特許第6802611号(P6802611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6802611綴じ部を備えたシート及びその綴じ方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6802611
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】綴じ部を備えたシート及びその綴じ方法。
(51)【国際特許分類】
   B42D 5/00 20060101AFI20201207BHJP
   B42B 5/00 20060101ALI20201207BHJP
   B31F 5/02 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   B42D5/00
   B42B5/00
   B31F5/02
【請求項の数】2
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-129852(P2019-129852)
(22)【出願日】2019年7月12日
【審査請求日】2019年11月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506218734
【氏名又は名称】水川 裕雄
(72)【発明者】
【氏名】水川裕雄
(72)【発明者】
【氏名】水川紀子
【審査官】 中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−019159(JP,A)
【文献】 特許第5873149(JP,B2)
【文献】 特開2014−172345(JP,A)
【文献】 特開2014−008757(JP,A)
【文献】 実開昭48−101716(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0157516(US,A1)
【文献】 特開2003−251959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 5/00
B42B 5/00
B31F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上の所定の位置に折り曲げ線(L)を有し、前記折り曲げ線(L)を挟んだ一方の所定の位置を点(A)、前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(A)と対称となる位置を点(B´)、前記折り曲げ線(L)上の任意の位置を点(D)とし、前記点(A)から前記点(D)に向けて切込み線形成手段AD(l1)が設けられ、前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(A)の対向となる側で、前記切込み線形成手段AD(l1)と前記折り曲げ線(L)を挟んで線対称の位置にある前記点(B´)と前記点(D)を結んだ線B´D上を除く任意の位置を点(C)とし、前記点(D)から前記点(C)に向けて切込み線形成手段DC(l2)が設けられ、前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(A)の対向となる側で、前記点(C)から引いた線上で前記線B´Dと交わった後の任意の位置を点(B)とし、切込み線形成手段CB(l3)が設けられることにより形成される、前記切込み線形成手段AD(l1)と前記切込み線形成手段DC(l2)と前記切込み線形成手段CB(l3)とからなる切込み部形成手段(5)を有するシートであって、該切込み部形成手段(5)を切り取ることにより切込み線AD(l1)と切込み線DC(l2)と切込み線CB(l3)とからなる切込み部(7)を形成するとともに、線BDと前記切込み線DC(l2)と前記切込み線CB(l3)とで囲まれた押え片(2)を形成し、前記折り曲げ線(L)で前記シートを折り曲げて、前記切込み線AD(l1)と前記切込み線CB(l3)とを噛み合わせることにより綴じられることを特徴とする綴じ部を備えたシート。
【請求項2】
請求項1に記載の前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)の綴じ方法の手順として、
[手順1]
前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)を折り曲げる手順と、
[手順2]
前記切込み形成手段(5)の所定のすべてを切り取って前記切込み部(7)を作る手順と、
[手順3]
前記切込み部(7)の前記押え片(2)を持って所定の線のすべてを起こして前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げ又は捻じり下げてぶれるのを防ぐ手順と、
[手順4]
前記切込み線AD(l1)と前記切込み線CB(l3)とを噛み合わせる手順と、
からなることを特徴とする綴じ部を備えたシートの綴じ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用具等を使わず、簡単にしっかりと複数のシートを重ねたり繋いだりすることができるシートの綴じ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の綴じ方法に関しては、紐、クリップ、糊、ビスナット等の用具を使用するものの他に、シート等に設けられた突出片を保持部に貫通させる方法等がある。
