(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
立体物を載置する第1テーブル、及びメディアを載置する載置面を有し当該載置面と当該載置面とは反対側の裏面との間を貫通する複数の貫通孔を有する第2テーブルのそれぞれのテーブルを交換可能に装着するテーブル装着部と、
前記テーブル装着部に装着される前記テーブルに向けて、前記立体物を造形する造形材と、前記立体物及び前記メディアを着色する着色材とを吐出する吐出ユニットと、
前記テーブル装着部と前記吐出ユニットとを鉛直方向及び水平方向に相対的に移動させる相対移動部と、
前記テーブル装着部に前記第2テーブルが装着される場合に前記第2テーブルの前記裏面側を減圧し、前記メディアを前記載置面に吸着させる吸引部と
を備える印刷装置。
前記吸引部は、前記第2テーブルの前記裏面のうち複数の前記貫通孔が設けられる領域に亘って配置される減圧室と、前記減圧室を減圧する減圧部とを有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
前記テーブル装着部に装着されたテーブルが前記第1テーブルか前記第2テーブルかを検出するテーブル検出部を更に備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
前記テーブル検出部の検出結果に基づいて、前記吐出ユニット、前記テーブル装着部、前記相対移動部、及び前記吸引部の少なくとも1つを制御する制御装置を更に備える請求項7に記載の印刷装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の印刷装置においては、立体物を高精度に形成することに加えて、メディアに対して画像を高精細に形成することが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、1台の装置において立体物を高精度に形成し、かつメディアに画像を高精細に形成することが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷装置は、立体物を載置する第1テーブル、及びメディアを載置する載置面を有し当該載置面と当該載置面とは反対側の裏面との間を貫通する複数の貫通孔を有する第2テーブルのそれぞれのテーブルを交換可能に装着するテーブル装着部と、前記テーブル装着部に装着される前記テーブルに向けて、前記立体物を造形する造形材と、前記立体物及び前記メディアを着色する着色材とを吐出する吐出ユニットと、前記テーブル装着部と前記吐出ユニットとを鉛直方向及び水平方向に相対的に移動させる相対移動部と、前記テーブル装着部に前記第2テーブルが装着される場合に前記第2テーブルの前記裏面側を減圧し、前記メディアを前記載置面に吸着させる吸引部とを備える。
【0007】
本発明によれば、立体物を造形する際にはテーブル装着部に第1テーブルを装着させることで、立体物を高精度に形成可能である。また、メディアに着色材を吐出する場合、テーブル装着部に第2テーブルを交換して装着することができる。この場合、吸引部によってメディアを載置面に吸着した状態でメディアに着色材を吐出することができるため、第2テーブルに対するメディアの位置ずれを抑制できる。このため、メディアに対して画像を高精細に形成することができる。したがって、1台の装置において立体物を高精度に形成し、かつメディアに画像を高精細に形成することが可能となる。
【0008】
また、前記テーブル装着部は、前記第1テーブル及び前記第2テーブルとの間を位置決めする位置決め部を有してもよい。
【0009】
本発明によれば、第1テーブル及び第2テーブルとテーブル装着部との間が位置決め部により位置決めされるため、第1テーブルと第2テーブルとを付け替える場合においても、精度よく取り付けることができる。
【0010】
また、前記吸引部は、前記第2テーブルと一体で設けられてもよい。
【0011】
本発明によれば、第2テーブルを取り外す際、吸引部と一体で取り外すことができる。このため、テーブル装着部に第1テーブルを装着する場合には、テーブル装着部を軽量化することができる。
【0012】
また、前記第2テーブルは、前記吸引部に電気的に接続されるテーブル側コネクタを有し、前記テーブル装着部は、前記第2テーブルが装着される場合に前記テーブル側コネクタに接続される位置に装着部側コネクタを有してもよい。
【0013】
本発明によれば、第2テーブルをテーブル装着部に装着することでテーブル側コネクタが装着部側コネクタに接続されるため、テーブル装着部側と第2テーブル側とを容易に電気的に接続することができる。
【0014】
また、前記吸引部は、前記テーブル装着部と一体で設けられてもよい。
【0015】
本発明によれば、吸引部とテーブル装着部とが一体で設けられることで、第2テーブルを軽量化することができるため、第2テーブルの着脱動作を容易に行うことができる。
