容器)BWC内に、液状またはゲル状の液体である飲料(物品)Dを充填(包装)するセル生産方式のシステムである。
【0029】
この包装システム100は、包装装置1と、供給コンベア(供給機構)10Aと、回収コンベア(回収機構)10Bと、システムを構成する各部の作動を制御する制御部(図示せず)とを有している。
【0030】
供給コンベア10Aは、空のボトルBを包装装置1に搬送して供給し、回収コンベア1
0Bは、飲料Dが充填されたキャップ付ボトルBWCを包装装置1から搬送して回収する。なお、供給コンベア10Aおよび回収コンベア10Bには、それぞれ、例えばエアコンベアを用いることができる。
【0031】
包装装置1は、洗浄ヘッド21を備える洗浄機構2と、充填ヘッド31を備える充填機構(供給機構)3と、キャップ供給ヘッド41およびキャップ固定ヘッド42を備えるキャップ機構(装着機構)4と、ハンドリングアーム(保持機構)5とを有している。
【0032】
かかる構成において、洗浄ヘッド21が洗浄機構の洗浄部を、充填ヘッド31が供給機構の供給部を、キャップ供給ヘッド41およびキャップ固定ヘッド42が装着機構の装着部を、それぞれ構成している。
【0033】
本実施形態では、洗浄ヘッド21、充填ヘッド31、キャップ供給ヘッド41、キャップ固定ヘッド42およびハンドリングアーム5が、それぞれ図示しない固定機構によって基台11上に固定されている。なお、図2図7および図8図14および図16においても同様)では、キャップ供給ヘッド41が省略されている。
【0034】
また、包装装置1には、図2に示すように、複数台(図示の構成では、3台)のCCDカメラ69A、69B、69Cが設けられ、ボトルBおよびハンドリングアーム5の位置、姿勢等を監視している。
【0035】
洗浄機構2は、図3(a)および図3(b)に示すように、基台11上に固定された洗浄ヘッド21と、基台11内に設けられ、洗浄ヘッド21に洗浄液および/または空気を供給する供給路22とを備えている。
【0036】
図3(a)に示す洗浄ヘッド21は、細長い円錐台形状をなしており、内部に上下方向に貫通する噴射路が形成されている。この噴射路は、供給路22と連通しており、洗浄液および/または空気は、噴射路を介して洗浄ヘッド21の先端から噴射される。これにより、ボトルB内が洗浄および/または乾燥される。このとき、洗浄液および/または空気は、例えば、15〜45°程度の範囲に拡がって噴射されることが好ましい。
【0037】
一方、図3(b)に示す洗浄ヘッド21は、細長い円柱状をなし、先端部に1つ噴射口23aと、胴部の左右前後に4つの噴射口23bとが設けられている。各噴射口23a、23bは、噴射路を介して供給路22と連通している。かかる構成により、図3(b)に示す洗浄ヘッド21は、図3(a)に示す洗浄ヘッド21より多くの方向に、洗浄液および/または空気を噴射可能となっている。
【0038】
図4(a)および図4(b)に示す充填機構3は、シリンダ方式の機構であり、ノズル310を有する充填ヘッド31と、飲料タンク32と、計量シリンダ33とを備えている。
【0039】
充填ヘッド31の上側には、チューブ34の一端部が接続され、チューブ34の他端部は、飲料タンク32内に収容された飲料Dに浸漬されている。また、充填ヘッド31のチューブ34との接続部より下側には、チューブ35の一端部が接続され、チューブ35の他端部は、計量シリンダ33に接続されている。
【0040】
計量シリンダ33は、シリンダ本体331と、シリンダ本体331内に上下方向に摺動可能に設けられたガスケット332と、ガスケット332の移動操作を行うプランジャ333とを備えている。
【0041】
充填ヘッド31の上下方向の途中には、内側に向かって突出する弁圧接部311が設けられている。また、充填ヘッド31には、軸部313を有するプランジャ314が設けられ、軸部313の下端部には、ノズル弁315が設けられ、上下方向の途中には、逆止弁316が設けられている。
【0042】
図4(a)に示すように、ノズル310の上側開口をノズル弁315で封止するように、プランジャ314を下方に移動させると、逆止弁316の弁圧接部311への圧接が解除される。これにより、飲料タンク32内と計量シリンダ33のシリンダ本体331内とが連通する。
【0043】
このとき、シリンダ本体331内の容積を増大させるように、プランジャ333によりガスケット332を下方に移動させると、飲料タンク32内から、飲料Dがチューブ34、充填ヘッド31およびチューブ35を介して、計量シリンダ33のシリンダ本体331内に供給され、飲料Dが計量される。
