【文献】
Shih-Kang Fan et al.,Cross-scale electric manipulations of cells and droplets by frequency-modulated dielectrophoresis and electrowetting,Lab on a Chip,英国,2008年 8月 1日,Vol.8, No.8,1325-1331,URL,www..rsc.org/loc
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液滴を移動させるステップが、前記第1の組のEWデバイスと前記第2の組のEWデバイスとの間に配置された前記DEPデバイスの1つの外側表面の上で前記液滴の一部を移動させるステップを含む、請求項20に記載の方法。
前記第2のエレクトロウェッティング表面の前記濡れ特性を変化させるステップが、前記第2のエレクトロウェッティング表面の疎水性を一時的に減らすステップを含む、請求項22に記載の方法。
前記第2のエレクトロウェッティング表面の前記濡れ特性を変化させるステップが、前記第2のエレクトロウェッティング表面を疎水性から親水性に一時的に変化させるステップを含む、請求項22に記載の方法。
前記微小物体を移動させる前記ステップが、前記微小物体を前記第1の外側表面から前記EWデバイスの隣接する1つのエレクトロウェッティング表面を横切って前記第2の外側表面へ移動させるステップを含む、請求項20に記載の方法。
前記チャンバの構造境界が、前記第1の外側表面と、前記第2の外側表面と、前記第1のエレクトロウェッティング表面と、前記第2のエレクトロウェッティング表面とを含む、
請求項20に記載の方法。
前記分離するステップが、前記液滴の前記第1の部分を、前記第1の組の前記DEPデバイスの前記第1の外側表面および前記第1の組のEWデバイスの前記第1のエレクトロウェッティング表面を含む第1の位置から、第2の組の前記DEPデバイスの第2の外側表面および前記第2の組の前記EWデバイスの前記第2のエレクトロウェッティング表面を含む第2の位置へ移動させるステップを含む、請求項28に記載の方法。
前記液滴の前記第1の部分を分離するステップが、前記液滴の前記第1の部分内に配置された微小物体の第1の群が、前記液滴の前記第1の部分とともに前記第1の位置から前記第2の位置へ移動することを含む、請求項29に記載の方法。
前記液滴の前記第1の部分を分離する前記ステップの前に、前記液滴内の微小物体のより大きい群から微小物体の前記第1の群を選択するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0023] 本明細書は、本発明の例示的な実施形態および応用例について説明する。しかし本発明は、これらの例示的な実施形態および応用例に限定されるものではなく、または例示的な実施形態および応用例が本明細書で動作するもしくは説明される方法に限定されるものでもない。さらに、図は、簡略化されたまたは部分的な図を示し、図中の要素の寸法は、強調されていることがあり、またはその他の形で原寸に比例していないことがある。加えて、「上(on)」、「取り付けられる(attached to)」、または「結合される(coupled to)」という用語が本明細書で使用されるとき、1つの要素(たとえば、材料、層、基板など)が別の要素「上(on)」に位置する、「取り付けられる(attached to)」、または「結合される(coupled to)」ことが可能であり、これは一方の要素が直接他方の要素上に位置し、取り付けられ、または結合されるか、それとも一方の要素と他方の要素との間に1つまたは複数の介在要素が存在するかにかかわらず可能である。また、方向(たとえば、上(above)、下(below)、頂部(top)、底部(bottom)、側(side)、上(up)、下(down)、下(under)、上(over)、上部(upper)、下部(lower)、水平(horizontal)、垂直(vertical)、「x」、「y」、「z」など)は、提供される場合、相対的であり、限定のためではなく、例示のみを目的として、説明および議論を簡単にするために提供される。加えて、要素のリスト(たとえば、要素a、b、c)を参照するとき、そのような参照は、列挙された要素のいずれか1つのみ、列挙された要素のすべてではないがいくつかの任意の組合せ、および/または列挙された要素のすべての組合せを含むことが意図される。図面および明細書全体にわたって、同じ参照番号を使用して同じ要素を参照する。
【0008】
[0024] 本明細書では、「実質的に(substantially)」は、意図される目的を果たすのに十分であることを意味する。したがって、「実質的に」という用語は、全体的な性能に明らかに影響を及ぼすものを除いて、当業者には予期されるような絶対または完全な状態、寸法、測定、結果などからの取るに足らない軽微な変動を許容する。数値もしくはパラメータ、または数値として表すことができる特徴に対して使用されるとき、「実質的に」とは、10パーセントの範囲内であることを意味する。「ones」という用語は、2つ以上であることを意味する。
【0009】
[0025] 本明細書では、「微小物体」という用語は、微小粒子、マイクロビーズ(たとえば、ポリスチレンビーズ、Luminex(商標)ビーズなど)、磁性もしくは常磁性ビーズ(たとえば、固相可逆的固定(SPRI)ビーズ)、マイクロロッド、マイクロワイヤ、量子ドットなどの無生物の微小物体、細胞(たとえば、胚、卵母細胞、精子、組織から解離された細胞、血液細胞、ハイブリドーマ、培養細胞、細胞系からの細胞、癌細胞、感染細胞、トランスフェクトおよび/もしくは形質転換細胞、レポータ細胞など)、リポソーム(たとえば、合成もしくは膜画分から導出)、脂質ナノラフトなどの生物の微小物体、または無生物の微小物体および生物の微小物体の組合せ(たとえば、細胞に取り付けられたマイクロビーズ、リポソームで被覆されたマイクロビーズ、リポソームで被覆された磁性ビーズなど)の1つまたは複数を包含することができる。脂質ナノラフトは、たとえば、Ritchieら(2009)、「Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bilayer Nanodiscs」、Methods Enzymol.、464:211〜231に記載されている。
【0010】
[0026] 本明細書では、「細胞」という用語は生物細胞を指し、植物細胞、動物細胞(たとえば、哺乳類細胞)、細菌細胞、真菌細胞などとすることができる。哺乳類細胞は、たとえば、ヒト、マウス、ネズミ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、雌牛、霊長類などとすることができ、卵母細胞、精子、胚、血液細胞、免疫細胞、大食細胞、NK細胞、T細胞、B細胞、ハイブリドーマ、癌細胞、幹細胞、正常細胞、感染細胞(たとえば、ウイルスまたは他の寄生生物に感染)、組織から解離された細胞、培養細胞、細胞系からの細胞、トランスフェクトおよび/または形質転換細胞、レポータ細胞などの細胞型のいずれかを含むことができる。
【0011】
[0027] 本明細書では、「比較的高い導電率」という語句は、「比較的低い電気インピーダンス」という語句と同義に使用され、これらの語句は交換可能である。同様に、「比較的低い導電率」という語句は、「比較的高い電気インピーダンス」という語句と同義に使用され、これらの語句は交換可能である。
【0012】
[0028] 「流体回路」は、1つまたは複数の流体構造(たとえば、チャンバ、チャネル、ペン、リザーバなど)を意味し、これらは相互接続することができる。「流体回路フレーム」は、流体回路のすべてまたは一部を画定する1つまたは複数の壁を意味する。液体媒質の「液滴」は、単一の液滴、または単一量の液体媒質をともに形成する複数の液滴を含む。
【0013】
[0029] 本発明のいくつかの実施形態は、マイクロ流体装置内のチャンバまたは他の流体構造の1つまたは複数の構造境界(たとえば、床、天井、および/または側面)を含む構造を含む。構造は、それぞれ外側表面を有する1つまたは複数の誘電泳動(DEP)部と、それぞれエレクトロウェッティング表面を有する1つまたは複数のエレクトロウェッティング(EW)部とを含むことができる。境界は、DEP部の外側表面と、EW部のエレクトロウェッティング表面とを含むことができる。DEP部は、DEP部の外側表面に対して正味DEP力を生成して、微小物体を(たとえば、外側表面に対して略平行の方向に)移動させることを容易にすることができ、EW部は、エレクトロウェッティング表面の濡れ特性を変化させて、液体媒質の液滴を移動させることを容易にすることができる。そのような構造は、マイクロ流体装置の一部とすることができ、したがって、DEP部の外側表面に対して微小物体を操作する能力と、EW部のエレクトロウェッティング表面上で媒質の液滴を操作する能力との両方を、1つのマイクロ流体装置内に提供することができる。
