(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、判定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
まず、発明者らがこの発明に至った背景を説明する。近年、日本人の死亡原因として、ガン、心疾患、脳血管疾患、老衰に続き5位に肺炎がある(2017年人口動態統計)。また、肺炎死亡者の90%以上が高齢者であり、高齢者においては、肺炎が死因の第2位となっている(2016年同統計)。肺炎には種々の原因があるが、高齢者においては誤嚥性肺炎(誤飲によって食物や唾液が喉頭や気管に入ることで引き起こされる肺炎)が大多数を占めている。さらに、誤嚥性肺炎は、食事中の誤嚥(食物の誤嚥)が原因となるものに加えて、睡眠中に起きる唾液の誤嚥(不顕性誤嚥)が原因となることが知られている。前者については、食事中の嚥下の状態を観察することによって発症の危険度を判定して予防することが可能であるが、後者については、観察が難しく発症の危険度を判定して予防することが困難であった。
【0013】
上記のような状況を背景として、発明者らは、睡眠中に発生する唾液の不顕性誤嚥が原因となる誤嚥性肺炎の発症の危険度を睡眠中の嚥下運動に基づいて判定する装置を開発するとで、誤嚥性肺炎の予防、早期治療、ひいては肺炎による死亡率の低下、肺炎治療にかかわる医療費の抑制、および高齢者のQOLの低下回避に貢献できる可能性があると考えた。具体的には、発明者らは、研究により、誤嚥性肺炎の発症の危険度は、嚥下に関連する筋群の睡眠中の活動状態と密接な関係があると考えた。より具体的には、発明者らは、被験者100(
図3参照)が睡眠中に嚥下をしたときに活動する胸骨甲状筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋およびオトガイ筋等(以下、「嚥下関連筋群」ともいう)の筋活動に伴って発生する筋電位Me(
図4参照)が予め規定された規定値Mr(同図参照)以上となった嚥下の回数(正常な嚥下の回数であって、以下、この嚥下の回数を「嚥下回数Ns」ともいう)が、予め規定された嚥下回数Ns(以下、この嚥下回数Nsを「基準嚥下回数Nr」ともいう)未満のときには、誤嚥性肺炎の発症の危険度が高まると予測した(
図6参照)。
【0014】
この研究の結果を踏まえて、発明者らは、上記した嚥下回数Nsを複数の被験者100について測定した測定結果と、各被験者100の臨床診断に基づいて得られた誤嚥性肺炎の発症の危険度との相関関係から、誤嚥性肺炎の発症の危険度が基準値を超える(例えば、発症率が50%を超える)限界(最低限)の嚥下回数Nsを基準嚥下回数Nr(危険度を判定するための判定基準)として予め規定し、判定対象の被験者100について測定した嚥下回数Nsと基準嚥下回数Nrとに基づいて(嚥下回数Nsが基準嚥下回数Nr未満であるか否かによって)誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定する判定装置を開発した。
【0015】
次に、
図1に示す判定装置1の構成について説明する。判定装置1は、上記した唾液の不顕性誤嚥が原因となる誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定する判定装置の一例であって、同図に示すように、センサシート11、受信部12、記憶部13、操作部14、表示部15および処理部16を備えて構成されている。
【0016】
センサシート11は、
図2に示すように、粘着シート21、複数(一例として8つ)の筋電センサ22a〜22h(以下、区別しないときには「筋電センサ22」ともいう)、取り付け指標23、送信部24、および図外の電源(バッテリー)を備えて、被験者100の頸部101(
図3参照)に貼付(装着)可能に構成されている。
【0017】
粘着シート21は、一面が粘着面となっている。なお、