【0003】
シート等に設けられた突出片を保持部に貫通させる方法としては、突出片に抜け止め防止のかえし部を設けて差し込む物や切込み同士をかみ合わせ折り曲げる方法等がある。
【0004】
シート等の綴じ方法として既出願(特許文献1、特許文献2、特許文献3)がある。上記文献1は複数の用紙の片隅をまとめて折り曲げ、切込みに差し込むものであるが、差し込んだだけであるので抜けやすい。文献2は複数の用紙に凹凸の切込みを設け、折り曲げ差し込む方法であるが、かなりの手順をふまなければならず、安定も難しい。文献3は突出片に第1切込みを持ち差し込み口に第2切込みを設けてしっかり綴じられるが、突出片に切込みを設けているため加わる力によっては、突出部が安定を損なうこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−67182公報
【特許文献2】特許第5583251号
【特許文献3】特許第6232529号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は用具を使わず非常に簡単にしっかりとシート等を重ねたり、繋いだりして綴じることができ、また、簡単に外すことができるとともに、一般の印刷用紙やコピー用紙、レポート用紙、メモ用紙、封筒等の紙製品の他にプラスチック製品、樹脂フィルムやシート、金属製品、金属箔、金属シートや厚手の布類等にも使用可能で使い勝手もよい重ね綴じ、繋ぎ綴じの方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本願発明の請求項1は、シート上の所定の位置に折り曲げ線(L)を設け、前記折り曲げ線(L)を挟んだ一方の所定の位置に点(A)を設け、前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(A)の対向となる側に前記点(A)と対称となる位置を点(B´)とし、前記折り曲げ線(L)上に任意の点(D)を設け、前記点(A)から前記点(D)に向けて切込み線形成手段AD(l1)を設け、前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(A)の対向となる側に、前記切込み線形成手段AD(l1)と前記折り曲げ線(L)を挟んで線対称の位置にある前記点(B´)と前記点(D)を結んだ線B´D上を除いた任意の点(C)を設け、前記点(D)から前記点(C)に向けて切込み線形成手段DC(l2)を設け、前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(A)の対向の位置で、前記点(C)から引いた線上で前記線B´Dと交わった後の位置に任意の点(B)を設定し、切込み線形成手段CB(l3)を設けて切込み部形成手段(5)とし、切込み線AD(11)と切込み線DC(12)と切込み線CB(13)からなる切込み部(7)を形成し、線BDと前記切込み線DC(12)と前記切込み線CB(13)とで囲まれた押え片(2)を形成し、前記折り曲げ線(L)で前記シートを折り曲げて、前記切込み線AD(11)と前記切込み線CB(13)とを噛み合わせて綴じることを特徴とする。
【0009】
本願発明の請求項2は、前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)の綴じ方法の手順として、下記の手順とする綴じ方法。
[手順1]
前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)を折り曲げる手順と、
[手順2]
前記切込み形成手段(5)の所定のすべてを切り取って前記切込み部(7)を作る手順と、
[手順3]
前記切込み部(7)の前記押え片(2)を持って所定の線のすべてを起こして前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げ又は捻じり下げてぶれるのを防ぐ手順と、
[手順4]
前記切込み線AD(11)と前記切込み線CB(13)とをかみ合わせる手順、
とからなることを特徴とする。
【0010】
本願発明によれば、前記折り曲げ線(L)を折り曲げた後、その前記切込み部(7)を起こして前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻り上げ、又は捻じり下げるため、前記押え片(2)がぶれを防ぐとともに前記線ADと前記線BDが互いにかみ合い引っかかり、又前記折り曲げ線(L)を折り曲げた後、捻じり上げ又は捻じり下げるため、捻じれを戻そうとする力が加わって挟む力を増す効果があり、しっかり抜けずに重ねたり繋いだりすることができる上、逆の手順を使えば外すことも簡単である。一般の印刷用紙やコピー用紙、レポート用紙、メモ用紙、封筒等の紙製品の他にプラスチック製品、樹脂フィルムやシート、ファイル金属製品、金属箔、金属シートや厚手の布類等にも使用可能で使い勝手のよい、重ね綴じ繋ぎ綴じに応用できる。使用場所も様々なところで応用でき、前記折り曲げ線(L)を挟んで、切込み部形成手段(6)を切込み、切込み部(7)を形成する器具作りにも応用できる。また、これらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有する綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。