【0014】
[0030]
図1は、DEP部122およびEW部126の両方を含む構造104を含むことができるマイクロ流体装置100の一例を示す。また、装置100の動作を制御する制御機器132の例も示す。装置100は、多くの異なる方法で物理的に構築することができるが、
図1に示す例では、装置100は、構造104(たとえば、基礎)と、流体回路フレーム108と、カバー110とを含む筐体102を含むものとして示されており、これらが流体チャンバ112を画定し、流体チャンバ112内に1つまたは複数の液体媒質を配置することができる。
【0015】
[0031] 上述したように、構造104は、1つまたは複数のDEPで構成されたセクション122(以下、「DEP部」)と、1つまたは複数のEWで構成されたセクション126(以下、「EW部」)とを含むことができる。各DEP部122は、外側表面124を含むことができ、外側表面124上に配置された液体媒質(
図1には図示せず)中の微小物体(
図1には図示せず)にかかる正味DEP力を一時的に生じさせるように構成することができる。いくつかの実施形態では、外側表面124は、親水性とすることができる。各EW部126は、エレクトロウェッティング表面128を含むことができ、エレクトロウェッティング表面128またはエレクトロウェッティング表面128の一領域の濡れ特性を一時的に変化させるように構成することができる。たとえば、エレクトロウェッティング表面128は、疎水性とすることができるが、EW部126は、エレクトロウェッティング表面128の疎水性に少なくとも部分的に反対に作用するクーロン力をエレクトロウェッティング表面128に生じさせるように構成することができ、これは、エレクトロウェッティング表面128上に位置する水性媒質の液滴によって観察される。
【0016】
[0032]
図1は、1つの比較的大きいDEP部122を含み、DEP部122内に複数のEW部126が配置されるものとして構造104を示すが、これはほんの一例である。別の例として、構造104は、1つの比較的大きいEW部126(たとえば、
図1のDEP部122の代わり)と、複数のDEP部122(たとえば、
図1のEW部126の代わり)とを含むことができる。さらに別の例として、構造104は、複数のDEP部122と、複数のEW部126とを含むことができる。
【0017】
[0033] とにかく、構造104は、流体回路フレーム108によって画定された流体回路の1つまたは複数の流体部分の1つまたは複数の構造境界106(たとえば、床、天井、および/または側面)を含むことができる。
図1に示す例では、構造境界106は、チャンバ112の床とすることができる。構造境界106は、DEP部122の外側表面124と、EW部126のエレクトロウェッティング表面128とを含むことができる。したがって、構造104の構造境界106は、1つまたは複数のDEP部122の1つまたは複数の外側表面124と1つまたは複数のEW部126の1つまたは複数のエレクトロウェッティング表面128との複合表面とすることができる。
【0018】
[0034] 外側表面124およびエレクトロウェッティング表面128は、実質的に平行とすることができる。いくつかの実施形態では、外側表面124およびエレクトロウェッティング表面128はまた、実質的に同じ平面内に位置することができ(たとえば、
図1および
図8に示す)、したがって構造104の構造境界106は、実質的に平面とすることができる。他の実施形態では、外側表面124およびエレクトロウェッティング表面128は、同じ平面内に位置しないが、それにもかかわらず実質的に平行とすることができる(たとえば、
図7に示す例)。
【0019】
[0035] 各DEP部122(したがって、各外側表面124)および各EW部126(したがって、各エレクトロウェッティング表面128)は、任意の所望の形状を有することができる。さらに、DEP部122(したがって、外側表面124)およびEW部126(したがって、エレクトロウェッティング表面128)は、任意の所望のパターンで配置することができる。
図11(以下に論じる)は、構造104が交互のパターン(たとえば、チェッカ盤パターン)で配置された複数のDEP部122および複数のEW部126を含む一例を示す。
【0020】
[0036]
図1に示すように、構造104上(たとえば、構造104の境界106上)に流体回路フレーム108を配置することができ、流体回路フレーム108の上にカバー110を配置することができる。構造104の境界106が底部であり、カバー110が頂部であるとき、流体回路フレーム108は、たとえば相互接続された流体チャンバ、チャネル、ペン、リザーバなどを含む流体回路を画定することができる。
図1に示す例では、流体回路フレーム108はチャンバ112を画定し、構造104の境界106は、たとえばチャンバ112の下部境界とすることができる。構造104は、装置100の底部を含むものとして
図1に示され、カバー110は頂部として示されているが、構造104を頂部とすることができ、カバー110を装置100の底部とすることもできる。やはり図示のように、チャンバ112は、1つまたは複数の入口114と、1つまたは複数の類似の出口(図示せず)とを含むことができる。
【0021】
[0037] 構造104は、たとえば、基板、または複数の相互接続された基板を含むことができる。たとえば、構造104は、半導体基板、プリント回路基板などを含むことができる。流体回路フレーム108は、可撓性または通気性とすることができる材料を含むことができる。別法として、材料は、可撓性および/または通気性とする必要はない。回路フレーム108が含むことができる材料の好適な例には、ゴム、プラスチック、エラストマー、シリコン、フォトパターナブルシリコン(PPS)、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)などが含まれる。カバー110は、流体回路フレーム108の一体部分とすることができ、またはカバー110は、構造的に別個の要素(
図1に示す)とすることができる。カバー110は、流体回路フレーム108と同じ材料または流体回路フレーム108とは異なる材料を含むことができる。したがって、カバー110は、上記で論じたように、可撓性材料から作ることができ、または可撓性材料を含むことができる。別法として、カバー110は、硬質材料(たとえば、ITO被覆ガラスを含むガラス)から作ることができ、または硬質材料を含むことができる。とにかく、カバー110および/または構造104は、光に対して透過性とすることができる。
【0022】
[0038]
図1はまた、マイクロ流体装置100とともに利用することができる制御機器132の例を示す。そのような制御機器132の例は、マスタコントローラ134と、構造104のDEP部122のDEPデバイス120がその一部であるDEPデバイス120を制御するDEPモジュール142と、構造104のEW部126のEWデバイス130がその一部であるEWデバイス130を制御するEWモジュール144とを含む。制御機器132はまた、それだけに限定されるものではないがマイクロ流体装置100との間の流体の流れを制御することを含む他の機能を制御、監視、または実行する他のモジュール140を含むことができる。
【0023】
[0039] マスタコントローラ134は、制御モジュール136およびデジタルメモリ138を含むことができる。制御モジュール136は、たとえば、メモリ138内に記憶された機械実行可能命令(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコードなど)に従って動作するように構成されたデジタルプロセッサを含むことができる。別法または追加として、制御モジュール136は、ハードワイヤード式のデジタル回路および/またはアナログ回路を含むことができる。DEPモジュール142、EWモジュール144、および/または他のモジュール140も同様に構成することができる。したがって、装置100に対して実行されるものとして本明細書に論じる方法の機能、方法、行為、動作、またはステップは、上記で論じたように構成されたマスタコントローラ134、DEPモジュール142、EWモジュール144、または他のモジュール140の1つまたは複数によって実行することができる。
【0024】
[0040]
図1にやはり示すように、電気バイアスデバイス118を装置100に接続することができる。電気バイアスデバイス118は、たとえば、1つまたは複数の電圧源または電流源を含むことができる。
【0025】
[0041]
図1に見ることができるように、構造104の各DEP部122は、DEP部122の外側表面124上の液体媒質(
図1には図示せず)中の微小物体(