【0016】
また、前記吸引部は、前記第2テーブルの前記裏面のうち複数の前記貫通孔が設けられる領域に亘って配置される減圧室と、前記減圧室を減圧する減圧部とを有してもよい。
【0017】
本発明によれば、減圧部により減圧室を減圧することで、複数の貫通孔を均等な圧力で吸引することができる。
【0018】
また、前記テーブル装着部に装着されたテーブルが前記第1テーブルか前記第2テーブルかを検出するテーブル検出部を更に備えてもよい。
【0019】
本発明によれば、テーブル装着部に装着されたテーブルが第1テーブルか第2テーブルかを検出することにより、例えばテーブル装着部に装着されたテーブルをユーザに入力させる動作が不要となる。
【0020】
また、前記テーブル検出部の検出結果に基づいて、前記吐出ユニット、前記テーブル装着部、前記相対移動部、及び前記吸引部の少なくとも1つを制御する制御装置を更に備えてもよい。
【0021】
本発明によれば、テーブル装着部に装着されたテーブルを検出した検出結果に基づいて吐出ユニット、テーブル装着部、相対移動部、吸引部の少なくとも1つを制御するため、立体物の造形及びメディアに対する画像の形成を効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の態様によれば、1台の装置において立体物を高精度に形成し、かつメディアに画像を高精細に形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る印刷装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素に、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る印刷装置の一例を示す模式図である。
図1に示す印刷装置100は、積層造形法により立体物5を造形する立体物造形動作と、メディア7に二次元の画像を形成する画像形成動作とを行う。この場合、積層造形法とは、例えば、複数の層を重ねて立体物5を造形する方法である。立体物5とは、例えば、3次元構造物のことである。印刷装置100において実行する立体物造形動作は、例えば、立体物5に着色を施すものであってもよい。なお、立体物造形動作は、サポート6を用いることなく平面上に凹凸を形成する動作、つまり、画像形成動作と立体物造形動作との間のいわゆる2.5次元の動作を含む。また、メディア7は、紙、布帛、フィルム等のシート状のメディアであってもよいし、ディスク等の板状のメディアであってもよい。
【0026】
印刷装置100は、吐出ユニット10と、テーブル装着部20と、相対移動部30と、吸引部40と、制御装置50とを備える。吐出ユニット10、テーブル装着部20、相対移動部30及び吸引部40は、不図示の筐体の内部空間に収容されている。内部空間は、例えば装置外部に対して封止された状態にすることが可能であってもよい。本実施形態では、テーブル装着部20と、吸引部40と、テーブルTBとにより、載置台60が構成される。
【0027】
吐出ユニット10は、主走査方向(図中のY方向)に移動可能である。吐出ユニット10は、造形材吐出部11と、着色材吐出部12と、紫外線照射部13、14と、平坦化部15とを有する。造形材吐出部11は、立体物5を造形する造形材を含む液滴を吐出する。造形材吐出部11は、例えば所定の条件に応じて硬化する樹脂である硬化性樹脂の液滴等を吐出し、硬化させることにより、立体物5を構成する各層を形成する。より具体的には、造形材吐出部11は、例えば、制御装置50の指示に応じて液滴を吐出することにより、硬化性樹脂の層を形成する層形成動作と、層形成動作で形成された硬化性樹脂の層を硬化させる硬化動作とを複数回繰り返して行う。造形材吐出部11は、これらの動作を繰り返し行うことにより、硬化した硬化性樹脂の層を複数層重ねて形成する。
【0028】
造形材吐出部11から吐出する硬化性樹脂としては、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型樹脂等が用いられる。この場合、造形材吐出部11は、立体物5の材料となる液滴として、例えば、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出する。また、硬化動作では、紫外線光源により紫外線を照射することにより、硬化性樹脂の層を硬化させる。この場合、硬化性樹脂の層とは、紫外線硬化型インクのことである。
【0029】
また、造形材吐出部11は、立体物5の造形時において、立体物5の一部分を支持するサポート6を形成するサポート材を吐出する。サポート6は、造形中の立体物5を支えるための積層構造物(サポート層)であり、立体物5の造形完了後に、水等により溶解除去される。
【0030】
