特許第6802577号(P6802577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802577
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】高周波ジェネレータおよびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20201207BHJP
【FI】
   H02M7/48 F
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-110832(P2019-110832)
(22)【出願日】2019年6月14日
(65)【公開番号】特開2020-184870(P2020-184870A)
(43)【公開日】2020年11月12日
【審査請求日】2019年6月20日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0053516
(32)【優先日】2019年5月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519216046
【氏名又は名称】ニューパワープラズマ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Newpowerplasma Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】リュ スンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ファン スンサン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンジェ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヨンヒ
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/038060(WO,A1)
【文献】 特開2015−070678(JP,A)
【文献】 特開昭63−080771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48,3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源の交流電圧を直流電圧に整流して出力する整流部と、
前記整流部から出力される直流電圧を第2直流電圧に変換するDC/DCコンバータと、
PWM制御信号で制御される交互に動作する第1および第2スイッチング素子を含み、前記DC/DCコンバータから出力される所定レベルの直流電圧を所定レベルの交流電圧に変換するインバータと、
前記インバータの出力端に直並列に結合されたインダクタおよびキャパシタを備え、前記インバータから出力される高周波信号から所定の共振周波数を有するサイン波形の共振信号を出力するLCフィルタと、
前記LCフィルタから出力されるパルス波形の高周波電力信号を2次側に誘導するトランスフォーマと、
高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より大きければ、イグニッションモードを終了し、イグニッションモード終了時のスイッチング周波数をイグニッションモード離脱周波数にセットし、モード選択信号を出力するイグニッションモジュールと、
前記イグニッションモジュールから出力されるイグニッションモード離脱周波数を運転モード時のスイッチング周波数の初期値に適用する運転モジュールと、
前記スイッチング周波数を用いて、前記PWM制御信号を生成する信号制御部とを含む高周波ジェネレータ。
【請求項2】
イグニッションモード時、前記イグニッションモジュールから出力されるスイッチング周波数を選択し、イグニッションモード終了時、前記モード選択信号で制御され、運転モード時、前記運転モジュールから出力されるスイッチング周波数を選択するセレクタをさらに含む、請求項1に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項3】
前記トランスフォーマの2次側に並列連結され、前記トランスフォーマの2次側に存在する漏れインダクタンス成分と高周波負荷に寄生する寄生キャパシタンス成分による共振現象によって高周波負荷電流波形に現れるリンギング現象を除去するリンギング除去部をさらに含む、請求項2に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項4】
前記リンギング除去部は、キャパシタからなる、請求項3に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項5】
前記リンギング除去部は、直列連結された抵抗およびキャパシタからなる、請求項に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項6】
前記信号制御部は、高周波負荷検出電流が入力され、高周波負荷検出電流の状態を表示するように状態信号を出力し、
前記状態信号に応答して前記高周波負荷検出電流の状態を表示するインジケータをさらに含む、請求項4に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項7】
前記イグニッションモジュールは、