図1には図示せず)にかかる正味DEP力を一時的に生成するように筐体102内に構築された異なるDEPデバイス120の一部とすることができる。バイアスデバイス(たとえば、
図2の206)の周波数、液体媒質(たとえば、
図2の222)および/または微小物体(たとえば、224、226)の誘電特性などの特徴に応じて、DEP力は、近傍の微小物体を引き付ける、またははね返すことができる。同様に、構造104の各EW部126は、EW部126のエレクトロウェッティング表面128またはエレクトロウェッティング表面128の一領域の濡れ特性を一時的に変化させるように筐体102内に構築された異なるEWデバイス130の一部とすることができる。
【0026】
[0042]
図2Aおよび
図2B(
図1の筐体102の部分的な横断面側面図を示す)は、DEPデバイス120の一例を示す。
図1のDEPデバイス120およびあらゆる図(たとえば、
図11)の各DEPデバイス120は、
図2Aおよび
図2Bに示すDEPデバイス120またはその任意の変形形態(たとえば、
図3もしくは
図4に示す)と同様に構成することができる。
【0027】
[0043] 図示のように、DEPデバイス120は、バイアス電極202と、切換可能要素212と、他方のバイアス電極204(第1の電極または第2の電極の一例とすることができる)とを含むことができる。バイアス電極202は、カバー110の一部とすることができ、切換可能要素212および他方のバイアス電極204は、構造104の一部とすることができる。別法として、バイアス電極202もまた、構造104の一部とすることができる。チャンバ112は、バイアス電極202と切換可能要素212との間に位置することができ、切換可能要素212は、チャンバ112と他方のバイアス電極204との間に位置することができる。チャンバ112は、第1の液体媒質222を含むものとして
図2Aに示されており、第1の液体媒質222中に微小物体224、226(2つを示すが、より多くてもよい)が配置される。図示のように、外側表面124は、切換可能要素212の外側表面とすることができる。別法として、切換可能要素212の表面上に材料層(図示せず)を配置することができ、その材料層の外側表面124が、外側表面124を構成することもできる。上述したように、外側表面124は、親水性とすることができる。外側表面124が含むことができる好適な材料には、シリコン(たとえば、非晶質シリコンまたは結晶シリコンであり、ドーパントを含むこともできる)、酸化ケイ素、これらの組合せなどが含まれる。外側表面124が切換要素212自体の外側表面であるか、それとも切換要素212上に配置された材料層(たとえば、被覆)(図示せず)の外側表面であるかにかかわらず、切換要素212は、外側表面124と電極204との間に配置されるということができる。
【0028】
[0044] 電極202、204には、第1の電源206(
図1のバイアスデバイス118の一部とすることができる)を接続することができる。第1の電源206は、たとえば、交流(AC)電圧または電流源とすることができる。第1の電源206は、電極202、204間に略均一の電界を生じさせることができ、切換要素212が非活動モードにあるときは、チャンバ112内の電界が弱くなり、その結果、DEP部122の外側表面124上の媒質222中の各微小物体224、226にかかるDEP力は無視できるほどになる。
【0029】
[0045] 切換可能要素212が非活動(たとえば、開放)モードにあるとき、切換可能要素212の電気インピーダンスは、チャンバ112内の媒質222の電気インピーダンスより大きくすることができ、それにより、第1の電源206によるバイアス電極202から他方のバイアス電極204への切換可能要素212の両端間の電圧降下は、媒質222の両端間の電圧降下より大きくなる。しかし、
図2Bに示すように、切換可能要素212は、活動(たとえば、閉鎖)モードで構成することができ、その間、切換可能要素212の外側表面124に位置または隣接する領域230から他方のバイアス電極204への低インピーダンス経路232(たとえば、導電性経路)が一時的に生じる。低インピーダンス経路232の電気インピーダンスは、媒質222の電気インピーダンスより小さくすることができる。言い換えれば、第1の電源206によるバイアス電極202から領域230への媒質222の両端間の電圧降下は、低インピーダンス経路232を通って領域230から他方のバイアス電極204への電圧降下より大きくなり得るが、それと異なって、切換可能要素212の両端間(すなわち、領域230から離れる方へ)の電圧降下は、媒質222の両端間の電圧降下より概して大きいままである。これは、領域230近傍で媒質222内の電界を変えることができ、それにより近傍の微小物体224にかかる正味DEP力Fを生じさせることができる。上述したように別法として近傍の微小物体224を引き付ける、またははね返すように構成することができる力Fは、外側表面124上の微小物体224を移動させるのに十分なものとすることができる。表面124上の複数の領域230を順次活動化および非活動化させることによって、微小物体224を表面124に沿って移動させることができる。
図12Aに関してより詳細に論じるように、微小物体224はまた、1つのDEP部122の外側表面124から別のDEP部122の外側表面124へ移動させることができる。
【0030】
[0046]
図2Aおよび
図2Bに示す切換可能要素212の例では、切換可能要素212は、光ビーム242で直接照射されたときを除いて比較的高い電気インピーダンスを有する光導電性材料(たとえば、非晶質シリコン)を含むことができる。図示のように、外側表面124上に位置または隣接する比較的小さい領域230上へ誘導された狭い光ビーム242は、切換可能要素212のうち照射された部分のインピーダンスを著しく低減させ、それによって低インピーダンス経路232を生じさせることができる。切換可能要素212のそのような実施形態では、所望の位置に光ビーム242を誘導することによって、切換可能要素212の表面124上の任意の位置に位置または隣接する任意の領域230から他方のバイアス電極204への低インピーダンス経路232を生じさせることができる。光242は、
図2Bに示すように底部から、かつ/または上から(図示せず)、したがって電極202および第1の媒質222を通って、誘導することができる。
【0031】
[0047]
図3は、DEPデバイス120の別の例300を示す。すなわち、
図3の例示的なDEPデバイス300は、あらゆる図におけるDEPデバイス120の任意の例に取って代わることができる。
【0032】
[0048] 図示のように、光導電性材料を含むのではなく、
図3のDEPデバイス120の切換可能要素212は、切換要素212の表面124上に位置または隣接する固定の領域330をバイアス電極204に電気的に接続するために一時的に活動化させることができる1つまたは複数(6つを示すが、より少なくても多くてもよい)のスイッチ302を含む。したがって、スイッチ302を活動化させることで、切換可能要素212の表面124上に位置または隣接する固定の領域330から他方のバイアス電極204への低インピーダンス電気経路(
図2Bの経路232と同様)を生じさせることができる。他の点では、DEPデバイス120は、
図2BのDEPデバイス120と同様とすることができ、符号が付与された同様の要素は同じとすることができる。
【0033】
[0049]
図3には、表面124の複数の比較的小さい領域330を電極204に接続する複数のスイッチ302が示されている。そのような実施形態では、対応するスイッチ302を活動化させることによって、領域330のいずれかから電極204への
図2Bの経路232と同様の低インピーダンス電気経路を一時的に生じさせることができる。そのような実施形態では、正味DEP力F(
図2B参照)を個々の領域330または領域330の部分集合に対して選択的に生じさせることができる。別法として、表面124を電極204に接続する1つのスイッチ302が存在してもよい。そのような実施形態では、表面124は1つの領域330であり、スイッチ302を活動化させることで、本質的に表面124全体に対して正味DEP力を一時的に生じさせることができる。
【0034】
[0050] 各スイッチ302は、スイッチ302を活動化(たとえば、閉鎖)および非活動化(たとえば、開放)させる制御部304を含むことができる。スイッチ302は、任意の方法で制御することができる。たとえば、スイッチ302は、制御部304にあたる光ビームの有無によって制御することができる。別の例として、スイッチ302は、制御部304上へ光ビームを誘導することによってトグル式に切り換えることができる。さらに別の例として、スイッチ302は、光制御式ではなく、電子制御式とすることができる。したがって、スイッチ302は、別法として、制御部304へ制御信号を提供することによって制御することができる。