着色材吐出部12は、立体物5及びメディア7を含む対象物を着色する着色材を含む液体を吐出する。着色材吐出部12は、例えば所定の条件に応じて硬化する樹脂である硬化性樹脂の液滴等を吐出し、硬化させることにより、対象物に液滴の層を形成する。より具体的には、着色材吐出部12は、例えば、制御装置50の指示に応じて液滴を吐出することにより、硬化性樹脂の層を形成する層形成動作と、層形成動作で形成された硬化性樹脂の層を硬化させる硬化動作とを複数回繰り返して行う。着色材吐出部12は、これらの動作を繰り返し行うことにより、硬化した硬化性樹脂の層を平面状に配置する。
【0031】
着色材吐出部12から吐出する硬化性樹脂としては、例えば、造形材吐出部11と同様に、紫外線硬化型樹脂等が用いられる。この場合、着色材吐出部12は、画像を形成する液滴として、例えば、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出する。また、硬化動作では、紫外線光源により紫外線を照射することにより、硬化性樹脂の層を硬化させる。この場合、硬化性樹脂の層とは、紫外線硬化型インクのことである。なお、着色材吐出部12は、有色の紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、対象物の表面に着色された画像を形成可能である。
【0032】
図2は、吐出ユニット10を液滴の吐出面側から見た状態を示す図である。
図2に示すように、造形材吐出部11は、造形材吐出ヘッド11aと、サポート材吐出ヘッド11bとを有する。造形材吐出ヘッド11a及びサポート材吐出ヘッド11bは、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。造形材吐出ヘッド11aは、立体物5を形成するための流動性を有する造形材として用いる紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドになっている。造形材吐出ヘッド11aは、所定の色の造形用インク(MO)のインク滴を吐出することが可能になっている。造形用インクとしては、例えば、白色のインク、またはクリアインク等を用いてもよい。サポート材吐出ヘッド11bは、サポート6(
図1参照)のサポート材を含むインク滴を吐出するインクジェットヘッドになっている。この場合におけるサポート材としては、立体物5の造形後に水で溶解可能な水溶性の材料を用いることが好ましい。なお、サポート材としては、サポート6用の公知の材料を適宜用いてもよい。
【0033】
着色材吐出部12は、複数の有色インク用ヘッド12y、12m、12c、12k(以下、複数の有色インク用ヘッド12y〜12kと記載する)と、白インク用ヘッド12wと、クリアインク用ヘッド12aとを有する。複数の有色インク用ヘッド12y〜12k、白インク用ヘッド12w、及びクリアインク用ヘッド12aは、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。
【0034】
有色インク用ヘッド12y〜12kは、互いに異なる色の有色のインクのインク滴をそれぞれ吐出するインクジェットヘッドになっている。有色インク用ヘッド12yは、イエローの紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することが可能になっている。有色インク用ヘッド12mは、マゼンタの紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することが可能になっている。有色インク用ヘッド12cは、シアンの紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することが可能になっている。有色インク用ヘッド12kは、ブラックの紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することが可能になっている。白インク用ヘッド12wは、白色の紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドになっている。クリアインク用ヘッド12aは、紫外線硬化型のクリアインクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドになっている。このクリアインクとは、透明色であるクリア色のインクであり、無色透明のインクになっている。このクリアインクは、紫外線硬化型の樹脂を含み、且つ、着色剤を含まないインクになっている。
【0035】
各ヘッドは、副走査方向(X方向)における位置を揃えて、主走査方向(Y方向)へ並んで配置されている。また、各ヘッドは、それぞれ所定のインク流通経路を介して、不図示のインク供給源に接続されている。インク供給源は、例えば印刷装置100に対して着脱可能なカートリッジ型であってもよいし、印刷装置100の外部に装着される構成であってもよい。各ヘッドには、インク供給源からインク流通経路を流通してインクが供給される。インク流通経路は、例えば不図示のサブタンクを有してもよい。
