特許第6802750号(P6802750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802750
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月16日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20201207BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20201207BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20201207BHJP
【FI】
   H01L27/04 M
   H01L27/04 V
   H01L21/82 F
   H01L27/04 T
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-80506(P2017-80506)
(22)【出願日】2017年4月14日
(65)【公開番号】特開2018-182097(P2018-182097A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】渡部 真平
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−244159(JP,A)
【文献】 特開2016−051723(JP,A)
【文献】 特開2009−055757(JP,A)
【文献】 特開2008−270482(JP,A)
【文献】 特開2000−068458(JP,A)
【文献】 特開2014−093373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/82
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のHブリッジ回路と、
前記複数のHブリッジ回路に共通の論理回路と、
を有し、
前記論理回路は、前記複数のHブリッジ回路の制御に共用される制御信号と、前記複数のHブリッジ回路のそれぞれについて有効にするか否かを指定する、前記Hブリッジ回路毎の信号である有効信号とに基づいて、前記複数のHブリッジ回路の各駆動状態についての組み合わせが所定の条件を満たすように、前記複数のHブリッジ回路のそれぞれの駆動を制御する
半導体装置。
【請求項2】
前記論理回路は、前記複数のHブリッジ回路に対する全ての前記有効信号が、前記Hブリッジ回路を有効にすることを示す場合、全ての前記Hブリッジ回路を駆動させないよう制御する
請求項に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記論理回路は、前記複数のHブリッジ回路に対する全ての前記有効信号が、前記Hブリッジ回路を有効にすることを示す場合、前記複数のHブリッジ回路のうち所定の前記Hブリッジ回路だけを前記制御信号に従って駆動させる
請求項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記論理回路は、前記複数のHブリッジ回路に対する一部の前記有効信号が、前記Hブリッジ回路を有効にすることを示し、他の前記有効信号が、前記Hブリッジ回路を無効にすることを示す場合、全ての前記Hブリッジ回路を駆動させないよう制御する
請求項に記載の半導体装置。
【請求項5】
電源電圧が閾値以上であるか否かを判定する電源電圧判定回路をさらに有し、
前記論理回路は、前記電源電圧判定回路により、電源電圧が閾値以上であると判定されることを、前記Hブリッジ回路の駆動のための要件として用いる
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
ヒューズの状態により設定値を指定するヒューズ回路と、
前記ヒューズ回路のヒューズ状態が所定の状態であるか否かを判定するヒューズ状態判定回路と、
をさらに有し、
前記論理回路は、前記ヒューズ状態判定回路により、前記ヒューズ回路のヒューズ状態が所定の状態であると判定されることを、前記Hブリッジ回路の駆動のための要件として用いる
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記論理回路は、前記Hブリッジ回路の駆動の停止を強制する強制信号を受信した場合、前記Hブリッジ回路が駆動しないよう制御する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数のHブリッジ回路と前記論理回路は、同一の半導体チップに実装され、
前記論理回路は、前記半導体チップを特定するためのチップ特定情報を出力する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記論理回路は、前記複数のHブリッジ回路に対する各前記有効信号が所定の信号状態である場合、エラー信号を出力する
