(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択画面において前記第1の外部装置の情報が選択された場合、前記第1のネットワークを介して前記第1の外部装置と前記所定の通信を確立し、前記選択画面において前記第2の外部装置の情報が選択された場合、前記第2のネットワークに参加し、前記第2のネットワークを介して前記第2の外部装置と前記所定の通信を確立するよう前記通信インタフェースを制御する制御手段を更に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
前記選択画面において前記第2の外部装置の情報が選択され前記通信装置が前記第2のネットワークに参加した場合、前記第2の外部装置から送信された、前記第2のネットワーク上の装置を発見するための第3の信号を受信する第3の受信手段を更に有する、ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
前記第1の外部装置の情報を選択するための操作部と、前記第2の外部装置の情報を選択するための操作部は同じデザインである、ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
前記表示制御手段は、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信した順序に基づき、前記選択画面上の前記候補装置の情報の順序を決定する、ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
前記表示制御手段は、前記第1の外部装置の情報と、前記第2の外部装置の情報の、表示領域内の少なくとも一部の色、文字色、文字サイズの少なくとも1つを異ならせて表示することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
前記表示制御手段はユーザ操作に基づき、前記第1の外部装置の情報と前記第2の外部装置の情報とを、前記選択画面内で切り替えて表示する、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の通信装置。
前記表示制御手段は、前記第2の外部装置の情報が選択された場合、前記第2のネットワークの機能制限に関する通知を表示する、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
<デジタルカメラの構成>
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る通信装置の一例としてのデジタルカメラ100の機能構成例について説明する。なお、本実施形態は、デジタルカメラに限らず、他の装置と通信することが可能な任意の装置にも適用可能である。これらの装置には、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機、ゲーム機、タブレット端末、時計型や眼鏡型の情報端末、医療機器、監視システムや車載用システムの装置などが含まれてよい。
【0012】
制御部101は、例えばCPU(あるいはMPU)などのプロセッサを含み、不揮発性メモリ103に記録されたプログラムを作業用メモリ104に展開し、実行することによりデジタルカメラ100の各部を制御する。また、制御部101は、操作部105を介してユーザの操作指示を受け付けると、当該操作指示に基づいて各部を制御する。なお、制御部101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することによりデジタルカメラ100全体を制御してもよい。
【0013】
撮像部102は、レンズ群や絞り等から構成される撮影光学系と、光電変換素子を有する画素が複数、2次元的に配列された構成を有する撮像素子とを含む。撮影光学系によって結像された被写体光学像を電気信号に変換し、更にアナログデジタル変換などを行って画像データとして出力する。出力された画像データは、後述のバッファメモリに蓄えられた後、制御部101にて所定の演算が施され、記録媒体110に記録される。
【0014】
不揮発性メモリ103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリを含み、制御部101で実行される各種プログラムや、プログラムを実行する際に用いられる所定のパラメータ等が格納される。作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
【0015】
操作部105は、ユーザからのデジタルカメラ100に対する操作指示を受け付けるボタン、ダイヤル、スイッチ及びタッチパネル等の操作部材を含む。操作部105は、例えば、ユーザがデジタルカメラ100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、撮影を指示するためのレリーズスイッチ、画像データの再生を指示するための再生ボタンを含む。また、後述する表示部106に形成されるタッチパネルを含む。なお、レリーズスイッチは、SW1およびSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がONとなる。SW1がONとなる場合、制御部101は、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備を行うための指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がONとなる。SW2がONとなる場合、制御部101は撮影を行うための指示を受け付ける。
【0016】
表示部106は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイスを含む。表示部106は、撮影の際のビューファインダー画像、撮影した画像データ、対話的な操作のためのGUIや文字などを表示する。なお、表示部106は必ずしもデジタルカメラ100が内蔵する必要はない。デジタルカメラ100は内部又は外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0017】
記録媒体110は、例えば半導体メモリ等からなるランダムアクセス可能な記録媒体を含み、例えば撮像部102から出力された画像データを記録する。記録媒体110は、デジタルカメラ100に着脱可能なように構成されてもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記録媒体110にアクセスする手段を有していればよい。
【0018】