【0036】
上記各ヘッドとしては、例えば、公知のインクジェットヘッドを好適に用いることができる。これらのインクジェットヘッドは、載置台60(
図1等参照)と対向する面に、複数のノズルが副走査方向へ並ぶノズル列を有する。それぞれのインクジェットヘッドにおけるノズル列は、並び方向が同一で、且つ、互いに平行になる。また、主走査動作時において、ノズルが並ぶ方向と直交する主走査方向へ移動しつつ、テーブルTBに向けて、Z方向へインク滴をそれぞれ吐出する。
【0037】
紫外線照射部13、14は、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線の光源であり、紫外LED(Light Emitting Diode)、メタルハライドランプ、水銀ランプ等が用いられる。紫外線照射部13、14は、照度を調整可能である。また、紫外線照射部13、14は、互いに異なる複数の波長の紫外線を照射可能である。
【0038】
紫外線照射部13、14のそれぞれは、上記各ヘッドを挟むように、吐出ユニット10における主走査方向の一端側及び他端側のそれぞれに配置される。本実施形態の印刷装置100では、紫外線照射部13が主走査方向(Y方向)における吐出ユニット10の一端側に配置されており、紫外線照射部14が主走査方向(Y方向)における吐出ユニット10の他端側に配置されている。
【0039】
平坦化部15は、立体物5の造形中に形成される紫外線硬化型インクの層を平坦化する。平坦化部15は、上記クリアインク用ヘッド12aと、紫外線照射部14との間に配置される。これにより、平坦化部15は、上記各ヘッドの並びに対して、副走査方向の位置を揃えて、主走査方向へ並べて配置される。この平坦化部15は、吐出ユニット10に対して上下方向に移動可能に設けられている。平坦化部15は、キャリッジ34(
図1参照)と共に主走査方向(図中のY方向)へ移動して流動可能な状態の造形材における余剰造形材を掻き取るための回転自在な平坦化ローラ15aと、平坦化ローラ15aにより掻き取られた余剰造形材を回収する余剰造形材回収機構15b(
図1参照)と、を有している。
【0040】
図3は、本実施形態に係る載置台60の一例を示す分解斜視図である。
図4は、本実施形態に係る載置台60の一例を示す平面図である。
図5は、本実施形態に係る載置台60の一例を示す断面図であり、
図4におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図6は、本実施形態に係る載置台60の一例を示す底面図である。
図3では、テーブルTBとして第1テーブル61が装着された構成を示している。
図4から
図6では、テーブルTBとして第2テーブル62が装着された構成を例に挙げて示している。
【0041】
図1及び
図3から
図6に示すように、テーブル装着部20は、第1テーブル61及び第2テーブル62のそれぞれのテーブルTBを交換可能に装着する。第1テーブル61及び第2テーブル62は、例えば同一の寸法に形成されるが、これに限定されず、異なる寸法に形成されてもよい。
【0042】
第1テーブル61は、立体物5を載置する。第1テーブル61は、例えば板状であり、平面状の載置面61aを有する。第1テーブル61は、立体物5を造形する立体物造形動作を行う場合に、テーブル装着部20に装着して用いられる。
【0043】
第2テーブル62は、メディア7を載置する。第2テーブル62は、メディア7に画像を形成する画像形成動作を行う場合に、テーブル装着部20に装着して用いられる。第2テーブル62は、例えば板状であり、平面状のメディア載置面62aと、メディア載置面62aとは反対側の裏面62bとを有する。第2テーブル62は、メディア載置面62aと裏面62bとを貫通する複数の貫通孔62cを有する。複数の貫通孔62cは、メディア7を載置する領域のほぼ全面に亘って設けられる。
【0044】
第2テーブル62は、位置決め孔62d、62eを有する。位置決め孔62d、62eは、第2テーブル62のメディア載置面62aと裏面62bとを貫通して形成される。位置決め孔62dは、例えば丸穴であり、第2テーブル62の4つの角部の1つに配置される。位置決め孔62eは、例えば長穴であり、第2テーブル62の4つの角部のうち位置決め孔62dが配置される角部と対向する角部に配置される。位置決め孔62eは、第2テーブル62の角部側から中央部側に向けて延びている。なお、第2テーブル62は、位置決め孔62d、62eに加えて、第2テーブル62の残りの角部にそれぞれ通し孔が形成されてもよい。
【0045】