請求項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及びアクチュエータシステムに関し、例えばHブリッジ回路を有する半導体装置及びアクチュエータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Hブリッジ回路は、自動車のパワーウインドウやドアロック等を動作させるためのソレノイドバルブ又はモータといったアクチュエータを制御するドライバー回路として使用される。このような車載用のドライバー回路は、数A(アンペア)〜数十Aの大電流にかかわるアクチュエータを制御するため、高い機能安全性が求められる。例えば、特許文献1は、Hブリッジ回路を用いてモータを制御する半導体装置について開示している。
【0003】
また、Hブリッジ回路を複数用いた制御を実現する場合、Hブリッジ回路を1つ形成したチップを複数用いることが考えられるが、近年、複数のHブリッジ回路が形成された1つのチップにより制御を実現する技術である1チップソリューションの検討が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−093373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Hブリッジ回路を複数用いる場合に、各Hブリッジ回路の駆動の可否を所望の条件にしたがって制御することが好ましい。そのため、そのような制御を実現するための技術が求められている。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態によれば、半導体装置は、入力される信号に基づいて、複数のHブリッジ回路の各駆動状態についての組み合わせが所定の条件を満たすように、それぞれの駆動を制御する、複数のHブリッジ回路に共通の論理回路を有する。
【発明の効果】
【0008】
前記一実施の形態によれば、Hブリッジ回路を複数用いる場合に、各Hブリッジ回路の駆動の可否を所望の条件にしたがって制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態の概要にかかる半導体装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる半導体装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】論理回路によって制御されるHブリッジ回路の駆動状態の例を示すタイムチャートである。
図4】論理回路によって制御されるHブリッジ回路の駆動状態の他の例を示すタイムチャートである。
図5】比較例にかかる半導体装置の構成を示すブロック図である。
図6】チップ特定情報の出力について示すタイムチャートである。
図7】実施の形態3にかかる半導体装置の構成の一例を示すブロック図である。
図8】電源電圧、VDD監視回路の判定信号、及びeヒューズコントローラの判定信号の時間推移の一例について示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0011】
<実施の形態の概要>
実施の形態の詳細について説明する前に、まず、実施の形態の概要について説明する。図1は、実施の形態の概要にかかる半導体装置1の構成の一例を示すブロック図である。半導体装置1は、論理回路Lと、複数のHブリッジ回路HBRとを有する。
【0012】
論理回路Lは、Hブリッジ回路HBRを制御するための回路であり、図1に示すように、複数のHブリッジ回路HBRに共通の論理回路である。つまり、Hブリッジ回路HBRそれぞれに対し、論理回路が設けられているのではなく、複数のHブリッジ回路HBRに対し1つの論理回路Lが設けられている。したがって、論理回路Lは、論理回路Lに入力される信号に基づいて各Hブリッジ回路HBRの駆動を制御するために共用される回路である。論理回路Lは、入力される信号に基づいて、複数のHブリッジ回路HBRの各駆動状態についての組み合わせが所定の条件を満たすように、複数のHブリッジ回路HBRのそれぞれの駆動を制御する。なお、駆動状態とは、駆動しているか否かを示す状態をいう。
【0013】
半導体装置1では、上述の通り、Hブリッジ回路HBRごとに論理回路が設けられているのではなく、各Hブリッジ回路HBRに共通の1つの論理回路Lが設けられている。そして、この1つの論理回路Lは、複数のHブリッジ回路HBRの各駆動状態についての組み合わせが所定の条件を満たすように、制御を行う。このため、半導体装置1によれば、各Hブリッジ回路HBRの駆動の可否を所望の条件にしたがって制御することができる。
【0014】
<実施の形態1>