【0035】
[0051]
図4は、
図3のスイッチ302の例示的な構成を示す。
図4に示す例では、切換可能要素212は、半導体材料を含むことができ、各スイッチ302は、切換要素212の半導体材料内に一体化されたバイポーラトランジスタ(BJT)410とすることができる。たとえば、図示のように、各バイポーラトランジスタ410は、外側表面124に位置する第1の領域402と、バイアス電極204に接触する第2の領域406と、制御領域404とを含むことができる。バイポーラトランジスタ410は、制御領域404が活動化されたときのみ、第1の領域402が第2の領域406に電気的に接続されて、表面124の固定の領域330からバイアス電極204への低インピーダンス電気経路(
図2Bの経路232と同様)を生じさせるように構成することができる。
【0036】
[0052] いくつかの実施形態では、各バイポーラトランジスタ410は、光ビームによって活動化および非活動化させることができる。たとえば、各バイポーラトランジスタ410はフォトトランジスタとすることができ、フォトトランジスタの制御領域404は、光ビームの有無によって活動化または非活動化させられる。別法として、各トランジスタの制御領域404は、ハードワイヤード式とすることができ、したがって電子的に活動化および非活動化させることができる。
【0037】
[0053] 切換要素212の本体、したがって各バイポーラトランジスタ410の第2の領域406は、第1の型のドーパント(たとえば、nまたはp型ドーパント)でドープすることができ、第1の領域402もまた、第1の型のドーパントでドープすることができる。しかし、制御領域404は、第2の型のドーパント(たとえば、pまたはn型ドーパントの他方)でドープすることができる。各トランジスタ410の第1の領域402は、電荷キャリアのソースまたはシンク(すなわち、正孔または電子のいずれか)となるように構成することができ、切換要素212の本体、したがって各トランジスタ410の第2の領域406は、電荷キャリアに対するシンクまたはソースの他方となるように構成することができる。したがって、たとえば、第1の領域402をエミッタまたはコレクタとすることができ、第2の領域406をコレクタまたはエミッタの他方とすることができ、制御領域404をトランジスタ410のベースとすることができる。
【0038】
[0054]
図3のスイッチ302は、別法として、電界効果トランジスタ(FET)として構成することができる。各FETに対して、ソースまたはドレインを提供する第1の領域と、ドレインまたはソースの他方を提供する第2の領域と、トランジスタをゲート制御する制御領域とが位置することができる。
【0039】
[0055]
図4にやはり示すように、切換要素212内でBJTトランジスタ410間に隔離障壁408を配置することができる。同様に、隔離障壁は、切換要素212内のFETトランジスタ(図示せず)を分離することができる。隔離障壁408は、たとえば、切換要素212内にトレンチを構成することができ、トレンチは、切換可能要素で充填することができる。
【0040】
[0056]
図2A〜4に示すDEPデバイス120、300は、装置100内のDEPデバイス120の可能な構成の例にすぎない。概して、DEPデバイス120は、光電子ピンセット(OET)デバイスとすることができ、その例は、それぞれの内容が全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,612,355号(現在は第RE44,711号)、米国特許第7,956,339号、および米国特許出願公開第2014/0124370号に開示されている。DEP部の他の例には、あらゆる種類の電子制御式の電子ピンセットが含まれ、その一例は、内容が全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,942,776号に開示されている。
【0041】
[0057]
図5Aおよび
図5B(
図1の筐体102の部分的な横断面側面図を示す)は、EWデバイス130の一例を示す。
図1(またはあらゆる他の図(たとえば、
図11))の各EWデバイス130は、
図5Aおよび
図5Bに示すEWデバイス130またはその任意の変形形態(たとえば、
図6に示す)と同様に構成することができる。
【0042】
[0058] 図示のように、EWデバイス130は、バイアス電極502と、誘電体材料514と、切換可能要素512と、別のバイアス電極504(第1または第2の電極の一例とすることができる)とを含むことができる。バイアス電極502は、カバー110の一部とすることができ、誘電体材料514、切換可能要素512、および他方のバイアス電極504は、構造104の一部とすることができる。別法として、バイアス電極502もまた、構造104の一部とすることもできる。チャンバ112は、バイアス電極502と誘電体材料514との間に位置することができ、切換可能要素512は、誘電体材料514とバイアス電極504との間に配置することができる。チャンバ112は、第3の液体媒質522中に第2の液体媒質の液滴524を含むものとして
図5Aに示されている。第1の液体媒質222(
図2A参照)、第2の液体媒質、および第3の液体媒質522は、多くのタイプの媒質のいずれかとすることができる。たとえば、液滴524の第2の媒質は、水、水性緩衝液(たとえば、リン酸緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)緩衝液など)、水溶液(たとえば、1つまたは複数の可溶性活性剤を含有する)、細胞培養培地などの水性媒質とすることができる。第2の媒質は、第3の媒質522中で不混和性とすることができる。したがって、たとえば、第3の媒質522は、油性の媒質を含むことができる。好適な油の例には、フッ素化油などのガス浸透性油が含まれる。過フッ化炭化水素を基剤とする油も、好適な油の例である。別の例として、第1の媒質222および液滴524の第2の媒質は、同じタイプの水性媒質などの媒質とすることができる。
【0043】
[0059] 誘電体層514は、親水性材料および/または疎水性材料を含むことができる。親水性材料は、たとえば、酸化ケイ素(SiO
2)、酸化アルミニウム(Al
3O
2)、などとすることができる。疎水性材料は、たとえば、疎水性ポリマー(たとえば、CYTOPなどのパーフルオロポリマー、またはパリレンなどのポリ(p-キシリレン)ポリマー)とすることができる。誘電体材料514の外側表面として示すが(たとえば、誘電体材料514の外側表面が疎水性であった場合に適しているはずである)、エレクトロウェッティング表面128は、代わりに、誘電体材料514上に配置された材料の外側表面(たとえば、被覆)(図示せず)とすることができる。そのような被覆は、疎水性とすることができる。たとえば、被覆は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、別称はDupont(商標)によるTeflon(登録商標))などの疎水性ポリマーを含むことができる。とにかく、誘電体材料514は、エレクトロウェッティング表面128と切換要素512との間に位置するということができる。
【0044】
[0060] 図示のように、電極502、504には、第2の電源506(
図1のバイアスデバイス118の一部とすることができる)を接続することができる。第2の電源506は、たとえば、交流(AC)電圧または電流源とすることができる。第2の電源506は、電極502、504間に略均一の電界を生じさせることができ、その結果、切換要素212が非活動(たとえば、開放)モードにあるときは、エレクトロウェッティング表面128の濡れ特性の変化は無視できるほどになり、したがってEW部126のエレクトロウェッティング表面128上の液滴524の接触角度の変化も無視できるほどになる。
【0045】
[0061] 切換可能要素512が非活動(たとえば、開放)モードにある位置で、切換可能要素512の電気インピーダンスは、誘電体材料514のインピーダンスより大きくすることができ、それにより、第2の電源506によるバイアス電極502から他方のバイアス電極504への切換可能要素512の両端間の電圧降下は、誘電体材料514の両端間の電圧降下より大きくなる。