図2では、粘着シート21の粘着面とは逆側の表面から見た状態でセンサシート11を図示している。筋電センサ22は、嚥下の際に嚥下関連筋群の筋活動に伴って発生する筋電位Meを検出して筋電位Meの経時変化を示す筋電位信号Smを出力する。また、各筋電センサ22は、粘着シート21の粘着面に固定されている。
【0018】
取り付け指標23は、
図3に示すように、被験者100の頸部101に装着(貼付)する際にセンサシート11の位置合わせをするための指標(目印)であって、
図2に示すように、粘着シート21の縁部に形成された切り欠きによって構成されている。送信部24は、筋電センサ22から出力された筋電位信号Smを受信部12に無線送信する。
【0019】
この場合、このセンサシート11では、
図3に示すように、被験者100の頸部101における喉頭隆起102(喉仏)の近傍(外側)に取り付け指標23が位置するように粘着シート21を頸部101に貼付したときに、各筋電センサ22が嚥下関連筋群に対向するように、各筋電センサ22および取り付け指標23の位置が規定されている。具体的には、センサシート11は、喉頭隆起102の近傍に取り付け指標23を位置させたときに、筋電センサ22a,22bが胸骨甲状筋の近傍に対向し、筋電センサ22c,22dが胸骨舌骨筋の近傍に対向し、筋電センサ22e,22fが甲状舌骨筋の近傍に対向し、筋電センサ22g,22hがオトガイ筋の近傍に対向するように構成されている。
【0020】
受信部12は、センサシート11の送信部24から無線送信された筋電位信号Smを受信して処理部16に出力する。
【0021】
記憶部13は、センサシート11の筋電センサ22から出力された筋電位信号Smの信号波形を記憶する。また、記憶部13は、処理部16によって実行される嚥下回数測定処理50(
図5参照)において用いられる予め規定された規定値Mr(
図4参照)、および嚥下回数測定処理50によって測定された嚥下回数Ns(
図6参照)を記憶する。また、記憶部13は、処理部16によって実行される判定処理60において被験者100の誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定するための判定基準を記憶する。具体的には、記憶部13は、被験者100の睡眠中に発生した嚥下の際の筋活動に伴う筋電位Meが予め規定された規定値Mr(
図4参照)以上となった嚥下回数Nsを複数の被験者100について測定した測定結果と、各被験者100の臨床診断に基づいて得られた誤嚥性肺炎の発症の危険度(例えば、発症率)との相関関係から規定された嚥下回数であって、危険度が基準値を超える(例えば、発症率が50%を超える)基準嚥下回数Nrを判定基準として記憶する。この場合、この判定装置1では、記憶部13は、複数の年齢層(例えば、50歳未満(以下、「年齢層Ag1」ともいう)、50歳以上70歳未満(以下、「年齢層Ag2」ともいう)、および70以上(以下、「年齢層Ag3」ともいう)の3つの年齢層)毎に規定された複数の基準嚥下回数Nr(以下、各年齢層Ag1〜Ag3について規定された基準嚥下回数Nrをそれぞれ「基準嚥下回数Nr1」、「基準嚥下回数Nr2」、および「基準嚥下回数Nr3」ともいう)を記憶する。この例では、基準嚥下回数Nr1が1.1回/hに、基準嚥下回数Nr2が2.2回/hに、基準嚥下回数Nr3が3.4回/hにそれぞれ規定されている(
図6参照)。
【0022】
操作部14は、各種の操作が可能に構成され、操作に応じた操作信号を出力する。表示部15は、センサシート11の筋電センサ22から出力された筋電位信号Smの波形(筋電位Meの経時変化を示す波形)や、処理部16によって実行される判定処理60において判定された定結果を表示する。
【0023】
処理部16は、操作部14から出力される操作信号に従って判定装置1を構成する各部を制御すると共に各種の処理を行う。具体的には、処理部16は、嚥下回数測定処理50(
図5参照)を実行し、センサシート11の筋電センサ22から出力された(記憶部13に記憶されている)筋電位信号Smに基づき、被験者100の睡眠中に発生した嚥下の際の筋活動に伴う筋電位Meが規定値Mr以上の嚥下回数Nsを測定する。また、処理部16は、判定処理60(