次に実施の形態の詳細について説明する。図2は、実施の形態1にかかる半導体装置10の構成の一例を示すブロック図である。半導体装置10は、Hブリッジ回路HBR1と、Hブリッジ回路HBR2と、Hブリッジ回路HBR1、HBR2に共通の論理回路Lと、MCU(マイクロコントローラユニット)200を有する。Hブリッジ回路HBR1、Hブリッジ回路HBR2、及び論理回路Lは、同一の1つの半導体チップ100に実装されている。なお、MCU200は、論理回路Lと、例えば、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(Serial Peripheral Interface)により接続されており、信号の送受信が可能である。
【0015】
Hブリッジ回路HBR1及びHブリッジ回路HBR2には、モータなどのアクチュエータ300が接続される。Hブリッジ回路HBR1及びHブリッジ回路HBR2は、論理回路Lから出力される信号にしたがってHブリッジ回路内のスイッチのオンとオフを切り替えることにより、アクチュエータ300に流す電流の状態(すなわち、電流の有無、及び電流の向き)を制御する。これにより、Hブリッジ回路HBR1及びHブリッジ回路HBR2は、アクチュエータ300の正転、逆転、及び停止を制御する。なお、半導体装置10とアクチュエータ300により、アクチュエータシステムが構成される。
【0016】
論理回路Lは、複数のHブリッジ回路に共通の論理回路であり、MCU200からの信号に基づいて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を制御する。論理回路Lには、MCU200から、クロック信号SCLKと、制御情報入力信号SIと、セレクト信号SS1、SS2が入力される。また、論理回路Lは、MCU200に出力信号SOを出力する。
【0017】
クロック信号SCLKは、論理回路Lが動作するために用いられるクロック信号である。制御情報入力信号SIは、各種の制御情報(コマンド)を論理回路Lに与える信号である。例えば、この制御情報は、Hブリッジ回路HBR1のスイッチの状態及びHブリッジ回路HBR2のスイッチ状態を指定する命令である。論理回路Lは、制御情報入力信号SIにしたがって、Hブリッジ回路HBR1、HBR2のスイッチの状態を切り替える。ここで、制御情報入力信号SIは、Hブリッジ回路HBR1とHブリッジ回路HBR2とに対し、共通の信号である。したがって、制御情報入力信号SIは、複数のHブリッジ回路(Hブリッジ回路HBR1、HBR2)の制御に共用される信号である。なお、制御情報入力信号SIは、制御信号とも称される。
【0018】
セレクト信号SS1は、Hブリッジ回路HBR1を有効にするか否かを指定する信号である。また、セレクト信号SS2は、Hブリッジ回路HBR2を有効にするか否かを指定する信号である。このようにセレクト信号は、Hブリッジ回路毎の信号である。なお、セレクト信号SS1、SS2は、有効信号とも称される。
【0019】
出力信号SOは、論理回路Lが出力する信号である。論理回路Lは、出力信号SOとして、例えば、受信した制御情報を出力してもよい。この場合、MCU200は、送信した制御情報が論理回路Lに正しく受信されたか否かを出力信号SOに基づいて確認することができる。また、論理回路Lは、出力信号SOとして、エラー信号を出力してもよい。例えば、論理回路Lは、セレクト信号SS1、SS2の信号状態が所定の信号状態である場合、エラー信号を出力してもよい。エラー信号が出力されることにより、異常の発生を検出することが可能となる。
【0020】
MCU200は、Hブリッジ回路HBR1を駆動させるために、セレクト信号SS1を、Hブリッジ回路を有効にすることを示す信号状態にする。具体的には、例えば、セレクト信号SS1をロウレベルにする。また、MCU200は、Hブリッジ回路HBR2を駆動させるために、セレクト信号SS2を、Hブリッジ回路を有効にすることを示す信号状態にする。具体的には、例えば、セレクト信号SS2をロウレベルにする。これに対し、MCU200は、Hブリッジ回路HBR1を駆動させないために、セレクト信号SS1を、Hブリッジ回路を無効にすることを示す信号状態にする。具体的には、MCU200は、例えば、セレクト信号SS1をハイレベルにする。また、MCU200は、Hブリッジ回路HBR2を駆動させないために、セレクト信号SS2を、Hブリッジ回路を無効にすることを示す信号状態にする。具体的には、MCU200は、例えば、セレクト信号SS2をハイレベルにする。
【0021】
また、MCU200は、Hブリッジ回路HBR1、HBR2のうち少なくとも1つを駆動させる際、駆動対象のHブリッジ回路のスイッチの状態(すなわち、Hブリッジ回路を流れる電流の向き)を指示する制御情報入力信号SIを論理回路Lに出力する。
【0022】
