特許第6802605号(P6802605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802605
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】高粘度流体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20201207BHJP
   B05C 17/005 20060101ALI20201207BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B05C11/10
   B05C17/005
   B05C5/00 101
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-227880(P2016-227880)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-83158(P2018-83158A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100155457
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】畑中 孝文
(72)【発明者】
【氏名】神澤 啓彰
(72)【発明者】
【氏名】森 淳二
(72)【発明者】
【氏名】曽根 直也
【審査官】 市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−010706(JP,A)
【文献】 特開2014−079669(JP,A)
【文献】 特開2012−101180(JP,A)
【文献】 特開2001−038276(JP,A)
【文献】 実開平06−034769(JP,U)
【文献】 特開平10−156253(JP,A)
【文献】 特開2014−147873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00−21/00
B05D1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘度流体を吐出する吐出ノズルを有するハンドガンと、前記吐出ノズルに高粘度流体を供給する流体経路と、前記流体経路の途中に設けられた吸引部とを備え、前記ハンドガンと前記吸引部とが可撓性のチューブを介して接続され、前記ハンドガンが前記吸引部に対して移動可能に設けられた高粘度流体吐出装置において、
前記吸引部が、前記流体経路の一部を内部に有するハウジングと、前記ハウジングの内部で移動可能な移動部材とを有し、
前記移動部材が、前記流体経路の一部を内部に有する筒部と、前記筒部の内部と外部とを連通する貫通穴とを備え、
前記移動部材をエアの圧力により移動させることにより、前記ハウジングで前記貫通穴を閉塞して前記ハウジングの内部の前記流体経路を遮断する遮断部を形成すると共に、前記ハウジングの内部のうち、前記遮断部よりも下流側の空間の容積を増大させる高粘度流体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーラや接着剤等の高粘度流体をワークの表面に塗布する高粘度流体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体の塗装工程では、鋼板同士の板合わせ部や接合部に対してシーラや接着剤等の高粘度流体が塗布される。この塗布作業は、高粘度流体を吐出するハンドガンを用いて、作業者の手作業により行われることがある。下記の特許文献1には、高粘度流体が充填された容器と、高粘度流体を吐出する吐出ノズルを有するハンドガンと、これらを連結するチューブとを備えた吐出装置が示されている。容器から圧送された高粘度流体が、チューブを介してハンドガンに供給され、ハンドガンの吐出ノズルから吐出される。
【0003】
このような吐出装置を用いて塗布作業を行う場合、塗布が完了して高粘度流体の吐出を停止した後、チューブ内の残圧等により吐出ノズルから高粘度流体が垂れ落ちることがある。そこで、下記の特許文献2では、図8に示すように、ハンドガン102に接続されたチューブ103の途中に、チューブ103内の高粘度流体を吸引可能な吸引部105を設けている。吸引部105は、吸引空間151と、吸引空間151の内部で移動可能な移動部材152とを備える。移動部材152を、上流側(図中右側)に移動させることにより、吸引空間151の容積が増大して負圧が生じる。この負圧により、チューブ103内の高粘度流体が吸引され、ハンドガン102の吐出ノズル102aからの高粘度流体の垂れ落ちを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−38999号公報