高周波負荷側で検出される高周波負荷検出電流とイグニッション負荷設定電流とを比較し、高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より小さければ、高周波負荷側で検出される高周波負荷検出電圧とイグニッション負荷設定電圧とを比較し、高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より大きいか等しければ、イグニッションモードを終了し、終了時のスイッチング周波数をイグニッションモード離脱周波数にセットし、高周波負荷検出電圧がイグニッション負荷設定電圧より小さければ、スイッチング周波数を所定周波数だけ減少させ、高周波負荷検出電圧がイグニッション負荷設定電圧より大きければ、スイッチング周波数を現在通りに維持し、
前記運転モジュールは、イグニッションモード離脱周波数を運転モードにおけるスイッチング周波数の初期値に適用する、請求項2に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項8】
商用電源の交流電圧を直流電圧に整流して出力する整流部と、
前記整流部から出力される直流電圧を第2直流電圧に変換するDC/DCコンバータと、
PWM制御信号で制御される交互に動作する第1および第2スイッチング素子を含み、前記DC/DCコンバータから出力される所定レベルの直流電圧を所定レベルの交流電圧に変換するインバータと、
前記インバータの出力端に直並列に結合されたインダクタおよびキャパシタを備え、前記インバータから出力される高周波信号から所定の共振周波数を有するサイン波形の共振信号を出力するLCフィルタと、
前記LCフィルタから出力されるパルス波形の高周波電力信号を2次側に誘導するトランスフォーマと、
高周波負荷側の高周波負荷検出電流と高周波負荷検出電圧とを用いて、前記PWM制御信号を生成する信号制御部とを含む、
前記トランスフォーマの2次側に並列連結され、前記トランスフォーマの2次側に存在する漏れインダクタンス成分と高周波負荷に寄生する寄生キャパシタンス成分による共振現象によって高周波負荷電流波形に現れるリンギング現象を除去するリンギング除去部をさらに含む高周波ジェネレータ。
【請求項9】
前記リンギング除去部は、キャパシタからなる、請求項に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項10】
前記リンギング除去部は、直列連結された抵抗およびキャパシタからなる、請求項に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項11】
前記信号制御部は、高周波負荷検出電流が入力され、高周波負荷検出電流の状態を表示するように状態信号を出力し、
前記状態信号に応答して前記高周波負荷検出電流の状態を表示するインジケータをさらに含む、請求項に記載の高周波ジェネレータ。
【請求項12】
イグニッションモードと運転モードとで動作する高周波ジェネレータの動作方法において、
前記高周波ジェネレータがイグニッションモードに入る第1ステップと、
イグニッションモジュールが、高周波負荷側で検出される高周波負荷検出電流とイグニッション負荷設定電流とを比較する第2ステップと、
高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より小さければ、前記イグニッションモジュールが、高周波負荷側で検出される高周波負荷検出電圧とイグニッション負荷設定電圧とを比較する第3ステップと、
高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より大きいか等しければ、前記イグニッションモジュールは、イグニッションモードを終了し、終了時のスイッチング周波数をイグニッションモード離脱周波数にセットする第4ステップと、
高周波負荷検出電圧がイグニッション負荷設定電圧より小さければ、前記イグニッションモジュールは、スイッチング周波数を所定周波数だけ減少させ、前記第2ステップに戻る第5ステップと、
高周波負荷検出電圧がイグニッション負荷設定電圧より大きければ、前記イグニッションモジュールは、スイッチング周波数を現在通りに維持したまま、前記第2ステップに戻る第6ステップと、
運転モジュールが、イグニッションモード離脱周波数を運転モードにおけるスイッチング周波数の初期値に適用し、高周波負荷検出電流と外部から入力される高周波負荷設定電流とを用いて、スイッチング周波数を生成する第7ステップとを含む高周波ジェネレータの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波ジェネレータおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高周波ジェネレータは、負荷(例:プラズマチャンバ)にプラズマを発生させるための動作を、イグニッションモードと定常状態モードとに区分して別個に進行する。これによって、イグニッションモードから定常状態モードに遷移する時点で、イグニッションモード終了時点での動作周波数と、定常状態モード開始時点での動作周波数とが異なり、過渡的に高周波ジェネレータの出力周波数が不安定になる。
【0003】
ところで、この過渡状態における出力周波数の不安定は、負荷での歩留まりに莫大な影響をもたらす。
【0004】
そして、図1に示されるように、高周波ジェネレータの出力電圧波形にリンギング現象(波形が一部区間で歪む現象、A1、A2)が発生すると、負荷であるプラズマチャンバの上部電極でスパークが発生する可能性が高まる。プラズマチャンバの上部電極に発生するスパークがチャンバ内のウエハに落下すると、当該ウエハは不良で廃棄しなければならないので、これも歩留まりに大きな影響を及ぼす。ところで、出力電圧波形に現れるリンギング現象は、高周波ジェネレータ内に配置されたトランスフォーマの漏れインダクタンスと容量性負荷であるプラズマチャンバとの結合による共振によって発生すると把握される。一方、プラズマチャンバが要求する高周波ジェネレータの出力電力は、負荷の状況によって随時変化するため、その制御がなおさら容易でない。