【0044】
一方、図4(b)に示すように、逆止弁316を弁圧接部311に圧接するように、プランジャ314を上方に移動させると、ノズル弁315によるノズル310の上側開口の封止が解除される。これにより、計量シリンダ33のシリンダ本体331内とノズル310内とが連通する。
【0045】
このとき、シリンダ本体331内の容積を減少させるように、プランジャ333によりガスケット332を上方に移動させると、計量シリンダ33のシリンダ本体331内から、飲料Dがチューブ35を介して、充填ヘッド31内に供給され、ノズル310の下側開口から吐出される。これにより、飲料DがボトルB内に充填(供給)される。
【0046】
装着機構4は、図1に示すように、キャップ供給ヘッド41と、キャップ固定ヘッド42とを備えている。キャップ供給ヘッド41は、図5(a)および図5(b)に示すように、キャップCを案内する案内部411と、この案内部411の先端部に設けられ、キャップCを保持する保持部412とを有している。
【0047】
案内部411は、図5(b)に示すように、ほぼ平行に配置された一対の案内レール411aで構成されている。案内レール411aは、図5(a)に示すように、所定の角度で傾斜して設けられている。
【0048】
かかる構成により、案内レール411aは、図示しないキャップ補給部から左斜め上方に順次供給されるキャップCを、右斜め下方に案内(搬送)する。また、一対の案内レール411aは、それらの間をボトルBの口部が案内レール411aに沿って移動可能な程度に離間して設けられている。
【0049】
なお、キャップ補給部は、キャップCを洗浄するための温水や洗浄液を収容したタンク、キャップCに対して殺菌処理を施すためのUV殺菌灯が敷設されたボックス、キャップCを整列させて案内部411に供給するアンスクランブラ(整列機構)等を備えている。また、キャップCの殺菌処理は、熱風、熱水、殺菌液(洗浄液)等を用いて行うこともできる。
【0050】
保持部412は、図5(b)に示すように、一対の案内レール411aの先端に設けられた一対のスプリング(弾性部材)412aで構成されている。案内レール411aの先端に到達したキャップCは、一対のスプリング412aによって挟持される。これにより、キャップCは、案内部411から脱落することなく、その先端から若干突出した状態で、保持部412に保持される。
【0051】
一方、キャップ固定ヘッド42は、図6(a)および図6(b)に示すように、回転部421と、回転部421の下端側に開閉可能に設けられた爪部422と、回転部421の上端部に接続され、回転部421を回転させるモータ423とを有している。
【0052】
爪部422は、複数の爪422aで構成されている。各爪422aは、その上端部が回転部421に回動可能に支持されている。また、複数の爪422aは、キャップCが接触(圧接)していない状態で、下端部同士が互いに離間するように、図示しない付勢部材(例えばコイルバネ等)により付勢されている。これにより、爪部422は、キャップCが接触していないとき開状態となっている。
【0053】
一方、複数の爪422aは、それらの内側にキャップCを接触させ、上方に向かって押圧されると、下端部同士が接近する。これにより、爪部422が閉状態となって、キャップCを把持する。
【0054】
この閉状態で、モータ423を回転させると、回転部421がキャップCを把持した爪部422ごと回転する。これにより、キャップCがボトルBの口部に締め付けられ、ボトルBに固定される。
【0055】
ハンドリングアーム5は、図1および図2に示すように、5軸のロボットアームで構成されている。このハンドリングアーム5は、一対の開閉自在な指511を有する手部51と、手部51を変位可能に支持する腕部52とを備えている。
【0056】
なお、ハンドリンアーム5は、懸架タイプのアーム、レール可動タイプのアーム等で構成することもできる。
【0057】
次に、このような包装システム1の使用方法(作用)について説明する。
[1] まず、図7(a)に示すように、供給コンベア10Aにより、空のボトルBを包装装置1に向かって搬送する。
【0058】
[2] 次に、図7(b)に示すように、ハンドリングアーム5は、供給コンベア10A上を搬送される空のボトルBを手部51の指511で把持する。
【0059】