【特許文献2】特開2014−147873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の吸引部105では、吸引空間151に流体入口155及び流体出口156の双方が開口しているため、移動部材152を上流側に移動させて吸引空間151の容積を増大させたときに、流体出口156に接続された下流側(吐出ノズル102a側)のチューブ103a内の高粘度流体だけでなく、流体入口155に接続された上流側(吐出ノズル102aと反対側)のチューブ103b内の高粘度流体も吸引空間151に引き込まれる。このため、吸引空間151による吸引力の一部が無駄になってしまい、吐出ノズル102aからの高粘度流体の垂れ落ちを確実に防止できないことがある。
【0006】
例えば、吸引空間151の容積を大きくし、移動部材152の移動による吸引空間151の容積変化量を大きくすれば、吸引力が高められ、吐出ノズル102aからの高粘度流体の垂れ落ちを防止できる。しかし、吸引空間151を大きくすると、吸引部105が大型化するため好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は、高粘度流体吐出装置において、大型化を招くことなく、吐出ノズルからの高粘度流体の垂れ落ちを確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、高粘度流体を吐出する吐出ノズルと、前記吐出ノズルに高粘度流体を供給する流体経路と、前記流体経路の途中に設けられた吸引部とを備えた高粘度流体吐出装置において、前記吸引部が、前記流体経路の一部を内部に有するハウジングと、前記ハウジングの内部で移動可能な移動部材とを有し、前記移動部材を移動させることにより、前記ハウジングと前記移動部材とで、前記ハウジングの内部の前記流体経路を遮断する遮断部を形成すると共に、前記ハウジングの内部のうち、前記遮断部よりも下流側の容積を増大させることを特徴とする。
【0009】
このように、ハウジングの内部の流体経路を遮断した状態で、ハウジングの内部のうち、遮断部よりも下流側(吐出ノズル側)の容積を増大させることにより、遮断部よりも上流側の高粘度流体がハウジングの内部に引き込まれることがなく、遮断部よりも下流側の高粘度流体のみがハウジングの内部に引き込まれる。これにより、吸引部による吸引力を有効に活用することができるため、吸引部の大型化等を要することなく、吐出ノズルからの高粘度流体の漏れ出しを確実に防止できる。また、流体経路の遮断を、移動部材を移動させる動作を利用し、移動部材とハウジングとで行うことで、別途の遮断機構を設ける必要がないため、吸引部の機構を簡素化することができる。
【0010】
具体的には、例えば、前記移動部材が、前記流体経路の一部を内部に有する筒部と、前記筒部の内部と外部とを連通する貫通穴とを備え、前記移動部材を移動させて、前記ハウジングで前記貫通穴を閉塞することにより、前記流体経路を遮断する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る高粘度流体吐出装置によれば、大型化を招くことなく、吐出ノズルからの高粘度流体の垂れ落ちを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】高粘度流体吐出装置の模式図である。
図2】吸引部の断面図であり、高粘度流体を吐出している状態を示す。
図3図2の吸引部の移動部材を後退させ、流体経路を遮断した状態を示す断面図である。
図4図2の吸引部の移動部材をさらに後退させた状態を示す断面図である。
図5】他の実施形態に係る吸引部の断面図であり、高粘度流体を吐出している状態を示す。
図6図5の吸引部の移動部材を後退させた状態を示す断面図である。
図7図6のX−X線における断面図である。
図8】従来の高粘度流体吐出装置の吸引部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態に係る高粘度流体吐出装置1は、図1に示すように、吐出ノズル2a及びスイッチ2bを有するハンドガン2と、シーラや接着剤等の高粘度流体を供給する流体供給部(図示省略)と、これらを接続する可撓性のチューブ3a〜3cとを備える。チューブ3aと3bとの間には流体用バルブ4が設けられ、チューブ3bと3cとの間には吸引部5が設けられる。吸引部5は、ハンドガン2の近傍(例えば1m以内)に設けられ、例えば作業者に装着して使用される。チューブ3a、流体用バルブ4、チューブ3b、吸引部5、チューブ3c及びハンドガン2で、吐出ノズル2aに高粘度流体を供給する流体経路Pが形成される(詳細は後述する)。尚、以下の説明では、流体経路Pを吐出ノズル2aへ向けて流れる高粘度流体の流れ方向下流側を「下流側」と言い、その反対側を「上流側」と言う。
【0015】
吸引部5は、図2に示すように、ハウジング51と、ハウジング51の内部で移動可能な移動部材52とを有する。
【0016】