無線LAN通信部111は、外部装置と接続するための、無線LANの通信方式に準拠したインターフェースを含む。デジタルカメラ100は、無線LAN通信部111を介して、外部装置と無線LANによるデータのやりとりを行うことができる。制御部101は、無線LAN通信部111を制御して外部装置との無線LANによる無線通信を実現する。なお、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、インフラストラクチャモードにおけるスレーブ装置として動作することが可能である。なお、インフラストラクチャモードは、無線LANにおける動作モードの1つであり、アクセスポイント(単にAPともいう)を介して装置同士が通信するモードを指す。デジタルカメラ100がスレーブ装置として動作する場合、周辺のAPに接続し、APが形成するネットワークに参加することが可能である。加えて、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、APの一種ではあるが、より機能が限定された簡易的なAP(単に簡易APともいう)として動作することも可能である。なお、本実施形態におけるAPは中継装置の一例である。デジタルカメラ100が簡易APとして動作する場合、デジタルカメラ100は自身でネットワークを形成する。デジタルカメラ100の周辺の装置は、デジタルカメラ100をAPと認識し、デジタルカメラ100が形成したネットワークに参加することができる。すなわち、デジタルカメラ100は、他のAPと接続すること無く、他の装置と直接接続することができる。
【0019】
なお、本実施形態におけるデジタルカメラ100は簡易APであるため、スレーブ装置から受信したデータをインターネットプロバイダなどに転送するゲートウェイ機能は有していない。したがって、自身で形成したネットワークに参加している他の装置からデータを受信しても、それをインターネットなどのネットワークに転送することはできない。
【0020】
BT通信部112は、外部装置と接続するための、Bluetooth(登録商標)の通信方式に準拠したインターフェースである。デジタルカメラ100は、無線LAN通信部111と同様に、BT通信部112を介して、外部装置とBluetooth(登録商標)によるデータのやりとりを行うことができる。制御部101は、BT通信部112を制御することで外部装置とのBluetooth(登録商標)による無線通信を実現する。
【0021】
<スマートフォンの構成>
次に
図2を参照して、本実施形態に係る通信装置の一例としてのスマートフォン200の機能構成例について説明する。なお、本実施形態は、スマートフォンに限らず、他の装置と通信することが可能な任意の装置にも適用可能である。これらの装置には、例えば、デジタルカメラ、ゲーム機、タブレット端末、時計型や眼鏡型の情報端末、医療機器、監視システムや車載用システムの装置などが含まれてよい。
【0022】
制御部201は、例えばCPU(あるいはMPU)などのプロセッサを含み、不揮発性メモリ203に記録された後述のプログラムを作業用メモリ204に展開し、実行することによりスマートフォン200の各部を制御する。また、制御部201は、操作部205を介してユーザの操作指示を受け付けると、当該操作指示に基づいて各部を制御する。なお、制御部201が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することによりスマートフォン200全体を制御してもよい。
【0023】
撮像部202は、レンズ群や絞り等から構成される撮影光学系と、光電変換素子を有する画素が複数、2次元的に配列された構成を有する撮像素子とを含む。撮影光学系によって結像された被写体光学像を電気信号に変換し、更にアナログデジタル変換などを行って画像データとして出力する。出力された画像データは、後述のバッファメモリに蓄えられた後、制御部201にて所定の演算が施され、記録媒体210に記録される。
【0024】
不揮発性メモリ203は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリを含み、制御部201で実行される各種プログラムや、プログラムを実行する際に用いられる所定のパラメータ等が格納される。また、カメラ通信アプリケーションとしてインストールされ、デジタルカメラ100と通信するためのプログラムも不揮発性メモリ203に格納されている。なお、本実施形態におけるスマートフォン200の処理は、カメラ通信アプリケーションにより提供されるプログラムを読み込むことにより実現される。なお、カメラ通信アプリケーションはスマートフォン200にインストールされたOS(Operating System)の基本的な機能を利用するためのプログラムを含む。なお、スマートフォン200のOSが本実施形態におけるスマートフォン200の処理を実現するためのプログラムを有していてもよい。
【0025】
作業用メモリ204は、撮像部202で生成された画像データを一時的に保存するバッファメモリや、表示部206の画像表示用メモリ、制御部201の作業領域等として使用される。
【0026】
操作部205は、ユーザからのスマートフォン200に対する操作指示を受け付けるボタンやタッチパネル等の操作部材を含む。操作部205は例えば、ユーザがスマートフォン200の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、表示部206に形成されるタッチパネルを含む。
【0027】
表示部206は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイスを含む。表示部206は、画像データや、対話的な操作のためのGUI、文字などを表示する。なお、表示部206は必ずしもスマートフォン200が内蔵する必要はなく、スマートフォン200が表示部206と接続することができ、表示部206の表F示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0028】
記録媒体210は、例えば半導体メモリ等からなるランダムアクセス可能な記録媒体を含み、例えば撮像部202から出力された画像データを記録する。記録媒体210は、スマートフォン200に着脱可能なよう構成してもよいし、スマートフォン200に内蔵されていてもよい。すなわち、スマートフォン200は少なくとも記録媒体210にアクセスする手段を有していればよい。
【0029】
無線LAN通信部211は、外部装置と接続するための、無線LANの通信方式に準拠したインターフェースを含む。スマートフォン200は、無線LAN通信部211を介して、外部装置と無線LANによるデータのやりとりを行うことができる。制御部201は、無線LAN通信部211を制御することで外部装置との無線LANによる無線通信を実現する。なお、本実施形態におけるスマートフォン200は、少なくともインフラストラクチャモードにおけるスレーブ装置として動作することが可能であり、周辺のAPが形成するネットワークに参加することが可能である。
【0030】
BT通信部215も、外部装置と接続するための、Bluetooth(登録商標)の通信方式に準拠したインターフェースである。本実施形態のスマートフォン200は、無線LAN通信部211と同様に、BT通信部215を介して、外部装置とBluetooth(登録商標)によるデータのやりとりを行うことができる。制御部201は、BT通信部215を制御することで外部装置とのBluetooth(登録商標)による無線通信を実現する。
【0031】
公衆網接続部212は、公衆無線通信を行う際に用いられる、例えばWCDMA(登録商標)方式に準拠したインターフェースである。スマートフォン200は、公衆網接続部212を介して、他の機器と通話をしたり、データ通信をすることができる。通話の際には、制御部201はマイク213およびスピーカ214を介して音声信号の入力と出力を行う。なお、WCDMAに限らず、LTEやWiMAX、ADSL、FTTH、いわゆる4Gといった他の通信方式を用いてもよい。また、無線LAN通信部211および公衆網接続部212は必ずしも独立したハードウェアで構成する必要はなく、例えば一つのアンテナで兼用することも可能である。