論理回路Lは、MCU200からの制御情報入力信号SIとセレクト信号SS1、SS2とに基づいて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2のそれぞれの駆動を制御する。なお、上述の通り、制御情報入力信号SIは、Hブリッジ回路HBR1とHブリッジ回路HBR2とに対し、共通の信号である。このため、論理回路Lは、Hブリッジ回路HBR1とHブリッジ回路HBR1の両方を駆動させる場合、両者を同じ制御情報にしたがって駆動させる。
【0023】
ここで、論理回路Lは、Hブリッジ回路HBR1の駆動状態(駆動又は非駆動)とHブリッジ回路HBR2の駆動状態(駆動又は非駆動)についての組み合わせが、仕様又は機能安全の観点などにしたがって予め定められた条件を満たすように、Hブリッジ回路HBR1、HBR2のそれぞれの駆動を制御する。本実施の形態では、論理回路Lは、Hブリッジ回路HBR1、HBR2に共通の回路であるため、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動状態を一括して制御することができる。
【0024】
図3は、論理回路Lによって制御されるHブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動状態の例を示すタイムチャートである。図3においては、セレクト信号SS1とセレクト信号SS2とがいずれもHブリッジ回路を有効にすることを示す信号状態の場合の論理回路Lによる制御例を示している。論理回路Lは、図3に示すように、任意の制御が可能である。すなわち、論理回路Lは、セレクト信号SS1とセレクト信号SS2とがいずれもHブリッジ回路を有効にすることを示す場合、例えば、第1の組み合わせ、第2の組み合わせ、第3の組み合わせ、又は第4の組み合わせのうち、予め定められた組み合わせを実現する。
【0025】
ここで、第1の組み合わせは、制御信号に従ってHブリッジ回路HBR1を駆動させ、Hブリッジ回路HBR2については駆動させないという駆動状態の組み合わせである。第2の組み合わせは、制御信号に従ってHブリッジ回路HBR2を駆動させ、Hブリッジ回路HBR1については駆動させないという駆動状態の組み合わせである。第3の組み合わせは、制御信号に従ってHブリッジ回路HBR1、HBR2の両方を駆動させるという駆動状態の組み合わせである。第4の組み合わせは、Hブリッジ回路HBR1もHブリッジ回路HBR2も両方とも駆動させないという駆動状態の組み合わせである。なお、いずれの組み合わせの制御を論理回路Lが実現するかは、仕様又は機能安全の観点などにより予め定められている。したがって、論理回路Lは、所望の組み合わせの駆動状態を実現するための回路が実装されている。
【0026】
また、論理回路Lは、セレクト信号SS1とセレクト信号SS2とがいずれもHブリッジ回路を有効にすることを示す場合、出力信号SOとして、エラー信号を出力してもよいし、出力しなくてもよい。これについても、仕様又は機能安全の観点などにより予め定められており、所望の信号出力動作が実現されるよう回路が実装されている。
【0027】
よって、例えば、論理回路Lは、複数のHブリッジ回路HBR1、HBR2に対する全ての有効信号(セレクト信号)がHブリッジ回路を有効にすることを示す場合、全てのHブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させないよう制御してもよい。論理回路Lがこのような制御を実現する場合、例えば、複数のHブリッジ回路HBR1、HBR2に対する全ての有効信号がHブリッジ回路を有効にすることを示すという状態に対し、MCU200からの駆動指示によらず駆動を抑制することができる。
【0028】
また、例えば、論理回路Lは、複数のHブリッジ回路HBR1、HBR2に対する全ての有効信号(セレクト信号)が、Hブリッジ回路を有効にすることを示す場合、複数のHブリッジ回路HBR1、HBR2のうち所定のHブリッジ回路だけを制御信号に従って駆動させてもよい。論理回路Lがこのような制御を実現する場合、例えば、複数のHブリッジ回路HBR1、HBR2に対する全ての有効信号がHブリッジ回路を有効にすることを示すという状態に対し、MCU200からの駆動指示によらず、所定のHブリッジ回路の駆動を優先するとともに他のHブリッジ回路の駆動を抑制することができる。
【0029】
図4は、論理回路Lによって制御されるHブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動状態の他の例を示すタイムチャートである。図4においては、セレクト信号SS1、SS2のうち一方がHブリッジ回路を有効にすることを示し、他方がHブリッジ回路を無効にすることを示す信号状態の場合の論理回路Lによる制御例を示している。この場合も、論理回路Lは、図4に示すように、任意の制御が可能である。すなわち、論理回路Lは、セレクト信号SS1、SS2のうち一方がHブリッジ回路を有効にすることを示し、他方がHブリッジ回路を無効にすることを示す場合、例えば、第5の組み合わせ、第6の組み合わせ、第7の組み合わせ、又は第8の組み合わせのうち、予め定められた組み合わせを実現する。