図7参照)を実行し、記憶部13に記憶されている基準嚥下回数Nrと判定対象の被験者100について測定した嚥下回数Nsとに基づき、判定対象の被験者100についての誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定する。この場合、処理部16は、判定処理60において、判定対象の被験者100の年齢が含まれる年齢層に対応する基準嚥下回数Nrに基づいて危険度を判定する。
【0024】
次に、判定装置1の処理部16によって実行される判定処理60において用いられる基準嚥下回数Nrの特定方法について説明する。
【0025】
基準嚥下回数Nrの特定に際しては、まず、複数の被験者100を選定する。この場合、複数の年齢層(例えば、50歳未満、50歳以上70歳未満、70以上の3つの年齢層)毎に複数の被験者100を選定する。また、被験者100には、過去に誤嚥性肺炎を発症したことがない者や、誤嚥性肺炎の発症の危険度が低いとの診断を既にされている者に加えて、過去に誤嚥性肺炎を発症したことがある者や、誤嚥性肺炎の発症の危険度が高いとの診断を既にされている者を含めるのが好ましい。
【0026】
次に、選定した各被験者100について、睡眠中における嚥下関連筋群の筋活動に伴って発生する筋電位Meの検出および筋電位信号Smの記録を行う。具体的には、
図3に示すように、被験者100の頸部101における喉頭隆起102の近傍(外側)に取り付け指標23が位置するように、粘着シート21を頸部101に貼付してセンサシート11を装着する。この際に、センサシート11の筋電センサ22a,22bが胸骨甲状筋の近傍に対向し、筋電センサ22c,22dが胸骨舌骨筋の近傍に対向し、筋電センサ22e,22fが甲状舌骨筋の近傍に対向し、筋電センサ22g,22hがオトガイ筋の近傍に対向する。
【0027】
次いで、センサシート11の電源を投入し、続いて、被験者100に対して就寝を指示する。この際に、センサシート11の各筋電センサ22が、嚥下関連筋群の筋活動に伴って発生する筋電位Meの検出および筋電位信号Sm(
図4参照)の出力を開始し、センサシート11の送信部24が、筋電位信号Smの無線送信を開始する。次いで、操作部14を操作して、記録処理の開始を指示する。これに応じて、受信部12が、センサシート11の送信部24から無線送信された筋電位信号Smを受信して処理部16に出力する。また、処理部16が、受信部12から出力された筋電位信号Smを記憶部13に記録する。続いて、この筋電位Meの検出および筋電位信号Smの記録を被験者100が起床するまで(被験者100の睡眠中)継続し、被験者100が起床したときには、筋電位Meの検出および筋電位信号Smの記録を終了する。以下、同様にして、全ての被験者100についての筋電位Meの検出および筋電位信号Smの記録を行う。
【0028】
次に、全ての被験者100についての筋電位Meの検出および筋電位信号Smの記録が終了したときには、判定装置1を用いて嚥下回数Nsを測定する。具体的には、操作部14を操作して、測定処理の実行を指示し、これに応じて、処理部16が、
図5に示す嚥下回数測定処理50を実行する。この嚥下回数測定処理50では、処理部16は、予め規定された規定値Mrを記憶部13から読み出す(ステップ51)。この場合、一例として、唾液を正常に嚥下したとき(正常な嚥下の際)の嚥下関連筋群の筋活動に伴って発生する筋電位Meの最大値の50%の値が規定値Mrとして規定されている。
【0029】
次いで、処理部16は、各被験者100うちの1人の被験者100についての筋電位信号Smを記憶部13から読み出す(ステップ52)。続いて、処理部16は、筋電位信号Smに基づいて嚥下回数Nsを測定する(ステップ53)。
【0030】
具体的には、処理部16は、