ハウジング51は、上流側のチューブ3bに接続された流体入口51aと、下流側のチューブ3cに接続された流体出口51bとを有する。ハウジング51の内部には、高粘度流体が流通する流体空間と、移動部材52を駆動するためのエアが供給されるエア空間51dとが設けられる。図示例では、エア空間51dの上流側及び下流側に、それぞれ流体空間51c1,51c2が設けられる。上流側の流体空間51c1とエア空間51dとの間の内周面、及び、下流側の流体空間51c2とエア空間51dとの間の内周面とで、それぞれ移動部材52が摺動支持されている。
【0017】
移動部材52は、ピン52aと、ピン52aから外径側に突出したピストン52bとを有する。図示例では、ピン52aが、両端が閉塞された円筒状の筒部52a1と、筒部52a1に設けられた第一貫通穴52a2及び第二貫通穴52a3とを備える。第一貫通穴52a2は、ピストン52bよりも上流側に設けられ、図示例では筒部52a1の上流端付近に設けられる。第二貫通穴52a3は、ピストン52bよりも下流側に設けられ、図示例では筒部52a1の下流端付近に設けられる。第一貫通穴52a2及び第二貫通穴52a3の数は任意であり、例えば、円周方向等間隔の複数箇所に設けられる。
【0018】
移動部材52は、ハウジング51に対して摺動支持され、ハウジング51の内部で所定方向(図中左右方向)に移動可能とされる。移動部材52のピン52aの外周面とハウジング51の内周面との摺動部には、図示しないシール部材が設けられている。これにより、高粘度流体が満たされた上流側及び下流側の流体空間51c1,51c2と、エアが満たされたエア空間51dとが遮断されている。
【0019】
移動部材52のピストン52bは、ハウジング51のエア空間51dの内部に収容される。ピストン52bの外周面とハウジング51の内周面との間にはシールが設けられる。これにより、エア空間51dが、ピストン52bの一方側(図中右側)の第一領域51d1と、ピストン52bの他方側(図中左側)の第二領域51d2とに区画される。ハウジング51には、エア空間51dの第一領域51d1に開口した第一エア供給路51eと、エア空間51dの第二領域51d2(図3参照)に開口した第二エア供給路51fとが設けられる。第一エア供給路51eには、第一エア供給チューブ6aが接続され、第二エア供給路51fには、第二エア供給チューブ6bが接続される。これらのエア供給チューブ6a及び6bは、エア切換バルブ7を介してエア供給源(図示省略)に接続される(図1参照)。
【0020】
高粘度流体吐出装置1には、ハンドガン2のスイッチ2b、流体用バルブ4、及びエア切換バルブ7に接続された制御部8が設けられる。ハンドガン2のスイッチ2bからの信号が制御部8に伝達され、この信号に基づいて、流体用バルブ4及びエア切換バルブ7が制御される。
【0021】
以下、上記の高粘度流体吐出装置1を用いて塗布作業を行う際の、各部の動作を詳しく説明する。
【0022】
まず、作業者が、ハンドガン2を所定位置に配した状態で、ハンドガン2のスイッチ2bをONにすると、この信号が制御部8に伝達される。この信号に基づく制御部8からの指令により、流体用バルブ4が開放され、高粘度流体が下流側に供給される。これと同時に、上記の信号に基づく制御部8からの指令により、エア切換バルブ7が第一エア供給チューブ6a側に切り換えられる。これにより、図2に示すように、第一エア供給チューブ6a、及び、吸引部5の第一エア供給路51eを介して、エア空間51dの第一領域51d1にエアが供給される。このエアの圧力により、ピストン52bを含む移動部材52が下流側(図中左側)に駆動される。この状態では、移動部材52のピン52aの内部空間52a4と、ハウジング51の下流側の流体空間51c2とが、ピン52aの第二貫通穴52a3を介して連通している。
【0023】
以上により、流体供給部から供給された高粘度流体を、吸引部5のハウジング51の内部を介してハンドガンに供給する流体経路Pが形成される(矢印参照)。本実施形態では、流体経路Pが、吸引部5のハウジング51の上流側の流体空間51c1、移動部材52のピン52aの内部空間52a4、及びハウジング51の下流側の流体空間51c2を含む。図示例では、上流側のチューブ3bから流体入口51aを介してハウジング51の内部に供給された高粘度流体が、上流側の流体空間51c1→第一貫通穴52a2→筒部52a1の内部空間52a4→第二貫通穴52a3→下流側の流体空間51c2を通り、流体出口51bを介して下流側のチューブ3cに供給される。このような流体経路Pを通って高粘度流体がハンドガン2に供給され、ハンドガン2の吐出ノズル2aから吐出される。
【0024】
そして、作業者がハンドガン2のスイッチ2bをOFFにすると、この信号が制御部8に伝達される。この信号に基づく制御部8からの指令により、流体用バルブ4が閉塞されて高粘度流体の供給が停止される。これと同時に、上記信号に基づく制御部8からの指令により、エア切換バルブ7が第二エア供給チューブ6b側に切り換えられ、第二エア供給チューブ6b、及び、ハウジング51の第二エア供給路51fを介して、エア空間51dの第二領域51d2にエアが供給される(図3参照)。このエアの圧力により、ピストン52bを含む移動部材52が上流側に駆動される(図3の白抜き矢印参照)。