【0030】
ここで、第5の組み合わせは、セレクト信号SS1がHブリッジ回路を有効にすることを示し、セレクト信号SS2がHブリッジ回路を無効にすることを示す場合に、制御信号に従ってHブリッジ回路HBR1を駆動させ、Hブリッジ回路HBR2については駆動させないという駆動状態の組み合わせである。第6の組み合わせは、セレクト信号SS1がHブリッジ回路を有効にすることを示し、セレクト信号SS2がHブリッジ回路を無効にすることを示す場合に、Hブリッジ回路HBR1もHブリッジ回路HBR2も両方とも駆動させないという駆動状態の組み合わせである。第7の組み合わせは、セレクト信号SS1がHブリッジ回路を無効にすることを示し、セレクト信号SS2がHブリッジ回路を有効にすることを示す場合に、制御信号に従ってHブリッジ回路HBR2を駆動させ、Hブリッジ回路HBR1については駆動させないという駆動状態の組み合わせである。第8の組み合わせは、セレクト信号SS1がHブリッジ回路を無効にすることを示し、セレクト信号SS2がHブリッジ回路を有効にすることを示す場合に、Hブリッジ回路HBR1もHブリッジ回路HBR2も両方とも駆動させないという駆動状態の組み合わせである。なお、いずれの組み合わせの制御を論理回路Lが実現するかは、仕様又は機能安全の観点などにより予め定められている。したがって、論理回路Lは、所望の組み合わせの駆動状態を実現するための回路が実装されている。
【0031】
また、論理回路Lは、セレクト信号SS1、SS2のうち一方がHブリッジ回路を有効にすることを示し、他方がHブリッジ回路を無効にすることを示す場合、出力信号SOとして、エラー信号を出力してもよいし、出力しなくてもよい。これについても、仕様又は機能安全の観点などにより予め定められており、所望の信号出力動作が実現されるよう回路が実装されている。
【0032】
よって、例えば、論理回路Lは、複数のHブリッジ回路HBR1、HBR2に対する一部の有効信号(セレクト信号)が、Hブリッジ回路を有効にすることを示し、他の有効信号(セレクト信号)が、Hブリッジ回路を無効にすることを示す場合、全てのHブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させないよう制御してもよい。論理回路Lがこのような制御を実現する場合、例えば、一部の有効信号のみがHブリッジ回路を有効にすることを示すという状態に対し、MCU200からの駆動指示によらず駆動を抑制することができる。
【0033】
ここで、比較例について説明する。図5は、比較例にかかる半導体装置90の構成を示すブロック図である。比較例にかかる半導体装置90は、半導体チップ101に論理回路L1とHブリッジ回路HBR1とが実装されており、半導体チップ102に論理回路L2とHブリッジ回路HBR2とが実装されている点で、半導体装置10と異なる。つまり、半導体装置90は、Hブリッジ回路毎に、論理回路が設けられている。半導体装置90においても半導体装置10と同様に、MCU200と論理回路L1、L2との間で、クロック信号SCLK、制御情報入力信号SI、セレクト信号SS1、SS2、及び、出力信号SOが送受信される。ただし、論理回路L1には、セレクト信号SS1が入力されるもののセレクト信号SS2は入力されない。同様に、論理回路L2には、セレクト信号SS2が入力されるもののセレクト信号SS1は入力されない。したがって、論理回路L1は、Hブリッジ回路HBR2に対するMCU200からの駆動指示について把握できない。同様に、論理回路L2は、Hブリッジ回路HBR1に対するMCU200からの駆動指示について把握できない。また、論理回路L1は、Hブリッジ回路HBR1のみを制御対象としており、論理回路L2は、Hブリッジ回路HBR2のみを制御対象としている。このため、半導体装置90にあっては、複数のセレクト信号に応じて、複数のHブリッジ回路の駆動状態を一括して制御することが難しい。
【0034】
これに対し、半導体装置10では、Hブリッジ回路HBR1、HBR2に共通の1つの論理回路Lが設けられており、この論理回路Lは、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の各駆動状態についての組み合わせが所定の条件を満たすように、制御を行う。このため、半導体装置10によれば、各Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動の可否を所望の条件にしたがって制御することができる。また、特に、論理回路Lは、上述の通り、制御情報入力信号SIと、セレクト信号SS1、SS2とに基づいて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2のそれぞれの駆動を制御する。このため、複数のセレクト信号の組み合わせに応じた駆動状態の制御を実現することができる。