【0032】
<接続形態の概要>
次に、
図3を参照して、デジタルカメラ100とスマートフォン200との接続形態の概要について説明する。なお、
図3は、本実施形態における、デジタルカメラ100とスマートフォン200との接続形態および通信状態を模式的に示している。
図3(a)及び
図3(b)は、デジタルカメラ100とスマートフォン200が無線通信によってデータを送受信可能な2つの接続形態を示す
図3(c)及び
図3(d)の状態のいずれかに至る途中の状態を示す。また、それぞれの図においてデジタルカメラ100等を囲む範囲は形成されたネットワークの範囲を模式的に示している。
【0033】
まず、AP(外部中継装置)を介さず、デジタルカメラ100とスマートフォン200とが直接通信する接続形態について説明する。この場合は、デジタルカメラ100は簡易APモードであり、簡易APとして動作して無線LANネットワーク(単に無線ネットワークともいう)を形成する。
図3(a)は、デジタルカメラ100が簡易APとして動作し、無線LANネットワークを識別可能な識別子(SSID)を「Camera_Canonet」とする無線LANネットワークを形成した状態を示している。デジタルカメラ100は簡易APとして動作すると、定期的なビーコン信号の送信を開始する。
【0034】
次に、スマートフォン200は、デジタルカメラ100から送信されるビーコン信号を検知すると、デジタルカメラ100に対し、デジタルカメラ100によって形成された無線LANネットワークへの参加を要求する。デジタルカメラ100によって参加要求が許可されると、スマートフォン200は、デジタルカメラ100によって形成された無線LANネットワークに参加した状態となる。
図3(b)は、スマートフォン200が、デジタルカメラ100により形成された無線LANネットワーク「Camera_Canonet」に参加した状態を示している。
【0035】
この後、デジタルカメラ100とスマートフォン200との間で通信を確立するために、ペアリングを行う。デジタルカメラ100は、無線LANネットワーク上で、接続相手となる装置の存在を発見するためのディスカバリー信号をブロードキャストする。このディスカバリー信号には、デジタルカメラ100のモデル名称や対応した機能名など、デジタルカメラ100のデバイス情報が含まれる。スマートフォン200は、デジタルカメラ100から送信されたディスカバリー信号を受信した場合、デジタルカメラ100に対して接続要求を送信する。デジタルカメラ100によって接続要求が許可されると、デジタルカメラ100とスマートフォン200で無線通信によるデータの送受信が可能な状態となる(通信を確立する)。
図3(c)は、簡易APモードのデジタルカメラ100とスマートフォン200が通信を確立している状態を示している。
【0036】
なお、前述したように、本実施形態におけるデジタルカメラ100はインターネットなどの外部ネットワークへの通信機能を有していない。したがって、デジタルカメラ100が形成する無線LANネットワークに参加しているスマートフォン200は、インターネットなどにデータを送信することはできない。
【0037】
次に、AP(外部中継装置)の一例である外部APが形成する無線LANネットワークに、デジタルカメラ100とスマートフォン200とが参加し、外部APを介してデジタルカメラ100とスマートフォン200が通信する接続形態について説明する。この場合は、デジタルカメラ100はインフラストラクチャモードで動作し、外部APが定期的に送信するビーコン信号を検知して、外部APが形成する無線LANネットワークに参加する。スマートフォン200も同様に、外部APが形成する無線LANネットワークに参加する。デジタルカメラ100とスマートフォン200とは同じ無線LANネットワークに参加した後、簡易APモードと同様に、ディスカバリー信号の送受信、上述のデバイス情報(装置の能力やサービス情報等を含んでもよい)の取得などを経て、通信を確立する。
【0038】
図3(d)は、インフラストラクチャモードのデジタルカメラ100とスマートフォン200とが、外部APを介して通信を確立している状態を示している。なお、
図3(d)の例では、外部APにより形成される無線LANネットワークのSSIDは「AP_1」である。また、本実施形態における外部APは、公衆網などを用いてインターネットなどの外部ネットワークに接続することが可能である。したがって、スマートフォン200は、外部APを介してインターネット上にデータを送信することが可能である。
【0039】
以降の説明では、デジタルカメラ100とスマートフォン200とが上述した2通りの接続形態で通信する際の各々の処理について説明する。
【0040】
<スマートフォンにおける、インフラストラクチャモードのデジタルカメラと通信を確立する処理に係る一連の動作>
図4A及び
図4Bを参照して、スマートフォン200における、インフラストラクチャモードで(すなわち外部APを介して)デジタルカメラ100と通信を確立する処理に係る一連の動作を説明する。なお、本処理は、制御部201が不揮発性メモリ203に格納されたプログラムを作業用メモリ204に展開、実行することにより実現される。なお、特に断らない限り、スマートフォン200の処理を示す他の動作の説明においても同様である。
【0041】
図4Aに示す一連の動作は、外部APによる無線LANネットワークに参加しているスマートフォン200とデジタルカメラ100との間で相手装置を発見し、スマートフォン200が表示部206に検出したデジタルカメラを一覧に表示する動作である。なお、本処理に係る一連の動作は、スマートフォン200がOSの起動後に無線LANネットワークに参加した状態であり、デジタルカメラ通信用アプリケーションを起動可能な状況でスタートする。
【0042】
S401では、制御部201は、ユーザ操作によりデジタルカメラ通信用アプリケーションの起動が指示されると、デジタルカメラ通信用アプリケーションを起動し、処理をS402へ移す。
【0043】
S402では、制御部201は、無線LAN通信部211を制御して、デジタルカメラ100からのディスカバリー信号の検出を開始して、処理をS403に移す。なお、このディスカバリー信号は、後述するS809においてデジタルカメラ100からブロードキャストされるものである。
【0044】
S403では、制御部201は、検出カメラリストに含まれていない、デジタルカメラのデバイス情報を検出したかを判定する。より具体的に、まず、制御部201は、無線LAN通信部211を介して受信したディスカバリー信号に含まれるデバイス情報を参照する。次に、例えば作業用メモリ204に記憶させる、検出したデジタルカメラのデバイス情報を一覧として保持するリスト(検出カメラリストという)を参照し、検出したデジタルカメラのデバイス情報が当該リストに含まれるか否かを判定する。制御部201は、検出カメラリストに含まれないデジタルカメラのデバイス情報を検出したと判定した場合、処理をS404に進める。一方、デジタルカメラのデバイス情報が検出カメラリストに含まれていた場合(すなわち、検出カメラリストに含まれないデバイス情報を検出しなかった場合)、S405に処理を進める。
【0045】