(b)は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシートで、前記点(B)の適正範囲(S)を示した綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図2】(a)は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシートで、前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。(b)は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシートで、前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の、前記点(B)の適正範囲(S)を示した綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図3図3は本願発明の曲線でできた前記折り曲げ線(L)を有する綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図4図4は本願発明の曲線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシートで、前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図5図5は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)で、前記点(D)が前記直線AB´上に位置した場合の綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図6図6は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシートで、前記点(D)が前記直線AB´上に位置し、前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図7図7は本願発明の曲線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)で、前記点(D)が前記直線AB´上に位置した場合の綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図8図8は本願発明の曲線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシートで、前記点(D)が前記直線AB´上に位置し、前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の綴じ部を備えたシート(1)の平面図である。
図9図9は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)をシ−トの角に有するシートで、前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置したときの平面図である。
図10図10は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)をシ−トの角に有するシートで前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置したものを綴じ込んだ時の平面図である。
図11図11は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有さず、シ−ト角の端部(3)に前記切れ込み部形成手段(5)を持つシートの平面図である。
図12図12は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有さず、シ−ト角の前記端部(3)に前記切れ込み部形成手段(5)を持つシートを、前記折り曲げ線を有するシート(1)と一緒に綴じ込んだ時の平面図である。
図13図13は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有さず、前記シ−ト角に前記差し込み部形成手段(6)を持つシートの平面図である。
図14図14は本願発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有さず、前記シ−ト角に前記差し込み部形成手段(6)を持つシートを、前記折り曲げ線を有するシート(1)と一緒に綴じ込んだ時の平面図である。
図15図15は本発明の直線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)で前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の、ずれ幅を示す綴じ部を備えたシートの平面図である。
図16図16は本発明の曲線でできた前記折り曲げ線(L)を有するシート(1)で前記点(B)が前記点(B´)からずれた場所に位置した場合の、ずれ幅を示す綴じ部を備えたシートの平面図である。
図17図17は本願発明のシートの角を折り曲げた時の前記切込み形成手段(5)のいくつかの例を示す平面図である。
図18図18は本願発明の前記折り曲げ線を有するシート(1)のいくつかの例を示す平面図と、それに対応する前記折り曲げ線(L)を有さずその端部に前記切込み形成手段(5)を持ったシートの例を示す平面図である。
