(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6802615
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】棺カバー
(51)【国際特許分類】
A61G 17/04 20060101AFI20201207BHJP
【FI】
A61G17/04
【請求項の数】2
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2020-42444(P2020-42444)
(22)【出願日】2020年2月22日
【審査請求日】2020年2月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520086184
【氏名又は名称】織野 泉
(72)【発明者】
【氏名】織野 泉
【審査官】
野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−125733(JP,A)
【文献】
実開平04−065534(JP,U)
【文献】
特開2005−278994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/00−17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、遺体を収納する棺本体の、外側と内側の双方を覆う布製の棺本体カバーと、前記開口部を覆い、観音開きの棺窓を有する棺天板を覆う、布製の棺天板カバーにおいて、前記棺窓の大きさ、位置に合わせた独自に開閉可能な、観音開き窓覆いを有することを特徴とする、棺本体カバーと棺天板カバーが独立した構造の棺カバー。
【請求項2】
前記棺天板カバーの前記窓覆いは、前記棺天板カバーと同素材であることを特徴とする、請求項1に記載の棺カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺体を収納する棺本体を外側と内側双方を布装飾で覆い棺天板と天板カバーを外した場合でも棺本体の装飾性を保つもので、棺天板に布装飾の窓覆い付き天板カバーが装着されたまま棺の窓を開閉するのに適した、窓覆い付き棺カバーセットに関するものである。
【0002】
葬祭費用における棺の価格は最も高価な総金箔製で100万円を超えるものや、豪華な彫刻を施したもの、そして様々な文様の布貼から数万円の比較的安価な白木の平蓋まで、その仕様、形状、材質の違いで大きく変わる。
【0003】
近年葬祭費用を出来る限り抑えた、家族葬や極身内で行う小規模葬儀の需要が高まり、多くのセレモニーホールでも家族葬のプランが打ち出されている。しかし、プランには棺代は別途となっており、前記に示し通り棺の価格帯には大きな格差がある。
棺費用を抑えるため考慮する場合は、布貼棺と桐柾貼平蓋にほぼ限定されてしまうが、この2者択一でも価格面においては2倍以上の開きがあるのが現状である。何らかの理由で葬祭費用を抑えたいが、棺も故人を思うとそれなりの支度で見送りたいと思うご遺族に対して何らかの対処が必要である。
【0004】
葬祭業者向けメーカーのものは白い布製の窓付き棺カバーでは、埋葬品を入れる際等カバーを外すことで棺があらわになり、乏しさが露見してしまう。この点は現状の棺カバーを改善する余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、棺の規格の相違に一定範囲対応可能で、故人を尊厳した乏しくない布装飾の窓覆い付き棺カバーを提供することにある。
【0006】
本発明は、開口部を有し、遺体を収納する棺本体の、外側と内側の双方を覆う棺本体カバーと、前記開口部を覆い、観音開きの窓を有する棺天板を覆う、天板カバーを有する棺カバーにおいて、前記天板カバーは、前記窓の位置に、開閉可能な窓覆いを有することを特徴とする、棺カバーである。
【0007】
また、本発明は、前記天板カバーの前記窓覆いが、前記天板カバーと同素材であることを特徴とする、前記の棺カバーである。
【0008】
本発明の棺カバーは、棺費用を抑えながら、装飾性があり乏しくなく安置でき、天板カバーを取り外すことなく、棺の窓を開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】 本発明に関わる棺カバーの一例を示す斜視図。
【
図2】 本発明に関わる棺カバーの、窓覆いの開閉状態を示す図、
図1(a)は窓覆いが閉じた状態、
図2(b)は窓覆いが開いた状態、
図2(c)は棺窓が開いた状態。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に具体的な例を示す図に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明に関わる窓覆い付き棺カバーの一例を示す斜視図である。
図1において、1は布装飾の棺本体カバー、2は本体と同素材の窓覆い付き天板カバー、3は窓覆い、4は窓覆いを留める窓覆い留紐、5は棺カバーで布装飾する棺本体、6は天板カバーで布装飾する棺天板、7は棺天板にある観音開きの棺窓である。
【0012】
図1に示したように、本発明の棺カバーは、棺本体5の外側と内側双方を装飾性の布で覆った棺本体カバー1と、棺窓7の位置に合わせ、天板カバー2に観音開き窓覆い4を設けたものである。このため棺全体の装飾性を保ったまま、天板カバー2の窓覆い7を開き、天板の棺窓7を開閉することができる。
【0013】
また、窓覆い3は、棺窓7を開閉する必要のない時に棺窓7を覆うものであり、棺窓7を開閉する場合には、窓覆い3の留紐4をほどくことで窓覆い3を開き、棺窓7を開閉することができる。
【0014】
窓覆い付き天板カバー2の窓覆い3にある窓覆い留紐4をほどき、窓覆い3を開き、棺天板6にある棺窓7を開く。
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、棺費用を抑えて故人を尊重した棺の装飾性を保ち乏しくなく安置でき、棺構造を変えることなく対応できる。
【符号の説明】
【0016】
1 棺本体カバー
2 天板カバー
3 窓覆い
4 窓覆い留紐
5 棺本体
6 棺天板
7 棺窓
【要約】 (修正有)
【課題】棺の規格の相違に一定範囲対応可能で、故人を尊重した乏しくない布装飾の窓覆い付き棺カバーセットを提供する。
【解決手段】天板カバー2と棺天板6を外した場合でも棺カバーにより棺本体5の外側と内側の装飾性が保たれる。棺本体カバー1を装着したまま、窓覆い付き天板カバー2の窓覆い3にある窓覆い留紐4をほどき、窓覆い3を開き、棺本体5にある棺窓7を開く。
【選択図】
図1