S404では、制御部201は、新たに検出したデジタルカメラのデバイス情報を、検出カメラリストに追加して検出カメラリストを更新し、S405に処理を進める。S405では、制御部201は、既に検出カメラリストに保持されているデジタルカメラからのディスカバリー信号が検出されなくなっているか、またはデバイス消失の通知を受け取ったか否かを判定する。制御部201は、デジタルカメラからのブロードキャストが再び検出できない、又はデバイス消失の通知を受け取った場合、対象となるデバイス情報が検出されなくなったと判定してS406へ処理を進める。他方、制御部201は、デジタルカメラからのブロードキャスト信号を再び検出した場合、S407へ処理を進める。
【0046】
S406では、制御部201は、S405において、ディスカバリー信号が検出されなくなっている、またはデバイス消失の通知を受け取ったデジタルカメラのデバイス情報を検出カメラリストから削除する。そして、更新した検出カメラリストを作業用メモリ204に格納して、S407に処理を進める。
【0047】
S407では、制御部201は、表示部206に、検出カメラリストに従ったデジタルカメラの一覧を表示或いは更新する。
【0048】
S408では、制御部201は、無線LANネットワーク上へ通知されるディスカバリー信号の検出を終了するか否かを判定する。制御部201は、検出を終了する場合、ディスカバリー信号の検出および表示更新を終了して、
図4Aに係る一連の動作を終了する。一方、検出を終了しない場合、処理を再びS403へ進めてS403〜S408の処理を繰り返す。なお、制御部201は、ユーザ操作によりデジタルカメラ通信用アプリケーションの終了が選択された場合や、ユーザ操作により通信するデジタルカメラが選択された際などに、ディスカバリー信号の検出を終了する。
【0049】
図5は、制御部201が、
図4Aに係る一連の動作を経て、検出したデジタルカメラの一覧を表示部206に表示した際の画面例を模式的に示している。制御部201は、ディスカバリー信号の受信によりデジタルカメラ100を検出すると、メッセージ表示エリア501に、ユーザに対してデジタルカメラとの通信の選択を促すメッセージを表示する。また、制御部201は、検出したデジタルカメラの一覧を表示する一覧エリア502に、検出したデジタルカメラをリスト表示する。
【0050】
各デジタルカメラの情報表示エリア503には、検出された各デジタルカメラについて、デジタルカメラのモデル名称、ニックネーム、MAC Address、IP Addressなどのデバイス情報が表示される。表示項目は前述した項目に限らず、ディスカバリー信号によりスマートフォン200が取得可能な情報の全て又はいずれかを表示しても良い。また、制御部201は、スマートフォン200とデジタルカメラ100との通信を確立する命令を受け付けるための選択ボタン504を表示する。ユーザは、操作部205に含まれるタッチパネルを介して選択ボタン504を選択することができる。
【0051】
更に、
図4Bを参照して、スマートフォン200が、同一の無線LANネットワークに参加しているデジタルカメラ100との通信を確立する処理に係る一連の動作について説明する。なお、本処理は、
図5に示すスマートフォン200の画面において、ユーザによって選択ボタン504が押下された場合に開始される。
【0052】
S451では、制御部201は、デジタルカメラ100へ接続要求を送信する。制御部201は、接続要求の送信を完了すると、接続要求に対する応答の応答時間を計測するタイマーを起動して、S452へ処理を進める。なお、送信する接続要求には、スマートフォン200の機種名を含める。
【0053】
S452では、制御部201は、S451において送信した接続要求に対する応答を、デジタルカメラ100から受信したか否かを判定する。制御部201は、無線LAN通信部211を介してデジタルカメラ100から接続要求に対する応答を受信した場合、S454へ処理を進める。一方、接続要求に対する応答を受信していない場合、S453へ処理を進める。なお、接続要求の応答は、後述するS813あるいはS814において、デジタルカメラ100から送信されるものである。
【0054】
S453では、制御部201は、接続要求に対する応答を受信する前に、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過したか否かを判定する。制御部201は、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過したと判定した場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の通信を確立する処理(すなわち
図4Bに係る一連の動作)を終了する。一方、制御部201は、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過していないと判定した場合、再びS452に処理を戻してS452の処理を繰り返す。
【0055】
S454では、制御部201は、デジタルカメラ100から受信した接続要求に対する応答が接続許可であるか接続拒否であるかを判定する。制御部201は、受信した接続要求に対する応答の内容が接続許可を示す場合、S455へ処理を進める。一方、受信した接続要求に対する応答の内容が接続拒否を示す場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の通信を確立する処理(すなわち
図4Bに係る一連の動作)を終了する。
【0056】
S455では、制御部201は、デジタルカメラ100との接続を確立し、
図4Bに係る一連の動作を終了する。
【0057】
<スマートフォンにおける、簡易APモードのデジタルカメラと通信を確立する処理に係る一連の動作>
次に、デジタルカメラ100が簡易APとして動作する接続形態での、スマートフォン200における、デジタルカメラ100との通信を確立する処理について説明する。この場合はすなわち、デジタルカメラ100とスマートフォン200とが外部APを介すること無く、直接接続することを意味する。
【0058】
本実施形態では、デジタルカメラ100が簡易APとして動作する場合であっても、ユーザがスマートフォン200に対して、OSの機能などを用いてデジタルカメラ100の形成する無線LANネットワークに参加するか否かを選択する。すなわち、上述したインフラストラクチャーのデジタルカメラ100に対する操作と同様の操作で、簡易APモードのデジタルカメラ100とスマートフォン200との通信を確立することができるようにする。
【0059】
以下の説明では、本実施形態におけるスマートフォン200が、簡易APとして動作するデジタルカメラ100の形成する無線LANネットワークを識別子によって識別して、識別したデジタルカメラを一覧の表示画面に表示する。そして、既にスマートフォン200が参加済である無線LANネットワーク上でディスカバリー信号によって検出されているデジタルカメラと同様の操作で、ユーザがデジタルカメラ100とスマートフォン200との通信を確立する。
【0060】