【0025】
そして、移動部材52が図3に示す位置に達すると、ハウジング51の下流側の流体空間51c2に開口していた第二貫通穴52a3が、ハウジング51の内周面で閉塞される。これにより、ハウジング51の内部において、流体経路Pを遮断する遮断部Sが形成される。具体的に、ハウジング51の下流側の流体空間51c2と、移動部材52のピン52aの内部空間52a4とが、遮断部Sにより遮断される。このように、本実施形態では、移動部材52の後退動作を利用して、移動部材52のピン52aの第二貫通穴52a3とハウジング51の内周面とで、流体経路Pを遮断する遮断部Sが形成される。これにより、別途の遮断機構を要することなく、簡素な機構で流体経路Pを遮断することができる。
【0026】
そして、移動部材52をさらに上流側に移動させると、ハウジング51の内部の容積が増大する。具体的には、ハウジング51の内部のうち、遮断部Sよりも下流側の空間(下流側の流体空間51c2)の容積が増大する。これにより下流側の流体空間51cに負圧が発生し、流体経路Pの高粘度流体が下流側の流体空間51cに引き込まれる。このとき、遮断部Sにより流体経路Pが遮断されているため、遮断部Sよりも上流側の高粘度流体は下流側の流体空間51cに引き込まれず、遮断部Sよりも下流側(吐出ノズル2a側)の高粘度流体のみが下流側の流体空間51cに引き込まれる(矢印B参照)。これにより、下流側の流体空間51cの体積増大(特に、第二貫通穴52a3が閉塞された後の体積増大)による吸引力の全てが、吸引部5よりも下流側の高粘度流体を吸引するために使用されるため、ハンドガン2の吐出ノズル2aからの高粘度流体の漏れ出しを確実に防止できる。
【0027】
また、流体用バルブ4を閉じると、チューブ3a〜3c内の高粘度流体が残圧により下流側に流れてノズル2aから漏れ出すおそれがある。特に、流体用バルブ4と吸引部5との間のチューブ3bが長い場合、このチューブ3bの膨張・収縮により、チューブ3b内の高粘度流体が下流側に流れるおそれがある。この場合、流体用バルブ4を閉じると同時(あるいは直後)に、上記のようにハウジング51の内部で流体経路Pを遮断することで、遮断部Sにより上流側のチューブ3b内の高粘度流体を堰き止めることができるため、上流側のチューブ3bの収縮による吐出ノズル2aからの高粘度流体の漏れ出しを防止できる。
【0028】
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、ハウジング51の内部に形成される流体経路Pが、移動部材52の内部(ピン52aの内部空間52a4)を介して設けられる場合を示したが、これに限られない。例えば、図5〜7に示す吸引部15では、高粘度流体が、流体入口51aを介してハウジング51の内部の流体空間51cに供給され、流体出口51bを介して排出される。具体的に、高粘度流体の吐出中は、図5に示すように、移動部材52が下流側(図中左側)に配され、流体入口51a→流体空間51c(ハウジング51の内周面とピン52aの外周面との間の隙間)→流体出口51bを通る流体経路Pが形成される。
【0029】
この実施形態では、移動部材52のピン52aの外周面に、ハウジング51の内周面と摺動する凸部52a5が設けられる。ピン52aの外周面のうち、凸部52a5を除く領域は、ハウジング51の内周面と隙間を介して対向している。高粘度流体の吐出を停止し、移動部材52を上流側(図6の右側)に移動させると、図6及び7に示すように、移動部材52のピン52aの凸部52a5でハウジング51の流体入口51aが閉塞され、これにより流体経路Pに遮断部Sが形成される。この状態で、移動部材52がさらに上流側に移動することで、ハウジング51の内部の流体空間51cの容積が増大し、吸引部5よりも下流側の高粘度流体が流体空間51cに引き込まれる(図6の矢印B参照)。
【0030】
以上の実施形態では、作業者がハンドガン2を手で持って移動させながら塗布作業を行う高粘度流体吐出装置を示したが、これに限らず、塗布作業を自動で行う高粘度流体吐出装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 高粘度流体吐出装置
2 ハンドガン
2a 吐出ノズル
3a-3c チューブ
4 流体用バルブ
5 吸引部
51 ハウジング
51c1 上流側の流体空間
51c2 下流側の流体空間
51d エア空間
52 移動部材
52a ピン
52a1 筒部
52a2 第一貫通穴
52a3 第二貫通穴
52a4 内部空間
52b ピストン
P 流体経路
S 遮断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8