図5Bに示すように、切換可能要素512は、選択された領域において活動(たとえば、閉鎖)モードで構成することができ、それによって切換可能要素512と誘電体材料514との間のインターフェースにおける領域528から他方のバイアス電極504への低インピーダンス経路532(たとえば、導電性経路)を一時的に生じさせる。低インピーダンス経路532の電気インピーダンスは、誘電体材料514のインピーダンスより小さくすることができる。したがって、切換可能要素512が活動モードにあるとき、第2の電源506による誘電体材料514の両端間の電圧降下は、低インピーダンス経路532を通って領域528から他方のバイアス電極504への電圧降下より大きくなり得るが、切換可能要素512の他の部分(たとえば、領域528以外の部分)の両端間の電圧降下は、誘電体材料514の両端間の電圧降下より大きいままである。これは、領域528近傍で電極502、504間の電界を変えることができ、それにより表面128のうち領域528に隣接する領域530におけるエレクトロウェッティング表面128の濡れ特性を変化させることができる。たとえば、上記は、領域530におけるエレクトロウェッティング表面128の濡れ特性を増大させることができ、それにより液滴524は領域530へ移動することができる(M)。上述したように、エレクトロウェッティング表面128は、疎水性とすることができるが、低インピーダンス経路532を生じさせることで、エレクトロウェッティング表面128の疎水性に少なくとも部分的に反対に作用するクーロン力をエレクトロウェッティング表面128に一時的に生成することができ、これは、エレクトロウェッティング表面128上に位置する水性媒質の液滴によって観察される。エレクトロウェッティング表面128に沿って領域530を順次活動化および非活動化させることによって、液滴524をエレクトロウェッティング表面128に沿って移動させることができる。
図12A〜12Cに関してより詳細に論じるように、液滴524はまた、1つのEWデバイス130のエレクトロウェッティング表面128から別のEWデバイス130のエレクトロウェッティング表面128へ移動させることができる。
【0046】
[0062] 切換可能要素512は、
図2Aおよび
図2Bの切換可能要素212を構成することができる方法のいずれかで構成することができる。たとえば、
図5Aおよび
図5Bに示す切換可能要素512は、直接光ビーム542で照射されたときを除いて比較的高い電気インピーダンスを有する光導電性材料(たとえば、非晶質シリコン)を含むことができる。
図5Bに示すように、領域528上へ誘導された狭い光ビーム542は、切換可能要素512のうち照射された部分のインピーダンスを著しく低減させ、それによって低インピーダンス経路532を生じさせることができる。切換可能要素512のそのような実施形態では、領域528上へ光ビーム542を誘導することによって、切換可能要素512と誘電体材料514との間のインターフェースにおける任意の場所の任意の領域528から第2の電極504への低インピーダンス経路532を生じさせることができる。したがって、エレクトロウェッティング表面128上の任意の場所で、エレクトロウェッティング表面128上の対応する領域530の濡れ特性を変化させることができる。
【0047】
[0063]
図6は、EWデバイス130の別の例600を示す。すなわち、
図6の例示的なEWデバイス600は、あらゆる図におけるEWデバイス130の任意の例に取って代わることができる。
【0048】
[0064] 図示のように、光導電性材料を含むのではなく、
図6のEWデバイス600の切換可能要素512は、切換可能要素512と誘電体材料514との間のインターフェースに位置する固定の領域628をバイアス電極504に電気的に接続するために一時的に活動化させることができる1つまたは複数(6つを示すが、より少なくても多くてもよい)のスイッチ602を含むことができる。したがって、スイッチ602を活動化させることで、切換可能要素512と誘電体材料514との間のインターフェースに位置する固定の領域628からバイアス電極504への低インピーダンス経路(
図5Bの経路532と同様)を生じさせることができ、それによりエレクトロウェッティング表面128上の対応する固定の領域630における濡れ特性を変化させることができる。他の点では、EWデバイス600は、
図5BのEWデバイス130と同様とすることができ、符号が付与された同様の要素は同じとすることができる。切換可能要素512内のスイッチ602はそれぞれ、たとえば、すべて上記で論じたように、
図4に示すBJTトランジスタ410またはFETトランジスタと概して同様のトランジスタとして構成することができる。
【0049】
[0065]
図6には、切換可能要素512と誘電体材料514とのインターフェースの複数の比較的小さい領域628(エレクトロウェッティング表面128に位置または隣接する複数の比較的小さい固定の領域630に対応する)を電極504に接続する複数のスイッチ602が示されている。そのような実施形態では、対応するスイッチ602を活動化させることによって、エレクトロウェッティング表面128上の領域630(またはその部分集合)のいずれか1つの濡れ特性を一時的に変化させることができる。別法として、切換可能要素512と誘電体材料514とのインターフェースを電極504に接続する1つのスイッチ602が存在してもよい。そのような実施形態では、エレクトロウェッティング表面128は1つの領域630であり、スイッチ602を活動化させることで、本質的にエレクトロウェッティング表面128全体の濡れ特性を一時的に変化させることができる。
【0050】
[0066]
図5A〜6に示すEWデバイス130、600は、装置100内のEWデバイス130の可能な構成の例にすぎない。概して、EWデバイス130は、光電子ウェッティング(OEW)デバイスとすることができ、その例は、内容が全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,958,132号に開示されている。EWデバイス130の他の例には、誘電体上のエレクトロウェッティング(EWOD)デバイスが含まれ、これは電子制御式とすることができ、その一例は、内容が全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,685,344号に開示されている。
【0051】
[0067]
図1の構造104は、様々な方法のいずれかで1つまたは複数のDEP部122および1つまたは複数のEW部126を含むように物理的に構成することができる。
図7〜9は、例を示す。
【0052】
[0068]
図7に示す例では、複数のDEP部122および複数のEW部126は、単一のモノリシック構成要素702に一体化することができる。図示のように、構造104は、モノリシック構成要素702を含むことができ、DEP部122およびEW部126は、モノリシック構成要素702のセクション704〜710を構成することができる。モノリシック構成要素702は、半導体材料を含むことができる。
【0053】
[0069] たとえば、図示のように、第1のEW部126aは、モノリシック構成要素702の第1のセクション704の一方の側に配置された誘電体材料514と、第1のセクション704の他方の側に配置された電極504とを含むことができ、セクション704は、
図5A〜6に示す切換可能要素512と同様に構成される。たとえば、第1のセクション704は、
図5Bに示す切換可能要素512と概して同様の光導電性材料を含むことができる。別の例として、第1のセクション704は、
図6のスイッチ602と同様の1つまたは複数のスイッチを含むことができ、スイッチは、上記で論じたように、トランジスタ(たとえば、
図4のBJTトランジスタ410またはFETトランジスタ)として構成することができる。第2のEW部126bは、同様に、モノリシック構成要素702の第3のセクション708の一方の側に配置された別の誘電体材料514と、第3のセクション708の他方の側の別の電極504とを含むことができ、セクション708は、
図5A〜6のいずれかに示す切換可能要素512と同様に構成される。
【0054】
[0070] 第1のDEP部122aは、モノリシック構成要素702の第2のセクション706と、第2のセクション706に隣接して配置された電極204とを含むことができ、セクション706は、
図2A〜4に示す切換可能要素212と同様に構成される。たとえば、第2のセクション706は、
図2Bに示す切換可能要素212と概して同様の光導電性材料を含むことができる。別の例として、第2のセクション706は、
図3のスイッチ302と同様の1つまたは複数のスイッチを含むことができ、スイッチは、上記で論じたように、トランジスタ(たとえば、
図4のBJTトランジスタ410またはFETトランジスタ)として構成することができる。第2のDEP部122bは、同様に、モノリシック構成要素702の第4のセクション710と、第4のセクション710に隣接して配置された別の電極204とを含むことができ、セクション706は、
図2A〜4のいずれかに示す切換可能要素212と同様に構成される。
【0055】
[0071]
図8に示す例では、DEP部122およびEW部126は、別個の構造を含むことができる。たとえば、図示のように、第1のEW部126aは、第1のEW部切換要素804の一方の側に配置された誘電体材料514と、切換要素804の他方の側の電極504とを含む別個の構造とすることができる。切換要素804は、たとえば、半導体材料、プリント回路基板などを含むことができる。切換要素804は、