図6Aに示す一連の動作では、デジタルカメラ100が簡易APとして動作して形成する、識別子「Canonet」を含むSSID「Camera_Canonet」を有する無線LANネットワークを、スマートフォン200が検出する。そして、スマートフォン200が表示部206に表示する、検出したデジタルカメラの一覧に検出したネットワーク情報を追加する。ここで、特定の文字列で構成される識別子「Canonet」は、無線LANネットワークが通信対象となる装置によって形成されたものであることを、ネットワークに参加するスマートフォン200に判別させるために付与する識別子である。なお、本処理に係る一連の動作は、スマートフォン200のOSの起動後に、デジタルカメラ通信用アプリケーションを起動可能な状況で開始される。
【0061】
S601では、制御部201は、ユーザ操作によりデジタルカメラ通信用アプリケーションの起動が選択されると、デジタルカメラ通信用アプリケーションを起動し、S602へ処理を進める。
【0062】
S602では、制御部201は、無線LANネットワークのビーコン信号の検出を開始し、S603へ処理を進める。S603では、制御部201は、通信対象ネットワークリストに無いネットワークを検出したかを判定する。具体的に、制御部201は、検出した通信対象となる装置により形成された無線LANネットワークのネットワーク情報を一覧として保持しているリスト(通信対象ネットワークリスト)を参照する。そして、当該通信対象ネットワークリストに、検出した無線LANネットワークがあるか否かを判定する。制御部201は、通信対象ネットワークリストに無いネットワークを検出したと判定した場合にはS604に処理を進める。一方、通信対象ネットワークリストに含まれるネットワークを検出した場合、S606に処理を進める。
【0063】
S604では、制御部201は、SSIDに、通信対象となる装置による無線ネットワークであることを示す識別子「Canonet」が含まれているかどうかを判定する。具体的に、制御部201は、S603において検出した無線LANネットワーク(すなわち通信対象ネットワークリストに無い新たな無線LANネットワーク)のSSIDを参照する。そして、当該SSIDに、無線LANネットワークが通信対象となる装置によって形成されたことを示す識別子「Canonet」が含まれているかどうかを判定する。制御部201は、SSIDに、通信対象となる装置による無線ネットワークであることを示す識別子が含まれると判定した場合、S605へ処理を進め、識別子が含まれないと判定した場合、S606へ処理を進める。
【0064】
S605では、制御部201は、検出した無線LANネットワークのネットワーク情報を、通信対象ネットワークリストに追加して、検出ネットワークリストを例えば作業用メモリ204に保持する。制御部201は、その後S606に処理を進める。
【0065】
S606では、制御部201は、以前に検出を行って通信対象ネットワークリストに保持した無線LANネットワークが検出されなくなったか否かを判定する。制御部201は、通信対象ネットワークリストに保持した無線LANネットワークが検出されなくなったと判定した場合、S607へ処理を進める。一方、通信対象ネットワークリストに保持した無線LANネットワークが検出されていると判定した場合には、S608へ処理を進める。
【0066】
S607では、制御部201は、S606で検出されなくなった無線LANネットワークのネットワーク情報を通信対象ネットワークリストから削除する。そして、更新された通信対象ネットワークリストを例えば作業用メモリに保持する。制御部201は、その後S608に処理を進める。
【0067】
S608では、制御部201は、表示部206に、通信対象ネットワークリストに従ったデジタルカメラの一覧を表示或いは更新し、S609へ処理を移す。
【0068】
S609では、制御部201は、無線LANネットワークの検出処理を終了するかを判定する。制御部201は、例えば、デジタルカメラ通信用アプリケーションの終了がユーザによって選択された場合や、通信するデジタルカメラがユーザによって選択された際などに、無線LANネットワークの検出処理を終了する。制御部201は、無線LANネットワークの検出処理を終了すると判定した場合、
図6Aに係る一連の動作を終了する。一方、無線LANネットワークの検出処理を終了しないと判定した場合、再びS603へ処理を戻す。
【0069】
図7は、スマートフォン200が、
図6Aに係る一連の動作を経て、検出したデジタルカメラの一覧を表示部206に表示した際の画面例を模式的に示している。制御部201は、スマートフォン200と接続対象である装置が生成する、識別子「Canonet」をSSIDに含む無線LANネットワークを検出すると、メッセージ表示エリア501に、デジタルカメラとの通信の選択を促すメッセージを表示する。また、制御部201は、検出したデジタルカメラの一覧を表示する一覧エリア502に、通信対象となる装置が形成した無線LANネットワークのネットワーク情報を一覧表示する。すなわち、検出したデジタルカメラを表示する一覧エリア502には、識別子「Canonet」を含むSSIDを持つ無線LANネットワークのネットワーク情報が表示される。
【0070】
制御部201は、通信対象の装置が形成する各ネットワーク情報を表示するエリア701に、通信対象の装置であるデジタルカメラが形成する無線LANネットワークのSSID、MACAddressなどを表示する。
図7に示す表示例では、デジタルカメラ100の無線LANネットワーク情報が表示されている。表示項目は前述した項目に限らず、ビーコン信号によりスマートフォン200が受信可能な情報の全て又はいずれかを表示しても良い。また、制御部201は、選択ボタン702を表示する。この選択ボタン702は、スマートフォン200がデジタルカメラ100の無線LANネットワークに参加して通信を確立する命令を受け付けるためのボタンである。ユーザは、操作部205に含まれるタッチパネルを介して選択ボタン702を選択することができる。
【0071】
更に、
図6Bを参照して、スマートフォン200が、簡易APモードで無線LANネットワークを形成するデジタルカメラ100との通信を確立する処理に係る一連の動作について説明する。換言すれば、本処理は、スマートフォン200が、デジタルカメラ100の形成する無線LANネットワークに参加し、デジタルカメラ100との通信を確立する処理である。なお、本処理に係る一連の動作は、デジタルカメラ100が、簡易APとして動作し、識別子「Canonet」を含むSSID「Camera_Canonet」を持つ無線LANネットワークを形成した状態で実行される。また、制御部201は、
図7に示したスマートフォン200表示画面において、デジタルカメラ100に対応する選択ボタン702が選択された場合に処理を開始する。
【0072】
S651では、制御部201が、デジタルカメラ100の形成する無線LANネットワークへの参加要求を送信する。制御部201は、参加要求の送信を完了すると、参加要求に対する応答の応答時間を計測するタイマーを起動して、S652へ処理を進める。
【0073】
S652では、制御部201は、S651において送信した参加要求に対する応答をデジタルカメラ100から受信したか否かを判定する。制御部201は、無線LAN通信部211を介してデジタルカメラ100から参加要求に対する応答を受信した場合、S654へ処理を進める。一方、参加要求に対する応答を受信していない場合、S653へ処理を進める。なお、参加要求に対する応答は、後述するS807またはS808において、デジタルカメラ100から送信される。
【0074】