【0005】
したがって、高周波ジェネレータでは、出力周波数と出力電圧波形が非常に精密に制御される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題点を解決するためになされた本発明は、出力電流の過渡現象を防止できる高周波ジェネレータおよびその動作方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、出力電流波形のリンギング現象を防止できる高周波ジェネレータおよびその動作方法を提供することを他の目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、出力電流を精密に制御できる高周波ジェネレータおよびその動作方法を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る高周波ジェネレータは、商用電源の交流電圧を直流電圧に整流して出力する整流部と、前記整流部から出力される直流電圧を第2直流電圧に変換するDC/DCコンバータと、PWM制御信号で制御される交互に動作する第1および第2スイッチング素子を含み、前記DC/DCコンバータから出力される所定レベルの直流電圧を所定レベルの交流電圧に変換するインバータと、前記インバータの出力端に直並列に結合されたインダクタおよびキャパシタを備え、前記インバータから出力される高周波信号から所定の共振周波数を有するサイン波形の共振信号を出力するLCフィルタと、前記LCフィルタから出力されるパルス波形の高周波電力信号を2次側に誘導するトランスフォーマと、高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より大きければ、イグニッションモードを終了し、イグニッションモード終了時のスイッチング周波数をイグニッションモード離脱周波数にセットし、モード選択信号を出力するイグニッションモジュールと、前記イグニッションモジュールから出力されるイグニッションモード離脱周波数を運転モード時のスイッチング周波数の初期値に適用する運転モジュールと、前記スイッチング周波数を用いて、前記PWM制御信号を生成する信号制御部とを含む。
【0010】
また、本発明の他の態様に係る高周波ジェネレータは、商用電源の交流電圧を直流電圧に整流して出力する整流部と、前記整流部から出力される直流電圧を第2直流電圧に変換するDC/DCコンバータと、PWM制御信号で制御される交互に動作する第1および第2スイッチング素子を含み、前記DC/DCコンバータから出力される所定レベルの直流電圧を所定レベルの交流電圧に変換するインバータと、前記インバータの出力端に直並列に結合されたインダクタおよびキャパシタを備え、前記インバータから出力される高周波信号から所定の共振周波数を有するサイン波形の共振信号を出力するLCフィルタと、前記LCフィルタから出力されるパルス波形の高周波電力信号を2次側に誘導するトランスフォーマと、高周波負荷側の高周波負荷検出電流と高周波負荷検出電圧とを用いて、前記PWM制御信号を生成する信号制御部とを含む。
【0011】
さらに、本発明の他の態様に係る高周波ジェネレータの動作方法は、イグニッションモードと運転モードとで動作する高周波ジェネレータの動作方法において、前記高周波ジェネレータがイグニッションモードに入る第1ステップと、イグニッションモジュールが、高周波負荷側で検出される高周波負荷検出電流とイグニッション負荷設定電流とを比較する第2ステップと、高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より小さければ、前記イグニッションモジュールが、高周波負荷側で検出される高周波負荷検出電圧とイグニッション負荷設定電圧とを比較する第3ステップと、高周波負荷検出電流がイグニッション負荷設定電流より大きいか等しければ、前記イグニッションモジュールは、イグニッションモードを終了し、終了時のスイッチング周波数をイグニッションモード離脱周波数にセットする第4ステップと、高周波負荷検出電圧がイグニッション負荷設定電圧より小さければ、前記イグニッションモジュールは、スイッチング周波数を所定周波数だけ減少させ、前記第2ステップに戻る第5ステップと、高周波負荷検出電圧がイグニッション負荷設定電圧より大きければ、前記イグニッションモジュールは、スイッチング周波数を現在通りに維持したまま、前記第2ステップに戻る第6ステップと、運転モジュールが、イグニッションモード離脱周波数を運転モードにおけるスイッチング周波数の初期値に適用し、高周波負荷検出電流と外部から入力される高周波負荷設定電流とを用いて、スイッチング周波数を生成する第7ステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の高周波ジェネレータによれば、イグニッションモードから定常状態モードへの遷移時、出力電流の過渡現象を防止し、出力電流波形におけるリンギング現象を防止することにより、負荷である高周波チャンバでの歩留まりを大幅に向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術による出力電圧波形図である。
図2】本発明の一実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る出力電圧波形図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