図19図19は本願発明の前記折り曲げ線(L)を有さず前記差し込み部形成手段(6)を持つシートのいくつかの例を示す平面図と、それに対応する前記折り曲げ線(L)有する前記切れ込み部形成手段(5)を持ったシートのいくつかの例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明の複数のシートを重ねたり繋いだりするときのシートを綴じる方法について、図面に従って詳細に説明する。シートをまとめようとするとき手元に綴じる用具がない場合、一時的にシートの角を折り曲げることがある。しかしこれではシートをまとめるだけで、綴じることはできない。用具がなくても綴じることはできないかと考えた。
【0013】
綴じ部を備えたシートを綴じるには、前記折り曲げ線(L)を挟んで前記折り曲げ線を有するシート(1)の表側と裏側に前記切込み部(7)を設け、それをかみ合わせて引っかけてはどうかと考えた。
【0014】
前記折り曲げ線を有するシート(1)に前記折り曲げ線(L)を設け、前記折り曲げ線(L)を挟んだ一方に前記点(A)を設け、他方に前記折り曲げ線(L)を挟んで前記点(A)と対向の位置にある前記点(B)を設け、前記折り曲げ線(L)の上に点(D)を設けた。前記点(B)の側に前記点(C)を設け、前記点(A)と前記点(D)、前記点(D)と前記点(C)並びに前記点(C)と前記点(B)を結んだ前記線(l1)と前記線(l2)と前記線(l3)を切り込み、前記切込み部(7)とした。
【0015】
前記切込み部(7)を起こして、前記押え片(2)として前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げ、又は捻じり下げてみたところ、前記線(l1)に前記線(l3)を引っかけられるところと、引っかけられないところがあることがわかった。
【0016】
引っかけるためには、前記点(B)が前記折り曲げ線(L)を挟んで前記点(A)と対向の側にある場合、前記切込み線AD(11)と前記折り曲げ線(L)を挟んだ前記点(D)を除いた前記対称線B´Dと前記切込み線CB(13)が交われば、前記切込み線AD(11)に前記切込み線CB(13)を引っかけることが可能であることがわかった。
【0017】
そこで前記切込み線AD(11)と前記切込み線DC(12)と前記切込み線CB(13)を前記切り込み部(7)として起こして、前記押え片(2)として捩じり上げ又は捩じり下げて、前記切込み線AD(11)と前記切込み線CB(13)を引っかけて綴じることができた。また前記点(D)の位置を前記点(A)と前記点(B´)を結んだ線AB´上に設けることも可能であることがわかった。
【0018】
次に前記点(B)が前記折り曲げ線(L)を挟んで前記点(A)と同じ側にある場合は、前記切込み線CB(13)が前記切込み線AD(11)と交わらないとき、前記切込み線AD(11)に前記切込み線CB(13)を引っかけることは可能だが、しっかり噛み合せて綴じるまでには至らないことがわかった。また、これで前記点(B)の適正範囲(S)もわかった。
【0019】
次に前記点(C)と前記点(B)が前記点(A)と同じ側にある場合はどうか考えてみた。その場合は、前記点(A)と前記点(B´)の働きが逆になるのではないかと考え、前記点(A)と前記点(D)を結んだ線ADと交わる前記点(C)と前記点(B)を結んだ線BCと前記点(C)と前記点(D)を結んだ線DC並びに前記点(D)と前記点(B´)を結んだ線B´Dを前記切込み部(7)として起こし、前記押え片(2)として折り曲げ、前記切込み線BCを前記切込み線B´Dに引っかけたところ、前記点(C)と前記点(B)が前記点(B´)の側に設けられた場合と同様の結果を得た。

【0020】
これで本願発明が完成した。前記切込み部形成手段(5)はシート等に、例えばミシン目打ちや片押し等によって切り目をつけることも可能である。また、これらに限定されるものではない。
【0021】
ここでは前記切込み部(7)を直線としたが、その形状は直線曲線に限らず任意の線でもよく、またその設ける数にもこだわるものではないことがわかった。
このことによって捻じり上げ又は捻り下げて綴じると、綴じる目的だけでなく、例えば直線の場合は星形や、曲線の場合は月形等デザイン性のある楽しい綴じ方の仕上がりとすることもできる。また前記折り曲げ線(L)はシートの任意の場所に設けることが可能であることがわかった。
【0022】
さらにここでは、シートのすべてが前記折り曲げ線を有するシート(1)としたが、複数のシート中に前記折り曲げ線を有するシート(1)が1枚含まれておれば、前記折り曲げ線を有さないシート(1´)が混じっていても重ねたり繋いだりして綴じることが可能となることもわかった。
【0023】
その方法は、前記折り曲げ線を有するシート(1)に折り曲げ線を有さないシート(1´)を挟み込み、挟み込んだとき前記折り曲げ線(L)と同一線上の位置にある、前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の所定の位置の端部(3)を、前記点(B)と同位置の点(B´´)より前記点(D)と同位置の点(D´)に引いた前記切込み 形成手段(5)を有する場合である。
【0024】
次の方法は前記折り曲げ線を有さないシート(1´)が 所定の位置にある前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)と同寸の差し込み部形成手段(6)を有しており、前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)まで差し込み折り曲げたとき、前記点(B)と同位置の前記(B´´)より前記点(D)と同位置の前記点(D´)に引いた前記切込み形成手段(5)を有する場合である。
