特許第6802616号(P6802616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6802616-発酵食品を用いた燻製材料 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6802616
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】発酵食品を用いた燻製材料
(51)【国際特許分類】
   A23B 4/044 20060101AFI20201207BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20201207BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20201207BHJP
【FI】
   A23B4/044 503B
   A23L5/00 H
   A23L27/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-93980(P2020-93980)
(22)【出願日】2020年5月29日
【審査請求日】2020年6月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008997
【氏名又は名称】田中 勝美
(72)【発明者】
【氏名】田中勝美
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−144924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B 4/00
A23L 5/00
A23L 27/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus(STN)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、発酵食品の製造過程において醪を圧搾抽出し残存する前記発酵食品の製造工程で発生する、粕を、少なくとも1種以上の水溶液に溶かし燻製材料である木材前記水溶液浸潤させた後、水分を蒸発させる乾燥工程を経て前記燻製材料に前記発酵食品のエキス及びフレーバーを加えた燻煙用の発酵食品スモーク材の製造方法
【請求項2】
本発明は、発酵食品の製造過程において発酵した原材料を蒸留抽出し、液状の残存する廃液である前記発酵食品の製造工程で発生する前記廃液を用いて燻製材料である木材に前記廃液を浸潤させた後に水分を蒸発させる乾燥工程を経て前記燻製材料に前記発酵食品のエキス及びフレーバーを加えた燻煙用の発酵食品スモーク材の製造方法
【請求項3】
前記発酵食品のエキス及びフレーバーを加えた前記燻製材料は、少なくとも1種の成分から構成可能であって、複数の前記燻製材料と合わせて香りを変化させることが可能な請求項1と請求項2に記載の燻煙用の発酵食品スモーク材の製造方法
【請求項4】
前記燻製材料の木材を細粉化し前記粕及び前記廃液に混合し、水分を蒸発する乾燥工程を経て、燻製用乾燥固形物とすることが可能な請求項1又は請求項2に記載の燻煙用の発酵食品スモーク材の製造方法
【請求項5】
記粕は、少なくとも1種以上の水溶液で希釈し濃度調整することが可能な請求項1に記載の燻煙用の発酵食品スモーク材の製造方法
【請求項6】
前記廃液は、少なくとも1種以上の水溶液で希釈し濃度調整することが可能な請求項2に記載の燻煙用の発酵食品スモーク材の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燻製をする燻煙材料の木材等に発酵食品の成分を浸潤させて燻煙に発酵食品のエキスやフレーバーを加えた新たな燻製材料の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術について、これまでの燻製材料は主にスモークチップなどの木材を適宜破砕切断したチップ状の細かな木材破片からなるものと、木材を微粒粉砕した粉状の木粉を形成したスモークウッド、または木材の抽出エキスからなるスモークリキッドなどがあり、木材を基本的な燻煙発生材料として使用しているのが燻製を行う必須条件であり、この木材からなる燻製材料には如何に薫香を食材とマッチさせるかが課題であり、現在様々な種類の木材から多くの燻製材料が市場に存在している背景がある。