図5A〜6のいずれかに示す切換可能要素512と同様に構成することができる。たとえば、切換要素804は、
図5Bに示す切換可能要素512と概して同様の光導電性材料を含むことができる。別の例として、切換要素804は、
図6のスイッチ602と同様の1つまたは複数のスイッチを含むことができ、スイッチは、上記で論じたように、トランジスタ(たとえば、
図4のBJTトランジスタ410またはFETトランジスタ)として構成することができる。第2のEW部126bはまた、第2のEW部切換要素808の一方の側に配置された別の誘電体材料514と、切換要素808の他方の側の別の電極504とを含む別個の構造とすることができる。切換要素808は、上記で論じた切換要素804と同じまたは類似のものとすることができる。
【0056】
[0072] 第1のDEP部122aは、第1のDEP部切換要素806と電極204とを含む別個の構造とすることができる。切換要素806は、たとえば、半導体材料、プリント回路基板などを含むことができる。切換要素806は、
図2A〜4のいずれかに示す切換可能要素212と同様に構成することができる。たとえば、切換要素806は、
図2Bに示す切換可能要素212の構成と概して同様の光導電性材料を含むことができる。別の例として、切換要素806は、
図3のスイッチ302と同様の1つまたは複数のスイッチを含むことができ、スイッチは、上記で論じたように、トランジスタ(たとえば、
図4のBJTトランジスタ410またはFETトランジスタ)として構成することができる。第2のDEP部122bはまた、第2のDEP部切換要素810と別の電極204とを含む別個の構造とすることができる。切換要素810は、上記で論じた切換要素806と同様とすることができる。
【0057】
[0073]
図8に示すように、EW部126a、126bおよびDEP部122a、122bは、マスタ構造814上に配置することができる。EW部126a、126bおよびDEP部122a、122bは、マスタ構造814上に任意のパターンで配置することができる。たとえば、EW部126a、126bおよびDEP部122a、122bは、図示のように、横に並べて配置することができ、スペーサ812によって隔置することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、スペーサ812が存在しておらず、隣接するEW部126a、126bおよびDEP部122a、122bは互いに当接することができる。
【0058】
[0074] いくつかの実施形態は、マスタ構造814を含まない。たとえば、いくつかの実施形態では、マスタ構造814が存在しておらず、EW部126a、126bおよびDEP部122a、122bは互いに付着される。たとえば、
図8に示すスペーサ812は、隣接するEW部126a、126bおよびDEP部122a、122bの側面に互いに付着する接着剤とすることができる。
【0059】
[0075] 図示しないが、電源(たとえば、
図2Aおよび
図5Aの206および506)を電極204、504に接続する設備を提供することができる。たとえば、マスタ構造814は、電極204への1つまたは複数の導電コネクタ(図示せず)と、電極504への1つまたは複数の導電コネクタ(図示せず)とを含むことができる。そのようなコネクタの例には、マスタ構造814を通る導電ビア(図示せず)が含まれる。
【0060】
[0076] とにかく、EW部126a、126bおよびDEP部122a、122bは、EW部126a、126bのエレクトロウェッティング表面128およびDEP部122a、122bの外側表面124が実質的に平行になりかつ/または実質的に同じ平面内に位置するように位置決めすることができる。したがって、エレクトロウェッティング表面128および外側表面124は、構造104の境界106を形成することができる。したがって、境界106は、複数のDEP部122の複数の外側表面124および複数のEW部126の複数のエレクトロウェッティング表面128を含む複合表面とすることができる。
【0061】
[0077]
図9に示す例では、DEP部122a、122bは、マスタ切換要素902のセクションを構成することができ、EW部126a、126bは、マスタ切換要素902内の空胴916、918内に配置された独立型の別個の構造を構成することができる。
【0062】
[0078] 図示のように、第1のEW部126aは、第1のEW部切換要素904の一方の側に配置された誘電体材料514と、切換要素904の他方の側の電極504とを含む独立型の別個の構造とすることができる。切換要素904は、たとえば、半導体材料を含むことができる。切換要素904は、
図5A〜6のいずれかに示す切換可能要素512と同様に構成することができる。たとえば、切換要素904は、
図5Bに示す切換可能要素512と概して同様の光導電性材料を含むことができる。別の例として、切換要素904は、
図6のスイッチ602と同様の1つまたは複数のスイッチを含むことができ、スイッチは、上記で論じたように、トランジスタ(たとえば、
図4のBJTトランジスタ410またはFETトランジスタ)として構成することができる。第2のEW部126bはまた、第2のEW部切換要素908の一方の側に配置された別の誘電体材料514と、切換要素908の他方の側の別の電極504とを含む独立型の別個の構造とすることができる。切換要素908は、たとえば、半導体材料を含むことができ、上記で論じた切換要素904と同様に構成することができる。EW部126a、126bは、マスタ切換要素902内の空胴916、918内に配置することができる。
【0063】
[0079] 第1のDEP部122aは、マスタ切換要素902の第1のセクション906と、第1のセクション906に隣接して配置された電極204とを含むことができ、第1のセクション906は、
図2A〜4のいずれかに示す切換可能要素212と同様に構成することができる。たとえば、第1のセクション906は、
図2Bに示す切換可能要素212と概して同様の光導電性材料を含むことができる。別の例として、第1のセクション906は、
図3のスイッチ302と同様の1つまたは複数のスイッチを含むことができ、スイッチは、トランジスタ(たとえば、
図4のBJTトランジスタ410またはFETトランジスタ)として構成することができる。第2のDEP部122bは、同様に、マスタ切換要素902の第2のセクション910と、第2のセクション910に隣接して配置された別の電極204とを含むことができ、第2のセクション910は、
図2A〜4に示す切換可能要素212と同様に構成することができる。
【0064】
[0080] 図示のように、DEP部122a、122bに対応するマスタ切換要素902のセクション906、910は空胴916、918間に配置することができ、EW部126a、126bは空胴916、918内に配置される。空胴916、918およびEW部126a、126bは、DEP部122a、122bの外側表面124およびEW部126a、126bのエレクトロウェッティング表面128が実質的に平行になりかつ/または実質的に同じ平面内に位置するように寸法設定および位置決めすることができる。したがって、外側表面124およびエレクトロウェッティング表面128は、構造104の境界106を形成することができる。
【0065】
[0081]
図9に示す例では、DEP部122は、マスタ切換要素902のセクション906、910を構成し、EW部126は、マスタ切換要素902内の空胴916、918内に配置された独立型の別個の構造である。別法として、EW部126は、マスタ切換要素902のセクション(たとえば、セクション906、910と同様)を構成することができ、DEP部122は、マスタ切換要素902の空胴916、918内に配置された独立型の別個の構造(たとえば、
図9に示すEW部126と同様)とすることができる。
【0066】
[0082]
図7〜9に示す実施形態のいずれかでは、第1の電源206は、概して
図2A〜3に示すように、電極204および対応する電極202(
図7〜9には図示せず)のそれぞれに接続することができる。
図7および
図8の電極204はすべて、たとえば互いに電気的に接続することができる。同様に、
図7および
図8の実施形態では、第2の電源506は、電極504および対応する電極502(
図7および
図8には図示せず)に接続することができる。
図9の実施形態はまた、第2の電源506をEW部126の電極504に接続することを容易にすることができる。たとえば、
図9に示すように、第2の電源506は、電極914に接続することができ、電極914は、EW部126a、126bの電極504に(たとえば、ビア、導電性接着剤などの電気的接続912によって)接続される。
【0067】
[0083]