【0025】
その際、前記折り曲げ線を有さないシート(1´)に、前記折り曲げ線を有するシート(1)を対応させた場合は、止め部(8)を設けることにより効果が発揮できることもわかった。
【0026】
次に本願発明の複数のシートを重ねたり繋いだりするときのシートを綴じる方法を順序立てて説明する。
複数の前記折り曲げ線を有するシート(1)の綴じ方法の手順として下記の手順とする綴じ方法。
[手順1]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)を折り曲げる手順1と、
[手順2]
前記切込み形成手段(5)の所定のすべてを切り取って前記切込み部(7)を作る手順2と、
[手順3]
前記切込み部(7)の前記押え片(2)を持って所定の線のすべてを起こして前記押え片(2)を前記折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げ又は捻じり下げてぶれるのを防ぐ手順3と、
[手順4]
前記線(l1)と前記線(l3)とをかみ合わせる手順4、
とからなる前記折り曲げ線を有するシート(1)を綴じる方法。
【0027】
前記複数の前記折り曲げ線を有するシート(1)を綴じるとき、前記折り曲げ線を有さないシート(1´)で前記シート端部(3)に前記切込み形成手段(5)を持ったシートを少なくとも1枚有する場合の綴じる方法の手順として下記の手順とする綴じ方法。
[手順1]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)を折り曲げる手順と、
[手順2]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記切込み形成手段(5)のすべてを切り取り、前記切込み部(7)を作る手順と、
[手順3]
前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の、前記切込み形成手段(5)のすべてを切り取り、切込み部(7)を作る手順と、
[手順4]
前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の前記端部(3)を折り曲げた前記折り曲げ線(L)に合わせて挟む手順と、
[手順5]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記点(D)と、前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の前記点(D´)を合わせる手順と、
[手順6]
前記押え片(2)を持って、所定の前記切込み部(7)のすべてを起こして前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げ又は捻じり下げる手順と、
[手順7]
前記線(l1)と前記線(l3)とをかみ合わせる手順と、
[手順8]
前記止め部形成手段(4)を切り取って前記止め部(8)を作る手順と、
[手順9]
前記折り曲げ線(L)の先端を前記止め部(8)に差し込むことによってしっかり綴じる手順、
とからなる前記折り曲げ線を有さないシート(1´)を少なくとも1枚有する場合の綴じる方法。
【0028】
前記折込線を有するシート(1)を綴じるとき、前記折り曲げ線を有さないシート(1´)で、前記差し込み部形成手段(6)を持つシートを少なくとも1枚有する場合の綴じる方法の手順として、下記の手順とする綴じ方法。
[手順1]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)を折り曲げる手順と、
[手順2]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記切込み形成手段(5)のすべてを切り取り、前記切込み部(7)を作る手順と、
[手順3]
前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の前記差し込み形成手段(6)を切り取って前記差し込み部(7)を作る手順と、
[手順4]
前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の前記差し込み部(9)に、前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記折り曲げ線(L)までを差し込む手順と、
[手順5]
前記折り曲げ線(L)を折り曲げる手順と、
[手順6]
前記折り曲げ線を有するシート(1)の前記点(D)と前記折り曲げ線を有さないシート(1´)の前記点(D´)を合わせる手順と、
[手順7]
前記切込み部(7)の前記押え片(2)を持って前記切込み部(7)のすべてを起こして前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げ又は捻じり下げる手順と、
[手順8]
前記線(l1)と前記線(l3)とをかみ合わせる手順と、
[手順9]
前記止め部形成手段(4)を切り取って前記止め部(8)を作る手順と、
[手順10]
前記折り曲げ線(L)の先端を前記止め部(8)に差し込むことによってしっかり綴じる手順、
とからなる前記折り曲げ線を有さないシート(1´)を少なくとも1枚有する場合の綴じる方法。
【0029】
本願発明の複数のシートを重ねたり繋いだりするときのシートを綴じる方法において、重ねて綴じる場合は、実施では10枚以上可能であったが、シートの厚さやら材質、折り曲げたシートの厚さなどもあるため、5枚程度を目安とすることが望ましい。また、重ねたり繋いだりして綴じる場合、所定の位置に所定の形態で複数個設けることも可能である。