【0003】
上述に記した従来の技術には、一般的なスモークウッドとして粉砕した木材を棒状に固めた燻製材料があるが、例えば特許文献1の、木粉、糊及び水を混合して撹拌した後、型に流し込んで2段プレスすることで製造するスモークウッドの製造方法を開示したものがある。(特許文献1)。
【0004】
また、上記従来のスモークウッドの製造方法の問題点を解決するための技術として オリーブの木を破砕して得られる木質チップを粉状に粉砕して原料粉を生成する粉砕工程と、原料粉を乾燥させる乾燥工程と、原料粉を、結合剤を添加することなくプレスすることにより一体化するプレス工程とを備えるスモークウッド製造方法を開示したものがある。
【0005】
また他の技術として、例えば特許文献2の、従来の燻製材を利用した燻製方法に種々多様なニーズに応えることができる食品用の燻製材料などを提供するために、燻製材料であるピートと、粉砕した木片と、を、混合して混合物を得る第1工程と、第1工程で得られた混合物を型枠内に挿入して加圧脱水した脱水物を得る第2工程と、第2工程で得られた脱水物を乾燥する第3工程と、により製造される燻製材料製造方法が解除されている。(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−116114号 公報
【特許文献2】特開2012−115204号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に述べた、従来の燻製材料は1種及び少なくとも2種以上の木材から製造される燻製材料でありました。当然限られた種類の木材を利用するので、2種以上の木材のフレーバーの特徴をミックスしたり、ザラメなどの食材などを一緒に燃やして仕上がりに艶を出すために別の材料を加えて効果を出す方法であったり、ワイン、ウィスキー、ブランディーなどの酒類を貯蔵するために使用していた酒樽を燻製材料として使ったりと、燻香を変えるためにいろいろな工夫がなされてきたことも事実であり、このように様々な燻製材料があることは燻製をする上で選択肢が広がり燻製技術の向上になってはいるのだが、現状の燻製材料に拘ることなく新たな燻製材料を課題とした場合、燻製材料に加工を施してこれまでの製造方法とは異なる燻製材料製造方法の加工技術の実現を目的としたものである。
【0008】
また、従来の燻製材料は、木材を切断破砕及び粉砕し細かなチップ状にすることで、燻製材料であるスモークチップに加熱発火させるときに着火しやすく、チップ状の木材破片の大きさによって、燻製時の燻煙の発生状態と時間をある程度調整できるというメリットがある。またスモークウッドは微粒粉砕された木材を圧縮し形成したもので少なくとも一辺に着火し火種ができると次第に燃え移り徐々に燻煙が発生するのだが、このスモークウッドは市販されたものはバー状の長方形立方体で形成されており、燻製時に使用時間に合わせて長さを調整し使うことができ、一度着火し燃えると自然に燻煙を発生させ加熱発火装置を使う必要がなくなるというメリットがある。
このように燻製の製造工程で燻製材料の組み合わせによって時間や温度また燻香を自由自在に調整でき、これまでの製造方法に拘ることなく好みによって無限の作り方を提供できるように、これまでにない燻製材料を開発し他の要素と利活用が可能な組み入合わせを構成することが目標となるようにすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして本発明は、上記目的を達成するために、燻製材料であるスモークチップ及びスモークウッドなどの木材からなる燻煙材を容器となるタンクに投入する。この燻製材料となるスモークチップ及びスモークウッドを製造する前の薪又は木材などの原木の状態を破砕切断又は微粒粉砕の加工後に、タンクである容器に入れて、酒、フルーツを用いたワイン、醤油などの発酵食品の製造過程において醪等の原材料を圧搾抽出し残存する搾り粕などの固形粕など発酵食品の製造工程で発生する醪、麹、フルーツ粕、酒粕などに水、及びアルコール等少なくとも1種以上の水溶液を用いて燻製材料である木材に水溶液を浸潤させ混合物とした第1工程、第1工程後タンク内の水分を排出する第2工程、排出されたタンク内に残存する燻製材料を天日又は加熱により水分を蒸発乾燥させる第3工程、を、経て燻製材料の素材に発酵食品の原材料のエキス及びフレーバーを加えた燻煙用の発酵食品スモーク材を生成することを目的とし、廃棄される発酵食品の粕を利活用することを可能としたものである。