テーブル装着部20は、第1テーブル61及び第2テーブル62のうち1つのテーブルTBを装着可能である。テーブル装着部20は、第1テーブル61及び第2テーブル62のそれぞれのテーブルTBを交換可能に装着する。第1テーブル61及び第2テーブル62の一方がテーブル装着部20に装着される場合、他方のテーブルは装着されない。
【0046】
テーブル装着部20は、梁状部材21を有する。梁状部材21は、矩形の環状に形成される。梁状部材21は、一の部材により形成されてもよいし、複数の部材を組み合わせて形成されてもよい。梁状部材21は、テーブルTBを装着する装着面21aを有する。装着面21aは、例えば平面状に形成される。装着面21aには、装着部側コネクタ23が設けられる。装着部側コネクタ23は、第2テーブル62が装着される場合に、テーブル側コネクタ63に接続される位置に配置される。本実施形態では、載置面21aの4つの角部のうち1つの角部に配置される。
【0047】
また、装着面21aには、位置決め部24が設けられる。位置決め部24は、突起部24a、24bを有する。突起部24a、24bは、装着面21aの4つの角部のうち対向する2つの角部に配置される。本実施形態では、突起部24aが対向する2つの角部の一方に配置され、突起部24bが対向する2つの角部の他方に配置される。なお、突起部24a、24bの配置は上記に限定されず、例えば装着面21aの4辺に沿った部分等、他の箇所に配置されてもよい。また、装着部側コネクタ23が位置決め部として用いられてもよい。また、第2テーブル62が位置決め孔62d、62eとは別個に上記の通し孔を有する場合、各通し孔に対応する位置に突起部をそれぞれ設けてもよい。
【0048】
図7は、
図4におけるB−B断面に沿った構成を示す図である。
図7に示すように、突起部24aは、第2テーブル62の位置決め孔62dに挿入される。突起部24aは、位置決め孔62dの径とほぼ等しい径に形成される。このため、第2テーブル62が装着面21aに装着される場合、突起部24aは位置決め孔62dにほぼ隙間なく挿入される。
【0049】
図8は、
図4におけるC−C断面に沿った構成を示す図である。
図8に示すように、突起部24bは、第2テーブル62の位置決め孔62eに挿入される。突起部24bは、位置決め孔62eの短手方向の幅とほぼ等しい径に形成される。このため、第2テーブル62が装着面21aに装着される場合、突起部24bは、位置決め孔62eに短手方向についてはほぼ隙間なく挿入される。また、位置決め孔62eが長穴であるため、第2テーブル62毎に突起部24bの位置に誤差がある場合でも、突起部24bを確実に位置決め孔62eに挿入することができる。このため、高精度に位置決め可能となる。
【0050】
また、
図3に示すように、テーブル装着部20は、テーブル検出部25を有する。テーブル検出部25は、テーブル装着部20に装着されたテーブルTBが第1テーブル61か第2テーブル62かを検出する。第1テーブル61及び第2テーブル62には、テーブル検出部25により検出可能な特徴部分を予め形成しておく。例えば、テーブル検出部25として発光部及び受光部を有する光学センサを用いる場合、第1テーブル61及び第2テーブル62の一方に、発光部からの光を遮光する遮光部分を形成しておく。この構成においては、第1テーブル61及び第2テーブル62を装着したことをトリガーとして発光部から光を照射し、当該光又は反射光を受光部により検出する。この場合、受光部において光が検出される場合と検出されない場合とで、第1テーブル61及び第2テーブル62のどちらが装着されたかを検出できる。なお、テーブル検出部25としては、光学センサに限定されず、磁気センサ等、他の種類のセンサであってもよいし、機械スイッチ等であってもよい。
【0051】
続いて、
図1に示すように、相対移動部30は、吐出ユニット駆動部31と、載置台駆動部32とを有する。吐出ユニット駆動部31は、ガイドレール33及びキャリッジ34を有する。ガイドレール33は、例えば棒状であり、主走査方向(Y方向)に平行に配置される。キャリッジ34は、載置台60と対向させて吐出ユニット10を保持する保持部である。即ち、キャリッジ34は、吐出ユニット10から吐出するインク滴の吐出方向が載置台60へ向かう方向になるように、吐出ユニット10を保持している。キャリッジ34は、ガイドレール33に接続され、不図示の駆動源によりガイドレール33に案内されて吐出ユニット10を保持した状態で主走査方向(Y方向)に移動する。
【0052】
載置台駆動部32は、Zガイドバー35と、Z移動体36と、Xガイド37と、X移動体38とを有する。Zガイドバー35は、棒状であり、鉛直方向(Z方向)に平行に配置される。Z移動体36は、Zガイドバー35に接続される。Z移動体36は、不図示の駆動源により、Zガイドバー35に案内されて鉛直方向(Z方向)に移動する。
【0053】