S653では、制御部201は、参加要求に対する応答を受信する前に、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過したか否かを判定する。制御部201は、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過したと判定した場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の通信を確立する処理(すなわち
図6Bに係る一連の動作)を終了する。一方、制御部201は、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過していないと判定した場合、再びS652に処理を戻す。
【0075】
S654では、制御部201は、デジタルカメラ100から受信した参加要求に対する応答が参加許可であるか参加拒否であるかを判定する。制御部201は、受信した参加要求に対する応答の内容が参加許可を示す場合、S655へ処理を進める。一方、受信した参加要求に対する応答の内容が参加拒否だった場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の通信を確立する処理(すなわち
図6Bに係る一連の動作)を終了する。
【0076】
S655では、制御部201は、デジタルカメラ100の形成する無線LANネットワークへ参加し、S656へ処理を進める。S656では、制御部201は、無線LAN通信部211を制御して、デジタルカメラ100からのディスカバリー信号の検出を開始し、S657に処理を進める。
【0077】
S657では、制御部201は、無線LAN通信部211を介して、デジタルカメラ100のデバイス情報をディスカバリー信号として検出したか否かを判定する。検出したと判定した場合S658に進む。検出されなかった場合は、S657を繰り返し行う。なお、ディスカバリー信号は、後述するS809においてデジタルカメラ100からブロードキャストされるものである。
【0078】
S658では、制御部201は、S657において検出されたディスカバリー信号に含まれるデバイス情報をもとに、デジタルカメラ100へ接続要求を送信する。制御部201は、接続要求に対する応答の応答時間を計測するタイマーを起動して、S659へ処理を進める。なお、送信する接続要求には、スマートフォン200の機器名を含める。
【0079】
S659では、制御部201は、デジタルカメラ100から接続要求に対する応答を受信したか否かを判定する。制御部201は、無線LAN通信部211を介してデジタルカメラ100から接続要求に対する応答を受信した場合、S661へ処理を進める。一方、接続要求に対する応答を受信していない場合、S660へ処理を進める。なお、接続要求に対する応答は、S813またはS814においてデジタルカメラ100から送信されるものである。
【0080】
S660では、制御部201は、接続要求に対する応答を受信する前に、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過したか否かを判定する。制御部201は、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過したと判定した場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の通信を確立する処理(すなわち
図6Bに係る一連の動作)を終了する。一方、制御部201は、所定のタイムアウト時間以上の時間が経過していないと判定した場合、再びS659に処理を戻す。
【0081】
S661では、制御部201は、デジタルカメラ100から受信した接続要求に対する応答が接続許可であるか接続拒否であるかを判定する。制御部201は、受信した接続要求に対する応答の内容が接続許可を示す場合、S662へ処理を進める。一方、受信した接続要求に対する応答の内容が接続拒否を示す場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の通信を確立する処理(すなわち
図6Bに係る一連の動作)を終了する。
【0082】
S662では、制御部201は、デジタルカメラ100との通信を確立し、
図6Bに係る一連の動作を終了する。
【0083】
ここまで、外部APが形成するネットワークにおいて通信を確立する接続形態と、デジタルカメラ100が形成するネットワークにおいて通信を確立する接続形態の、2通りの接続形態における、スマートフォン200の処理について説明した。
【0084】
次に、
図8を参照して、前述したスマートフォン200の処理に対応する、デジタルカメラ100の処理に係る一連の動作について説明する。なお、本処理に係る一連の動作は、制御部101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムを作業用メモリ104に展開、実行することにより実現される。なお、特に断らない限り、デジタルカメラ100の処理を示す他の動作の説明においても同様である。なお、本処理は、例えばデジタルカメラ100のユーザが、操作部105に含まれるメニュー等を操作することにより外部装置との接続を指示したことに応じて開始される。
【0085】
S801で、制御部101は、選択画面を表示部106に表示する。この選択画面は、簡易APモードで通信するか、インフラストラクチャモードで通信するかをユーザに選択させる画面である。制御部101は、ユーザ操作によりいずれかの選択がなされた場合、S802に処理を進める。
【0086】
S802では、制御部101は、S801におけるユーザの選択結果に応じて、無線LANネットワークを形成するかを判定する。例えば、ユーザによりインフラストラクチャモードで通信することが選択された場合、制御部101は、自装置では無線LANネットワークを形成すること無く無線LANネットワークに参加するため、S803に処理を進める。一方、簡易APモードで通信することが選択された場合、制御部101は、自装置が簡易APになって無線LANネットワークを形成するため、処理をS804に進める。
【0087】
S803では、制御部101は、周辺の無線LANネットワークを検出し、外部APへの接続処理を行う。この際、制御部101、操作部105を介し外部APのSSID、暗号鍵をユーザから受け付けるようにしてもよい。さらに、他装置との通信を可能にするため、IPアドレスの割り当て、サブネットの設定を行い、S809に処理を進める。
【0088】
一方、S804で、制御部101は、簡易APとして無線LANネットワークを形成する。具体的には、制御部101は、ネットワークを形成するのに必要なSSID、BSSID、認証方式、暗号種別、暗号鍵を生成する。このとき、SSIDとして、スマートフォン200の接続対象である装置によって生成されたネットワークであることを示す識別子「Canonet」を含むSSIDを生成する。
【0089】
また、制御部101は、接続装置がネットワークに参加するために必要な情報として、少なくともSSIDおよび暗号鍵を表示部106に表示する。なお、暗号鍵やSSIDは接続ごとや接続装置ごとに生成してもよいし、常に同じになるようにしてもよい。さらに制御部101は、他機器との通信を可能にするために、IPアドレスの割り当て、サブネットの設定を行ってS805に処理を進める。
【0090】