【0010】
また、第2の解決手段は、燻製材料となるスモークチップ及びスモークウッドを製造する前の薪又は木材などの原木の状態を破砕切断又は微粒粉砕の加工後に、タンクである容器に入れて、焼酎、リキュール、ウィスキー、などの発酵食品の製造過程において発酵した原材料を蒸留抽出し、液状等の残存する醪等液状粕及び水溶粕など発酵食品の製造工程で発生する醪、麹、粕などの廃液を用いて燻製材料である木材に廃液を浸潤させ混合物とした第1工程、第1工程後タンク内の水分を排出する第2工程、排出されたタンク内に残存する燻製材料を天日又は加熱により蒸発乾燥させる第3工程、を、経て燻製材料の素材に発酵食品の原材料のエキス及びフレーバーを加えた燻煙用の発酵食品スモーク材を生成することを目的とし、廃棄される発酵食品の蒸留した液状粕の廃液を利活用することを可能としたものである。
【0011】
また、第3の解決手段は、発酵食品の原材料のエキス及びフレーバーを加えた燻製材料は、少なくとも1種類の成分から構成可能であって、複数の燻製材料と合わせて香りを変化させることが可能な燻製材料の製造方法を用いた燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【0012】
また、第4の解決手段は、燻製方法において用いる燻製材料は、少なくとも二種類以上のブレンド配合により複合的な香りから構成されるものであって、木材、又は料理に使用する調味料等、又はハーブ等の香草類、又は調理過程の食材及び調理済みの食材等を用いた混成する燻製材料も可能であって、混成する燻製材料は混成加配合した燻製材料に発火点に至る熱源を加え、その煙燃から発生する燻香の複合的なフレーバーミックス効果により香りの変化をもたらすことが可能となった燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【0013】
また、第5の解決手段は、細粉かした木材からなる燻製材料と、醪、麹、粕などの廃液及び搾り粕からなる水溶液と、糊などの粘度成分と、を、混合した後に、型枠などの形成部材を用いて型枠に流し込み、加圧及び自然風化の工程を経て、水分を脱水又は蒸発する加圧脱水の乾燥工程を経て、微粒粉の燻製材料を乾燥固形物とすることが可能となった燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【0014】
また、第6の解決手段は、燻煙用の発酵食品スモーク材は、加工時に使用する醪、麹、粕、および酒、焼酎、醤油など少なくとも1種以上の発酵食品のエキス及びフレーバーを燻製材料に加えることを可能とした燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【0015】
また、第7の解決手段は、燻煙用の発酵食品スモーク材は、加工時に使用する醪、麹、粕、および酒、焼酎、醤油など少なくとも1種以上の発酵食品のエキス及びフレーバーを燻製材料に加えることを可能とした燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【0016】
また、第8の解決手段は、廃液及び搾り粕は、少なくとも1種以上の水溶液で希釈し濃度調整することが可能な燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【0017】
また、第9の解決手段は、廃液及び搾り粕は、少なくとも1種以上の水溶液で希釈し濃度調整することが可能な燻煙用の発酵食品スモーク材である。
【発明の効果】
【0018】
上述したように本発明の燻製用の発酵食品スモーク材は、課題であった燻製材料の多様化と本来廃棄されるべき廃液や廃棄粕などを利活用するべく開発を試みたものであり、効果として発酵食品を製造する工程で発生する廃液は原液もまま使用可能で燻製材料の使用用途に応じて原液を水溶液などで希釈することも可能であって、燻香や燻製する食材にも少なからず燻煙に含有するエキス成分から隠し味となる食味の変化も現れることで好みの発酵食品からフレーバーを選ぶことができる。また廃棄粕も水溶液に溶かし発酵食品の成分を液状化することで廃液と同様の効果が得られる。