Xガイド37は、Z移動体36と一体で設けられる。Xガイド37は、副走査方向(X方向)に平行に配置される。X移動体38は、梁状部材21に固定される。X移動体38は、Xガイド37に接続され、不図示の駆動源によりXガイド37に案内されてX方向に移動する。X移動体38が副走査方向(X方向)に移動することにより、X移動体38と一体で梁状部材21がX方向に移動する。
【0054】
続いて、
図1、
図3、
図5及び
図6に示すように、吸引部40は、第2テーブル62と一体で設けられる。吸引部40は、減圧室形成部材41と、ファン42とを有する。減圧室形成部材41は、第2テーブル62の裏面62bに固定される。減圧室形成部材41は、例えば矩形の箱状であり、底部41a及び側部41bを有する。底部41aは、例えば平板状である。底部41aには、開口部41cが形成される。開口部41cは、底部41aを貫通して設けられる。開口部41cは、例えば矩形状であるが、これに限定するものではなく、他の形状であってもよい。開口部41cは、例えば底部41aに複数(本実施形態では2つ)設けられる。なお、開口部41cは、1つ設けられた構成であってもよいし、3つ以上設けられた構成であってもよい。側部41bは、例えば矩形の環状であり、第2テーブル62の裏面62bに固定される。減圧室形成部材41は、底部41aと、側部41bと、第2テーブル62の裏面62bとの間に減圧室41Kを形成する。減圧室41Kは、例えば第2テーブル62のうち複数の貫通孔62cに接続される範囲に形成される。
【0055】
ファン42は、減圧室形成部材41の底部41aに取り付けられる。ファン42は、各開口部41cに対応する位置に設けられる。ファン42は、開口部41cから減圧室41Kを吸引する。ファン42により減圧室41Kを吸引することで、減圧室41Kの全体が均等に減圧される。このため、第2テーブル62の複数の貫通孔62cの間で吸引力を均等にすることができる。各ファン42は、例えば不図示の配線等によりテーブル側コネクタ63に電気的に接続される。したがって、各ファン42は、テーブル側コネクタ63に接続される装着部側コネクタ23を介して印刷装置100の電源に接続される。印刷装置100は、例えばファン42を起動するための不図示の起動スイッチを有している。印刷装置100は、起動スイッチを手動でオンにすることで各ファン42が起動し、起動スイッチを手動でオフにすることで各ファン42が停止するようになっている。
【0056】
次に、上記の印刷装置100の動作を説明する。まず、立体物造形動作を行う場合について説明する。この場合、テーブル装着部20には予め第1テーブル61を装着しておく。なお、テーブル装着部20に第1テーブル61が装着された場合、テーブル検出部25は、テーブル装着部20に装着されたテーブルTBが第1テーブル61であると判定し、判定結果を制御装置50に送信する。制御装置50は、判定結果に基づいて、相対移動部30により、第1テーブル61の載置面61aのZ位置を調整させる。例えば、制御装置50は、第1テーブル61の載置面61aのZ位置が初期位置となるように調整する。初期位置については、予め制御装置50の記憶部に記憶させておく。この状態で、例えば、外部装置から3次元データが入力された場合、制御装置50は、入力された3次元データに基づいて、初期の造形条件を設定し、当該造形条件に従って立体物造形動作を行わせる。
【0057】
立体物造形動作において、制御装置50は、載置台60をX方向及びZ方向に移動させ、キャリッジ34をY方向に移動させることで、吐出ユニット10と第1テーブル61とを相対的に移動させる。そして、制御装置50は、吐出ユニット10から液滴を吐出させることにより、第1テーブル61の載置面61aに立体物5を造形する。
【0058】
次に、画像形成動作を行う場合について説明する。この場合、テーブル装着部20には予め第2テーブル62を装着しておく。第2テーブル62をテーブル装着部20に装着する場合、まず第2テーブル62と一体で設けられる吸引部40を梁状部材21の内部に挿入する。その後、第2テーブル62の位置決め孔62d、62eに突起部24a、24bが挿入され、かつ、テーブル側コネクタ63が装着部側コネクタ23に接続されるように第2テーブル62を装着する。これにより、第2テーブル62の位置決め及び電気的接続を一動作で行うことができる。
【0059】
テーブル装着部20に第2テーブル62が装着された場合、テーブル検出部25は、テーブル装着部20に装着されたテーブルTBが第2テーブル62であると判定し、判定結果を制御装置50に送信する。制御装置50は、判定結果に基づいて、相対移動部30により、第2テーブル62のメディア載置面62aのZ位置を調整させる。例えば、制御装置50は、第2テーブル62のメディア載置面62aのZ位置が初期位置となるように調整する。初期位置については、予め制御装置50の記憶部に記憶させておく。
【0060】