【0035】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、論理回路Lが、半導体チップ100のチップ特定情報を出力する点で、実施の形態1と異なる。チップ特定情報は、半導体チップ100のバージョンなど、半導体チップ100を特定するための情報である。
【0036】
本実施の形態の論理回路Lは、MCU200からの読み出しコマンドに応じて、半導体チップ100のチップ特定情報を出力する。より詳細には、論理回路Lは、セレクト信号SS1、SS2の少なくともいずれか一方がロウレベルである場合に、読み出しコマンドに応じて、チップ特定情報を出力する。なお、セレクト信号の信号状態によらず、読み出しコマンドに応じてチップ特定情報を出力してもよい。読み出しコマンドは、制御情報入力信号SIに含まれており、MCU200から論理回路Lに通知される。論理回路Lは、MCU200から読み出しコマンドを受信すると、例えば半導体チップ100に実装されたレジスタ等の記憶回路に記憶されているチップ特定情報を読み出して、出力信号SOとしてチップ特定情報を出力する。
【0037】
図6は、チップ特定情報の出力について示すタイムチャートである。図6では、本実施の形態におけるチップ特定情報の出力に加え、上述の比較例におけるチップ特定情報の出力についても示している。比較例にかかる半導体装置90では、図5に示したように、半導体チップ101と半導体チップ102とを含む。このため、半導体チップ101に実装されている論理回路L1は、セレクト信号SS1がロウレベルである場合、制御情報入力信号SIの読み出しコマンドに応じて、半導体チップ101のチップ特定情報CI_1を出力信号SOとして出力する。また、半導体チップ102に実装されている論理回路L2は、セレクト信号SS2がロウレベルである場合、制御情報入力信号SIの読み出しコマンドに応じて、半導体チップ102のチップ特定情報CI_2を出力信号SOとして出力する。
【0038】
ここで、半導体装置90において、論理回路L1の出力信号SOの信号線と、論理回路L2の出力信号SOの信号線は、結合しており、1本の信号線がMCU200に接続されている。すなわち、MCU200には、論理回路L1からの出力信号SOと論理回路L2からの出力信号SOとが重畳されて入力される。したがって、セレクト信号SS1とセレクト信号SS2とがいずれもロウレベルである場合、図6に示すように、MCU200に入力される出力信号SOは、チップ特定情報CI_1を示す信号とチップ特定情報CI_2を示す信号が重畳した信号である。このため、MCU200は、チップ特定情報を適切に取得することができない。
【0039】
これに対して、本実施の形態では、1つの半導体チップ100に1つの論理回路Lが実装されている。このため、図6に示すように、MCU200には、チップ特定情報としては半導体チップ100のチップ特定情報CIだけが出力信号SOにより入力される。このため、MCU200は、チップ特定情報を適切に取得することができる。よって、本実施の形態によれば、半導体装置10に用いられている半導体チップの適切な管理が可能となる。なお、比較例にかかる半導体装置90において、出力信号SOのMCU200への配線を論理回路毎に分けることで、比較例にかかる半導体装置90においても、チップ特定情報を適切に取得することが可能になる。しかしながら、この場合、配線数の増大、及び、MCU200における処理回路の増大をまねく。これに対し、本実施の形態によれば、そのような回路規模の増大を抑制しつつ、チップ特定情報を適切に取得することが可能になる。
【0040】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態1では、セレクト信号SS1、SS2の信号状態に応じて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動状態が決定されたが、駆動状態の決定のために他の信号が用いられてもよい。本実施の形態では、他の信号を用いた駆動状態の決定について示す。
【0041】
図7は、実施の形態3にかかる半導体装置20の構成の一例を示すブロック図である。半導体装置20は、VDD監視回路110、eヒューズ(e−fuse)120、及びeヒューズコントローラ(e−fuseコントローラ)130を半導体チップ100に含み、かつ、論理回路Lが論理回路L3に置き換えられた点で、半導体装置10と異なる。以下、半導体装置20について、半導体装置10と異なる点について説明する。