図10は、
図3に示すようにある程度構成された切換可能要素212を含む構造104の一例を示し、
図3および
図10の符号が付与された同様の要素は同じとすることができる。図示のように、切換要素212は、複数のDEP部122および複数のEW部126を含むことができる。DEP部122はそれぞれ、上記で論じたように、外側表面124を含む親水性層1002であり、したがって外側表面124を親水性とすることができる親水性層1002と、電極204と、切換可能要素212を通る電極204への低インピーダンス電気経路(たとえば、
図2Bの経路232と同様)を選択的に生じさせるスイッチ302とを含むことができる。
【0068】
[0084] やはり図示のように、切換要素212は、DEP部122間に隔離障壁408を含むことができ、隔離障壁408は、EW部126の一部とすることができる。たとえば、各EW部126は、エレクトロウェッティング表面128を含む誘電体材料514と、隔離障壁408の1つの上に配置された光導電性材料と、電極504とを含むことができる。図示のように、電気コネクタ1004(たとえば、ビア)は、隔離障壁408内の光導電性材料を対応する電極504に電気的に接続することができる。概して
図5Bに関して上記で論じたように、隔離障壁408の1つの中の光導電性材料上へ誘導された光は、照射された障壁408内の光導電性材料を通って電極504への低インピーダンス経路(
図5Bの経路532と同様)を生じさせることができ、それによってEW部126のエレクトロウェッティング表面128の濡れ特性を変化させることができる。
【0069】
[0085] 上記で論じまたは
図2A〜10に示す任意の変形形態を含む
図1の装置100は、単なる一例である。
図11は、装置100の別の例示的な構成を示す。
【0070】
[0086]
図11の装置100’は、
図1の装置100に概して類似したものとすることができ、符号が付与された同様の要素は同じとすることができる。しかし、図示のように、
図11の構造104’は、複数のDEPデバイス120(それぞれ図示のDEP部122の1つに対応する)と、複数のEWデバイス130(それぞれEW部126の1つに対応する)とを含む。DEPデバイス120およびEWデバイス130のいくつかまたはすべては、構造104’のDEP部122の外側表面124およびEW部126のエレクトロウェッティング表面128が交互のパターンで配置されるように位置決めすることができる。たとえば、DEPデバイス120およびEWデバイス130のパターンのすべてまたは1つもしくは複数の部分は、概して
図11に示すように、パターンの行および列が交互の外側表面124およびエレクトロウェッティング表面128を含むように配置することができる。
【0071】
[0087]
図12A〜12Cは、
図11の装置100’の筐体102の部分的な横断面側面図を示し、また装置100’の動作の一例を示す。
【0072】
[0088]
図12Aに示すように、各DEPデバイス120は、カバー110の一部とすることができる電極202を含むことができる。
図12Aで、カバー110は、電極202に対する支持構造1202も含むものとして示されている。各DEPデバイス120はまた、概して
図2Aに関して上記で論じたように、切換可能要素212と別の電極204とを含むことができる。各DEPデバイス120はまた、外側表面124を含む親水性材料1002を含むことができ、したがって外側表面124は親水性とすることができる。他の点では、各DEPデバイス120は、
図2A〜4に示す例を含む本明細書に開示する任意の方法で構成しかつ動作させることができる。第1の電源206は、バイアス電極202および204に接続することができる。いくつかの実施形態では、支持体1202上のバイアス電極202を互いに相互接続することができ、同様に切換要素1204上のバイアス電極204を互いに相互接続することができる。
【0073】
[0089] 各EWデバイス130は、図示のように、カバー110の一部とすることができる電極502を含むことができる。各EWデバイス130はまた、概して
図5Aに関して上記で論じたように、誘電体材料514と、切換可能要素512と、別の電極504とを含むことができる。第2の電源506は、バイアス電極502および504に接続することができる。いくつかの実施形態では、支持体1202上のバイアス電極502を互いに相互接続することができ、同様に切換要素1204上のバイアス電極504を互いに相互接続することができる。各EWデバイス130は、
図5A〜6に示す例を含む本明細書に開示する任意の方法で構成しかつ動作させることができる。
【0074】
[0090] 装置100’の動作の例が、
図12A〜12Cおよび
図14A〜14Cに示されている。
【0075】
[0091]
図12Aに示すように、概して上述したように、近傍のDEPデバイス120bを活動化させる(たとえば、近傍のDEP部122bの切換可能要素212bを通って
図2Bの経路232と同様の導電性経路を生じさせる)が、第1のDEPデバイス120aは活動化させないことによって、第1のDEPデバイス120aの外側表面124a上に最初に配置された微小物体224を、近傍のDEPデバイス120b(たとえば、第2のDEPデバイス)の外側表面124bへ移動させることができる。上記で論じたように、上記は、微小物体224を第1のDEPデバイス120aの外側表面124aから近傍のDEPデバイス120bの外側表面124bへ移動させるのに十分な微小物体224にかかる正味DEP力を生じさせることができる。図示のように、微小物体224は、外側表面124aから、隣接するEWデバイス130bの介在するエレクトロウェッティング表面128bを横切って移動させることができる。やはり図示のように、微小物体224は、第2の媒質522内に配置することができる第1の媒質222の液滴524の内側に位置したまま移動させることができる。
【0076】
[0092]
図12A〜12Cにやはり示すように、液滴524は、構造境界106上で移動させることができる。たとえば、第1の位置(たとえば、
図12Aに示す例ではDEPデバイス120a、120bの外側表面124a、124bおよび第1のEWデバイス130bのエレクトロウェッティング表面128b上)に最初に配置された液滴524は、
図12Bに示すように、概して上述したように、近傍のEWデバイス130cを活動化させ(たとえば、近傍のEWデバイス130cの切換可能要素512cを通って
図5Bの経路532と同様の導電性経路を生じさせる)、それによって、エレクトロウェッティング表面128cを横切ってEWデバイス130cに隣接するDEPデバイス120cの外側表面124cへ液滴524の縁部を引き込むのに十分なほど、近傍のEWデバイス130cのエレクトロウェッティング表面128c濡れ性を増大させることによって、第2の位置へ移動させることができる。上記は、エレクトロウェッティング表面128bは活動化させることなく行うことができる。したがって、液滴524は、
図12Cに示すように、
図12Aに示す表面124a、128b、124b上の第1の位置から表面124b、128c、124cに示す第2の位置へ移動させることができる。
図12Bに示すように、液体圧力P(たとえば、入口114を通ってまたはチャンバ112内の圧力デバイス(図示せず)によって印加される)が、液滴524を移動させるのを助けることができる。
図12Bおよび
図12Cにやはり示すように、微小物体224は、DEPデバイス120をいずれも活動化させることなく、液滴524とともに移動させることができる。しかし、液滴524と同様の液滴は、液滴524が微小物体224と同様の1つまたは複数の微小物体を含むか否かにかかわらず、移動させることができる。
【0077】
[0093]
図12A〜12Cには図示しないが、微小物体224および液滴524を移動させる上記の動作は、
図11および
図12A〜12Cの装置100’内で同時に実行することができる。たとえば、
図12Aに示すように、1つの液滴524内で微小物体224を移動させながら、
図12A〜12Cで液滴524が移動されるのと概して同じ方法で、別の液滴(
図12A〜12Cには図示しないが、液滴524と同様のものとすることができる)を移動させることができる。
【0078】
[0094]
図13は、概して
図12A〜12Cに示す例に従って
図11の装置100’を動作させることができる方法1300の一例を示す。ステップ1302に示すように、方法1300は、1つまたは複数のDEPデバイスを選択的に活動化および非活動化(必要に応じて)させることによって、微小物体を1つのDEPデバイスから別のDEPデバイスへ移動させることができ、これは、概して上記で論じたように(たとえば、
図12Aに示すように)実行することができる。ステップ1304で、方法1300は、液滴を第1の位置から第2の位置へ移動させることができ、これもまた、概して上記で論じたように(たとえば、