以上のように、燻製材料に発酵食品の原料のエキス成分やフレーバーを加え、燻煙の質をコントロールすることで食品に好みの風味を付与することが可能となったことに加えて、本来廃棄してしまう廃液または廃棄粕などの利活用によって環境問題にも少なからず貢献できることも発明の効果であり特徴である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態である燻製材料を製造するタンクの外観側面図
図2】同タンク内に燻製材料を投入する使用状況を示す側面断面図
図3】同タンク内に燻製材料と廃液を投入した使用状況を示す側面断面図
図4】同タンク内の廃液を排出した使用状況を示す側面断面図
図5】同タンク内に燻製材料を投入する使用状況を示す側面断面図
図6】同タンク内に燻製材料と廃液を投入した使用状況を示す側面断面図
図7】同タンク内の廃液を排出した使用状況を示す側面断面図
図8】同廃棄粕の液状化する使用状況を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図1図8に基づいて説明する。
【0021】
図において、1は本発明の燻製材料を製造するためのタンク、2はタンク1内に投入するスモークチップの燻製材料、3は同タンク1内に投入するスモークウッドの燻製材料、4はタンク1の燻製材料2及び燻製材料3に投入する廃液、5はタンク1で廃液4が燻製材料2及び燻製材料3に浸潤したのちにタンク1から廃液を排水するための排水口、6は発酵食品を製造する過程で出る搾り粕の固形粕、7は固形粕6をタンク1内で液体化するための水溶液である。
【0022】
図1は、タンク1とタンク1の内部に貯水された廃液4を排出するための排水口5を表している。
【0023】
図2図3図4において、図2はタンク1に貯水された廃液4に投入する燻製材料2であるスモークチップを表している。また図3はタンク1内に投入された燻製材料2が廃液4と混ざり合った状況を表している。また図4はタンク1内部の廃液4を排水口5から排出した使用状況を断面図で表した側面図である。
【0024】
図5図6図7において、図5はタンク1に貯水された廃液4に投入する燻製材料3であるスモークウッドを表している。また図6はタンク1内に投入された燻製材料3が廃液4と混ざり合った状況を表している。また図7はタンク1内部の廃液4を排水口5から排出した使用状況を断面図で表した側面図である。
【0025】
図8は、タンク1内部で固形粕6と水溶液7とを混ぜ合わせ廃液4と同様の液状化した水溶液7を生成する使用状況を表した側面図である。
【実施例1】
【0026】
以下、上記構成の実現を添付図面に従って1実施例として説明する。
図1から図8は、本発明のスモークチップ及びスモークウッドである燻製材料2、3と、発酵食品の生成において廃棄される廃液4及び搾り粕の固形粕6と水溶液7を混ぜ合わせて液状化した搾り粕からなる液体を混ぜ合わせて少なくとも数分から数時間又は数日に及ぶ時間をかけて、燻製材料2、3に廃液4及び搾り粕からなる液体を浸潤させて燻製材料2、3に発酵食品のエキスやフレーバーを付与した燻製材料2、3であり、新たな燻香の効果を実現するために用いた燻製材料製造用の容器のタンク1であり、1種又は2種以上の木材からなる燻製材料2、3の組み合わせと、1種又は2種以上の発酵食品の組み合わせから構成される燻香の調合は無限に生成可能であることをと特徴とした実施例である。
【0027】
また燻製材料2、3であるスモークチップ及びスモークウッドは1種又は2種以上の木材を使用するが、木材の中には発酵成分との化学反応で変化するものもあり、例えば柿に含まれるタンニンなどは柿の渋を緩和するために古来より酒、焼酎などのアルコール成分でタンニン特有の渋を抑えることで柿に甘味を強調させることができるということが分かっており、干し柿などは渋柿の渋を無くすために使われてきた手法であるということから柿の木を燻製材料2、3に用いる場合、柿の木質にタンニン抑制の効果が表れ燻煙にもその効果が表れる点や、また他の木材を用いても同様に本来の木材の成分に化学反応を起こして燻煙の成分やフレーバーに変化を齎す効果が考えられる点も特徴の一つである実施例。
【0028】