ここで、ハンドリングアーム5は、動きの自由度が高い。このため、例えばCCDカメラ69Aで取得された画像の処理と制御ソフトとを連動させることにより、仮にボトルBが起立状態になくとも、ハンドリングアーム5は、ボトルBを正確に把持することができる。
【0060】
また、搬送される複数のボトルBは、一定方向に沿って整列している必要がなく、ランダムに配置されていても問題がない。さらに、プログラムを変更するだけで、様々な形状および/またはサイズのボトルBへの対応も可能である。
【0061】
[3] 次に、ハンドリングアーム5は、図7(b)に示すように、ボトルBを上下反転させつつ、洗浄ヘッド21の上方の位置(洗浄ヘッド21に対応する第1の位置)に移動させる。その後、図3(a)および図3(b)に示すように、洗浄ヘッド21の少なくとも先端部をボトルB内に位置させて、この状態を維持する。
【0062】
次いで、供給路22を介して洗浄液および/または空気を洗浄ヘッド21の噴射路に供給し、洗浄ヘッド21の先端から噴射する。これにより、ボトルB内を洗浄および/または乾燥することができる。
【0063】
このとき、特に、図3(b)に示す洗浄ヘッド21の場合、第1の位置において、ハンドリングアーム5がボトルBを上方に移動(洗浄液および/または空気を供給している状態の洗浄ヘッド21からボトルBを離間)させると、洗浄液および/または空気をボトルB内の上下方向の位置に均一に噴射することができ、ボトルBの洗浄効率をより高めることができる。
【0064】
また、ハンドリングアーム5を制御して、ボトルBを傾けた状態で往復運動(振動または揺動)させるようにしてもよい。さらに、例えばCCDカメラ69AでボトルBの内側に付着する汚れの位置を検出して、ハンドリングアーム5でボトルBの位置を調整しつつ、この汚れに集中的に洗浄剤を噴射するようにすれば、ボトルBの洗浄効率をさらに高めることができる。
【0065】
[4] 次に、ハンドリングアーム5は、図7(c)に示すように、ボトルBを上下反転させつつ、ボトルBを充填ヘッド31の下方の位置(充填ヘッド31に対応する第2の位置)に移動させる。その後、図4(a)および図4(b)に示すように、ノズル310をボトルB内に位置させて、この状態を維持する。
【0066】
これに先立って、充填機構3では、図4(a)に示すように、プランジャ314を移動させることにより、ノズル弁315でノズル310の上側開口を封止するとともに、逆止弁316の弁圧接部311への圧接を解除する。これにより、飲料タンク32内と計量シリンダ33のシリンダ本体331内とが連通する。
【0067】
このとき、シリンダ本体311内の容積を増大させるように、プランジャ333によりガスケット332を下方に移動させると、飲料タンク32内から、飲料Dがチューブ34、充填ヘッド31およびチューブ35を介して、計量シリンダ33のシリンダ本体331内に供給され、飲料Dが計量される。
【0068】
一方、図4(b)に示すように、前記と反対にプランジャ314を移動させることにより、逆止弁316を弁圧接部311に圧接させるとともに、ノズル弁315によるノズル310の上端開口の封止を解除する。これにより、計量シリンダ33のシリンダ本体331内とノズル310内とが連通する。
【0069】
このとき、シリンダ本体311内の容積を減少させるように、プランジャ333によりガスケット332を上方に移動させると、計量シリンダ33のシリンダ本体331内から、飲料Dがチューブ35を介して、充填ヘッド31内に供給され、ノズル310の下側開口から吐出される。これにより、飲料DがボトルB内に充填(供給)される。
【0070】
また、例えばCCDカメラ69Bまたは69Cで飲料Dの液面を観察しつつ、ハンドリングアーム5を制御して、図9に示すように、飲料Dを充填(供給)している状態の充填ヘッド31からボトルBを連続的または段階的に離間させるようにしてもよい。これにより、飲料Dの泡立ち等に応じて、飲料Dの充填速度やノズル310のボトルBからの引き抜き速度を変更することができる。
【0071】
かかる構成によれば、プランジャ333によりガスケット332を高速で移動させることにより、飲料Dの充填速度を増大させても、ボトルB内で飲料Dに泡立ちが生じることを防止または抑制することができる。したがって、飲料DのボトルBへの充填効率をより高めることができる。
【0072】
なお、従来、カムやスターホイールによりボトルを一定速度で搬送し、多数のヘッド(