図4に示すように、筋電位信号Smの波形における極値が規定値Mr以上の極値の数をカウントする。この判定装置1では、処理部16が、筋電位Meの測定値(サンプリング値)を処理した値(一例として、所定時間(例えば100ms)毎のサンプリング値の二乗平均平方根(RMS))から筋電位信号Smの波形を特定している。このため、この例では、同図に示すように、極値としての極大値(山形波形のピーク値)が規定値Mr以上となる山形波形の数をカウントする。この場合、上記したように、正常な嚥下の際に発生する筋電位Meの最大値の50%の値が規定値Mrとして規定されているため、ピーク値が規定値Mrを超えている山形波形の発生部分が、正常な嚥下の際の筋電位Meの変化を示している。つまり、この部分で正常な嚥下が行われたと考えられる。このため、この判定装置1では、正常な嚥下の回数である嚥下回数Nsとして、上記したように極大値が規定値Mr以上となる山形波形の数をカウントする。
【0031】
次いで、処理部16は、測定した嚥下回数Nsを記憶部13に記録する(ステップ54)。続いて、処理部16は、全ての被験者の嚥下回数Nsの測定が完了したか否かを判別する(ステップ55)。この場合、この時点では、全ての被験者の嚥下回数Nsの測定が完了していないため、処理部16は、上記したステップ52を実行して、他の1人の被験者100の筋電位信号Smを読み出し、次いで、上記したステップ53〜55を実行する。以下、処理部16は、ステップ52〜55を繰り返して実行し、ステップ55において全ての被験者の嚥下回数Nsの測定が完了したと判別したときには、嚥下回数測定処理50を終了する。以上により、嚥下回数Nsの測定が終了する。
【0032】
次に、嚥下回数Nsの測定結果に基づいて基準嚥下回数Nrを規定する。具体的には、各被験者100に対する臨床診断や、各被験者100の既往歴の調査によって各被験者100の誤嚥性肺炎の発症の危険度を判断し、
図6に示すように、各被験者100の嚥下回数Nsの測定結果と各被験者100の危険度との相関関係から、誤嚥性肺炎の発症の危険度が基準値を超える(例えば、発症率が50%を超える)限界の嚥下回数Nsを基準嚥下回数Nrとして規定する。この場合、各被験者100の年齢層Ag1〜Ag3毎に基準嚥下回数Nr1〜Nr3を規定する。続いて、基準嚥下回数Nr1〜Nr3を記憶部13に記録する。
【0033】
次に、判定装置1を用いて判定対象の被験者100についての誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定する方法について図面を参照して説明する。
【0034】
まず、上記した筋電位Meの検出、筋電位信号Smの記録、並びに嚥下回数Nsの測定および記録の際の手順(嚥下回数測定処理50)と同様の手順で、判定装置1を用いて、判定対象の被験者100についての睡眠中における筋電位Meの検出、筋電位信号Smの記録、並びに嚥下回数Nsの測定および記録を行う。次いで、操作部14を操作して、判定処理の実行を指示する。また、この際に、操作部14を操作して、判定対象の被験者100の年齢を入力する。続いて、処理部16が、操作部14から出力された操作信号に従って
図7に示す判定処理60を実行する。この判定処理60では、処理部16は、記憶部13に記録されている基準嚥下回数Nr1〜Nr3のうちの、判定対象の被験者100の年齢が含まれる年齢層(年齢層Ag1〜Ag3のうちのいずれか1つ)に対応する基準嚥下回数Nrを読み出す(ステップ61)。次いで、処理部16は、判定対象の被験者100の嚥下回数Nsを記憶部13から読み出す(ステップ62)。
【0035】
続いて、処理部16は、嚥下回数Nsと基準嚥下回数Nrとに基づいて判定対象の被験者100の誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定する(ステップ63)。この場合、
図6に示すように、被験者100の睡眠中における嚥下回数Nsが基準嚥下回数Nr未満のときには、誤嚥性肺炎の発症の危険度としての発症率が50%以上に高まることが発明者らの研究から予測されている。したがって、この判定装置1では、処理部16は、判定対象の被験者100についての嚥下回数Nsが基準嚥下回数Nr未満のときには、判定対象の被験者100について、誤嚥性肺炎の発症の危険度が高い(この例では、発症率が50%を超える)との判定をする。一方、処理部16は、判定対象の被験者100についての嚥下回数Nsが基準嚥下回数Nr以上のときには、判定対象の被験者100について、誤嚥性肺炎の発症の危険度が低い(この例では、発症率が50%以下である)との判定をする。