図12A〜12Cに示すように)実行することができる。実際には、方法1300は、
図12A〜12Cに関して上記で論じた任意の変形形態または追加のステップもしくは処理を含む
図12A〜12Cに示す例に従って実行することができる。
【0079】
[0095]
図14A〜14Cは、
図11のマイクロ流体デバイス100’の動作の別の例を示す。
図14A〜14Cは、そのカバー110が除去された装置100’の上面図を示す。バイアスデバイス206、506は図示しないが、概して
図12A〜12Cに示すように装置100’に接続することができる。
【0080】
[0096]
図14Aに示す例では、チャンバ112内の第2の媒質522内に第1の媒質222の液滴524が配置されており、液滴524内に微小物体224を配置することができる。
図14Bに示すように、液滴524内の微小物体224の1つまたは複数は、微小物体の選択された群1404が液滴524の小領域1402に入るまで、液滴524の選択された小領域1402の中または外へ移動させることができる。
図14Cに示すように、液滴524の小領域1402を液滴524から離れるように移動させ、したがって液滴524から分離して、微小物体224の選択された群1404を含む新しい液滴1406を形成することができる。微小物体224は、概して上記で論じたように、移動させることができ(
図14Bに示す)(たとえば、1つのDEPデバイス120(
図14A〜14Cには図示せず)の外側表面124から近傍のDEPデバイス120(
図14A〜14Cには図示せず)の外側表面124へ)、小領域1404は、概して上記で論じたように、液滴524から移動させ、したがって引き離して分離し、新しい液滴1406を形成することができる(たとえば、EWデバイス130(
図14A〜14Cには図示せず)の隣接する1つのエレクトロウェッティング表面128の1つの濡れ特性を選択的に変化させることによる。)。
【0081】
[0097] たとえば、液滴524の小領域1402は、最初、
図14Bに示すように、チャンバ112内の第1の位置1418内に配置することができる。位置1418は、第1の組のDEPデバイス120の第1の外側表面124と、第1の組のEWデバイス130の第1のエレクトロウェッティング表面128とを含むことができ、小領域1402は、最初、
図14Bに示すように、位置1418上に配置されている。概して液滴を移動させる上記の議論に従って、
図14Cに示すように、液滴の小領域1402を第2の位置1420へ移動させることによって、小領域1402を液滴524から分離し、新しい液滴1406を形成することができる。第2の位置1420は、第2の組のDEPデバイス120の第2の外側表面124と、第2の組のEWデバイス130の第2のエレクトロウェッティング表面128とを含むことができる。小領域1402は、たとえば第3の位置1422内のEWデバイス130の1つまたは複数(1つを示すが、より多くてもよい)を順次活動化させることによって、第1の位置1418から第2の位置1420へ移動させることができる(第3の位置1422内のEWデバイス130は、第3の組のEWデバイス130の一例とすることができ、それらのエレクトロウェッティング表面128は、第3のエレクトロウェッティング表面の一例とすることができる)。これは、たとえば、小領域1402を除く液滴524がすべてそのエレクトロウェッティング表面128上に配置されているEWデバイス130は活動化させることなく行うことができる。概して上記で論じたように、これにより、液滴524の小領域1402を第3の位置1422の上へ移動させることができる。その後、第3の位置1422内のEWデバイス130を非活動化させることができ、第2の位置内のEWデバイス130の1つまたは複数を活動化させることができ、これにより、概して上記で論じたように、小領域1402(ここでは新しい液滴1406)を
図14Cに示す第2の位置1420へさらに移動させることができる。新しい液滴1406の形成を容易にする手段として、第3の位置1422内のEWデバイス130の非活動化および第2の位置1420内のEWデバイス130の活動化とともに、液滴524の残りの部分によって覆われている小領域1416内のEWデバイス130の少なくともいくつかの活動化を行うことができる。
【0082】
[0098] 新しい液滴1406は、何らかの微小物体224が既存の液滴524内にあるか、それとも新しい液滴1406内にあるかにかかわらず、
図14A〜14Cに示す既存の液滴524から生じさせることができる。さらに、既存の液滴524から2つ以上の新しい液滴(図示しないが、新しい液滴1406と同様とすることができる)を生じさせることもできる。
【0083】
[0099]
図15は、概して
図14A〜14Cに示す例に従って
図11の装置100’を動作させることができる方法1500の一例を示す。ステップ1502に示すように、方法1500は、微小物体の選択された群を液滴の小領域内に配置することができ、これは、概して上記で論じたように(たとえば、
図14Aおよび
図14Bに示すように)実行することができる。ステップ1504で、方法1500は、液滴の小領域を液滴から離れるように移動させ、小領域を液滴から分離し、それによって新しい液滴を形成することができ、これもまた、概して上記で論じたように(たとえば、
図14Cに示すように)実行することができる。実際には、方法1500は、
図14A〜14Cに関して上記で論じた任意の変形形態または追加のステップもしくは処理を含む
図14A〜14Cに示す例のいずれかに従って実行することができる。
【0084】
[00100] 本発明の特有の実施形態および応用例について本明細書で説明したが、これらの実施形態および応用例は例示のみを目的とし、多くの変形形態が可能である。たとえば、DEP部を使用して微小物体を移動させることに関して上記に提供した説明(たとえば、
図2bおよび
図12Aに関する)は、DEP力について、微小物体に対して引き付けるものとして論じている(すなわち、正のDEP)。しかし、当技術分野ではよく知られているように、中でも微小粒子の性質、媒質の伝導率、ならびに電源の電圧電位および周波数は、微小物体の反発作用を実現するように調整することができる(すなわち、負のDEP)。
【0085】
[00101] さらに、本明細書に記載する構造およびマイクロ流体デバイスは、構造/デバイス内のチャンバまたは他の領域に流体の液滴を提供する液滴生成器を含むことができる。液滴生成器は、1つまたは複数の流体入力部および流体出力部を含むことができ、これらはチャンバまたは他の領域に接続することができる。これらの入力部を通して、水性媒質、不混和性媒質、生物の微小物体、試薬、および/または他の生物媒質を液滴生成器内へ装入することができる。液滴生成器は、水性媒質(1つもしくは複数の生物の微小物体を含有することができるが、必ずしも必要でない)、試薬、または他の生物媒質の液滴を生成および出力することができる。そのような液滴は、構造/デバイス内にすでに存在する液滴に溶け込ませることができ、それによって生物の微小物体の分類、生物の微小物体の処理(たとえば、生化学的および/または分子生物学的反応による)、生物の微小物体の分析(たとえば、キャプチャビーズおよび/または検出可能な結着材を使用する)などを可能にする。液滴生成器は、構造/デバイスに一体とすることができ、またはそれに接続することができる。たとえば、液滴生成器は、マイクロ流体デバイスのエレクトロウェッティング部の一部とすることができ、したがって、光導電性基板を有するエレクトロウェッティング部(たとえば、米国特許第6,958,132号に記載)、光作動式の回路基板(たとえば、米国特許出願公開第2014/0124370号(代理人整理番号BL9−US)に記載)、フォトトランジスタベースの基板(たとえば、米国特許第7,956,339号に記載)、または電気作動式の回路基板(たとえば、米国特許第8,685,344号に記載)を含むことができる。別法として、液滴生成器は、T字状またはY字状の流体力学構造(たとえば、米国特許および特許出願公開第7,708,949号、第7,041,481号(RE41.780として再発行)、第2008/0014589号、第2008/0003142号、第2010/0137163号、および第2010/0172803号に記載)を有することができる。上記の米国特許文献(すなわち、米国特許第6,958,132号、第7,956,339号、第8,685,344号、第7,708,949号、および第7,041,481号(RE41.780として再発行)、ならびに米国特許出願公開第2014/0124370号、第2008/0014589号、第2008/0003142号、第2010/0137163号、および第2010/0172803号)はすべて、全体として参照により本明細書に組み込まれている。