ノズル)で同時に複数のボトルに飲料を充填することが行われている。このため、仮に飲料の泡立ち等を検出することができたとしても、ボトル毎に、飲料の充填速度やノズルの引き抜き速度を精度よく変更することができない。
【0073】
また、従来では、弁(バルブ)やチューブ(ホース)が実装された充填ヘッドを、ボトルに対して移動(上下動)するように構成されている。このため、充填ヘッドの機構が複雑かつ重量が大きくなり、トラブルが発生し易い。これに対して、本実施形態では、ハンドリングアーム5によりボトルBを充填ヘッド21に対して移動させるため、充填ヘッド21の移動機構を省略することができ、トラブルが発生し難くなっている。
【0074】
[5] 次に、ハンドリングアーム5は、図8(d)および図10(a)〜図11(c)に示すように、飲料Dが充填されたボトルBをキャップ供給ヘッド41の下方を経由して、キャップ固定ヘッド42の下方の位置(キャップ固定ヘッド42に対応する第3の位置)に移動させる。
【0075】
具体的には、ハンドリングアーム5は、図10(a)に示すように、供給部41の下方において、その長手方向に沿ってボトルBを移動させる。ボトルBが案内部411の先端部に至ると、図10(b)に示すように、ボトルBの口部が案内レール411a同士の間を通過する。
【0076】
このとき、ボトルBの口部が、案内部411の先端から突出するキャップCの縁に引っ掛かる。さらに、ボトルBを移動させると、保持部412によるキャップCの保持が解除され、図11(c)に示すように、キャップCがボトルBの口部に載置(装着)される。
【0077】
次いで、キャップCが載置されたボトルBを、キャップ固定ヘッド42の下方の位置に移動させた後、この位置で上方に移動させる。これにより、開状態にある爪部422の各爪422aの内側をキャップCで押圧することにより、図11(d)に示すように、爪部422が閉状態となり、爪部422によりキャップCが把持する。
【0078】
この状態で、モータ423を回転させると、回転部421がキャップCを把持した爪部422ごと回転する。このとき、ハンドリングアーム5は、モータ423の回転数に同期させて、ボトルBを上方に移動させる。すなわち、キャップCを回転させている状態のキャップ固定ヘッド42にボトルBを接近させる。これにより、図12(e)に示すように、キャップCがボトルBの口部に締め付けられ、ボトルBに固定される。
【0079】
従来では、キャップ固定ヘッドが回転しつつ、ボトルBに向かって移動(下降)するように構成されている。このため、キャップ固定ヘッドの機構が複雑となり、トラブルが発生し易い。これに対して、本実施形態では、ハンドリングアーム5によりボトルBをキャップ固定ヘッド42に向かって移動させるため、キャップ固定ヘッド42の移動機構を省略することができ、トラブルが発生し難くなっている。
【0080】
また、従来では、ボトルがスターホイールやコンベア等の搬送機構によって搬送される過程で、キャップをボトルに載置し、載置されたキャップをボトルに固定することが行われている。このため、キャップをボトルに載置する位置から、載置されたキャップをボトルに固定する位置までの間に、搬送機構の大きさに相当する距離を確保する必要がある。
【0081】
これに対して、本実施形態では、ハンドリングアーム5によりキャップ供給ヘッド41からキャップ固定ヘッド42にボトルBを移動させるだけでよいため、キャップ供給ヘッド41とキャップ固定ヘッド42との離間距離は、ハンドリングアーム5が稼働可能な距離を確保すれば十分である。すなわち、包装装置1の小型化を図ることができる。
【0082】
次いで、ハンドリングアーム5は、図12(f)に示すように、キャップCが固定されたボトルB(キャップ付ボトルBWC)を下方に移動させた後、回収コンベア10Bに向かって移動させる。
【0083】
[6] 次に、ハンドリングアーム5は、手部51の指511によるキャップ付ボトルBWCの把持を解除して、図8(e)に示すように、キャップ付ボトルBWCを回収コンベア10B上に載置する。これにより、キャップ付ボトルBWCは、回収コンベア10B上を搬送される。
【0084】
かかる構成によれば、包装装置1ひいては包装システム100を小型化かつ軽量化することができる。このため、エレベータのような狭いスペースを利用して、工場内への搬入が可能であり、包装装置1を工場内に容易に設置することができる。また、軽量化が可能なため、工場の床面に特殊な構造を設けて、床面の強度を高める必要もない。さらに、包装装置1にキャスタ等を取り付けて移動可能に構成すれば、包装システム100のライン構成の変更やレイアウトの変更に柔軟に対応することができる。