燻製を製造する際に重要なことは、温度と湿度の管理であり、燻製材料2、3の乾燥状態も燻製を作る際に重要な要因になってくる。出来るだけ燻製器内部の温度は一定を保ち、湿度もできるだけ乾燥状態に近づけることが燻製製造過程において大きく影響してくるので、燻製する食材は水分保有量と乾燥状態の程度を十分に見極めることが大事であり燻製する前工程で食材の乾燥を十分に行う必要がある。特に熱燻は高温度で焼き上げるグリル状態での燻製になるので食材が縮み水分が噴出するので適宜食材の水分を拭き取り食材表面は乾燥状態にしなければ苦み、エグミ、酸味となり燻製が失敗する恐れがあるので、湿度管理は徹底しなければ燻製自体が成功しなくなる可能性がある。 このことを踏まえ一度廃液4や水溶液につけた燻製材料2、3は十分な乾燥が必要になってくるという実施例である。
【0029】
本発明の発酵食品を燻製材料2、3に応用する技法は、燻製材料に2、3に発酵食品の液状化したものを燻製材料2、3の木材に浸潤させ当該木材と発酵食品のエキス成分やフレーバーによって味や風味の変化を求めたのであるが、燻製材料2、3の製造段階において、本発明は、タンク1内で木材と発酵食品の原料とを混合物として生成する方法であり液状化した発酵食品を排出して残存する燻製材料2、3に乾燥工程を加えて製造する工程が基本となるが、乾燥工程には他の手法として、タンク1の容器内の水分を自然に蒸発させる手法を用いることも可能であって、又、廃液などを排出せずに液状化したままタンク1を高温加熱で水分を蒸発させることも可能であって、又タンク1内から燻製材料2、3の燻製材料2、3の木材のみを取り出して分離乾燥することも可能であって、又冷凍による乾燥の技術フリーズドライ製法なども可能であることなど多様な製造方法も考えられることを表す実施例である。
【0030】
発酵食品には、搾り粕や廃液4を排出しないものもあり、例えば味噌や納豆、糠漬けの糠、ヨーグルトなどの植物性及び動物性の、少なくとも1種以上の乾燥した発酵食品を用いて燻製材料2、3に混ぜ合わせる方法もある。また果物などからなるワインやリキュールなどの原材料である果物粕も搾り粕を水溶液に混ぜて液体化する方法と、搾り粕自体を乾燥させて燻製材料2、3と一緒に発火させて燻煙を発生させる方法などもあり、組み合わせは自在にあり、好みによってレシピを作成できることを特徴としている実施例である。
【0031】
本発明の特徴は、従来の燻製材料2、3である薪又は木材からなるスモークチップ及びスモークウッドの燻製材料2、3に、本来廃棄されてしまう発酵食品の製造過程で出る搾り粕及び廃液4などを用いて新たな燻製技術として確立できたことである。つまり、これまでは廃棄物として処理する方法として、農業で使用する肥料、又は水産養殖及び畜産で使用する飼料、又はバイオマスの原材料などがあるが、今日の環境問題の規制により投棄、海洋放出ができなくなったことでその処理方法は課題であり、利活用も含めて新たな技術が求められたことに着想を得て開発に至ったもので、発酵食品の商品及び商品を製造する段階で発生する廃棄物と燻製技術の融合は食の進化に大いに貢献する技術であるという1実施例を述べおく次第である。
【0032】
以上のことを実施例として述べたが、この発明の重要な点は燻製材料2、3にこれまで廃棄されていた廃液4や搾り粕などを利活用することで環境にも配慮した技術を確立でき燻製技術に多くの可能性を齎し、これまでになかった燻製を作ることが出来るようになったことで料理や調理又は食品や食材に多用性を齎すことができたにより燻製の用途や可能性を広げることが出来るようになったことを特徴とした実施例である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、新たな燻製技術の確立と、発酵食品の製造に伴い発生する廃棄物の処理に新たなリサイクル資源としての利活用を提案するものであり、発酵食品製造業をはじめ料理や食品に関連する業態、及び間伐材の新たな商品化など農林関係の業態、及び廃棄物処理の削減や利活用など環境に関する業態などの産業に利用できる技術である。
【符号の説明】
【0034】
1 タンク
2 燻製材料(スモークチップ)
3 燻製材料(スモークウッド)
4 廃液
5 排水口
6 固形粕
7 水溶液
【要約】
【課題】従来の燻製材料は限られた木材からなるもので、燻製材料に新たな香りを付与するためにこれまでにない原料との組み合わせを開発するべく、燻製材料と発酵食品との融合を実現することが求められた。
【解決手段】本発明は、本来廃棄処分される廃液及び搾り粕を燻製材料に付与するための製法であり、発酵食品を燻製の製造に応用することに加え、環境問題についても解決の一助となるべく提案するものである。

【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8