S805で、制御部101は、自装置が形成する無線LANネットワークに対して、スマートフォン200から参加要求を受信したかを判定する。なお、この参加要求は、上述したS651において、スマートフォン200から送信されるものである。制御部101は、自装置が形成する無線LANネットワークに対する参加要求を受信するまで、本ステップを繰り返す。そして、参加要求を受信したと判定した場合に処理をS806に進める。
【0091】
S806で、制御部101は、S805において受信した(例えばスマートフォン200からの)参加要求に対して、スマートフォン200の無線LANネットワークへの参加を許可するか否かを判定する。具体的には、制御部101は、参加要求として受信した暗号鍵が正しいかを判定し、正しいと判定した場合には参加を許可してS808に処理を進める。一方、制御部101は、正しくないと判定した場合には参加を拒否してS807に処理を進める。
【0092】
S807では、制御部101は、スマートフォン200に対して、無線LANネットワークへの参加拒否の応答を送信して再びS805へ処理を戻す。一方、S808では、制御部101は、スマートフォン200に対して、無線LANネットワークへの参加許可の応答を送信する。この応答を受信することにより、スマートフォン200はデジタルカメラ100の形成する無線LANネットワークへの参加が可能になる。なお、S803あるいはS808の処理が完了すると、デジタルカメラ100とスマートフォン200とは、同一の無線LANネットワークに参加した状態になっている。S809以降の処理では、同一の無線LANネットワークに参加しているデジタルカメラ100とスマートフォン200との間で通信を確立する処理となる。
【0093】
S809で、制御部101は、同一の無線LANネットワーク上の装置に対して、ディスカバリー信号を送信し、S810に進む。ディスカバリー信号には、モデル名称や対応した機能名など、デジタルカメラ100のデバイス情報を含む。このディスカバリー信号は、S403またはS657において、スマートフォン200で受信される。
【0094】
S810では、制御部101は、外部装置からの接続要求を受信したかどうかを判定する。制御部101は、接続要求を受信した場合にはS811に処理を進める。一方、接続要求を受信していない場合には再びS810に処理を戻して、接続要求の受信を待機する。なお、デジタルカメラ100が受信する接続要求は、S451またはS658において、スマートフォン200から送信される。
【0095】
S811では、制御部101は、表示部106に接続確認画面を表示する。接続確認画面は、例えばS810において受信した接続要求の送信元装置名(スマートフォン200の装置名)と、送信元装置に対する接続許可または拒否をユーザに選択させるボタンとを表示する。制御部101は、ユーザにより操作部105を介して接続許可または拒否のどちらかが選択されると、処理をS812へ進める。
【0096】
S812では、制御部101は、ユーザによって接続許可が選択された否かを判定する。制御部101は、例えば操作部105に含まれるタッチパネルへの接触位置により接続許可が選択されたと判定した場合、S814に処理を進める。一方、接続拒否が選択されたと判定した場合にはS813に処理を進める。
【0097】
S813では、制御部101は、接続要求の送信元装置であるスマートフォン200に対して接続要求を拒否する応答を送信し、本処理に係る一連の動作を終了する。一方、S814では、制御部101は、接続要求の送信元装置であるスマートフォン200に対して、接続要求を許可する応答を送信し、S815に処理を進める。そして、S815では、制御部101はスマートフォン200との通信を確立して、一連の動作を終了する。
【0098】
<接続形態の異なるデジタルカメラを検出した際の、スマートフォンにおけるデジタルカメラ一覧の表示処理>
上述の説明では、第1の接続形態として、インフラストラクチャモードで動作するデジタルカメラ100とスマートフォン200とが、外部APが形成する無線LANネットワークに参加したうえで通信を確立する形態を説明した。また、第2の接続形態として、簡易APモードで動作するデジタルカメラ100が無線LANネットワークを形成し、スマートフォン200が当該ネットワークに参加したうえでデジタルカメラ100と通信を確立する形態を説明した。
【0099】
ここで、スマートフォン200は、2通りの接続形態で通信可能なデジタルカメラの検出処理を並行して行う場合がある。例えば、デジタルカメラ100とスマートフォン200とを有するユーザが更に外部AP900を所持し、外部AP900の形成する無線LANネットワークに、スマートフォン200とインフラストラクチャモードのデジタルカメラ100とが参加する。このとき、別のユーザが所持する簡易APモードで動作するデジタルカメラ190が無線LANネットワークを形成していると、スマートフォン200には、デジタルカメラごとに異なる接続形態が必要になる。すなわち、デジタルカメラ100とデジタルカメラ190とをそれぞれ別々の検出方法で検出する必要がある。
【0100】
図9には、上述の異なる接続形態で通信可能なデジタルカメラの検出を並行して行った検出結果を模式的に示している。すなわち、
図9では、外部AP900の形成する無線LANネットワーク上でディスカバリー信号を送信するデジタルカメラ100との接続形態と、簡易APとして無線LANネットワークを形成するデジタルカメラ190との接続形態とを示している。
【0101】
具体的に、
図9(a)では、デジタルカメラ100とスマートフォン200とが、外部AP900の形成する無線LANネットワーク「AP_1」に参加し、スマートフォン200がディスカバリー信号を受信してデジタルカメラ100を検出した状態である。この状態において、スマートフォン200は、簡易APとして動作するデジタルカメラ190が形成する無線LANネットワークを検出している(すなわち、スマートフォン200はネットワーク「Camera_Canonet」には参加していない)。
【0102】
図9(a)の状態において、ユーザが、通信を確立する対象装置としてデジタルカメラ190を選択すると、スマートフォン200はデジタルカメラ190と通信を確立した状態になる(
図9(b))。このように異なる接続方法が必要であるものの、スマートフォン200のユーザにとっては、どのデジタルカメラとデータの送受信を行う場合であっても、同一の画面で同一の操作により所望のデジタルカメラと通信を確立できることが望ましい。
【0103】
以下、
図10を参照して、接続形態の異なるデジタルカメラを検出した場合であっても、その接続形態によらず、ユーザが同一の画面で、同一の操作にて所望のデジタルカメラと通信の確立するためのスマートフォン200の表示方法について説明する。
【0104】
図10Aは、デジタルカメラ100のカメラ情報とデジタルカメラ190のネットワーク情報とを、表示部206の一覧エリア502の同一のリスト内に表示する例を示している。デジタルカメラ100のカメラ情報は、S403において検出される、参加中の無線LANネットワーク上でディスカバリー信号により検出されたデジタルカメラ100のカメラ情報である。また、デジタルカメラ190のネットワーク情報は、S602において無線LANネットワークとして検出される、簡易APモードで動作しているデジタルカメラ190のネットワーク情報である。
【0105】
デジタルカメラの情報表示エリア1001は、