【0085】
また、包装装置1の小型化が可能なため、1つの工場内で複数台の包装装置1を同時に稼働させることができる。したがって、複数台の包装装置1を同時に稼働させれば、高い生産効率を維持することができる。また、仮に1台の包装装置1にトラブルが生じても、包装システム100全体を停止させる必要もない。さらに、各包装装置1毎に、異なった種類の飲料DをボトルBに充填するように設定することもできるため、多品種小ロットの製品の生産への対応も可能である。
【0086】
なお、ボトルBを保持するハンドリングアーム5に加えて、キャップCを保持する他のハンドリングアーム5を設けるようにしてもよい。すなわち、キャップ機構(装着機構)4をハンドリングアームで構成してもよい。この場合、1つのハンドリングアーム5でボトルBを保持し、他のハンドリングアーム5でキャップCを保持して、キャップCをボトルBに装着して固定することができる。
【0087】
<第2実施形態>
次に、本発明の包装装置および包装システムの第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0088】
第2実施形態の包装システム100では、包装装置1が有する充填機構3の構成が異なること以外は、前記第1実施形態の包装システム100と同様である。
図13は、第2実施形態の包装装置が有する充填機構の構成を示す側面図である。
【0089】
図13に示す充填機構3は、落下式の機構であり、飲料タンク(フィラーボウル)32と、飲料タンク32の下面に設けられ、ノズル310を有する充填ヘッド31と、充填ヘッド31を貫通して同心的に設けられたエア管36と、充填ヘッド31内に設けられたバルブ37とを備えている。
【0090】
ボトルBの口部を充填ヘッド31に接触させ、押圧、回転等の所定の操作を行うことによりバルブ37が解放し、飲料タンク32内とボトルB内とが連通する。これにより、飲料Dが、ノズル310とエア管36との間の空間を通過して、ボトルB内に充填(供給)される。また、このとき、ボトルB内の空気は、エア管36を通過して飲料タンク32内に供給される。
【0091】
このような構成の第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0092】
<第3実施形態>
次に、本発明の包装装置および包装システムの第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0093】
第3実施形態の包装システム100では、包装装置1がさらに追加の構成を有すること以外は、前記第1実施形態の包装システム100と同様である。
図14は、第3実施形態の包装システムの構成を示す側面図である。
【0094】
図14に示す包装装置1は、さらに、クリーンブース(カバー部)6と、クリーンユニット(加圧機構)7と、吸引ノズル81を備える吸引機構(減圧機構)8と、滅菌ガスを供給するガス供給ノズル91を備えるガス供給機構9とを有している。
【0095】
クリーンブース6は、洗浄ヘッド21、充填ヘッド31、キャップ供給ヘッド41、キャップ固定ヘッド42およびハンドリングアーム5を覆っている。また、クリーンブース6の対向する位置には、一対の開口部60A、60Bが形成され、それぞれを通過するように、供給コンベア10A、回収コンベア10Bが配置されている。
【0096】
本実施形態のクリーンブース6は、内側ブース部材61と、この内側ブース部材61を覆いかつ離間して設けられた外側ブース部材62とを備えている。クリーンユニット7は、内側ブース部材61内の空間610と連通するように配置されている。クレーンユニット7は、所定のフィルター(例えばHEPAフィルター等)を通過した空気を空間610に供給することにより、内側ブース部材61(クリーンブース6)内の空間610を陽圧にする。
【0097】
吸引機構8の吸引ノズル81は、内側ブース部材61と外側ブース部材62との間の空間620に連通するように、クリーンブース6に接続されている。これにより、吸引機構8は、空間620内の気体を吸引することにより、空間620を陰圧にする。
【0098】
また、ガス供給機構9のガス供給ノズル91は、空間610に連通するように、クリーンブース6に接続されている。これにより、ガス供給機構9は、滅菌ガスを空間610に供給する。滅菌ガスを空間610に供給することにより、空間610を滅菌状態または無菌状態とすることができる。滅菌ガスには、例えばオゾンガス、エチレンオキサイドガス等を用いることができる。