【0030】
次に前記点(B)と前記点(B´)のずれ幅について実施例のサンプルを作成して試験をし、それを比較検討することにした。その結果を表に示した。
【0031】
第1の試験は前記点(B)が、前記点(B´)より横方向へずれたときのずれ幅についてである。
【0032】
(実施例1)
サンプルについて説明する。ここではコピー用紙5枚を重ねた上部角に前記折り曲げ線(L)を設けることとした。実施にあたり使用する材料はコピー用紙、筆記用具、定規、カッター、はさみ等を使用した。作る手順としては、コピー用紙5枚を重ね、前記折り曲げ線(L)を設けた後、上部10ミリに前記点(A)を、前記折り曲げ線(L)を挟んだ対称の位置に前記点(B´)を設けた。又前記折り曲げ線(L)が前記線ABと交わる点(E)より15ミリの位置に前記点(D)を設け、前記点(D)より下方5ミリの位置に前記点(C)を設け前記直線(B´D)上の前記点(D)を除く前記点(B1´)で交わった後、前記点(B´)より横方向2ミリの位置に前記点(B)を設けて、前記線(l1)と前記線(l2)並びに前記線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とした。
(実施例2)
前記点(B´)より横方向5ミリの位置に前記点(B)を設け、その他は実施例1と同様とした。
(実施例3)
前記点(B´)より横方向8ミリの位置に前記点(B)を設け、その他は実施例1と同様とした。
(実施例4)
前記点(B´)より横方向11ミリの位置に前記点(B)を設け、その他は実施例1と同様とした。
【0033】
次に試験方法について説明する。各実施例サンプルについて、コピー用紙5枚を用意して重ねた後、前記折り曲げ線(L)を折り曲げ、前記切込み形成手段(5)を切り込んで前記切込み部(7)として前記押え片(2)を作り前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げて前記線(l1)と前記線(l3)を引っかけた。
【0034】
考察につて述べる。手の感触として前記点(B´)と前記点(B)のずれにより以下の結果を得た。基準としては(1)手でひっぱっても極めて丈夫に綴じられるので◎である。(2)手でひっぱっても丈夫に綴じられるので○である。(3)手でひっぱるとぶれて綴じにくいので△である。(4)手でひっぱると綴じることができないので×である。
【表1】
【0035】
第1の試験結果から考えて0〜5ミリが好適と思われる。
【0036】
次の第2の試験は前記点(B´)と前記点(B)の縦方向へのずれ幅である。
(実施例1)
前記点(B´)より縦方向2ミリの位置に前記点(B)を設けて、前記直線(l1)と前記直線(l2)並びに前記直線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とし、その他は第1の試験と同様とした。
(実施例2)
前記点(B´)より縦方向5ミリの位置に前記点(B)を設けて、前記直線(l1)と前記直線(l2)並びに直線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とし、その他は第1の試験と同様とした。
(実施例3)
前記点(B´)より縦方向8ミリの位置に前記点(B)を設けて、前記線(l1)と前記直線(l2)並びに前記直線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とし、その他は第1の試験と同様とした。
(実施例4)
前記点(B´)より縦方向11ミリの位置に点(B)を設けて、前記直線(l1)と前記直線(l2)並びに前記直線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とし、その他は第1の試験と同様とした。
【0037】
試験方法については第1の試験と同様にした。
【0038】
考察について述べる。前記点(B´)と前記点(B)の縦方向のずれにより以下の結果を得た。
【表2】
【0039】
第2の試験結果から考えて0〜5ミリが好適と思われる。
【0040】
次に前記点(B)と前記点(B´)のずれ幅について実施例のサンプルを作成して試験をし、それを比較検討することにした。その結果を表に示した。
【0041】
次の第3の試験は曲線の場合における前記点(B´)と前記点(B)との横方向へのずれ幅についてである。
(実施例1)
サンプルについて説明する。ここではコピー用紙5枚を重ねた上部角に前記折り曲げ線(L)を設けることとした。実施にあたり使用する材料はコピー用紙、筆記用具、定規、カッター、はさみ等を使用した。作る手順としては、コピー用紙5枚を重ね、前記折り曲げ線(L)を設けた後、上部10ミリに前記点(A)を、前記折り曲げ線(L)を挟んだ対称の位置に前記点(B´)を設けた。又前記折り曲げ線(L)が前記線ABと交わる点(E)より15ミリの位置に前記点(D)を設け、前記曲線ADの延長線上10ミリの位置に前記点(C)を設け、前記曲線(l1)と前記折り曲げ線(L)を挟んで線対称の位置のある前記曲線(B´D)上の前記点(D)を除く前記点(B1´)で交わった後、前記点(B´)より横方向2ミリの位置に前記点(B)を設けて、前記曲線(l1)と前記曲線(l2)並びに前記曲線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とした。