第2テーブル62の位置の調整が完了した後、第2テーブル62にメディア7を配置させる。その後、ファン42の起動スイッチがオンになった場合、制御装置50は、ファン42を起動させる。ファン42の起動により、減圧室41Kが減圧され、第2テーブル62の複数の貫通孔62cがメディア7を吸引する。このため、第2テーブル62が移動する場合であっても、メディア7の位置ずれを抑制できる。
【0061】
この状態で、例えば、外部装置から画像データが入力された場合、制御装置50は、入力された画像データに基づいて、初期の画像形成条件を設定し、当該画像形成条件に従って画像形成動作を行わせる。画像形成動作において、制御装置50は、載置台60をX方向に移動させ、キャリッジ34をY方向に移動させることで、吐出ユニット10とメディア7とを主走査方向及び副走査方向に相対的に移動させる。この場合、制御装置50は、第2テーブル62を装置の奥側から手前側に向けてX方向に移動させる。そして、制御装置50は、吐出ユニット10から液滴を吐出させることにより、メディア7に画像を形成する。
【0062】
その後、例えば再度立体物造形動作を行う場合等には、第2テーブル62をテーブル装着部20から取り外し、第1テーブル61をテーブル装着部20に装着する。第2テーブル62をテーブル装着部20から取り外す場合、テーブル装着部20側をZ方向に移動しないように規制した状態で、第2テーブル62をZ方向の上方に引き上げる。まず、テーブル側コネクタ63が装着部側コネクタ23から外れる。その後、突起部24a、24bが位置決め孔62d、62eから抜ける。そして、吸引部40が梁状部材21ら取り出される。第2テーブル62を取り外した後、第1テーブル61をテーブル装着部20に装着する。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る印刷装置100は、立体物5を載置する第1テーブル61、及びメディア7を載置するメディア載置面62aを有し当該メディア載置面62aと裏面62bとの間を貫通する複数の貫通孔62cを有する第2テーブル62のそれぞれのテーブルTBを交換可能に装着するテーブル装着部20と、テーブル装着部20に装着されるテーブルTBに向けて、立体物5を造形する造形材と、立体物5及びメディア7を着色する着色材とを吐出する吐出ユニット10と、テーブル装着部20と吐出ユニット10とを鉛直方向及び水平方向に相対的に移動させる相対移動部30と、テーブル装着部20に第2テーブル62が装着される場合に第2テーブル62の裏面62b側を吸引し、メディア7をメディア載置面62aに吸着させる吸引部40とを備える。
【0064】
この構成によれば、立体物5を造形する際にはテーブル装着部20に第1テーブル61を装着させることで、立体物5を高精度に造形可能である。また、メディア7に着色材を吐出する場合、テーブル装着部20に第2テーブル62を交換して装着することができる。この場合、吸引部40によってメディア7をメディア載置面62aに吸着した状態でメディア7に着色材を吐出することができるため、第2テーブル62に対するメディア7の位置ずれを抑制できる。このため、メディア7に対して画像を高精細に形成することができる。したがって、1台の装置において立体物5を高精度に形成し、かつメディア7に画像を高精細に形成することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態に係る印刷装置100において、テーブル装着部20は、第1テーブル61及び第2テーブル62との間を位置決めする位置決め部24を有している。この構成により、第1テーブル61及び第2テーブル62とテーブル装着部20との間が位置決め部24により位置決めされるため、第1テーブル61と第2テーブル62とを付け替える場合においても、精度よく取り付けることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る印刷装置100において、吸引部40は、第2テーブル62と一体で設けられる。この構成により、第2テーブル62を取り外す際、吸引部40と一体で取り外すことができる。このため、テーブル装着部20に第1テーブル61を装着する場合には、テーブル装着部20を軽量化することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る印刷装置100において、第2テーブル62は、吸引部40に電気的に接続されるテーブル側コネクタ63を有し、テーブル装着部20は、第2テーブル62が装着される場合にテーブル側コネクタ63に接続される位置に装着部側コネクタ23を有する。この構成により、第2テーブル62をテーブル装着部20に装着することでテーブル側コネクタ63が装着部側コネクタ23に接続されるため、テーブル装着部20側と第2テーブル62側とを容易に電気的に接続することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る印刷装置100において、吸引部40は、第2テーブル62の裏面62bのうち複数の貫通孔62cが設けられる領域に亘って配置される減圧室41Kと、減圧室41Kを減圧するファン42とを有してもよい。