【0099】
なお、本実施形態では、空間620を陰圧にしているため、クリーンブース6外の空気および内側ブース部材61内(空間610)の滅菌ガスを含む空気は、空間620を介して吸引機構8により吸引される。吸引機構8は、図示しない処理装置に接続されており、滅菌ガスを含む空気は、処理装置で処理された後、大気中に放出される。
【0100】
かかる構成によれば、クリーンブース6で覆われる小スペースを滅菌(殺菌)することができる。このため、包装システム1を配置する工場内に、別途、大型のクリーンルームを設置して、その内部に滅菌ガスを充満させる必要がない。また、包装システム100を操作する作業者に、滅菌ガスが触れることなく、安全性が高い。
【0101】
さらに、かかる構成によれば、ボトルBおよびキャップCを加熱による滅菌(殺菌)処理する必要がない。このため、比較的安価な非耐熱性の材料で構成されたボトルBおよび
キャップCを用いることができ、製品の生産コストを低減することもできる。
【0102】
このような構成の第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0103】
<第4実施形態>
次に、本発明の包装装置および包装システムの第4実施形態について説明する。
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0104】
第4実施形態の包装システム100では、ハンドリングアーム5、供給コンベア10Aおよび回収コンベア10Bの数が異なること以外は、前記第1実施形態の包装システム100と同様である。
図15は、第4実施形態の包装システムの構成を示す平面図である。
【0105】
図15に示す包装装置1は、2つのハンドリングアーム5を有している。包装システム100は、それぞれハンドリングアーム5の数と同数(すなわち2つ)の供給コンベア10Aおよび回収コンベア10Bを有している。
【0106】
包装装置1全体の処理速度は、各機構の処理速度、特に、洗浄機構2および充填機構3の処理速度に支配される。本実施形態のように、1つの洗浄ヘッド21、1つの充填ヘッド31および1つのキャップ固定ヘッド41に対して、2つのハンドリングアーム5を設けることにより、包装装置1の処理速度を、洗浄ヘッド21および充填ヘッド31の最大の処理速度まで高めることができる。
【0107】
なお、ハンドリングアーム5の数は、2つに限らず、3つまたは4つであってもよい。この場合、幾つかのハンドリングアーム5は、例えば工場やクリーンブース6の天井面に配置すればよい。また、供給コンベア10Aおよび回収コンベア10Bの一方のみ、ハンドリングアーム5の数と同数で設けるようにしてもよい。
【0108】
また、従来の大型の装置は、同一の作業を行うヘッドを複数備えるが、同じ台数の包装装置1を同時に稼働させれば、処理速度が大型の装置と同等になる。この場合、複数台の包装装置1の配置は、並列、直列または全くの独立とすることができる。
【0109】
このような構成の第4実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0110】
<第5実施形態>
次に、本発明の包装装置および包装システムの第5実施形態について説明する。
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0111】
第5実施形態の包装システム100では、供給機構および回収機構の構成が異なること以外は、前記第1実施形態の包装システム100と同様である。
図16は、第5実施形態の包装システムの構成を示す側面図である。
【0112】
図16に示す供給機構10Cは、複数のボトルBを収容するボックス101と、このボックス101を上方に付勢する付勢構造102とを備えている。付勢構造102は、ボックス101を載置する載置部102aと、載置部102aの下方に設けられたコイルバネ(付勢部材)102bとで構成されている。
【0113】
このような供給機構10Cは、ボトルBの数に係らず、ボックス101の開口の位置がぼぼ一定となるように設定されている。かかる構成により、ハンドリングアーム5によりボトルBを確実に保持することができる。
【0114】