図5】本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る高周波ジェネレータの制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る具体的な実施形態が説明される。しかし、これは、本発明を特定の実施形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物、代替物を含むことが理解されなければならない。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る高周波ジェネレータは、EMIフィルタ201と、整流部203と、DC/DCコンバータ205と、インバータ207と、LCフィルタ209と、トランスフォーマ211と、リンギング除去部213と、信号制御部215と、インジケータ217とを含む。
【0017】
EMIフィルタ201は、印加される単相交流電源に含まれた電磁波のノイズを遮蔽する機能を担う。
【0018】
整流部203は、商用電源の交流電圧を直流電圧に整流して出力する。
【0019】
DC/DCコンバータ205は、整流部203から出力される直流電圧を第2直流電圧に変換する。ここで、第2直流電圧は、多様なレベルの電圧でありうる。
【0020】
インバータ207は、PWM制御信号で制御されるスイッチング素子S、Sを用いて、DC/DCコンバータ205から出力される所定レベルの直流電圧を所定レベルの交流電圧に変換する。インバータ207内の第1スイッチSおよび第2スイッチSは、交互に動作する。
【0021】
LCフィルタ209は、直並列に結合されたインダクタおよびキャパシタを備え、インバータ207から出力される高周波信号から所定の共振周波数を有するサイン波形の共振信号を出力する。一実施形態によれば、共振信号の共振周波数は、13.56MHzでありうる。
【0022】
トランスフォーマ211は、LCフィルタ209から出力されるパルス波形の高周波電力信号を2次側に誘導し、1次側と2次側を電気的に絶縁することにより、使用者がRF負荷に含まれたプラズマチャンバを接触する場合の感電事故を予防することができる。
【0023】
リンギング除去部213は、トランスフォーマ211の2次側に並列連結されたキャパシタCを含む。リンギング除去部213は、トランスフォーマ211の2次側に存在する漏れインダクタンス成分と高周波負荷に寄生する寄生キャパシタンス成分による共振現象によって高周波負荷電流波形に現れるリンギング現象を除去することができる。つまり、図1と対比する時、図3に示されるように、B1領域とB2領域でリンギング現象が無くなることを確認することができる。また、リンギング除去部213のキャパシタンスCは、トランスフォーマ211の1次側からみた時、C=C/nで現れるため、小容量のキャパシタを用いてもLCフィルタ209の共振利得を大幅に向上させることができるという利点がある。
【0024】
信号制御部215は、高周波負荷側の高周波負荷検出電流iRFおよび高周波負荷検出電圧vRFが入力され、PWM制御信号を生成してインバータ207に出力し、インジケータ217に高周波負荷検出電流iRFの状態を表示するように状態信号Sindを出力する。
【0025】
インジケータ217は、信号制御部215から出力される状態信号Sindを用いて、高周波負荷検出電流iRFの状態を表示する。
【0026】
図4は、本発明の他の実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
【0027】
本発明の他の実施形態に係る高周波ジェネレータは、EMIフィルタ401と、整流部403と、DC/DCコンバータ405と、インバータ407と、LCフィルタ409と、トランスフォーマ411と、信号制御部415と、インジケータ417と、イグニッションモジュール421と、運転モジュール423と、セレクタ425とを含む。
【0028】
図4に示された本発明の他の実施形態に係るEMIフィルタ401、整流部403、DC/DCコンバータ405、インバータ407、LCフィルタ409、トランスフォーマ411、インジケータ417の構成および機能は、図2に示されたEMIフィルタ201、整流部203、DC/DCコンバータ205、インバータ207、LCフィルタ209、トランスフォーマ211、およびインジケータ217の構成および機能と大同小異であるので、省略する。
【0029】
イグニッションモジュール421は、イグニッションモード(ignition mode)時、高周波負荷側の高周波負荷検出電流iRFおよび高周波負荷検出電圧vRFが入力され、スイッチング周波数fを所定のイグニッションモード開始周波数fig_stからイグニッションモード終了周波数fig_spに到達するまで所定間隔ごとに所定周波数だけ減少させる。イグニッションモジュール421は、高周波負荷検出電流iRFがイグニッション負荷設定電流iRF_ignitionより小さければ、スイッチング周波数fを減少させ、高周波負荷検出電流iRFがイグニッション負荷設定電流iRF_ignitionより大きいか等しければ、イグニッションモード(ignition mode)を終了するとともに、モード選択信号Sselを出力する。また、イグニッションモジュール421は、イグニッションモード終了当時のスイッチング周波数fをイグニッションモード離脱周波数fig_escにセットし、出力する。
【0030】
運転モジュール423は、イグニッションモジュール421から出力されるイグニッションモード離脱周波数fig_escを運転モードにおけるスイッチング周波数fの初期値に適用し、この後、高周波負荷検出電流iRFと外部から入力される高周波負荷設定電流
【数1】
とを用いて、スイッチング周波数fを生成して出力する。
【0031】