図9(a)におけるデジタルカメラ190のネットワーク情報を表示している。選択ボタン1002は、スマートフォン200とデジタルカメラ190との通信を確立する命令を受け付けるためのボタンである。制御部201は、選択ボタン1002がユーザによって選択された場合、
図6Bに示した動作を開始して、デジタルカメラ190の形成する無線LANネットワークへ参加し、デジタルカメラ190との通信を確立する。
【0106】
一方、デジタルカメラの情報表示エリア1003は、
図9(a)におけるデジタルカメラ100のカメラ情報を表示している。選択ボタン1004は、スマートフォン200とデジタルカメラ100との通信を確立する命令を受け付けるためのボタンである。制御部201は、選択ボタン1004がユーザによって選択された場合、
図4Bに示した動作を開始して、デジタルカメラ100との通信を確立する。
【0107】
このように、デジタルカメラ190のネットワーク情報と、デジタルカメラ100のカメラ情報とを同一のリスト内に表示したうえで、選択されたデジタルカメラの接続形態に応じて通信の確立までの処理を切り替えるようにした。このようにすれば、スマートフォン200のユーザは、同一画面内で同一操作を行うだけで、デジタルカメラとの接続形態を意識することなく、容易に各デジタルカメラとの通信を確立することができる。
【0108】
一方、デジタルカメラ側ではユーザが任意に接続形態を設定可能であるため、接続形態について知識を有するユーザにとっては、特定の接続形態を特定し、その接続形態でスマートフォンと接続するデジタルカメラの情報のみを表示させたい場合がある。従って、2つの接続形態によって発見されたデジタルカメラを区別なく表示するだけでなく、追加的に、接続形態を区別可能に表示できるようにしてもよい。
【0109】
例えば、無線LANネットワークとして識別子により発見されたデジタルカメラの情報表示エリアの情報と、ディスカバリー信号の検出により発見されたデジタルカメラの情報表示エリアの情報とを、背景色、文字色、文字の大きさにより区別してもよい。また、リストに対してソートボタンを設け、デジタルカメラを発見した順に情報表示エリアの情報を並び替えられるようにしてもよい。また、リスト内の情報表示エリアの情報を、デジタルカメラの接続形態によってタブで切り替えられるようにしてもよい。
図10B及び
図10Cは、接続形態で区別しない情報表示エリアに加えて、タブで接続形態を切り替えられるようにした表示例を示している。
【0110】
図10Bに示すように、インフラ接続タブボタン1011が選択された場合、制御部201は、外部APが形成する無線LANネットワーク(「AP_1」)上でディスカバリー信号を受信して検知されたデジタルカメラに関する表示のみを行う。すなわち、デジタルカメラ100のデバイス情報が情報表示エリア1003に表示され、デジタルカメラ100との接続を選択するための選択ボタン1004が表示される。
【0111】
一方、
図10Cに示すように、簡易AP接続タブボタン1012が選択された場合、制御部201は、ビーコン信号で得られる、接続対象の装置により形成された無線LANネットワークを示す識別子を提供するデジタルカメラに関する表示のみを行う。すなわち、デジタルカメラ190のデバイス情報を表示した情報表示エリア1001と、デジタルカメラ190との接続を選択するための選択ボタン1002とが表示される。このように、接続形態に応じた表示を行えるようにすることで、ユーザは、その接続形態に関する知識レベルに応じて、デジタルカメラを接続形態ごとに容易に閲覧・探索することができるようになる。
【0112】
ところで、一般的に使用される外部APは、公衆網などに接続する回線を有しており、インターネットを介した通信などを行うことができる。一方、上述したようにデジタルカメラが有する簡易AP機能により形成される無線LANネットワークでは、公衆網などに接続する回線を有していないのが一般的である。このため、例えば、
図9(a)に示した外部AP900の無線LANネットワークに参加している状態では、スマートフォン200はインターネットを介した通信を行うことができる。この状態から、
図9(b)のように、参加している無線LANネットワークをデジタルカメラ190の形成するネットワークに変更すると、インターネットを介した通信を行うことができなくなる。より一般化すれば、接続形態を使い分ける(すなわち提供機能の異なるAPを使い分ける)際には、ユーザに提供できる機能の制限や不都合が生じる場合があるため、ユーザによるネットワークの選択操作に伴って注意喚起を促すことは有用である。
【0113】
例えば、スマートフォン200が、簡易APモードのデジタルカメラによって形成される無線LANネットワークに参加する場合、制御部201は、インターネットに接続できなくなる旨のメッセージを表示部106に表示してもよい。
図10Dは、当該メッセージの表示例を示している。制御部201は、識別子「Canonet」を含むSSIDを持つ無線LANネットワークを形成するデジタルカメラ190との通信が選択される場合、警告メッセージダイアログ1021を表示する。警告メッセージダイアログ1021には、例えば、スマートフォン200がインターネットに接続ができなくなる旨の警告を表示する。OKボタン1022は、インターネットに接続できなくなることを了承するボタンである。制御部201は、OKボタン1022が押下されると、デジタルカメラ190が形成する無線LANネットワークへの参加処理およびデジタルカメラ190との通信の確立処理を継続する。また、キャンセルボタン1023は、インターネットに接続できなくなることを拒否することをユーザに選択させるボタンである。スマートフォン200は、キャンセルボタン1023が選択されると、デジタルカメラ190が形成する無線LANネットワークの参加処理もデジタルカメラ190との通信の確立処理も行わない。このようにすれば、ユーザは、接続するAPの機能の違いによって意図せず不都合が生じることを防止することができる。
【0114】
以上説明したように本実施形態では、通信を確立しようとするデジタルカメラを選択する場合、接続形態の異なるデジタルカメラを同一の表示画面上に表示するようにした。すなわち、ビーコン信号により検出するデジタルカメラと、無線ネットワーク上でディスカバリー信号により発見するデジタルカメラとを、同一の表示画面上で区別なく表示するようにした。このため、異なる方法によって検出される複数の装置を、通信を確立するために統一的に表示することが可能になる。また、これらのデジタルカメラを同一の表示画面上で区別なく操作可能にした。これにより、ユーザはデジタルカメラの異なる接続形態を意識することなく、容易に所望のデジタルカメラを選択し、操作することができる。更に、接続形態の区別を設けない表示に加えて、異なる接続形態ごとにデジタルカメラの一覧を表示できるようにした。これにより、接続形態について知識がある場合には、所望の接続形態のデジタルカメラのみを容易に選択することができる。また、接続形態の異なる無線LAN接続が混在する場合に、選択された無線LANネットワークにおいて機能制限が生じる場合には、警告メッセージを表示するようにした。このようにすれば、ユーザは、接続するAPの機能の違いによって意図せず不都合が生じることを防止することができる。
【0115】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。