一方、回収機構10Dも供給機構10Cと同様に構成されており、複数のキャップ付ボトルBWCを収容するボックス103と、このボックス103を上方に付勢する付勢構造104とを備えている。付勢構造104は、ボックス103を載置する載置部104aと、載置部104aの下方に設けられたコイルバネ(付勢部材)104bとで構成されている。
【0115】
このような供給機構10Dは、キャップ付ボトルBWCの数に係らず、ボックス103の開口の位置がぼぼ一定となるように設定されている。かかる構成により、ハンドリングアーム5によりキャップ付ボトルBWCを確実にボックス103に載置(収納)することができる。
【0116】
このような構成の第5実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0117】
以上、本発明の包装装置および包装システムについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。本発明の包装装置および包装システムは、第1〜第5実施形態のうちの任意の構成を組み合わせて構成することができる。また、本発明の包装装置および包装システムは、それぞれ他の任意の構成を有していてもよいし、同様の機能を発揮する構成と置換されていてよい。例えば、本発明の包装システムにおいて、供給機構および回収機構は、それぞれスターホイールで構成することができる。
【0118】
また、本発明の包装システムには、ボトルを整列させる機構(ボトルアンスクランブラ)、ボトルを冷却する機構(チラー)、ボトルの外表面を洗浄する機構、ボトルの外表面に付着した水滴等を除去する機構(ドライアー)、ボトルの外表面にラベルを貼着する機構(ラベラー)、ロット番号をボトルにインクジェットで印字またはレーザーで刻印する機構(ロット印字機)、キャップ付ボトルの状態を検査する機構、キャップ付ボトルを箱に梱包する機構(ケーサー)、キャップ付ボトルが梱包された箱をパレットに載置する機構(パレタイザー)等を追加することもできる。
【0119】
なお、各前記実施形態では、飲料(物品)をキャップ付ボトル(容器)内に充填(包装)する場合について説明した。しかしながら、物品および容器は、それぞれ飲料およびキャップ付ボトルに限定されるものではない。
【0120】
ここで、物品としては、例えば、食肉類、魚介類、乳製品等の食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、野菜、調味料、ジュースや調味料の中間材料、穀物、粉体、顆粒等が挙げられる。また、容器としては、例えば、カップ、プラスチックバッグ、袋、パウチ袋、金属容器、陶器容器、ガラス瓶等が挙げられる。
【0121】
例えば、カップは、通常、カップ本体(容器本体)と、カップ本体の開口縁部に融着されたシート材(蓋体)とで構成される。本発明において、カップを用いる場合には、装着機構は、シート材をカップ本体の開口縁部に、熱、超音波または高周波で融着する融着機構で構成することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 包装システム
11 基台
2 洗浄機構
21 洗浄ヘッド
22 供給路
23a、23b 噴射口
3 充填機構
31 充填ヘッド
310 ノズル
311 弁圧接部
313 軸部
314 プランジャ
315 ノズル弁
316 逆止弁
32 飲料タンク
33 計量シリンダ
331 シリンダ本体
332 ガスケット
333 プランジャ
34、35 チューブ
36 エア管
4 キャップ機構
41 キャップ供給ヘッド
411 案内部
411a 案内レール
412 保持部
412a スプリング
42 キャップ固定ヘッド
421 回転部
422 爪部
422a 爪
423 モータ
5 ハンドリングアーム
51 手部
511 指
52 腕部
6 クリーンブース
60A、60B 開口部
61 内側ブース部材
610 空間
62 外側ブース部材
620 空間
69A、69B、69C CCDカメラ
7 クリーンユニット
8 吸引機構
81 吸引ノズル
9 ガス供給機構
91 ガス供給ノズル
10A 供給コンベア
10B 回収コンベア
10C 供給機構
101 ボックス
102 付勢構造
102a 載置部
102b コイルバネ
10D 回収機構
103 ボックス
104 付勢構造
104a 載置部
104b コイルバネ
B ボトル
C キャップ
D 飲料
BWC キャップ付ボトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16