この構成により、ファン42により減圧室41Kを減圧することで、複数の貫通孔62cを均等な圧力で吸引することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る印刷装置100は、テーブル装着部20に装着されたテーブルTBが第1テーブル61か第2テーブル62かを判定するテーブル検出部25を更に備えてもよい。この構成において、テーブル装着部20に装着されたテーブルTBが第1テーブル61か第2テーブル62かを判定することにより、例えばテーブル装着部20に装着されたテーブルTBをユーザに入力させる動作が不要となる。
【0070】
また、本実施形態に係る印刷装置100は、テーブル検出部25の判定結果に基づいて、吐出ユニット10、テーブル装着部20、相対移動部30、及び吸引部40の少なくとも1つを制御する制御装置50を更に備える。この構成により、テーブル装着部20に装着されたテーブルTBを判定した判定結果に基づいて吐出ユニット10、テーブル装着部20、相対移動部30、及び吸引部40の少なくとも1つを制御するため、立体物5の造形及びメディア7に対する画像の形成を効率的に行うことが可能となる。
【0071】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態を説明する。
図9は、第2実施形態に係る印刷装置200における載置台160の一例を示す断面図である。第2実施形態では、第1実施形態に係る印刷装置100と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図9に示す印刷装置200は、吸引部の構成が第1実施形態とは異なっているため、当該相違点を中心に説明する。
【0072】
図9に示すように、第2実施形態に係る吸引部140は、テーブル装着部20と一体で設けられる。吸引部140は、減圧室形成部材141と、ファン42とを有する。減圧室形成部材141は、テーブル装着部20を構成する梁状部材21の底面21bに取り付けられる。減圧室形成部材141は、梁状部材21の開口部分を閉塞する位置に配置される。テーブル装着部20に第2テーブル62が装着された場合、減圧室形成部材141と、梁状部材21の内周面21cと、第2テーブル62の裏面62bとで囲まれた減圧室141Kを形成する。なお、第2実施形態において、第1実施形態の減圧室形成部材41と同様の構成を有する減圧室形成部材が用いられ、当該減圧室形成部材が梁状部材21に固定された構成であってもよい。
【0073】
本実施形態に係る印刷装置200において、吸引部140は、テーブル装着部20と一体で設けられる。この構成によれば、吸引部140とテーブル装着部20とが一体で設けられることで、第2テーブル62を軽量化することができるため、第2テーブル62の着脱動作を容易に行うことができる。
【0074】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、ファン42を起動させる起動スイッチが設けられ、ファン42の起動時に手動でオン又はオフをユーザに行わせる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、テーブル検出部25の検出結果に基づいて、制御装置50がファン42のオン及びオフを制御してもよい。
【0075】
例えば、制御装置50は、テーブル検出部25においてテーブル装着部20に装着されたテーブルTBが第2テーブル62であることが検出された場合、第2テーブル62のメディア載置面62aにメディア7が載置されたか否かを検出する。この場合、メディア7の検出を行うメディア検出部を別途配置された構成であってもよいし、ユーザが手作業でメディア7を載置したことを入力する構成であってもよい。
【0076】
制御装置50は、メディア7が載置されたことを検出した場合、ファン42をオンにする。これにより、減圧室41Kが減圧され、メディア7がメディア載置面62aに吸着される。その後、制御装置50は、当該メディア7についての画像形成動作が完了した後、ファン42をオフにする。例えば、画像形成動作が完了した場合、第2テーブル62が装置の奥側から手前側にX方向に移動した状態となっている。この状態から、制御装置50は、ファン42をオフにし、減圧室41Kの減圧を停止させる。これにより、メディア7の吸着が解除される。
【0077】
このように、テーブル装着部20に載置されたテーブルTBの種類と、画像形成動作の進行状況に応じて、制御装置50が自動的にファン42のオン及びオフを制御することにより、ユーザの入力作業を低減させることができる。これにより、効率的な画像形成動作が可能となる。