【0042】
VDD監視回路110は、半導体チップ100に供給される電源電圧(VDD)が、閾値以上であるか否かを判定する回路であり、電源電圧判定回路とも称される。VDD監視回路110は、電源電圧が予め定められた閾値以上であるか否かを示す判定信号を、論理回路L3に出力する。論理回路L3は、VDD監視回路110により電源電圧が閾値以上であると判定されることを、Hブリッジ回路の駆動のための要件として用いる。
【0043】
eヒューズ120は、ヒューズの状態により各種の設定値を指定する電子ヒューズであり、ヒューズ回路とも称される。eヒューズ120は、ヒューズ状態に応じた出力信号をeヒューズコントローラ130に出力する。また、eヒューズ120は、他の回路(例えば、論理回路L3)からの信号により、ヒューズが切れるよう構成された回路であり、ヒューズが切れているか否かによって出力信号が異なる。例えば、eヒューズ120は、抵抗とスイッチを備えており、他の回路からの信号によりスイッチが切り替わり、抵抗に過大な電流が流れるよう構成されている。抵抗に過大な電流が流れることにより、この抵抗が切断され、その結果、出力信号が変化する。なお、eヒューズ120のヒューズの切断については、例えば、次のようになされる。まず、MCU200から、制御情報入力信号SIにより論理回路L3に切断コマンドが送信される。これにより、論理回路L3は、切断コマンドに応じた切断信号をeヒューズ120に出力する。この切断信号がeヒューズ120により受信されることで、ヒューズが切れる。
【0044】
本実施の形態では、eヒューズ120は、一例として、VDD監視回路110における上述の閾値の設定値を指定する電子ヒューズとして用いられている。なお、eヒューズ120は、複数存在してもよい。すなわち、複数のeヒューズ120の出力信号の組み合わせにより、設定値が指定されてもよい。
【0045】
eヒューズコントローラ130には、eヒューズ120の出力信号が入力される。したがって、eヒューズコントローラ130は、eヒューズ120のヒューズ状態、すなわちヒューズの切断状況を管理することができる。本実施の形態において、eヒューズコントローラ130は、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態であるか否かを判定する回路である。なお、eヒューズコントローラ130は、ヒューズ状態判定回路とも称される。具体的には、例えば、eヒューズコントローラ130は、MCU200から要求されたヒューズの切断が確実に実現されているか否かを判定する。すなわち、MCU200がn個(nは1以上の整数)のeヒューズ120を切断することを要求した場合に、eヒューズコントローラ130は、実際にn個のeヒューズ120においてヒューズが切断されているか否かを判定する。なお、判定にあたり、切断を要求するコマンドは、例えば、論理回路L3からeヒューズコントローラ130に通知されてもよいし、MCU200からeヒューズコントローラ130に直接通知されてもよい。eヒューズコントローラ130は、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態であるか否かを示す判定信号を、論理回路L3に出力する。そして、論理回路L3は、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態であることを、Hブリッジ回路の駆動のための要件として用いる。
【0046】
論理回路L3は、セレクト信号SS1、SS2の信号状態に加え、他の条件を用いて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動の可否を決定する点で、論理回路Lと異なる。具体的には、論理回路L3は、電源電圧が設定された閾値以上でない場合、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させない。すなわち、論理回路L3は、VDD監視回路110からの判定信号が、電源電圧が閾値以上であることを示す信号(例えばハイレベル)でない場合(言い換えると、電源電圧が閾値未満であることを示す信号(例えばロウレベル)である場合)、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させない。
【0047】
また、論理回路L3は、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態でない場合、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させない。すなわち、論理回路L3は、eヒューズコントローラ130からの判定信号が、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態であることを示す信号(例えばロウレベル)でない場合(言い換えると、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態ではないことを示す信号(例えばハイレベル)である場合)、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させない。