(実施例2)
前記点(B´)より横方向へ5ミリずれた位置に前記点(B)を設けて、前記曲線(l1)と前記曲線(l2)並びに前記曲線(l3)を切り込んで、前記切込み部(7)とし、その他は実施例1と同様にした。
(実施例3)
前記点(B´)より横方向へ8ミリずれた位置に前記点(B)を設けて、前記曲線(l1)と前記曲線(l2)並びに前記曲線(l3)を切り込んで、前記切込み部(7)とし、その他は実施例1と同様にした。
(実施例4)
前記点(B´)より横方向へ11ミリずれた位置に前記点(B)を設けて、前記曲線(l1)と前記曲線(l2)並びに前記曲線(l3)を切り込んで、前記切込み部(7)とし、その他は実施例1と同様にした。
【0042】
次に試験方法について説明する。各実施例サンプルについて、コピー用紙5枚を用意して重ねた後、前記折り曲げ線(L)を折り曲げ、前記切込み形成手段(5)を切り込んで前記切込み部(7)として前記押え片(2)を作り前記押え片(2)を折り曲げて前記折り曲げ線(L)の対向側に捻じり上げて前記線(l1)と前記線(l3)を引っかけた。
【0043】
考察につて述べる。手の感触として前記点(B´)と前記点(B)のずれにより以下の結果を得た。基準としては(1)手でひっぱっても極めて丈夫に綴じられるので◎である。(2)手でひっぱっても丈夫に綴じられるので○である。(3)手でひっぱるとぶれて綴じにくいので△である。(4)手でひっぱると綴じることができないので×である。
【0044】
考察について述べる。手の感触として前記点(B)と前記点(B´)のずれにより以下の結果を得た。
【表3】
【0045】
次の第3の試験結果から考えて0〜2ミリが好適と思われる。
【0046】
第4の試験は前記点(B´)が前記点(B)との縦方向へのずれ幅についてである。
(実施例1)
前記点(B´)より縦方向2ミリの位置に前記点(B)を設けて前記曲線(l1)と前記曲線(l2)並びに前記曲線(l3)を切り込んで前記切込み部(7)とした。
(実施例2)
前記点(B´)より縦方向5ミリの位置に前記点(B)を設け、その他は実施例1と同様にした。
(実施例3)
前記点(B´)より縦方向8ミリの位置に前記点(B)を設け、その他は実施例1と同様にした。
(実施例4)
前記点(B´)より縦方向11ミリの位置に前記点(B)を設け、その他は実施例1と同様にした。
【0047】
試験方法については第3の試験と同様にした。
【0048】
考察について述べる。手の感触として前記点(B´)と前記点(B)のずれにより以下の結果を得た。
【表4】
【0049】
第4の試験結果から考えて0〜2ミリが好適と思われる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本願発明の複数のシートを重ねたり繋いだりするときのシートを止める方法は、用具を用いることなく、コピー用紙、便箋、封筒、印刷用紙、報告書、レポート用紙、メモ用紙等の紙製品、並びにプラスチック、PPシートファイル、金属等を極めて簡単にしっかりと綴じることが可能となり、産業上の利用価値は大きい。
【符号の説明】
【0051】
1 折り曲げ線を有するシート
1´ 折り曲げ線を有さないシート
2 押え片
3 シート端部
4 止め部形成手段
5 切込み部形成手段
6 差し込み部形成手段
7 切込み部
8 止め部
9 差し込み部
10 止め部突起
11 止め部突起差し込み口
A シート上の任意の点
B 折り曲げ線を挟んでA点との対向点
B´ 折り曲げ線を挟んでA点との対称点
B1´ 線(B´D)上で点(D)を除いた任意の点
B´´ 折り曲げ線を有さないシート(1´)で点(B)と同位置の点
C 線(AD)の線対称の位置にある線(B´D)上又は線(B´D)の線対称の位置にある線(AD)上を除いた位置にあり、線の方向を変える点
D 点(A)から引いた任意の線と折り曲げ線との交点
D´ 折り曲げ線を有さないシートで、折り曲げ線を有するシートの点(D)と同位置の点
E 直線ABと折り曲げ線(L)との交点
L 折り曲げ線
S 点(B)の適正範囲
W1 直線における点(B´)と点(B)の横方向へのずれ幅
W2 直線における点(B´)と点(B)の縦方向へのずれ幅
W3 曲線における点(B´)と点(B)の横方向へのずれ幅
W4 曲線における点(B´)と点(B)の縦方向へのずれ幅
l1 点(A)から点(D)に向けた切込み線
l2 点(D)から点(C)に向けた切込み線
l3 点(C)から点(B)又は点(B´)に向けた切込み線
【要約】      (修正有)
【課題】他の用具に頼ることなく非常に簡単にしっかりとシート等を重ねたり、繋いだりして綴じることができ、また、簡単に外すことができるとともに、一般の印刷用紙やコピー用紙、レポート用紙、メモ用紙、封筒等の紙製品の他に素材の異なるものにも使用可能で応用範囲が広く、使い勝手よく複数のシートを重ねたり繋いだりして綴じる方法を提供する。
【解決手段】折り曲げ線Lを折り曲げた後、切込み部7を起こして捻り上げ、又は捻じり下げ、折り曲げ線を挟んで線対称となる切込み部をかみ合わせて綴じることによって互いに引っかかり、又折り曲げ線を折り曲げた後に押え片2を捻じり上げ又は捻じり下げるため、捻じれを戻そうとする力が加わって挟む力を増す効果があり、しっかり抜けずに重ねたり繋いだりすることができる上、逆の手順を使えば外すことも簡単である。また、切込み部の形状や重ね方、繋ぎ方も多様なシートを綴じる方法である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19