【0036】
次いで、処理部16は、判定結果を記憶部13に記録すると共に、判定結果を表示部15に表示させて(ステップ64)、判定処理60を終了する。
【0037】
このように、この判定装置1によれば、被験者100の睡眠中に発生した嚥下の際の筋活動に伴う筋電位Meが規定値Mr以上となった嚥下回数Nsを複数の被験者100について測定した測定結果と各被験者100の臨床診断によって得られた危険度との相関関係に基づいて危険度が基準値を超える嚥下回数Nsとしての基準嚥下回数Nrを記憶する記憶部13と、判定対象の被験者100について測定した嚥下回数Nsと基準嚥下回数Nrとに基づいて判定対象の被験者100についての誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定する処理部16とを備えたことにより、嚥下の際の被測定量を測定する機能だけを備えた従来の測定装置とは異なり、判定対象の被験者100について測定した嚥下回数Nsを用いて判定対象の被験者100についての誤嚥性肺炎の発症の危険度を確実かつ容易に判定することができる。したがって、この判定装置1によれば、嚥下に関連する筋群の活動に伴って発生する被測定量である筋電位Meの測定値を十分に有効利用することができる。
【0038】
また、この判定装置1では、記憶部13が、年齢層Ag1〜Ag3毎に規定された複数の基準嚥下回数Nr1〜Nr3を記憶し、処理部16が、判定対象の被験者100の年齢が含まれる年齢層に対応する基準嚥下回数Nrに基づいて危険度を判定する。このため、この判定装置1によれば、年齢層によって互いに異なる基準嚥下回数Nrのうちの判定対象の被験者100の年齢が含まれる年齢層に対応する基準嚥下回数Nrと判定対象の被験者100の嚥下回数Nsとを比較することで、危険度を正確に判定することができる。
【0039】
なお、判定装置は、上記の構成および方法に限定されず、適宜変更することができる。例えば、粘着シート21に配設する筋電センサ22の数は、上記したセンサシート11の構成で例示した8つに限定されず、任意に規定することができる。また、センサシート11の構成について、送信部24を備えて筋電センサ22から出力された筋電位信号Smを無線送信する構成を例示したが、送信部24を備えずに、筋電位信号Smを有線送信する構成を採用することもできる。また、センサシート11や受信部12を設けることなく、他の装置において被験者100についての嚥下回数Nsを測定して、その嚥下回数Nsを判定装置1に入力して記憶部13に記憶させる構成を採用することもできる。
【0040】
また、50歳未満、50歳以上70歳未満、および70以上の3つの年齢層に分けて、年齢層毎に基準嚥下回数Nrを規定した例について上記したが、年齢層の区分をより細分化して年齢層毎に基準嚥下回数Nrを規定することもできる
。
【0041】
また、誤嚥性肺炎の発症の危険度の基準値を50%の発症率とした例について上記したが、危険度の基準値は判定対象の被験者100の年齢や性別等に応じて適宜変更することができる。
【解決手段】誤嚥に起因する誤嚥性肺炎の発症の危険度を判定可能に構成され、危険度を判定するための判定基準を記憶する記憶部13と、判定基準に基づいて危険度を判定する判定処理を実行する処理部16とを備え、記憶部13は、被験者の睡眠中に発生した嚥下の際の筋活動に伴う筋電位が予め規定された規定値Mr以上となった嚥下回数Nsを複数の被験者について測定した測定結果と各被験者の臨床診断によって得られた危険度との相関関係に基づいて危険度が基準値を超える嚥下回数として予め規定された基準嚥下回数Nr1〜Nr3を判定基準として記憶し、処理部16は、判定処理において、判定対象の被験者について測定した嚥下回数Nsと基準嚥下回数Nr1〜Nr3とに基づいて危険度を判定する。