【0048】
図8は、電源電圧、VDD監視回路110の判定信号、及びeヒューズコントローラ130の判定信号の時間推移の一例について示すタイムチャートである。電源電圧が閾値VDD_th以上となると(時刻t1参照)、VDD監視回路110の判定信号は、電源電圧が閾値以上であることを示す信号状態(ハイレベル)に変わる。また、その後、eヒューズコントローラ130によりeヒューズ120の切断状況が確認され、eヒューズ120のヒューズ状態が所定の状態であると判定されると(時刻t2参照)、eヒューズコントローラ130の判定信号は、ヒューズ状態が所定の状態であることを示す信号状態(ロウレベル)に変わる。この場合、論理回路L3は、時刻t2までは、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させない。論理回路L3は、時刻t2以降、セレクト信号SS1、SS2の信号状態に応じて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2を駆動させる。
【0049】
また、本実施の形態では、論理回路L3は、さらに別の信号を、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動の制御に用いる。具体的には、Hブリッジ回路の駆動の停止を強制する強制信号が用いられる。図7に示したように、論理回路L3には、Hブリッジ回路HBR1の駆動の停止を強制する強制信号DIS1と、Hブリッジ回路HBR2の駆動の停止を強制する強制信号DIS2とが、MCU200から入力される。MCU200は、Hブリッジ回路HBR1の駆動を強制停止する場合、強制信号DIS1を論理回路L3に出力する。また、MCU200は、Hブリッジ回路HBR2の駆動を強制停止する場合、強制信号DIS2を論理回路L3に出力する。論理回路L3は、強制信号DIS1を受信した場合、他の信号の信号状態にかかわらず、Hブリッジ回路HBR1が駆動しないよう制御する。また、論理回路L3は、強制信号DIS2を受信した場合、他の信号の信号状態にかかわらず、Hブリッジ回路HBR2が駆動しないよう制御する。
【0050】
以上、実施の形態3について説明した。本実施の形態では、論理回路L3は、電源電圧の状態に基づいて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動を制御する。これにより、電源電圧が所定の値に満たない場合にHブリッジ回路HBR1、HBR2が駆動することを抑制することができる。また、論理回路L3は、eヒューズ120のヒューズ状態に基づいて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動を制御する。これにより、ヒューズ状態が所望の状態となっていない状況、すなわち、所望の設定が実現されていない状況において、Hブリッジ回路HBR1、HBR2が駆動することを抑制することができる。また、論理回路L3は、強制信号DIS1、DIS2に基づいて、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動を制御する。これにより、Hブリッジ回路HBR1、HBR2の駆動を強制的に禁止することができる。なお、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、チップ特定情報の出力が行われてもよい。
【0051】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態では、2つのHブリッジ回路HBR1、HBR2が設けられた構成について示したが、Hブリッジ回路の数が3つ以上であってもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1、10、20、90 半導体装置
100、101、102 半導体チップ
110 VDD監視回路
120 eヒューズ
130 eヒューズコントローラ
300 アクチュエータ
CI、CI_1、CI_2 チップ特定情報
DIS1、DIS2 強制信号
HBR、HBR1、HBR2 Hブリッジ回路
L、L1、L2、L3 論理回路
SCLK クロック信号
SI 制御情報入力信号
SO 出力信号
SS1、SS2 セレクト信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8