セレクタ425は、イグニッションモード時には、イグニッションモジュール421から出力されるスイッチング周波数fを選択し、イグニッションモード終了時、イグニッションモジュール421から出力されるモード選択信号Sselで制御され、運転モード時には、運転モジュール423から出力されるスイッチング周波数fを選択する。
【0032】
信号制御部415は、セレクタ425から出力されるスイッチング周波数fを用いて、PWM制御信号を生成してインバータ407に出力し、高周波負荷検出電流iRFが入力され、インジケータ417に高周波負荷検出電流iRFの状態を表示するように状態信号Sindを出力する。
【0033】
図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータは、EMIフィルタ501と、整流部503と、DC/DCコンバータ505と、インバータ507と、LCフィルタ509と、トランスフォーマ511と、リンギング除去部513と、信号制御部515と、インジケータ517と、イグニッションモジュール521と、運転モジュール523と、セレクタ525とを含む。
【0034】
つまり、図5に示された本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータは、図4に示された本発明の他の実施形態に係る高周波ジェネレータにリンギング除去部513が追加されたものである。
【0035】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータのブロック図である。
【0036】
図6に示された本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータは、EMIフィルタ601と、整流部603と、DC/DCコンバータ605と、インバータ607と、LCフィルタ609と、トランスフォーマ611と、リンギング除去部613と、信号制御部615と、インジケータ617と、イグニッションモジュール621と、運転モジュール623と、セレクタ625とを含む。
【0037】
つまり、図6に示された本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータは、図5に示された本発明のさらに他の実施形態に係る高周波ジェネレータ内のキャパシタのみからなるリンギング除去部513の代わりに、直列連結された抵抗およびキャパシタからなるリンギング除去部613を適用したことから相違がある。
【0038】
リンギング除去部を、キャパシタのみから構成することより、直列連結された抵抗およびキャパシタから構成すれば、ダンピング効果を極大化することができる。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態に係る高周波ジェネレータの制御フロー図である。
【0040】
本発明の一実施形態に係る高周波ジェネレータは、高周波制御のためにイグニッションモードに入ると(S710)、イグニッションモジュール421、521、621は、高周波負荷検出電流iRFとイグニッション負荷設定電流iRF_ignitionとを比較する(S720)。
【0041】
高周波負荷検出電流iRFがイグニッション負荷設定電流iRF_ignitionより小さければ、イグニッションモジュール421、521、621は、高周波負荷検出電圧vRFとイグニッション負荷設定電圧vRF_limitとを比較する(S730)。
【0042】
高周波負荷検出電流iRFがイグニッション負荷設定電流iRF_ignitionより大きいか等しければ、イグニッションモジュール421、521、621は、イグニッションモードを終了し、終了時のスイッチング周波数をイグニッションモード離脱周波数fig_escにセットする(S740)。
【0043】
高周波負荷検出電圧vRFがイグニッション負荷設定電圧vRF_limitより小さければ、イグニッションモジュール421、521、621は、スイッチング周波数fを所定周波数△fだけ減少させ(S750)、ステップS710に戻る。
【0044】
高周波負荷検出電圧vRFがイグニッション負荷設定電圧vRF_limitより大きいか等しければ、イグニッションモジュール421、521、621は、スイッチング周波数fを現在通りに維持したまま、ステップS710に戻る。
【0045】
運転モジュール423、523、623は、イグニッションモード離脱周波数fig_escを運転モードにおけるスイッチング周波数fの初期値に適用し、高周波負荷検出電流iRFと外部から入力される高周波負荷設定電流
【数2】
とを用いて、スイッチング周波数fsを生成して出力する(S760)。
【0046】
上記に開示された発明は、基本的な思想を損なわない範囲内で多様な変形例が可能である。つまり、上記の実施形態はすべて例示的に解釈されなければならず、限定的に解釈されない。したがって、本発明の保護範囲は、上述した実施形態ではなく、添付した請求項によって定められなければならず、添付した請求項に限定された構成要素を均等物に置換した場合、これは、本発明の保護範囲に属すると見なさなければならない。
【符号の説明】
【0047】
201、401、501、601:EMIフィルタ
203、403、503、603:整流部
205、405、505、605:DC/DCコンバータ
207、407、507、607:インバータ
209、409、509、609:LCフィルタ
211、411、511、611:トランスフォーマ
213、413、513、613:リンギング除去部
215、415、515、615:信号制御部
217、417、517、617:インジケータ
421、521、621:イグニッションモジュール
423、523、623:運転モジュール
425、525、625:セレクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7